図1は、本発明の画像形成装置としてのレーザプリンタの一実施形態を簡略化して示す要部側断面図である。このレーザプリンタ1は、本体ケーシング2と、その本体ケーシング2内に収容される、転写媒体としての用紙3を給紙するためのフィーダ部4や、給紙された用紙3に画像を形成するための画像形成部5などを備えている。
本体ケーシング2の一方側の側壁には、後述するプロセスカートリッジ19を着脱するための開口部が形成されており、その開口部を開閉するためのフロントカバー45が設けられている。このフロントカバー45は、その下端部が、ヒンジ46を介して、本体ケーシング2に回動自在に取り付けられている。これによって、フロントカバー45をヒンジ46を支点として閉じると、開口部が閉鎖され、フロントカバー45をヒンジ46を支点として開くと、開口部が開放され、プロセスカートリッジ19の着脱が可能となる。
なお、以下の説明において、このレーザプリンタ1および後述するプロセスカートリッジ19において、プロセスカートリッジ19が本体ケーシング2に装着された状態において、フロントカバー45が設けられる側を前側とし、その反対側(後述する定着部13が設けられる側)を後側とする。
フィーダ部4は、本体ケーシング2内の底部に、用紙3を積層状にスタック可能な給紙トレイ6と、給紙トレイ6の一端側端部の上方に設けられる給紙ローラ7および給紙パット8と、給紙ローラ7に対し用紙3の搬送方向の下流側に設けられる紙粉取りローラ9と、紙粉取りローラ9に対し用紙3の搬送方向の下流側に設けられるレジストローラ10とを備えている。
給紙ローラ7および給紙パット8は、互いに対向状に設けられ、給紙パット8の裏側に設けられた図示しないばねによって、給紙パット8が給紙ローラ7に向かって押圧されている。
給紙トレイ6内の最上位にある用紙3は、給紙ローラ7に押圧され、その給紙ローラ7の回転によって、給紙ローラ7と給紙パット8とで挟まれた後、1枚毎に給紙される。給紙された用紙3は、紙粉取りローラ9によって、紙粉が取り除かれた後、レジストローラ10に搬送される。レジストローラ10は、1対のローラから構成され、用紙3をレジスト後に、画像形成部5の転写位置(後述する感光ドラム21と転写ローラ34との間であって、感光ドラム21上のトナー像を用紙3に転写する位置)に搬送する。
画像形成部5は、スキャナ部11、プロセス部12および定着部13を備えている。
スキャナ部11は、本体ケーシング2内の上部に設けられ、図示しないレーザ発光部と、回転駆動されるポリゴンミラー14と、レンズ15と、反射鏡16、17および18とを備えている。レーザ発光部から発光される画像データに基づくレーザビームは、鎖線で示すように、ポリゴンミラー14、レンズ15、反射鏡16、17および18の順に通過あるいは反射して、プロセスカートリッジ19の後述する感光ドラム21の表面上に高速走査にて照射される。
プロセス部12は、本体ケーシング2に対して着脱自在に装着されるプロセスカートリッジ19と、本体ケーシング2に設けられる転写手段としての転写ローラ34とを備えている。
プロセスカートリッジ19は、スキャナ部11の下方において、本体ケーシング2に装着されている。このプロセスカートリッジ19は、図2に示すように、筐体50と、筐体50内に収容される現像カートリッジ20、感光体としての感光ドラム21、スコロトロン型帯電器22およびクリーニングブラシ23とを備えている。
筐体50は、図3に示すように、両側壁51、底壁52、後壁53および上壁54(図2参照)を一体的に備え、前側が開放されるボックス状に形成されている。
両側壁51は、板状をなし、互いに所定間隔を隔てて配置され、それらの下端縁は、前後方向において平坦に形成されており、その後側には、後側に向かって上方に傾斜する第1傾斜部55と、その第1傾斜部55の後端縁から、さらに後側に向かって、第1傾斜部55の傾斜角度(後側に向かう平坦部分と平行する線に対する傾斜角度)よりも小さい傾斜角度で上方に傾斜する第2傾斜部56とが、形成されている。これによって、両側壁51の後端部には、側面視において、第1傾斜部55と第2傾斜部56とで形成される略V字形状の窪みが形成されている。なお、この略V字形状の窪みの最大開口幅は、後述するカバー部材62の前後方向長さよりも短く形成されている。
底壁52は、両側壁51の平坦部分における前端縁から後端縁に向かう途中までの間を被覆する略矩形板状の前部底壁57と、両側壁51の第2傾斜部56の間を被覆する略矩形細長板状の後部底壁58とを備えている。これによって、前後方向において、両側壁51の平坦部分の途中から第1傾斜部55の前端縁までの間の空間部分59を隔てて、前部底壁57と後部底壁58とが対向配置されている。また、筐体50内に収容される感光ドラム21が、この空間部分59から部分的に露出されている。
後壁53は、両側壁51の後端縁において、両側壁51の間を被覆するように形成されている。この後壁53には、筐体50の内部の空気を換気するための通風孔60が形成されている。通風孔60は、後壁53を厚み方向に貫通する略細長矩形状の長孔として、互いに所定間隔を隔てて、幅方向(両側壁51が対向する方向、以下、この方向を、レーザプリンタ1およびプロセスカートリッジ19の幅方向とする。)に沿って2つ形成されている。
上壁54は、図2に示すように、両側壁51の上端縁において、後端縁から前後方向途中まで形成されている。これによって、この筐体50は、前側上方および前側側方が開放され、その開放部分に、現像カートリッジ20を着脱自在に装着可能としている。
現像カートリッジ20は、トナー収容室24、供給ローラ25、現像ローラ26および層厚規制ブレード27を備えている。
トナー収容室24は、仕切板28によって仕切られる現像カートリッジ20の前側の内部空間として形成されている。なお、仕切板28の下方には、前後方向において連通する開口部29が形成されている。トナー収容室24内には、現像剤として、正帯電性の非磁性1成分のトナーが充填されている。このトナーとしては、重合性単量体、たとえば、スチレンなどのスチレン系単量体や、アクリル酸、アルキル(C1〜C4)アクリレート、アルキル(C1〜C4)メタアクリレートなどのアクリル系単量体を、懸濁重合などによって共重合させることにより得られる重合トナーが用いられている。このような重合トナーは、略球状をなし、流動性が極めて良好であり、高画質の画像形成を達成することができる。
なお、このようなトナーには、カーボンブラックなどの着色剤やワックスなどが配合され、また、流動性を向上させるために、シリカなどの外添剤が添加されている。トナーの平均粒径は、約6〜10μmである。
また、トナー収容室24内には、アジテータ30が設けられており、トナー収容室24内に充填されるトナーは、このアジテータ30により攪拌されて、仕切板28の開口部29から供給ローラ25に向かって放出される。
供給ローラ25は、開口部29の後側側方において、現像カートリッジ20に回転可能に支持されている。この供給ローラ25は、金属製のローラ軸を、導電性の発泡材料からなるローラで被覆することにより構成されている。この供給ローラ25は、図示しないモータからの動力の入力により、矢印方向(反時計方向)に回転駆動される。
現像ローラ26は、供給ローラ25の後側において、供給ローラ25と互いに圧縮されるように接触した状態で、現像カートリッジ20に回転可能に支持されている。この現像ローラ26は、金属製のローラ軸を、導電性のゴム材料からなるローラで被覆することにより構成されている。現像ローラ26のローラは、カーボン微粒子などを含む導電性のウレタンゴムまたはシリコーンゴムからなるローラ本体の表面に、フッ素が含有されているウレタンゴムまたはシリコーンゴムのコート層が被覆されている。現像ローラ26には、現像時に現像バイアスが印加される。また、現像ローラ26は、図示しないモータからの動力の入力により、供給ローラ25と同じ矢印方向(反時計方向)に回転駆動される。
層厚規制ブレード27は、金属の板ばね材からなるブレード本体31の先端部に、絶縁性のシリコーンゴムからなる断面半円形状の押圧部32を備えている。この層厚規制ブレード27は、現像ローラ26の近傍において現像カートリッジ20に支持されて、押圧部32がブレード本体31の弾性力によって現像ローラ26上に圧接されている。
開口部29から放出されたトナーは、供給ローラ25の回転により、現像ローラ26に供給され、このとき、供給ローラ25と現像ローラ26との間で正に摩擦帯電される。現像ローラ26上に供給されたトナーは、現像ローラ26の回転に伴って、層厚規制ブレード27の押圧部32と現像ローラ26との間に進入し、一定厚さの薄層として現像ローラ26上に担持される。
感光ドラム21は、現像カートリッジ20の後側において、現像ローラ26と対向配置されている。この感光ドラム21は、円筒形状をなし、筐体50の両側壁51において、感光ドラム21の軸心に沿って設けられる支持軸としてのドラム軸33を介して矢印方向(時計方向)に回転可能に設けられている。この感光ドラム21は、接地されるとともに、その最表層がポリカーボネートなどからなる正帯電性の感光層により形成されている。また、感光ドラム21は、両側壁51に支持された状態で、図3に示すように、その下側部分が、前部底壁57と後部底壁58との間において幅方向に沿って開口する空間部分59から、露出されている。
なお、ドラム軸33は、図3に示すように、両側壁51から幅方向外方に突出するように設けられている。
スコロトロン型帯電器22は、図2に示すように、感光ドラム21の上方において、感光ドラム21と接触しないように、所定間隔を隔てて上壁54に支持されている。このスコロトロン型帯電器22は、タングステンなどの帯電用ワイヤからコロナ放電を発生させる正帯電用のスコロトロン型の帯電器であり、感光ドラム21の表面を一様に正極性に帯電させる。
クリーニングブラシ23は、感光ドラム21の後側において、底壁52(後部底壁58)に支持されており、感光ドラム21の表面と接触するように、感光ドラム21と対向配置されている。
そして、プロセスカートリッジ19は、図1に示すように、フロントカバー45を開いて、開口部を開放した状態で、後で詳述する本体ケーシング2に設けられる案内部材としてのガイド溝79(図5および図6参照)にドラム軸33を係合させて、ガイド溝79でドラム軸33を案内しながら、本体ケーシング2に装着する。
転写ローラ34は、本体ケーシング2に設けられており、プロセスカートリッジ19が本体ケーシング2に装着された状態において、感光ドラム21と上下方向において対向して接触するように配置されている。この転写ローラ34は、金属製のローラ軸を、導電性のゴム材料からなるローラで被覆することにより構成されている。また、この転写ローラ34は、軸受部材47(図5および図6参照)を介して、本体ケーシング2に設けられる付勢ばね48(図5および図6参照)によって、下方から感光ドラム21に向かって押圧されている。
転写ローラ34には、転写時に転写バイアスが印加される。また、転写ローラ34は、図示しないモータからの動力の入力により、矢印方向(反時計方向)に回転駆動される。
なお、本体ケーシング2には、転写ローラ34を挟む前後において、その前側に、転写ローラ34に向けて用紙3を案内するための前側シュート42と、その後側に、転写ローラ34から排紙される用紙3を案内するための後側シュート43とが設けられている。
感光ドラム21の表面は、その感光ドラム21の回転に伴なって、まず、スコロトロン型帯電器22により一様に正帯電された後、スキャナ部11からのレーザビームの高速走査により露光され、用紙3に形成すべき画像に対応した静電潜像が形成される。
次いで、現像ローラ26の回転により、現像ローラ26上に担持されかつ正帯電されているトナーが、感光ドラム21に対向して接触するときに、感光ドラム21の表面上に形成されている静電潜像、すなわち、一様に正帯電されている感光ドラム21の表面のうち、レーザビームによって露光され電位が下がっている露光部分に供給される。これにより、感光ドラム21の静電潜像は、可視像化され、感光ドラム21の表面には、反転現像によるトナー像が担持される。
その後、感光ドラム21の表面上に担持されたトナー像は、レジストローラ10によって搬送されてくる用紙3が、感光ドラム21と転写ローラ34との間(転写位置)を通る間に、転写ローラ34に印加される転写バイアスによって、用紙3に転写される。
そして、トナー像が転写された用紙3は、定着部13に搬送される。
なお、転写後に感光ドラム21上に残存する転写残トナーは、現像ローラ26に回収される。また、転写後に感光ドラム21上に付着する用紙3からの紙粉は、クリーニングブラシ23によって回収される。
定着部13は、プロセスカートリッジ19の後側に設けられ、定着フレーム35と、その定着フレーム35内に、加熱ローラ36、加圧ローラ37および搬送ローラ38を備えている。
加熱ローラ36は、金属素管と、その金属素管内に加熱のためのハロゲンランプとを備え、図示しないモータからの動力の入力により、矢印方向(時計方向)に回転駆動される。
加圧ローラ37は、加熱ローラ36の下方において、加熱ローラ36を押圧するように対向配置されている。この加圧ローラ37は、金属製のローラ軸を、ゴム材料からなるローラで被覆することにより構成されており、加熱ローラ36の回転駆動に従って従動される。
搬送ローラ38は、1対のローラから構成され、加熱ローラ36および加圧ローラ37に対して、後側、つまり、用紙3の搬送方向の下流側に配置されている。
定着部13では、転写位置において用紙3上に転写されたトナーを、用紙3が加熱ローラ36と加圧ローラ37との間を通過する間に熱定着させる。トナーが定着した用紙3は、搬送ローラ38によって、本体ケーシング2の上面に向かって延びた排紙パス39に搬送される。排紙パス39に搬送された用紙3は、その上側に設けられる排紙ローラ40によって、本体ケーシング2の上面に形成された排紙トレイ41上に排紙される。
そして、このレーザプリンタ1に装着されるプロセスカートリッジ19には、図3および図4に示すように、このプロセスカートリッジ19が、レーザプリンタ1から離脱された状態で、筐体50の空間部分59から露出する感光ドラム21の表面を被覆し、レーザプリンタ1に装着された状態で、筐体50の空間部分59から露出する感光ドラム21の表面を開放する、感光ドラム21のカバー部61を備えている。
このカバー部61は、カバー部材62、支持機構部63および収容部64を備えている。
カバー部材62は、略矩形平板状をなし、前後方向に延び、互いに所定間隔を隔てて並列配置される複数の縦杆65aと、幅方向に延び、互いに所定間隔を隔てて並列配置される複数(2つ)の横杆65bとが、互いに直交配置される格子形状(網目形状)に形成されている。なお、幅方向最外側の各縦杆65aは、それらの内側に配置される縦杆65aよりも前後方向に長く形成されており、その長手方向途中には、後述する引張ばね68を固定する第1固定部72が設けられている。
支持機構部63は、両側壁51にそれぞれ設けられ、カバー部材62を支持する支持部材としての回転アーム66と、第1付勢手段としてのねじりばね67と、第2付勢手段としての引張ばね68とを備えている。なお、ドラム軸33も、この支持機構部63を構成する。また、両側壁51には、ドラム軸33の斜め前方下側において、ねじりばね67を固定するためのばね固定部77が設けられている。
回転アーム66は、長手方向に延びる細長平板状をなし、その一端部には、後述する連動手段である案内部材としてのガイド溝79と係合する、連動手段である被案内部材としてのボス部69が、幅方向外方に向かって突出するように設けられている。また、その他端部は、カバー部材62の幅方向最外側の縦杆65aの前端部に対して、回動軸70を介して、回動自在に取り付けられている。また、長手方向における一端部と他端部との中間部には、リング状の嵌合部71が設けられている。この嵌合部71は、ドラム軸33に外嵌されており、これによって、回転アーム66が、ドラム軸33を支点として、ドラム軸33に回動自在に支持されている。また、回転アーム66における嵌合部71と他端部との間には、嵌合部71の近傍において、引張ばね68を固定する第2固定部73が、他端部の近傍において、ストッパ部材74が、それぞれ設けられている。ストッパ部材74は、カバー部材62が後述する被覆位置にある状態において、回転アーム66から、後方下側に向かって突出するように形成されている。
ねじりばね67は、コイル状の巻回部75と、その巻回部75の両側から互いに広がる方向に延びる線状の係止部76とが一体的に形成されている。このねじりばね67は、巻回部75がドラム軸33に巻回された状態で、一方の係止部76がボス部68の基端部に係止され、他方の係止部76が各側壁51に設けられたばね固定部77に固定されている。これによって、ねじりばね67は、常には、回転アーム66を、ドラム軸33を支点として、ボス部69が設けられる一端部が後側に、カバー部材62を支持する他端部が前側に回動するように付勢する。
引張ばね68は、その一端部が、カバー部材62の幅方向最外側の縦杆65aに設けられる第1固定部72に固定される。その他端部が、回転アーム66の第2固定部73に固定される。これによって、引張ばね68は、カバー部材62と回転アーム66との間に架設され、常には、これらを互いに引き寄せる方向に付勢する。
そして、このプロセスカートリッジ19は、本体ケーシング2から離脱された状態では、図3に示すように、ねじりばね67の付勢力によって、回転アーム66の他端部が前側に付勢され、これと同時に、引張ばね68の付勢力によって、カバー部材62と回転アーム66とが引き寄せられる方向に付勢され、カバー部材62が、回転アーム66に対して回動軸70を介して、後端部が上方に向かうように回動される。そうすると、回転アーム66に設けられるストッパ部材74に、カバー部材62の幅方向最外側の縦杆65aが当接して、引張ばね68の付勢力に抗して、カバー部材62が回転アーム66に対して所定角度を保持する状態で位置決めされる。
この状態において、カバー部材62は、筐体50の空間部分59から露出する感光ドラム21の下側部分の表面、より具体的には、感光ドラム21の最も下側に突出する部分であって、プロセスカートリッジ19の本体ケーシング2に対する装着状態において、感光ドラム21が転写ローラ34と対向する部分を部分的に被覆する被覆位置に位置される。
また、カバー部材62は、被覆位置に位置された状態では、このプロセスカートリッジ19を机上や床面などの載置面に載置したときに、プロセスカートリッジ19の自重により、カバー部材62が後側に向かって移動しないような重心位置に位置されるように、ねじりばね67によって回転アーム66が付勢されている。
収容部64は、後部底壁58において、カバー部材62の格子形状に符合する形状で、上方に向かって窪む空間が形成される凹部として形成されている。より具体的には、カバー部材62の縦杆65aを受け入れる縦溝78aと、横杆65bを受け入れる横溝78bとが直交するように形成されており、その深さが、カバー部材62の上下方向の厚みとほぼ同じ深さに設定されている。これによって、次に述べるように、カバー部材62が退避位置にある状態では、カバー部材62は、この収容部64内に収容され、カバー部材62の下面が、後部底壁58の表面と、ほぼ面一となる。
そして、このプロセスカートリッジ19を本体ケーシング2に対して装着すると、図4に示すように、カバー部材62は、被覆位置から、感光ドラム21の下側部分を露出させるように、斜め後側上方に退避して、収容部64内に収容される退避位置に移動される。
次に、図5および図6を参照して、プロセスカートリッジ19の本体ケーシング2に対する装着に伴なう、カバー部材62の被覆位置から退避位置への移動につき説明する。
図5および図6に示すように、このレーザプリンタ1の本体ケーシング2には、ドラム軸33およびボス部69を係合させて、案内するためのガイド溝79が形成されている。
ガイド溝79は、本体ケーシング2の両側壁の内側面において、幅方向外側に窪む連続した長溝として形成されており、前後方向において、前側に、ドラム軸33およびボス部69を受け入れる入口部80と、後側に、ドラム軸33およびボス部69を案内する案内通路部81とが、連続して形成されている。
入口部80は、前側から後側に向かって幅狭となる側面視略三角形状をなし、上端縁が、前側から後側に向かって斜め下方に傾斜し、下端縁が、前側から後側に向かって略水平に形成されている。
案内通路部81は、入口部80の後端部から連続し、前後方向に延びる側面視楕円形をなし、上端縁および下端縁が、平行して前後方向に延びるように形成されている。また、後端縁は、側面視略半円形状をなし、ドラム軸33が、感光ドラム21と転写ローラ34とが対向する位置で突き当たるように設けられている。
そして、フロントカバー45を開けて、開口部を開放し、プロセスカートリッジ19を、前側から後側に向かって、本体ケーシング2内に挿入する。そうすると、図5(a)に示すように、ドラム軸33が入口部80の下端縁に沿って略水平方向に案内され、ボス部69が入口部80の上端縁に当接する。
さらに、プロセスカートリッジ19を後側に挿入すると、図5(b)に示すように、ドラム軸33が入口部80と案内通路部81との境界に至り、ボス部69が入口部80の上端縁に案内されて、回転アーム66が、ねじりばね67の付勢力に抗して他端部が後側に向かって移動するように、ドラム軸33を支点として回転される。そうすると、カバー部材62は、被覆位置から斜め後側上方に退避して、両側壁51の第1傾斜部55に当接する。カバー部材62は、この状態において、感光ドラム21に対する姿勢をほぼ保持したままの状態で、第1傾斜部55に支持される。
さらに、プロセスカートリッジ19を後側に挿入すると、図5(c)に示すように、ドラム軸33が案内通路部81の途中前側に至り、ボス部69が入口部80の上端縁にさらに案内されて、回転アーム66がねじりばね67の付勢力に抗してさらに回転される。そうすると、カバー部材62は、さらに斜め後側上方に退避して、その後端部が後側底壁58に当接して、感光ドラム21に対する姿勢をほぼ保持したままの状態で、その後端部が後側底壁58の後端部に当接し、その前端部が第1傾斜部55の前端部に支持される。
さらに、プロセスカートリッジ19を後側に挿入すると、図6(d)に示すように、ドラム軸33が案内通路部81の途中後側に至り、ボス部69が入口部80の上端縁にさらに案内されて、入口部80と案内通路部81との境界に至り、回転アーム66がねじりばね67の付勢力に抗してさらに回転される。そうすると、カバー部材62は、さらに斜め後側上方に退避して、感光ドラム21に対する姿勢をほぼ保持したままの状態で、後側底壁58に支持される。
その後、さらに、プロセスカートリッジ19を後側に挿入すると、図6(e)に示すように、ドラム軸33が案内通路部81の後端縁に突き当たり、感光ドラム21が転写ローラ34と対向するように位置決めされる。また、ボス部69が案内通路部81の途中に至り、回転アーム66がねじりばね67の付勢力に抗してさらに回転される。そうすると、カバー部材62は、さらに斜め後側上方に退避して、収容部64内に収容される退避位置に位置される。
そして、フロントカバー45を閉じて、開口部を閉鎖することにより、プロセスカートリッジ19の本体ケーシング2に対する装着動作を完了する。
なお、プロセスカートリッジ19を本体ケーシング2から離脱させるときには、上記した装着動作と逆の離脱動作を実施する。すなわち、まず、フロントカバー45を開けて、開口部を開放し、プロセスカートリッジ19を、後側から前側に向かって引き抜く。そうすると、ドラム軸33およびボス部69がガイド溝79に案内されながら、プロセスカートリッジ19が本体ケーシング2から取り外される。そして、フロントカバー45を閉じて、開口部を閉鎖することにより、プロセスカートリッジ19の本体ケーシング2に対する離脱動作を完了する。この脱離動作においては、ガイド溝79におけるボス部69の案内に伴なって、回転アーム66が、ねじりばね67の付勢力によって、その他端部が前側に向かって移動するように、ドラム軸33を支点として回転される。これによって、カバー部材62が退避位置から被覆位置に向かう方向に進出して、被覆位置に位置される。
そして、上記したように、このカバー部61では、カバー部材62が退避位置にある状態では、カバー部材62が、筐体50の外側で支持されることなく、収容部64内に収容される。そのため、プロセスカートリッジ19が本体ケーシング2に装着されている状態において、プロセスカートリッジ19の小型化を図ることができる。また、本体ケーシング2においても、筐体50の外側で支持されるカバー部材62が、各種部材と干渉しないように、カバー部材62を配置させるためのスペースを省略することができる。そのため、このようなプロセスカートリッジ19の小型化に対応して、このプロセスカートリッジ19が装着される本体ケーシング2の小型化を図ることもできる。その結果、このカバー部61では、簡易な構成により、カバー部材62をコンパクトに収容して、プロセスカートリッジ19およびレーザプリンタ1の小型化を図ることができる。
また、このカバー部61では、収容部64は、カバー部材62が退避する上方に向かって窪む凹部として形成されており、カバー部材62が退避位置にある状態では、カバー部材62は、収容部64の凹部内において、カバー部材62の下面が後部底壁58の表面とほぼ面一となるように収容される。そのため、カバー部材62が退避位置にある状態では、カバー部材62が収容部64内に受け入れられることにより、筐体50の表面における突出量を極力抑えることができ、確実な小型化を図ることができる。
しかも、カバー部材62は、平板状に形成されているので、カバー部材62が退避位置にある状態では、収容部64において、カバー部材62を少ない空間で収容することができる。そのため、より一層、小型化を図ることができる。
さらに、収容部64は、カバー部材62の格子形状に符合する形状で形成されているので、格子形状に形成されるカバー部材62が、収容部64におけるカバー部材62の格子形状に符合する空間内に収容される。そのため、収容部64において、より少ないスペースでカバー部材62を収容することができる。
また、このカバー部61の支持機構部63では、ねじりばね67が、常には、カバー部材62が被覆位置に位置するように、回転アーム66を付勢するので、このプロセスカートリッジ19をレーザプリンタ1から離脱させたときには、カバー部材62は、常には、被覆位置に位置される。そのため、感光ドラム21の損傷を確実に防止することができる。
しかも、このカバー部61の支持機構部63では、被覆位置においては、ストッパ部材74が、引張ばね68の付勢力に抗してカバー部材62と回転アーム66との間の相対位置を保持する。そのため、被覆位置において、カバー部材62の感光ドラムに対する相対位置が保持されるので、カバー部材62が感光ドラム21に接触することを防止しつつ、感光ドラム21を確実に被覆することができる。
より具体的には、カバー部材62は、被覆位置において、筐体50の空間部分59から露出する感光ドラム21の下側部分の表面であって、プロセスカートリッジ19の本体ケーシング2に対する装着状態において、感光ドラム21が転写ローラ34と対向する部分を部分的に被覆するように位置される。
つまり、カバー部材62は、被覆位置において、感光ドラム21の表面を部分的に被覆する。そのため、筐体50から露出する感光ドラム21の表面すべてを被覆する場合に比べて、カバー部材62を小さく形成することができる。その結果、収容部64を小さく形成することができ、プロセスカートリッジ19のより一層の小型化、さらには、そのプロセスカートリッジ19が装着されるレーザプリンタ1のより一層の小型化を図ることができる。
また、カバー部材62は、被覆位置において、感光ドラム21が転写ローラ34と対向する部分を被覆する。そのため、このプロセスカートリッジ19をレーザプリンタ1から離脱させて、載置面に載置しても、感光ドラム21における転写ローラ34と対向する部分を、カバー部材62によって保護することができる。その結果、感光ドラム21の損傷しやすい部分の損傷を、確実に防止することができる。
しかも、カバー部材62は、被覆位置に位置された状態では、このプロセスカートリッジ19を載置面に載置したときに、プロセスカートリッジ19の自重により、カバー部材62が後側に向かって移動しないような重心位置に位置されるように、ねじりばね67によって回転アーム66が付勢されている。そのため、プロセスカートリッジ19を載置面に載置しても、プロセスカートリッジ19の自重によりカバー部材62が退避位置に向かって移動しないので、感光ドラム21の確実な保護を図ることができる。
また、このレーザプリンタ1では、プロセスカートリッジ19を本体ケーシング2に装着するときには、ガイド溝79がボス部69を案内して、ねじりばね67の付勢力に抗して、カバー部材62が被覆位置から退避位置に向かう方向に退避するように、回転アーム66をドラム軸33を支点として回転させる。また、プロセスカートリッジ19を本体ケーシング2から脱離させるときには、ガイド溝79がボス部69を案内して、ねじりばね67の付勢力によって、カバー部材62が退避位置から被覆位置に向かう方向に進出するように、回転アーム66をドラム軸33を支点として回転させる。
そのため、簡易な構成により、プロセスカートリッジ19をレーザプリンタ1に装着するときには、ガイド溝79におけるボス部69の案内によって、その装着動作に連動して、カバー部材62を被覆位置から退避位置に移動させることができる。また、プロセスカートリッジ19をレーザプリンタ1から離脱させるときには、ガイド溝79におけるボス部69の案内によって、その離脱動作に連動して、カバー部材62を退避位置から被覆位置に移動させることができる。その結果、プロセスカートリッジ19がレーザプリンタ1から離脱している状態では、カバー部材62によって感光ドラム21を確実に保護することができる。また、プロセスカートリッジ19がレーザプリンタ1に装着されている状態では、感光ドラム21を確実に転写ローラ34に対向させることができる。
また、このカバー部61では、このようなプロセスカートリッジ19のレーザプリンタ1に対する着脱動作においては、上記したように、カバー部材62は、被覆位置と退避位置との間を、被覆位置における感光ドラム21に対する姿勢を、ほぼ保持したまま移動する。そのため、レーザプリンタ1では、カバー部材62の移動中においても、余分な空間を確保する必要がなく、レーザプリンタ1のさらなる小型化を図ることができる。
そのため、このようなプロセスカートリッジ19が装着されるレーザプリンタ1では、装置の小型化を図ることができる。
また、上記した実施形態では、プロセスカートリッジ19のレーザプリンタ1に対する装着状態において、カバー部材62を、後部底壁58に形成される収容部64に収容したが、たとえば、図7および図8に示すように、収容部64を、前部底壁57に形成して、カバー部材62を、その前部底壁57に形成される収容部64内に収容してもよい。
なお、図7および図8において、上記した部材と同等に作用する部材には、上記と同様の参照符号を付し、同様の説明は省略する。なお、図7および図8に示す実施形態では、筐体50の両側壁51において、第1傾斜部55および第2傾斜部56の区別はなく、1つの傾斜部として形成されている。
図7に示すように、この実施形態のカバー部61も、カバー部材62、支持機構部63および収容部64を備えている。
カバー部材62は、上記と同様に、略矩形平板状をなし、格子形状(網目形状)に形成されている。
支持機構部63も、上記と同様に、カバー部材62を支持する回転アーム66と、ねじりばね67と、引張ばね68とを備えている。なお、ドラム軸33も、この支持機構部63を構成する。なお、ばね固定部77は、両側壁51において、ドラム軸33の斜め前方側方に設けられている。
回転アーム66は、その一端部にボス部69が形成され、その他端部がカバー部材62の幅方向最外側の縦杆65aの後端部に対して、回動軸70を介して、回動自在に取り付けられている。すなわち、カバー部材62は、上記の実施形態とは逆に、その後端部が回転アーム66の他端部に回動自在に取り付けられている。
また、回転アーム66には、上記と同様に、ドラム軸33に外嵌される嵌合部71と、第2固定部73と、ストッパ部材74とが設けられている。ストッパ部材74は、カバー部材62が被覆位置にある状態において、回転アーム66から、前方下側に向かって突出するように形成されている。なお、この回転アーム66は、被覆状態において、嵌合部71を中心として、略V字状に後側に向かって屈曲するように形成されている。
ねじりばね67は、巻回部75がドラム軸33に巻回された状態で、一方の係止部76がボス部68の基端部に係止され、他方の係止部76がばね固定部77に固定されている。これによって、ねじりばね67は、常には、回転アーム66を、ドラム軸33を支点として、ボス部69が設けられる一端部が前側に、カバー部材62を支持する他端部が後側に回動するように付勢する。
引張ばね68は、その一端部が第1固定部72に固定され、その他端部が第2固定部73に固定され、常には、これらを互いに引き寄せる方向に付勢する。
そして、このプロセスカートリッジ19は、本体ケーシング2から離脱された状態では、ねじりばね67の付勢力によって、回転アーム66の他端部が後側に付勢され、これと同時に、引張ばね68の付勢力によって、カバー部材62と回転アーム66とが引き寄せられる方向に付勢され、カバー部材62が、回転アーム66に対して回動軸70を介して、前端部が上方に向かうように回動される。そうすると、回転アーム66に設けられるストッパ部材74に、カバー部材62の幅方向最外側の縦杆65aが当接して、引張ばね68の付勢力に抗して、カバー部材62が回転アーム66に対して所定角度を保持する状態で位置決めされる。
この状態において、カバー部材62は、上記と同様に、筐体50の空間部分59から露出する感光ドラム21の下側部分の表面であって、プロセスカートリッジ19の本体ケーシング2に対する装着状態において、感光ドラム21が転写ローラ34と対向する部分を部分的に被覆する被覆位置に位置される。
また、カバー部材62は、被覆位置に位置された状態では、このプロセスカートリッジ19を机上や床面などの載置面に載置したときに、プロセスカートリッジ19の自重により、カバー部材62が前側に向かって移動しないような重心位置に位置されるように、ねじりばね67によって回転アーム66が付勢されている。
収容部64は、前部底壁57において、上方に向かって窪む空間が形成される凹部として形成されている。
そして、このプロセスカートリッジ19を本体ケーシング2に対して装着すると、カバー部材62は、被覆位置から、感光ドラム21の下側部分を露出させるように、斜め前側上方に退避して、収容部64内に収容される退避位置に移動される。
次に、この実施形態において、図8を参照して、プロセスカートリッジ19の本体ケーシング2に対する装着に伴なう、カバー部材62の被覆位置から退避位置への移動につき説明する。
図8に示すように、この実施形態では、ガイド溝79は、ドラム軸33を係合させて案内するためのドラム案内溝82と、ボス部69を係合させて案内するためのボスガイド溝83とがそれぞれ形成されている。
ドラム案内溝82は、本体ケーシング2の両側壁の内側面において、幅方向外側に窪む連続した長溝として形成されており、前側から後側に向かってやや下向きに傾斜するように延び、前側が開放される側面視楕円形をなし、上端縁および下端縁が、平行して前後方向に延びるように形成されている。また、後端縁は、側面視略半円形状をなし、ドラム軸33が、感光ドラム21と転写ローラ34とが対向する位置で突き当たるように設けられている。
また、ボスガイド溝83は、本体ケーシング2の両側壁の内側面において、ドラム案内溝82の上方に、幅方向外側に窪む連続した長溝として形成されている。このボスガイド溝83は、前側から後側に向かって、下向きに傾斜して、ドラム案内溝82に近接するように延び、前側が開放される側面視楕円形をなし、上端縁および下端縁が、平行して前後方向に延びるように形成されている。また、後端縁は、ドラム案内溝82よりも後方下側に配置されている。
そして、フロントカバー45を開けて、開口部を開放し、プロセスカートリッジ19を、前側から後側に向かって、本体ケーシング2内に挿入する。そうすると、図8(a)に示すように、ドラム軸33がドラム案内溝82に係合して案内され、ボス部69がボスガイド溝83に係合して案内される。
そして、プロセスカートリッジ19の挿入が進むに従って、ボス部69がドラム案内溝82に案内されて、回転アーム66が、ねじりばね67の付勢力に抗して他端部が前側に向かって移動するように、ドラム軸33を支点として回転される。そして、ドラム軸33がドラム案内溝82の後端縁に突き当たると、ボス部69がボスガイド溝83の後端縁に位置されて、図8(b)に示すように、カバー部材62は、被覆位置から斜め前側上方に退避して、前部底壁57に形成される収容部64内に収容され、退避位置に位置される。
このように、この実施形態のカバー部61によれば、カバー部材62が、被覆位置から斜め前側上方に退避して退避位置に位置される。そのため、カバー部材62は、退避位置において、転写ローラ34に対して、用紙3の搬送方向上流側であって、前側シュート42と対向するように配置される。これによって、カバー部材62は、画像形成時には、トナー像を転写するための用紙3の搬送を、用紙3におけるトナー像が転写される転写面と対向する方向から、案内することができる。そのため、上記した実施形態の効果に加えて、この実施形態では、用紙3の搬送を円滑に案内することができる。また、カバー部材62が、退避位置において、搬送案内部材を兼ねるので、部品点数を低減しつつ、用紙3を円滑に案内して、用紙3の確実な転写を図ることができる。
また、上記の実施形態では、筐体50の底壁52に収容部64を形成して、退避位置において、カバー部材62を底壁52の収容部64に収容したが、図9および図10に示すように、収容部64を筐体50の後壁53に形成して、退避位置において、カバー部材62を後壁53の収容部64に収容してもよい。
なお、図9および図10において、上記した部材と同等に作用する部材には、上記と同様の参照符号を付し、同様の説明は省略する。なお、図9および図10に示す実施形態では、筐体50の両側壁51において、第1傾斜部55および第2傾斜部56の区別はなく、1つの傾斜部として形成されている。
図9に示すように、この実施形態のカバー部61も、カバー部材62、支持機構部63および収容部64を備えている。
カバー部材62は、略矩形平板状をなし、退避位置において、後壁53の通風孔60と対向する部分には、略矩形状の孔としての2つの開口部84が形成されている。
支持機構部63は、両側壁51にそれぞれ設けられ、カバー部材62を支持する回転アーム66と、カバー部材62の回転アーム66に対する相対位置を固定する固定アーム85とを備えている。なお、この実施形態においては、筐体50の両側壁51において、回転アーム66を回動自在に支持するための支持ボス部86が、ドラム軸33の上方において、幅方向側方に突出するように設けられている。
回転アーム66は、一端部が支持ボス部86に回動自在に支持され、他端部にボス部69が設けられる揺動杆87と、揺動杆87の長手方向途中から略直交する方向に延びる支持杆88とが一体的に形成されている。支持杆88は、2つの屈曲部を有する略クランク形状に形成されており、その遊端部において、カバー部材62の前端部が、回動軸70を介して回動自在に取り付けられている。
固定アーム85は、細長板状をなし、その一端部が、回転アーム66よりも後側において、カバー部材62に固定され、その他端部が、支持杆88の屈曲部に固定されている。これによって、カバー部材62が、回転アーム66と所定角度をもって相対的に位置固定される。
収容部64は、後壁53において、カバー部材62を受け入れる凹状に形成されている。
そして、このプロセスカートリッジ19では、本体ケーシング2から離脱された状態では、回転アーム66が支持ボス部86を支点として、カバー部材62が、自重により後側から前側に向かって回動して、感光ドラム21の空間部分59から露出する下側部分を被覆する被覆位置に位置される(図10(a)参照)。
次に、この実施形態において、図10を参照して、プロセスカートリッジ19の本体ケーシング2に対する装着に伴なう、カバー部材62の被覆位置から退避位置への移動につき説明する。
図10に示すように、この実施形態において、本体ケーシング2に設けられるガイド溝79は、ドラム軸33を係合させて案内するためのドラム案内溝82と、ボス部69を係合させて案内するためのボスガイド溝83とを備えている。
ドラム案内溝82は、本体ケーシング2の両側壁の内側面において、幅方向外側に窪む連続した長溝として形成されている。このドラム案内溝82は、前側が開放される側面視略V字形状をなし、前側から後側に向かって略水平方向に延びた後、やや下向きに傾斜するように延び、上端縁および下端縁が、平行して前後方向に延びるように形成されている。また、後端縁は、側面視略半円形状をなし、ドラム軸33が、感光ドラム21と転写ローラ34とが対向する位置で突き当たるように設けられている。
また、ボスガイド溝83は、本体ケーシング2の両側壁の内側面において、ドラム案内溝82の上方に、幅方向外側に窪む連続した段部として形成されている。このボスガイド溝83は、前側から後側に向かって、ドラム案内溝82と略平行の略水平方向に延びた後、ドラム案内溝82が下向きに傾斜し始める位置において、ドラム案内溝82から離間するように、斜め上方に向かって延び、その後、再び、略水平方向に延びるように形成されている。
なお、ボスガイド溝83は、プロセスカートリッジ19が本体ケーシング2に装着されたときに、その前側の略水平部分が、ボス部69を支持ボス部86の下側において案内し、その後側の略水平部分が、ボス部69を支持ボス部86の上側において案内するように、ドラム案内溝82との相対位置が設定されている。
そして、フロントカバー45を開けて、開口部を開放し、プロセスカートリッジ19を、前側から後側に向かって、本体ケーシング2内に挿入する。そうすると、図10(a)に示すように、ドラム軸33がドラム案内溝82に係合して案内され、ボス部69がボスガイド溝83に係合して案内される。
そして、ドラム軸33がドラム案内溝82の略水平部分において案内されているときには、ボス部69も、ボスガイド溝83の前側の略水平部分において、支持ボス部86よりも下方において案内されている。その後、ドラム軸33が、ドラム案内溝82によってやや下向きに案内されると、それと同時に、ボス部69も、ボスガイド溝83によって斜め上方に案内される。そうすると、回転アーム66が支持ボス部86を支点として後側に回転し、カバー部材62が被覆位置から退避して、退避位置に向かうように移動される。その後、ドラム軸33がドラム案内溝82の後端縁に突き当たると、図10(b)に示すように、ボス部69も、ボスガイド溝83の後側の略水平部分において、支持ボス部86よりも上方において案内されて、回転アーム66が支持ボス部86を支点としてさらに後側に回転し、カバー部材62は、被覆位置から斜め後側上方に退避して、後壁53に形成される収容部64内に収容され、退避位置に位置される。
そして、この実施形態では、退避位置において、カバー部材62が後壁53に形成される通風孔60を覆うように配置されるが、カバー部材62が退避位置に位置しても、カバー部材62の開口部84が、後壁53の通風孔60と対向して連通するため、筐体50の内部の空気を換気が遮断されることを防止することができる。そのために、筐体50の内部の空気の確実な換気を図ることができる。
なお、上記の説明において、収容部64は、筐体50から窪む凹部として形成したが、収容部64は、筐体50を部分的に開口する開口部や、筐体50を部分的に切り欠く切り欠き部として形成してもよい。
たとえば、図7に示す実施形態では、収容部64を開口部として形成して、筐体50の内部が露出しても、それに対する影響は抑制される。また、収容部64を、完全に開口せずに、櫛歯形状に形成して、カバー部材62もそれに対応する櫛歯形状に形成すれば、露出部分の保護が可能であり、かつ、カバー部材62の収容空間も小さくすることができる。また、カバー部材62、および、これを収容する収容部64の形状も、上記した実施形態における形状に限定されるものではなく、様々な態様を取り得る。たとえば、カバー部材62は、単に平板状に形成され、収容部64が、これを収容できる大きさの凹部であってもよい。