JP4194064B2 - 相変化型光情報記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザなどの光により情報の記録、あるいは再生などを行なう情報記録媒体に関し、特に高記録密度化に好適な感度に優れた相変化型光情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、CDR―RやCD―RWなどの光ディスクは、ポリカーボネート等のプラスチックの円形基板、またはその上に設けた記録層に、円周方向に沿って、音や文字、あるいは画像の信号を記録し、その面にアルミニウムや金、銀などの金属を蒸着、またはスパッタリングして反射層を形成した構成で使用されている。この場合、光ディスクの基板面側からレーザー光を入射して、信号の記録、再生が行なわれる。
【0003】
近年、コンピューターメモリ、画像および音声ファイル用メモリー、光カード等で扱う情報量が非常に増加しているため、DVD―RAM、DVD―RWのように光ディスクの信号記録容量の増大および信号情報の高密度化が進んでいる。現在、CDの記録容量は650MB程度、DVDでは4.7GB程度の容量であるが、更に高記録密度化が要求されている。
【0004】
記録密度を高める方法として、光学系における光源の短波長化や対物レンズの開口数NA(Numerical Aperture)の増大化が検討されているが、2次元方向の記録のみでは記録密度の向上が難しくなってきた。そこで、記録媒体の厚さ方向に記録層を多層化し、情報記録を蓄積する手法が検討されている。
【0005】
このような多層化方法として、例えば、特開平8―287474号公報が提案されている。しかし、この例では、多層化する事の概念は記載されているものの、記録媒体に関する具体的な内容が記載されていないため、具現化の方法は未詳である。
一方、光の入射方向に相変化記録層を設ける多層記録方法について特開平9―198709号公報、特開平11―195243号公報に紹介されている。これらいずれの例でも、実施例において、層構成が2層で、光が最初に透過する層がSb2Se3、他の層がGe2Sb2Te5組成からなる記録層が示されている。しかし、この構成の場合には、高速記録をする際、記録感度が悪くなり高密度記録がしづらいという難点がある。
【0006】
例えば2層構成のように記録層を多層化した場合、第2記録層への光の照射向上、あるいは反射光の透過を向上させるため、光入射側の第1層の膜厚を極薄にすると、光の透過性は増加するが、膜厚が不均一になったり、結晶化させる工程、すなわち初期化工程で大きなパワーのレーザー出力が必要となる。また、放熱層を設けるにしても厚くすると、光透過性が極端に落ちたり、光を透過しなくなる問題がある。放熱特性が悪いと放熱が十分行われなくなり、高速記録の際に記録層の結晶がアモルファス(非晶質)化し難くなる問題がある。このように多層構成(2層構成以上)の実現には技術的に難しい問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題点に鑑みなされたもので、その目的は光透過性が良好で記録感度が優れた高速記録再生のできる相変化型光情報記録媒体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は基板上の構成層中に、光の入射側から順次、第1記録層と第2記録層とを備え、該第1記録層および該第2記録層はそれぞれ光入射側保護層と光出射側保護層とに挟まれてなる相変化型光情報記録媒体において、前記第1記録層が、少なくともSb元素とTe元素とを含む組成分からなり、かつ前記第1記録層の光出射側保護層が、酸化インジウム、酸化インジウム/酸化スズ複合酸化物、酸化スズ/酸化アンチモン複合酸化物および酸化バナジウムのいずれかからなり、融点1100K以上で、光透過率30%以上の金属酸化物であることにより、光透過性と記録感度を向上させたものである。
【0009】
以下、本発明について具体的に説明する。請求項1の発明は、基板上の構成層中に、光の入射側から順次、第1記録層と第2記録層とを備え、該第1記録層および該第2記録層はそれぞれ光入射側保護層と光出射側保護層とに挟まれてなる相変化型光情報記録媒体において、前記第1記録層が、少なくともSb元素とTe元素とを含む組成分からなり、かつ前記第1記録層の光出射側保護層が、酸化インジウム、酸化インジウム/酸化スズ複合酸化物、酸化スズ/酸化アンチモン複合酸化物および酸化バナジウムのいずれかからなり、融点1100K以上で、光透過率30%以上の金属酸化物であることを特徴とする相変化型光情報記録媒体である。上記構成によって、第1記録層の感度と光透過率が向上し、これによって第1記録層と第2記録層それぞれの高速記録再生を可能とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明をさらに説明する。図1、図2は、本発明に係る相変化型光情報記録媒体の概略層構成断面図である。
【0015】
図1と図2では、少なくともSb元素とTe元素とを含む組成分よりなる第1記録層3のほか、第2記録層7が設けられている。第1記録層3および第2記録層7は、それぞれ光入射側保護層(2,6)と光出射側保護層(4,8)とに挟まれており、第1記録層3の光出射側保護層4の融点は1100K以上で、光透過率は30%以上の金属酸化物である。図1では光の入射が基板1側、図2では光の入射が透過膜層12側となっている。
【0016】
図1、図2において、基板の材料としては通常、ガラス、セラミックスあるいは樹脂が用いられるが、成形性、コストの点では、樹脂製基板がで好適である。樹脂の例としてはポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。成形性、光学特性、コストの点ではポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂が好ましい。
【0017】
基板面の一方に凹凸パターンが形成されており、例えば図1では、基板1の凹凸パターン形成面側に順次、光入射側保護層2、第1記録層3、光出射側保護層4(金属酸化物保護層)、樹脂層5、光入射側保護層6、第2記録層7、光出射側保護層8、放熱層9、有機保護層10などが成膜される。基板1の厚さは特に制限されるものではない。例えば、基板1側からレーザー光を照射しない図2の構成の場合には、基板1の光学特性を考慮する必要がなく、剛性の優れたポリエチレンテレフタレートなどが好ましい。
【0018】
図1,2において、光出射側保護層4(金属酸化物保護層)は、融点1100K以上で光の透過率が30%以上の金属酸化物、例えば、酸化インジウム、酸化インジウム/酸化スズ複合酸化物(ITO)、酸化スズ/酸化アンチモン複合酸化物(ATO)、酸化バナジウム(VO)からなり、第1記録層3の記録感度を高めるとともに、光の透過性を向上する役割を担うほか、記録層の劣化変質を防ぎ、記録層の接着強度を高める効果がある。
また、光入射側保護層2,6および光出射側保護層4,8は、第1記録層3、および第2記録層7の劣化変質防止、各記録層3,7の接着強度向上のほか、記録特性を高めるなどの作用効果を有するもので、SiO、SiO2、ZnO、SnO2、Al2O3、TiO2、In2O3、MgO、ZrO2などの金属酸化物、Si3N4、AlN、TiN、BN、ZrNなどの窒化物、ZnS、In2S3、TaS4などの硫化物、SiC、TaC、B4C、WC、TiC、ZrCなどの炭化物やダイヤモンド状カーボンあるいは、それらの混合物が挙げられる。これらの材料は、単体で使用することもできるし、混合物としてもよい。耐熱性が必要な場合には、融点は記録層よりも高いことが必要である。このような層形成方法としては、各種気相成長法、たとえば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などが用いられる。なかでも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
【0019】
放熱層9としては、Al、Au、Ag、Cu、Taなどの金属材料、またはそれらの合金などを用いることができる。また、これら金属材料への添加元素として、Cr、Ti、Si、Cu、Ag、Pd、Taなどが使用できる。このような放熱層は、各種気相成長法、たとえば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光Cvd法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。なかでも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
【0020】
有機保護層10としては、スピンコートなどの塗布作業に適した、硬化速度の速い紫外線硬化樹脂が好ましい。
【0021】
透過膜層12は、高開口数(NA)の対物レンズを用いる場合、0.3mm以下の厚さが要求されるため、薄い層(シート状)であることが好ましい。材料としては、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。なかでも、光学特性、コストの点で優れるポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂が好ましい。透過膜層を形成する方法としては、紫外線硬化性樹脂で接着するか、あるいは透明な両面粘着シートを介して貼りつける方法が挙げられる。また、紫外線硬化性樹脂を保護層上に塗布してこれを硬化させて光透過層を形成してもよい。
【0022】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。ただし、本発明はなんら実施例に限定されるものではない。
【0023】
【実施例】
実施例1
トラックピッチが0.40μmで、表面に凹凸を設けた厚さ0.6mmのポリカーボネート製基板上に、図1と同様の構成層を以下のようにして形成し、光ディスク(メディア)を作成した。
まず、枚葉スパッタ装置にて順次、光入射側保護層2としてZnS・SiO2を40nm、第1記録層3としてAg2In3Sb70Te25を15nm、光出射側保護層4として酸化インジウム(In2O3)を15nm成膜した。次に樹脂層5として紫外線硬化樹脂をスピンコートし、硬化する前にスタンパーによる凹凸の転写を施し、その後硬化して樹脂層5を10μm形成した。次に光入射側保護層6としてZnS・SiO2を40nm、第2記録層7としてAg2In3Sb70Te25を12nm、光出射側保護層8としてZnS・SiO2を12nm、放熱層9としてAgを100nm順次、枚葉スパッタ装置にて成膜し、最後に紫外線硬化樹脂を塗布・硬化し、有機保護層10(5μm)を形成してメディア化した。
【0024】
比較例1
光出射側保護層4を省いたほかは実施例1とまったく同条件にして、図1と同じ層構成の比較例1のメディアを作成した。
【0025】
実施例1のメディアと比較例1のメディアについて記録再生特性(第1記録層のジッタ最小記録感度の光出力でのモジュレーション(記録再生信号振幅))を評価した。評価条件は、レーザ波長:400nm、光学系の対物レンズの開口数NA:0.65、ディスクの回転線速:6.5m/s、記録線密度:0.17μm/bitとした。評価の結果、実施例1の記録再生信号振幅は、比較例1に比べて18%高く、ジッタも2.5%低く記録できた。
【0026】
実施例2
トラックピッチが0.34μmで、表面に凹凸を設けた厚さ0.6mmのポリカーボネート製基板上に、図2と同様の構成層を以下のようにして形成し、光ディスク(メディア)を作成した。
まず、枚葉スパッタ装置にて順次、放熱層9としてAgを100nm、光出射側保護層8としてZnS・SiO2 を10nm、第2記録層7としてAg2In3Sb70Te25を15nm、光入射側保護層6としてZnS・SiO2 を30nm成膜した。次に樹脂層として紫外線硬化樹脂をスピンコートし、硬化する前にスタンパーによる凹凸の転写を施し、その後硬化して樹脂層5を20μm形成した。次に、光出射側保護層4として酸化インジウム(In2O3)を10nm、第1記録層3としてGe2Sb2Te5を10nm、光入射側保護層2としてZnS・SiO2を40nmで順次、枚葉スパッタ装置にて成膜した。最後に両面接着型のシート状接着層11(0.02mm)を介してポリカーボネート製透過膜層12(0.1mm)を設けメディア化した。
【0027】
比較例2
光出射側保護層4を省いたほかは実施例2とまったく同条件にして、図2と同じ層構成の比較例2のメディアを作成した。
【0028】
実施例2のメディアと比較例2のメディアについて記録再生特性(第1記録層のジッタ最小記録感度の光出力でのモジュレーション(記録再生信号振幅))を評価した。評価条件は、レーザ波長:400nm、光学系の対物レンズの開口数NA:0.85、ディスクの回転線速:6.0m/s、記録線密度:0.13μm/bitとした。評価の結果、実施例2の記録再生信号振幅は、比較例2に比べて30%高く、ジッタも5%低く記録できた。
【0029】
実施例3
トラックピッチが0.41μmで、表面に凹凸を設けた厚さ0.6mmのポリカーボネート製基板上に、図1と同様の構成層を以下のようにして形成し、光ディスク(メディア)を作成した。
まず、枚葉スパッタ装置にて順次、光入射側保護層2としてZnS・SiO2を40nm、第1記録層3としてIn4Sb72Te24を12nm、光出射側保護層4として酸化インジウム/酸化スズ複合酸化物(ITO)を5nm成膜した。次に樹脂層として紫外線硬化樹脂をスピンコートし、硬化する前にスタンパーによる凹凸の転写を施し、その後硬化して樹脂層5を15μm形成した。次に光入射側保護層6としてZnS・SiO2を30nm、第2記録層7としてIn4Sb72Te24を12nm、光出射側保護層8としてZnS・SiO2を12nm、放熱層9としてAgを100nm順次、枚葉スパッタ装置にて成膜し、最後に紫外線硬化樹脂を塗布・硬化し、有機保護層10(5μm)を形成してメディア化した。
【0030】
比較例3
トラックピッチが0.41μmで、表面に凹凸を設けた厚さ0.6mmのポリカーボネート製基板上に、図1と同様の構成層を以下のようにして形成し、比較例の光ディスク(メディア)を作成した。
まず、枚葉スパッタ装置にて順次、光入射側保護層2としてZnS・SiO2を40nm、第1記録層3としてIn4Sb72Te24を15nm、光出射側保護層4として酸化インジウム/酸化スズ複合酸化物(ITO)を5nm成膜した。次に樹脂層として紫外線硬化樹脂をスピンコートし、硬化する前にスタンパーによる凹凸の転写を施し、その後硬化して樹脂層5を15μm形成した。次に光入射側保護層6としてZnS・SiO2を40nm、第2記録層7としてAg2In3Sb70Te25を12nm、光出射側保護層8としてZnS・SiO2を12nm、放熱層9としてAgを100nm順次、枚葉スパッタ装置にて成膜し、最後に紫外線硬化樹脂を塗布・硬化し、有機保護層10(5μm)を形成してメディア化した。
【0031】
実施例3のメディアと比較例3のメディアについて記録再生特性(第1記録層のジッタ最小記録感度の光出力でのモジュレーション(記録再生信号振幅))を評価した。評価条件は、レーザ波長:400nm、光学系の対物レンズの開口数NA:0.65、ディスクの回転線速:6.5m/s、記録線密度:0.17μm/bitとした。評価の結果、実施例1の記録再生信号振幅は、比較例1に比べて23%高く、ジッタも6%低く記録できた。
【0032】
実施例4
トラックピッチが0.36μmで、表面に凹凸を設けた厚さ0.6mmのポリカーボネート製基板上に、図2と同様の構成層を以下のようにして形成し、光ディスク(メディア)を作成した。
まず、枚葉スパッタ装置にて順次、放熱層9としてAgを100nm、光出射側保護層8としてZnS・SiO2 を10nm、第2記録層7としてAg2In3Sb70Te25を15nm、光入射側保護層6としてZnS・SiO2 を20nm成膜した。次に樹脂層として紫外線硬化樹脂をスピンコートし、硬化する前にスタンパーによる凹凸の転写を施し、その後硬化して樹脂層5を22μm形成した。次に、光出射側保護層4として酸化スズ/酸化アンチモン複合酸化物(ATO)を8nm、第1記録層3としてAg2In3Sb70Te25を10nm、光入射側保護層2としてZnS・SiO2を40nmで順次、枚葉スパッタ装置にて成膜した。最後に両面接着型のシート状接着層11(0.02mm)を介してポリカーボネート製透過膜層12(0.08mm)を設けメディア化した。
【0033】
比較例4
光出射側保護層4を省き、光入射側保護層6(ZnS・SiO2 )を10nm、樹脂層5を10μmとしたほかは実施例4とまったく同条件にして、図2と同じ層構成の比較例4のメディアを作成した。
【0034】
実施例4のメディアと比較例4のメディアについて記録再生特性(第1記録層のジッタ最小記録感度の光出力でのモジュレーション(記録再生信号振幅))を評価した。評価条件は、レーザ波長:400nm、光学系の対物レンズの開口数NA:0.85、ディスクの回転線速:6.0m/s、記録線密度:0.13μm/bitとした。評価の結果、実施例4の記録再生信号振幅は、比較例4に比べて35%高く、ジッタも5%低く記録できた。
【0035】
実施例5
トラックピッチが0.44μmで、表面に凹凸を設けた厚さ0.6mmのポリカーボネート製基板上に、図1と同様の構成層を以下のようにして形成し、光ディスク(メディア)を作成した。
まず、枚葉スパッタ装置にて順次、光入射側保護層2としてZnS・SiO2を40nm、第1記録層3としてGe2Sb2Te5を15nm、光出射側保護層4として酸化バナジウム(VO)を5nm成膜した。次に樹脂層として紫外線硬化樹脂をスピンコートし、硬化する前にスタンパーによる凹凸の転写を施し、その後硬化して樹脂層5を15μm形成した。次に光入射側保護層6としてZnS・SiO2を30nm、第2記録層7としてAg2In2Sb72Te24を12nm、光出射側保護層8としてZnS・SiO2を12nm、放熱層9としてAgを100nm順次、枚葉スパッタ装置にて成膜し、最後に紫外線硬化樹脂を塗布・硬化し、有機保護層10(5μm)を形成してメディア化した。
【0036】
比較例5
トラックピッチが0.44μmで、表面に凹凸を設けた厚さ0.6mmのポリカーボネート製基板上に、図1と同様の構成層を以下のようにして形成し、比較例の光ディスク(メディア)を作成した。
まず、枚葉スパッタ装置にて順次、光入射側保護層2としてZnS・SiO2を40nm、第1記録層3としてIn4Sb72Te24を15nm、光出射側保護層4として酸化インジウム/酸化スズ複合酸化物(ITO)を5nm成膜した。次に樹脂層として紫外線硬化樹脂をスピンコートし、硬化する前にスタンパーによる凹凸の転写を施し、その後硬化して樹脂層5を15μm形成した。次に光入射側保護層6としてZnS・SiO2を40nm、第2記録層7としてAg2In3Sb70Te25を12nm、光出射側保護層8としてZnS・SiO2を12nm、放熱層9としてAgを100nm順次、枚葉スパッタ装置にて成膜し、最後に紫外線硬化樹脂を塗布・硬化し、有機保護層10(5μm)を形成してメディア化した。
【0037】
実施例5のメディアと比較例5のメディアについて記録再生特性(第1記録層のジッタ最小記録感度の光出力でのモジュレーション(記録再生信号振幅))を評価した。評価条件は、レーザ波長:400nm、光学系の対物レンズの開口数NA:0.65、ディスクの回転線速:6.5m/s、記録線密度:0.17μm/bitとした。評価の結果、実施例5の記録再生信号振幅は、比較例5に比べて22%高く、ジッタも2%低く記録できた。
【0038】
【発明の効果】
請求項1の本発明の構成、即ち光の入射側の第1記録層が、少なくともSb元素とTe元素とを含む組成分からなり、かつ第1記録層の光出射側保護層が、酸化インジウム、酸化インジウム/酸化スズ複合酸化物、酸化スズ/酸化アンチモン複合酸化物および酸化バナジウムのいずれかからなり、融点1100K以上で、光透過率30%以上の金属酸化物であることにより、光透過性を高め、かつ記録感度を良好にすることができるため、高速記録再生のできる相変化型光情報記録媒体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】光の入射が基板側である相変化型光情報記録媒体の概略層構成断面図である。
【図2】光の入射が透過膜層側である相変化型光情報記録媒体の概略層構成断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 光入射側保護層
3 第1記録層
4 光出射側保護層
5 樹脂層
6 光入射側保護層
7 第2記録層
8 光出射側保護層
9 放熱層
10 有機保護層
11 接着層
12 透過膜層
Claims (1)
- 基板上の構成層中に、光の入射側から順次、第1記録層と第2記録層とを備え、該第1記録層および該第2記録層はそれぞれ光入射側保護層と光出射側保護層とに挟まれてなる相変化型光情報記録媒体において、前記第1記録層が、少なくともSb元素とTe元素とを含む組成分からなり、かつ前記第1記録層の光出射側保護層が、酸化インジウム、酸化インジウム/酸化スズ複合酸化物、酸化スズ/酸化アンチモン複合酸化物および酸化バナジウムのいずれかからなり、融点1100K以上で、光透過率30%以上の金属酸化物であることを特徴とする相変化型光情報記録媒体。
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