JP4262494B2 - メラノサイトのデンドライト伸長抑制剤 - Google Patents
メラノサイトのデンドライト伸長抑制剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4262494B2 JP4262494B2 JP2003040593A JP2003040593A JP4262494B2 JP 4262494 B2 JP4262494 B2 JP 4262494B2 JP 2003040593 A JP2003040593 A JP 2003040593A JP 2003040593 A JP2003040593 A JP 2003040593A JP 4262494 B2 JP4262494 B2 JP 4262494B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- achillea
- extract
- weight
- parts
- dendrite elongation
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Cosmetics (AREA)
- Medicines Containing Plant Substances (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、メラノサイトのデンドライト伸長抑制剤及びをそれを有効成分とする化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
肌を白く美しく保つことは、女性であれば誰しも願うことであり、この為多くの美白化粧料が開発されている。例えば、アスコルビン酸やその誘導体、コウジ酸やその誘導体、トラネキサム酸やその誘導体、ハイドロキノン配糖体などを含有する化粧料が例示できる。しかしながら、これらの多くはチロシナーゼを阻害し、メラニンの生合成を阻害する作用を機序とするものであり、自ずとその効果には限度があると言わざるを得なかった。即ち、これらの成分を有効成分とする美白化粧料においては、メラニンの産生の異常昂進に起因するシミ、そばかす、色黒などの症状に対しては有効であっても、メラニン産生量があまり寄与しない色素異常に対しては今ひとつの効果と言わざるを得ない面があった。言い換えれば、チロシナーゼ阻害剤では有効ではない、或いは、有効性の低い色素異常症が存在し、その様な色素異常症を改善するような手段の開発が求められていた。
【0003】
一方、メラニン産生量があまり寄与しない、色素異常としては、例えば、メラノサイトのデンドライトからのメラニン顆粒の移動昂進に起因するものが挙げられる。この様な、色素異常に関しては、メラノサイトがメラニン顆粒を移動させる時に伸長させるデンドライトの伸長を抑制することが考えられるが、この様なメカニズムを機序とする美白剤は、そう多くは知られていない。即ち、この様なメカニズムを機序とする、美白剤の開発が望まれているといえる。
【0004】
他方、アゲラタム(Achillea ageratum)、カーティラギネア(Achillea cartilaginea)、クラヴェナエ(Achillea clavenae)、キバナノコゴリソウ(Achillea filipendulina)、セイヨウノコギリソウ(Achillea millifolium)、ジャコウノコギリソウ(Achillea moschata)、オオバナノコギリソウ(Achillea ptarmica)又はヒメノコギリソウ(Achillea tomentosa)等のキク科ノコギリソウ属の植物のエキスについては、皮膚内におけるチロシナーゼの生合成を良好に阻害する作用とその作用を利用して美白化粧料に含有させる技術(特開平08−104646)、優れた活性酸素消去作用を利用し、化粧料に含有させて、更に肌荒れの改善、肌にツヤ・張りも与える技術(特開平11−246336)、優れた紫外線防御作用を利用し、これを化粧料に含有させ、紫外線によって引き起こされる皮膚の紅斑反応(サンバーン)、色素沈着(サンタン)、光過敏性皮膚炎、DNA損傷、老化の促進、色素異常、皮膚ガンなどのさまざまな傷害を予防する技術(特開2002−128630)或いはエラスターゼ活性阻害作用を利用し、これを化粧料に含有させて、肌に対して、ツヤ・ハリを与え、老化を防止し、シワや小ジワを軽減し、若々しい肌の状態を維持する技術(特開2002−205950)等が知られているが、かかるエキスがメラノサイトのデンドライト伸長抑制作用を有することも、この作用を利用して、これを化粧料に含有させ、アルブチンなどのチロシナーゼ阻害剤が有効性を発揮しない色素異常症の治療や予防に用いたり、或いは、かかるエキスとアルブチンなどのチロシナーゼ阻害剤とを組み合わせて、より効力の高い美白化粧料を提供することも全く知られていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この様な状況下為されたものであり、メラノサイトのデンドライトの伸長を抑制し、かかる作用により、通常のチロシナーゼ阻害作用に起因するメラニン産生抑制剤が有効ではない、或いは、あまり効果を奏さない色素異常症の改善に有用な成分を提供することを課題とする。
【0006】
【課題の解決手段】
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、メラノサイトのデンドライトの伸長を抑制し、かかる作用により、通常のチロシナーゼ阻害作用に起因するメラニン産生抑制剤が有効ではない、或いは、あまり効果を奏さない色素異常症の改善に有用な成分を求めて鋭意研究努力を重ねた結果、キク科ノコギリソウ属(Achillea sp.)の植物のエキスが、優れたメラノサイトのデンドライト伸長抑制作用を有することを見出した。更に検討を続け、かかるエキスを化粧料に含有させることにより、通常のチロシナーゼ阻害作用に起因するメラニン産生抑制剤が有効ではない、或いは、あまり効果を奏さない色素異常症の改善に有用であることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、以下に示す技術に関するものである。
(1)メラノサイトのデンドライトの伸長抑制剤の製造法であって、
キク科ノコギリソウ属(Achillea sp.)の植物の植物体を10〜70%含水エタノールで抽出し、ダイヤイオン(登録商標)HP−20カラムを用いて分画精製することでエキスを作成し、
得られた前記キク科ノコギリソウ属エキスの存在下、及び非存在下で、複数種の増殖添加剤を加えた基礎培地において正常ヒトメラノサイトを培養し、
メラノサイトのデンドライト伸長が、エキス非存在下と比べて抑制されたエキスを選択し、メラノサイトのデンドライト伸長抑制剤とすることを特徴とする、メラノサイトのデンドライトの伸長抑制剤の製造方法。
(2)前記キク科ノコギリソウ属(Achillea sp.)の植物が、アゲラタム(Achillea ageratum)、カーティラギネア(Achillea cartilaginea)、クラヴェナエ(Achillea clavenae)、キバナノコギリソウ(Achillea filipendulina)、セイヨウノコギリソウ(Achillea millifolium)、ジャコウノコギリソウ(Achillea moschata)、オオバナノコギリソウ(Achillea ptarmica)又はヒメノコギリソウ(Achillea tomentosa)であることを特徴とする、請求項1に記載のメラノサイトのデンドライトの伸長抑制剤の製造方法。
【0007】
【発明の実施の形態】
(1)本発明のメラノサイトのデンドライト伸長抑制剤
本発明のメラノサイトのデンドライト伸長抑制剤は、キク科ノコギリソウ属の植物のエキスからなる。本発明のメラノサイトのデンドライト伸長抑制剤の基源として好適な、キク科ノコギリソウ属の植物としては、この属に属する植物のエキスであれば特段の限定はないが、例えば、アゲラタム(Achillea ageratum)、カーティラギネア(Achillea cartilaginea)、クラヴェナエ(Achillea clavenae)、キバナノコゴリソウ(Achillea filipendulina)、セイヨウノコギリソウ(Achillea millifolium)、ジャコウノコギリソウ(Achillea moschata)、オオバナノコギリソウ(Achillea ptarmica)又はヒメノコギリソウ(Achillea tomentosa)が入手しやすい点で特に好ましい。かかる植物体から、本発明のメラノサイトのデンドライト伸長抑制剤を得るには、植物体、好適には植物体の地上部をそのまま細切したり、或いは乾燥後細切したりして加工物と為し、これに1〜10重量倍の溶媒を加え、室温であれば数日間、沸点付近の温度であれば数時間浸漬すればよい。かかる操作に用いる溶剤としては、ある程度の極性を有するものであって、この様な化粧料用の原料の作成に用いられるものであれば特段の限定無く使用でき、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1,3−ブタンジオールの様なアルコール類、酢酸エチルや蟻酸メチルなどのエステル類、アセトンやメチルエチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフランやジエチルエーテルなどのエーテル類、クロロホルムや塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素類などが例示でき、特に好ましくは水及び/又はアルコールであり、中でも10〜70重量%エタノール水溶液が特に好ましい。かくして得られた抽出物は、所望により、減圧溜去や凍結乾燥などの操作により、溶媒を除去して抽出物の溶媒除去物と為し、それを用いることも出来る。勿論、分画精製して用いることも出来る。特に好ましくは抽出物の溶媒除去物を用いることである。かくして得られたキク科ノコギリソウのエキスは優れたメラノサイトのデンドライト伸長抑制作用を有する。本発明のメラノサイトのデンドライト伸長抑制剤を、化粧料に含有させて、アルブチンなどのチロシナーゼ阻害剤が有効性を発揮しない色素異常症の治療や予防に用いる為には、本発明のデンドライト伸長抑制剤は、化粧料全量に対して、0.01〜10重量%、より好ましくは、0.05〜5重量%含有させることが好ましい。チロシナーゼ阻害剤と組み合わせて、その補完に使用する場合もこの含有量に準ずる。
【0008】
(2)本発明の化粧料
本発明の化粧料は、前記本発明のメラノサイトのデンドライト伸長抑制剤を含有することを特徴とする。メラニンに作用する成分としてこのもののみを含有する場合には、アルブチンなどのチロシナーゼ阻害剤が有効性を発揮しない色素異常症の治療や予防に用いる事が好ましい。これは、従来の技術に記した如く、キク科ノコギリソウ属の植物には、チロシナーゼ阻害作用が認められているものの、その作用は、メラノサイトのデンドライトの伸長抑制作用に比してさほど著しくなく、チロシナーゼ阻害作用のみでは、従来のチロシナーゼ阻害剤に対してさほど優位性を認めない為である。本発明の化粧料としては、従って、アルブチンなどのチロシナーゼ阻害剤が有効性を発揮しない色素異常症の治療や予防に用いる為に用いるもの、或いは、アルブチンなどのチロシナーゼ阻害剤と本発明のメラノサイトのデンドライト伸長抑制剤とを組み合わせて含有し、美白の適用範囲を広げる目的で使用されるものなどが好適に例示できる。後記の場合に於ける、チロシナーゼ阻害剤としては、例えば、トラネキサム酸及び/又はその塩、エラグ酸及び/又はその塩、アルブチン及び/又はその塩、アスコルビン酸及び/又はその誘導体が好ましく例示でき、アスコルビン酸の誘導体としては、アスコルビン酸−2−グルコシド、アスコルビン酸リン酸エステル及び/又はその塩等が好適に例示でき、塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、トリエチルアミン塩等の有機アミン塩類、リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩等が好ましく例示できる。かかるチロシナーゼ阻害剤の好ましい含有量は、0.01〜10重量%であり、更に好ましくは、0.05〜5重量%である。
【0009】
本発明の化粧料に於いては、かかる成分以外にも、通常化粧料で使用される任意成分を含有することが可能である、かかる任意成分としては、例えば、スクワラン、流動パラフィン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、マイクロクリスタリンワックス、固形パラフィンなどの炭化水素類、ジメチコン、フェメチコン、シクロメチコン、アモジメチコン、ポリエーテル変性シリコーンなどのシリコーン類、ホホバ油、カルナウバワックス、モクロウ、ミツロウ、ゲイロウ、オレイン酸オクチルドデシル、イソプロピルミリステート、ネオペンチルグリコールジイソステアレート、リンゴ酸ジイソステアレートなどのエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、イソパルミチン酸、ベヘン酸、オレイン酸などの脂肪酸類、ベヘニルアルコール、セタノール、オレイルアルコール、オクタデシルアルコールなどの高級アルコール類、ヒマシ油、椰子油、水添椰子油、椿油、小麦胚芽油、イソステアリン酸トリグリセライド、イソオクタン酸トリグリセライド、オリーブオイル等のトリグリセライド類、1,3−ブタンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキシレングリコール、イソプレングリコールなどの多価アルコール、ソルビタンセスキオレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリオレート、ソルビタンセスキステアレート、ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンオレート、ポリオキシエチレングリセリル脂肪酸エステル、ポリエキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の非イオン界面活性剤、ソジウムラウリルステアレート、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、スルホコハク酸エステル塩などのアニオン界面活性剤、4級アルキルアンモニウム塩等のカチオン界面活性剤類、アルキルベタイン等の両性界面活性剤類、結晶セルロースや架橋型メチルポリシロキサン、ポリエチレン粉末、アクリル樹脂粉体等の有機粉体類、タルク、マイカ、セリサイト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化鉄、紺青、群青、チタンマイカ、チタンセリサイト、シリカ等の表面処理されていても良い粉体類、アクリル酸・メタクリル酸アルキルコポリマー及び/又はその塩、カルボキシビニルポリマー及び/又はその塩、キサンタンガムやヒドロキシプロピルセルロースなどの増粘剤、レチノール、レチノイン酸、トコフェロール、リボフラビン、ピリドキシン、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステル塩などのビタミンやグリチルリチン酸塩、グリチルレチン、ウルソール酸、オレアノール酸などのテルペン類、エストラジオール、エチニルエストラジオール、エストリオールなどのステロイド類などの有効成分、フェノキシエタノール、パラベン類、ヒビテングルコネート、塩化ベンザルコニウム等の防腐剤、ジメチルアミノ安息香酸エステル類、桂皮酸エステル類、ベンゾフェノン類などの紫外線吸収剤などが好ましく例示できる。本発明の化粧料は、前記の必須成分、好ましい成分、任意成分を常法に従って処理することにより製造することが出来る。
【0010】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明について、更に詳細に説明を加えるが、本発明がかかる実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
【0011】
<参考例1>
製造例1
セイヨウノコギリソウ(Achillea millifolium)の地上部の乾燥物1kgを細切し、5kgの50%エタノール水溶液を加え、3時間加熱還流した後、室温まで冷却し、不溶物を濾過で除去した後、減圧濃縮、次いで、凍結乾燥し、エキス1を得た。
【0012】
<参考例2>
製造例2
エキス1を10%エタノール水溶液10lに溶かし、ダイヤイオンHP−20(三菱化成株式会社製)を充填したカラムクロマトグラフィーにかけ、更に10lの10%エタノール水溶液を流し、洗浄し、しかる後に、エタノールを流して吸着成分を溶出させ、減圧濃縮してエキス2を得た。
【0013】
<参考例3>
製造例3
セイヨウノコギリソウ(Achillea millifolium)をカーティラギネア(Achillea cartilaginea)に代え、参考例2と同様に処理し、エキス3を得た。
【0014】
<参考例4>
製造例4
セイヨウノコギリソウ(Achillea millifolium)をクラヴェナエ(Achillea clavenae)に代え、参考例2と同様に処理し、エキス4を得た。
【0015】
<参考例5>
製造例5
セイヨウノコギリソウ(Achillea millifolium)をキバナノコゴリソウ(Achillea filipendulina)に代え、参考例2と同様に処理し、エキス5を得た。
【0016】
<参考例6>
製造例6
セイヨウノコギリソウ(Achillea millifolium)をアゲラタム(Achillea ageratum)に代え、参考例2と同様に処理し、エキス6を得た。
【0017】
<参考例7>
製造例7
セイヨウノコギリソウ(Achillea millifolium)をジャコウノコギリソウ(Achillea moschata)に代え、参考例2と同様に処理し、エキス7を得た。
【0018】
<参考例8>
製造例8
セイヨウノコギリソウ(Achillea millifolium)をオオバナノコギリソウ(Achillea ptarmica)に代え、参考例2と同様に処理し、エキス8を得た。
【0019】
<参考例9>
製造例9
セイヨウノコギリソウ(Achillea millifolium)をヒメノコギリソウ(Achillea tomentosa)に代え、参考例2と同様に処理し、エキス9を得た。
【0020】
<実施例10>
以下に示す方法に従って、ヒトメラノサイトを用いて、エキス1〜9のデンドライトの伸長抑制作用を調べた。
(試薬類)
細胞・培地・増殖添加剤はクラボウより購入した
(細胞)正常ヒトメラノサイト
(培地)基礎培地:Medium 154S
(試薬)増殖添加剤:ウシ脳下垂体抽出液(BPE)(培地中の最終濃度 0.4% v/v)、ウシ胎児血清(FBS)(培地中の最終濃度 0.5% v/v)、ヒト組換え型塩基性繊維芽細胞増殖因子(rFGF-B)(培地中の最終濃度 3 ng/ml)、ハイドロコーチゾン(培地中の最終濃度 0.18 mg/ml)、インスリン(培地中の最終濃度 5 mg/ml)、トランスフェリン(培地中の最終濃度 5 mg/ml)、PMA(培地中の最終濃度 10 ng/ml)、ヘパリン(培地中の最終濃度 3 mg/ml)、PSA溶液(ペニシリン濃度50,000 Unit/ml、ストレプトマイシン濃度50 mg/ml、アンフォテリシンB濃度12.5 mg/mlの混合溶液。培地500 mlに対して1 ml添加。)
培地は、試薬を基礎培地に添加した増殖用培地を使用した。
【0021】
(方法)
・正常ヒトメラノサイトを48穴マイクロプレートに播種した。(3000cells/well,200μl)
・24時間後に希釈したサンプル溶液50μlを、5μg/プレートになるように添加した。
・サンプル添加24時間後にデンドライト伸長抑制を観察した。
【0022】
(結果)
結果を、デンドライトの長さとして、表1に示す。コントロールでは増殖因子の添加効果によってデンドライトが伸長しているが、エキス添加群では何れも伸長が抑制されていることがわかる。
【0023】
【表1】
【0024】
<実施例11>
下記に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤である化粧料を作成した。即ち、イ、ロ、ハの成分をそれぞれ70℃に加熱し、ロをハで中和し、攪拌しながらイを徐々に加えて乳化し、ホモジナイザーで均質化した後、攪拌冷却して乳液を得た。このもののエキス2をスクワランに置換した比較例1を作成し、通常のメラニン産生抑制用の化粧料では改善しない色黒に悩む人10人1群、計20名を用いて、朝晩2回、連日30日使用の使用テストで色黒の改善度を調べた。改善度は、30日使用後に、スコア5:著しい改善、スコア4:明らかな改善、スコア3:改善、スコア2:やや改善、スコア1:改善せずのスコアで評価してもらった。結果を表2に示す。これより、本発明の皮膚外用剤である化粧料は、優れた美白効果を有することがわかる。
イ
スクワラン 10 重量部
ソルビタンセスキステアレート 2 重量部
エキス2 0.005重量部
ブチルパラベン 0.1 重量部
ロ
1,3−ブタンジオール 5 重量部
キサンタンガム 0.1 重量部
アクリル酸・メタクリル酸アルキル(C10〜30) 0.4 重量部
メチルパラベン 0.1 重量部
水 50 重量部
ハ
水酸化カリウム 0.2 重量部
水 32.095重量部
【0025】
【表2】
【0026】
<実施例12>
実施例11と同様にエキス2の量を変えて化粧料を作成し、10名の同様のパネラーを用い、同様に評価した。この皮膚外用剤においても同様な効果が認められた。
イ
スクワラン 10 重量部
ソルビタンセスキステアレート 2 重量部
エキス2 0.01重量部
ブチルパラベン 0.1重量部
ロ
1,3−ブタンジオール 5 重量部
キサンタンガム 0.1重量部
アクリル酸・メタクリル酸アルキル(C10〜30) 0.4重量部
メチルパラベン 0.1重量部
水 50 重量部
ハ
水酸化カリウム 0.2重量部
水 32.09重量部
【0027】
【表3】
【0028】
<実施例13>
実施例11と同様に、更にチロシナーゼ阻害剤であるアルブチンを添加した化粧料を作成し、20名の色黒に悩むパネラーを用い、エキス2をアルブチンに置換した比較例2を対照に評価した。この化粧料において、チロシナーゼ阻害剤との相乗効果が認められた。
イ
スクワラン 10 重量部
ソルビタンセスキステアレート 2 重量部
エキス2 0.01重量部
ブチルパラベン 0.1重量部
ロ
1,3−ブタンジオール 5 重量部
キサンタンガム 0.1重量部
アクリル酸・メタクリル酸アルキル(C10〜30) 0.4重量部
メチルパラベン 0.1重量部
アルブチン 0.09重量部
水 50 重量部
ハ
水酸化カリウム 0.2重量部
水 32 重量部
【0029】
【表4】
【0030】
<実施例14>
実施例13と同様に、更にチロシナーゼ阻害剤であるトラネキサム酸ナトリウムを添加した化粧料を作成し、20名の色黒に悩むパネラーを用い、エキス2をトラネキサム酸ナトリウムに置換した比較例3を対照に評価した。この化粧料において、チロシナーゼ阻害剤との相乗効果が認められた。
イ
スクワラン 10 重量部
ソルビタンセスキステアレート 2 重量部
エキス2 0.01重量部
ブチルパラベン 0.1重量部
ロ
1,3−ブタンジオール 5 重量部
キサンタンガム 0.1重量部
アクリル酸・メタクリル酸アルキル(C10〜30) 0.4重量部
メチルパラベン 0.1重量部
トラネキサム酸ナトリウム 0.09重量部
水 50 重量部
ハ
水酸化カリウム 0.2重量部
水 32 重量部
【0031】
【表5】
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、メラノサイトのデンドライトの伸長を抑制し、かかる作用により、通常のチロシナーゼ阻害作用に起因するメラニン産生抑制剤が有効ではない、或いは、あまり効果を奏さない色素異常症の改善に有用な成分を提供することができる。
Claims (2)
- メラノサイトのデンドライトの伸長抑制剤の製造法であって、
キク科ノコギリソウ属(Achillea sp.)の植物の植物体を10〜70%含水エタノールで抽出し、ダイヤイオン(登録商標)HP−20カラムを用いて分画精製することでエキスを作成し、
得られた前記キク科ノコギリソウ属エキスの存在下、及び非存在下で、複数種の増殖添加剤を加えた基礎培地において正常ヒトメラノサイトを培養し、
メラノサイトのデンドライト伸長が、エキス非存在下と比べて抑制されたエキスを選択し、メラノサイトのデンドライト伸長抑制剤とすることを特徴とする、メラノサイトのデンドライトの伸長抑制剤の製造方法。 - 前記キク科ノコギリソウ属(Achillea sp.)の植物が、アゲラタム(Achillea ageratum)、カーティラギネア(Achillea cartilaginea)、クラヴェナエ(Achillea clavenae)、キバナノコギリソウ(Achillea filipendulina)、セイヨウノコギリソウ(Achillea millifolium)、ジャコウノコギリソウ(Achillea moschata)、オオバナノコギリソウ(Achillea ptarmica)又はヒメノコギリソウ(Achillea tomentosa)であることを特徴とする、請求項1に記載のメラノサイトのデンドライトの伸長抑制剤の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003040593A JP4262494B2 (ja) | 2003-02-19 | 2003-02-19 | メラノサイトのデンドライト伸長抑制剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003040593A JP4262494B2 (ja) | 2003-02-19 | 2003-02-19 | メラノサイトのデンドライト伸長抑制剤 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008259152A Division JP2009046503A (ja) | 2008-10-06 | 2008-10-06 | メラノサイトのデンドライトの伸長抑制剤の製造方法 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004250354A JP2004250354A (ja) | 2004-09-09 |
JP2004250354A5 JP2004250354A5 (ja) | 2006-03-16 |
JP4262494B2 true JP4262494B2 (ja) | 2009-05-13 |
Family
ID=33024414
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003040593A Expired - Lifetime JP4262494B2 (ja) | 2003-02-19 | 2003-02-19 | メラノサイトのデンドライト伸長抑制剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4262494B2 (ja) |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006053415A1 (en) * | 2004-11-18 | 2006-05-26 | Biopharmacopae Design International Inc. | Plant extract having matrix metalloprotease inhibiting activity and dermatological uses thereof |
AU2004296694C1 (en) | 2003-12-15 | 2011-05-19 | Kuraray Co., Ltd. | External preparations for skin |
JP4499543B2 (ja) * | 2003-12-15 | 2010-07-07 | 株式会社クラレ | 皮膚外用剤 |
KR100823078B1 (ko) * | 2006-12-12 | 2008-04-18 | (주)아모레퍼시픽 | 파그라에아 추출물을 함유한 화장료 조성물 |
JP5128592B2 (ja) | 2007-05-29 | 2013-01-23 | ポーラ化成工業株式会社 | 皮膚外用剤に有用なベシクル及び該ベシクルを含有する皮膚外用剤 |
JP6242575B2 (ja) * | 2013-01-09 | 2017-12-06 | 御木本製薬株式会社 | デンドライト伸長抑制剤 |
JP6144962B2 (ja) * | 2013-05-10 | 2017-06-07 | 富士産業株式会社 | 頭皮用育毛剤 |
JP6454097B2 (ja) * | 2013-07-05 | 2019-01-16 | 御木本製薬株式会社 | デンドライト伸長抑制剤及び美白用化粧料 |
EP3615147B1 (de) | 2017-04-28 | 2024-09-11 | Symrise AG | Schafgarbe frischpflanzenpresssaft konzentrat, herstellung und verwendung |
-
2003
- 2003-02-19 JP JP2003040593A patent/JP4262494B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004250354A (ja) | 2004-09-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3958968B2 (ja) | 皮膚外用剤及び美白剤 | |
WO2001026670A1 (fr) | Agents de soin de la peau, agents anti-ages pour la peau, agents de blanchiment de la peau et preparations pour la peau, a usage externe | |
JP2013256509A (ja) | 糖脂肪酸エステルとWaltheriaindicaまたはPisumsativumの植物抽出物との組合せを含む皮膚美白のための化粧品組成物 | |
JP2003300860A (ja) | 皮膚外用剤 | |
CN103180016B (zh) | 包含泡桐素和/或泡桐属提取物的组合物及其用途 | |
JP4262494B2 (ja) | メラノサイトのデンドライト伸長抑制剤 | |
JP4080946B2 (ja) | 皮膚外用剤 | |
JP2008094792A (ja) | オオボウシバナ由来のフラボノイドを含有するヒアルロン酸合成促進剤、抗老化剤および皮膚外用剤 | |
JP4641419B2 (ja) | メラノサイトのデンドライト伸長抑制剤及びそれを含有する皮膚外用剤 | |
CN104546523A (zh) | 包含泡桐木材提取物的组合物及其用途 | |
JP2004099503A (ja) | Hgf産生促進剤およびこれを含有する化粧料 | |
JP4447466B2 (ja) | メラノサイトのデンドライト伸長抑制剤及びそれを含有する皮膚外用剤 | |
JP2005002056A (ja) | メラノサイトのデンドライト伸長促進剤及びそれを含有する化粧料 | |
JP4076477B2 (ja) | 皮膚外用剤 | |
JP5366358B2 (ja) | 皮膚の老化機構に作用する剤、抗老化用皮膚外用剤、及び抗老化方法 | |
JP2008280249A (ja) | 美白化粧料 | |
JP3980986B2 (ja) | メラノサイトのデンドライト伸長抑制剤及びそれを含有する皮膚外用剤 | |
JP2009046503A (ja) | メラノサイトのデンドライトの伸長抑制剤の製造方法 | |
JPH05105621A (ja) | 桂皮酸エステル誘導体を有効成分とする美白化粧料 | |
JP2000143491A (ja) | 老化用の化粧料 | |
JP4092267B2 (ja) | 生薬抽出物を含有する皮膚外用剤 | |
JP2020045289A (ja) | 美容組成物 | |
JP6823938B2 (ja) | 皮膚外用剤 | |
JP2002128656A (ja) | 美白化粧料 | |
JP2004067618A (ja) | 美白化粧料 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060125 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060125 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20060125 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070207 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080108 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080220 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080805 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20081006 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20081022 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20081125 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090127 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090209 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150220 Year of fee payment: 6 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4262494 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |