JP4429438B2 - アミノ化合物及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はアミノ化合物、それを用いた有機薄膜及び有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、エレクトロルミネッセンスを「EL」と略記する。)に関する。さらに詳しくは、本発明は、耐熱性に優れるとともに長寿命の有機EL素子を与えるアミノ化合物、この化合物からなるガラス転移温度90℃以上の耐熱性に優れた有機薄膜、並びに該化合物を発光層や正孔注入輸送層に含有させてなる耐熱性に優れかつ長寿命の有機EL素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電界発光を利用したEL素子は、自己発光のため視認性が高く、かつ完全固体素子であるため、耐衝撃性に優れるなどの特徴を有することから、各種表示装置における発光素子としての利用が注目されている。
このEL素子には、発光材料に無機化合物を用いてなる無機EL素子と有機化合物を用いてなる有機EL素子とがあり、このうち、特に有機EL素子は、印加電圧を大幅に低くしうる上、小型化が容易であって、消費電力が小さく、面発光が可能であり、かつ三原色発光も容易であることから、次世代の発光素子としてその実用化研究が積極的になされている。
この有機EL素子の構成については、陽極/有機発光層/陰極の構成を基本とし、これに正孔注入輸送層や電子注入層を適宜設けたもの、例えば陽極/正孔注入輸送層/有機発光層/陰極や、陽極/正孔注入輸送層/有機発光層/電子注入層/陰極などの構成のものが知られている。
【0003】
このような有機EL素子の実用化に当たっては、屋外や、車搭載などにおける高温環境下での駆動安定性及び保存安定性などが求められている。屋外や、車搭載用機器へ有機EL素子を使用する場合には、一般に75℃高温保存安定性が要求される。しかしながら、従来の有機EL素子を75℃程度の高温下に保存すると発光色が変化し、発光効率が低下するという問題が生じていた。このため、有機EL素子の用途が制限されるのを免れなかった。
そこで、有機EL素子の熱安定性を高めることがこれまで種々試みられており、例えばアミン誘導体からなる発光材料が提案されている(特許第2712634号、特開平6−240245号公報)。具体的には、式
【0004】
【化5】
【0005】
で表される化合物などが開示されている。しかしながら、これらの化合物は、発光効率が低く、かつ印加電圧が高い上、ガラス転移温度が約60℃程度と低く、保存温度85℃で素子の効率が低下したり、寿命が短くなるなど、耐熱性,寿命及び発光効率共に、必ずしも充分に満足しうるものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況下で、耐熱性に優れると共に長寿命の有機EL素子を与える化合物、この化合物からなる有機薄膜及び該化合物を用いた有機EL素子を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有するアミノ又はスチリル化合物により、その目的を達成しうることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したのである。
【0008】
すなわち、本発明は、
(1)一般式(I)
【化6】
(式中、Ar1 は炭素数6〜30の二価又は三価の芳香族基、X1 及びX2 は、それぞれスチリル基,スチリルアリール基,ジアリールアミノ基又はジアリールアミノアリール基、nは0又は1を示す。D1 はX1 及びX2 のいずれかがスチリル基又はスチリルアリール基の場合、4環以上の炭素環を有する炭素数16〜60の一価の芳香族基を示し、その他の場合は5環以上の炭素環を有する炭素数20〜60の一価の芳香族基を示す。D1 ,Ar1 ,X1 及びX2 は、それぞれ置換基を有していてもよく、有さなくてもよい。)
【0009】
又は一般式(I’)
【化7】
(式中、Ar1'は炭素数6〜30の三価の芳香族基、X1'及びX2'は、それぞれアリール基、スチリル基,スチリルアリール基,ジアリールアミノ基又はジアリールアミノアリール基を示す。D1 はX1'及びX2'のいずれかがアリール基、スチリル基又はスチリルアリール基の場合、4環以上の炭素環を有する炭素数16〜60の一価の芳香族基を示す。D1 ,Ar1',X1'及びX2'は、それぞれ置換基を有していてもよく、有さなくてもよい。ただし、D1 は
【化8】
で示される基及びこれに置換基を付加した基を含まない。)
で表されるアミノ又はスチリル化合物、
(2)上記アミノ又はスチリル化合物からなるガラス転移温度90℃以上の有機薄膜、及び
(3)一層以上の有機化合物層を、陽極と陰極とで構成された一対の電極で挟持してなる有機EL素子において、有機化合物層の少なくとも一層が、上記アミノ又はスチリル化合物を含有することを特徴とする有機EL素子、
を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のアミノ又はスチリル化合物は、一般式(I)
【化9】
で表される構造を有するものである。
上記一般式(I)において、Ar1 は炭素数6〜30の二価又は三価の芳香族基、X1 及びX2 は、それぞれスチリル基,スチリルアリール基,ジアリールアミノ基又はジアリールアミノアリール基、nは0又は1を示す。D1 はX1 及びX2 のいずれかがスチリル基又はスチリルアリール基の場合、4環以上の炭素環を有する炭素数16〜60の一価の芳香族基を示し、その他の場合は5環以上の炭素環を有する炭素数20〜60の一価の芳香族基を示す。
【0011】
また、本発明のアミノ又はスチリル化合物は、一般式(I’)
【化10】
で表される構造を有するものである。
上記一般式(I)において、Ar1'は炭素数6〜30の三価の芳香族基、X1'及びX2'は、それぞれアリール基、スチリル基,スチリルアリール基,ジアリールアミノ基又はジアリールアミノアリール基を示す。D1 はX1'及びX2'のいずれかがアリール基、スチリル基又はスチリルアリール基の場合、4環以上の炭素環を有する炭素数16〜60の一価の芳香族基を示す。D1 ,Ar1',X1'及びX2'は、それぞれ置換基を有していてもよく、有さなくてもよい。ただし、D1 は
【化11】
で示される基及びこれに置換基を付加した基を含まない。
【0012】
D1 は、
【化12】
(mは1〜3の整数であり、置換基が導入されていても良い)のいずれかで示される一価の基、又はビフェニル,ターフェニル,クォーターフェニル,キンクフェニル,ナフタレン,アズレン,アセナフテン,アントラセン,フルオレン,ナフタセン,ピレン,トリフェニレン,クリセン,ピセン,ペリレン,フルオランテン,ペンタセン及びコロネンの中から選ばれた化合物の一価又は二価の残基を含むものが好ましく、さらに好ましくはナフタレン,アズレン,アセナフテン,アントラセン,フルオレン,ナフタセン,ピレン,トリフェニレン,クリセン,ピセン,ペリレン,フルオランテン,ペンタセン及びコロネンの中から選ばれた化合物の一価又は二価の残基とフェニレン、ビフェニレン及びターフェニレンの中から選ばれた一価又は二価の残基とを合わせ含むものである。
【0013】
上記D1 ,Ar1 ,X1 ,X2 ,Ar1',X1'及びX2'は、それぞれ適当な置換基を有していてもよいし、有さなくてもよい。この適当な置換基としては、例えばフッ素,塩素,臭素,ヨウ素のハロゲン原子、水酸基,シアノ基,ニトロ基,トリフルオロメチル基,アルキル基,アルコキシ基,アルキルチオ基,アリール基,アリールオキシ基,−NR1 R2 ,−COOR3 ,−COR4 ,−SO2 R5 ,−CONR6 R7 ,−SO2 NR8 R9 ,アルキレンジオキシ基,アルキレンジチオ基,置換若しくは無置換のスチリル基,−CR10=CR11R12などを挙げることができる。
ここで、アルキル基としては、直鎖状若しくは分岐状の炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、特に炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。アルコキシ基及びアルキルチオ基のアルキル基は、上記アルキル基と同様である。
【0014】
アリール基は、炭素環式アリール基及び複素環式アリール基のいずれであってもよく、その例としては、フェニル基,ナフチル基,アントリル基,アセナフテニル基,フルオレニル基,フェナントリル基,インデニル基,ピレニル基,ピリジル基,ピリミジル基,フリル基,ピラニル基,チエニル基,キノリル基,ベンゾフリル基,ベンゾチエニル基,インドリル基,カルバゾリル基,ベンゾオキサゾリル基,キノキサリル基,ベンゾイミダゾリル基,ピラゾリル基,ジベンゾフリル基,ジベンゾチエニル基などが挙げられる。これらのアリール基は適当な置換基(ハロゲン原子,水酸基,シアノ基,ニトロ基,アルキル基,アリール基,アルコキシ基,アミノ基など)が導入されていてもよい。アリールオキシ基のアリール基としては、上記アリール基と同じものを挙げるこができる。
また、−NR1 R2 におけるR1 及びR2 は、それぞれ水素原子,アルキル基,アシル基(アセチル基,ベンゾイル基など)又はアリール基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、また、R1 とR2 がたがいに結合し、それらが結合している窒素原子と共に、ピペリジル基やモルホリル基のような環を形成してもよい。また、ユロリジル基のように、アリール基上の炭素原子と共に環を形成してもよい。このR1 ,R2 のうちのアルキル基及びアリール基は、前述のアルキル基及びアリール基と同様である。
【0015】
−COOR3 ,−COR4 及び−SO2 R5 におけるR3 ,R4 及びR5 は、それぞれアルキル基又はアリール基を示し、このアルキル基及びアリール基は、前述のアルキル基及びアリール基と同様である。
−CONR6 R7 及び−SO2 NR8 R9 におけるR6 とR7 、R8 とR9 は、それぞれアリール基上の炭素原子と共に環を形成する場合を除いて、前述R1 及びR2 と同様である。
アルキレンジオキシ基としては、例えばメチレンジオキシ基などが挙げられ、アルキレンジチオ基としては、例えばメチレンジチオ基などが挙げられる。
また、スチリル基の置換基としては、以上説明したすべての置換基を挙げることができ、さらに、−CR10=CR11R12におけるR10,R11及びR12は、それぞれ水素原子又は置換基を示し、この置換基としては、以上説明したすべての置換基を挙げることができる。
【0016】
一般式(I)で表される化合物の具体例、特にD1 が、ナフタレン,アズレン,アセナフテン,アントラセン,フルオレン,ナフタセン,ピレン,トリフェニレン,クリセン,ピセン,ペリレン,フルオランテン,ペンタセン及びコロネンの中から選ばれた化合物の一価又は二価の残基とフェニレン、ビフェニレン及びターフェニレンの中から選ばれた一価又は二価の残基とを合わせ含む具体例を示す。
(1)一般式(I−a)で表される化合物:
【化13】
【0017】
この一般式(I−a)で表される化合物E1〜E10におけるX1 の種類を第1表に示す。
【表1】
【0018】
(2)一般式(I−b)で表される化合物:
【化14】
【0019】
この一般式(I−b)で表される化合物E11〜E20におけるX1 の種類を第2表に示す。
【表2】
【0020】
(3)一般式(I−c)で表される化合物:
【化15】
【0021】
この一般式(I−c)で表される化合物E21〜E30におけるX1 の種類を第3表に示す。
【表3】
【0022】
(4)一般式(I−d)で表される化合物:
【化16】
【0023】
この一般式(I−d)で表される化合物E31〜E40におけるX1 の種類を第4表に示す。
【表4】
【0024】
(5)一般式(I−e)で表される化合物:
【化17】
【0025】
この一般式(I−e)で表される化合物E41〜E47におけるX1 及びX2 の種類を第5表に示す。
【表5】
【0026】
【表6】
【0027】
(6)一般式(I−f)で表される化合物:
【化18】
【0028】
この一般式(I−f)で表される化合物E48〜E52におけるX1 及びX2 の種類を第6表に示す。
【表7】
【0029】
(7)一般式(I−g)で表される化合物:
【化19】
【0030】
この一般式(I−g)で表される化合物E53〜E57におけるX1 及びX2 の種類を第7表に示す。
【表8】
【0031】
(8)一般式(I−h)で表される化合物:
【化20】
【0032】
この一般式(I−h)で表される化合物E58〜E63におけるX1 及びX2 の種類を第8表に示す。
【表9】
【0033】
【表10】
【0034】
(9)一般式(I−i)で表される化合物:
【化21】
【0035】
この一般式(I−i)で表される化合物E64〜E69におけるX1 及びX2 の種類を第9表に示す。
【表11】
【0036】
【表12】
【0037】
一般式(I’)で表される化合物の具体例を示す。
(10)一般式(I’−a)で表される化合物:
【化22】
この一般式(I’−a)で表される化合物E68’E69’、E70〜E86におけるX1 及びX2 の種類を第10表に示す。
【0038】
(11)一般式(I’−b)で表される化合物:
【化23】
この一般式(I’−b)で表される化合物E87〜E105におけるX1 及びX2 の種類を第10表に示す。
【0039】
(12)一般式(I’−c)で表される化合物:
【化24】
この一般式(I’−c)で表される化合物E106〜E124におけるX1 及びX2 の種類を第10表に示す。
【0040】
(13)一般式(I’−d)で表される化合物:
【化25】
この一般式(I’−d)で表される化合物E125〜E143におけるX1 及びX2 の種類を第10表に示す。
【0041】
(14)一般式(I’−e)で表される化合物:
【化26】
この一般式(I’−e)で表される化合物E144〜E162におけるX1 及びX2 の種類を第10表に示す。
【0042】
(15)一般式(I’−f)で表される化合物:
【化27】
この一般式(I’−f)で表される化合物E163〜E181におけるX1 及びX2 の種類を第10表に示す。
【0043】
【表13】
【0044】
【表14】
【0045】
【表15】
【0046】
【表16】
【0047】
このような一般式(I)又は(I’)で表される本発明のアミノ又はスチリル化合物は、蛍光性が高い上、ガラス転移温度が90℃以上の有機薄膜を形成しうるので、発光効率が良好で、かつ耐熱性(保存温度85℃以上)に優れるとともに長寿命の有機EL素子を与えることができる。特にD1 として、5環以上の炭素環を有するもの、さらに好ましくはナフタレン,アズレン,アセナフテン,アントラセン,フルオレン,ナフタセン,ピレン,トリフェニレン,クリセン,ピセン,ペリレン,フルオランテン,ペンタセン及びコロネンの中から選ばれた化合物の一価又は二価の残基とフェニレン、ビフェニレン及びターフェニレンの中から選ばれた一価又は二価の残基とを合わせ含むものを用いることにより、上記の特性をさらに効果的に発揮することができる。
本発明の有機薄膜は、前記一般式(I)又は(I’)で表されるアミノ又はスチリル化合物からなるガラス転移温度が90℃以上のものであって、特に有機EL素子の発光層,正孔注入層及び正孔輸送層として好適である。
この有機薄膜は、例えば蒸着法,スピンコート法,キャスト法などの公知の方法によって、一般式(I)又は(I’)のアミノ又はスチリル化合物を薄膜化することにより形成することができる。
【0048】
次に、本発明の有機EL素子について説明する。
本発明の有機EL素子は、一層以上の有機化合物層を、陽極と陰極とで構成された一対の電極で挟持してなる有機EL素子において、有機化合物層の少なくとも一層が、前記一般式(I)又は(I’)で表されるアミノ又はスチリル化合物を含有するものである。特に発光層,正孔注入層及び正孔輸送層の中から選ばれた有機化合物層の少なくとも一層に、該アミノ又はスチリル化合物を含有させた素子が好適である。
本発明の化合物を用いた有機EL素子の構成は、各種の態様があるが、基本的には、一対の電極(陽極と陰極)間に、発光層を挟持した構成とし、これに必要に応じて、正孔注入輸送層や電子注入層を介在させればよい。介在方法としては、ポリマーへの混ぜ込みや同時蒸着がある。具体的には(1)陽極/発光層/陰極,(2)陽極/正孔注入輸送層/発光層/陰極,(3)陽極/正孔注入輸送層/発光層/電子注入層/陰極,(4)陽極/発光層/電子注入層/陰極などの構成を挙げることができる。該正孔注入輸送層や電子注入層は、必ずしも必要ではないが、これらの層があると発光性能が一段と向上する。
【0049】
また、前記構成の素子においては、いずれも基板に支持されていることが好ましく、該基板については特に制限はなく、従来EL素子に慣用されているもの、例えばガラス,透明プラスチック,石英などから成るものを用いることができる。
このEL素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属,合金,電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としてはAuなどの金属,CuI,ITO,SnO2 ,ZnOなどの誘電性透明材料が挙げられる。該陽極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリングなどの方法により、薄膜を形成させることにより作製することができる。この電極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また、電極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。
さらに膜厚は材料にもよるが、通常10nmないし1μm,好ましくは10〜200nmの範囲で選ばれる。
【0050】
一方、陰極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属,合金,電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム,ナトリウム−カリウム合金,マグネシウム,リチウム,マグネシウム/銅混合物,Al/Al2 O3 ,インジウムなどが挙げられる。該陰極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリングなどの方法により、薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、電極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nmないし1μm,好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。なお、このEL素子においては、該陽極又は陰極のいずれか一方が透明又は半透明であることが、発光を透過するため、発光の取出し効率がよく好都合である。
【0051】
前記構成のEL素子の発光層には、一般式(I)又は(I’)で表される本発明のアミノ又はスチリル化合物を用いることができる。該化合物を発光層とする場合は、例えば蒸着法,スピンコート法,キャスト法などの公知の方法によって、一般式(I)又は(I’)の化合物を薄膜化することにより形成することができるが、特に分子堆積膜とすることが好ましい。ここで分子堆積膜とは、該化合物の気相状態から沈着され形成された薄膜や、該化合物の溶液状態又は液相状態から固体化され形成された膜のことであり、例えば蒸着膜などを示すが、通常この分子堆積膜はLB法により形成された薄膜(分子累積膜)とは区別することができる。また、該発光層は、特開昭59−194393号公報などに開示されているように、樹脂などの結着剤と該化合物とを、溶剤に溶かして溶液としたのち、これをスピンコート法などにより薄膜化し、形成することができる。
このようにして形成された発光層の膜厚については特に制限はなく、適宜状況に応じて選ぶことができるが、通常5nmないし5μmの範囲で選定される。
このEL素子における発光層は、(1)電界印加時に、陽極又は正孔注入輸送層により正孔を注入することができ、かつ陰極又は電子注入層より電子を注入することができる注入機能、(2)注入した電荷(電子と正孔)を電界の力で移動させる輸送機能、(3)電子と正孔の再結合の場を発光層内部に提供し、これを発光につなげる発光機能などを有している。
【0052】
なお、正孔の注入されやすさと、電子の注入されやすさに違いがあってもよいし、正孔と電子の移動度で表される輸送能に大小があってもよいが、どちらか一方の電荷を移動することが好ましい。
この発光層に用いる前記一般式(I)又は(I’)で表される化合物は、一般にイオン化エネルギーが6.0eV程度より小さいので、適当な陽極金属又は陽極化合物を選べば、比較的正孔を注入しやすい。また電子親和力は2.8eV程度より大きいので、適当な陰極金属又は陰極化合物を選べば、比較的電子を注入しやすい上、電子,正孔の輸送能力も優れている。さらに固体状態の蛍光性が強いため、該化合物やその会合体又は結晶などの電子と正孔の再結晶時に形成された励起状態を光に変換する能力が大きい。
【0053】
なお、発光層以外の有機化合物層、例えば正孔注入層や正孔輸送層(これらはまとめて、正孔注入輸送層と呼ばれる。)に一般式(I)又は(I’)で表される本発明の化合物を用いる場合には、上記発光層には、一般式(I)又は(I’)で表される化合物を含有させなくてもよく、発光材料として従来公知の化合物、例えば、多環縮合芳香族化合物,ベンゾオキサゾール系,ベンゾチアゾール系,ベンゾイミダゾール系などの蛍光増白剤,金属キレート化オキサノイド化合物,ジスチリルベンゼン系化合物など薄膜形成性の良い化合物を用いることができる。
本発明の化合物を用いるEL素子の構成は、前記したように、各種の態様があり、前記(2)又は(3)の構成のEL素子における正孔注入輸送層は、正孔伝達化合物からなる層であって、陽極より注入された正孔を発光層に伝達する機能を有し、この正孔注入輸送層を陽極と発光層との間に介在させることにより、より低い電界で多くの正孔が発光層に注入される。その上、発光層に陰極又は電子注入層より注入された電子は、発光層と正孔注入輸送層の界面に存在する電子の障壁により、この発光層内の界面付近に蓄積されEL素子の発光効率を向上させ、発光性能の優れたEL素子とする。
【0054】
前記正孔注入輸送層に用いられる正孔伝達化合物は、電界を与えられた2個の電極間に配置されて陽極から正孔が注入された場合、該正孔を適切に発光層へ伝達しうる化合物であって、例えば104 〜106 V/cmの電界印加時に、少なくとも10-6cm2 /(V・秒)の正孔移動度をもつものが好適である。このような正孔伝達化合物については、前記の好ましい性質を有するものであれば特に制限はなく、従来、光導電材料において、正孔の電荷輸送材として慣用されているものやEL素子の正孔注入輸送層に使用される公知のものの中から任意のものを選択して用いることができる。
【0055】
該電荷輸送材としては、例えば一般式(I)又は(I’)で表される本発明の化合物、トリアゾール誘導体(米国特許第3,112,197号明細書などに記載のもの)、オキサジアゾール誘導体(米国特許第3,189,447号明細書などに記載のもの)、イミダゾール誘導体(特公昭37−16096号公報などに記載のもの)、ポリアリールアルカン誘導体(米国特許第3,615,402 号明細書,同3,820,989 号明細書,同3,542,544 号明細書,特公昭45−555号公報,同51−10983号公報,特開昭51−93224号公報,同55−17105号公報,同56−4148号公報,同55−108667号公報,同55−156953号公報,同56−36656号公報などに記載のもの)、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体(米国特許第3,180,729 号明細書,同4,278,746 号明細書,特開昭55−88064号公報,同55−88065号公報,同49−105537号公報,同55−51086号公報,同56−80051号公報,同56−88141号公報,同57−45545号公報,同54−112637号公報,同55−74546号公報などに記載のもの)、フェニレンジアミン誘導体(米国特許第3,615,404 号明細書,特公昭51−10105号公報,同46−3712号公報,同47−25336号公報,特開昭54−53435号公報,同54−110536号公報,同54−119925号公報などに記載のもの)、アリールアミン誘導体(米国特許第3,567,450 号明細書,同3,180,703 号明細書,同3,240,597 号明細書,同3,658,520 号明細書,同4,232,103 号明細書,同4,175,961 号明細書,同4,012,376号明細書,特公昭49−35702号公報,同39−27577号公報,特開昭55−144250号公報,同56−119132号公報,同56−22437号公報,西独特許第1,110,518 号明細書などに記載のもの)、アミノ置換カルコン誘導体(米国特許第3,526,501 号明細書などに記載のもの)、オキサゾール誘導体(米国特許第3,257,203 号明細書などに記載のもの)、スチリルアントラセン誘導体(特開昭56−46234号公報などに記載のもの)、フルオレノン誘導体(特開昭54−110837号公報などに記載のもの)、ヒドラゾン誘導体(米国特許第3,717,462 号明細書,特開昭54−59143号公報,同55−52063号公報,同55−52064号公報,同55−46760号公報,同55−85495号公報,同57−11350号公報,同57−148749号公報などに記載されているもの)、スチルベル誘導体(特開昭61−210363号公報,同61−228451号公報,同61−14642号公報,同61−72255号公報,同62−47646号公報,同62−36674号公報,同62−10652号公報,同62−30255号公報,同60−93445号公報,同60−94462号公報,同60−174749号公報,同60−175052号公報などに記載のもの)などを挙げることができる。
【0056】
これらの化合物を正孔伝達化合物として使用することができるが、次に示すポルフィリン化合物(特開昭63−295695号公報などに記載のもの)及び芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物(米国特許第4,127,412号明細書,特開昭53−27033号公報,同54−58445号公報,同54−149634号公報,同54−64299号公報,同55−79450号公報,同55−144250号公報,同56−119132号公報,同61−295558号公報,同61−98353号公報,同63−295695号公報などに記載のもの)、特に該芳香族第三級アミン化合物を用いることが好ましい。
【0057】
該ポルフィリン化合物の代表例としては、ポルフィリン;5,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィリン銅(II);5,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィリン亜鉛(II);5,10,15,20−テトラキス(ペンタフルオロフェニル)−21H,23H−ポルフィリン;シリコンフタロシアニンオキシド;アルミニウムフタロシアニンクロリド;フタロシアニン(無金属);ジリチウムフタロシアニン;銅テトラメチルフタロシアニン;銅フタロシアニン;クロムフタロシアニン;亜鉛フタロシアニン;鉛フタロシアニン;チタニウムフタロシアニンオキシド;マグネシウムフタロシアニン;銅オクタメチルフタロシアニンなどが挙げられる。また該芳香族第三級化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N’,N’−テトラフェニル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン;N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−〔1,1’−ビフェニル〕−4,4’−ジアミン;2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N’,N’−テトラ−p−トリル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン;N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(4−メトキシフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン;N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル;4,4’−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル;N,N,N−トリ(p−トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミン)−4’−〔4(ジ−p−トリルアミン)スチリル〕スチルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4’−N,N−ジフェニルアミノスチルベン;N−フェニルカルバゾールなどが挙げられる。
【0058】
上記EL素子における該正孔注入輸送層は、これらの正孔伝達化合物一種又は二種以上からなる一層で構成されてもよいし、あるいは、前記層とは別種の化合物からなる正孔注入輸送層を積層したものであってもよい。
一方、前記(3)の構成のEL素子における電子注入層(電子注入輸送層)は、電子伝達化合物からなるものであって、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有している。このような電子伝達化合物について特に制限はなく、従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができる。該電子伝達化合物の好ましい例としては、
【化28】
などのニトロ置換フルオレノン誘導体、
【0059】
【化29】
などのチオピランジオキシド誘導体、
【0060】
【化30】
などのジフェニルキノン誘導体〔「ポリマー・プレプリント(Polymer Preprints), ジャパン」第37巻,第3号,第681ページ(1988年)などに記載のもの〕、あるいは
【0061】
【化31】
などの化合物〔「ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス(J.Apply.Phys.)」第27巻,第269頁(1988年)などに記載のもの〕や、アントラキノジメタン誘導体(特開昭57−149259号公報,同58−55450号公報,同61−225151号公報,同61−233750号公報,同63−104061号公報などに記載のもの)、フレオレニリデンメタン誘導体(特開昭60−69657号公報,同61−143764号公報,同61−148159号公報などに記載のもの)、アントロン誘導体(特開昭61−225151号公報,同61−233750号公報などに記載のもの)
【0062】
また、次の一般式(II)又は(III)
【化32】
(式中、Ar2 〜Ar4 及びAr6 はそれぞれ独立に置換又は無置換のアリール基を示し、Ar5 は置換又は無置換のアリーレン基を示す。)
で表される電子伝達化合物が挙げられる。ここで、アリール基としてはフェニル基,ナフチル基,ビフェニル基,アントラニル基,ペリレニル基,ピレニル基等が挙げられ、アリーレン基としてはフェニレン基,ナフチレン基,ビフェニレン基,アントラセニレン基,ペリレニレン基,ピレニレン基等が挙げられる。また、置換基としては炭素数1〜10のアルキル基,炭素数1〜10のアルコキシ基又はシアノ基等が挙げられる。この一般式(II)又は(III)で表される化合物は、薄膜形成性のものが好ましい。
【0063】
一般式(II)又は(III)で表される化合物の具体例としては、
【化33】
【化34】
などが挙げられる。
【0064】
「Appl. Phys. Lett. 」第55巻、第1489ページ(1989年)に開示されているオキサジアゾール誘導体なども挙げることができる。
なお、正孔注入輸送層及び電子注入層は電化の注入性,輸送性,障壁性のいずれかを有する層であり、上記した有機材料の他にSi系,SiC系,CdS系などの結晶性ないし非結晶性材料などの無機材料を用いることもできる。
有機材料を用いた正孔注入輸送層及び電子注入層は発光層と同様にして形成することができ、無機材料を用いた正孔注入輸送層及び電子注入層は真空蒸着法やスパッタリングなどにより形成できるが、有機及び無機のいずれの材料を用いた場合でも発光層のときと同様の理由から真空蒸着法により形成することが好ましい。
【0065】
次に、本発明のEL素子を作製する好適な方法の例を、各構成の素子それぞれについて説明する。前記の陽極/発光層/陰極からなるEL素子の作製法について説明すると、まず適当な基板上に、所望の電極物質、例えば陽極用物質からなる薄膜を、1μm以下、好ましくは10〜200nmの範囲の膜厚になるように、蒸着やスパッタリングなどの方法により形成させ、陽極を作製したのち、この上に発光材料からなる薄膜を形成させ、発光層を設ける。該発光材料の薄膜化の方法としては、例えばスピンコート法,キャスト法,蒸着法などがあるが、均質な膜が得られやすく、かつピンホールが生成しにくいなどの点から、蒸着法が好ましい。
該発光材料の薄膜化に、この蒸着法を採用する場合、その蒸着条件は、使用する発光層に用いる有機化合物の種類,分子堆積膜の目的とする結晶構造,会合構造などにより異なるが、一般にボート加熱温度50〜400℃,真空度10-5〜10-3Pa,蒸着速度0.01〜50nm/sec,基板温度−50〜+300℃,膜厚5nmないし5μmの範囲で適宜選ぶことが望ましい。次にこの発光層の形成後、その上に陰極用物質からなる薄膜を、1μm以下、好ましくは50〜200nmの範囲の膜厚になるように、例えば蒸着やスパッタリングなどの方法により形成させ、陰極を設けることにより、所望のEL素子が得られる。なお、このEL素子の作製においては、作製順序を逆にして、陰極,発光層,陽極の順に作製することも可能である。
【0066】
また、一対の電極間に正孔注入輸送材料,発光材料,電子注入材料を混合させた形で電極間に挟持させ発光層とした、陽極/発光層/陰極からなる素子の場合の作製方法としては、例えば適当な基板の上に、陽極用物質からなる薄膜を形成し、正孔注入輸送材料,発光材料,電子注入材料,ポリビニルカルバゾール等の結着剤等からなる溶液を塗布するか、又はこの溶液から浸漬塗工法により薄膜を形成させ発光層とし、その上に陰極用物質からなる薄膜を形成させるものがある。ここで、作製した発光層上に、さらに発光層の材料となる素子材料を真空蒸着し、その上に陰極用物質からなる薄膜を形成させてもよい。あるいは、正孔注入輸送材料,電子注入材料および発光材料を同時蒸着させ発光層とし、その上に陰極用物質からなる薄膜を形成させてもよい。
【0067】
次に、陽極/正孔注入輸送層/発光層/陰極から成るEL素子の作製法について説明すると、まず、陽極を前記のEL素子の場合と同様にして形成したのち、その上に、正孔伝達化合物から成る薄膜をスピンコート法などにより形成し、正孔注入輸送層を設ける。この際の条件は、前記発光材料の薄膜形成の条件に準じればよい。次に、この正孔注入輸送層の上に、順次発光層及び陰極を、前記EL素子の作製の場合と同様にして設けることにより、所望のEL素子が得られる。なお、このEL素子の作製においても、作製順序を逆にして、陰極,発光層,正孔注入輸送層,陽極の順に作製することも可能である。
さらに、陽極/正孔注入輸送層/発光層/電子注入層/陰極から成るEL素子の作製法について説明すると、まず、前記のEL素子の作製の場合と同様にして、陽極,正孔注入輸送層,発光層を順次設けたのち、この発光層の上に、電子伝達化合物から成る薄膜をスピンコート法などにより形成して、電子注入層を設け、次いでこの上に、陰極を前記EL素子の作製の場合と同様にして設けることにより、所望のEL素子が得られる。
なお、このEL素子の作製においても、作製順序を逆にして、陽極,電子注入層,発光層,正孔注入輸送層,陽極の順に作製してもよい。
【0068】
このようにして得られた本発明の有機EL素子に、直流電圧を印加する場合には、陽極を+,陰極を−の極性として電圧1〜30V程度を印加すると、発光が透明又は半透明の電極側より観測できる。また、逆の極性で電圧を印加しても電流は流れず発光は全く生じない。さらに、交流電圧を印加する場合には、陽極が+,陰極が−の状態になったときのみ発光する。なお、印加する交流の波形は任意でよい。
このような本発明の有機EL素子は、発光効率が良好で、かつ耐熱性(保存温度85℃以上)に優れると共に長寿命である。
【0069】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳しく説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
参考例1 化合物E1の製造
(1)中間体(1)
アルゴン気流下、マグネシウム14g(0.58モル)に、ブロモベンゼン79g(0.5モル)を含む無水テトラヒドロフラン(THF)溶液100ミリリットルを加え、1時間還流してグリニヤール試薬を調製した。
1−ブロモピレン140g(0.5モル)、Ni(dppp)Cl2 3g(5ミリモル)(ここでdpppはジフェニルホスフィノプロパンを意味する。)を無水THF200ミリリットルに溶かし、先に調製したグリニヤール試薬を室温にて滴下し、3時間還流した。反応物に水を加えてジクロロメタンで抽出し、溶媒を留去して黄色固体を得た。これをカラムクロマトグラフ(シリカゲル,ヘキサン/ジクロロメタン)にて精製し、淡黄色固体の下記構造の中間体(1)42g(収率30%)を得た。
【化35】
【0070】
(2)中間体(2)
上記(1)で得られた中間体(1)11.2g(40ミリモル)を乾燥ジメチルホルムアミド(DMF)300ミリリットル中に懸濁し、これにN−ブロモコハク酸イミド(NBS)/DMF8g(45ミリモル/50ミリリットル)を加えて、室温で3時間攪拌し、一晩放置した。反応物に水を加え生じた固体をろ別し、メタノールで洗浄したのち、トルエン100ミリリットルで再結晶して黄色針状結晶の下記構造の中間体(2)6.5g(収率45%)を得た。
【化36】
【0071】
(3)中間体(3)
ジフェニルアミン51.2g(0.3モル)、1,4−ジブロモベンゼン71.4g(0.3モル)、カリウムターシャリーブトキシド(tBuOK)34.6g(0.36モル)、PdCl2(PPh3)2 4.2g(5.9ミリモル)及びキシレン1.2リットルを混合し、130℃で一晩攪拌した。
反応終了後、有機層を濃縮し、褐色結晶約100gを得た。これをカラムクロマトグラフ(シリカゲル,ヘキサン/トルエン)で精製後、目的とする下記構造の中間体(3)28g(収率29%)を得た。
【化37】
【0072】
(4)化合物E1
アルゴン気流下、マグネシウム0.14g(5.6ミリモル)に上記中間体(2)1.8g(5ミリモル)を含む無水THF5ミリリットル溶液を加え1時間還流し、グリニヤール試薬を調製した。上記中間体(3)1.62g(5ミリモル)、Ni(dppp)Cl2 0.03g(0.05ミリモル)を無水THF20ミリリットルに溶かし、先に調製したグリニヤール試薬を室温にて滴下し、3時間還流した。反応物に水を加えてジクロロメタンで抽出し、溶媒を留去して黄色固体を得た。これをカラムクロマトグラフ(シリカゲル,ヘキサン/ジクロロメタン)にて精製し、黄色固体E1を0.56g(収率25%)得た。
フィールドディソープションマススペクトル(FD−MS)を測定した結果、C40H27N=521に対し、521のピークが得られたので、下記構造のE1と同定した。
【化38】
【0073】
実施例1 化合物E11の製造
(1)中間体(4)
アルゴン気流下、マグネシウム14g(0.58ミリモル)にブロモベンゼン79g(0.5モル)を含む無水THF100ミリリットル溶液を加え1時間還流し、グリニヤール試薬を調製した。9,10−ジブロモアントラセン84g(0.25モル)、Ni(dppp)Cl2 3g(5ミリモル)を無水THF20ミリリットルに溶かし、先に調製したグリニヤール試薬を室温にて滴下し、3時間還流した。反応物に水を加えてジクロロメタンで抽出し、溶媒を留去して黄色固体を得た。これをカラムクロマトグラフ(シリカゲル,ヘキサン/ジクロロメタン)にて精製し、黄色固体の下記構造の中間体(4)12g(収率15%)を得た。
【化39】
【0074】
(2)中間体(5)
ジフェニルアミン51.2g(0.3モル)、4,4−ジブロモベンゼン93.6g(0.3モル)、tBuOK34.6g(0.36モル)、PdCl2(PPh3)2 4.2g(5.9ミリモル)及びキシレン1.2リットルを混合し、130℃で一晩攪拌した。
反応終了後、有機層を濃縮し、褐色結晶を得た。これをカラムクロマトグラフ(シリカゲル,ヘキサン/トルエン)で精製後、目的とする下記構造の中間体(5)30g(収率25%)を得た。
【化40】
【0075】
(3)化合物E11
アルゴン気流下、マグネシウム0.14g(5.8ミリモル)に中間体(4)1.7g(0.5ミリモル)を含む無水THF5ミリリットル溶液を加え1時間還流し、グリニヤール試薬を調製した。上記中間体(5)2.0g(5ミリモル)、Ni(dppp)Cl2 0.03g(0.05ミリモル)を無水THF20ミリリットルに溶かし、先に調製したグリニヤール試薬を室温にて滴下し、3時間還流した。反応物に水を加えてジクロロメタンで抽出し、溶媒を留去して黄色固体を得た。これをカラムクロマトグラフ(シリカゲル ヘキサン/ジクロロメタン)にて精製し、黄色固体E11 0.58g(収率20%)を得た。
FD−MSを測定した結果、C44H31N=573に対し、573のピークが得られたので、下記構造のE11と同定した。
【化41】
【0076】
参考例2 化合物E61の製造
(1)中間体(6)
アルゴン気流下、マグネシウム1.4g(58ミリモル)に実施例1(1)の中間体(4)16.7g(50ミリモル)を含む無水THF50ミリリットル溶液を加え1時間還流し、グリニヤール試薬を調製した。4,4’−ジブロモビフェニル7.8g(25ミリモル)、Ni(dppp)Cl2 0.3g(0.5ミリモル)を無水THF50ミリリットルに溶かし、先に調製したグリニヤール試薬を室温にて滴下し、3時間還流した。反応物に水を加えてジクロロメタンで抽出し、溶媒を留去して黄色固体を得た。これをカラムクロマトグラフ(シリカゲル,ヘキサン/ジクロロメタン)にて精製し、黄色固体の下記構造の中間体62.4g(収率20%)を得た。
【化42】
【0077】
(2)中間体(7)
アルゴン気流下、マグネシウム1.4g(58ミリモル)に上記中間体(6)24g(50ミリモル)を含む無水THF100ミリリットル溶液を加え1時間還流し、グリニヤール試薬を調製した。N,N−ジメチルホルムアミド3.7g(50ミリモル)を無水THF50ミリリットルに溶かし、先に調製したグリニヤール試薬を0℃にて滴下し、室温にて1時間還流した。反応混合物を3N−塩化水素水100ミリリットルに注いだ。ジエチルエーテルにて抽出後、溶媒を留去して黄色固体を得た。これをカラムクロマトグラフ(シリカゲル,ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、黄色固体の下記構造の中間体(7)15.2g(収率70%)を得た。
【化43】
【0078】
(3)中間体(8)
α−ブロモジフェニルメタン200g(0.8モル)と、亜リン酸トリエチル200g(1.2モル)を仕込み100℃まで加熱した。自然発熱により徐々に温度が上昇し、ブロモエチレンが留出しはじめた。そのまま140℃で3時間加熱した。反応物から真空ポンプにて低沸点物を留去して目的とする下記構造の中間体(8)270g(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法による純度86%)を得た。
【化44】
【0079】
(4)化合物E61
アルゴン気流下、上記中間体(7)4.3g(10ミリモル)及び上記中間体(8)3.0g(10ミリモル)を、ジメチルスルホキシド(DMSO)50ミリリットル中に溶かし、そこへtBuOK1.1g(10ミリモル)を加え、室温にて18時間攪拌した。反応物に水を加えてジクロロメタンで抽出し、溶媒を留去して黄色固体を得た。これをカラムクロマトグラフ(シリカゲル,ヘキサン/ジクロロメタン)にて精製し、黄色固体E61を 2.9g(収率50%)得た。
FD−MSを測定した結果、C46H32N=584に対し、584のピークが得られたので、下記構造のE61と同定した。
【化45】
【0080】
参考例3 有機EL素子の作製
ガラス基板上にITO(インジウムチンオキシド)陽極が製膜されたものを用意した。これを紫外線とオゾンを併用して洗浄処理したのち、ITO陽極上に化合物E1を80nmの厚さに製膜して発光層とした。次に、Al−Li合金(Li3原子%)を加熱し、発光層上に陰極を50nmの厚さで形成し、有機EL素子を作製した。なお、化合物E1の製膜及びAl−Li合金の製膜には真空蒸着法を用いた。
このようにして得られた有機EL素子に、ITO陽極を正極に、Al−Li合金陰極を負極として、直流電圧6Vを印加したところ、10mA/cm2 の電流が流れ、輝度240cd/m2 を得た。
次に、この素子をガラスキャップにて封上し、80℃で500時間保存したのち、上記と同様に直流電圧を印加したところ、輝度の低下は15%に留った。
【0081】
実施例2〜7、参考例4〜13及び比較例1〜3 有機EL素子の作製
参考例3において、化合物E1の代わりに、第11表に示す化合物を用いた以外は、参考例3と同様な操作を行った。結果を第11表に示す。
なお、比較例1〜3で使用した化合物C1,C2及びC3は、下記の構造を有するものである。
【化46】
【0082】
【表17】
【0083】
第11表から、化合物C1〜C3を用いた比較例の素子(従来技術)は、80℃の保存試験において、輝度の低下が激しく、実用的でないことが分かる。
これに対し、本発明の化合物を用いた実施例の素子は、80℃の保存試験において、輝度の低下が小さく、実用的であることが分かる。
なお、化合物C1〜C3のガラス転移温度は、80℃未満であることがDSCにより判明している。これに対し、本発明の化合物は、ガラス転移温度が80℃より10℃以上も高いため、高温保存安定性が良好である。
【0084】
実施例8
ガラス基板上にITO陽極が製膜されたものを用意した。これを紫外線とオゾンを併用して洗浄処理したのち、ITO陽極上に化合物E67を80nmの厚さに製膜して発光層とした。さらに、電子輸送層用の化合物としてAlq(Alの8−ヒドロキシキノリン配位の錯体)を10nmの厚さに蒸着した。その後、電子注入層として、LiFを0.5nmの厚さに蒸着したのち、アルミニウムを100nmの厚さに陰極として蒸着し、有機EL素子を作製した。
この素子に、ITO陽極を正極に、Al陰極を負極として直流電圧8.3Vを印加したところ、輝度500cd/m2 を得た。また、初期電圧8.3Vとして半減寿命をもとめたところ、2100時間であった。
【0085】
参考例14,15及び比較例4〜6
実施例8において、化合物E67の代わりに、第12表に示す化合物を用いた以外は、実施例8と同様な操作を行った。その結果を第12表に示す。
【0086】
【表18】
第12表から、化合物C1〜C3を用いた比較例の素子に比べ、本発明の化合物を用いた実施例の素子は長寿命であることが分かる。
【0095】
【発明の効果】
本発明の化合物は、耐熱性(保存温度85℃以上)優れると共に長寿命の実用的な有機EL素子を与えることができる。
本発明の化合物を用いた有機EL素子は、耐熱性に優れしかも長寿命であるため、例えば情報機器のディスプレイや、バックライトなどに好適に用いられる。
Claims (4)
- 一般式(I−b)、(I−c)、(I−e)、(I−f)、(I−h)及び(I−i)
のいずれかで表されるアミノ化合物。 - 一層以上の有機化合物層を、陽極と陰極とで構成された一対の電極で挟持してなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、有機化合物層の少なくとも一層が、請求項1に記載の化合物を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 有機化合物層の少なくとも一層が、発光層である請求項2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 有機化合物層の少なくとも一層が、正孔注入層又は正孔輸送層である請求項2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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