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JP3986003B2 - 光ディスクの製造に用いる基台、それを具備する貼り合わせ装置および光ディスクの製造方法 - Google Patents

光ディスクの製造に用いる基台、それを具備する貼り合わせ装置および光ディスクの製造方法 Download PDF

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JP3986003B2 JP2002153318A JP2002153318A JP3986003B2 JP 3986003 B2 JP3986003 B2 JP 3986003B2 JP 2002153318 A JP2002153318 A JP 2002153318A JP 2002153318 A JP2002153318 A JP 2002153318A JP 3986003 B2 JP3986003 B2 JP 3986003B2
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  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、密着貼り合せ型の光ディスクの製造工程に用いられる、基板を固定保持するための基台、それを用いた貼り合わせ装置および光ディスクの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
デジタル信号の記録媒体用光ディスクとして、従来例えばCD−ROMやCD−RやCD−RWが使用されてきたが、近年、大情報量の記録が可能な媒体の需要が高まるに伴い、高密度な光ディスクとしてDVD−ROM、DVD−R、DVD−RW、DVD+R、DVD+RW、DVD−RAM、DVD−VIDEOのように密着貼り合わせ型の光ディスクが製造され、使用されている。
【0003】
密着貼り合わせ型光ディスクは、2枚の基板を接着剤で貼り合わせたもので、その2枚の基板の一方又は双方に記録・再生層が設けられたものが通常用いられる。
記録・再生層の形成に用いられる材料としては、記録方式によって異なり、有機色素材料、光磁気材料、相変化材料等がある。
【0004】
次に、相変化記録型光ディスクを例にとって、密着貼り合わせ型光ディスクについて説明する。
相変化記録型光ディスクは、記録再生層が結晶状態と非晶質状態に可逆的に変化させ、それによって反射率が変化する性質を有する材料から構成されるものであるが、以下に説明する記録再生層以外の技術的事項については、他の記録方式の光ディスクに対しても適用可能である。
相変化記録型光ディスクは、例えば図1に示されるような断面構成を有するものであり、基体(11)上に保護層(12)、記録再生層(13)、保護層(12)、金属層(14)および有機保護層(15)を順次設けてなる一体物(第1基板という)を作成し、この第1基板と保護基板(17.第2基板という)とを接着層を介在させて貼り付けて得られるものである。
【0005】
記録再生層を形成するのに用いる材料としては、記録(アモルファス化)感度・速度、消去(結晶化)感度・速度、および消去比が良好なものとなることが必要なため、結晶−アモルファス相間の相変化を起こし、それぞれが安定化または準安定化状態をとることができるものが適当である。 また相変化型光記録再生層としては、単に記録・消去できるだけでなく、高密度,高線速度領域で記録したときの信号の再生安定性や信号の寿命(信頼性)も同時に要求される。これらを総合的に満足できる相変化型光記録再生層として、SbTeを主成分とするGeSbTe、AgInSbTe、GeInSbTe等が商品化されている。
【0006】
記録再生層の膜厚としては10〜50nm、好適には12〜30nmとするのがよく、ジッター等の初期特性、オーバーライト特性、量産効率を考慮すると、14〜25nmとするのが更に好ましい。10nmより薄くなると、光吸収能が著しく低下して記録再生層としての役割を果さなくなる傾向がある。また、50nmより厚いと高速で均一な相変化が起こり難くなる傾向がある。
このような記録再生層は、各種気相成長法、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
【0007】
第1基板に用いる基体(11)の厚さは限定的でないが、通常約0.6±0.05mm程度のものであり、材質としてガラス、セラミクスあるいは樹脂等が用いられるが、樹脂性のものが成型性、コストの点で好適である。
樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合体樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられるが、成型性、光学特性、コストの点で特にポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂等が好ましく用いられる。
【0008】
保護層(12)には記録再生層の保護とともに記録再生層の熱、光学特性を調節する機能があり、プラスチック基板(11)と記録層(13)の間に形成された第1の保護層(12)の膜厚は、65〜130nmとするとよく、記録層(13)と金属層(14)の間に形成された第2の保護層(12)としては、10〜40nm、好適には15〜35nmとするのがよい。
保護層(12)を構成する材料としては、SiO,SiO,ZnO,SnO,Al,TiO,In,MgO,ZrOなどの金属酸化物、Si,AlN,TiN,BN,ZrNなどの窒化物、ZnS,In,TaSなどの硫化物、SiC,TaC,BC,WC,TiC,ZrCなどの炭化物やダイアモンド状カーボンあるいは、それらの混合物が挙げられる。
これらの材料は、単体で保護層とすることもできるが、互いの混合物としてもよい。また、必要に応じて不純物を含んでもよい。必要に応じて、誘電体層を多層化することもできる。ただし、融点は記録再生層よりも高いことが必要である。このような材料としては、各種気相成長法、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。中でも、スパッタリング法が量産性、膜質等に優れている。
【0009】
金属層(14)の材料としてはAg,Au,Pt,Al,Ta,Cuなどの金属材料、またはそれらの合金などを用いることができる。また添加元素としては、Cr,Ti,Si,Cu,Ag,Pd,Taなどが使用される。このような金属層は、各種気相成長法、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。
金属層の膜厚としては、70〜200nm、好適には100〜160nmとするのがよい。
【0010】
有機保護層(15)の材料としては、スピンコートで作製した(メタ)アクリル系の紫外線硬化型樹脂などが一般的であり、反射膜(14)の酸化保護及び初期化時に記録層(13)が破壊されないよう押さえる。その厚さは、5〜15μmが適当である。
【0011】
接着層(16)は、(メタ)アクリル系の紫外線硬化型接着剤が好ましく用いられ、また接着層(16)が有機保護層(15)を兼ねる場合もある。
【0012】
保護基板(17.第2基板)は、光ディスクに高い機械的強度を持たせるために用いられ、厚さが約0.66±0.05mm程度のプラスチック製のものを用いることが好ましく、また未製膜の基体(11)と同じものを用いても良い。
【0013】
また通常、記録再生層膜(13)は、接着層(16)を介して保護基板(第2基板(17))を貼り合わせる前後いずれかの段階で初期化されている。
保護基板(第2基板)の貼り合わせは、ホットメルト接着剤、カチオン重合性接着剤、ラジカル重合性接着剤などを用いて行なわれているが、材料および貼り合わせ装置のコストの面から、特にラジカル重合性接着剤の一つである紫外線硬化型接着剤が広く用いられている。
【0014】
次に、第1基板(基台側に配置する基板をいう)と第2基板とを貼り合わせる一連の作業の例を、従来の貼り合わせ装置を用いて説明するが、ここに挙げる貼り合わせ作業は、相変化記録型のみならず、他の記録方式の光ディスクについても適用可能であることは知られている。
通常貼り合わせ作業は、図3に示されるように、供給・露光・排出・冷却の4つの位置を巡回して進められ、露光は図2に示される従来の紫外線照射装置によって行なわれる。
先ず、記録再生層を製膜した円盤状プラスチック基板(第1基板)の膜面に、
紫外線硬化型接着剤を塗布した後、保護基板(第2基板)を重ね合わせて形成される一体物を準備した後、図3に示される供給位置で、図2記載の基台(21)の中央に設けられたφ14.99〜15mmの柱状センターピン(22)に、該一体物を両基板に設けたφ15〜15.01mm中心孔を用いて機械的に偏心しないように配置する。
【0015】
保護基板(第2基板)の自重と毛細管現象で接着剤が基板間に広がったところで、保護基板(第2基板)側上方から、水銀もしくはメタルハライドランプ(23)等を光源とし反射集光板(24)で集められた紫外線(破線矢印)を照射し、保護基板(第2基板)を透過した光が接着剤に到達して硬化させ接着が完了される。
以上説明した貼り合わせ作業は、基台の上に配置された第1基板上に、接着剤を塗布後、第2基板を配置してから紫外線照射する順序で行なわれたが、基台上に第1基板と第2基板を順次配置した後に、第1基板と第2基板に間から接着剤を注入した後紫外線照射することも知られている。
さらに、記録再生層を第1基板だけではなく、第2基板にも設けたディスクがあることは、公知である。
【0016】
しかしながら、図4に示されるような従来の基板固定保持用の基台を用いて、貼り合わせ作業を進めると、反りのような変形の大きいディスクができてしまい、さらに内周部では基板の間隔が広がってしまい接着剤の引け(広がり不良)が起きて外観不良にとどまらず接着剤の剥がれの要因となり、ディスクの信頼性を低下させることもある。
変形防止対策として、冷却時間を長く取ることが考えられるが、タクトタイムが長くなり、生産性が悪くなりコストアップにつながる上に、冷却時間を長く取るやり方として基台のステージ数を増やしたり、空冷・水冷の冷却機構を付け加えることにもなり、設備が大掛かりになり、これまたコストアップになってしまう。
【0017】
さらに、このような変形防止対策として、冷却時間を長く取ること以外に、従来から種々提案されている。
例えば、特開2001−84654号公報には、紫外線照射時の基板の熱変形を低下させるのに、光透過性のフラット部材を基板に軽く押圧し機械的に矯正しながら紫外線照射する方法が記載されている。
さらに、特開2001−14736号公報には、第1基板と第2基板とを紫外線照射によって貼り合わせる前に、熱処理によって基板が固有的かつ潜在的に有する反りを予め発現させた後冷却しておくと、熱処理を行ない場合に比してわずかな反りの発生に押さえられる旨が記載されている。
しかしながら、これらは基板の反り発生防止に充分な効果をもたらすものではない。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、かかる問題を解決し、貼り合わせる際に生じる反り等のような変形を抑制でき、かつ接着剤の剥がれの要因となる接着剤の引け(広がり不良)がなく、その結果機械特性・保存信頼性に優れた密着貼り合わせ型光ディスクを、しかも低いコストで製造可能にする、基板の固定保持に用いる基台、それを用いた貼り合わせ装置および光ディスクの製造方法を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、基板の反り等のような変形が発生する要因について検討した。
図4に示されるような従来の基台に、図3に示される供給位置で供給された硬化前の光ディスク(前記一体物)は、基台の面に直接接触し固定され、露光位置に移動し、そこで紫外線照射されて接着剤が硬化し貼り合わされ製品になった後、排出位置で取り出される。
その後基台は、冷却位置で冷却され元の供給位置に戻されるが、これらの一連の作業が数多くの光ディスク製品を生産するために連続的に繰り返されると、基台に徐々に熱が蓄積されてしまうことが確認され、基台の面に直接接触し固定された第1基板はその蓄熱が要因となって膨張して図5のような状態になり、さらに基板間の接着面の接着剤はほぼ瞬時に硬化するため、この状態で露光されると、変形のある光ディスクが製造されることが判明した。
【0020】
本発明は、このような解析結果に基づいてなされたものであり、上記課題は、本発明の
(1)「中心孔を有し記録・再生層が設けられた透明な第1基板と中心孔を有する透明な第2基板とが紫外線硬化型接着剤を介在させて貼り合わされた光ディスクを、紫外線照射によって製造する際に、基板を固定保持するために用いられる基台であって、 中心孔に挿入して基板を固定保持する柱状センターピンと、
該センターピンの側面に嵌められ、上面で第1基板に接するO−リングと、を有するものであり、
光ディスクを該O−リングの上面でのみ保持することで、基台面と第1基板面とに間隔をつくって第1基板を固定保持できる構造を有するものであることを特徴とする光ディスク製造用基台」、
(2)「中心孔を有し記録・再生層が設けられた透明な第1基板と中心孔を有する透明な第2基板とが紫外線硬化型接着剤を介在させて貼り合わされた光ディスクを、紫外線照射によって製造する際に、基板を固定保持するために用いられる基台であって、
中心孔に挿入して基板を固定保持する柱状センターピンと、
該センターピンの側面に突設した段差の上面に設けられた環状の溝に嵌められ、上面で第1基板に接するO−リングと、を有するものであり、
光ディスクを該O−リングの上面でのみ保持することで、基台面と第1基板面とに間隔をつくって第1基板を固定保持できる構造を有するものであることを特徴とする光ディスク製造用基台」、
(3)「中心孔を有し記録・再生層が設けられた透明な第1基板と中心孔を有する透明な第2基板とが紫外線硬化型接着剤を介在させて貼り合わされた光ディスクを、紫外線照射によって製造する際に、基板を固定保持するために用いられる基台であって、
中心孔に挿入して基板を固定保持するセンターピンが設けられ、
該センターピンは、その側面に突設した段差の上面に形成され、断面が三角形の環状形状を有し、上面で第1基板に接する凸部を、有し、
光ディスクを該凸部の上面でのみ保持することで、基台面と第1基板面とに間隔をつくって第1基板を固定保持できる構造を有するものであることを特徴とする光ディスク製造用基台」、
(4)「中心孔を有し記録・再生層が設けられた透明な第1基板と中心孔を有する透明な第2基板とが紫外線硬化型接着剤を介在させて貼り合わされた光ディスクを、紫外線照射によって製造する際に、基板を固定保持するために用いられる基台であって、
中心孔に挿入して基板を固定保持するセンターピンが設けられ、
該センターピンは、均一な径を有し且つ中心孔に挿入される上部と、第1基板の中心孔が嵌合するように、該上部の下端から下方に向かって太径に形成されると共に、第1基板に接するテーパー部とを有し、
該テーパー部でのみ光ディスクを保持することで、基台面と第1基板面とに間隔をつくって第1基板を固定保持できる構造を有するものであることを特徴とする光ディスク製造用基台」、
(5)「中心孔を有し記録・再生層が設けられた透明な第1基板と中心孔を有する透明な第2基板とが紫外線硬化型接着剤を介在させて貼り合わされた光ディスクを、紫外線照射によって製造する際に、基板を固定保持するために用いられる基台であって、
中心孔に挿入して基板を固定保持するセンターピンが設けられ、
該センターピンは、第1基板の中心孔が嵌合するように、中心孔に挿入される上端部から下方に向かって太径に形成されると共に、第1基板に接するテーパー構造のものであり、
該テーパー構造でのみ光ディスクを保持することで、基台面と第1基板面とに間隔をつくって第1基板を固定保持できる構造を有するものであることを特徴とする光ディスク製造用基台」、
)「センターピンが中空構造であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項 のいずれかに記載の光ディスク製造用基台」、
)「前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載の光ディスク製造用基台のセンターピンを、中心孔を有し記録・再生層が設けられた透明な第1基板と中心孔を有する透明な第2基板とを記録・再生層を内側にし、順次中心孔に挿入して固定保持し、第1基板と第2基板との間に紫外線硬化型接着剤を存在させた状態で、第2基板の上方から紫外線照射することを特徴とする密着貼り合せ型光ディスクの製造方法」によって達成される。
【0021】
すなわち、本発明は、前述のように基台の蓄熱を回避するために、硬化前の光ディスクの固定保持位置を基台面に直接接触しないように、固定保持時に第1基板の面と基台面との間に間隔ができるような上記各具体的構造を、基台のセンターピンまたはこれに嵌めたO−リングに持たせ、該構造のセンターピンまたはO−リングのみで第1基板を固定保持することにしたものである。
また前記の条件に加えて、センターピンを中空構造にすれば一層放熱しやすくなって、基台の蓄熱を回避するために、有効である。
さらにセンターピンの表面を、外径がφ14.99〜15mmとなるよう凹凸構造にすれば、第1基板の中心孔との間に隙間ができ一層放熱しやすくなって、基台の蓄熱を回避するために、有効である。
センターピンは、基台の一部をなすものであるが、両者が一体成型したものであっても、別体に成型した後結合したものであっても良い。
基台およびセンターピンの材質について条件はないが、特に熱伝導性の高い材料で構成すれば、基台の蓄熱を回避するのに好ましい。
また、基台およびセンターピンの各部寸法は限定的でなく、貼り合わせる基板の光ディスクの中心孔径に左右される。
【0022】
以上説明した、本発明の光ディスクの製造に用いる基台、それを用いた貼り合わせ装置および光ディスクの製造方法は、先述の従来技術の項で説明したような、従来公知の密着貼り合わせ型の光ディスク全てについて適用可能である。
したがって、第1基板と第2基板の条件についても従来公知のものが適用される。なお、第1基板の「透明」とは、記録再生光に対して透光性を有することを意味し、相変化型光ディスクについては約635〜780nmの波長の光であり、また、第2基板の「透明」とは、接着剤硬化のために照射する紫外線に対して透光性を有することを意味し、通常波長が約400nmを上限とする光である。第2基板の例としてのポリカーボネートについては、どちらの光に対しても充分な透明性を有するものである。
またさらに、本発明の特徴である基台のセンターピンの条件を充足しさえすれば、従来公知の基台および製造装置に関する技術的事項は、適用可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に、基台の柱状センターピンに持たせた固定保持時に第1基板の面と基台面との間に間隔ができるような構造について具体例を列挙する。
図6に具体例1を示す。
φ14.99〜15mmのセンターピンの側面に嵌めたO−リングの上面で第1の基板に接してディスクを保持する構造になっている。
【0024】
図7に具体例2(参考例)を示す。
φ14.99〜15mmのセンターピンの側面に設けた段差の上面で第1の基板に接してディスクを保持する構造になっている。
【0025】
図8に具体例3を示す。
φ14.99〜15mmのセンターピンの側面に設けた段差の上面に設けた環状の溝に嵌めたO−リングの上面で第1の基板に接してディスクを保持する構造になっている。
【0026】
図9に具体例4を示す。
φ14.99〜15mmのセンターピンの側面に設けた段差の上面に設けた断面が三角形の環状の凸部の上面で第1の基板に接してディスクを保持する構造になっている。
【0027】
図10に具体例5を示す。
φ14.99〜15mmのセンターピンの下部に設けたテーパーで第1の基板に接してディスクを保持する構造になっている。
【0028】
図11に具体例6を示す。
テーパー状のセンターピンで第1の基板に接してディスクを保持する構造になっている。
【0029】
図12に具体例1のセンターピンを中空構造にした具体例7を示す。
具体例1〜6に示したセンターピンをパイプ状にしたり各部を中空にすることで熱容量が下がり、基台への蓄熱が減る。
従来例の基台と具体例1のセンターピンを有する基台で連続しディスクを生産した場合のディスクの反りと接着剤の引け(広がり不良)の発生率を表1に示す。
連続生産は12秒タクトで行ない、照射条件は、照度1000mJ/cmで10秒間の照射で行なった。
従来例の基台を用いて連続生産を行なうと、徐々にディスクの反りや接着剤の引け(広がり不良)の発生率が増大したが、具体例1のセンターピンを有する基台を用いて連続生産を行なった場合には、ディスクの反りや接着剤の引け(広がり不良)の発生率の増大は見られなかった。
【0030】
【表1】
Figure 0003986003
【0031】
【発明の効果】
以上、詳細且つ具体的な説明より明らかなように、本発の密着貼り合わせ型光ディスク貼り合わせ装置は、該センターピンが、基板に反りを発生させる要因となる基台蓄熱がないように、基台面と第1基板の基体面とに間隔をつくって基板を固定保持できる構造を有するものであることにより、基台と第1の基板の接触面積が少なくなり、基台から第1の基板への熱伝導によるディスクの変形がなく、機械特性・保存信頼性に優れた密着貼り合わせ型光ディスクを安価に製造できる装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】相変化記録型の場合の、密着貼り合わせ型光ディスクの断面図である。
【図2】従来の紫外線照射装置を示す図である。
【図3】供給、露光、排出、冷却の4つの位置を巡回する基台を示す図である。
【図4】従来の基台の断面図である。
【図5】基台に熱が蓄積され、第1の基板が膨張した状態を示す図である。
【図6】センターピン構造の具体例1を示す図である。
【図7】 センターピン構造の具体例2(参考例)を示す図である。
【図8】センターピン構造の具体例8を示す図である。
【図9】センターピン構造の具体例4を示す図である。
【図10】センターピン構造の具体例5を示す図である。
【図11】センターピン構造の具体例6を示す図である。
【図12】 センターピン構造の具体例7を示す図である。
【符号の説明】
11 プラスチック基板
12 保護層
13 記録層
14 金属層
15 有機保護層
16 接着層
17 保護基板
20 ディスク
21 基台
22 センターピン
23 水銀もしくはメタルハライドランプ
24 反射集光板

Claims (7)

  1. 中心孔を有し記録・再生層が設けられた透明な第1基板と中心孔を有する透明な第2基板とが紫外線硬化型接着剤を介在させて貼り合わされた光ディスクを、紫外線照射によって製造する際に、基板を固定保持するために用いられる基台であって、 中心孔に挿入して基板を固定保持する柱状センターピンと、
    該センターピンの側面に嵌められ、上面で第1基板に接するO−リングと、を有するものであり、
    光ディスクを該O−リングの上面でのみ保持することで、基台面と第1基板面とに間隔をつくって第1基板を固定保持できる構造を有するものであることを特徴とする光ディスク製造用基台。
  2. 中心孔を有し記録・再生層が設けられた透明な第1基板と中心孔を有する透明な第2基板とが紫外線硬化型接着剤を介在させて貼り合わされた光ディスクを、紫外線照射によって製造する際に、基板を固定保持するために用いられる基台であって、
    中心孔に挿入して基板を固定保持する柱状センターピンと、
    該センターピンの側面に突設した段差の上面に設けられた環状の溝に嵌められ、上面で第1基板に接するO−リングと、を有するものであり、
    光ディスクを該O−リングの上面でのみ保持することで、基台面と第1基板面とに間隔をつくって第1基板を固定保持できる構造を有するものであることを特徴とする光ディスク製造用基台。
  3. 中心孔を有し記録・再生層が設けられた透明な第1基板と中心孔を有する透明な第2基板とが紫外線硬化型接着剤を介在させて貼り合わされた光ディスクを、紫外線照射によって製造する際に、基板を固定保持するために用いられる基台であって、
    中心孔に挿入して基板を固定保持するセンターピンが設けられ、
    該センターピンは、その側面に突設した段差の上面に形成され、断面が三角形の環状形状を有し、上面で第1基板に接する凸部を、有し、
    光ディスクを該凸部の上面でのみ保持することで、基台面と第1基板面とに間隔をつくって第1基板を固定保持できる構造を有するものであることを特徴とする光ディスク製造用基台。
  4. 中心孔を有し記録・再生層が設けられた透明な第1基板と中心孔を有する透明な第2基板とが紫外線硬化型接着剤を介在させて貼り合わされた光ディスクを、紫外線照射によって製造する際に、基板を固定保持するために用いられる基台であって、
    中心孔に挿入して基板を固定保持するセンターピンが設けられ、
    該センターピンは、均一な径を有し且つ中心孔に挿入される上部と、第1基板の中心孔が嵌合するように、該上部の下端から下方に向かって太径に形成されると共に、第1基板に接するテーパー部とを有し、
    該テーパー部でのみ光ディスクを保持することで、基台面と第1基板面とに間隔をつくって第1基板を固定保持できる構造を有するものであることを特徴とする光ディスク製造用基台。
  5. 中心孔を有し記録・再生層が設けられた透明な第1基板と中心孔を有する透明な第2基板とが紫外線硬化型接着剤を介在させて貼り合わされた光ディスクを、紫外線照射によって製造する際に、基板を固定保持するために用いられる基台であって、
    中心孔に挿入して基板を固定保持するセンターピンが設けられ、
    該センターピンは、第1基板の中心孔が嵌合するように、中心孔に挿入される上端部から下方に向かって太径に形成されると共に、第1基板に接するテーパー構造のものであり、
    該テーパー構造でのみ光ディスクを保持することで、基台面と第1基板面とに間隔をつくって第1基板を固定保持できる構造を有するものであることを特徴とする光ディスク製造用基台。
  6. センターピンが中空構造であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の光ディスク製造用基台。
  7. 請求項1乃至5のいずれかに記載の光ディスク製造用基台のセンターピンを、中心孔を有し記録・再生層が設けられた透明な第1基板と中心孔を有する透明な第2基板とを記録・再生層を内側にし、順次中心孔に挿入して固定保持し、第1基板と第2基板との間に紫外線硬化型接着剤を存在させた状態で、第2基板の上方から紫外線照射することを特徴とする密着貼り合せ型光ディスクの製造方法。
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