JP4128375B2 - 施解錠装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリンダ錠と、このシリンダ錠に対して施解錠操作を行う合カギと具備する施解錠装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、特殊な工具を用いることでカギ穴内のタンブラーを操作して不正解錠を行うピッキングと称される犯罪が多発している。そこで、このような不正解錠に対して、施解錠装置のシリンダ錠部分をピッキング困難なものとすることで、不正解錠を防止する対策が採られ始めている。
【0003】
この種のシリンダ錠としては、図8,9に示すように、例えばすり鉢状の凹部、所謂、ディンプル71を表裏面の所定の位置に設けた合カギ73を用いるものがある。このシリンダ錠は、カギ穴に挿入される合カギ73のディンプル71に応じてタンブラーピンを移動させ、内筒に外挿した外筒との境界部にタンブラーピンのシアラインを一致させて、内筒を外筒に対し回転規制解除して解錠を行う。
【0004】
図11に示すように、このシリンダ錠75は、合カギ73を抜きとった状態でタンブラーピン77がスプリング79に押され、外筒81と内筒83を貫いているため、内筒83を回転させることができない。一方、図10に示すように、合カギ73をカギ穴76に差し込むと、所定箇所のタンブラーピン77が後退し、タンブラーピン77のシアライン85が外筒81と内筒83との境界部87にそろい、内筒83を回転させることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したディンプルタイプのシリンダ錠は、カギ穴に挿入した合カギのディンプルに応じて所定箇所のタンブラーピンを後退させ、タンブラーピンのシアラインを外筒と内筒との境界部に一致させて、内筒の回動規制を解除する点では従来の合カギの側縁に山谷を形成させる構造によるピンシリンダ機構を踏襲したものとなっている。
【0006】
そして、上記シリンダ錠では、合カギのディンプル形成面に垂直な方向でタンブラーピンを当接させるため、タンブラーピンが当接する方向の距離を大きく確保することができず、カギ違いを増やすことが困難となる。つまり、タンブラーピンが当接する方向の距離が、合カギの厚みに依存していた。これに対し、合カギの厚みを厚くすれば、カギ穴が大きくなり、不正解錠をより容易にさせることとなった。
【0007】
また、上記構造のシリンダ錠では、略板状に形成される合カギを用いる構成であり、カギ穴の形状を略スリット状に形成した構造であることから、スリットの両端部分を利用するなど、シリンダ錠に対しての回転操作など不正な解錠操作を可能とするような構造となっており、合カギの形状およびカギ穴の形状についても、ピッキング等の不正な操作への対処が望まれている。
【0008】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、ピッキング等の不正解錠に対する抵抗力を向上させることが可能となる合カギおよびシリンダ錠の構造をもった施解錠装置を提供する。また、不正な解錠操作等、合カギを用いない解錠操作を行った場合に、解錠を不可能とし、防犯性の向上が図られた施解錠装置を得ることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
この発明の請求項1記載の施解錠装置1は、外筒7と、該外筒7に対し回動自在な内筒11とを備え、前記外筒7と内筒11とに亘ってタンブラーピン17が貫通配置されるシリンダ錠3に、前記内筒11に形成されるカギ穴13に合カギ51を挿入することにより、前記タンブラーピン17を前記カギ穴14から半径方向所定位置に移動させ、前記外筒7と内筒11との境界部27に前記タンブラーピン17のシアライン25を一致させることで前記内筒7の回動規制を解除する施解錠装置1であって、
円形穴状に形成されるカギ穴13を備えた内筒11と、
前記カギ穴13に挿入される挿入部55が断面円形が連続する円柱状に形成され、該挿入部55の外周面に前記タンブラーピン17に対応して深さを組み合わされる複数の凹部59が形成される合カギ51と、
前記内筒11のカギ穴13内の所定位置に配置され、該カギ穴13内方向に突出する係合凸部33と、
前記合カギ51の外周面に形成され、前記係合凸部33に係合する係合凹部61と、
を具備するとともに、
前記内筒11には、半径方向に挿通穴29が形成され、該挿通穴29に先端が前記係合凸部33となる摺動片31が前記内筒11の半径方向に摺動自在に設けられ、
前記外筒7の内周面には、前記挿通穴29に対応して空間部35が形成され、該空間部35内に、前記摺動片31の基端に当接し前記係合凸部33をカギ穴13内に突出状態で支持するとともに、押圧力によって元の形状に復元せず圧潰する支持片37が設けられており、
前記合カギ51による操作時には、前記シアライン25が一致するとともに、前記係合凸部33と前記係合凹部61とが嵌合し、前記カギ穴13内部の形状と前記合カギ挿入部55の形状とが合致し、前記合カギ51の回動操作が前記内筒11に伝達され、
前記カギ穴13に対して正しく合う形状でない物が挿入された際には、前記係合凸部33が押圧されて、前記摺動片31の摺動により支持片37が圧潰し、前記内筒11と前記外筒7との境界部分27に、前記摺動片31が位置して、前記内筒11の回動を不能とすることを特徴とする。
【0010】
この施解錠装置1によれば、合カギ51の挿入部55の形状を断面円形な円柱状とし、カギ穴13の形状を円形穴としたので、このシリンダ錠3に対して不正な解錠操作を行おうとカギ穴13に工具などを係止しようとしても、掛かる形状でないことから、内筒11を回動させる操作を行うことが不可能であり、これにより防犯性を得られる。
また、この施解錠装置1によれば、カギ穴13内に、不正な解錠操作を行おうとして工具などを挿入した際に、係合凸部33が押圧されると、挿通穴29に沿って摺動片31が外筒7の空間部35へと後退移動することとなり、空間部35内では摺動片31を支持していた支持片37が元の形状に復元せず圧潰される。これにより摺動片31は、外筒7と内筒11との境界部27に位置することとなり、内筒11を外筒7に対して回動させることが不可能となり、すなわち不正な解錠操作を不能とする。
なお、前記支持片37を、厚みの薄い円形パイプより構成することで、31摺動片が後退移動した際には、容易に圧潰され、不正な解錠操作に対する解錠不能状態への移行を確実に行うことが可能となる。
【0011】
請求項2記載の施解錠装置は、前記合カギ51の挿入部55は、軸方向に段部を介して外径が異なり、多段に形成されて、細径部57を備えるとともに、先端が円錐状に形成されることを特徴とする。
【0012】
この施解錠装置1によれば、合カギ51の形状を凹部(ディンプル)59のみではなく、多段に形成される細径部57を形成して、これら細径部57と凹部59との組み合わせでカギ違いを構成させることが可能となる。
【0013】
請求項3記載の施解錠装置は、前記係合凸部33は、前記内筒11の軸線方向に平行とされる長尺な突条形状に形成され、前記係合凹部61は、前記挿入部55の軸線方向に平行とされる長尺な溝条に形成されることを特徴とする。
【0014】
この施解錠装置によれば、係合凸部33と係合凹部61との係合状態が、軸線方向に長尺となり、係合凹部61側である合カギ51の回動操作を確実に係合凸部33側である内筒11に伝達でき、合カギ51による内筒11の施解錠の操作が行えることとなる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は本発明による施解錠装置の実施の形態を示す側断面図、図2は同施解錠装置のシリンダ錠の側断面図、図3は同施解錠装置のシリンダ錠の正面図である。
【0020】
図1に示すように、本発明の施解錠装置1を構成するシリンダ錠3は、外装筒5の内側に、外筒7を相対回転不能に装着する。外装筒5は、基端5aが図示しない錠機構本体側の錠箱に固定され、先端側半部5bが扉面より突出し、さらに外周を化粧リング9などにて覆われる。
外筒7の内部には、カギ穴13を有した内筒11を回転自在に内設している。外筒7と内筒11とには、両者に亘って半径方向に貫通穴15を穿設している。この貫通穴15は、一端がカギ穴13に開口し、他端が外筒7の外周面に開口している。
【0021】
貫通穴15は、カギ穴13の軸線方向に沿って複数配設されるとともに、図4に示すように、カギ穴13の軸線に対して約45°傾斜した左右の各位置にも配設され、それぞれカギ穴13の軸線方向に沿って複数配設され、すなわち本実施の形態では、貫通穴15がカギ穴13の軸線方向に対し3方向となっている。
【0022】
また、貫通穴15は、カギ穴13内に開口する先端側が小径穴となり、外筒7の外周面に開口する後端側が大径穴となっている。この小径穴と大径穴との境は、内筒11内で段部16となっている。
【0023】
それぞれの貫通穴15には、タンブラーピン17を内設している。
タンブラーピン17は、外筒7を外装筒5に装着する前に、予め貫通穴15に装着される。タンブラーピン17は、先端側となる段付ピン18と、後端側となるドライバーピン19とからなる。段付ピン18は、後端側にフランジ状の角部18aを有し、先端側が円錐状に形成される。ドライバーピン19は、後端側に凹部19aを有し、段付ピン18と同軸上となって段付ピン18の後端面に当接する。
【0024】
タンブラーピン17は、段付ピン18の角部18aが、貫通穴15の段部16に当接することで、段付ピン18の先端が所定寸法、カギ穴13に突出した状態で、それ以上の突出が止められる(図2参照)。
なお、外筒7の外周面には、湾曲した薄板状の蓋材21が取り付けられ、外筒7の外周面に位置する貫通穴15の開口が塞がれる。
【0025】
蓋材21とドライバーピン19の凹部19aとの間には、圧縮したスプリング23を配設している。従って、タンブラーピン17は、通常時(合カギの非挿入時(図2参照))、先端をカギ穴13に突出させた状態となり、先端が押圧されることでスプリング23の付勢力に抗して貫通穴15内へ後退するようになっている。タンブラーピン17は、段付ピン18とドライバーピン19とに二分割してあり、その境が所謂シアライン25となる。このシアライン25は、それぞれのタンブラーピン17において、先端から異なる位置で設定される。すなわち、内筒11は、各タンブラーピン17のシアライン25が外筒7との境界部27に全て一致しなければ回動規制が解除されない。
【0026】
また、内筒11のカギ穴13の奥方位置には、半径方向に貫通した互いに対向する一対の挿通穴29が形成される。
各挿通穴29は内筒11の軸線方向に長い長穴よりなり、内筒11の軸芯を中心に互いが対向して配設される摺動片31が嵌挿される。摺動片31は、略矩形板状に形成され、挿通穴29内を内筒11の径方向に摺動自在とされる。摺動片31の長さは、内筒11の厚さよりやや長尺に形成される。また、摺動片31の先端は、曲面より形成され略かまぼこ状となり係合凸部33とされる。摺動片31が内筒11に嵌挿されて取り付けられた状態で、先端の係合凸部33がカギ穴13内にて突条状に突出する。また摺動片31の基端は内筒11の外周面と略面一となる。
【0027】
内筒11の各挿通穴29に対応して、外筒7の内周面における奥方の対向位置には空間部35が形成される。空間部35は、外筒7の軸線方向に沿う略凹溝状に形成される。
この凹溝状の空間部35には、支持片37が嵌入される。この支持片37は、圧潰することが可能な素材、好ましくは外力により変形し、元の形状に復元しない材質、すなわち可塑性のある材質よりなり、本実施の形態では円形パイプより構成され、好ましくは、薄厚なパイプよりなる。この支持片37は空間部35内に位置し、外筒7内周面より突出せず、内筒11の摺動片31基端に当接する。
【0028】
また、内筒11と外筒7との境界部分において、タンブラーピン17の配設される位置に対して対向した位置(図中下部)には、外筒7に対する内筒11の回転を、一時的に保持し、かつ、外筒7に対して内筒11を回転させた際のクリック感を得るための係止部39が配設される。係止部39は、略杆状の係止部材41と、この係止部材41を外筒7内周面から内筒11外周面に付勢させるバネなどの付勢部材43で構成される。内筒11の外周面には軸線方向に沿う溝45が形成され、この溝45に係止部材41がかかり、外筒7に対する内筒11の回転の一時的な回転停止を行う。
【0029】
なお、内筒11の奥方先端には、図示しない錠機構に連動連結される連結ダルマ47が連結される。この連結ダルマ47は、外筒7の奥方端部において回動自在に支持されている。
【0030】
次に、この施解錠装置1に用いられる合カギ51について説明する。
この合カギ51は、図5に示すように、つまみ部53と挿入部55とで構成される。
つまみ部53は、略矩形板状に形成される。挿入部55は、断面円形が連続する円柱状に形成される。本実施の形態の挿入部55は、図5に示すように、中途部が細径となり、すなわち段部を介して外径が異なり、多段に形成されて、細径部57を備え、また、先端が円錐状に形成される。
【0031】
挿入部55の外周面には、タンブラーピン17を貫通穴15内へ後退させ、軸線方向所定位置に配置させる略擂鉢状の凹部、所謂、ディンプル59が形成される。このディンプル59は、上記したようにそれぞれ異なるシアライン25の位置を、境界部27に一致させる深さを有する。
なお、このディンプル59は、挿入部55の外径とも組み合わされ、すなわち、この挿入部55における細径部57の径や、ディンプル59の深さでカギ違いを実現している。
【0032】
また、この合カギ51の挿入部55の先端部における半径方向の外側に位置する両側面には、図6に示すように、係合凹部61が設けられる。この係合凹部61は、挿入部55の軸線方向に沿って長尺とされる略U字状の凹溝よりなる。本実施の形態では、これら係合凹部61は、つまみ部53の板面に対して直交する方向に配置される。そして、内筒11のカギ穴13内における上記した係合凸部33と互いに嵌め合うように構成され、すなわち係合凸部33の外形と係合凹部61の溝形状とは略同形に設定される。
【0033】
次に、このように構成された施解錠装置1の動作を説明する。
図2および図3に示すように、合カギ51の非挿入時には、各タンブラーピン17はスプリング23によって付勢され、先端をカギ穴13内に突出させている。また、それぞれのタンブラーピン17のシアライン25は、不連続となり、その結果ドライバーピン19が外筒7と内筒11との境界部27に配置している。このため、内筒11は、外筒7に対して回動が規制されている。
【0034】
このシリンダ錠3に対して図5に示す正規な合カギ51が挿入されると、合カギ51先端の係合凹部61がカギ穴13内の係合凸部33と係合しあう。また、同時に、それぞれのタンブラーピン17が、合カギ61に設けた所定のディンプル59に落ち込み、またはタンブラーピン17が挿入部55の細径部57等の外周面にて当接し、貫通穴15の軸線方向所定位置に移動する。これにより、各タンブラーピン17のシアライン25が図1に示すように一直線上に連続し、外筒7と内筒11との境界部27に一致する。すなわち、内筒11は、回動規制が解除された状態となる。
【0035】
そして、合カギ51を回動させると、係合凹部61と係合凸部33とが軸線方向にて互いに周方向への噛み合いとなり、回動方向の操作力を伝達させ、また摺動片31基端と支持片37との境で互いに離れるとともに、シアライン25を境にタンブラーピン17が分離し、内筒11が外筒7に対して回動し、すなわち解錠となる。
【0036】
なお、合カギ51の挿入部55とカギ穴13とは、その先端部において、合カギ51の外径とカギ穴13の内径が嵌合状態であり、かつ係合凹部61と係合凸部33とが嵌合状態であることから、カギ穴13内部の形状と合カギ挿入部55の形状とが合致することとなって、合カギ51の回動操作が内筒11に伝わり、内筒11の回動が可能となる。
【0037】
ここで、例えば、この施解錠装置1を不正に解錠させようと、シリンダ錠3の内筒11に対してドライバーなどの工具を使った場合、カギ穴13内に、工具等を挿入することとなるが、このカギ穴13に対して正しく合う形状でないことから、係合凸部33に対して噛み合うことができず、これにより係合凸部33を押圧することとなる。すると、係合凸部33を先端とする摺動片31が、内筒11の挿通穴29を半径方向外側に摺動移動し、基端に当接している支持片37を押圧することとなる。支持片37は、その押圧力により、図7に示すように、変形し、すなわち圧潰して、摺動片31が挿通穴29を摺動後退し、その基端が外筒7の空間部35内に移動することとなる。これにより、内筒11と外筒7との境界部分27に、摺動片31が位置することになり、無理に回動を行おうとしても、内筒11は回動が不能となり、すなわち解錠操作が不可能となる。
【0038】
従ってこのように構成された施解錠装置1では、シリンダ錠3の内筒11を外筒7に対して回動するには、各タンブラーピン17を貫通穴15の軸線方向所定位置に移動させる合カギ51をカギ穴13内に挿入し、各タンブラーピン17のシアライン25を境界部27に一致させなければならないとともに、カギ穴13内において、カギ穴13形状と合カギ51の挿入部55の外形が合致し、係合凹部61と係合凸部33とが互いに嵌合する構成とされなければならない。
【0039】
これにより、平板形状の合カギを用い、シリンダ錠の内筒を回動させる従来のような施解錠装置に比べ、シリンダ錠3のカギ穴13の形状を円形としたことにより、カギ穴13に対しての不正な操作、すなわち内筒11を回動させようとしても、回動方向に掛かる形状ではないことから、この内筒11を回動させることが構造上不可能であり、防犯性が高い施解錠装置を得られることとなる。そして特に、従来の平板形状の合カギに比べ、合カギ51の挿入部55の形状を円柱状としたことで、ディンプル59の深さを多段に構成することができ、かつ、挿入部55の外径を細径部57などと組み合わせることが可能となるので、カギ違いの組合せを増大させることが可能となる。
【0040】
また、上記施解錠装置1によれば、内筒11内を径方向に摺動可能な摺動片31を設け、この摺動片31の外周側の外筒7に圧潰可能な支持片37を設けた構成としたことで、合カギ51以外の工具等をカギ穴13内に挿入することにより、摺動片31が外筒7と内筒11との境界部27へ移動してしまい、これにより内筒11を外筒7に対して回動不能としてしまうことから、不正な解錠操作を合カギ51以外の物等で行おうとするとシリンダ錠3が操作不能となり、すなわち施錠状態を維持して使用不可能な状態とすることができ、不正に解錠する犯罪を未然に防ぐことができる。
【0041】
なお、上述した実施の形態では、合カギ51の構造として、細径部57を挿入部55の略中途部分に設けた構成としたが、この細径部57の形成位置は、挿入部55に形成されるディンプル59とともに、その他の位置に形成してもよく、この細径部57およびディンプル59の形成位置や、細径部57の径など、種々の組合せとすることで、カギ違いを増やすことが可能となる。
【0042】
また、シリンダ錠3のカギ穴13内に配置される係合凸部33を有した摺動片31の位置を、カギ穴13の奥方に位置させ、この係合凸部33に対応する合カギ挿入部55の係合凹部61を挿入部55の先端に配置させる構成として述べたが、カギ穴13内の中途部分に係合凸部33を配置し、合カギ挿入部55の中途部分に係合凹部61を設けるなど、その配置位置については他の位置として構成してもよい。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように本発明による施解錠装置では、合カギの挿入部の形状を断面円形な円柱状とし、カギ穴の形状を円形穴としたので、このシリンダ錠に対して不正な解錠操作を行おうとカギ穴に工具などを係止しようとしても、回動方向に掛かる形状でないことから、内筒を回動させる操作を行うことが不可能であり、防犯性が高い施解錠装置を得られることとなる。そして、この施解錠装置では、シリンダ錠の内筒を外筒に対して回動するには、各タンブラーピンを軸線方向所定位置に移動させる合カギをカギ穴内に挿入し、各タンブラーピンのシアラインを境界部に一致させなければならないとともに、カギ穴内において、カギ穴形状と合カギの挿入部の外形が合致し、係合凹部と係合凸部とが互いに嵌合する構成とされなければならず、合カギの複製などが容易に行えず、このことからも防犯性が高い施解錠装置を得られることとなる。
【0044】
また、従来の平板形状の合カギに比べ、合カギの挿入部の形状が円柱状であることから、凹部の深さを多段に構成することができ、かつ、挿入部の外径を細径部などと組み合わせることが可能となるので、カギ違いの組合せを増大させることが可能となる。
【0045】
さらに、係合凸部と係合凹部とを、軸線方向に長尺な構成とすることで、係合凸部と係合凹部との係合状態が、周方向での噛み合いが長尺となり、係合凹部側である合カギの回動操作を確実に係合凸部側である内筒に伝達でき、合カギによる内筒の施解錠の操作が行えることとなる。
【0046】
また、内筒内を径方向に摺動可能な摺動片を設け、この摺動片の外周側の外筒に圧潰可能な支持片を設けた構成としたことで、合カギ以外の工具等をカギ穴内に挿入することにより、摺動片が外筒と内筒との境界部へ移動してしまい、これにより内筒を外筒に対して回動不能としてしまうことから、不正な解錠操作を合カギ以外の物等で行おうとするとシリンダ錠が操作不能となり、すなわち施錠状態を維持して使用不可能な状態とすることができ、不正に解錠する犯罪を未然に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による施解錠装置の実施の形態を示す側断面図である。
【図2】同施解錠装置のシリンダ錠の側断面図である。
【図3】同施解錠装置のシリンダ錠の正面図である。
【図4】同施解錠装置のシリンダ錠の正断面図である。
【図5】同施解錠装置の合カギを示す側面図である。
【図6】同施解錠装置の合カギを示す正面図である。
【図7】同施解錠装置の操作状態を示す正断面図である。
【図8】従来の施解錠装置の合カギを示す斜視図である。
【図9】同合カギの断面図である。
【図10】従来の施解錠装置のシリンダ錠を示す断面図である。
【図11】従来の施解錠装置のシリンダ錠を示す断面図である。
【符号の説明】
1…施解錠装置
3…シリンダ錠
7…外筒
11…内筒
13…カギ穴
17…タンブラーピン
25…シアライン
27…境界部
29…挿通穴
31…摺動片
33…係合凸部
35…空間部
37…支持片
51…合カギ
55…挿入部
57…細径部
59…凹部(ディンプル)
61…係合凹部
Claims (3)
- 外筒と、該外筒に対し回動自在な内筒とを備え、前記外筒と内筒とに亘ってタンブラーピンが貫通配置されるシリンダ錠に、前記内筒に形成されるカギ穴に合カギを挿入することにより、前記タンブラーピンを前記カギ穴から半径方向所定位置に移動させ、前記外筒と内筒との境界部に前記タンブラーピンのシアラインを一致させることで前記内筒の回動規制を解除する施解錠装置であって、
円形穴状に形成されるカギ穴を備えた内筒と、
前記カギ穴に挿入される挿入部が断面円形が連続する円柱状に形成され、該挿入部の外周面に前記タンブラーピンに対応して深さを組み合わされる複数の凹部が形成される合カギと、
前記内筒のカギ穴内の所定位置に配置され、該カギ穴内方向に突出する係合凸部と、
前記合カギの外周面に形成され、前記係合凸部に係合する係合凹部と、
を具備するとともに、
前記内筒には、半径方向に挿通穴が形成され、該挿通穴に先端が前記係合凸部となる摺動片が前記内筒の半径方向に摺動自在に設けられ、
前記外筒の内周面には、前記挿通穴に対応して空間部が形成され、該空間部内に、前記摺動片の基端に当接し前記係合凸部をカギ穴内に突出状態で支持するとともに、押圧力によって元の形状に復元せず圧潰する支持片が設けられており、
前記合カギによる操作時には、前記シアラインが一致するとともに、前記係合凸部と前記係合凹部とが嵌合し、前記カギ穴内部の形状と前記合カギ挿入部の形状とが合致し、前記合カギの回動操作が前記内筒に伝達され、
前記カギ穴に対して正しく合う形状でない物が挿入された際には、前記係合凸部が押圧されて、前記摺動片の摺動により支持片が圧潰し、前記内筒と前記外筒との境界部分に、前記摺動片が位置して、前記内筒の回動を不能とすることを特徴とする施解錠装置。 - 前記合カギの挿入部は、軸方向に段部を介して外径が異なり、多段に形成されて、細径部を備えるとともに、先端が円錐状に形成されることを特徴とする請求項1記載の施解錠装置。
- 前記係合凸部は、前記内筒の軸線方向に平行とされる長尺な突条形状に形成され、前記係合凹部は、前記挿入部の軸線方向に平行とされる長尺な溝条に形成されることを特徴とする請求項1または2記載の施解錠装置。
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