JP4019764B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機のマニュアルバルブを走行中にニュートラルレンジにシフトし、前進走行レンジに戻したとき、エンジンが過回転数で回転されることを防止する自動変速機の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両の走行中にシフトレバーが操作されてマニュアルバルブが前進走行レンジからニュートラルレンジにシフトされ、前進走行レンジに戻されることがある。従来、マニュアルバルブをニュートラルレンジから前進走行レンジに切換えたときに行われる油圧漸増制御においては、第5又は第6速段を成立するために第2クラッチを係合するとき、係合ショックを低減するために、第2クラッチの油圧駆動部に供給される油圧サーボ装置の出力油圧を漸増していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、低速段の成立時に常時係合される第1クラッチに油圧を給排する油圧サーボ装置が、リニアソレノイドをオン状態にしても出力油圧を送出し第1クラッチを異常係合する故障のときに、例えば第5速段で走行中にマニュアルバルブをニュートラルレンジNにシフトすると、図5において、マニュアルバルブ25のポートDから第1、第2クラッチC-1,C-2用の油圧サーボ装置26への油圧の供給が遮断され、第1、第2クラッチC-1,C-2が解放され、ソレノイドSLC-3,SLB-1がオン状態にされて第3クラッチC-3、第1ブレーキB-1用の油圧サーボ装置26からの出力油圧がゼロになり第3クラッチC-1、第1ブレーキB-1が解放されてニュートラルとなる。制御ポートに油圧が供給されなくなったカットオフ弁51は第2クラッチC-2用の油圧サーボ装置26をポートDから遮断する。その後にマニュアルバルブ25が前進走行レンジDにシフトされ、第5速段を指令して油圧漸増制御が行なわれると、ソレノイドSLC-3がオフ状態にされて第3クラッチC-3が係合され、ポートDから第1クラッチC-1用の油圧サーボ装置26に油圧が供給され、第1クラッチC-1が異常係合されて第3速段が成立する。ソレノイド弁48が所定時間オン状態にされてカットオフ弁51がシフトされ、油圧がポートDから第2クラッチC-2用の油圧サーボ装置26に供給され、ソレノイドSLC-2に印加される制御電流が漸減されてオフ状態にされ、第2クラッチC-2が少し遅れて係合される。制御ポートに第2、第3クラッチC-2,C-3に供給される油圧が供給されてカットオフ弁50がシフトされ、第1クラッチC-1用の油圧サーボ装置26がポートDから遮断され、第1クラッチC-1が解放される。
【0004】
このように、第1クラッチC-1が異常係合する故障のときに、第5速段を指令して油圧漸増制御を行なうと、制御の途中で第3速段が成立し、エンジンが駆動輪によって連れ回りされて過回転数で回転される可能性があった。同様に、第6速段を指令して油圧漸増制御を行うと、制御の途中で第2速段が成立する。
【0005】
本発明は、係る従来の不具合を解消するためになされたもので、自動変速装置の低速段成立時に常時係合される係合要素が異常係合する故障のときに、油圧漸増制御してもエンジンが駆動輪によって過回転数で連れ回りされることがないようにすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、入力軸の回転を変速して出力軸に出力する変速機構と、該変速機構の各変速段を成立するために係脱される複数の係合要素と、ソレノイドに供給される電気信号に応じた出力油圧を給排して前記係合要素を夫々係脱させる複数の油圧サーボ装置と、前記変速機構の入力軸の回転数及び出力軸の回転数を夫々検出する入力軸回転数検出装置及び出力軸回転数検出装置を備えた自動変速機の制御装置において、前記複数の係合要素は、前記変速機構の高速段成立時に常時係合される高速段係合要素と、低速段成立時に常時係合される低速段係合要素と、前記高速段係合要素又は前記低速段係合要素と共に一つが係合されて前記高速段又は低速段の各変速段を成立させる第3係合要素及び第4係合要素を含み、前記高速段を成立させるために前記高速段係合要素及び前記第3係合要素又は第4係合要素が係合することにより、前記低速段係合要素への油圧の供給を遮断する遮断手段を有し、前記制御装置は、走行中に前記変速機構をニュートラルから高速段のいずれかの変速段に切換える指令が送出されたとき、前記出力軸の回転数が所定低速回転数より小さいか否か判定する手段と、小さい場合は、前記油圧サーボ装置から前記高速段係合要素に供給される油圧を漸増して前記変速機構をニュートラルから前記指令された変速段に切換える油圧漸増制御を行う手段と、大きい場合は、前記油圧漸増制御を中断し又は行わずに前記高速段係合要素に油圧を給排する油圧サーボ装置の出力油圧を急峻に高くして前記高速段係合要素を早急に係合する油圧急峻制御を行う手段を備えたことである。
【0007】
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1に記載の自動変速機の制御装置において、前記所定低速回転数は、前記低速段係合要素が異常係合されているときに、前記油圧漸増制御の途中で成立する低速段のギヤ比を乗じるとエンジンの制限回転数と等しくなる出力軸の回転数であることである。
【0008】
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1又は2に記載の自動変速機の制御装置において、前記制御装置は、前記出力軸の回転数が前記所定低速回転数より大きい場合は、前記入力軸の回転数が前記出力軸の回転数に前記指令された変速段のギヤ比を乗じた理想回転数より大きいか否か、又は前記入力軸の回転数と出力軸の回転数との実際のギヤ比が前記指令された変速段のギヤ比より大きいか否か判定する手段と、大きい場合は、エンジンのトルクリミテーション制御を行って前記入力軸の回転数が前記理想回転数とほぼ等しくなったとき、前記油圧漸増制御を行わずに前記高速段係合要素に油圧を給排する油圧サーボ装置の出力油圧を急峻に高くして前記高速段係合要素を早急に係合する油圧急峻制御を行う手段を備えたことである。
【0009】
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項3に記載の自動変速機の制御装置において、前記制御装置は、前記出力軸の回転数が前記所定低速回転数より大きい場合は、前記入力軸の回転数又は実際のギヤ比が前記理想回転数又は前記指令された変速段のギヤ比より小さい場合、前記入力軸の回転数が前記理想回転数とほぼ等しくなったとき、前記油圧漸増制御を中断して前記高速段係合要素に油圧を給排する油圧サーボ装置の出力油圧を急峻に高くして前記高速段係合要素を早急に係合する油圧急峻制御を行う手段を備えたことである。
【0010】
請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至4のいずれかに記載の自動変速機の制御装置において、前記制御装置は、前記出力軸の回転数が所定高速回転数より大きいか否か判定する手段と、大きい場合は、前記出力軸の回転数が該所定高速回転数以下に低下するまで待機する手段を備えたことである。
【0011】
請求項6に係る発明の構成上の特徴は、請求項5に記載の自動変速機の制御装置において、前記所定高速回転数は、ニュートラルから指令された高速段の変速段に切換える油圧漸増制御を行った場合に成立する可能性がある変速段のギヤ比又は指令された変速段のギヤ比を乗じるとエンジンの制限回転数と等しくなる出力軸の回転数であることである。
【0012】
請求項7に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至6のいずれかに記載の自動変速機の制御装置において、前記高速段係合要素用の油圧サーボ装置に油圧が印加され前記高速段係合要素が係合されると、前記低速段係合要素用の油圧サーボ装置に印加される油圧を遮断するカットオフ弁を有することである。
【0013】
【発明の作用・効果】
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、走行中に変速機構をニュートラルから高速段のいずれかの変速段に切換える指令が送出されたとき、エンジンが駆動輪によって過回転数で連れ回りされることを防止するために、出力軸の回転数が所定低速回転数より小さいか否か判定し、小さい場合は、油圧サーボ装置から高速段係合要素に供給される油圧を漸増して変速機構をニュートラルから指令された変速段に切換える油圧漸増制御を行う。大きい場合は、油圧漸増制御を中断し又は行わずに高速段係合要素を早急に係合する油圧急峻制御を行う。これにより、例えば走行中にマニュアルバルブがニュートラルレンジNにシフトされた後に、前進走行レンジDに戻されても、エンジンが駆動輪によって過回転数で連れ回りされることがない。
【0014】
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、低速段係合要素が異常係合されているときに、油圧漸増制御の途中で成立する低速段のギヤ比を乗じるとエンジンの制限回転数と等しくなる所定低速回転数より出力軸の回転数が小さい場合は、油圧漸増制御を行い、大きい場合は、高速段係合要素を早急に係合するようにしたので、エンジンが駆動輪によって過回転数で連れ回りされることを確実に防止することができる。
【0015】
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、入力軸の回転数が前記出力軸の回転数に指令された変速段のギヤ比を乗じた理想回転数より大きい場合、換言すれば入力軸の回転数と出力軸の回転数との実際のギヤ比が指令された変速段のギヤ比より大きい場合は、エンジンのトルクリミテーション制御を行って入力軸の回転数が理想回転数とほぼ等しくなったとき、油圧漸増制御を行わずに高速段係合要素に油圧を給排する油圧サーボ装置の出力油圧を急峻に高くして高速段係合要素を早急に係合する油圧急峻制御を行うので、油圧漸増制御の途中で低速段が成立してもエンジンが駆動輪によって過回転数で連れ回りされることがない。
【0016】
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、入力軸の回転数が出力軸の回転数に指令された変速段のギヤ比を乗じた理想回転数より小さい場合、入力軸の回転数が理想回転数とほぼ等しくなったとき、油圧漸増制御を中断して高速段係合要素に油圧を給排する油圧サーボ装置の出力油圧を急峻に高くして高速段係合要素を早急に係合する油圧急峻制御を行うので、油圧漸増制御の途中で低速段が成立してもエンジンが駆動輪によって過回転数で連れ回りされることがない。
【0017】
上記のように構成した請求項5に係る発明においては、出力軸の回転数が所定高速回転数より大きい場合は、出力軸の回転数が該所定高速回転数以下に低下するまで待機するので、エンジンが駆動輪によって過回転数で連れ回りされることを確実に防止することができる。
【0018】
上記のように構成した請求項6に係る発明においては、所定高速回転数より出力軸の回転数が大きい場合は、所定高速回転数以下に低下するまで待機する。所定高速回転数は、ニュートラルから指令された高速段の変速段に切換える油圧漸増制御を行った場合に成立する可能性がある変速段のギヤ比又は指令された変速段のギヤ比を乗じるとエンジンの制限回転数と等しくなる。これにより、指令された変速段よりギヤ比が大きい変速段が成立しても、エンジンが駆動輪によって過回転数で連れ回りされることがない。
【0019】
上記のように構成した請求項7に係る発明においては、走行中に変速機構をニュートラルから高速段のいずれかの変速段に切換える指令が送出されたとき、出力軸の回転数が所定低速回転数より大きい場合に、高速段係合要素が早急に係合されると、低速段係合要素用の油圧サーボ装置に印加される油圧がカットオフ弁によって遮断されるので、低速段の成立を早急に解消することができ、例えば走行中にマニュアルバルブがニュートラルレンジNにシフトされた後に、前進走行レンジDに戻されても、エンジンが駆動輪によって過回転数で連れ回りされることがない。
【0020】
【実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。図1は本発明に係る自動変速機の制御装置により制御される自動変速機10の一例を示すスケルトン図で、自動変速機10は、図略のエンジンが回転連結された流体伝動装置としてのトルクコンバータ11及びトルクコンバータ11から入力軸20に入力された入力回転を変速して出力軸21に出力する前進6速、後進1速の変速機構12から構成されている。トルクコンバータ11は、ポンプインペラ13、タービンランナ14、ステータ15、ステータ15を変速機構12のケース16に一方向の回転のみ許容して支承するワンウェイクラッチ17、ワンウェイクラッチ17のインナレースをケース16に固定するステータシャフト18を備えている。19はポンプインペラ13とタービンランナ14とを直結するロックアップクラッチである。
【0021】
変速機構12の減速プラネタリギヤG1は、シングルピニオン型で、第1リングギヤR1が入力軸20に連結され、第1サンギヤS1がケース16に固定されて反力を受け、第1キャリヤC1に支承されたピニオンが第1リングギヤR1と第1サンギヤS1とに噛合されている。変速機構12の主要部である変速プラネタリギヤGは、ダブルピニオン型で、大径の第2サンギヤS2、小径の第3サンギヤS3、第2サンギヤS2に直接噛合するとともに第3サンギヤS3にピニオンP3を介して噛合するロングピニオンP2、ロングピニオンP2及びピニオンP3を支持する第2キャリヤC2(C3)及びロングピニオンP2と噛合し出力軸21に連結された第2リングギヤR2(R3)から構成されている。
【0022】
減速プラネタリギヤG1の第1キャリヤC1が第1クラッチC-1を介して変速プラネタリギヤGの第3サンギヤS3に連結されるとともに、第3クラッチC-3を介して第2サンギヤS2に連結されている。変速プラネタリギヤGの第2サンギヤS2は第1ブレーキB-1に連結され、第2キャリヤC2(C3)は第2クラッチC-2を介して入力軸20に連結されるとともに、ケース16に支持されたワンウェイクラッチF-1及び第2ブレーキB-2に並列に連結されている。
【0023】
自動変速機10の各クラッチ、ブレーキ及びワンウェイクラッチの係合、解放と各変速段との関係は図2の係合表に示すようになる。係合表における○印は係合、無印は解放、△印はエンジンブレーキ時のみの係合を示す。図3は各クラッチ、ブレーキ及びワンウェイクラッチの係合により成立される変速段と、そのときのプラネタリギヤG,G1の各要素の回転数比との関係を示す速度線図である。
【0024】
図2,3から明らかなように、第1速段(1st)は、第1クラッチC-1の係合とワンウェイクラッチF-1の自動係合によって達成される。入力軸20の回転が減速プラネタリギヤG1によって減速された第1キャリヤC1の回転が、第1クラッチC-1により変速プラネタリギヤGの第3サンギヤS3に入力され、ワンウェイクラッチF-1によって逆転を阻止された第2キャリヤC2(C3)が反力を受け、第2リングギヤR2(R3)が最大ギヤ比で減速回転されて出力軸21に出力する。
【0025】
第2速段(2nd)は、第1クラッチC-1と第1ブレーキB-1の係合によって達成される。入力軸20の回転が減速プラネタリギヤG1によって減速された第1キャリヤC1の回転が、第1クラッチC-1経由で変速プラネタリギヤGの第3サンギヤS3に入力され、第1ブレーキB-1の係合によって回転を阻止された第2サンギヤS2が反力を受け、第2リングギヤR2(R3)が第2速段に減速回転されて出力軸21に出力する。このときのギヤ比は、図3に示すように、第1速段(1st)より小さくなる。
【0026】
第3速段(3rd)は、第1及び第3クラッチC-1,C-3の係合によって達成される。入力軸20の回転が減速プラネタリギヤG1によって減速された第1キャリヤC1の回転が、第1及び第3クラッチC-1,C-3により第3及び第2サンギヤS3,S2に同時に入力されて変速プラネタリギヤGが直結状態となり、第2リングギヤR2(R3)が第1キャリヤC1と同一回転数で回転されて出力軸21に出力する。
【0027】
第4速段(4th)は、第1及び第2クラッチC-1,C-2の係合によって達成される。入力軸20の回転が第2クラッチC-2により変速プラネタリギヤGの第2キャリヤC2(C3)に直接入力され、入力軸20の回転が減速プラネタリギヤG1によって減速された第1キャリヤC1の回転が、第1クラッチC-1により変速プラネタリギヤGの第3サンギヤS3に入力され、第2リングギヤR2(R3)が入力軸20と第1キャリヤC1との中間の回転数に減速されて出力軸21に出力する。
【0028】
第5速段(5th)は、第2及び第3クラッチC-2,C-3の係合により達成される。入力軸20の回転が第2クラッチC-2により変速プラネタリギヤGの第2キャリヤC2(C3)に直接入力され、入力軸20の回転が減速プラネタリギヤG1によって減速された第1キャリヤC1の回転が、第3クラッチC-3により変速プラネタリギヤGの第2サンギヤS2に入力され、第2リングギヤR2(R3)が第5速段に増速回転されて出力軸21に出力する。
【0029】
第6速段(6th)は、第2クラッチC-2と第1ブレーキB-1との係合により達成される。入力軸20の回転が第2クラッチC-2により変速プラネタリギヤGの第2キャリヤC2(C3)に直接入力され、第1ブレーキB-1の係合によって回転を阻止された第2サンギヤS2が反力を受け、第2リングギヤR2(R3)が第6速段に増速回転されて出力軸21に出力する。
【0030】
後進段(R)は、第3クラッチC-3と第2ブレーキB-2との係合によって達成される。入力軸20の回転が減速プラネタリG1によって減速された第1キャリヤC1の回転が、第3クラッチC-3経由で変速プラネタリギヤGの第2サンギヤS2に入力され、第2ブレーキB-2の係合によって回転を阻止された第2キャリヤC2(C3)が反力を受け、第2リングギヤR2(R3)が逆転されて出力軸21に出力する。
【0031】
上記自動変速機10においては、第1乃至第3クラッチC-1〜C-3及び第1ブレーキB-1が係合要素である。ここで係合要素とは前進時の走行レンジD又は後進時の走行レンジRが選択されたときに係合されるクラッチ又はブレーキを含む概念である。第1クラッチC-1が、変速機構12の低速段である第1〜第3速段の成立時に常時係合される低速段係合要素であり、第2クラッチC-2が、高速段である第4〜第6速段の成立時に常時係合される高速段係合要素である。また、走行レンジが選択された状態でブレーキの制動力によって車両が第1速段状態で停止し、ニュートラル制御されて第1クラッチC-1が解放された状態になると第1速段から第2速段が選択されるため発進時にブレーキが離された場合、登り坂で車両に後退方向の力が作用しても第1ブレーキB-1が出力軸21の逆転を阻止するので、車両は後退することがなく、第1クラッチC-1が係合し始めて駆動力を伝達すると第1速段に切換えられて車両は円滑に発進する。なお、エンジンブレーキが必要な時には第2ブレーキB-2が係合され、第2キャリヤC2(C3)が正回転を阻止されて、出力軸21からの回転が第3サンギヤS3、第1クラッチC-1、減速プラネタリG1、トルクコンバータ11を経由してエンジンに伝達され、エンジンブレーキがかかる。
【0032】
次に、第1クラッチC-1の油圧駆動部に給排される出力油圧を送出する油圧サーボ装置26を図4に基づいて説明する。25は運転者がシフトレバーを操作してニュートラルN、前進走行レンジD、後進走行レンジRに手動で切換えるマニュアルバルブで、ポートPLにオイルポンプから油圧が圧力制御弁47によって所定圧に制御されたライン圧が供給されている。マニュアルバルブ25が前進走行レンジDにシフトされたときポートPLと連通されるポートDには、第1クラッチC-1の油圧駆動部に供給される出力油圧を出力する油圧サーボ装置26の増幅弁27の入力ポート28及び切換弁29のライン圧ポート30が夫々接続されている。31はオイルポンプPからのライン圧が減圧弁を介して供給されるソレノイドモジュレータバルブで、所定圧に制御した出力油圧を油圧サーボ装置26のリニアソレノイド調圧弁32の入力ポート33及び切換弁29のポート34に供給する。
【0033】
リニアソレノイド調圧弁32は、ソレノイドSLC-1が後述する制御装置から供給される制御信号である制御電流に応じて作動して弁体36を圧縮バネ37のバネ力とバランスする位置まで移動し、入力ポート33から流入する所定圧に制御された油圧を絞って制御装置からの制御電流の増大につれて減少する制御油圧を出力ポート38に生成する。リニアソレノイド調圧弁32の出力ポート38は、増幅弁27の制御ポート39に接続されるとともに、切換弁29の切換ポート40に接続されている。増幅弁27は、弁体49が制御ポート39から供給されて弁体49の大径端面に作用するリニアソレノイド調圧弁32の制御油圧による軸力が弁体49の小径端面に作用する圧縮バネ41のバネ力とフィードバック油圧による軸力とが釣り合う位置に移動され、入力ポート28に供給されたライン圧を制御電流の増大につれて減少するリニアソレノイド調圧弁32の制御油圧に応じた出力油圧Pcを出力し、出力ポート42から切換弁29の入力ポート43に供給する。
【0034】
切換弁29は、弁体45が図示右半分位置にシフトされると、入力ポート43を出力ポート44に連通し、増幅弁27からの出力油圧Pcを第1クラッチC-1の油圧駆動部に供給し、弁体45が図示左半分位置にシフトされると、ライン圧ポート30を出力ポート44に連通し、マニュアルバルブ25のポートDからのライン圧を第1クラッチC-1の油圧駆動部に供給し、第1クラッチC-1をライン圧によって係合状態に維持する。前進6段の各変速段を成立するために係脱される第1乃至第3クラッチC-1〜C-3及び第1ブレーキB-1の各油圧駆動部に油圧を給排する油圧サーボ装置26は全て同様の構成であるので、図5に示すこれら係合要素を係脱する油圧回路においては、各係合要素に油圧を給排する油圧サーボ装置26、増幅弁27、切換弁29及びリニアソレノイド調圧弁32に同一参照番号を付して表示し、リニアソレノイドについては、SLの後に各係合要素を示す参照符号を付加してSLC-1,SLC-2,SLC-3,SLB-1と表示する。
【0035】
図5に示すように、オイルポンプPからの油圧が圧力制御弁47によって所定圧に制御されたライン圧が供給されるマニュアルバルブ25のポートDは、カットオフ弁50を介して第1クラッチC-1用の油圧サーボ装置26の増幅弁27の入力ポート28及び切換弁29のライン圧ポート30に並列に接続されている。カットオフ弁50の制御ポートには、第2クラッチC-2に供給される油圧及び第3クラッチC-3又は第1ブレーキB-1に供給される油圧が供給され、第2クラッチC-2に供給される油圧が高く、且つ第3クラッチC-3又は第1ブレーキB-1に供給される油圧が高いとき、ポートDから第1クラッチC-1用の油圧サーボ装置26への油圧の供給を遮断する。マニュアルバルブ25のポートDは、カットオフ弁51を介して第2クラッチC-2用の油圧サーボ装置26の増幅弁27の入力ポート28及び切換弁29のライン圧ポート30に並列に接続されている。カットオフ弁51の制御ポートには、第2クラッチC-2に供給される油圧及びソレノイド弁48の出力油圧が供給され、第2クラッチC-2に供給される油圧が高いとき、又はソレノイド弁48の出力油圧が高いとき、ポートDから第2クラッチC-2用の油圧サーボ装置26への油圧の供給を許容する。
【0036】
第3クラッチC-3及び第1ブレーキB-1用のサーボ装置26の切換弁29は、リニアソレノイド調圧弁32のソレノイドSLC-3又はSLB-1が付勢されて出力ポート38から切換ポート40に供給される圧力が低くなると連通される弁52,53が付加されている。圧力制御弁47からライン圧を供給されるカットオフ弁54は弁52,53に並列に接続され、弁53は第3クラッチC-3用の油圧サーボ装置26の増幅弁27の入力ポート28及び切換弁29のライン圧ポート30に並列に接続され、弁52は第1ブレーキB-1用の油圧サーボ装置26の増幅弁27の入力ポート28及び切換弁29のライン圧ポート30に並列に接続されている。55はソレノイドSLC-3を有するリニアソレノイド調圧弁32の出力ポート38と第3クラッチC-3用の増幅弁27の制御ポート39及び切換弁29の切換ポート40との間に接続されたカットオフ弁で、カットオフ弁55の制御ポートには、第2クラッチC-2に供給される油圧及び第1ブレーキB-1に供給される油圧が供給され、第2クラッチC-2及び第1ブレーキB-1に供給される油圧が高いとき、出力ポート38から制御ポート39及び切換ポート40への油圧の供給を遮断する。56はソレノイドSLB-1を有するリニアソレノイド調圧弁32の出力ポート38と第1ブレーキB-1用の増幅弁27の制御ポート39及び切換弁29の切換ポート40との間に接続されたカットオフ弁で、カットオフ弁56の制御ポートには、カットオフ弁55の出力側が接続され、カットオフ弁55の出力側の油圧が高いとき、出力ポート38から制御ポート39及び切換ポート40への油圧の供給を遮断する。なお、57は第3クラッチC-3及び第1ブレーキB-1の油圧を、お互いを連通することなくカットオフ弁50の制御ポートに伝達するバルブである。
【0037】
自動変速機の制御装置を図6に示すブロック図に基づいて説明する。CPUを内蔵した制御装置60は、エンジンの回転が伝達されるトルクコンバータ11のエンジン側回転数Neを検出するエンジン側回転数センサ61、入力軸20の回転数Niを検出する入力軸回転数センサ62、出力軸21の回転数Nvを検出する出力軸回転数センサ63、マニュアルバルブ25が前進走行レンジD、ニュートラルレンジNにシフトされているとき、検出信号Dr,Nrを送出するレンジ位置センサ64、アクセルの踏み込み量Ssを検出するスロットル開度センサ65等から各検出信号が入力され、これら検出信号に基づいて制御信号である制御電流を各油圧サーボ装置26のリニアソレノイド調圧弁32に出力するとともに、低速段成立時に常時係合される第1クラッチC-1が異常係合しているときに、ニュートラルレンジNから前進走行レンジDにおける高速段の中のいずれかの変速段に切換える指令が送出されたとき、エンジンが駆動輪によって過回転数で連れ回りされることを防止する図7に示す制御プログラム70が記憶されている。
【0038】
次に、本発明に係る自動変速機の制御装置の実施形態の作動を説明する。第5速段で走行中にマニュアルバルブ25がニュートラルレンジNにシフトされると、ソレノイドSLC-1〜SLC-3及びSLB-1はオン状態にされ、ポートDから第1、第2クラッチC-1,C-2用の油圧サーボ装置26への油圧の供給が遮断され、第1、第2クラッチC-1,C-2が解放される。ソレノイドSLC-3,SLB-1のオンによって第3クラッチC-3、第1ブレーキB-1用の油圧サーボ装置26からの出力油圧Pcがゼロになり第3クラッチC-1、第1ブレーキB-1が解放されてニュートラルとなる。
【0039】
その後に前進走行レンジDに戻され、ニュートラルレンジNから前進走行レンジDにおける高速段のいずれかの変速段、例えば第5速段に切換える指令が送出されると、制御装置60は正常時においては、油圧サーボ装置26から第2クラッチC-2に供給される油圧を漸増する漸増制御であるND制御を行ない、ソレノイドSLC-3をオフ状態にして第3クラッチC-3を係合し、第2クラッチC-2を係合ショックが発生しないように係合して第5速段を成立する。ND制御においてソレノイド弁48が所定時間オン状態にされると、制御ポートに油圧が供給されて第2カットオフ弁51がシフトされ、油圧がポートDから第2クラッチC-2用の油圧サーボ装置26に供給される。そして、図8に示すように、制御装置60は、第2クラッチC-2のクラッチ板間の隙間を早くつめるために、第2クラッチC-2用の油圧サーボ装置26のソレノイドSLC-2に供給する制御電流Iをパルス状に低下して第2クラッチC-2の油圧駆動部にパルス状の初期油圧を供給した後に、制御電流を若干増加して第2クラッチC-2がクラッチ板の接触によりスリップを開始する位置まで油圧駆動部のピストンを移動させるために必要なストローク圧を供給し、次に制御電流Iを漸減して出力油圧Pcを漸増し、第2クラッチC-2をショックが発生しないように係合する。その後に制御電流は0に低下され、第2クラッチC-2はライン圧によって係合状態に維持される。
【0040】
このときに、第1クラッチC-1用の油圧サーボ装置26が、ソレノイドSLC-1をオン状態にしても出力油圧を送出してクラッチC-1を異常係合する故障の場合、マニュアルバルブ25が前進走行レンジDにシフトされると、ポートDから第1クラッチC-1用の油圧サーボ装置26に油圧が供給され、第1クラッチC-1が異常係合され、第2クラッチC-2が係合されるまでの間に第3速段が成立する。第2クラッチC-2用の油圧サーボ装置26からの出力油圧Pcが上昇して第2クラッチC-2が係合されると、第5速段が成立する。第2、第3クラッチC-2,C-3に供給される油圧が制御ポートに供給されて第1カットオフ弁50がシフトされ、第1クラッチC-1用の油圧サーボ装置26がポートDから遮断され、第1クラッチC-1が解放される。このように、カットオフ弁50は、第2クラッチC-2用の油圧サーボ装置26に油圧が印加され第2クラッチC-2が係合されると、第1クラッチC-1用の油圧サーボ装置26に印加される油圧を遮断する。
【0041】
ND制御において、ソレノイドSLC-3をオフ状態にしたとき、第3クラッチC-3用の油圧サーボ装置26の出力油圧の上昇が、第1、第2クラッチC-1,C-2用の油圧サーボ装置26の出力油圧の上昇より何らかの理由で遅くなった場合、第1、第2クラッチC-1,C-2に供給される油圧が制御ポートに供給されてカットオフ弁54がシフトされ、第3クラッチC-3、第1ブレーキB-1用の油圧サーボ装置26へのライン圧の供給を遮断するので、第3クラッチC-3は係合されない。制御ポートに第3クラッチC-3から油圧が供給されないので、第1カットオフ弁50が第1クラッチC-1用の油圧サーボ装置26をポートDから遮断することがなく、第1クラッチC-1が係合されて第4速段が成立することもある。
【0042】
制御装置60は、第5速段で走行中にマニュアルバルブ25がニュートラルレンジNにシフトされた後、前進走行レンジDに戻されたことをレンジ位置センサ64からの検出信号Nr,Drによって認識すると、変速機構12をニュートラルNから第5速段に切換える指令を送出するとともに、変速機構12が低速段にシフトダウンしてエンジンが過回転数で回転されることを防止するために、制御プログラム70を実行する。ステップ71で出力軸21の回転数Nvが所定高速回転数RHより大きいか否か判定する。所定高速回転数RHは、図9に示す横軸に出力軸21の回転数Nv、縦軸に入力軸20の回転数Niを取ったNv‐Ni平面において、エンジンの制限回転数に対応する入力軸20の回転数Rev limitを示す直線と、第4速段を示す直線4thとの交点の出力軸21の回転数である。第4変速段は、ニュートラルNから指令された第5速段に切換えるND制御を行った場合に成立する可能性がある変速段である。回転数Nvが所定高速回転数RHより大きくて回転数Nv,NiがNv‐Ni平面の領域▲4▼に入っている場合、ステップ72で回転数Nvが所定高速回転数RHより小さくなるまで待機する。これにより、ND制御で第4速段が成立してもエンジンが駆動輪によって制限回転数以上に連れ回りされることがない。
【0043】
回転数Nvが所定高速回転数RHより小さい場合、ステップ73で出力軸21の回転数Nvが所定低速回転数RLより小さいか否か判定する。回転数Nvが所定低速回転数RLより小さくてNv‐Ni平面の領域▲3▼に入っている場合、第3、第4速段が成立してもエンジンが駆動輪によって制限回転数以上に連れ回りされることがないので、ステップ74でND制御が通常通り行われる。所定低速回転数RLは、Nv‐Ni平面において、エンジンの制限回転数に対応する入力軸20の回転数Rev limitを示す直線と、第3速段を示す直線3rdとの交点の出力軸21の回転数である。
【0044】
回転数Nvが所定低速回転数RLより大きい場合、ステップ75で入力軸回転数センサ62によって検出された入力軸20の回転数Niが、出力軸回転数センサ63によって検出された出力軸21の回転数Nvに指令された変速段である第5速段のギヤ比Gr5を乗じた理想回転数(Nv×Gr5)より小さいか否か判定する。小さくてNv‐Ni平面の領域▲2▼に入っている場合、図8に示すように、ステップ76で第5速段を指令してND制御が行なわれ、第2クラッチC-2用の油圧サーボ装置26の出力油圧Pcが漸増して第2クラッチC-2が徐々に係合される。ステップ77で入力軸20の回転数Niが、出力軸21の回転数Nvに第5速段のギヤ比Gr5を乗じた入力軸20の理想回転数(Nv×Gr5)とほぼ等しくなるまで増加したことが判定されると、ステップ78でND制御が中断され、ソレノイドSLC-2に印加される制御電流が0に低下され、第2クラッチC-2がライン圧によって係合されて第5速段が成立する。
【0045】
入力軸20の回転数Niが、理想回転数(Nv×Gr5)より大きくてNv‐Ni平面の領域▲1▼に入っている場合、第5速段を指令したND制御中に第3速段が成立すると、出力軸21の回転数Nvに第3速段のギヤ比Gr3を乗じた予想回転数(Nv×Gr3)がエンジンの制限回転数に対応する入力軸20の回転数Rev limitを超え、エンジンが駆動輪によって過回転数で回転される可能性があるので、ステップ79でエンジンのトルクリミテーション制御を行ってエンジンの出力トルクを制限し、ステップ80で入力軸20の回転数Niが出力軸21の回転数Nvに第5速段のギヤ比Gr5を乗じた入力軸20の理想回転数(Nv×Gr5)とほぼ等しくなるまで低下したことが判定されると、ステップ81で、ND制御を行うことなく、図10に示すように、第2クラッチC-2に油圧を給排する油圧サーボ装置26の出力油圧を急峻に高くして第2クラッチC-2を早急に係合する油圧急峻制御を行う。
【0046】
第6速段で走行中にマニュアルバルブ25がニュートラルレンジにシフトされた後に、前進走行レンジDに戻された場合、第6速段を指令したND制御でソレノイドSLB-1がオフ状態にされて第1ブレーキB-1が係合され、ソレノイドSLC-2用の油圧サーボ装置26の出力油圧Pcが漸増されて第2クラッチC-2が係合するまでの間に第2速段が成立する以外は、上述の第5速段の場合と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0047】
上記実施形態においては、エンジンの制限回転数に対応する入力軸20の回転数Rev limitを示す直線と、ニュートラルNから指令された第5速段に切換えるND制御を行った場合に成立する可能性がある第4速段を示す直線4thとの交点の出力軸21の回転数を所定高速回転数RHとしているが、指令した変速段と異なる変速段が成立する可能性が無い場合、又は成立する可能性がある変速段の方がギヤ比が小さい場合は、回転数Rev limitを示す直線と、指令した変速段を示す直線との交点の出力軸21の回転数を所定高速回転数RHとする。
【0048】
また、上記実施形態においては、入力軸20の回転数Niが、出力軸21の回転数Nvに指令された第5速段のギヤ比Gr5を乗じた理想回転数より大きいか否か判定しているが、入力軸回転数センサ62、出力軸回転数センサ63によって検出された入力軸20の回転数Niと出力軸21の回転数Nvとの比を実際のギヤ比として演算し、この実際のギヤ比が指令された第5速段のギヤ比Gr5より大きいか否か判定するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る自動変速機の制御装置により制御される自動変速機の実施形態のスケルトン図。
【図2】 自動変速機の各変速段におけるクラッチ、ブレーキの係合表。
【図3】 自動変速機の各変速段におけるプラネタリギヤの各要素の回転数比を示す速度線図。
【図4】 第1クラッチC-1を係脱する油圧サーボ装置を示す図。
【図5】 油圧サーボ装置に油圧を給排するための油圧回路図。
【図6】 自動変速機の制御装置を示すブロック図。
【図7】 制御プログラムのフロー図。
【図8】 ニュートラルレンジから前進走行レンジにシフトしたときに、ND制御を行った場合の各クラッチの係合状態を示す図。
【図9】 出力軸及び入力軸の回転数に適した制御を行うために両回転数の領域を区分した図。
【図10】ニュートラルレンジから前進走行レンジにシフトしたときに、ND制御を行わない場合の各クラッチの係合状態を示す図。
【符号の説明】
10・・・自動変速機、11・・・トルクコンバータ(流体伝動装置)、12・・・変速機構、19・・・ロックアップクラッチ、20・・・入力軸、21・・・出力軸、25・・・マニュアルバルブ、26・・・油圧サーボ装置、27・・・増幅弁、29・・・切換弁、32・・・リニアソレノイド調圧弁、SLC-1〜SLC-3,SLB-1,SLB-2・・・リニアソレノイド、36,49・・・弁体、47・・・圧力制御弁、48・・・ソレノイド弁、51,54〜56・・・カットオフ弁、52,53・・・弁、60・・・制御装置、61・・・エンジン側回転数センサ、62・・・入力軸回転数センサ、63・・・出力軸回転数センサ、64・・・レンジ位置センサ、65・・・スロットル開度センサ、C-1・・・第1クラッチ、C-2・・・第2クラッチ、C-3・・・第3クラッチ、B-1・・・第1ブレーキ、B-2・・・第2ブレーキ、70・・・制御プログラム。
Claims (7)
- 入力軸の回転を変速して出力軸に出力する変速機構と、該変速機構の各変速段を成立するために係脱される複数の係合要素と、ソレノイドに供給される電気信号に応じた出力油圧を給排して前記係合要素を夫々係脱させる複数の油圧サーボ装置と、前記変速機構の入力軸の回転数及び出力軸の回転数を夫々検出する入力軸回転数検出装置及び出力軸回転数検出装置を備えた自動変速機の制御装置において、前記複数の係合要素は、前記変速機構の高速段成立時に常時係合される高速段係合要素と、低速段成立時に常時係合される低速段係合要素と、前記高速段係合要素又は前記低速段係合要素と共に一つが係合されて前記高速段又は低速段の各変速段を成立させる第3係合要素及び第4係合要素を含み、前記高速段を成立させるために前記高速段係合要素及び前記第3係合要素又は第4係合要素が係合することにより、前記低速段係合要素への油圧の供給を遮断する遮断手段を有し、前記制御装置は、走行中に前記変速機構をニュートラルから高速段のいずれかの変速段に切換える指令が送出されたとき、前記出力軸の回転数が所定低速回転数より小さいか否か判定する手段と、小さい場合は、前記油圧サーボ装置から前記高速段係合要素に供給される油圧を漸増して前記変速機構をニュートラルから前記指令された変速段に切換える油圧漸増制御を行う手段と、大きい場合は、前記油圧漸増制御を中断し又は行わずに前記高速段係合要素に油圧を給排する油圧サーボ装置の出力油圧を急峻に高くして前記高速段係合要素を早急に係合する油圧急峻制御を行う手段を備えたことを特徴とする自動変速機の制御装置。
- 前記所定低速回転数は、前記低速段係合要素が異常係合されているときに、前記油圧漸増制御の途中で成立する低速段のギヤ比を乗じるとエンジンの制限回転数と等しくなる出力軸の回転数であることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
- 前記制御装置は、前記出力軸の回転数が前記所定低速回転数より大きい場合は、前記入力軸の回転数が前記出力軸の回転数に前記指令された変速段のギヤ比を乗じた理想回転数より大きいか否か、又は前記入力軸の回転数と出力軸の回転数との実際のギヤ比が前記指令された変速段のギヤ比より大きいか否か判定する手段と、大きい場合は、エンジンのトルクリミテーション制御を行って前記入力軸の回転数が前記理想回転数とほぼ等しくなったとき、前記油圧漸増制御を行わずに前記高速段係合要素に油圧を給排する油圧サーボ装置の出力油圧を急峻に高くして前記高速段係合要素を早急に係合する油圧急峻制御を行う手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の自動変速機の制御装置。
- 前記制御装置は、前記出力軸の回転数が前記所定低速回転数より大きい場合は、前記入力軸の回転数又は実際のギヤ比が前記理想回転数又は前記指令された変速段のギヤ比より小さい場合、前記入力軸の回転数が前記理想回転数とほぼ等しくなったとき、前記油圧漸増制御を中断して前記高速段係合要素に油圧を給排する油圧サーボ装置の出力油圧を急峻に高くして前記高速段係合要素を早急に係合する油圧急峻制御を行う手段を備えたことを特徴とする請求項3又は4に記載の自動変速機の制御装置。
- 前記制御装置は、前記出力軸の回転数が所定高速回転数より大きいか否か判定する手段と、大きい場合は、前記出力軸の回転数が該所定高速回転数以下に低下するまで待機する手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
- 前記所定高速回転数は、ニュートラルから指令された高速段の変速段に切換える油圧漸増制御を行った場合に成立する可能性がある変速段のギヤ比又は指令された変速段のギヤ比を乗じるとエンジンの制限回転数と等しくなる出力軸の回転数であることを特徴とする請求項5に記載の自動変速機の制御装置。
- 前記高速段係合要素用の油圧サーボ装置に油圧が印加され前記高速段係合要素が係合されると、前記低速段係合要素用の油圧サーボ装置に印加される油圧を遮断するカットオフ弁を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
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