JP4077093B2 - 親水性架橋重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、親水性架橋重合体の製造方法に関する。さらに詳しくは、吸水性樹脂等の親水性架橋重合体を効率良く均一に乾燥できる製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に親水性架橋重合体は、親水性単量体および架橋剤を含む水溶液を重合した後、これを乾燥することで製造される。乾燥方法としては、静置乾燥、攪拌乾燥、気流乾燥等、種々の方法が知られており、重合体の性質や用途等に応じて適宜採用される。
【0003】
例えば親水性架橋重合体が吸水性樹脂等である場合には、得られる重合体は通常含水ゲル状で粘着性が強く乾燥途中で凝集することから、攪拌乾燥や気流乾燥は困難であり、静置状態で乾燥を行う必要がある。
しかしながら、静置状態での乾燥では表面部分は速く乾くものの、熱風の当たりにくい内部は乾きにくく乾燥が不均一になるという問題がある。また、静置乾燥によって含水率を1〜8重量%程度まで乾燥すると部分的に過度に乾燥される部分が生じ、その部分は劣化し可溶分が多くなるという問題もある。この問題を解決するため、乾燥途中で乾燥物を粉砕して更に乾燥することも行われているが(特表平8−506363号公報等)、未だ不十分である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の課題は、含水ゲル状架橋重合体を均一かつ効率良く乾燥を行うことが可能で、かつ乾燥時の劣化が少ない製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、以下の親水性架橋重合体の製造方法を提供する。
(1)(メタ)アクリル酸もしくはその塩および架橋剤を含む水溶液を重合して含水ゲル状架橋重合体を得た後、該含水ゲル状架橋重合体を乾燥して親水性架橋重合体を製造する方法であって、前記乾燥工程は下記(i)〜(iii)の工程を含むことを特徴とする、親水性架橋重合体の製造方法。
(i)重合により得られた粒子状含水ゲル状架橋重合体に対して、該含水ゲル状架橋重合体の凝集体の解砕が可能となるまで静置状態で乾燥を行い半乾燥物を得る、一段目の乾燥工程、
(ii)一段目の乾燥工程で得られた半乾燥物を20mm以下の粒度に解砕する、解砕工程、および、
(iii)20mm以下の粒度に解砕された半乾燥物を撹拌状態および/または流動状態で乾燥を行う、二段目の乾燥工程。
【0006】
(2) 一段目の乾燥工程において、含水ゲル状架橋重合体の含水率が11.5〜20重量%となるまで静置状態で乾燥を行う、前記(1)記載の親水性架橋重合体の製造方法。
(3) 一段目の乾燥工程において、静置状態での乾燥が、120〜220℃の熱風と接触させる乾燥方法である、前記(1)または(2)記載の親水性架橋重合体の製造方法。
(4) 二段目の乾燥工程において、撹拌状態および/または流動状態での乾燥が、含水ゲル状架橋重合体をローターの回転により撹拌しながら乾燥させる方法である、前記(1)から(3)のいずれかに記載の親水性架橋重合体の製造方法。
【0007】
(5) 二段目の乾燥工程において、撹拌状態および/または流動状態での乾燥が、流動層による乾燥である、前記(1)から(3)のいずれかに記載の親水性架橋重合体の製造方法。
(6) 二段目の乾燥により、該親水性架橋重合体の人工尿(硫酸ナトリウム0.200%,塩化カリウム0.200%,塩化マグネシウム6水和物0.050%,塩化カルシウム2水和物0.025%,リン酸2水素アンモニウム0.085%,リン酸水素2アンモニウム0.015%,脱イオン水99.425%)への30分間での吸収倍率が2〜20g/g上昇する、前記 (1) から (5) のいずれかに記載の親水性架橋重合体の製造方法。
(7) 二段目の乾燥を行った後、さらに該粒子状親水性架橋重合体の粉砕、分級および表面近傍の架橋処理を行う、前記 (1) から (6) のいずれかに記載の親水性架橋重合体の製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明における親水性単量体としては、水溶性のエチレン性不飽和基含有単量体、例えば、(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、イタコン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、等のアニオン性単量体やその塩、(メタ)アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、等のノニオン性親水性基含有単量体、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、等のアミノ基含有不飽和単量体やそれらの4級化物等が挙げられる。中でも好ましくは(メタ)アクリル酸およびその塩である。
【0009】
本発明における親水性架橋重合体は、上記親水性単量体と架橋剤を含む水溶液を重合して得られるものである。重合時における親水性単量体の濃度は、単量体の重合性や重合の制御の点より、20〜50重量%の範囲が好ましい。該架橋剤としては、重合時または重合後に架橋構造を形成させる架橋剤であれば特に制限されず、例えば、分子内に重合性不飽和二重結合を2個以上有する化合物、親水性単量体が有する酸基、ヒドロキシル基、アミノ基等の官能基と反応する基を分子内に2個以上有する化合物、分子内に不飽和結合および単量体の官能基と反応する基をそれぞれ1個以上有する化合物、分子内に単量体の官能基と反応する点を2個以上有する化合物、または単量体成分が重合する際にグラフト結合等により架橋構造を形成し得る親水性高分子等が挙げられる。親水性架橋重合体の中でも、特に、吸水性樹脂はその架橋構造に由来して通常含水ゲル状重合体として得られるため、本発明によって二段乾燥を行うことが有効である。ここで吸水性樹脂とは、水や尿などの水性液体の吸収倍率が10(g/g)以上の親水性架橋重合体をいう。
【0010】
本発明では、重合により得られた粒子状の含水ゲル状架橋重合体に対して、乾燥により重合体が凝集した凝集体の解砕が可能となるまで静置状態で乾燥を行い半乾燥物を得て(一段目の乾燥)、該凝集体の半乾燥物を20mm以下の粒度に解砕した後に、撹拌状態および/または流動状態で乾燥を行う(二段目の乾燥)ものである。
一段目の乾燥に供される重合により得られた含水ゲル状架橋重合体の含水率は通常50〜80重量%であり、粘着性が強く乾燥途中で凝集することから、撹拌状態や流動状態での乾燥は困難であり、静置状態で乾燥を行う必要がある。静置状態での乾燥方法としては、材料を静置状態で乾燥できるものであれば特に制限はなく、回分式あるいは連続式でも、直接加熱式および/または間接加熱式でも、公知の乾燥方法のいずれを用いてもよい。例えば、並行流バンドまたはトンネル乾燥機、通気バンドまたはトンネル乾燥機、静置型の真空乾燥機、ドラム乾燥機等が挙げられる。特に好ましいものとしては通気バンド乾燥機が挙げられる。
【0011】
一段目の乾燥に供される前記含水ゲル状架橋重合体の粒径は、一般に0.1〜50mmの範囲であり、好ましくは0.5〜20mmの範囲である。中でもその90%以上が0.5〜5mmの範囲の粒径を有することが好ましい。
一段目の乾燥は、乾燥により重合体が凝集した凝集体の解砕が可能となるまで行えばよく、具体的には含水率が25重量%以下であることが目安となる。好ましくは8〜20重量%の範囲であり、より好ましくは10〜20重量%の範囲である。含水率が8重量%未満となるまで静置状態で乾燥を行うと乾燥時間が長くなるだけでなく、部分的に過度に乾燥した部分が生じ、可溶分が増加する等の物性の低下のおそれがある。含水率が25重量%よりも高いと、含水ゲル状架橋重合体の粘着性が高く、凝集体を解砕することが困難となる。又、攪拌状態および/または流動状態での乾燥中に再び凝集してしまう恐れがある。
【0012】
一段目の乾燥の条件としては、重合体の層高は10〜200mmの範囲が好ましく、20〜100mmの範囲がより好ましい。10mm未満では生産性が低い。また、200mm以上では重合体の内部が乾燥しにくい。温度は、120〜220℃の範囲が好ましく、この温度範囲の熱風と接触させることが好ましい。熱風の露点は5〜100℃の範囲が好ましく、線速は、0.5〜3m/秒が好ましい。風の向きとしては、ゲル状架橋重合体層と直交する方向から流すことが好ましいが、上方向や下方向の一方からだけではなく、上方向と下方向を切り替えて行うこともできる。重合体を載せるベルトとしては、金属ネットや穴あき平板が使用できる。
【0013】
一段目の静置状態での乾燥によって含水ゲル状重合体は凝集し一体化するので、一段目の乾燥の後、20mm以下の粒度に解砕する。粒度が20mm以下であるとは、含水ゲル状架橋重合体の90%以上が20mmのふるいを通過可能であることをいう。粒度は10mm以下とすることが好ましく、より好ましくは5mm以下である。20mmより大きな粒度に解砕した場合には、解砕の効果が少なく乾燥速度が遅い。ここで解砕とは、乾燥により凝集した含水ゲル状架橋重合体の凝集体をバラバラにすることを意味する。
【0014】
解砕の方法は特に制限されず、ジョークラッシャー、ロールクラッシャー、ハンマークラッシャー、ハンマーミル、ロールミル、カッターミル、ピンミル、ボールミル、ローラーミル等が挙げられる。
解砕後、攪拌状態および/または流動状態での乾燥により二段目の乾燥を行う。攪拌状態および/または流動状態での乾燥は乾燥効率が高く、また均一な乾燥ができる点で好ましい。攪拌状態および/または流動状態での乾燥方法としては、材料を攪拌状態および/または流動状態で乾燥できるものであれば特に制限はなく、回分式あるいは連続式でも、直接加熱式および/または間接加熱式でも、公知の乾燥方法のいずれもを用いてもよい。例えば、具体的には、通気竪型乾燥機、円筒攪拌乾燥機、溝型攪拌乾燥機、回転乾燥機、水蒸気管付き回転乾燥機、通気回転乾燥機、流動層乾燥機、円錐型乾燥機、振動流動層乾燥機、気流乾燥機等が挙げられる。特に好ましいものとしては、円筒攪拌乾燥機および溝形攪拌乾燥機のようなローターの回転により含水ゲル状架橋重合体を攪拌しながら乾燥する乾燥機、および流動層乾燥機が挙げられる。前記ローターは被乾燥物を攪拌するものであれば特に限定されず、例えばアーム、羽根、パドル等で構成される。
【0015】
二段目の乾燥によって、重合体は乾燥後に90%以上が1mm以下、好ましくは0.85mm以下になるよう複数段のロールミル、ピンミル、ハンマーミル等で粉砕する時に支障をきたさない程度に乾燥される。二段目の乾燥後の重合体の平均含水率は1〜18重量%が好ましく、より好ましくは3〜10重量%である。
【0016】
静置状態で乾燥を行うと、重合体は粒子の大きさが異なるので細かい粒子ほど速く乾燥し、大きい粒子ほど乾燥に時間を要する。速く乾燥した重合体は凝集し、その凝集体は収縮するので熱風が吹き抜けやすくなり、更に乾燥しやすくなる。一方、乾燥の遅い重合体は重合ゲル間の隙間が少ないため熱風が当たりにくくなり、更に乾燥に時間を要するようになる。そのため、乾燥後粉砕した時にロールやピンやハンマーなどにゴム状の未乾燥物が付着し粉砕機が止まったり、粉砕機に過負荷が加わらないようにするため、静置状態での乾燥では乾燥の遅い重合体ゲルを粉砕できるまで乾燥する必要があった。そのため、速く乾燥した重合体は過剰に熱が加わり、そのため可溶分が増加するなどの熱劣化を受けやすかった。
【0017】
20mm以下の粒度に粗解砕した重合体を攪拌状態および/または流動状態で乾燥することにより、含水率の高い重合体に十分に熱を加えることが出来るので該重合体を短時間で乾燥させることが出来る。そして速く乾燥した重合体は乾燥速度が遅くなっているので、粒子毎の含水率の差が小さくなる。その結果、重合体各粒子を均一に乾燥することができ、過度に乾燥される重合体を少なくすることができる。そして、乾燥時の劣化を抑制することができる。
【0018】
二段目の乾燥の条件としては、材料温度が100から220℃の範囲になるように乾燥機ごとに適宜設定するのが好ましい。流動層乾燥機を用いる場合、流動層の層高は10〜1000mmの範囲が好ましく、50〜600mmの範囲がより好ましい。
本発明では、二段目の乾燥を行うことにより、一段目の乾燥後よりも含水ゲル状重合体の吸収倍率を上昇させることができるという効果も奏する。吸収倍率(後述の実施例で定義される人工尿の吸収倍率)は0.1〜30(g/g)上昇させることが好ましく、より好ましくは2〜20(g/g)である。吸収倍率が30(g/g)よりも大きく上昇すると、可溶分がかえって増加し劣化してしまう。
【0019】
本発明では二段目の乾燥を行った後、粉砕・分級により粒径10〜1000μmの親水性重合体を得ることができる。
親水性重合体が吸水性樹脂である場合には、さらに粒子状の吸水性樹脂の表面近傍を架橋処理してもよく、これにより荷重下の吸収倍率を高めることができる。表面架橋処理には、吸水性樹脂の有する官能基たとえば酸性基と反応し得る架橋剤を用いればよく、通常、該用途に用いられている公知の架橋剤が例示される。
【0020】
【実施例】
以下に実施例によりさらに詳細に本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明において、含水率、架橋重合体の吸収倍率および可溶分量は以下の方法で測定した。
(ア)含水率
粒子状の試料約2.0gをホイールコンテナーに薄く広げて量り取り、180℃で5時間乾燥後の乾燥重量から含水率(重量%)を測定した。
【0021】
含水率(重量%)=(乾燥前の重量−乾燥後の重量)/乾燥前の重量*100
(イ)架橋重合体の吸収倍率
架橋重合体の約0.2gを不織布製の袋(60mm×60mm)に均一に入れ、人工尿(硫酸ナトリウム0.200%,塩化カリウム0.200%,塩化マグネシウム6水和物0.050%,塩化カルシウム2水和物0.025%,リン酸2水素アンモニウム0.085%,リン酸水素2アンモニウム0.015%,脱イオン水99.425%)中に浸けた。30分後に袋を引き上げ、遠心分離機を用いて250Gにて3分間水切りを行った後、袋の重量W1(g)を測定した。また、同様の操作を架橋重合体を用いないで行い、そのときの重量W0(g)を測定した。そして、これら重量W1,W0から、次式に従って、架橋重合体の吸収倍率(g/g)を算出した。
【0022】
吸収倍率(g/g)=(W1(g)−W0(g)−架橋重合体の重量(g))/架橋重合体の重量(g)
(ウ)架橋重合体の可溶分量
架橋重合体約0.5gを1000gの脱イオン水中に分散し、16時間攪拌した後、濾紙で濾過した。次に、得られた濾液50gを100mlビーカーにとり、該濾液に0.1N−水酸化ナトリウム水溶液1ml、N/200−メチルグリコールキトサン水溶液10ml、および0.1%トルイジンブルー水溶液4滴を添加した。次いで、上記ビーカー中の溶液を、N/400−ポリビニル硫酸カリウム水溶液を用いてコロイド滴定し、溶液の色が青色から赤紫色に変化した時点を滴定の終点として滴定量A(ml)を求めた。また、濾液50gに代えて脱イオン水50gを用いて同様の操作を行い、ブランクとして滴定量B(ml)を求めた。そして、これら滴定量A,Bと架橋重合体を構成するモノマーの分子量Cとから、次式にしたがって可溶分量(重量%)を算出した。
【0023】
可溶分量(重量%)=(B−A)×0.005/架橋重合体の重量(g)×C
(製造例1)
アクリル酸467.7g、アクリル酸ナトリウム1832g、ポリエチレングリコールジアクリレート6.33g、及び水4228gからなる単量体水溶液を、内容積10Lのシグマ型羽根を2本有するジャケット付きステンレス製双腕型ニーダー(小池鉄工(有)製)に蓋をつけた反応器に供給した。単量体水溶液を24℃に保ったまま反応系を窒素置換した。次いで、ニーダーのブレードを攪拌しながら、20重量%過硫酸ナトリウム水溶液18.2gと0.1重量%L−アスコルビン酸水溶液17.5gを添加し、36分間重合を行った。得られた粒子状含水ゲル状架橋重合体(1)は平均粒径約3mm、含水率約63重量%であった。
(実施例1)
製造例1で得られた粒子状含水ゲル状架橋重合体(1)1kgを、通気回分式乾燥機(佐竹化学機械工業(株)製、71−S6)を用いて、線速1.0m/sの熱風160℃で18分間、静置状態で乾燥した。さらに、得られた凝集した岩おこし状の半乾燥物(2)を平均粒径約1200μmになるようにハンマーで粗解砕し、粒子状半乾燥物(3)を得た。半乾燥物(3)の吸収倍率は39倍であり、含水率は11.5重量%であった。
【0024】
この粒子状半乾燥物(3)3.2kgを間接加熱型乾燥機((株)栗本鉄工所製、CD−80)に仕込み、ジャケットのオイル温度200℃で15分間、乾燥機に備わったパドルを回転させて攪拌状態で乾燥を行った。得られた乾燥物を卓上振動ミルを用いて微粉砕し、粒子径75μm〜850μmに分級することで架橋重合体(4)を得た。架橋重合体(4)の含水率は4.6重量%であった。さらに、得られた架橋重合体(4)の吸収倍率、および可溶分を測定し、その結果を表1に示した。
(実施例2)
実施例1の粒子状半乾燥物(3)の攪拌状態の乾燥において、仕込量を4.8kgに、乾燥時間を18分にすること以外は同様の操作を繰り返し行うことで、架橋重合体(5)を得た。架橋重合体(5)の含水率は4.4重量%であった。さらに、得られた架橋重合体(5)の吸収倍率、および可溶分を測定し、その結果を表1に示した。
(実施例3)
製造例1で得られた粒子状含水ゲル状架橋重合体(1)2kgを、通気乾燥装置((株)大川原製作所製、STD−1)を用いて、線速1.6m/sの熱風170℃で16.5分間、静置状態で乾燥した。さらに、得られた岩おこし状の半乾燥物(6)を平均粒径約2000μmになるようにハンマーで粗解砕し、粒子状半乾燥物(7)を得た。半乾燥物(7)の吸収倍率は42倍であり、含水率は8.9重量%であった。
【0025】
この粒子状半乾燥物(7)3.0kgを流動層乾燥機((株)大川原製作所製、FB−0.5)に仕込み、熱風温度200℃、熱風風速1.5m/sで12分間、流動状態で乾燥を行った。得られた乾燥物を卓上振動ミルを用いて微粉砕し、粒子径75μm〜850μmに分級することで架橋重合体(8)を得た。架橋重合体(8)の含水率は4.1重量%であった。さらに、得られた架橋重合体(8)の吸収倍率、および可溶分を測定し、その結果を表1に示した。
(実施例4)
実施例3の粒子状半乾燥物(7)の流動状態の乾燥において、仕込量を6.0kgに、乾燥時間を22分にすること以外は同様の操作を繰り返し行うことで、架橋重合体(9)を得た。架橋重合体(9)の含水率は4.0重量%であった。さらに、得られた架橋重合体(9)の吸収倍率、および可溶分を測定し、その結果を表1に示した。
(比較例1)
実施例1の粒子状含水ゲル状架橋重合体(1)の静置状態の乾燥において、乾燥時間15分で乾燥を中止して、未乾粒子が凝集した半乾燥物(10)を得た。この半乾燥物(10)は、表面は乾いていたが凝集粒子間や粒子内部が餅状の未乾ゲルで、通常の方法では粗解砕できず、以降の攪拌あるいは流動乾燥もできなかった。このときの半乾燥物(10)の含水率は20.9重量%だった。
(比較例2)
実施例1において、粒子状半乾燥物(3)の乾燥を、引き続き同じ通気回分式乾燥機を用いて熱風200℃で8分間、静置状態で乾燥すること以外は全く同様に行うことで、比較用架橋重合体(11)を得た。比較用架橋重合体(11)の含水率は4.0重量%であった。さらに、得られた比較用架橋重合体(11)の吸収倍率、および可溶分を測定し、その結果を表1に示した。比較用架橋重合体(11)は乾燥時の劣化が著しく、水を吸うと糸を引いてヌルヌルした状態だった。
(比較例3)
実施例3において、静置状態の乾燥で得られた岩おこし状の半乾燥物(6)を粗解砕せず、引き続き同じ通気乾燥装置を用いて熱風170℃で23.5分間、静置状態で乾燥を行った。得られた乾燥物を卓上振動ミルを用いて微粉砕し、粒子径75μm〜850μmに分級することで比較用架橋重合体(12)を得た。比較用架橋重合体(12)の含水率は4.4重量%であった。さらに、得られた比較用架橋重合体(12)の吸収倍率、および可溶分を測定し、その結果を表1に示した。
(比較例4)
実施例1において得られた凝集した半乾燥物(2)を平均粒径25mmとなるようハンマーで粗解砕した。このものを実施例3と同様にして流動層乾燥しようとしたが熱風で流動しなかった。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】
本発明によると、従来の静置状態でのみ乾燥する場合に比べ効率良く乾燥できるだけでなく、均一な乾燥が可能となるため、乾燥時の劣化の少ない優れた物性を有する親水性架橋重合体が得られる。したがって、本発明は、紙おむつや生理用ナプキン等の衛生材料に最適な吸水性樹脂の製造プロセスとして優れている。
Claims (7)
- (メタ)アクリル酸もしくはその塩および架橋剤を含む水溶液を重合して含水ゲル状架橋重合体を得た後、該含水ゲル状架橋重合体を乾燥して親水性架橋重合体を製造する方法であって、前記乾燥工程は下記(i)〜(iii)の工程を含むことを特徴とする、親水性架橋重合体の製造方法。
(i)重合により得られた粒子状含水ゲル状架橋重合体に対して、該含水ゲル状架橋重合体の凝集体の解砕が可能となるまで静置状態で乾燥を行い半乾燥物を得る、一段目の乾燥工程、
(ii)一段目の乾燥工程で得られた半乾燥物を20mm以下の粒度に解砕する、解砕工程、および、
(iii)20mm以下の粒度に解砕された半乾燥物を撹拌状態および/または流動状態で乾燥を行う、二段目の乾燥工程。 - 一段目の乾燥工程において、含水ゲル状架橋重合体の含水率が11.5〜20重量%となるまで静置状態で乾燥を行う、請求項1記載の親水性架橋重合体の製造方法。
- 一段目の乾燥工程において、静置状態での乾燥が、120〜220℃の熱風と接触させる乾燥方法である、請求項1または2記載の親水性架橋重合体の製造方法。
- 二段目の乾燥工程において、撹拌状態および/または流動状態での乾燥が、含水ゲル状架橋重合体をローターの回転により撹拌しながら乾燥させる方法である、請求項1から3のいずれかに記載の親水性架橋重合体の製造方法。
- 二段目の乾燥工程において、撹拌状態および/または流動状態での乾燥が、流動層による乾燥である、請求項1から3のいずれかに記載の親水性架橋重合体の製造方法。
- 二段目の乾燥により、該親水性架橋重合体の人工尿(硫酸ナトリウム0.200%,塩化カリウム0.200%,塩化マグネシウム6水和物0.050%,塩化カルシウム2水和物0.025%,リン酸2水素アンモニウム0.085%,リン酸水素2アンモニウム0.015%,脱イオン水99.425%)への30分間での吸収倍率が2〜20g/g上昇する、請求項1から5のいずれかに記載の親水性架橋重合体の製造方法。
- 二段目の乾燥を行った後、さらに該粒子状親水性架橋重合体の粉砕、分級および表面近傍の架橋処理を行う、請求項1から6のいずれかに記載の親水性架橋重合体の製造方法。
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