JP4326179B2 - 高分子電解質型燃料電池 - Google Patents
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Description
技術分野
本発明は、ポータブル電源、電気自動車用電源および家庭内コージェネレーションシステムなどに使用される常温作動型の高分子電解質型燃料電池に関する。
【0002】
背景技術
高分子電解質型燃料電池は、水素を含有する燃料ガスと空気などの酸素を含有する酸化剤ガスを、電気化学的に反応させることで、電力と熱を同時に発生させる。
【0003】
この燃料電池を得るためには、まず、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜の両面に、白金系の金属触媒を担持したカーボン粉末を主成分とする触媒層を形成する。次に、この触媒層の外面に、燃料ガスまたは酸化剤ガスに対する通気性および電子伝導性を併せ持つガス拡散層を形成し、触媒層とこのガス拡散層とを合わせて電極とする。この電極と電解質膜の接合体をMEAと呼ぶ。
【0004】
次に、供給されたガスが外にリークしたり、燃料ガスと酸化剤ガスが互いに混合しないように、電極の周囲には高分子電解質膜を挟んでガスケットを配置する。場合により、前記ガスケット、前記電極および高分子電解質膜をあらかじめ一体化して組み立てたMEAを得る。
【0005】
MEAの外側には、MEAを機械的に固定するとともに、隣接したMEAを互いに電気的に直列に接続するための導電性セパレータ板を配置する。セパレータ板のMEAと接触する部分には、電極面に反応ガスを供給し、生成ガスや余剰ガスを運び去るためのガス流路を形成する。ガス流路はセパレータ板に別途設けることもできるが、一般的にはセパレータ板の表面に溝を形成してガス流路を形成する。
【0006】
また、導電性セパレータ板には、高電子伝導性、ガス気密性および高耐食性が要求されるため、従来は緻密なカーボン板などに切削などの加工法で溝を形成して導電性セパレータ板を得ていた。
【0007】
従来の導電性セパレータ板に設けられたガス流路は、ガス注入口からガス排出口に向けて、直線的に複数のガス流路(ストレート型流路)が平行に設けられるのが一般的であった。しかし、高分子電解質型燃料電池においては、運転時にカソード側に生成水が発生し、この生成水を効率よく除去しなければ電池性能が充分に発揮できないという問題がある。そこで、導電性セパレータ板に設けられるガス流路の断面積を小さくし、ガス流路(サーペンタイン型流路)を蛇行させることによってガス流路1本あたりの長さを増加させることが行われている。これにより、実質的にガス流速を上げることができ、生成水を強制的に除去し、電池性能を向上させることができる。
【0008】
通常、燃料電池を実際に使用するときは、上述の単電池を数個積層して積層電池の構造を採る。燃料電池の運転時には電力とともに熱が発生するため、積層電池において、単電池1〜2個毎に冷却板を設け、電池温度を一定に保つと同時に発生した熱エネルギーを温水などに利用している。
【0009】
一般的な冷却板としては、内部に冷却水などの熱媒体が貫流する構造を有する薄い金属板が用いられる。しかし、単電池を構成する導電性セパレータ板の背面、すなわち導電性セパレータ板の冷却水を流したい面に流路を形成して、当該導電性セパレータ板を冷却板として利用することもできる。その際、冷却水などの熱媒体をシールするためのO−リングやガスケットも必要となる。この場合、O−リングを完全につぶすなどして冷却板の上下間で充分な導電性を確保することが必要である。
【0010】
このような積層電池では、マニホールドと呼ばれる各単電池への燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給排出孔が必要である。なかでも、一般的には、冷却水の供給排出孔を積層電池内部に確保した、いわゆる内部マニホールドが用いられる。
内部マニホールドおよび外部マニホールドのいずれを用いる場合でも、冷却部を含む複数の単電池を一方向に積み重ねて積層体(積層電池)を得、その積層体の両端に一対の端板を配し、その2枚の端板の間を締結ロッドで固定することが必要である。
【0011】
締結ロッドを用いて締め付ける場合、単電池を面方向においてできるだけ均一に締め付けることが望ましい。機械的強度の観点から、端板や締結ロッドには通常ステンレス鋼などの金属材料を用いる。これらの端板や締結ロッドと、積層体とは、絶縁板により電気的に絶縁し、電流が端板を通して外部に漏れ出ることのない構造を形成する。締結ロッドは、セパレータ内部の貫通孔の中を通すことができ、また、積層体全体を端板越しに金属のベルトで締め上げる方法なども提案されている。
【0012】
以上のようにして得られる高分子電解質型燃料電池には、電解質膜が水分を含んだ状態で電解質として機能するため、燃料ガスや酸化剤ガスを加湿して供給する必要がある。また、高分子電解質膜は、少なくとも100℃までの温度範囲では、含水率が高くなればなるほど、イオン伝導度が増加し、電池の内部抵抗が低減し、高性能となる。
【0013】
しかし、電池運転温度以上の高加湿ガスを供給すると、電池内部で結露水が発生し、水滴がスムーズなガスの供給を阻害する。同時に、酸化剤ガスを供給するカソード側では、発電によって水が生成するため、生成水の除去効率が低下し、電池性能を低下させるという問題が発生する。そのため、通常は電池運転温度より若干低めの露点を有するように加湿してガスを供給する。
【0014】
一般的な供給ガスの加湿方法としては、所定の温度に保った脱イオン水中に供給ガスをバブリングして加湿するバブラー加湿方式、電解質膜などの水分が容易に移動可能な膜の一方の面に所定の温度に保った脱イオン水を流し、他方の面に供給ガスを流して加湿する膜加湿方式などがある。燃料ガスとして、メタノールまたはメタンなどの化石燃料を水蒸気改質して得られるガスを用いる場合には、改質ガス中に水蒸気が含まれているため、加湿が必要ない場合もある。
【0015】
加湿された燃料ガスや酸化剤ガスは、高分子電解質型燃料電池に供給され、発電に供する。このとき、積層電池中の任意の単電池の単一面内では、電流密度の分布が発生する。すなわち、燃料ガスは加湿されてからガス供給口を経て燃料電池内に供給されるが、燃料ガス中の水素が発電によって消費される。そのため、ガス流路の上流部ほど水素分圧が高く水蒸気分圧が低く、ガス流路の下流部ほど水素分圧が低く水蒸気分圧が高くなる現象が発生する。
【0016】
また、酸化剤ガスも加湿されてからガス供給口を経て燃料電池内に供給されるが、酸化剤ガス中の酸素が発電によって消費され、発電によって生成した水が発生する。そのため、ガス流路の上流部ほど酸素分圧が高く水蒸気分圧が低く、ガス流路の下流部ほど酸素分圧が低く水蒸気分圧が高くなる現象が発生する。
さらに、電池を冷却するための冷却水温度は、入り口ほど低く、出口ほど高くなるため、電池の単一面内に温度分布が発生する。以上のような理由から、電池の単一面内では電流密度分布(性能分布)が発生する。
【0017】
また、上述のような電池の単一面内での燃料ガス中の水素分圧および水蒸気分圧の不均一性、酸化剤ガス中の酸素分圧および水蒸気分圧の不均一性、ならびに温度分布などが、極端に大きくなり最適な状態から逸脱すると、極端に乾きすぎた(オーバードライ)状態や、極端に濡れすぎた(オーバーフラッディング)状態を招来する。さらに、電池の単一面内でオーバードライ状態とオーバーフラッディング状態が共存する現象も発生し得る。そうすると、電流密度分布の発生だけでは収まらず、場合によっては電池として機能しなくなるという問題もある。
【0018】
積層電池に含まれる単電池の数が多い場合、積層した多数の単電池の一部の単電池に上述のような問題が発生すると、性能の低下した一部の単電池のために、積層電池全体の運転に支障をきたしてしまう。すなわち、積層電池の一部の単電池がオーバーフラッディング状態に陥った場合、その単電池においては、ガス供給のための圧力損失が増大する。ガス供給用マニホールドが積層電池内で各単電池につながっているため、1個の単電池がオーバーフラッディング状態に陥ると、ガスが流れにくくなり、他の単電池にもオーバーフラッディング状態が生じ、結果として益々オーバーフラッディング状態を助長してしまう。
【0019】
逆に、積層電池の一部の単電池がオーバードライ状態に陥った場合、その単電池においては、ガス供給のための圧力損失が減少する。したがって、オーバードライ状態に陥った単電池には、ガスが流れやすくなり、結果として益々オーバードライ状態を助長してしまう。
上述のような問題は、燃料ガスを供給するアノード側においても、酸化剤ガスを供給するカソード側においても、ガス供給口側に比べてガス排出口側ほどガス中の水蒸気分圧が高くなることに起因する場合が多い。
【0020】
そして、高分子電解質型燃料電池を電気自動車用電源として用いる場合には、コンパクト性、軽量化および低コスト化などが強く要求されるとともに、高出力時のレスポンス、すなわち高電流密度域での高い電流−電圧特性が要求される。したがって、上述のようなオーバーフラッディング状態およびオーバードライ状態は回避することが望ましい。
ところで、一般的に高分子電解質型燃料電池の電極(アノードおよびカソード)は、高分子電解質膜の両面に形成された触媒層、およびその触媒層の外面に形成されたガス拡散層からなる。ガス拡散層は、主に次の3つの機能を有する。
【0021】
第一の機能は、ガス拡散層のさらに外面に位置するガス流路から触媒層中の触媒へ、均一に燃料ガスまたは酸化剤ガスを供給するようにガスを拡散させる機能である。第2の機能は、触媒層で生成した生成水を、速やかにガス流路に排出する機能である。第3の機能は、反応に必要とされる電子または生成される電子を伝導する機能である。
【0022】
従って、ガス拡散層には、高い反応ガス透過性、水蒸気透過性および電子伝導性が必要となる。従来の技術として、ガス透過性を高めるためガス拡散層を多孔質構造とする方法、水蒸気透過性を高めるためにフッ素樹脂などの撥水性高分子をガス拡散層の中に分散する方法、および電子伝導性を高めるためにカーボン繊維、金属繊維または炭素粉末などの電子伝導性材料でガス拡散層を形成する方法などが採用されてきた。
【0023】
しかし、ガス透過性、水蒸気透過性および電子伝導性を向上させるための上記方法は、それぞれ相反する効果を示す。例えば、ガス透過性を高めるために炭素繊維の径を小さくしたり、充填量を減らすなどしてガス拡散層の気孔率を高めると、電子伝導性が低下してしまう。また、水蒸気透過性を高めるために撥水性高分子を添加すると、ガス透過性および電子伝導性が低下してしまう。
そこで、ガス拡散層を単一の部材で構成するのではなく、例えばカーボン繊維からなる層と、炭素粉末および撥水性高分子からなる層とを組み合わせ、相反する機能をうまく両立させる取り組みがなされている。しかし、上記炭素粉末がガス拡散層として必要な種々の特性について詳細に規定し、それを実証した先行技術はない。
【0024】
また、触媒である貴金属を担持した炭素粉末をガス拡散層を構成する導電性多孔質基材上に配して得られる電極は、一般的に、貴金属を担持した炭素粉末をイソプロピルアルコールなどの有機溶媒に混合してインクを得、このインクをスクリーン印刷法や転写法を用いて基材上に配することで形成される。また、触媒粉末を含むスラリーを調製し、このスラリーを樹脂製のシート上にドクターブレード法などを用いて塗布する方法もある。
これらの電極では、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を担持した炭素粉末などをインク中に混合して、電極の撥水性を高めることも行われている。
【0025】
電極面内の電流分布などによる特性の低下を低減するためには、電極の面方向またはガス拡散(厚み)方向において、電極の撥水性の構成を変えることが有効である。特に、電極のガス流路の出口付近では、入り口付近に比べて供給ガスの圧力が低下し、相対湿度が低下して乾燥する傾向があり、入口から出口にかけてMEA内部の保水性を高くすることが好ましい。
しかし、従来のスクリーン印刷法、ドクターブレード法などによる電極の製造方法では、面方向において電極の構成を変化させることができず、また、厚み方向においても重ね塗りの必要があり、製造工程が複雑になるという問題がある。
【0026】
以上のことから、本発明は、第1に、上述のような従来の問題点を解決すべく、アノードおよびカソードの撥水性の程度を位置によって変化させることにより、高い放電特性、特に高電流密度域で高い電流−電圧特性を有する優れた高分子電解質型燃料電池を提供することを目的とする。また、本発明は、特に、アノードおよびカソードにおける炭素粉末の撥水性、比表面積、一次粒子径およびDBP吸油量などを最適化することによって、高い放電性能を有する優れた高分子電解質型燃料電池を提供することを目的とする。
【0027】
発明の開示
本発明は、水素イオン伝導性高分子電解質膜を挟む位置に積層したカソードおよびアノードを、前記カソードおよびアノードにそれぞれ酸化剤ガスおよび燃料ガスを供給するためのガス流路を形成した一対の導電性セパレータ板で挟持してなる単電池を含む高分子電解質型燃料電池であって、前記カソードおよびアノードが、触媒粒子、水素イオン伝導性高分子電解質、導電性多孔質基材および撥水剤からなり、前記カソードの撥水性が前記アノードの撥水性より高く、前記カソードおよびアノードが、前記水素イオン伝導性高分子電解質膜に接合した触媒層、および前記導電性セパレータ板に接触するガス拡散層を有し、前記触媒層が炭素粒子に担持した触媒粒子と水素イオン伝導性高分子電解質からなり、前記ガス拡散層が炭素粒子を含有する導電性多孔質基材からなり、前記ガス拡散層に含まれる炭素粒子の撥水性が、前記触媒層に含まれる炭素粒子の撥水性より高く、前記カソードおよびアノードの少なくとも一方の撥水性が厚み方向に対して変化しており、前記ガス拡散層に含まれる炭素粒子が、前記触媒層と前記導電性多孔質基材との接合部分に配置されていることを特徴とする高分子電解質型燃料電池に関する。
【0028】
この場合、前記導電性多孔質基材のガス透過率が、ガーレー定数で1〜60秒/100mLであるのが有効である。
また、前記カソード中の導電性多孔質基材のガス透過率が、前記アノード中の導電性多孔質基材のガス透過率の1.2〜2.0倍であるのが有効である。
また、前記カソード中の導電性多孔質基材の気孔率が、前記アノード中の導電性多孔質基材の気孔率の1.2〜2.0倍であるのが有効である。
また、前記カソード中の導電性多孔質基材の厚みが、前記アノード中の導電性多孔質基材の厚みの1.2〜3.0倍であるのが有効である。
【0030】
また、前記ガス拡散層に含まれる炭素粒子の比表面積が、前記触媒層に含まれる炭素粒子の比表面積の1/2以下であるのが有効である。
また、前記ガス拡散層に含まれる炭素粒子の一次粒子の粒径が、前記触媒層に含まれる炭素粒子の一次粒子の粒径の1.3倍以上であるのが有効である。
また、前記ガス拡散層に含まれる炭素粒子のDBP吸油量が、前記触媒層に含まれる炭素粒子のDBP吸油量の2/3以下であるのが有効である。
【0031】
発明を実施するための最良の形態
本発明は、アノードおよびカソードの撥水性の分布を制御することにより、燃料電池内部におけるガスおよび水分などの動きをスムーズにし、もって電池性能の低下しにくい高分子電解質型燃料電池を提供する。したがって、本発明は、かかる思想の下、種々の実施の形態を採り得る。
【0032】
本発明は、水素イオン伝導性高分子電解質膜を挟む位置に積層したカソードおよびアノードを、前記カソードおよびアノードにそれぞれ酸化剤ガスおよび燃料ガスを供給するためのガス流路を形成した一対の導電性セパレータ板で挟持してなる単電池を含む高分子電解質型燃料電池であって、前記カソードおよびアノードが、触媒粒子、水素イオン伝導性高分子電解質、導電性多孔質基材および撥水剤からなり、前記カソードの撥水性が前記アノードの撥水性より高いことを特徴とする高分子電解質型燃料電池である。
【0033】
すなわち、本発明の高分子電解質型燃料電池は、水素イオン伝導性高分子電解質膜、前記膜を挟む一対の電極(アノードおよびカソード)ならびに各電極にガスを供給する流路を形成した導電性セパレータ板を具備する。
ここで、前記電極は、ガス拡散層を形成する導電性多孔質基材、および前記基材と水素イオン伝導性高分子電解質膜との間に形成された多孔質触媒層を具備してもよくまた、前記導電性多孔質基材と触媒層との間には、導電性微粒子(例えば炭素粉末)層を形成してもよい。
【0034】
また、本発明に係る燃料電池においては、前記カソードおよびアノードが、前記水素イオン伝導性高分子電解質膜に接合した触媒層、および前記導電性セパレータ板に接触するガス拡散層を有し、前記触媒層が炭素粒子に担持した触媒粒子と水素イオン伝導性高分子電解質からなり、前記ガス拡散層が炭素粒子を含有する導電性多孔質基材からなり、前記ガス拡散層に含まれる炭素粒子の撥水性が、前記触媒層に含まれる炭素粒子の撥水性より高く、前記カソードおよびアノードの少なくとも一方の撥水性が厚み方向に対して変化しているのが好ましい。例えば、前記電極において、前記ガス拡散層に配置した炭素粒子の撥水性が、前記触媒層に配置した炭素粒子の撥水性よりも高いことが有効である。これにより、本発明の高分子電解質型燃料電池においては、触媒層の触媒に均一に反応ガスを供給し、かつ生成水を速やかに排出することができるという利点がある。
【0035】
前述のように、ガス流路に沿った方向またはガス拡散方向の逆方向(面方向または厚み方向)に傾斜している撥水性は、任意の速度で2次元的に走査可能なスプレーノズルから撥水剤の分散液を単独で、または触媒粒子もしくは導電性微粒子とともに被付着面(被塗布面)である水素イオン伝導性高分子電解質膜、触媒層、導電性微粒子層または導電性多孔質基材上に塗布する工程により実現することができる。
前記工程によれば、被塗布面上に各分散液が付着する前に溶剤の大部分を蒸発させることができ、被塗布面を溶剤で膨潤させることがない。
【0036】
また、前記工程では、スプレーノズルが任意の速度で2次元的に走査可能であるため、走査速度を連続的に増加あるいは減少させ、かつ、スプレーノズルから撥水剤の分散液を多孔質触媒層、導電性多孔質基材または導電性微粒子層上に塗布しながら、スプレーノズルをガスの流路の入口から出口または出口から入口に向かう方向に沿って走査させることができる。このとき、スプレーノズルの走査速度が低いほど、スプレー塗布により付着する単位面積あたりの撥水剤の量が多くなる。
【0037】
また、触媒粒子または導電性微粒子の分散液を噴射させるスプレーノズルと撥水剤の分散液を噴射させるスプレーノズルとを近傍に配し、一定速度で同時にガス流路の入口から出口または出口から入口に向かう方向に沿って走査させることもできる。このとき、触媒粒子または導電性微粒子の分散液の噴射速度を一定に保ち、撥水剤の分散液の噴射速度のみを連続的に増加または減少させながら前記2つのスプレーノズルから高分子電解質膜または導電性多孔質基材上に同時に各分散液をスプレー塗布すると、撥水剤の噴射速度が大きい走査部分では、スプレー塗布により付着する単位面積あたりの撥水剤の量が多くなる。
【0038】
また、一旦、触媒粒子または導電性微粒子の分散液と撥水剤の分散液とを混合用の容器に送り、混合された分散液を逐次スプレーノズルに送り、スプレーノズルをガス流路の入口から出口または出口から入口にかけて走査させながらスプレー塗布することもできる。このとき、混合された分散液中の撥水剤の含有比率を経時的に変化させると、撥水剤の含有比率が大きい走査部分では、スプレー塗布により付着する単位面積あたりの撥水剤の量が多くなる。
従って、前記工程によれば、容易にガスの流路に沿った方向に傾斜した撥水性を有する触媒層、導電性多孔質基材および導電性微粒子層を作成することができる。
【0039】
さらに、一旦、触媒粒子または導電性微粒子の分散液と撥水剤の分散液とを混合用の容器に送り、混合された分散液を逐次スプレーノズルに送り、スプレーノズルの位置を固定して、高分子電解質膜上または導電性多孔質電極基材上に前記分散液をスプレー塗布することもできる。このとき混合された分散液中の撥水剤の含有比率を経時的に変化させると、ガスの拡散方向(厚み方向)に傾斜のある撥水性を有する触媒層や導電性微粒子層を作成することもできる。また、分散液中の撥水剤の含有比率を毎回変化させて重ね塗りすることによっても、そのような触媒層や導電性微粒子層を作成できる。
【0040】
各分散液をスプレー塗布するときの条件は、溶剤の種類、撥水剤の種類などに応じて適宜選択すればよい。特に、ノズル孔径0.5〜2mm、霧化圧力(ノズルからの噴射圧力)0.5〜3kgf/cm2、ノズル高さ(ノズルと被付着面との距離)5〜30cmが好ましい。また、吐出された分散液に含まれる微粒子の好ましい平均粒径は0.1〜20μmである。
また、各分散液中の固形分の好ましい含有比率は5〜20重量%であり、好ましい粘度は50P以下である。
【0041】
前記水素イオン伝導性高分子電解質膜としては、米国Du Pont社製のNafion膜に代表されるパーフルオロカーボンスルフォン酸からなる膜、ヘキスト社製の炭化水素系膜などを好ましく用いることができる。導電性多孔質基材としては、カーボンペーパー、カーボンクロス、カーボン−PTFE複合シート(カーボンとPTFEを練り合わせてシート化したもの)などを好ましく用いることができる。撥水剤としては、PTFEなどのフッ素樹脂を好ましく用いることができる。
【0042】
前記触媒粒子としては、100〜1000nmの平均粒径を有し、貴金属を担持した炭素粉末を好ましく用いることができる。触媒粒子の分散液には、高分子電解質、フッ素樹脂で撥水処理した炭素粉末、および撥水剤などを含有させることもできる。
導電性微粒子層は、0.1〜10μmの平均粒径を有する炭素材料、金属材料、炭素−高分子複合材料、金属−高分子複合材料などから構成されることが望ましい。なかでも、炭素−高分子複合材料としては、フッ素系樹脂を付着させた炭素粉末が望ましい。導電性微粒子の分散液には、高分子電解質および撥水剤などを含有させることもできる。
【0043】
前記溶剤としては、例えばエタノール、イソプロパノール、ブタノール、エトキシエタノール、ペンチルアルコール、酢酸ブチル、水などを好ましく用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、噴射により気化し易い点などから、特にエタノール、ブタノールおよび酢酸ブチルが好ましい。
本発明に用いられる各電極にガスを供給する流路を形成した導電性セパレータ板としては、従来から一般に用いられているものを特に限定なく用いることができる。また、前記電極とセパレータ板を積層して得られる単電池を含む高分子電解質型燃料電池の形状等にも特に限定はない。
【0044】
本発明に係る水素イオン伝導性高分子電解質膜を挟む位置に配置したカソードとアノードとを、前記カソードおよび前記アノードに酸化剤ガスおよび燃料ガスをそれぞれ供給するためのガス流路を形成した一対の導電性セパレータ板で挟持してなる単電池を含む高分子電解質型燃料電池においては、次のような構成を用いるのが好ましい。
【0045】
また、前記カソードおよび前記アノードが前記水素イオン伝導性高分子電解質膜に接合した触媒層と、前記導電性セパレータ板に接触するガス拡散層からなり、前記触媒層が炭素粒子に担持した触媒粒子と水素イオン伝導性高分子電解質からなり、前記ガス拡散層が導電性多孔質基材に炭素粒子を配置してなり、前記カソードのガス拡散層に配置した炭素粒子の撥水性が、前記アノードのガス拡散層に配置した炭素粒子の撥水性よりも高いことが有効である。これにより、カソードにおける生成水によるガス拡散層のフラッディングを抑制するとともに、ガス拡散層の撥水性により適量の水分を閉じこめてカソードの触媒層の水保持効果を高めるという利点がある。
【0046】
なお、前記ガス拡散層は導電性多孔質基材からなり、この導電性多孔質基材中に炭素粒子が分散しているのが好ましい。
さらに、本発明に係る高分子電解質型燃料電池においては、前記導電性多孔質基材のガス透過率が、ガーレー定数で1〜60秒/100mLであることが有効である。これにより、ガス拡散層を構成する導電性多孔質基材を適切に緻密化すると、電極の導電率とガス拡散性を両立し、大きい駆動電流でも電圧低下の小さい高分子電解質型燃料電池を実現することができる。
【0047】
また、前記カソード中の導電性多孔質基材のガス透過率が、前記アノード中の導電性多孔質基材のガス透過率の1.2〜2.0倍であるのが有効である。これにより、燃料ガスと比較して、例えば酸素濃度が低い空気を酸化剤ガスとして用いた場合にも、触媒層への酸化剤ガスの供給量が不足しないという利点がある。1.2より小さい場合、高電流密度域で酸素供給不足により電圧低下を引き起こし、2.0より大きい場合、高いガス透過率を確保するために気孔率が過剰に高くなり、電極強度が低下したり、導電性が低下するなどの不利益がある。
【0048】
また、前記カソード中の導電性多孔質基材の気孔率が、前記アノード中の導電性多孔質基材の気孔率の1.2〜2.0倍であることが有効である、これにより、上記ガス透過率と同様の効果がある。
また、前記カソード中の導電性多孔質基材の厚みが、前記アノード中の導電性多孔質基材の厚みの1.2〜3.0倍であることが有効である。これにより、撥水性や保水性を制御するための層を充分に確保できるという利点がある。また、この範囲外では、ガス透過性、導電性および撥水性が低下するという不利益がある。
【0049】
また、前記ガス拡散層に含まれる炭素粒子が、前記触媒層と前記導電性多孔質基材との接合部分に配置されているのが有効である。例えば、ガス拡散層に配置した炭素粉末と、触媒層に配置した炭素粉末とを混合した層を、触媒層とガス拡散層との界面に形成することにより、触媒層とガス拡散層との接合面積が増大する。そして、反応ガス、生成水および電子が効率よく速やかに移動し、電池性能が向上するという効果を奏する。
【0050】
また、前記ガス拡散層に含まれる炭素粒子の比表面積が、前記触媒層に含まれる炭素粒子の比表面積の1/2以下であることが有効である。比表面積の小さい炭素粉末は、比表面積の大きい炭素粉末よりも吸水性が低く、撥水性が高い。従って、ガス拡散層の炭素粉末の比表面積を触媒層の炭素粉末の比表面積の1/2以下にすることによって、触媒層よりもガス拡散層の炭素粉末の撥水性を高くすることができる。
【0051】
ここで、カソード側のガス拡散層に用いる炭素粉末の比表面積を、アノード側のガス拡散層に用いる炭素粉末の比表面積の1/2以下にすることも有効である。これにより、生成水を速やかに排出することが可能になり、カソードのガス拡散能を向上させることができる。
【0052】
また、前記ガス拡散層に含まれる炭素粒子の一次粒子の粒径が、前記触媒層に含まれる炭素粒子の一次粒子の粒径の1.3倍以上であることが有効である。炭素粉末の一次粒子の粒径が小さいほど、その比表面積が大きく撥水性が低い。従って、ガス拡散層の炭素粒子の粒径を触媒層の炭素粒子の粒径より30%以上大きくすることによって、触媒層の撥水性よりもガス拡散層の撥水性を高くすることができる。
【0053】
ここで、カソード側のガス拡散層に用いる炭素粒子の一次粒子の粒径を、アノード側のガス拡散層に用いる炭素粒子の一次粒子の粒径よりも30%以上大きくすることで、生成水を速やかに排出することが可能になり、カソードのガス拡散能を向上させることができる。
【0054】
また、前記ガス拡散層に含まれる炭素粒子のDBP吸油量が、前記触媒層に含まれる炭素粒子のDBP吸油量の2/3以下であることが有効である。ゴム用カーボンブラック試験方法(JIS K 6221)で規定されているDBP吸油量の大きい炭素粒子ほど、ストラクチャーが発達して高多孔質である。ストラクチャーが発達している炭素粒子を用いると、比表面積が大きく水分を吸着しやすく、濡れやすい。従って、ガス拡散層の炭素粒子のDBP吸油量を触媒層の炭素粒子のDBP吸油量より2/3以下にすることによって、ガス拡散層の撥水性を増大させ、ガス拡散能を向上させることができる。
【0055】
ここで、カソード側のガス拡散層に用いる炭素粒子のDBP吸油量を、アノード側のガス拡散層に用いる炭素粒子のDBP吸油量の2/3以下にすることで、ガス拡散層の撥水性を増大させてガス拡散能を向上することができる。
以下に、実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
【0056】
参考例1
図1に示すスプレー塗工装置および導電性多孔質基材として膜厚360μmのカーボンペーパー(東レ(株)製)を用いて、ガス流路に沿った方向に傾斜した撥水性を有するガス拡散層を調製した。
【0057】
図1中、容器1にはポリテトラフルオロエチレンの分散液(ダイキン工業(株)製のND−1)を入れ、攪拌羽根にて常時攪拌した。容器1中の分散液はポンプ2によりスプレーノズル3に圧入した。スプレーノズル3から噴射されなかった溶液は容器1に循環回収した。スプレーノズル3は2個のアクチュエーターにより任意の速度で2次元的に走査することが可能であった。
【0058】
カーボンペーパー4の上には60mm×60mmの寸法に切断したマスク用の枠5を配置し、上からスプレーノズル3で分散液を噴霧しながらスプレーノズル3を移動させた。その際、単電池を組んだ際のガス流路の出口から入口に向かう方向に沿って走査速度を連続的に増加させながらスプレーノズル3を移動させた。
このカーボンペーパーをガス流路に沿う方向に切断して小片をサンプリングし、その重量を測定したところ、ガス流路の入口から出口にかけてフッ素樹脂のカーボンペーパーに対する添加量が0〜50重量%の範囲で連続的に増加していることがわかった。
【0059】
この後、残留している溶剤や界面活性剤などを除去するために、撥水処理後のカーボンペーパー(ガス拡散層)を焼成した。ついでガス拡散層上に触媒粒子の分散液をスクリーン印刷して触媒層を形成し、電極を得た。ここでは、100メッシュのスクリーンを用いた。
【0060】
ここで、触媒粒子の分散液は、25重量%白金担持カーボン粉末(平均粒径100〜500nm)20g、パーフルオロカーボンスルホン酸の分散液(米国アルドリッチ社製のナフィオン溶液、固形分5重量%)225g、溶剤としてブタノール250gおよび市販の界面活性剤(日本サーフアクタント工業(株)製のNP−10)数滴を、ボールミル法により混合して調製した。
【0061】
スクリーン印刷後、電極を80℃で充分に乾燥させて溶剤を取り除いた後、2枚の電極で高分子電解質膜(米国デュポン社製のナフィオン112)を挟んで単電池を得た。この単電池を単電池用の電流−電圧特性測定装置にセットし、アノード(燃料極)に水素ガスを流し、カソード(空気極)に空気を流した。また、電池温度を80℃、燃料利用率を90%、空気利用率を30%に設定し、水素ガスは75℃、空気は65℃の露点になるように加湿した。得られた電池の電流−電圧特性を図2に示す。
【0062】
比較例1〜3
前述のND−1分散液にカーボンペーパーを浸漬し、そのカーボンペーパーを加熱することにより、カーボンぺーパー面内のフッ素樹脂添加量を均一にしてカーボンペーパーの撥水処理を行った。ND−1分散液の希釈度を調整することにより、カーボンペーパーに対するフッ素樹脂添加量がそれぞれ0重量%(未処理)、25重量%および50重量%のガス拡散層を作製した。これら3種類ガス拡散層を用いたこと以外は、参考例1と同様の操作を行った。得られた電池の電流−電圧特性を図2に示す。
【0063】
図2から、カーボンペーパー面内のフッ素樹脂添加量が一様である比較例1〜3の電池と比べても、カーボンペーパー面内のフッ素樹脂添加量がガス流路の入口から出口にかけて連続的に増加している参考例1の電池の特性の方が優れていることがわかる。このことは、単にフッ素樹脂の総添加量を変化させるだけではなく、カーボンペーパー面内のフッ素樹脂添加量に連続的な傾斜をもたせることが電池の特性の向上に有効であることを示す。ここではカーボンペーパー面内のフッ素樹脂添加量を0〜50重量%の範囲で変化させた。しかし、電池の作動条件などに合わせてこの添加量を変化させた場合にも、ガス流路の入口から出口にかけて連続的にフッ素樹脂添加量が増加していれば同様の効果が認められた。
【0064】
参考例2
図3に示すスプレー塗工装置にND−1分散液、導電性微粒子分散液(100gの電気化学工業(株)製のデンカブラック、900gの水および2gの界面活性剤トリトンX−100を含む。)およびカーボンペーパーを配置し、ガス拡散層を構成するカーボンペーパー上に導電性微粒子層であるカーボン層を作製した。
【0065】
ND−1分散液を容器6に、カーボン分散液を容器7に入れ、それぞれ攪拌羽根にて常時攪拌した。容器6中のND−1分散液はポンプ8を用いてスプレーノズル9に圧入し、容器7中のカーボン分散液はポンプ10を用いてスプレーノズル3にそれぞれ圧入した。また、使用されなかったND−1分散液およびカーボン分散液は容器に循環回収した。スプレーノズル3および9はごく近傍に設置し、それぞれ2個のアクチュエーターにより任意の速度で2次元的に走査することを可能とした。
【0066】
カーボンペーパー4上には60mm×60mmの寸法に切断したマスク用の枠5を配置した。この上から、スプレーノズル3および9を、ND−1分散液およびカーボン分散液を噴霧(微粒子化)させながら移動させた。その際、単電池を組んだ際のガス流路の入口から出口に向けてスプレーノズル9を連続的に噴射量を増加させながら一定の速度で移動させ、スプレーノズル3は一定の噴射量で同じ速度で移動させた。ガス流路の入口から出口にかけて、カーボンペーパー上に添加されたカーボン量が1.5〜2.5mg/cm2で、フッ素樹脂添加量/カーボン量が0.25〜1.0(重量比)の範囲で連続的に増加するように噴射量を調整した。このようにしてガス拡散層を得た。
【0067】
この後、ガス拡散層を、残留している溶剤や界面活性剤などを除去するために、350〜380℃に加熱した。このガス拡散層を用いたこと以外は、参考例1と同様の操作を行った。得られた電池の電流−電圧特性を図4に示す。
【0068】
比較例4〜6
フッ素樹脂量/カーボン量が0.25、0.5および1.0(重量比)の分散液を調製し、参考例1で用いたスプレー塗工装置でカーボン量が1.5〜2.5mg/cm2になるようにカーボンペーパー上に一様に塗布した。これら3種類のカーボン層を形成したカーボンペーパー(ガス拡散層)を用いたこと以外は、参考例1と同様の操作を行った。得られた電池の電流−電圧特性を図4に示す。
【0069】
図4から、カーボン層のフッ素樹脂添加量が一様である3種のいずれの電池(比較例4〜6)と比べても、カーボン層のフッ素樹脂添加量をガス流路の入口から出口にかけて連続的に増加させた電池(参考例2)の特性の方が優れていることがわかる。このことは、単にカーボン層中のフッ素樹脂の総添加量を変化させるだけではなく、カーボン層のフッ素樹脂添加量にガス流路の入口から出口にかけて連続的な傾斜を設けることが電池の特性の向上に有効であることを示している。
【0070】
ここではフッ素樹脂添加量/カーボン量を0.25〜1.0(重量比)の範囲で連続的に傾斜させたが、電池の作動条件に合わせてこの比率を変化させた場合にも、ガス流路の入口から出口にかけて連続的に前記比率が増加していれば同様の効果が認められた。
【0071】
実施例1および比較例7〜10
本実施例においては、まず図5に示す構造を有するMEA17を作製した。炭素粉末(米国キャボット社製のVulcanXC72、一次粒径:30nm、比表面積:254m2/g、DBP吸油量:174cc/100g)に、平均粒径約30Åの白金粒子を25重量%担持させて電極用触媒を得た。この触媒粉末をイソプロパノ−ルに分散させた溶液に、化学式(1):
【0072】
【化1】
【0073】
で示されるパーフルオロカーボンスルホン酸の粉末をエチルアルコールに分散した分散液を混合し、触媒ペーストを調製した。
【0074】
一方、電極のガス拡散層を構成する導電性多孔質基材であるカーボンペーパーを撥水処理した。厚み360μmのカーボン不織布11(東レ(株)製のTGP−H−120)を、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体(FEP)の水性分散液(ダイキン工業(株)製のネオフロンND−1)に含浸し、乾燥した後、380℃で30分間加熱することによって、撥水性を付与した。
【0075】
次に、炭素粉末(電気化学工業(株)製のアセチレンブラックHS−100、一次粒径:53nm、比表面積:37m2/g、DBP吸油量:200cc/100g)を、上記ネオフロンND−1に分散し、炭素粉末とFEPの混合重量比が87:13であるペーストを得た。このペーストを前述の撥水処理を施したカーボン不織布11の表面に塗布し、乾燥した後、380℃で30分間加熱することによって、炭素粉末層12を形成した。このとき、炭素粉末層12の一部は、カーボン不織布11の中に埋まって入り込んでいた。このようにして、カーボン不織布11と炭素粉末層12からなるガス拡散層13を作製した。
【0076】
この炭素粉末層12の上に、前述の触媒ペーストをスクリーン印刷法を用いて塗布し、触媒層14を形成した。このようにして、触媒層14、炭素粉末層12およびカーボン不織布11からなる電極16を作製した。
電極中に含まれる白金量は0.5mg/cm2、パーフルオロカーボンスルホン酸の量は1.2mg/cm2とした。この電極16をアノードおよびカソードの両方に使用する。
【0077】
ここで、ガス拡散層に用いた炭素粉末(電気化学工業(株)製のアセチレンブラックHS−100)の撥水性は、触媒層に用いた炭素粉末(VulcanXC72)の撥水性よりも高いものであった。なお、撥水性の評価は、以下の方法で行った。
【0078】
まず、ドクターブレードを用いて被検物である炭素粉末の粒子をガラス表面に平らに塗りつけ、そこに表面張力(mN/m)の異なる溶液を滴下した。滴下した溶液が炭素粒子の塗布面から内部方向に染み込むか、または塗布面で弾かれるかを観察する。表面張力の小さい溶液を弾く炭素粒子の方が、撥水性が強い。例えば、水およびエタノールの表面張力は、それぞれ72および22(mN/m)であり、水は弾くがエタノールは染み込む炭素粒子の撥水性より、水もエタノールも共に弾く炭素粒子の撥水性の方が高いといえる。以上の評価結果を表1に示す。表1には、各種の炭素粒子の物性と、上記撥水性評価の結果を示した。撥水性の欄に記載の値は、炭素粒子が弾く溶液の最も小さい表面張力(mN/m)である。
【0079】
次に、前述の電極16より5mm大きい外寸を有する水素イオン伝導性高分子電解質膜(米国Du Pont社製Nafion112)15の両面に、一対の電極16を、触媒層14が電解質膜15の側に接するようにホットプレスで接合し、MEA17を得た。
このMEA17を導電性セパレータ板で挟み込んで単電池を得た。導電性セパレータ板は、カーボン粉末材料を冷間プレス成形して得られるカーボン板に、フェノール樹脂を含浸させて硬化することによって得た。このように樹脂を含浸させることにより、ガスシール性が改善された。さらに、前記カーボン板に切削加工を施すことにより、ガス流路を形成した。
【0080】
図6および7は、表面にガス流路(溝)を形成した導電性セパレータ板の概略平面図である。図6は、導電性セパレータの表面に形成した燃料ガス用ガス流路の形状を示しており、裏面には同一形状の酸化剤ガス用ガス流路を形成した。図7は、燃料ガス用ガス流路を形成した導電性セパレータ板の裏面に形成された冷却水用流路の形状を示したものである。セパレータは10cm×20cm×4mmの寸法を有しており、ガス流路を構成する溝部21は幅2mmで深さ1.5mmの凹部であり、この部分をガスが流通する。また、ガス流路間のリブ部22は幅1mmの凸部である。また、酸化剤ガスのマニホルド孔(注入口23a、出口23b)と、燃料ガスのマニホルド孔(注入口24a、出口24b)と、冷却水のマニホルド孔(注入口25a、出口25b)を形成した。また、ポリイソブチレンに導電性カーボンを分散させた導電性のガスシール部26を形成した。
【0081】
以上のように作製した図5に示すMEA17を、図6に示す2枚の導電性セパレータ板で、一方の燃料ガス用ガス流路がMEA17に面し、他方の酸化剤ガス用ガス流路がMEA17に面するように挟んで接合し、単電池Aを得た。また、図5に示すMEA17を、図7に示す2枚の導電性セパレータ板で、一方の燃料ガス用ガス流路がMEA17に面し、他方の冷却水用流路がMEA17に面するように挟んで接合し、単電池Bを得た。
【0082】
次に、単電池Aと単電池Bを1個ずつ交互に積層し、合計で50個の単電池を積層して積層体を得た。この積層体の両端に金属製の集電板、電気絶縁材料からなる絶縁板、および端板を順に重ね合わせてスタックを得た。そして、スタックを貫通させたボルトとナットにより、両端板を締結して電池モジュールを得た。このときの締結圧はセパレータ板に対して10kgf/cm2とした。スタックを締結するための締結ロッド部は、ガスの給排出口が開いている側面とは異なる側面に設けた。このようにして作製した電池モジュールを燃料電池1(比較例7)とした。
【0083】
次に、異なる構成のMEAを有する燃料電池を作製した。比較例7と異なる炭素粉末を、触媒層とガス拡散層に配置して燃料電池2〜8(実施例1および比較例7〜13)を作製した。炭素粉末以外の構成要素は、比較例7と同一とした。用いた炭素粉末の種類と物性を表1に示す。また、燃料電池のカソードおよびアノードに用いた炭素材料番号、電池構成および電池番号を表2に示す。なお、表1の粒径は一次粒子の粒径である。
【0084】
【表1】
【0085】
【表2】
【0086】
[評価]
以上の実施例1および比較例7〜13で得られた燃料電池1〜8について、放電特性試験を行った。
燃料電池のアノードに純水素ガスを供給し、カソードに空気を供給し、電池温度を75℃に維持した。そして、燃料ガス利用率(Uf)を70%、空気利用率(Uo)を20%とした。ガスの加湿は、燃料ガスを85℃、空気を65〜70℃の加湿バブラーに通して行った。
【0087】
図8に、本発明の実施例に係る燃料電池2と、比較例に係る燃料電池1、3および6の放電特性を示した。また、図9に、本発明の比較例に係る燃料電池4および5と、7〜8の放電特性を示した。図8および図9から、本発明の燃料電池は比較例の燃料電池と較べて、優れた特性を有することがわかる。
【0088】
参考例3〜5
触媒層およびガス拡散層からなる電極を作製した。アセチレンブラック粉末に、平均粒径約30Åの白金粒子を25重量%担持したものを電極用の触媒として用いた。この触媒粉末をイソプロパノールに分散させた分散液に、上記化学式(1)で示したパーフルオロカーボンスルホン酸の粉末をエチルアルコールに分散した分散液を混合し、触媒ペーストを得た。
【0089】
一方、電極のガス拡散層を構成する導電性多孔質基材であるカーボンペーパーを撥水処理した。フッ素樹脂の水性分散液(ダイキン工業(株)製のネオフロンND−1)にアセチレンブラックを分散してスラリー(フッ素樹脂固形分:アセチレンブラック=1:1(重量比))を得た。このスラリーを、厚み360μmのカーボン不織布(東レ(株)製のTGP−H−120)11に塗布し、乾燥した後、380℃で30分間加熱することで、撥水性を有するガス拡散層を得た。このとき、ガス拡散層のガス拡散性と導電性を維持するために、乾燥後のガーレー定数が1〜60(秒/100mL)となるように、スラリーの塗布量を調整した。なお、ガーレー定数の評価は、JIS−P8117に準拠した。このガーレー定数が小さいとガス拡散層が粗となり、導電性が悪化する。逆に、ガーレー定数が大きいとガス拡散層が密となり、ガス透過性が悪化する。
【0090】
上述のように撥水性を有するガス拡散層であるカーボン不織布の一方の面に、上記触媒ペーストをスクリーン印刷法を用いて塗布することで触媒層を形成した。このとき、触媒層の一部は、カーボン不織布の中に埋まって入り込んでいた。このようにして、触媒層32とガス拡散層31を有する電極33を得た(図10参照)。電極中に含まれる白金量は0.5mg/cm2、パーフルオロカーボンカーボンスルホン酸の量は1.2mg/cm2となるよう調整した。
【0091】
次に、電極33より2mm大きい外寸を有する水素イオン伝導性高分子電解質膜34の裏表両面に、触媒層32が電解質膜34の側に接するように、2つの電極33を配置し、130℃で5分間、38kgf/cm2の圧力で、ホットプレスを用いてこれらを接合し、図10に示すようなMEA35を得た。ここでは、水素イオン伝導性高分子電解質膜として、上記化学式(1)(ただし、m=2)で示されるパーフルオロカーボンスルホン酸からなる厚み50μmの膜を用いた。
【0092】
このように作製したMEAを、比較例7と同様にして、図6または図7に示すガス流路を形成した導電性セパレータ板(バイポーラ板)で上述のように両側から挟み単電池を得た。
このような単電池を2個積層した後、冷却水が流れる冷却流路を形成した導電性セパレータを冷却部として積層し、このパターンを繰り返して積層した。
この要領で合計で単電池を40個積層した積層体を得、積層体の両端部に金属製の集電板、電気絶縁材料からなる絶縁板、および端板を配して締結ロッドで固定し、スタックを得た。このときの締結圧は導電性セパレータ板の単位面積当たり10kgf/cm2とした。
【0093】
上述のようにして得たスタックに、図11に示したマニホールドを取り付けた。図11に示すように、スタックの上部および下部にはSUS304製の金属端板41を配した。また、スタック両側面には絶縁体42を配し、さらにガスケット43を介してマニホールド44および45を取り付けた。前記マニホールド44はアノードに水素を供給して流通させ、マニホールド45は冷却水を供給して流通させる。また、マニホールド46はカソードに空気を供給して流通させる。このようにして、本発明の参考例3に係る燃料電池Aを作製した。
【0094】
この燃料電池Aに、燃料ガスとして純水素を75℃に保った脱イオン水バブラーを通じて供給し、酸化剤ガスとして空気を所定温度に保った脱イオン水バブラーを通じて供給し、さらに冷却水を通じて発電試験を行った。このとき、燃料ガス、酸化剤ガスおよび冷却水ともに同一方向に導入し、ガス出口は常圧に開放した。また、冷却水量を調節して燃料電池の温度を75℃に保ち、水素利用率70%、酸素利用率40%、水素加湿のバブラー温度を75℃、空気加湿のバブラー温度を65℃として運転し、このときの電流−電圧特性試験を行った。この結果を図12に示した。
【0095】
図12には、比較のために、ガス拡散層のガーレー定数を0.5とした燃料電池Bと、ガス拡散層のガーレー定数を70とした燃料電池Cの評価結果も合わせて示した。なお、燃料電池Bと燃料電池Cの構成は、ガス拡散層のガーレー定数以外は、燃料電池Aと同一とした。
【0096】
図12において、燃料電池Bは導電率が比較的低いため、また、燃料電池Cはガス拡散性が比較的低いために、いずれも高電流密度において電池性能が若干低下していることがわかる。これに対して、燃料電池Aは、ガス拡散性と導電率を高いレベルで両立されているために、燃料電池BおよびCと比べてより優れた特性を有することがわかる。
【0097】
また同様にして、カソード中のガス拡散層のガス透過率を、アノード中のガス拡散層のガス透過率の1.2〜2.0倍としたときも、上記参考例と同様の優れた特性が得られた。
また、カソード中のガス拡散層の気孔率を、アノード中のガス拡散層の気孔率の1.2〜2.0としたときも、上記参考例と同様の優れた特性が得られた。
【0098】
参考例6
本参考例では、ガス拡散層を構成する導電性多孔質基材であるカーボンペーパの厚みを変更することによって、カソードのガス拡散層の厚みを、アノードのガス拡散層の厚みの1.5倍とした他は、参考例3の燃料電池Aと同様にして燃料電池Dを作製した。この燃料電池Dでは、生成水を蒸発させなければならないカソード側で、充分な蒸発面積が確保できるため、過剰な水分を安全かつ速やかに排出することができ、濡れによる性能低下を防止できる。
【0099】
この燃料電池Dに関して、参考例3と同じ条件で電流−電圧特性の評価試験を行った。その結果を図13に示す。図13において、本実施例の燃料電池Dも参考例3の燃料電池Aと、ほぼ同等の電池特性を有することがわかった。
【0100】
参考例7
参考例3〜6において作製した燃料電池においては、ガス拡散層のガーレー定数は、MEAおよびスタック作製の際の加圧圧力の影響を受ける。参考例3の燃料電池Aの作製工程では、ホットプレスでMEAを作製する際に、加圧力を調整し、プレス後のガス拡散層の厚みをプレス前のガス拡散層の厚みの75〜90%とした。
【0101】
燃料電池E、FおよびGを、MEAのホットプレス時の圧力をそれぞれ35、20および50kgf/cm2とした他は、実施例8に係る燃料電池Aと同様にして作製した。本実施例では、このように、MEAのホットプレス時の圧力を変えて、この影響を評価し、結果を図14に示した。
【0102】
図14からわかるように、圧力を大きくしすぎた燃料電池Gは、燃料電池Eの約70%の厚みとなり、ガス拡散層が座屈し、ガス透過性が極端に低下するため、高電流密度域での特性が低下してしまった。また、加圧力が小さい燃料電池Fは、燃料電池Eの約130%の厚みとなり、接触抵抗が大きくなるため、全体的に電圧が低下した。
【0103】
参考例8
本参考例では、参考例3のスタックにおいて、電極面積をさらに大型化し、導電性セパレータ板に設けられたガス流路のパターンに沿って、リブに接する部分のガス拡散層を薄く密にし、ガス流路部分に当たる部分のガス拡散層を厚く粗にした。ガス拡散層の密な部分の厚みは、粗な部分の厚みの70〜95%とした他は、実施例8に係る燃料電池Aと同様にして燃料電池Hを得た。
【0104】
燃料電池Hでは、ガス流路を流れてきたガスがガス拡散層を通って触媒層に達する。ここで、リブに接する部分のガス拡散層のガス透過性が高いと、ガス拡散層のその部分を介して隣接するガス流路間をガス移動してしまい、ガス流路に沿ってガスをMEAの隅々にまで供給できないことになる。特に、電極の面積を大きくするにしたがって、ガスをMEAの隅々にまで供給しにくくなる。逆に、ガス透過性が低いと、リブに対応する部分に位置する触媒層へのガスの供給が不充分となり、電池性能が低下する原因となる。このため、リブに接触する部分のガス拡散層は、ガス透過性が適度に低下していることが必要である。
【0105】
また、ガス拡散層は、反応によって発生した電子を集める役割を果たし、ガス流路部分で発生した電子をリブ部分にまで運搬する。このため、ガス拡散層の厚い部分と薄い部分の密度を同様とした場合は、ガス流路部分に位置するガス拡散層を厚くし、その断面積を大きくする方が導電性の面で有利となる。
この燃料電池Gに関して、参考例3と同じ条件で電流―電圧特性評価試験を行った。その結果を図15に示す。図15から、大きい電極面積を有する本参考例の燃料電池Hは、参考例3の燃料電池Aとほぼ同等の電池特性を有することがわかる。
【0106】
産業上の利用の可能性
上述のように、本発明によれば、アノードおよびカソードの撥水性の程度を位置によって変化させることにより、高い放電特性、特に高電流密度域で高い電流−電圧特性を有する優れた高分子電解質型燃料電池を得ることができる。また、本発明によれば、アノードおよびカソードを構成するガス拡散層における炭素粉末の撥水性、比表面積、一次粒子径およびDBP吸油量などを最適化することによって、高い放電性能を有する優れた高分子電解質型燃料電池を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 導電性多孔質基材にスプレー塗布を施すために用いる塗布装置の構成図である。
【図2】 本発明の参考例および比較例において得られた単電池の電流−電圧特性を示すグラフである。
【図3】 導電性多孔質基材にスプレー塗布を施すために用いる別の塗布装置の構成図である。
【図4】 本発明の参考例および比較例において得られた単電池の電流−電圧特性を示すグラフである。
【図5】 本発明の実施例において作製したMEAの概略縦断面図である。
【図6】 表面にガス流路(溝)を形成した導電性セパレータ板の概略平面図である。
【図7】 表面にガス流路(溝)を形成した別の導電性セパレータ板の概略平面図である。
【図8】 本発明の実施例および比較例において作製した燃料電池の放電特性を示すグラフである。
【図9】 本発明の実施例および比較例において作製した燃料電池の放電特性を示すグラフである。
【図10】 本発明の実施例および比較例において作製したMEAの概略縦断面図である。
【図11】 本発明の実施例において作製した燃料電池の概略斜視図である。
【図12】 本発明の実施例および比較例において作製した燃料電池の放電特性を示すグラフである。
【図13】 本発明の実施例および比較例において作製した燃料電池の放電特性を示すグラフである。
【図14】 本発明の実施例および比較例において作製した燃料電池の放電特性を示すグラフである。
【図15】 本発明の実施例および比較例において作製した燃料電池の放電特性を示すグラフである。
Claims (8)
- 水素イオン伝導性高分子電解質膜を挟む位置に積層したカソードおよびアノードを、前記カソードおよびアノードにそれぞれ酸化剤ガスおよび燃料ガスを供給するためのガス流路を形成した一対の導電性セパレータ板で挟持してなる単電池を含む高分子電解質型燃料電池であって、
前記カソードおよびアノードが、触媒粒子、水素イオン伝導性高分子電解質、導電性多孔質基材および撥水剤からなり、前記カソードの撥水性が前記アノードの撥水性より高く、
前記カソードおよびアノードが、前記水素イオン伝導性高分子電解質膜に接合した触媒層、および前記導電性セパレータ板に接触するガス拡散層を有し、
前記触媒層が炭素粒子に担持した触媒粒子と水素イオン伝導性高分子電解質からなり、
前記ガス拡散層が炭素粒子を含有する導電性多孔質基材からなり、
前記ガス拡散層に含まれる炭素粒子の撥水性が、前記触媒層に含まれる炭素粒子の撥水性より高く、前記カソードおよびアノードの少なくとも一方の撥水性が厚み方向に対して変化しており、
前記ガス拡散層に含まれる炭素粒子が、前記触媒層と前記導電性多孔質基材との接合部分に配置されていることを特徴とする高分子電解質型燃料電池。 - 前記導電性多孔質基材のガス透過率が、ガーレー定数で1〜60秒/100mLであることを特徴とする請求項1記載の高分子電解質型燃料電池。
- 前記カソード中の導電性多孔質基材のガス透過率が、前記アノード中の導電性多孔質基材のガス透過率の1.2〜2.0倍であることを特徴とする請求項1記載の高分子電解質型燃料電池。
- 前記カソード中の導電性多孔質基材の気孔率が、前記アノード中の導電性多孔質基材の気孔率の1.2〜2.0倍であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高分子電解質型燃料電池。
- 前記カソード中の導電性多孔質基材の厚みが、前記アノード中の導電性多孔質基材の厚みの1.2〜3.0倍であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の高分子電解質型燃料電池。
- 前記ガス拡散層に含まれる炭素粒子の比表面積が、前記触媒層に含まれる炭素粒子の比表面積の1/2以下であることを特徴とする請求項1記載の高分子電解質型燃料電池。
- 前記ガス拡散層に含まれる炭素粒子の一次粒子の粒径が、前記触媒層に含まれる炭素粒子の一次粒子の粒径の1.3倍以上であることを特徴とする請求項1または6に記載の高分子電解質型燃料電池。
- 前記ガス拡散層に含まれる炭素粒子のDBP吸油量が前記触媒層に含まれる炭素粒子のDBP吸油量の2/3以下であることを特徴とする請求項1、6、または7に記載の高分子電解質型燃料電池。
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