JP4004718B2 - 薄型マイクロカプセル磁気泳動表示シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄型マイクロカプセル磁気泳動記録シートに関し、更に詳しくは軽薄短小であって、情報表示用あるいは記録用としてキャッシュレスカード等に設けて使用し、記録乃至消去がいずれも表面側から可能である薄型マイクロカプセル磁気泳動記録シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来知られている磁気表示シート乃至磁気記録方法は、非磁性体基板の裏面全面に、光吸収性のある磁性粉と光反射性のある非磁性微粉(白色)を封入したマイクロカプセルを塗布してマイクロカプセル塗布層を設け、さらにマイクロカプセルが摩擦圧によって裂壊することを防止するための透明保護層を設けた構造のディスプレーの裏面側の一端から他端へ磁気装置でスライド移動してマイクロカプセル中の磁性粉を下部に移動すると共に非磁性粉を上部へ移動させて表示面を白色となし、ついで表面側を棒状永久磁石で接触移動させることにより該部分の磁性粉を上部へ移動させて文字等の表示を行うものである(例えば、特開平2ー146082号公報参照)。また粒径が200〜600μmの範囲のマイクロカプセルを用いた磁気表示シートが開示されており、幼児用絵本、幼児用玩具、メモ用板や会議用黒板等に用いられることが示されている。
【0003】
更に、近年、キャッシュレスカード、プリペイドカード等の普及する中で、POP(Particle Oriented Paper)として、フレーク状磁性粉を内包したマイクロカプセル磁気記録シートを所定の寸法に切断して機械可読磁気記録面を有する各種キャッシュカード、キャッシュレスカード、プリペイドカード、定期券等のカード(以下カード等ともいう。)として使用されることが示されている(特開平5−16579号公報、特公平7−70039号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本来の厚みが760μm程度であるカードの表面の一部を約275μmの厚みで削除した凹部を設け、その凹部に前記マイクロカプセル磁気記録シート(又はマイクロカプセル磁気表示シートともいう。)を嵌め込んで使用しようとすると、マイクロカプセルの粒径が200〜600μmと大きいため、これを用いてカードをつくるとカードの厚みは1000μm以上となり、マイクロカプセル磁気表示シート部分だけが突出して使用上支障が生じ、またカードそのものを厚くして前記の障害をカバーしようとすれば、軽薄短小という点からみて好ましいものが得られなかった。
【0005】
そこで、本発明者等はカードと組み合わせることを考慮してできるだけマイクロカプセル磁気記録シートを薄く形成することを課題として種々研究を続けたが、マイクロカプセルを小さくして磁気記録シートを薄く形成すると文字等のコントラストが極めて低くなり、したがって記録シートとして機能しないという問題が発生した結果、マイクロカプセルに内包する磁性粒子と非磁性粒子の割合及び分散液との種類とによってコントラストに優れた記録印字が得られ、更に該記録印字を同一面上側(印字面)から消去できることを発見した。本発明は、この知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0006】
したがって、本発明が解決しようとする第1の課題は、軽薄短小であって、記録乃至消去がいずれも同一面で可能であると共に、筆記用磁石又は消去用磁石の種類如何により鮮明な文字等が記録され、またきれいに消去され、しかも白黒のコントラストの差がはっきりして筆記物が非常に見やすい薄型マイクロカプセル磁気記録シートに関するものである。また、本発明が解決しようとする第2の課題は、軽薄短小であって、カード等に設けて使用するのに適し、記録乃至消去がいずれも同一面で可能である薄型マイクロカプセル磁気記録シートに関するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は、以下の各請求項に記載された発明によってそれぞれ達成される。
【0008】
〔1〕バインダーに混合した、低沸点溶剤と高沸点溶剤とを混合した分散液、非磁性粒子、微粒子増稠剤及び磁性粒子を内包したマイクロカプセルを支持体の片面に形成した固形分散層からなるマイクロカプセル磁気泳動表示シートにおいて、
(1)マイクロカプセルの平均粒径が30〜170μmである、
(2)固形分散層の厚みが50〜360μmである、
(3)マイクロカプセル磁気泳動表示シート全体の厚みが700μm以下である、
(4)分散液に対して磁性粒子の割合が0.3〜10.0重量%及び非磁性粒子の割合が5.0〜50.0重量%であり、更に磁性粒子に対する非磁性粒子の比は、4〜30倍である、
(5)支持体が10〜100μmの透明シートからなる、
(6)固形分散層の表面に10〜200μmの保護部材を有する、
(7)分散液中の溶剤は、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン及びシクロヘキサンからなる群から選択された少なくとも1種類以上の低沸点溶剤と、ドデシルベンゼン、ジペンチルベンゼン、ジフェニルエーテル、安息香酸ジベンジル、フェニルキシリルエタン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、フタル酸エチル及びフタル酸ブチルから選択された少なくとも1種類以上の高沸点溶剤とからなり、これらの割合は、低沸点溶剤100重量%に対して高沸点溶剤20〜250重量%である、
(8)磁性粒子が、黒色酸化鉄、多孔性酸化鉄、二酸化マンガン含有酸化鉄、二酸化クロムあるいはフェライトから選択された少なくとも1種類以上からなる、
(9)非磁性粒子が白色顔料である、
(10)前記非磁性粒子と前記磁性粒子との粒径は、それぞれ0.1μm〜0.5μmの範囲にある、
ことを特徴とする薄型マイクロカプセル磁気泳動表示シート。
〔2〕支持体が離型部材であって、該離型部材を剥離して取り外した、支持体を有しない固形分散層のみからなることを特徴とする前記第1項に記載の薄型マイクロカプセル磁気泳動表示シート。
〔3〕前記バインダー中又は分散液溶剤中の少なくともいずれかに着色剤が分散又は溶解していることを特徴とする前記第1項又は第2項に記載の薄型マイクロカプセル磁気泳動表示シート。
【0009】
前記第1項に記載の本発明の薄型マイクロカプセル磁気泳動記録シートは、(1)マイクロカプセルの平均粒径が30〜170μmである、
(2)固形分散層の厚みが50〜360μmである、
(3)マイクロカプセル磁気泳動表示シート全体の厚みが700μm以下である、
(4)分散液に対して磁性粒子の割合が0.3〜10.0重量%及び非磁性粒子の割合が5.0〜50.0重量%であり、更に磁性粒子に対する非磁性粒子の比は、4〜30倍である、
(5)支持体が10〜100μmの透明シートからなる、
(6)固形分散層の表面に10〜200μmの保護部材を有する、
(7)分散液中の溶剤は、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン及びシクロヘキサンからなる群から選択された少なくとも1種類以上の低沸点溶剤と、ドデシルベンゼン、ジペンチルベンゼン、ジフェニルエーテル、安息香酸ジベンジル、フェニルキシリルエタン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、フタル酸エチル及びフタル酸ブチルから選択された少なくとも1種類以上の高沸点溶剤とからなり、これらの割合は、低沸点溶剤100重量%に対して高沸点溶剤20〜250重量%である、
(8)磁性粒子が、黒色酸化鉄、多孔性酸化鉄、二酸化マンガン含有酸化鉄、二酸化クロム、フェライトあるいはから選択された少なくとも1種類以上からなる、
(9)非磁性粒子が白色顔料である、
(10)前記非磁性粒子と前記磁性粒子との粒径は、それぞれ0.1μm〜0.5μmの範囲にある、ことにより、軽薄短小であり、筆記と消去を同一面で行うことができると共に、筆記用磁石又は消去用磁石の種類如何により鮮明な文字等が記録され、またきれいに消去され、しかも白黒のコントラストの差がはっきりして筆記物が非常に見やすいという優れた効果を奏するものである。更にこれらの効果に加えて、特に、前記(4)分散液に対して、磁性粒子の割合が0.3〜10.0重量%及び非磁性粒子の割合が5.0〜50.0重量%であり、更に磁性粒子に対する非磁性粒子の比は、4〜30倍であることにより、薄型でもコントラストに優れた鮮明な画像が得られる、前記(5)支持体が10〜100μmの透明シートからなることにより、各種キャッシュカード、キャッシュレスカード、プリペイドカード、定期券等のカードとして使用することができる、前記(6)固形分散層の表面に10〜200μmの保護部材を有することにより、マイクロカプセルを含む固形分散層を十分に保護することができる、前記(7)分散液中の溶剤は、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン及びシクロヘキサンからなる群から選択された少なくとも1種類以上の低沸点溶剤と、ドデシルベンゼン、ジペンチルベンゼン、ジフェニルエーテル、安息香酸ジベンジル、フェニルキシリルエタン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、フタル酸エチル及びフタル酸ブチルから選択された少なくとも1種類以上の高沸点溶剤とからなり、これらの割合は、低沸点溶剤100重量%に対して高沸点溶剤20〜250重量%であることにより、分散質の分散保持を良好に調整することができる、(8)磁性粒子が、黒色酸化鉄、多孔性酸化鉄、二酸化マンガン含有酸化鉄、二酸化クロムあるいはフェライトから選択された少なくとも1種類以上からなり、及び(9)非磁性粒子が白色顔料であることにより、明暗差の大きいコントラストに優れた文字 / 画像が得られる、(10)前記非磁性粒子と前記磁性粒子との粒径は、それぞれ0.1μm〜0.5μmの範囲にあることにより、磁性粒子の泳動性に優しいしかもコントラストのある鮮明な文字・画像が得られる、という優れた効果を奏するものである。
【0010】
前記第2項に記載の本発明において、支持体が離型部材であって、該離型部材を剥離して取り外した支持体を有しない固形分散層のみからなることにより、筆記用磁石ペンでなく、機械可読磁気記録面を有する薄型マイクロカプセル磁気泳動表示シートとすることができる。
【0012】
前記第3項に記載の発明では、前記バインダー中又は分散液溶剤中の少なくともいずれかに着色剤が分散又は溶解していることにより、記録シートの表面又は背面を所望の色に着色することができる。
【0013】
本発明の薄型マイクロカプセル磁気泳動記録シートでは、表面上に磁石により記録し、かつ表面上から消去することにより、薄型マイクロカプセル磁気泳動記録シートを使用することができる。本発明の薄型マイクロカプセル磁気泳動記録シートでは、直径0.3〜2.0かつ表面磁束密度700ガウス以上の特性値を有する筆記用磁石ペンを使用することにより、いっそうコントラストが良いマイクロカプセル磁気泳動記録シートが得られる。本発明に用いられる消去用磁石は、表面磁束密度100〜750ガウスの等方性又は異方性を有するフェライト磁石からなることにより、いっそうコントラストが良いマイクロカプセル磁気記録シートが得られる。消去作業は、稀土類コバルト磁石又は稀土類鉄磁石を用い、表示表面から5mm〜40mmの間隔をおいて使用することにより、より均一な、したがってきれいな消去ができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を説明するが、これは一例であってこれに限定されるものではない。
【0015】
本発明の薄型マイクロカプセル磁気泳動記録シートは、バインダーに混合した、分散液及び磁性粒子を内包したマイクロカプセルの混合物を支持体の片面に形成した固形分散層(いわゆるマイクロカプセル乾燥被覆層である)からなるマイクロカプセル磁気泳動表示シートにおいて、(1)マイクロカプセルの平均粒径が30〜170μmである、(2)固形分散層の厚みが50〜360μmである、(3)マイクロカプセル磁気泳動表示シート全体の厚みが700μm以下としたことを特徴とする薄型マイクロカプセル磁気泳動表示シートである。このような構成において、溶剤としては、低沸点溶剤と高沸点溶剤とが組み合わされたものが分散液として用いられる。
【0016】
本発明において、分散液中の溶剤は、水にほとんど溶けず、マイクロカプセル化するのに安定的な溶剤でかつ各溶剤が相溶性を有するものである。また磁性材料(例えば磁性粒子など)の動きを良くし、コントラストを良くするために低沸点溶剤と高沸点溶剤を組み合わせて用いるのが好ましく、低沸点溶剤としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロヘキサンである。これらの低沸点溶剤は単独でもまた2種以上を混合してもよい。
【0017】
本発明に用いられる高沸点溶剤は、ドデシルベンゼン、ジペンチルベンゼン、ジフェニルエーテル、安息香酸ベンジル、フタル酸ジエチル、フェニルキシリルエタン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、フタル酸エチル及びフタル酸ブチルである。これらの高沸点溶剤は単独でもまた2種以上を混合してもよい。また低沸点溶剤と高沸点溶剤の混合割合は、低沸点溶剤100重量%に対して高沸点溶剤20〜250重量%であり、好ましくは低沸点溶剤100重量%に対して高沸点溶剤30〜150重量%であり、更に好ましくは低沸点溶剤100重量%に対して高沸点溶剤40〜100重量%である。低沸点溶剤に対する高沸点溶剤の添加割合が20重量%未満では、低沸点溶剤の発散を防止することができず、更に磁気材料と白色顔料を溶剤に分散させるためボールミル等による混合が必要であるが、揮発性の高い低沸点溶剤のみでは混合に使用できないので、高沸点溶剤を20重量%以上混合することが必要である。また高沸点溶剤が250重量%を越えると、磁性粒子の動きが悪くなる。
【0018】
本発明において、前記(1)に記載のマイクロカプセルの粒径は平均粒径は30〜170μmであり、好ましくは40〜150μmであり、更に好ましくは50〜130μmである。本発明では、平均粒径は30〜170μmの範囲で、筆記用磁石又は消去用磁石の種類如何により鮮明な文字等が記録され、またきれいに消去され、しかも白黒のコントラストの差がはっきりして筆記物が非常に見やすいばかりでなく、薄型のマイクロカプセル磁気記録シートを作製することができる。
【0019】
前記(2)に記載の固形分散層の厚みは、50〜360μmであるが、好ましくは50〜300μmがよく、更に好ましくは60〜250μmがよい。この厚みが、50μm未満であると、表示画像のコントラストがでず、非常に不鮮明となり、また360μmを越えると薄型としても用途に支障をきたすので好ましくない。更に本発明では、マイクロカプセル磁気泳動表示シート全体の厚みは700μm以下であり、これより厚いと、薄型としての用途に用いることができない。またこの下限は固形分散層の厚みと略同じでよい。
【0020】
本発明の薄型マイクロカプセル磁気泳動表示シートは、支持体(表面シート)が10〜100μmの厚みからなる。この支持体としては、透明又は不透明のいずれでもよいが、直視する場合は、透明のものを用いる。このような透明シートとして、好ましいものは、ポリエステルフィルム、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、塩化ビニルフィルム、ポリカーボネート等の透明フィルムが用いられるが、これらに限定されるものではないが、好ましくはポリエチレンテレフタレートフィルムがよい。
【0021】
本発明では、固形分散層の裏面(表面側支持体に対して)に10〜200μmの保護部材を有することができ、具体的にはこの保護部材は、前記のポリエステル樹脂、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート、紫外線硬化性樹脂等の透明樹脂又は不透明樹脂を塗布するか又はこれらからなるフィルムを接着剤又は粘着剤により接着してもいずれでもよい。この他フィルム以外に紙、アルミ箔、ゴム層等を接着してもよい。製造効率から言えば樹脂を塗布し、乾燥するのが好ましい。保護部材の作用効果は、マイクロカプセルに対する局部的な圧力を緩和するように作用してマイクロカプセルの破壊が防止されるものであればよい。このマイクロカプセルに対する局部的な圧力を緩和するとは、筆記圧力に対して透明フィルム層は、凹んだり傷が付いたりしないと共にたわみ性が損なわれないことを意味する。したがって透明フィルム層の硬さはこの透明フィルム層の樹脂の硬さを調整する方法とこの透明フィルム層の樹脂の硬さを所定のものを用い厚みで調整してもよい。
【0022】
本発明において、固形分散層の表面に保護部材としてフィルム(又はシート)を設ける場合には、接着剤(ここで、接着剤の用語は、粘着剤をも含めた意味で用いている。)でフィルムを貼り付けることが好ましい。これに用いられる接着剤としては、特に制限されるものではなく、広範な種類の接着剤又は粘着剤が使用される。例えば天然ゴム、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、イソプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンブロック共重合体、スチレン・イソプレンブロック共重合体、ブチルゴム、ポリイソブチレン、シリコーンゴム、ポリビニルイソブチルエーテル、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、グラフトゴム、再生ゴム等のエラストマーに接着付与剤、軟化剤、老化防止剤、充填剤等を入れて作製される。通常天然ゴム系、スチレン−ブタジエン系、ポリイソプレン系、アクリル系、シリコーン系等の各種接着剤が好ましい。このように接着剤層を設けることによりマイクロカプセルの保護を十分なものとすることができる。
【0023】
この接着剤層の厚みは、マイクロカプセルの保護と同時に描かれた記録の消去の良否の関係からあまり厚くすることはできないことはもちろん、薄型シートという制限下にもありあまり厚くすることができない。したがって接着層の厚みは10μm〜180μmが好ましい。更に好ましくは30〜130μmがよい。この接着剤層は、フィルムと固形分散層とを接着するばかりでなく、マイクロカプセル被覆層中のマイクロカプセルを筆記中の圧力による破壊から防止し、長期間鮮明な文字や画像を表示することができ、したがってマイクロカプセル磁気表示シートは優れた耐久性を有するものとなる。即ち、接着層の厚みが10μmより薄い場合にはマイクロカプセルの保護が十分でなく筆記中の圧力によりマイクロカプセルが破壊されるおそれがある。またその厚みが180μmを越えても十分な保護が得られるが、その反面磁石による記録の表面側からの消去が不十分となるので好ましくなく、また消去用磁石として強い磁石を用いる必要があるので経済上好ましくない。
【0024】
本発明では、更に好ましくは保護部材として紫外線硬化性樹脂の接着剤を用いるのがよい。即ち、固形分散層に紫外線硬化性樹脂を被覆し、更にこの上に薄い透明な合成樹脂フィルムを当接して紫外線を照射し硬化させるか又は固形分散層に紫外線硬化性樹脂を被覆すると同時に、この上に薄い透明な合成樹脂フィルムを当接して紫外線を照射し硬化させる方法である。接着層の接着剤は、細かい凹凸のある固形分散層の表面と密着し、空隙ができないような接着剤ないしは接着方法が好ましく、したがって、この点を考慮すると、例えば、マイクロカプセル被覆層に紫外線硬化樹脂を塗布することにより接着剤層を形成する方法が好ましい。固形分散層と接着剤層とが全面密着による接合(一体化)によってマイクロカプセル磁気表示シートのたわみ性(曲げに対する強度)を向上させることができるばかりでなく、マイクロカプセルの保護を十分なものとすることができる。
【0025】
更に前記の紫外線硬化性樹脂を使用する場合について、具体的には、固形分散層に塗布する場合は、液状の紫外線硬化性樹脂を直ちに塗布し、紫外線を照射して液状の紫外線硬化性樹脂を硬化させて保護層とする。また固形分散層に紫外線硬化性樹脂を使用してフィルムを接着する場合には、固形分散層に紫外線硬化性樹脂を液状の状態で塗布し、同時にその上に合成樹脂フィルムを載置し、紫外線を照射することによって液状の紫外線硬化性樹脂を硬化して固形分散層と紫外線硬化樹脂とを一体化成形する。したがって、合成樹脂フィルムは、必要に応じて剥離することができる。
【0026】
本発明では、支持体が離型部材であって、該離型部材が剥離された固形分散層のみからなることを特徴とする。この離型部材は、固形分散層を形成後、剥離するので、その厚みは、特に制限されることはなく、良好に固形分散層が形成される範囲で、適宜の厚みを有するものを選択する。離型部材としては、通常、離型剤を被覆した支持体が用いられるが、特に好ましくは固形分散層と接着しない支持体を選択してもよい。例えば、固形分散層のバインダーとして、ポリビニルアルコールを用い、支持体として、ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いる場合には、両者間で接着性を有しないので塗布・乾燥後に簡単に剥離することができる。また離型剤としては、シリコーンオイル、フッ素樹脂系オイル等が好ましく用いられる。
【0027】
本発明に用いられるマイクロカプセル内の分散液中には、少なくとも一種の磁性粒子、非磁性粒子等を含有しているが、磁性粒子及び非磁性粒子の粒径は、同程度の大きさであることが好ましい。またこれらは分散剤を用い、さらにボールミル等の機械的方法により分散されることが好ましい。これにより磁性粒子や非磁性粒子等の分散質を均一にかつ短時間で分散することができる。更にこの分散液には微粒子増稠剤を含有していることが好ましく、この場合にはいっそう均一分散した分散質が沈澱しないで長期間安定した状態に保持されるという作用を有する。
【0028】
本発明において、磁性粒子等を分散するための分散剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、アニオン系脂肪族エステル混合物、ポリカルボン酸アミン塩、ソルビタントリオレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート等が挙げられる。分散剤の添加量は、通常分散剤の添加量として用いられる量でよく、その添加量は、0.2重量%〜10重量%であり、好ましくは0.4重量%〜3.0重量%である。分散剤の添加量が0.2重量%未満では、十分な分散効果が得られず、また10重量%を越えると分散媒の粘度が高くなり分散媒の特性が損なわれるので好ましくない。
【0029】
微粒子増稠剤としては、無水珪酸、含水珪酸、珪酸塩(珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム等)、微粉アルミナ、シリカ粉、けいそう土、カリオン、ハードクレー、ソフトクレー、ベントナイト、極微細炭酸カルシウム、極微細活性化炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、含水塩基性炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、ベンチジンイエロー等が挙げられる。これらは単独でもまた2種以上を混合してもよい。微粒子増稠剤の分散媒への添加量は、分散媒の種類によって異なるが、分散媒に対して微粒子増稠剤が0.2重量%〜5重量%であり、好ましくは0.4重量%〜2重量%である。微粒子増稠剤の添加量が0.2重量%未満では、磁性粒子並びに非磁性粒子等の調整効果がなく、また5重量%を越えると磁性粒子等の固形粒子の移動に支障をきたすので好ましくない。
【0030】
本発明に用いられる磁性粒子としては、この技術分野において通常用いられるものでよく、例えば黒色酸化鉄、多孔性酸化鉄、二酸化マンガン含有酸化鉄、二酸化クロム、フェライト、鉄又はニッケルの微粒子、鉄−ニッケル合金等の親和処理を施していない磁性粒子が挙げられ、特に合成磁性酸化鉄が好ましい。これらを1種又は2種以上混合して用いてもよい。市販品としては、例えばトダカラーKN−320(戸田工業(株)製のマグネタイト、タロックスBL−50(チタン工業(株)製、合成酸化鉄)等が挙げられる。好ましいのは、Fe3 O4 で表される磁性酸化鉄である。この磁性粒子の粒径は、直径10μm以下が好ましく、好ましくは0.1μm〜5μmであり、更に好ましくは0.1μm〜0.8μmである。また更に好ましくは0.1μm〜0.5μmであって、0.2μm〜0.3μmの粒子を70%以上含有するものがよい。
【0031】
本発明において磁性粒子の粒径が、10μmを越えると文字等の鮮明度が落ちるので好ましくない。また0.1μm未満では筆記や消去の速度がかなり遅くなる。好ましくは0.1μm〜1μmであり、特に好ましくは0.5μm〜1μmである。親和処理を施している磁性粒子は、微粒子増稠剤の能力を低下させてしまうので、好ましくない。磁性粒子は、分散液に対して0.3〜10.0重量%であり、好ましくは0.5〜7.0重量%であり、更に好ましくは1.0〜5.0重量%である。分散液に対する磁性粒子の割合が、0.3重量%未満では、鮮明な文字・画像等ができない。また磁性粒子の割合が10.0重量%を越えると磁性粒子の泳動性が悪いばかりでなく、全体が黒っぽくなり十分なコントラストがでない。
【0032】
また本発明に用いられる非磁性粒子としては、酸化チタン、リトポン、亜鉛華、鉛白、硫化亜鉛等の白色顔料が挙げられ、酸化チタンは、アナターゼ型又はルチル型のいずれを用いてもよい。好ましくは隠蔽力の点でルチル型酸化チタンがよい。これらはいずれも比重が小さいものが好ましい。更に吸油量(吸油とは溶媒が粒子の内部に吸収されることを意味している)が比較的高いものがよい。この非磁性粒子の粒径は、十分な分散ができれば特に限定されないが、0.1μm〜1μmであり、好ましくは0.1μm〜0.5μmが好ましい。磁性粒子の粒径が大きく、酸化チタンの粒径が小さいと磁性粒子の動きは速いが、黒さがでないので、コントラストが悪いし、また磁性粒子の粒径が小さく、酸化チタンの粒径が大きいと黒さが出てコントラストは良くなるが、磁性粒子の動きが端的に悪くなるので好ましくない。これらの事実から、磁性粒子と非磁性粒子は同程度の粒径で存在するこが必要であることがわかった。
【0033】
本発明に用いられる非磁性粒子は、分散液に対して5.0〜50.0重量%であり、好ましくは10.0〜40.0重量%であり、更に好ましくは15.0〜35.0重量%である。分散液に対する非磁性粒子の割合が、5.0重量%未満では、薄型では特に全体が黒っぽくなりコントラストがでないばかりか鮮明な文字・画像等ができない。また非磁性粒子の割合が50.0重量%を越えると逆に全体が白っぽくなり十分なコントラストがでない。これらの点を考慮すると、磁性粒子に対する非磁性粒子の割合は、4〜30倍であり、好ましくは5〜20倍であり、更に好ましくは6.0〜15.0倍であるのがよい。これにより薄型でもコントラストに優れた鮮明な画像が得られる。
【0034】
本発明に用いられるマイクロカプセル中の分散液中や該カプセルのゼラチン被膜中、マイクロカプセル被覆層中の透明水性接着剤、透明フィルムの少なくともいずれかに着色剤を含有することにより適宜の色に着色することができる。これにより磁気表示板の背面又は背景を各種の色に着色することができる。この着色剤としては、通常染料、顔料が用いられる。これらの染料又は顔料としては、メチレンブルー、コンゴーレッド、ベンゾイエローTZ等の染料、オイルブルー、オイルグリーン、オイルイエロー、ベンジジンイエロー等が挙げられる。
【0035】
本発明のマイクロカプセルは、バインダーに分散した後、基板に被覆することによりマイクロカプセル磁気泳動記録シートを形成し、磁界を用いて文字や画像を形成する。このマイクロカプセル磁気泳動記録シートに磁界を用いて文字や画像を形成する方法は、磁気表示部材の技術分野において種々の方法が知られており、いづれの方法も使用することができる。
【0036】
本発明の薄型マイクロカプセル磁気泳動表示シートは、磁性粒子、非磁性粒子及び分散媒を含むマイクロカプセルを製造した後、これを水性エマルジョン系接着剤に分散する。得られた分散物を透明フィルム表面シートに塗布した後、乾燥してマイクロカプセルを含む固形分散層を形成することにより製造される。以下にマイクロカプセル磁気表示シートの製造方法の一例を、更に具体的に記載する。
【0037】
(1)20℃〜60℃のゼラチン水溶液に磁性粒子、非磁性粒子及び分散媒を添加して攪拌する工程、(2)得られた混合溶液にアラビアゴム水溶液を加えた後、pHを下げて酸性とし、更に温度を20℃以下に下げてゼラチン/アラビアゴムの重合体膜を生成させる工程ことにより良好なマイクロカプセルが形成される。(3)該重合体膜を硬化してマイクロカプセルを形成する工程、(4)得られたマイクロカプセルの平均粒径を越える大きさのものを除去することにより上限を揃え、かつ水分を除去する工程、(5)得られたマイクロカプセルを水性透明接着剤に分散してマイクロカプセル分散物を製造する工程、(6)該分散物を透明フィルム支持体に塗布する工程、(7)得られた被覆分散層を乾燥してマイクロカプセルを含む固形分散層(被覆層)を形成する工程及び(8)得られた被覆層の表面に保護部材を設ける工程
【0038】
前記の(4)の工程において、水分を除去するために水溶液を40%〜70%に濃縮することにより適性粘度のマイクロカプセル被覆層を形成することができる。前記の(5)の工程では、水性透明接着剤が水性ウレタン樹脂、水性芳香族ポリエステル樹脂あるいは水性分散型ウレタン樹脂のいずれかであることにより保護部材と共同して耐久性に優れた薄型マイクロカプセル磁気泳動表示シートを製造することができる。更にマイクロカプセル分散物の粘度は、支持体(基板)に被覆するのに適した粘度で用いることが好ましく、該粘度としては、四季の気温や種々の被覆条件により異なるが、1,000cps〜20,000cpsに調整した後、該粘度調整分散物を基板に塗布し、乾燥してマイクロカプセル被覆層を形成することにより、いっそう鮮明な文字又は画像を記録することができる。
【0039】
また前記の(8)の工程の如く固形分散層(被覆層)の表面に接着剤層を有するシートを接着することにより、マイクロカプセル被覆層の表面の凹凸部に空隙(気泡)ができることなく接着剤が入り込んで密着した接着部が得られる。更に(8)の工程において、圧力緩衝部材が透明プラスチックフィルム或いは硬質又は軟質のフィルムのいずれかである場合には、光源を用いてバックを明るくして使用する装置と組み合わせて使用し得るマイクロカプセル磁気表示板を製造することができる。
【0040】
また基板に前記のマイクロカプセルを被覆する方法は、通常の塗布方法、例えば刷毛塗り、ローラー塗布、スクリーン印刷法、エアカーテン法、ディップ塗布法等を使用して被覆することができる。塗布後、乾燥するが、乾燥温度は、この技術分野において通常用いられる範囲でよく、例えば40℃〜120℃であり、好ましくは50℃〜90℃である。更に乾燥時間は、10分〜2 時間が通常好ましい。更に好ましくは30分〜50分が好ましい。また乾燥方法としては、温風乾燥又は対流乾燥が好ましい。
【0041】
本発明のマイクロカプセル磁気泳動表示シートは、該シートの表面の全面にわたって消去用磁石を移動して表面に形成されている文字や絵画像当を消去した後、該表面にペン筆記用磁石を用いて書いて文字や絵を描くことにより鮮明な記録をえることができる。このように描いた記録は、再び消去用磁石でその表面をなぞって消去する。また本発明のマイクロカプセル磁気泳動表示シートは、通常の方法で該シートの裏面側に消去用磁石を当てて表面の文字や絵等を消去し、ついでその表面にペン筆記用磁石で文字を書いたり、絵を描いたりすることもできる。
【0042】
本発明のマイクロカプセル磁気表示シートに、磁石を用いて記録又は消去する場合、直径0.3〜2.0mmかつ磁束密度700ガウス以上の特性値を有するペン筆記用磁石を用いることが好ましく、好ましくは希土類磁石であり、磁石の着磁の種類としては両面着磁IPが好ましい(これらの条件であれば、700ガウス以上となる。)磁石は、更に磁石の先端を強磁性体で被覆することにより磁力分布を集中させることができ、効果的に鮮明な記録が得られる。磁石の直径が0.3mm未満のときは、マイクロカプセルの破壊や表面シートを傷つけたり、また使用上危険である。磁石の直径が2.0を越えると、磁力分布が広くなり、筆記物が鮮明性に欠ける。
【0043】
また記録した文字等の消去には、表面磁束密度100〜750ガウスの特性値を有する消去用磁石を用いることが好ましい。これに用いる磁石は、表示シートの用途により異なるので、その用途に応じて広範に用いられ、特に限定されないが、円柱状、コイン状、棒状、角柱状等の任意の形状でよく、また大きさも適宜選定することができる。用いられる磁石としては、フェライト磁石、稀土類コバルト磁石(例えば、サマリウム・コバルト磁石など)や稀土類鉄磁石(ネオジウム・鉄磁石など)等の稀土類磁石、ボンド磁石が好ましく、磁石の着磁の種類としては両面着磁IPが好ましい(これらの条件であれば、100〜750ガウスになる)。特に好ましくは、等方性又は異方性を有する、稀土類磁石、フェライト磁石を用いるのがよい。このような条件の磁石と着磁の種類を選択すればきれいに消去が可能となる。更に好ましくは稀土類磁石を用いる場合には、表示表面から2mm〜40mm、好ましくは5mm〜20mmの距離をおいて移動させることによりいっそうきれいに消去することができる。
【0044】
本発明の薄型マイクロカプセル磁気表示シートは、薄型であるため収納性、簡便性に優れ、また薄型であるので、柔軟性に優れ、また薄型であるにもかかわらず、強度性に優れた特性をもつため、種々の用途に使用することができ、例えば、キャッシュカード、キャッシュレスカード、クレジットカード、プリペードカード等のカード類に使用できるほか、一般的な用途として、例えば、幼児用絵本、幼児用玩具、文字練習器、各種ゲーム用板、習字板、メモ用板、会議用黒板、クリーンルームでの各種情報ボード、電光掲示板、パソコンの表示用パネル等が挙げられる。
【0045】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、この例は本発明を説明するためのものであり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0046】
〔実施例1〕図1は、本発明のマイクロカプセル磁気表示シートを示す断面図である。また本発明のマイクロカプセルは、図2に模式的に断面図で示されいる。図2に示されるマイクロカプセル1は、カプセル被膜2中に分散媒5に分散された磁性粒子3および非磁性粒子4が内包されている。このようなマイクロカプセルは、次のようにして製造した。磁性粒子3として、平均粒径0.3μmのフェライトの粉体粒子(商品名タロックスBL−50、チタン工業(株)製を粉砕して得た。)2重量%と非磁性粒子4として、平均粒径0.26μmの白色酸化チタン粉体(商品名R−820、石原産業(株)製)11.6重量%とを高沸点溶媒として、フタル酸ジブチル40重量%、低沸点溶媒としてトルエン45重量%を混合した混合溶剤85重量%に加え、更に消泡剤としてダッポーSN−350(シリコーン、サンノプコ社製)0.2重量%及び微粒子増稠剤として微粉珪酸〔アエロジル、日本アエロジル社製〕0.5重量%を添加し、更に分散剤として、ノプコサントK963(ポリカルボン酸ナトリウム系界面活性剤、サンノプコ社製)0.7重量%を加えて分散した。
【0047】
次に、pH6に調整したゼラチン濃度3.6%の水溶液にアラビアゴム3.6%の水溶液を加えてマイクロカプセル膜用の水溶液をつくり、約50℃に昇温して該水溶液のpHを5に調整したのち、前記の分散液を加えて分散液滴の平均粒径が約100μmになるように攪拌した。所望の分散液滴が得られたのち、分散液の温度を除冷後さらに10℃まで冷却して分散液滴の界面上に析出したゼラチン/アラビアゴムの重合体膜をゲル化してグルタールアルデヒド25%濃度の水溶液を加えて重合体膜を硬化してゼラチン製マイクロカプセル1を得た。このようにして得られたマイクロカプセル1を170μmを越える大きさの粒子を網を通して除去して170μm以下の粒子を得た。このマイクロカプセルは、粒径が170μm以下であって、70μm〜130μmの粒子を85%含むものである。
【0048】
得られたマイクロカプセルスラリー溶液は、水分を除去したマイクロカプセル群に水性バインダーとして水性ウレタン樹脂溶液を添加し十分攪拌して塗布用インク状物を形成する。この塗布用インク状物の粘度は、4、000cpsである。得られた塗布用インク状物を、厚みが75μmの透明フィルム表面シート7に塗布し、70℃の温風で40分間乾燥する。このマイクロカプセル被覆層9の厚みは、250μmであった。ついでマイクロカプセル被覆層上に、更に保護部材8として50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを接着剤により接着してマイクロカプセル磁気表示シートを作製した。この接着剤層6の厚みは、80μmであった。その結果、磁気泳動表示シート全体の厚みは455μmであった。
【0049】
次に、図1に示されるマイクロカプセル磁気泳動表示シートに文字を表示し、かつ消去する方法について説明すると、マイクロカプセル磁気泳動表示シートの透明フィルム表面シート7の表面に筆記用磁石を接触、走査すると、マイクロカプセル内の磁性粒子が表面側に泳動し、その結果接触、走査したところが黒い鮮明な筆記物となる(筆記作業)。ついで、消去しようとするところの表面上の筆記物に消去用フェライト磁石を接触、走査することにより、マイクロカプセル内の表面側に存在している磁性粒子を裏面乃至中央部あたりまで泳動させるとともに、非磁性粒子である酸化チタンは交換的に移動する。表面全面を消去用磁石を接触、走査することにより該表面は白くなって消去される(消去作業)。ここで上記の消去用フェライト磁石にかえて稀土類磁石を用い、表示表面から8mmの距離をおいて走査したところ、いっそうきれいに消去することができた。
【0050】
本発明では、図1を用いて、マイクロカプセル磁気泳動表示シートの実施の形態の一つを説明したが、このマイクロカプセル磁気泳動表示シートから薄膜フィルム8を剥離して柔軟性を持たせた形態でエンドレスとして使用することもできる。また請求項4に記載する如く、予め離型剤を塗布した合成樹脂フィルム表面にマイクロカプセル分散液を塗布・乾燥し、該合成樹脂フィルムを剥離して取り外して固形分散層のみの一種のフィルムとして使用することもできる。この場合もシート又はエンドレスとして用いられる。
【0051】
〔実施例2〕実施例1で製造したマイクロカプセル磁気表示シートについて、消去用磁石の種類による消去の度合いを調査した。片面多極磁石を用いて消去作業(文字の記録された表面上を移動)を行ったところ、筆記物は、消去可能であるが、シート表面にすじが生じて均一な状態に消去されなかった。また表面磁束密度が1100ガウスの消去用磁石を用いて消去を行ったところ、黒ずんだ表面が得られ、とても良好とはいえないものであった。これに対して、本発明では、表面磁束密度が250ガウスの消去用磁石を用いて消去を行ったところ、筆記物がきれいに消去でき、かつ得られた表面は、白く、むらのない状態のきれいな表面であった。なお、この例では、文字の記録された表面上を磁石を移動させて消去したが、本発明では、通常の消去方法のように表示シートの裏面を磁石を移動させて消去してもよいことは言うまでもない。
【0052】
〔実施例3〕実施例1の方法で▲1▼平均粒径10μm未満のマイクロカプセル、▲2▼平均粒径30μmのマイクロカプセル、▲3▼平均粒径100μmのマイクロカプセル、▲4▼平均粒径150μmのマイクロカプセル及び▲5▼平均粒径250μmのマイクロカプセルをそれぞれ製造し、更に実施例1と同様にしてマイクロカプセル磁気表示シートを作製し、それぞれについて、筆記物の状態及び消去状態を観察した。本発明外の▲1▼は、表面全体が黒ずみ筆記物のコントラストがでなかった。また消去状態も黒ずんでいた。本発明の▲5▼では、消去が多少黒ずんだ表面となるため白黒のコントラストの薄い筆記物となったが実用には支障なかった。特に好ましい本発明における▲2▼〜▲4▼では、いづれも消去状態が良好で白く、筆記物とのコントラストが大きく優れていた。
【0053】
本発明の薄型マイクロカプセル磁気泳動記録シートは、(1)マイクロカプセルの平均粒径が30〜170μmである、
(2)固形分散層の厚みが50〜360μmである、
(3)マイクロカプセル磁気泳動表示シート全体の厚みが700μm以下である、
(4)分散液に対して磁性粒子の割合が0.3〜10.0重量%及び非磁性粒子の割合が5.0〜50.0重量%であり、更に磁性粒子に対する非磁性粒子の比は、4〜30倍である、
(5)支持体が10〜100μmの透明シートからなる、
(6)固形分散層の表面に10〜200μmの保護部材を有する、
(7)分散液中の溶剤は、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン及びシクロヘキサンからなる群から選択された少なくとも1種類以上の低沸点溶剤と、ドデシルベンゼン、ジペンチルベンゼン、ジフェニルエーテル、安息香酸ジベンジル、フェニルキシリルエタン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、フタル酸エチル及びフタル酸ブチルから選択された少なくとも1種類以上の高沸点溶剤とからなり、これらの割合は、低沸点溶剤100重量%に対して高沸点溶剤20〜250重量%である、
(8)磁性粒子が、黒色酸化鉄、多孔性酸化鉄、二酸化マンガン含有酸化鉄、二酸化クロムあるいはフェライトから選択された少なくとも1種類以上からなる、
(9)非磁性粒子が白色顔料である、
(10)前記非磁性粒子と前記磁性粒子との粒径は、それぞれ0.1μm〜0.5μmの範囲にある、ことにより、軽薄短小であり、筆記と消去を同一面で行うことができると共に、筆記用磁石又は消去用磁石の種類如何により鮮明な文字等が記録され、またきれいに消去され、しかも白黒のコントラストの差がはっきりして筆記物が非常に見やすいという優れた効果を奏するものである。更にこれらの効果に加えて、特に、前記(5)支持体が10〜100μmの透明シートからなることにより、各種キャッシュカード、キャッシュレスカード、プリペイドカード、定期券等のカードとして使用することができる、前記(6)固形分散層の表面に10〜200μmの保護部材を有することにより、マイクロカプセルを含む固形分散層を十分に保護することができる、という優れた効果を奏するものである。
【0054】
また本発明において、支持体が離型部材であって、該離型部材を剥離して取り外した支持体を有しない固形分散層のみからなることにより、筆記用磁石ペンでなく、機械可読磁気記録面を有する薄型マイクロカプセル磁気泳動表示シートとすることができる。
【0055】
本発明では、分散液中の溶剤が、低沸点溶剤と高沸点溶剤であって、前述の如き特定の溶剤の組合せからなり、これらの割合は、低沸点溶剤100重量%に対して高沸点溶剤20〜250重量%であることにより、良好なマイクロカプセル磁気記録シートが得られる。また本発明では、固形分散層中又は分散液溶剤中の少なくともいずれかに着色剤が分散又は溶解していることにより、記録シートの表面又は背面を所望の色に着色することができる。
【0056】
本発明の薄型マイクロカプセル磁気泳動記録シートは、表面上に磁石により記録し、かつ表面上から消去する手段により薄型マイクロカプセル磁気泳動記録シートを使用することができる。本発明では、磁石が直径0.3〜2.0かつ表面磁束密度700ガウス以上の特性値を有することにより、いっそうコントラストが良いマイクロカプセル磁気泳動記録シートが得られる。また本発明では、磁気が表面磁束密度100〜750ガウスの特性値を有することにより、いっそうコントラストが良いマイクロカプセル磁気記録シートが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマイクロカプセル磁気表示シートを示す断面図である。
【図2】本発明の磁気表示用マイクロカプセルを模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
1、11、12、13 マイクロカプセル
2 カプセル皮膜
3 磁性粒子
4 非磁性粒子(酸化チタン)
5 分散液
6 保護部材(圧力緩衝部材)
7 透明フィルム
8 薄膜フィルム
9 固形分散層(マイクロカプセル乾燥被覆層)
61 凹部
Claims (3)
- バインダーに混合した、低沸点溶剤と高沸点溶剤とを混合した分散液、非磁性粒子、微粒子増稠剤及び磁性粒子を内包したマイクロカプセルを支持体の片面に形成した固形分散層からなるマイクロカプセル磁気泳動表示シートにおいて、
(1)マイクロカプセルの平均粒径が30〜170μmである、
(2)固形分散層の厚みが50〜360μmである、
(3)マイクロカプセル磁気泳動表示シート全体の厚みが700μm以下である、
(4)分散液に対して磁性粒子の割合が0.3〜10.0重量%及び非磁性粒子の割合が5.0〜50.0重量%であり、更に磁性粒子に対する非磁性粒子の比は、4〜30倍である、
(5)支持体が10〜100μmの透明シートからなる、
(6)固形分散層の表面に10〜200μmの保護部材を有する、
(7)分散液中の溶剤は、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン及びシクロヘキサンからなる群から選択された少なくとも1種類以上の低沸点溶剤と、ドデシルベンゼン、ジペンチルベンゼン、ジフェニルエーテル、安息香酸ジベンジル、フェニルキシリルエタン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、フタル酸エチル及びフタル酸ブチルから選択された少なくとも1種類以上の高沸点溶剤とからなり、これらの割合は、低沸点溶剤100重量%に対して高沸点溶剤20〜250重量%である、
(8)磁性粒子が、黒色酸化鉄、多孔性酸化鉄、二酸化マンガン含有酸化鉄、二酸化クロムあるいはフェライトから選択された少なくとも1種類以上からなる、
(9)非磁性粒子が白色顔料である、
(10)前記非磁性粒子と前記磁性粒子との粒径は、それぞれ0.1μm〜0.5μmの範囲にある、
ことを特徴とする薄型マイクロカプセル磁気泳動表示シート。 - 支持体が離型部材であって、該離型部材を剥離して取り外した、支持体を有しない固形分散層のみからなることを特徴とする請求項1に記載の薄型マイクロカプセル磁気泳動表示シート。
- 前記バインダー中又は分散液溶剤中の少なくともいずれかに着色剤が分散又は溶解していることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の薄型マイクロカプセル磁気泳動表示シート。
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