JP4005749B2 - 色変換膜及び有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、蛍光色素である新規なローダミン系化合物、色変換膜及び有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、エレクトロルミネッセンスを「EL」と略記する。)に関する。さらに詳しくは、有機EL素子のような発光源と組み合わせ、緑色や橙色の蛍光色素と組み合わせて使用することにより青色光を高い変換効率で赤色光に変換しうる蛍光色素である新規なローダミン系化合物、色変換膜、及び高効率で赤色発光が可能な有機EL素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
有機EL素子は完全固体素子であり、視認性に優れ、軽量化・薄型化が図られ、数ボルトという低電圧での駆動が可能であるため、ディスプレイへの展開が期待でき、したがって、現在盛んに研究が行われている。
有機EL素子をディスプレイにする場合の最大の課題は、フルカラー化の方法の開発である。このフルカラーディスプレイの実現には、青・緑・赤色の三原色の発光を二次元方向に微細に配列しなければならず、現在以下のような方法が提案されている。
▲1▼ 三色配列法
▲2▼ カラーフィルター法
▲3▼ 色変換膜法
【0003】
前記▲1▼の方法は、三原色の発光源を使用した3画素で一つのカラー画素を構成する方法であるが、有機EL素子は湿式のパターニングを行いにくいので、高精細のディスプレイを作製しにくいという欠点がある。
前記▲2▼の方法は、白色光源を用い、カラーフィルターによって色変換を行わせ、三原色を得る方法である。この方法は、パターニングは容易であるが、得られる各色の輝度が白色光源輝度よりも著しく減るという欠点がある。
また、前記▲3▼の方法は、前記▲2▼の方法と似ているが、光源に青色光を用いているのが特徴である。この方法は、光源である青色光によって励起された色素の蛍光によって緑色・赤色を発光させるため、カラーフィルター法に比べ輝度の損失が少ないことが利点である。
このような事情のもとで、本発明者らは、これまで色変換膜法による有機EL素子のフルカラー化を検討してきたが、青色から赤色への変換効率が低く、必ずしも充分に満足しうるものではなかった。
一方、有機EL素子において、高効率の赤色発光を行うことは極めて困難であるのが実状であり、したがって、高効率の赤色発光が可能な有機EL素子の開発が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況下で、有機EL素子などの発光源と組み合わせることにより青色光、緑色光や橙色光を高い変換効率で赤色光に変換しうる蛍光色素である新規なローダミン系化合物、耐UV性及び耐熱性に優れ、変換効率が高い色変換膜、及び高効率で赤色発光が可能な有機EL素子を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の立体障害基を有するローダミン系色素は、色素の会合が抑制され、濃度消光が抑えられることに着目し、このようなローダミン系色素を分散した樹脂からなる色変換膜は高い変換効率で橙色光を赤色光に変換しうること、また、有機化合物層の少なくとも一層に、上記ローダミン系色素を含有する有機EL素子は、高効率で赤色発光が可能であることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
また、青色光を赤色光に変換するためには、青色光を緑色光へ変換する蛍光色素(例えば、クマリン6)、緑色光を橙色光へ変換する蛍光色素(例えば、ローダミン6G)などの色素、及び橙色光から赤色光へ変換するローダミン系化合物を樹脂中に分散してなる色変換膜を用いることが望ましい。
すなわち、本発明は、立体障害基としてシクロアルキルアルキル基を少なくとも一つ有するローダミン系色素を分散した樹脂からなる色変換膜であって、前記シクロアルキルアルカン基は、シクロアルキル基が炭素数1〜18のアルキレン基を介して窒素原子に結合している基であることを特徴とする色変換膜、それを利用した有機EL素子、及び蛍光色素として有用なシクロアルキルアルキル基を少なくとも一つ有する新規なローダミン系化合物を提供するものである。
前記シクロアルキルアルカン基が、環炭素数3〜12のシクロアルキル基と炭素数1〜18のアルキレン基とが結合した基であることが好ましい。
前記樹脂が、尿素樹脂,ベンゾグアナミン樹脂及びメラミン樹脂の中から選ばれた少なくとも一種であることが好ましい。
前記樹脂が、尿素樹脂,ベンゾグアナミン樹脂及びメラミン樹脂の中から選ばれた少なくとも一種を、フォトレジスト樹脂に含有していても良い。
前記他の色と組み合わせた色変換膜は、発光源と組み合わせることにより、該発光源の光を450〜600nmの短波長から500〜650nmの長波長へ波長変換するのに良い。このようなローダミン系色素単独の変換膜では、該発光源の500〜600nmの光を550〜650nmの長波長へ波長変換できる。
前記発光源が、有機エレクトロルミネッセンス素子と好ましい。
前記有機EL素子は、一対の電極と、それに挟持されてなる少なくとも有機発光層を有する有機化合物層とから構成された有機EL素子において、上記有機化合物層の少なくとも一層が、本発明のローダミン系色素を含有することが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の色変換膜及び有機EL素子において用いられるローダミン系色素は、立体障害基としてシクロアルキルアルカン基を少なくとも一つ有することが必要である。このような立体障害基をもつローダミン系色素は、色素の会合が効果的に抑制され、その結果色素の濃度消光が抑えられるため、色変換膜や有機EL素子に用いた場合に、本発明の目的が達せられる。
前記ローダミン系色素の中で、シクロアルキル基を少なくとも一つ有するものとしては、一般式(I)
【0007】
【化5】
【0008】
で表される化合物を好ましく挙げることができる。
この一般式(I)において、R1 〜R4 は、それぞれ独立に、少なくとも一つが無置換若しくは置換基を有する炭素数4〜20のシクロアルキルアルカン基で、残りが水素原子,炭素数1〜32のシクロアルキル基又は無置換若しくは置換基を有する核炭素数6〜24のアリール基である。ここで、炭素数4〜20のシクロアルキルアルカン基の例としては、シクロブチルメチル基,シクロペンチルメチル基,シクロヘキシルメチル基,シクロオクチルメチル基,2−シクロペンチルエチル基,2−シクロヘキシルエチル基,2−シクロオクチルエチル基,3−シクロブチルプロピル基,3−シクロペンチルプロピル基,3−シクロヘキシルプロピル基,3−シクロオクチルプロピル基,4−シクロオクチルブチル基,6−シクロヘキシルヘキシル基,2−(4−メチルシクロヘキシル)エチル基,3−(4−メチルシクロヘキシル)プロピル基,3,5−ジメチルシクロヘキシルメチル基などが挙げられる。なお、このシクロアルキルアルカン基に導入されていてもよい置換基については後で説明する。また、炭素数1〜32のアルキル基は直鎖状,分岐状のいずれであってもよく、その例としては、メチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,sec−ブチル基,tert−ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基,オクチル基,デシル基,ドデシル基,テトラデシル基,ヘキサデシル基,オクタデシル基,エイコシル基,ベヘニル基などが挙げられる。核炭素数6〜24のアリール基の例としてはフェニル基,ビフェニル基,ナフチル基,アントラニル基,ターフェニル基,ピレニル基などが挙げられる。なお、このアリール基に導入されていてもよい置換基については後で説明する。
また、R5 は水素原子,炭素数1〜32のアルキル基,無置換若しくは置換基を有する環炭素数3〜12のシクロアルキル基,無置換若しくは置換基を有する核炭素数6〜24のアリール基又はアラルキル基を示す。ここで、炭素数1〜32のアルキル基,環炭素数3〜12のシクロアルキル基及び核炭素数6〜24のアリール基については、前記のとおりである。核炭素数6〜24のアラルキル基の例としては、ベンジル基,フェネチル基,フェニルプロピル基,ナフチルメチル基,フェニルベンジル基などが挙げられる。
【0009】
なお、−COOR5 が結合しているベンゼン環には、R5 と同様の置換基R6 が導入されていてもよい。この置換基及び前記のシクロアルキルアルカン基,アリール基,アラルキル基に導入されていてもよい置換基としては、特に制限はなく、例えば炭素数1〜32のアルキル基又はアルコキシ基,環炭素数3〜12のシクロアルキル基又はシクロアルコキシ基,核炭素数6〜24のアリール基又はアリールオキシ基,ヒドロキシル基,アミノ基,アルキルアミノ基,ハロゲン基(F,Cl,Br,I),ニトロ基,シアノ基,アルキルアミド基,アリールアミド基,カルボキシル基,アリールエステル基,アルキルエステル基,スルホン基などが挙げられる。
R7 〜R12は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜16のアルキル基である。
さらに、A- はカウンターイオンを示し、例えばハロゲンイオン,含ホウ素錯体イオン,金属錯体イオン,過酸化物イオンなどが挙げられる。具体例としてはF- ,Cl- ,Br- ,I- ,BF4 - ,BPh4 - ,B(Ph−Cl)4 - ,B(Ph−F)4 - ,ZnCl4 2- ,ClO4 - ,IO4 -
【0010】
【化6】
【0011】
で表されるアニオンなどを挙げることができる。なお、Phはフェニル基を示す。
また、シクロアルキル基を少なくとも一つ有する別の例として、一般式(II)
【0012】
【化7】
【0013】
で表される化合物を好ましく挙げることができる。
この一般式(II)において、R1 〜R4 びR6 〜R12は、前記一般式(I)と同じである。A- は前記一般式(I)と同じである。シクロアルキルアルカン基,アリール基及びアラルキル基に導入されていてもよい置換基は前記一般式(I)と同じである。
本発明の蛍光色素として有用な新規なローダミン系化合物は、一般式(III)
【0014】
【化8】
【0015】
で表される。
この一般式(III) において、R1'〜R4'は、それぞれ独立に、少なくとも一つが無置換若しくは置換基を有するシクロヘキシルメチル基又はシクロヘキシルプロピル基で、残りが炭素数1〜18のアルキル基、又は少なくとも一つが無置換若しくは置換基を有するシクロヘキシルメチル基又はシクロヘキシルプロピル基である。
R5'は水素原子,炭素数1〜18のアルキル基であり、A- は前記一般式(I)と同じである。シクロアルキルアルカン基に導入されていてもよい置換基は前記一般式(I)と同じである。シクロヘキシルメチル基及びシクロヘキシルプロピル基に導入されていてもよい置換基は、炭素数1〜18のアルキル基などが挙げられる。
また、本発明の蛍光色素として有用な新規なローダミン系化合物の別の例として、一般式(IV)
【0016】
【化9】
【0017】
で表される。
この一般式(IV)において、R1'、 R2'、R3'及びR4'は、前記一般式(III) と同じであり、A- は前記一般式(I)と同じである。シクロアルキルアルカン基、シクロヘキシルメチル基及びシクロヘキシルプロピル基に導入されていてもよい置換基は前記一般式(I)と同じである。
本発明で用いるローダミン系色素は、このように、立体障害基として、少なくとも一つのシクロアルキルアルカン基を有することを特徴とするものである。色素は一般に、溶液中や樹脂中に高濃度に分散すると色素分子同士で会合体を形成し、蛍光性が著しく減少することが知られている。この現象は濃度消光と呼ばれている。本発明は、ローダミン色素分子の中に、シクロアルキルアルカン基を導入することにより、その立体障害によって、上記の好ましくない現象を抑えるものである。
前記一般式(I)〜(IV)で表されるローダミン系色素の具体例を以下に示す。なお、Me:メチル基,Et:エチル基,t−Bu:tert−ブチル基,Ph:フェニル基である。
【0018】
【化10】
【0019】
【化11】
【0020】
【化12】
【0021】
【化13】
【0022】
本発明の色変換膜は、前記の本発明に係るローダミン系色素、例えば一般式(I)〜(IV)で表される化合物を分散した樹脂からなるものであるが、所望により、それ以外の色素を併用し、分散させてもよい。本発明に係るローダミン系色素以外の色素としては、例えばクマリン系色素,ペリレン系色素,フタロシアニン系色素,スチルベン系色素,シアニン系色素,ポリフェニレン系色素,他のローダミン系色素などが挙げられる。樹脂中の全色素含有量については特に制限はないが、樹脂100重量部に対し、色素を0.01〜10重量部の範囲で含有するのが望ましい。
これらの色素を分散する樹脂は、透明で(可視光領域の光の透過率が50%以上)熱膨張率が小さいものが好ましく、色変換膜をパターン加工し平面的に分離配置するためにはフォトリソグラフィー法が適用できる感光性樹脂が好ましい。このような条件を満足するものとしては、例えばアクリル酸系、メタクリル酸系、ポリケイ皮酸ビニル系、環ゴム系等の反応性ビニル基を有する光硬化型レジスト材料が挙げられる。また印刷法を用いる場合は、透明な樹脂を用いた印刷インキ(メジウム)が選ばれる。例えばポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂のオリゴマーまたはポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の透明樹脂を用いることができる。その他にも芳香族スルホンアミド樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ビリジルビニル樹脂等が挙げられる。
【0023】
これらの樹脂の中で、尿素樹脂,ベンゾグアナミン樹脂及びメラミン樹脂が発色性の点で好ましい。なお、前記樹脂は単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の色変換膜は前述の色素を樹脂中に分散し、これを透光性基板上に製膜して形成するが、その製膜方法は特に制限はない。具体的には、キャスト法、スピンコート法,塗布法、蒸着法、電解法、印刷法等が挙げられるが、一般的にはスピンコート法が好ましい。
前記方法により製膜される色変換膜の膜厚は、入射光を所望の波長に変換するのに必要な膜厚を適宜選ぶ必要があるが、1〜100μmの範囲が好ましい。さらに好ましくは1〜20μmの範囲で選ばれる。
【0024】
本発明の色変換膜を製膜する際に用いられる透光性基板としては、400〜700nmの可視光領域の光の透過率が50%以上であり、平滑な基板であることが好ましい。具体的にはガラス基板やポリマー板が挙げられる。ガラス板としては、特にソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等が挙げられる。またポリマー板としては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルファイド、ポリスルフォン等が挙げられる。
【0025】
本発明の色変換膜は、発光源と組み合わせることにより、該発光源の光を波長変換するのに好ましく用いられ、その光源としては特に制限はなく、例えば有機EL素子,LED(発光ダイオード),冷陰極管,無機EL素子,蛍光灯,白熱灯,太陽光などが挙げられるが、これらの中で有機EL素子が好ましい。すなわち、有機EL素子を用いたディスプレイのフルカラー化に際して、本発明の色変換膜を用いるのが有利である。
本発明の色変換膜によって、発光源の色を波長変換する場合、所望の波長によってはカラーフィルターを併設し、色純度を調整してもよい。
このようなカラーフィルターとしては、例えばペリレン系顔料、レーキ系顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、フタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、インダンスロン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料等の単品、および少なくとも二種類以上の混合物からなる色素のみのもの、または色素をバインダー樹脂中に溶解又は分散させた固体状態のものを挙げることができる。
本発明の色変換膜を用いる構成としては、次の例が挙げられる。
(1) 光源/色変換膜
(2) 光源/透光性基板/色変換膜
(3) 光源/色変換膜/透光性基板
(4) 光源/透光性基板/色変換膜/透光性基板
(5) 光源/色変換膜/カラーフィルター
(6) 光源/透光性基板/色変換膜/カラーフィルター
(7) 光源/色変換膜/透光性基板/カラーフィルター
(8) 光源/透光性基板/色変換膜/透光性基板/カラーフィルター
(9) 光源/透光性基板/色変換膜/カラーフィルター/透光性基板
(10) 光源/色変換膜/カラーフィルター/透光性基板
【0026】
上記構成のものを作製する場合、各構成要素を順次積層してもよく、貼り合わせてもよい。また、作製する場合、その順序については特に制限はなく、上記構成において、左から右に作製してもよく、右から左に作製してもよい。
次に、本発明の有機EL素子について説明する。
本発明の有機EL素子は、一対の電極に狭持された少なくとも有機発光層を有する有機化合物層の少なくとも一層に、前述の本発明に係るローダミン系色素を含有させたものである。
該色素を含有する有機EL素子を作製する場合、その構成,材料などは、特に制限はなく、通常有機EL素子を作製する際の構成,材料などに従って作製すればよい。
【0027】
本発明の有機EL素子の構成としては、例えば
▲1▼ 陽極/発光層/陰極
▲2▼ 陽極/正孔注入層/発光層/陰極
▲3▼ 陽極/発光層/電子注入層/陰極
▲4▼ 陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極
▲5▼ 陽極/有機半導体層/発光層/陰極
▲6▼ 陽極/有機半導体層/電子障壁層/発光層/陰極
▲7▼ 陽極/有機半導体層/発光層/付着改善層/陰極
▲8▼ 陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
などが挙げられるが、これらの中で、通常▲8▼の構成が好ましく用いられる。
本発明に係るローダミン系色素は、これらの構成における有機化合物層の少なくとも一層に含有されることが必要である。その含有量は、ローダミン系色素が含有する層の有機化合物全量に基づき、0.01〜50モル%が好ましく、特に0.01〜10モル%が好適である。
【0028】
透光性基板:
本発明の有機EL素子は、透光性基板上に作製される。この透光性基板は、該有機EL素子を支持する基板であって、400〜700mmの可視光領域の光の透過率が50%以上で、表面が平滑な基板であることが好ましい。
具体的には、ガラス板、ポリマー板等が挙げられる。ガラス板としては、特にソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等が挙げられる。またポリマー板としては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルファイド、ポリサルフォン等を挙げることができる。
【0029】
陽極:
陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物、またはこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としては、Au等の金属、CuI、ITO(インジウムチンオキシド)、SnO2 、ZnO等の導電性材料が挙げられる。そして、陽極は、これらの電極物質を蒸着法やスパッタリング法等の方法で薄膜を形成させることにより、作製することができる。
このようにして形成された陽極から発光層の発光を取り出す場合、陽極の発光に対する透過率を10%より大きくすることが好ましい。また同様に、陽極のシート抵抗は、数百Ω/□以下が好ましい。そして、前記性能を確保するためには、陽極の材料にもよるが、陽極の膜厚としては、通常10nm〜1μm、好ましくは10〜200nmの範囲で選択される。
【0030】
発光層:
有機EL素子の発光層は、以下の機能を併せ持つものである。
すなわち、
▲1▼ 注入機能;電界印加時に陽極または正孔注入層より正孔を注入することができ、陰極または電子注入層より電子を注入することができる機能
▲2▼ 輸送機能;注入した電荷(電子と正孔)を電界の力で移動させる機能
▲3▼ 発光機能;電子と正孔の再結合の場を提供し、これを発光につなげる機能がある。
ただし、正孔の注入され易さと電子の注入され易さに違いがあってもよく、また正孔と電子の移動度で表される輸送能に大小があってもよいが、いずれか一方の電荷を移動することが好ましい。
次に、有機EL素子の発光層の発光材料は主に有機化合物であり、所望の色調により使用される化合物は選択される。この観点から、具体的に色調と化合物の関係を分類すると以下のようになる。
先ず、紫外域から紫色の発光を得る場合には、下記の一般式で表される化合物が挙げられる。
【0031】
【化14】
【0032】
この一般式において、Xは下記の基を示す。
【0033】
【化15】
【0034】
ここで、mは2〜5の整数である。またYはフェニル基又はナフチル基を示す。
上記X及びYで表される基,すなわちフェニレン基,フェニル基,ナフチル基は炭素数1〜4のアルキル基,アルコキシ基,水酸基,スルホニル基,カルボニル基,アミノ基,ジメチルアミノ基,ジフェニルアミノ基等が単独または複数置換したものであってもよい。また、これらは互いに結合し、飽和5員環、6員環を形成してもよい。またフェニル基、フェニレン基、ナフチル基にパラ位で結合したものが透光性基板との結合性が良く、平滑な蒸着膜の形成のために好ましい。
具体的には以下の化合物である。特に、p−クォーターフェニル誘導体、p−クインクフェニル誘導体が好ましい。
【0035】
【化16】
【0036】
次に、青色から緑色の発光を得るには、例えばベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、ベンゾオキサゾール系等の蛍光増白剤、金属キレート化オキシノイド化合物、スチリルベンゼン系化合物を挙げることができる。
具体的に化合物名を示せば、例えば特開昭59−194393号公報に開示されているものを挙げることができる。更に、他の有用な化合物は、ケミストリー・オブ・シンセティック・ダイズ,1971,628〜637頁および640頁に列挙されている。
前記キレート化オキシノイド化合物としては、例えば特開昭63−295695号公報に開示されているものを用いることができる。その代表例としては、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(以下Alqと略記する)等の8−ヒドロキシキノリン系金属錯体やジリチウムエピントリジオン等を挙げることができる。また前記スチリルベンゼン系化合物としては、例えば欧州特許第0319881号明細書や欧州特許第0373582号明細書に開示されているものを用いることができる。
【0037】
また、特開平2−252793号公報に開示されているジスチリルピラジン誘導体も発光層の材料として用いることができる。
その他のものとして、例えば欧州特許第0387715号明細書に開示されているポリフェニル系化合物も発光層の材料として用いることもできる。
更に、上述した蛍光増白剤、金属キレート化オキシノイド化合物及びスチリルベンゼン系化合物等以外に、例えば12−フタロペリノン(J. Appl. Phys.,第27巻,L713(1988年))、1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジエン(以上Appl. Phys. Lett.,第56巻,L799(1990年))、ナフタルイミド誘導体(特開平2−305886号公報)、ペリレン誘導体(特開平2−189890号公報)、オキサジアゾール誘導体(特開平2−216791号公報、または第38回応用物理学関係連合講演会で浜田らによって開示されたオキサジアゾール誘導体)、アルダジン誘導体(特開平2−220393号公報)、ピラジリン誘導体(特開平2−220394号公報)、シクロペンタジエン誘導体(特開平2−289675号公報)、ピロロピロール誘導体(特開平2−296891号公報)、スチリルアミン誘導体(Appl. Phys. Lett.,第56巻,L799(1990年)、クマリン系化合物(特開平2−191694号公報)、国際特許公報WO90/13148やAppl. Phys. Lett.,vol58,18,P1982(1991)に記載されているような高分子化合物等も、発光層の材料として用いることができる。
本発明では特に発光層の材料として、芳香族ジメチリディン系化合物(欧州特許第0388768号明細書や特開平3−231970号公報に開示のもの)を用いることが好ましい。具体例としては、4,4’−ビス(2,2−ジ−t−ブチルフェニルビニル)ビフェニル、(以下、DTBPBBiと略記する)、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(以下DPVBiと略記する)等、及びそれらの誘導体を挙げることができる。
【0038】
更に、特開平5−258862号公報等に記載されている一般式(Rs−Q)2 −Al−O−Lで表される化合物も挙げられる(上記式中、Lはフェニル部分を含んでなる炭素原子6〜24個の炭化水素であり、O−Lはフェノラート配位子であり、Qは置換8−キノリノラート配位子を表し、Rsはアルミニウム原子に置換8−キノリノラート配位子が2個を上回り結合するのを立体的に妨害するように選ばれた8−キノリノラート環置換基を表す)。具体的には、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(パラ−フェニルフェノラート)アルミニウム(III)(以下PC−7)、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(1−ナフトラート)アルミニウム(III)(以下PC−17)等が挙げられる。
【0039】
その他、特開平6−9953号公報等によるドーピングを用いた高効率の青色と緑色の混合発光を得る方法が挙げられる。この場合、ホストとしては上記に記載した発光材料、ドーパントとしては青色から緑色までの強い蛍光色素、例えばクマリン系あるいは上記記載のホストとして用いられているものと同様な蛍光色素を挙げることができる。
具体的にはホストとして、ジスチリルアリーレン骨格の発光材料、特に好ましくはDPVBi、ドーパントとしてはジフェニルアミノビニルアリーレン、特に好ましくは、例えばN,N−ジフェニルアミノビニルベンゼン(DPAVB)を挙げることができる。
白色の発光を得る発光層としては特に制限はないが、例えば、下記のものを挙げることができる。
▲1▼ 有機EL積層構造体の各層のエネルギー準位を規定し、トンネル注入を利用して発光させるもの(欧州特許第0390551号公報)
▲2▼ ▲1▼と同じくトンネル注入を利用する素子で実施例として白色発光素子が記載されているもの(特開平3−230584号公報)
▲3▼二層構造の発光層が記載されているもの(特開平2−220390号公報および特開平2−216790号公報)
▲4▼ 発光層を複数に分割してそれぞれ発光波長の異なる材料で構成されたもの(特開平4−51491号公報)
▲5▼ 青色発光体(蛍光ピーク380〜480nm)と緑色発光体(480〜580nm)とを積層させ、さらに赤色蛍光体を含有させた構成のもの(特開平6−207170号公報)
▲6▼ 青色発光層が青色蛍光色素を含有し、緑色発光層が赤色蛍光色素を含有した領域を有し、さらに緑色蛍光体を含有する構成のもの(特開平7−142169号公報)
中でも、前記▲5▼の構成のものが好ましく用いられる。
また、赤色蛍光体としては、本発明に係るローダミン系色素を用いることが好ましいが、それ以外のものも併用することができる。
本発明に係るローダミン系色素以外の赤色蛍光体の例を以下に示す。
【0040】
【化17】
【0041】
前記材料を用いて発光層を形成する方法としては、例えば蒸着法、スピンコート法、LB法等の公知の方法を適用することができる。発光層は、特に分子堆積膜であることが好ましい。この分子堆積膜とは、気相状態の材料化合物から沈着され形成された薄膜や、溶液状態または液相状態の材料化合物から固体化され形成された膜のことであり、通常この分子堆積膜は、LB法により形成された薄膜(分子累積膜)とは凝集構造、高次構造の相違や、それに起因する機能的な相違により区分することができる。
また、特開昭57−51781号公報に開示されているように、樹脂等の結着剤と材料化合物とを溶剤に溶かして溶液とした後、これをスピンコート法等により薄膜化することによっても、発光層を形成することができる。
このようにして形成される発光層の膜厚については特に制限はなく、状況に応じて適宜選択することができるが、通常5nm〜5μmの範囲が好ましい。この発光層は、上述した材料の一種または二種以上からなる一層で構成されてもよいし、または前記発光層とは別種の化合物からなる発光層を積層したものであってもよい。
【0042】
正孔注入層:
次に、正孔注入層は必ずしも本発明の素子に必要なものではないが、発光性能の向上のために用いた方が好ましいものである。この正孔注入層は、発光層への正孔注入を促進・容易にする層であって、正孔移動度が大きく、イオン化エネルギーが通常5.5eV以下と小さい。このような正孔注入層としては、より低い電界強度で正孔を発光層に輸送する材料が好ましく、さらに正孔の移動度が、例えば104 〜106 V/cmの電界印加時に、少なくとも10-6cm2 /V・秒であれば好ましい。
このような正孔注入材料については、前記の好ましい性質を有するものであれば特に制限はなく、従来から、光導伝材料において正孔の電荷輸送材料として慣用されているものや、EL素子の正孔注入層に使用される公知のものの中から任意のものを選択して用いることができる。
【0043】
具体例として例えば、トリアゾール誘導体(米国特許3,112,197号明細書等参照)、オキサジアゾール誘導体(米国特許3,189,447号明細書等参照)、イミダゾール誘導体(特公昭37−16096号公報等参照)、ポリアリールアルカン誘導体(米国特許3,615,402号明細書、同第3,820,989号明細書、同第3,542,544号明細書、特公昭45−555号公報、同51−10983号公報、特開昭51−93224号公報、同55−17105号公報、同56−4148号公報、同55−108667号公報、同55−156953号公報、同56−36656号公報等参照)、ピラゾリン誘導体およびピラゾロン誘導体(米国特許第3,180,729号明細書、同第4,278,746号明細書、特開昭55−88064号公報、同55−88065号公報、同49−105537号公報、同55−51086号公報、同56−80051号公報、同56−88141号公報、同57−45545号公報、同54−112637号公報、同55−74546号公報等参照)、フェニレンジアミン誘導体(米国特許第3,615,404号明細書、特公昭51−10105号公報、同46−3712号公報、同47−25336号公報、特開昭54−53435号公報、同54−110536号公報、同54−119925号公報等参照)、アリールアミン誘導体(米国特許第3,567,450号明細書、同第3,180,703号明細書、同第3,240,597号明細書、同第3,658,520号明細書、同第4,232,103号明細書、同第4,175,961号明細書、同第4,012,376号明細書、特公昭49−35702号公報、同39−27577号公報、特開昭55−144250号公報、同56−119132号公報、同56−22437号公報、西独特許第1,110,518号明細書等参照)、アミノ置換カルコン誘導体(米国特許第3,526,501号明細書等参照)、オキサゾール誘導体(米国特許第3,257,203号明細書等に開示のもの)、スチリルアントラセン誘導体(特開昭56−46234号公報等参照)、フルオレノン誘導体(特開昭54−110837号公報等参照)、ヒドラゾン誘導体(米国特許第3,717,462号明細書、特開昭54−59143号公報、同55−52063号公報、同55−52064号公報、同55−46760号公報、同55−85495号公報、同57−11350号公報、同57−148749号公報、特開平2−311591号公報等参照)、スチルベン誘導体(特開昭61−210363号公報、同第61−228451号公報、同61−14642号公報、同61−72255号公報、同62−47646号公報、同62−36674号公報、同62−10652号公報、同62−30255号公報、同60−93455号公報、同60−94462号公報、同60−174749号公報、同60−175052号公報等参照)、シラザン誘導体(米国特許第4,950,950号明細書)、ポリシラン系(特開平2−204996号公報)、アニリン系共重合体(特開平2−282263号公報)、特開平1−211399号公報に開示されている導電性高分子オリゴマー(特にチオフェンオリゴマー)等を挙げることができる。
【0044】
正孔注入層の材料としては上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物(特開昭63−2956965号公報等に開示のもの)、芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物(米国特許第4,127,412号明細書、特開昭53−27033号公報、同54−58445号公報、同54−149634号公報、同54−64299号公報、同55−79450号公報、同55−144250号公報、同56−119132号公報、同61−295558号公報、同61−98353号公報、同63−295695号公報等参照)、特に芳香族第三級アミン化合物を用いることが好ましい。
また、米国特許第5,061,569号に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有する、例えば4,4’−ビス(N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル(以下NPDと略記する)、また特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが、3つスターバースト型に連結された4,4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(以下MTDATAと略記する)等を挙げることができる。
【0045】
また、発光層の材料として示した前述の芳香族ジメチリディン系化合物の他、p型−Si、p型−SiC等の無機化合物も正孔注入層の材料として使用することができる。
正孔注入層は上述した化合物を、例えば真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法等の公知の方法により薄膜化することにより、形成することができる。正孔注入層としての膜厚は特に制限はないが、通常は5nm〜5μmである。この正孔注入層は、上述した材料の一種または二種以上からなる一層で構成されてもよいし、または前記正孔注入層とは別種の化合物からなる正孔注入層を積層したものであってもよい。
また、有機半導体層は発光層への正孔注入または電子注入を促進・容易にする層であって、10-10 S/cm以上の導電率を有するものが好適である。このような有機半導体層の材料としては、含チオフェンオリゴマーや特開平8−193191号公報に開示してある含アリールアミンオリゴマー等の導電性オリゴマー、含アリールアミンデンドリマー等の、導電性デンドリマー等を用いることができる。
【0046】
電子注入層:
電子注入層は、発光層への電子の注入を助ける層であって、電子移動度が大きく、また付着改善層は、この電子注入層の中で特に陰極との付着が良い材料からなる層である。電子注入層に用いられる材料としては、8−ヒドロキシキノリンまたはその誘導体の金属錯体が好適である。
上記8−ヒドロキシキノリンまたはその誘導体の金属錯体の具体例としては、オキシン(一般に8−キノリノールまたは8−ヒドロキシキノリン)のキレートを含む金属キレートオキシノイド化合物が挙げられる。
例えば発光材料の項で記載したAlqを電子注入層として用いることができる。一方オキサジアゾール誘導体としては、以下の一般式で表される電子伝達化合物が挙げられる。
【0047】
【化18】
【0048】
(式中Ar1 、Ar2 、Ar3 、Ar5 、Ar6 、Ar9 は、それぞれ置換または無置換のアリール基を示し、それぞれ互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。また、Ar4 、Ar7 、Ar8 は、置換または無置換のアリーレン基を示し、それぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。)
ここでアリール基としてはフェニル基、ビフェニル基、アントラニル基、ペリレニル基、ピレニル基が挙げられる。またアリーレン基としてはフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、アントラニレン基、ペリレニレン基、ピレニレン基等、が挙げられる。また、置換基としては炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基またはシアノ基等が挙げられる。この電子伝達化合物は薄膜形成性のものが好ましい。
上記電子伝達化合物の具体例としては下記のものを挙げることができる。
【0049】
【化19】
【0050】
電子注入層は上述した化合物を、例えば真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法等の公知の方法により薄膜化することにより、形成することができる。電子注入層としての膜厚は特に制限はないが、通常は5nm〜5μmである。この電子注入層は、上述した材料の一種または二種以上からなる一層で構成されてもよいし、または前記電子注入層とは別種の化合物からなる電子注入層を積層したものであってもよい。
【0051】
陰極:
陰極としては仕事関数の小さい(4eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物及び、これらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム・銀合金、アルミニウム/酸化アルミニウム、アルミニウム・リチウム合金、インジウム、希土類金属等が挙げられる。
この陰極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により、薄膜を形成させることにより作製することができる。
ここで発光層からの発光を陰極から取り出す場合、陰極の発光に対する透過率は10%より大きくすることが好ましい。
また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜1μm、更には50〜200nmが好ましい。
【0052】
有機EL素子の作製例:
以上、例示した材料及び方法により陽極、発光層、必要に応じて正孔注入層、および/または電子注入層を形成し、さらに陰極を形成することにより有機EL素子を作製することができる。また、陰極から陽極へ、前記と逆の順序で有機EL素子を作製することもできる。
以下、透光性基板上に陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極が順次設けられた構成の有機EL素子の作製例を示す。
先ず、適当な透光性基板上に蒸着やスパッタリング等の方法により、陽極材料からなる薄膜を1μm以下、好ましくは10〜200nmの範囲の膜厚になるように形成して陽極を作製する。次に、この陽極上に正孔注入層を設ける。正孔注入層の形成は、前述した様に真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法等の方法により行うことができるが、均質な膜が得られ易く、かつピンホールが発生しにくい等の点から真空蒸着法により形成することが好ましい。真空蒸着法により正孔注入層を形成する場合、その蒸着条件は使用する化合物(正孔注入層の材料)、目的とする正孔注入層の結晶構造や再結合構造等により異なるが、一般に蒸着源温度50〜450℃、真空度10-7〜10-3torr、蒸着速度0.01〜50nm/秒、基板温度−50〜300℃、膜厚5nm〜5μmの範囲で適宜選択することが好ましい。
【0053】
次に、正孔注入層上に発光層を設ける発光層の形成も、所望の有機発光材料を用いて真空蒸着法、スパッタリング、スピンコート法、キャスト法等の方法により有機発光材料を薄膜化することにより形成できるが、均質な膜が得られ易く、かつピンホールが発生しにくい等の点から真空蒸着法により形成することが好ましい。真空蒸着法により発光層を形成する場合、その蒸着条件は使用する化合物により異なるが、一般的に正孔注入層と同じような条件範囲の中から選択することができる。
【0054】
次に、この発光層上に電子注入層を設ける。正孔注入層、発光層と同様、均質な膜を得る必要から真空蒸着法により形成することが好ましい。蒸着条件は正孔注入層、発光層と同様の条件範囲から選択することができる。
本発明の特徴である特定のローダミン系色素は、いずれの層に含有させるかによっても異なるが、真空蒸着法を用いる場合は他の材料との共蒸着をすることができる。またスピンコート法を用いる場合は、他の材料と混合することによって含有させることができる。
最後に陰極を積層して有機EL素子を得ることができる。
陰極は金属から構成されるもので、蒸着法、スパッタリングを用いることができる。しかし、下地の有機物層を製膜時の熱等の損傷から守るためには、真空蒸着法が好ましい。
有機EL素子の作製は、陽極の形成から陰極の形成に至る間、外気に接触させることなく真空下で順次積層して作製することが好ましい。
なお、有機EL素子に直流電圧を印加する場合、陽極を+、陰極を−の極性にして5〜40Vの電圧を印加すると発光が観測できるが、逆の極性で電圧を印加しても電流は流れず、発光は全く生じない。さらに、交流電圧を印加した場合には陽極が+、陰極が−の極性になった時のみ、均一な発光が観測される。この印加する交流の波形は任意でよい。
【0055】
【実施例】
次に、本発明を合成例及び実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
合成例1 (Rh−101 閉環体の合成)
3−[N−シクロヘキシルメチル−N−メチル]アミノフェノール(2重量部) 、塩化亜鉛(0.76重量部) 、無水フタル酸(0.7重量部) をこの順に混合し、170℃で5時間攪拌した。室温まで冷却後、反応混合物をメタノール(70重量部) に溶解させ濾過、濾液を濃縮し暗赤色の固体を得た。この固体をトルエン(30重量部) 、水(50重量部) 、48%苛性ソーダ(5重量部) と混合し、80℃で3時間攪拌した。室温まで冷却後トルエン層を濃縮し、粗製のローダミンを得た。得られた粗ローダミンをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、淡い紫色の目的化合物Rh−101を1.8重量部(収率38%) 得た。質量分析の結果、得られた質量はMS(フィールドディソプーションマススペクトル)=551(m/z)(M+ -99)であった。その収率及び分析結果を表1に示す。またRh−101のNMRスペクトルを図1に示す。
【0056】
合成例2〜10(Rh−102〜Rh−110)
合成例1において、3−[N−シクロヘキシルメチル−N−メチル]アミノフェノールの代わりに、表1に示したN−置換,N−置換アミノフェノールを用いた以外は同様にして、目的化合物を得た。その収率及び分析結果を表1に示す。
【0057】
合成例11(Rh−111 カルボン酸ClO4 塩の合成)
3−[N−シクロヘキシルメチル−N−メチル]アミノフェノール(2重量部) 及び無水フタル酸(1.5重量部) を塩化亜鉛(1重量部) と混合し、150〜160℃で6時間攪拌した。室温まで冷却後、反応混合物をメタノール(85重量部) に溶解させ濾過、濾液を濃縮し暗赤色の固体を得た。この固体をトルエン(40重量部) 、水(70重量部) 、48%苛性ソーダ(7重量部) と混合し、80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後トルエン層を分液し、濃縮して粗製のローダミンを暗褐色の固体として得た。
得られた粗ローダミンに35重量部のメタノールと60%過塩素酸水溶液7重量部を加えて12時間撹絆した。反応混合物を濃縮し、水150重量部を滴下した。生成した沈殿を減圧濾過で濾別し、60℃で乾燥してローダミンの過塩素酸塩である目的化合物Rh−111を暗赤色の固体(1.75重量部,収率61%) として得た。質量分析の結果、得られた質量はMS=552(m/z)(M+ -99)であった。その収率及び分析結果を表2に示す。またRh−111のNMRスペクトルを図2に示す。
【0058】
合成例12〜19(Rh−112〜Rh−119)
合成例11において、3−[N−シクロヘキシルメチル−N−メチル]アミノフェノールの代わりに、表2に示したN−置換,N−置換アミノフェノールを用いた以外は同様にして、目的化合物を得た。その収率及び分析結果を表1に示す。
【0059】
合成例20(Rh−120 カルボン酸エステルClO4 塩の合成)
3−[N−シクロヘキシルメチル−N−メチル]アミノフェノール(2重量部) 及び無水フタル酸(1.5重量部) を塩化亜鉛(1重量部) と混合し、150〜160℃で6時間攪拌した。室温まで冷却後、反応混合物をメタノール(85重量部) に溶解させ濾過、濾液を濃縮し暗赤色の固体を得た。この固体をトルエン(40重量部) 、水(70重量部) 、48%苛性ソーダ(7重量部) と混合し、80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後トルエン層を分液し、濃縮して粗製のローダミンを暗褐色の固体として得た。
得られた粗ローダミンを1−ドデカノール(5.5重量部) に溶解し、塩化水素ガスを145℃で20分間通気した。2時間攪拌後, 冷却して150重量部のクロロホルムで反応混合物を希釈、水洗した。有機層を分液し、濃縮乾固して粗製のエステル体を得た。得られた粗ローダミンエステルに34重量部のメタノールと60%過塩素酸水溶液(7重量部)を加えて12時間撹絆した。反応混合物を濃縮し、水150重量部を滴下した。生成した沈殿を減圧濾過で濾別し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的化合物Rh−120(1.4重量部,収率38%) を得た。質量分析の結果、得られた質量はMS=720(m/z)(M+ -99)であった。その収率及び分析結果を表2に示す。またRh−120のNMRスペクトルを図3に示す。
【0060】
合成例21〜32(Rh−121〜Rh−132)
合成例20において、3−[N−シクロヘキシルメチル−N−メチル]アミノフェノールの代わりに、表3に示したN−置換,N−置換アミノフェノールを用いた以外は同様にして、目的化合物を得た。その収率及び分析結果を表2に示す。
【0061】
合成例33(Rh−133 カルボン酸エステルCl塩の合成)
合成例10において、得られた粗ローダミン1重量部を1−ドデカノール(5.5重量部) に溶解し、塩化水素ガスを145℃で20分間通気した。2時間攪拌後, 冷却して150重量部のクロロホルムで反応混合物を希釈、水洗した。有機層を分液し、濃縮乾固して粗製のエステル体を得た。得られた粗ローダミンエステルをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的化合物Rh−133(2.1重量部,収率42%) を得た。質量分析の結果、得られた質量はMS=997(m/z)(M+ -99)であった。その収率及び分析結果を表4に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】
実施例1(色変換膜の作製と評価)
サンプル瓶に色素として3ミリモルのRh−101を入れ、ベンゾグアナミン樹脂(シンロイヒ社製) 1.0g、アクリル系感光樹脂(V259PA:新日鉄化学社製)4.0g、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート1gを加えて攪拌し、溶解させた。この溶液を市販のスライドガラス上に数滴乗せ、スピンコーターを用いて700rpmの回転速度で20秒間スライドガラス(2.5cm×5cm)を回転させ製膜した。これを80℃のホットプレート上で15分間乾燥させ、色変換膜を作製した。作製した色変換膜の膜厚は、表面粗さ計(DEKTAK3030)を用いて測定した。
有機EL素子のガラス基板上に不活性液体フロリナート(スリーエム社製) を数滴塗布し、色変換膜を有機EL素子の基板上に重ね合わせて、橙色光源有機EL素子を駆動して発光させ、色変換膜の透過光の輝度と色度(CIE色度座標)を色度計(ミノルタ製CS100)を用いて測定した。
【0067】
そして、この色変換膜を有機EL素子と重ね合わさない場合の光の輝度の測定値と比較して次式により色変換効率を算出した。
色変換効率(%)=(E1/E0)×100
(式の中のE1は、色変換膜を重ね合わせた時の透過光の輝度(nit)を示し、E0は色変換膜を重ね合わさない時の透過光の輝度(nit)を示す。)
その結果、膜厚、24.1μmで変換後の輝度は21nit、変換効率52%、色度座標(0.659,0.330)であった。これらの結果を表5に示す。
尚、光源となる橙色有機EL素子の発光輝度およびCIE色度座標は40nit、(0.586,0.405)であるものを用いた。
【0068】
実施例2〜38(色変換膜の作製と評価)
実施例1において、Rh−101の代わりにRh−102〜Rh−138を用いたこと以外は同様にして色変換膜を作製し、色変換膜の透過光の輝度と色度を測定し、色変換効率を算出した。また、蛍光分光光度計を用いて色変換膜の蛍光波長と相対ピーク強度を測定した。これらの結果を表5及び表6に示す。
【0069】
比較例1(色変換膜の作製と評価)
実施例1において、Rh−101の代わりにローダミンBbase(アルドリッチ製:CAS No.509-34-2)を用いたこと以外は同様にして色変換膜を作製し、色変換膜の透過光の輝度と色度を測定し、色変換効率を算出した。これらの結果を表6に示す。同表に示したように、実施例に比べ、変換効率が同程度の場合、色度のY座標が大きく、発光のピーク強度も小さい。
【0070】
比較例2(色変換膜の作製と評価)
実施例1において、Rh−101の代わりにローダミンB(BASF製:BASONYL RED560)を用いたこと以外は同様にして色変換膜を作製し、色変換膜の透過光の輝度と色度を測定し、色変換効率を算出した。これらの結果を表6に示す。同表に示したように、実施例に比べ、変換効率が低く、蛍光のピーク強度も小さい。
【0071】
【表5】
【0072】
【表6】
【0073】
以上のように、本発明に係る実施例1〜38の色変換膜は、シクロヘキシルアルキル置換基を有する色素を使用することにより、従来の比較例1〜2のローダミンB色素を使用した色変換膜に比べて著しく高い色変換効率と色度を有している。このため、赤色変換効率が大きく改善された。
【0074】
実施例39〜41
実施例1、18、30及び比較例2で作製した色変換膜にUV照射(1500mJ/cm2 ) を行い、さらに160℃で2時間加熱した。これらのサンプルについて、発光ピーク強度の変化を蛍光分光光度計を用いて測定した。
それらの結果を表7に示す。
【表7】
同表に示したように、実施例の色変換膜は、比較例に比べ耐UV性、耐熱性において優れていた。
【0075】
実施例42(有機EL素子の作製)
まずガラスに被膜されたインジウム・スズ酸化物の透明性アノードを設けた。インジウム・スズ酸化物は約750オングストロームの厚さであり、ガラスは(25mm×75mm×1.1mm)の大きさであった。これを真空蒸着装置(日本真空技術(株) 社製) に入れて、約10-6torrに減圧した。次に、下記MTDATAを600オングストロームの厚さで蒸着した。この際の蒸着速度は2オングストローム/秒であった。次に下記NPDを200オングストロ−ムの厚さで蒸着した。この際の蒸着速度は2オングストローム/秒であった。次いで下記AlqおよびRh−101とを同時蒸着して400オングストロームの厚さの発光層を形成した。この際のAlqの蒸着速度は50オングストローム/秒であり、Rh−101の蒸着速度は1オングストローム/秒であった。さらにAlqのみを蒸着速度2オングストローム/秒で蒸着した。最後にマグネシウムと銀とを同時蒸着することにより、陰極を2000オングストロームの厚さで形成した。この際のマグネシウムの蒸着速度は20オングストローム/秒であり、銀の蒸着速度は1オングストローム/秒であった。
得られた素子に8Vの電圧を印加すると電流密度は3.4mA/cm2 であり、輝度100nitの赤色発光が得られた。発光効率は1.2ルーメン/Wであった。
【0076】
MTDATA
【化20】
【0077】
NPD
【化21】
【0078】
Alq
【化22】
【0079】
比較例4
実施例1において、Rh−101の代わりに、ローダミンBbaseを用いた以外は、同様にして有機EL素子を作製した。
得られた素子に8Vの電圧を印加すると電流密度は14.5mA/cm2 であり、輝度88nitの赤色発光だった。発光効率は0.24ルーメン/Wであった。
【0080】
【発明の効果】
本発明の色変換膜に含有されるローダミン系化合物及び新規なローダミン系化合物は、立体障害基としてシクロアルキルアルカン基を少なくとも一つ有するため、色素の会合が効果的に抑制され、濃度消光が抑えられる。このため、有機EL素子などの発光源と他の蛍光色素を組み合わせることにより青色光、緑色光や橙色光を高い変換効率で赤色光に変換できる。また、これらのローダミン系化合物を使用した色変換膜は、耐UV性及び耐熱性に優れ、変換効率が高い。
また、上記ローダミン系化合物を、有機化合物層の少なくとも一層に含有させた本発明の有機EL素子は、高効率で赤色発光が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 合成例1において合成した化合物Rh−101のNMRスペクトルを示す図である。
【図2】 合成例11において合成した化合物Rh−111のNMRスペクトルを示す図である。
【図3】 合成例20において合成した化合物Rh−120のNMRスペクトルを示す図である。
Claims (11)
- 立体障害基としてシクロアルキルアルカン基を少なくとも一つ有するローダミン系色素を分散した樹脂からなる色変換膜であって、前記シクロアルキルアルカン基は、シクロアルキル基が炭素数1〜18のアルキレン基を介して窒素原子に結合している基であることを特徴とする色変換膜。
- シクロアルキルアルカン基を少なくとも一つ有するローダミン系色素が、一般式(I)
- シクロアルキルアルカン基を少なくとも一つ有するローダミン系色素が、一般式(II)
- シクロアルキルアルカン基が、環炭素数3〜12のシクロアルキル基と炭素数1〜18のアルキレン基とが結合した基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の色変換膜。
- 樹脂が、尿素樹脂,ベンゾグアナミン樹脂及びメラミン樹脂の中から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の色変換膜。
- 樹脂が、尿素樹脂,ベンゾグアナミン樹脂及びメラミン樹脂の中から選ばれた少なくとも一種を、フォトレジスト樹脂に含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の色変換膜。
- 発光源と組み合わせることにより、該発光源の光を450〜600nmの短波長から500〜650nmの長波長へ波長変換することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の色変換膜。
- 発光源が、有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の色変換膜。
- 一対の電極と、それに挟持されてなる少なくとも有機発光層を有する有機化合物層とから構成された有機エレクトロルミネッセンス素子において、上記有機化合物層の少なくとも一層が、請求項1〜3のいずれかに記載のローダミン系色素を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
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