JP4144272B2 - 内燃機関の燃料噴射量制御装置 - Google Patents
内燃機関の燃料噴射量制御装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4144272B2 JP4144272B2 JP2002201569A JP2002201569A JP4144272B2 JP 4144272 B2 JP4144272 B2 JP 4144272B2 JP 2002201569 A JP2002201569 A JP 2002201569A JP 2002201569 A JP2002201569 A JP 2002201569A JP 4144272 B2 JP4144272 B2 JP 4144272B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- amount
- cylinder
- fuel
- air
- fuel injection
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D41/00—Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
- F02D41/02—Circuit arrangements for generating control signals
- F02D41/14—Introducing closed-loop corrections
- F02D41/1401—Introducing closed-loop corrections characterised by the control or regulation method
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D41/00—Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
- F02D41/02—Circuit arrangements for generating control signals
- F02D41/14—Introducing closed-loop corrections
- F02D41/1438—Introducing closed-loop corrections using means for determining characteristics of the combustion gases; Sensors therefor
- F02D41/1444—Introducing closed-loop corrections using means for determining characteristics of the combustion gases; Sensors therefor characterised by the characteristics of the combustion gases
- F02D41/1454—Introducing closed-loop corrections using means for determining characteristics of the combustion gases; Sensors therefor characterised by the characteristics of the combustion gases the characteristics being an oxygen content or concentration or the air-fuel ratio
- F02D41/1456—Introducing closed-loop corrections using means for determining characteristics of the combustion gases; Sensors therefor characterised by the characteristics of the combustion gases the characteristics being an oxygen content or concentration or the air-fuel ratio with sensor output signal being linear or quasi-linear with the concentration of oxygen
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F01—MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
- F01N—GAS-FLOW SILENCERS OR EXHAUST APPARATUS FOR MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; GAS-FLOW SILENCERS OR EXHAUST APPARATUS FOR INTERNAL COMBUSTION ENGINES
- F01N2430/00—Influencing exhaust purification, e.g. starting of catalytic reaction, filter regeneration, or the like, by controlling engine operating characteristics
- F01N2430/06—Influencing exhaust purification, e.g. starting of catalytic reaction, filter regeneration, or the like, by controlling engine operating characteristics by varying fuel-air ratio, e.g. by enriching fuel-air mixture
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D41/00—Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
- F02D41/02—Circuit arrangements for generating control signals
- F02D41/14—Introducing closed-loop corrections
- F02D41/1401—Introducing closed-loop corrections characterised by the control or regulation method
- F02D2041/1409—Introducing closed-loop corrections characterised by the control or regulation method using at least a proportional, integral or derivative controller
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D2200/00—Input parameters for engine control
- F02D2200/02—Input parameters for engine control the parameters being related to the engine
- F02D2200/04—Engine intake system parameters
- F02D2200/0402—Engine intake system parameters the parameter being determined by using a model of the engine intake or its components
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D2200/00—Input parameters for engine control
- F02D2200/02—Input parameters for engine control the parameters being related to the engine
- F02D2200/04—Engine intake system parameters
- F02D2200/0404—Throttle position
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Combustion & Propulsion (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
- Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の燃料噴射量制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子制御燃料噴射式の内燃機関においては、吸気行程直前又は吸気行程中にあって燃料噴射による燃料の供給が必要な気筒(以下、「特定気筒(特定の気筒)」又は「燃料噴射気筒」と云う。)の同吸気行程における吸入空気量を求め、この求めた吸入空気量に応じた量の燃料を、最も遅くとも同吸気行程が終了する吸気弁閉弁時(吸気弁の状態が開状態から閉状態に変化する時点)までに、場合によっては同吸気行程開始前までに、噴射する必要がある。
【0003】
このため、例えば、特開平10−169469号公報に開示された内燃機関の制御装置は、同内燃機関の運転状態量の一つであるスロットル弁開度を燃料噴射気筒の吸気弁閉弁時まで前もって予測し、少なくとも同予測したスロットル弁開度と内燃機関の吸気系の空気の挙動をモデル化した空気モデルとに基づいて同燃料噴射気筒の吸気弁閉弁時における吸入空気量を同吸気弁閉弁時よりも前の時点で予測し、その予測した吸入空気量に応じた燃料噴射量の燃料を同気筒に対して噴射するようになっている。
【0004】
ところで、上記従来の制御装置は、例えば、予測したスロットル弁開度と実際のスロットル弁開度とが相違する等の理由により、予測した吸入空気量と実際の吸入空気量との間に差(推定誤差)が生じると、燃料噴射量が適切な値と異なる値となって空燃比が乱れるという問題がある。
【0005】
これに対し、機関に吸入される混合気の空燃比を目標空燃比に一致させるように、機関の排気通路に配設した空燃比センサによって排ガスの空燃比を検出し、検出した空燃比の目標空燃比からの偏差に応じて燃料噴射量をフィードバック制御する燃料噴射量制御装置が広く知られている。これによれば、燃料性状の変化或いは、製造誤差に基づくインジェクタの性能ばらつき等に起因する混合気の空燃比の目標空燃比に対する定常的な偏差を低減することが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記空燃比センサが検出する空燃比は、過去において機関に供給された混合気が燃焼された後に排出され、その後、排気通路を介して同空燃比センサに到達した排ガスの空燃比であるから、フィードバック制御の無駄時間が大きく、予測した吸入空気量の推定誤差に基づく空燃比の乱れを同検出した空燃比に基づくフィードバック制御により迅速に補償しようとするとフィードバック制御ゲインを大きくせざるを得ないので、同制御ゲインが過大となって空燃比がハンチングしてしまう恐れがある。従って、本発明の目的は、上記フィードバック制御の利点を生かしつつ、吸入空気量の推定誤差をも迅速に補償し、以て、機関に供給される混合気の空燃比を目標空燃比に安定的に一致させることが可能な内燃機関の燃料噴射量制御装置を提供することにある。
【0007】
【発明の概要】
上記目的を達成するための本発明の燃料噴射量制御装置は、運転状態量予測手段と、図2に示した、「予測筒内吸入空気量算出手段B1と、基本燃料噴射量算出手段B3と、実筒内吸入空気量算出手段B4と、フィードフォワード系補正量算出手段(B5〜B7)と、フィードフォワード燃料噴射量算出手段A1と、空燃比検出手段(空燃比センサ)69と、フィードバック系補正量算出手段(B8〜B11)と、最終燃料噴射量算出手段A2と、燃料噴射手段39と」を備え、算出された最終燃料噴射量の燃料を特定気筒の任意の吸気行程に対して噴射する。
【0008】
この制御装置は、これらの手段により、予測した機関の運転状態量に基づいて予測筒内吸入空気量(klfwd)を算出し、この予測筒内吸入空気量に基づき基本燃料噴射量(finjb(k))を求め、一方で実際の(確定した)機関の運転状態量から実際の筒内吸入空気量(klcyl(k-1))を求め、予測筒内吸入空気量と実際の筒内吸入空気量との誤差による燃料の過不足分をフィードフォワード系補正量(finjk(k))で補正してフィードフォワード燃料噴射量(finjfwd(k))を求める。また、空燃比検出手段により検出した実際の空燃比(abyfs)と、フィードフォワード燃料噴射量(finjfwd(k))により定まる混合気の空燃比の偏差が小さくなるようにフィードバック系補正量(finjfb(k))を求め、フィードフォワード燃料噴射量をフィードバック系補正量で補正して最終燃料噴射量(finjfinal(k))を求める。以下、各手段について個別具体的に説明する。
【0009】
運転状態量予測手段は、現時点よりも先の時点における内燃機関の運転状態量を予測する。この運転状態量は、例えば、機関のスロットル弁開度等であって、機関の吸入空気量を予測・推定するのに必要な機関運転状態量である。そして、予測筒内吸入空気量算出手段B1は、機関の特定気筒の任意の吸気行程終了前の時点で同予測した機関の運転状態に基づいて同任意の吸気行程にて同特定気筒に吸入される吸入空気量を予測筒内吸入空気量(klfwd)として算出する。即ち、この手段は、ある吸気行程が終了する前に、その吸気行程で吸入される空気量を将来の機関運転状態量に基づいて予測する。
【0010】
基本燃料噴射量算出手段B3は、前記算出された予測筒内吸入空気量と目標空燃比とに基づいて同目標空燃比を得るための基本燃料噴射量(finjb(k))を、例えば、予測筒内吸入空気量(klfwd)を目標空燃比(abyfref)で除すること等により算出する。
【0011】
実筒内吸入空気量算出手段B4は、実際の運転状態量に基づいて、前記特定気筒の前記任意の吸気行程の一回前の吸気行程にて同特定気筒に吸入された吸入空気量を実筒内吸入空気量(klcyl(k-1))として算出する。具体的には、実筒内吸入空気量算出手段は、前記特定気筒の前記任意の吸気行程の一回前の吸気行程に対し前記予測筒内吸入空気量算出手段が前記予測筒内吸入空気量の算出に用いた前記機関の運転状態量が確定した時点よりも後の時点で、同確定した実際の運転状態量に基づいて同一回前の吸気行程にて同特定気筒に吸入された吸入空気量を実筒内吸入空気量(klcyl(k-1))として算出する。このように、実筒内吸入空気量(klcyl(k-1))は、確定した(予測・推定誤差が含まれていない)機関の運転状態量に基づいて算出されるので、正確な筒内吸入空気量となる。
【0012】
フィードフォワード系補正量算出手段(B5〜B7)は、「前記特定気筒の前記任意の吸気行程の一回前の吸気行程に対する前記予測筒内吸入空気量」と「同一回前の吸気行程に対する前記実筒内吸入空気量」の誤差に起因する同一回前の吸気行程に対する前記基本燃料噴射量の過不足量を補償するためのフィードフォワード系補正量(finjk(k))を、同一回前の吸気行程に対する同予測筒内吸入空気量と同一回前の吸気行程に対する同実筒内吸入空気量とに基づいて算出する。
【0013】
フィードフォワード燃料噴射量算出手段A1は、前記特定気筒の前記任意の吸気行程に対する基本燃料噴射量(finjb(k))を前記フィードフォワード系補正量finjk(K))で補正してフィードフォワード燃料噴射量(finjfwd(k))を算出する。
【0014】
空燃比検出手段69は、前記機関の排ガスの空燃比(abyfs)を検出する。フィードバック系補正量算出手段(B8〜B11)は、前記空燃比検出手段が空燃比を検出した排ガスに対応する混合気を吸入した前記特定気筒の過去の吸気行程に対し前記フィードフォワード燃料噴射量算出手段が算出していた前記フィードフォワード燃料噴射量(finjfwd)に基づいて定まる同混合気の空燃比(klcyl(k-N)/fc(k-N))と、前記空燃比検出手段により検出された空燃比(abyfs)の偏差を小さくするためのフィードバック系補正量(finjfb(k))を、同混合気の空燃比と同検出された空燃比とに基づいて算出する。
【0015】
最終燃料噴射量算出手段A2は、前記特定気筒の前記任意の吸気行程に対して算出されたフィードフォワード燃料噴射量(finjfwd(k))を前記フィードバック系補正量(finjfb(k))で補正することにより最終燃料噴射量を算出する。燃料噴射手段39は、前記最終燃料噴射量(finjfinal(k))の燃料を前記特定気筒の前記任意の吸気行程に対して噴射する。
【0016】
このように、一回前の吸気行程における吸入空気量の予測・推定誤差に基づく基本燃料噴射量の過不足は、かかる予測・推定誤差を反映したフィードフォワード系補正量により今回の吸気行程以降において迅速に補償される。換言すると、フィードフォワード燃料噴射量を算出するフィードフォワード系は、筒内吸入空気量の予測・推定に係る燃料噴射量の適正値からの偏差を空燃比検出手段の検出空燃比によらず補償する。
【0017】
また、燃料性状の変化やインジェクタの性能ばらつき等に起因する定常的な空燃比の目標空燃比に対する偏差はフィードバック系補正量で確実に補償される。換言すると、フィードバック系補正量を求めるフィードバック系は、フィードフォワード燃料噴射量の定常的な過不足を検出空燃比で補償する。従って、機関が特に過渡運転状態となったことに伴う筒内吸入空気量の予測・推定誤差に起因する過渡的な空燃比の乱れを検出空燃比に基づくフィードバック制御で補償する必要がないので、かかるフィードバック制御のゲインを小さくすることができ、結果として安定した空燃比制御がなされ得る。更に、本燃料噴射量制御装置は、フィードフォワード系とフィードバック系とが、それぞれ異なる要因に基づく燃料噴射量の過不足分を補償しようとするので、互いに干渉して制御が不安定になることもない。
【0018】
本発明による他の燃料噴射量制御装置は、予測筒内吸入空気量算出手段B1と、基本燃料噴射量算出手段B3と、フィードフォワード燃料噴射量算出手段A1と、フィードフォワード系筒内燃料量算出手段B6と、実筒内吸入空気量算出手段B4と、フィードフォワード目標筒内燃料量算出手段B5と、フィードフォワード系補正量算出手段B7と、空燃比検出手段69と、センサ検出筒内燃料量算出手段B8と、フィードバック系補正量算出手段B11と、最終燃料噴射量算出手段A2と、燃料噴射手段39とを備えていて、算出された最終燃料噴射量の燃料を特定気筒の任意の吸気行程に対して噴射する。
【0019】
この制御装置は、これらの手段により、予測した機関の運転状態量に基づいて予測筒内吸入空気量(klfwd)を算出し、この予測筒内吸入空気量に基づき基本燃料噴射量(finjb(k))を求め、この基本燃料噴射量をフィードフォワード系補正量(finjk(k))で補正してフィードフォワード燃料噴射量(finjfwd(k))を算出する。また、そのようなフィードフォワード燃料噴射量が一回前の吸気行程に対し噴射されたと仮定した場合に特定気筒に吸入されたと考えられる燃料量を計算筒内燃料量fc(k-1)として算出するとともに、実際の(確定した)機関の運転状態量から同一回前の吸気行程に対する実際の筒内吸入空気量(klcyl(k-1))を求め、この筒内吸入空気量を目標空燃比(abyfref)で除すこと等により実際に特定気筒に供給されるべきであった燃料量をフィードフォワード目標筒内燃料量(fcref(k-1))として算出する。そして、計算筒内燃料量とフィードフォワード目標筒内燃料量とに基づいて前記フィードフォワード系補正量(finjb(k))を求める。
【0020】
一方、排ガスの空燃比(abyfs)を検出するとともに、その検出空燃比をもたらした混合気を吸入したときの実筒内吸入空気量(即ち、特定気筒の所定回数前の吸気行程に対する実筒内吸入空気量)(klcyl(k-N))と検出空燃比(abyfs)とに基づいてセンサ検出筒内燃料量(fcsns(k-N))を算出し、所定回数前の吸気行程に対して算出された計算筒内燃料量(fc(k-N))とセンサ検出筒内燃料量(fcsns(k-N))との偏差が小さくなるようにフィードバック系補正量(finjfb(k))を算出し、フィードフォワード燃料噴射量をフィードバック系補正量で補正して最終燃料噴射量finjfinal(k)を求める。
【0021】
このように、本制御装置によっても、一回前の吸気行程における吸入空気量の予測・推定誤差に基づく基本燃料噴射量の過不足は、かかる予測・推定誤差を反映したフィードフォワード系補正量により今回の吸気行程において迅速に補償される。換言すると、フィードフォワード燃料噴射量を算出するフィードフォワード系は、筒内吸入空気量の予測・推定に係る燃料噴射量の適正値からの偏差を空燃比検出手段の検出空燃比によらず迅速に補償する。
【0022】
また、燃料性状の変化やインジェクタの性能ばらつき等に起因する定常的な空燃比の目標空燃比に対する偏差は、所定回数前の吸気行程において実際に特定気筒に供給された燃料量であるセンサ検出筒内燃料量と同所定回数前の吸気行程において実際に供給されるべきであった計算上の計算筒内燃料量との差に基づくフィードバック系補正量で確実に補償される。換言すると、フィードバック系補正量を求めるフィードバック系は、フィードフォワード燃料噴射量の定常的な過不足を検出空燃比に基づいて補償する。
【0023】
従って、機関が特に過渡運転状態となったことに伴う筒内吸入空気量の予測・推定誤差に起因する過渡的な空燃比の乱れを検出空燃比に基づくフィードバック制御で補償する必要がないので、かかるフィードバック制御のゲインを小さくすることができ、結果として安定した空燃比制御がなされ得る。更に、本燃料噴射量制御装置は、フィードフォワード系とフィードバック系とが、それぞれ異なる要因に基づく燃料噴射量の過不足分を補償しようとするので、互いに干渉して制御が不安定になることもない。
【0024】
本発明による他の燃料噴射量制御装置は、予測筒内吸入空気量算出手段B1と、基本燃料噴射量算出手段B3と、フィードフォワード燃料噴射量算出手段A1と、フィードフォワード系筒内燃料量算出手段B6と、実筒内吸入空気量算出手段B4と、フィードフォワード目標筒内燃料量算出手段B5と、フィードフォワード系補正量算出手段B7と、空燃比検出手段69と、フィードバック系補正量算出手段B11と、最終燃料噴射量算出手段A2と、燃料噴射手段39とを備えていて、算出された最終燃料噴射量の燃料を特定気筒の任意の吸気行程に対して噴射する。
【0025】
この制御装置は、フィードバック系補正量を除き、上述した燃料噴射量制御装置と同様に各種の量を計算する。そこで、この制御装置のフィードバック系補正量算出手段について説明すると、フィードバック系補正量算出手段は、空燃比検出手段69により検出された空燃比をもたらした混合気を吸入したときの実筒内吸入空気量(即ち、特定気筒の所定回数前の吸気行程に対する実筒内吸入空気量)(klcyl(k-N))、及び、前記特定気筒の同所定回数前の吸気行程に対して前記フィードフォワード系筒内燃料量算出手段が算出していた計算筒内燃料量fc(k-N)とに基づいて定まる計算空燃比(=klcyl(k-N)/fc(k-N))と、同検出された空燃比(abyfs)と、の偏差が小さくなるように、同計算空燃比と同検出された空燃比とに基づいてフィードバック系補正量finjfb(k)を算出する。即ち、このフィードバック系補正量算出手段は、フィードフォワード系の計算上の空燃比と検出空燃比とが等しくなるようにフィードバック補正量を算出する。
【0026】
このように、前記燃料噴射量制御装置は、上述した燃料噴射量制御装置と同様、一回前の吸気行程における吸入空気量の予測・推定誤差に基づく基本燃料噴射量の過不足がフィードフォワード系補正量により今回の吸気行程以降において迅速に補償される。また、燃料性状の変化やインジェクタの性能ばらつき等に起因する定常的な空燃比の目標空燃比に対する偏差は、フィードバック系補正量で確実に補償される。
【0027】
従って、機関が特に過渡運転状態となったことに伴う筒内吸入空気量の予測・推定誤差に起因する過渡的な空燃比の乱れを検出空燃比に基づくフィードバック制御で補償する必要がないので、かかるフィードバック制御のゲインを小さくすることができ、結果として安定した空燃比制御がなされ得る。更に、本燃料噴射量制御装置は、フィードフォワード系とフィードバック系とが、それぞれ異なる要因に基づく燃料噴射量の過不足分を補償しようとするので、互いに干渉して制御が不安定になることもない。
【0028】
これらの場合、前記フィードフォワード系筒内燃料量算出手段は、前記機関の吸気通路構成部材に付着する燃料の挙動を表す燃料挙動モデルの順モデルを用いて前記計算筒内燃料量を算出するように構成されることが好適である。また、前記基本燃料噴射量算出手段は、前記機関の吸気通路構成部材に付着する燃料の挙動を表す燃料挙動モデルの逆モデルを用いて前記基本燃料噴射量を算出するように構成されることが好適である。
【0029】
これらによれば、燃料付着量が考慮されるから、最終燃料噴射量がより一層精度良く算出され、機関の空燃比を目標空燃比により一致させることが可能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による内燃機関の燃料噴射量制御装置の実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の実施形態に係る燃料噴射量制御装置を火花点火式多気筒(4気筒)内燃機関10に適用したシステムの概略構成を示している。なお、図1は4気筒のうちの一つの気筒及びその気筒に対して設けられた構成部品を示しているが、他の気筒も同様の構成を有している。
【0031】
この内燃機関10は、シリンダブロック、シリンダブロックロワーケース、及びオイルパン等を含むシリンダブロック部20と、シリンダブロック部20の上に固定されるシリンダヘッド部30と、シリンダブロック部20にガソリン混合気を供給するための吸気系統40と、シリンダブロック部20からの排ガスを外部に放出するための排気系統50とを含んでいる。
【0032】
シリンダブロック部20は、シリンダ21、ピストン22、コンロッド23、及びクランク軸24を含んでいる。ピストン22はシリンダ21内を往復動し、ピストン22の往復動がコンロッド23を介してクランク軸24に伝達され、これにより同クランク軸24が回転するようになっている。シリンダ21とピストン22のヘッドは、シリンダヘッド部30とともに燃焼室25を形成している。
【0033】
シリンダヘッド部30は、燃焼室25に連通した吸気ポート31、吸気ポート31を開閉する吸気弁32、吸気弁32を駆動するインテークカムシャフトを含むとともに同インテークカムシャフトの位相角を連続的に変更する可変吸気タイミング装置33、可変吸気タイミング装置33のアクチュエータ33a、燃焼室25に連通した排気ポート34、排気ポート34を開閉する排気弁35、排気弁35を駆動するエキゾーストカムシャフト36、点火プラグ37、点火プラグ37に与える高電圧を発生するイグニッションコイルを含むイグナイタ38、及び燃料を吸気ポート31内に噴射するインジェクタ(燃料噴射手段)39を備えている。
【0034】
吸気系統40は、吸気ポート31に連通し同吸気ポート31とともに吸気通路を形成するインテークマニホールドを含む吸気管41、吸気管41の端部に設けられたエアフィルタ42、吸気管41内にあって各気筒に共通の吸気通路の開口断面積を可変とするスロットル弁43、スロットル弁駆動手段を構成するスロットル弁アクチュエータ43a、スワールコントロールバルブ(以下、「SCV」と称呼する。)44、及びSCVアクチュエータ44aを備えている。
【0035】
DCモータからなるスロットル弁アクチュエータ43aは、後述する電子制御装置70が達成する電子制御スロットル弁ロジックにより目標スロットル弁開度TAtが与えられると、実際のスロットル弁開度TAが目標スロットル弁開度TAtとなるようにスロットル弁43を駆動するようになっている。
【0036】
DCモータからなるSCVアクチュエータ44aは、電気制御装置70から駆動信号を受け、前記スロットル弁43よりも下流で前記インジェクタ39よりも上流の位置にて前記吸気管41に対し回動可能に支持され、燃焼室に吸入される空気にスワールを発生させるためのSCV44を回転駆動するようになっている。なお、本明細書においては、インテークマニホールドを含む吸気管41、吸気ポート31、吸気弁32、及びSCV44等を吸気通路を構成する部材(吸気通路構成部材)と称呼する。
【0037】
排気系統50は、排気ポート34に連通したエキゾーストマニホールド51、エキゾーストマニホールド51に接続されたエキゾーストパイプ52、及びエキゾーストパイプ52に介装された触媒コンバータ(三元触媒装置)53を備えている。
【0038】
一方、このシステムは、熱線式エアフローメータ61、吸気温センサ62、大気圧センサ(スロットル弁上流圧力センサ)63、スロットルポジションセンサ64、SCV開度センサ65、カムポジションセンサ66、クランクポジションセンサ67、水温センサ68、空燃比センサ69、及びアクセル操作量検出手段(の一部)を構成するアクセル開度センサ81を備えている。
【0039】
エアフローメータ61は、内燃機関10に吸入される空気の質量流量を計測し、同質量流量Gaを表す信号を出力するようになっている。吸気温センサ62は、エアフローメータ61内に備えられていて、吸入空気の温度(吸気温度)を検出し、吸気温度THAを表す信号を出力するようになっている。大気圧センサ63は、スロットル弁43の上流の圧力(即ち、大気圧)を検出し、スロットル弁上流圧力Paを表す信号を出力するようになっている。スロットルポジションセンサ64は、スロットル弁43の開度を検出し、スロットル弁開度TAを表す信号を出力するようになっている。SCV開度センサ65は、SCV44の開度を検出し、SCV開度θivを表す信号を出力するようになっている。
【0040】
カムポジションセンサ66は、インテークカムシャフトが90°回転する毎に(即ち、クランク軸24が180°回転する毎に)一つのパルスを有する信号(G2信号)を発生するようになっている。クランクポジションセンサ67は、クランク軸24が10°回転する毎に幅狭のパルスを有するとともに同クランク軸24が360°回転する毎に幅広のパルスを有する信号を出力するようになっている。この信号は、エンジン回転速度NEを表す。水温センサ68は、内燃機関10の冷却水の温度を検出し、冷却水温THWを表す信号を出力するようになっている。空燃比センサ69は、触媒コンバータ53に流入する排ガス中の酸素濃度を検出する限界電流式空燃比センサであって空燃比abyfsを表す電圧信号vabyfsを出力するようになっている。アクセル開度センサ81は、運転者によって操作されるアクセルペダル82の操作量を検出し、同アクセルペダルの操作量Accpを表す信号を出力するようになっている。
【0041】
電気制御装置70は、互いにバスで接続されたCPU71、CPU71が実行するプログラム、テーブル(ルックアップテーブル、マップ)、定数等を予め記憶したROM72、CPU71が必要に応じてデータを一時的に格納するRAM73、電源が投入された状態でデータを格納するとともに同格納したデータを電源が遮断されている間も保持するバックアップRAM74、及びADコンバータを含むインターフェース75等からなるマイクロコンピュータである。インターフェース75は、前記センサ61〜69,81と接続され、CPU71にセンサ61〜69,81からの信号を供給するとともに、同CPU71の指示に応じて可変吸気タイミング装置33のアクチュエータ33a、イグナイタ38、インジェクタ39、スロットル弁アクチュエータ43a、及びSCVアクチュエータ44aに駆動信号を送出するようになっている。
【0042】
次に、上記のように構成された燃料噴射量制御装置により燃料噴射気筒に噴射される燃料の量(最終燃料噴射量)の決定方法について、図2を参照しながら説明する。図2の各ブロックB1,B2…,A1,A2等の機能は、後述するように、CPU71が所定のプログラム(ルーチン)を実行することにより達成される。なお、以下において、(k)が付された変数は燃料噴射気筒(特定気筒)の今回の吸気行程(現在は排気行程にあって次に到来する吸気行程)に対する同変数であることを意味し、同様に、(k-1)が付された変数は燃料噴射気筒の今回の吸気行程よりも一回前の吸気行程に対する同変数、(k-N)が付された変数は燃料噴射気筒の今回の吸気行程よりもN回前の吸気行程に対する同変数であることを意味する。
【0043】
(最終燃料噴射量finjfinal(k)の決定方法)
最終燃料噴射量finjfinal(k)は、下記数1に示したように、基本燃料噴射量finjb(k)をフィードフォワード系補正量finjk(k)で補正して得られたフィードフォワード燃料噴射量finjfwd(k)を、更にフィードバック系補正量finjfb(k)で補正することにより得られる。以下、基本燃料噴射量finjb(k)、フィードフォワード系補正量finjk(k)、及びフィードバック系補正量finjfb(k)の順に、それらの算出方法について説明する。
【0044】
【数1】
finjfinal(k)=finjb(k) + finjk(k) + finjfb(k) = finjfwd(k) + finjfb(k)
【0045】
(1)基本燃料噴射量finjb(k)の算出
このような燃料噴射量制御装置は、吸気行程にある気筒、又は吸気行程の直前の排気行程にある気筒(即ち、燃料噴射気筒、特定気筒)の吸気弁32が、その吸気行程において開弁した状態から閉弁する状態に移行する時点(以下、この時点を「吸気弁閉弁時」又は「吸気行程終了時」とも称呼する。)より前の時点にて、同気筒に対して適切な量の燃料を噴射する必要がある。
【0046】
そのため、図2に示した燃料噴射量制御装置は、予測筒内吸入空気量算出手段B1により、燃料噴射気筒の吸気行程終了時よりも前の時点で、同燃料噴射気筒の吸気行程終了時において同気筒内に吸入されているであろう吸入空気量を予測筒内吸入空気量klfwd(=klfwd(k))として予測・推定し、同予測筒内吸入空気量に基づいて決定される燃料量の燃料を同気筒の吸気弁32の閉弁時より前の時点で同気筒に対して噴射する。
【0047】
具体的には、本燃料噴射量制御装置は、噴射終了時期を燃料噴射気筒の吸気上死点前75°クランクアングル(以下、「BTDC75°CA」と表す。他のクランクアングルについても同様に表す。)としているので、予測筒内吸入空気量算出手段B1は、噴射に要する時間(インジェクタ39の開弁時間)やCPUの計算時間等を考慮して、BTDC75°CAの時点よりも前の時点であるBTDC90°CAにて燃料噴射気筒の予測筒内吸入空気量klfwdの算出を開始する。
【0048】
即ち、予測筒内吸入空気量算出手段B1は、燃料噴射気筒のクランクアングルがBTDC90°となると、少なくとも筒内吸入空気量を予測するための機関の運転状態量であるスロットル弁開度の将来値(現時点よりも先の値)を予測・推定する。この予測・推定されたスロットル弁開度を、以下、「予測(推定)スロットル弁開度TAest」と称呼する。そして、予測筒内吸入空気量算出手段B1は、スロットル弁開度、エンジン回転速度、及び吸気弁32の閉弁クランク角度を定めるバルブタイミング(吸気バルブタイミング)と筒内吸入空気量との関係を規定した吸入空気量マップ(ルックアップテーブル)と、予測スロットル弁開度TAestと、その時点のエンジン回転速度NEと、その時点のバルブタイミングVTとに基づいて、予測筒内吸入空気量klfwdを算出する。
【0049】
一方、本制御装置は、目標空燃比設定手段B2により、アクセル操作量Accpや冷却水温THW等の機関の運転状態量に応じて目標空燃比abyfrefを設定する。この目標空燃比abyfrefは通常の運転状態において理論空燃比abyfstoichに設定される。従って、以下においては、目標空燃比abyfrefは常に理論空燃比abyfstoichであるとして説明する。
【0050】
そして、本制御装置は、基本燃料噴射量算出手段B3により、予測筒内吸入空気量klfwdを目標空燃比abyfrefで除した値である仮目標筒内燃料量tfcref(=klfwd/abyfref)に基づいて基本燃料噴射量finjb(k)を求める。値tfcrefは、燃料噴射気筒(特定気筒)の今回の吸気行程において目標空燃比abyfrefを得るために必要であろうと予測される燃料量であるが、これを「仮の」目標筒内燃料量としているのは、予測筒内吸入空気量klfwdに予測・推定誤差が含まれているからである。なお、この予測・推定誤差に起因する基本燃料噴射量finjb(k)の過不足分は、後述するフィードフォワード系補正量finjk(k)により補償される。
【0051】
ここで、基本燃料噴射量算出手段B3の機能について詳述すると、同基本燃料噴射量算出手段B3は、吸気通路構成部材への燃料付着による影響を考慮して(即ち、吸気通路構成部材に付着する燃料の挙動を表す燃料挙動モデルの逆モデルを用いて)基本燃料噴射量finjb(k)を算出する。燃料挙動モデルの逆モデルは以下のとおりである。
【0052】
<燃料挙動モデルの逆モデル>
燃料噴射気筒の前回の吸気行程後であって今回の吸気行程直前において、同気筒の吸気ポート(吸気ポート構成部)に付着しているポート燃料付着量をfwp(k)、同気筒の吸気弁(吸気弁構成部)に付着しているバルブ燃料付着量をfwv(k)、吸気ポートへの燃料付着率をRp、吸気弁への燃料付着率をRv、吸気ポートへの燃料残留率をPp、及び、吸気弁への燃料残留率をPvとし、同気筒の今回の吸気行程に対して噴射量fib(k)の燃料を噴射したと仮定すると、同今回の吸気行程において同気筒に吸入される燃料量finは下記数2により求められる。なお、燃料付着率Rp,Rv及び燃料残留率Pp,Pvは、それぞれ筒内吸入空気量、エンジン回転速度NE、及びバルブタイミングVTの関数である。
【0053】
【数2】
fin = (1-Rp-Rv)・fib(k) + (1-Pp)・fwp(k) + (1-Pv)・fwv(k)
【0054】
従って、基本燃料噴射量finjb(k)の燃料を噴射することにより、仮目標筒内燃料量tfcrefに等しい量の燃料が燃料噴射気筒に吸入されるためには、上記数2の燃料量finを仮目標筒内燃料量tfcrefと等しいとおくとともに、上記噴射量fib(k)を基本燃料噴射量finjb(k)とおいて同基本燃料噴射量finjb(k)について解けばよく、計算結果は下記数3のとおりとなる。この数3が燃料挙動の逆モデルを数式化したものであり、基本燃料噴射量算出手段B3は、同数3に従って基本燃料噴射量finjb(k)を算出する。
【0055】
なお、基本燃料噴射量算出手段B3は、下記数3における燃料付着率をRp,Rv及び燃料残留率をPp,Pvを求めるための筒内吸入空気量として予測筒内吸入空気量klfwdを採用し、エンジン回転速度及びバルブタイミングとして、それぞれその時点の(即ち、計算時点の)エンジン回転速度NE及びバルブタイミングVTを採用する。また、下記数3で用いられるポート燃料付着量fwp(k)及びバルブ燃料付着量fwv(k)は、後述する数5及び数6に基づいてそれぞれ更新される。以上により、基本燃料噴射量finjb(k)が算出される。
【0056】
【数3】
finjb(k)={tfcref - (1-Pp)・fwp(k) - (1-Pv)・fwv(k)}/(1-Rp-Rv)
【0057】
(2)フィードフォワード系補正量finjk(k)とフィードフォワード燃料噴射量finjfwd(k)の算出
前述したように、予測筒内吸入空気量klfwdには予測・推定誤差が含まれるから、仮目標筒内燃料量tfcref(=klfwd/abyfref)や予測筒内吸入空気量klfwdに基づいて求めた燃料付着率Rp,Rv及び燃料残留率Pp,Pvを使用する燃料挙動の逆モデルにしたがって算出された基本燃料噴射量finjb(k)には誤差が含まれている。
【0058】
そこで、本燃料噴射量制御装置はフィードフォワード系補正量finjk(k)によりこの誤差を補償する。具体的に述べると、本制御装置は、燃料噴射気筒の前回の吸気行程に対し、前回の基本燃料噴射量finjb(k-1)を前回のフィードフォワード系補正量finjk(k-1)で補正したフィードフォワード燃料噴射量finjfwd(k-1)(=finjb(k-1)+finjk(k-1))を噴射したと仮定し、この前回のフィードフォワード燃料噴射量finjfwd(k-1)と燃料挙動モデルの順モデルとから、同前回の吸気行程に対して吸入された計算上の筒内燃料量を計算筒内燃料量fc(k-1)として算出する。
【0059】
また、本制御装置は、前記前回の吸気行程が終了した時点(予測筒内吸入空気量klfwd(k-1)が確定した時点)で、同前回の吸気行程における実際の筒内吸入空気量klcyl(=klcyl(k-1))を求めるとともに、この実筒内吸入空気量klcylを目標空燃比abyfrefで除して、同前回の吸気行程での空燃比が目標空燃比abyfrefと一致するために実際に吸入されるべきであった燃料量(以下、「フィードフォワード目標筒内燃料量fcref(k-1)(=klcyl/abyfref)」と称呼する。)を求める。
【0060】
そして、本制御装置は、このフィードフォワード目標筒内燃料量fcref(k-1)と前回の吸気行程に対して筒内に供給された計算上の燃料量である計算筒内燃料量fc(k-1)の差を求め、この差が小さくなるようにフィードフォワード系補正量finjk(k)を求め、このフィードフォワード系補正量finjk(k)で基本燃料噴射量finjb(k)を補正することで今回のフィードフォワード燃料噴射量finjfwd(k)を算出する。
【0061】
このように、本制御装置は、予測筒内吸入空気量klfwd(k-1)が確定した時点、即ち、予測筒内吸入空気量klfwd(k-1)を算出するために使用した機関運転状態量(少なくとも、予測スロットル弁開度TAest)が確定した時点で、同前回の吸気行程における実際の筒内吸入空気量klcyl(=klcyl(k-1))を同確定した機関運転状態量に基づいて求め、この実筒内吸入空気量klcylに基づいて算出される「前回の吸気行程での空燃比が目標空燃比abyfrefと一致するために実際に吸入されるべきであった燃料量(フィードフォワード目標筒内燃料量)fcref(k-1))」と計算上の計算筒内燃料量fc(k-1)との差が小さくなるようにフィードフォワード燃料噴射量finjfwd(k)を決定する。従って、ある吸気行程での予測筒内吸入空気量klfwdの推定誤差に基づく燃料噴射量の過不足が、次の吸気行程以降において直ちに補償されて行く。
【0062】
ここで、以上ようにしてフィードフォワード燃料噴射量finjfwd(k)を算出するための各手段の機能について個別に説明すると、本燃料噴射量制御装置の実筒内吸入空気量算出手段B4は、前回の吸気行程終了時点以降において、同前回の吸気行程終了時の実際のスロットル弁開度TAact(k-1)と現時点のエンジン回転速度NEと現時点のバルブタイミングVTと前述した吸入空気量マップとに基づいて前回の吸気行程における実筒内吸入空気量klcylを求める。
【0063】
一方、目標筒内燃料量算出手段B5は、この前回の吸気行程における実筒内吸入空気量klcylを目標空燃比設定手段B2から得られる目標空燃比abyfrefで除すことにより、前回の吸気行程に対するフィードフォワード目標筒内燃料量fcref(k-1)(=klcyl/abyfref)を算出する。
【0064】
他方、フィードフォワード系筒内燃料量算出手段B6は、前回のフィードフォワード燃料噴射量finjfwd(k-1)と下記数4〜数6で表される燃料挙動の順モデルとに基づいて、前回の吸気行程に対する計算筒内燃料量fc(k-1)を算出する。なお、数4において、ポート燃料付着量fwp(k-1)は燃料噴射気筒の前々回の吸気行程後であって前回の吸気行程直前において、同気筒の吸気ポートに付着していた燃料付着量、バルブ燃料付着量fwv(k-1)は燃料噴射気筒の前々回の吸気行程後であって前回の吸気行程直前において、同気筒の吸気弁に付着していた燃料付着量である。また、下記数4〜数6で使用される燃料付着率Rp,Rv及び燃料残留率Pp,Pvは、前回の吸気行程における実筒内吸入空気量klcyl、現時点のエンジン回転速度NE、及び現時点のバルブタイミングVTに基づいて決定される。
【0065】
【数4】
fc(k-1)=(1-Pp)・fwp(k-1) + (1-Pv)・fwv(k-1) + (1-Rp-Rv)・finjfwd(k-1)
【0066】
【数5】
fwp(k)=Pp・fwp(k-1) + Rp・finjfwd(k-1)
【0067】
【数6】
fwv(k)=Pv・fwv(k-1) + Rv・finjfwd(k-1)
【0068】
そして、燃料噴射量制御装置は、下記数7に示したように、フィードフォワード目標筒内燃料量fcref(k-1)と前回の吸気行程に対する計算筒内燃料量fc(k-1)との差をフィードフォワード燃料誤差量(偏差)fcerr(k)として求め、これをフィードフォワード系PIDコントローラ(フィードフォワード系補正量算出手段)B7によりPID処理し、フィードフォワード系補正量finjk(k)を求める。なお、PIDコントローラB7のPDI処理は、下記数8〜数10に従って行われる。これらの式において、Kp,Kd,Kiはそれぞれ比例ゲイン,微分ゲイン,積分ゲインである。また、fcerrdiff(k)は誤差微分量であり、fcerrin(k)は誤差積分量である。
【0069】
【数7】
fcerr(k) = fcref(k-1) - fc(k-1)
【0070】
【数8】
finjk(k) = Kp・fcerr(k) + Kd・fcerrdiff(k) + Ki・fcerrin(k)
【0071】
【数9】
fcerrdiff(k) = fcerr(k) - fcerr(k-1)
【0072】
【数10】
fcerrin(k) = fcerrin(k-1) + fcerr(k)
【0073】
以上により、基本燃料噴射量finjb(k)とフィードフォワード系補正量finjk(k)が算出されるので、燃料噴射量制御装置のフィードフォワード燃料噴射量算出手段A1は、基本燃料噴射量finjb(k)とフィードフォワード系補正量finjk(k)を加算して今回のフィードフォワード燃料噴射量finjfwd(k)を算出する(上記数1を参照)。
【0074】
このように、ブロックB1〜ブロックB7及びブロックA1によりフィードフォワード系が形成され、予測筒内吸入空気量klfwdの予測・推定誤差に基づく燃料噴射量の過不足が補償される。これによれば、燃料噴射量の過不足量が空燃比センサ69のように排気系に設けられたセンサを使用しないで補償され、しかも、一回前の吸気行程での燃料の過不足量が今回の吸気行程以降の燃料噴射量によって迅速に補償されて行く。従って、機関の運転状態が急加減速等の過渡運転状態であって予測筒内吸入空気量klfwdに予測・推定誤差が含まれ易く、その結果、機関に吸入される混合気の空燃比が目標空燃比に対して変動し易い場合にも、この空燃比変動を迅速に抑制することができ、排気浄化性能やドライバビリティを向上することができる。
【0075】
(3)フィードバック系補正量finjfb(k)の算出
次に、フィードバック系補正量finjfb(k)の算出方法について説明すると、燃料噴射量制御装置はセンサ検出筒内燃料量算出手段B8により、遅延手段B9を介して得られたN回前の吸気行程における実筒内吸入空気量klcyl(k-N)を空燃比センサ69の出力vabyfsに基づいて得られた検出空燃比abyfsで除してセンサ検出筒内燃料量fcsns(k-N)(=klcyl(k-N)/abyfs)を求める。値「N」は、気筒内で燃焼されたガスの空燃比が空燃比センサ69により検出されるまでに要する時間に応じて決定される。かかるセンサ検出筒内燃料量fcsns(k-N)は、N回前(所定回数前)の吸気行程において実際に燃料噴射気筒に供給された燃料量を示す値である。
【0076】
そして、燃料噴射量制御装置は、下記数11に示したように、フィードフォワード系筒内燃料量算出手段B6によって算出されていたN回前の吸気行程に対する計算筒内燃料量fc(k-N)を遅延手段B10を介して取得し、同計算筒内燃料量fc(k-N)からセンサ検出筒内燃料量fcsns(k-N)を減じてフィードバック燃料誤差量(偏差)fcgosa(k)を求め、このフィードバック燃料誤差量fcgosa(k)を小さくするように、同フィードバック燃料誤差量fcgosa(k)をフィードバック系PIDコントローラ(フィードバック系補正量算出手段)B11によりPID処理し、フィードバック系補正量finjfb(k)を求める。このPID処理は、下記数12〜数14に従って行われる。なお、Gp,Gd,Giはそれぞれ比例ゲイン,微分ゲイン,積分ゲインである。また、fcgosadiff(k)は誤差微分量であり、fcgosain(k)は誤差積分量である。
【0077】
【数11】
fcgosa(k) = fc(k-N) - fcsns(k-N)
【0078】
【数12】
finjfb(k) = Gp・fcgosa(k) + Gd・fcgosadiff(k) + Gi・fcgosain(k)
【0079】
【数13】
fcgosadiff(k) = fcgosa(k) - fcgosa(k-1)
【0080】
【数14】
fcgosain(k) = fcgosain(k-1) + fcgosa(k)
【0081】
その後、燃料噴射量制御装置は、上記数1に示したように、最終燃料噴射量算出手段A2によって、今回のフィードフォワード燃料噴射量finjfwd(k)にフィードバック系補正量finjfb(k)を加えることで同フィードフォワード燃料噴射量finjfwd(k)を同フィードバック系補正量finjfb(k)で補正して、最終燃料噴射量finjfinal(k)を算出し、この最終燃料噴射量finjfinal(k)の燃料をインジェクタ39から機関10の燃料噴射気筒に噴射する。
【0082】
このように、ブロックB8〜ブロックB10、ブロックA1、及び空燃比センサ69によってフィードバック系が形成され、同フィードバック系により燃料性状の変化、製造誤差に基づくインジェクタ39の性能ばらつき等による混合気の空燃比の目標空燃比に対する定常的な偏差が低減される。以上が、最終燃料噴射量finjfinal(k)を算出する概要である。
【0083】
次に、本燃料噴射量制御装置の実際の作動について説明する。
【0084】
(予測スロットル弁開度TAestの算出)
CPU71は、演算周期ΔTt(例えば、8msec)の経過毎にアクセル開度センサ81の出力値に基づいてアクセル操作量Accpを読込み、読み込んだアクセル操作量Accpと、図3のアクセル操作量Accpと目標スロットル弁開度TAaccとの関係を規定したテーブルと、に基づいて今回の暫定目標スロットル弁開度TAaccを求め、この暫定目標スロットル弁開度TAaccを図4のタイムチャートに示したように、所定の遅延時間TDだけ遅延し、この遅延した暫定目標スロットル弁開度TAaccを目標スロットル弁開度TAtとして設定してスロットル弁アクチュエータ43aに出力する。なお、遅延時間TDは、本例においては一定の時間であるが、内燃機関が所定のクランク角度(例えば、クランク角270°CA)だけ回転するのに要する時間T270とする等、エンジン回転速度NEに応じた可変の時間とすることもできる。
【0085】
ところで、CPU71から目標スロットル弁開度TAtがスロットル弁アクチュエータ43aに出力された場合であっても、同スロットル弁アクチュエータ43aの遅れやスロットル弁43の慣性などにより、実際のスロットル弁開度TAは、ある遅れをもって目標スロットル弁開度TAtに追従する。そこで、CPU71は、下記数15に基づいて遅延時間TD後におけるスロットル弁開度TAest(k+1)を予測・推定する。
【0086】
【数15】
TAest(k+1)=TAest(k)+ΔTt・f(TAt(k),TAest(k))
【0087】
数15において、TAest(k+1)は今回の演算タイミングにおいて新たに予測・推定される予測スロットル弁開度TAestであり、TAt(k)は今回の演算タイミングにて新たに得られた目標スロットル弁開度TAtであり、TAest(k)は今回の演算タイミングにおいて既に予測・推定されていた最新の予測スロットル弁開度TAest(即ち、前回の演算タイミングにおいて予測・推定されたスロットル弁開度TAest)である。また、関数f(TAt(k),TAest(k))は、図5に示したように、TAt(k)とTAest(k)との差ΔTA(=TAt(k)−TAest(k))が大きい程大きい値をとる関数(ΔTAに関して単調増加する関数f)である。
【0088】
このように、CPU71は、今回の演算タイミングにて遅延時間TD後の目標スロットル弁開度TAtを新たに決定するとともに、遅延時間TD後のスロットル弁開度TAestを新たに予測・推定し、現時点から遅延時間TD経過後までの目標スロットル弁開度TAtと予測スロットル弁開度TAestを、現時点からの時間経過に対応させた形でRAM73に記憶・格納する。
【0089】
図6は、上述した予測スロットル弁開度TAestを算出する際に、CPU71が所定時間ΔTtの経過毎に実行するルーチンを示したフローチャートである。簡単に説明すると、CPU71は所定のタイミングにてステップ600から処理を開始し、ステップ605に進んで変数iに「0」を設定し、ステップ610に進んで変数iが遅延回数ntdlyと等しいか否かを判定する。この遅延回数ntdlyは、遅延時間TDを演算周期ΔTtで除した値である。
【0090】
この時点で変数iは「0」であるから、CPU71はステップ610にて「No」と判定し、ステップ615に進んで暫定目標スロットル弁開度TAt(i)に暫定目標スロットル弁開度TAt(i+1)の値を格納するとともに、続くステップ620にて予測スロットル弁開度TAest(i)に予測スロットル弁開度TAest(i+1)の値を格納する。以上の処理により、暫定目標スロットル弁開度TAt(0)に暫定目標スロットル弁開度TAt(1)の値が格納され、予測スロットル弁開度TAest(0)に予測スロットル弁開度TAest(1)の値が格納される。
【0091】
次いで、CPU71は、ステップ625にて変数iの値を「1」だけ増大してステップ610にもどる。そして変数iの値が遅延回数ntdlyより小さければ、再びステップ615〜ステップ625を実行する。即ち、ステップ615〜ステップ625は、変数iの値が遅延回数ntdlyと等しくなるまで繰り返し実行される。これにより、暫定目標スロットル弁開度TAt(i+1)の値が暫定目標スロットル弁開度TAt(i)に順次シフトされ、予測スロットル弁開度TAest(i+1)の値が予測スロットル弁開度TAest(i)に順次シフトされて行く。
【0092】
前述のステップ625が繰り返されることにより変数iの値が遅延回数ntdlyと等しくなると、CPU71はステップ610にて「Yes」と判定してステップ630に進み、同ステップ630にて現時点の実際のアクセル操作量Accpと、図3に示したテーブルとに基づいて今回の暫定目標スロットル弁開度TAaccを求め、これを暫定目標スロットル弁開度TAt(ntdly)に格納する。
【0093】
次に、CPU71はステップ635に進み、同ステップ635にて前回の予測スロットル弁開度TAest(ntdly-1)と、今回の暫定目標スロットル弁開度TAt(ntdly)と、上記数15に基づくステップ635内に記載した式とに応じて今回の予測スロットル弁開度TAest(ntdly)を算出する。そして、ステップ640にて目標スロットル弁開度TAtに暫定目標スロットル弁開度TAt(0)の値を設定し、ステップ695に進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0094】
以上のように、目標スロットル弁開度TAtに関するメモリにおいては、本ルーチンが実行される毎にメモリの内容が一つずつシフトされて行き、暫定目標スロットル弁開度TAt(0)に格納された値がスロットル弁アクチュエータ43aに出力される目標スロットル弁開度TAtとして設定される。即ち、今回の本ルーチンの実行により暫定目標スロットル弁開度TAt(ntdly)に格納された値は、今後において本ルーチンが遅延回数ntdlyだけ繰り返されたときにTAt(0)に格納され、目標スロットル弁開度TAtとなる。また、予測スロットル弁開度TAestに関するメモリにおいては、同メモリ内のTAest(m)に現時点から所定時間(m・ΔTt;mは整数)経過後の予測スロットル弁開度TAestが格納されて行く。
【0095】
(実筒内吸入空気量klcylの算出)
次に、吸気行程における実際の筒内吸入空気量klcyl(k)を算出する際のCPU71の作動について、同CPU71が所定時間の経過毎に実行するルーチンをフローチャートにより示した図7を参照しながら説明する。なお、CPU71は、図7に示したルーチンを特定気筒に対して実行するが、同ルーチンと同一のルーチンを他の気筒に対しても独立して実行するようになっている。
【0096】
CPU71は、所定のタイミングになると、ステップ700から処理を開始してステップ705に進み、同ステップ705にて特定気筒の吸気弁32が開状態から閉状態へと変化したか否か(閉弁した直後であるか否か)を判定する。このとき、吸気弁32が閉弁した直後でなければ、CPU71はステップ705にて「No」と判定してステップ795に進み、本ルーチンを一旦終了する。
【0097】
これに対し、CPU71がステップ705に進んだとき、特定気筒の吸気弁32が閉弁した直後であれば、同CPU71はステップ705にて「Yes」と判定してステップ710に進み、同ステップ710にて変数iの値を「0」に設定し、続くステップ715にて本ルーチンの前回までの実行により既に求められてRAM73に格納されている実際の筒内吸入空気量klcyl(i+1)をklcyl(i)に格納し、ステップ720にて変数iの値を「1」だけ増大するとともに、ステップ725にて同変数iの値が所定の値Mとなったか否かを判定する。なお、値Mは、前述した値N(>1)以上の値である。
【0098】
この時点で変数iは「1」であるから、CPU71はステップ725にて「No」と判定し、ステップ715に戻る。以上の処理により、実際の筒内吸入空気量klcyl(1)の値がklcyl(0)に格納される。そして、CPU71は、再びステップ715〜ステップ725を実行する。この結果、実際の筒内吸入空気量klcyl(i+1)が実際の筒内吸入空気量klcyl(i)へと順次シフトされて行く。
【0099】
その後、前述のステップ720が繰り返されることにより変数iの値が値Mと等しくなると、CPU71はステップ725にて「Yes」と判定してステップ730に進み、同ステップ730にて現時点の実際のスロットル弁開度TAを実際のスロットル弁開度TAactとして取り込み、続くステップ735にて実際のスロットル弁開度TAactと、その時点のエンジン回転速度NEと、その時点のバルブタイミングVTと、前述した吸入空気マップとから実際の筒内吸入空気量を決定し、この値を特定気筒の最新の(前回の吸気行程における)実際の筒内吸入空気量としてklcyl(M)に格納し、ステップ795に進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0100】
このように、CPU71は、ある気筒の吸気弁が閉弁して吸気行程が終了すると、同気筒の同終了した吸気行程での実際の筒内吸入空気量klcylを少なくとも同気筒の吸気弁閉弁時における実際のスロットル弁開度TA(確定した運転状態量)に基づいて算出し、これを順次RAM73の所定のアドレス内に格納して行く。
【0101】
(最終燃料噴射量finjfinal(k)の算出)
次に、最終燃料噴射量finjfinal(k)を決定する際の作動について説明すると、CPU71は図8にフローチャートにより示したルーチンを特定気筒のクランク角度が90°BTDCに一致したときに実行するようになっている。なお、CPU71は、図8に示したルーチンを特定気筒に対して実行するが、同ルーチンと同一のルーチンを他の気筒に対しても独立して実行し、対応する気筒の燃料噴射量を制御するようになっている。
【0102】
先ず、CPUはステップ800から処理を開始し、ステップ805に進んで特定気筒の前回の吸気行程における実際の筒内吸入空気量klcyl(=klcyl(k-1))をRAM73から読み出す。この場合、klcylとして読み出される値はRAM73内に格納されているklcyl(M)の値である。
【0103】
次いで、CPU71はステップ810に進んで上記数4に基づく同ステップ810中に記載した式に従って前回の吸気行程に対する計算筒内燃料量fc(k-1)を算出するとともに、ステップ815に進んで上記数5及び上記数6に基づく同ステップ815に記載した式に従って今回の吸気行程前の燃料付着量fwp(k),fwv(k)を算出する。なお、例えば、燃料残留率Pp(klcyl)のように(klcyl)が付された燃料残量率Pp,Pv,燃料付着率Rp,Rvは、少なくとも、特定気筒の前回の吸気行程における実際の筒内吸入空気量klcylに基づいて決定された値であることを示している。
【0104】
次に、CPU71はステップ820にて実筒内吸入空気量klcylを目標空燃比abyfrefで除すことにより前回の吸気行程に対するフィードフォワード目標筒内燃料量fcref(k-1)を求め、続くステップ825にて上記数7に基づく同ステップ825中に記載した式に従って燃料誤差量fcerr(k)を求める。そして、CPU71は、ステップ830にて同ステップ830中に記載した式(上記数9,数10を参照。)に従って、誤差微分量fcerrdiff(k)及び誤差積分量fcerrin(k)を求め、続くステップ835にて同ステップ835中に記載した式(上記数8を参照。)に従ってフィードフォワード系補正量finjk(k)を求める。
【0105】
次に、CPU71はステップ840に進み、エンジン回転速度NEとバルブタイミングVTとに基づいて現時点から特定気筒の今回の吸気行程終了時までの時間を推定し、その推定した時間後の予測スロットル弁開度TAest(k)をRAM73に記憶している予測スロットル弁開度の中から選択し、続くステップ845にて前記選択した予測スロットル弁開度TAest(k)とその時点のエンジン回転速度NEとバルブタイミングVTと前述した吸入空気量マップとから、特定気筒の今回の吸気行程における予測筒内吸入空気量klfwdを算出する。
【0106】
次いで、CPU71はステップ850に進み、予測筒内吸入空気量klfwdを目標空燃比abyfrefで除して仮目標筒内燃料量tfcrefを求め、続くステップ855にて同ステップ855に記載した上記数3に基づく式に従って基本燃料噴射量finjb(k)を求める。なお、例えば、燃料残留率Pp(klfwd)のように(klfwd)が付された燃料残量率Pp,Pv,燃料付着率Rp,Rvは、少なくとも、特定気筒の今回の吸気行程における予測筒内吸入空気量klfwdに基づいて決定された値であることを示している。そして、CPU71は、ステップ860にて基本燃料噴射量finjb(k)にフィードフォワード系補正量finjk(k)を加えてフィードフォワード燃料噴射量finjfwd(k)を算出する。以上のステップまでで、フィードフォワード系の補正が終了する。
【0107】
次に、CPU71はステップ865にてN回前の吸気行程に対する実筒内吸入空気量klcyl(k-N)を検出空燃比abyfsで除してセンサ検出筒内燃料量(fcsns(k-N))を求め、続くステップ870にてフィードバック燃料誤差量fcgosa(k)を同ステップ870に記載して式に従って算出し、ステップ875にて上記数13及び上記数14に基づく同ステップ875に記載した式に従って誤差微分量fcgosadiff(k)と誤差積分量fcgosain(k)とをそれぞれ算出し、ステップ880にて上記数12に基づく同ステップ880に記載した式に従ってフィードバック系補正量finjfb(k)を求める。
【0108】
そして、CPU71は、ステップ885にて上記数1に従う同ステップ885内に記載した式に従って最終燃料噴射量finjfinal(k)を求め、ステップ890にて同最終燃料噴射量finjfinal(k)の燃料を特定気筒に対応するインジェクタ39から噴射し、ステップ895に進んで本ルーチンを一旦終了する。このようにして、フィードバック計補正量finjfb(k)によりフィードフォワード燃料噴射量finjfwd(k)を補正して、最終燃料噴射量finjfinal(k)が求められる。以上のステップ865〜ステップ885により、フィードバック系の補正が終了する。
【0109】
以上説明したように、本発明による内燃機関の燃料噴射量制御装置の実施形態によれば、フィードフォワード系により、機関の運転状態量(スロットル弁開度)の予測・推定誤差に起因する燃料の過不足分が実際の運転状態量に基づいて精度良く且つ直ちに補償されて行くので、空燃比を精度良く目標空燃比に維持することができる。また、空燃比センサ69の検出空燃比に基づくフィードバック系により、燃料性状の変化、製造誤差に基づくインジェクタ39の性能ばらつき等による混合気の空燃比の目標空燃比に対する定常的な偏差が確実に低減される。更に、本燃料噴射量制御装置は、フィードフォワード系とフィードバック系とが、それぞれ異なる要因に基づく燃料噴射量の過不足分を補償しようとするので、互いに干渉して制御が不安定になることもない。
【0110】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記実施形態においては、計算筒内燃料量(fc(k-N))とセンサ検出筒内燃料量(fcsns(k-N))との偏差fcgosa(k)が小さくなるようにフィードバック系補正量(finjfb(k))が算出されているが、空燃比検出手段69により検出された空燃比のガスをもたらした混合気を吸入したときの吸気行程における実筒内吸入空気量(klcyl(k-N))を計算筒内燃料量(fc(k-N))で除することにより計算上の空燃比をフィードバック用の目標空燃比として求め、この計算上の空燃比と空燃比センサ69が検出した空燃比との偏差が小さくなるように同偏差をPID処理する等によってフィードバック系補正量(finjfb(k))を算出してもよい。
【0111】
また、予測筒内吸入空気量は、特開2001−41095号公報に記載されているように、内燃機関の吸気系における空気の挙動をモデル化した空気モデルに基づいて算出してもよい。更に、上記実施形態において、スロットル弁開度の時間的変化量が小さいときのように内燃機関が定常運転状態にあるときには、今回の吸気行程における吸入空気量がエアフローメータ61の出力に実質的に基いて決定されるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による燃料噴射量制御装置を火花点火式多気筒内燃機関に適用したシステムの概略構成図である。
【図2】 図1に示した電気制御装置により達成される燃料噴射量を決定するための各機能を表したブロック図である。
【図3】 図1に示したCPUが参照するアクセルペダル操作量と暫定目標スロットル弁開度との関係を規定したテーブルを示した図である。
【図4】 暫定目標スロットル弁開度、目標スロットル弁開度、及び予測スロットル弁開度の変化を示したタイムチャートである。
【図5】 予測スロットル弁開度を算出する際に用いる関数を示したグラフである。
【図6】 図1に示したCPUが実行する目標スロットル弁開度、及び予測スロットル弁開度を演算するためのプログラムを示したフローチャートである。
【図7】 図1に示したCPUが実行する実筒内吸入空気量を算出するためのプログラムを示したフローチャートである。
【図8】 図1に示したCPUが実行する最終燃料噴射量を算出するためのプログラムを示したフローチャートである。
【符号の説明】
10…火花点火式多気筒内燃機関、20…シリンダブロック部(エンジン本体部)、25…燃焼室、31…吸気ポート、32…吸気弁、39…インジェクタ、41…吸気管、43…スロットル弁、43a…スロットル弁アクチュエータ、70…電気制御装置、71…CPU。
Claims (5)
- 現時点よりも先の時点において内燃機関の気筒に吸入される吸入空気量を予測するのに必要な機関のスロットル弁開度を含む機関の運転状態量であって同現時点よりも先の時点における運転状態量を予測する運転状態量予測手段と、
前記機関の特定気筒の任意の吸気行程終了前の時点にて、前記予測された機関の運転状態に基づいて同任意の吸気行程にて同特定気筒に吸入される吸入空気量を予測筒内吸入空気量として算出する予測筒内吸入空気量算出手段と、
前記算出された予測筒内吸入空気量と目標空燃比とに基づいて同目標空燃比を得るための基本燃料噴射量を算出する基本燃料噴射量算出手段と、
前記特定気筒の前記任意の吸気行程の一回前の吸気行程に対し前記予測筒内吸入空気量算出手段が前記予測筒内吸入空気量の算出に用いた前記機関のスロットル弁開度を含む運転状態量が確定した後の時点にて、同確定した実際のスロットル弁開度を含む運転状態量に基づいて同一回前の吸気行程にて同特定気筒に吸入された吸入空気量を実筒内吸入空気量として算出する実筒内吸入空気量算出手段と、
前記特定気筒の前記任意の吸気行程の一回前の吸気行程に対する前記予測筒内吸入空気量及び同一回前の吸気行程に対する前記実筒内吸入空気量の誤差に起因する同一回前の吸気行程に対する前記基本燃料噴射量の過不足量を補償するためのフィードフォワード系補正量を、同一回前の吸気行程に対する同予測筒内吸入空気量と同一回前の吸気行程に対する同実筒内吸入空気量とに基づいて算出するフィードフォワード系補正量算出手段と、
前記特定気筒の前記任意の吸気行程に対する基本燃料噴射量を前記フィードフォワード系補正量で補正してフィードフォワード燃料噴射量を算出するフィードフォワード燃料噴射量算出手段と、
前記機関の排ガスの空燃比を検出する空燃比検出手段と、
前記空燃比検出手段が空燃比を検出した排ガスに対応する混合気を吸入した前記特定気筒の過去の吸気行程に対し前記フィードフォワード燃料噴射量算出手段が算出していた前記フィードフォワード燃料噴射量に基づいて定まる同混合気の空燃比と、前記空燃比検出手段により検出された空燃比との偏差を小さくするためのフィードバック系補正量を、同混合気の空燃比と同検出された空燃比とに基づいて算出するフィードバック系補正量算出手段と、
前記特定気筒の前記任意の吸気行程に対して算出されたフィードフォワード燃料噴射量を前記フィードバック系補正量で補正することにより最終燃料噴射量を算出する最終燃料噴射量算出手段と、
前記最終燃料噴射量の燃料を前記特定気筒の前記任意の吸気行程に対して噴射する燃料噴射手段と、
を備えた内燃機関の燃料噴射量制御装置。 - 現時点よりも先の時点における内燃機関の運転状態量を予測するとともに、同機関の特定気筒の任意の吸気行程終了前の時点で同予測した機関の運転状態量に基づいて同任意の吸気行程にて同特定気筒に吸入される吸入空気量を予測筒内吸入空気量として算出する予測筒内吸入空気量算出手段と、
前記予測筒内吸入空気量と目標空燃比とに基づいて同目標空燃比を得るための基本燃料噴射量を算出する基本燃料噴射量算出手段と、
前記基本燃料噴射量をフィードフォワード系補正量で補正してフィードフォワード燃料噴射量を算出するフィードフォワード燃料噴射量算出手段と、
前記特定気筒の前記任意の吸気行程の一回前の吸気行程よりも後の時点で、同一回前の吸気行程に対して算出された前記フィードフォワード燃料噴射量の燃料が同一回前の吸気行程に対して噴射されたと仮定した場合に同特定気筒に同一回前の吸気行程において供給されたと考えられる燃料量である計算筒内燃料量を算出するフィードフォワード系筒内燃料量算出手段と、
前記特定気筒の前記任意の吸気行程の一回前の吸気行程に対し前記予測筒内吸入空気量算出手段が前記予測筒内吸入空気量の算出に用いた前記機関の運転状態量が確定した時点よりも後の時点で同確定した実際の運転状態量に基づいて同一回前の吸気行程にて同特定気筒に吸入された吸入空気量を実筒内吸入空気量として算出する実筒内吸入空気量算出手段と、
前記実筒内吸入空気量と前記目標空燃比とに基づいて同目標空燃比を得るためのフィードフォワード目標筒内燃料量を算出するフィードフォワード目標筒内燃料量算出手段と、
前記計算筒内燃料量と前記フィードフォワード目標筒内燃料量との偏差が小さくなるように、同計算筒内燃料量と同フィードフォワード目標筒内燃料量とに基づいて前記フィードフォワード系補正量を算出するフィードフォワード系補正量算出手段と、
前記機関の排ガスの空燃比を検出する空燃比検出手段と、
前記検出された空燃比と、前記特定気筒が同検出された空燃比のガスを吸入したと考えられる同特定気筒の所定回数前の吸気行程に対して前記実筒内吸入空気量算出手段が算出した実筒内吸入空気量と、に基づいて同特定気筒の同所定回数前の吸気行程において同特定気筒に実際に供給された燃料量であるセンサ検出筒内燃料量を算出するセンサ検出筒内燃料量算出手段と、
前記特定気筒の前記所定回数前の吸気行程に対して前記フィードフォワード系筒内燃料量算出手段が算出していた計算筒内燃料量と前記センサ検出筒内燃料量算出手段が算出したセンサ検出筒内燃料量との偏差が小さくなるように、同計算筒内燃料量と同センサ検出筒内燃料量とに基づいてフィードバック系補正量を算出するフィードバック系補正量算出手段と、
前記フィードバック系補正量で前記任意の吸気行程に対して算出されたフィードフォワード燃料噴射量を補正することにより最終燃料噴射量を算出する最終燃料噴射量算出手段と、
前記最終燃料噴射量の燃料を前記特定気筒の前記任意の吸気行程に対して噴射する燃料噴射手段と、
を備えた内燃機関の燃料噴射量制御装置。 - 現時点よりも先の時点における内燃機関の運転状態量を予測するとともに、同機関の特定気筒の任意の吸気行程終了前の時点で同予測した機関の運転状態量に基づいて同任意の吸気行程にて同特定気筒に吸入される吸入空気量を予測筒内吸入空気量として算出する予測筒内吸入空気量算出手段と、
前記予測筒内吸入空気量と目標空燃比とに基づいて同目標空燃比を得るための基本燃料噴射量を算出する基本燃料噴射量算出手段と、
前記基本燃料噴射量をフィードフォワード系補正量で補正してフィードフォワード燃料噴射量を算出するフィードフォワード燃料噴射量算出手段と、
前記特定気筒の前記任意の吸気行程の一回前の吸気行程よりも後の時点で、同一回前の吸気行程に対して算出された前記フィードフォワード燃料噴射量の燃料が同一回前の吸気行程に対して噴射されたと仮定した場合に同特定気筒に同一回前の吸気行程において供給されたと考えられる燃料量である計算筒内燃料量を算出するフィードフォワード系筒内燃料量算出手段と、
前記特定気筒の前記任意の吸気行程の一回前の吸気行程に対し前記予測筒内吸入空気量算出手段が前記予測筒内吸入空気量の算出に用いた前記機関の運転状態量が確定した時点よりも後の時点で同確定した実際の運転状態量に基づいて同一回前の吸気行程にて同特定気筒に吸入された吸入空気量を実筒内吸入空気量として算出する実筒内吸入空気量算出手段と、
前記実筒内吸入空気量と前記目標空燃比とに基づいて同目標空燃比を得るためのフィードフォワード目標筒内燃料量を算出するフィードフォワード目標筒内燃料量算出手段と、
前記計算筒内燃料量と前記フィードフォワード目標筒内燃料量との偏差が小さくなるように、同計算筒内燃料量と同フィードフォワード目標筒内燃料量とに基づいて前記フィードフォワード系補正量を算出するフィードフォワード系補正量算出手段と、
前記機関の排ガスの空燃比を検出する空燃比検出手段と、
前記空燃比検出手段により検出された空燃比のガスを前記特定気筒が吸入したと考えられる同特定気筒の所定回数前の吸気行程に対して前記実筒内吸入空気量算出手段が算出した実筒内吸入空気量、及び、前記特定気筒の同所定回数前の吸気行程に対して前記フィードフォワード系筒内燃料量算出手段が算出していた計算筒内燃料量に基づいて定まる計算空燃比と、同検出された空燃比と、の偏差が小さくなるように、同計算空燃比と同検出された空燃比とに基づいてフィードバック系補正量を算出するフィードバック系補正量算出手段と、
前記フィードバック系補正量で前記任意の吸気行程に対して算出されたフィードフォワード燃料噴射量を補正することにより最終燃料噴射量を算出する最終燃料噴射量算出手段と、
前記最終燃料噴射量の燃料を前記特定気筒の前記任意の吸気行程に対して噴射する燃料噴射手段と、
を備えた内燃機関の燃料噴射量制御装置。 - 請求項2又は請求項3に記載の内燃機関の燃料噴射量制御装置において、
前記フィードフォワード系筒内燃料量算出手段は、前記機関の吸気通路構成部材に付着する燃料の挙動を表す燃料挙動モデルの順モデルを用いて前記計算筒内燃料量を算出するように構成されたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射量制御装置。 - 請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の内燃機関の燃料噴射量制御装置において、
前記基本燃料噴射量算出手段は、前記機関の吸気通路構成部材に付着する燃料の挙動を表す燃料挙動モデルの逆モデルを用いて前記基本燃料噴射量を算出するように構成されたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射量制御装置。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002201569A JP4144272B2 (ja) | 2002-07-10 | 2002-07-10 | 内燃機関の燃料噴射量制御装置 |
US10/614,204 US6792927B2 (en) | 2002-07-10 | 2003-07-08 | Fuel injection amount control apparatus and method of internal combustion engine |
DE10331020A DE10331020A1 (de) | 2002-07-10 | 2003-07-09 | Kraftstoffeinspritzmengensteuerungsvorrichtung und -verfahren für eine Brennkraftmaschine |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002201569A JP4144272B2 (ja) | 2002-07-10 | 2002-07-10 | 内燃機関の燃料噴射量制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004044454A JP2004044454A (ja) | 2004-02-12 |
JP4144272B2 true JP4144272B2 (ja) | 2008-09-03 |
Family
ID=30112576
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002201569A Expired - Fee Related JP4144272B2 (ja) | 2002-07-10 | 2002-07-10 | 内燃機関の燃料噴射量制御装置 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6792927B2 (ja) |
JP (1) | JP4144272B2 (ja) |
DE (1) | DE10331020A1 (ja) |
Families Citing this family (71)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4060177B2 (ja) * | 2002-12-25 | 2008-03-12 | 株式会社日立製作所 | 内燃機関の制御装置 |
JP4365626B2 (ja) * | 2003-06-25 | 2009-11-18 | 三菱自動車工業株式会社 | 多気筒エンジンの空燃比制御装置 |
US7134429B2 (en) * | 2004-03-05 | 2006-11-14 | Robert Bosch Gmbh | Method and device for controlling an internal combustion engine |
JP4500595B2 (ja) * | 2004-06-15 | 2010-07-14 | 本田技研工業株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
DE102004030759B4 (de) * | 2004-06-25 | 2015-12-17 | Robert Bosch Gmbh | Verfahren zur Steuerung einer Brennkraftmaschine |
US6973912B1 (en) * | 2004-09-29 | 2005-12-13 | Keihin Corporation | Method of controlling operation of internal combustion engine |
US7743606B2 (en) * | 2004-11-18 | 2010-06-29 | Honeywell International Inc. | Exhaust catalyst system |
US7182075B2 (en) * | 2004-12-07 | 2007-02-27 | Honeywell International Inc. | EGR system |
US7467614B2 (en) | 2004-12-29 | 2008-12-23 | Honeywell International Inc. | Pedal position and/or pedal change rate for use in control of an engine |
US7165399B2 (en) * | 2004-12-29 | 2007-01-23 | Honeywell International Inc. | Method and system for using a measure of fueling rate in the air side control of an engine |
US7275374B2 (en) * | 2004-12-29 | 2007-10-02 | Honeywell International Inc. | Coordinated multivariable control of fuel and air in engines |
US7591135B2 (en) * | 2004-12-29 | 2009-09-22 | Honeywell International Inc. | Method and system for using a measure of fueling rate in the air side control of an engine |
US20060168945A1 (en) * | 2005-02-02 | 2006-08-03 | Honeywell International Inc. | Aftertreatment for combustion engines |
US7752840B2 (en) * | 2005-03-24 | 2010-07-13 | Honeywell International Inc. | Engine exhaust heat exchanger |
US7246004B2 (en) * | 2005-04-19 | 2007-07-17 | Gm Global Technology Operations, Inc. | Nonlinear fuel dynamics control with lost fuel compensation |
US7302937B2 (en) * | 2005-04-29 | 2007-12-04 | Gm Global Technology Operations, Inc. | Calibration of model-based fuel control for engine start and crank to run transition |
US7469177B2 (en) * | 2005-06-17 | 2008-12-23 | Honeywell International Inc. | Distributed control architecture for powertrains |
US7389773B2 (en) | 2005-08-18 | 2008-06-24 | Honeywell International Inc. | Emissions sensors for fuel control in engines |
US7765792B2 (en) | 2005-10-21 | 2010-08-03 | Honeywell International Inc. | System for particulate matter sensor signal processing |
US7357125B2 (en) * | 2005-10-26 | 2008-04-15 | Honeywell International Inc. | Exhaust gas recirculation system |
US20070144149A1 (en) * | 2005-12-28 | 2007-06-28 | Honeywell International Inc. | Controlled regeneration system |
US7415389B2 (en) * | 2005-12-29 | 2008-08-19 | Honeywell International Inc. | Calibration of engine control systems |
DE102006020349A1 (de) * | 2006-04-28 | 2007-10-31 | Mahle International Gmbh | Kolbenmotor und zugehöriges Betriebsverfahren |
JP4725478B2 (ja) * | 2006-10-10 | 2011-07-13 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の空燃比制御装置 |
JP4937075B2 (ja) * | 2006-11-29 | 2012-05-23 | 川崎重工業株式会社 | 内燃機関の吸気量推定方法及び燃料噴射制御方法、内燃機関の吸気量推定装置、並びに自動二輪車 |
JP4893553B2 (ja) * | 2007-09-25 | 2012-03-07 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
JP4952654B2 (ja) * | 2008-05-21 | 2012-06-13 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の制御システム |
US8060290B2 (en) | 2008-07-17 | 2011-11-15 | Honeywell International Inc. | Configurable automotive controller |
WO2010095209A1 (ja) * | 2009-02-17 | 2010-08-26 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
US8620461B2 (en) | 2009-09-24 | 2013-12-31 | Honeywell International, Inc. | Method and system for updating tuning parameters of a controller |
JP5141673B2 (ja) | 2009-12-04 | 2013-02-13 | 株式会社デンソー | 内燃機関のアイドルストップ制御装置 |
US8504175B2 (en) | 2010-06-02 | 2013-08-06 | Honeywell International Inc. | Using model predictive control to optimize variable trajectories and system control |
MX2013002596A (es) * | 2010-12-27 | 2013-04-03 | Nissan Motor | Dispositivo de control para motor de combustion interna. |
GB2488371A (en) * | 2011-02-28 | 2012-08-29 | Gm Global Tech Operations Inc | Feed-forward control of fuel injection in an internal combustion engine |
US8849545B2 (en) | 2011-03-07 | 2014-09-30 | GM Global Technology Operations LLC | Controlling fuel injection based on fuel volatility |
US9677493B2 (en) | 2011-09-19 | 2017-06-13 | Honeywell Spol, S.R.O. | Coordinated engine and emissions control system |
US9650934B2 (en) | 2011-11-04 | 2017-05-16 | Honeywell spol.s.r.o. | Engine and aftertreatment optimization system |
US20130111905A1 (en) | 2011-11-04 | 2013-05-09 | Honeywell Spol. S.R.O. | Integrated optimization and control of an engine and aftertreatment system |
CN102817735B (zh) * | 2012-08-21 | 2015-07-29 | 潍柴动力股份有限公司 | 一种高压共轨系统中轨压前馈控制量的修正方法和装置 |
US9534550B2 (en) * | 2012-09-10 | 2017-01-03 | GM Global Technology Operations LLC | Air per cylinder determination systems and methods |
US9650978B2 (en) | 2013-01-07 | 2017-05-16 | GM Global Technology Operations LLC | System and method for randomly adjusting a firing frequency of an engine to reduce vibration when cylinders of the engine are deactivated |
US9726139B2 (en) | 2012-09-10 | 2017-08-08 | GM Global Technology Operations LLC | System and method for controlling a firing sequence of an engine to reduce vibration when cylinders of the engine are deactivated |
US9416743B2 (en) | 2012-10-03 | 2016-08-16 | GM Global Technology Operations LLC | Cylinder activation/deactivation sequence control systems and methods |
US9382853B2 (en) | 2013-01-22 | 2016-07-05 | GM Global Technology Operations LLC | Cylinder control systems and methods for discouraging resonant frequency operation |
US9719439B2 (en) | 2012-08-24 | 2017-08-01 | GM Global Technology Operations LLC | System and method for controlling spark timing when cylinders of an engine are deactivated to reduce noise and vibration |
US10227939B2 (en) | 2012-08-24 | 2019-03-12 | GM Global Technology Operations LLC | Cylinder deactivation pattern matching |
US9638121B2 (en) | 2012-08-24 | 2017-05-02 | GM Global Technology Operations LLC | System and method for deactivating a cylinder of an engine and reactivating the cylinder based on an estimated trapped air mass |
US9458778B2 (en) | 2012-08-24 | 2016-10-04 | GM Global Technology Operations LLC | Cylinder activation and deactivation control systems and methods |
US9458779B2 (en) | 2013-01-07 | 2016-10-04 | GM Global Technology Operations LLC | Intake runner temperature determination systems and methods |
US9458780B2 (en) | 2012-09-10 | 2016-10-04 | GM Global Technology Operations LLC | Systems and methods for controlling cylinder deactivation periods and patterns |
US9376973B2 (en) | 2012-09-10 | 2016-06-28 | GM Global Technology Operations LLC | Volumetric efficiency determination systems and methods |
EP3384927B1 (en) * | 2012-11-08 | 2022-07-06 | Boehringer Ingelheim Animal Health USA Inc. | Attenuated manheimia haemolytica vaccines and methods of making and use |
US9494092B2 (en) | 2013-03-13 | 2016-11-15 | GM Global Technology Operations LLC | System and method for predicting parameters associated with airflow through an engine |
US9441550B2 (en) | 2014-06-10 | 2016-09-13 | GM Global Technology Operations LLC | Cylinder firing fraction determination and control systems and methods |
US9341128B2 (en) | 2014-06-12 | 2016-05-17 | GM Global Technology Operations LLC | Fuel consumption based cylinder activation and deactivation control systems and methods |
US9556811B2 (en) | 2014-06-20 | 2017-01-31 | GM Global Technology Operations LLC | Firing pattern management for improved transient vibration in variable cylinder deactivation mode |
US9599047B2 (en) | 2014-11-20 | 2017-03-21 | GM Global Technology Operations LLC | Combination cylinder state and transmission gear control systems and methods |
EP3051367B1 (en) | 2015-01-28 | 2020-11-25 | Honeywell spol s.r.o. | An approach and system for handling constraints for measured disturbances with uncertain preview |
EP3056706A1 (en) | 2015-02-16 | 2016-08-17 | Honeywell International Inc. | An approach for aftertreatment system modeling and model identification |
EP3091212A1 (en) | 2015-05-06 | 2016-11-09 | Honeywell International Inc. | An identification approach for internal combustion engine mean value models |
US10337441B2 (en) | 2015-06-09 | 2019-07-02 | GM Global Technology Operations LLC | Air per cylinder determination systems and methods |
EP3734375B1 (en) | 2015-07-31 | 2023-04-05 | Garrett Transportation I Inc. | Quadratic program solver for mpc using variable ordering |
US10272779B2 (en) | 2015-08-05 | 2019-04-30 | Garrett Transportation I Inc. | System and approach for dynamic vehicle speed optimization |
US10415492B2 (en) | 2016-01-29 | 2019-09-17 | Garrett Transportation I Inc. | Engine system with inferential sensor |
US10036338B2 (en) | 2016-04-26 | 2018-07-31 | Honeywell International Inc. | Condition-based powertrain control system |
US10124750B2 (en) | 2016-04-26 | 2018-11-13 | Honeywell International Inc. | Vehicle security module system |
JP6636156B2 (ja) | 2016-07-12 | 2020-01-29 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 燃料噴射装置の制御装置 |
US20180058350A1 (en) * | 2016-08-31 | 2018-03-01 | GM Global Technology Operations LLC | Method and apparatus for controlling operation of an internal combustion engine |
US11199120B2 (en) | 2016-11-29 | 2021-12-14 | Garrett Transportation I, Inc. | Inferential flow sensor |
JP6834752B2 (ja) * | 2017-04-28 | 2021-02-24 | トヨタ自動車株式会社 | 過給機付き内燃機関の制御装置 |
US11057213B2 (en) | 2017-10-13 | 2021-07-06 | Garrett Transportation I, Inc. | Authentication system for electronic control unit on a bus |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5003950A (en) * | 1988-06-15 | 1991-04-02 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Apparatus for control and intake air amount prediction in an internal combustion engine |
JP2830461B2 (ja) | 1990-11-22 | 1998-12-02 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の燃料噴射量制御装置 |
DE69329668T2 (de) * | 1992-07-03 | 2001-03-15 | Honda Giken Kogyo K.K., Tokio/Tokyo | Brennstoffdosierungsteuersystem und Verfahren zum Schätzen des Zylinderluftstroms in Verbrennungsmotoren |
US6014955A (en) * | 1996-09-19 | 2000-01-18 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Control apparatus for internal combustion engine using air-amount-first fuel-amount-second control method |
JPH10220269A (ja) | 1997-02-03 | 1998-08-18 | Yamaha Motor Co Ltd | エンジン制御方式 |
-
2002
- 2002-07-10 JP JP2002201569A patent/JP4144272B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
2003
- 2003-07-08 US US10/614,204 patent/US6792927B2/en not_active Expired - Fee Related
- 2003-07-09 DE DE10331020A patent/DE10331020A1/de not_active Withdrawn
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US6792927B2 (en) | 2004-09-21 |
US20040007211A1 (en) | 2004-01-15 |
DE10331020A1 (de) | 2004-04-29 |
JP2004044454A (ja) | 2004-02-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4144272B2 (ja) | 内燃機関の燃料噴射量制御装置 | |
JP4315179B2 (ja) | 内燃機関の空燃比制御装置 | |
EP1493908A2 (en) | Control system for internal combustion engine | |
JP3998136B2 (ja) | 内燃機関の空燃比制御装置 | |
US6820595B2 (en) | Fuel injection amount control method and apparatus of internal combustion engine | |
JP2007162565A (ja) | 内燃機関の空燃比制御装置 | |
JP2007263047A (ja) | 内燃機関の始動時燃料噴射量制御装置 | |
JP5482718B2 (ja) | エンジン適合装置 | |
JP4470832B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP4761072B2 (ja) | 内燃機関の点火時期制御装置 | |
JP3985516B2 (ja) | 内燃機関の燃料噴射量制御装置 | |
JP2007100575A (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP3988650B2 (ja) | 内燃機関の内部egr量推定装置 | |
JP4280931B2 (ja) | 内燃機関の空燃比制御装置 | |
JP2004019477A (ja) | 内燃機関の回転数制御方法 | |
JP2005090325A (ja) | 燃料噴射量制御装置 | |
JP4107305B2 (ja) | エンジンの空燃比制御装置 | |
JP3945298B2 (ja) | 内燃機関の燃料噴射量制御装置 | |
JP4241560B2 (ja) | 内燃機関の吸入空気量推定装置 | |
JP4449603B2 (ja) | 内燃機関の燃料噴射制御装置 | |
JP4396076B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP2005002932A (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP5067191B2 (ja) | 内燃機関の燃料噴射量制御装置 | |
JP4770589B2 (ja) | 内燃機関の空燃比制御装置 | |
JP2004019478A (ja) | 内燃機関の回転数制御方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050526 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20071119 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080115 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080313 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080527 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080609 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110627 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |