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JP4306362B2 - 新聞用紙用表面サイズ剤及び新聞用紙 - Google Patents

新聞用紙用表面サイズ剤及び新聞用紙 Download PDF

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JP4306362B2
JP4306362B2 JP2003280617A JP2003280617A JP4306362B2 JP 4306362 B2 JP4306362 B2 JP 4306362B2 JP 2003280617 A JP2003280617 A JP 2003280617A JP 2003280617 A JP2003280617 A JP 2003280617A JP 4306362 B2 JP4306362 B2 JP 4306362B2
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Description

本発明は新聞用紙用表面サイズ剤及びこれを表面に塗工してなる新聞用紙に関する。
近年の高速・大量印刷、そして多色化の要請に応えるべく、新聞紙の印刷方式は従来の凸版方式からオフセット(平版)印刷方式へと推移しつつある。
しかしオフセット印刷方式では、周知のように、印刷時に湿し水が印刷用紙にも供給されるため、用紙が吸水して紙表面が粘着性を帯び印刷胴(ブランケット胴)に張り付くいわゆるネッパリ(再湿粘着性)現象が生じ、パルプ剥けによる機器の汚れや印刷面の乱れ、またひどい場合には紙の断紙を起こすことがある。
そこで、通常は印刷用紙の吸水度をコントロールするべくサイズを施すことになるが、内添サイズのようにパルプスラリーの時点で薬品を添加する方法ではパルプシートへの薬品の歩留まりが悪いため、所望のサイズ効果を得るためには大量のサイズ剤が必要とされ、コスト的に不利となる。特に近年需要が高まっているDIP(脱インクパルプ)が使用される場合には紙質が劣るためサイズ効果が発現しにくいという問題も生ずる。サイズ効果が低いとインク着肉性などの印刷適性が低下し、画像の品質低下といった不利益が生ずる。
そのため斯界では内添サイズ剤を表面サイズ剤に置換する動きがある。表面サイズ剤は印刷用紙表面にほぼ100%歩留まるため効果的にサイズ効果を発揮でき、またコスト的にも有利であり、更に抄紙系のよごれや抄紙温度によるサイズ効果の変動といった操業上の問題が少ないという種々の利点がある。
新聞用紙用の表面サイズ剤としては既に各種のものが公知となっており、例えばオレフィン/マレイン酸系の水溶性共重合体を成分とする表面サイズ剤(例えば、特許文献1を参照)が提案されている。しかし、このものは単独でネッパリを低減させ得るものではあるものの、サイズ効果に劣るという難点がある。
他にも、エチレン系不飽和カルボン酸とエチレン系不飽和カルボン酸エステルからなる共重合体(例えば、特許文献2を参照)が提案されているが、このものはネッパリが弱いもののサイズ効果も低く、またゲートロールなどでサイズ剤を塗工する際に発泡が生ずるという問題を有している。
特公昭57―4760号公報 特開平11―315493号
本発明の解決しようとする課題は、良好なサイズとオフセット印刷時のネッパリ抑制のバランスがとれ、しかもサイズ剤塗工時の発泡が少ない新聞用紙用表面サイズ剤を提供する点にある。
本出願人は前記課題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、オレフィンとマレイン酸とからなる共重合体にエチレン系不飽和カルボン酸単量体とエチレン系不飽和カルボン酸エステル単量体とからなる水溶性共重合体を混合することによって、前記課題を悉く解決し得る新聞用紙用表面サイズ剤が得られることを見出した。
即ち、本発明は、エチレン系不飽和カルボン酸単量体45〜60重量%、(メタ)アクリル酸ブチルを含むエチレン系不飽和カルボン酸エステル単量体55〜40重量%とからなる水溶性共重合体(A)(以下、共重合体(A)という)、ならびに、炭素数9〜20の直鎖状αオレフィン、2,4,4−トリメチル−1−ペンテン、およびマレイン酸からなる水溶性共重合体(以下、共重合体(B)という)固形分重量比7/3〜3/7で含有してなる新聞用紙用表面サイズ剤当該サイズ剤を表面に塗工してなる新聞用紙、に関する。
本発明に係る新聞用紙用表面サイズ剤によれば、オフセット印刷時の新聞紙のネッパリを抑制でき、かつ新聞紙に高いサイズ性を付与することができる。しかも、サイズ剤塗工時の発泡が少ないため、操業性を良好なものとすることができる。
まず、共重合体(A)について説明する。共重合体(A)は本発明に係る新聞用紙用表面サイズ剤のサイズ効果を向上させる因子として作用する。当該共重合体(A)を構成するエチレン系不飽和カルボン酸単量体としては、分子内にカルボキシル基またはその塩を有するものであれば特に制限なく使用でき、例えば(メタ)アクリル酸(アクリル酸またはメタクリル酸を意味する。以下、同様。)等のモノカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、ムコン酸等のジカルボン酸または該無水物、およびこれらのナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有機塩基類の塩等が挙げられる。
共重合体(A)を構成するエチレン系不飽和カルボン酸エステル単量体の具体例としては、前記エチレン系不飽和カルボン酸単量体の各種アルコールエステル、半エステルが挙げられ、当該エステルの置換基としては、炭素数が1〜18程度の直鎖状、分岐鎖状あるいは環状のアルキル基を例示でき、たとえば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル(n−プロピル、iso-プロピル)、(メタ)アクリル酸ブチル(n−ブチル、iso-ブチル、tert−ブチル)、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル(n−ヘキシル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル等)、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリル基があげられる。本発明においては、サイズ効果とネッパリの抑制、およびサイズ剤塗工時の発泡抑制のバランスがとりやすいことから、該エチレン系不飽和カルボン酸エステル単量体は(メタ)アクリル酸ブチル、特に(メタ)アクリル酸n−ブチルを必須含有する。また、該(メタ)アクリル酸ブチルとしては、アクリル酸n−ブチルとメタアクリル酸n−ブチルを併用するのが好ましい。この際の好ましい使用量範囲は、アクリル酸n−ブチル/メタアクリル酸n−ブチルが重量比で0.3〜0.6程度である。
なお、当該共重合体(A)には分子中に前記エチレン系不飽和カルボン酸単量体45〜60重量%含有させる必要があり、また、(メタ)アクリル酸ブチルを含むエチレン系不飽和カルボン酸エステル単量体55〜40重量%含有させる必要がある。ここで、エチレン系不飽和カルボン酸単量体が45重量%未満になるとネッパリを抑制しやすくなるが、同時にサイズが低下する傾向にあり、またサイズ剤塗工時に発泡が生じやすくなる傾向にある。一方、該単量体が60重量%を超えるとサイズは高くなるがネッパリも強くなる傾向にある。
また、本発明の目的を逸脱せず、しかもその効果を保持しうる限度において、前記共重合体(A)の構成成分として必要に応じてその他の重合性単量体を使用してもよい。当該その他の重合性単量体としては酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類炭素数1〜22のアルキルビニルエーテル、ビニルピロリドン等のノニオン性不飽和単量体等を挙げることができる。当該重合性単量体の使用量は、通常前記共重合体(A)分子中において10重量%以下となる程度である。
前記共重合体(A)は各種公知の重合法で製造することができる。具体的には乳化重合が挙げられ、まず適当な加熱装置と攪拌機を備えた反応容器に前記エチレン系不飽和カルボン酸単量体、前記エチレン系不飽和カルボン酸エステル単量体および必要に応じて前記その他の重合性単量体を所定量づつ仕込み、ついで当該容器に水および各種公知の乳化剤を仕込み、これら単量体を乳化・溶解させる。更に公知の重合開始剤や連鎖移動剤を加え、20〜120℃程度に加熱し、攪拌下に2〜12時間程度かけて乳化重合させればよい。
また、乳化重合法以外の製造法としては溶液重合が挙げられる。具体的には、適当な加熱装置と攪拌機を備えた反応容器に、エチレン系不飽和カルボン酸単量体、エチレン系不飽和カルボン酸エステル単量体および必要に応じてその他の重合性単量体を所定量づつ仕込み、ついで当該容器に水や有機溶剤を仕込み、更に公知の重合開始剤や連鎖移動剤を加え、20〜120℃程度に加熱し、攪拌下に2〜12時間程度かけて溶液重合させればよい。なお、サイズ効果やネッパリ抑制が優れるという観点から、共重合体(A)は前記乳化重合により製造されるのが好ましい。
前記有機溶剤としては、エチルアルコール、プロピルアルコール等のアルコール類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン等の低級ケトン類;酢酸エチル、クロロホルム、ジメチルホルムアミド等が例示できる。しかし、環境負荷や作業衛生に鑑みれば、これらの有機溶剤を減圧蒸留等により留去するのが望ましい。
前記乳化剤としてはノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などを挙げることができる。例えばノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ソルビタンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステルおよびオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマーなどを例示できる。これらは2種以上を併用してもよい。アニオン性界面活性剤としては、例えばアルキルスルホン酸塩、アルキルスルホ脂肪酸エステル塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルスルホコハク酸モノエステル塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテルスルホコハク酸モノエステル塩、ポリオキシアルキレンアリールエーテルスルホコハク酸モノエステル塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、硫酸化油、硫酸化脂肪酸エステル塩、アルキル硫酸エステル塩、アルケニル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアリールエーテル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアリールエーテルリン酸エステル塩などを例示できる。これらは2種以上を併用してもよい。また、カチオン性界面活性剤としては、親水基を第1〜4級アンモニウム基、ピリジニウム基等とするものであり、具体的には塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化オクタデシルトリメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化ジオクチルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ラウリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ミリスチルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化テトラデシルジメチルベンジルアンモニウム、塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム、オキシエチルドデシルアミンを例示できる。これらは2種以上を併用してもよい。なお、ノニオン性乳化剤であれば相対的に少ない使用量で乳化重合を完遂することが可能であるため、サイズ剤塗工時の発泡を抑制できるという利点がある。
前記重合開始剤としては各種公知のものを特に制限なく使用できる。具体例としては、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の無機過酸化物;ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド等の有機過酸化物;2,2’―アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル―2,2’アゾビスイソブチレイト等のアゾ系化合物等が例示できる。なお、重合開始剤がラジカル重合開始剤の場合は亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等の還元剤を併用して反応系をレドックス系としてもよい。また重合に際して重合度(分子量)を調節して水溶性重合体を所望の分子量とする目的から各種公知の連鎖移動剤、例えばn−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、ターシャリードデシルメルカプタン、n−オクタデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン系連鎖移動剤、ならびに2−メルカプトベンゾチアゾール、ブロムトリクロルメタン、アルファ―メチルスチレンダイマ―等を使用することもできる。なお、重合開始剤や連鎖移動剤の使用量は前記水溶性重合体を構成する各単量体全量に対し通常0.01〜5重量%程度が好適である。
こうして得られる共重合体(A)は、通常固形分が10〜30重量%程度、また当該固形分濃度範囲における粘度が10〜10000mPa・s(25℃)程度、pHが8.0〜9.5程度である。なお分子量については特に制限されないが、大きすぎると粘性が高くなって印刷時のネッパリが強くなる傾向にあり、また低すぎるとサイズが不足する傾向にあるため、通常は重量平均分子量で10000〜100000程度、好ましくは20000〜50000の範囲とされる。
次に共重合体(B)について説明する。共重合体(B)は本発明に係る新聞用紙用表面サイズ剤のネッパリを抑制する因子として作用する。当該共重合体(B)を構成するオレフィン性単量体としては、サイズ効果および発泡性の抑制の点より、該オレフィン性単量体としては、2,4,4−トリメチル−1−ペンテンおよび炭素数9〜20のα−オレフィン(1−デセン、1−ドデセン)を組み合わせて用いる必要があるまた、本発明の目的を損なわない範囲において、これら以外の、直鎖状、分岐状、環状であってよいα−オレフィンを用いることができる。具体的には、エチレン、プロピレン、2−メチル−1−プロペン(イソブチレン)、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテンビニルシクロヘキサン、4−ビニルシクロヘキセンなどが例示でき。シクロオレフィンやジオレフィンなど他のオレフィン系モノマー成分を共重合させてもよい。
また、共重合体(B)を構成するマレイン酸としては、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸の半エステルおよびこれらのナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有機塩基類の塩等が挙げられる。
また、本発明の目的を逸脱せず、しかもその効果を保持しうる限度において、前記共重合体(B)の構成成分として必要に応じてその他の重合性単量体を使用してもよい。当該その他の重合性単量体としては、共重合体(A)で用いられるエチレン系不飽和カルボン酸エステル、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、炭素数1〜22のアルキルビニルエーテル、ビニルピロリドン等のノニオン性不飽和単量体等を挙げることができる。当該重合性単量体の使用量は、通常前記共重合体(B)分子中において0〜10重量%となる程度である。
なお、共重合体(B)を構成する単量体の組成は、オレフィン性単量体が10〜55重量%、マレイン酸5〜50重量%となるよう調整されるのが好ましい。このような数値範囲とすることによって、本発明に係る新聞用紙用表面サイズ剤は所期の効果を発揮し得る。
共重合体(B)を製造するには各種公知の溶液重合法に従えばよく、例えば適当な加熱装置と攪拌機を備えた反応容器に、前記オレフィン性単量体およびマレイン酸を所定量づつ仕込み、ついで当該容器に前掲した有機溶剤を仕込み、これらの単量体を溶解させる。更に前掲した公知の重合開始剤や連鎖移動剤を加え、20〜120℃程度に加熱し、攪拌下に2〜12時間かけて溶液重合を行えばよい。
得られる共重合体(B)は固形分が通常10〜30重量%程度、また当該固形分濃度範囲における粘度が10〜5000mPa・s(40℃)程度、pHが8.0〜9.5程度の水溶性高分子である。なお、分子量については特に制限されないが、通常1000〜1000000程度、好ましくは2000〜100000の範囲とされる。分子量が1000未満の場合には十分なサイズ効果が得られなくなる傾向にあり、1000000を超える場合には粘度が過度に大きくなりネッパリが強くなる傾向にあるだけでなく、表面サイズ剤の移送や塗工時のハンドリングも困難となる傾向にある。
本発明に係る新聞用紙用表面サイズ剤は、前記共重合体(A)に前記共重合体(B)を混合してなるものである。混合の時期、手段は特に制限されず、例えば実際に使用する直前に共重合体(A)と共重合体(B)を混合したものであってもよいし、予め混合物としておいてもよい。また単に混合するだけでなく共重合体(B)を製造した後に同じ反応系において共重合体(A)を連続して製造してなる混合物を用いても良い。なお、共重合体(A)と共重合体(B)の重量比(固形分)は特に制限されないが、好ましくは7/3〜3/7程度、特に好ましくは6/4〜4/6である。かかる範囲とすることにより高いサイズ効果とネッパリ抑制の両立が可能となる。すなわち、共重合体(A)の使用重量が上限値を超えるとサイズは良好になるがネッパリが強くなる傾向にあり、逆に下限値に満たないとネッパリを抑制し易くなるがサイズが不足する傾向にある。
本発明に係る新聞用紙用表面サイズ剤の固形分濃度は通常10〜30重量%程度に、また固形分濃度は20重量%における粘度(ブルックフィールド回転粘度計:40℃)が10〜5000mPa・s程度に、そしてpHが8.0〜9.5程度に調整され、実用に供される。
なお、本発明に係る新聞用紙用表面サイズ剤には酸化澱粉、リン酸エステル化澱粉、酵素変性澱粉、澱粉誘導体(ヒドロキシエチル澱粉、ジアルデヒド澱粉など)、カチオン化澱粉等の澱粉;カルボキシメチルセルロース等のセルロース類;ポリビニルアルコール類、ポリアクリルアミド類;およびアルギン酸ソーダ等の表面紙力増強剤を併用することができる。こうすることで該サイズ剤を塗工した新聞用紙の紙力を増強させることができる。
本発明に係る新聞用紙用表面サイズ剤は含浸法、サイズプレス法、ゲートロール法、バーコーター法、カレンダー法、スプレー法等の従来公知の方法にて新聞用原紙に塗工される。その塗工量は、通常は固形分換算で0.001〜1g/m、好ましくは0.01〜0.5g/m である。塗工量が0.001g/m2未満の場合には、サイズ性付与点において、表面サイズ剤の効果が十分に発揮されない。一方、塗工量を1g/mより多くしても所期以上のサイズ効果が得られず、またコストにおいても不利になる。
また、必要に応じて他の各種公知のサイズ剤、エマルジョン型サイズ剤、防滑剤、防腐剤、防錆剤、pH調整剤、消泡剤、増粘剤、充填剤、酸化防止剤、耐水化剤、造膜助剤、顔料、染料等を添加することができる。
また、本発明に係る新聞用紙用表面サイズ剤を塗布する新聞用紙原紙は、グランドパルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、セミケミカルパルプなどのメカニカルパルプ(MP),クラフトパルプ(KP)に代表されるケミカルパルプ(CP)、これらのパルプを含む古紙を脱墨して得られる脱墨パルプ(DIP)、及び抄紙工程からの損紙を離して得られる回収パルプなどを、単独、あるいは任意の比率で混合し、一般に公知公用の抄紙機によって抄紙されたものである。DIPの配合率は、最近のDIPの高配合化の流れからすると50〜100%の範囲が好ましい。また、原紙の秤量は特に限定されるものでは無いが、34〜45g/m程度である。
なお、この新聞用紙原紙は内添サイズを施した原紙を用いてもよい。ただし、本発明では、前述したような内添に伴う問題を解決する意味もあるので、どちらかと言えば、内添サイズを施していない原紙を用いた方が、本発明の効果をより発揮させることができる。すなわち、本発明の表面処理剤の外添により、内添サイズを行わなくても、内添サイズと同程度、あるいは、それ以上のサイズ性を付与させることが可能である。
なお、本発明に係る表面サイズ剤を塗布する新聞用紙原紙は酸性抄きの新聞用紙原紙でもよいし、中性、あるいはアルカリ性抄きの新聞用紙原紙であってもよい。
本発明に係る新聞用紙は、本発明に係る新聞用紙用表面サイズ剤を前記新聞用紙原紙に前記塗工量で塗布し、これを公知手段で乾燥することにより得られるものである。
以下、参考例、実施例および比較例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお各例中、部および%は特記しない限りすべて重量基準である。
製造例1 <共重合体(A)の製造:A−1>
撹拌器、還流冷却管、窒素導入管付きの反応器に窒素を導入しながら軟水200部およびノニオン性界面活性剤(商品名「ノイゲンET190」:第一工業製薬(株)製)1.2部、アニオン性界面活性剤(商品名「ネオハイテノールS−70」:第一工業製薬(株)製)を仕込み、撹拌しながら系を加熱し80℃まで上昇させた。次いで滴下漏斗からメタクリル酸45部、メタクリル酸ブチル35部、アクリル酸ブチル20部、連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプタン0.5部を混合してなるモノマー混合液を約2時間かけて滴下し、同時に別の滴下漏斗から開始剤として過硫酸アンモニウム4部を水100部に溶解させてなる水溶液を約2時間かけて滴下した。その後系を2時間保温して反応を完結させた。その後48%苛性ソーダ水溶液43.6部(アクリル酸に対して100モル%)を加え、水で希釈し共重合体の濃度が15%になるように調整し、25℃の粘度が1000mPa・sである共重合体水溶液A−1を得た。
製造例2、3
表1に示す単量体を用いた以外は実施例1と同様の方法に従い、共重合体水溶液A−2及びA−3を得た。
製造例4 <共重合体(B)の製造:B−1>
攪拌機、冷却管、滴下ロート、窒素導入管および温度計を備えたフラスコに、マレイン酸のイソブチルアルコール半エステル68.8部、マレイン酸58.8部およびトルエン75.2部を仕込み、攪拌窒素気流下に110℃まで昇温した。滴下ロートにジイソブチレン(2,2,4−トリメチル−1−ペンテンの含有率76%)73.7部および1−オクテン56部、また別の滴下ロートにt-ブチルパーオキシベンゾエート12.0部およびトルエン35部を仕込んだ。これらを滴下ロートから約1.5時間を要してフラスコへ滴下し、還流下に約2時間保温した。その後、t−ブチルパーオキシベンゾエート4.8部およびトルエン15部を約30分要して滴下し、さらに同温度で1時間保温した。減圧下にトルエンを留去し、重合物を水酸化ナトリウム13.3部、所定量の水および28%アンモニア水87.4部で中和することにより共重合体水溶液B−1を得た。このものの固形分は20.5%、pHは9.0、25℃粘度は80mPa・sであった。
Figure 0004306362
表1中、MAA:メタクリル酸、BA:アクリル酸ブチル、BMA:メタクリル酸ブチル、C8:1−オクテン、DIB:ジイソブチレン(2,4,4−トリメチル−1−ペンテン)、MAn−IBA:マレイン酸とイソブチルアルコールとからなるエステル、MAn:マレイン酸を意味する。
表1中、「分子量」は得られる共重合体の重量平均分子量を意味し、値はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(商品名「高速GPCシステムHLC8120」:東ソー(株)製)で測定したスチレン換算値を意味する。
<試験用塗工液の調整>
前記製造例1〜4で得られた共重合体水溶液(溶液)を表2で示す割合(固形分)で混合し、次いで当該混合物に市販澱粉(商品名「王子エースA」、王子コーンスターチ(株)製)を表2に示す割合(固形分重量比)となるように混合し、更に蒸留水で希釈して塗工液を調製した。表2中、「粘度(mPa・s/40℃)」はブルックフィールド型粘度計で測定した値を示す。
<試験用紙の作成>
酸性新聞原紙(秤量43g/m)を原紙に用い、前記方法で得られた各表面サイズ剤をゲートロールコーターを用いて、サイズ剤の塗工量が表2となるように塗工した。次いで、各塗工紙を回転ドラムドライヤーを用いて80℃で30秒間乾燥を行い、目的とする試験用紙を得た。なお、該酸性新聞原紙に澱粉のみを塗工したものを、参照例として表2に示す。
実施例1〜、比較例1〜、参照例
(サイズ度の測定:ドロップサイズ度)
前記方法で得られた各試験用紙を用い、Japan TAPPI No.33に準拠した方法に基づき、紙表面に水5μlを滴下し、水滴が紙面に吸収されるまでの時間を測定し、表面サイズ(ドロップサイズ)度(秒)を測定した。なお、ドロップサイズの測定は、用紙がオフセット輪転機で湿し水が付着してから印刷物として排出されるまでの間の時間の用紙挙動を示すものと考えられる。数値が高い(長い秒数)であるほど、サイズに優れる。結果を表2に示す。
(サイズ度の測定:接触角の測定)
前記方法で得られた各試験用紙を用い、Dynamic Adsorption Tester 1100DAT(Fibro社製)を用いて、用紙表面に1μlの水滴を滴下し、滴下0.1秒後および1秒後の接触角を測定した。なお、この接触角は実際の新聞のオフセット印刷機における胴と胴との間での短時間の用紙挙動を示すものと考えられる。接触角(度)が大きいほど、サイズに優れる。結果を表2に示す。
(ネッパリの測定)
前記方法で得られた各試験用紙を用い、各試験用紙2枚を水に1秒間浸漬した後引き上げ、それぞれの面と面とを張り合わせた状態で線圧980N/cmのロールに通し、得られた試験用紙を風乾させた後に、引っ張り試験機(商品名「LRX」:(株)安田精機商会製)を用いてT字剥離強度(N/m)を測定した。得られた測定値をネッパリ強度とする。数値が高いほどネッパリが強いことを示す。結果を表2に示す。
(発泡性の試験)
実施例1〜9、比較例1〜3に記載の共重合体(混合物)に、市販澱粉(商品名「王子エースA」、王子コーンスターチ(株)製)を、共重合体水溶液/澱粉が8.0重量%/1.3重量%となるように調製し、次いで得られた混合物を50℃に加温し、家庭用ミキサーで2分間処理した後に、処理直後の液面の高さを測定した。処理前の液面高さは60mmである。結果を表2に示す。
Figure 0004306362
本発明に係る表面サイズ剤は、特に新聞用紙用途に好適に用いられる。

Claims (3)

  1. エチレン系不飽和カルボン酸単量体45〜60重量%、(メタ)アクリル酸ブチルを含むエチレン系不飽和カルボン酸エステル単量体55〜40重量%とからなる水溶性共重合体(A)、ならびに、
    2,4,4−トリメチル−1−ペンテン、炭素数9〜20の直鎖状αオレフィン、およびマレイン酸からなる水溶性共重合体(B)
    固形分重量比7/3〜3/7で含有してなる新聞用紙用表面サイズ剤。
  2. 前記(メタ)アクリル酸ブチルが、アクリル酸n−ブチルおよびメタアクリル酸n−ブチルからなり、かつ両者の重量比が0.3〜0.6である、請求項1に記載の新聞用紙用表面サイズ剤。
  3. 請求項1または2に記載の新聞用紙用表面サイズ剤を表面に塗工してなる新聞用紙。
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