(電子写真画像形成装置の全体的な概略構成)
図1は本実施例のカラー電子写真画像形成装置100の外観斜視図、図2はこの画像形成装置の縦断左側面図である。この画像形成装置100は、電子写真プロセスを用いた、4色フルカラーのレーザープリンタであり、パソコン・イメージリーダ・相手方ファクシミリ装置等の外部ホスト装置(不図示)から入力する電気的画像信号に基いて記録媒体に対する画像形成を実行する。
以下の説明において、画像形成装置100又は装置本体Aに関して、前側(正面側)とは装置開閉ドア31を配設した側である。後側とはそれとは反対側である。前後方向とは、装置の後側から前側に向かう方向(前方向)と、その逆の方向(後方向)である。左右とは装置を前側から見て左または右である。左右方向とは、右から左に向かう方向(左方向)と、その逆の方向(右方向)である。
装置本体A内には、後側から前側にかけて、プロセスカートリッジが複数個並列して配設されている(インライン構成、タンデム型)。本例の画像形成装置においては、第1から第4の4つのプロセスカートリッジPY・PM・PC・PKが水平方向(横方向)に並べて配設されている。
各カートリッジPY・PM・PC・PKは、収容させた現像剤の色が異なるだけで、互いに同様の構成のものである。本実施例の各カートリッジは、それぞれ、電子写真感光体ドラム1と、このドラムに作用するプロセス手段としての帯電手段2・現像手段3・クリーニング手段4をカートリッジ枠体5内に一体的に組み付けられている。帯電手段2として帯電ローラが用いられている。現像手段3として現像ローラ3aが用いられている。また、現像剤容器3b内には現像剤が収容されている。クリーニング手段4としてクリーニングブレードが用いられている。
第1のカートリッジPYは、容器3b内にイエロー(Y)の現像剤を収容させてあり、ドラム1面にY色の現像剤像を形成する。第2のカートリッジPMは、容器3bにマゼンタ(M)の現像剤を収容させてあり、ドラム1面にM色の現像剤像を形成する。第3のカートリッジPCは、容器3bにシアン(C)の現像剤を収容させてあり、ドラム1面にC色の現像剤像を形成する。第4のカートリッジPKは、容器3bにブラック(K)の現像剤を収容させてあり、ドラム1面にK色の現像剤像を形成する。
カートリッジPY・PM・PC・PKの上方部には、レーザースキャナユニット11が配設されている。このスキャナユニット11は、外部ホスト装置(不図示)から入力する各色の画像情報に対応して変調したレーザー光Lを出力する。そして、レーザー光Lは、カートリッジ枠体5の上面に設けた露光窓6を通過して、各カートリッジのドラム面を走査露光する。
カートリッジPY・PM・PC・PKの下方部には、中間転写ベルトユニット12が配設されている。このベルトユニット12は、可撓性を有するエンドレスベルト13と、このベルト13を懸回張設して循環移動させる駆動ローラ14・ターンローラ15・テンションローラ16と、を有する。駆動ローラ14とテンションローラ16は装置本体A内の後側に配設されている。ターンローラ15は装置本体A内の前側に配設されている。各カートリッジの有するドラム1は、その下面が、ベルト13の上行側ベルト部分の上面に接している。ベルト13の内側には、上行側ベルト部分を介して各カートリッジのドラム1に対向させて4個の一次転写ローラ17が配設されている。駆動ローラ14には、ベルト13を介して二次転写ローラ22が当接されている。
ベルトユニット12の下方部には、給送ユニット18が配設されている。このユニット18は、トレイ19、給出ローラ20、分離パッド21等を有する。トレイ19には記録媒体である用紙Pが積載して収容されている。このトレイ19は装置前側から出し入れ自由である(フロントローデング)。
装置本体A内の後側の上部には、定着装置23と、排出ローラ対24が配設されている。装置本体Aの上面は排出トレイ25にされている。定着装置23は定着フィルムアセンブリ23aと加圧ローラ23bを有するものが用いられている。ローラ対24はローラ24aとコロ24bとのローラ対である。
各カートリッジPY・PM・PC・PKは、装置本体Aの内側の装着位置(画像形成位置、潜像形成位置)に位置している状態では、次のとおりである。即ち、各カートリッジPY・PM・PC・PKは、押圧部材(後述する)により押圧されて所定の位置決め部に位置決めされた状態である。また、各カートリッジの駆動入力部に対して装置本体側の駆動出力部が結合している。また、各カートリッジの電気接点に対して装置本体側の給電系統が導通化している。
フルカラー画像を形成するための動作は次のとおりである。
第1〜第4の各カートリッジPY・PM・PC・PKのドラム1が矢印の反時計方向に所定の制御速度で回転駆動される。ベルト13も矢印の時計方向(ドラム回転に順方向)にドラム1の速度に対応した速度で回転駆動される。スキャナユニット11も駆動される。この駆動に同期して、各カートリッジにおいて、それぞれ所定の制御タイミングで帯電ローラ2がドラム1の表面を所定の極性・電位に一様に帯電する。スキャナユニット11は各ドラム1の帯電された表面を各色の画像信号に応じて変調されたレーザー光Lで走査露光する。これにより、各ドラム1の表面に対応色の画像信号に応じた静電潜像が形成される。形成された静電潜像が現像ローラ3aにより現像剤像として現像される。
上記のような電子写真画像形成プロセス動作により、第1のカートリッジPYのドラム1にはフルカラー画像のイエロー成分に対応するY色現像剤像が形成される。そして、その現像剤像がベルト13上に一次転写される。
第2のカートリッジPMのドラム1にはフルカラー画像のマゼンタ成分に対応するM色の現像剤像が形成される。そして、その現像剤像が、ベルト13上にすでに転写されているY色の現像剤像に重畳されて一次転写される。
第3のカートリッジPCのドラム1にはフルカラー画像のシアン成分に対応するC色の現像剤像が形成される。そして、その現像剤像が、ベルト13上にすでに転写されているY色+M色の現像剤像に重畳されて一次転写される。
第4のカートリッジPCのドラム1にはフルカラー画像のブラック成分に対応するK色の現像剤像が形成される。そして、その現像剤像が、ベルト13上にすでに転写されているY色+M色+C色の現像剤像に重畳されて一次転写される。
かくして、ベルト13上にY色+M色+C色+K色の4色フルカラーの未定着現像剤像が合成形成される。
各カートリッジにおいて、ベルト13に対する現像剤像の一次転写後のドラム1面に残留した転写残現像剤はクリーニング手段4により除去される。
一方、所定の制御タイミングで給出ローラ20が駆動される。これにより、ローラ20と分離パッド21との協働で、トレイ19上に積載されている記録媒体(用紙、OHPシート等)Pが1枚分離給送される。そして、記録媒体Pは、二次転写ローラ22とベルト13とのニップ部(二次転写ニップ部)に導入される。これにより、記録媒体Pが該ニップ部を挟持搬送されていく過程でベルト13上の4色重畳の現像剤像が用紙Pの面に順次に一括転写される。
記録媒体Pは、ベルト13の面から分離されて定着装置23へ導入され、定着ニップ部で加熱・加圧される。これにより、各色現像剤像の混色及び記録媒体Pへの定着がなされる。そして記録媒体Pは、定着装置23を出て、フルカラー画像形成物として排出ローラ対24でトレイ25上に排出される。
記録媒体分離後のベルト13の表面に残留した二次転写残現像剤は、本実施例の場合は、例えば第1のプロセスカートリッジPYの一次転写部においてドラム1の表面に静電的に付着し、クリーニング手段4にて除去される。
(カートリッジ交換方式)
第1〜第4の各カートリッジPY・PM・PC・PKは、画像形成に使用されるにつれて、それぞれ、現像手段3に収容されている現像剤が消費される。
そこで、例えば、個々のカートリッジの現像剤残量を検知する手段(不図示)を具備させて、制御部(不図示)において、検知残量値を、予め設定したカートリッジ寿命予告や寿命警告のための閾値と比較させる。そして、検知残量値が閾値よりも少ない残量値となったカートリッジについては、表示部(不図示)に、そのカートリッジについての寿命予告あるいは寿命警告を表示させる。これにより使用者に、交換用のカートリッジの準備を促す、あるいはカートリッジの交換を促して、出力画像の品質を維持するようにしている。
本実施例の画像形成装置において、カートリッジの交換は、ユーザビリティ向上のために、カートリッジをカートリッジトレイ(移動部材)35に乗せ、フロントアクセスにより交換する方式である。
カートリッジトレイ35は、複数個並列して設けられた支持部を有し、それらの支持部にカートリッジが複数個並列して支持される。
本実施例では、カートリッジトレイ35は、4つの支持部35Y・35M・35C・35K(図9A)を有し、それらの支持部35Y・35M・35C・35Kに第1から第4の4つのカートリッジPY・PM・PC・PKが並列して支持される。カートリッジトレイ35は、支持したカートリッジの有するドラム1の長手方向と交差する方向へ移動可能であって、装置本体Aの内側の装着位置と装置本体の外側との間を移動可能である。
カートリッジトレイ35が装置本体Aの最も外側に引出された際には、全てのカートリッジが装置本体Aの外側に出る。従って、使用者は、引出したトレイに対するカートリッジの交換作業が行い易い。
すなわち、画像形成装置の前面側には、装置本体A内へカートリッジを挿入させる、及び、装置本体からカートリッジを取り出すために、カートリッジを通過させる開口部30(図2)を設けてある。
そして、この開口30を閉じる閉鎖位置と、開口30を開放する開放位置と、の間を移動可能な開閉部材としてのドア31を設けてある。
本実施例においては、このドア31は、ドア下辺側の横軸(ヒンジ軸)32を中心に装置本体Aに対して開閉回動可能である。すなわち、ドア31は、ヒンジ軸32を中心に立て起こし方向に回動して、装置本体Aに対して閉じ込んだ状態にすることができる(図1・図2)。このドア31の閉じにより開口30が閉鎖される。また、ヒンジ軸32を中心に装置本体Aの手前側に倒し回動して、装置本体Aから開いた状態にすることができる(図3・図4)。これにより、装置本体前面の開口30が大きく開放される。31aはドア31に設けた取手部である。
また、装置本体Aの骨格となるメインフレームの左フレーム81L(図17)の内側と右フレーム81Rの内側には対向させて、前後方向を長手とする左右一対のトレイ保持部材(移動手段)34L・34Rが配設されている。そして、この保持部材34L・34Rの間には、カートリッジトレイ(移動部材、引出し)35を、前後方向に水平にスライド移動可能に保持してある。カートリッジPY・PM・PC・PKはこのトレイ35の支持部35Y・35M・35C・35Kに支持されている。したがって、トレイ35は、装置本体Aの載置面に対して、水平方向へ移動可能である。
そして、ドア31の開き回動に連動して、保持部材34L・34Rが、後述するように、前方向と上方に所定量移動する。これにより、保持部材34L・34Rはその前側部が、開口30から装置本体外方に所定量突出した位置に引出される(図3・図4)。ドア31と保持部材34L・34Rの連動機構は後述する。
また、保持部材34L・34Rの移動に連動して、各カートリッジPY・PM・PC・PKの駆動入力部に対する装置本体側の駆動出力部の結合が解除された状態になる(駆動解除)。各カートリッジを位置決め固定している押圧部材の押圧が解除される(押圧解除)。各カートリッジの電気接点に対する装置本体側の給電系統の導通が解除される(給電解除)。また、トレイ35の位置決め固定が解除される。
そこで、使用者が、開口30から露呈している取手部35aをつかんでトレイ35を保持部材34L・34Rに対して前方向に水平にスライド移動させる。そして、トレイ35を開口30から装置本体の外側の所定の引出し位置まで十分に引出す(図5・図6)。
これにより、トレイ35に保持されている第1〜第4の4つカートリッジPY・PM・PC・PKの全体が開口30を通過して装置本体Aの外側に露出する。そして、全カートリッジの上面が開放される。トレイ35は、所定の十分量引出されると、ストッパー部分(不図示)によりそれ以上の引出し方向への移動が阻止される。また、トレイ35は、所定の引出し位置まで水平に引出されている状態が保持部材34L・34Rにより安定に保たれる。
トレイ35は、個々のカートリッジを真上に取り出し可能に支持している。また、トレイ35は、個々のカートリッジを真下に向かって移動させることによって支持する。そこで、使用者は、交換すべき使用済みのカートリッジを、図6の2点鎖線示のように、トレイ35から上方に持ち上げて抜き外す。そして、使用者は、新しいカートリッジをトレイ35に対して上から嵌め入れて乗せる。
上記において、トレイ35が、カートリッジが有するドラム1の長手方向(軸線方向)とは交差する方向に移動可能であって、装置本体Aの内側と外側との間を移動可能に設けられた移動部材である。また、該トレイ35が、前記開口30を通過してカートリッジを装置本体Aの外側において着脱出来る引出し位置と、カートリッジを装置本体Aの内側に装着するための装着位置と、ドラム1に静電潜像を形成できる潜像形成位置と、を取り得る移動部材である。
本実施例においては、トレイ35は、装置本体Aの外側から内側へ移動する移動方向において、上流側から下流側へ、それぞれ、K色、C色、M色、Y色の現像剤を収納しているカートリッジPK、PC、PM、及びPYをこの順番に並べて支持している。このように本実施例によれば、現像剤の消費が多い、即ち交換頻度の高いカートリッジPKが一番手前側に配置されている。従って、トレイ35を外側へ少し引出せば、カートリッジPKを装置本体Aの外側へ露出させることができる。よって、カートリッジPKの交換操作性を向上させることができた。
また、左右の保持部材34L・34Rが、トレイ35をカートリッジを着脱出来る引出し位置に移動する前に、トレイ35を装着位置から上方向に移動させる、および、装着位置へ向かって下方向に移動させる移動手段である。別の言い方をすれば、保持部材34L・34Rは、トレイ35を支持する支持部材であって、トレイ35を前記引出し位置と前記装着位置との間で移動させるための第一の位置と、トレイ35を前記潜像形成位置に位置させるための第二の位置とを取り得る。そして、ドア31が閉じるのに連動して、保持部材34L・34Rは、前記第一の位置から前記第二の位置に移動する。
図7と図8は、カートリッジの外観斜視図である。図7は駆動側から見た斜視図、図8は非駆動側から見た斜視図である。
カートリッジは、ドラム1の軸線方向を左右方向とし、この左右方向を長手とする横長箱型のアセンブリである。ドラム1は合成樹脂製のカートリッジ枠体5の右側面部と左側面部に配設した軸受部51・52間に回転可能に支持させて配設されている。右軸受部51にはドラム駆動入力部としてのカップリング嵌合部53を具備させてある。また、右側面部には、現像ローラ3aを駆動するための現像駆動入力部としてのカップリング嵌合部54を具備させてある。左側面部には、カートリッジ側電気接点55が配設されている。カートリッジ側電気接点55はカートリッジ1本あたり、帯電ローラ2、現像ローラ3a、現像剤供給部材(不図示)、現像剤規制部材(不図示)の4ヶ所で電気的に接続される。カートリッジ側電気接点55の内、aは現像ローラ3aと電気的に接続しており、装置本体Aから現像ローラ3aに供給する現像バイスを受ける。bは現像剤規制部材(不図示)と電気的に接続しており、装置本体Aから現像剤規制部材(不図示)に供給する規制部材バイアスを受ける。cは帯電ローラ2と電気的に接続しており、装置本体Aから帯電ローラ2に供給する帯電バイスを受ける。dは現像剤供給部材(不図示)と電気的に接続しており、装置本体Aから現像剤供給部材(不図示)に供給する供給部材バイアスを受ける。
尚、前記3つの接点a、b、cが、感光体ドラム1の長手方向の一端側の端面から露出して設けられている。これに対して、dは、トレイ35が装置本体の外側から内側へ移動する方向の先端に露出して配置されている。
上記のカートリッジにおいて、カップリング嵌合部53・54を具備させた右側面部が駆動側であり、その反対側の左側面部が非駆動側である。
図9Aはトレイ35の外観斜視図である。このトレイ35は、絶縁性の樹脂製であり、前後左右の4つの枠部35b・35c・35d・35eを結合させて矩形の大枠部を構成させている。その大枠部内を3枚の仕切り板35fで前後方向に略等分に4つに仕切っている。そして、後枠部分35c側から前枠部分35b側へ順に、第1〜第4の横長の小枠部35(1)〜35(4)を設けている。その各小枠部35(1)〜35(4)がカートリッジを支持する支持部35Y・35M・35C・35Kであり、それぞれ、カートリッジPY・PM・PC・PKの一つを収容する第一カートリッジ収容部(カートリッジを収容する部屋)である。また、各カートリッジ収容部35(1)〜35(4)の右枠部35eには、それぞれ、現像駆動カップリングが出入りする孔部35gを配設してある。
尚、200(図2・図4・図6)は、装置本体Aに設けられた第二カートリッジ収容部(カートリッジを収容する部屋、収容位置、装着位置)である。カートリッジ収容部200に収容された各カートリッジは、ドラム駆動カップリング39と現像駆動カップリング40を介して、装置本体Aから駆動力を受ける。また、カートリッジ収容部200に収容された各カートリッジは、装置本体Aと電気的に接続される。
トレイ35は、カートリッジが有する電気接点55(カートリッジ側電気接点)(図8)に電気的に接続する中間電気接点(電気接点部)72a〜72d(図21)を有している。この電気接点72a〜72dは装置本体に設けられた本体側導電部材電気接点75a〜75d(図21・図22)と電気的に接続することが可能である。これについては後述する。尚、電気接点72a〜72d及び電気接点75a〜75dにおいて、a、b、c、dは各々接続する。そして、aは現像ローラ3aに現像バイアスを供給するものである。bは現像剤規制部材(不図示)に規制部材バイアスを供給するものである。cは帯電ローラ2に帯電バイスを供給するものである。また、dは現像剤供給部材(不図示)に供給する供給部材バイアスを供給するものである(図8、図21)。尚、電気接点72a〜72dは、各支持部35Y・35M・35C・35Kに応じて設けられている。
各カートリッジは、トレイ35の対応する小枠部(支持部35Y・35M・35C・35K)内に上から挿入され、左右側の庇部56の下面がトレイ35の左右枠部35d・35eの上面に受け止められる。これによって、各カートリッジは、トレイ35に乗って支持される。すなわち、トレイ35は、各カートリッジを真上に取り出し可能に支持しており、各カートリッジを真下に向かって移動させることによって支持する。トレイ35は各カートリッジをそれぞれラフに支持している。この構成により、使用者が、プロセスカートリッジの交換を容易にすることができる。
トレイ35の左右枠部35d・35eがそれぞれ左右の保持部材34L・34Rの内側に設けたガイド溝部34a(図6・図10・図21)に嵌入して係合している。これにより、トレイ35は、左右の保持部材34L・34R間に支持される。そして、トレイ35は、ガイド溝部34aを滑走して保持部材に対して前後方向に水平にスライド移動可能である。
図5・図6のように、トレイ35を引出し位置に引出して、トレイ35に支持されているカートリッジのうち交換すべきカートリッジについて交換する。そして交換が終了したら、トレイ35を逆に十分に押し込み移動させて装置本体内部に収納する。即ち、図3・図4の引出し前の状態に戻す。そして、使用者は、開かれているドア31を、図1・図2のように、閉じ込む。
このドア31の閉じ回動に連動して、保持部材34L・34Rが後方向と下方に所定量移動する。これによって、各カートリッジは装置本体の収容位置に位置する。そして、保持部材34L・34Rの移動に連動して、各カートリッジは押圧部材により押圧されて所定の位置決め部に固定された状態に保持される。そして、各カートリッジのドラム1の下面がベルト13に所定の位置に接触する。そのカートリッジの駆動入力部に対して装置本体側の駆動出力部が結合する。そのカートリッジの電気接点に対して装置本体側の給電系統が導通化する。即ち、トレイ35の下降に連動して各カートリッジが下降する行程で前記電気接点72a〜72dと電気接点(本体側導電部材電気接点)75a〜75dとが接続する。そして、前記電気接点72a〜72dを介して、電気接点75a〜75dとカートリッジ側電気接点55とが電気的に接続する。
(ドア31と保持部材34L・34Rの連動機構)
図10は、ドア31と保持部材34L・34Rの連動機構部分の斜視図である。ドア31のヒンジ軸32は、装置本体Aに対して左右方向に水平に配列されている。またヒンジ軸32は、その左右両端部を装置本体Aのメインフレームの左右フレーム80L・80R(図17)間に回転可能に軸受させて保持させている。ドア31はこのヒンジ軸32に対して一体に結合させてある。したがって、ドア31の開閉回動と一緒にヒンジ軸32も回動する。このヒンジ軸32の左右両端部には、それぞれ、連結アーム37L・37Rを同じ位相でヒンジ軸32に対して一体に結合させて配設してある。連結アーム37L・37Rにはそれぞれ横向き軸37aを具備させてある。そして、左側の連結アーム37Lの軸37aは左側の保持部材34Lの前側下部に具備させた縦長孔34bに嵌入して係合させてある。また、右側の連結アーム37Rの軸37aは右側の保持部材34Rの前側下部に具備させた縦長孔34bに嵌入して係合させてある。
このように、ヒンジ軸32と保持部材34L・34Rは、連結アーム37L・37R、軸37a、縦長孔34bを介して連結してある。これにより、ドア31が開閉されると、左右の保持部材34L・34Rには前後方向への移動力が作用する。
左右の保持部材34L・34Rは、それぞれ、前後に間隔を開けて植設した2本のピン軸34c(図11・図12)を、装置本体のメインフレームの左右フレーム80L・80Rのそれぞれに設けたカイド穴36に係合させてある。このピン軸34cとカイド穴36の係合により、保持部材34L・34Rはそれぞれ左右フレーム80L・80Rに支持される。
図11は、左側の保持部材34Lについての2本のピン軸34cとカイド穴36を示している。右側の保持部材34Rについては不図示であるけれども、左側の保持部材34Lと同様であり、そのピン軸34cとカイド穴36は左側の保持部材34Lと対称に構成されている。
従って、左右の保持部材34L・34Rは、それぞれ、カイド穴36のガイド範囲において左フレーム80Lと右フレーム80Rに対して移動する自由度がある。
図12はカイド穴36部分の拡大図である。何れのガイド穴36も、前後方向で水平な第1ガイド領域36aと、この第1ガイド領域36aのピン軸前進方向に連設した、昇り傾斜の第2ガイド領域36bを有している。また、第2ガイド領域36bの頂上部に連設した、ピン軸34cを受け止めて安定に支持する第3ガイド領域36cと、を有している。
ピン軸34c、即ち左右の保持部材34L・34Rは、ドア31の開き回動に連動して、第1ガイド領域36aにより水平方向に距離a1を移動した後、第2ガイド領域36bにより斜め上方に(水平方向に距離a2、垂直方向に距離b)移動する。そして、最後に第3ガイド領域36cにより水平方向に距離a3を移動する。
図11の(a)は、ドア31が装置本体に対して完全に閉められている状態時を示している。この状態時においては、左右の保持部材34L・34Rは、ヒンジ軸32、連結アーム37L・37R、軸37a、縦長孔34bを介して装置本体内の後方向へ移動されている。ピン軸34cはカイド穴36の第1ガイド領域36aの後端部に位置している。そのために、左右の保持部材34L・34Rは、それぞれ、左フレーム80Lと右フレーム80Rとに対して所定の下げ位置(前記第二の位置)に保持されている。従って、保持部材34L・34Rに保持させてあるトレイ35も所定の下げ位置(前記潜像形成位置)に保持されている。
トレイ35に保持されている各カートリッジPY・PM・PC・PKは、それぞれ左右側の上面部分が押圧部材により押圧されている。これにより、駆動側の軸受部51と非駆動側の軸受部52との下面部分(被位置決め部)が、装置本体Aのステー部材(内側板)に設けられた位置決め部41(図14〜16、図24)に固定される。これによって、各カートリッジが装置本体Aに対して装着位置に位置決めされる。この状態において、各カートリッジのドラム下面がベルトユニット12の上行側ベルト部分の上面に対して所定に安定に接している。
各カートリッジのカップリング嵌合部53・54(図7)には、それぞれ、装置本体側のドラム駆動カップリングと現像駆動カップリングが嵌入している状態にある。
各カートリッジの電気接点55(図8)に対しては、それぞれ、電気接点72a〜72dを介して装置本体側から給電を行うことが可能な状態にある。
トレイ35は、このトレイ35に設けた突起部67が装置本体側の不動部材である中間転写ベルト保持部材68に設けた穴69に入って位置決めされている(図11の(a)、図13)。
図11の(b)は、ドア31を途中まで開いた状態時を示している。図11の(a)のドア閉じ状態からドア31が開かれていくと、これに連動して、左右の保持部材34L・34Rは装置本体内を前方向に引かれる。これにより、保持部材34L・34Rは、ピン軸34cが、カイド穴36の第1ガイド領域36aでガイドされて、先ず水平方向に距離a1を前方向に移動する。図11の(b)はこの状態時を示している。この保持部材34L・34Rの距離a1の移動過程において、各カートリッジに対するドラム駆動カップリングと、現像駆動カップリングが解除される。また各カートリッジの押圧部材による押圧位置決めも解除される。このとき、トレイ35が保持部材34L・34Rの動きに追従しないように、トレイに設けた下向きの突起部67の下端部が装置本体側の不動部材68に設けた穴69に入っていて位置決めされている。
ドア31の引続く開き回動に連動して、保持部材34L・34Rは更に装置本体内を前方向に引かれる。これにより、保持部材34L・34Rは、ピン軸34cがカイド穴36の第2ガイド領域36bでガイドされて、斜め上方に移動していく。この保持部材34L・34Rの斜め上方への移動過程において、各カートリッジの電気接点55と装置本体側との電気的接続が解除される。即ち、電気接点72a〜72dと電気接点75a〜75dとが離れる。これによって両者の電気的接続が解除される。
ここで、図13のように、突起部67の穴69に対する進入量をXとする。また、トレイ35を保持している保持部材34L・34Rの上記の斜め上方移動にともなう上昇量をYとする。保持部材34L・34Rが斜め上方に移動する際、トレイ35の突起部67が穴69に係合している間(X>Y)は、突起部67は保持部材34L・34Rの垂直方向の移動にのみ追従する。そして、保持部材34L・34Rがある程度持ち上がった状態(X≦Y)で、突起部67が穴69から抜ける。このように構成することで、トレイ35に支持されている各カートリッジPY・PM・PC・PKのドラム1の下面がベルト13に接している状態ではトレイ35が水平方向に移動することはない。したがって、ドラム1とベルト13のこすれによって生じるキズ、メモリを防止することができる。
図11の(c)は、ドア31が完全に開かれた状態時を示している。この状態時においては、保持部材34L・34Rは第2ガイド領域36bによる斜め上方移動を終える。そして、ピン軸34cが水平の第3ガイド領域36cに位置している。即ち、保持部材34L・34Rは斜め上方に移動に移動した後に水平方向に移動する。これは、その後、保持部材34L・34Rからトレイ35を引出してカートリッジを交換する際に、カートリッジや保持部材の高さ方向の位置を安定させるためである。また、保持部材が元に戻ろうとする動きを防止するためである。
図11の(c)の状態においては、突起部67が穴69から抜けており、トレイ35の位置決め状態が解除されている。したがって、トレイ35は保持部材34L・34Rに対して前後方向に水平にスライド移動操作自由である。
上記において、突起部67と穴69が、移動部材であるトレイ35が装置本体A内の装着位置において、カートリッジが有するドラム1とベルト13が接触する方向と交差する方向に移動しないように規制する移動規制手段である。そして、この移動規制手段67・69によるトレイ35の移動規制は、移動手段である左右の保持部材34L・34Rのドラム1とベルト13が接触する方向成分の移動にならって、トレイ35が追従した後、解除される。
移動手段である左右の保持部材34L・34Rは、第1ガイド領域36aに案内されて、カートリッジが有するドラム1とベルト13が接触する方向と交差する方向に移動する(第1移動)。前記第1移動は直線的な移動である。そして、保持部材34L・34Rは、その後、第2ガイド領域36bに案内されて、ドラム1とベルト13が接触する方向と、その接触する方向と交差する方向、の2つの方向成分を有する斜め方向に移動する(第2移動)。前記第2移動は、下降する移動である。そして、保持部材34L・34Rは、その後、ドラム1とベルト13が接触する方向と交差する方向に移動する(第3移動)。
そして、保持部材34L・34Rは、上記の第1移動において、カートリッジの駆動の切断を行い、ドラム1とベルト13が接触する方向成分の移動にならって、トレイ35が追従した後、前記移動規制手段67・69が解除される。尚、トレイ35は、保持部材34L・34Rが前記第1移動乃至第3移動を行うのに連動して、直線的な移動及びその後下降する移動を行う。
このように、ユーザビリティ向上のためカートリッジを移動部材(トレイ)に乗せ、カートリッジを交換し、かつ、移動部材を移動手段(トレイ保持部材)の垂直方向成分の移動に伴い上下動する。これにより、コストと本体サイズをアップすることなく、電気接点72a〜72dと電気接点75a〜75dとの接離を円滑に行うことができる。又、更に、ベルトとカートリッジこすれによるキズ、メモリの発生を防止した、引出し方式によるプロセスカートリッジ交換構成を設けた画像形成装置を提供することができる。
(カートリッジと装置本体との駆動力接続部)
図14から図16は、保持部材34L・34Rに連動して解除するカートリッジ周囲の駆動力接続部を説明する図である。
図14は、カートリッジがない状態で、図1・図2のドア31が閉まっている状態を示す図である。図15は、図5・図6のドア31を開き、トレイ35を引出した状態を示す図である。
装置本体A内の右側には、各カートリッジのドラム1や現像ローラ3aを回転駆動するために、カートリッジ側の駆動入力部53・54(図7)と連結する駆動出力部としての、ドラム駆動カップリング39と現像駆動カップリング40が設けられている。
また、装置本体A内の右側と左側の両側には、それぞれ、各カートリッジの駆動側の軸受部51と非駆動側の軸受部52の下面部分を受け止める位置決め部41が装置本体Aの左右のステー部材81L・81R(図24)に設けられている。
そして、装置本体A内の右側と左側の両側には、駆動側の軸受部51と非駆動側の軸受部52を上記の位置決め部41に嵌合させて固定するために、カートリッジの左右側の上面をそれぞれ押圧する押圧部材42が設けられている。押圧部材42には、押圧バネ43が押圧力発生のため設けられている。
図16の(a)は、図14の押圧部材42と、ドラム駆動カップリング39と、現像駆動カップリング40部分の拡大図であり、(b)は、図15の押圧部材42と、ドラム駆動カップリング39と、現像駆動カップリング40部分の拡大図である。
押圧部材42は、支点44を中心に回動可能に装置本体Aに設けられており、押圧バネ43のバネ力によりカートリッジの左右側端部上面を押圧部材レバー部45で押圧している。図16の(b)の押圧解除状態では、保持部材34Rに設けられた押圧部材押し上げ部46により、押圧部材レバー部45が押し上げられる。そして、カートリッジへの押圧が、保持部材34Rの動きに連動して解除される。
また、解除レバーピン47が、ドラム駆動カップリング39を後退動させるためにカップリング中心に設けられた解除レバー48(カートリッジの駆動を切断する駆動切断手段)に設けられている。そして、保持部材34Rの動きに連動して、解除レバーピン47が、図16の(a)の位置から(b)の位置に動く。これによる解除レバー48の動作で、(b)の位置にドラム駆動カップリング39と、現像駆動カップリング40が後退動する。すなわち、各カートリッジに対するドラム駆動カップリングと、現像駆動カップリングが解除される。
図15の状態、すなわち、ドラム駆動カップリング39と、現像駆動カップリング40と、押圧部材42が保持部材34R・34Lの動きに連動して解除された状態においては、トレイ35は、自由にスライド可能になる。したがって、トレイ35はカートリッジを乗せて装置本体へ収納・引出しが行える状態になる。
前記のように、左右の保持部材34R・34Lはドア31の開閉動作に連動して動作する。この場合、ドア31の開閉力を緩和するために、上記の押圧と駆動のそれぞれの解除タイミングを少しずつ異なるタイミングにする構成にするとよい。
すなわち、ドラム駆動カップリング39と、現像駆動カップリング40と、押圧部材42の解除タイミングを少しずつ異なるタイミングにする。具体的には、解除レバーピン47、押圧部材押し上げ部46の位置を移動して駆動、押圧の解除タイミングと、さらに、各スカートリッジ間でのそれぞれの駆動、押圧の解除タイミングを少しずつ違えることにより、ドア31に掛かる負荷を分散する。これにより、ピークで掛かる力を減らし、使用者がドア31を操作する際の操作力を軽減することが可能となる。
上記のように、保持部材34R・34Lの移動によって、駆動手段(カップリング39・40)の退避、トレイの上下動を行うことで、機構の集約ができ本体サイズをコンパクトにすることができる。
(トレイ位置規制手段)
図17は、ドア31を開けて保持部材34R・34Lおよびトレイ35が押し上げられた状態で、トレイ35が装置本体に完全に収納されていない状態を示す図である。図18は、トレイ35を装置本体内の装着位置まで完全に収納した状態を示す図である。図19は装置本体左後方に配設した位置規制手段の動作説明図である。
トレイ35が十分には押し込まれていない図17の状態においては、ドア31の閉じ回動に連動して保持部材34Rが後退移動する時、保持部材34Rの後端部が、図19の(a)のように、ストッパー70(第1規制部材)に突き当たる。そのため、ドア31を閉めて保持部材34Rを装置本体後方下側へ押し下げることができない。これに対し、トレイ35を十分に押し込んだ図18の状態においては、図19の(b)のように、十分に押し込まれたトレイ35(第1規制部材の規制を解除する第1解除部材)の後端がストッパー70に当たる。これにより、トレイ35がストッパー70をばね71の付勢力に抗して逃がし位置に移動させる。したがって、この場合には、ドア31の閉じ回動に連動して保持部材34Rが後退移動する時、保持部材34Rの後端部がストッパー70に干渉しない。そのため、保持部材56は、図19の(c)のように、矢印に示した後方向に移動可能となり、ドア31を閉めてトレイ保持部材34R・34Lおよびトレイ35を押し下げることができる。
即ち、第1規制部材であるストッパー70は、トレイ35が装置本体A内の装着位置から外れた位置に位置する際に、開閉部材であるドア31が開放位置から閉鎖位置へ向かって移動するのを規制する。そして、第1解除部材としてのトレイ35は、該トレイ35が装置本体A内の装着位置に位置した際に、上記ストッパー70の規制を解除する。トレイ35によってストッパー70の規制を解除することによって、ドア31が開放位置から閉鎖位置へ向かって移動するのを許容する。
本実施例においては、フロントアクセスでカートリッジを容易に交換することが可能になる。カートリッジを引出しトレイに乗せ交換する方式を持ち、本体装着時に本体部品で、カートリッジの位置決めをし、トレイ35(引出し)はカートリッジをラフに保持し、引出し位置と、前記本体内の装着位置へ移動するのみにした。これにより、使用者は、トレイ引出し位置で、位置決めを気にすることなく、カートリッジを重力方向真下に向けて引出しにセットする。その後、トレイ35を各カートリッジが装置本体Aに設けられた装着位置(第二カートリッジ収容部200)に位置するようにに押し込む。そして、本体前面のドアを閉める。これによって、確実にカートリッジを装着位置(位置決め位置)に位置決めすることが出来る。これにより、使用者の操作が簡単で、カートリッジの位置決め精度を確保することが可能なカラー画像形成装置を提供することができる。
また、ドア半開きの状態等で、しかし、トレイ35に連動し、前面のドアの動きを規制する部材や、ドアの開閉でトレイ35の動きを規制する部材を設けている。これによって、完全にドアを開かないとトレイ35が動作しない様にすることができる。また、トレイ35を完全に収納しないと、ドアが閉まらない様に規制することが出来る。よって、使用者の誤操作を防止することが可能になる。即ち、トレイ35が完全に持ち上がっていない状態で、トレイ35を操作することがなく、ドラム1がベルトに擦れることがない。
ここで、前述した突起67と穴69(図11・図13)は、上記のトレイ35のストッパー70を用いない際の代わりとして用いることができる。図17、図18、図20を用いてこれを詳しく説明する。
トレイ35が十分には押し込まれていない図17の状態においては、トレイ35に設けられた突起部67が、不動部材である中間転写ベルト保持部材68に開けられた穴69の位置と合っていない。この状態で、ドア31を閉めようとすると、連結アーム37R・37Rを介して保持部材34R・34Lが押し下げられる。また、トレイ35も押し下げられる。この際に、突起部67が中間転写ベルト保持部材68に突き当たる。このため、ドア31を閉めることができない。
これに対し、トレイ35を十分に押し込んだ図18の状態では、トレイ35が押し下げられた際に、図20の(b)と(c)のように、突起部67が穴69に入る。そのため、ドア31を閉めて保持部材34R・34Lおよびトレイ35を押し下げることができる。
これにより、装置本体Aの水平方向において、トレイ35が装置本体A内の装着位置に位置する場合にのみトレイ35が押し下げられ、各カートリッジは確実に位置決め部41(装着位置)に位置決めされる。
図17・図18では、トレイ35の突起部67および中間転写ベルト保持部材68の穴69を同形状で2箇所設けている。しかし、突起部67および穴68の個数および形状は図17・図18・図20に示した通りでなくてもよい。複数の突起部および穴を設けた際に、各々の形状が一致していなくてもよい。また、突起部67と穴69のはめあい関係も図17・図18・図20に示した通りでなくてもよい。また、穴69は中間転写ベルト保持部材上になくてもよい。
(給電構成)
図21から図23は、装置本体から各カートリッジに給電を行う方法を説明する図である。
図21・図22は、ドア31を開け、トレイ35を引出した状態を表した図である。トレイ35には、導電性ばね材製の電気接点72a〜72dが装置本体Aの水平方向に沿って、及び、垂直方向に複数個並んで設けられている。各電気接点72は、図23に示すように、トレイ35の内側に位置する第一電気接点部αと、トレイ35の外側に位置する第二電気接点部βと、を有している。第一電気接点部αがカートリッジの有するカートリッジ側電気接点55と電気的に接続可能である。
トレイ35にカートリッジが支持された状態で、第一電気接点部αとカートリッジ側電気接点55は接触して、電気的に接続される。ここで、第一電気接点部αは弾性を有していて、トレイ35の各カートリッジ収容空間35(1)〜35(4)に僅かに進入している。従って、使用者が、カートリッジを前記カートリッジ収容空間35(1)〜35(4)に向かって落とし込む行程で、第一電気接点部αが撓んで、第一電気接点部αとカートリッジ側電気接点55は接触する。よって、第一電気接点部αとカートリッジ側電気接点55は円滑に接続する。
装置本体の内側には、電気接点(本体側導電部材電気接点)75a〜75dがトレイ35の移動経路に沿って設けられている。即ち、装置本体のメインフレームには、左フレーム80Lの外側に設けられた本体側給電部74と電気的に接続された導電性ばね材製の電気接点75a〜75dが装置本体の水平方向に沿って及び垂直方向に同じ位置に複数個並んで設けられている。電気接点75a〜75dは、左フレーム80Lおよび左保持部材34Lに開けられた穴を通ってトレイ35側に飛び出している。電気接点72の第二電気接点部βがこの電気接点75と電気的に接続可能である。
図23の(a)と(b)は、トレイ35に設けられた電気接点(電気接点部)72と電気接点75の電気的接続と切断の様子を示したものである。すなわち、それぞれ、トレイ35、電気接点72、左保持部材34L、左フレーム80L、電気接点75、本体側電気接点ホルダ76、本体側給電部74を、装置本体正面から見た断面図の一部である。尚、電気接点72は、各支持部35Y・35M・35C・35Kに応じて設けられている。即ち、電気接点72は、支持部35Y・35M・35C・35K毎に設けられている。
図23の(a)は、ドア31が閉められた状態で、左保持部材34Lおよびトレイ35が下降した装着位置にいる状態を示している。このとき、電気接点75と電気接点72は電気的に接続されている。
図23の(b)は、ドア31が開けられた状態で、左保持部材34Lおよびトレイ35が装着位置から上昇した位置にいる状態を示している。このとき、電気接点75と電気接点72の第二電気接点部βは電気的に切断された状態になる。また、このとき、トレイ35は、電気接点75の左保持部材34Lからトレイ35側に飛び出した部分γと接触しないように装置本体前後方向にわたる空間(溝)77を有している。これにより、電気接点75と接触することなく、トレイ35を引出すことが可能である。
電気接点72の第二電気接点部βは、空間77の上方に配置されている。
上記の空間77は、トレイ35が装置本体を内側から外側に移動する際に、トレイ35が装置本体に配置されている電気接点75と接触しないように、トレイ35と電気接点75との間に設けられている。そして、トレイ35が装置本体の外側から内側へ直線的に移動した後に下降する行程で、電気接点72の第二電気接点部βと本体側電気接点75のトレイ35側に飛び出した先端部分(延出部)γとが電気的に接続する。
尚、電気接点75は上方に固定点δを有している。そして、トレイ35の前記外側から内側へ向かう直線的な移動によって、電気接点75はその延出した延出部γが、トレイ35の空間(溝)77内に進入する。そして、トレイ35の下降する行程で、延出部γが弾性的に撓んで、中間電気接点72の第二電気接点部βと接触する。
すなわち、装置本体は、トレイ35の電気接点72a〜72dの移動経路とは離れて配置されている電気接点75a〜75dを有している。そして、電気接点72a〜72dと電気接点75a〜75dは、保持部材34L・34Rによりトレイ35を装着位置から上方向に移動(上昇)させることによって接続が離れる。また、電気接点72a〜72dと電気接点75a〜75dは、保持部材34L・34Rによりトレイ35を装着位置へ向かって下方向に移動(下降)させることによって電気的に接続する。
本実施例においては、電気接点75として、ドラム1に帯電を行う帯電ローラ2に帯電バイアスを供給するための電気接点cと、ドラム1に形成された静電潜像を現像する現像ローラ3aに現像バイアスを供給するための電気接点aを有している。また、電気接点75として、現像剤供給部材(不図示)に供給バイアスを供給するための電気接点dと、現像剤規制部材(不図示)に規制バイアスを供給するための電気接点bを有している。そして、カートリッジ側電気接点として、本体側帯電バイアス接点cと接触する電気接点cと、本体側現像バイアス接点aと接触する電気接点aと、本体側供給バイアス接点dと接触する電気接点dと、本体側規制バイアス接点bと接触する電気接点bを有する。
電気接点75および電気接点72の形状、および、各電気的接続部における接触圧の方向は図21から図23に示した通りでなくてもよい。
上述した図21から図23では、各カートリッジの1箇所の被給電部に対して1つの本体電気接点ばねと1つの中間電気接点ばねを用いて給電を行う方法を示している。しかし、各カートリッジに複数の被給電部がある場合も同様に構成可能である。また、複数の被給電部の装置本体鉛直方向高さが異なる場合にも、本体電気接点ばねを高さ違いで複数配置し、トレイ35の本体電気接点ばねの高さに応じた位置に複数の溝を開けることで、同様に構成可能である。
以上説明したように、本実施例では、カートリッジを移動部材(トレイ)に乗せ、フロントアクセスにより、プロセスカートリッジの交換を行い、かつ、移動部材に中間電気接点を設けている。そして、移動部材の上下移動に伴い本体と電気接続を接離する。これによって、コストアップと本体サイズアップをすることなく、容易な引出し方式によるプロセスカートリッジの交換を実現した。
また、開口を開閉する部材に連動して移動部材が上下する。これによって、使用者が容易に想定できる操作でカートリッジの交換ができる。
また、電気接点を水平方向に沿って及び垂直方向に同じ位置に複数個並んで配置する。これによって、垂直方向のスペースを抑えることができ、本体サイズをコンパクトにできる。
トレイ35は、プロセスカートリッジを複数個支持した状態で、前記プロセスカートリッジの有する前記電子写真感光体ドラムの長手方向と交差する方向へ移動可能であって、装置本体Aの内側と外側との間を移動可能である。
また、電気接点75は、装置本体Aの内側に、トレイ35の移動経路に沿って設けられている。
また、電気接点72は、第一電気接点部α及び第二電気接点部βを有している。そして、第一電気接点部α及び第二電気接点部βは、トレイ35に設けられている。そして、第一電気接点部αはトレイ35の内側に位置しており、第二電気接点部βはトレイ35の外側に位置している。そして、第一電気接点部αがカートリッジ側電気接点55と電気的に接続する。また、第二電気接点部βが電気接点75と電気的に接続する。
また、トレイ35が装置本体Aの外側から内側へ移動する際に、トレイ35が装置本体Aに配置されている電気接点75と接触しないように、前記トレイ35と電気接点75との間に空間77が設けられている。本実施例では、空間77は、トレイ35の枠部35d(側板)の外側に、電気接点75と対向する位置に、トレイ35の移動方向に沿って配置されている凹部である。この凹部は、本体側電気接点75と対向する向きに開口を有している。また、本実施例では、空間77は、トレイ35の移動経路の下方に設けられた空間である。
トレイ35が装置本体Aの外側から内側へ直線的に移動した後に下降する行程で、第二電気接点部βと電気接点75とを電気的に接続する。
これによって、本実施例によれば、装置本体Aに対して直線的に移動可能なトレイ35に複数個のカートリッジを並べて支持させた場合であっても、カートリッジ側の電気接点55と装置本体側の電気接点75との電気的接続を確実に行うことができる。
因みに、トレイ35を装置本体Aの内側から外側へ移動する際には、前述した動作と反対の動作によって、第二電気接点部βと本体側電気接点75とが離れる。
更に、前述した実施例によれば、トレイ35の外側から内側への移動に応じて、電気接点75(a、b、c)の先端部分(延出部)γが空間(凹部)77内に進入する。そして、トレイ35が直線的に移動した後に下降する行程で、先端部分γが前記空間(凹部)77の上方に位置している第二電気接点部β(a、b、c)と弾性的に接触する(図23(a)(b))。
また、電気接点dは、電気接点75(d)の先端部分(延出部)γが、トレイ35の移動経路の下方に設けられた空間77に進入している。そして、が直線的に移動した後に下降する行程で、先端部分γが前記空間77の上面(トレイ35の底面近傍)に取り付けられている第二電気接点部β(d)と弾性的に接触する(不図示)。
これによって、前述した実施例によれば、プロセスカートリッジ側の電気接点55と装置本体側の電気接点75との電気的接続を行うに当たって、電気接点同士(aとa、bとb、cとc、dとd)が円滑に接続することを実現した。
尚、前述した実施例では、装置本体Aの設置面に対して水平方向に直線的に移動するトレイ35を説明した。しかしながら、本発明の移動部材は、これに限定されるものではない。例えば、装置本体Aの設置面に対して斜め上方へ、或いは、斜め下方へ直線的に移動する構成であっても良い。尚、この場合であっても、直線的に移動した後、下降する構成を有することは勿論である。
図9A〜図9Dは、本発明の特徴的な実施例の構成を示す。
本実施例では、複数のカートリッジに同一のバイアスをかける際の構成として、トレイ35に、各カートリッジに対して共通の共通導電部材78を設けている。この共通電極部材78は、トレイ35に、トレイの移動方向に沿って、及び、カートリッジの有するドラム1の長手方向において、並列して支持されるカートリッジの一端に位置するように設けられている。共通導電部材78は導電性の板金であり、絶縁性の樹脂製のトレイ35の移動方向と直交する一端側に配置されている。共通導電部材78である板金は、トレイ35の前記一端側の上面の縁にまたがって配置されている。本実施例では、この板金は、横断面が下向きコ字型のチャンネル部材であり、トレイ35の左枠部35dの上面の縁に嵌着させて配置されている。本実施例において、共通電極部材78である板金は、電気亜鉛メッキ鋼板(SECC)である。
トレイ35は絶縁性部材であり、共通電極部材78は導電性部材である。なお、トレイ35は導電性部材で構成されていてもよい。この場合は、このトレイに対する共通電極部材78やその他の電気接点の配設は絶縁性部材を介してなされる。
また、トレイ35には、トレイの各支持部35Y・35M・35C・35Kに支持される第1から第4のカートリッジPY・PM・PC・PKの有するカートリッジ側電気接点55と電気的に接続するように、各支持部に応じて設けられた電気接点部72を設ける。そして、それらの電気接点部72を共通導電部材78と電気的に接続させてある。
装置本体Aは、トレイ35が少なくとも装着位置に位置した状態で、装置本体から共通導電部材78に給電するために共通導電部材と電気的に接続する電気接点(接点ばね)75を有する。
そして、各カートリッジPY・PM・PC・PKが装置本体Aの収容位置に位置した状態で、電気接点75、共通導電部材78、及び、各電気接点部を介して、装置本体から各カートリッジの有するプロセス手段に給電を行う。電気接点75、共通導電部材78、及び、各電気接点部72を介して、装置本体Aから給電を受ける前記プロセス手段は、例えば、ドラム1に帯電を行う帯電ローラ2である。
このように構成することで、カートリッジ側の電気接点と装置本体側の電気接点の接続箇所を減らすことが可能であり、カートリッジ側の電気接点と装置本体側の電気接点との電気的接続を、部品を増やすことなく確実に行うことができる。
各カートリッジの現像ローラ3、現像剤規制部材、現像剤供給部材などに対する給電構成も、それぞれ、上記と同様に共通導電部材を用いた構成することが可能である。
電気接点75と共通導電部材78の接続・切断は、トレイ35の上下移動に伴いトレイ35側の共通導電部材78が電気接点75に対して上下移動することで行われる。
図9Dは、ドア31が閉められて、トレイ35が下降した装着位置に位置している状態を示している。このとき、電気接点(電気接点ばね)75に対して下降移動した共通導電部材78が接触していて電気的に接続された状態になっている。
即ち、共通導電部材78と電気接点75の接触は、トレイ35が装置本体の外側から内側へ直線的に移動した後に、装着位置へ下降する工程で行われる。
図9Dの状態において、ドア31が開かれると、トレイ35が図9Dの装着位置から上昇する。このトレイ35の上昇により、電気接点75から共通導電部材78が上昇して離れる。これにより、電気接点75と共通導電部材78は電気的の切断された状態になる。
本構成においては電気接点75が装置本体側に固定されたおり、トレイ35が下降する動作にあわせて、トレイ35側の共通導電部材78との電気的な接続が行なわれるが、この構成に限られるものではない。例えば、トレイ35の下降動作がない場合、ドア31と連動して動くトレイ保持部材34L・34R等により電気接点75が移動して共通導電部材78と電気的に接続する構成にしてもよい。
そしてまた、電気接点75と共通導電部材78を電気的に切断する際、トレイ35を装着位置(図9C・図9D)から上方向に移動(上昇)させることによって、共通導電部材78は電気接点75と電気的に切断する。この場合に、トレイ35の上昇移動が最上点(図9B)に到達する前に、トレイ35側の共通導電部材78が装置本体Aに接続された導体であるアース接点(アース板、放電部材)79と接触する(図9B)。これにより、共通導電部材78に蓄積した電荷をアース接点79に逃がす。即ち、トレイ35を移動させる際に、アース接点79がトレイ35側に接して、カートリッジ側の電気接点に蓄積した電荷を放電することができる。82はアース接点79を配設した、装置本体側の固定の部材である。
アース接点79は、共通導電部材78のアースを取るために装置本体と電気的に接続されており、トレイ35の移動経路に沿って設けられている。
共通導電部材78は、電気接点75とは共通導電部材78の下方で接触する、及び、共通導電部材78は、アース接点79とは共通導電部材の上方で接触する。
共通導電部材79とアース接点79の接触は、トレイ35が装着位置から上昇する工程で行われる。そして、共通導電部材79は、トレイ35が引出し方向に移動されることで、アース接点79から離れる。
そして、共通導電部材78は、電気接点75とアース接点79と、トレイ35が装置本体の外側から内側へ向かう移動方向において、先端側で接触する。
本構成においては、アース接点79が装置本体に固定されており、トレイ35が上昇する動作にあわせて、トレイ35側の共通導電部材78との電気的な接続が行なわれる。しかしながら、この構成に限られるものではない。例えば、トレイ35の上昇動作がない場合、ドア31と連動して動くトレイ保持部材34L・34R等によりアース接点79が移動し、共通導電部材78と電気的に接続する構成にしてもよい。
アース接点79と共通導電部材78の切断タイミングは、画像作像中に電気接点75に印加される高圧が電気的に切断された後とする。高圧の切断としては、電気接点75と共通導電部材78との部品離間により行なわれてもよいが、ドア開閉のインターロックスイッチにより高圧出力ダウンにより電気的な切断によるものでもよい。
共通導電部材78は、トレイ35の強度部材となる適当な厚みをもつ横断面コの字形板金等で構成する。この板金による効果として、複数の接点を構成するために、穴形状をもつトレイ35を補強することが可能となる。
共通導電部材78を用いた給電構成により、複数のカートリッジに同一のバイアスをかける場合において、部品数を減らすことができ、コストダウンすることができる。カートリッジ側の電気接点と装置本体側の電気接点との電気的接続を、部品を増やすことなく確実に行うことができる。
以上説明したように、カートリッジを移動部材(トレイ)に乗せ、フロントアクセスにより、プロセスカートリッジ交換し、かつ、移動部材に共通導電部材78を設ける。そして、同電位となる電気接点部をトレイ内で1系統化させて、装置本体と1箇所で導通を確保することで、部品点数を削減することが可能となる。また、これとともに、引出し動作に必要なトレイ強度を補強・確保することが可能となり、容易な引出し方式によるカートリッジ交換構成を設けた画像形成装置を提供することができる。
また、開口を開閉する部材に連動して移動部材が上下することで、使用者が容易に想定できる操作でカートリッジの交換ができる。
また、電気接点を水平方向に沿って及び垂直方向に同じ位置に複数個並んで配置する。これによって、垂直方向のスペースを抑えることができる。また、本体サイズをコンパクトにできる。
トレイ35内に電気的接続を分配する共通導電部材78を有し、共通導電部材78とカートリッジ側の電気接点の電気的接続箇所が、共通導電部材78と電気接点75の電気接続箇所よりも多く構成されている。これにより、各複数のカートリッジに同一のバイアスをかける場合において、部品数を減らすことができ、コストダウンすることができる。カートリッジ側の電気接点と装置本体側の電気接点との電気的接続を、部品を増やすことなく確実に行うことができる。
また、共通導電部材78と電気接点75の接触は、移動部材であるトレイ35が装置本体の外側から内側へ直線的に移動した後に、装着位置へ下降する工程で行われる。これにより、トレイ35が直線的に移動する経路外であれば、共通導電部材78と電気接点75を不必要に摺擦させなくてもよい。又は電気接点75を共通導電部材78に対する接触位置と離間位置とに移動させる機構は必要ない。
更に、共通導電部材78のアースを取るために装置本体と電気的に接続されているアース接点79が、トレイ35の移動経路に沿って設けられている。アース接点79は、画像形成装置の画像形成時には共通導電部材78から退避している必要がある。アース接点79がトレイ35の移動経路にあれば、共通導電部材78に対するアース接点79の離間・当接機構は必要なく、装置構成を簡略化できる。
また、共通導電部材78とアース接点79の接触は、トレイ35が装着位置から上昇する工程で行われる。アース接点79がトレイ35の移動経路にあると、共通導電部材78との摺動が繰り返えされる。これを回避するには、アース接点79を更にトレイ35の移動経路から退避させる退避機構が必要になる。上記にように、共通導電部材78とアース接点79の接触は、トレイ35が装着位置から上昇する工程で行われる構成にすることで、上記の問題を解消することができ、装置構成を簡略化できる。
また、本実施例においては、電気接点75、共通導電部材78、及び、各電気接点部72を介して、装置本体から給電を受けるプロセス手段は、電子写真感光体ドラムに帯電を行う帯電ローラである。即ち、各カートリッジPY・PM・PC・PKの現像バイアス供給ローラへのバイアス値は各カートリッジにおける現像剤のちがいのため各カートリッジにおいて設定が異なる。これに対して、帯電ローラへのバイアス値は、ドラムと帯電ローラとの関係なので、各カートリッジにおいて設定を共通化できる。
また、共通導電部材78は導電性の板金であり、トレイ35は絶縁性の樹脂製であり、共通導電部材78はトレイ35の移動方向と直交する一端側に配置されている。インターフェイス接点は通常片側によせる。これは、基板が1つでよいからである。そのため、1つのカートリッジに対して複数の接点をとるために接点側のトレイは強度的に弱くなる傾向がある。その強度を補うために共通導電部材78は板金で作るのが効果的である。したがって、本実施例においては、板金はトレイ35の補強を兼ねている。即ち、板金は、トレイ35が不用意に撓むのを防止している。
また、板金78は、トレイ35の前記一端側の上面の縁にまたがって配置されている。これにより、板金78は剛体化して、トレイの更なる強度アップがなされる。
また、共通導電部材78は電気接点75とアース接点79と、トレイ35が装置本体の外側から内側へ向かう移動方向において、先端側で接触する。これにより、トレイ35が移動中に共通導電部材78に対して電気接点がずっと摺擦するのを防げる。摺擦が多いと削れが発生しやすくなる。本実施例では、トレイ35の移動の最後に接触することで、摺擦を減らしている。また、トレイ35が引き出される前(使用者にさわられる前)に共通導電部材78をアースに落とすことができる。 また、共通導電部材78は、電気接点75とは共通導電部材78の下方で接触する、及び、共通導電部材78は、アース接点79とは共通導電部材78の上方で接触する。即ち、トレイ35を引き出す際のドア31の開き動作に連動するトレイ35の上昇動作で共通導電部材78を除電するために、アース接点79を配置しやすい。また、トレイ35をカートリッジの装着位置へ移動させる際のドア31の開き動作に連動するトレイ35の下昇動作で共通導電部材78を電気接続するために、電気接点75を配置しやすい。
100・・画像形成装置本体、PY・PM・PC・PK・・プロセスカートリッジ、11・・スキャナユニット、12・・ベルトユニット、30・・開口、31・・ドア(開閉部材)、34L・34R・・トレイ保持部材(移動手段)、35・・トレイ(移動部材)、67・69・・トレイ移動規制手段(突起部材と穴)、55・・カートリッジ電気接点、72a〜72d・・中間電気接点、75a〜75d・・本体電気接点、80L・80R・・左右のメインフレーム、81L・81R・・左右のステー部材(内側板)、41・・カートリッジ位置決め部