JP4334165B2 - 静電潜像現像用トナーと画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電潜像現像用トナーとそれを用いる画像形成方法及び画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタル画像処理技術の進展により、電子写真方式等の静電潜像現像方式による画像形成方法においても、デジタル方式の画像形成が主流となってきている。
【0003】
デジタル方式の画像形成方法は、1200dpi(ドット/インチ;2.54cm当たりのドット数)等の小さなドット画像を顕像化することを基本としており、これらの小さなドット画像を忠実に再現する高画質技術が要求されている。
【0004】
この様な高画質化に有効なため、静電潜像現像用トナー(単にトナーということもある)の小粒径化が進められている。これまで電子写真方式などの静電潜像現像方式による画像形成においては、バインダー樹脂(結着樹脂)と顔料とを混合、混練後に粉砕して得られるトナー粉体を分級した、いわゆる粉砕トナーが主として用いられてきた。しかし、この様な製造工程を経て得られるトナーは、トナー粒子の小粒径化や粒度分布の均一化には限界がある。トナー粒子を小粒径化し、その粒度分布や形状の均一化を達成するには困難が伴なう。従って、この様な粉砕トナーを用いた電子写真方式の画像では、十分な高画質化の達成は困難である。
【0005】
近年、トナー粒子の小粒径化、粒度分布及び形状の均一化を達成する手段として、懸濁重合法や乳化重合法により得られたいわゆる重合法トナーが注目されている。重合法トナーは、原料の単量体を水系で均一に分散させた後に、重合させトナーとして用いる。この中にもいろいろな方法があるが、最も注目されているのは、懸濁重合法や乳化重合法等により得られる樹脂粒子と着色剤粒子とを会合(塩析および融着)させる方法である。小粒径で粒状分布の揃ったトナー粒子を造り易いことから、実用化検討が進められているが、製造技術面では、なお開発途上の段階にある。
【0006】
一方、紙等の画像形成支持体(転写材)上に形成されたトナー像を定着する方式として、当該トナー像が形成された画像形成支持体を加熱ローラーと加圧ローラーの間を通過させて定着させる熱ローラー定着方式が広く採用されている。
【0007】
しかしながら、熱ローラー定着方式は、トナー粒子が小粒径で、粒度分布及び形状の均一化された重合法トナーと組み合わせて用いると、紙の凹凸や、熱ローラー表面の凹凸に対しトナー粒子の変形が充分追従できず、定着不良を発生させる問題が起こっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決するために成された。
【0009】
即ち、熱ローラー定着方式を、トナー粒子が小粒径で、粒度分布及び形状の均一化された重合法トナーと組み合わせて用いても、紙の凹凸や、熱ローラー表面の凹凸にトナー粒子の変形が充分追従し、定着不良を発生させることがなく、高画質な画像形成が出来る静電潜像現像用トナーと、それを用いた画像形成方法及び画像形成装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、小粒径化し粒度分布及び形状の均一化したトナーに対し、画質に悪影響を及ぼさない範囲で、比較的大きなトナー粒子を存在させることで、定着性が格段に向上することを見いだした。
【0011】
しかしながら、ここで添加する「比較的大きなトナー粒子」は、小径化した成分同様に形状・粒度分布が充分に制御されたものでないと、粒径差による選択現像、選択転写が発生する問題がある。
【0012】
すなわち、通常、一定の形状・粒度分布をもつトナーでは、大きなトナー粒子から現像、転写される。この選択現像、選択転写を続けていると、網点画像周辺にトナーが散り、解像度が低下をきたすようになる。また、現像器内においては小径トナー成分が蓄積し、現像ローラーに融着が発生し、これにより、トナーの帯電阻害によるかぶりの発生、トナー飛散発生などの問題がでることもある。さらに転写工程においては、転写ぬけ、感光体のフィルミングによる画像ムラなどの問題が生じる。
【0013】
そこで、「比較的大きなトナー粒子」は完全な球形ではなく異形化し、主に画像形成に用いられるトナーは、より球形に近くし粒度分布も揃えたものとなるよう、粒径と円形度に勾配をつける設計とする必要があることを見出し本発明に至った。
【0014】
即ち、本発明の目的は、下記構成の何れかを採ることにより達成される。
〔1〕 少なくとも樹脂粒子を水系媒体中で塩析/融着させて得られた、平均円形度が0.94〜0.98にあり、かつ円相当径の平均値が2.6〜7.4μmにあり、かつ、下記式により算出されるR 2 が0.35〜0.95である範囲において、円相当径に対する円形度の傾きが−0.005〜−0.001であることを特徴とする静電潜像現像用トナー。
【数B】
【0015】
〔2〕 円相当径の平均値が3.4〜6.6μmにあり、円相当径に対する円形度の傾きが−0.004〜−0.002であることを特徴とする〔1〕記載の静電潜像現像用トナー。
【0016】
〔3〕 累積10%における円相当径d10と累積90%における円相当径d90との比、d90/d10が1.2〜1.8であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載の静電潜像現像用トナー。
【0017】
〔4〕 少なくとも重合性単量体を水系媒体中で重合せしめて得られたことを特徴とする〔1〕〜〔3〕の何れか1項に記載の静電潜像現像用トナー。
【0019】
〔5〕 BET比表面積が1.1〜4.0m2/g、ESCAて測定した珪素原子の表面存在量が6〜12面積%、炭素原子の存在量が50〜75面積%であることを特徴とする〔1〕〜〔4〕の何れか1項に記載の静電潜像現像用トナー。
【0020】
〔6〕 感光体上に形成された静電潜像を可視画像化し、該可視画像を記録紙上に転写、加熱定着させる工程を有する画像形成方法において、該可視画像化を〔1〕〜〔5〕の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナーを用いて行うことを特徴とする画像形成方法。
【0021】
〔7〕 〔6〕に記載の画像形成方法を用い、感光体上への照射がデジタル露光によって行われることを特徴とする画像形成装置。
【0022】
本発明の静電潜像現像用トナーの製造方法については、特に限定はないが、いわゆる重合法、即ち、少なくとも重合性単量体を水系媒体中で重合せしめてトナー粒子とする方法が好ましい。さらには、得られた樹脂粒子を水系媒体中で塩析/融着させて得られるトナー粒子であることが好ましい。重合法で造られた樹脂粒子、特に樹脂粒子を水系媒体中で塩析/融着させることにより、小粒径で、粒径分布、形状の制御された、トナー粒子を造ることが出来るからである。
【0023】
本発明のトナーの形状は、下記式で示される平均円形度(形状係数)が、0.94〜0.98、より好ましくは0.93〜0.97である。
【0024】
平均円形度=(円相当径)/(粒子投影像の周囲長)
なお、上記平均円形度の測定方法としては、FPIA−2100(シスメック社製)により測定することができる。この時、円相当径は下式で定義される。
【0025】
円相当径=2π(粒子面積の和/π)1/2
又、円相当径の平均値が、2.6〜7.4μmにあり、円相当径に対する円形度の傾きが−0.005〜−0.001であることを特徴とする。より好ましくは、円相当径の平均値が3.4〜6.6μmにあり、円相当径に対する円形度の傾きが−0.004〜−0.002であるのがよい。
【0026】
円相当径の傾きの測定は、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100で円相当径をトナーの累積個数10%毎に測定し、それに対応する円形度との関係を、横軸円相当径(μm)−縦軸円形度として描き、その一次の相関(y=αx+b)をみればよい(αが円相当径の傾き)。
【0027】
この時、帯電の均一性、ハーフトーンの均一性を高める観点からR2は0.35〜0.95が好ましい。ここにおいてRは下記数1で表される。
【0028】
【数1】
【0029】
また、円相当径の傾きを有するトナーを造るには、小粒径の球形トナー粒子にやや粒径の大きい異形のトナー粒子を混合しても良い。或いは、後述する樹脂粒子を会合してトナー粒子を造る方法においては、会合工程で凝集剤を添加した後、撹拌羽根形状を適宜選択し、撹拌強度を制御し、大きめの粒子に剪断力がかかり易い条件として、濾過、乾燥工程に移行する方法でもよい。
【0030】
好ましくは塩析/融着を停止させる停止剤を投入した後、トナー粒子を0.2〜1.0μm成長させると、本発明の範囲内に入るよう制御することが出来る。
【0031】
又、本発明において、トナーの表面電荷量を揃える観点から、トナーの累積10%における円相当径d10と累積90%における円相当径d90との比、d90/d10が1.2〜1.8であることが好ましい。この範囲にあれば、ドットの散りを制御することが出来、ハーフトーンの均一性が高く、高品位な画像を得ることが出来る。
【0032】
更には、外添剤としてシリカ微粒子を添加したものが好ましく、その場合帯電の湿度依存性、即ち、湿度による画質変動を抑制する観点から、トナーのBET比表面積が1.1〜4.0m2/g、ESCAて測定した珪素原子の表面存在量が6〜12面積%、炭素原子の存在量が50〜75面積%であることが好ましい。
【0033】
【発明の実施の形態】
本発明のトナーの製造方法においては、好ましく用いることの出来る水系媒体中で粒子を造る方法としては、例えば特開昭63−186253号、同63−282749号、特開平7−146583号の各公報等に記載されている方法や、樹脂粒子を塩析/融着させて形成する方法等をあげることができる。
【0034】
本発明のトナーの製造に用いる樹脂粒子は重量平均粒径50〜2000nmのものが好ましく、これらの樹脂粒子は乳化重合、分散重合、懸濁重合等のいずれの造粒重合法によっても良い。好ましくは乳化重合により乳化重合による樹脂粒子を用いる。
【0035】
以下、樹脂粒子の材料及び製造方法の例について記述する。
《材料》
〔単量体〕
重合性単量体としては、ラジカル重合性単量体を必須の構成成分とし、必要に応じて架橋剤を使用することができる。また、以下の酸性基を有するラジカル重合性単量体または塩基性基を有するラジカル重合性単量体を少なくとも1種類含有させることが好ましい。
【0036】
(1)ラジカル重合性単量体
ラジカル重合性単量体成分としては、特に限定されるものではなく従来公知のラジカル重合性単量体を用いることができる。また、要求される特性を満たすように、1種または2種以上のものを組み合わせて用いることができる。
【0037】
具体的には、芳香族系ビニル単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、ビニルエステル系単量体、ビニルエーテル系単量体、モノオレフィン系単量体、ジオレフィン系単量体、ハロゲン化オレフィン系単量体等を用いることができる。
【0038】
芳香族系ビニル単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、3,4−ジクロロスチレン等のスチレン系単量体およびその誘導体が挙げられる。
【0039】
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等が挙げられる。
【0040】
ビニルエステル系単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等が挙げられる。
【0041】
ビニルエーテル系単量体としては、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルフェニルエーテル等が挙げられる。
【0042】
モノオレフィン系単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
【0043】
ジオレフィン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
【0044】
ハロゲン化オレフィン系単量体としては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル等が挙げられる。
【0045】
(2)架橋剤
架橋剤としては、トナーの特性を改良するためにラジカル重合性架橋剤を添加しても良い。ラジカル重合性架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルエーテル、ジエチレングリコールメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリル等の不飽和結合を2個以上有するものが挙げられる。
【0046】
(3)酸性基を有するラジカル重合性単量体または塩基性基を有するラジカル重合性単量体
酸性基を有するラジカル重合性単量体または塩基性基を有するラジカル重合性単量体としては、例えば、カルボキシル基含有単量体、スルホン酸基含有単量体、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、第4級アンモニウム塩等のアミン系の化合物を用いることができる。
【0047】
酸性基を有するラジカル重合性単量体としては、カルボン酸基含有単量体として、アクリル酸、メタクリル酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、マレイン酸モノブチルエステル、マレイン酸モノオクチルエステル等が挙げられる。
【0048】
スルホン酸基含有単量体としては、スチレンスルホン酸、アリルスルホコハク酸、アリルスルホコハク酸オクチル等が挙げられる。
【0049】
これらは、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩あるいはカルシウムなどのアルカリ土類金属塩の構造であってもよい。
【0050】
塩基性基を有するラジカル重合性単量体としては、アミン系の化合物があげられ、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、および上記4化合物の4級アンモニウム塩、3−ジメチルアミノフェニルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム塩、アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、ピペリジルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−オクタデシルアクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルN−メチルピリジニウムクロリド、ビニルN−エチルピリジニウムクロリド、N,N−ジアリルメチルアンモニウムクロリド、N,N−ジアリルエチルアンモニウムクロリド等を挙げることができる。
【0051】
本発明に用いられるラジカル重合性単量体としては、酸性基を有するラジカル重合性単量体または塩基性基を有するラジカル重合性単量体が単量体全体の0.1〜15質量%使用することが好ましく、ラジカル重合性架橋剤はその特性にもよるが、全ラジカル重合性単量体に対して0.1〜10質量%の範囲で使用することが好ましい。
【0052】
〔連鎖移動剤〕
分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることが可能である。
【0053】
連鎖移動剤としては、特に限定されるものではなく例えばオクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン、四臭化炭素およびスチレンダイマー等が使用される。
【0054】
〔重合開始剤〕
本発明に用いられるラジカル重合開始剤は水溶性であれば適宜使用が可能である。例えば過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等)、アゾ系化合物(4,4′−アゾビス4−シアノ吉草酸及びその塩、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩等)、パーオキシド化合物等が挙げられる。
【0055】
重合温度は、重合開始剤の最低ラジカル生成温度以上であればどの温度を選択しても良いが、例えば50℃から90℃の範囲が用いられる。但し、常温開始の重合開始剤、例えば過酸化水素−還元剤(アスコルビン酸等)の組み合わせを用いることで、室温またはそれ以上の温度で重合することも可能である。
【0056】
〔界面活性剤〕
前述のラジカル重合性単量体を使用して重合を行うためには、界面活性剤を使用して水系媒体中に油滴分散を行う必要がある。この際に使用することのできる界面活性剤としては特に限定されるものでは無いが、下記のイオン性界面活性剤を好適なものの例として挙げることができる。
【0057】
イオン性界面活性剤としては、スルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム等)、硫酸エステル塩(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム等)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等)が挙げられる。
【0058】
また、ノニオン性界面活性剤も使用することができる。具体的には、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドのエステル、ソルビタンエステル等をあげることができる。
【0059】
本発明において、これらは、主に乳化重合時の乳化剤として使用されるが、他の工程または使用目的で使用してもよい。
【0060】
〔着色剤〕
着色剤としては無機顔料、有機顔料、染料を挙げることができる。
【0061】
無機顔料としては、従来公知のものを用いることができる。具体的な無機顔料を以下に例示する。
【0062】
黒色の顔料としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
【0063】
これらの無機顔料は所望に応じて単独または複数を選択併用することが可能である。また顔料の添加量は重合体に対して2〜20質量%であり、好ましくは3〜15質量%が選択される。
【0064】
磁性トナーとして使用する際には、前述のマグネタイトを添加することができる。この場合には所定の磁気特性を付与する観点から、トナー中に20〜60質量%添加することが好ましい。
【0065】
有機顔料及び染料としても従来公知のものを用いることができる。具体的な有機顔料及び染料を以下に例示する。
【0066】
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
【0067】
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー156等が挙げられる。
【0068】
グリーンまたはシアン用の顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
【0069】
また、染料としてはC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等を用いることができ、またこれらの混合物も用いることができる。
【0070】
これらの有機顔料及び染料は所望に応じて単独または複数を選択併用することが可能である。また顔料の添加量は重合体に対して2〜20質量%であり、好ましくは3〜15質量%が選択される。
【0071】
着色剤は表面改質して使用することもできる。その表面改質剤としては、従来公知のものを使用することができ、具体的にはシランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等が好ましく用いることができる。
【0072】
《製造工程》
本発明の重合トナーの製造工程は、離型剤を溶解したモノマー溶液を水系媒体中に分散し、ついで重合法により離型剤を内包した樹脂粒子を調整する工程、前記樹脂粒子分散液を用いて水系媒体中で樹脂粒子を融着させる工程、得られた粒子を水系媒体中より濾過し界面活性剤などを除去する洗浄工程、得られた粒子を乾燥させる工程、さらに乾燥させて得られた粒子に外添剤などを添加する外添剤添加工程などから構成される。ここで樹脂粒子としては着色された粒子であってもよい。また、非着色粒子を樹脂粒子として使用することもできる、この場合には、樹脂粒子の分散液に着色剤粒子分散液などを添加した後に水系媒体中で融着させることで着色粒子とすることができる。
【0073】
特に、融着の方法としては、重合工程によって生成された樹脂粒子を用いて塩析/融着する方法が好ましい。また、非着色の樹脂粒子を使用した場合には、樹脂粒子と着色剤粒子を水系媒体中で塩析/融着させることができる。
【0074】
また、着色剤や離型剤に限らず、トナーの構成要素である荷電制御剤等も本工程で粒子として添加することができる。
【0075】
なお、ここで水系媒体とは主成分として水からなるもので、水の含有量が50質量%以上であるものを示す。水以外のものとしては、水に溶解する有機溶媒を挙げることができ、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランなどをあげることができる。好ましくは樹脂を溶解しない有機溶媒である、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールのようなアルコール系有機溶媒が特に好ましい。
【0076】
本発明での好ましい重合法としては、モノマー中に離型剤を溶解したモノマー溶液を臨界ミセル濃度以下の界面活性剤を溶解させた水系媒体中に機械的エネルギーによって油滴分散させた分散液に、水溶性重合開始剤を加え、ラジカル重合させる方法をあげることができる。この場合、モノマー中に油溶性の重合開始剤を加えて使用してもよい。
【0077】
この油滴分散を行うための分散機としては特に限定されるものでは無いが、例えばクレアミックス、超音波分散機、機械式ホモジナイザー、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザー等をあげることができる。
【0078】
着色剤粒子は着色剤を水系媒体中に分散して調製される方法がある。この分散は、水中で界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度(CMC)以上にした状態で行われる。
【0079】
顔料分散時の分散機は特に限定されないが、好ましくはクレアミックス、超音波分散機、機械的ホモジナイザー、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、サンドグラインダー、ゲッツマンミルやダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機が挙げられる。
【0080】
ここで使用される界面活性剤は、前述の界面活性剤を使用することができる。
〔塩析/融着工程〕
塩析/融着を行う工程は、樹脂粒子及び着色剤粒子とが存在している水中に塩析剤を臨界凝集濃度以上の凝集剤として添加し、ついで樹脂粒子のガラス転移点以上に加熱することで塩析を進行させると同時に融着を行う。
【0081】
ここで、塩析剤は、金属として、リチウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、チタンなどが挙げられ、好ましくはカリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムが挙げられる。また塩を構成するものとしては、塩素塩、臭素塩、沃素塩、炭酸塩、硫酸塩等が挙げられる。
【0082】
本発明の融着を塩析/融着で行う場合、塩析剤を添加した後に放置する時間は、形状係数をモニタリングしながら制御するが、できるだけ短くすることが好ましい。この塩析剤を添加する温度は特に限定されないが、80〜90℃が好ましい。
【0083】
また、本発明では、樹脂粒子の分散液をできるだけ速やかに昇温し、樹脂粒子のガラス転移温度以上に加熱する方法を使用することが好ましい。この昇温までの時間としては30分未満、好ましくは10分未満である。さらに、昇温を速やかに行う必要があるが、昇温速度としては、1℃/分以上が好ましい。上限としては特に明確では無いが、急速な塩析/融着の進行により粗大粒子の発生を抑制する観点で、15℃/分以下が好ましい。特に好ましい形態としては、塩析/融着をガラス転移温度以上になった時点でも継続して進行させる方法をあげることができる。この方法とすることで、粒子の成長とともに融着が効果的に進行させることができ、最終的なトナーとしての粒子強度を高め、耐久性を向上することができる。
【0084】
本発明のトナーはその粒子中に、離型剤を含有させることが好ましい。
離型剤を含有する樹脂粒子を塩析/融着させたトナーを使用することにより、トナー粒子中に均一に離型剤を包含させることができ、さらに、表面近傍にまで離型剤を包含させたトナーを形成することができる。
【0085】
この様に樹脂粒子中に離型剤を内包させた樹脂粒子を着色剤粒子と水系媒体中で塩析/融着させることで、微細に離型剤が分散されたトナーを得ることができる。
【0086】
離型剤としては、下記の如きものが好ましい。
R1−(OCO−R2)n
nは1〜4の整数、好ましくは2〜4、さらに好ましくは3〜4、特に好ましくは4である。
【0087】
R1、R2は置換基を有しても良い炭化水素基を示す。
R1は炭素数1〜40、好ましくは1〜20、さらに好ましくは2〜5がよい。
【0088】
R2は炭素数1〜40、好ましくは16〜30、さらに好ましくは18〜26がよい。
【0089】
次に代表的な例示化合物を記載する。
【0090】
【化1】
【0091】
【化2】
【0092】
添加量は、トナー全体に対し1〜30質量%、好ましくは3〜25質量%である。
【0093】
トナーは、着色剤、離型剤以外にトナー用材料として種々の機能を付与することのできる材料を加えてもよい。具体的には荷電制御剤等が挙げられる。これらの成分は前述の塩析/融着段階で添加し、トナー中に包含する方法、樹脂粒子自体に添加する方法等種々の方法で添加することができる。
【0094】
荷電制御剤も同様に種々の公知のもので、且つ水中に分散することができるものを使用することができる。具体的には、第4級アンモニウム塩化合物、フッ素系化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩あるいはその金属錯体等が挙げられる。
【0095】
《外添剤》
本発明のトナーには、流動性、帯電性の改良およびクリーニング性の向上などの目的で、いわゆる外添剤を添加して使用することができる。これら外添剤としては特に限定されるものでは無く、種々の無機微粒子、有機微粒子及び滑剤を使用することができる。
【0096】
無機微粒子としては、従来公知のものを使用することができる。具体的には、シリカ、チタン、アルミナ微粒子等が好ましく用いることができる。これら無機微粒子としては疎水性のものが好ましい。具体的には、シリカ微粒子として、例えば日本アエロジル社製の市販品R−805、R−976、R−974、R−972、R−812、R−809、ヘキスト社製のHVK−2150、H−200、キャボット社製の市販品TS−720、TS−530、TS−610、H−5、MS−5等が挙げられる。
【0097】
チタン微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品T−805、T−604、テイカ社製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1、富士チタン社製の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−130、TAF−510、TAF−510T、出光興産社製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、IT−OC等が挙げられる。
【0098】
アルミナ微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品RFY−C、C−604、石原産業社製の市販品TTO−55等が挙げられる。
【0099】
又、有機微粒子としては数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子を使用することができる。このものとしては、スチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体を使用することができる。
【0100】
滑剤には、例えばステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウム等の塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウムなどの塩等の高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。
【0101】
これら外添剤の添加量は、トナーに対して0.1〜5質量%が好ましい。
外添剤の添加方法としては、タービュラーミキサー、ヘンシエルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の混合装置を使用することができる。
【0102】
《現像剤》
本発明のトナーは、一成分現像剤でも二成分現像剤として用いてもよい。
【0103】
一成分現像剤として用いる場合は、非磁性或いは磁性の一成分現像剤があげらる。
【0104】
又、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合は、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を用いることが出来る。特にフェライト粒子が好ましい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては好ましくは15〜100μm、より好ましくは25〜80μmのものがよい。
【0105】
キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
【0106】
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
【0107】
本発明のトナーは、熱定着器による定着工程を含む画像形成方法及び画像形成装置によって定着される。
【0108】
本発明の画像形成方法及び画像形成装置の一例をまず説明する。
図1は本発明の一実施態様例を示した画像形成装置の概略構成図である。4は感光体であり、本発明における静電潜像形成体の代表例である。アルミニウム製のドラム基体の外周面に感光体層である有機光導電体(OPC)を形成してなるもので、矢印方向に所定の速度で回転する。本実施態様例において、感光体4は外径60mmである。
【0109】
図1において、図示しない原稿読み取り装置にて読み取った情報に基づき、半導体レーザ光源1から露光光が発せられる。これをポリゴンミラー2により、図1の紙面と垂直方向に振り分け、画像の歪みを補正するfθレンズ3を介して、感光体面上に照射され静電潜像を作る。感光体は、あらかじめ帯電器5により一様帯電され、像露光のタイミングにあわせて時計方向に回転を開始している。
【0110】
感光体面上の静電潜像は、現像器6により現像され、形成された現像像はタイミングを合わせて搬送されてきた記録材8に転写器7の作用により転写される。さらに感光体4と転写材8は分離器(分離極)9により分離されるが、トナー現像像は転写材8に転写担持されて、定着器10へと導かれ定着される。
【0111】
感光体面に残留した未転写のトナー等は、クリーニングブレード方式のクリーニング器11にて清掃され、帯電前露光(PCL)12にて残留電荷を除き、次の画像形成のため再び帯電器5により、一様帯電される。
【0112】
尚、転写材は代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に限定されず、OHP用のPETベース等も無論含まれる。
【0113】
又、クリーニングブレード13は、厚さ1〜30mm程度のゴム状弾性体を用い、材質としてはウレタンゴムが最もよく用いられる。これは感光体に圧接して用いられるため熱を伝え易く、画像形成動作を行っていない時には感光体から離しておくのが望ましい。
【0114】
近年、感光体上に静電潜像を形成し、この潜像を現像して可視画像を得る電子写真等の分野において、画質の改善、変換、編集等が容易で高品質の画像形成が可能なデジタル方式を採用した画像形成方法の研究開発が盛んになされている。
【0115】
この画像形成方法及び装置に採用されるコンピュータまたは複写原稿からのデジタル画像信号により光変調する走査光学系として、▲1▼レーザ光学系に音響光学変調器を介在させ、当該音響光学変調器により光変調する装置、▲2▼半導体レーザを用い、レーザ強度を直接変調する装置がある。これらの走査光学系から一様に帯電した感光体上にスポット露光してドット状の画像を形成する。
【0116】
前述の走査光学系から照射されるビームは、裾が左右に広がった正規分布状に近似した丸状や楕円状の輝度分布となり、例えばレーザビームの場合、通常、感光体上で主走査方向あるいは副走査方向の一方あるいは両者が20〜100μmという極めて小さい円状あるいは楕円状である。
【0117】
又、上記画像形成装置は、感光体4と、帯電器5、現像器6、クリーニング器11あるいは転写器7等の少なくとも一つを含むプロセスカートリッジを搭載する形態にすることもできる。
【0118】
図2は、本発明のトナーを用いた画像形成装置において使用する定着器の一例を示す断面図であり、図2に示す定着器は、加熱ローラー21と、これに当接する加圧ローラー20とを備えている。なお、図2において、Tは転写材(画像形成支持体)8上に形成されたトナー像である。
【0119】
加熱ローラー21は、フッ素樹脂または弾性体からなる被覆層22が芯金23の表面に形成されてなり、線状ヒーターよりなる加熱部材24を内包している。
【0120】
芯金23は、金属から構成され、その内径は10〜70mmとされる。芯金23を構成する金属としては特に限定されるものではないが、例えば鉄、アルミニウム、銅等の金属あるいはこれらの合金を挙げることができる。
【0121】
芯金23の肉厚は0.1〜15mmとされ、省エネルギーの要請(薄肉化)と、強度(構成材料に依存)とのバランスを考慮して決定される。例えば、0.57mmの鉄よりなる芯金と同等の強度を、アルミニウムよりなる芯金で保持するためには、その肉厚を0.8mmとする必要がある。
【0122】
被覆層22の表面層を構成するフッ素樹脂としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)およびPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)などを例示することができる。
【0123】
フッ素樹脂からなる被覆層22の表面層の厚みは10〜500μmとされ、好ましくは20〜400μmとされる。
【0124】
フッ素樹脂からなる被覆層22の表面層の厚みが10μm未満であると、被覆層としての機能を十分に発揮することができず、定着器としての耐久性を確保することができない。一方、500μmを超える被覆層の表面層には紙粉によるキズがつきやすく、当該キズ部にトナーなどが付着し、これに起因する画像汚れを発生する問題がある。
【0125】
また、被覆層22を構成する弾性体としては、LTV、RTV、HTVなどの耐熱性の良好なシリコーンゴムおよびシリコーンスポンジゴムなどを用いることが好ましい。
【0126】
被覆層22を構成する弾性体のアスカーC硬度は、80°未満とされ、好ましくは60°未満とされる。
【0127】
また、弾性体からなる被覆層22の厚みは0.1〜30mmとされ、好ましくは0.1〜20mmとされる。
【0128】
被覆層22を構成する弾性体のアスカーC硬度が80°を超える場合、および当該被覆層22の厚みが0.1mm未満である場合には、定着のニップを大きくすることができず、ソフト定着の効果(例えば、平滑化された界面のトナー層による色再現性の向上効果)を発揮することができない。
【0129】
加熱部材24としては、ハロゲンヒーターを好適に使用することができる。
加圧ローラー20は、弾性体からなる被覆層26が芯金25の表面に形成されてなる。被覆層26を構成する弾性体としては特に限定されるものではなく、ウレタンゴム、シリコーンゴムなどの各種軟質ゴムおよびスポンジゴムを挙げることができ、被覆層26を構成するものとして例示したシリコーンゴムおよびシリコーンスポンジゴムを用いることが好ましい。
【0130】
被覆層26を構成する弾性体のアスカーC硬度は、80°未満とされ、好ましくは70°未満、更に好ましくは60°未満とされる。
【0131】
また、被覆層26の厚みは0.1〜30mmとされ、好ましくは0.1〜20mmとされる。
【0132】
被覆層26を構成する弾性体のアスカーC硬度が80°を超える場合、および被覆層26の厚みが0.1mm未満である場合には、定着のニップを大きくすることができず、ソフト定着の効果を発揮することができない。
【0133】
芯金25を構成する材料としては特に限定されるものではないが、アルミニウム、鉄、銅などの金属またはそれらの合金を挙げることができる。
【0134】
加熱ローラー21と加圧ローラー20との当接荷重(総荷重)としては、通常40〜350Nとされ、好ましくは50〜300N、さらに好ましくは50〜250Nとされる。この当接荷重は、加熱ローラー21の強度(芯金23の肉厚)を考慮して規定され、例えば0.3mmの鉄よりなる芯金を有する加熱ローラーにあっては、250N以下とすることが好ましい。
【0135】
また、耐オフセット性および定着性の観点から、ニップ幅としては4〜10mmであることが好ましく、当該ニップの面圧は0.6×105Pa〜1.5×105Paであることが好ましい。
【0136】
図2に示した定着器による定着条件の一例を示せば、定着温度(加熱ローラー21の表面温度)が150〜210℃とされ、定着線速が80〜640mm/secとされる。
【0137】
本発明において使用する定着器には、必要に応じてクリーニング機構を付与してもよい。この場合には、シリコーンオイルを定着部の上ローラー(加熱ローラー)に供給する方式として、シリコーンオイルを含浸したパッド、ローラー、ウェッブ等で供給し、クリーニングする方法が使用できる。
【0138】
シリコーンオイルとしては耐熱性の高いものが使用され、ポリジメチルシリコーン、ポリフェニルメチルシリコーン、ポリジフェニルシリコーン等が使用される。粘度の低いものは使用時に流出量が大きくなることから、20℃における粘度が1〜100Pa・sのものが好適に使用される。
【0139】
但し、本発明による効果は、シリコーンオイルを供給しない、または、シリコーンオイルの供給量がきわめて低い定着器により、画像を形成する工程を含む場合に特に顕著に発揮される。従って、シリコーンオイルを供給する場合であっても、その供給量はA4用紙1枚当たり2mg以下とすることが好ましい。
【0140】
また、シリコーンオイルの変質による耐オフセット性の経時的な低下、シリコーンオイルによる光学系や帯電極の汚染などの問題を回避することができる。
【0141】
ここに、シリコーンオイルの供給量は、所定温度に加熱した定着器(ローラー間)に転写紙(A4サイズの白紙)を連続して100枚通過させ、通紙前後における定着器の質量変化(Δw)を測定して算出される(Δw/100)。
【0142】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、無論、本発明の態様はこれに限定されない。なお、文中「部」とは「質量部」を表す。
【0143】
トナー用樹脂粒子の製造例
〔ラテックス(1HML)〕
(1)核粒子の調製(第一段重合)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlのセパラブルフラスコに下記アニオン系界面活性剤
(101) C10H21(OCH2CH2)2OSO3Na
を7.08gとり、イオン交換水3010gに溶解させた界面活性剤溶液(水系媒体)を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、フラスコ内の温度を80℃に昇温させた。
【0144】
この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)9.2gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、スチレン70.1g、n−ブチルアクリレート19.9g、メタクリル酸10.9gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下し、この系を75℃にて2時間にわたり加熱、撹拌することにより重合(第一段重合)を行い、ラテックス(高分子量樹脂からなる樹脂粒子の分散液)を調製した。これを「ラテックス(1H)」とする。
【0145】
(2)中間層の形成(第二段重合)
撹拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン105.6g、n−ブチルアクリレート30.0g、メタクリル酸6.2g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル5.6gからなる単量体混合液に、離型剤として、前記化合物19)で表される化合物(以下、「例示化合物19)」という。)98.0gを添加し、90℃に加温し溶解させて単量体溶液を調製した。
【0146】
一方、アニオン系界面活性剤(上記(101))1.6gをイオン交換水2700mlに溶解させた界面活性剤溶液を98℃に加熱し、この界面活性剤溶液
に、核粒子の分散液である前記ラテックス(1H)を固形分換算で28g添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム−テクニック社製)により、上記例示化合物19)の単量体溶液を8時間混合分散させ、乳化粒子(油滴)とした分散液を調製した。
【0147】
次いで、この分散液に、重合開始剤(KPS)5.1gをイオン交換水240mlに溶解させた開始剤溶液と、イオン交換水750mlとを添加する。この系を98℃にて12時間にわたり加熱撹拌することにより重合(第二段重合)を行い、ラテックス(高分子量樹脂からなる樹脂粒子の表面が中間分子量樹脂により被覆された構造の複合樹脂粒子の分散液)を得た。これを「ラテックス(1HM)」とする。
【0148】
(3)外層の形成(第三段重合)
上記の様にして得られたラテックス(1HM)に、重合開始剤(KPS)7.4gをイオン交換水200mlに溶解させた開始剤溶液を添加した。80℃の温度条件下に、スチレン300g、n−ブチルアクリレート95g、メタクリル酸15.3g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル10.4gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌することにより重合(第三段重合)を行った後、28℃まで冷却しラテックス(高分子量樹脂からなる中心部と、中間分子量樹脂からなる中間層と、低分子量樹脂からなる外層とを有し、前記中間層に例示化合物19)が含有されている複合樹脂粒子の分散液を得た。このラテックスを「ラテックス(1HML)」とする。
【0149】
このラテックス(1HML)を構成する複合樹脂粒子は、138,000、80,000および13,000にピーク分子量を有するものであり、また、この複合樹脂粒子の重量平均粒径は122nmであった。
【0150】
〔ラテックス(2HML)〕
アニオン系界面活性剤(101)に代えて、アニオン系界面活性剤(ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム:SDS)7.08gを使用したこと以外は、ラテックス(1HML)と同様にして、ラテックス(高分子量樹脂からなる中心部と、中間分子量樹脂からなる中間層と、低分子量樹脂からなる外層とを有する複合樹脂粒子の分散液)を得た。このラテックスを「ラテックス(2HML)」とする。
【0151】
このラテックス(2HML)を構成する複合樹脂粒子は、138,000、80,000および12,000にピーク分子量を有するものであり、また、この複合樹脂粒子の重量平均粒径は110nmであった。
【0152】
〔トナー1の製造〕
アニオン系界面活性剤(101)59.0gをイオン交換水1600mlに撹拌溶解し、この溶液を撹拌しながら、カーボンブラック「リーガル330」(キャボット社製)420.0gを徐々に添加し、次いで「クレアミックス」(エム−テクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤粒子の分散液(以下「着色剤分散液1」という。)を調製した。この着色剤分散液における着色剤粒子の粒子径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、重量平均粒径で89nmであった。
【0153】
ラテックス(1HML)420.7g(固形分換算)と、イオン交換水900gと、着色剤分散液1 166gとを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を取り付けた反応容器(四つ口フラスコ)に入れ撹拌した。容器内の温度を30℃に調製した後、この溶液に5モル/1000mlの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを9.0に調製した。
【0154】
次いで、塩化マグネシウム・6水和物12.1gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加した。次に3分間放置した後に昇温を開始し、この系を3分間かけて70℃まで昇温して、塩析/融着粒子の生成を行った。その状態で、FPIA−2100にて会合粒子の円相当径と平均円形度粒径を測定し、所定の数値に達したところで、塩化ナトリウム2gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を抑制させ、その後0.2〜1.0μm成長させて円相当径に対する円形度の傾きを形成させた。更に熟成処理として液温度90℃にて2分間だけ加熱撹拌することにより、粒子の融着を継続させた(熟成工程)。
【0155】
その後、30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを2.0に調整し、撹拌を停止した。生成した塩析/融着粒子を濾過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄を行った。その後、40℃の温風で乾燥し、疎水性シリカ0.8質量部、疎水性酸化チタン1.0質量部を添加し、10,000mlのヘンシェルミキサーの回転翼の周速を30m/sに設定し25分間混合しトナー1を得た。
【0156】
〔トナー2〜4の製造〕
トナー1の製造においてラテックス(1HML)の代わりにラテックス(2HML)を用いた。また塩析/融着粒子の生成において塩析/融着粒子の円相当径が2.5μmと平均円形度0.987に達したところで、塩化ナトリウム8gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させた。更に熟成処理として液温度90℃にて20分にわたり加熱撹拌することにより、粒子の融着を継続させ着色粒子の分散液を得た。得られた着色粒子の分散液を着色粒子分散液Sとする。一方で会合粒子の生成において会合粒子の円相当径が7.8μmと平均円形度0.875に達したところで、塩化ナトリウム80gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ同様の処理をすることで着色粒子分散液Lを得た。つぎに着色粒子分散液Sと着色粒子分散液LをFPIA−2100にて会合粒子の円相当径と平均円形度粒径をモニタリングしながら混合し、その後、30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを2.0に調整し、撹拌を停止した。生成した会合粒子を濾過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄を行い、その後、40℃の温風で乾燥し、疎水性シリカ0.8質量部、疎水性酸化チタン1.0質量部を添加し、10,000mlのヘンシェルミキサーの回転翼の周速を30m/sに設定し25分間混合し表1に示すトナー2〜5を得た。
【0157】
〔比較用トナー1の製造〕
ラテックス(1HML)420.7g(固形分換算)と、イオン交換水900gと、着色剤分散液1を166gとを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を取り付けた反応容器(四つ口フラスコ)に入れ撹拌した。容器内の温度を30℃に調製した後、この溶液に5モル/1000mlの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを9.5に調製した。
【0158】
次いで、塩化マグネシウム・6水和物12.1gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加した。次に3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて90℃まで昇温して、会合粒子の生成を行った。その状態で、「コールターカウンター TA−II」にて会合粒子の粒径を測定し、個数平均粒径が3.5μmになった時点で、塩化ナトリウム80.4gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させた。更に熟成処理として液温度98℃にて12時間にわたり加熱撹拌することにより、粒子の融着及び結晶性物質の相分離を継続させた(熟成工程)。
【0159】
その後、30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを2.0に調整し、撹拌を停止した。生成した会合粒子を濾過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄を行った。その後、40℃の温風で乾燥し、疎水性シリカ0.8質量部、疎水性酸化チタン1.0質量部を添加し、10,000mlのヘンシェルミキサーの回転翼の周速を30m/sに設定し25分間混合し、比較用トナー1を得た。
【0160】
次に、上記熟成処理液温度と処理時間を調整して、比較用トナー2〜4を作製した。
【0161】
以上作製したトナー1〜5及び比較用トナー1〜4の平均円形度、円相当径の平均値、円相当径に対する円形度の傾きの値を表1に記す。
【0162】
【表1】
【0163】
キャリアの製造
フェライト芯材の製造
MnOを18mol%、MgOを4mol%、Fe2O3を78mol%を湿式ボールミルで2時間粉砕、混合し乾燥させた後に、900℃で2時間保持することにより仮焼成し、これをボールミルで3時間粉砕しスラリー化した。分散剤およびバインダーを添加し、スプレードライヤーにより造粒、乾燥し、その後1200℃で3時間本焼成を行い、抵抗値4.3×108Ω・cmのフェライト芯材粒子を得た。
【0164】
被覆用樹脂の製造
先ず、界面活性剤として炭素数12のアルキル基を有するベンゼンスルホン酸ナトリウムを用いた水溶液媒体中の濃度を0.3質量%とした乳化重合法により、シクロヘキシルメタクリレート/メチルメタクリレート(共重合比5/5)の共重合体を合成し、体積平均一次粒径0.1μmm、重量平均分子量(Mw)200,000、数平均分子量(Mn)91,000、Mw/Mn=2.2、軟化点温度(Tsp)230℃およびガラス転移温度(Tg)110℃の樹脂微粒子を得た。なお、前記樹脂微粒子は、乳化状態において、水と共沸し、残存モノマー量を510ppmとした。
【0165】
次に、フェライト芯材粒子100質量部と前記樹脂微粒子2質量部とを撹拌羽根付き高速撹拌混合機に投入し、120℃で30分間撹拌混合して機械的衝撃力の作用を利用して体積平均粒径61μmの樹脂被覆キャリアを得た。
【0166】
現像剤の製造
外部添加剤が添加された着色粒子の各々と、キャリアとを混合し、トナー濃度が6質量%の現像剤を調製した。
【0167】
感光体P1の製造
長さ380mm、直径60mmの円筒状導電性支持体上に下記の塗布液を塗布した。
【0168】
〈下引き層〉
チタンキレート化合物(TC−750 松本製薬社製) 30g
シランカップリング剤(KBM−503 信越化学社製) 17g
2−プロパノール 150ml
上記塗布液を用いて円筒状導電性支持体上に、膜厚0.5μmとなるよう塗布した。
【0169】
〈電荷発生層〉
Y型チタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で、ブ
ラッグ角2θ(±0.2°)の27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロ
シアニン) 60g
シリコーン変性ブチラール樹脂(X−40−1211M:信越化学社製)
700g
2−ブタノン 2000ml
を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。
【0170】
この塗布液を前記下引き層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0171】
〈電荷輸送層〉
電荷輸送物質 N−(4−メチルフェニル)−N−{4−(β−フェニルスチ
リル)フェニル}−p−トルイジン 225g
ポリカーボネート(粘度平均分子量30,000) 300g
酸化防止剤(例示化合物1−3) 6g
ジクロロメタン 2000ml
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
【0172】
〈保護層〉
メチルトリメトキシシラン 150g
ジメチルジメトキシシラン 30g
反応性電荷輸送性化合物 15g
ポリフッ化ビニリデン粒子(体積平均粒径0.2μm) 10g
酸化防止剤 0.75g
2−プロパノール 75g
3%酢酸 5g
を混合し、樹脂層用の塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷輸送層の上に円形量規制型塗布装置により厚さ2μmの樹脂層を形成し、120℃、1時間の加熱硬化を行い、シロキサン樹脂層を形成し、感光体P1を作製した。
【0173】
評価機として、図1に記載の画像形成プロセスを有するデジタル複写機(コロナ帯電、レーザ露光、反転現像、静電転写、爪分離、クリーニングブレードを有する)に、感光体P1及び各現像剤を搭載し評価した。上記デジタル複写機は以下の条件に設定し評価を行った。
【0174】
帯電条件
帯電器;スコロトロン帯電器、初期帯電電位を−750V
露光条件
露光部電位を−50Vにする露光量に設定。
【0175】
現像条件
DCバイアス;−550V
転写極;コロナ帯電方式
また、定着器としては、芯金として鉄を使用し、表面を厚さ25μmのPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)で被覆された表面粗さRaが0.8μmの加熱ローラーを使用し、加圧ローラーとして鉄の芯金を使用し、HTVシリコーンゴムの上に厚み120μmのPFAチューブを被覆した表面粗さRaが0.8μmの加圧ローラーを用いた。なお、ニップ幅は3.8mmであり、線速は420mm/secである。
【0176】
なお、定着器のクリーニング機構及びシリコーンオイル供給機構は装着していない。定着の温度は加熱ローラーの表面温度で制御し、165℃の設定温度とした。
【0177】
複写条件は、低温低湿環境(10℃、20%RH)にて連続100万コピー行い、コピー画像の耐オフセット性、画像形成時の汚れ、標準光沢度、クリーニング性、感光体のフィルミング発生について以下の評価基準にて評価を行った。
【0178】
評価は、画素率が7%の文字画像、人物顔写真画像、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分にあるオリジナル画像をA4中性紙での複写を行い、10000枚毎にハーフトーン、ベタ白画像、ベタ黒画像、細線画像を評価した。
【0179】
耐オフセット性
A4サイズの転写紙に1000枚連続印字した後、白紙を印字し、オフセットによる白紙への汚れの発生状況とヒートローラー表面のトナー汚れを目視にて評価した。なお、評価に使用する転写紙としては上質紙200g/m2の厚紙を使用し、紙進行方向(熱ローラー周方向)に平行な、幅0.3mm、長さ150mmの線画像を形成した。
【0180】
◎:白紙上の画像オフセット、熱ローラー上のトナー汚れ共に全く見られない○:白紙上の画像オフセット発生は確認されないが、熱ローラー上にトナー汚れが認められる
×:白紙上に画像オフセットが確認される
評価ランクは、◎、○は合格、×は不合格である。
【0181】
定着可能温度領域評価
熱ロール温度を130℃〜240℃まで10℃刻みで変更しつつ定着画像を作製した。なお、定着画像の出力に当たっては、A4サイズの普通紙(坪量64g/m2)を使用した。
【0182】
ここにおいて、定着可能温度領域が100℃以上ある場合を優良「A」、100℃未満70℃以上を良好「B」、70℃未満40℃以上を実用化可能「C」、40℃未満を不良「D」とした。
【0183】
ハーフトーンの均一性
前述の連続100万コピー後の転写性変動によるハーフトーン画像の均一性を評価した。
【0184】
ランクを下記に分けて評価を表示した。
A:ムラのない均一な画像
B:スジ状の極めて薄いムラが存在
C:スジ状の薄いムラが数本存在するが実用上問題ないレベル
D:スジ状のはっきりしたムラが数本存在
評価ランクA〜Cを合格、Dを不合格とした。
【0185】
微細ドットのチリ
画像全面に10%網点画像を形成し、ルーペにてドット周辺のチリを観察した。チリが殆ど検知できないものを「◎」、僅かにチリがあるが、注視しなければ気づかない程度のものを「○」、チリが明らかに検知できるものを「×」とした。
【0186】
又、感光体へのトナーフィルミング、及び現像ローラーへのトナーフィルミングは、1万コピー毎に肉眼にて、感光体表面及び現像ローラー表面を観察した結果を記した。
【0187】
【表2】
【0188】
表2から明らかな如く、本発明内の実施例1〜5は各項目ともに良好な特性を示したが、本発明外の比較例1〜4は問題があることがわかる。
【0189】
【発明の効果】
本発明により、熱ローラー定着方式を、トナー粒子が小粒径で、粒度分布及び形状の均一化された重合法トナーと組み合わせて用いても、紙の凹凸や、熱ローラー表面の凹凸に対しトナー粒子の変形が充分追従し、定着不良を発生させることがなく、高画質な画像形成が出来る静電潜像現像用トナーと、それを用いた画像形成方法及び画像形成装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成方法及び画像形成装置の一例を示す概略構成図。
【図2】本発明の画像形成装置において使用する定着器の一例を示す断面図。
【符号の説明】
1 半導体レーザ光源
2 ポリゴンミラー
3 fθレンズ
4 静電潜像形成体(感光体)
5 帯電器
6 現像器
7 転写器
8 記録材
9 分離極
10 定着器
Claims (7)
- 円相当径の平均値が3.4〜6.6μmにあり、円相当径に対する円形度の傾きが−0.004〜−0.002であることを特徴とする請求項1記載の静電潜像現像用トナー。
- 累積10%における円相当径d10と累積90%における円相当径d90との比、d90/d10が1.2〜1.8であることを特徴とする請求項1又は2記載の静電潜像現像用トナー。
- 少なくとも重合性単量体を水系媒体中で重合せしめて得られたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の静電潜像現像用トナー。
- BET比表面積が1.1〜4.0m 2 /g、ESCAて測定した珪素原子の表面存在量が6〜12面積%、炭素原子の存在量が50〜75面積%であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の静電潜像現像用トナー。
- 感光体上に形成された静電潜像を可視画像化し、該可視画像を記録紙上に転写、加熱定着させる工程を有する画像形成方法において、該可視画像化を請求項1〜5の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナーを用いて行うことを特徴とする画像形成方法。
- 請求項6に記載の画像形成方法を用い、感光体上への照射がデジタル露光によって行われることを特徴とする画像形成装置。
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