JP2007314771A - 顔料分散体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)有機顔料、(B)有機溶媒、及び(C)グラフトポリマーを含有する顔料分散体であって、(C)グラフトポリマーが下記の主鎖と側鎖とを有する顔料分散体、その顔料分散体とバインダー成分とを含有する着色樹脂組成物、及び顔料分散剤である。
主鎖:N−ビニル−2−ピロリドン由来の構成単位(a)と、水酸基含有モノマー由来の構成単位(b)とを含有し、(C)グラフトポリマー中の該構成単位(a)の含有量が2〜30重量%、該構成単位(b)の含有量が5〜30重量%である。
側鎖:数平均分子量が800〜4,000であるアルキル(メタ)アクリレート系マクロマー由来の構成単位(c)を含有し、(C)グラフトポリマー中の該構成単位(c)の含有量が65〜92重量%である。
【選択図】なし
Description
インクジェット法の色材として有機顔料を使用する場合、カラー液晶表示装置に対する可視光の高透過率化と高コントラスト化の要望に対応するため、顔料粒子の微細化を進め、顔料粒子径を可視光の波長以下にする必要がある。その結果、顔料粒子の比表面積が大きくなり、カラーフィルター用顔料分散体の分散安定性が不充分となるという問題が生じる。
一方、有機顔料においては、高透過率、高コントラストを得る観点から、特に赤色系ではジケトピロロピロール系顔料を使用することが好ましい。しかし、この顔料は分散しにくく、特に顔料濃度が高い領域では、初期及び経時の良好な分散安定性が得られていないのが現状である。
また、特許文献2では更に、アルコール性水酸基を含有する共重合体による顔料分散体組成物が開示されているが、分散安定性を改善する傾向はあるものの、顔料濃度の高い領域では未だ満足できるレベルのものではない。
(1)(A)有機顔料、(B)有機溶媒、及び(C)グラフトポリマーを含有する顔料分散体であって、(C)グラフトポリマーが下記の主鎖と側鎖とを有する顔料分散体。
主鎖:N−ビニル−2−ピロリドン由来の構成単位(a)と、水酸基含有モノマー由来の構成単位(b)とを含有し、(C)グラフトポリマー中の該構成単位(a)の含有量が2〜30重量%、該構成単位(b)の含有量が5〜30重量%である。
側鎖:数平均分子量が800〜4,000であるアルキル(メタ)アクリレート系マクロマー由来の構成単位(c)を含有し、(C)グラフトポリマー中の該構成単位(c)の含有量が65〜92重量%である。
(2)前記(1)の顔料分散体とバインダー成分とを含有する着色樹脂組成物。
(3)前記の主鎖と側鎖とを有する(C)グラフトポリマーを含有する顔料分散剤。
〔(A)有機顔料〕
本発明で用いられる(A)有機顔料としては、Colour Index(The Society of Dyersand Colourists 出版、1997年版)でピグメント(Pigment)に分類されている化合物等が挙げられる。その具体例としては、C.I.ピグメント イエロー12、同13、同14、同17、同20、同24、同31、同55、同83、同93、同109、同110、同137、同139、同153、同154、同166、同168、同173、C.I.ピグメント オレンジ36、同43、同51、同71、同73; C.I.ピグメント レッド9、同97、同122、同123、同149、同176、同177、同180、同215、同254、同255、同264、同270、同272; C.I.ピグメント バイオレット19、同23、同29; C.I.ピグメント ブルー15、同15:3、同15:6; C.I.ピグメント グリーン7、同36; C.I.ピグメント ブラウン23、同25; C.I.ピグメント ブラック1、同7等のようなカラーインデックス(C.I.)番号が付されたものが挙げられる。
これらの中では、本発明の効果をより有効に発現させる観点から、下記一般式(1)で表される、C.I.ピグメント レッド254、同255等のジケトピロロピロール系顔料が特に好ましい。
一般式(1)におけるX1及びX2のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子等が挙げられる。
ジケトピロロピロール系顔料の市販品としては、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ株式会社製、PR−254、商品名「Irgazin DPP Red BO」、「Irgazin DPP Red BL」、「Cromophtal DPP Red BP」、「Cromophtal DPP Red BOC」等が挙げられる。
上記(A)有機顔料、特にジケトピロロピロール系顔料は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
有機顔料の平均一次粒子径は、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で求めることができる。具体的には、個々の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、その平均をその粒子の粒径とした。次に、100個以上の粒子について、それぞれの粒子の体積(重量)を、求めた粒径の直方体と近似して求め、体積平均粒径を求めそれを平均一次粒子径とした。なお、電子顕微鏡は透過型(TEM)または走査型(SEM)のいずれを用いても同じ結果を得ることができる。
有機顔料の微粒化処理法は特に限定されない。例えば、塩化ナトリウムの存在下でミル破砕を行うソルトミリング法を用いることができる。微粒化したジケトピロロピロール系顔料の市販品としては、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ株式会社製、PR−254、商品名「Irgaphor Red B−CF」、「Irgaphor Red BT−CF」等が挙げられる。
本発明で用いられる(B)有機溶媒は、(A)有機顔料の分散性の観点、及び顔料分散体を油性とする観点から、SP値(溶解度パラメータ。ポリマーハンドブック(THIRD EDTION, A WILEY INTERSCIENCE PUBLICATION)参照)が、好ましくは23MPa1/2以下、更に好ましくは20MPa1/2以下であり、その下限は好ましくは14MPa1/2以上、更に好ましくは16MPa1/2以上である。
より具体的には、(B)有機溶媒は、(A)有機顔料の分散性と、(C)グラフトポリマーの溶解性又は分散性の観点から、下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(2)において、R1及びR2の炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、及びtert−ブチル基が挙げられる。これらの中では、メチル基及びエチル基が好ましい。
これらの中では、(A)有機顔料、特にジケトピロロピロール系顔料の分散性と、(C)グラフトポリマーの溶解性又は分散性の観点から、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、及びプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートからなる群から選ばれる1種以上が特に好ましい。
これらの有機溶媒は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のグラフトポリマーは、(A)有機顔料、特にジケトピロロピロール系顔料を安定に分散させるための分散剤として用いられ、カラーフィルター等を形成する場合はバインダーとしての働きをするものと考えられる。
本発明のグラフトポリマーは下記の主鎖と側鎖とを有するものである。
主鎖:N−ビニル−2−ピロリドン由来の構成単位(a)と、水酸基含有モノマー由来の構成単位(b)とを含有し、(C)グラフトポリマー中の該構成単位(a)の含有量が2〜30重量%、該構成単位(b)の含有量が5〜30重量%である。
側鎖:数平均分子量が800〜4,000であるアルキル(メタ)アクリレート系マクロマー由来の構成単位(c)を含有し、(C)グラフトポリマー中の該構成単位(c)の含有量が65〜92重量%である。
(C)グラフトポリマー中の構成単位(a)、(b)及び(c)の含有量は、グラフトポリマーを製造する際の構成単位(a)、(b)及び(c)それぞれに相当するモノマーの仕込み量に相当する。
CH2=C(R4)COO(R5O)nH (3)
(式中、R4は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基、R5はヘテロ原子を有していてもよい炭素数1〜30の2価の炭化水素基、nは平均付加モル数を示し、1〜60の数である。)
式(3)において、R4の好適例としては、メチル基、エチル基、(イソ)プロピル基等が挙げられ、R5のヘテロ原子としては、例えば、窒素原子、酸素原子、ハロゲン原子及び硫黄原子が挙げられる。nは好ましくは1〜30の数である。
R5O基の好適例としては、オキシエチレン基、オキシトリメチレン墓、オキシプロパン−1,2−ジイル基、オキシテトラメチレン基、オキシヘプタメチレン基、オキシヘキサメチレン基及びこれらの2種以上の組合せからなる炭素数2〜7のオキシアルカンジイル基(オキシアルキレン基)が挙げられる。
その具体例としては、片末端に重合性官能基を有する、アルキル(メタ)アクリレートの単独重合体、又は片末端に重合性官能基を有する、アルキル(メタ)アクリレートと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。
なお、本明細書にいう「(イソ又はターシャリー)」及び「(イソ)」は、これらの基が存在している場合とそうでない場合の双方を意味し、これらの基が存在していない場合には、ノルマルであることを示す。また、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートの双方を意味する。
アルキル(メタ)アクリレートと共重合する他のモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン系モノマーや、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。アルキル(メタ)アクリレート系マクロマー中、アルキル(メタ)アクリレート由来の構成単位の含有量は、80重量%以上が好ましく、90重量%以上が更に好ましく、実質的に100重量%が特に好ましい。「実質的に」とは、不純物程度の量の他のモノマー由来の構成単位を含有してもよいことを意味する。
また、アルキル(メタ)アクリレート系マクロマーの重量平均分子量は、顔料分散体の低粘度化を促進する観点から、1000〜10,000であり、好ましくは1,300〜7,000であり、より好ましくは1,300〜5,500である。その重量平均分子量が1000以上であれば、十分な立体反発を生じて分散性を向上させることができ、10,000以下であることが顔料分散体の低粘度化に適している。
なお、アルキル(メタ)アクリレート系マクロマーの数平均分子量及び重量平均分子量は、溶媒として1mmol/Lのラウリルジメチルアミンを含有するクロロホルムを用いたゲルクロマトグラフィー(GPC)法により、標準物質としてポリスチレンを用いて測定することができる。より具体的には、昭和電工株式会社製のカラム「Shodex K−804L」を用いて、カラム温度:40℃、検出器:RI、溶離液:クロロホルム、流速:1.0mL/min、注入量:0.1mL、標準物質:ポリスチレンの条件で測定することが好ましい。
本発明で用いられる(C)グラフトポリマーは、N−ビニル−2−ピロリドン、水酸基含有モノマー、及びアルキル(メタ)アクリレート系マクロマーを含有するモノマー混合物(以下、「モノマー混合物」という)を共重合して得ることが好ましい。モノマー混合物には、本発明を損なわない範囲内で、更にアルキル(メタ)アクリレート等を含有していてもよい。
モノマー混合物中におけるN−ビニル−2−ピロリドンの含有量は、顔料分散体中の(A)有機顔料の分散安定性の観点から、2〜30重量%であり、好ましくは5〜25重量%であり、より好ましくは10〜20重量%である。
モノマー混合物中における水酸基含有モノマーの含有量は、顔料分散体中の(A)有機顔料の分散安定性の観点から、5〜30重量%であり、好ましくは5〜25重量%であり、より好ましくは10〜20重量%である。
モノマー混合物中におけるアルキル(メタ)アクリレート系マクロマーの含有量は、顔料分散体中の(A)有機顔料の分散安定性を向上させる観点から、65〜92重量%であり、好ましくは65〜85重量%であり、より好ましくは65〜80重量%である。
溶液重合法で用いる有機溶媒としては、グラフトポリマーと親和性の高い有機溶媒が好ましく、前記の有機溶媒を用いることができる。
重合の際には、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物や、tert−ブチルペルオキシオクトエート、ジベンゾイルペルオキシド等の有機過酸化物等の公知のラジカル重合開始剤を用いることができる。
ラジカル重合開始剤の量は、モノマー混合物1モル当たり、好ましくは0.001〜5モル、より好ましくは0.01〜2モルである。
重合の際には、さらに、オクチルメルカプタン、2−メルカプトエタノール等のメルカプタン類、チウラムジスルフィド類等の公知の重合連鎖移動剤を添加することができる。
モノマー混合物の重合条件は、使用する重合開始剤、モノマー、溶媒の種類等によって異なるが、重合温度は、通常30〜100℃、好ましくは50〜80℃であり、重合時間は、重合温度等の条件により異なり一概に決めることはできないが、通常1〜20時間程度である。また、重合雰囲気は、窒素ガスやアルゴン等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。
重合反応の終了後、反応溶液から再沈澱、溶媒留去等の公知の方法により、生成したポリマーを単離することができる。また、得られたポリマーは、再沈澱を繰り返したり、膜分離法、クロマトグラフ法、抽出法等により、未反応のモノマー等を除去して精製することができる。
本発明の顔料分散体の製造方法に特に制限はなく、(A)有機顔料、(B)有機溶媒、及び(C)グラフトポリマーを含む混合物を公知の分散機、混練機等を用いて分散させる方法が挙げられる。例えば、ニーダー、ロールミル、ビーズミル、サンドミル、アトライタ、スーパーミル、ディゾルバ、エクストルーダ、ホモミキサー、高圧ホモジナイザー等により、前記(A)〜(C)成分を湿式分散させることにより得ることができる。
これらの中では、サンドミル等のメディア式分散機が好ましい。メディア式分散機は、分散室(ミル)内にメディア粒子を滞留させ、そこを流通する顔料の予備分散体にメディア粒子による粉砕、剪断、衝突という分散エネルギーを与えながら分散を行い、必要に応じて、メディア粒子と分散処理物とを遠心分離等により分離し、分散処理物のみを分散室外に流出させるものである。サンドミルとしては、連続式が好ましく、ローラミルタイプ、ニーダータイプ、ピンミキサータイプ等を用いることができる。
湿式粉砕分散における、メディア粒子/分散液((A)有機顔料、(B)有機溶媒、(C)グラフトポリマー等全てを含む分散液)の重量比は、有機顔料の分散安定性の観点から、通常10/1〜4/6、好ましくは5/1〜1/1である。分散時間は1〜15時間が好ましく、1〜5時間が更に好ましく、分散時の温度は0〜80℃が好ましく、0〜40℃が更に好ましい。
メディア式分散機を用いて得られた顔料分散体からメディア粒子を除去すれば、本発明の顔料分散体を得ることができる。
本発明の顔料分散体は、実質的に水を含有せず、油性であることが好ましい。すなわち、水の含有量は1重量%以下が好ましく、0.5重量%以下がより好ましい。
本発明の着色剤樹脂組成物は、本発明の顔料分散体とバインダー成分とを含有する。バインダー成分は、バインダー樹脂、光重合開始剤の作用により硬化する光重合性モノマー、及び光重合開始剤から構成され、一般にこの種のバインダー成分に使用される広い範囲の化合物から選ぶことができる。
バインダー樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸、ベンジルメタクリレートのような(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド等の単独重合体、又は、これらの単量体を含む共重合体が挙げられる。バインダー樹脂の含有量は、本発明の着色樹脂組成物中の全固形分中、通常10〜80重量%、好ましくは20〜70重量%である。
光重合性モノマーの好適例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等が挙げられる。前記モノマーの含有量は、本発明における着色樹脂組成物中の全固形分中、通常10〜80重量%、好ましくは20〜70重量%である。
光重合開始剤の好適例としては、2−(2’−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダソール2量体、2−(2’−クロロフェニル)−4,5−ビス(3’−メトキシフェニル)イミダゾール2量体等のイミダゾール誘導体、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等のα−アミノアルキルフェノン系化合物が挙げられる。
光重合開始剤の含有量は、本発明の着色樹脂組成物の全固形分中、通常0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%、更に好ましくは0.7〜10重量%である。
上記のバインダー樹脂、光重合性モノマー、光重合開始剤、及び溶剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の着色樹脂組成物を調製するには、本発明の顔料分散体に、上記のバインダー成分であるバインダー樹脂、光重合性モノマー、光重合開始剤、及び必要により溶剤を所定量混合することにより得ることができる。なお、顔料分散体の分散処理工程、及び着色樹脂組成物の混合工程において、微細なゴミが混入することがあるため、得られた着色樹脂組成物をフィルター等によって、濾過処理し、粗大粒子等を除去することが好ましい。
本発明の顔料分散体は低粘度で分散安定性に優れるという特性を有するため、この顔料分散体を含有する着色樹脂組成物も分散安定性に優れるという特性を有するものと考えられる。
本発明の顔料分散剤は、前記(C)グラフトポリマーを含有する。(C)グラフトポリマーの含有量は、本発明の効果をより有効に発現させる観点から、顔料分散剤中80重量%以上が好ましく、90重量%以上がより好ましく、実質的に100重量%が特に好ましい。「実質的に」とは、不純物程度の量の他のモノマー由来の構成単位を含有してもよいことを意味する。
窒素導入管を備え付けた反応容器に、第1表に示す有機溶媒20部を計り込み、窒素シールをしながら80℃まで昇温した。
第1表に示す種類のモノマー、マクロマーの所定量、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(有機溶媒)130部の混合液230部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(重合開始剤)2部、及び2−メルカプトエタノール(連鎖移動剤)の所定量を、反応容器内の液を80℃に保ちながら2時間にわたって滴下し、滴下終了後さらに80℃で3時間反応させ、固形分(有効分)含有量40%のグラフトポリマー溶液を得た。
(C)成分として、グラフトポリマー溶液(固形分含有量40%)17部(顔料分散体中6.8%)、(A)成分として、ジケトピロロピロール系顔料(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ株式会社製、PR254:商品名「IRGAPHOR BT−CF」)17部、(B)成分として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート66部、更に直径300μmのジルコニアビーズ200部を250mlポリ容器に入れ、ペイントシェーカーにて3時間振とうした後、金属メッシュ#200を通して、ジルコニアビーズを除去することにより、顔料分散体を得た。
(1)グラフトポリマーの重量平均分子量(Mw)の測定
前記のゲルクロマトグラフィー(GPC)法により、標準物質としてポリスチレンを用いて測定した。
(2)D50の測定
顔料分散体を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートにて300倍に希釈し、日機装株式会社製のレーザードップラー式粒度分布計「マイクロトラック UPA150」を用いて、顔料分散体のD50を測定(20℃)した。
顔料分散体調製直後(保存前)の粘度を、B型粘度計(ローターNo.2、60rpm、25℃)を用いて測定した。同様にして、顔料分散体を30℃で10日間保存した後の粘度を測定し、保存前後の粘度変化を対比して、下記式により保存安定性(分散安定性)を評価した。
保存安定性=保存後の粘度/保存前の粘度
(4)吸着率(%)の測定
調整した顔料分散体5部を量り取り、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートにて3倍に希釈し、次いで遠心分離機(クボタ商事製、3K30C)を用いて、25000rpmで3時間遠心分離した後、上澄みの固形分濃度を測定し、遠心分離前後のポリマー濃度変化から吸着率(%)を求めた。
なお、この吸着率(%)は、顔料分散体が低粘度で且つ分散安定性が良好な範囲では、高い方が好ましく、また、吸着率(%)が高い方が、着色樹脂組成物とした場合にも、安定性が高いと考えられる。
(a):N−ビニル−2−ピロリドン
(b):2−ヒドロキシエチルメタクリレート
(c−1):下記方法により合成したメタクリル酸メチルマクロマー
窒素導入管を備え付けた反応容器に、メタクリル酸メチル50部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(有機溶媒)25部、3−メルカプトプロピオン酸(重合触媒)5部を量り込み、窒素シールをしながら75℃まで昇温した。次に、メタクリル酸メチル200部、前記有機溶媒100部、前記重合触媒6部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(重合開始剤)2部の混合物を3時間で滴下した。その後、前記有機溶媒125部、前記重合触媒0.9部、前記重合開始剤2部の混合物を1時間かけて滴下し、更に2時間熟成し、数平均分子量2300、重量平均分子量4200のメタクリル酸メチルマクロマー前駆体を合成した。
次いで、窒素導入管を空気導入管に切替え、得られたマクロマー前駆体に気体ポンプで空気を吹き込み、グリシジルメタクリレート15.8部、テトラブチルアンモニウムブロミド6.2部、p−メトキシフェノール0.64部、前記有機溶媒10部を添加し、90℃で10時間反応し、数平均分子量2400、重量平均分子量4300、固形分60%のメタクリル酸メチルマクロマー(c−1)を得た。マクロマー合成の仕込み量とその結果を第2表に示す。
(c−2)、(c−3):前記マクロマー(c−1)の合成において、第2表に示すように仕込み量を変えた以外は同様に行った。結果を第2表に示す。
(c−4):MMAマクロマー(東亜合成株式会社製、製品名:AA-6、数平均分子量6000)
(B):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
Claims (6)
- (A)有機顔料、(B)有機溶媒、及び(C)グラフトポリマーを含有する顔料分散体であって、(C)グラフトポリマーが下記の主鎖と側鎖とを有する顔料分散体。
主鎖:N−ビニル−2−ピロリドン由来の構成単位(a)と、水酸基含有モノマー由来の構成単位(b)とを含有し、(C)グラフトポリマー中の該構成単位(a)の含有量が2〜30重量%、該構成単位(b)の含有量が5〜30重量%である。
側鎖:数平均分子量が800〜4,000であるアルキル(メタ)アクリレート系マクロマー由来の構成単位(c)を含有し、(C)グラフトポリマー中の該構成単位(c)の含有量が65〜92重量%である。 - (C)グラフトポリマーの重量平均分子量が5,000〜100,000である、請求項1〜3のいずれかに記載の顔料分散体。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の顔料分散体とバインダー成分とを含有する着色樹脂組成物。
- 下記の主鎖と側鎖とを有する(C)グラフトポリマーを含有する顔料分散剤。
主鎖:N−ビニル−2−ピロリドン由来の構成単位(a)と、水酸基含有モノマー由来の構成単位(b)とを含有し、(C)グラフトポリマー中の該構成単位(a)の含有量が2〜30重量%、該構成単位(b)の含有量が5〜30重量%である。
側鎖:数平均分子量が800〜4,000であるアルキル(メタ)アクリレート系マクロマー由来の構成単位(c)を含有し、(C)グラフトポリマー中の該構成単位(c)の含有量が65〜92重量%である。
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