JP4141526B2 - 吸水性樹脂の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘着性および弾力性に富む塊状の含水ゲル状架橋重合体を効率的に乾燥・粉砕することによって、吸水速度や吸水倍率に優れた吸水性樹脂を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水溶性エチレン性不飽和単量体を、微量の架橋剤の存在下で水溶液重合することにより、吸水性架橋重合体として、含水ゲル状架橋重合体が得られることはよく知られている。
【0003】
この含水ゲル状架橋重合体(以下、単に含水ゲルとする)は、半固体状で弾性に富むゲル状物であり、そのまま使用されることはほとんどなく、多くの場合、一旦、細粒化されて乾燥される。この乾燥工程の後に、上記含水ゲルは適宜粉砕されて乾燥粉末状態の粉砕生成物となり、吸水性樹脂、すなわち吸水剤として使用される。上記の乾燥工程における具体的な乾燥方法としては、従来より、薄膜乾燥機や棚段式乾燥機、ドラム乾燥機、またはバンド乾燥機などを用いた方法が知られている。
【0004】
上記各乾燥方法のうち、バンド乾燥機を用いた方法は、無端で金網状や多孔板状となっているバンドを備えているベルトコンベヤーやスクリューコンベヤー上に含水ゲルを搭載して乾燥機内部を移動させ、この移動する含水ゲルに対して熱風を送ることにより乾燥を行うものである。このバンド乾燥機による方法は、含水ゲルの弾性や強度に依存せず、連続して含水ゲルを投入することが可能であり、さらに、乾燥機に含水ゲルが付着することによるトラブルが少ないなど優れた特長を有している。
【0005】
ここで、乾燥工程では、含水ゲルが未乾燥の状態で次の粉砕工程に進むことを極力回避する必要がある。これは、未乾燥の含水ゲル(以下、未乾燥物とする)はゴム状で非常に大きな粘着力を有しているために、粉砕工程における粉砕機に上記未乾燥物が付着して粉砕機の稼動を停止させるトラブルが発生し易くなるためである。特に、乾燥した含水ゲルを1mm以下の大きさに粉砕しようとする場合に上記未乾燥物が含まれていると、粉砕機に該未乾燥物が非常に付着し易くなり、粉砕機停止のトラブルが頻発することになる。
【0006】
そのため、バンド乾燥法では、含水ゲルを均一に乾燥させるために、上記バンド上に含水ゲルを一定の厚さで積層する必要がある。しかしながら、実際には、バンド上に含水ゲルを一定の厚さに積層することは困難であり、未乾燥物の発生を回避することは非常に難しくなっている。
【0007】
そこで、上述した未乾燥物の発生を抑制するために、特開平8−73518号公報に開示されている含水ゲル状重合体の連続的乾燥方法のように、含水ゲルに吹き付けられる熱風の圧力と、この熱風が吹き付けられる側とは含水ゲルを介して反対側の圧力との圧力差を計測することによって、ベルト上の含水ゲルの層の厚さをオンタイムで検知し、この検知結果に基づいて乾燥機の条件を制御する技術が知られている。この技術では、バンド上の含水ゲルの層の厚さをオンタイムで経済的かつ効果的に測定し、乾燥機の稼動条件を適宜制御することができるため、特別な設備を用いることなく未乾燥物の少ない含水ゲルの乾燥物を製造することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の特開平8−73518号公報に開示されているような技術は未乾燥物の発生を抑制するためのものであって、未乾燥物の発生を完全に防止することはできない。そのため、粉砕工程における粉砕機の稼動停止などのトラブルの発生を効果的に抑制する技術は未だ知られていない。
【0009】
すなわち、上記の公報のような方法では、乾燥機の稼動条件を細かく制御することはできるが、含水ゲルの層の厚さを一定にすることはできないために、未乾燥物の発生を根本的に防止する技術とはなっていない。
【0010】
具体的には、含水ゲルをバンド上に積層するために塊状の含水ゲルを一旦細粒化することが行われることが多いが、この細粒化した含水ゲルの粒径が10mm以上となると未乾燥物は非常に発生し易くなり、乾燥機の稼動条件を設定するのみでは、未乾燥物の発生を防止することができない。また、バンド乾燥法では、乾燥途中に被乾燥物(含水ゲル)を攪拌したり、被乾燥物の層を裏返したりはしないために、部分的に熱風が当たりにくい箇所が生じるが、乾燥機の稼動条件を設定するのみでは、やはり未乾燥物の発生を防止することができない。
【0011】
さらに、未乾燥物の吸収倍率は適切に乾燥された含水ゲルの乾燥物よりも低いために、未乾燥物が粉砕工程で含水ゲルの乾燥物と混合すると、吸水性樹脂としての物性の低下も招来する。
【0012】
また、未乾燥物の発生を完全に防止するためには、乾燥工程において、未乾燥の含水ゲルが完全になくなるように長時間、あるいは高熱で乾燥する方法も考えられる。しかしながら、このような方法では、乾燥時間が長くなったり、乾燥機の稼動に必要なエネルギーが増大したりするなど乾燥物の製造効率や製造コストを大幅に低下させることになる。
【0013】
しかも、このような方法では、速く乾いた含水ゲルは水分の少ない状態で、未乾燥の含水ゲルが乾燥するまで高温の条件下にさらされることになる。それゆえ、速く乾いた含水ゲルは過乾燥されて吸水性樹脂としての物性が低下してしまうことになる。
【0014】
このように、従来の方法では、含水ゲルを乾燥するに当たって、未乾燥物の発生を完全に防止するとともに、該含水ゲルの乾燥物である吸水性樹脂の物性の低下も防止することはできなかった。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述した問題点に鑑み、吸水性樹脂の製造過程において、乾燥工程では、未乾燥物はごく微量であれ必ず生じるものであると見なし、生じた未乾燥物を乾燥物から分離することによって、吸水性樹脂の製造を効率的に行うとともに、高品位の吸水性樹脂を製造することが可能であることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0016】
さらに、本発明者らは、吸水性樹脂の製造過程において、乾燥工程の後に得られる粒粉状の含水ゲルの乾燥物中では、未乾燥物の粒子は乾燥物の粒子よりも体積や重量が大きくなっていることから、粒粉状の乾燥物を分級することによって未乾燥物を効率的に分離することが可能であることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0017】
すなわち、本発明の吸水性樹脂の製造方法は、上記の課題を解決するために、含水ゲル状架橋重合体を乾燥物とする乾燥工程と、該乾燥物を粉砕する粉砕工程とを有する吸水性樹脂の製造方法において、上記粉砕工程前あるいは粉砕工程中に行われる、乾燥物に含まれる含水ゲル状架橋重合体の未乾燥物を分離する分離工程を有し、上記分離工程は、ふるい分級または気流分級によって、10mm以上の粒子径をもつ含水ゲル架橋重合体を未乾燥物として除去する工程であり、上記未乾燥物の含水率は15重量%を超えていることを特徴としている。
【0018】
上記の方法によれば、ゴム状となった含水ゲルの未乾燥物が粉砕機に付着して、該粉砕機による粉砕を円滑に行うことができなくなったり、粉砕機が停止したりすることを効果的に防止することができる。さらに、最終製品である吸水性樹脂に未乾燥物が混入しないため、吸水性樹脂の物性の低下を抑制し、より高品質の吸水性樹脂を製造することができる。
【0019】
含水ゲルは、その含水率が15重量%を超えると、非常に強い粘着力と凝集性を示す大きなゴム状のゲルとなる。一方、含水率が15重量%以下となると、該含水ゲルは粘着性や凝集性は非常に低下し、小さな粒子となる。
【0020】
上記の方法では、この含水ゲルの性質に着目し、未乾燥の含水ゲル(含水率が15重量%を超える)は乾燥した含水ゲル(含水率が15重量%以下となる)よりも相対的に大きくなりことを利用して、乾燥工程後に得られる粒粉状の乾燥物をふるいなどによりふるい分けて分級したり、気流乾燥機を用いて粒子の大小や軽重を分級したりすることによって、未乾燥物を容易に分離することができる。
【0021】
通常、未乾燥の含水ゲルは、強い粘着性を有するゴム状態となっているため、容易に砕かれず大きな粒子のまま残存する。また、含水ゲルが元から粒粉状の粒子である場合でも、含水率が高くまた凝集し易いため、乾燥物の粒子と比べて相対的に大きくなる。したがって、粒粉状の乾燥物中には、比較的小さい体積の乾燥物の粒子に加え、砕かれず残存した体積の大きい未乾燥物が混入していることになる。
【0022】
そこで、上記の方法によれば、上記粒粉状の乾燥物を所定のふるいなどによってふるい分けて分級すると、大きい未乾燥物を乾燥物から容易に分離することができる。しかも、分離に伴い複雑な装置を用いることはなく簡単かつ効率的に乾燥物から未乾燥物を分離することができるので、製造コストの増大を抑制しつつ高品質の吸水性樹脂を製造することができる。
【0023】
また、本発明の吸水性樹脂の製造方法では、上記粉砕工程における乾燥物は含水率15%以下であることが好ましい。
【0024】
また、本発明の吸水性樹脂の製造方法では、上記粉砕工程における乾燥物の粉砕は一段以上のロールミルによりなされることが好ましい。
【0025】
上記の方法によれば、ロールミルは比較的構成が簡素であるにもかかわらず、被粉砕物(この場合、含水ゲルの乾燥物)に対して複雑な作用を与えて、被粉砕物を良好に粉砕することができる。特に、バンド乾燥機を用いる場合には、バンド乾燥機の乾燥処理に伴って乾燥物を連続的に粉砕することができる。
【0026】
また、本発明の吸水性樹脂の製造方法では、上記分離工程で分離した未乾燥物を、上記乾燥工程で用いた乾燥機に戻し、再乾燥することが好ましい。
【0027】
また、本発明の吸水性樹脂の製造方法では、上記分離工程で分離した未乾燥物を、上記乾燥工程で用いた乾燥機とは別の乾燥機を用いて、再乾燥することが好ましい。
【0028】
また、本発明の吸水性樹脂の製造方法では、上記乾燥工程に用いられる乾燥機がバンド乾燥機であるとともに、さらに、上記分離工程前または分離工程中に行われる、乾燥物の凝集体を20〜100mmとする解砕工程、および/または、1〜10mmとする粗砕工程を有することが好ましい。
【0029】
上記の方法によれば、バンド乾燥機は連続的に含水ゲルを乾燥させることが可能であるため、吸水性樹脂を大量生産することができる。このバンド乾燥機による乾燥では、乾燥に伴い含水ゲルが凝集して凝集体となるが、この凝集体を解砕工程で解砕することによって、含水ゲルの乾燥物を連続的に大量に生産することができる上に、乾燥物中に含まれる未乾燥物を分離することによって、吸水性樹脂の製造を効率的に行うことができる。また得られる吸水性樹脂に未乾燥物が混入しないので、吸水性樹脂の品質を向上させることができる。
【0030】
さらに、バンド乾燥機による乾燥では、含水ゲルの弾性や強度に依存せず、連続して含水ゲルを投入することが可能であるとともに、乾燥機に含水ゲルが付着することによるトラブルが少ない。そのため、吸水性樹脂の製造をより効率的かつ低コストで行うことができる。
【0031】
また、本発明の吸水性樹脂の製造方法では、上記乾燥工程、粉砕工程、および分離工程において、含水ゲル状架橋重合体を粉砕して粉砕生成物とする粉砕機と、該粉砕生成物を分級する分級器とを備えている気流乾燥機が用いられることが好ましい。
【0032】
上記の方法によれば、乾燥工程、分離工程、粉砕工程を一工程で行うことが可能となる。そのため、吸水性樹脂の製造効率を非常に向上させることができるとともに、製造コストの低減も可能となる。
【0033】
また、本発明の吸水性樹脂の製造方法では、上記乾燥工程前の含水ゲル状架橋重合体を細粒化して、該含水ゲル状架橋重合体の90%以上の粒径が0.1mm〜10mmの範囲内にあり、かつ、その平均粒径が0.5mm〜5mmの範囲内となるようにすることが好ましい。
【0034】
また、本発明の吸水性樹脂の製造方法では、上記吸水性樹脂の単量体がアクリル酸および/またはアクリル酸の水溶性塩類であることが好ましい。
【0035】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について、図1ないし図6に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
【0036】
本発明にかかる吸水性樹脂の製造方法は、エチレン性不飽和単量体を微量の架橋剤の存在下で水溶液重合して得られる含水ゲル状架橋重合体を乾燥して含水ゲル状架橋重合体の粒粉状の乾燥物とした後に、該乾燥物中に含まれる未乾燥物を分離し、乾燥物のみを得て、これを粉砕して最終製品である吸水性樹脂とする方法である。
【0037】
上記含水ゲル状架橋重合体の原料として用いられるエチレン性不飽和単量体は、水溶性を有する単量体であり、具体的には、たとえば、(メタ)アクリル酸、β−アクリロイルオキシプロピオン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニルホスホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルリン酸、(メタ)アクリロキシアルカンスルホン酸などの酸基含有単量体、およびこれらのアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルキルアミン塩;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどのジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類およびこれら四級化物(たとえば、アルキルハイドライドとの反応物、ジアルキル硫酸との反応物など);ジアルキルアミノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類およびこれら四級化物;N−アルキルビニルピリジニウムハライド;ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどのアルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート;ビニルピリジン、N−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、N−アクリロイルピペリジン;N−ビニルアセトアミド;などが挙げられる。これらエチレン性不飽和単量体は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合してもよい。
【0038】
上記例示のエチレン性不飽和単量体のうち、アクリル酸塩系単量体を主成分として含む単量体を用いると、得られる含水ゲル状架橋重合体の吸水特性や安全性がより一層向上するので好ましい。ここで、アクリル酸塩系単量体とは、アクリル酸、および/またはアクリル酸の水溶性塩類を示す。
【0039】
また、アクリル酸の水溶性塩類とは、中和率が30モル%〜100モル%の範囲内、好ましくは50モル%〜99モル%の範囲内であるアクリル酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、ヒドロキシアンモニウム塩、アミン塩、アルキルアミン塩を示す。上記例示の水溶性塩類のうち、ナトリウム塩およびカリウム塩がさらに好ましい。
【0040】
これらアクリル酸塩系単量体は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。なお、吸水性樹脂の平均分子量(重合度)は、特に限定されるものではない。
【0041】
上記エチレン性不飽和単量体を主成分として含む単量体組成物を、架橋剤の存在下で重合させることによって上記の含水ゲル状架橋重合体を得ることができるが、上記単量体組成物には、得られる含水ゲル状架橋重合体の親水性を阻害しない程度に、上記エチレン性不飽和単量体と共重合可能な他の単量体(共重合性モノマー)を含んでいてもよい。
【0042】
上記の共重合性モノマーとしては、具体的には、たとえば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどの疏水性単量体;などが挙げられる。これら共重合性モノマーは、単独で用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
【0043】
また、上記単量体成分を重合させる際に用いられる架橋剤としては、たとえば、分子内にビニル基を複数有する化合物;分子内にカルボキシル基やスルホン酸基と反応することのできる官能基を複数含有する化合物;などが挙げられる。これら架橋剤は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。
【0044】
分子内にビニル基を複数含有する化合物としては、具体的には、たとえば、N,N−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、N,N−ジアリルアクリルアミド、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、ジアリルオキシ酢酸、ビス(N−ビニルカルボン酸アミド)、テトラアリロキシエタンなどが挙げられる。
【0045】
分子内にカルボキシル基やスルホン酸基と反応することのできる官能基を複数有する化合物としては、(ポリ)エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリプロピレングリコール、(ポリ)グリセリン、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサノール、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ポリオキシプロピレン、オキシエチレンオキシプロピレンブロック共重合体、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどの多価アルコール化合物;(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリシドールなどのエポキシ化合物;エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリアミドポリアミン、ポリエチレンイミンなどの多価アミン化合物、並びに、それら多価アミンとハロエポキシ化合物との縮合物;2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの多価イソシアネート化合物;1,2−エチレンビスオキサゾリンなどの多価オキサゾリン化合物;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤;1,3−ジオキソラン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,3−ジオキサン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキサン−2−オン、4,6−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−オン、1,3−ジオキソパン−2−オンなどのアルキレンカーボネート化合物;エピクロロヒドリンなどのハロエポキシ化合物;亜鉛、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄、ジルコニウムなどの水酸化物あるいは塩化物などが挙げられる。
【0046】
上記の架橋剤の使用量としては、特に限定されるものではないが、上記単量体成分に対して、0.0001モル%〜10モル%の範囲内であることが好ましく、0.001モル%〜1モル%の範囲内であることがより好ましい。
【0047】
本発明において、上記の単量体成分を重合する方法は、特に限定されるものではなく、バルク重合、沈澱重合、水溶液重合または逆相懸濁重合などの従来公知の種々の重合方法を採用することができる。そのなかでも、得られる吸水性樹脂の吸水特性を向上させるとともに、重合の制御の容易さから、上記の単量体成分を水溶液とした水溶液重合が好ましい。
【0048】
上記重合反応中は、単量体成分を攪拌することなく、静置して重合させるほうが好ましい。さらに、上記のエチレン性不飽和単量体を水溶液重合させる際には、連続式重合、または回分重合の何れかの方式を採用してもよく、また、常圧、減圧、加圧の何れの圧力下で実施してもよい。なお、重合反応は、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素などの不活性ガスの気流下で行うことが好ましい。
【0049】
上記重合反応における重合開始時には、たとえば、重合開始剤、あるいは放射線や電子線、紫外線、電磁線などの活性化エネルギー線などを用いることができる。上記重合開始剤としては、具体的には、たとえば、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化水素などの無機化合物;t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化物;2,2’−アゾビス(N,N’−メチレンイソブチルアミジン)またはその塩、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)またはその塩、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸などのアゾ化合物;などのラジカル重合開始剤が挙げられる。
【0050】
これら重合開始剤は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。また、重合開始剤として過酸化物を用いる場合には、たとえば、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、L−アスコルビン酸などの還元剤を併用して酸化還元(レドックス)重合を行ってもよい。
【0051】
本発明において、上記単量体成分を重合して得られる含水ゲル状架橋重合体は、内部に気泡を含有していると、得られる吸水性樹脂の吸水特性を向上させることができるので特に好ましい。内部に気泡を含有する含水ゲル状架橋重合体は、上記単量体成分を、気泡を含有するように、架橋剤の存在下で重合させることによって容易に得ることができる。
【0052】
このような重合方法としては、アゾ系開始剤の存在下での重合方法;発泡剤として炭酸塩(特開平5−237378号公報、特開平7−185331号公報)を用いての重合方法;ペンタンやトリフルオロエタンなどの水に不溶な発泡剤をモノマー中に分散させての重合方法(米国特許第5328935号公報、米国特許第5338766号公報);固体微粒子状発泡剤を用いての重合法(国際公開WO96/17884号公報);界面活性剤の存在下に、不活性気体を分散させながら重合する方法;など、従来公知の種々の方法を採用することができる。
【0053】
上記単量体成分を架橋剤の存在下で重合させる際には、溶媒として水を用いることが好ましい。つまり、上記単量体成分および架橋剤を水溶液とすることが好ましい。これは、得られる吸水性樹脂の吸水特性を向上させるとともに、発泡剤による発泡を効率的に行うためである。
【0054】
上記水溶液(以下、単量体水溶液とする)中の単量体成分の濃度は、20重量%〜60重量%の範囲内がより好ましい。単量体成分の濃度が20重量%未満の場合には、得られる吸水性樹脂の水可溶性成分量が増加するおそれがあるとともに、発泡剤による発泡が不十分となり、吸水速度を向上させることができなくなるおそれがある。一方、単量体成分の濃度が60重量%を越える場合には、反応温度並びに発泡剤による発泡を制御することが困難となるおそれがある。
【0055】
また、単量体水溶液の溶媒として、水と、水に可溶な有機溶媒とを併用することもできる。該有機溶媒としては、具体的には、たとえば、メチルアルコール、エチルアルコール、アセトン、ジメチルスルホキシド、エチレングリコールモノメチルエーテル、グリセリン、(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、アルキレンカーボネートなどが挙げられる。これら有機溶媒は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。
【0056】
上記単量体水溶液に加えられる発泡剤は、該単量体水溶液に分散あるいは溶解するものを使用することができる。該発泡剤としては、具体的には、たとえば、n−ペンタン、2−メチルプロパン、2,2−ジメチルプロパン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、置換されたベンゼン、クロロメタン、クロロフルオロメタン、1,1,2−トリクロロトリフルオロメタン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリルなどの上記単量体水溶液に分散あるいは溶解する揮発性の有機化合物;重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどの炭酸塩;ドライアイス;アミノ基含有アゾ化合物のアクリル酸塩などが挙げられる。上記発泡剤は、単独で用いてもよく、二種類以上を併用してもよい。
【0057】
単量体に対する発泡剤の使用量は、単量体および発泡剤の組み合わせなどに応じて適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。しかしながら、単量体100重量部に対して0.001重量部〜10重量部の範囲内であることがより好ましい。発泡剤の使用量が上記の範囲から外れると、得られる吸水性樹脂の吸水特性が不十分となるおそれがある。
【0058】
上述したようにして得られる含水ゲル状架橋重合体(以下、単に含水ゲルとする)から本発明における吸水性樹脂が製造されるが、本発明にかかる吸水性樹脂の製造方法は、上記含水ゲルを所定の範囲内の含水率となるまで乾燥して粒粉状の乾燥物とする乾燥工程と、該乾燥物を粉砕して最終製品(吸水性樹脂)とする粉砕工程とに加え、上記乾燥物中に含まれる含水ゲルの未乾燥物を分離する分離工程とを少なくとも有している。
【0059】
上記乾燥工程前の含水ゲルの含水率は20〜80重量%の範囲内であることが好ましい。含水率が20重量%未満では、含水ゲルの細粒化が困難となったり、気泡を含有する含水ゲルの場合、気泡が潰れてしまうことがある。また、含水率が80重量%よりも高くなると、乾燥に時間を要しすぎることになる。
【0060】
上記含水ゲルは、たとえばニーダー、ミートチョッパー、ギロチンカッター、カッティングミル(竪型切断機)などにより重合時、または重合後に細粒化される。細粒化された含水ゲルの90%以上は、その粒径が0.1〜10mmの範囲内となっていることが好ましい。また、この粒状の含水ゲルの平均粒径は0.5〜5mmの範囲内であることが好ましく、0.8〜4mmの範囲内であることがより好ましい。含水ゲルの粒径または平均粒径が上記の範囲内から外れると、乾燥が効率的に行われなくなることがある。
【0061】
上記乾燥工程において用いられる乾燥機としては特に限定されるものではないが、本実施の形態では、箱型乾燥機、ドラム乾燥機、並行流バンド・トンネル乾燥機や通気バンド乾燥機などのバンド乾燥機といった乾燥過程で含水ゲルが凝集する乾燥機(以下、凝集式乾燥機とする)を用いている。なお、乾燥過程で含水ゲルが凝集しない乾燥機(非凝集式乾燥機)も好適に用いることができるが、これについては、後述する実施の形態2で説明する。
【0062】
上記凝集式乾燥機の構成と、各乾燥機を用いた場合における本発明にかかる吸水性樹脂の製造過程について、以下にさらに具体的に説明する。
【0063】
上記箱型乾燥機は、所定の大きさの箱型のケーシングの中に複数の乾燥棚を備えており、被乾燥物(本発明では含水ゲル)を乾燥棚に静置して熱風などを通気させることにより乾燥を行うものである。
【0064】
箱型乾燥機には、熱風により乾燥を行うものと熱風によらないものがあり、たとえば、図1に示すように、熱風を通気流として利用することにより含水ゲルを乾燥する箱型乾燥機10が挙げられる。この箱型乾燥機10は、ケーシング11の内部に複数の乾燥棚12…を備えており、さらに、熱風を生成するための空気加熱器13および熱風を循環させるための循環用送風機14、熱風を排出する排風機15などを備えている。この箱型乾燥機10では、ケーシング11内において、図中矢印で示すように熱風が循環利用され、この熱風により、乾燥棚12上の含水ゲルが乾燥される。
【0065】
このような箱型乾燥機は、回分式で乾燥を行うために、少量多品種の生産に適しているとともに、本発明における含水ゲルのような粒状や塊状となる被乾燥物の乾燥に適している。しかも、経費を安く抑えることができるため、製造コストの低減も可能である。
【0066】
熱風により乾燥を行う箱型乾燥機としては、他に、並行流によるものがある。さらに、熱風によらない箱型乾燥機としては、ケーシング内を真空とする真空型や伝導加熱型、あるいは放射加熱型のものがある。これら乾燥方式については、被乾燥物である含水ゲル、または得られる吸水性樹脂の特性に合わせて適宜選択することができる。
【0067】
上記ドラム乾燥機は、内側より水蒸気やその他の熱媒体で加熱された回転ドラムの表面に液状または泥状の被乾燥物を薄膜状に形成して、回転ドラムの一回転する間に乾燥させるものである。被乾燥物が液状である場合には、液中に回転ドラムを浸漬させたり、回転翼により跳ねかけたり、噴霧したりして回転ドラムに被乾燥物の薄膜を積層するが、本発明における含水ゲルのように泥状のものは、別の小型ローラーで回転ドラムに粘着させる手法が取られることが多い。
【0068】
このドラム乾燥機20は、たとえば、図2(a)に示すように、図中矢印の方向に回転する一つの回転ドラム21と、この回転ドラム21に対向するように、図中矢印の方向に回転して、含水ゲル(泥状の被乾燥物)5を供給する供給ローラー22と、乾燥した薄膜状の乾燥物を回転ドラム21から剥離するための固定ナイフ23などを備えている。含水ゲル5は回転ドラム21が一回転する間に乾燥してすぐに固定ナイフ23により剥離されるので、含水ゲル5が過乾燥することがないという利点を有している。
【0069】
また、図2(b)に示すように、図中矢印に示す方向に、二つの回転ドラム21a・21aが互いに対向しているドラム乾燥機20aでもよい。このドラム乾燥機20aは、上記回転ドラム21a・21aの上方に含水ゲル5の供給部24が設けられ、該回転ドラム21a・21aの間に含水ゲル5を供給する。含水ゲル5は乾燥されると同時に、回転ドラム21a・21a同士の巻き込みにより含水ゲル5の乾燥物が砕かれ、さらに固定ナイフ23により剥離される。そのため、乾燥と後述する解砕とを同時に行うことができるという利点を有している。
【0070】
このようなドラム乾燥機は、熱媒体に含水ゲルを直接接触させるために、80〜90%の高い熱効率実現することができる。さらに、一般に設備費や維持費が少なくてすむとともに、操作そのものも融通性に富む利点もある。たとえば、乾燥を回分式することも連続式にすることも選択可能である。なお、ドラム乾燥機の形式は、被乾燥物である含水ゲル、または得られる吸水性樹脂の特性に合わせて適宜選択することができる。
【0071】
バンド乾燥機は、上述した箱型乾燥機とは異なり、乾燥を連続式で行うものであり、たとえば、幅1〜3mの無端の金網や多孔板製のバンドを備えており、このバンド上に被乾燥物を搭載して移動させながら乾燥を行うものである。乾燥には通常熱風が用いられ、この熱風を並行流また通気流としているものが多い。
【0072】
たとえば、並行流の熱風を利用するバンド乾燥機としては、並行流バンド・トンネル乾燥機が挙げられる。この並行流バンド・トンネル乾燥機30aは、図3に示すように、トンネル型の乾燥室31内に、図示しない駆動装置によって駆動される無端のバンド32を備えている。このバンド32上に含水ゲル5を搭載し、図中矢印Bで示す熱風の中で被乾燥物を矢印Aで示す方向に移動させて乾燥を行う。
【0073】
この並行流バンド・トンネル乾燥機30aでは、熱風の偏流を防止するために、十字流などの熱風流を形成しており、送風機33により、熱風を全体として並、向流に流すようになっている。このような熱風が含水ゲル5に連続的に接触することで含水ゲル5を良好に乾燥させることができる。なお、送風機33毎に吸排気する回分式を連ねたような構成であってもよい。
【0074】
一方、通気流を利用するバンド乾燥機としては、通気バンド乾燥機が挙げられる。この通気バンド乾燥機30bは、図4(a)に示すように、トンネル型の乾燥室31内に図示しない駆動装置によって駆動される無端のバンド32を備えている点は、上記並行流バンド・トンネル乾燥機と同様であるが、図4(b)・(c)に示すように、熱風をバンド32上の含水ゲル5の上下方向から通気させるようになっている。
【0075】
図4(a)に示すように、含水ゲル供給機35からバンド32上に供給された含水ゲル5は、図中矢印Cで示すバンド32の回動に伴い、バンド32上方側に設けられている第一のファン36a近傍に到達する。第一のファン36a近傍では、図4(b)に示すように、バンド32下方に設けられている空気加熱器37によって加熱された空気が、第一のファン36aにより下方側から上方側へ通気するようになっている(図中矢印)。この通気によって、主にバンド32に接触する側の含水ゲル5が乾燥される。
【0076】
一方、バンド32の回動に伴い、バンド32の下方側に設けられている第二のファン36b近傍に含水ゲル5が到達すると、図4(c)に示すように、バンド32上方に設けられている空気加熱器37によって加熱された空気が、第二のファン36bにより上方側から下方側へ通気するようになっている。この通気によって、主にバンド32上方側の含水ゲル5が乾燥される。
【0077】
上述した各バンド乾燥機は連続的に含水ゲルを乾燥させることが可能であるため、箱型乾燥機やドラム乾燥機に比べて、吸水性樹脂の大量生産に向く乾燥機となっている。また、このバンド乾燥機による乾燥は、含水ゲルの弾性や強度に依存せず、連続して含水ゲルを投入することが可能であり、さらに、乾燥機に含水ゲルが付着することによるトラブルが少ないなど多くの優れた特長を有している。そのため、上記バンド乾燥機を用いる乾燥法は、本発明にかかる吸水性樹脂の製造方法においてより好ましい乾燥法となっている。
【0078】
上述してきた凝集式乾燥機を用いた乾燥法で得られる含水ゲルの乾燥物は、乾燥過程で互いに凝集して凝集体になり、粒粉状の乾燥体が得られない。そこで、上記乾燥法による乾燥工程の後に、凝集体を解砕して粒粉状の乾燥体とする工程(解砕工程)を実施する。
【0079】
なお、本実施の形態では、上記凝集体を大まかに砕くことを「解砕」と表現し、この解砕を行う工程を「解砕工程」とする。具体的には、たとえば、凝集体が板状であり、その幅が20〜200cm、厚さが5〜100mmとなっているとすると、この板状凝集体を砕いて20〜100mm角の角状凝集体とする。なお、板状凝集体を解砕するに当たっては、板状凝集体の一部がほぐれて一次粒子に戻ったり、あるいは一次粒子の一部も砕かれ得る。
【0080】
一方、解砕によって得られる角状凝集体を細かく砕いて粒状凝集体と一次粒子とにすることを「粗砕」と表現し、この粗砕を行う工程を「粗砕工程」とする。具体的には、上記解砕工程で得られた角状凝集体の大きさが20〜100mm角であれば、粗砕によって、この角状凝集体を1〜10mm角粒状凝集体とする。この粗砕においても凝集体だけでなく一次粒子の一部も砕かれる。また、一次粒子も生成する。
【0081】
さらに、解砕により得られる角状凝集体や、粗砕により得られる粒状凝集体や一次粒子をより細かく砕いて、最終製品である吸水性樹脂とすることを「粉砕」と表現し、この粉砕を行う工程を「粉砕工程」とする。具体的には、上記粗砕工程で得られた粒状凝集体の大きさが1〜10mm角であれば、粉砕によって、この凝集体を0.01〜1mm角の吸水性樹脂とする。
【0082】
上記解砕工程、粗砕工程、または粉砕工程において、含水ゲルを砕く方法については特に限定されるものではない。たとえば、解砕法としては圧縮による解砕が好適に用いられ、凝集式乾燥機としてバンド乾燥機を用いた場合では、バンドの回動速度よりも速い速度で回転するニーダーをバンド下流に配置し、乾燥が終了した凝集体をこのニーダーで巻き込むようにして解砕するといった方法を用いることができる。
【0083】
また、この解砕工程の後の粗砕工程には、たとえば、所定の間隔で突き出た複数のピンとこの複数のピンとかみ合うような複数のピンを備えるピンミルを用いて凝集体を粗砕する方法を用いることができる。
【0084】
一方、粉砕工程では、上述した各方法を用いても構わず、特に限定されるものではないが、この粉砕工程は、最終製品となる吸水性樹脂を得る直前の工程であるため、乾燥物をより細かく砕く必要がある。そこで、粉砕工程に用いられる粉砕機としては、ピンミル、ハンマーミル、ロールミルなどの高速回転式粉砕機や、気流粉砕機、ボールミル、あるいは、二つの歯板の間に板状の凝集体をはさみ込んで圧縮により解砕を行う解砕機や、さらには、シュレッダーや二軸または三軸のスクリュー型破砕機などを好適に用いることができる。
【0085】
また、粉砕する乾燥体の量が少ない場合には、ハンマーで砕くような手法であってもよい。さらに、ドラム乾燥機を用いる場合では、回転ドラムが二つ対向して設けられていれば、これら回転ドラムの間に乾燥物を通して粗砕することができる。
【0086】
上記各粉砕機の中でも、特に、乾燥工程にバンド乾燥機を用いるような場合は、一段以上設けられたロールミル、好ましくは二段以上、三段前後のロールミルを用いる。ロールミルは比較的構成が簡素であるにもかかわらず、被粉砕物(この場合、含水ゲルの乾燥物)に対して複雑な作用を与えて、被粉砕物を良好に粉砕することができる。特に、バンド乾燥機を用いる場合には、バンド乾燥機の乾燥処理に伴って乾燥物を連続的に粉砕することができるため好ましい。
【0087】
上記のように二段以上のロールミルを用いることにより、粒度分布がシャープで100μm以下の微粉の少ない粉砕生成物を得ることができる。ロールには縦または横の溝が刻まれているものが好適に用いられる。対向するロールは互いに等速で回転してもよいし、あるいは一方がより速い速度で回転してもよい。
【0088】
本実施の形態における吸水性樹脂の製造方法では、乾燥工程において、上記凝集式乾燥機を用いているため、乾燥の進行に伴って粒粉状の含水ゲルが互いに凝集し板状の凝集体となる。そこで、この凝集体を解砕工程で解砕した後に、さらに粉砕して吸水性樹脂を得ることになるが、上記板状の凝集体が乾燥工程において、一定の厚さを有する均一な層として積層されていれば、含水ゲルを非常に均一に乾燥することが可能となり、高品質の吸水性樹脂が得られることになる。
【0089】
ところが、実際には、上記凝集式乾燥機では、含水ゲルの層を均一に積層することが困難であり、また、含水ゲルに10mmよりも大きい粒子が含まれていると、上記の何れの凝集式乾燥機を用いた方法であっても、含水ゲルの未乾燥物の発生は回避できない。このような未乾燥物の発生により、後の粉砕工程で、粉砕に用いられる粉砕機に未乾燥物が付着して粉砕機の稼動を停止させるトラブルが発生し易くなり、吸水性樹脂の製造効率を低下させることになるとともに、未乾燥物が乾燥物に混入すると、得られる吸水性樹脂の物性を低下させることになる。
【0090】
しかしながら、本発明にかかる吸水性樹脂の製造方法では、含水ゲルの乾燥物に混入している未乾燥物を分離する分離工程を有している。すなわち、本発明にかかる吸水性樹脂の製造方法では、乾燥工程の後の解砕工程、または粗砕工程で得られる粒粉状の乾燥物から、含水ゲルの未乾燥物を分離している。これによって、高品質の吸水性樹脂を効率良く製造することができる。
【0091】
ここで、上記分離工程では、粒粉状の乾燥物を分級することにより、未乾燥物を分離している。これは、含水ゲルが有する次のような性質に基づいている。
【0092】
上記凝集式乾燥機を用いた乾燥工程で得られる板状の凝集体を解砕すると、凝集体中における含水ゲルの乾燥物は容易に解砕されて粒粉状となるが、未乾燥物は強い粘着性を有するゴム状態となっているため、容易に解砕されない。したがって、解砕工程により得られる粒粉状の乾燥物は、比較的小さい体積の乾燥物の粒子と、解砕工程では解砕されないため残存している体積の大きい未乾燥物とからなっていることになる。
【0093】
そこで、上記粒粉状の乾燥物を所定のふるいなどによってふるい分けて分級することにより、小さい粒子である乾燥物とより大きな粒子である未乾燥物とを分離する。このように粒粉状の乾燥物を大きさを基準にふるいなどで分級することにより、複雑な装置を用いることなく簡単かつ効率的に未乾燥物を分離することができる。
【0094】
ここで、上記乾燥工程により得られる含水ゲルの乾燥物は、その含水率が15重量%以下となっている。換言すれば、含水ゲルの含水率が15重量%を超えるものは未乾燥物であるとみなす。
【0095】
上記含水ゲルは、重合終了時には概ね固形分が30〜40重量%の範囲内、すなわち含水率が60〜70重量%程度の範囲内となっていることが多い。この含水ゲルが乾燥して固形分が50〜70重量%の範囲内、すなわち含水率が30〜50重量%程度の範囲内に達すると、急激に粘着性が上昇する。このような粒状の含水ゲルは互いに凝集して最終的には凝集体となり易い。
【0096】
しかしながら、固形分が85〜90重量%を超える程度、すなわち含水率が10〜15重量%程度になると粘着性は急激に低下するとともに、外力によって非常に粉砕し易くなる。つまり、含水率が15重量%を超える含水ゲルは非常に強い粘着力を示すゴム状のゲルとなり、粉砕機などで粉砕することができず、逆に粉砕機に付着して粉砕機の稼動を停止させるようなことになる。一方、含水率が15重量%以下となると、粘着性は非常に低下し、粉砕機で粉砕し易くなる。
【0097】
そのため、上記凝集式乾燥機を用いた乾燥工程では乾燥物が凝集体となるが、この凝集体を解砕する際に、15重量%以下の含水率となっている部分は容易に解砕されるが、15重量%を超える部分は容易に解砕されず、そのまま大きな凝集体として残存する。
【0098】
一方、上記非凝集式乾燥機を用いた乾燥工程では、乾燥物も未乾燥物も粒粉状の粒子であるが、この未乾燥物の粒子は乾燥物の粒子よりも含水率が高くその粘着性が大きいため、互いに凝集したり、乾燥物が付着したりして、乾燥物の粒子に比べて相対的に大きくかつ重くなる。
【0099】
本発明にかかる吸水性樹脂の製造方法は、この含水ゲルの性質に着目し、未乾燥の含水ゲル(含水率が15重量%を超える)が乾燥した含水ゲル(含水率が15重量%以下となる)よりも相対的に大きくなることを利用して、乾燥工程後に得られる粒粉状の乾燥物をふるいなどによりふるい分けて分級したり、気流乾燥機を用いて粒子の大小や軽重を分級したりすることによって、未乾燥物を容易に分離することができる。
【0100】
つまり、上記含水ゲルの性質を鑑みると、含水ゲルの未乾燥物(含水率が15重量%を超える)は非常に解砕または粉砕されにくい性質を有しているため、通常の解砕工程では砕かれず、大きな粒子として残存する。すなわち、含水ゲルの未乾燥物の粒子は、単に解砕が不十分なことによるものではなく、解砕されないがために粒子として残存しているものである。それゆえ、粒粉状の乾燥物を分級すると大きい粒子である未乾燥物が容易に分離することができる。
【0101】
なお、上述したように、含水ゲルの未乾燥物としては、粘着性の高い未乾燥物に乾燥物が付着して凝集しているものを含む。また、ある程度乾燥された未乾燥物は、単なるゲル状態ではなく、表面は乾燥しているものの内部の含水率は高くなっているゴム状態となっているが、このゲル状態の含水ゲルも未乾燥物に含める。
【0102】
上記含水ゲルの含水率は、試料となる含水ゲルの乾燥前の重量を測定し、さらにこの含水ゲルを180℃で3時間の乾燥を行った後に乾燥後の重量を測定し、乾燥前と乾燥後の重量の変化から算出する。この含水率の算出に用いる式を次に示す。なお、wt0 は乾燥前の含水ゲルの重量を示し、wt1 は乾燥後の含水ゲルの重量を示す。
【0103】
含水率(%)=(wt0 −wt1 )/wt0 ×100
次に、上述した解砕工程、および分離工程を含めた、本実施の形態における吸水性樹脂の製造の流れを図5に基づいて説明する。
【0104】
まず、ステップ1(以下、ステップをSと略す)では、エチレン性不飽和単量体を微量の架橋剤の存在下で水溶液重合して含水ゲルを得る(含水ゲル重合工程)。さらに、S2として、得られた含水ゲルを細粒化する(細粒化工程)。次に、S3として、得られた含水ゲルを上記の各乾燥機を用いた方法で乾燥させる(乾燥工程)。このとき、S2で得られた含水ゲルは細粒化され粒粉状となっているが、S3の乾燥工程では、含水ゲルは板状に凝集する。
【0105】
次に、S4として、板状の凝集体を解砕機などで解砕し、含水ゲルの乾燥物の角状凝集体を得る(解砕工程)。ここで、S5として、解砕工程で得られる含水ゲルの角状凝集体をさらに解砕して粒状凝集体とする粗砕工程を加えてもよい。解砕工程で得られる角状凝集体が大き過ぎて、後の分離工程での未乾燥物の分離が良好に行われなくなるような場合には、粗砕工程を加えることが好ましい。
【0106】
S4の解砕工程またはS5の粗砕工程の終了後、S6として、角状凝集体または粒状凝集体中に含まれる含水ゲルの未乾燥物を分離する(分離工程)。このときの分離法は、上述したように、ふるいなどにより粒子を所定の大きさにふるい分ける分級法を用いることが特に好ましい。また、このとき、大幅なロスとならない限り、未乾燥物とともに乾燥物が分級されて分離されても構わない。つまり、最終製品を得るための粉砕工程に未乾燥物が到達しなければよい。
【0107】
ここで、S6の分離工程で分離された含水ゲルの未乾燥物は、適宜回収して、再び所定の範囲内の含水率となるまで乾燥してもよい(S7の再乾燥工程)。この再乾燥工程では、先に、再乾燥するか否かを判断する。S6において分離・回収された未乾燥物の量が非常に少なく、再利用する方がコストの増大を招くような場合には、未乾燥物を廃棄する。これに対して、未乾燥物を再乾燥する場合には、回収される未乾燥物の状態や、吸水性樹脂の製造過程全体の流れを鑑みた場合のコストや製造効率などに基づき、その乾燥法を適宜選択する。
【0108】
たとえば、この再乾燥工程では、上記S3における乾燥工程で用いられた乾燥機に未乾燥物をフィードバックしてもよいし、S3とは独立した乾燥機を用いて再乾燥してもよい。すなわち、未乾燥物がS3における乾燥機を用いて好適に乾燥できるのであれば、コストの抑制や製造過程の簡素化を招来できる点から未乾燥物をフィードバックする方法が好ましい。
【0109】
一方、S3の乾燥機に未乾燥物をフィードバックしても未乾燥物を十分に乾燥できないような場合には、S3とは独立した乾燥機により乾燥を行う方が効率的である。なお、この独立した乾燥機としては、S3で用いられたものと同種類の乾燥機であっても別の種類の乾燥機であってもよい。乾燥機の種類は、未乾燥物の状態により、適宜選択することができる。また、S3とは独立した再乾燥工程の後に得られる角状凝集体や粒状凝集体の乾燥物は、適宜、粉砕工程などで所定の大きさに分級される。
【0110】
次に、S8として、未乾燥物を分離して乾燥物のみとなった角状凝集体、粒状凝集体および一次粒子を所定の粒径(たとえば、850μm)以下の一次粒子に粉砕する(粉砕工程)。最後に、粉砕されて得られた粉砕生成物は、最終製品である吸水性樹脂とするために、S9として、所定の範囲内の大きさに分級される(分級工程)。
【0111】
なお、S8で、未乾燥物の分離された乾燥物は、粉砕工程で負荷の軽減、並びに、たとえば100μm以下の微粉末の発生を防ぐため、粉砕工程の前に分級され、たとえば850μm以下の一次粒子は除かれてもよい。除かれた850μm以下の粒子は、適宜、最終製品に加えられる。
【0112】
この分級工程により得られる、所定範囲内の大きさとなった粉砕生成物が最終製品である吸水性樹脂となったり、図示しない造粒工程や表面架橋処理工程に送られる。一方、所定の範囲から外れる大きな粉砕生成物は、粉砕が不十分であることによるため再度粉砕するか、その量が少量であれば廃棄する。これによって、本発明における物性の優れた吸水性樹脂が効率よく得られることになる。
【0113】
このように、凝集式乾燥機を用いた乾燥工程を有する吸水性樹脂の製造方法では、乾燥工程の後に解砕工程、好ましくは粗砕工程も加えることによって、粒粉状の凝集体を効率的に得ることができる。そして、得られた粒粉状の凝集体から未乾燥物を分離することによって、粉砕工程に未乾燥物が到達せず、粉砕工程における種々のトラブルの発生を防止することができる。また、最終製品である吸水性樹脂に未乾燥物が混入しないために、高品位の吸水性樹脂を効率的に得ることができる。
【0114】
なお、S9の分級工程は、従来からの吸水性樹脂の製造方法において、最後の粉砕工程の後に通常行われている工程である。そのため、本発明にかかる吸水性樹脂の製造方法に独自の工程である分離工程でなされる分級とは、根本的に異なる工程である。
【0115】
つまり、上記分級工程は、単に粉砕が不十分なものを選別するための工程であるが、本発明における分離工程は、含水ゲルの未乾燥物を分離するための工程であり、この分離工程において分級という手法を用いると上記未乾燥物を容易に分離することが可能となる。したがって、分離工程では、未乾燥物を効果的に分離できるのであれば、分級に限定されるものではない。
【0116】
しかも、上記分級工程は、最終製品である吸水性樹脂を得る直前に行われることがほとんどである。そのため、本発明における分離工程のように、粉砕工程の前に行われる工程ではない。この点からも、上記分級工程と分離工程とは全くことなる工程であることは明らかである。
【0117】
上記分離工程について、分級工程との違いも含めて、図6に基づいてさらに詳細に説明する。なお、以下の説明では、バンド乾燥機を用いて乾燥工程を実施した場合を具体例として製造の流れを説明する。
【0118】
図6に示すように、まず、図5に示したS1を行って含水ゲルを得た後、S2でミートチョッパーにより細粒化する。次に、S3で、バンド乾燥機により細粒化された含水ゲルを乾燥させる。含水ゲルはバンド上に搭載されバンドの回動に伴って下流側に移動しながら乾燥し、凝集していくが、このバンドの下流端となる位置にバンドの移動速度よりも速くなるような回転数(たとえば、バンドの移動速度の1.01〜10倍程度)で回転するニーダーを設け、このニーダーにより、乾燥して凝集した板状の凝集体を巻き込みながら解砕していく(S4)。
【0119】
このニーダーによる解砕で得られた角状凝集体をさらにピンミルにより粗砕して粒状凝集体を得る(S5)。この粒状凝集体、すなわち粒粉状の乾燥物中には、未乾燥物の粒子が含まれている。このような未乾燥物の粒子は、乾燥物の粒子と比較して相対的に大きいものであるので、ふるいによりふるい別けて分級する(S6)。
【0120】
ここで、上記解砕工程および粗砕工程の後には、(1)解砕・粗砕工程ではほぐされない未乾燥物の粒子や凝集体、(2)解砕・粗砕工程でほぐされたが一次粒子になるまでは解砕されていない乾燥物の凝集体、および(3)解砕・粗砕工程で十分にほぐされたり、粗砕された乾燥物の粒子、の三種類が存在する、と見なすことができる。
【0121】
これらの大きさを比較すると、(1)の未乾燥物の粒子や凝集体が最も大きく、(2)の凝集体が次に大きく、(3)の粒子が最も小さいことになる。そこで、上記分離工程ではふるい目の開きがもっとも大きいものを用いる。たとえば、本実施の形態では、ふるい目の開きが10mmのものを用いて、未乾燥物の分離を行っている。なお、以下の説明では、たとえばふるい目の開きが10mmのものを10mmのふるいと表現する。
【0122】
この分離工程のふるい分けにおいて、10mmのふるいのふるい上分、すなわち、粒粉状の乾燥物中で最も粒径の大きい未乾燥物(すなわち、上記(1)の粒子)は、バンド乾燥機にフィードバックして再乾燥する(S7)。未乾燥物が非常に少量であればそのまま廃棄してもよい。一方、バンド乾燥機で良好に再乾燥できなければ、別の乾燥機を用いてもよい。
【0123】
一方、10mmのふるいのふるい下分から、未乾燥物ではなく、粗砕や解砕された比較的粒径が大きい凝集体(すなわち、上記(2)の凝集体)と一次粒子とを粉砕する(S8、粉砕工程)。図5におけるS8である粉砕工程は、上記分離工程の後に行われる。また、このときの粉砕には、二段以上のロールミルやピンミル、ハンマーなどが用いられる。
【0124】
この粉砕工程で得られた粉砕生成物は、最終的な工程であるS9の分級工程で、たとえば、0.85mmのふるいによってふるい分けられる。この0.85mmのふるいのふるい上分は、上記(2)の粒子に相当するので、再びピンミルにより粉砕されて0.85mmのふるいで再びふるい分けが行われる。
【0125】
このように、S6の分離工程でなされている分級では、上記(1)の未乾燥物を分離することを目的としている。一方、S9の分級工程では、上記(2)の凝集体や一次粒子を分離することを目的としている。そのため、これら各工程は根本的に異なるものである。そして、大きさを選別する分級を上記分離工程に適用すると、未乾燥物を効果的に分離することが可能となっている。
【0126】
なお、上記分離工程における分離法としては、上述したようなふるい分けによる分級法を好適に用いることができる、熱風により軽く小さい粒子を巻き上げて、この粒子を分級・回収するような分級法であってもよく、他の方法であってもよい。すなわち、上記分離法は、未乾燥物を効率的に分離できる方法であれば特に限定されるものではない。
【0127】
このように、本発明にかかる吸水性樹脂の製造方法では、含水ゲルを乾燥して粉砕することに際して、最終製品である吸水性樹脂を製造するに当たって少なくとも粉砕工程に含水ゲルの未乾燥物が混入しないように、粉砕工程前に、未乾燥物を分離・除去する方法である。
【0128】
また、本発明にかかる吸水性樹脂の製造方法では、粒粉状の乾燥物の中から未乾燥物を分離・除去するに際し、未乾燥物の粒子は乾燥物の粒子よりも相対的に大きくなっていることから、ふるいなどを用いたふるい分けにより未乾燥物を分離する。
【0129】
上記方法を用いることにより、ゴム状となった含水ゲルの未乾燥物が粉砕機、特にロールミルに付着して、該粉砕機による粉砕を円滑に行うことができなくなったり、粉砕機が停止したりすることを効果的に防止することができる。さらに、最終製品である吸水性樹脂に未乾燥物が混入しないため、吸水性樹脂の物性の低下を抑制し、より高品質の吸水性樹脂を製造することができる。
【0130】
さらに、含水ゲルの乾燥工程に用いる乾燥機としては、バンド乾燥機が特に好ましい。この乾燥機を用いると、連続的に大量の含水ゲルを処理することができるため、吸水性樹脂の製造効率を向上させ、製造コストを抑制する効果が得られる。
【0131】
加えて、分離された含水ゲルの未乾燥物を回収して再乾燥することにより、さらに吸水性樹脂の製造コストの低減を抑制することが可能である。また、含水ゲルの乾燥物を粉砕して最終製品である吸水性樹脂を得るための粉砕工程では、二段以上のロールミルを用いると、簡素な構成で微粉の少ない粉砕生成物を得ることが可能となる。
【0132】
〔実施の形態2〕
本発明の実施の他の形態について、図7ないし図15に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
【0133】
前記実施の形態1では、乾燥工程において、凝集式乾燥機を用いた場合について説明したが、本実施の形態では、乾燥工程において、非凝集式乾燥機を用いた場合について説明する。
【0134】
上記非凝集式の乾燥機は、含水ゲルを攪拌しながら乾燥する乾燥機であり、この攪拌により含水ゲルが凝集することがない。この非凝集式乾燥機としては、具体的には、流動層乾燥機、攪拌乾燥機、円盤乾燥機、回転乾燥機、気流乾燥機などを挙げることができる。
【0135】
上記各乾燥機の構成と、各乾燥機を用いた場合における本発明にかかる吸水性樹脂の製造過程についてさらに具体的に説明する。まず、流動層乾燥機、攪拌乾燥機、円盤乾燥機、および回転乾燥機の構成とこれら凝集式乾燥機を用いた場合の吸水性樹脂の製造過程について説明する。
【0136】
流動層乾燥機は、多孔板などのガス分散板(整流板)上に形成される粒粉体状の被乾燥物(含水ゲル)に対して、下方側から熱風を送って流動層を形成させつつ乾燥を行うものである。被乾燥物の粒子と熱風の接触効率が極めて良好なため、熱の伝導が迅速で、処理能力が大きいなどの利点を有する。
【0137】
この流動層乾燥機には回分式と連続式があり、さらに、流動層を多段式または多室式にするものがある。たとえば、図7に示すように、横型多室式の流動層乾燥機40は、乾燥室41、空気加熱器42、サイクロン43、送風機44、排風機(ブロアー)45、乾燥物排出口48などを備えており、さらに乾燥室41内に、複数の多孔板(整流板)46と仕切板47とを備えている。
【0138】
図7に示すような流動層乾燥機40では、送風機44で送られる空気は空気加熱器42で加熱され熱風となり、乾燥室41内で図中矢印で示す方向に流される。乾燥室41の下方には、多孔板46が備えられており、この多孔板46の上部に含水ゲル5が搭載されている。この含水ゲル5の下方から熱風が送られ、乾燥室41内で流動層となり、連続的に含水ゲル5を乾燥することができるが、この流動層乾燥機40は、多孔板46上に隙間を残した仕切板47を複数並べて多室化しているため、滞留時間分布を狭くすることが可能となっている。これによってより効率的な乾燥が可能となる。
【0139】
攪拌乾燥機は、乾燥室内でローターを回転させ、被乾燥物(含水ゲル)を攪拌しながら連続乾燥させるものである。乾燥は、熱伝導による場合と熱風による場合とがある。被乾燥物の攪拌に当たっては、攪拌羽を用いて被乾燥物を攪拌する方法もあるが、本発明にかかる吸水性樹脂の製造方法のように、被乾燥物が凝集性の高い含水ゲルであれば、ローターにより攪拌することが好ましい。
【0140】
このローターを備える攪拌乾燥機50は、たとえば、図8(a)に示すように、乾燥室としての胴ジャケット部51、熱風入口52、熱風出口53、被乾燥物入口54、乾燥物出口55などを備えており、胴ジャケット部51の内部には、図8(b)に示すように、ローター56が設けられている。
【0141】
上記熱風入口52から送られる熱風は胴ジャケット部51内を通り、熱風出口53から排出される。被乾燥物入口54から含水ゲルが投入され、上記熱風が通る胴ジャケット部51内で、図8(b)に示すように、図中矢印方向にローター56が回転することにより含水ゲルが攪拌されながら乾燥される。乾燥された含水ゲルは、乾燥物出口55から排出される。このようにして連続的に含水ゲルが乾燥される。
【0142】
円盤乾燥機は、大小二種類の円盤を5〜20段ほど重ね、各段上に中心軸から2〜4本の腕を出し、これに攪拌翼を取り付けているものである。たとえば、図9(a)に示すように、円盤乾燥機60は、複数の円盤62を多段に備える乾燥室61と、攪拌翼64を備える中心軸63と、被乾燥物供給機65と、エロフィンヒーター66、バッグフィルター67、サイクロン68、送風機69などを備えている。
【0143】
攪拌翼64は、図9(b)に示すように、上述した通り円盤62により形成される各段毎に設けられており、1〜4rpmで回転して円盤62上に被乾燥物(含水ゲル)の山や谷を形成しながら、攪拌翼64の角度によって各段交互となるように円盤62上を被乾燥物が外向き、内向きに移動して順次下段に落下する。そして、最終的な乾燥物は円盤乾燥機60の最下段より取り出される。
【0144】
上記円盤乾燥機60では、送風機69からの空気流をエロフィンヒーターにより加熱して熱風とすることにより乾燥を行っているが、乾燥形式は、これに限定されるものではなく、円盤に熱媒体を通して加熱する形式であってもよい。このような円盤型乾燥機は、乾燥時間を容易に変えることができるとともに、乾燥機の設置面積を小さくすることができるという利点を有している。
【0145】
回転乾燥機は、シリンダー型で内部にかき上げ翼を備える乾燥室内に乾燥室自身の回転によって被乾燥物(含水ゲル)を攪拌しながら移動させ、この移動に伴いカーテン状に落下する被乾燥物に熱風を向流や並流を接触させて攪拌を行うものである。
【0146】
たとえば、図10(a)に示すように、回転乾燥機70は、円筒状の乾燥室71、この乾燥室71を回転させるための駆動ローラー72、乾燥室を支持する支持ローラー73、熱風供給口74、熱風排気口75、被乾燥物投入口76、および乾燥物排出口77などを備えている。乾燥室71の断面は、図10(b)に示すように、内側方向に向かって、乾燥室71の回転方向(図中矢印で示す)に沿うようなかき上げ翼71aが複数備えられている。
【0147】
乾燥室71は、支持ローラー73により支持されながら、駆動ローラー72により回転駆動される。熱風は、熱風供給口74から供給され乾燥室71内を流れて熱風排気口75から排気される。含水ゲル5は被乾燥物投入口76から乾燥室71内に投入されるが、投入された含水ゲル5は、乾燥室71内で、図10(b)に示すように、複数のかき上げ翼71a…によりかき上げられてカーテン状に落下しながら、熱風との接触を繰り返す。この攪拌作用によって含水ゲル5は乾燥し、乾燥物排出口77から排出される。
【0148】
このような回転乾燥機は、構造が簡素かつ丈夫である上に、操作性が容易、大型のものを製作し易い、処理量が大きい、安全性が高いなどの各種の利点を有している。上記回転乾燥機には、他に、水蒸気加熱管付き回転乾燥機や通気回転乾燥機などがある。
【0149】
気流乾燥機は、乾燥後に粒粉体となる被乾燥物であり、湿潤時に泥状、塊状、もしくは粒粉状のものを熱気流中で粒子として分散させ、この粒子を浮遊状態で搬送しながら乾燥させるものである。この気流乾燥機としては、たとえば、図11に示すように、乾燥室81、熱風発生器82、サイクロン83、被乾燥物供給器84、送風機85などを備える気流解砕機80を挙げることができる。
【0150】
上記気流乾燥機80の乾燥室81中では、熱風発生器82および送風機85により下方から上方に向かって熱風が発生している。この乾燥室81に被乾燥物供給器84から含水ゲルを供給する。供給された含水ゲルは、乾燥室81中で熱風により巻き上げられ、これによって迅速、かつ連続的に含水ゲルが乾燥する。
【0151】
このような気流乾燥機では、被乾燥物が粒粉状であれば、直接気流乾燥機に投入することができるが、被乾燥物が凝集して塊状となり易い場合には、被乾燥物を分散させるための分散機を使用してもよい。また、被乾燥物を粗砕したり、被乾燥物が泥状であったりする場合、解砕機を使用してもよい。
【0152】
本発明における吸水性樹脂の製造方法では、被乾燥物が粒状の含水ゲルであるが、この含水ゲル同士は凝集して塊状になり易い。そのため、気流乾燥機には上記分散機などを用いてもよいが、後述するように界面活性剤を添加して含水ゲルを表面処理して凝集を防止する方法が好ましい。
【0153】
また、この気流乾燥機では、熱気流により所定の含水率まで乾燥した含水ゲルが分散・流動することになるが、この分散・流動の過程で分離工程を同時に行うことができる。すなわち、乾燥した含水ゲル(乾燥物)は含水率の高い未乾燥物に比べて水分が除去されていることから、体積が小さくなりかつ重量が軽くなるため、熱気流により乾燥室上方へ分散し易くなる。一方、未乾燥物は乾燥物に比べて含水率が高いため、体積も大きく重量も重くなり上方へ分散しにくい。それゆえ、乾燥室の上方に含水ゲルの乾燥物を分離するための分級部などを設けることにより、乾燥工程と分離工程を一工程で行うことができる。
【0154】
さらに、乾燥物は、小さいほど熱気流によって乾燥室上方に分散し易くなる。すなわち、乾燥室の下方には、大きい乾燥物が留まり易くなる。そのため、乾燥室の下方に粉砕部を設けることにより、大きな乾燥物を粉砕することができるので、乾燥工程と粉砕工程とを一工程で行うことが可能となる。
【0155】
つまり、乾燥工程において気流乾燥機を用いると、乾燥工程、分離工程、粉砕工程を一工程で行うことが可能となり、吸水性樹脂の製造効率を非常に向上させることができる。また、製造コストの低減も可能となる。
【0156】
上記のように乾燥工程、分離工程、および粉砕工程の三工程を一工程で行うことができるような気流乾燥機としては、たとえば、図12に示すように、乾燥室81、熱風発生器82、被乾燥物供給器84、粉砕部(粉砕機)86、分級部(分級器)87、乾燥物回収部88、ブロワー89などを備えている気流乾燥機80aを挙げることができる。
【0157】
乾燥室81はたとえば円筒状であり、この乾燥室81の下方に粉砕部86を備えるとともに、この粉砕部86に対向するように、乾燥室81の上方に分級部87が備えられている。粉砕部86としては、たとえば、図13(a)・(b)に示すように、円筒状の本体から外周部に向かって複数の粉砕翼を突出させたアブミ式粉砕機86aを用いることができる。また、分級部87としては、図14(a)・(b)に示すように、円錐状の形状を有しており、円錐の頂点が乾燥室下方(すなわち、粉砕部側)に向かって設けられ、円錐の表面状に分級用の刃が設けられている分級器87aを用いることができる。
【0158】
乾燥室81内には下方から上方に向かって熱風が発生しており(図中矢印H)、被乾燥物供給器84から供給された(図中矢印I)含水ゲルがこの熱風によって巻き上げられる(図中矢印H)点は、上記の気流乾燥機80と同様である。ここで、乾燥室81の下方には、たとえばアブミ式粉砕機86aが備えられているため、これによって、粒径の大きい含水ゲルは粉砕される。粉砕された含水ゲルは熱風によってより巻き上げられ易くなるとともに、乾燥し易くなる。
【0159】
乾燥して巻き上げられた含水ゲルは、分級器87aにより分級され、所定の大きさであれば、そのまま乾燥物回収部88に送られる(図中矢印J)。所定よりも大きい含水ゲルはアブミ式粉砕機86aで再び粉砕されて所定の大きさとなると分級器87aを通って乾燥物回収部88に達することになる。
【0160】
このように、上記気流乾燥機80aにおける分級器87aは、乾燥物と未乾燥物とを単に分離するのではなく、アブミ式粉砕機86aで所定の大きさに粉砕された乾燥物のみが分離される。そのため、含水ゲルが過乾燥して気流乾燥機80a内に残留することがなく、また、未乾燥物の乾燥が完了するまで、気流乾燥機80aにより乾燥処理が続けられる。それゆえ、上述したその他の乾燥機のように、未乾燥物をフィードバックしたり、未乾燥物を改めて別の乾燥機により乾燥させたりする必要がない。
【0161】
それゆえ、上記気流乾燥機80aは、製造工程を大幅に短縮できる上に、乾燥時間が比較的短くて済み、熱効率も高く、さらには構造が簡単な上に、小型であるにもかかわらず処理量が大きいという多くの利点がある。したがって、上記気流乾燥機80aを用いる乾燥法は、本発明にかかる吸水性樹脂の製造方法において特に好ましい乾燥法となっている。
【0162】
上述した非凝集式乾燥機を用いた本実施の形態における吸水性樹脂の製造の流れを図15に基づいて説明する。本実施の形態における吸水性樹脂の製造の流れは、好ましくは7つのステップ(以下、Sと略す)からなっている。
【0163】
まず、S11は、凝集式乾燥機(実施の形態1)における製造過程のS1と同一である。次にS12として、得られる含水ゲルを細粒化する(細粒化工程)。この細粒化工程は適宜省略可能である。この細粒化された含水ゲルに対して、該含水ゲルが凝集しないように界面活性剤を添加する。この界面活性剤は、含水ゲルの乾燥前、乾燥途中の何れの工程においても添加することができる。中でも、細粒化工程前または粗砕工程中に、粒粉状の含水ゲルに対して界面活性剤を加えることが好ましい。これによって、乾燥工程での含水ゲルの凝集をより効果的に回避することができる。次に、S13として、上述した非凝集式乾燥機により乾燥を行う(乾燥工程)。
【0164】
S13の乾燥工程で得られた粒粉状の乾燥物中には、乾燥物の粒子以外に未乾燥物の粒子が混入している。ここで、たとえば、乾燥物の粒子と未乾燥物の粒子とが同量の架橋重合体からなるとすると、未乾燥物の粒子の方が高い含水率を有していることから、乾燥物の粒子よりも体積や重量が大きくなる。また、未乾燥物の粒子は高い粘着性を有しているために、未乾燥物の粒子同士が凝集したり未乾燥物の粒子に乾燥物が付着するなどして、やはり乾燥物の粒子よりも体積が大きくなる。
【0165】
このように、乾燥工程により得られる粒粉状の乾燥物中では、未乾燥物の粒子は乾燥物の粒子と比較して相対的に大きくなる。そこで、S14として、実施の形態1と同様に、粒粉状の乾燥物をふるいなどを用いて所定の範囲内の大きさに分級する(分離工程)。この分級によって、未乾燥物を効率的に分離することができる。
【0166】
分離された未乾燥物は、適宜、S15の再乾燥工程へ送られるか、または、廃棄される。この再乾燥工程では、実施の形態1と同様に、未乾燥物をS13へフィードバックするか、独立した乾燥機により再乾燥を行うかを適宜選択することができる。その後、S16およびS17の各工程は、前記実施の形態1におけるS8およびS9と同様なのでその説明を省略する。このようにして本発明における物性の優れた吸水性樹脂が効率よく得られることになる。
【0167】
上記のように、本実施の形態における乾燥工程では、非凝集式乾燥機を用いると含水ゲルが乾燥の進行に伴っても凝集しないため、含水ゲルが凝集する場合に比べて解砕工程を省略することが可能である。
【0168】
なお、上記S12の細粒化工程、S14の分離工程、S17の分級工程は、前記実施の形態1において説明した場合と同様の方法を用いることができるのでその説明を省略する。
【0169】
ここで、本発明にかかる吸水性樹脂の製造方法では、上記乾燥工程において、図12に示すような、乾燥工程、粉砕工程、および分離工程を一工程で行うことができる気流乾燥機80aを用いることが特に好ましいが、この気流乾燥機80aを用いた場合では、図15に示す製造の流れにおいて点線で囲った部分(すなわち、S13からS17までの工程、S23とする)を一工程で行うことが可能となる。
【0170】
すなわち、本発明にかかる吸水性樹脂の製造方法では、前記実施の形態1で説明したように、分離工程における未乾燥物の分離を分級により行っている。ここで、気流乾燥機80aでは、分離工程を粉砕工程と同時に行っているので、分級工程と分離工程とを一工程にまとめることが可能となる。その結果、事実上、二工程で吸水性樹脂を製造することができる。
【0171】
上述した非凝集式乾燥機を用いて乾燥工程を行う場合、すなわち、粒粉状の含水ゲルを攪拌しながら乾燥する場合には、乾燥の過程で含水ゲル同士が互いに凝集すると乾燥が円滑に行われなくなり、状況によっては乾燥ができなくなることもある。そこで、含水ゲルに対して乾燥前あるいは乾燥中に界面活性剤や潤滑剤を添加する。この界面活性剤の添加により、粒粉状の含水ゲルを表面処理して該含水ゲル同士の凝集を効果的に抑制することができる。
【0172】
上記界面活性剤としては、たとえば、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、あるいは両性の各種界面活性剤を好適に用いることができる。
【0173】
上記界面活性剤のうち、アニオン性界面活性剤としては、具体的には、混合脂肪酸ナトリウム石けん、半硬化牛脂脂肪酸ナトリウム石けん、ステアリン酸ナトリウム石けん、オレイン酸カリウム石けん、ヒマシ油カリウム石けんなどの脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、高級アルコール硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミンなどのアルキル硫酸エステル塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩;アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルナフタレンスルホン酸塩;ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどのアルキルスルホコハク酸塩;アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムなどのアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩;アルキルリン酸カリウムなどのアルキルリン酸塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキル(またはアルキルアリル)硫酸エステル塩;特殊反応型アニオン界面活性剤;特殊カルボン酸型界面活性剤;β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、特殊芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩などのンフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル;などが挙げられる。
【0174】
またノニオン性界面活性剤としては、具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールブロック共重合体などのポリオレフィンオキサイド;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル;ポリオキシエチレン誘導体;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンジステアレート、などのソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビットなどのポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル;グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレエート、自己乳化型グリセロールモノステアレートなどのグリセリン脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエートなどのポリオキシエチレン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンアルキルアミン;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;アルキルアルカノールアミド;などが挙げられる。
【0175】
さらに、カチオン性界面活性剤および両性界面活性剤としては、具体的には、ココナットアミンアセテート、ステアリルアミンアセテートなどのアルキルアミン塩;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライドなどの第四級アンモニウム塩;ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどのアルキルベタイン;ラウリルジメチルアミンオキサイドなどのアミンオキサイド;などが挙げられる。
【0176】
上記界面活性剤に加えて、さらに、フッ素系界面活性剤やシロキサン系界面活性剤を用いることも可能である。
【0177】
この中でも、添加量が少量で済む点や、表面処理後の乾燥物の物性(すなわち吸水性樹脂の物性)を阻害しない点、さらには使用上の安全性の点から、ポリプロレングリコールやポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールブロック共重合体などが好ましい。
【0178】
上記界面活性剤の添加量は、含水ゲル100重量部に対して0.001〜10重量部の範囲内であることが好ましく、0.01〜5重量部の範囲内であることがより好ましく、0.1〜2重量部の範囲内であることがさらに好ましい。添加量が0.001重量部よりも少ないと粒状の含水ゲルが凝集してしまう。一方、添加量が10重量部よりも多いと、添加に見合うだけの効果が得られない上に、最終製品である吸水性樹脂の物性を低下させるおそれがある。
【0179】
このように、本実施の形態にかかる吸水性樹脂の製造方法では、乾燥工程において、含水ゲルを攪拌しながら乾燥する非凝集式乾燥機を用いている。この非凝集式乾燥機を用いても、前記実施の形態1と同様に未乾燥物を効率的に分離し、未乾燥物の混入によるさまざまな不都合の発生を回避することができる。また、得られる吸水性樹脂の物性の低下を抑制し、より高品質の吸水性樹脂を製造することができる。
【0180】
さらに、含水ゲルの乾燥工程に用いる乾燥機としては、粉砕機および分級器を備える気流乾燥機が特に好ましい。この乾燥機を用いると、連続的に大量の含水ゲルを処理することができるとともに、吸水性樹脂の製造過程を大幅に縮小できるため特に好ましい。
【0181】
上記のようにして粉砕された吸水性樹脂は、そのまま製品にすることもできるが、その吸水性能をさらに発揮するために、吸水性樹脂の有するカルボキシル基などの官能基と反応し得る官能基を二個以上有する表面架橋剤により該吸水性樹脂の表面近傍を架橋処理することが好ましい。表面架橋剤としては、たとえば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのアルキレンカーボネート化合物;(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテルなどの多価エポキシ化合物;エチレンジアミン、ポリエチレンイミンなどの多価アミン化合物;硫酸アルミニウム、(ポリ)塩化アルミニウムなどの多価金属などが挙げられる。
【0182】
以上のような本発明にかかる製造方法により得られた吸水性樹脂は、優れた吸水性能によって、例えば、紙オムツや生理用ナプキン、失禁パッド、創傷保護材、創傷治癒材等の衛生材料(体液吸収物品);ペット用の尿等の吸収物品;建材や土壌用保水材、止水材、パッキング材、ゲル水嚢等の土木建築用資材;ドリップ吸収材や鮮度保持材、保冷材等の食品用物品;油水分離材、結露防止材、凝固材等の各種産業用物品;植物や土壌等の保水材等の農園芸用物品等、種々の用途に好適に用いられるものとなっている。
【0183】
【実施例】
本発明の吸水性樹脂の製造方法について、以下の各実施例および比較例に基づきさらに具体的に説明するが、本発明はこれら各実施例により限定されるものではない。なお、以下の説明では、「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」を示す。
【0184】
〔実施例1〕
アクリル酸39.3部、37%アクリル酸ナトリウム水溶液257.7部、ポリエチレングリコールジアクリレート(平均ポリエチレングリコールユニット数8)0.46部、および水148.5部を混合し、モノマー水溶液を調製した。このモノマー水溶液に窒素ガスを吹き込み、溶存酸素を除去した。引き続き、モノマー水溶液をジャケット付き双椀型ニーダーに投入し、モノマー水溶液の温度を25℃に保持した。
【0185】
ついで、窒素気流下にニーダーのブレードを40rpmで回転させながら、重合開始剤として20%過硫酸ナトリウム水溶液0.4部、10% 2,2`-アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩水溶液1.6部、0.1%L−アスコルビン酸水溶液0.7部、および過酸化水素水溶液0.4部をモノマー水溶液に添加し、重合反応を開始させた。
【0186】
モノマー水溶液の白濁により重合開始を確認した後、モノマー水溶液の温度(内温)が30℃に達した時点で回転しているブレードを停止した。ジャケットにより除熱しながら内温が60℃になるまで静置した。内温が60℃を超えた時点でブレードを回転させ、生成した含水ゲルを粒子状に粉砕し、内温が77℃になるようにさらに重合を行った。
【0187】
得られた含水ゲルを図1に示すような箱型乾燥機で160℃、65分間乾燥した。乾燥後、板状に凝集した親水性の含水ゲルをハンマーで解砕し、10mmのふるいを用いてふるい分けを行った。10mmのふるいのふるい上分をペンチで砕いたところ内部はゴム状の含水ゲル(未乾燥物)であった。なお、この未乾燥物の含水率は30%であった。
【0188】
一方、10mmのふるいのふるい下分を三段ロールミル(各ロールのギャップは、上段から1.6mm、0.4mm、0.15mmである)で粉砕した。この粉砕工程では、未乾燥物が含有されていないため、ロールミルにより良好な粉砕が可能であった。粉砕により得られた粉砕生成物をさらに0.85mmのふるいにより分級し、本発明の吸水性樹脂(1)を得た。
【0189】
この吸水性樹脂(1)の乾燥後の含水率は5%、吸水倍率は65倍、可溶分は15%であり、高品質の吸水性樹脂であった。
【0190】
〔比較例1〕
上記実施例1において、解砕した含水ゲルをふるいで分級することなく上記三段のロールミルで粉砕したところ、該ロールミルにゴム状の未乾燥物が付着した。
【0191】
〔実施例2〕
75%中和アクリル酸ナトリウムおよびポリエチレングリコールジアクリレート(平均エチレンオキサイドユニット数8)0.04モル%(対アクリル酸ナトリウム)を含むモノマー水溶液を調製した。アクリル酸ナトリウムの量は35%であった。このモノマー水溶液に窒素を吹き込み、該モノマー水溶液中の溶存酸素濃度を0.1ppm以下とした。
【0192】
次いで、水溶性アゾ系開始剤V−50(商品名、和光純薬工業(株)製)0.02モル%(対アクリル酸モノマー)、L−アスコルビン酸0.002g/モル(対アクリル酸ナトリウムモノマー)、過酸化水素0.001g/モル(対アクリル酸ナトリウムモノマー)をこの順番でそれぞれモノマー水溶液に添加し、重合を行った。重合開始温度は22℃であり、重合開始から12分後に温度は82℃に達した。
【0193】
重合後に得られた含水ゲルをギロチンカッターにより25mm角に細断した。得られた角状の含水ゲルにポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールブロック共重合体(商品名:アデカプルロニックL44、旭電化工業(株)製)を0.5%(対固形分)添加し、カッティングミルにてさらに細粒化した。この細粒化により得られた粒粉状の含水ゲルの平均粒径は2000μmであった。
【0194】
この含水ゲルを、図12に示すような気流乾燥機により、225℃の熱風により流動させながら乾燥した。熱風の風量は20m3 /分であった。乾燥しながら粒粉状の含水ゲルをアブミ式粉砕機で粉砕(回転数4000rpm)した。粉砕後得られた粉砕生成物を気流分級器により分級して所定の乾燥物を乾燥機から排出し、未乾燥物をさらに乾燥した。
【0195】
このようにして本発明にかかる吸水性樹脂(2)が得られた。この吸水性樹脂(2)の乾燥後における含水率は4%、吸水倍率は65倍、可溶分は12%であり、高品質の吸水性樹脂であった。
【0196】
以上のように、本発明にかかる吸水性樹脂の製造方法を用いることで、未乾燥の含水ゲルにより招来されるさまざまな不都合を回避し、高品質の吸水性樹脂を効率よく製造することができる。
【0197】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載の吸水性樹脂の製造方法は、以上のように、含水ゲル状架橋重合体を乾燥物とする乾燥工程と、該乾燥物を粉砕する粉砕工程とを有する吸水性樹脂の製造方法において、上記粉砕工程前あるいは粉砕工程中に行われる、乾燥物に含まれる含水ゲル状架橋重合体の未乾燥物を分離する分離工程を有し、上記分離工程は、ふるい分級または気流分級によって、10mm以上の粒子径をもつ含水ゲル架橋重合体を未乾燥物として除去する工程であり、上記未乾燥物の含水率は15重量%を超えている方法である。
【0198】
それゆえ、上記方法では、含水ゲルの未乾燥物の発生に伴うさまざまな不都合の招来を回避し、高品質の吸水性樹脂を効率良く得ることができるという効果、未乾燥物を容易に分離することができるという効果、および、分離に伴い複雑な装置を用いることはなく簡単かつ効率的に乾燥物から未乾燥物を分離することができるので、製造コストの増大を抑制しつつ高品質の吸水性樹脂を製造することができるという効果を奏する。
【0199】
本発明の請求項3記載の吸水性樹脂の製造方法は、以上のように、上記請求項1または2に記載の方法に加えて、上記粉砕工程における乾燥物の粉砕は一段以上のロールミルによりなされる方法である。
【0200】
それゆえ、上記方法では、含水ゲルの乾燥物に対して複雑な作用を与えて、被粉砕物を良好に粉砕することができるという効果を奏する。また、バンド乾燥機を用いる場合には、バンド乾燥機の乾燥処理に伴って乾燥物を連続的に粉砕することができるという効果も併せて奏する。
【0201】
本発明の請求項6記載の吸水性樹脂の製造方法は、以上のように、上記請求項1〜5の何れか1項に記載の方法に加えて、上記乾燥工程に用いられる乾燥機がバンド乾燥機であるとともに、さらに、上記分離工程前または分離工程中に行われる、乾燥物の凝集体を20〜100mmとする解砕工程および/または、1〜10mmとする粗砕工程を有する方法である。
【0202】
それゆえ、上記方法では、吸水性樹脂の製造をより効率的かつ低コストで行うことができるという効果を奏する。
【0203】
本発明の請求項7記載の吸水性樹脂の製造方法は、以上のように、上記請求項1〜4の 何れか1項に記載の方法に加えて、上記乾燥工程、粉砕工程、および分離工程において、含水ゲル状架橋重合体を粉砕して粉砕生成物とする粉砕機と、該粉砕生成物を分級する分級器とを備えている気流乾燥機が用いられる方法である。
【0204】
それゆえ、上記方法では、乾燥工程、分離工程、粉砕工程を一工程で行うことが可能となる。そのため、吸水性樹脂の製造効率を非常に向上させることができるとともに、製造コストの低減も可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の一形態にかかる吸水性樹脂の製造方法における乾燥工程で用いられる箱型乾燥機の構成を示す模式図である。
【図2】 (a)・(b)は、本発明にかかる吸水性樹脂の製造方法における乾燥工程で用いられるドラム乾燥機の構成を示す模式図である。
【図3】 本発明にかかる吸水性樹脂の製造方法における乾燥工程で用いられる並行流バンド・トンネル乾燥機の構成を示す説明図である。
【図4】 (a)は、本発明にかかる吸水性樹脂の製造方法における乾燥工程で用いられる通気バンド乾燥機の構成を示す断面図であり、(b)は、(a)に示す通気バンド乾燥機におけるD−D線矢視断面図であり、(c)は、(a)に示す通気バンド乾燥機におけるE−E線矢視断面図である。
【図5】 図1〜図4の何れかの乾燥機を用いた場合における、本発明にかかる吸水性樹脂の製造過程を示すフローチャートである。
【図6】 図2または図3に示すバンド乾燥機を用いた場合における、本発明にかかる吸水性樹脂の製造過程を示すフローチャートである。
【図7】 本発明の実施の他の形態にかかる吸水性樹脂の製造方法における乾燥工程で用いられる流動層乾燥機の構成を示す模式図である。
【図8】 (a)は、本発明にかかる吸水性樹脂の製造方法における乾燥工程で用いられるローターを備えた攪拌乾燥機の構成を示す側面図であり、(b)は、(a)に示す攪拌乾燥機のF−F矢視断面図である。
【図9】 (a)は、本発明にかかる吸水性樹脂の製造方法における乾燥工程で用いられる円盤乾燥機の構成を示す模式図であり、(b)は、(a)に示す円盤乾燥機における円盤および攪拌翼の構成を示す模式図である。
【図10】 (a)は、本発明にかかる吸水性樹脂の製造方法における乾燥工程で用いられる回転乾燥機の構成を示す側面図であり、(b)は、(a)に示す回転乾燥機に示す攪拌乾燥機のG−G矢視断面図である。
【図11】 本発明にかかる吸水性樹脂の製造方法における乾燥工程で用いられる気流乾燥機の構成を示す模式図である。
【図12】 本発明にかかる吸水性樹脂の製造方法における乾燥工程で用いられる気流乾燥
機であり、粉砕部および分級部を備える気流乾燥機の構成を示す模式図である。
【図13】 (a)・(b)は、図12に示す気流乾燥機の粉砕部の具体的構成を示す図である。
【図14】 (a)・(b)は、図12に示す気流乾燥機の分級部の具体的構成を示す図である。
【図15】 図7ないし図12の何れかの乾燥機を用いた場合における、本発明にかかる吸水性樹脂の製造過程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 箱型乾燥機
20 ドラム乾燥機
30a 並行流バンド・トンネル乾燥機
30b 通気バンド乾燥機
40 流動層乾燥機
50 攪拌乾燥機
60 円盤乾燥機
70 回転乾燥機
80 気流乾燥機
80a 気流乾燥機
Claims (9)
- 含水ゲル状架橋重合体を乾燥物とする乾燥工程と、該乾燥物を粉砕する粉砕工程とを有する吸水性樹脂の製造方法において、
上記粉砕工程前あるいは粉砕工程中に行われる、乾燥物に含まれる含水ゲル状架橋重合体の未乾燥物を分離する分離工程を有し、
上記分離工程は、ふるい分級または気流分級によって、10mm以上の粒子径をもつ含水ゲル架橋重合体を未乾燥物として除去する工程であり、上記未乾燥物の含水率は15重量%を超えていることを特徴とする吸水性樹脂の製造方法。 - 上記粉砕工程における乾燥物は含水率15%以下であることを特徴とする請求項1に記載の吸水性樹脂の製造方法。
- 上記粉砕工程における乾燥物の粉砕は一段以上のロールミルによりなされることを特徴とする請求項1または2に記載の吸水性樹脂の製造方法。
- 上記分離工程で分離した未乾燥物を、上記乾燥工程で用いた乾燥機に戻し、再乾燥することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の吸水性樹脂の製造方法。
- 上記分離工程で分離した未乾燥物を、上記乾燥工程で用いた乾燥機とは別の乾燥機を用いて、再乾燥することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の吸水性樹脂の製造方法。
- 上記乾燥工程に用いられる乾燥機がバンド乾燥機であるとともに、さらに、上記分離工程前または分離工程中に行われる、乾燥物の凝集体を20〜100mmとする解砕工程、および/または、1〜10mmとする粗砕工程を有することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の吸水性樹脂の製造方法。
- 上記乾燥工程、粉砕工程、および分離工程において、含水ゲル状架橋重合体を粉砕して粉砕生成物とする粉砕機と、該粉砕生成物を分級する分級器とを備えている気流乾燥機が用いられること特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の吸水性樹脂の製造方法。
- 上記乾燥工程前の含水ゲル状架橋重合体を細粒化して、該含水ゲル状架橋重合体の90%以上の粒径が0.1mm〜10mmの範囲内にあり、かつ、その平均粒径が0.5mm〜5mmの範囲内となるようにすることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の吸水性樹脂の製造方法。
- 上記吸水性樹脂の単量体がアクリル酸および/またはアクリル酸の水溶性塩類であることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の吸水性樹脂の製造方法。
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