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JP4210460B2 - 顔料分散剤、顔料分散組成物、着色コーティング組成物及びカラーフィルター - Google Patents

顔料分散剤、顔料分散組成物、着色コーティング組成物及びカラーフィルター Download PDF

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JP4210460B2
JP4210460B2 JP2002084539A JP2002084539A JP4210460B2 JP 4210460 B2 JP4210460 B2 JP 4210460B2 JP 2002084539 A JP2002084539 A JP 2002084539A JP 2002084539 A JP2002084539 A JP 2002084539A JP 4210460 B2 JP4210460 B2 JP 4210460B2
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欣子 清原
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Toagosei Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Toagosei Co Ltd
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、顔料分散剤、当該顔料分散剤を用いて調製した顔料分散組成物及び光硬化性着色組成物、及び、当該光硬化性着色組成物を用いて作製したカラーフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピューターなどのフラットディスプレーとして、カラー液晶表示装置が急速に普及してきている。一般にカラー液晶表示装置(101)は、図1に示すように、カラーフィルター1とTFT基板等の電極基板2とを対向させて1〜10μm程度の間隙部3を設け、当該間隙部3内に液晶化合物Lを充填し、その周囲をシール材4で密封した構造をとっている。カラーフィルター1は、透明基板5上に、画素間の境界部を遮光するために所定のパターンに形成されたブラックマトリックス層6と、各画素を形成するために複数の色(通常、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原則)を所定順序に配列した画素部7と、保護膜8と、透明電極膜9とが、透明基板に近い側からこの順に積層された構造をとっている。また、カラーフィルター1及びこれと対向する電極基板2の内面側には配向膜10が設けられる。さらに間隙部3には、カラーフィルター1と電極基板2の間のセルギャップを一定且つ均一に維持するために、スペーサーとして一定粒子径を有するパール11が分散されている。そして、各色に着色された画素それぞれ又はカラーフィルターの背後にある液晶層の光透過率を制御することによってカラー画像が得られる。
【0003】
スペーサーとして図1に示したような微粒子状のパール11を分散させる場合には、当該パールは、ブラックマトリックス層6の背後であるか画素の背後であるかは関係なく、ランダムに分散する。パールが表示領域すなわち画素部に配置された場合、パールの部分をバックライトの光が透過し、また、パール周辺の液晶の配向が乱れ、表示画像の品位を著しく低下させる。そこで図2に示すように、パールを分散させるかわりに、カラーフィルターの内面側であってブラックマトリックス層6が形成されている位置と重り合う領域に、セルギャップに対応する高さを有する柱状スペーサー12を形成することが行われるようになってきた。
【0004】
上記の画素部7及びブラックマトリックス層6は、所定のパターンを有する着色層であり、いわゆる顔料分散法によって形成することができる。顔料分散法によれば、着色剤である顔料と、アルカリ可溶の光硬化性樹脂を含有する光硬化性着色組成物の塗工液を透明基板上に塗布し、得られた塗膜を所定のパターン状に露光して硬化させ、アルカリ現像することによって、微細パターンの着色層を形成することができる。
【0005】
顔料分散法によって鮮明な色調と高い着色力を得るためには、顔料粒子を微細化するのが有効である。しかし、顔料を微細化し過ぎると、塗工液に調製した時の分散性及び分散安定性が悪くなり、顔料の凝集や粘度の上昇を招き易くなる。その結果、着色層に充分な鮮明性や着色力を付与できなくなる、着色層の透明性が悪くなる、塗工性が悪くなって塗膜を均一な厚さに形成し難くなる、或いは、ポットライフが短くなって取り扱いにくくなるなどの問題を生じる。
【0006】
光硬化性着色組成物中に顔料と共に分散剤を配合することによって顔料の分散性を向上させることができる。しかし、光硬化性着色組成物中に分散剤を多量に添加すると、カラーフィルターを製造するための加熱工程において分散剤が黄変して輝度の低下を招いたり、アルカリ可溶の光硬化性樹脂の濃度が希釈されて感度低下、硬化不良、塗膜強度低下、現像性不足等の問題を生じる。従って、分散剤には、比較的少量でも顔料を充分に分散できるように、優れた分散性を有することが求められる。
【0007】
カラーフィルター用の光硬化性着色組成物中に顔料を分散させるための分散剤として、種々のグラフトポリマーを用いる試みが行われている。特開平9−146272号公報には、グラフト部分に特定の酸性基を有するグラフトポリマーからなる分散剤、感放射線性化合物及び顔料を含有する感放射線性組成物が開示されている。特開平9−171252号公報には、エーテル型マクロモノマーによりグラフト部分が形成されたグラフトポリマーからなる分散剤、感放射線性化合物及び顔料を含有する感放射線性組成物が開示されている。特開平9−171253号公報には、ポリエステル型マクロモノマーによりグラフト部分が形成されたグラフトポリマーからなる分散剤、感放射線性化合物及び顔料を含有する感放射線性組成物が開示されている。
【0008】
また、特開平10−339949号公報には、主鎖部分に窒素原子を有するグラフトポリマーからなる分散剤、顔料、酸性基を有するバインダーポリマー及び多官能モノマーを含有する着色感光性組成物が開示されている。しかしながら、窒素含有基として環状イミド基は開示されておらず実施例に開示されたグラフトポリマーでは分散が困難な顔料も多い。
【0009】
また、特表平10−50446号公報には、グラフト部分がポリエステルであり、主鎖部に環状イミドを含むグラフトポリマーの顔料分散剤が記載されている。しかし、グラフト部のポリエステルがポリカプロラクトンセグメントを含む場合、ポリカプロラクトンの融点が60℃と低く、このグラフトポリマーを顔料分散剤として使用した着色コーティング組成物から形成する塗膜の硬度が低くなることがある。また、この特表平10−50446号に記載のグラフトポリマーは、着色コーティング組成物のバインダー成分としてアクリル系ポリマーを使用した場合に相溶性が不十分な場合がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記実状を鑑みて成し遂げられたものであり、その第一の目的は、溶剤中に当該溶剤に対して不溶性又は難溶性の顔料を良好に分散させることができる顔料分散剤を提供することにある。
【0011】
本発明の第二の目的は、溶剤中に顔料を良好に分散させ得ると共に、コーティング組成物の光硬化性や硬化後被膜の強度、密着性、アルカリ現像性等にも優れた顔料分散剤を提供することにある。
【0012】
本発明の第三の目的は、上記本発明に係る顔料分散剤又は顔料分散組成物を用いて、分散性の良好な着色コーティング組成物、その中でも特にカラーフィルターの細部を形成するための光硬化性着色組成物を提供することにある。
【0013】
本発明の第四の目的は、上記本発明に係る光硬化性着色組成物を用いて画素部やブラックマトリックス等の着色層を形成したカラーフィルターを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明に係る顔料分散剤は、SP値が11.0以上下記式1で表されるイミド基を有するモノマー単位を含有する第一セグメントとSP値が9.5以下の第二セグメントとを備え、前記第一セグメント又は第二セグメントのうちの一方が主鎖を構成し、他方がグラフト部分を構成するグラフトポリマーからなることを特徴とする有機溶剤系の顔料分散剤である。
【0015】
【化4】
Figure 0004210460
【0016】
(式中、R 1 は水素又はメチル基を表し、R 2 は、―[(R )m―(OR )n]―を表す。ここで、R 4 及びR 5 は炭素数1〜6のアルキレン基又は環状炭化水素基を表し、ランダムに配列していても良く、mは0又は1、nは0〜6の整数である。R 3 は下記式2a乃至2hのいずれかで表される基である。
【0017】
【化5】
Figure 0004210460
【0018】
ここで、R 6 及びR 7 は、それぞれ独立した炭素数4以下のアルキル基であるか、又は、どちらか一方が水素原子で他方が炭素数4以下のアルキル基であるか、又は互いに一つとなって炭素−炭素結合のみからなる環状構造を形成する基である。R は―CH ―、―CH(CH )―、―C(CH ―、―CH CH ―、―CH=CH―、又は、―CH CH(CH )―を表す。Xは、―[C(=O)]q―、又は、―[C(=O)―NH]r―を表す。q及びrは0又は1である。)
【0019】
上記第一セグメント及び第二セグメントのSP値が上記範囲外である場合には、顔料を安定に分散させることができない。
【0020】
このグラフトポリマーの第一セグメント、第二セグメントの一方は粒子吸着部として機能し、他方は溶剤に対して親和性の高い外殻形成部として機能する。しかも、第一セグメント又は第二セグメントの一方がグラフトポリマーの主鎖を構成し、かつ、他方がグラフト部分を構成し、ポリマー分子中における第一セグメントと第二セグメントの位置が明確に分かれているので、粒子表面にはグラフトポリマーが整然と吸着する。
【0021】
従って、本発明に係る顔料分散剤を顔料と共に溶剤中に共存させると、顔料粒子の周囲に多量の立体障害部が形成され、顔料粒子相互の凝集が阻止され、顔料を良好に分散させることができる。
【0022】
上記グラフトポリマーは、第一セグメント中にイミド基のような窒素原子含有基を有するため、粒子表面に対する第一セグメントの吸着性がさらに向上し、分散剤の吸着量を増加させて分散性を向上できる。同様の観点から、第一セグメントは、さらにピロリジノニル基、アミド基、又は、ピリジル基を含有することが好ましい。
【0023】
上記グラフトポリマーの一形態としては、末端にエチレン性不飽和結合を有する重合性ポリマー及びエチレン性不飽和結合を有するモノマーからそれぞれ誘導される単位が連結した分子構造を有する共重合体であり、前記重合性ポリマーの骨格が、アルキル(メタ)アクリレート及び芳香族ビニル化合物の中から選ばれるモノマーを含む1種又は2種以上を重合させてなるポリマー構造のものがある。
【0024】
前記第二セグメントの質量割合が50〜90質量%であることが好ましい。また、上記グラフトポリマーの第一セグメント及び/又は前記第二セグメントは酸性基を有していてもよい。第一又は第二セグメントに適量の酸性基を導入することによって、グラフトポリマーにアルカリ可溶性を付与することができる。
【0025】
前記式1で表されるモノマー単位が、下記式6で表されるモノマー単位であることが特に好ましい。第一セグメントが式6で表されるモノマー単位を有する場合には、環状イミド基自体が光硬化反応により架橋結合を形成して架橋密度を向上させ、また、環状イミド基を保持しているアルキレン基が適度な長さであることから、グラフトポリマーの吸着性を向上させることができる。
【0026】
【化6】
Figure 0004210460
【0027】
(式中、R9及びR10は、R6及びR7とそれぞれ同じであり、R11はR1と同じであり、R12は炭素数1〜6のアルキレン基である。)
次に、本発明に係る顔料分散組成物は、少なくとも、顔料、上記本発明に係る顔料分散剤、及び、SP値が8〜10の有機溶剤を含有するものである。この顔料分散組成物は、顔料分散性に優れた塗工液を調製するための予備調製物として用いられる。顔料や顔料分散剤を、バインダー成分と共に希釈溶剤中に直接添加して混合すると、充分な分散性が得られない場合がある。これに対して、本発明に係る顔料分散組成物にバインダー成分や他の成分を混合するか、或いは、本発明に係る顔料分散組成物、バインダー成分、及び他の成分を固形分濃度を調節するための溶剤(希釈溶剤)に添加することによって、顔料分散性に優れた塗工液を容易に調製することができる。
【0028】
上記顔料分散組成物の顔料としては、フタロシアニン系顔料又はキノフタロン系顔料が好ましく用いられる。
【0029】
次に、本発明に係る着色コーティング組成物は、少なくとも、顔料、上記本発明に係る顔料分散剤、バインダー成分、及び、必要に応じて他の成分を含有するものである。この着色コーティング組成物は顔料分散性及び塗工適性に優れており、これを何らかの支持体に塗布して塗膜を形成し、乾燥させ、必要に応じて光や熱等により反応硬化させることによって、鮮明な色調と高い着色力を有する均一な着色塗膜を形成することができる。
【0030】
上記着色コーティング組成物は、バインダー成分として光重合性モノマー及び/又はオリゴマーを含有すると共に、光重合開始剤を含有することが好ましい。かかる組成とすることによって、膜強度及び塗工適性に優れた光硬化性着色コーティング組成物が得られる。
【0031】
さらに、上記光重合性モノマー及び/又はオリゴマーと共に、アルカリ可溶性バインダーポリマーを組み合わせて用いる場合には、成膜性、製版性、膜強度等の諸点において優れた塗膜が容易に得られる。
【0032】
上記着色コーティング組成物の顔料としては、フタロシアニン系顔料又はキノフタロン系顔料が好ましく用いられる。
【0033】
本発明に係る着色コーティング組成物は、カラーフィルターの着色層のような細部、特に画素やブラックマトリックスを形成するのに適しており、鮮明且つ着色濃度が高いカラーフィルター及び当該カラーフィルターを用いた高画質の液晶パネルが得られる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下において本発明を詳しく説明する。なお、本明細書中において(メタ)アクリルはアクリル及びメタクリルを表し、(メタ)アクリレートはアクリレート及びメタクリレートを表し、(メタ)アクリロイルはアクリロイル及びメタクリロイルを表す。
【0035】
先ず、本発明に係る顔料分散剤について説明する。本発明に係る顔料分散剤は、SP値(溶解度パラメータ)が11.0以上の第一セグメントとSP値が9.5以下の第二セグメントとを備え、前記第一セグメント又は第二セグメントのうちの一方が主鎖を構成し、他方がグラフト部分を構成するグラフトポリマーからなることを特徴とする、有機溶剤系の顔料分散剤である。
【0036】
上記第一セグメント及び第二セグメントのSP値が上記範囲外である場合には、顔料を安定に分散させることができない。
【0037】
SP値は物質同士の相溶性、非相溶性を示す指標であり、混合される2つの物質間でSP値の差が小さければ相溶性、溶解性が大きく、易溶性となり、一方、その差が大きければ相溶性、溶解性が小さく、難溶性乃至不溶性となる。
【0038】
SP値の測定方法や計算方法は幾つかあるが、本発明においては、Michael M. Collman, John F. Graf, Paul C. Painter (Pensylvania State Univ.)が書いた、"Specific Interactions and the Miscibility of Polymer Blends" (1991), Technomic Publishing Co. Inc.に記載されている計算方法を用いる。但し、‐COOH基と‐OH基については記載がないため、R. F. Fedorsが書いたPolymer Engineering and Science, 14(2), 147(1974)に記載の値を用いる。
【0039】
有機溶剤中に顔料と共に本発明に係る顔料分散剤を共存させると、第一セグメントと第二セグメントのSP値の差が大きいため、第一セグメント、第二セグメントの一方は溶剤に対して難溶性の粒子吸着部として機能し、他方は溶剤に対して親和性の高い外殻形成部として機能する。
【0040】
しかも、第一セグメント、第二セグメントの一方がグラフトポリマーの主鎖を構成し、かつ、他方がグラフト部分を構成し、ポリマー分子中における第一セグメントと第二セグメントの位置が明確に分かれているので、粒子表面にはグラフトポリマーが整然と吸着し、顔料粒子の周囲には多量の立体障害部が形成される。その結果、溶剤中で顔料粒子同士が接近又は接触しても立体障害部の作用により反発し合って凝集が防止され、顔料の分散性が向上する。
【0041】
特にSP値が8〜10の有機溶剤を本発明の顔料分散剤と共存させた場合、SP値11.0以上の第一セグメントが顔料吸着部、SP値9.5以下の第二セグメントが立体障害部として機能する。
【0042】
本発明のグラフトポリマーは、第一セグメント又は第二セグメントのいずれかが主鎖部分を構成し、他方がグラフト部分を構成していればよい。顔料吸着性の第一セグメントが主鎖を構成し、溶剤親和性の第二セグメントがグラフト部分を構成するグラフトポリマーを用いる場合には、図3に示すように主鎖が顔料表面に吸着し、グラフト部分が顔料粒子の周囲に立体障害部として機能する外殻を形成する。一方、顔料吸着性の第一セグメントがグラフト部分を構成し、溶剤親和性の第二セグメントが主鎖を構成するグラフトポリマーを用いる場合には、図4に示すようにグラフト部分が顔料表面に吸着し、主鎖が顔料粒子の周囲に外殻を形成し、その結果、グラフト部分の外側を主鎖で包み込んだ立体障害部が形成される。
【0043】
上記したように、本発明の顔料分散剤として用いるグラフトポリマーは、第一セグメントと第二セグメントがそれぞれ主鎖及びグラフト部分に明確に振り分けられている限り、第一セグメントが主鎖を構成し、第二セグメントがグラフト部分を構成する構造をとるものであっても良いし、その逆に、第一セグメントがグラフト部分を構成し、第二セグメントが主鎖を構成する構造をとるものであっても良い。
【0044】
しかしながら、顔料吸着性の第一セグメントが主鎖を構成し、溶剤親和性の第二セグメントがグラフト部分を構成するグラフトポリマーを用いるほうが好ましい。なぜなら、これとは逆に顔料吸着性の第一セグメントがグラフト部分を構成する場合には、一つのグラフトポリマー中の複数のグラフト部分が別々の顔料に吸着し、複数の顔料を結びつける役目を果たしてしまい、かえって分散を阻害する可能性があるからである。
【0045】
第一セグメント及び第二セグメントのSP値は、各セグメントのポリマー鎖を形成するモノマー単位を適切に選択し、必要に応じて2種以上のモノマー単位を適切な共重合比で組み合わせることによって調節できる。また、第一セグメント及び第二セグメントは、SP値を考慮して選ばれたモノマーと共に、SP値以外の物性や化学反応性を付加するモノマーを組み合わせて共重合させて形成してもよい。
【0046】
特に本発明においては、第一セグメント及び第二セグメントが以下に例示するエチレン性不飽和結合を有するモノマーのうちから選ばれる少なくとも1種又は2種以上を(共)重合させたポリマー構造を有するのが好ましい。
【0047】
エチレン性不飽和結合を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(例、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート及びi−ブチル(メタ)アクリレート)、(メタ)アクリル酸アルキルアリールエステル(例、ベンジル(メタ)アクリレート)、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(例、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート)、グリシジル(メタ)アクリレート、カルボン酸ビニルエステル(例、酢酸ビニル及びプロピオン酸ビニル)、シアン化ビニル(例、(メタ)アクリロニトリル及びα−クロロアクリロニトリル)、芳香族ビニル化合物(例、スチレン、α−メチルスチレン及びビニルトルエン)、ビニル基含有複素環化合物(例、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール)、不飽和カルボン酸(例、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸)、不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル(例、2−アミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート)、不飽和アミド(例、(メタ)アクリルアミド、α−クロロアクリルアミド)等を例示することができる。
【0048】
この場合、グラフトポリマー全体としては、末端にエチレン性不飽和結合を有する重合性ポリマーとエチレン性不飽和結合を有するモノマーからそれぞれ誘導される単位が連結した分子構造を有する共重合体となる。
【0049】
第一セグメント及び第二セグメントが(メタ)アクリル系モノマー、又はスチレン(置換基を有していてもよい)から誘導される構成単位を主体として構成されるポリマー鎖である場合には、良好な耐熱性を有し、また、感光性、アルカリ可溶性或いはその他の官能基を導入しやすいという利点がある。
【0050】
第一セグメントを構成するモノマーとしては、例えば、グリセロールモノメタクリレート[ホモポリマーのSP値:12.7(以下カッコ内は同様)]、ヒドロキシエチルアクリレート[12.2]、ヒドロキシエチルメタクリレート[11.3]、ヒドロキシプロピルアクリレート[11.1]等のヒドロキシル基含有モノマー、アクリル酸[12.6]、メタクリル酸[11.1]等のカルボキシル基含有モノマー、ビニルフタルイミド[14.2]、ビニルサクシンイミド[13.9]、N‐フェニルマレイミド[13.6]、1,2,3,6−テトラヒドロフタルイミドアクリレート[13.3]、フタルイミドエチルアクリレート[12.9]、3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドエチルアクリレート[12.1]、ジメチルマレイミドエチルアクリレート[11.7]、3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドプロピルアクリレート[11.7]、3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドエチルメタアクリレート[11.6]、ヘキサヒドロフタルイミドエチルアクリレート[11.5]、3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドブチルアクリレート[11.4]、3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドヘキシルアクリレート[11.1]等のイミド基含有モノマー、N‐ビニルピロリドン等のピロリジノニル基含有モノマー、アクリルアミド[14.5]、メタクリルアミド[12.6]等のアミド基含有モノマー、N‐アクリル−2−オキサゾリドン[14.0]等のオキサゾリドニル基含有モノマー等を用いることができる。SP値が11.0以上のモノマーに、SP値が11.0未満のモノマーを比較的少量だけ混合するのであれば、得られる共重合体のSP値は11.0以上となり得る。セグメントのSP値が11.0以上になるならば、ホモポリマーのSP値が11.0未満であるモノマー(例えば、アクリロイルモルフォリン[10.9]、4‐ビニルピリジン[10.3]、ベンジルメタクリレート[9.8]、ジメチルアクリルアミド[9.7]、ビニルアセトアミド[10.5]、ジメチルアミノエチルメタクリレート[8.6]、アルキル(メタ)アクリレート等)を共重合しても構わない。
【0051】
第二セグメントを構成するモノマーとしては、例えば、メチルメタクリレート[9.1]、n‐ブチルメタクリレート[8.7]、2−エチルヘキシルメタクリレート[8.5]、エチルアクリレート[9.3]等の(メタ)アクリレートや、スチレン[9.5]等が挙げられる。SP値が9.5以下のモノマーに、SP値が9.5よりも大きいモノマーを比較的少量だけ混合するのであれば、得られる共重合体のSP値は9.5以下となり得る。セグメントのSP値が9.5以下になるならば、ホモポリマーのSP値が9.5よりも大きいモノマー(例えば、メタクリル酸[11.1]、アクリル酸[12.6]、ヒドロキシエチルアクリレート[12.2]、ヒドロキシエチルメタクリレート[11.3]等)を共重合しても構わない。
【0052】
(メタ)アクリル系モノマーは、良好な耐熱性を有しているので黄変を生じにくく、また、感光性、アルカリ可溶性或いはその他の官能基を導入しやすいという利点がある。
【0053】
グラフトポリマーの第一セグメント及び/又は第二セグメントは、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、フェノール性水酸基等の酸性基、好ましくはカルボキシル基を有していてもよい。第一又は第二セグメントに適量の酸性基を導入することによって、グラフトポリマーにアルカリ可溶性を付与することができる。酸性基含有単位をグラフトポリマーの分子構造中に導入するモノマー(酸性基含有モノマー)としては、酸性基と共に、ポリマー鎖連結を形成するためのエチレン性不飽和結合を有する化合物を使用することができる。そのような酸性基含有モノマーとしては、(メタ)アクリル酸を例示することができる。また、ヒドロキシル基とエチレン性不飽和結合を有する化合物をモノマーとして用いてポリマーに導入後、ジカルボン酸無水物を反応させることによりポリマー中にカルボキシル基を導入することができる。
【0054】
また、グラフトポリマーの第一セグメント及び/又は第二セグメント中にヒドロキシル基やカルボキシル基を導入しておくと、これらの官能基を足場としてグラフトポリマー上に(メタ)アクリロイルオキシアルキルイソシアネートに代表されるエチレン性不飽和結合含有イソシアネート化合物、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルアルキル(メタ)アクリレートに代表されるエチレン性不飽和結合含有エポキシ化合物を付加し、エチレン性不飽和結合を導入することができる。このようなエチレン性不飽和結合を有するグラフトポリマーは重合反応性を有するので、これを反応硬化性のバインダー成分と混合する場合には、硬化感度を向上させることができる。
【0055】
また、顔料吸着部となる第一セグメントは、SP値が11.0以上に調節されていると共に窒素原子を含有するモノマー単位を有している場合には、一層優れた顔料吸着性を発揮する。窒素含有単位を形成し得る窒素原子含有モノマーとしては、ビニルフタルイミド、ビニルサクシンイミド、N‐フェニルマレイミド、フタルイミドエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフタルイミドエチル(メタ)アクリレート、ジメチルマレイミドエチル(メタ)アクリレート等のイミド基含有モノマー、N‐ビニルピロリドン等のピロリジノニル基含有モノマー、メタクリルアミド、ビニルアセトアミド、ジメチルアクリルアミド等のアミド基含有モノマー、N‐アクリル−2−オキサゾリドン等のオキサゾリドニル基含有モノマー、アクリロイルモルフォリン等のモルホリノ基含有モノマー、4−ビニルピリジン等のピリジル基含有モノマー、ジメチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基含有モノマーが挙げられる。
【0056】
第一セグメントは、これらの窒素含有単位の中でもイミド基、ピロリジノニル基、アミド基又はピリジル基を含有するモノマー単位を有することが好ましく、特に、下記式1で表される構造をもつ環状イミド基含有単位を有することが好ましい。
【0057】
【化7】
Figure 0004210460
【0058】
(式中、R1は水素又はメチル基を表し、R2は、―[(R4)m―(OR5)n]―を表す。ここで、R4及びR5は炭素数1〜6のアルキレン基又は環状炭化水素基を表し、ランダムに配列していても良く、mは0又は1、nは0〜6の整数である。R3は下記式2a乃至2hのいずれかで表される基である。
【0059】
【化8】
Figure 0004210460
【0060】
ここで、R6及びR7は、それぞれ独立した炭素数4以下のアルキル基であるか、又は、どちらか一方が水素原子で他方が炭素数4以下のアルキル基であるか、又は互いに一つとなって炭素−炭素結合のみからなる環状構造を形成する基である。R8は―CH2―、―CH(CH3)―、―C(CH32―、―CH2CH2―、―CH=CH―、又は、―CH2CH(CH3)―を表す。Xは、―[C(=O)]q―、又は、―[C(=O)―NH]r―を表す。q及びrは0又は1である。)
第一セグメントの分子構造中に環状イミド基含有単位を導入するために使用されるモノマーとしては、環状イミド基と共に、ポリマー鎖連結を形成するためのエチレン性不飽和結合を有する下記式3で表される化合物を使用することができる。
【0061】
【化9】
Figure 0004210460
【0062】
(式中、R1、R2、R3及びXは、式1と同じである。)
上記式3で表される環状イミド基含有モノマーの具体例としては、以下のようなものを例示することができる。
【0063】
【化10】
Figure 0004210460
【0064】
【化11】
Figure 0004210460
【0065】
本発明に係る顔料分散剤を用いて光硬化性のコーティング組成物を調製する場合には、環状イミド基含有単位が下記式4で表される環状イミド基を有していることが好ましい。
【0066】
【化12】
Figure 0004210460
【0067】
(式中、R9及びR10は、式1のR6及びR7とそれぞれ同じである。)
式4で表される環状イミド基は、バインダー成分のエチレン性不飽和結合と光重合反応を起こしたり、式4の環状イミド基同士で光二量化反応を起こすことにより架橋結合を形成するので、光硬化反応を促進させ、架橋密度を向上させることができる。
【0068】
式4で表される環状イミド基の具体例としては、下記式式5a乃至式5cで表されるものが挙げられ、その中でも式5bの3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド環が好ましい。
【0069】
【化13】
Figure 0004210460
【0070】
式4で表される環状イミド基を有する構成単位の中でも、下記式6で表されるものが好ましい。
【0071】
【化14】
Figure 0004210460
【0072】
(式中、R9及びR10は、R6及びR7とそれぞれ同じであり、R11はR1と同じであり、R12は炭素数1〜6のアルキレン基である。)
式6で表される構成単位は、環状イミド基を保持しているアルキレン基R12が適度な長さであることから、当該環状イミド基が顔料粒子の表面に容易に接近し吸着できると共に、顔料に吸着するポリマーの空間的密度も高く、グラフトポリマーの吸着性を向上させることができる。
【0073】
窒素含有基を有するモノマー単位は、第一セグメントを構成する全モノマー単位の合計量を基準とする仕込み量換算で30〜100質量%以上の割合で含有させることが好ましい。
【0074】
また、第一セグメントが式4で表される環状イミド基を備える環状イミド基含有単位を含有している場合には、さらにアルコール性水酸基を備えた構成単位(アルコール性水酸基含有単位)を含有していてもよい。アルコール性水酸基は電子引き抜き効果により環状イミド基の光重合反応性を高める。これらのアルコール性水酸基含有単位は、第一又は第二セグメントのどちらに存在していても良いが、環状イミド基含有単位と共に第一セグメントに存在していることが好ましい。ポリマーの分子構造中にアルコール性水酸基含有単位を導入するためのモノマーとしては、アルコール性水酸基と共に、ポリマー鎖連結を形成するためのエチレン性不飽和結合を有する化合物を使用することができる。また、アルコール性水酸基は、環状イミド基含有単位中に含まれていてもよい。
【0075】
アルコール性水酸基を導入するためのモノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを例示することができる。
【0076】
上記グラフトポリマーは、重合性ポリマー(マクロモノマー)末端のエチレン性不飽和結合と、モノマーのエチレン性不飽和結合とを重合させることにより形成できる。得られたグラフトポリマーの主鎖骨格は、重合性ポリマー末端のエチレン性不飽和結合とモノマーのエチレン性不飽和結合の重合によって成長したポリマー鎖によって形成され、グラフト部分は重合性ポリマーから誘導されたポリマー鎖によって形成される。
【0077】
重合性ポリマーは、グラフトポリマーのグラフト部分を構成すべきポリマー鎖の部分と、その末端のエチレン性不飽和結合を有する基からなる。重合性ポリマーのポリマー鎖部分は、SP値が11.0以上(すなわち第一セグメント)となるように又はSP値が9.5以下(すなわち第二セグメント)となるように考慮して選ばれた1種又は2種以上のモノマーを単独重合或いは共重合させることによって形成できる。
【0078】
一方、重合性ポリマー末端のエチレン性不飽和結合含有基としては、(メタ)アクリロイル基又はビニル基が好ましく、特に(メタ)アクリロイル基が好ましい。エチレン性不飽和結合を有する基は、重合性ポリマーの片末端にのみ有するのが好ましい。
【0079】
重合性ポリマーを製造するには、リビング重合法や、連鎖移動剤を用いるラジカル重合法がよく知られている。ラジカル重合法の方が、モノマーの自由度が大きい点で利用しやすい。例えば、メルカプトプロピオン酸のような、カルボキシル基を有する連鎖移動剤の存在下でモノマーをラジカル重合することにより、片末端にカルボキシル基を有するポリマーが得られる。このポリマーにグリシジルメタクリレートを付加すると、片末端にメタクリロイル基を有するポリマー、すなわち重合性ポリマーが得られる。
【0080】
上記重合性ポリマーと上記モノマーを溶剤中でラジカル重合させることにより、本発明の分散剤として用い得るグラフトポリマーを合成することができる。すなわち、SP値が9.5以下の重合性ポリマーと、SP値が11.0以上となるように選ばれた1種又は2種以上のモノマーとをラジカル重合させることによって、主鎖部分が第一セグメント(SP値が11.0以上)及びグラフト部分が第二セグメント(SP値が9.5以下)により構成されたグラフトポリマーが得られる。また、SP値が11.0以上の重合性ポリマーと、SP値が9.5以下となるように選ばれた1種又は2種以上のモノマーとをラジカル重合させることによって、主鎖部分が第二セグメント(SP値が9.5以下)及びグラフト部分が第一セグメント(SP値が11.0以上)により構成されたグラフトポリマーが得られる。
【0081】
上記グラフトポリマーの中でも好ましいものとしては、主鎖部分が、SP値11.0以上であるモノマーとして、ビニルフタルイミド[14.2]、3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドエチルアクリレート[12.1]、3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドプロピルアクリレート[11.7]、3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドエチルメタクリレート[11.6]等の環状イミド基含有モノマー、ビニルピロリドン[11.9]等のピロリジノニル基含有モノマー、メタクリルアミド[12.6]等のアミド含有モノマーの1種又は2種以上に、必要に応じて4−ビニルピリジン[10.3]等のピリジル基含有モノマーを共重合させた(共)重合させた第一セグメントにより構成され、一方、グラフト部分が、アルキル(メタ)アクリレート及び芳香族ビニル化合物の中から選ばれるSP値9.5以下であるモノマーの1種又は2種以上に、必要に応じて他のモノマーをさらに加えて(共)重合させたグラフト部分により構成された共重合組成をもつグラフトポリマーを例示できる。
【0082】
重合性ポリマーとモノマーをラジカル重合させる際の溶剤としては一般的な有機溶剤が使用可能である。
【0083】
例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル等の他のエステル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の他のエーテル類;エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、等が挙げられる。顔料分散性の点からは(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類が好ましい。
【0084】
この合成反応には、一般的なアゾ系開始剤や、過酸化物系開始剤が使用可能であり、必要に応じて、2−メルカプタンエタノールやドデシルメルカプタン等の連鎖移動剤を使用し、重合温度は通常、50〜200℃とする。
【0085】
このようにして得られたグラフトポリマーには、その後、必要に応じて、主鎖又はグラフト部分に残された官能基を足場として、エチレン性不飽和結合を導入することができる。
【0086】
グラフトポリマー中の主鎖部分とグラフト部分のサイズ及び量的関係は分散性能に影響するので、適切な範囲に調節するのが好ましい。グラフトポリマー全体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量を5000〜50000に調節すると共に、グラフト部分を構成する重合性ポリマーのGPCによるポリスチレン換算の数平均分子量を1000〜10000に調節することによって、分散性能を向上させることができる。
【0087】
また、グラフトポリマー中に占める第二セグメントの質量割合は50〜90質量%の範囲が好ましい。第二セグメントの質量割合が50質量%より少ないと、立体障害層となる第二セグメント量が少ないため顔料凝集を抑制しきれず、第二セグメントの質量割合が90質量%より多いと、顔料に対する吸着部となる第一セグメントが少なく顔料分散性が悪化する。
【0088】
このようなグラフトポリマーが顔料分散剤として用いることができ、特に、有機溶剤ベースの顔料分散組成物を調製するのに好適に用いられる。
【0089】
次に、本発明に係る顔料分散組成物について説明する。本発明に係る顔料分散組成物は、少なくとも、顔料、上記本発明に係る顔料分散剤、及び、有機溶剤を含有するものである。
【0090】
本発明に係る分散剤により分散させる顔料は特に限定されず、種々の有機又は無機顔料を用いることができる。有機顔料の具体例としては、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 社発行) においてピグメント(Pigment)に分類されている化合物、すなわち、下記のようなカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを挙げることができる。C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185等のイエロー系ピグメント;C.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド254等のレッド系ピグメント;及び、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6等のブルー系ピグメント;C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36等のグリーン系ピグメント;C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット23:19など。
【0091】
また、前記無機顔料の具体例としては、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、カーボンブラック等を挙げることができる。本発明において顔料は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0092】
これらの顔料のなかでも、本発明に係る分散剤は、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36等のフタロシアニン系顔料、或いは、C.I.ピグメントイエロー138等のキノフタロン系顔料に対して優れた分散性を付与することができる。本発明に係る分散剤として用いるグラフトポリマーの顔料吸着部である第一セグメントが窒素含有基を有する場合には、フタロシアニン系顔料及びキノフタロン系顔料の分散性が特に向上する。
【0093】
上記顔料100質量部に対して、本発明に係る顔料分散剤を通常は5〜150質量部、好ましくは20〜80質量部の割合で配合することによって、優れた顔料分散性が得られる。
【0094】
また本発明に係る顔料分散剤は単独で使用できるが、他の分散剤と併用しても良い。その場合、本発明に係る顔料分散剤と他の分散剤(本発明に係る顔料分散剤/他の分散剤)との重量比が、一般に99:1〜10:90の範囲、好ましくは99:1〜30:70で使用される。
【0095】
他の分散剤としては、ポリマー系としては、例えばポリアクリル酸等の不飽和カルボン酸の共重合体のアミン塩、アンモニウム塩又はアルキルアミン塩類;ポリウレタン類;不飽和ポリアミド類;ポリシロキサン類;長鎖ポリアミノアミドリン酸塩類;ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離カルボキシル基含有ポリエステルとの反応により得られるアミドやそれらの塩類等を挙げることができ、商品名では、Disperbyk−101、−130、−140、−160、−161、−162、−163、−164、−165、−166、−170、−171、−182、−2000、−2001(ビックケミー・ジャパン(株)製)、EFKA−47、−48、−49、−100、同−400、−450(EFKA CHEMICALS社製)、ソルスパース12000、13240、17000、20000、24000GR、27000(ゼネカ(株)製)、アジスパーPB711、821、822(味の素ファインテクノ(株)製)等を挙げることができる。また、前記以外の分散剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;ポリエチレングリコールジエステル類;ソルビタン脂肪酸エステル類;脂肪酸変性ポリエステル類;3級アミン変性ポリウレタン類;ポリエチレンイミン類を挙げることができる。
【0096】
顔料分散組成物を調製するための溶剤(分散溶剤)としては、有機溶剤が好ましく用いられる。有機溶剤としては、後述する着色コーティング組成物を調製するために希釈溶剤として用いられる有機溶剤を用いることができる。有機溶剤としてはSP値が8〜10の範囲の有機溶剤が好ましく、例として以下の溶剤が挙げられる。シクロヘキサン[8.0]、酢酸ブチル[8.5]、酢酸エチル[8.7]、トルエン[8.9]、キシレン[8.9]、メチルエチルケトン[9.1]、アセトン[9.4]、ジオキサン[9.4]、メトキシブチルアセテート[8.6]、ジエチレングリコールジメチルエーテル[8.6]、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート[8.7]、エトキシプロピオン酸エチル[8.8]、3−メトキシ−1−ブタノール[9.6]、シクロヘキサノン[9.9]。なかでも、メトキシブチルアセテート[8.6]、ジエチレングリコールジメチルエーテル[8.6]、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート[8.7]を用いるのが特に好ましい。
【0097】
また、顔料分散のための有機溶剤は水を全く又は少量しか含有していないことが好ましく、具体的には、その含水量は10質量%未満が好ましく、5質量%未満がさらに好ましく、実質的に0質量%であることが理想的である。
【0098】
上記分散溶剤は、顔料100質量部に対して通常は100〜1000質量部、好ましくは200〜900質量部の割合で用いる。
【0099】
本発明にかかる顔料分散組成物は、上記の顔料、顔料分散剤、及び、必要に応じてその他の成分を、任意の順序で溶剤に混合し、ニーダー、ロールミル、アトライタ、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル等の公知の分散機を用いて分散させることによって調製することができる。具体的には、分散剤を溶解させた溶液に顔料を添加した後、ボールミル又はビーズを分散メディアとして用いる各種のサンドミル例えばダイノミルを用いて分散を行う方法、顔料と分散剤を二本ロール等を用いてよく混練し、その後得られたチップに溶剤を加えてさらにサンドミルで分散を行う方法などを例示することができる。
【0100】
このようにして、顔料粒子の分散性に優れた顔料分散組成物が得られる。この顔料分散組成物は、顔料分散性に優れた塗工液を調製するための予備調製物として用いられる。顔料や顔料分散剤を、バインダー成分と共に希釈溶剤中に直接添加して混合すると、充分な分散性が得られない場合がある。これに対して、本発明に係る顔料分散組成物にバインダー成分や他の成分を混合するか、或いは、本発明に係る顔料分散組成物、バインダー成分、及び他の成分を固形分濃度を調節するための溶剤(希釈溶剤)に添加することによって、顔料分散性に優れた塗工液を容易に調製することができる。本発明に係る顔料分散組成物を用いて得られた塗工液は、インキや塗料等の様々な分野で着色塗膜を形成することができるが、特に、カラーフィルターの画素やブラックマトリックスのような着色層等を形成するのに好適に用いることができる。
【0101】
次に、本発明に係る着色コーティング組成物について説明する。本発明に係る着色コーティング組成物は、少なくとも、顔料、上記本発明に係る顔料分散剤、バインダー成分、及び、必要に応じて他の成分を含有することを特徴とするものであり、これらの各成分が溶剤に溶解又は分散されていればよい。
【0102】
本発明に係る着色コーティング組成物に配合される顔料としては、上述した顔料分散組成物に配合できるものと同じものを用いることができ、顔料と顔料分散剤の配合割合も顔料分散組成物を調製する場合と同様に、顔料100質量部に対して、本発明に係る分散剤を通常は5〜150質量部、好ましくは20〜80質量部の割合で配合することによって、優れた顔料分散性が得られる。
【0103】
バインダー成分は、本発明に係る着色コーティング組成物に成膜性や被塗工面に対する密着性を付与するための成分である。バインダー成分としては、重合性又は非重合性のバインダーポリマー、及び、重合性のモノマー及び/又はオリゴマーを用いることができる。
【0104】
バインダー成分のうち、バインダーポリマーは既に分子量が大きいので、成膜性や製版性を付与するのに大きく貢献する。バインダーポリマーは重合性のものでも非重合性のものでも使用できるが、重合性バインダーポリマーを用いる方が好ましい。重合性バインダーポリマーを用いる場合には、塗膜を反応硬化させて膜強度を上げることができる。カルボキシル基やリン酸基等の酸性基を有するアルカリ可溶性バインダーポリマーをバインダー成分として用いる場合には、塗膜をアルカリ現像することができる。
【0105】
バインダー成分のうち、重合性のモノマー及びオリゴマーは塗膜中の架橋密度を高めて膜強度を向上させる効果があるほか、分子量が小さいので流動性が高い成分であり、コーティング組成物の塗工適性を向上させる効果もある。また、バインダー成分として液状の重合性モノマー及び/又はオリゴマーを比較的多量に用いる場合には、モノマー及びオリゴマーが希釈溶剤として機能し、溶剤を用いなくても他の固形成分を溶解又は分散させることが可能であり、溶剤を含有していない液状のコーティング組成物を調製することも可能である。
【0106】
バインダー成分として、一分子中に2個以上の重合性基を有する多官能の重合性バインダーポリマー、モノマー又はオリゴマーを用いる場合には高い架橋密度が得られ、十分な硬化性を示すので好ましい。
【0107】
バインダー成分の重合性基の反応形式は特に限定されず、例えば、反応エネルギーの点では光重合又は熱重合のいずれに属するものであってもよいし、活性種の点ではラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合のいずれに属するものであってもよい。具体的には、バインダー成分が重合性基としてエチレン性不飽和結合を有する場合には光ラジカル重合及び熱ラジカル重合が可能であり、バインダー成分が重合性官能基としてエポキシ基を有する場合には熱硬化及び光カチオン重合が可能である。
【0108】
ここで、非重合性バインダーポリマーとしては、例えば一般のフェノール樹脂、アルキド樹脂、ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。具体的には以下のエチレン性不飽和モノマーの1種または2種以上からなる(共)重合体を挙げることができる。
【0109】
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、エタクリル酸、けい皮酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸(無水物)類;こはく酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)等のカルボキシル基含有不飽和モノマー。
【0110】
スチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレン等の芳香族ビニル化合物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸エステル類;2−アミノエチル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;ビニルメチルエーテル等の不飽和エーテル類;アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等の不飽和アミドあるいは不飽和イミド類;ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリn−ブチル(メタ)アクリレート、ポリシリコーン等の重合体分子鎖の末端にモノアクリロイル基あるいはモノメタクリロイル基を有するマクロモノマー類等。
【0111】
より具体的には、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、ベンジルメタクリレートマクロモノマー/スチレン共重合体、ベンジルメタクリレート/スチレンマクロモノマー共重合体などを例示することができる。
【0112】
アルカリ可溶性バインダーポリマーとしては、前記カルボキシル基含有不飽和モノマーと他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマーとからなるモノマー混合物の共重合体が好ましく、例えば、上記具体例のうち、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体、及び、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体を挙げることができる。
【0113】
また、光重合性のバインダー成分としては、エチレン性不飽和結合を含有するモノマー、オリゴマー又はポリマーが好ましく用いられる。光ラジカル重合性基としてのエチレン性不飽和結合を有するバインダー成分は、可視光、又は、紫外線や電子線のような電離放射線、その他の放射線の照射により直接、又は開始剤の作用を受けて間接的に重合反応を生じるものであり、パターン露光による選択的硬化と有機溶剤又はアルカリ液による現像により、精密なパターンを容易に形成できるので好ましく用いられる。
【0114】
エチレン性不飽和結合を含有するモノマー又はオリゴマーとして具体的には、次のような多官能アクリレート系のモノマー又はオリゴマー、すなわち、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルキレングリコールの(メタ)アクリレート類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールの(メタ)アクリレート類;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類や、それらのジカルボン酸変性物;ポリエステル、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、シリコーン樹脂、スピラン樹脂等のオリゴ(メタ)アクリレート類;両末端ヒドロキシポリ−1,3−ブタジエン、両末端ヒドロキシポリイソプレン、両末端ヒドロキシポリカプロラクトン等の両末端ヒドロキシル化重合体のジ(メタ)アクリレート類のほか、トリス〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕フォスフェート等を挙げることができる。
【0115】
さらに具体的には、エチレングリコール(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンテトラ(メタ)アクリレート、テトラトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を例示することができる。
【0116】
これらのうち、3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類やそれらのジカルボン酸変性物が好ましく、具体的には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を例示できる。
【0117】
エチレン性不飽和結合を含有するポリマーとしては、カルボキシル基やヒドロキシル基等の官能基を有する非重合性ポリマーに、(メタ)アクリロイルオキシアルキルイソシアネートに代表されるエチレン性不飽和結合含有イソシアネート化合物、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルアルキル(メタ)アクリレートに代表されるエチレン性不飽和結合含有エポキシ化合物を付加させてエチレン性不飽和結合を導入した共重合体を用いることができる。
【0118】
エチレン性不飽和結合を含有するバインダー成分の中でもアルカリ可溶性のものとしては、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基を有するアクリル系モノマーを単量体単位として用いた共重合体が好ましく用いられる。
【0119】
上記のバインダー成分は、夫々単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0120】
バインダー成分として光重合性モノマー及び/又はオリゴマーを含有すると共に、光重合開始剤をさらに含有することが好ましい。かかる組成とすることによって、膜強度及び塗工適性に優れた光硬化性着色コーティング組成物が得られる。さらに、重合性又は非重合性のバインダーポリマーと重合性のモノマー及び/又はオリゴマーを組み合わせて用いる場合には、成膜性、製版性、膜強度等の諸点において優れた塗膜が容易に得られる。
【0121】
光重合性バインダー成分は、着色コーティング組成物の全固形分中の10〜50質量%であることが好ましい。
【0122】
エチレン性不飽和結合を有する光硬化性バインダー成分を用いる場合には、通常、光ラジカル重合開始剤を添加する。
【0123】
光ラジカル開始剤としては、例えば、ビイミダゾール系化合物、ベンゾイン系化合物、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、α−ジケトン系化合物、多核キノン系化合物、キサントン系化合物、チオキサントン系化合物、トリアジン系化合物、ケタール系化合物、アゾ系化合物、過酸化物、2,3−ジアルキルジオン系化合物、ジスルフィド系化合物、チウラム化合物類、フルオロアミン系化合物などが用いられる。
【0124】
ビイミダゾール系化合物の具体例としては、2,2'−ビス(2−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4',5,5'−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4',5,5'−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,4',5,5'−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール等を挙げることができる。
【0125】
開始剤としてビイミダゾール系化合物を用いる場合、下記する水素供与体を併用することが、感度をさらに改良することができる点で好ましい。ここでいう「水素供与体」とは、露光によりビイミダゾール系化合物から発生したラジカルに対して、水素原子を供与することができる化合物を意味する。水素供与体としては、メルカプタン系化合物、アミン系化合物等が好ましい。前記メルカプタン系化合物は、ベンゼン環あるいは複素環を母核とし、該母核に直接結合したメルカプト基を1個以上、好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個有する化合物(以下「メルカプタン系水素供与体」という。)からなる。このようなメルカプタン系水素供与体の具体例としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−2,5−ジメチルアミノピリジン等が挙げることができる。これらのメルカプタン系水素供与体のうち、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾールが好ましい。
【0126】
また、前記アミン系化合物は、ベンゼン環あるいは複素環を母核とし、該母核に直接結合したアミノ基を1個以上、好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個有する化合物(以下「アミン系水素供与体」という。)からなる。このようなアミン系水素供与体の具体例としては、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、i−プロピル−4−ジメチルアミノベンゾエート、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノベンゾニトリル等が挙げることができる。
【0127】
水素供与体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができるが、1種以上のメルカプタン系水素供与体と1種以上のアミン系水素供与体とを組み合わせて使用することが、形成された画素が現像時に基板から脱落し難く、また画素強度および感度も高い点で好ましい。また、メルカプト基とアミノ基とを同時に有する水素供与体も好適に使用できる。
【0128】
前記ベンゾイン系化合物の具体例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインi−プロピルエーテル、ベンゾインi−ブチルエーテル、2−ベンゾイル安息香酸メチル等を挙げることができる。
【0129】
前記アセトフェノン系化合物の具体例としては、、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4'−i−プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2'−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2,2−ジメトキシアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−1−(4'−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4'−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等を挙げることができる。
【0130】
前記ベンゾフェノン系化合物の具体例としては、ベンジルジメチルケトン、ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等を挙げることができる。
【0131】
前記α−ジケトン系化合物の具体例としては、ジアセチル、ジベンゾイル、メチルベンゾイルホルメート等を挙げることができる。
【0132】
前記多核キノン系化合物の具体例としては、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン等を挙げることができる。
【0133】
前記チオキサントン系化合物の具体例としては、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等を挙げることができる。
【0134】
前記トリアジン系化合物の具体例としては、1,3,5−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2'−クロロフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(4'−クロロフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2'−メトキシフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(4'−メトキシフェニル)−s−トリアジン、2−(2'−フリルエチリデン)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4'−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3',4'−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4'−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2'−ブロモ−4'−メチルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2'−チオフェニルエチリデン)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等を挙げることができる。
【0135】
これらのうちでも、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4’−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、及び、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンは、少量でも電離放射線の照射による重合反応を開始し促進するので、本発明において好ましく用いられる。これらは、いずれか一方を単独で、又は、両方を組み合わせて用いることができる。
【0136】
光ラジカル重合開始剤を用いる場合には、バインダー成分100質量部に対して、光ラジカル重合開始剤を通常は1〜200質量部の割合で配合する。
【0137】
また、熱重合性のバインダー成分としてはエポキシ樹脂が好ましく、例えば、次に示すようなエチレン性不飽和結合とエポキシ基を含有するモノマーの1種または2種以上を重合させた単独重合体または共重合体を用いることができる:アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−4,5−エポキシペンチル、アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシヘプチルなどの(メタ)アクリレート類;o−ビニルフェニルグリシジルエーテル、m−ビニルフェニルグリシジルエーテル、p−ビニルフェニルグリシジルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテルなどのビニルグリシジルエーテル類;2,3−ジグリシジルオキシスチレン、3,4−ジグリシジルオキシスチレン、2,4−ジグリシジルオキシスチレン、3,5−ジグリシジルオキシスチレン、2,6−ジグリシジルオキシスチレン、5−ビニルピロガロールトリグリシジルエーテル、4−ビニルピロガロールトリグリシジルエーテル、ビニルフロログリシノールトリグリシジルエーテル、2,3−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、3,4−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、2,4−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、3,5−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、2,6−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、2,3,4−トリヒドロキシメチルスチレントリグリシジルエーテル、及び、1,3,5−トリヒドロキシメチルスチレントリグリシジルエーテル。
【0138】
エポキシ樹脂は市販品の中から選択、入手することも可能であり、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂としてエピコート1001、1002、1003、1004、1007、1009、1010(油化シェル製)など、ビスフェノールF型エポキシ樹脂としてエピコート807(油化シェル製)など、フェノールノボラック型エポキシ樹脂としてEPPN201、202(日本化薬製)、エピコート154(油化シェル製)など、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としてEOCN102、103S、104S、1020、1025、1027(日本化薬製)、エピコート180S(油化シェル製)などを例示できる。
【0139】
バインダー成分としてエポキシ樹脂を用いる場合には、通常、全固形分中の10〜50質量%程度の割合とする。
【0140】
エポキシ樹脂と組み合わされる硬化剤としては、多価カルボン酸無水物または多価カルボン酸を用いることができる。
【0141】
多価カルボン酸無水物の具体例としては、無水フタル酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバリル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ジメチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイミック酸、無水ナジン酸などの脂肪族または脂環族ジカルボン酸無水物;1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族多価カルボン酸二無水物;無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸無水物;エチレングリコールビストリメリテイト、グリセリントリストリメリテイトなどのエステル基含有酸無水物を挙げることができ、特に好ましくは、芳香族多価カルボン酸無水物を挙げることができる。また、市販のカルボン酸無水物からなるエポキシ樹脂硬化剤も好適に用いることができる。
【0142】
また、本発明に用いられる多価カルボン酸の具体例としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ブタンテトラカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸などの脂肪族多価カルボン酸;ヘキサヒドロフタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸などの脂肪族多価カルボン酸、およびフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸を挙げることができ、好ましくは芳香族多価カルボン酸を挙げることができる。
【0143】
これら多価カルボン酸無水物および多価カルボン酸は、1種単独でも2種以上の混合でも用いることができる。硬化剤の配合量は、エポキシ樹脂100質量部当たり、通常は1〜100質量部の範囲とする。
【0144】
本発明に係る着色コーティング組成物は、必須成分として、上記顔料、分散剤及びバインダー成分を含有するが、さらに必要に応じて、塗工液に調製するための溶剤、重合開始剤、増感剤、硬化剤、紫外線遮断剤、紫外線吸収剤、表面調整剤(レベリング剤)、或いは、その他の成分を配合しても良い。
【0145】
着色コーティング組成物のバインダー成分として液状のモノマー及び/又はオリゴマーを比較的多量に用いる場合には、当該モノマー及び/又はオリゴマーが液状媒体としても機能し得るので、溶剤を用いなくても固形成分を溶解、分散、又は希釈して塗工液の状態に調製できる場合がある。従って、本発明において溶剤は必ずしも必要ではないが、固形成分を溶解分散し、濃度を調整して、塗工適性に優れた塗工液を調製するために溶剤(希釈溶剤)を使用する場合が多い。
【0146】
予備調製物である顔料分散組成物を調製するための分散溶剤は、顔料分散性だけを考慮して選択できるが、着色コーティング組成物を調製するための希釈溶剤は、顔料分散性と共に、バインダー成分や重合開始剤の溶解性又は分散性、分散溶剤との相溶性、塗工の均一性、塗工後の易乾燥性等を考慮して選択する必要がある。希釈溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、N−プロピルアルコール、i−プロピルアルコールなどのアルコール系溶剤;メトキシアルコール、エトキシアルコールなどのセロソルブ系溶剤;メトキシエトキシエタノール、エトキシエトキシエタノールなどのカルビトール系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチルなどのエステル系溶剤;アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;メトキシエチルアセテート、エトキシエチルアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのセロソルブアセテート系溶剤;メトキシエトキシエチルアセテート、エトキシエトキシエチルアセテートなどのカルビトールアセテート系溶剤;ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの非プロトン性アミド溶剤;γ−ブチロラクトンなどのラクトン系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレンなどの不飽和炭化水素系溶剤;N−ヘプタン、N−ヘキサン、N−オクタンなどの飽和炭化水素系溶剤などの有機溶剤を例示することができる。
【0147】
これらの溶剤の中では、メトキシエチルアセテート、エトキシエチルアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのセロソルブアセテート系溶剤;メトキシエトキシエチルアセテート、エトキシエトキシエチルアセテートなどのカルビトールアセテート系溶剤;エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル系溶剤;メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチルなどのエステル系溶剤が特に好適に用いられる。
【0148】
特に好ましくは、酢酸−3−メトキシブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル又はこれらを混合したものを使用することができる。
【0149】
希釈のための有機溶剤は、分散溶剤と同様に、SP値が8〜10の範囲のものを用いるのが特に好ましい。また、希釈のための有機溶剤は、分散溶剤と同様に、水を全く又は少量しか含有していないことが好ましく、具体的には、その含水量は10質量%未満が好ましく、5質量%未満がさらに好ましく、実質的に0質量%であることが理想的である。
【0150】
このような希釈溶剤を用いて、固形分濃度を10〜70質量%に調節することによって、塗工適性に優れた着色コーティング組成物が得られる。なお、本発明において固形分とは、希釈溶剤及び分散溶剤を除く全ての配合成分のことであり、液状のモノマーやオリゴマーも希釈溶剤又は分散溶剤で溶解又は分散すべき固形分に含まれる。
【0151】
本発明に係る着色コーティング組成物は、顔料、分散剤等の配合成分を、液状媒体としても機能するバインダー成分である液状モノマー及び/又はオリゴマーに混合するか、又は、これらの配合成分を希釈溶剤に直接混合し、公知の分散機を用いて分散させることによって調製しても良い。しかし、全ての配合成分を単純に混合するだけの方法や、全ての配合成分を希釈溶剤に直接投入して分散させる方法では、顔料を充分に分散させることができない場合がある。また、全ての配合成分を希釈溶剤に直接混合して分散させる方法を行うためには、顔料分散性に優れていて分散溶剤として適していると同時に、バインダー成分の溶解性や易乾燥性にも優れていて希釈溶剤としても適している溶剤を選択する必要があるが、そのような溶剤を選択することは必ずしも容易でない。
【0152】
これに対して、上述した本発明に係る顔料分散組成物を用いる方法によれば、顔料分散性に優れた着色コーティング組成物を容易に得ることができる。この方法では、顔料と分散剤を分散溶剤に混合、分散させることにより、本発明に係る顔料分散組成物を予め調製する。一方、これとは別に、バインダー成分、重合開始剤及び他の成分を希釈溶剤に混合し、溶解又は分散させることにより、クリアレジスト液を調製する。そして、得られた顔料分散組成物とクリアレジスト液を混合し、必要に応じて分散処理を行うことによって、顔料分散性に優れた着色コーティング組成物が容易に得られる。この方法によれば、分散溶剤及び希釈溶剤を別々に選択できるので、溶剤選択の幅も広がる。
【0153】
このようにして得られた本発明に係る着色コーティング組成物は顔料分散性及び塗工適性に優れており、これを何らかの支持体に塗布して塗膜を形成し、乾燥させ、必要に応じて光や熱等により反応硬化させることによって、鮮明な色調と高い着色力を有する均一な着色塗膜を形成することができる。得られた着色塗膜は、バインダー成分の乾燥固化又は反応硬化によって形成されたバインダー中に顔料が均一に分散された構造を有している。
【0154】
光硬化性バインダー成分を含有する着色コーティング組成物を用いる場合には、当該着色コーティング組成物を支持体に塗布して塗膜を形成し、乾燥させた後、当該塗膜に光線を照射することにより、塗膜中のバインダー成分を重合させて架橋結合のネットワークを形成し、塗膜を硬化させることができる。
【0155】
特に、本発明の着色コーティング組成物に光重合性バインダー成分を用いると共に、分散剤として第一セグメント上に式4で表される環状イミド基を有するグラフトポリマーを組み合わせて用い、好ましくは光重合開始剤をさらに添加する場合には、光照射を行う時に、光重合性バインダー成分が重合するだけでなく、第一セグメント上の環状イミド基が光重合性バインダー成分と重合したり、環状イミド基同士で二量化反応を起こすので、光硬化反応が促進して硬化スピードが速くなり、架橋密度が高くなって塗膜の硬度、強度、密着性等の物性が向上する。
【0156】
硬化反応に用いる光線としては、紫外線や電離放射線のような放射線又は可視光の中から、バインダー成分の重合反応を引き起こす波長を有するものを適宜選んで用いる。硬化に必要な照射エネルギーは、通常、10〜500mJ/cm2程度である。
【0157】
このような光硬化性の着色コーティング組成物の塗膜に、光線を所定のパターン状に照射することにより塗膜の一部を選択的に硬化させた後、有機溶剤やアルカリ液で現像することにより、所定パターンの着色塗膜が得られる。塗膜の表面にレーザー光を照射するか、又は、マスクを介して光線を照射することによって、塗膜の所定位置を選択的に露光、硬化させることができる。また、カルボキシル基のような酸性基を有する光硬化性バインダー成分を用いる場合には、アルカリ現像が可能であり、有機溶剤を用いて現像する場合と比べて環境衛生上好ましい。
【0158】
本発明に係る着色コーティング組成物は、特に、カラーフィルターの着色層、すなわち、画素やブラックマトリックスを形成するのに適している。
【0159】
カラーフィルターは、透明基板に所定のパターンで形成されたブラックマトリックスと、当該ブラックマトリックス上に所定のパターンで形成した画素部と、当該画素部を覆うように形成された保護膜を備えている。保護膜上に必要に応じて液晶駆動用の透明電極が形成される場合もある。また、ブラックマトリックス層が形成された領域に合わせて、透明電極板上若しくは画素部上若しくは保護膜上に柱状スペーサーが形成される場合もある。
【0160】
画素部は赤色パターン、緑色パターン及び青色パターンがモザイク型、ストライプ型、トライアングル型、4画素配置型等の所望の形態で配列されてなり、ブラックマトリックスは各着色パターンの間及び画素部形成領域の外側の所定領域に設けられている。画素部は様々な方法で形成できるが、上記本発明に係る着色コーティング組成物を用いて顔料分散法により形成するのが好ましい。すなわち、光硬化性バインダー成分を含有する着色コーティング組成物を透明基板の一面側に塗布し、紫外線等の光線を所定のパターン状に照射し、アルカリ現像後、クリーンオーブン等で加熱してポストベークすることにより画素部を形成できる。画素部は、通常、1〜3μm程度の厚さに形成する。
【0161】
ブラックマトリックスは、顔料分散法、印刷法、クロム蒸着等、種々の方法により形成されるが、画素部と同様に、上記本発明に係る着色コーティング組成物を用いる顔料分散法により形成することも可能である。この場合、黒色顔料と光硬化性バインダー成分を含有する着色コーティング組成物を調製し、画素部を形成するのと同様にして選択的露光と現像を行うことで、ブラックマトリックスが得られる。この方法においては、ブラックマトリックスを通常、0.8〜1.5μm程度の厚さに形成する。
【0162】
保護膜は、光又は熱硬化性を有する透明樹脂組成物の塗工液を、保護膜用塗工液としては、例えば特開2001−106765号公報に記載の硬化性樹脂組成物が挙げられる。硬化性樹脂組成物の塗工膜は、フォトマスクを介して紫外線を照射することにより露光され、アルカリ現像後、クリーンオーブン等でポストベークされて保護膜となる。
【0163】
保護膜上の透明電極は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等、およびそれらの合金等を用いて、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法等の一般的な方法により形成され、必要に応じてフォトレジストを用いたエッチング又は治具の使用により所定のパターンとしたものである。この透明電極の厚みは20〜500nm程度、好ましくは100〜300nm程度とすることできる。
【0164】
透明電極上の柱状スペーサーも、上記特開2001−106765の硬化性樹脂組成物をスピンコーター、ロールコーター、スプレイ、印刷等の方法により塗布し、フォトマスクを介する紫外線照射により露光し、アルカリ現像後、クリーンオーブン等でポストベークすることにより形成できる。柱状スペーサーは、例えば、5μm程度の高さに形成される。
【0165】
このようにして製造されたカラーフィルターの内面側に配向膜を形成し、電極基板と対向させ、間隙部に液晶を満たして密封することにより、液晶パネルが得られる。
【0166】
なお、本発明に係るカラーフィルターを液晶表示装置用カラーフィルターを代表例として説明したが、本発明は、他方式の表示装置用のカラーフィルター、例えばEL(エレクトロルミネッセンス)デバイスのカラーフィルターにも適用可能である。ELデバイスは、RGB各色のEL素子をマトリックス状に配列し、各色の発光を制御すればフルカラー表示可能であるが、EL素子の光取り出し側(鑑賞者側)にカラーフィルターを配置することにより、発色光を変調させて表示性能を向上させることができ、またカラーフィルターがEL素子を外部光から保護して長寿命化に貢献する等の効果も得られる。
【0167】
【実施例】
A.参考例
下記参考例において、枝部マクロモノマーを合成した。
【0168】
(参考例1):MMA系マクロモノマーの合成
メルカプトプロピオン酸(MPA)1質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)50質量部、メチルメタクリレート(MMA)30質量部、を反応フラスコに仕込んだ。この混合物を93℃に加熱・攪拌した後、窒素気流下で、一方の供給口よりアゾビスメチルイソブチロニトリル(ABN−E)1.0質量部、PGMEA50質量部の混合液を4時間かけて、他方の供給口よりMMA70質量部、MPA2質量部の混合液を2時間かけて連続供給し、重合した。その後、さらに4時間加熱して計8時間で重合を完結した。酸価0.138meq/gで片末端にカルボキシル基を有するポリマーを得た。
【0169】
空気バブリングに切り替えて、引き続き、グリシジルメタクリレート(GMA)4.42質量部(酸分に対し110モル%)、メトキシフェノール(MQ)0.05質量部、ジメチルベンジルアミン(DMBA)3質量部、PGMEA10質量部を仕込み、110℃で8時間、加熱攪拌した。酸価0.002meq/gとなり、カルボキシル基の反応率が98%以上であることが確認され、片末端にGMAが付加したPMMAマクロモノマーが得られた。数平均分子量(Mn)=3,000、重量平均分子量(Mw)=6,300であった。この溶液にPGMEAを加えて固形分50質量%に調整した。
【0170】
(参考例2):EHMA系カルボキシル基含有マクロモノマーの合成
参考例1のMMA30質量部を、2−エチルヘキシルメタクリレート(EHMA)28質量部とヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)2質量部に置き換えた。また連続供給するMMA70質量部をEHMA質量部42質量部とHEMA12質量部に置き換えた。その他は参考例1と同様にして、片末端にGMAが付加したマクロモノマーが得られた。
【0171】
さらにこのマクロモノマー液に無水コハク酸10.7質量部を加え、110℃で3時間攪拌した。無水コハク酸はマクロモノマーと反応して、セグメント中にカルボキシル基が導入された。得られたマクロモノマーは、数平均分子量(Mn)=3,100、重量平均分子量(Mw)=6,200であった。この溶液にPGMEAを加えて固形分50質量%に調整した。
【0172】
(参考比較例1):MMA系カルボキシル基含有マクロモノマーの合成
参考例1のMMA30質量部を、MMA30質量部とヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)3質量部に置き換えた。また連続供給するMMA70質量部をMMA40質量部とHEMA17質量部に置き換えた。その他は参考例1と同様にして、片末端にGMAが付加したマクロモノマーが得られた。
【0173】
さらにこのマクロモノマー液に無水コハク酸15.2質量部を加え、110℃で3時間攪拌した。無水コハク酸はマクロモノマーと反応して、セグメント中にカルボキシル基が導入された。得られたマクロモノマーは、数平均分子量(Mn)=3,100、重量平均分子量(Mw)=6,300であった。この溶液にPGMEAを加えて固形分50質量%に調整した。
【0174】
B.合成例
下記合成例及び合成比較例において、グラフトポリマーを合成した。各合成例の仕込み量を第1表、第2表にまとめた。
【0175】
(合成例1)
参考例1のマクロモノマー溶液30質量部、メルカプトエタノール0.5質量部、PGMEA40質量部、ビニルフタルイミド20質量部、4−ビニルピリジン10質量部を反応フラスコに仕込んだ。この混合物を、85℃に加熱・攪拌し、窒素気流下で、供給口より、参考例1のマクロモノマー溶液110質量部、ABN−E0.3質量部、メルカプトエタノール0.5質量部、PGMEA120質量部の混合液を2時間かけて供給した。続けてABN−E0.4質量部、PGMEA20質量部の混合液を1時間かけて供給した。その後、さらに2時間加熱して計5時間で重合を完結した。得られたグラフトポリマー溶液は透明液であった。また重量平均分子量は、10,200であった。最後にPGMEAを加えて固形分20質量%に調整した。
【0176】
また、幹セグメントのSP値は12.6と計算され、枝セグメントのSP値は9.1と計算された。
【0177】
(合成例2〜7)
第1表の仕込み量に従い、合成例1と同様に重合を行い、得られた重合液にPGMEAを加えて固形分20質量%に濃度調整した。
【0178】
(合成比較例1〜3)
第2表の仕込み量に従い、合成例1と同様に重合を行い、重合液にPGMEAを加えて固形分20質量%に濃度調整した。
【0179】
【表1】
Figure 0004210460
【0180】
【表2】
Figure 0004210460
【0181】
*1:THPI−AA(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドエチルアクリレート)
*2:連続仕込み1を2時間かけて供給後、連続仕込み2を2時間かけて供給する。
*3:マクロモノマー溶液の固形分濃度は50質量%である。
*4:比較例のグラフトポリマーの幹部及び枝部については、SP値が11.0以上であるか或いは9.5以上であるかに拘わらず、幹部及び枝部のうちSP値が大きい方を第一セグメントとし、SP値が小さい方を第二セグメントとした。
【0182】
C.実施例
下記合成例で得られたグラフトポリマーを用いて顔料分散組成物、着色コーティング組成物、及び、カラーフィルターを作製し、評価した。
【0183】
(実施例1):緑色顔料分散組成物の調製
分散剤として合成例1で得られたグラフトポリマー溶液を含む下記成分を混合し、直径0.3mmのジルコニアビーズを用いビーズミルで、1時間分散して、緑色顔料組成物1を作製した。
<緑色顔料分散組成物1の組成>
・C.I.ピグメントグリーン36: 15質量部
・合成例1のグラフトポリマー溶液(固形分20質量%): 30質量部
・PGMEA: 55質量部
(実施例2〜7):緑色顔料分散組成物の調製
実施例1において、前記合成例1のグラフトポリマー溶液を合成例2〜7のグラフトポリマー溶液に変更したこと以外は実施例1と同様にして緑色顔料分散組成物2〜6を作製した。
(実施例8):黄色顔料分散組成物の調製
実施例1において、配合成分を下記組成に変更したこと以外は実施例1と同様にして、分散剤として合成例1で得られたグラフトポリマー溶液を用いた黄色顔料分散組成物1を作製した。
<黄色顔料分散組成物1の組成>
・C.I.ピグメントイエロー 138: 10質量部
・合成例1のグラフトポリマー溶液(固形分20質量%): 30質量部
・PGMEA: 60質量部
(実施例9〜13):黄色顔料分散組成物の調製
実施例8において、前記合成例1のグラフトポリマー溶液を合成例2〜6のグラフトポリマー溶液に変更したこと以外は実施例8と同様にして黄色顔料組成物2〜6を作製した。
【0184】
(実施例14):青色顔料分散組成物の調製
実施例1において、配合成分を下記組成に変更したこと以外は実施例1と同様にして、分散剤として合成例4で得られたグラフトポリマー溶液を用いた青色顔料分散組成物4を作製した。
<青色顔料分散組成物1の組成>
・C.I.ピグメントグリーン15:6: 15質量部
・合成例4のグラフトポリマー溶液(固形分20質量%): 30質量部
・PGMEA: 55質量部
(実施例15):青色顔料分散組成物の調製
実施例14において、前記合成例4のグラフトポリマー溶液を合成例6のグラフトポリマー溶液に変更したこと以外は実施例14と同様にして青色顔料組成物6を作製した。
【0185】
(比較例1)
実施例1において、前記合成例1のグラフトポリマー溶液を合成比較例1のグラフトポリマー溶液に変更したこと以外は実施例1と同様にして緑色顔料組成物C1を作製した。
【0186】
(比較例2〜3)
実施例1において、前記合成例1のグラフトポリマー溶液を合成比較例2〜3のグラフトポリマー溶液に変更したこと以外は実施例1と同様にして緑色顔料組成物C2〜C3を作製した。
【0187】
(比較例4)
実施例8において、前記合成例1のグラフトポリマー溶液を合成比較例1のグラフトポリマー溶液に変更したこと以外は実施例8と同様にして黄色顔料組成物C1を作製した。
【0188】
(比較例5)
実施例8において、前記合成例1のグラフトポリマー溶液を合成比較例2のグラフトポリマー溶液に変更したこと以外は実施例8と同様にして黄色顔料組成物C2を作製した。
【0189】
(比較例6)
実施例14において、前記合成例4のグラフトポリマー溶液を合成比較例1のグラフトポリマー溶液に変更したこと以外は実施例14と同様にして青色顔料組成物C1を作製した。
【0190】
(比較例7)
実施例14において、前記合成例4のグラフトポリマー溶液を合成比較例2のグラフトポリマー溶液に変更したこと以外は実施例14と同様にして青色顔料組成物C2を作製した。
【0191】
(顔料分散組成物の評価)
実施例1〜15及び比較例1〜7で得られた各顔料分散液を希釈し、粒度分析計(日機装(株)製マイクロトラック9340UPA)にて分散液中の顔料の50%粒子径を測定し、分散能を評価した。結果を第3表に示す。
【0192】
【表3】
Figure 0004210460
【0193】
(実施例16):着色コーティング組成物の作製
下記成分を室温で攪拌、混合し、着色コーティング組成物1を調製した。
<着色コーティング組成物1の組成>
・実施例1の緑色顔料分散組成物1: 30.0質量部
・実施例8の黄色顔料分散組成物1: 30.0質量部
・メタクリル酸/ベンジルメタクリレート重合体(モル比:30/70、重量平均分子量:2万、固形分40質量%のPGMEA溶液):16.0質量部
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート:4.0質量部
・2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン:2.0質量部
・2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4'、5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール:1.0質量部
・シクロヘキサノン:17.0質量部
(実施例17〜21、比較例8〜9)
実施例16において、実施例1の緑色顔料分散組成物1及び実施例8の黄色顔料分散組成物1を、第5表に示す緑色及び黄色顔料分散組成物に変更した以外は実施例16と同様にして、着色コーティング組成物2〜6、C1〜C2を作製した。
【0194】
(着色コーティング組成物の評価)
実施例16〜21及び比較例8〜9で得られた着色コーティング組成物について、塗膜のコントラスト、感度(最低硬化露光量)及び現像性(最短抜け時間)を評価した。試験方法を以下に説明すると共に、評価結果を第4表に示す。
【0195】
(1)塗膜のコントラスト
ガラス基板上に着色コーティング組成物をスピンコーターで塗布(膜厚1.5μm)した後、90℃で3分間ホットプレートにより乾燥した(膜厚1.5μm)。次いで、得られた塗膜に超高圧水銀ランプを用いて80mJ/cm2まで紫外線を照射した。次いで、当該塗膜を0.05質量%水酸化カリウム水溶液中で現像し、200℃のクリーンオーブン内で30分間加熱を行い硬化膜を作製した。
【0196】
得られた硬化膜サンプルを2枚の偏光板の間に置き、偏光軸が平行の時と垂直の時の透過光量をそれぞれ測定し、その比をコントラスト比とした。
【0197】
(2)感度の評価
10cm画のガラス基板上に、各実施例又は比較例で得られた着色コーティング組成物をスピンコーター(MIKASA製、形式1H−DX2)により、塗布、乾燥した。この塗布膜をホットプレート上で90℃、3分間加熱した。加熱後、塗布膜から100μmの距離にフォトマスクを配置して2.0kWの超高圧水銀ランプを装着したUVアライナー(大日本スクリーン製、形式MA 1200)によって20〜100mJ/cm2の強度(405nm照度換算)で紫外線を照射した。
【0198】
紫外線の照射後、寸法が約1mm×3mmの矩形状に塗布膜を削り取ってガラス基板を部分的に露出させ、触針式表面粗度測定装置(日本アネルバ(株)製、Dektak 1600)により各照射領域の膜厚を測定し、現像前膜厚とした。
【0199】
次いで、塗布膜の露光部に0.05質量%の水酸化カリウム水溶液をスピン現像機(Applied Process Technology,INK、MODEL:915)にて60秒間散布し、未露光部を溶解、除去し、残った露光部を純水で60秒間水洗することにより現像した。現像後、露光部の膜をクリーンオーブン(忍足研究所(株)製、SCOV−250 Hy−So)により、200℃で30分間加熱した。そして、得られた膜の膜厚を、前述したのと同じ方法で測定し、最終硬化後膜厚とした。
【0200】
このようにして測定された現像前膜厚と最終硬化後膜厚とから次式に従って、残膜率を計算した。
【0201】
残膜率(%)=(最終硬化後膜厚(μm)÷現像前膜厚(μm))×100
一方、リファレンス残膜率を、次のようにして決定した。先ず、塗布膜の全面に100mJ/cm2の強度で露光したこと以外はサンプルと同じ方法で、着色コーティング組成物の完全露光膜厚を測定した。次に、100mJ/cm2露光した塗布膜を現像はせずに、サンプルと同じ方法で加熱だけした後、得られた膜の膜厚を前述したのと同じ方法で測定し、現像工程無しの最終膜厚とした。そして、測定された完全露光膜厚と現像工程無しの最終膜厚とから次式に従って、リファレンス残膜率を計算した。
【0202】
リファレンス残膜率(%)=(現像工程無しの最終膜厚(μm)÷完全露光膜厚(μm))×100
このようにして算出された残膜率が誤差範囲1%としてリファレンス残膜率と等しくなった最も小さい露光量を、着色コーティング組成物の最低露光量と決定した。
【0203】
(3)現像性の評価
ガラス基板上に着色コーティング組成物をスピンコーターで塗布した後、80℃で3分間ホットプレートに乾燥した(膜厚2μm)。次いで、得られた塗膜を0.05質量%水酸化カリウム水溶液中で現像し、当該塗膜が現像液により溶解し始める時間を最短現像時間(最短抜け時間)として決定した。
【0204】
【表4】
Figure 0004210460
【0205】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明に係る顔料分散剤は、SP値(溶解度パラメータ)が11.0以上の第一セグメントとSP値が9.5以下の第二セグメントとを備え、前記第一セグメント又は第二セグメントのうちの一方が主鎖を構成し、他方がグラフト部分を構成するグラフトポリマーからなる有機溶剤系の顔料分散剤である。SP値が8〜10の有機溶媒中では、このグラフトポリマーの第一セグメントは粒子吸着部として機能し、第二セグメントは溶剤に対して親和性の大きい外殻形成部として機能する。しかも、粒子吸着部として機能する第一セグメント又は外殻形成部として機能する第二セグメントの一方がグラフトポリマーの主鎖を構成し、且つ、他方がグラフト部分を構成し、グラフトポリマー分子中における第一セグメントと第二セグメントの位置が明確に分かれているので、粒子表面にはグラフトポリマーが整然と吸着する。
【0206】
従って、本発明に係る顔料分散剤を顔料と共に溶剤中に共存させると、顔料粒子の周囲に多量の立体障害部が形成され、顔料粒子相互の凝集が阻止され、顔料を良好に分散させることができる。
【0207】
粒子吸着部である第一セグメントがイミド基、ピロリジノニル基、アミド基又はピリジル基等の窒素原子含有基を有する場合には、顔料表面に対する第一セグメントの吸着性がさらに向上するので、分散剤の吸着量を増加させて分散性を向上できる。
【0208】
特に、本発明に係る顔料分散剤を用いて光硬化性のコーティング組成物を調製する場合には、第一セグメントが窒素含有基として式4で表される環状イミド基を有していることが好ましく、当該式4の環状イミド基自体が光硬化反応により架橋結合を形成して架橋密度を向上させる。
【0209】
また、式4で表される環状イミド基を有するモノマー単位の中でも、下記式6で表されるモノマー単位は、環状イミド基を保持しているアルキレン基が適度な長さであることから、グラフトポリマーの吸着性を向上させることができる。
【0210】
次に、本発明に係る顔料分散組成物は、少なくとも、顔料、上記本発明に係る顔料分散剤、及び、SP値が8〜10の有機溶剤を含有するものである。この顔料分散組成物は、顔料分散性に優れた塗工液を調製するための予備調製物として用いられる。顔料や顔料分散剤を、バインダー成分と共に希釈溶剤中に直接添加して混合すると、充分な分散性が得られない場合がある。これに対して、本発明に係る顔料分散組成物にバインダー成分や他の成分を混合するか、或いは、本発明に係る顔料分散組成物、バインダー成分、及び他の成分を固形分濃度を調節するための溶剤(希釈溶剤)に添加することによって、顔料分散性に優れた塗工液を容易に調製することができる。本発明に係る顔料分散組成物を用いて得られた塗工液は、様々な分野で着色塗膜を形成することができるが、特に、カラーフィルターの画素やブラックマトリックスのような着色層等を形成するのに好適に用いることができる。
【0211】
次に、本発明に係る着色コーティング組成物は、少なくとも、顔料、上記本発明に係る顔料分散剤、バインダー成分、及び、必要に応じて他の成分を含有するものである。この着色コーティング組成物は顔料分散性及び塗工適性に優れており、これを何らかの支持体に塗布して塗膜を形成し、乾燥させ、必要に応じて光や熱等により反応硬化させることによって、鮮明な色調と高い着色力を有する均一な着色塗膜を形成することができる。
【0212】
光硬化性バインダー成分を含有する着色コーティング組成物を用いる場合には、当該着色コーティング組成物を支持体に塗布して塗膜を形成し、乾燥し、所定パターン状に光線を照射し、有機溶剤やアルカリ液で現像することにより、所定パターンの着色塗膜が得られる。また、カルボキシル基のような酸性基を有する光硬化性バインダー成分を用いる場合には、アルカリ現像が可能であり、有機溶剤を用いて現像する場合と比べて環境衛生上好ましい。
【0213】
本発明に係る着色コーティング組成物は、種々の着色塗膜を形成するのに利用できるが、特に、カラーフィルターの着色層、すなわち、画素やブラックマトリックス等の細部を形成するのに適しており、鮮明且つ着色濃度が高いカラーフィルター及び当該カラーフィルターを用いた高画質の液晶パネルが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶パネルの一例についての模式的断面図である。
【図2】液晶パネルの別の例についての模式的断面図である。
【図3】第一セグメントが主鎖を構成し、第二セグメントがグラフト部分を構成するグラフトポリマーからなる分散剤が顔料表面に吸着した状態を模式的に示す図である。
【図4】第一セグメントがグラフト部分を構成し、第二セグメントが主鎖を構成するグラフトポリマーからなる分散剤が顔料表面に吸着した状態を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1…カラーフィルター
2…電極基板
3…間隙部
4…シール材
5…透明基板
6…ブラックマトリックス層
7(7R、7G、7B)…着色層
8…保護膜
9…透明電極膜
10…配向膜
11…パール
12…柱状スペーサー

Claims (14)

  1. SP値が11.0以上且つ下記式1で表されるイミド基を有するモノマー単位を含有する第一セグメントとSP値が9.5以下の第二セグメントとを備え、前記第一セグメント又は第二セグメントのうちの一方が主鎖を構成し、他方がグラフト部分を構成するグラフトポリマーからなることを特徴とする、有機溶剤系の顔料分散剤。
    Figure 0004210460
    (式中、R は水素又はメチル基を表し、R は、―[(R )m―(OR )n]―を表す。ここで、R 及びR は炭素数1〜6のアルキレン基又は環状炭化水素基を表し、ランダムに配列していても良く、mは0又は1、nは0〜6の整数である。R は下記式2a乃至2hのいずれかで表される基である。
    Figure 0004210460
    ここで、R 及びR は、それぞれ独立した炭素数4以下のアルキル基であるか、又は、どちらか一方が水素原子で他方が炭素数4以下のアルキル基であるか、又は互いに一つとなって炭素−炭素結合のみからなる環状構造を形成する基である。R は―CH ―、―CH(CH )―、―C(CH ―、―CH CH ―、―CH=CH―、又は、―CH CH(CH )―を表す。Xは、―[C(=O)]q―、又は、―[C(=O)―NH]r―を表す。q及びrは0又は1である。)
  2. 前記第一セグメントが、さらに、ピロリジノニル基、アミド基又はピリジル基を含有する、請求項1に記載の顔料分散剤。
  3. 前記グラフトポリマーが、末端にエチレン性不飽和結合を有する重合性ポリマー及びエチレン性不飽和結合を有するモノマーからそれぞれ誘導される単位が連結した分子構造を有する共重合体であり、前記重合性ポリマーの骨格が、アルキル(メタ)アクリレート及び芳香族ビニル化合物の中から選ばれるモノマーを含む1種又は2種以上のモノマーを重合させてなるポリマーであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の顔料分散剤。
  4. 前記第二セグメントの質量割合が50〜90質量%であることを特徴とする、請求項1乃至3いずれかに記載の顔料分散剤。
  5. 前記第一セグメント及び/又は前記第二セグメントが酸性基を有することを特徴とする、請求項1乃至4いずれかに記載の顔料分散剤。
  6. 前記式1で表されるモノマー単位が、下記式6で表されるモノマー単位であることを特徴とする、請求項1乃至5いずれかに記載の顔料分散剤。
    Figure 0004210460
    (式中、R及びR10は、R及びRとそれぞれ同じであり、R11はRと同じであり、R12は炭素数1〜6のアルキレン基である。)
  7. 少なくとも、顔料、前記請求項1乃至6いずれかに記載の顔料分散剤、及び、SP値が8〜10の有機溶剤を含有することを特徴とする顔料分散組成物。
  8. 前記顔料がフタロシアニン系顔料又はキノフタロン系顔料であることを特徴とする、請求項7に記載の顔料分散組成物。
  9. 少なくとも、顔料、前記請求項1乃至6いずれかに記載の顔料分散剤、及び、バインダー成分を含有することを特徴とする、着色コーティング組成物。
  10. 前記バインダー成分として光重合性モノマー及び/又はオリゴマーを含有すると共に、光重合開始剤を含有することを特徴とする、請求項9に記載の着色コーティング組成物。
  11. 前記バインダー成分として、さらに、アルカリ可溶性バインダーポリマーを含有することを特徴とする、請求項10に記載の着色コーティング組成物。
  12. 前記顔料がフタロシアニン系顔料又はキノフタロン系顔料であることを特徴とする、請求項9乃至11いずれかに記載の着色コーティング組成物。
  13. カラーフィルターの細部を形成するために用いられることを特徴とする、請求項9乃至12いずれかに記載の着色コーティング組成物。
  14. 透明基板と、当該透明基板上に形成された着色層とを備え、前記着色層が前記請求項9乃至13いずれかに記載の着色コーティング組成物を硬化させて形成したものであることを特徴とする、カラーフィルター。
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