JP4176576B2 - データ流入量制御方法、基地局及び制御局 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体通信システムにおける制御局から基地局へのデータ流入量制御、特に、無線区間の伝送レートが時間的に変動する移動体通信システムにおけるデータ流入量制御方法、基地局及び制御局に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在普及している携帯電話のような移動通信システムにおいて用いられるパケット通信方式では、所定の無線伝送帯域を複数の移動局が共用するため、各移動局が使用することができる無線リソース、すなわち無線区間の伝送レートは、当該無線伝送帯域を共用する移動局数や当該移動局宛てに送出されるデータ量によって時間的に変動することとなる。
【0003】
そこで、基地局に設けられているバッファに滞留している移動局宛てのデータ量に基づいて、制御局から当該基地局に流入する当該移動局宛てのデータ量、つまり制御局のデータ送出レートを制御する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−077987号公報(第5−7頁、第8図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した移動通信システムにおいて、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)やHDR(High Data Rate)など、移動局における無線通信の状態に応じて、動的に無線区間の伝送レートを変更することができる適応変復調方式(Adaptive Modulation and Coding)を用いたベストエフォット型の高速パケット通信方式が提供もしくは開発されている。
【0006】
しかしながら、このような高速パケット通信方式を用いる移動体通信システムでは、無線区間の伝送レートの変動幅が、数kbps〜数Mbpsと非常に広範囲となるため、基地局のバッファに滞留する移動局宛てのデータ量に基づいて、制御局のデータ送出レートを制御する方法では、効率的な制御が難しいという問題があった。
【0007】
具体的には、基地局のバッファの閾値として無線区間の伝送レートが10kbpsのときに最適となるデータ量が設定されている場合に、無線区間の伝送レートが1Mbpsに上昇すると、制御局がデータ送出レートを変更する前に、当該バッファのアンダーフローが発生し易くなり、無線伝送帯域の使用効率が低下するという問題があった。
【0008】
一方、当該バッファの閾値として無線区間の伝送レートが1Mbpsのときに最適となるデータ量が設定されている場合に、無線区間の伝送レートが10kbpsに降下すると、制御局がデータ送出レートを変更する前に、当該バッファのオーバフローが発生し易くなり、オーバーフローが発生すると、破棄されたデータが再送されるため、移動体通信システムとしての伝送効率が低下するという問題があった。
【0009】
また、移動体通信システムとしての伝送効率の低下を抑制するために、上述した無線区間の通信状態に加え、有線区間、すなわち制御局と、基地局との間の通信状態に応じて、制御局のデータ送出レートを制御することが考えられる。
【0010】
しかしながら、上述した移動体通信システムでは、制御局と基地局とが、交換装置などを含む複数の有線リンクを介して接続される場合が発生し得る「加入者線延長呼制御方式」が用いられているため、基地局や制御局が、刻一刻と変化する、それぞれの有線リンクの通信状態を監視し、その監視結果に応じて、制御局のデータ送出レートを適宜制御することは、処理負荷や、時間的に変動する無線区間の伝送レートにも追従する制御が必要なことに鑑みると、現実的には、困難であるといった問題があった。
【0011】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決すべくなされたものであり、無線区間の伝送レートが時間的に変動する移動体通信システムにおいて、無線伝送帯域の使用効率を向上するとともに、データの再送などによるシステムの伝送効率の低下を抑制することができるデータ流入量制御方法、基地局及び制御局を提供することをその目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、移動局宛てのデータを中継する制御局と、前記制御局から送出された前記データを一時的にバッファに格納して前記移動局に送出する基地局とにおいて用いられる前記基地局へのデータ流入量制御方法であって、前記基地局と前記移動局との無線リンクの伝送レートと、前記バッファに滞留している前記データの量とに基づいて、前記データが前記移動局に送出されるまでに前記バッファに滞留するバッファ滞留予定時間を決定するステップと、決定した前記バッファ滞留予定時間に基づいて、前記制御局から送出される前記データの送出量を制御するステップとを備えることを要旨とする。
【0013】
本発明の第2の特徴は、移動局宛てのデータを中継する制御局から送出された前記データを一時的にバッファに格納して前記移動局に送出する基地局であって、前記移動局との無線リンクの伝送レートと、前記バッファに滞留している前記データの量とに基づいて、前記データが前記移動局に送出されるまでに前記バッファに滞留するバッファ滞留予定時間を決定するバッファ滞留予定時間決定部を備え、決定された前記バッファ滞留予定時間に基づいて、前記制御局から送出される前記データの送出量が制御されることを要旨とする。
【0014】
本発明の第3の特徴は、本発明の第2の特徴において、決定した前記バッファ滞留予定時間に基づいて、前記制御局から送出される前記データの送出量を制御する送出量制御情報を前記制御局に通知する通知部をさらに備えることを要旨とする。
【0015】
かかる特徴によれば、基地局のバッファに滞留するデータが、無線区間を介して移動局に送出されるまでに当該バッファに滞留するバッファ滞留予定時間に基づいて、制御局から送出される移動局宛てのデータの送出量、つまり、制御局のデータ送出レートが制御されるため、無線区間の伝送レートが大きく変動するHSDPAなどの高速パケット通信方式が用いられている移動体通信システムにおいても、基地局のバッファのオーバーフローやアンダーフローが発生することを抑制することができる。すなわち、かかる特徴によれば、無線伝送帯域の使用効率を向上するとともに、データの再送などによるシステムの伝送効率が低下することを抑制することができる。
【0016】
特に、無線区間の伝送レートが上昇し、当該バッファに滞留するデータ量が減少する状況においては、基地局が、当該バッファのアンダーフローが発生する前に、制御局のデータ送出レートを上昇させるように制御することができる。
【0017】
例えば、制御局のデータ送出レートの変更に伴う制御に1秒を要する場合、当該データのバッファ滞留時間が3秒となった時点で、基地局が、制御局のデータ送出レートを上昇させるように制御すれば、当該バッファのアンダーフローを発生させないように制御することができる。
【0018】
本発明の第4の特徴は、本発明の第3の特徴において、前記データの欠落を検出するデータ欠落検出部をさらに備え、前記通知部が、前記バッファ滞留予定時間と、検出した前記データの欠落とに基づいて、前記送出量制御情報を前記制御局に通知することを要旨とする。
【0019】
かかる特徴によれば、輻輳の発生などによる有線区間の通信状態の悪化に伴い、移動局宛てのデータが欠落したことを基地局が検出すると、無線区間の伝送レートが高い場合であっても、基地局が、制御局のデータ送出レートを降下させるように制御するため、移動局宛てのデータが連続して欠落することが回避され、欠落したデータの再送によって移動体通信システムとしての伝送効率が低下することを抑制することができる。
【0020】
さらに、かかる特徴によれば、基地局において検出された移動局宛てのデータの欠落に基づいて、制御局のデータ送出レートが制御されるため、複数の有線リンクを介して制御局と基地局とが接続される場合があり得る「加入者線延長呼制御方式」が用いられている移動体通信システムにおいても、それぞれの有線リンクの通信状態を監視することなく、有線区間、すなわち基地局と制御局との間の通信状態に応じて、適切な制御局のデータ送出レートを設定することができる。
【0021】
本発明の第5の特徴は、本発明の第3の特徴において、前記通知部が、前記バッファ滞留予定時間と、所定の最大データ送出量とに基づいて、前記送出量制御情報を前記制御局に通知することを要旨とする。
【0022】
本発明の第6の特徴は、前記通知部が、前記バッファ滞留予定時間と、検出した前記データの欠落と、所定の最大データ送出量とに基づいて、前記送出量制御情報を前記制御局に通知することを要旨とする。
【0023】
かかる特徴によれば、上述した無線区間及び有線区間の通信状態に加え、所定の最大データ送出量に基づいて、制御局のデータ送出レートが制御されるため、例えば、有線リンクの物理的な伝送帯域の制限や、移動局の処理能力または当該移動局が加入するサービスによる伝送レートの制限を加味した上で、制御局のデータ送出レートを制御することができる。
【0024】
また、上述した本発明の第2乃至第6の特徴に係る基地局に代えて、制御局が、基地局から取得した情報に基づいて、移動局宛てのデータの送出量、つまりデータ送出レートを決定することもできる。
【0025】
つまり、本発明の第7の特徴は、移動局宛てのデータを一時的にバッファに格納して前記移動局に送出する基地局に前記データを中継する制御局であって、前記移動局との無線リンクの伝送レートと、前記バッファに滞留している前記データの量とに基づいて、前記データが前記移動局に送出されるまでに前記バッファに滞留するバッファ滞留予定時間を示すバッファ滞留予定時間情報を前記基地局から取得する情報取得部と、取得した前記バッファ滞留予定時間情報に基づいて、前記データの送出量を制御するデータ送出量制御部とを備えることを要旨とする。
【0026】
本発明の第8の特徴は、本発明の第7の特徴において、前記情報取得部が、前記基地局に送出された前記データの欠落が検出されたことを示すデータ欠落情報を前記基地局からさらに取得し、前記データ送出量制御部が、前記バッファ滞留予定時間情報と、前記データ欠落情報とに基づいて、前記データの送出量を制御することを要旨とする。
【0027】
本発明の第9の特徴は、本発明の第7の特徴において、前記データ送出量制御部が、前記バッファ滞留予定時間情報と、所定の最大データ送出量とに基づいて、前記データの送出量を制御することを要旨とする。
【0028】
本発明の第10の特徴は、本発明の第8の特徴において、前記データ送出量制御部が、前記バッファ滞留予定時間情報と、前記データ欠落情報と、所定の最大データ送出量とに基づいて、前記データの送出量を制御することを要旨とする。
【0029】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
(基地局及び制御局の構成)
本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、第1の実施形態に係る基地局及び制御局を含む移動体通信システムの概略構成を示している。
【0030】
同図に示すように、本実施形態に係る移動体通信システムは、無線ゾーン300a乃至300eをカバーする基地局500a乃至500eと、基地局500a乃至500eとの間に無線リンクを設定して通信を行う移動局400a乃至400cと、基地局500a乃至500eを管理する制御局600a乃至600cとによって構成されている。また、制御局600a乃至600cは、交換装置などを含む幹線網100と接続されている。
【0031】
同図に示す移動体通信システムでは、例えば、移動局400a宛ての音声信号や、パケットなどのデータは、幹線網100から、制御局600aと、基地局500aとを経由して移動局400aに到達することとなる。特に、有線区間、すなわち、制御局600a〜基地局500a間と、無線区間、すなわち、基地局500a〜移動局400a間との伝送レートの差を吸収するため、基地局500aは、幹線網100側から送出されるデータを一時的に格納、つまりバッファリングする機能を有している。
【0032】
また、本実施形態に係る移動体通信システムは、HSDPAなどの高速パケット通信方式が用いられている。さらに、本実施形態に係る移動体通信システムは、移動局が、呼の生起時に在圏していた無線ゾーンから他の無線ゾーンに移動した場合においても、制御局を呼発生時の制御局に固定し、移動局の移動時における呼制御を当該制御局が主体的に実行することができる「加入者線延長呼制御方式」が用いられている。
【0033】
例えば、移動局400cが、在圏する無線ゾーン300eから無線ゾーン300dに移動した場合においても、移動局400cに対する呼制御は、制御局600cが実行する。
【0034】
図2は、図1に示す移動局400aと、基地局500aと、制御局600aとにおいて用いられるプロトコルスタックをそれぞれ示している。なお、図1に示す各移動局、各基地局ならびに各制御局では、移動局400a、基地局500aまたは制御局600aと同様のプロトコルスタックが使用されるとともに、同様の構成を有している。
【0035】
移動局400aにおけるプロトコルスタックは、基地局500aと対向する物理レイヤと、制御局600aと対向するデータリンクレイヤとから構成されている。
【0036】
また、基地局500aにおけるプロトコルスタックは、移動局400aと対向する物理レイヤと、制御局600aと対向する物理レイヤならびにサブレイヤとから構成されている。
【0037】
制御局600aにおけるプロトコルスタックは、基地局500aと対向する物理レイヤならびにサブレイヤと、移動局400aと対向するデータリンクレイヤとから構成されている。また、制御局600aにおけるプロトコルスタックは、幹線網100側と対向するレイヤ(不図示)も備えている。
【0038】
特に、本実施形態では、上述したプロトコルスタックのうち、移動局400a宛てのデータを制御局600aが送出する際のデータ送出レートを制御する制御情報は、サブレイヤを用いて制御局600aと基地局500aとにおいて送受される。
【0039】
図3は、基地局500aの論理ブロック構成を示している。同図に示すように、基地局500aは、有線物理レイヤ処理部501と、サブレイヤ処理部502と、信号処理部503と、無線物理レイヤ処理部504と、信号送出量計算部505とを備えている。
【0040】
有線物理レイヤ処理部501は、制御局600aと通信を行うものであり、本実施形態では、有線リンクを介して制御局600aと接続されている。
【0041】
サブレイヤ処理部502は、制御局600aと制御情報に関する通信を行うものである。特に、本実施形態では、移動局400a宛てのデータを制御局600aが送出する際のデータ送出レートを制御する情報を処理する。
【0042】
信号処理部503は、移動局400aと幹線網100との間において送受される音声信号や、パケットなどのデータを中継処理するものであり、当該データを一時的に格納するバッファを有している。
【0043】
無線物理レイヤ処理部504は、移動局400aと通信を行うものであり、無線リンクを介して移動局400aと接続される。
【0044】
信号送出量計算部505は、制御局600aから送出される移動局400a宛ての信号送出量を計算するものである。
【0045】
具体的には、信号送出量計算部505は、移動局400aとの無線リンクの伝送レートと、信号処理部503が有するバッファに滞留している移動局400a宛てのデータの量とに基づいて、当該データが移動局400aに送出されるまでにバッファに滞留するバッファ滞留予定時間を決定するものであり、本実施形態では、バッファ滞留予定時間決定部を構成する。
【0046】
より具体的には、信号送出量計算部505は、無線物理レイヤ処理部504を介して、移動局400aとの無線リンクの伝送レートを監視する。また、信号送出量計算部505は、信号処理部503が有するバッファに滞留している移動局400a宛てのデータ量を監視する。さらに、信号送出量計算部505は、信号処理部503が有するバッファに滞留している、移動局400a宛てのデータ量を移動局400aとの無線リンクの伝送レートで除算することにより得られる、バッファに滞留しているすべてのデータが、移動局400aに送出されるまでの予定時間を決定する。
【0047】
また、信号送出量計算部505は、制御局600aから送出される移動局400a宛てのデータの送出量を制御する送出量制御情報を制御局600aに通知するものであり、本実施形態では、通知部を構成する。
【0048】
具体的には、信号送出量計算部505は、決定したバッファ滞留予定時間に基づいて、移動局400a宛てのデータを制御局600aが送出する際のデータ送出レートを示す情報である送出量制御情報をサブレイヤ処理部502を介して制御局600aに通知する。
【0049】
ここで、図5(a)及び(b)は、信号送出量計算部505が、制御局600aのデータ送出レートを制御局600aに通知する際に用いられるテーブルの例を示している。
【0050】
図5(a)に示すテーブルは、移動局400a宛てのデータの送出を規制する、つまり、制御局600aのデータ送出レートを降下させる場合のバッファ滞留予定時間の閾値である規制開始閾値と、当該規制を解除する、つまり、制御局600aのデータ送出レートを上昇させる場合のバッファ滞留予定時間の閾値である規制解除閾値と、規制の開始後に制御局600aのデータ送出レートとして適用される伝送レートによって構成されている。
【0051】
なお、具体的なバッファ滞留予定時間の閾値や伝送レートは、移動体通信システムの構成や採用されているパケット通信方式などに応じて、適切な値を設定すればよい。また、図5(a)に示すテーブルでは、規制開始閾値と、規制解除閾値とを異なる値としているが、同一の値を用いることも勿論可能である。
【0052】
また、図5(b)に示すテーブルは、バッファ滞留予定時間の閾値と、現在の制御局600aのデータ送出レートに対する相対的な割合を示す情報(相対レート)によって構成されている。
【0053】
信号送出量計算部505は、図5(a)または(b)に示した何れかのテーブルを参照して、バッファ滞留予定時間に応じた伝送レートを選択し、選択した伝送レートを制御局600aのデータ送出レートとして、制御局600aに通知することができる。
【0054】
また、信号送出量計算部505は、制御局600aから送出された移動局400a宛てのデータの欠落を検出するものであり、本実施形態では、データ欠落検出部を構成する。
【0055】
具体的には、制御局600aと基地局500aとの間の有線リンクにおいて輻輳が発生し、当該有線リンクにおける実効伝送レートが低下した状況において、制御局600aが当該実効伝送レートを上回る伝送レートで移動局400a宛てのデータを送出した場合、当該有線リンク上で、データの破棄が発生する。そこで、基地局500aが、制御局600aから送出される移動局400a宛てのデータが、有線リンク上で破棄されたことを検出した場合、制御局600aのデータ送出レートを降下させることにより、有線リンクの実効伝送レートに応じたデータ送出レートを設定することができる。
【0056】
より具体的には、信号送出量計算部505は、サブレイヤ処理部502を介して、制御局600aから送出された移動局400a宛てのデータに付加されているシーケンス番号を監視し、中継処理されるデータのシーケンス番号が連続しているか否かを確認する。なお、移動局400a宛てのデータへのシーケンス番号の付加は、例えば、制御局600aがパケットとして当該データを送出する際に、パケット毎に付与することができる。
【0057】
また、信号送出量計算部505は、上述したバッファ滞留予定時間と、制御局600aから送出された移動局400a宛てのデータの欠落とに基づいて、制御局600aのデータ送出レートを決定することもできる。
【0058】
例えば、信号送出量計算部505は、制御局600aから受信した移動局400a宛てのデータの欠落数量と、伝送レートとが対応付けられたテーブルを備え、当該テーブルに基づいて選択される伝送レートと、上述したバッファ滞留予定時間に基づく伝送レートとを比較して、値の低い伝送レートを適用するべきデータ送出レートとして、制御局600aに通知することができる。
【0059】
さらに、信号送出量計算部505は、所定の最大データ送出量、例えば、制御局600aと基地局500aとの有線リンクの物理的な伝送帯域の制限、移動局400aの処理能力ならびに移動局400aが加入するサービスによる伝送レートの制限を加味した上で、制御局600aのデータ送出レートを決定することもできる。なお、有線リンクの物理的な伝送帯域の制限や移動局400aの処理能力などによって定まる伝送レートを示す情報は、制御局600aから基地局500aに通知すればよい。
【0060】
すなわち、信号送出量計算部505は、バッファ滞留予定時間、中継処理されるデータの欠落数量及び所定の最大データ送出量に基づいて決定されるそれぞれの伝送レートの中から、例えば、最も値の低い伝送レートを制御局600aに適用するべきデータ送出レートとして、制御局600aに通知することができる。
【0061】
図4は、制御局600aの論理ブロック構成を示している。同図に示すように、制御局600aは、有線物理レイヤ処理部601と、サブレイヤ処理部602と、データリンクレイヤ処理部603と、信号処理部604と、幹線網レイヤ処理部605とを備えている。
【0062】
有線物理レイヤ処理部601は、基地局500aと通信を行うものであり、本実施形態では、有線リンクを介して基地局500aと接続されている。
【0063】
サブレイヤ処理部602は、基地局500aと制御情報に関する通信を行うものである。特に、本実施形態では、移動局400a宛てのデータを制御局600aが送出する際のデータ送出レートを制御する情報を処理する。
【0064】
具体的には、サブレイヤ処理部602は、基地局500aから通知された送出量制御情報、つまり、移動局400a宛てのデータを送出する際のデータ送出レートを示す情報を受信し、データ送出レートを制御する。
【0065】
データリンクレイヤ処理部603は、移動局400aと通信を行うものであり、信号処理部604は、移動局400aと幹線網100との間において送受される音声信号や、パケットなどのデータを中継処理するものである。また、幹線網レイヤ処理部605は、幹線網100と通信を行うものである。
【0066】
(基地局及び制御局を用いたデータ流入量制御方法)
次に、上述した第1の実施形態に係る基地局及び制御局を用いたデータ流入量制御方法について説明する。
【0067】
図6は、制御局600aから移動局400aに対して送出されるデータのフロー制御の一例を示している。なお、説明に不要な信号は省略している。
【0068】
まず、制御局600aは、制御局600aと基地局500aとの間の有線リンクの物理的な伝送帯域、移動局400aの処理能力ならびに移動局400aが加入するサービスによって定まる伝送レートの中から、最も低い伝送レートを決定する。さらに、決定した伝送レートを制御局600aが移動局400aに対して送出することができる「最高伝送レート」として、基地局500aに通知する。また、基地局500aは、通知された「最高伝送レート」の情報を保持する。
【0069】
ステップS101において、制御局600aは、幹線網100から移動局400a宛のデータを受信すると、当該データをデータリンクレイヤ信号として、基地局500aに対して直ちに送出を開始する。
【0070】
ここで、基地局500aは、移動局400aとの無線リンクの伝送レートを上回る伝送レートで移動局400a宛てのデータを制御局600aから受信した場合、直ちに移動局400aに送出できないデータを一時的にバッファに格納する。
【0071】
また、基地局500aは、制御局600aから送出された移動局400a宛てのデータに付加されているシーケンス番号を監視し、シーケンス番号が連続しているか否かを確認する。
【0072】
さらに、基地局500aは、バッファに滞留している、移動局400a宛てのデータ量を移動局400aとの無線リンクの伝送レートで除算することにより得られる、バッファに滞留しているすべてのデータが、移動局400aに送出されるまでの予定時間、つまり、バッファ滞留予定時間が、閾値を上回ったか否かを監視する。
【0073】
図6の左側部分には、当該データが移動局400aに送出されるまでのバッファ滞留予定時間が変動する状況が示されている。基地局500aが、制御局600aから、移動局400a宛てのデータの受信を開始する時点では、バッファに滞留するデータは存在しないため、バッファ滞留予定時間は、非常に小さい値となっている(図中のtb1)。
【0074】
ステップS102において、基地局500aは、バッファ滞留予定時間が閾値を上回ったため(図中のtb2)、図5に示したテーブルを参照して、対応する伝送レートを選択し、選択した伝送レートと、「最高伝送レート」とのうち、低い値を有する伝送レートを制御局600aのデータ送出レートとする。さらに、基地局500aは、サブレイヤ信号を用いて、当該データ送出レートを示す情報を制御局600aに通知し、移動局400a宛てのデータの送出規制を実行する。
【0075】
ステップS103において、制御局600aは、基地局500aによって通知されたデータ送出レートを示す情報に基づいて、データ送出レートを降下させる。
【0076】
その後、移動局400aとの無線リンクの伝送レートが上昇し、バッファ滞留予定時間が、閾値を下回ったため(図中のtb3)、ステップS104において、基地局500aは、図5に示したテーブルを参照して、対応する伝送レートを選択し、選択した伝送レートと、「最高伝送レート」とのうち、低い値を有する伝送レートを制御局600aのデータ送出レートとする。さらに、基地局500aは、サブレイヤ信号を用いて、当該データ送出レートを示す情報を制御局600aに通知し、ステップS102において実行した送出規制を解除する。
【0077】
ステップS105において、制御局600aは、基地局500aによって通知されたデータ送出レートを示す情報に基づいて、データ送出レートを上昇させる。
【0078】
その後、制御局600aは、制御局600aと基地局500aとの間の有線リンクの実効伝送レートを上回るデータ送出レートで移動局400a宛てのデータを送出したため、当該データが基地局500aによって受信されずに欠落する。
【0079】
ステップS106において、基地局500aは、制御局600aから送出された移動局400a宛てのデータに付加されているシーケンス番号が不連続となったことにより、データが欠落したことを検出し、欠落したデータの数量と対応付けられた伝送レートと、「最高伝送レート」とのうち、低い値を有する伝送レートを制御局600aのデータ送出レートとする。さらに、基地局500aは、サブレイヤ信号を用いて、当該データ送出レートを示す情報を制御局600aに通知し、移動局400a宛てのデータの送出規制を実行する。
【0080】
ステップS107において、制御局600aは、基地局500aによって通知されたデータ送出レートを示す情報に基づいて、データ送出レートを降下させる。
【0081】
その後、制御局600aから送出された移動局400a宛てのデータに付加されているシーケンス番号が、所定の時間不連続とならなかったため、ステップS108において、基地局500aは、現在のデータ送出レートを上回る伝送レートを制御局600aのデータ送出レートとする。さらに、基地局500aは、サブレイヤ信号を用いて、当該データ送出レートを示す情報を制御局600aに通知し、ステップS106において実行した送出規制を解除する。
【0082】
その後、制御局600aは、基地局500aによって通知されたデータ送出レートを示す情報に基づいて、データ送出レートを上昇させる。
【0083】
図7は、上述したステップS101乃至ステップS108における、(1)制御局600aと基地局500aとの間の有線リンクの物理的な伝送帯域、移動局400aの処理能力ならびに移動局400aが加入するサービスによる制限よって定まる最高伝送レートと、(2)バッファ滞留予定時間に基づく伝送レートと、(3)制御局600aと基地局500aとの間の有線リンクの通信状況に応じて変動する有線リンクの実効伝送レートと、(4)移動局400a宛てのデータを制御局600aが送出する際のデータ送出レートとの関係を示している。
【0084】
同図に示すように、ステップS102では、上述した(1)乃至(3)の伝送レートの中で最も低い、バッファ滞留予定時間に基づく伝送レート(2)を下回るように、データ送出レート(4)が制御される。
【0085】
ステップS104にでは、上述した(1)乃至(3)の伝送レートの中で最も低い、最高伝送レート(1)を下回るように、データ送出レート(4)が制御される。
【0086】
ステップS106では、上述した(1)乃至(3)の伝送レートの中で最も低い、有線リンクの実効伝送レート(3)を下回るように、データ送出レート(4)が制御される。
【0087】
ステップS108では、上述した(1)乃至(3)の伝送レートの中で最も低い、有線リンクの実効伝送レート(3)を下回るように、データ送出レート(4)が制御される。
【0088】
同図に示すように、上述した(1)乃至(3)の伝送レートのうち、その変動状況に応じて、最も低い伝送レートとなるように、制御局600aのデータ送出レートが制御される。
【0089】
以上、本発明の一実施形態として、上述した(1)乃至(3)の伝送レートに基づいて、移動局400a宛てのデータの伝送レートを制御する形態を例として説明したが、例えば、有線リンクの伝送レートや、移動局の処理能力及び当該移動局が加入するサービスに基づいて決定される伝送レートが、常に基地局500aと移動局400aとの間の無線リンクの伝送レート以上である場合などには、バッファ滞留時間のみに基づいて、移動局400a宛てのデータの伝送レートを制御する形態を採ることも勿論可能である。
【0090】
(作用・効果)
以上説明した本発明の第1の実施形態によれば、基地局500aのバッファに滞留するデータが無線リンクを介して移動局400aに送出されるまでに当該バッファに滞留するバッファ滞留予定時間に基づいて、制御局600aのデータ送出レートが制御されるため、無線リンクの伝送レートが大きく変動するHSDPAなどの高速パケット通信方式が用いられている移動体通信システムにおいても、基地局500aのバッファのオーバーフローやアンダーフローが発生することを抑制することができる。
【0091】
特に、無線リンクの伝送レートが上昇し、当該バッファに滞留するデータ量が減少する状況においては、基地局500aが、当該バッファのアンダーフローが発生する前に、制御局600aのデータ送出レートを上昇させるように制御することができる。
【0092】
例えば、制御局600aのデータ送出レートの変更に伴う制御に1秒を要する場合、当該データのバッファ滞留時間が3秒となった時点で、基地局500aが、制御局600aのデータ送出レートを上昇させるように制御すれば、当該バッファのアンダーフローを発生させないように制御することができる。
【0093】
本実施形態によれば、輻輳の発生などによる有線区間の通信状態の悪化に伴い、移動局400a宛てのデータが欠落したことを基地局500aが検出すると、移動局400aとの無線リンクの伝送レートが高い場合であっても、基地局500aが、制御局600aのデータ送出レートを降下させるように制御するため、移動局400a宛てのデータが連続して欠落することが回避され、欠落したデータの再送によって移動体通信システムとしての伝送効率が低下することを抑制することができる。
【0094】
本実施形態によれば、基地局500aにおいて検出された移動局400a宛てのデータの欠落に基づいて、制御局600aのデータ送出レートが制御されるため、複数の有線リンクを介して制御局と基地局とが接続される場合があり得る「加入者線延長呼制御方式」が用いられている移動体通信システムにおいても、それぞれの有線リンクの通信状態を監視することなく、有線区間の通信状態に応じて、適切な制御局600aのデータ送出レートを設定することができる。
【0095】
[第2実施形態]
(基地局及び制御局の構成)
上述した本発明の第1の実施形態は、基地局500aが、移動局400a宛てのデータを制御局600aが送出する際のデータ送出レートを決定して制御局600aに通知する形態であったが、本発明の第2の実施形態は、制御局600aが、基地局500aから通知された情報に基づいて、移動局400a宛てのデータを送出する際のデータ送出レートを決定する。
【0096】
以下、本発明の第2の実施形態について、上述した本発明の第1の実施形態と異なる部分を主に説明する。図8及び図9は、本変更例に係る基地局510a及び制御局610aの論理ブロック構成をそれぞれ示している。なお、基地局510a及び制御局610aは、上述した基地局500a及び制御局600aに代えて、図1に示した移動体通信システムにおいて用いられる。また、基地局510a及び制御局610aにおいて用いられるプロトコルスタックは、図2に示したように、基地局500a及び制御局600aと同様である。
【0097】
図8に示すように、基地局510aは、基地局500aが備える信号送出量計算部505に代えて、状態通知部506を備えている。
【0098】
状態通知部506は、移動局400aとの無線リンクの伝送レートと、信号処理部503が有するバッファに滞留している移動局400a宛てのデータの量とに基づいて、当該データが移動局400aに送出されるまでにバッファに滞留するバッファ滞留予定時間を決定するものであり、本実施形態では、バッファ滞留予定時間決定部を構成する。また、状態通知部506は、決定したバッファ滞留予定時間を示すバッファ滞留予定時間情報を、サブレイヤ処理部502を介して制御局610aに通知することができる。
【0099】
さらに、状態通知部506は、移動局400a宛てのデータの欠落を検出し、当該データが欠落したことを示すデータ欠落情報を制御局610aに通知するものである。
【0100】
なお、バッファ滞留予定時間の決定方法や、移動局400a宛てのデータの欠落の検出方法は、本発明の第1の実施形態で説明した基地局500aが備える信号送出量計算部505と同様である。
【0101】
また、図9に示すように、制御局610aは、制御局600aが有する論理ブロック構成に加え、信号送出量計算部606をさらに備えている。
【0102】
信号送出量計算部606は、移動局400aとの無線リンクの伝送レートと、基地局510aのバッファに滞留している移動局400a宛てのデータの量とに基づいて、当該データが移動局400aに送出されるまでに当該バッファに滞留するバッファ滞留予定時間を示すバッファ滞留予定時間情報を基地局510aから取得するものであり、本実施形態では、情報取得部を構成する。
【0103】
また、信号送出量計算部606は、取得したバッファ滞留予定時間情報に基づいて、移動局400a宛てのデータの送出量、つまりデータ送出レートを制御するものであり、本実施形態では、データ送出量制御部を構成する。
【0104】
具体的には、信号送出量計算部606は、図5に示したようなテーブルを備え、当該テーブルを参照して伝送レートを決定する。さらに、信号送出量計算部606は、決定した伝送レートに基づいて、データ送出レートを制御することができる。
【0105】
また、信号送出量計算部606は、制御局610aから基地局510aに送出された移動局400a宛てのデータの欠落が検出されたことを示すデータ欠落情報を基地局510aから取得し、バッファ滞留予定時間情報と、データ欠落情報とに基づいて、データ送出レートを制御することもできる。
【0106】
例えば、信号送出量計算部606は、取得したデータ欠落情報と、伝送レートとが対応付けられたテーブルを備え、当該テーブルに基づいて選択される伝送レートと、上述したバッファ滞留予定時間に基づく伝送レートとを比較して、値の低い伝送レートを適用するべきデータ送出レートとすることができる。
【0107】
さらに、信号送出量計算部606は、所定の最大データ送出量、例えば、制御局600aと基地局500aとの有線リンクの物理的な伝送帯域の制限、移動局400aの処理能力ならびに移動局400aが加入するサービスによる伝送レートの制限を加味した上で、移動局400a宛てのデータ送出レートを制御することもできる。
【0108】
すなわち、信号送出量計算部606は、バッファ滞留予定時間情報、データ欠落情報及び所定の最大データ送出量に基づいて決定されるそれぞれの伝送レートの中から、例えば、最も値の低い伝送レートを適用するべきデータ送出レートとし、当該データ送出レートによって、移動局400a宛てのデータを送出することができる。
【0109】
(基地局及び制御局を用いたデータ流入量制御方法)
次に、第2の実施形態に係る基地局及び制御局を用いたデータ流入量制御方法について説明する。第2の実施形態においても、図6に示すように、上述した第1の実施形態において説明した内容と同様にデータのフロー制御が行われるが、各ステップにおける処理の内容が異なるため、以下に相違する点を主に説明する。
【0110】
まず、制御局610aは、制御局610aと制御局610aとの間の有線リンクの物理的な伝送帯域、移動局400aの処理能力ならびに移動局400aが加入するサービスによって定まる伝送レートの中から、最も低い伝送レートを決定する。さらに、制御局610aは、決定した伝送レートを移動局400aに対して送出することができる「最高伝送レート」として保持する。
【0111】
ステップS101において、制御局610aは、幹線網100から移動局400a宛のデータを受信すると、当該データをデータリンクレイヤ信号として、基地局510aに対して直ちに送出を開始する。
【0112】
ステップS102において、基地局510aは、バッファ滞留予定時間が閾値を上回ったため(図中のtb2)、バッファ滞留予定時間を示すバッファ滞留時間情報を制御局610aにサブレイヤ信号を用いて通知する。なお、基地局510aは、バッファ滞留予定時間の閾値を設けることなく、所定の周期で、バッファ滞留時間情報を制御局610aに通知してもよい。
【0113】
ステップS103において、制御局610aは、基地局510aによって通知されたバッファ滞留時間予定情報と、図5に示したようなテーブルを参照して、対応する伝送レートを選択し、選択した伝送レートと、上述した「最高伝送レート」とのうち、低い値を有する伝送レートをデータ送出レートとする。さらに、制御局610aは、データ送出レートを降下させ、移動局400a宛てのデータの送出規制を実行する。
【0114】
その後、移動局400aとの無線リンクの伝送レートが上昇し、バッファ滞留予定時間が、閾値を下回ったため(図中のtb3)、ステップS104において、基地局510aは、バッファ滞留予定時間情報をサブレイヤ信号を用いて、制御局610aに通知する。
【0115】
ステップS105において、制御局610aは、基地局510aによって通知されたバッファ滞留時間情報に基づいて、図5に示したようなテーブルを参照して、対応する伝送レートを選択し、選択した伝送レートと、「最高伝送レート」とのうち、低い値を有する伝送レートをデータ送出レートとする。さらに、制御局610aは、データ送出レートを上昇させ、ステップS103において実行した送出規制を解除する。
【0116】
その後、制御局610aは、制御局610aと基地局510aとの間の有線リンクの実効伝送レートを上回るデータ送出レートで移動局400a宛てのデータを送出したため、当該データが基地局510aによって受信されずに欠落する。
【0117】
ステップS106において、基地局510aは、制御局610aから送出された移動局400a宛てのデータに付加されているシーケンス番号が不連続となったことにより、データが欠落したことを検出し、移動局400a宛てのデータが欠落したことを示すデータ欠落情報を制御局610aに通知する。
【0118】
ステップS107において、制御局610aは、データ欠落情報と対応付けられた伝送レートと、上述した「最高伝送レート」とのうち、低い値を有する伝送レートをデータ送出レートとする。さらに、制御局610aは、データ送出レートを降下させ、移動局400a宛てのデータの送出規制を実行する。
【0119】
その後、制御局610aから送出された移動局400a宛てのデータに付加されているシーケンス番号が、所定の時間不連続とならなかったため、ステップS108において、基地局510aは、データの欠落が所定時間発生していないことを示す情報を制御局610aに通知する。
【0120】
制御局610aは、基地局510aによって通知された情報に基づいて、データ送出レートを上昇させ、ステップS107において実行した送出規制を解除する。
【0121】
なお、ステップS108において、基地局510aが、制御局610aに当該情報を通知せずに、所定の時間、新たにデータ欠落情報が、基地局510aから制御局610aに通知されない場合には、制御局610aが、ステップS107において実行した送出規制を解除してもよい。
【0122】
(作用・効果)
以上説明した本発明の第2の実施形態によれば、上述した本発明の第1の実施形態と同様に、基地局510aのバッファに滞留するデータが無線リンクを介して移動局400aに送出されるまでに当該バッファに滞留するバッファ滞留予定時間に基づいて、制御局610aのデータ送出レートが制御されるため、無線リンクの伝送レートが大きく変動するHSDPAなどの高速パケット通信方式が用いられている移動体通信システムにおいても、基地局510aのバッファのオーバーフローやアンダーフローが発生することを抑制するできる。
【0123】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、無線区間の伝送レートが時間的に変動する移動体通信システムにおいて、無線伝送帯域の使用効率を向上するとともに、データの再送などによるシステムの伝送効率の低下を抑制することができるデータ流入量制御方法、基地局及び制御局を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る移動体通信システムの概略構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る移動体通信システムにおいて用いられるプロトコルスタックを示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る基地局の論理ブロック構成を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る制御局の論理ブロック構成を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る移動体通信システムにおいて用いられる伝送レート決定用テーブルの例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る制御局から基地局へのデータのフロー制御の例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る伝送レートの制御状態を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る基地局の論理ブロック構成を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る制御局の論理ブロック構成を示す図である。
【符号の説明】
100…幹線網、300a〜300e…無線ゾーン、400a〜400c…移動局、500a〜500e…基地局、501…有線物理レイヤ処理部、502…サブレイヤ処理部、503…信号処理部、504…無線物理レイヤ処理部、505…信号送出量計算部、506…状態通知部、510a…基地局、600a〜600c…制御局、601…有線物理レイヤ処理部、602…サブレイヤ処理部、603…データリンクレイヤ処理部、604…信号処理部、605…幹線網レイヤ処理部、606…信号送出量計算部、610a…制御局
Claims (5)
- 移動局宛てのデータを中継する制御局と、前記制御局から送出された前記データを一時的にバッファに格納して前記移動局に送出する基地局とにおいて用いられる前記基地局へのデータ流入量制御方法であって、
前記基地局と前記移動局との無線リンクの伝送レートと、前記バッファに滞留している前記データの量とに基づいて、前記データが前記移動局に送出されるまでに前記バッファに滞留するバッファ滞留予定時間を決定するステップと、
前記制御局と前記基地局との間における前記データの欠落を検出するステップと、
前記バッファ滞留予定時間と検出した前記データの欠落とに基づいて、または前記バッファ滞留予定時間と所定の最大データ送出量とに基づいて、前記制御局から送出される前記データの送出量を制御する送出量制御情報を前記制御局に通知するステップと、
通知された前記送出量制御情報に基づいて、前記制御局から送出される前記データの送出量を制御するステップと
を備えることを特徴とするデータ流入量制御方法。 - 移動局宛てのデータを中継する制御局から送出された前記データを一時的にバッファに格納して前記移動局に送出する基地局であって、
前記移動局との無線リンクの伝送レートと、前記バッファに滞留している前記データの量とに基づいて、前記データが前記移動局に送出されるまでに前記バッファに滞留するバッファ滞留予定時間を決定するバッファ滞留予定時間決定部と、
前記制御局と前記基地局との間における前記データの欠落を検出するデータ欠落検出部と、
決定した前記バッファ滞留予定時間に基づいて、前記制御局から送出される前記データの送出量を制御する送出量制御情報を前記制御局に通知する通知部と
を備え、
前記通知部は、前記バッファ滞留予定時間と検出した前記データの欠落とに基づいて、または前記バッファ滞留予定時間と所定の最大データ送出量とに基づいて、前記送出量制御情報を前記制御局に通知し、
前記基地局から通知された前記送出量制御情報に基づいて、前記制御局から送出される前記データの送出量が制御されることを特徴とする基地局。 - 前記通知部は、前記バッファ滞留予定時間と、検出した前記データの欠落と、所定の最大データ送出量とに基づいて、前記送出量制御情報を前記制御局に通知することを特徴とする請求項2に記載の基地局。
- 移動局宛てのデータを一時的にバッファに格納して前記移動局に送出する基地局に前記データを中継する制御局であって、
前記移動局との無線リンクの伝送レートと、前記バッファに滞留している前記データの量とに基づいて、前記データが前記移動局に送出されるまでに前記バッファに滞留するバッファ滞留予定時間を示すバッファ滞留予定時間情報を前記基地局から取得する情報取得部と、
取得した前記バッファ滞留予定時間情報に基づいて、前記データの送出量を制御するデータ送出量制御部と
を備え、
前記情報取得部は、前記基地局に送出された前記データの欠落が検出されたことを示すデータ欠落情報、または所定の最大データ送出量を前記基地局からさらに取得し、
前記データ送出量制御部は、前記バッファ滞留予定時間情報と前記データ欠落情報とに基づいて、または前記バッファ滞留予定時間と前記所定の最大データ送出量とに基づいて、前記データの送出量を制御することを特徴とする制御局。 - 前記データ送出量制御部は、前記バッファ滞留予定時間情報と、前記データ欠落情報と、所定の最大データ送出量とに基づいて、前記データの送出量を制御することを特徴とする請求項4に記載の制御局。
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