JP3989028B2 - 水性塗料組成物およびそれを用いる塗装方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は塗装作業性(ワキ抵抗性、タレ抵抗性)が良好で、かつ平滑性に優れた高外観塗膜を提供する水性塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
水性塗料組成物は、自動車の中塗り塗料および上塗りベース塗料として用いられる。従来、自動車用塗料としては、有機溶剤型が主流であったが、塗装時の安全性、環境汚染の低減、省資源化などの観点から水性塗料への移行が強く望まれている。
水性中塗り塗料組成物としては、例えばカルボン酸基含有樹脂、ウレタン結合含有ジオールおよび樹脂微粒子を主成分とする水性中塗り塗料(特開平3−52973号公報)や、多価カルボン酸樹脂、アミノ樹脂、線状低分子ポリエステルジオールおよびベンゾインを主成分とする熱硬化性水性塗料(特開平4−93374号公報)などが知られているが、これらを中塗り塗料として用いる場合には種々の問題がある。
即ち、上記水性塗料は該塗料自体の塗膜の平滑性や上塗鮮映性が充分でなく、しかも従来の有機溶剤型塗料に比較すると塗膜硬化時に水が突沸して引き起こす外観異常『ワキ』が発生しやすい。この現象は20〜40μmの膜厚においても認められ、仕上がり外観低下の原因となっている。さらに、線状低分子ポリエステルジオールを含む塗膜の耐水性は十分なものでない。
【0003】
一方、自動車の塗装において下塗りおよび中塗りを施した塗装板上に、上塗りと称してメタリック顔料を含むメタリックベース塗料を塗装した後、この塗膜を硬化せずにウェット・オン・ウェット塗装でクリヤー塗料を重ね塗りし、このメタリックベースとクリヤー塗料を合わせて硬化するツーコート・ワンベーク法がおこなわれている。この方法に用いるメタリックベース塗料はアルミニウムなどの燐片状の金属顔料が良好に配向することにより優れた塗膜外観が得られる。
特にこのような用途に関して、アミド基含有酸性樹脂、親水性基担持ポリウレタン樹脂の水分散体を主成分とする水性メタリックベース塗料組成物(特開平4−25582号公報)が知られているが、この塗料もクリヤー塗料を塗装した後に加熱硬化する際に外観異常『ワキ』が発生しやすく必ずしも十分なものでない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、すでに提案したカルボン酸基含有樹脂、親水性基担持ポリウレタン樹脂および樹脂微粒子を主成分とする水性中塗り塗料、またはアミド基含有水性アクリル樹脂および親水性基担持ポリウレタン樹脂を主成分とする水性メタリックベース塗料の塗装作業性(ワキ性)を更に改善し、しかも得られる塗膜の平滑性、耐水性を向上させた水性塗料組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記従来技術の課題を解決すべく研究した結果、特定のアクリル樹脂および/またはポリエステル樹脂、特定のポリカーボネート樹脂、硬化剤を主成分とする水性中塗りまたは上塗りベース塗料により目的を達成できることを見出した。
即ち、本発明は(A)酸価が10〜100、水酸基価が20〜300、且つ分子量が1000〜50,000のアクリル樹脂および/またはポリエステル樹脂、
(B)ジアルキルカーボネートあるいはアルキレンカーボネートから選ばれるカーボネートモノマーと、直鎖2価アルコール、分枝鎖2価アルコールおよび3価以上の多価アルコールとの反応によって得られる樹脂であって、分枝鎖2価アルコールが全アルコールの少なくとも10モル%以上であり、かつ10モル%以上が3価以上の多価アルコールからなる、末端にヒドロキシル基を有する数平均分子量1,000〜10,000のポリカーボネート樹脂および( C ) メラミン樹脂硬化剤を含有する水性塗料組成物を提供する。
【0006】
本発明の水性塗料組成物の特徴は、特定のポリカーボネート樹脂(B)を水性塗料中に使用したところにある。(A)(B)(C)成分の関係は、(A)が親水性基を有する樹脂で水に溶解するか、又は水中に層分離や沈降することなく安定に分散するよう役割を果たし、(C)が塗装後の加熱条件下で(A)樹脂と架橋反応させる役割を果たすが、水中での(A)と(C)の安定性および加熱反応時の相溶性が通常劣る。
【0007】
これに対し、本発明の(B)成分は、水中での(A)と(C)の均一水溶化あるいは水分散安定化を助け、さらに加熱反応時の相溶化とそれに続く架橋反応を均一状態で進行させる極めて特徴的な役割を果たす。
【0008】
このような相溶性を説明する上で溶解性パラメーター(Sp値)が用いられるが、このSP値で9.5〜12.0のポリカーボネート樹脂(B)が好ましい。尚、溶解性パラメータ(δSp)はK.W.SUH、J.M.CORBETT;Journal of Applied Polymers Science 12、2359(1968)の式:
【数1】
により求めることができ、物質の極性の定量的表現である。
【0009】
すなわち、これらの成分のうちいずれかが欠けてなる塗料も加熱硬化時にワキが発生しやすく、しかも平滑性、耐水性も十分でない。一方、本発明の(A)、(B)および(C)成分をすべて含む塗料は、そのような欠陥が解消された塗膜を形成する。
【0010】
本発明の塗料組成物を構成する(A)〜(C)成分について具体的に説明する。
【0011】
成分 ( A )
成分(A)のアクリル樹脂、具体的には酸性基含有エチレン性モノマー、水酸基含有エチレン性モノマーおよび他のエチレン性モノマーを共重合することにより得られる酸価10〜100、水酸基価20〜300且つ数平均分子量が1,000〜50,000の樹脂である。好ましいアクリル樹脂は、アミド基含有エチレン性モノマー5〜40重量%、酸性基含有エチレン性モノマー3〜15重量%、水酸基含有エチレン性モノマー10〜40重量%および他のエチレン性モノマー残量を共重合体である。
【0012】
アミド基含有エチレン性モノマーの例としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、N,N−ジブチルメタクリルアミド、N,N−ジオクチルアクリルアミド、N,N−ジオクチルメタクリルアミド、N−モノブチルアクリルアミド、N−モノブチルメタクリルアミド、N−モノオクチルアクリルアミド、N−モノオクチルメタクリルアミド等が挙げられる。
【0013】
酸性基含有エチレン性モノマーの酸性基の例としてはカルボキシル基やスルホン酸基が挙げられる。カルボキシル基含有モノマーの例としては、スチレン誘導体(例えば、3−ビニルサリチル酸、3−ビニルアセチルサリチル酸等);(メタ)アクリル酸誘導体(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸およびイソクロトン酸等)が挙げられる。またスルホン酸基含有エチレン性モノマーの例としてはp−ビニルベンゼンスルホン酸、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸等が挙げられる。
【0014】
酸性基含有エチレン性モノマーは二塩基酸モノマーのハーフエステル、ハーフアミド、ハーフチオエステル類であってもよい。そのようなものの例としてはマレイン酸、フマール酸、イタコン酸のハーフエステル、ハーフアミド、ハーフチオエステルである。エステルを形成するアルコールは炭素数1〜12のもの、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、アセトール、アリルアルコール、プロパギルアルコール等がある。好ましくはブタノール、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、アセトール、アリルアルコール、プロパギルアルコールである。ハーフチオエステルを形成するメルカプタンとしては炭素数1〜12のもの、例えばエチルメルカプタン、プロピルメルカプタン、ブチルメルカプタン等がある。ハーフアミドを形成するアミンとしては炭素数1〜12のもの、例えばエチルアミン、ジエチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン、ナフチルアミン等がある。これらのうちでハーフチオエステル化物は臭気の点でやや問題があり、好適に用いられるのはハーフエステル、ハーフアミドである。ハーフエステル化、ハーフチオエステル化またはハーフアミド化の反応は通常の方法に従い、室温から120℃の温度で、場合によっては3級アミンを触媒として用いて行われる。
【0015】
水酸基含有エチレン性モノマーの例としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2,4−ジヒドロキシ−4'−ビニルベンゾフェノン、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド等が挙げられる。
【0016】
他のエチレン性モノマーは、特に反応性の官能基を有さないエチレン性のモノマーであって、スチレン類(例えば、スチレン、α−メチルスチレン)、アクリル酸エステル類(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルまたはアクリル酸2−エチルヘキシル)、メタクリル酸エステル類(例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸p−ブチル)、ニトリル類(例えば、アクリロニトリル)、オレフィン類(例えば、エチレン、プロピレン)等が挙げられる。
【0017】
アミド基含有エチレン性モノマーの使用量は5〜40重量%、好ましくは8〜30重量%、5重量%より少ないとリン片状金属顔料の配向が充分でなく外観が低下する欠点を有し、40重量%を越えると得られる塗膜の耐水性が低下する。酸性基含有エチレン性モノマーの使用量は3〜15重量%、好ましくは5〜13重量%であり、3重量%より少ないと水分散性が劣り、15重量%を越えると塗膜の耐水性が低下する。水酸基含有エチレン性モノマーの使用量は10〜40重量%、好ましくは13〜30重量%である。10重量%より少ないと皮膜の硬化性が劣る。40%重量%を越えると塗膜の耐水性が低下する。尚、重量%は全モノマー重量に基づく。
【0018】
成分(A)のポリエステル樹脂(A)としては、多価アルコール成分と多塩基成分とを縮合してなるオイルフリーポリエステル樹脂、または多価アルコール成分および多塩基酸成分に加えてヒマシ油、脱水ヒマシ油、桐油、サフラワー油、大豆油、アマニ油、トール油、ヤシ油など、およびそれらの脂肪酸のうちの1種または2種以上の混合物である油成分を、上記酸成分およびアルコール成分に加えて、三者を反応させて得られる油変性ポリエステル樹脂などがあげられる。また、アクリル樹脂やビニル樹脂をグラフト化したポリエステル樹脂も(A)成分として使用できる。多価アルコール成分の例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、2,2−ジメチルプロパンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。必要に応じて一価アルコールまたは分子中に1個のグリシジル基を有するモノエポキシ化合物(たとえば、「カージュラE」(商品名、シェル化学(株)製))を併用してもよい。多塩基酸の例としては無水フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などが挙げられる。必要に応じて安息香酸やt−ブチル安息香酸などの一塩基酸を併用してもよい。
【0019】
また、(A)成分としては、ウレタン変性ポリエステル樹脂を用いると、貯蔵安定性、耐ワキ性、鮮映性および耐チッピング性などがすぐれているので好ましい。
【0020】
上記(A)成分は酸価10〜100、好ましくは30〜80、水酸基価が20〜300、好ましくは50〜200である。酸価が10より小さくなると水性化が不十分とり、100を越えると塗膜の耐水性が低下するので好ましくない。また、水酸基価が20より小さくなると塗膜の硬化性が不十分であり、300を越えると塗膜の耐水性が低下するので好ましくない。
【0021】
さらに(A)成分の数平均分子量は1,000〜50,000、好ましくは2,000〜30,000が適している。数平均分子量が1,000より小さくなると塗膜の硬度性、耐水性が低下し、また50,000を越えるとスプレー塗装時の微粒化が悪くなり、その結果として塗膜の平滑性が低下するのでいずれも好ましくない。
【0022】
これらの(A)成分のカルボキシル基を塩基性物質で中和(例えば、50%以上)することで容易に水性化可能である。ここで用いられる塩基性物質としては、例えばアンモニア、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどがあり、このうち、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが好適である。
【0023】
成分 ( B )
(B)成分としては、末端にヒドロキシル基を有する数平均分子量1,000〜10,000、好ましくは2,000〜6,000のポリカーボネート樹脂である。本発明で用いるポリカーボネート樹脂の数平均分子量が1,000より小さいと塗膜のワキ性および塗膜の耐水性が低下し、10,000を越えても塗膜のワキ性が低下し、さらに平滑性が特に低下する。
【0024】
このポリカーボネート樹脂の好ましい組成としては、ジアルキルカーボネートあるいはエチレンカーボネートから選ばれるカーボネートモノマーと、直鎖2価アルコール、分枝鎖2価アルコールおよび3価以上の多価アルコールとの反応によって得られる樹脂であって、分枝鎖2価アルコールが全アルコールの少なくとも10モル%以上であり、かつ10モル%以上が3価以上の多価アルコールからなるポリカーボネート樹脂である。ここで、分枝鎖2価アルコールが全アルコールの少なくとも10モル%未満であるとポリカーボネート樹脂が結晶化する不具合点を有し、ワキ性が少し劣る。また、3価以上の多価アルコールが10モル%未満であると硬化性および塗膜の耐水性が少し劣る。
【0025】
分枝鎖2価アルコールの具体例としては、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール等が代表的なものとして挙げられる。
【0026】
また、本発明の塗料組成物に用いる3価以上の多価アルコールとしては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールプロパンの2量体、ペンタエリスリトール等が代表的なものとして挙げられる。
直鎖2価アルコールの具体例としては、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオールおよび1,10−デカンジオール等が代表的なものとして挙げられる。
【0027】
成分 ( C )
本発明の塗料組成物に用いる(C)成分は、メラミン樹脂硬化剤である。メラミン樹脂は具体的には次のものが適している。アメリカンサイアナミド社製サイメル303、サイメル325、サイメル1156など、三井東圧化学社製ユーバン20N、ユーバン20SB、ユーバン128など、住友化学社製スミマールM−50W、スミマールM−40N、スミマールM−30Wなどの親水性メラミンおよび/もしくは疎水性メラミン樹脂が少なくとも一種使用される。
【0028】
上記3成分は塗料組成物の固形分重量に基づいて、成分(A)が35〜70重量%、好ましくは40〜60重量%、成分(B)が5〜50重量%、好ましくは10〜35重量%、成分(C)が10〜40重量%、好ましくは20〜30重量%の量で存在する。成分(A)が35重量%より少ないと水性塗料の安定性が低下し、塗料の粘度が極めて高くなり、さらに凝集および沈降するという欠点を有し、70重量%を越えると塗膜の硬化性が低下し、その硬化膜の耐水性も劣る欠点を有する。成分(B)が5重量%より少ないと目的の塗装作業性(ワキ性、タレ性)向上効果が認められず、また平滑性に劣り、50重量%を越えると塗膜の硬度が低くなりすぎる。成分(C)が10重量%より少ないと硬化性が不十分であり、40重量%を越えると逆に塗膜が硬くなりすぎ、もろくなる欠点を有する。
【0029】
成分 ( D )
本発明の塗料組成物にはタレを一層改善するために、更に(D)成分として、粒子径が0.01〜1.0μmであるアクリル樹脂粒子の水分散体を含んでもよい。この粒子は架橋してもよい。粒子径が0.01μmを下回ると、作業性(タレ)の改善効果が小さく、1.0μmを上回ると、得られる塗膜の外観に問題が生じる。アクリル粒子は好ましくは酸価5以上で、カルボキシル基を有する。酸価が5を下回ると、作業性(タレ)の改善効果が小さい。酸価は好ましくは80以下である。80を上回ると、水溶性が大きくなり、粒子性を失う恐れがある。特に好ましい酸価範囲は10〜70である。アクリル樹脂粒子は好ましくは水分散体の形で提供される。
【0030】
本発明のカルボキシル基を持つ樹脂粒子(D)を製造する場合においてカルボキシル基を導入する場合は、少なくとも1つのカルボキシル基を分子内に持つモノマーを用いる。そのような化合物としては、先に挙げたスチレン誘導体、(メタ)アクリル酸誘導体、二塩基酸不飽和化合物などがある。好ましくは、(メタ)アクリル酸誘導体であり、さらに好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸二重体、α−ハイドロ−ω−((1−オキソ−2−プロペニル)オキシ)ポリ(オキシ(1−オキソ−1,6−ヘキサンジイル))である。
【0031】
少なくとも1つのカルボキシル基を分子内に持つモノマー以外に、少なくとも1種のその他のモノマーを用いる。このモノマーは、カルボキシル基を持つ不飽和化合物(1)に対してラジカル共重合可能な不飽和化合物であり、その例として、反応性官能基を持たない(メタ)アクリレート化合物(例えばメチルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルアクリレート、エチルメタアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタアクリレート、ラウリルメタアクリレート、フェニルアクリレートなど)、または重合性芳香族化合物(例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルケトン、t−ブチルスチレン、パラクロロスチレン、ビニルナフタレンなど)、または水酸基含有不飽和化合物、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタアクリレート、アリルアルコール、メタクリルアルコールなど)、または重合性アミド化合物(例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミドなど)、または重合性ニトリル化合物(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリルなど)、またはビニルハライド化合物(例えば塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニルなど)、またはα−オレフィン化合物(例えばエチレン、プロピレンなど)、またはビニル化合物(例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなど)またはジエン化合物(例えばブタジエン、イソプレンなど)が挙げられる。
【0032】
三次元架橋体を合成するために、分子内に2つ以上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を持つ化合物が使用できる。そのようなものとしては、多価アルコールの重合性不飽和モノカルボン酸エステル化合物(例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタアクリレート、トリエチレングリコールジメタアクリレート、テトラエチレングリコールジメタアクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールジメタアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタアクリレート、グリセロールジアクリレート、グリセロールジメタアクリレート、グリセロールアクロキシジメタアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジメタアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリメタアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパンジアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパンジメタアクリレートなど)、多塩基酸の重合性不飽和アルコールエステル化合物(例えば、ジアリルテレフタレート、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテートなど)、2個以上のビニル基で置換された芳香族化合物(例えば、ジビニルベンゼンなど)、エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体とカルボキシル基含有エチレン性不飽和基単量体との付加物(例えば、グリシジルアクリレートやグリシジルメタアクリレートとアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸との反応物など)が挙げられる。
【0033】
これらのモノマーは単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。
少なくとも1つのカルボキシル基を分子内に持つモノマーとその他のモノマーの割合は、カルボキシル基を持つ樹脂粒子の水分散体(D)を製造するのに用いる不飽和化合物の総量中、カルボキシル基を持つ不飽和化合物(1)が1〜50重量%、モノマーが99〜50重量%である。好ましくは、(1)が10〜40重量%、(1)以外のエチレン性不飽和化合物が90〜60重量%である。
【0034】
乳化重合反応は、水、または必要であるならアルコールなどの有機溶剤を含んでいてもよい水性媒体中で重合開始剤を用いて行われる。
【0035】
用いられる重合開始剤としては、アゾ系の油性化合物(例えば、アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)など)、水性化合物としては、アニオン系の4,4'−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、カチオン系の2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)などが挙げられ、レドックス系では、油性過酸化物(例えば、ベンゾイルパーオキサイド、パラクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエートなど)、水性過酸化物(例えば、過硫酸カリ、過酸化アンモニウムなど)が挙げられる。
【0036】
反応温度は開始剤により決定され、例えば、アゾ系開始剤では60〜90℃であり、レドックス系では30〜70℃で行う。反応時間は1〜8時間である。開始剤の不飽和化合物の総量に対する量は、0.1〜5重量%であり、好ましくは0.5〜2%である。
【0037】
乳化重合反応は、基本的に不飽和化合物を滴下する方法で行われる。また、不飽和化合物と水を乳化剤を用いてプレ乳化したものを滴下する方法でも行われる。
【0038】
乳化剤としては、通常使用されているものが用いられるが、反応性乳化剤、例えば、RA−1022(日本乳化剤製)、エレミノールJS−2(三洋化成工業製)、アクアロンHS−10(第一工業製薬製)などが好ましい。反応性乳化剤とは界面活性剤1分子中に1個以上のラジカル重合可能な二重結合を有する化合物であり、具体的には(メタ)アクリロイル基またはアクリル基を有するアニオン性、カチオン性およびノニオン性界面活性剤である。
また連鎖移動剤として、メルカプタン化合物、例えば、ラウリルメルカプタンやその他の化合物、例えばα−メチルスチレンダイマーなどを用いて分子量を調節することができる。
【0039】
成分(D)は成分(A)〜(C)からなる固形分100重量部に対し、3〜70重量部、好ましくは5〜55重量部配合する。3重量部より少ないと目的の作業性(タレ)向上効果が認められず、70重量部を越えると得られる塗膜の平滑性が低下する。
【0040】
その他の成分
更に本発明の塗料組成物はその他の添加剤として顔料、金属顔料、マイカ、消泡剤、分散剤、表面調整剤、硬化触媒(酸触媒)等を加えてもよい。中塗り塗料には顔料の一部に硫酸バリウム、炭酸カルシウム、クレー、酸化チタン等の無機顔料を着色顔料と併用することが望ましい。
【0041】
また、本発明は水(好ましくは脱イオン水)を媒体とする水性塗料組成物に関するものであるが、必要に応じて少量の有機溶剤(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテルアルコール系、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール等のアルコール系、エステル系、ケトン系など)を使用してもよい。
【0042】
金属顔料を配合したベース塗料を塗装した後、これを硬化させずにクリヤー塗料を重ね塗りし、ベース塗料を合わせて硬化させる、いわゆる2コート/1ベーク塗装方式によって、高外観のメタリック塗膜が得られる。これに用いられるクリヤー塗料としては、アクリル/メラミン系等のメラミン硬化系、酸/エポキシ硬化系、アクリル/イソシアネート硬化系、水酸基/エポキシ基/酸無水物のハーフエステル硬化系などがある。
【0043】
これらの中でもメラミン硬化系と水酸基/エポキシ基/酸無水物のハーフエステル硬化系が好ましい。メラミン硬化系はメラミン樹脂を硬化剤とし、水酸基を有するアクリル樹脂を主樹脂とする組成物が一般的である。水酸基/エポキシ基/酸無水物のハーフエステル硬化系は耐酸性が優れた新しい硬化系であって、ポリマー中に存在する酸無水物基のハーフエステルと水酸基およびエポキシ基との硬化システムであり、特開平2−45577号公報および特開平3−287650号公報等に詳しく記載されている。
【0044】
クリヤー塗料はまた粉体塗料であってもよい。粉体塗料としては、熱可塑性粉体塗料、熱硬化性粉体塗料を用いる事が出来るが、塗膜物性の面から、熱硬化性粉体塗料が好ましい。熱硬化性粉体塗料としては、エポキシ粉体塗料、アクリル粉体塗料、ポリエステル粉体塗料があるが、耐侯性の良いアクリル粉体塗料が好ましい。アクリル粉体塗料に用いるアクリル樹脂の官能基モノマーとしては、グリシジル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基を有するビニルモノマーを用いる事が出来る。例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)クリレート、ヒドロキシブチル(メタ)クリレート、アクリル酸、メタアクリル酸等がある。組み合わせる硬化剤としては、多価カルボン酸、フェノール、アミン、ブロックイソシアネート、ウレトジオン基含有ブロックイソシアネート、アルコキシアルキルグリコール、エポキシ化合物、ヒドロキシアルキルアミド化合物等、がある。好ましくは、硬化時の揮散物がない為外観良好で、黄変の少ないエポキシ含有アクリル樹脂/多価カルボン酸の系が好ましい。
【0045】
【実施例】
本発明を実施例により更に詳細に説明する。本発明はこれら実施例に限定されるものと解してはならない。
【0046】
製造例−1(ポリエステル樹脂)
エチレングリコール20.51部、トリメチロールプロパン12.91部、および無水フタル酸51.70部を加え、160〜220℃で5時間エステル化反応させた後、さらに無水トリメリット酸14.88部を加えて180℃で1時間反応させて酸価が50、水酸基価が60、数平均分子量2000のポリエステル樹脂を得た。
これをジメチルエタノールアミンで中和して中和率80%、不揮発分35重量%の水性ポリエステル樹脂ワニス(I)を得た。
【0047】
製造例−2(アルキド樹脂)
ヤシ油脂肪酸22.92部、トリメチロールプロパン21.36部、ネオペンチルグリコール14.30部および無水フタル酸22.23部を加え、160〜220℃で5時間エステル化反応させた後、さらに無水トリメリット酸19.20部を加えて180℃で1時間反応させて酸価が60、水酸基価が80、数平均分子量1500のアルキド樹脂を得た。
これをジメチルエタノールアミンで中和して中和率80%、不揮発分35重量%の水性アルキド樹脂ワニス(II)を得た。
【0048】
製造例−3(アクリル樹脂)
反応容器にエチレングリコールモノメチルエーテル76部を仕込み、スチレン45部、メチルメタクリレート63部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート48部、n−ブチルアクリレート117部、メタクリル酸27部、アゾビスイソブチロニトリル3部からなるモノマー混合液のうち60部を加えて撹拌下、温度を120℃にした。120℃になると同時に上記モノマー混合液243部を3時間で等速滴下し、さらにその温度で1時間反応させて酸価が58、水酸基価が70、数平均分子量が10,000のアクリル樹脂を得た。
これをジメチルエタノールアミンで中和して中和率80%、不揮発分50重量%の水性アクリル樹脂ワニス(III)を得た。
【0049】
製造例−4(アミド基含有アクリル樹脂)
反応容器にエチレングリコールモノメチルエーテル76部を仕込み、スチレン15部、アクリルアミド30部、メチルメタクリレート63部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート48部、n−ブチルアクリレート117部、メタクリル酸27部、アゾビスイソブチロニトリル3部からなるモノマー混合液のうち60部を加えて撹拌下、温度を120℃にした。120℃になると同時に上記モノマー混合液243部を3時間で等速滴下し、さらにその温度で1時間反応させて酸価が58、水酸基価が70、数平均分子量が12,000のアクリル樹脂を得た。
これをジメチルエタノールアミンで中和して中和率80%、不揮発分50重量%の水性アクリル樹脂ワニス(IV)を得た。
【0050】
製造例−5(ポリカーボネート樹脂)
撹拌器、温度計に加えて精留塔を装備したガラス反応容器に、ジメチルカーボネート1,000部(11.1モル)、3−メチル−1,5−ペンタンジール650部(5.5モル)、触媒としてテトライソプロピルチタネート1部を加えて混合し、常圧下、100℃で5時間、その後5時間で200℃まで昇温し、反応により精製するメタノールを留去した。メタノールの留出が終了した後、10mmHg以下の減圧下でさらに2時間反応させた。この反応物500部に対してトリメチロールプロパンの2量体99部(0.40モル)を添加し、200℃で4時間さらに反応させて数平均分子量が2350、水酸基価が154のポリカーボネート樹脂(V)を得た。
【0051】
製造例−6〜10(ポリカーボネート樹脂)
製造例5と同様な操作で表1の配合に基づきポリカーボネート樹脂(VI)〜(X)を得た。得られたポリカーボネート樹脂の特性を表2に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
実施例1、参考例1〜5、比較例1〜3
表3に示した配合により、水性中塗り塗料を作成した。ただし、顔料としては、(A)、(B)および(C)成分の固形分合計100部に対してルチル型酸化チタン80部、硫酸バリウム20部およびカーボンブラック0.2部を配合した。
尚、これらの顔料は(A)成分と脱イオン水、消泡剤を加え、予備混合を行った後、ペイントコンディショナーにてガラスビーズ媒体中で40分間分散処理した。
【0055】
【表3】
【0056】
得られた実施例1、参考例1〜5、比較例1〜3の水性中塗り塗料組成物にNACURE5225(アミンブロックした酸触媒、King Industries Inc.製)1部を加えた後、各々を脱イオン水で希釈してその粘度を30秒/#4フォードカップ(25℃)に調整し、予め電着塗装された鋼板上にスプレー塗装にて乾燥膜厚が15〜70μとなるように中塗り塗装して150℃で30分間焼付け、中塗り塗膜の仕上がり肌を評価した。尚、塗装条件は25℃の温度で、70%湿度に調整した。
【0057】
次いでこの中塗り塗膜にメラミンアルキド系上塗り塗料(日本ペイント社製『オルガG25ホワイト』)を同様に35〜45μとなるように塗装し、140℃で30分間焼き付けて上塗り塗膜を得た。この上塗り塗装した鋼板の仕上がり肌および耐水性を評価した。その結果を表4に示す。
【0058】
【表4】
【0059】
ワキ限界膜厚:薄膜部で15μm、厚膜部で70μmに傾斜塗装した塗板でワキの
塗膜欠陥のない最大膜厚でワキ限界膜厚を示した。
タレ限界膜厚:薄膜部で15μm、厚膜部で70μmに傾斜塗装した塗板でタレの
塗膜欠陥のない最大膜厚でタレ限界膜厚を示した。
塗膜平滑性 :以下の基準で目視評価した。
○ --- 平滑性良好
△ --- 平滑性やや劣る(ラウンド有り)
× --- 平滑性不良(肌あれ、オレンジピール)
耐水性 :上塗り塗装した鋼板40℃の温水に240時間浸漬し、次いで
20℃、湿度75%で24時間放置した後、ゴバン目(1×1mm
100個)テープ剥離試験を行い塗膜残存率で評価した。
○ --- 100/100(ハガレなし)
× --- 99/100以下
【0060】
実施例2、参考例6〜10、比較例4〜6
表5に示した配合により水性メタリックベース塗料を作成した。
ただし、顔料としては(A)、(B)および(C)成分の固形分合計100部に対しアルミニウム顔料12部を配合した。尚、アルミ顔料(アルペースト7160N、アルミ金属顔料65%、東洋アルミニウム社製)は前もって(C)成分とイソステアリルアシッドホスフェート(堺化学社製、ホスレックスA−180L)2部を均一混合してアルミニウム顔料溶液として用いた。
【0061】
【表5】
【0062】
クリヤー塗料の調整
反応容器にキシレン90部を仕込み100℃に昇温した後、モノマー混合溶液(メタクリル酸1.2部、スチレン26.4部、メタクリル酸メチル26.4部、アクリル酸n−ブチル36.0部、2−ヒドロキシエチルアクリレート10.0部、アゾビスイソブチロニトリル1.0部)を3時間で等速滴下し、ついでアゾビスイソブチロニトリル0.3部、キシレン10.0部からなる溶液を30分間で滴下した。反応をさらに2時間継続して不揮発分50%、数平均分子量8000のアクリル樹脂溶液を得た。
【0063】
このアクリル樹脂を用いて以下の配合に基づきクリヤー塗料を調整した。
クリヤー塗料配合
アクリル樹脂溶液 100部
ユーバン20SE−60(三井東圧社製) 36部
モダフロー(モンサント社製) 0.5部
【0064】
得られた実施例2、参考例6〜10、比較例4〜6の水性メタリックベース塗料組成物にNACURE5225(アミンブロックした酸触媒、King Industries Inc.製)1部を加えた後、各々を脱イオン水で希釈してその粘度を30秒/#4フォードカップ(25℃)に調整し、予め中塗塗装された鋼板上にスプレー塗装にて乾燥膜厚が15〜50μとなるように塗装して80℃で2分間加熱乾燥させた後、次いでクリヤー塗料を乾燥膜厚が30μになるように塗装した。7分間セッティングしてから140℃で30分間焼付け、塗膜の仕上がり肌、耐水性を評価した。その結果を表6に示す。尚、塗装条件は25℃の温度で、70%湿度に調整した。
【0065】
【表6】
【0066】
ワキ限界膜厚:薄膜部で15μm、厚膜部で50μmに傾斜塗装した塗板でワキの
塗膜欠陥のない最大膜厚でワキ限界膜厚を示した。
タレ限界膜厚:薄膜部で15μm、厚膜部で50μmに傾斜塗装した塗板でタレの
塗膜欠陥のない最大膜厚でタレ限界膜厚を示した。
塗膜平滑性 :以下の基準で目視評価した。
○ --- 平滑性良好
△ --- 平滑性やや劣る(ラウンド有り)
× --- 平滑性不良(肌あれ、オレンジピール)
塗膜の外観 :○ --- 良好(アルミの配向が良く、メタリック・アビアランス・
テスターによって測定したフロップ値が30以上)
△ --- やや劣る(アルミの配向が少し劣り、フロップ値が30未
満で25以上)
× --- 不良(アルミの配向が乱れ、フロップ値が25未満)
耐水性 :上塗り塗装した鋼板40℃の温水に240時間浸漬し、次いで
20℃、湿度75%で24時間放置した後、ゴバン目(1×1mm
100個)テープ剥離試験を行い塗膜残存率で評価した。
○ --- 100/100(ハガレなし)
× --- 99/100以下
【0067】
製造例11(乳化重合粒子)
窒素導入管、撹拌機、冷却器、温度調節機、滴下ロートを備えた500mlの容器に脱イオン水185重量部を仕込み、83℃まで昇温した。滴下ロートからアロニクスM−5300(東亜合成化学社製)20重量部、ジメチルエタノールアミン5.9重量部、スチレン80重量部を混合したものを2時間にわたり滴下した。また、開始剤は4,4'−アゾビス−4−シアノバレリック酸1重量部をジメチルエタノールアミン0.55重量部で中和し、40重量部の脱イオン水に溶解したものを上記単量体混合物と同時滴下した。さらに83℃で1時間撹拌を継続した後、冷却し、乳白色のエマルション(XI)を得た。固形分30%、粒子径100nm(レーザー光散乱法)
【0068】
製造例12(乳化重合粒子)
製造例9において初期仕込みの脱イオン水を197重量部に、単量体混合物に反応性乳化剤RA−1022(日本乳化剤社製)5.6重量部を加える他は全く同様の操作により乳白色のエマルション(XII)を得た。固形分30%、粒子径94
nm(レーザー光散乱法)
【0069】
製造例13(乳化重合粒子)
製造例9と同様の反応装置に、脱イオン水180重量部、スチレン10重量部、メタクリル酸0.7重量部、ジメチルエタノールアミン0.7重量部を仕込み、83℃まで昇温した。ついで、4,4'−アゾビス−4−シアノバレリック酸0.5重量部をジメチルエタノールアミン0.27重量部で中和し、5重量部の脱イオン水に溶解したものを20分間かけて滴下した。さらに、スチレン84.3重量部、メタクリル酸5重量部、ジメチルエタノールアミン5重量部の混合物と、4,4−アゾビス−4−シアノバレリック酸0.5重量部をジメチルエタノールアミン0.27重量部で中和し、40重量部の脱イオン水に溶解したものを2時間かけて滴下した。さらに、1時間撹拌を継続し白色のエマルション(XIII)を得た。固形分30%、粒子径330nm(レーザー光散乱法)
【0070】
製造例14(ポリエステル樹脂)
エチレングリコール9.30部、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール28.80部、トリメチロールプロパン12.91部、イソフタル酸40.55部、ヘキサヒドロ無水フタル酸16.12部を加え、160〜220℃で7時間エステル化反応させた後、さらに無水トリメリット酸13.39部を加えて180℃で1時間反応させて酸価が45、水酸基価70、数平均分子量2500のポリエステル樹脂を得た。
これをジメチルエタノールアミンで中和して中和率80%、不揮発分35重量%の水性ポリステル樹脂ワニス(XIV)を得た。
【0071】
製造例15(架橋粒子)
製造例11において、スチレン80部をスチレン70部とエチレングリコールジメタクリレート10部に変更する他は全く同様の操作により乳白色のエマルジョンを得た。固形分30%、粒子径91mm(レーザー光散乱法)。
【0072】
実施例i、参考例i〜 viii 、比較例i〜v
表−7に示した配合により水性メタリックベース塗料を作成した。
ただし、顔料としては(A),(B),(C)成分および乳化重合粒子(D)を加えた固形分合計100部に対しアルミニウム顔料12部を配合した。尚、アルミ顔料(アルペースト7160N,アルミ金属顔料65%,東洋アルミニウム社製)は前もってミラミン樹脂とイソステアリルアシッドホスフェート(堺化学社製,ホスレックスA−180L)2部を均一混合してアルミニウム顔料溶液として用いた。
【0073】
【表7】
【0074】
【表8】
【0075】
クリヤー塗料 (1) の調整
反応容器にキシレン90部を仕込み100℃に昇温した後、モノマー混合溶液(メタクリル酸1.2部,スチレン26.4部,メタクリル酸メチル26.4部,アクリル酸n−ブチル36.0部,2−ヒドロキシエチルアクリレート10.0部,アゾビスイソブチロニトリル1.0部)を3時間で等速滴下し、ついでアゾビスイソブチロニトリル0.3部,キシレン10.0部からなる溶液を30分間で滴下した。反応をさらに2時間継続して不揮発分50%,数平均分子量8000のアクリル樹脂溶液を得た。
このアクリル樹脂を用いて以下の配合に基づきクリヤー塗料(1)を調整した。
【0076】
【表9】
【0077】
得られた実施例i、参考例i〜 vii、比較例i〜vの水性メタリックベース塗料組成物にNACURE5225(アミンブロックした酸触媒,King Industries Inc.製)1部を加えた後、各々を脱イオン水で希釈してその粘度を30秒/#4フォードカップ(25℃)に調整し、予め中塗塗装された鋼板上にスプレー塗装にて乾燥膜厚が10〜50μとなるように塗装して80℃で2分間加熱乾燥させた後、次いでクリヤー塗料(1)を乾燥膜厚が30μになるように塗装した。7分間セッティングしてから140℃で30分間焼付け、塗膜の仕上がり肌、耐水性を評価した。その結果を表−8に示す。尚、塗装条件は25℃の温度で、70%湿度と85%湿度の2水準で行った。
【0078】
【表10】
【0079】
【表11】
【0080】
実施例A
実施例i、参考例i〜viiで得られた水性メタリック塗料組成物を脱イオン水で希釈してその粘度を30秒/#4フォードカップ(25℃)に調整し、予め中塗塗装された鋼板上にスプレー塗装にて乾燥膜厚が10〜50μとなるように塗装して80℃で2分間加熱乾燥させた後、次いでクリヤー塗料(2)を乾燥膜厚が30μになるように塗装した。7分間セッティングしてから140℃で30分間焼付け、塗膜の仕上がり肌、耐水性を評価した。その結果を表−9に示す。尚、塗装条件は25℃の温度で、70%湿度と85%湿度の2水準で行った。
【0081】
【表12】
【0082】
クリヤー塗料 (2) の調整
(1)ワニスの製造
窒素導入管、撹拌機、冷却器、温度調節機、滴下ロートを備えた2Lの反応容器に酢酸ブチル500重量部を仕込み、125℃に昇温した。滴下ロートにスチレン50重量部、グリシジルメタクリレート400重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート350重量部、2−エチルヘキシルアクリレート200重量部、およびt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエイト70重量部からなる溶液を3時間で滴下した。滴下終了後30分間125℃で保持した後、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエイト10重量部およびキシレン250重量部からなる溶液を30分間で滴下した。滴下終了後さらに2時間125℃にて反応を継続し、不揮発分59%、数平均分子量4000のアクリル樹脂ワニスを得た。
【0083】
(2)無水カルボキシル基含有ポリマーの製造
窒素導入管、撹拌機、冷却器、温度調節機、滴下ロートを備えた1Lの反応容器にキシレン80重量部を仕込み、115℃に昇温し、スチレン25重量部、N−ブチルアクリレート21重量部、N−ブチルメタクリレート95重量部、2−エチルヘキシルメタクリレート34重量部、イタコン酸無水物50重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100重量部、およびt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエイト10重量部からなるモノマー、開始剤溶液を3時間で滴下し、さらに2時間撹拌を継続し、不揮発分53%、数平均分子量5500の無水カルボキシル基含有ポリマーを得た。
【0084】
(3)ハーフエステル化ポリマーの製造
(2)で合成した無水カルボキシル基含有ポリマー385重量部に酢酸ブチル35重量部に溶解したトリエチルアミン1.35重量部、メタノール18.2重量部を加え、40℃で12時間反応させ、IRで酸無水物基の吸収(1785cm−1)が完全に消失したことを確認し、ハーフエステル化ポリマーを得た。
【0085】
(4)クリヤー塗料の製造
ステンレス容器に(1)で製造したワニス100重量部、(3)で製造した無水カルボキシル基含有ポリマー133.0重量部、テトラブチルアンモニウムブロミド0.3重量部、チヌビン−900(チバガイギー製ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤)1.2重量部、サノールLS−292(三井製ヒンダードアミン系光安定剤)0.6重量部を実験用撹拌機で撹拌して、クリヤー塗料を製造した。これを酢酸ブチル/キシレン=1/1からなるシンナーで塗料粘度に希釈した。
【0086】
実施例B
得られた実施例i、参考例i〜 vii、比較例i〜vの水性メタリックベース塗料組成物にNACURE5225(アミンブロックした酸触媒,King Industries Inc.製)1部を加えた後、各々を脱イオン水で希釈してその粘度を30秒/#4フォードカップ(25℃)に調整し、予め中塗塗装それた鋼板上にスプレー塗装にて乾燥膜厚が10〜50μとなるように塗装して80℃で5分間加熱乾燥させた後、次いで粉体クリヤー塗料を乾燥膜厚が80μになるように塗装した。160℃で30分間焼付け、塗膜の仕上がり肌、耐水性を評価した。その結果を表−10に示す。尚、水性メタリックベースの塗装条件は25℃の温度で、70%湿度と85%湿度の2水準で行った。
【0087】
【表13】
【0088】
【表14】
尚、表−10中「平滑性」は粉体クリヤーを用いた場合のみの相対評価でみた。
【0089】
(粉体塗料用樹脂の製造例)
滴下ロート、撹拌翼、温度計を備えたフラスコにキシレン63部を仕込、130℃に加熱した。滴下ロートを用いて、スチレン20部、メチルメタクリレート27部、グリシジルメタクリレート45部、イソブチルメタクリレート8部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート7.5部の溶液を上記フラスコで3時間等速滴下した。滴下終了後30分間保持の後、キシレン7部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.1部を滴下ロートを用いて等速滴下した。滴下終了後、更に130℃で、1時間保持の後、キシレンを、減圧蒸留により除去してアクリル樹脂を得た。
【0090】
上記アクリル樹脂70部、デカンジカルボン酸19.1部、CF−1056 0.11部、ベンゾイン0.89部をヘンシェルミキサー(三井三池製作所製)にて、乾式混合し、ついで、コニーダーPR−46(スイス:ブス社製)にて、100℃の温度で溶解分散し、冷却後、ハンマーミルにて粉砕し、150メッシュの金網で分級して、アクリル粉体クリヤー塗料を得た。
【0091】
アクリル粉体塗料の塗装方法
静電塗装法によった。
【0092】
【発明の効果】
本発明の水性塗料組成物は、(B)成分であるポリカーボネート樹脂を組み合わせることによって、塗装時の不揮発分濃度が高くなり、かつ、スプレー塗装時の霧化が良好となる。またポリカーボネート樹脂はカルボキシル基等の親水基を有していない為に水離れ(塗膜中からの水の放出)が良好で硬化時の水の突沸によるワキ現象が極めて減少し、塗装作業性のワキ性が向上する。加えて、カルボキシル基を持つアクリル樹脂粒子が被膜形成性重合体が持っているアミド基と相互作用することにより粘性が高くなり、高湿度条件下の塗装垂直面でもタレ性が発生しない。さらに、ポリカーボネート樹脂がベース塗膜表面層の粘性を低下させることにより、塗膜の平滑性が向上する。
【0093】
以上の効果発現メカニズムにより、高湿度条件下での塗装作業性(ワキ性,タレ性)に優れ、かつ、塗膜の平滑性に優れた水性塗料組成物である。
Claims (16)
- (A)酸価が10〜100、水酸基価が20〜300、且つ数平均分子量が1,000〜50,000のアクリル樹脂および/またはポリエステル樹脂、(B)末端にヒドロキシル基を有する数平均分子量1,000〜10,000のポリカーボネート樹脂、および(C)メラミン樹脂硬化剤を含有する水性塗料組成物であって、
成分 ( B ) のポリカーボネート樹脂がジアルキルカーボネートあるいはアルキレンカーボネートから選ばれるカーボネートモノマーと、直鎖2価アルコール、分枝鎖2価アルコールおよび3価以上の多価アルコールとの反応によって得られる樹脂であって、分枝鎖2価アルコールが全アルコールの少なくとも10モル%以上であり、かつ10モル%以上が3価以上の多価アルコールからなることを特徴とする水性中塗りまたは上塗りベース塗料組成物。 - 成分(A)のアクリル樹脂がアミド基含有エチレン性モノマー5〜40重量%、酸性基含有エチレン性モノマー3〜15重量%、水酸基含有エチレン性モノマー10〜40重量%および他のエチレン性モノマー残量(重量%は全モノマー重量に基づく)を共重合することにより得られる請求項1記載の水性中塗りまたは上塗りベース塗料組成物。
- 成分(A)のポリエステル樹脂が多価アルコールと多価カルボン酸とを縮合して得られるオイルフリーポリエステル樹脂、あるいは多価アルコールと多価カルボン酸に加えてヤシ油、ヒマシ油、脱水ヒマシ油、アマニ油、トール油、サフラワー油、大豆油またはそれらの脂肪酸を縮合して得られるアルキド樹脂である請求項1または2に記載の水性中塗りまたは上塗りベース塗料組成物。
- 成分 ( A ) が35〜70重量%、成分 ( B ) が5〜50重量%および成分 ( C ) が10〜40重量% ( 重量%は組成物の固形分重量に基づく ) である請求項1〜3のいずれか1つに記載の水性中塗りまたは上塗りベース塗料組成物。
- 組成物が更に ( D ) 粒子径が0.01〜1.0μ m であるアクリル樹脂粒子を含む請求項1〜4のいずれか1つに記載の水性中塗りまたは上塗りベース塗料組成物。
- 該アクリル樹脂粒子が酸価5以上で、カルボキシル基を含む請求項5記載の水性中塗りまたは上塗りベース塗料組成物。
- 該アクリル樹脂粒子が三次元架橋されている請求項5または6記載の水性中塗りまたは上塗りベース塗料組成物。
- 該アクリル樹脂粒子が三次元架橋されていない請求項5または6記載の水性中塗りまたは上塗りベース塗料組成物。
- 成分 ( D ) の配合量が成分 ( A ) 〜 ( C ) の合計固形分100重量部に対し、3〜70重量部である請求項5〜8のいずれか1つに記載の水性中塗りまたは上塗りベース塗料組成物。
- 組成物がさらに金属顔料を水性塗料組成物の100重量部 ( 樹脂固形分 ) に対し、2〜100重量部含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の水性中塗りまたは上塗りベース塗料組成物。
- 請求項1〜10のいずれか1つに記載の水性中塗りまたは上塗りベース塗料組成物を基材上に塗布する塗装方法。
- 金属顔料を配合したベース塗料を塗装した後、これを硬化させずにクリヤー塗料を重ね塗りし、ベース塗料とクリヤー塗料を合わせて硬化させる2コート/1ベーク塗装方法において、ベース塗料として請求項1〜10のいずれか1つに記載の水性中塗りまたは上塗りベース塗料組成物を用いることを特徴とする2コート/1ベークの塗装方法。
- クリヤー塗料がメラミン樹脂を硬化剤とするメラミン硬化系である請求項12記載の塗装方法。
- クリヤー塗料が酸無水物のハーフエステル/水酸基/エポキシ基硬化系である請求項12記載の塗装方法。
- クリヤー塗料が粉体である請求項12記載の塗装方法。
- 請求項11〜15のいずれか1つに記載の塗装方法により得られた塗膜。
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