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JP4182925B2 - センサー及び物質の検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、物質の電池反応を利用するセンサー及び物質の検出方法に関する。
近年、さまざまな物質を検出するセンサーの研究・開発が盛んに行われている。特に過酸化水素については、食品やその包装パックの殺菌液により食品に残留する微量の過酸化水素を検出する目的から、過酸化水素を検出するセンサーの必要性が増している。また、グルコースや尿素、コレステロール等の生体物質を検出する際に、それら生体物質の酵素反応によって生じる過酸化水素を検出する方式のバイオセンサーが多用されるなど、過酸化水素を検出するセンサーは、食品分野だけでなく医療分野にも広い用途がある。また、半導体プロセス用洗浄液や過炭酸ナトリウムを含有する漂白剤等、身近に過酸化水素を含有する物質は多く、簡易かつ高精度で過酸化水素を検出できるセンサーが強く望まれている。
現在、ある特定の化学物質を検出するために、以下に挙げる物理量の変化が主に利用されている。(1)電気、(2)光、(3)熱。これらの検出信号は、表示や記録のためにいったん電気信号に変換して利用される。従って、(1)の電気的変化は、ダイレクトに検出信号を利用できる点で便利であり、一般的に広く用いられている。
実用化されている過酸化水素の検出方法としては、(1)比色法、(2)電気化学法、を挙げることができる。
(1)比色法は、過酸化水素と反応すると着色する試薬(硫酸チタン溶液やトリンダー試薬)を用いて紫外可視吸収スペクトルを測定し、その吸光度を求めることで濃度を測定する方法である。
(2)電気化学法は、過酸化水素に固有の酸化還元電位に着目した検出方法である。これは、酸化還元反応に伴う電子のやり取りをサイクリックボルタンメトリーなどで測定し、ある電位での電流値から濃度を測定する方法である。例えば、表面にフェロセンを固定した電極を用いて過酸化水素を検出するセンサー(例えば、非特許文献1参照)の例がある。
C.Padeste et.al,"Ferrocene−avidinconjugates for bioelectrochemical applications", Biosensors&Bioelectronics誌,2000年,15巻,p.431−438
ところで、前記過酸化水素センサーには以下の問題がある。すなわち、(1)比色法は、吸光度測定における検出感度は光路長に比例するため、感度を上げるためには多くのサンプル溶液が必要となる。従って、微量サンプルの検出には適用できない。また、吸光度測定には、分光光度計等の光学測定機器を必要とする。さらに(2)電気化学法は、測定にあたってサイクリックボルタンメトリー等の電気化学測定機器を必要とする。また、微量サンプルを高感度に検出するために、クシ型電極等の高価な微小電極も必要である。いずれの方法においても、感度及び信頼度の高い濃度測定のためには、複雑な計測システムを使用しなくてはならない課題を有する。従って、より簡易な計測機器によって簡単に測定可能なセンサー及び検出方法が希求される。
また、過酸化水素以外の物質、例えば従来用いられている酸素やアルコールのセンサーについても、感度の高い検出とより簡易な測定装置は相反する課題である。
以上から、本発明は上記従来の課題を解決することを目的とする。
すなわち、本発明は、簡易な構成で、かつ精度がよい物質の検出が可能なセンサー、及びそれを利用した物質の検出方法を提供することを目的とする。
上記課題は以下の本発明により達成される。
本発明のセンサーは、検出対象の物質よって起きる電池反応を利用するものである。例えば、該物質によって生じる電圧・電流を検出することで物質の存在の有無を検出したり、該物質の濃度に依存する電圧・電流特性を測定し、その測定値から逆に濃度を決定するものである。
すなわち、本発明のセンサーは、検出対象物質としての第1の物質及び/又は第2の物質を検出するためのセンサーであり、
酸性媒体と、
該酸性媒体中に配置された第1の電極と、
前記酸性媒体で生成した陰イオンと塩基性媒体中で生成した陽イオンとで塩が形成可能であるように配置された塩基性媒体と、
該塩基性媒体中に配置された第2の電極と、
前記酸性媒体中に含まれる水素イオンを伴って前記第1の電極から電子を奪う反応を生じさせる前記第1の物質と、前記塩基性媒体中に含まれる水酸化物イオンを伴って前記第2の電極へと電子を供与する反応を生じさせる前記第2の物質によって電極間に生じる電圧或いは電流を検出する検出手段と、
を備えることを特徴としている。
本発明のセンサーでは、微量の検出対象物質によっても出力(電圧・電流)が生じ、さらに、その出力(電圧・電流)が簡易な構成の検出手段(例えば、電圧電流計などといった計測機器)で検出される。このため、該検出対象物質の存在の有無や、濃度を簡単にかつ精度よく測定することができる。
一方、本発明の物質の検出方法は、上記本発明のセンサーを利用して、検出対象物質としての第1の物質及び/又は第2の物質を検出する方法である。
本発明によれば、簡易な構成で、かつ精度がよい物質の検出が可能なセンサー、及びそれを利用した物質の検出方法を提供することを目的とする。
以下、本発明について詳細に説明する。
<センサー>
本発明のセンサーは、酸性媒体と、酸性媒体中に配置された第1の電極と、酸性媒体で生成した陰イオンと塩基性媒体中で生成した陽イオンとで塩が形成可能であるように配置された塩基性媒体と、塩基性媒体中に配置された第2の電極と、を備えることを特徴とし、さらに、検出対象物質によって前記第1の電極及び第2の電極間に生じる電圧或いは電流を検出するための検出手段も備える。
本発明のセンサーは、その媒体中に検出対象物質(第1及び第2の物質)を含有する状態(但し、検出手段を除く状態)では、上述の各部材を備える構成を有するバイポーラ型の電池の構成になる。一次電池、二次電池、燃料電池の種類を問わず適用することができる。なお、該バイポーラ型の電池とは、酸性媒体と塩基性媒体が隣接し、この中に電気エネルギーを取り出すための物質と電極が含まれる構成を有するものである。
特に、該バイポーラ型電池は、(1)上記の酸性媒体中或いはこれに接触する電極近傍で第1の物質及び水素イオンが共存し、共に反応系物質として第1の電極から電子を奪う(酸化する)反応を引き起こす、(2)上記塩基性媒体中或いはこれに接触する電極近傍で第2の物質及び水酸化物イオンが共存し、共に反応系物質として電極に電子を与える(還元する)反応を引き起こす、以上(1)及び(2)が同時に進行して、外部回路を駆動する電気エネルギーを発生する。この電気エネルギーを検出手段により検出することで、検出対象物質としての第1の物質及び/又は第2の物質を検出するセンサー動作になる。
そして、本発明のセンサーを利用して、検出対象物質を検出する方法が、本発明の物質の検出方法である。
このような、本発明のセンサーを構成する各部材について、詳細に説明する。
〔酸性媒体及び塩基性媒体〕
本発明において、酸性媒体はpH7未満、好ましくはpH3以下である媒体を指し、水素イオンが存在する酸性反応場を形成し得ることが好ましく、また、塩基性媒体はpH7を超える、好ましくはpH11以上の媒体を指し、水酸化物イオンが存在する塩基性反応場を形成し得ることが好ましい。
これらの酸性媒体及び塩基性媒体としては、それぞれが独立に、液体状態、ゲル状態、固体状態のいずれの態様であってもよいが、両媒体が同じ態様であることが好ましい。また、酸性媒体及び塩基性媒体としては、有機化合物、無機化合物の種類に関らず用いることができる。
酸性媒体と塩基性媒体との好ましい組み合わせは、例えば、硫酸や塩酸、リン酸等の酸性水溶液と、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、アンモニウム化合物等の塩基性水溶液と、の水溶液の組み合わせ;それらの水溶液をゲル化剤によってゲル化したイオン伝導性ゲルの組み合わせ;スルホン酸基やリン酸基を有する酸性のイオン交換部材と、4級アンモニウム基を有する塩基性のイオン交換部材と、のイオン交換部材(イオン交換樹脂を用いた膜、濾紙などの形態を含む)の組み合わせ;硫酸処理した酸化ジルコニアや貴金属含有酸化ジルコニア等の固体超強酸及び固体酸と、酸化バリウム等の固体超強塩基及び固体塩基と、の固体物の組み合わせ;などが挙げられる。
より具体的には、前記酸性水溶液としては、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、塩化水素酸、ヨウ化水素酸、臭化水素酸、過塩素酸、過ヨウ素酸、オルトリン酸、ポリリン酸、硝酸、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロ珪酸、ヘキサフルオロリン酸、ヘキサフルオロ砒酸、ヘキサクロロ白金酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、蓚酸、サリチル酸、酒石酸、マレイン酸、マロン酸、フタル酸、フマル酸、及びピクリン酸からなる群より選択される酸を1以上含む水溶液を用いることが好ましく、中でも、強酸である、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸を含むことがより好ましい。
また、前記塩基性水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化アンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、及び、水酸化テトラブチルアンモニウムを含む群から選択される塩基を1以上含む、又は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム、アルミン酸ナトリウム、及びアルミン酸カリウムを含む群から選択される弱酸のアルカリ金属塩を1以上含む水溶液を用いることができ、中でも、強塩基である、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを含むことがより好ましい。
更に、酸性媒体としての酸性のイオン伝導性ゲルは、上記のような酸性水溶液を、水ガラス、無水二酸化ケイ素、架橋ポリアクリル酸、寒天、又はその塩類などのゲル化剤を用いて、ゲル化したものが好ましい。
一方、塩基性媒体としての塩基性のイオン伝導性ゲルは、上記のような塩基性水溶液を、例えば、カルボキシメチルセルロース、架橋ポリアクリル酸やその塩類、をゲル化剤として用いて、ゲル化したものが好ましい。なお、上記の酸や塩基は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。また、ゲル化剤の使用方法も同様である。
また、前記の酸性のイオン交換部材及び塩基性のイオン交換部材としては、イオン交換樹脂を用いた、イオン交換膜、固体高分子電解質膜、濾紙などの形態を含む。好適なものとしては、スルホン酸基やリン酸基などの強酸性基を有する強酸性イオン交換樹脂や、4級アンモニウム基などの強塩基性基を有する強塩基性イオン交換樹脂を用いた各イオン交換部材である。
より具体的には、例えば、製品名ダウエックス(Dow社製)や、製品名ダイヤイオン(三菱化学社製)、製品名アンバーライト(Rohm and Hass社製)に代表されるポリビニルスチレン系のイオン交換樹脂や、製品名ナフィオン(DuPont社製)、製品名フレミオン(旭ガラス社製)、製品名アシプレックス(旭化成工業社製)に代表されるポリフルオロヒドロカーボンポリマー系の固体高分子電解質膜、製品名ネオセプタ(トクヤマ社製)、製品名ネオセプタBP−1(トクヤマ社製)に代表されるポリビニルスチレン系のイオン交換膜、ポリスチレン系の繊維状イオネックスイオン交換体で形成されたイオン交換濾紙製品名RX−1(東レ社製)等が挙げられる。
更に、固体超強酸として好適なものとしては、硫酸処理した酸化ジルコニアや貴金属含有酸化ジルコニア等が挙げられる。その他、固体酸として、カオリナイトやモンモリナイト等の粘度鉱物、ゼオライト、複合酸化物、水和酸化物、また酸性物質を添着した活性炭を用いることもできる。
固体超強塩基として好適なものとしては、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化カルシウム等が挙げられる。その他、固体塩基として、酸化マグネシウム等の金属酸化物及びそれらを含む複合酸化物、水酸化カルシウムのように水への溶解度の低い水酸化物、アルカリ金属やアルカリ土類金属イオン交換ゼオライト、また塩基性物質を添着した活性炭を用いることもできる。
本発明のセンサーにおいて、酸性媒体及び塩基性媒体は、互いに隣接もしくは近設し、前記酸性媒体で生成した陰イオンと、塩基性媒体中で生成した陽イオンとで塩が形成可能であるように配置されることを必須とするが、これは、酸性媒体中で、水素イオンを放出することにより生成した対陰イオンと、塩基性媒体中で、水酸化物イオンを放出したことにより生成した対陽イオンと、で塩を形成させて電荷のバランスをとることを可能とするためである。そのため、例えば、上述のように、両媒体が、酸性水溶液と塩基性水溶液とからなる場合、生成した陽イオン及び/又は陰イオンを透過可能な特性を有している膜、あるいは、生成した陽イオン及び/または陰イオンが移動可能な塩橋を用いれば、酸性媒体と塩基性媒体との間が分離される態様であってもかまわない。
〔検出対象物質(第1の物質及び第2の物質)〕
本発明のセンサーにおいて、第1の物質としては、酸性媒体中で、水素イオンを伴って第1の電極から電子を奪う酸化反応を生成させる物質(酸化剤)であれば、如何なるものをも用いることができるが、水素イオン濃度が高い場合に反応が促進される物質であることが好ましい。具体的には、過酸化水素、酸素、次亜塩素酸、次亜臭素酸、次亜ヨウ素酸等の次亜ハロゲン酸等をもちいることができる。
また、第2の物質としては、水酸化物イオンを伴って第2の電極へと電子を供与する還元反応を生成させる物質(還元剤)であれば、如何なるものも用いることができるが、水酸化物イオン濃度が高い場合に反応が促進される物質であることが好ましい。具体的には、過酸化水素、水素、ヒドラジン、アルコール類等を用いることができる。
また、第1の物質或いは第2の物質としては、鉄、マンガン、クロム、バナジウムといった酸化・還元反応によって価数を変化できる金属イオンや、それらの金属錯体を用いることができる。
上記の中でも、第1の物質及び第2の物質が、同一成分からなることが好ましい。このような物質は、酸性媒体中で、水素イオンを伴って第1の電極から電子を奪う酸化反応を生成させ、塩基性媒体中では、水酸化物イオンを伴って第2の電極へと電子を供与する還元反応を生成させる性質を有する。この場合には、酸性媒体と塩基性媒体が混合されない状態に保てる場合には必ずしも分離膜を必要としない。
酸化剤及び還元剤のどちらの役割にもなる検出対象物質としては、特に過酸化水素が好ましい。この理由については後で詳細に説明する。
ここで、本発明のセンサーでセンシングする検体としては、次のような様態が考えられる。
(1)検出対象物質を含んでいる、または検出対象物質を含んでいるおそれがある(以下、本明細書では単に「検索対象物質を含む」という)液体。
(2)検索対象物質を含む固体。
(3)化学変化や生化学反応によって検索対象物質を放出する物質を含んでいる、あるいは化学変化や生化学反応によって検索対象物質を放出する物質を含んでいるおそれがある(以下、本明細書では単に「化学変化や生化学反応によって検索対象物質を放出する物質を含む」という)液体あるいは固体。
これらの検体に対して、それぞれ具体的には次のようにして本発明のセンサーに用いることが可能である。
(1)検出対象物質を含有する液体の場合は、単に、酸性及び/または塩基性媒体に含ませる。
(2)検出対象物質を含有する固体の場合は、単に、酸性及び/または塩基性媒体に含ませる。あるいは液体に溶解してその液体を酸性及び/または塩基性媒体に含ませる。
(3)化学変化や生化学反応によって検出対象物質を放出する物質を含有する液体或いは固体の場合は、例えば酵素等の反応物質と接触させて、その結果生成した検出対象物質を含有する液体を、酸性及び/または塩基性媒体に含ませる。
第1の物質及び第2の物質の供給手段の1つである「液体」は、溶液(溶媒として、水、有機溶媒等を含む)、分散液、ゲルの形態のいずれであってもよい。また、これらの使用形態は、上述した酸性媒体及び塩基性媒体の形態との好ましい組み合わせにより選択されることが望ましい。
また、これらの両物質は、電極の近傍に設置された流路を通して、或いは、毛細管への染込みを利用して、或いは直接的に媒体へ添加される方式としてもよい。または、センサーの電池反応開始以前から媒体中に混合若しくは分散されてもよい。または、液体状の媒体中に始めから混合若しくは分散されてもよい。
〔第1の電極及び第2の電極〕
本発明において、第1の電極は正極であり、第2の電極は負極として機能する。これら第1の電極及び第2の電極の材質としては、従来の電池における電極と同様のものを用いることができる。より具体的には、第1の電極(正極)として、白金、白金黒、酸化白金被覆白金、銀、金等が挙げられる。また、表面を不動態化したチタン、ステンレス、ニッケル、アルミニウム等が挙げられる。また、グラファイトやカーボンナノチューブ等の炭素構造体、アモルファスカーボン、グラッシーカーボン等が挙げられる。ただし、耐久性の点から、白金、白金黒、酸化白金被覆白金がより好ましい。
また、第2の電極(負極)としては、白金、白金黒、酸化白金被覆白金、銀、金等が挙げられる。また、表面を不動態化したチタン、ステンレス、ニッケル、アルミニウム等が挙げられる。また、グラファイトやカーボンナノチューブ等の炭素構造体、アモルファスカーボン、グラッシーカーボン等が挙げられる。ただし、耐久性の点から、白金、白金黒、酸化白金被覆白金がより好ましい。
更に、本発明において、第1の電極及び第2の電極のいずれもが、板状、薄膜状、網目状、又は繊維状であることが好ましい。ここで、「網目状」とは、少なくとも、排出しようとする気体が通り抜けられる貫通路が存在する多孔質状態であることを指す。
網目状の電極として、具体的には、金属製のメッシュやパンチングメタル板、発泡金属シートに、上記の電極用材料を、無電解メッキ法、蒸着法、又はスパッタ法によって付着させてもよいし、また、セルロースや合成高分子製の紙類に、同様の方法或いはその組合せを用いて上記の電極用材質を付着させてもよい。
また、第1の電極及び第2の電極が、イオン交換樹脂やイオン伝導性ゲルのような形状保持性の高い両媒体に配置される場合、かかるイオン交換樹脂やイオン伝導性ゲルの表面に、所望の電極用材料を、無電解メッキ法、蒸着法、又はスパッタ法を用いて配置することも好ましい態様である。
<物質の検出方法>
本発明のセンサーは、その媒体中に検出対象物質を含有する状態ではバイポーラ型の電池の構成になる。この際に生じる電圧電流の発生機構(発電方法)について、詳細に説明する。
該発電方法は、酸性媒体と、該酸性媒体中に配置された第1の電極と、前記酸性媒体と接する塩基性媒体と、該塩基性媒体中に配置された第2の電極と、を備える電池を用いた発電方法であって、前記酸性媒体に含有される第1の物質が水素イオンを伴って前記第1の電極から電子を奪う反応を生じさせ、かつ、前記塩基性媒体に含有される第2の物質が水酸化物イオンを伴って前記第2の電極へと電子を供与する反応を生じさせて発電することを特徴とする。この反応により、第1物質及び第2の物質が内部エネルギーの低い複数の物質に化学変化することによって、その分のエネルギーを外部に電気エネルギーとして放出して電力を得ることができる。
なお、ここでは、酸性媒体が酸性水溶液、塩基性媒体が塩基性水溶液からなり、第1の物質及び第2の物質が、いずれも過酸化水素である態様について説明するが、これは本発明の最も好ましい態様として示すものであって、本発明をこれに限定するものではない。
過酸化水素は、分解反応によって水と酸素を生成する。この化学反応を、別々の電極で酸化反応と還元反応に分離して行うと、起電力を生じる。即ち、過酸化水素は、酸性反応場では酸化作用を有し、一方で、塩基性反応場では還元作用を有するため、起電力が発生する。このような、酸−塩基バイポーラー反応場を利用することで、電極間に電圧・電流が出力される。この電圧・電流を検出手段により検出することで、検出対象物質としての過酸化水素が検出される。
より具体的に、該発電方法について、図1を参照して説明する。図1に示されるように、正極(第1の電極)が配置されている酸性反応場(酸性媒体)では、過酸化水素が酸化剤として働き、下記(式1)に示されるように、過酸化水素の酸素原子が電極から電子を受け取り、水を生成する。また、負極(第2の電極)が配置されている塩基性反応場(塩基性媒体)では、過酸化水素が還元剤として働き、下記(式2)に示されるように、過酸化水素の酸素原子が電極に電子を供与して、酸素と水を生成する。これら反応により、起電力が発生し、発電が行なわれる。
22(aq)+2H++2e- → 2H2O (式1)
22(aq)+2OH- → O2+2H2O+2e- (式2)
ここで、(aq)とは水和状態を示す。
なお、反応場内においては、酸性媒体中に存在する水素イオンの対アニオン(図1中では、硫酸イオンSO4 2-に相当する)と、塩基性媒体中に存在する水酸化物イオンの対カチオン(図1中では、ナトリウムイオンNa+)と、が両媒体の界面で塩を形成することで、電荷のバランスを取ることができる。このとき、形成される塩は、水溶液中では通常イオン化する方が安定であるため、塩の形成による起電力への効果は、電極における酸化或いは還元反応における起電力と比べるとはるかに小さい。この結果、電極反応が主体的となる本発明のバイポーラ型電池は、酸性・塩基性媒体界面における中和反応を主体としたバイポーラ型電池と比べ、安定した発電を行える性質を有することとなる。
上記(式1)と(式2)の半反応式をまとめたイオン反応式(電荷のバランスが、酸性・塩基性媒体界面での水のイオン分解によって取られる場合)を下記(式3)に示す。
22(aq)→H2O+1/2O2 (式3)
熱力学計算によると、この反応のエンタルピー変化(ΔH)、エントロピー変化(ΔS)、ギブスの自由エネルギー変化(ΔG、温度T:単位はケルビン(K))は、それぞれ、ΔH=−94.7kJ/mol、ΔS=28J/Kmol、ΔG=ΔH−TΔS=−103.1kJ/molとなる。また、理論起電力(nは反応に関る電子数、Fはファラデー定数)と理論最大効率(η)は、それぞれ、E=−ΔG/nF=1.07V、η=ΔG/ΔH×100=109%と計算される。この反応の理論的特徴は、過酸化水素分解反応でエントロピーが増加してΔSの符号が正になることである。そのため、ΔGの絶対値がΔHより大きくなり、理論最大効率が100%を超える。これとは異なり、水素−酸素系やダイレクトメタノール系等、他の燃料電池反応では、ΔSの符号は負である。
電荷のバランスが、酸性・塩基性媒体界面での対アニオンおよび対カチオンの塩形成によって取られる場合、上記(式1)と(式2)の半反応式をまとめたイオン反応式は下記(式4)となる。
22(aq)+H++OH-→2H2O+1/2O2 (式4)
熱力学計算によると、この反応のエンタルピー変化(ΔH)、エントロピー変化(ΔS)、ギブスの自由エネルギー変化(ΔG、温度T:単位はケルビン(K))は、それぞれ、ΔH=−150.6kJ/mol、ΔS=108.5J/Kmol、ΔG=ΔH−TΔS=−183.1kJ/molとなる。また、理論起電力(nは反応に関る電子数、Fはファラデー定数)と理論最大効率(η)は、それぞれ、E=−ΔG/nF=1.90V、η=ΔG/ΔH×100=122%と計算される。
上記においては、第1の物質及び第2の物質として過酸化水素を用いた発電方法について述べたが、両物質に他の物質を用いた場合にも、電極側で酸化・還元反応を生じさせる点では実質的に同じである。
以下、本発明のセンサーの好ましい実施形態について説明するが、本発明はこれらの限定されるものではない。本発明のセンサーとしては、例えば、下記に示す(1)チップ型センサーの他に、酸性媒体及び塩基性媒体として固体状であるものを接触配置してなるペーパー型センサー、及び、酸性及び塩基性イオン伝導性ゲルを接触配置してなるゲル型センサーが、好ましい実施態様として挙げられる。
〔(1)チップ型センサー〕
このチップ型センサーは、酸性媒体として、硫酸水溶液などの液体を、塩基性媒体として水酸化ナトリウム水溶液などの液体を用いた、酸−塩基バイポーラー反応場を有する。具体的な構成に関して、図2を用いて説明する。
図2(a)は、チップ型センサーの概略上面透視図である。ここに示されるように、チップ型センサーは、スライドガラス11とカバーガラス10との間にスペーサ(図2(b)における部材12)を介し、毛管流路1(深さ50μm、幅1000μm)が形成されている。この毛管流路1は、液体の酸性媒体と、液体の塩基性媒体と、を供給するための入口2及び入口3と、排出するための出口4及び出口5とを有する。例えば、入口2から酸性水溶液aを、入口3から塩基性水溶液bを、毛管流路1に流した時、両液体の粘度やその流速が適当である場合には毛管流路1の合流部分において層流(レイノルズ流)が形成される。
この層流について、図2(b)を参照して説明する。図2(b)は、図2(a)のチップ型センサーをA−A’で切断した際に、両媒体の流れの方向からみた断面図である。これに示すように、酸性水溶液a及び塩基性水溶液bは、毛管流路1の合流部分であっても、それぞれ、層流a及び層流bを形成し、各々が互いに接しながらも、交じり合うことなく、毛管流路1内を流れることになる。そして、層流a及び層流bを形成したまま、合流部分を通過して、分岐部分で再び分離し、出口4から酸性水溶液aが、出口5から塩基性水溶液bが排出され、それぞれが独立して回収される。
このような層流を形成している毛管流路1の合流部分の底部には、2つの白金電極6及び8が設けられており、それぞれの接続端子7及び9を介して、電圧電流計などの検出手段20と接続されている。そして、酸性水溶液a及び塩基性水溶液bのそれぞれに含まれる検出対象物質によって電極6、8間に生じた電圧・電流が、検出手段により検出(測定)される。なお、検出手段20としては、単に検出対象物質の有無を検出する場合には、電極6、8間に生じた電圧・電流により駆動する検出部材(例えば発光ダイオード、ブザーなど)で構成することもできる。このような検出部材が光や音を発することで、検出対象物質の有無が検出される。
ここで、層流を形成し、2つの液体が接触しているにも関らず、混合しない状態を形成するためには、毛細管流路における粘性流体の特性を応用することで実現できる。これは、液体の粘性、流速、また、流路形状(管径或いは流路幅や深さ)に依存した定数のレイノルズ数(Re)が約2000以下の場合に起きる現象(レイノルズ流現象)である。この現象を用いると、毛細管中で、適当な粘度と移動速度とを有する2液は、層流となって、非常に混合し難くなる特性が付与される。そのため、両層流に、第1の物質と第2の物質とをそれぞれ共存させた状態で、それぞれの層流中に電極を置くと、酸性媒体中における酸化反応と、塩基性媒体中における還元反応が生じ、起電力が発現する。
このような毛細管流路の複雑な構造は、ガラス、石英、シリコン、高分子フィルム、プラスチック樹脂、セラミック、グラファイト、金属等の基板(チップ)に対して、超音波研削や半導体フォトリソグラィー、また、サンドブラストや射出形成、シリコン樹脂モールディング等の既存加工技術を適用することで容易に作製できる。したがって、単位となるセンサーの集積化及び複数のチップを重ねる積層化を行うことで、複数の検出対象に対応可能な複合センサーが構築可能になる。
なお、本発明のセンサーにおいて、検出対象物質として過酸化水素を挙げた場合は、センサーの前段階に生体物質から過酸化水素を生成する酵素反応部を追加することによって、グルコースや尿素等の生体物質を検出することもできる。さらに、検出手段そのものを該センサーの出力電圧によって動作させることにより、電源を必要としない、いわば自立型センサーが構築できる。
また、例えば、検出対象物質の物質濃度に対する電圧・電気特性(物質濃度に対する検量線)を予め求めておくことで、正確な濃度測定も行うことが可能となる。
また、検出対象物質としての第1の物質と第2の物質が異なる場合、或いは同じ物質でも濃度が異なる場合は、一方の物質(種或いは濃度)を既知とすることで、他方の物質の検出を行うことができる。
以上、本発明のセンサーおよびの実施態様について説明したが、本発明の構成はこの用途に限定されるものではなく、例えば、上記構成のセンサーと、従来の方式によるセンサーを組み合せて使用することも可能である。
以下に本発明の効果を、チップ型センサーの実施例により具体的に説明する。また、前記イオン伝導性ゲルから構成されるセンサーにおいても同様の効果がある。さらに、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
図2で表されるチップ型センサーにおいて、下記条件にて出力(発電)実験を行い、過酸化水素濃度−電流・電圧特性を求め、センサーの評価を行った。過酸化水素水溶液(特級35%、関東化学株式会社)に、硫酸(特級96%、関東化学株式会社)及び蒸留水を混合して、試料液Aを調製した。ここで、硫酸濃度は0.1N規定(0.05mol/l)である。また、同過酸化水素水溶液に水酸化ナトリウム(特級97%、関東化学株式会社)及び蒸留水を混合して、試料液Bを調製した。ここで、水酸化ナトリウム濃度は0.1N規定(0.1mol/l)である。試料液Aに含まれる過酸化水素を、0mol/l、10μmol/l、100μmol/l、200μmol/lの各濃度に調製した。また、試料液Bに含まれる過酸化水素濃度は試料液Aと等しくした。
そして、チップ型センサーの入口2から試料液Aを、入口3から試料液Bをそれぞれ外部ポンプにより注入した。試料液の流速は、いずれも、流路中央部分で24μl/sec(レイノルズ数Re:約670)、実験温度は室温であった。試料液Aと接触する流路底面の電極(白金薄膜、面積:0.026cm2)8は正極の働きをし、電極(白金薄膜、面積:0.026cm2)6は負極の働きをして電池が構成され、起電力(センサー出力)が生じた。
上記の実験条件の、電池構成を成すセンサーに接続される外部抵抗器の抵抗値を0Ωから1MΩまでの範囲で変化させて、試料液Aおよび試料液Bを用いた場合における電流・電圧特性を、デジタルマルチメーター(KEITHLEY製2000)で測定した。その結果を、図3と図4に示す。ここで図4は、図3の電流密度の少ない領域を拡大して再表示したものである(但し、過酸化水素濃度が0mol/l、10μmol/lの場合のみ表記)。また、外部抵抗器の抵抗値が最も低い場合の電流値(閉回路電流密度)を図3と図4中に矢印で示す。
図5に、図3と図4で得られた閉回路電流密度を、各過酸化水素濃度に対してプロットした。ここで、図中の挿入図は、過酸化水素濃度の低い領域を拡大して再表示したものである。このデータを検量線用データとして最小二乗法により検量線を作成した。
そして、別の検体として試料液A及びBに含まれる過酸化水素が1μmol/l、5μmol/、20μmol/l、50μmol/lの各濃度について閉回路電流密度を測定し、図6にこれらの測定値を各過酸化水素濃度に対してプロットした。これを検体データとみなしたところ、図5における検量線上にプロットされた。
これら図5及び図6から、過酸化水素濃度が1μmol/lから200μmol/lの広い範囲にわたって閉回路電流密度の単調増加が確認された。また、検量線を作成し、これを利用すると別の検体溶液中に含まれる数μmol/lから数百μmol/l程度の過酸化水素濃度を容易に決定できることも確認された。
[実施例2]
上記の実施例1と同じチップ型センサーを使用して、試料液に含まれる過酸化水素濃度を変え、実施例1と同様の評価を行った。ここで、硫酸濃度は0.1N規定(0.05mol/l)、水酸化ナトリウム濃度は0.1N規定(0.1mol/l)である。試料液AおよびBに含まれる過酸化水素を、0mol/l、0.9mmol/l、9.1mmol/lの各濃度に調製した。なお、流速及び実験温度は実施例1と同一である。かかる実験条件のセンサーを用いて得られた、電流−電圧特性を図7に示す。本実施例の場合、過酸化水素濃度が0.9mmol/lの場合に閉回路電流密度は0.56mA/cm2、9.1mmol/lの場合に閉回路電流密度は1.35mA/cm2が得られた。
[実施例3]
上記の実施例1と同じチップ型センサーを使用して、試料液に含まれる過酸化水素濃度を変え、実施例1と同様の評価を行った。ここで、硫酸濃度は0.01N規定(0.005mol/l)、水酸化ナトリウム濃度は0.01N規定(0.01mol/l)である。試料液AおよびBに含まれる過酸化水素を、0.9mmol/l、9.1mmol/lの各濃度に調製した。なお、流速及び実験温度は実施例1と同一である。かかる実験条件のセンサーを用いて得られた、電流−電圧特性を図8に示す。本実施例の場合、過酸化水素濃度が0.9mmol/lの場合に閉回路電流密度は0.18mA/cm2、9.1mmol/lの場合に閉回路電流密度は0.26mA/cm2が得られた。
以上、本実施例によれば、図3、図7及び図8に示したように、数μmol/lから十mmol/l程度の広い範囲で、過酸化水素濃度に依存した電圧・電流特性が得られた。さらに、一例として閉回路電流密度の値に着目した場合、過酸化水素濃度との良い対応関係が得られ、これを検量線とすることで、別に用意される検体溶液の過酸化水素濃度を容易に決定できることが判明した(図5、図6参照)。このように、本実施例では、簡易な構成で、精度よく検出対象物質が検出できることが判明した。
本発明のセンサーの出力機構(発電方法)を示す図である。 (a)は、本発明のセンサーの1実施態様であるチップ型センサーの概略上面透視図であり、(b)は、(a)のチップ型センサーをA−A’で切断した際に、両媒体の流れの方向からみた断面図である。 実施例1において測定した、各過酸化水素濃度の試料液によるチップ型センサーの電流・電圧特性図である。 図2における電流密度の少ない領域を拡大して再表示した電流・電圧特性図である。 実施例1において、閉回路電流密度を、各過酸化水素濃度に対してプロットした図であり、センサーの検量線を示す図である。 実施例1において、別の検体の閉回路電流密度を、各過酸化水素濃度に対してプロットした図である。 実施例2において測定した、過酸化水素濃度によるチップ型センサーの電流・電圧特性を示す図である。 実施例3において、測定した、酸・アルカリ濃度によるチップ型センサーの電流・電圧特性を示す図である。
符号の説明
1 毛管流路
2、3 入口
4、5 出口
6 電極(第2の電極)
7 接続端子
8 電極(第1の電極)
9 接続端子
10 カバーガラス
11 スライドガラス
12 スペーサ
20 検出手段
a 酸性水溶液
b 塩基性水溶液
L (過酸化水素)水溶液

Claims (17)

  1. 検出対象物質としての第1の物質及び/又は第2の物質を検出するためのセンサーであって、
    酸性媒体と、
    該酸性媒体中に配置された第1の電極と、
    前記酸性媒体で生成した陰イオンと塩基性媒体中で生成した陽イオンとで塩が形成可能であるように配置された塩基性媒体と、
    該塩基性媒体中に配置された第2の電極と、
    前記酸性媒体中に含まれる水素イオンを伴って前記第1の電極から電子を奪う反応を生じさせる前記第1の物質と、前記塩基性媒体中に含まれる水酸化物イオンを伴って前記第2の電極へと電子を供与する反応を生じさせる前記第2の物質によって電極間に生じる電圧或いは電流を検出する検出手段と、
    を備えることを特徴とするセンサー。
  2. 前記第1の物質及び前記第2の物質が同一の物質であることを特徴とする請求項1に記載のセンサー。
  3. 前記第1の物質及び前記第2の物質が、いずれも過酸化水素であることを特徴とする請求項2に記載のセンサー。
  4. 前記酸性媒体が酸性水溶液からなり、かつ、前記塩基性媒体が塩基性水溶液からなることを特徴とする請求項1に記載のセンサー。
  5. 前記酸性水溶液と前記塩基性水溶液とがその内部で層流を形成する流路構造を備えることを特徴とする請求項4に記載のセンサー。
  6. 前記酸性水溶液が、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、塩化水素酸、ヨウ化水素酸、臭化水素酸、過塩素酸、過ヨウ素酸、オルトリン酸、ポリリン酸、硝酸、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロ珪酸、ヘキサフルオロリン酸、ヘキサフルオロ砒酸、ヘキサクロロ白金酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、蓚酸、サリチル酸、酒石酸、マレイン酸、マロン酸、フタル酸、フマル酸、及びピクリン酸からなる群より選択される酸を1以上含むことを特徴とする請求項4に記載のセンサー。
  7. 前記塩基性水溶液が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化アンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、及び水酸化テトラブチルアンモニウムを含む群から選択される塩基を1以上含む、又は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム、アルミン酸ナトリウム、及びアルミン酸カリウムを含む群から選択される弱酸のアルカリ金属塩を1以上含むことを特徴とする請求項4に記載のセンサー。
  8. 前記酸性媒体が酸性のイオン交換部材から構成され、かつ、前記塩基性媒体が塩基性のイオン交換部材から構成されることを特徴とする請求項1に記載のセンサー。
  9. 前記イオン交換部材が、ポリビニルスチレン系のイオン交換樹脂、ポリフルオロヒドロカーボンポリマー系の高分子電解質膜、ポリビニルスチレン系のイオン交換膜、及び繊維状ポリスチレン系のイオン交換濾紙からなる群より選択されることを特徴とする請求項8に記載のセンサー。
  10. 前記酸性媒体が酸性のイオン伝導性ゲルから構成され、かつ、前記塩基性媒体が塩基性のイオン伝導性ゲルから構成されることを特徴とする請求項1に記載のセンサー。
  11. 前記酸性のイオン伝導性ゲルが、酸性水溶液を水ガラス、無水二酸化ケイ素、架橋ポリアクリル酸、寒天、又はその塩類によりゲル化してなることを特徴とする請求項10に記載のセンサー。
  12. 前記塩基性のイオン伝導性ゲルが、塩基性水溶液をカルボキシメチルセルロース、架橋ポリアクリル酸、又はその塩類によりゲル化してなることを特徴とする請求項10に記載のセンサー。
  13. 前記第1の電極が、白金、白金黒、酸化白金被覆白金、銀、金、表面を不動態化したチタン、表面を不動態化したステンレス、表面を不動態化したニッケル、表面を不動態化したアルミニウム、炭素構造体、アモルファスカーボン、及びグラッシーカーボンからなる群より選択される1以上の材料から構成されることを特徴とする請求項1に記載のセンサー。
  14. 前記第2の電極が、白金、白金黒、酸化白金被覆白金、銀、金、表面を不動態化したチタン、表面を不動態化したステンレス、表面を不動態化したニッケル、表面を不動態化したアルミニウム、炭素構造体、アモルファスカーボン、及びグラッシーカーボンからなる群より選択される1以上の材料から構成されることを特徴とする請求項1に記載のセンサー。
  15. 前記第1の電極及び第2の電極のいずれもが、板状、薄膜状、網目状、又は繊維状であることを特徴とする請求項1に記載のセンサー。
  16. 前記第1の電極及び前記第2の電極が、無電解メッキ法、蒸着法、又はスパッタ法により、酸性媒体及び塩基性媒体にそれぞれ配置されることを特徴とする請求項1に記載のセンサー。
  17. 酸性媒体と、
    該酸性媒体中に配置された第1の電極と、
    前記酸性媒体で生成した陰イオンと塩基性媒体中で生成した陽イオンとで塩が形成可能であるように配置された塩基性媒体と、
    該塩基性媒体中に配置された第2の電極と、
    前記酸性媒体中に含まれる水素イオンを伴って前記第1の電極から電子を奪う反応を生じさせる第1の物質と、前記塩基性媒体中に含まれる水酸化物イオンを伴って第2の電極へと電子を供与する反応を生じさせる前記第2の物質によって電極間に生じる電圧或いは電流を検出する検出手段と、
    を備えるセンサーを用いて、検出対象物質としての前記第1及び/又は第2の物質を検出することを特徴とする物質の検出方法。
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