JP3987733B2 - 線維芽細胞賦活剤及びこれを含む皮膚外用剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、皮膚の老化防止や肌荒れの予防・改善に有効な新規線維芽細胞賦活剤、並びに該線維芽細胞賦活剤を含有する皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
皮膚の老化は、加齢に伴う細胞増殖・分化の不活性化、ホルモン分泌の低下などの内的要因と、日光(紫外線)暴露により誘発される活性酸素に基づく細胞・組織の損傷或いは炎症の発生などの外的要因が複雑に絡み合って生ずる現象である。
それらのうち内的要因に基づく皮膚の老化は、主として真皮の線維芽細胞の増殖能の低下や活性の低下が原因となって、該細胞の産生するコラーゲン、フィブロネクチン、ムコ多糖などの細胞外マトリックス成分の量が減少し、皮膚組織が柔軟性と弾力性を失うことによって生じ、形態的・生理的変化としては、シワ、たるみの発生や肌荒れなどとして現れる。
【0003】
この細胞活性の低下に基づく皮膚の老化を予防或いは改善し、皮膚を若々しくハリのある状態に保持するため、従来より細胞賦活成分として、α−ヒドロキシカルボン酸類、ビタミン類、ホルモン類、胎盤エキスなどを皮膚外用剤中に配合することが提案されているが、いずれも有効性或いは安全性の点で必ずしも十分とは云えない面があり、より有用性の高い細胞賦活成分並びにこれを含む皮膚外用剤が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、上記の如き従来技術の問題点に鑑み、有効性と安全性の両面にすぐれた細胞賦活成分を見出すべく鋭意研究を行った結果、アブラナ科ブラシカ属の植物由来の抽出物が、線維芽細胞に対して強い賦活作用を示し、天然物由来であることに基づく高い安全性と共に、ここに有効性と安全性とを兼ね具えた新たな細胞賦活成分並びに該成分を活性成分として含む皮膚老化防止、肌荒れ予防・改善用の外用剤の提供が可能となること、さらには、該植物抽出物にアスコルビン酸もしくはその誘導体を組み合わせ用いた場合、意外なことにそれらの相乗的作用により細胞賦活効果が顕著に増強され、アスコルビン酸やその誘導体が良好な安全性を有することと相俟って、一段と有用性にすぐれた細胞賦活成分並びに皮膚外用剤が提供されることを知得し、本発明を完成した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
即ち、本発明は第一に、アブラナ科ブラシカ属植物の白芥子(Brassica hirta)の抽出物とアスコルビン酸類の2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸とを、固形分重量比で2:1〜1:100の範囲で含んでなる線維芽細胞賦活剤に関するものである。
本発明は第二に、上記第一の発明の線維芽細胞賦活剤を含有する皮膚外用剤に関するものである。
【0006】
以下、本発明について詳細に説明する。
アブラナ科ブラシカ属の植物としては、例えば白芥子(Brassica hirta)、黄芥子(Brassica juncea)、黒芥子(Brassica nigra)、アブラナ(Brassica ropa)などが挙げられるが、本発明に於いては、それらのうちでも、抽出物の線維芽細胞に対する賦活効果の観点から、白芥子( Brassica hirta )が用いられる。
【0007】
上記アブラナ科ブラシカ属植物の抽出物の調製は、該植物の種子、葉、茎、根、全草など適宜の部分、好ましくは種子を抽出原料として用い、必要に応じてこれを予め水洗、乾燥、細切もしくは粉砕した上、浸漬法、向流抽出法など適宜の手段により抽出溶媒と接触せしめることによって行われる。
【0008】
抽出溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノールなどの低級アルコール類、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノールなどの高級アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;エチルエーテル、イソプロピルエーテルなどのエーテル類;n−ヘキサン、トルエン、クロロホルムなどの炭化水素系溶媒などが挙げられ、それらは単独でもしくは二種以上混合して用いられる。
それら抽出溶媒のうちでも、得られる抽出物の細胞賦活効果の観点、さらには皮膚外用剤への幅広い適用が可能であるという点から、水、低級アルコール類及び多価アルコール類から選ばれた一種又は二種以上の混合溶媒、就中水もしくは水とエチルアルコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコールのいずれかとの混合溶媒を用いることが特に好ましい。
【0009】
混合溶媒を用いる場合の混合比は、例えば水とエチルアルコールとの混合溶媒であれば、容量比(以下同じ)で1:1〜25:1、水とグリセリンとの混合溶媒であれば1:1〜15:1、又水と1,3−ブチレングリコールとの混合溶媒であれば、1:1〜15:1の範囲とすることが好ましい。
【0010】
又、本発明の抽出物の調製に際して、抽出液のpHは5〜9の範囲に保持されることが好ましく、かかる意味で、必要ならば上記の抽出溶媒に、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性調整剤や、クエン酸、塩酸、リン酸、硫酸などの酸性調整剤等を配合し、所望のpHとなるように調整してもよい。
【0011】
抽出温度、時間等の抽出条件は、用いる溶媒の種類、植物の抽出部位・細切度等によっても異なるが、例えば浸漬法の場合であれば、抽出温度は、一般に20〜80℃、好ましくは30〜60℃の範囲であり、又抽出時間は、室温抽出の場合で10分〜1日程度、特に30分〜2時間程度が好適である。
【0012】
ここに得られる抽出物溶液は、一般にはpHを4〜8に調整した上、これをそのままもしくは減圧濃縮等により適宜の濃度として皮膚外用剤に配合してもよく、又場合によっては、スプレードライ法、凍結乾燥法など常法に従って粉末化して配合してもよい。
【0013】
以上の如くして調製される本発明のブラシカ属植物の抽出物は、後に試験例に示す通り、線維芽細胞に対して強い賦活作用を有し、しかも皮膚刺激性が少ないなど生体安全性にすぐれ、線維芽細胞賦活剤として有用なものである。
従って、該抽出物を単独で用いても、皮膚老化防止や肌荒れの予防・改善に有効でかつ安全性の高い皮膚外用剤が提供されるが、本発明者らの研究の結果、このブラシカ属植物の抽出物に、既存の皮膚外用剤配合成分のうちでも安全性の高いグループに属するアスコルビン酸類を組み合わせ用いた場合、かかる組み合わせによってブラシカ属植物抽出物の安全性が損なわれることがないことはもとより、意外なことにそれら組み合わせ成分の相乗的作用によって、線維芽細胞賦活作用が顕著に増強され、これによって、安全性の点で単独系に比して遜色がなく、しかも有効性のより一層改善された線維芽細胞賦活剤並びにこれを含む皮膚外用剤の提供が可能となることが明らかとなった。
【0014】
ここで、ブラシカ属植物抽出物と組み合わせて有効なアスコルビン酸類としては、L−アスコルビン酸;及びL−アスコルビン酸誘導体として、例えばL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルマグネシウムなどのアスコルビン酸エステル塩類;L−アスコルビン酸−2−グルコシド(2−O−α−Dグルコピラノシル−L−アスコルビン酸)、L−アスコルビン酸−5−グルコシド(5−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸)などのアスコルビン酸糖誘導体;アスコルビン酸糖誘導体の6位アシル化物(アシル基は、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基など);L−アスコルビン酸テトライソパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸テトララウリン酸エステルなどのL−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル類等があるが、それらアスコルビン酸類のうちでも、ブラシカ属植物抽出物と併用した時の細胞賦活作用の増強効果の観点から、本発明に於いてはL−アスコルビン酸−2−グルコシドが用いられる。
【0015】
ブラシカ属植物の抽出物とアスコルビン酸類とを組み合わせ線維芽細胞賦活剤として用いる場合、それら両成分の量比は、固形分重量比で2:1〜1:100の範囲とする。
【0016】
ブラシカ属植物抽出物とアスコルビン酸類とを含む本発明の皮膚外用剤は、化粧料、医薬部外品、医薬等のいずれとしても使用可能であり、又適用部位としては頭皮を含む皮膚全般が対象となり、特に制限はない。従って、その剤形としては、例えば乳液、クリーム、ローション、エッセンス、軟膏、パック、ハップ剤、皮膚清浄料(石けん類など)、洗顔料、ヘアートニック、シャンプー、リンス、トリートメント、各種メークアップ化粧料、浴剤など多様なものとすることできる。
【0017】
本発明の皮膚外用剤中に於けるブラシカ属植物抽出物とアスコルビン酸類の配合量は、皮膚外用剤の用途、適用部位等によっても異なるが、前記した両成分の量比の範囲内で、ブラシカ属植物抽出物を固形分で0.001〜0.8重量%、特に0.01〜0.5重量%、又アスコルビン酸類を0.01〜10重量%、特に0.1〜5重量%程度配合するのがよい。
【0018】
本発明の皮膚外用剤には、上記のブラシカ属植物抽出物とアスコルビン酸類のほかに、通常皮膚外用剤に用いられる成分、例えば油性成分、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、防腐・殺菌剤、粉体成分、紫外線吸収剤、抗酸化剤、色素、香料、生理活性成分等を必要に応じて適宜配合することができる。
【0019】
ここで、油性成分としては、例えばオリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、ヤシ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、シアーバター、ティーツリー油、植物由来スクワランなどの植物由来の油脂類;ミンク油、タートル油などの動物由来の油脂類;ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリンなどのロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワランなどの炭化水素類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸などの脂肪酸類;ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、2−エチルヘキシルグリセライド、高級脂肪酸オクチルドデシル(ステアリン酸オクチルドデシル等)などの合成エステル類及び合成トリグリセライド類等が挙げられる。
【0020】
界面活性剤としては,例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、α−スルホン化脂肪酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩などのアニオン界面活性剤;第四級アンモニウム塩、第一級〜第三級脂肪アミン塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N,N−ジアルキルモルフォルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩などのカチオン界面活性剤;N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニオベタイン、N,N,N−トリアルキル−N−アルキレンアンモニオカルボキシベタイン、N−アシルアミドプロピル−N′,N′−ジメチル−N′−β−ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタインなどの両性界面活性剤等を使用することができる。
又、乳化剤乃至乳化助剤として、レシチン及びその誘導体、乳酸菌醗酵米等を配合することもできる。
【0021】
保湿剤としては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等があり、さらにトレハロース等の糖類、乳酸菌醗酵米、ヒアルロン酸及びその誘導体、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、各種アミノ酸及びそれらの誘導体が挙げられる。
【0022】
増粘剤としては、例えばアルギン酸、寒天、カラギーナン、フコイダン等の褐藻、緑藻或いは紅藻由来成分、ペクチン、ローカストビーンガム、アロエ多糖体等の多糖類、キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム等のガム類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸共重合体等の合成高分子類;ヒアルロン酸及びその誘導体、ポリグルタミン酸及びその誘導体等が挙げられる。
【0023】
防腐・殺菌剤としては、例えば尿素;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなどのパラオキシ安息香酸エステル類;フェノキシエタノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、エタノール、ウンデシレン酸、フェノール類、ジャマール(イミダゾデイニールウレア)、1,2−ペンタンジオール等がある。
【0024】
粉体成分としては、例えばセリサイト、酸化チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、無水ケイ酸、雲母、ナイロンパウダー、シルクパウダー、穀類(米、麦、トウモロコシ、キビなど)のパウダー、豆類(大豆、小豆など)のパウダー等がある。
【0025】
紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミル及びその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−ターシャリーブチル−4−メトキシベンゾイルメタン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル等がある。
【0026】
抗酸化剤としては、例えばブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ビタミンE及びその誘導体等がある。
【0027】
生理活性成分としては、例えば美白成分として、コウジ酸及びその誘導体、アルブチン及びその誘導体、エラグ酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、ソウハクヒ抽出物、ユキノシタ抽出物、米糠抽出物、米糠抽出物加水分解物、アナアオサ等の海藻の抽出物、アマモ等の海草の抽出物、リノール酸及びその誘導体もしくは加工物(例えばリポソーム化リノール酸など)、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体等が挙げられる。
又、本発明に於いて、ブラシカ属植物抽出物とアスコルビン酸類とを組み合わせ用いた場合には、ここに用いたアスコルビン酸類が細胞賦活成分としてのほかに美白成分としても有効に機能することは云うまでもない。
【0028】
ここで、上記のコウジ酸誘導体としては、例えばコウジ酸モノブチレート、コウジ酸モノカプレート、コウジ酸モノパルミテート、コウジ酸ジブチレートなどのコウジ酸エステル類、コウジ酸エーテル類、コウジ酸グルコシドなどのコウジ酸糖誘導体等が、レゾルシノール誘導体としては、例えば4−n−ブチルレゾルシノール、4−イソアミルレゾルシノール等が、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体としては、例えば2,5−ジアセトキシ安息香酸、2−アセトキシ−5−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−5−プロピオニルオキシ安息香酸等がある。
【0029】
又、本発明の線維芽細胞賦活剤の有効性を損なわない範囲で、他の皮膚老化防止・肌荒れ改善(美肌化)成分を併用してもよく、かかる成分としては、コラーゲン、ニコチン酸及びその誘導体(ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジルなど)、グリチルリチン酸及びその誘導体(ジカリウム塩など)、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体(ビタミンEニコチネート、ビタミンEリノレートなど)、アラントイン、乳酸、クエン酸、α−ヒドロキシオクタン酸などのα−ヒドロキシ酸類、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、ゲンチアナエキス、甘草エキス、ハトムギエキス、カミツレエキス、ニンジンエキス、アロエエキスなどの生薬抽出エキス、米抽出物加水分解物、米醗酵エキス、ミツイシコンブ抽出物等がある。
【0030】
次に、実施例(白芥子抽出物の調製例)、製造例(線維芽細胞賦活剤の調製例)、処方例(皮膚外用剤の処方例)及び試験例、並びに参考実施例、参考処方例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、以下に於いて、部はすべて重量部を、又%はすべて重量%を意味する。
【0031】
実施例1.
白芥子の種子の粉砕物50gに精製水1000gを混合し、40℃で1時間抽出を行った後ろ過し、淡黄色透明の白芥子抽出物溶液820gを得た(固形分濃度0.96%)。
【0032】
実施例2.
白芥子の種子の粉砕物50gに30%1,3−ブチレングリコール水溶液1000gを混合し、40℃で1時間抽出を行った後ろ過し、淡黄色透明の白芥子抽出物溶液800gを得た(固形分濃度0.94%)。
【0033】
実施例3.
白芥子の種子の粉砕物50gに20%エタノール水溶液1000gを混合し、40℃で1時間抽出を行った後ろ過し、淡黄色透明の白芥子抽出物溶液880gを得た(固形分濃度0.91%)。
【0034】
参考実施例1.
黄芥子の種子の粉砕物50gに精製水1000gを混合し、40℃で1時間抽出を行った後ろ過し、淡黄色透明の黄芥子抽出物溶液850gを得た(固形分濃度0.94%)。
【0035】
参考実施例2.
黒芥子の種子の粉砕物50gに精製水1000gを混合し、40℃で1時間抽出を行った後ろ過し、淡黄色透明の黒芥子抽出物溶液820gを得た(固形分濃度1.01%)。
【0036】
実施例4.
実施例1と同様にして調製した白芥子抽出物溶液500gを凍結乾燥した後粉砕し、微黄色の白芥子抽出物粉末4.7gを得た。
【0037】
製造例1.線維芽細胞賦活剤の調製(1)
実施例1の白芥子抽出物溶液80gにL−アスコルビン酸−2−グルコシド20gを溶解し、白芥子抽出物とL−アスコルビン酸−2−グルコシドを含む混合溶液を得た。
【0038】
製造例2.線維芽細胞賦活剤の調製(2)
実施例1の白芥子抽出物溶液50gに精製水30gを加えて希釈し、これにL−アスコルビン酸−2−グルコシド20gを溶解して白芥子抽出物とL−アスコルビン酸−2−グルコシドを含む混合溶液を得た。
【0039】
試験例1.線維芽細胞賦活作用
ブラシカ属植物抽出物として実施例1で得られた白芥子抽出物溶液を、又アスコルビン酸類としてL−アスコルビン酸−2−グルコシドをそれぞれ用い、ブラシカ属植物抽出物単独の場合及びブラシカ属植物抽出物とアスコルビン酸類を併用した場合について、線維芽細胞賦活作用を調べた。
【0040】
[試験方法]
ヒト真皮由来線維芽細胞NB1RGB[Lot.011201(9)] を、1.0%FCS含有イーグル最少必須培地を入れた96穴マイクロプレートに1×104 個/穴播種し、5.0%CO2の雰囲気下に37℃で1日間プレ培養した後、培地に、実施例1の抽出物溶液を2.5%又は5.0%の濃度となるように添加するか、もしくは実施例1の抽出物溶液とL−アスコルビン酸−2−グルコシドとをそれぞれ2.5%及び0.5mM又は5.0%及び0.5mMの濃度となるように添加し、5.0%CO2の雰囲気下に37℃でさらに3日間培養した。次に培地を除去し、0.03%のMTTを添加して37℃に1時間保持した後、生成したホルマザンを酸性イソプロパノールで抽出し、マイクロプレートリーダー(Model 450、バイオラッド社製)を用いて波長570-630nmでMTT値を測定した。
なお比較のため、L−アスコルビン酸−2−グルコシドを単独で添加した場合及び試料無添加の場合(ブランク)についても、同様の試験を行った。
【0041】
[結果]
結果を図1に示す。なお、図1に於いて、AsGとはL−アスコルビン酸−2−グルコシドを意味する。
図1に示す通り、アブラナ科ブラシカ属植物の白芥子の抽出物(実施例1の抽出物溶液)は線維芽細胞のMTT取り込み活性を亢進し、該細胞を賦活する作用を有する。又、白芥子抽出物にL−アスコルビン酸−2−グルコシドを組み合わせ用いた場合、それら両成分の相乗的作用により、線維芽細胞賦活効果はより増強される。
【0042】
試験例2.皮膚刺激性
[試料]
下記の成分を、各々日局親水ワセリンに5%の濃度となるように練合したものを試料として用いた。
(1)実施例1の抽出物溶液
(2)製造例1の混合溶液
【0043】
[試験方法]
年齢20〜50歳の成人男子5名を被験者とし、各々の上腕部内側をエタノールで拭って皮脂を除去し、該部位に、フィンチャンバーのアルミ板に各試料及び対照として日局親水ワセリンをそれぞれ0.2g宛塗布したものを貼付した。24時間後にフィンチャンバーを除去し、皮膚刺激の程度をつぎに述べる方法並びに基準により判定した。
[判定]
パッチ除去後1時間後、24時間後及び48時間後に、貼付部位の紅斑及び浮腫の状況を、以下の「ドレイズ法による皮膚刺激性判定基準」に基づき目視判定し、被験者5名の平均値を求めた。
(紅斑)
スコア 皮膚の状態
0 : 紅斑なし
1 : 極く軽度の紅斑
2 : 明らかな紅斑
3 : 中程度から強い紅斑
4 : 深紅色の強い紅斑に軽い痂皮形成
(浮腫)
スコア 皮膚の状態
0 : 浮腫なし
1 : 極く軽度の浮腫
2 : 明らかな浮腫(周囲と明らかに区別可能)
3 : 中程度の浮腫(1mm以上の盛り上がり)
4 : 強い浮腫(さらに周囲にも広がり)
【0044】
[結果]
結果を表1に示す。
【表1】
【0045】
表1の結果から明らかな通り、白芥子抽出物或いは該抽出物とL−アスコルビン酸−2−グルコシドからなる線維芽細胞賦活剤は皮膚刺激が殆どなく、安全性に極めてすぐれている。
【0046】
参考処方例1.クリーム
[A成分] 部
流動パラフィン 5.0
ヘキサラン (注1) 4.0
パラフィン 5.0
グリセリルモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 6.0
ブチルパラベン 0.1
(注1)株式会社テクノーブル製 トリオクタン酸グリセリル
[B成分]
実施例1の抽出物溶液 10.0
グリセリン 5.0
メチルパラベン 0.1
モイストン・C (注2) 1.0
精製水 全量が100部となる量
(注2)株式会社テクノーブル製 NMF成分
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合してクリームを得た。
【0047】
参考処方例2.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
メチルパラベン 0.15
エチルパラベン 0.03
[B成分]
実施例1の抽出物溶液 10.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。こ
れを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
【0048】
処方例1.ローション
[成分] 部
製造例1の混合溶液 10.0
エタノール 10.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
メチルパラベン 0.2
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.3
カルボキシビニルポリマー 0.1
香料 適量
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
上記の成分を混合してローションを得た。
【0049】
処方例2.化粧水
[A成分] 部
オリーブ油 1.0
ポリオキシエチレン(5.5)セチルエーテル 0.5
ブチルパラベン 0.1
[B成分]
製造例2の混合溶液 10.0
エタノール 5.0
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。
これを50℃まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して化粧水を得た。
【0050】
処方例3.クリーム
[A成分] 部
流動パラフィン 5.0
ヘキサラン 4.0
パラフィン 5.0
グリセリルモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 6.0
ブチルパラベン 0.1
[B成分]
実施例1の抽出物溶液 10.0
L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
グリセリン 5.0
メチルパラベン 0.1
モイストン・C 1.0
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合してクリームを得た。
【0051】
参考処方例3.クリーム
処方例3のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部に代えてL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム3.0部を用いるほかは処方例3と同様にしてクリームを得た。
【0052】
参考処方例4.クリーム
処方例3のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部に代えてL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム3.0部を用いるほかは処方例3と同様にしてクリームを得た。
【0053】
処方例4.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
メチルパラベン 0.15
エチルパラベン 0.03
[B成分]
実施例2の抽出物溶液 10.0
L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
【0054】
処方例5.ローション
[成分] 部
実施例1の抽出物溶液 10.0
L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
エタノール 10.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
メチルパラベン 0.2
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.3
アルギン酸ナトリウム 0.1
水酸化カリウム 適量
香料 適量
精製水 全量が100部となる量
上記の成分を混合してローションを得た。
【0055】
参考処方例5.リキッドファンデーション
[A成分] 部
ステアリン酸 2.4
モノステアリン酸プロピレングリコール 2.0
セトステアリルアルコール 0.2
液状ラノリン 2.0
流動パラフィン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.5
プロピルパラベン 0.05
[B成分]
実施例2の抽出物溶液 5.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.2
ベントナイト 0.5
プロピレングリコール 4.0
水酸化カリウム 1.1
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
酸化チタン 8.0
タルク 4.0
着色顔料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ加温した後混合攪拌した。これを再加温し、上記のC成分を添加して型に流し込み、室温になるまで攪拌してリキッドファンデーションを得た。
【0056】
処方例6.クリームファンデーション
[A成分] 部
ステアリン酸 5.0
セタノール 2.0
モノステアリン酸グリセリル 3.0
流動パラフィン 5.0
スクワラン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.0
ポリオキシエチレン(20)モノステアリン酸グリセリル 2.0
プロピルパラベン 0.1
[B成分]
実施例1の抽出物溶液 5.0
L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
ソルビトール 3.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
水酸化カリウム 1.5
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
酸化チタン 8.0
タルク 2.0
カオリン 5.0
ベントナイト 1.0
着色顔料 適 量
[D成分]
香料 0.3
C成分を混合し、粉砕機で粉砕した。B成分を混合し、これに粉砕したC成分を加え、コロイドミルで均一分散させた。A成分及び均一分散させたB、C成分をそれぞれ80℃に加温後、B、C成分にA成分を攪拌しながら加え、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。これを50℃まで冷却した後、D成分を加えて攪拌混合し、さらに攪拌しながら30℃以下まで冷却してクリームファンデーションを得た。
【0057】
参考処方例6.ヘアートニック
[A成分] 部
エタノール 60.0
l−メントール 0.5
香料 0.1
メチルパラベン 0.1
[B成分]
グリセリン 2.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
実施例3の抽出物溶液 10.0
精製水 全量が100部となる量
上記のA成分とB成分をそれぞれ常温で溶解した後、A成分にB成分を攪拌しながら加え溶解させてヘアートニックを得た。
【0058】
参考処方例7.ヘアートリートメント
[成分] 部
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 6.0
ポリビニルピロリドン 4.0
グリセリン 1.0
エチルパラベン 0.1
実施例2の抽出物溶液 5.0
精製水 全量が100部となる量
上記の成分を80℃に加温した後混合攪拌してヘアートリートメントを得た。
本品はヘアーパックとしても好適なものであった。
【0059】
参考処方例8.ヘアーシャンプー
[A成分] 部
N−ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 10.0
ポリオキシエチレン(3)アルキルエーテル硫酸ナトリウム 20.0
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 10.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 4.0
メチルパラベン 0.1
[B成分]
クエン酸 0.1
実施例2の抽出物溶液 5.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してヘアーシャンプーを得た。
【0060】
参考処方例9.ヘアーリンス
[A成分] 部
ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油 1.0
塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 1.5
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 2.0
2−エチルヘキサン酸グリセリル 1.0
セタノール 3.2
ステアリルアルコール 1.0
メチルパラベン 0.1
[B成分]
実施例2の抽出物溶液 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してヘアーリンスを得た。
【0061】
参考処方例10.ボディシャンプー
[A成分] 部
N−ラウロイルメチルアラニンナトリウム 25.0
ヤシ油脂肪酸カリウム液(40%) 26.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0
メチルパラベン 0.1
[B成分]
実施例2の抽出物溶液 10.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してボディシャンプーを得た。
【0062】
参考処方例11.石けん
[A成分] 部
硬化ヒマシ油 26.0
ヤシ油 10.0
オリーブ油 4.0
[B成分]
水酸化ナトリウム 6.0
砂糖 10.0
グリセリン 5.0
実施例4の抽出物粉末 0.5
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
エタノール 20.0
香料 適量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加えてケン化した。これを攪拌しながら50℃まで冷却し、C成分を加えた。これを型に流し込み冷却した後、室温下で数日間乾燥させ、充分に乾燥したものを型から取りだして石けんを得た。
【0063】
参考処方例12.乳液
参考処方例2のB成分中、実施例1の抽出物溶液に代えて参考実施例1の抽出物溶液を用いるほかは参考処方例2と同様にして乳液を得た。
【0064】
参考処方例13.乳液
参考処方例2のB成分中、実施例1の抽出物溶液に代えて参考実施例2の抽出物溶液を用いるほかは参考処方例2と同様にして乳液を得た。
【0065】
参考処方例14.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
メチルパラベン 0.15
エチルパラベン 0.03
[B成分]
実施例1の抽出物溶液 10.0
コウジ酸 1.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
【0066】
参考処方例15.乳液
参考処方例14のB成分中、コウジ酸1.0部に代えてアルブチン3.0部を用いるほかは参考処方例14と同様にして乳液を得た。
【0067】
参考処方例16.乳液
参考処方例14のB成分中、コウジ酸1.0部に代えて米抽出物加水分解物(株式会社テクノーブル製、商品名「オリゼノーブル」、固形分濃度1.5%)5.0部を用いるほかは参考処方例14と同様にして乳液を得た。
【0068】
参考処方例17.乳液
参考処方例14のB成分中、コウジ酸1.0部に代えてγ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸1.0部を用いるほかは参考処方例14と同様にして乳液を得た。
【0069】
試験例3.パネル試験
本発明の線維芽細胞賦活剤を含むクリームについて、パネルテストにより皮膚に対する効果を調べた。
[試料]
(1)参考処方例1のクリーム
(2)処方例3のクリーム
(3)参考処方例1のB成分中、実施例1の抽出物溶液に代えて精製水を用いるほかは参考処方例1と同様にして得られたクリーム(対照)
【0070】
[試験方法]
無作為に抽出した年齢18〜50歳の女性40名を被験者として20名ずつ2つのグループに分け、一方のグループに参考処方例1のクリームと対照のクリームを、又他方のグループに処方例3のクリームと対照のクリームを割り振り、それぞれ左右の頬部に、処方例又は対照のクリームを1日2回(朝、晩)、1ヵ月間塗布してもらった後、小ジワに対する改善効果及び肌のはり、艶に対する改善効果を、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0071】
[評価基準]
(小ジワに対する改善効果)
A:殆ど目立たなくなった
B:かなり目立たなくなった
C:わずかに目立たなくなった
D:変わらない
E:かえって増えた
(肌のはり、艶に対する改善効果)
A:明らかに改善された
B:かなり改善された
C:僅かに改善された
D:変わらない
E:かえって悪くなった
【0072】
[結果]
結果を表2に示す。なお、表2のA〜Eの各評価欄の数字は、被験者20名中当該評価を行った被験者の割合(%)を示す。
【0073】
【表2】
【0074】
表2の結果から、アブラナ科ブラシカ属植物抽出物もしくは該抽出物とアスコルビン酸類(L−アスコルビン酸−2−グルコシド)からなる線維芽細胞賦活剤を配合したクリームが、すぐれた皮膚老化防止効果、肌荒れ改善効果を有すること、及びそれら効果は、特にアブラナ科ブラシカ属植物抽出物とアスコルビン酸類(L−アスコルビン酸−2−グルコシド)からなる線維芽細胞賦活剤を配合したクリームに於いてより顕著に認められることが判る。
【発明の効果】
アブラナ科ブラシカ属植物の抽出物は、皮膚線維芽細胞に対して強い賦活作用を示すと共に、天然物由来であるが故に生体安全性にもすぐれており、皮膚の老化防止、肌荒れの予防・改善を目的とする皮膚外用剤用の線維芽細胞賦活剤として用いて有用である。又本発明に従って、アブラナ科ブラシカ属植物の抽出物にアスコルビン酸類を組み合わせることにより、高い生体安全性はそのまま保持され、しかも有効性のより一層改善された線維芽細胞賦活剤が提供される。
従って本発明によれば、さらに、アブラナ科ブラシカ属植物の抽出物にアスコルビン酸類が組み合わされてなる上記線維芽細胞賦活剤が配合され、皮膚の老化防止、肌荒れの予防・改善に有効でかつ安全性の高い皮膚外用剤が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、試験例1の各試料のMTT値を示すグラフである(縦軸:MTT値)。
Claims (2)
- アブラナ科ブラシカ属植物の白芥子(Brassica hirta)の抽出物とアスコルビン酸類の2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸とを、固形分重量比で2:1〜1:100の範囲で含んでなる線維芽細胞賦活剤。
- 請求項1に記載の線維芽細胞賦活剤を含有する皮膚外用剤。
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