JP2004047034A - 多層相変化型情報記録媒体およびそれを用いた情報の記録再生方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱拡散補助層の腐食がなく、高温環境下でも信頼性が高く、かつオーバーライト特性の優れた多層相変化型光記録媒体およびそれを用いた情報の記録再生方法を提供すること。
【解決手段】第1基板と第2基板の間に複数の情報層が設けられ、該情報層が光照射によって結晶状態と非晶質状態との間を相変化する材料からなる記録層を有し、かつ各情報層の間に中間層を設けてなる、情報の記録再生が可能な多層相変化型情報記録媒体であって、記録再生のために光が入射される側からみて、最も奥側に形成された情報層以外の、少なくとも1つの情報層が第1基板側から順に第1保護層、記録層、第2保護層、反射層および熱拡散層で構成され、熱拡散層がITO(酸化インジウム−酸化スズ)を主体とし、これにAlおよびGaの内の少なくとも1種を含むことを特徴とする多層相変化型情報記録媒体。
【選択図】 図1
【解決手段】第1基板と第2基板の間に複数の情報層が設けられ、該情報層が光照射によって結晶状態と非晶質状態との間を相変化する材料からなる記録層を有し、かつ各情報層の間に中間層を設けてなる、情報の記録再生が可能な多層相変化型情報記録媒体であって、記録再生のために光が入射される側からみて、最も奥側に形成された情報層以外の、少なくとも1つの情報層が第1基板側から順に第1保護層、記録層、第2保護層、反射層および熱拡散層で構成され、熱拡散層がITO(酸化インジウム−酸化スズ)を主体とし、これにAlおよびGaの内の少なくとも1種を含むことを特徴とする多層相変化型情報記録媒体。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する分野】
本発明は、レーザなどの光ビームによって情報の記録あるいは再生などを行なうのに用いられる多層相変化型情報記録媒体およびそれを用いた情報の記録再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
CD−RやCD−RWなどの一種である相変化型光ディスク(相変化型情報記録媒体)は、一般的にプラスチックの基板の上に、相変化型材料からなる記録層を設け、その上に、記録層の光吸収率を向上させ、かつ熱拡散効果を有する反射層を形成したものを基本構成とするものであり、基板面側からレーザー光を入射して、情報の記録、再生を行なうものである。
相変化型材料は、レーザー光照射による加熱とその後の冷却によって、結晶状態と非晶質状態の間を相変化し、急速加熱後急冷すると非晶質となり、徐冷すると結晶化するものであり、相変化型情報記録媒体は、この性質を情報の記録と再生に応用したものである。
さらに光照射による加熱によっておこる、記録層の酸化、蒸散あるいは変形を阻止する目的で、通常、基板と記録層の間に第1保護層(第1誘電層ともいう)、および記録層と反射層の間に第2保護層(第2誘電層ともいう)が設けられている。さらに、これらの保護層は、その厚さを調節することによって、記録媒体の光学特性の調節機能を有するものであり、また該第1保護層は、記録層の熱によって基板が軟化するのを防止する機能を併せ持つものである。
近年、コンピューター等で扱う情報量が増加したことによって、DVD−RAM、DVD−RWのような、光ディスクの信号記録容量が増大し、信号情報の高密度化が進んでいる。現在のCDの記録容量は650MB程度で、またDVDは4.7GB程度であるが、今後、さらに高記録密度化の要求が高まることが予想される。
このような相変化型情報記録媒体を用いて高記録密度化するやり方として、例えば使用するレーザー波長を青色光領域まで短波長化すること、あるいは記録再生を行なうピックアップに用いられる対物レンズの開口数を大きくして、光記録媒体に照射されるレーザー光のスポットサイズを小さくすることが提案されているが、満足な結果が得られていない。
【0003】
情報記録媒体自体を改良して記録密度を高めるやり方として、基板の片面側に少なくとも記録層と反射層からなる情報層を2つ重ねて、これら情報層間を紫外線硬化樹脂等で接着して作成される2層相変化型情報記録媒体が、例えば特許第2702905号公報、特開2000−215516号公報、特開2000−222777号公報および特開2001−243655号公報等に、提案されている。
この情報層間の接着部分である分離層(本発明においては中間層という)は、2つの情報層を光学的に分離する機能を有するもので、記録再生に用いるレーザー光がなるべく奥側の情報層に到達する必要があるため、その光をなるべく吸収しないような材料から構成されている。
これらの2層相変化型情報記録媒体は、いずれも第1情報層に特徴部を有するもので、単層相変化型情報記録媒体の場合と同様に、第1保護層と第2保護層が設けられたものである。
【0004】
この2層相変化型情報記録媒体については、たとえばODS2001 Technical Digest P22にもあるように、学会などでも発表されているが、未だ多くの課題が存在している。
例えば、レーザー光照射側から見て手前側にある情報層(第1情報層)をレーザー光が透過しなければ、奥側にある情報層(第2情報層)の記録層に情報を記録しそれを再生できないために、第1情報層を構成する反射層をなくすか、第1情報層を構成する記録層を極薄にすることが考えられる。
相変化型情報記録媒体による記録は、記録層の相変化型材料にレーザー光を照射させて急冷することによって、結晶を非晶質に変化させてマークを形成して行なわれるため、反射層をなくすかもしくは10nm程度と非常に薄くすると、熱拡散が小さくなるために、非晶質マークを形成することが困難になってしまう。特にCD−RWなどの相変化型情報記録媒体に一般的に用いられている材料の1つであるSb−Te共晶系記録材料は、Ge−Sb−Te化合物系記録材料とは比べて、消去比が優れ、また、高感度であるために記録マークのアモルファス部の輪郭が明確であるという点で優れたものとして知られている。
しかしながら、Sb−Te共晶系記録材料は、Ge−Sb−Te化合物系記録材料に比べて材料の結晶化速度が速いので、非晶質化するには、より単時間で急冷しなければならず、すなわち急冷構造をとることが必要な材料であり、反射層の薄い構造では、マーク形成が困難になる。
比較的熱伝導率の大きく光吸収率の小さな窒化物あるいは炭化物等を用いて、反射層が担っていた熱拡散機能を補助する層(熱拡散層という)を反射層の上にさらに設けるやり方が、単層相変化型情報記録媒体に関する特開平8−50739号公報などおよび2層相変化型情報記録媒体に関する特開2000−222777号公報などに提案されており、このやり方は第1情報層を構成する反射層を薄くした場合に発生する前記のような欠点を解消するのに有効な方法であると考えられる。
【0005】
しかしながら、これら窒化物あるいは炭化物等の材料は応力が大きいために、形成された熱拡散層はクラックが生じやすく、その結果熱拡散層を設けた光ディスク自体充分なオーバーライト特性が得らないという問題が発生している。
また、本発明者等は、熱拡散補助層としてITO(酸化インジウム−酸化スズ)膜を用いると、オーバーライト特性が飛躍的に向上するが、反面熱拡散補助層を主として樹脂からなる中間層と接する構成にすると、樹脂中に微量に含まれる酸などによってITOが腐食して、保存信頼性が低くなるという新たな問題を認識した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、熱拡散補助層の腐食がなく、高温環境下でも信頼性が高く、かつオーバーライト特性の優れた多層相変化型光記録媒体およびそれを用いた情報の記録再生方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、本発明の、(1)「第1基板と第2基板の間に複数の情報層が設けられ、該情報層が光照射によって結晶状態と非晶質状態との間を相変化する材料からなる記録層を有し、かつ各情報層の間に中間層を設けてなる、情報の記録再生が可能な多層相変化型情報記録媒体であって、記録再生のために光が入射される側からみて、最も奥側に形成された情報層以外の、少なくとも1つの情報層が第1基板側から順に第1保護層、記録層、第2保護層、反射層および熱拡散層で構成され、熱拡散層がITO(酸化インジウム−酸化スズ)を主体とし、これにAlおよびGaの内の少なくとも1種を含むことを特徴とする多層相変化型情報記録媒体」、(2)「前記ITOには、酸化スズが1〜10重量%含有されていることを特徴とする前記第(1)項に記載の多層相変化型情報記録媒体」、(3)「前記熱拡散層において、Al、Gaのうちより選ばれる少なくとも1種類の元素の含有量が、0.1〜5重量%であることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の多層相変化型情報記録媒体」、(4)「前記熱拡散層の厚さが20〜200nmであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の多層相変化型情報記録媒体」、(5)「情報の記録再生に用いるレーザー光の波長において、前記熱拡散層の吸収係数が1.0以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の多層相変化型情報記録媒体」、(6)前記記録層が、Sb、Teを主体とし、Ag、In、Ge、Se、Sn、Al、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Pd、Pt、Au、S、B、C、Pの少なくとも1種を含むことを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載の多層相変化型情報記録媒体」、(7)「前記記録層の厚さが、3〜15nmであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載の多層相変化型情報記録媒体」、(8)「前記反射層が、Au、Ag、Cu、W、Al、Taの少なくとも1種を主成分とすることを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項のいずれかに記載の多層相変化型情報記録媒体」、(9)「前記反射層の厚さが、3〜20nmであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載の多層相変化型情報記録媒体」、(10)「第1基板上に、少なくとも第1情報層、中間層、第2情報層、第2基板をこの順に備え、該第1情報層が、第1基板に近い側から順に第1保護層、記録層、第2保護層、反射層、熱拡散層の順に備えた多層膜からなり、第1基板側から光を入射させたときの第1情報層の光透過率が40〜70%であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(9)項のいずれかに記載の2層相変化型情報記録媒体」、(11)「情報が記録されたことを特徴とする前記第(1)項乃至第(10)項のいずれかに記載の多層相変化型情報記録媒体」によって解決される。
また、上記課題は、本発明の(12)「前記第(1)項乃至第(10)項のいずれかに記載の多層相変化型情報記録媒体に第1基板側から光ビームを入射させて、情報を記録する方法」、(13)「前記第(11)項に記載の情報が記録された多層相変化型情報記録媒体に第1基板側から光ビームを入射させて、情報を再生する方法」によって解決される。
【0008】
すなわち、本発明の多層相変化型情報記録媒体は、第1基板と第2基板の間に複数の情報層が設けられ、該情報層が光照射によって結晶状態と非晶質状態との間を相変化する材料からなる記録層を有し、かつ各情報層の間に中間層を設けてなる、情報の記録再生が可能な多層相変化型情報記録媒体であって、記録再生のために光が入射される側からみて、最も奥側に形成された情報層以外の、少なくとも1つの情報層が、第1基板側から順に第1保護層、記録層、第2保護層、反射層および熱拡散層で構成され、熱拡散層がITO(酸化インジウム−酸化スズ)を主体とし、これにAlおよびGaのうちの少なくとも1種を含むことを特徴とするものである。
第1保護層、相変化型材料からなる記録層、第2保護層および反射層については、従来公知の技術が適用可能であるが、本発明の多層相変化型情報記録媒体の特徴とするところは、熱拡散層に特定な材料を用いたことによって発明の前記課題を解決できたことである。
【0009】
ここで、複数ある情報層のうち、第1基板からみて最も奥側に形成される情報層については、該情報層の上に中間層を設ける必要はなく、したがって中間層が原因とする熱拡散層の腐食がないため、最も奥側の記録層に熱拡散層を設ける場合、熱拡散層を構成する材料は上記のようなITO(酸化インジウム−酸化スズ)を主体とし、これにAlおよびGaのうちの少なくとも1種を含む材料である必要はない。
反射層の材料としてAg系は、たとえばISOM2001 Technical Digest P202に記載されているように、青色波長領域でも屈折率nが0.5以下と小さく光吸収を小さく抑えることができるため、多層相変化型情報記録媒体に従来から好ましい材料として知られている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わる光記録媒体について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係わる2層情報記録媒体の概略断面図である。第1基板(3)の上に、第1情報層(1)、中間層(4)、第2情報層(2)、第2基板(5)を順次蓄積した構造からなるものである。
第1情報層(1)は、第1保護層(11)、記録層(12)、第2保護層(13)、反射層(14)、熱拡散層(15)からなり、第2情報層(2)は、第1保護層(21)、記録層(22)、第2保護層(23)、反射層(24)からなる。なお、本発明の第1情報層(1)および第2情報層(2)は、上記層構成になんら限定されるものではない。
また、図2に、本発明の他の実施形態に係わる2層情報記録媒体の概略断面図を示す。この場合は、光透過層(6)が図1の第1基板(3)より厚さの薄いシート状物が用いられ、製法が相違するものである。
【0011】
第1基板(3)は、記録再生のために照射する光を透過するものであることが必要であり、当該技術分野において従来知られているものが適用される。
その材料としては、通常ガラス、セラミックスあるいは樹脂等が用いられるが、特に樹脂が成形性、コストの点で好適である。
樹脂としては、例えばポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられるが、成形性、光学特性、コストの点で優れるポリカーボネート樹脂やポリメチルメタクリレート(PMMA)などのアクリル系樹脂が好ましい。
第1基板(3)の膜を形成する面には、レーザー光のトラッキング用のスパイラル状または同心円状の溝などであって、通常グルーブ部およびランド部と称される凹凸パターンが形成されたものであることが好ましく、これは通常射出成形法またはフォトポリマー法などによって成型される。また第1基板(3)の厚さは特に限定されないが、0.05〜1.2mm程度が好ましい。
【0012】
第2基板(5)、基板(7)の材料としては、第1基板(3)と同様の材料を用いても良いが、記録再生光に対して不透明な材料を用いても良く、第1基板(3)とは、材質、厚さ、溝形状が異なっても良い。
【0013】
光透過層(6)、中間層(4)の材料は、通常ガラス、セラミックスあるいは樹脂であり、樹脂基板が成形性、コストの点で好適である。樹脂の例としてはポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられるが、成形性、光学特性、コストの点で優れるポリカーボネート樹脂やポリメチルメタクリレート(PMMA)などのアクリル系樹脂が好ましく、紫外線硬化型樹脂を用いることもできる。
光透過層(6)あるいは中間層(4)には、第1基板(3)と同様な、射出成形またはフォトポリマー法などによって成形される、グルーブ、案内溝などの凹凸パターンが形成されたものでよい。
光透過層(6)の厚さは特に限定されないが、0.05〜0.4mm程度が好ましい。
また、中間層(4)は、記録再生を行なう際に、ピックアップが第1情報層と第2情報層とを識別して光学的に分離可能とするものであり、その厚さは10〜50μmが好ましい。10μmより薄いと、層間クロストークが生じ、また50μmより厚いと、第2情報記録層を記録再生する際に、球面収差が発生し、記録再生が困難になる傾向がある。
【0014】
記録層(12)と(22)の材料としては、光照射による加熱と冷却によって、結晶と非晶質の間を層変化する材料から構成され、特に限定的ではなく、当該技術分野において従来知られているものが適用される。
例えば、Ge−Te系、Ge−Te−Sb系、Ge−Sn−Te系などのカルコゲン系合金、およびSb−Te共晶系材料薄膜を挙げることができるが、記録(非晶質化)感度・速度、及び消去比の点で、Sb−Te共晶系材料が特に好ましい。
これらの記録層材料にはさらなる性能向上、信頼性向上などを目的にAg、In、Ge、Se、Sn、Al、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Pd、Pt、Au、S、B、C、Pなど他の元素や不純物を添加することができる。
これらの記録層は、各種気相成長法、たとえば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できるが、なかでも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
記録層(12)の厚さは、とくに限定されないが、3〜15nmであることが好ましい。3nm以下だと、均一な膜にするのが困難となる傾向があり、15nm以上だと、透過率が低下してしまう傾向がある。
【0015】
反射層(14)、(24)は、入射光を効率良く使い、冷却速度を向上させて非晶質化しやすくするなどの機能を有するものであり、そのために通常熱伝導率の高い金属が用いられ、たとえば、Au、Ag、Cu、W、Al、Taなど、またはそれらの合金などを用いることができる。また、添加元素としては、Cr、Ti、Si、Pd、Ta、Ndなどが使用される。
中でもAg系材料は、青色波長領域でも屈折率が小さくnが0.5以下で、光吸収を小さく抑えることができるので、本発明のような多層の情報記録媒体の、特に第1情報層の反射層に用いる材料として好ましいものである。
このような反射層は、各種気相成長法、たとえば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
第1情報層(1)は高い透過率が必要とされるため、反射層(15)は、屈折率の低く、熱伝導率の高いAgまたはその合金を用いることが好ましく、また厚さは、3〜20nm程度であることが好ましい。3nm未満にすると、厚さが均一で緻密な膜を作ることが困難になる。20nmより厚いと、透過率が減少し、第2情報層(2)の記録再生が困難になる。
また、第2情報層(2)を構成する反射層(24)は、50〜200nm、好適には80〜150nmとするのがよい。50nm未満になると繰り返し記録特性が低下し、200nmより厚くなると感度の低下を生じる傾向があるので、好ましくない。
【0016】
第1保護層(11)と(21)および第2保護層(13)と(23)の機能と材質は、単層相変化型情報記録媒体の場合と同様であり、記録層(12)と(22)の劣化変質を防ぎ、接着強度を高め、かつ記録特性を高めるなどの作用を有するものであり、SiO、SiO2、ZnO、SnO2、Al2O3、TiO2、In2O3、MgO、ZrO2などの金属酸化物、Si3N4、AlN、TiN、ZrNなどの窒化物、ZnS、In2S3、TaS4などの硫化物、SiC、TaC、B4C、WC、TiC、ZrCなどの炭化物やダイヤモンドライクカーボンあるいは、それらの混合物が挙げられる。
これらの材料は、単体で保護層とすることもできるが、互いの混合物としてもよい。また、必要に応じて不純物を含んでもよい。保護層の融点は記録層よりも高いことが必要である。具体的には、ZnSとSiO2との混合物が最も好ましいと考えられている。
このような保護層は、各種気相成長法、たとえば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。なかでも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
第1保護層(11)と(21)の厚さは、60〜200nmであることが好ましい。60nm未満であると、記録時の熱によって、基板または光透過層が変形してしまう恐れがある。200nmより厚いと、量産性に問題が生じてくる傾向がある。これらの範囲で、最適な反射率になるように、膜厚の設計を行なう。
また、第2保護層(13)と(23)の膜厚は、3〜40nmであることが好ましい。3nm未満になると記録感度が低下し、40nmより厚くなると放熱効果が得られなくなる傾向がある。
【0017】
熱拡散層(16)としては、レーザー照射された記録層を急冷させるために、熱伝導率が大きいことが望まれる。また、奥側の情報層がを記録再生できるよう、レーザー波長での吸収率が小さいことも望まれる。
熱拡散層は、本発明の特徴部であり、ITO(酸化インジウム−酸化スズ)を主体とし、それにAl、Gaのうちより選ばれる少なくとも1種類の元素を含めた材料を用いることによって、熱拡散層としての上記の機能と、主として中間層に含有される酸成分による腐食を防止することができ、化学的、熱的に安定となり、保存信頼性を向上させることができる。
酸化スズは、1〜10重量%含まれていることが好ましい。これより少ない、若しくは多いと熱伝導率および透過率が低下してしまう傾向がある。
またAlあるいはGaの元素は、光学的性質に影響を与えない範囲で添加することができ、0.1〜5重量%含まれているのが好ましい。これより少ないと、効果が得られなくなる傾向がある。多いと吸収係数が大きくなり、透過率が減少してしまう。
ただし、光が入射される側からみて、最も奥側に形成された情報層については、透過する必要はなく反射層を100nm以上と厚く設けることができるので、熱拡散層を設ける必要はないが、もし形成する場合には、その上に中間層が形成されず腐食されることもないので、熱拡散層の材料として、必ずしも「ITO(酸化インジウム−酸化スズ)を主体とし、これにAlおよびGaの内の少なくとも1種を含む」ものである必要はなく、拡散層として従来から用いられている次のようなものを用いることができる。
窒化物、酸化物、硫化物、窒酸化物、炭化物、弗化物の少なくとも1種を含む、例えば、AlN、Al2O3、SiC、SiN、ITO(酸化インジウム−酸化スズ)、DLC(ダイアモンドライクカーボン)、BNなどが挙げられるが、ITOが最も好ましいと想われる。
また、情報の記録再生に用いるレーザー光の波長において、吸収係数が1.0以下であることが好ましい。さらには、0.5以下であるのが好ましい。1.0より大きいと第1情報層での吸収率が増大し、第2情報層の記録再生が困難になる。
熱拡散層は、各種気相成長法、たとえば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。なかでも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
熱拡散層(16)の膜厚は、20〜200nmが好ましい。20nmより薄いと、放熱効果が得られなくなる。200nmより厚いと、応力が大きくなり、繰り返し記録特性が低下するばかりでなく、量産性にも問題が生じる。
【0018】
また、本発明の2層相変化型情報記録媒体の第1情報層(1)は、記録・再生に用いるレーザー光波長での光透過率は40〜70%であるのが好ましい。さらには45%〜60%以下であるのが好ましい。
初期化後に、記録を行なった2層相変化型情報記録媒体では、記録層がアモルファス状態である面積が結晶状態である面積よりも小さいので、アモルファスでの光透過率は結晶状態での光透過率よりも小さくても構わない。
【0019】
以下、本発明の相変化型情報記録媒体の製造方法について説明する。
本発明の2層相変化型情報記録媒体の製造方法のひとつは、成膜工程、初期化工程、密着工程からなり、基本的にはこの順に各工程を行なう。
成膜工程としては、第1基板(3)のグルーブが設けられた面に第1情報層(1)を形成したものと、第2基板(5)のグルーブが設けられた面に第2情報層(2)を形成したものを別途作成する。
第1情報層(1)、第2情報層(2)のそれぞれを構成する各層は、各種気相成長法、たとえば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成される。
中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。スパッタリング法は、一般にアルゴンなどの不活性ガスを流しながら成膜を行なうが、その際、酸素、窒素などを混入させながら、反応スパッタリングさせてもよい。
【0020】
初期化工程として、第1情報層(1)、第2情報層(2)に対して、レーザー光などのエネルギー光を出射することにより全面を初期化、すなわち記録層を結晶化させる。
初期化工程の際にレーザー光エネルギーにより膜が浮いてきてしまうおそれがある場合には、初期化工程の前に、第1情報層および第2情報層の上に、UV樹脂などをスピンコートし紫外線を照射して硬化させ、オーバーコートを施しても良い。
また、次の密着工程を先に行なった後に、第1基板側から、第1情報層、第2情報層を初期化させても構わない。
【0021】
次に、以上のようにして初期化された、第1基板(3)の面上に第1情報層(1)を形成したものと、第2基板(5)の面上に第2情報層(2)を形成したものとを、第1情報層(1)と第2情報層(2)とを向かい合わせながら、中間層(4)を介して貼り合わせる。
例えば、いずれか一方の膜面に紫外線硬化性樹脂を塗布し、膜面同士を向かい合わせて両基板を加圧、密着させた上で、紫外線を照射して樹脂を硬化させることができる。
【0022】
また、本発明の、図2に示されるような、2層相変化型情報記録媒体を製造するための、第1成膜工程、中間層形成工程、第2成膜工程、光透過層形成工程および初期化工程の順の各工程から基本的になる他の方法について、説明する。
第1成膜工程として、基板(7)上の案内溝の設けられた面に第2情報層(2)を成膜する。成膜方法は、前述の通りである。
中間層形成工程として、第2情報層(2)上に案内溝を有する中間層(4)を形成する。例えば、第2情報層(2)上に紫外線硬化性樹脂を全面に塗布し、紫外線を透過することのできる材料でつくられたスタンパを押し当てたまま紫外線を照射して硬化させて、溝を形成することができる。
第2成膜工程として、中間層(4)上に第1情報層(1)を成膜する。成膜方法は、前述の通りである。
光透過層工程として、第1情報層(1)上に、光透過層(6)を形成する。例えば、紫外線硬化性樹脂を塗布し、紫外線を照射して硬化させて光透過層とすることができるが、膜厚むらの問題があることから、光透過フィルムと基板とを、紫外線硬化性樹脂で貼り合わせて光透過層を形成してもよい。
初期化工程として、光透過層(6)側から、第1情報層(1)、第2情報層(2)に対して、レーザー光などのエネルギー光を出射することにより全面を初期化、すなわち記録層を結晶化させる。第2情報層(2)に対しては、中間層(4)形成工程直後に初期化を行なってもなんら問題はない。
【0023】
さらに、図3に示されるような、3つの情報層を有する相変化型情報記録媒体の製造は、つぎのような工程順で行なわれる。
第1成膜工程(第1基板に第1情報層、第2基板に第3情報層を成膜)→中間層形成工程(第2基板の第3情報層の上に中間層を形成する)→第2成膜工程(第2基板の中間層の上に第2情報層を成膜)→密着工程(第1基板と第2基板を第1情報層と第2情報層を向かい合わせながら、中間層を介して貼り合わせる)→初期化工程
なお初期化工程は、各情報層を成膜した直後でもよい。
【0024】
次に、図4に示されるような、3つの情報層を有する相変化型情報記録媒体の製造は、つぎのような工程順で行なわれる。
第1成膜工程(第3情報層を成膜)→第1中間層形成工程(第2中間層を形成)→第2成膜工程(第2情報層を成膜)→第2中間層形成工程(第1中間層を形成)→第3成膜工程(第1情報層を成膜)→光透過層形成工程→初期化工程
なお、初期化工程は、第3情報層は第1成膜工程後または第2中間層形成直後、第2情報層は第2成膜工程後または第1中間層形成直後、第1情報層は第3成膜工程後でもよい。
【0025】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例になんら限定されるものではない。
[実施例1〜9、比較例1〜2]
予備実験として、ガラス基板上に各実施例、比較例で熱拡散層に用いられる材料のターゲットをスパッタし、200nm程度の膜を設けた。その際、ArとO2の混合ガスをスパッタガスとして、Arガス流量を一定にしたままO2ガス流量を変えながらスパッタを行ない、薄膜の電気抵抗率が最も低くなるO2ガス流量を求めた。電気抵抗率の測定は四端子法を用いた。そのときの薄膜の405nm波長での吸収係数を、ウーラム社製分光エリプソメータを用いて測定した。
直径12cm、厚さ0.6mmで表面に連続溝によるトラッキングガイドの凹凸を持つポリカーボネート樹脂からなる第1基板上にZnS・SiO2からなる第1保護層130nm、Ge4Ag1In3Sb70Te22からなる記録層6nm、ZnS・SiO2からなる第2保護層15nm、Ag−Pd−Cuからなる反射層10nm、酸化インジウムを主体とし、表1に示す元素を含有させた材料を熱拡散層として厚さ120nmの順にArガス雰囲気中のスパッタ法で製膜した。熱拡散層に関しては、予備実験で求めた流量のArとO2の混合ガスを用いた。また、同様の基板を第2基板として、第2基板上にAl−Tiからなる反射層を120nm、ZnS・SiO2からなる第2保護層20nm、Ge4Ag1In3Sb70Te22からなる記録層12nm、ZnS・SiO2からなる第1保護層130nmの順にArガス雰囲気中のスパッタ法で製膜した。ここで、第1情報層の波長405nmにおける光透過率をSHIMADZU社製分光光度計を用いて第1基板側から測定した。次に、第1情報層、第2情報層に対して、それぞれ第1基板側、第2情報層膜面側からレーザー光を照射させ、初期化処理を行なった。ここでまた、第1情報層の波長405nmにおける光透過率を測定した。次に、第1情報層の膜面上に紫外線硬化樹脂を塗布し、第2基板の第2情報層面側を貼り合わせてスピンコートし、第1基板側から紫外線光を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させて中間層とし、2つの情報層を有する2層相変化型情報記録媒体を作成した。中間層の厚さは30μmとした。
作成された各ディスクについて下記条件で記録した。
レーザー波長:405nm
NA=0.65
線速:6.0m/s
トラックピッチ:0.40μm
線密度0.18μm/bitでの第1情報層、第2情報層のジッター、および保存信頼性として、初期記録した各メディアを80℃85%RHで300時間保存した後の初期記録マークの3T再生信号のジッターを測定した。
各メディアの結果を表1に示す。実施例1〜7の光ディスクは、比較例1〜2の光ディスクと比較して、第1情報層の保存後のジッター値が小さく、光ディスクとして優れていることがわかった。このことから、熱拡散層にITOを主体とし、AlおよびGaの内の少なくとも1種を含んだ材料を用いることによって、保存特性が向上することがわかった。また、実施例8の光ディスクは熱拡散層にAlが含まれているが、酸化スズの含量が多すぎるために第1情報層の保存後にジッターが大きくなり光ディスクに劣化が見られる。このことから、酸化スズは1〜10重量%含有されていることが好ましいことがわかった。比較例2と比較すると、第1情報層の保存後のジッターは、実施例8の光ディスクの方が若干小さく、光ディスクとして優れているので、Alドープによる保存特性向上の効果は現れていることがわかる。実施例9の光ディスクは、熱拡散層にAlを10重量%含んでおり、第1情報層の保存後のジッター値は激増しておらず、保存特性は向上しているが、透過率が減少したために、第2情報層の記録特性はよくなかった。Al、Gaの含量が多すぎると、光吸収が増大する傾向にあると思われる。このことから、Al、Gaのうちより選ばれる少なくとも1種の元素の含有量が、0.1〜5重量%であるのが好ましい。
また、その他の試作実験からも、第1情報層の記録層膜厚が3〜15nm、反射層が3〜20nm、熱拡散層が20〜200nmの範囲であると、第1情報層、第2情報層ともに良好な記録再生ができ、また、第2情報層を良好に記録再生するためには、第1情報層の透過率が40%以上必要であることが確認された。
【0026】
[実施例10]
実施例10として、直径12cm、厚さ1.1mmで表面に連続溝によるトラッキングガイドの凹凸を持つポリカーボネート樹脂からなる基板上にAl−Tiからなる反射層を120nm、ZnS・SiO2からなる第2保護層20nm、Ge4Ag1In3Sb70Te22からなる記録層12nm、ZnS・SiO2からなる第1保護層130nmの順にArガス雰囲気中のスパッタ法で製膜し、第2情報層を形成した。このようにして形成した第2情報層上に、2P(photo polymerization)法によって、連続溝によるトラッキングガイドの凹凸を持つ中間層を形成した。中間層の厚さは30μmである。さらにその上に実施例1と同様のターゲットを用いて熱拡散層120nmを設け、Ag−Pd−Cuからなる反射層10nm、ZnS・SiO2からなる第2保護層15nm、Ge4Ag1In3Sb70Te22からなる記録層6nm、ZnS・SiO2からなる第1保護層130nm、の順にArガス雰囲気中のスパッタ法で製膜し、第1情報層を形成した。熱拡散層に関しては、ArとO2の混合ガスをスパッタガスとし、電気伝導率、透過率が大きくなるArガスとO2ガスの比で成膜を行なった。さらに第1情報層膜面上に直径12cm、厚さ50μmのポリカーボネートフィルムを、45μmの厚さの両面粘着シートを介して貼り合わせて光透過層とし、2層相変化型情報記録媒体を作成した。ついで、大口径の半導体レーザーを有する初期化装置によって、ディスクの記録層の初期化処理を行なった。また、これとは別に、厚さ1.1mmの基板に第1情報層と光透過層を同様に設け、初期化前後の光透過率を測定した。
本実施例で設けた熱拡散層の波長405nmでの吸収係数を測定したところ、0.05であった。また、第1情報層の初期化前の透過率は46%、初期化後は52%であった。
【0027】
作成されたそれぞれのメディアについて下記条件で記録した。
レーザー波長:405nm
NA=0.85
線速:6.5m/s
トラックピッチ:0.32μm
線密度0.16μm/bitでの第1情報層、第2情報層のジッター、および保存信頼性として、初期記録したメディアを80℃85%RHで300時間保存した後の初期記録マークの3T再生信号のジッターを測定したところ、第1情報層、第2情報層ともに良好に記録再生を行なうことができた。また、保存後のジッターも大きく低下せず、本実施例の光ディスクは、保存特性に優れたものであることがわかった。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】
以上、詳細且つ具体的な説明より明らかなように、本発明の請求項1〜4によれば、高温環境下でも信頼性の高い多層相変化型情報記録媒体を提供することができる。また、本発明の請求項5〜9によれば、レーザー入射側の情報層の透過率を高くできるため、全情報層の記録再生特性の優れた多層相変化型情報記録媒体を提供することができる。また、本発明の請求項10によれば、第1情報層、第2情報層ともに感度がよく、記録再生特性の優れた2層相変化型情報記録媒体を提供することができる。また、本発明の請求項11〜13によれば、高温環境下でも信頼性の高い多層相変化型情報記録媒体を用いた大容量の記録再生を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の2層情報記録媒体の一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の2層情報記録媒体の他の例を示す概略断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係わる3層情報記録媒体の概略断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係わる他の例の3層情報記録媒体の概略断面図である。
【符号の説明】
1 第1情報層
2 第2情報層
3 第1基板
4 中間層
5 第2基板
6 光透過層
7 基板
11 第1保護層
12 記録層
13 第2保護層
14 反射層
15 熱拡散層
21 第1保護層
22 記録層
23 第2保護層
24 反射層
【発明の属する分野】
本発明は、レーザなどの光ビームによって情報の記録あるいは再生などを行なうのに用いられる多層相変化型情報記録媒体およびそれを用いた情報の記録再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
CD−RやCD−RWなどの一種である相変化型光ディスク(相変化型情報記録媒体)は、一般的にプラスチックの基板の上に、相変化型材料からなる記録層を設け、その上に、記録層の光吸収率を向上させ、かつ熱拡散効果を有する反射層を形成したものを基本構成とするものであり、基板面側からレーザー光を入射して、情報の記録、再生を行なうものである。
相変化型材料は、レーザー光照射による加熱とその後の冷却によって、結晶状態と非晶質状態の間を相変化し、急速加熱後急冷すると非晶質となり、徐冷すると結晶化するものであり、相変化型情報記録媒体は、この性質を情報の記録と再生に応用したものである。
さらに光照射による加熱によっておこる、記録層の酸化、蒸散あるいは変形を阻止する目的で、通常、基板と記録層の間に第1保護層(第1誘電層ともいう)、および記録層と反射層の間に第2保護層(第2誘電層ともいう)が設けられている。さらに、これらの保護層は、その厚さを調節することによって、記録媒体の光学特性の調節機能を有するものであり、また該第1保護層は、記録層の熱によって基板が軟化するのを防止する機能を併せ持つものである。
近年、コンピューター等で扱う情報量が増加したことによって、DVD−RAM、DVD−RWのような、光ディスクの信号記録容量が増大し、信号情報の高密度化が進んでいる。現在のCDの記録容量は650MB程度で、またDVDは4.7GB程度であるが、今後、さらに高記録密度化の要求が高まることが予想される。
このような相変化型情報記録媒体を用いて高記録密度化するやり方として、例えば使用するレーザー波長を青色光領域まで短波長化すること、あるいは記録再生を行なうピックアップに用いられる対物レンズの開口数を大きくして、光記録媒体に照射されるレーザー光のスポットサイズを小さくすることが提案されているが、満足な結果が得られていない。
【0003】
情報記録媒体自体を改良して記録密度を高めるやり方として、基板の片面側に少なくとも記録層と反射層からなる情報層を2つ重ねて、これら情報層間を紫外線硬化樹脂等で接着して作成される2層相変化型情報記録媒体が、例えば特許第2702905号公報、特開2000−215516号公報、特開2000−222777号公報および特開2001−243655号公報等に、提案されている。
この情報層間の接着部分である分離層(本発明においては中間層という)は、2つの情報層を光学的に分離する機能を有するもので、記録再生に用いるレーザー光がなるべく奥側の情報層に到達する必要があるため、その光をなるべく吸収しないような材料から構成されている。
これらの2層相変化型情報記録媒体は、いずれも第1情報層に特徴部を有するもので、単層相変化型情報記録媒体の場合と同様に、第1保護層と第2保護層が設けられたものである。
【0004】
この2層相変化型情報記録媒体については、たとえばODS2001 Technical Digest P22にもあるように、学会などでも発表されているが、未だ多くの課題が存在している。
例えば、レーザー光照射側から見て手前側にある情報層(第1情報層)をレーザー光が透過しなければ、奥側にある情報層(第2情報層)の記録層に情報を記録しそれを再生できないために、第1情報層を構成する反射層をなくすか、第1情報層を構成する記録層を極薄にすることが考えられる。
相変化型情報記録媒体による記録は、記録層の相変化型材料にレーザー光を照射させて急冷することによって、結晶を非晶質に変化させてマークを形成して行なわれるため、反射層をなくすかもしくは10nm程度と非常に薄くすると、熱拡散が小さくなるために、非晶質マークを形成することが困難になってしまう。特にCD−RWなどの相変化型情報記録媒体に一般的に用いられている材料の1つであるSb−Te共晶系記録材料は、Ge−Sb−Te化合物系記録材料とは比べて、消去比が優れ、また、高感度であるために記録マークのアモルファス部の輪郭が明確であるという点で優れたものとして知られている。
しかしながら、Sb−Te共晶系記録材料は、Ge−Sb−Te化合物系記録材料に比べて材料の結晶化速度が速いので、非晶質化するには、より単時間で急冷しなければならず、すなわち急冷構造をとることが必要な材料であり、反射層の薄い構造では、マーク形成が困難になる。
比較的熱伝導率の大きく光吸収率の小さな窒化物あるいは炭化物等を用いて、反射層が担っていた熱拡散機能を補助する層(熱拡散層という)を反射層の上にさらに設けるやり方が、単層相変化型情報記録媒体に関する特開平8−50739号公報などおよび2層相変化型情報記録媒体に関する特開2000−222777号公報などに提案されており、このやり方は第1情報層を構成する反射層を薄くした場合に発生する前記のような欠点を解消するのに有効な方法であると考えられる。
【0005】
しかしながら、これら窒化物あるいは炭化物等の材料は応力が大きいために、形成された熱拡散層はクラックが生じやすく、その結果熱拡散層を設けた光ディスク自体充分なオーバーライト特性が得らないという問題が発生している。
また、本発明者等は、熱拡散補助層としてITO(酸化インジウム−酸化スズ)膜を用いると、オーバーライト特性が飛躍的に向上するが、反面熱拡散補助層を主として樹脂からなる中間層と接する構成にすると、樹脂中に微量に含まれる酸などによってITOが腐食して、保存信頼性が低くなるという新たな問題を認識した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、熱拡散補助層の腐食がなく、高温環境下でも信頼性が高く、かつオーバーライト特性の優れた多層相変化型光記録媒体およびそれを用いた情報の記録再生方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、本発明の、(1)「第1基板と第2基板の間に複数の情報層が設けられ、該情報層が光照射によって結晶状態と非晶質状態との間を相変化する材料からなる記録層を有し、かつ各情報層の間に中間層を設けてなる、情報の記録再生が可能な多層相変化型情報記録媒体であって、記録再生のために光が入射される側からみて、最も奥側に形成された情報層以外の、少なくとも1つの情報層が第1基板側から順に第1保護層、記録層、第2保護層、反射層および熱拡散層で構成され、熱拡散層がITO(酸化インジウム−酸化スズ)を主体とし、これにAlおよびGaの内の少なくとも1種を含むことを特徴とする多層相変化型情報記録媒体」、(2)「前記ITOには、酸化スズが1〜10重量%含有されていることを特徴とする前記第(1)項に記載の多層相変化型情報記録媒体」、(3)「前記熱拡散層において、Al、Gaのうちより選ばれる少なくとも1種類の元素の含有量が、0.1〜5重量%であることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の多層相変化型情報記録媒体」、(4)「前記熱拡散層の厚さが20〜200nmであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の多層相変化型情報記録媒体」、(5)「情報の記録再生に用いるレーザー光の波長において、前記熱拡散層の吸収係数が1.0以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の多層相変化型情報記録媒体」、(6)前記記録層が、Sb、Teを主体とし、Ag、In、Ge、Se、Sn、Al、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Pd、Pt、Au、S、B、C、Pの少なくとも1種を含むことを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載の多層相変化型情報記録媒体」、(7)「前記記録層の厚さが、3〜15nmであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載の多層相変化型情報記録媒体」、(8)「前記反射層が、Au、Ag、Cu、W、Al、Taの少なくとも1種を主成分とすることを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項のいずれかに記載の多層相変化型情報記録媒体」、(9)「前記反射層の厚さが、3〜20nmであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載の多層相変化型情報記録媒体」、(10)「第1基板上に、少なくとも第1情報層、中間層、第2情報層、第2基板をこの順に備え、該第1情報層が、第1基板に近い側から順に第1保護層、記録層、第2保護層、反射層、熱拡散層の順に備えた多層膜からなり、第1基板側から光を入射させたときの第1情報層の光透過率が40〜70%であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(9)項のいずれかに記載の2層相変化型情報記録媒体」、(11)「情報が記録されたことを特徴とする前記第(1)項乃至第(10)項のいずれかに記載の多層相変化型情報記録媒体」によって解決される。
また、上記課題は、本発明の(12)「前記第(1)項乃至第(10)項のいずれかに記載の多層相変化型情報記録媒体に第1基板側から光ビームを入射させて、情報を記録する方法」、(13)「前記第(11)項に記載の情報が記録された多層相変化型情報記録媒体に第1基板側から光ビームを入射させて、情報を再生する方法」によって解決される。
【0008】
すなわち、本発明の多層相変化型情報記録媒体は、第1基板と第2基板の間に複数の情報層が設けられ、該情報層が光照射によって結晶状態と非晶質状態との間を相変化する材料からなる記録層を有し、かつ各情報層の間に中間層を設けてなる、情報の記録再生が可能な多層相変化型情報記録媒体であって、記録再生のために光が入射される側からみて、最も奥側に形成された情報層以外の、少なくとも1つの情報層が、第1基板側から順に第1保護層、記録層、第2保護層、反射層および熱拡散層で構成され、熱拡散層がITO(酸化インジウム−酸化スズ)を主体とし、これにAlおよびGaのうちの少なくとも1種を含むことを特徴とするものである。
第1保護層、相変化型材料からなる記録層、第2保護層および反射層については、従来公知の技術が適用可能であるが、本発明の多層相変化型情報記録媒体の特徴とするところは、熱拡散層に特定な材料を用いたことによって発明の前記課題を解決できたことである。
【0009】
ここで、複数ある情報層のうち、第1基板からみて最も奥側に形成される情報層については、該情報層の上に中間層を設ける必要はなく、したがって中間層が原因とする熱拡散層の腐食がないため、最も奥側の記録層に熱拡散層を設ける場合、熱拡散層を構成する材料は上記のようなITO(酸化インジウム−酸化スズ)を主体とし、これにAlおよびGaのうちの少なくとも1種を含む材料である必要はない。
反射層の材料としてAg系は、たとえばISOM2001 Technical Digest P202に記載されているように、青色波長領域でも屈折率nが0.5以下と小さく光吸収を小さく抑えることができるため、多層相変化型情報記録媒体に従来から好ましい材料として知られている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わる光記録媒体について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係わる2層情報記録媒体の概略断面図である。第1基板(3)の上に、第1情報層(1)、中間層(4)、第2情報層(2)、第2基板(5)を順次蓄積した構造からなるものである。
第1情報層(1)は、第1保護層(11)、記録層(12)、第2保護層(13)、反射層(14)、熱拡散層(15)からなり、第2情報層(2)は、第1保護層(21)、記録層(22)、第2保護層(23)、反射層(24)からなる。なお、本発明の第1情報層(1)および第2情報層(2)は、上記層構成になんら限定されるものではない。
また、図2に、本発明の他の実施形態に係わる2層情報記録媒体の概略断面図を示す。この場合は、光透過層(6)が図1の第1基板(3)より厚さの薄いシート状物が用いられ、製法が相違するものである。
【0011】
第1基板(3)は、記録再生のために照射する光を透過するものであることが必要であり、当該技術分野において従来知られているものが適用される。
その材料としては、通常ガラス、セラミックスあるいは樹脂等が用いられるが、特に樹脂が成形性、コストの点で好適である。
樹脂としては、例えばポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられるが、成形性、光学特性、コストの点で優れるポリカーボネート樹脂やポリメチルメタクリレート(PMMA)などのアクリル系樹脂が好ましい。
第1基板(3)の膜を形成する面には、レーザー光のトラッキング用のスパイラル状または同心円状の溝などであって、通常グルーブ部およびランド部と称される凹凸パターンが形成されたものであることが好ましく、これは通常射出成形法またはフォトポリマー法などによって成型される。また第1基板(3)の厚さは特に限定されないが、0.05〜1.2mm程度が好ましい。
【0012】
第2基板(5)、基板(7)の材料としては、第1基板(3)と同様の材料を用いても良いが、記録再生光に対して不透明な材料を用いても良く、第1基板(3)とは、材質、厚さ、溝形状が異なっても良い。
【0013】
光透過層(6)、中間層(4)の材料は、通常ガラス、セラミックスあるいは樹脂であり、樹脂基板が成形性、コストの点で好適である。樹脂の例としてはポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられるが、成形性、光学特性、コストの点で優れるポリカーボネート樹脂やポリメチルメタクリレート(PMMA)などのアクリル系樹脂が好ましく、紫外線硬化型樹脂を用いることもできる。
光透過層(6)あるいは中間層(4)には、第1基板(3)と同様な、射出成形またはフォトポリマー法などによって成形される、グルーブ、案内溝などの凹凸パターンが形成されたものでよい。
光透過層(6)の厚さは特に限定されないが、0.05〜0.4mm程度が好ましい。
また、中間層(4)は、記録再生を行なう際に、ピックアップが第1情報層と第2情報層とを識別して光学的に分離可能とするものであり、その厚さは10〜50μmが好ましい。10μmより薄いと、層間クロストークが生じ、また50μmより厚いと、第2情報記録層を記録再生する際に、球面収差が発生し、記録再生が困難になる傾向がある。
【0014】
記録層(12)と(22)の材料としては、光照射による加熱と冷却によって、結晶と非晶質の間を層変化する材料から構成され、特に限定的ではなく、当該技術分野において従来知られているものが適用される。
例えば、Ge−Te系、Ge−Te−Sb系、Ge−Sn−Te系などのカルコゲン系合金、およびSb−Te共晶系材料薄膜を挙げることができるが、記録(非晶質化)感度・速度、及び消去比の点で、Sb−Te共晶系材料が特に好ましい。
これらの記録層材料にはさらなる性能向上、信頼性向上などを目的にAg、In、Ge、Se、Sn、Al、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Pd、Pt、Au、S、B、C、Pなど他の元素や不純物を添加することができる。
これらの記録層は、各種気相成長法、たとえば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できるが、なかでも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
記録層(12)の厚さは、とくに限定されないが、3〜15nmであることが好ましい。3nm以下だと、均一な膜にするのが困難となる傾向があり、15nm以上だと、透過率が低下してしまう傾向がある。
【0015】
反射層(14)、(24)は、入射光を効率良く使い、冷却速度を向上させて非晶質化しやすくするなどの機能を有するものであり、そのために通常熱伝導率の高い金属が用いられ、たとえば、Au、Ag、Cu、W、Al、Taなど、またはそれらの合金などを用いることができる。また、添加元素としては、Cr、Ti、Si、Pd、Ta、Ndなどが使用される。
中でもAg系材料は、青色波長領域でも屈折率が小さくnが0.5以下で、光吸収を小さく抑えることができるので、本発明のような多層の情報記録媒体の、特に第1情報層の反射層に用いる材料として好ましいものである。
このような反射層は、各種気相成長法、たとえば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
第1情報層(1)は高い透過率が必要とされるため、反射層(15)は、屈折率の低く、熱伝導率の高いAgまたはその合金を用いることが好ましく、また厚さは、3〜20nm程度であることが好ましい。3nm未満にすると、厚さが均一で緻密な膜を作ることが困難になる。20nmより厚いと、透過率が減少し、第2情報層(2)の記録再生が困難になる。
また、第2情報層(2)を構成する反射層(24)は、50〜200nm、好適には80〜150nmとするのがよい。50nm未満になると繰り返し記録特性が低下し、200nmより厚くなると感度の低下を生じる傾向があるので、好ましくない。
【0016】
第1保護層(11)と(21)および第2保護層(13)と(23)の機能と材質は、単層相変化型情報記録媒体の場合と同様であり、記録層(12)と(22)の劣化変質を防ぎ、接着強度を高め、かつ記録特性を高めるなどの作用を有するものであり、SiO、SiO2、ZnO、SnO2、Al2O3、TiO2、In2O3、MgO、ZrO2などの金属酸化物、Si3N4、AlN、TiN、ZrNなどの窒化物、ZnS、In2S3、TaS4などの硫化物、SiC、TaC、B4C、WC、TiC、ZrCなどの炭化物やダイヤモンドライクカーボンあるいは、それらの混合物が挙げられる。
これらの材料は、単体で保護層とすることもできるが、互いの混合物としてもよい。また、必要に応じて不純物を含んでもよい。保護層の融点は記録層よりも高いことが必要である。具体的には、ZnSとSiO2との混合物が最も好ましいと考えられている。
このような保護層は、各種気相成長法、たとえば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。なかでも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
第1保護層(11)と(21)の厚さは、60〜200nmであることが好ましい。60nm未満であると、記録時の熱によって、基板または光透過層が変形してしまう恐れがある。200nmより厚いと、量産性に問題が生じてくる傾向がある。これらの範囲で、最適な反射率になるように、膜厚の設計を行なう。
また、第2保護層(13)と(23)の膜厚は、3〜40nmであることが好ましい。3nm未満になると記録感度が低下し、40nmより厚くなると放熱効果が得られなくなる傾向がある。
【0017】
熱拡散層(16)としては、レーザー照射された記録層を急冷させるために、熱伝導率が大きいことが望まれる。また、奥側の情報層がを記録再生できるよう、レーザー波長での吸収率が小さいことも望まれる。
熱拡散層は、本発明の特徴部であり、ITO(酸化インジウム−酸化スズ)を主体とし、それにAl、Gaのうちより選ばれる少なくとも1種類の元素を含めた材料を用いることによって、熱拡散層としての上記の機能と、主として中間層に含有される酸成分による腐食を防止することができ、化学的、熱的に安定となり、保存信頼性を向上させることができる。
酸化スズは、1〜10重量%含まれていることが好ましい。これより少ない、若しくは多いと熱伝導率および透過率が低下してしまう傾向がある。
またAlあるいはGaの元素は、光学的性質に影響を与えない範囲で添加することができ、0.1〜5重量%含まれているのが好ましい。これより少ないと、効果が得られなくなる傾向がある。多いと吸収係数が大きくなり、透過率が減少してしまう。
ただし、光が入射される側からみて、最も奥側に形成された情報層については、透過する必要はなく反射層を100nm以上と厚く設けることができるので、熱拡散層を設ける必要はないが、もし形成する場合には、その上に中間層が形成されず腐食されることもないので、熱拡散層の材料として、必ずしも「ITO(酸化インジウム−酸化スズ)を主体とし、これにAlおよびGaの内の少なくとも1種を含む」ものである必要はなく、拡散層として従来から用いられている次のようなものを用いることができる。
窒化物、酸化物、硫化物、窒酸化物、炭化物、弗化物の少なくとも1種を含む、例えば、AlN、Al2O3、SiC、SiN、ITO(酸化インジウム−酸化スズ)、DLC(ダイアモンドライクカーボン)、BNなどが挙げられるが、ITOが最も好ましいと想われる。
また、情報の記録再生に用いるレーザー光の波長において、吸収係数が1.0以下であることが好ましい。さらには、0.5以下であるのが好ましい。1.0より大きいと第1情報層での吸収率が増大し、第2情報層の記録再生が困難になる。
熱拡散層は、各種気相成長法、たとえば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。なかでも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
熱拡散層(16)の膜厚は、20〜200nmが好ましい。20nmより薄いと、放熱効果が得られなくなる。200nmより厚いと、応力が大きくなり、繰り返し記録特性が低下するばかりでなく、量産性にも問題が生じる。
【0018】
また、本発明の2層相変化型情報記録媒体の第1情報層(1)は、記録・再生に用いるレーザー光波長での光透過率は40〜70%であるのが好ましい。さらには45%〜60%以下であるのが好ましい。
初期化後に、記録を行なった2層相変化型情報記録媒体では、記録層がアモルファス状態である面積が結晶状態である面積よりも小さいので、アモルファスでの光透過率は結晶状態での光透過率よりも小さくても構わない。
【0019】
以下、本発明の相変化型情報記録媒体の製造方法について説明する。
本発明の2層相変化型情報記録媒体の製造方法のひとつは、成膜工程、初期化工程、密着工程からなり、基本的にはこの順に各工程を行なう。
成膜工程としては、第1基板(3)のグルーブが設けられた面に第1情報層(1)を形成したものと、第2基板(5)のグルーブが設けられた面に第2情報層(2)を形成したものを別途作成する。
第1情報層(1)、第2情報層(2)のそれぞれを構成する各層は、各種気相成長法、たとえば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成される。
中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。スパッタリング法は、一般にアルゴンなどの不活性ガスを流しながら成膜を行なうが、その際、酸素、窒素などを混入させながら、反応スパッタリングさせてもよい。
【0020】
初期化工程として、第1情報層(1)、第2情報層(2)に対して、レーザー光などのエネルギー光を出射することにより全面を初期化、すなわち記録層を結晶化させる。
初期化工程の際にレーザー光エネルギーにより膜が浮いてきてしまうおそれがある場合には、初期化工程の前に、第1情報層および第2情報層の上に、UV樹脂などをスピンコートし紫外線を照射して硬化させ、オーバーコートを施しても良い。
また、次の密着工程を先に行なった後に、第1基板側から、第1情報層、第2情報層を初期化させても構わない。
【0021】
次に、以上のようにして初期化された、第1基板(3)の面上に第1情報層(1)を形成したものと、第2基板(5)の面上に第2情報層(2)を形成したものとを、第1情報層(1)と第2情報層(2)とを向かい合わせながら、中間層(4)を介して貼り合わせる。
例えば、いずれか一方の膜面に紫外線硬化性樹脂を塗布し、膜面同士を向かい合わせて両基板を加圧、密着させた上で、紫外線を照射して樹脂を硬化させることができる。
【0022】
また、本発明の、図2に示されるような、2層相変化型情報記録媒体を製造するための、第1成膜工程、中間層形成工程、第2成膜工程、光透過層形成工程および初期化工程の順の各工程から基本的になる他の方法について、説明する。
第1成膜工程として、基板(7)上の案内溝の設けられた面に第2情報層(2)を成膜する。成膜方法は、前述の通りである。
中間層形成工程として、第2情報層(2)上に案内溝を有する中間層(4)を形成する。例えば、第2情報層(2)上に紫外線硬化性樹脂を全面に塗布し、紫外線を透過することのできる材料でつくられたスタンパを押し当てたまま紫外線を照射して硬化させて、溝を形成することができる。
第2成膜工程として、中間層(4)上に第1情報層(1)を成膜する。成膜方法は、前述の通りである。
光透過層工程として、第1情報層(1)上に、光透過層(6)を形成する。例えば、紫外線硬化性樹脂を塗布し、紫外線を照射して硬化させて光透過層とすることができるが、膜厚むらの問題があることから、光透過フィルムと基板とを、紫外線硬化性樹脂で貼り合わせて光透過層を形成してもよい。
初期化工程として、光透過層(6)側から、第1情報層(1)、第2情報層(2)に対して、レーザー光などのエネルギー光を出射することにより全面を初期化、すなわち記録層を結晶化させる。第2情報層(2)に対しては、中間層(4)形成工程直後に初期化を行なってもなんら問題はない。
【0023】
さらに、図3に示されるような、3つの情報層を有する相変化型情報記録媒体の製造は、つぎのような工程順で行なわれる。
第1成膜工程(第1基板に第1情報層、第2基板に第3情報層を成膜)→中間層形成工程(第2基板の第3情報層の上に中間層を形成する)→第2成膜工程(第2基板の中間層の上に第2情報層を成膜)→密着工程(第1基板と第2基板を第1情報層と第2情報層を向かい合わせながら、中間層を介して貼り合わせる)→初期化工程
なお初期化工程は、各情報層を成膜した直後でもよい。
【0024】
次に、図4に示されるような、3つの情報層を有する相変化型情報記録媒体の製造は、つぎのような工程順で行なわれる。
第1成膜工程(第3情報層を成膜)→第1中間層形成工程(第2中間層を形成)→第2成膜工程(第2情報層を成膜)→第2中間層形成工程(第1中間層を形成)→第3成膜工程(第1情報層を成膜)→光透過層形成工程→初期化工程
なお、初期化工程は、第3情報層は第1成膜工程後または第2中間層形成直後、第2情報層は第2成膜工程後または第1中間層形成直後、第1情報層は第3成膜工程後でもよい。
【0025】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例になんら限定されるものではない。
[実施例1〜9、比較例1〜2]
予備実験として、ガラス基板上に各実施例、比較例で熱拡散層に用いられる材料のターゲットをスパッタし、200nm程度の膜を設けた。その際、ArとO2の混合ガスをスパッタガスとして、Arガス流量を一定にしたままO2ガス流量を変えながらスパッタを行ない、薄膜の電気抵抗率が最も低くなるO2ガス流量を求めた。電気抵抗率の測定は四端子法を用いた。そのときの薄膜の405nm波長での吸収係数を、ウーラム社製分光エリプソメータを用いて測定した。
直径12cm、厚さ0.6mmで表面に連続溝によるトラッキングガイドの凹凸を持つポリカーボネート樹脂からなる第1基板上にZnS・SiO2からなる第1保護層130nm、Ge4Ag1In3Sb70Te22からなる記録層6nm、ZnS・SiO2からなる第2保護層15nm、Ag−Pd−Cuからなる反射層10nm、酸化インジウムを主体とし、表1に示す元素を含有させた材料を熱拡散層として厚さ120nmの順にArガス雰囲気中のスパッタ法で製膜した。熱拡散層に関しては、予備実験で求めた流量のArとO2の混合ガスを用いた。また、同様の基板を第2基板として、第2基板上にAl−Tiからなる反射層を120nm、ZnS・SiO2からなる第2保護層20nm、Ge4Ag1In3Sb70Te22からなる記録層12nm、ZnS・SiO2からなる第1保護層130nmの順にArガス雰囲気中のスパッタ法で製膜した。ここで、第1情報層の波長405nmにおける光透過率をSHIMADZU社製分光光度計を用いて第1基板側から測定した。次に、第1情報層、第2情報層に対して、それぞれ第1基板側、第2情報層膜面側からレーザー光を照射させ、初期化処理を行なった。ここでまた、第1情報層の波長405nmにおける光透過率を測定した。次に、第1情報層の膜面上に紫外線硬化樹脂を塗布し、第2基板の第2情報層面側を貼り合わせてスピンコートし、第1基板側から紫外線光を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させて中間層とし、2つの情報層を有する2層相変化型情報記録媒体を作成した。中間層の厚さは30μmとした。
作成された各ディスクについて下記条件で記録した。
レーザー波長:405nm
NA=0.65
線速:6.0m/s
トラックピッチ:0.40μm
線密度0.18μm/bitでの第1情報層、第2情報層のジッター、および保存信頼性として、初期記録した各メディアを80℃85%RHで300時間保存した後の初期記録マークの3T再生信号のジッターを測定した。
各メディアの結果を表1に示す。実施例1〜7の光ディスクは、比較例1〜2の光ディスクと比較して、第1情報層の保存後のジッター値が小さく、光ディスクとして優れていることがわかった。このことから、熱拡散層にITOを主体とし、AlおよびGaの内の少なくとも1種を含んだ材料を用いることによって、保存特性が向上することがわかった。また、実施例8の光ディスクは熱拡散層にAlが含まれているが、酸化スズの含量が多すぎるために第1情報層の保存後にジッターが大きくなり光ディスクに劣化が見られる。このことから、酸化スズは1〜10重量%含有されていることが好ましいことがわかった。比較例2と比較すると、第1情報層の保存後のジッターは、実施例8の光ディスクの方が若干小さく、光ディスクとして優れているので、Alドープによる保存特性向上の効果は現れていることがわかる。実施例9の光ディスクは、熱拡散層にAlを10重量%含んでおり、第1情報層の保存後のジッター値は激増しておらず、保存特性は向上しているが、透過率が減少したために、第2情報層の記録特性はよくなかった。Al、Gaの含量が多すぎると、光吸収が増大する傾向にあると思われる。このことから、Al、Gaのうちより選ばれる少なくとも1種の元素の含有量が、0.1〜5重量%であるのが好ましい。
また、その他の試作実験からも、第1情報層の記録層膜厚が3〜15nm、反射層が3〜20nm、熱拡散層が20〜200nmの範囲であると、第1情報層、第2情報層ともに良好な記録再生ができ、また、第2情報層を良好に記録再生するためには、第1情報層の透過率が40%以上必要であることが確認された。
【0026】
[実施例10]
実施例10として、直径12cm、厚さ1.1mmで表面に連続溝によるトラッキングガイドの凹凸を持つポリカーボネート樹脂からなる基板上にAl−Tiからなる反射層を120nm、ZnS・SiO2からなる第2保護層20nm、Ge4Ag1In3Sb70Te22からなる記録層12nm、ZnS・SiO2からなる第1保護層130nmの順にArガス雰囲気中のスパッタ法で製膜し、第2情報層を形成した。このようにして形成した第2情報層上に、2P(photo polymerization)法によって、連続溝によるトラッキングガイドの凹凸を持つ中間層を形成した。中間層の厚さは30μmである。さらにその上に実施例1と同様のターゲットを用いて熱拡散層120nmを設け、Ag−Pd−Cuからなる反射層10nm、ZnS・SiO2からなる第2保護層15nm、Ge4Ag1In3Sb70Te22からなる記録層6nm、ZnS・SiO2からなる第1保護層130nm、の順にArガス雰囲気中のスパッタ法で製膜し、第1情報層を形成した。熱拡散層に関しては、ArとO2の混合ガスをスパッタガスとし、電気伝導率、透過率が大きくなるArガスとO2ガスの比で成膜を行なった。さらに第1情報層膜面上に直径12cm、厚さ50μmのポリカーボネートフィルムを、45μmの厚さの両面粘着シートを介して貼り合わせて光透過層とし、2層相変化型情報記録媒体を作成した。ついで、大口径の半導体レーザーを有する初期化装置によって、ディスクの記録層の初期化処理を行なった。また、これとは別に、厚さ1.1mmの基板に第1情報層と光透過層を同様に設け、初期化前後の光透過率を測定した。
本実施例で設けた熱拡散層の波長405nmでの吸収係数を測定したところ、0.05であった。また、第1情報層の初期化前の透過率は46%、初期化後は52%であった。
【0027】
作成されたそれぞれのメディアについて下記条件で記録した。
レーザー波長:405nm
NA=0.85
線速:6.5m/s
トラックピッチ:0.32μm
線密度0.16μm/bitでの第1情報層、第2情報層のジッター、および保存信頼性として、初期記録したメディアを80℃85%RHで300時間保存した後の初期記録マークの3T再生信号のジッターを測定したところ、第1情報層、第2情報層ともに良好に記録再生を行なうことができた。また、保存後のジッターも大きく低下せず、本実施例の光ディスクは、保存特性に優れたものであることがわかった。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】
以上、詳細且つ具体的な説明より明らかなように、本発明の請求項1〜4によれば、高温環境下でも信頼性の高い多層相変化型情報記録媒体を提供することができる。また、本発明の請求項5〜9によれば、レーザー入射側の情報層の透過率を高くできるため、全情報層の記録再生特性の優れた多層相変化型情報記録媒体を提供することができる。また、本発明の請求項10によれば、第1情報層、第2情報層ともに感度がよく、記録再生特性の優れた2層相変化型情報記録媒体を提供することができる。また、本発明の請求項11〜13によれば、高温環境下でも信頼性の高い多層相変化型情報記録媒体を用いた大容量の記録再生を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の2層情報記録媒体の一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の2層情報記録媒体の他の例を示す概略断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係わる3層情報記録媒体の概略断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係わる他の例の3層情報記録媒体の概略断面図である。
【符号の説明】
1 第1情報層
2 第2情報層
3 第1基板
4 中間層
5 第2基板
6 光透過層
7 基板
11 第1保護層
12 記録層
13 第2保護層
14 反射層
15 熱拡散層
21 第1保護層
22 記録層
23 第2保護層
24 反射層
Claims (13)
- 第1基板と第2基板の間に複数の情報層が設けられ、該情報層が光照射によって結晶状態と非晶質状態との間を相変化する材料からなる記録層を有し、かつ各情報層の間に中間層を設けてなる、情報の記録再生が可能な多層相変化型情報記録媒体であって、記録再生のために光が入射される側からみて、最も奥側に形成された情報層以外の、少なくとも1つの情報層が第1基板側から順に第1保護層、記録層、第2保護層、反射層および熱拡散層で構成され、熱拡散層がITO(酸化インジウム−酸化スズ)を主体とし、これにAlおよびGaの内の少なくとも1種を含むことを特徴とする多層相変化型情報記録媒体。
- 前記ITOには、酸化スズが1〜10重量%含有されていることを特徴とする請求項1に記載の多層相変化型情報記録媒体。
- 前記熱拡散層において、Al、Gaのうちより選ばれる少なくとも1種類の元素の含有量が、0.1〜5重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の多層相変化型情報記録媒体。
- 前記熱拡散層の厚さが20〜200nmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の多層相変化型情報記録媒体。
- 情報の記録再生に用いるレーザー光の波長において、前記熱拡散層の吸収係数が1.0以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の多層相変化型情報記録媒体。
- 前記記録層が、Sb、Teを主体とし、Ag、In、Ge、Se、Sn、Al、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Pd、Pt、Au、S、B、C、Pの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の多層相変化型情報記録媒体。
- 前記記録層の厚さが、3〜15nmであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の多層相変化型情報記録媒体。
- 前記反射層が、Au、Ag、Cu、W、Al、Taの少なくとも1種を主成分とすることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の多層相変化型情報記録媒体。
- 前記反射層の厚さが、3〜20nmであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の多層相変化型情報記録媒体。
- 第1基板上に、少なくとも第1情報層、中間層、第2情報層、第2基板をこの順に備え、該第1情報層が、第1基板に近い側から順に第1保護層、記録層、第2保護層、反射層、熱拡散層の順に備えた多層膜からなり、第1基板側から光を入射させたときの第1情報層の光透過率が40〜70%であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の2層相変化型情報記録媒体。
- 情報が記録されたことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の多層相変化型情報記録媒体。
- 請求項1乃至10のいずれかに記載の多層相変化型情報記録媒体に第1基板側から光ビームを入射させて、情報を記録する方法。
- 請求項11に記載の情報が記録された多層相変化型情報記録媒体に第1基板側から光ビームを入射させて、情報を再生する方法。
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- 2002-07-16 JP JP2002206418A patent/JP2004047034A/ja active Pending
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