JP4045666B2 - シリコン単結晶の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、坩堝内の溶融液に磁場印加してチョクラルスキー法(以下、「CZ法」という)によってシリコン単結晶の製造する方法に関し、さらに詳しくは、カスプ磁場を引上げ軸に対して等軸対称に印加して、結晶成長方向の酸素濃度分布を均一に制御するとともに、有転位化を防止して優れた品質の単結晶を引上げることができるシリコン単結晶の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
超々高集積回路に用いるシリコン単結晶では、シリコン結晶中の酸素を酸化物として析出させ、ウェーハ表面近傍において素子歩留を低下させる要因となる重金属不純物をゲッタする、いわゆるゲッタリング技術が用いられている。このゲッタリング機能を十分に発揮させるには、結晶中に酸素を均一に取り込むことが重要である。
【0003】
従来では、シリコン結晶中の酸素濃度を制御するために、結晶の成長にともなって坩堝の回転速度を変化させる方法や、酸素の溶け込み量を調整した石英坩堝を用いて引上げを行う方法が試みられていた。しかし、これらの方法では、単結晶の引上げの進捗に伴って酸素濃度の低減化の傾向には対応することができるが、引上げ開始直後に形成される結晶トップ側で高酸素濃度への対応は困難であり、酸素濃度が規定外となる製品ロスを多く発生させ、製品歩留まりを低下させるという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年のように、半導体用デバイスの高機能化に対応して、基板に要求される酸素濃度値が厳しく規定されるようになると、一層従来の方法では対応が困難になる。しかも、最近導入される大型の単結晶製造装置においては、単結晶の引上げ過程で有転位化する現象が増加する傾向にあることから、この有転位化の問題にも対応するため、単結晶の引上げに際して、直流磁場を溶融液に印加する種々の方法が検討されるようになる。
【0005】
ところで、単結晶の引上げ過程における有転位化に対する磁場印加の効果としては、溶融液に印加された磁場が溶融液の対流を抑制することに基づくものであり、この対流抑制によって、坩堝表面からの石英の溶け込みを抑えて、結果として結晶成長中の有転位化を防止することができる(干川ら、応用物理、60,808,(1991)参照)。さらに、磁場印加による対流抑制によって、石英坩堝の劣化を防止して、坩堝寿命を大幅に改善できることが期待される。
【0006】
上記の磁場を溶融液に印加する方法の中でも、坩堝内の溶融液に引上げ軸を対称中心として半径方向のカスプ磁場を印加する方法が注目されている。このカスプ磁場を印加する方法では、反対方向に環状電流を流す一対の磁石を坩堝の上方および下方に配置して、その磁場中心位置において、互いに磁界が打ち消し合って、垂直方向の垂直磁場強度が0(ゼロ)となり、半径方向に水平磁場が形成される。このため、半径方向のカスプ磁場は、坩堝内の溶融液の流動を拘束して、溶融液の安定化を図ることができる。すなわち、溶融液にカスプ磁場を印加することによって、結晶が成長する固液界面に隣接する溶融液の部分では対流を起こさせ、他の溶融液の部分では対流を抑制することができるようになって、酸素濃度等の均一化に有効な手段となる。
【0007】
従来から、上述のカスプ磁場方法を前提として、単結晶の均質化を図る方法が種々提案されている。例えば、持開平5−194077号公報では、シリコンロッド中の酸素濃度および分布を調整するため、カスプ磁場を印加するCZ法であって、所定の単結晶ロッド直径が定まった後に、シリコン溶融物の固形化部分が増加するのに合わせて、坩堝の回転数を増加し、磁界の強度を減少させるシリコン単結晶の製造方法が提案されている。
【0008】
提案された製造方法においては、引上げられる単結晶および坩堝の回転は反対方向であり、単結晶が成長するとき、単結晶の回転速度は坩堝の回転速度より大きい。単結晶が引上げられるのに伴って、坩堝の回転速度が増加される。磁場は坩堝の底および側壁を垂直に横切るような成分を有するように、坩堝内の溶融液に印加される。単結晶の成長につれて、磁界の強度を減少させ、坩堝の底および側壁を垂直に横切る磁界成分を減少させる。そして、仕込み溶融液の約50〜80%が固化した後に、磁界を消すことになる。その後は、単結晶の回転速度に対して、坩堝回転数を増加することによって酸素含有量を調整することにしている。
【0009】
この提案の製造方法では、磁場印加しない方法では制御することが困難な単結晶トップ側の高酸素濃度についても対応することが可能であり、所期の酸素濃度およびその分布改善を達成することができる。しかし、単結晶の成長にともなって磁界の強度を減少させ、さらには消去させることから、磁場印加による有転位化の抑制効果が不十分となる。このため、有転位化の発生に伴う製品歩留まりの低下と同時に、石英坩堝の劣化を防止して坩堝寿命を大幅に改善する効果が期待できなくなる。また、単結晶の引上げの進捗に伴って坩堝の回転数を増加させることから、結晶の外周域で極端に酸素濃度が低下するので、結晶径方向の酸素濃度分布を均一にできないという問題もあった。
【0010】
他に、特開平7-61893号公報では、結晶を育成する際に印加する磁場の大きさをマグネット数で制御し、溶融液内の対流を完全に抑制することなく、坩堝の回転軸に対して対称となるような流れに制御して、結晶中の酸素濃度分布を均一にする育成方法が開示されている。すなわち、坩堝内の物質輸送は、磁場の対流抑制効果による拡散支配となることもなく、また、渦発生を伴うことのない「制御された対流」が形成され、その結果、結晶の成長方向および垂直方向に均一に酸素が取り込まれ、いずれの方向にも均一な酸素濃度を有するシリコン単結晶を得ることができるとしている。
【0011】
本発明者らは、上記で開示される育成方法の効果を確認するため、直径560mmの石英坩堝を用いたホットゾーンで、8インチシリコン単結晶の育成を試みたが、何らその効果を確認することができなかった。換言すれば、今回開示された育成方法で採用される育成条件は、小径坩堝を使用した場合等の極めて汎用性のない特別な条件でのみ成立する条件に過ぎない。さらに、この育成方法で用いられる溶融液の対流測定は著しく煩雑なものであり、実際の操業を考慮した場合、膨大な労力を要することになる。したがって、特開平7-61893号公報で開示される育成方法は、普遍的な単結晶の製造法として採用することができない。
【0012】
本発明は、上述したような結晶中の酸素濃度を調整するため、カスプ磁場を印加するCZ法での問題に鑑みて開発されたものであり、磁場中心位置を溶融液の表面高さからの位置を特定することによって、結晶成長方向および結晶径方向の酸素分布を均一に制御し、さらに結晶成長中の有転位化を防止して、優れた品質のシリコン単結晶を製造する方法を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の課題を解決するため、カスプ磁場を印加したCZ法による単結晶の製造方法を種々検討した結果、単結晶直胴部の引上げ過程においてカスプ磁場強度を一定にした場合であっても、カスプ磁場での垂直方向の磁場が打ち消し合う磁場中心位置を溶融液の表面高さから所定の条件で維持することにより、結晶成長方向の酸素分布を均一に制御できることを知見した。しかも、引上げ過程においてカスプ磁場強度を一定にするものであることから、結晶成長中の有転位化を防止することができるとともに、坩堝寿命を大幅に改善することが可能になる。また、単結晶の引上げ進捗に伴い坩堝の回転数を増加させることなく、常に回転数が一定であることから、結晶径方向の酸素濃度分布を均一に制御することが可能になる。
【0014】
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、後述する図1に示すような装置を用いる方法であって、下記のシリコン単結晶の製造方法を要旨としている。
【0015】
坩堝の上下に対向配置される磁場発生用コイル6を配して、前記坩堝内の溶融液4に引上げ軸に対して等軸対称のカスプ磁場を印加しつつ結晶を引上げるチョクラルスキー法によるシリコン単結晶の製造方法であって、単結晶の製品直径を形成する直胴部の引上げ過程ではカスプ磁場強度を一定とし、かつ上下コイルの中間部に存在する磁場中心位置が溶融液の表面高さから一定の範囲になるように制御することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法である。
【0016】
上記のシリコン単結晶の製造方法においては、磁場中心位置が溶融液の表面高さから-40mm〜-100mmの範囲になるように、または磁場中心位置が溶融液の表面高さから坩堝内径に対して-7%〜-18%の範囲になるように制御する。さらに、引上げ過程で一定に制御されるカスプ磁場強度については、300G〜600Gにする。また、引上げ過程において、坩堝の回転数を一定にする。
【0017】
本発明において、坩堝内の溶融液に印加されるカスプ磁場は、対向配置される磁場発生用コイルの中心軸を引上げ軸と合致させ、引上げ軸に対して等軸対称の磁界を印加させるものである。また、磁場の印加は少なくとも、単結晶の製品直径を形成する直胴部の引上げ過程であればよく、ネック部およびショルダー部の形成の際にカスプ磁場を印加しなくてもよい。
【0018】
本発明で規定するカスプ磁場強度は、磁場中心位置における坩堝側壁での半径方向の水平磁場の強度で示している。また、磁場中心位置は溶融液の表面高さを基準としており、表面より下方に位置する場合は−(マイナス)表示している。したがって、「-40mm」と表示する場合は溶融液の表面高さから下方に40mmの位置であり、「坩堝内径に対して-7%」と表示する場合は、使用する坩堝内径から換算される距離量だけ溶融液の表面高さから下方に位置することを示している。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のシリコン単結晶の製造方法が適用される製造装置の構造を模式的に説明する図である。ここで、結晶原料となるシリコンは溶融状態で坩堝1内に保持され、種結晶3を溶融液4の表面に接した状態にして回転させ、種結晶3に凝固成長する速度に合わせて上方に引上げ、成長させて所定直径の単結晶5を得る。溶融液を入れる石英坩堝1aは、外側支持用の黒鉛坩堝1bの内側に嵌合されており、この坩堝1はその中心軸を引上げ軸と一致させて、回転軸11によって全体をその周りに回転させることができ、さらに上下に移動させることができる。坩堝1の中心軸の上方には、引上げ可能なワイヤからなる引上げ装置7が配置されている。坩堝1の外側には、加熱用のヒーター2、およびさらに外側には保温材10が同心円状に配置され、これら全体が外気を遮断できるチャンバー8およびプルチャンバー9内に収容されている。
【0020】
坩堝1を介して、上方および下方に相対向するように磁場印加用のコイル6を一対設けている。一対の上部コイル6aおよび下部コイル6bには互いに逆向きに回る電流を流すことによって、坩堝内の溶融液4の部分にカスプ磁場を形成する。図中では、「・」は紙面から出てくる電流の流れを示し、「×」は紙面に入っていく電流の流れを示している。
【0021】
このように磁場印加用コイル6を構成することによって、カスプ磁場中心位置、すなわち、磁場中心点Xの位置では、互いの磁界が打ち消し合って、垂直方向のカスプ磁場強度は0(ゼロ)となる。磁場中心点Xから外れた位置では垂直方向の磁場は存在し、半径方向に向かっては、水平磁場が形成されることになる。
【0022】
前記図1に示す製造装置を用いて、磁場中心位置およびカスプ磁場強度の条件に対応する結晶成長方向の酸素濃度の分布状況を広範囲にわたって調査した。その結果、カスプ磁場強度を引上げ過程において一定に維持する場合であっても、磁場中心位置を溶融液の表面高さとの関係で適切に制御することによって、酸素濃度を結晶成長方向に均一に制御できることが明らかになる。
【0023】
すなわち、磁場中心位置を溶融液の表面高さに対して所定の範囲内に制御することによって、溶融液に印加される磁場を調整でき、引上げ過程の開始から終了に至るまで酸素濃度の均一化が図れる。溶融液に印加される磁場の作用として、石英坩堝からの酸素の溶け込みと、溶融液表面からの酸素蒸発を制御できることは知られている。具体的には、溶融液表面を垂直に横切る磁場成分は酸素の蒸発を抑制し、石英坩堝を垂直に横切る磁場成分は酸素の溶け込みを抑制し、これと同時に、溶融液の粘性にも影響を及ぼし、溶融液中の対流も制御することができる。したがって、磁場中心位置を調整することによって、溶融液表面を横切る磁場成分、石英坩堝を横切る磁場成分、および溶融液中の対流に影響を及ぼすカスプ磁場強度を任意に制御できることになり、それがバランスして結晶成長方向の酸素濃度を一定に制御できることとなる。
【0024】
上記の磁場中心位置の調整範囲を確認するため、110Kgの多結晶シリコンを有効内径560mmの石英坩堝に投入して、充分に溶解した後、直径8インチのシリコン単結晶を製造した。引上げに際しては、主な条件は結晶回転数を12rpm、坩堝回転数を6rpmで一定として、チャンバー内は圧力25TorrでAr流量は30リットル/分とした。引上げ過程でのカスプ磁場強度は、300G〜600Gの範囲で一定とした。前述の通り、ここでいうカスプ磁場強度は、磁場中心位置における坩堝側壁での水平磁場の強度としている。
【0025】
図2〜図4は、引上げ過程でのカスプ磁場強度を一定とした場合における磁場中心位置と結晶成長方向の酸素濃度分布との関係を示す図であり、磁場中心位置を溶融液の表面高さ(0mm)から-100mmの範囲まで変化させている。
【0026】
図2はカスプ磁場強度を300G(ガウス)一定とした場合であり、基準となる酸素濃度は14×1017atoms/cm3で、バラツキの範囲は1.0×1017atoms/cm3以下を目安としている。また、図3はカスプ磁場強度を450G一定とした場合であり、酸素濃度の基準は10.7×1017atoms/cm3で、バラツキの範囲は0.5×1017atoms/cm3以下を目安としている。さらに、図4はカスプ磁場強度を600G一定とした場合を示しているが、基準となる酸素濃度を9×1017atoms/cm3として、酸素濃度のバラツキの範囲は0.5×1017atoms/cm3以下を目安としている。通常、デバイスメーカーから要求される単結晶中の酸素濃度は9〜14×1017atoms/cm3レベルであるが、さらに製品歩留まりや各社ユーザー仕様を勘案して、それぞれの酸素濃度目標値に対して、酸素濃度のバラツキ幅は1.0×1017atoms/cm3以下で制御する必要がある。
【0027】
図2〜図4に示す結果から、磁場中心位置が溶融液の表面高さから-40mm〜-100mmの範囲になるように制御するのが望ましいことが分かる。さらに、磁場中心位置を溶融液の表面高さから-60mm〜-80mmにするのが一層望ましい。また、磁場中心位置を使用した坩堝寸法との関係で規定する場合には、溶融液の表面高さから坩堝内径に対して-7%〜-18%の範囲になるように制御するのが望ましい。
【0028】
表1は、上記図2〜図4の結果から推定される最適条件を整理したものである。具体的には、カスプ磁場強度を一定にした場合に結晶成長方向の酸素濃度分布が最も安定する磁場中心位置と、基準となる酸素濃度を示している。
【0029】
【表1】
【0030】
このような結果から、本発明の製造方法では、酸素濃度が9×1017atoms/cm3〜14×1017atoms/cm3の範囲にある場合には、結晶成長方向にわたって均一に制御できることが分かる。しかも、従来の製造方法に比べて、引上げ過程においてカスプ磁場強度を変動させる必要がないことから、単結晶の有転位化防止に有効である。
【0031】
【実施例】
以下に、本発明のシリコン単結晶の製造方法の効果を、実施例に基づいて説明する。
【0032】
(本発明例)
図1に示す製造装置を用いて、110Kgの多結晶シリコンを有効内径が560mmの石英坩堝に投入して、充分に溶解した後、直径8インチのシリコン単結晶を製造した。引上げ条件は結晶回転数を12rpm、坩堝回転数を6rpmとして、チャンバー内は圧力25TorrでAr流量は30リットル/分とした。引上げ過程でのカスプ磁場強度は500Gで一定として、磁場中心位置は常時溶融液の表面高さから-73mmの位置とした。
【0033】
図5に本発明例の結果を示しているが、基準となる酸素濃度10×1017atoms/cm3に対して、0.25×1017atoms/cm3のバラツキで制御できることを示している。また、10回にわたり同様の条件で引上げを繰り返したが、単結晶の有転位化は発生しなかった。
【0034】
(比較例)
前述の特開平5-194077公報で提案された製造方法と同様に、直径8インチの単結晶の直胴部の引上げ後に、坩堝の回転数を5rpmから10rpmに増加し、磁界強度を当初500Gから0Gに減少させて、10回の引上げを実施した。この結果、図5に示すように、結晶成長方向の酸素濃度バラツキは、酸素濃度目標値10×1017atoms/cm3のに対して、酸素濃度のバラツキ幅は±1.0×1017atoms/cm3以下で制御できたが、3回は単結晶直胴部の後半で、1回はティル部形成中に有転位化を生じた。
【0035】
合計4回の有転位化は、引上げ過程における実質的な磁場印加の時間が短いことに起因して、石英坩堝の表面劣化の防止効果が低下したことによる。このような弊害は、今後の引上げ用坩堝の大型化に伴い、ますます顕在化していくことになる。
【0036】
図6は、本発明例および比較例における結晶径方向での酸素濃度分布を示す図である。比較例における酸素濃度分布は、磁界強度が0G(ガウス)で、坩堝の回転数が8rpmの条件での径方向分布を示している。図6から明らかなように、比較例では単結晶の外周域で酸素濃度の低下が見られるのに対し、本発明例では坩堝回転数を増加させないことから、単結晶の外周部域での酸素濃度の低下が抑制されて、結晶径方向に酸素濃度分布が均一な単結晶が得られることが分かる。
【0037】
【発明の効果】
本発明のシリコン単結晶の製造方法によれば、カスプ磁場を印加するCZ法に適用され、上下コイルの中間部に存在する磁場中心位置を溶融液の表面高さからの位置を特定することによって、結晶成長方向および結晶径方向の酸素濃度分布を均一に制御し、さらに結晶成長中の有転位化を防止して、優れた品質のシリコン単結晶を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシリコン単結晶の製造方法が適用される製造装置の構造を模式的に説明する図である。
【図2】引上げ過程でのカスプ磁場強度を300G一定とした場合における磁場中心位置と結晶成長方向の酸素濃度分布との関係を示す図である。
【図3】引上げ過程でのカスプ磁場強度を450G一定とした場合における磁場中心位置と結晶成長方向の酸素濃度分布との関係を示す図である。
【図4】引上げ過程でのカスプ磁場強度を600G一定とした場合における磁場中心位置と結晶成長方向の酸素濃度分布との関係を示す図である。
【図5】本発明例および比較例における結晶成長方向の酸素濃度分布を示す図である。
【図6】本発明例および比較例における結晶径方向での酸素濃度分布を示す図である。
【符号の説明】
1:坩堝、 1a:石英るつぼ、
1b:黒鉛坩堝、 2:加熱ヒーター
3:種結晶、 4:溶融液
5:単結晶、 6:コイル
6a:上部コイル、 6b:下部コイル
7:引上げ装置、 8:チャンバー
9:プルチャンバー、 10:保温材
11:回転軸
X:磁場中心点
Claims (2)
- 坩堝の上下に対向配置される磁場発生用コイルを配して、前記坩堝内の溶融液に引上げ軸に対して等軸対称のカスプ磁場を印加しつつ結晶を引上げるチョクラルスキー法によるシリコン単結晶の製造方法であって、単結晶の製品直径を形成する直胴部の引上げ過程ではカスプ磁場強度を300 G(ガウス)〜 600 G(ガウス)で一定とし、かつ上下コイルの中間部に存在する磁場中心位置が溶融液の表面高さから-40mm 〜 -100mmの範囲になるように制御し、上記引上げ過程において、坩堝の回転数が一定であることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
- 坩堝の上下に対向配置される磁場発生用コイルを配して、前記坩堝内の溶融液に引上げ軸に対して等軸対称のカスプ磁場を印加しつつ結晶を引上げるチョクラルスキー法によるシリコン単結晶の製造方法であって、単結晶の製品直径を形成する直胴部の引上げ過程ではカスプ磁場強度を 300 G(ガウス)〜 600 G(ガウス)で一定とし、かつ上下コイルの中間部に存在する磁場中心位置が溶融液の表面高さから坩堝内径に対して - 7%〜 -18 %の範囲になるように制御し、上記引上げ過程において、坩堝の回転数が一定であることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
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