JP3982577B2 - エチレンの1,2−ジクロロエタンへのオキシ塩素化用触媒 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、高温の流動床で作動することによって選択性を損なうことなく高い転化率を生じるのことできるエチレンのジクロロエタン(DCE)へのオキシ塩素化用触媒、及び触媒が使用される方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
ジクロロエタンは、塩化ビニル、したがって、最も広範囲に使用されるプラスチック材料の1つであるPVCの製造に重要な中間生成物である。
種々の技術が、オキシ塩素化反応に使用されている。反応器は、固定床型又は流動床型であってもよく、空気及び/又は酸素を酸化剤として使用できる。
流動床方法は、幾つかの利点があるために、固定床方法より好ましい:反応器に対する投資費用が低額で(反応器がスチールでできていないため)、ホットスポットのない(したがって、高度な選択性を有し、老化現象が制限される)温度プロフィルがほぼ等温である。
【0003】
流動床方法は、種々の促進剤、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類元素の塩と混合した、銅塩、好ましくはCuCl2ベースの触媒を使用する。支持体は、アルミナ又は種々の珪酸アルミニウム(アタパルガイト、モンモリロナイト、シリカゲル、粘土など)をベースとする;良好な流動化に適した粒径を有するアルミナが、一般に好ましい。
【0004】
触媒は、以下の性能を生じなければならない:
- 十分な選択性及び高活性(塩酸の高転化率)によってジクロロエタンについて最も高い可能性がある収率を確保する、
- 粘着(融点の低いポリマー形態のCuCl2による粒子の粘着)を避けながら、良好な流動化条件で作用できる;粘着は、HClとエチレンとの比率を低下することで避けられるが、明らかにこれは必然的にジクロロメタンの収率を低下させる;
- 能動素子(active element)及び促進剤の損失を避ける。これは、触媒活性を不利にすることに加えて、流出水処理汚染の問題となる;
- 生産が高い市場の要求に適合できる、高度な順応性を与える;この場合、選択性を損なうことなく、また能動素子及び促進剤の損失を増すことなく、触媒が高温で作用できるようにする必要がある。
【0005】
現在、最も競合している流動床方法は、酸化剤として酸素を用いる方法である:このような条件で、反応は部分的な転化で、したがって非転化エチレンとオキシ塩素化反応の副産物である酸化炭素を再使用して行われる。この技術には、幾つかの重要な利点がある:塩酸の転化が実質的に完了する;エチレンの効率が平均して空気中での処理で得られる効率より高い(なぜなら、エチレンは完全に転化されるからである);空気処理の場合でのように、空気と共に供給される窒素をサイクルから除く必要がないので、大気への非圧縮ガスの放出(ガス抜き)が急激に低下する。
【0006】
この観点は、環境への有毒な塩素化化合物の放出が低いため、環境の影響に特に重要である;排出された産出物は、さらなる高価な処理なしに大気に放出できる。別の利点は、空気処理に関して、系に残るガスに含まれるジクロロエタンを吸収し、除去する区画の排除である。
反応収率に影響を及ぼし得る重要なパラメータは、反応器に入る反応ガス混合物中のHCl/C2H4のモル比である:この比は化学量論的(2)ではないが、空気処理での化学量論値(1.9〜1.96) に近く、酸素処理では、エチレン濃度が再循環ガスとともに反応器に戻るエチレンをも含むので、1.7〜1.9のあいだである。
【0007】
空気処理では、高いHCl/C2H4比で、選択性は一般に高いが、塩酸の転化率と脱流動化の限度がある。
HCl/C2H4モル比の低い酸素処理では、塩酸の転化は促進されるが、残念なことに、酸化炭素への燃焼反応も促進され、これが選択性の損失、ひいてはエチレンの高い消費率をもたらす。
この観点を補償するために、流動床の温度は通常低く維持される(210〜225℃):このようにして、反応の最終収率は98モル% (供給したエチレンのモルに関して生産されるDCEのモル)より高い。系の比生産性は低い。
【0008】
この事実は、現在の技術動向と対照的である:DCEの生産者は、新しい反応器への厄介な投資にたよらずに系の比生産性を増す傾向にある。このため、反応器へ投入する試薬の流速を増し、この結果、試薬(特に塩酸)の転化率を低下させる。これは、処理収率の低下のみならず、非転化塩酸から生じる深刻な腐食問題を必然的に伴う。この問題を克服するために、流動床温度は上げられるが、これは、燃焼反応の増加と、滞留時間の低下で補償されない、望ましくない塩素化副産物の形成を引き起こす。
したがって、この分野では、酸素処理及び空気処理の双方において高温(>230℃)で高度な選択性を供しうるオキシ塩素化触媒を有することが強く求められている。
【0009】
特許文献で公表されている種々の特許は、高温で高い選択性を有する触媒を開示している。
例えば、出願EP-A-582165号(特許文献1)は、種々の促進剤(Mg、K及び希土類元素の塩)からなる銅塩ベースの触媒を開示している。3つの促進剤の相乗作用は、伝えられるところでは、良好な選択性を生じることができる。
最大作動温度は240℃であり;純粋なジクロロエタンに対するエチレンの選択性は94.98モル%であり;燃焼生成物に対する選択性は3.86モル%である。トリアン(1,1,2-トリクロロエタン-エタン、最も重要な塩素化副産物)に対する選択性は、0.71%である。触媒試験は、空気処理条件で行う;酸素処理に関しての情報はない。支持体の含浸法は「湿式」である(つまり、基質の多孔度(porosity)に等しいか、それより小さい用量の溶液を用いることによる乾式含浸法は使用されない)。
【0010】
米国特許第5,227,548号(特許文献2)は、CO及びCO2へのエチレンの燃焼低下に関し相乗作用を有する塩化第二銅及びMgならびにKの塩化物からなる触媒を開示している。実施例で使用した製造方法は、湿式含浸である;Mg/Cu比が0.3の触媒が使用されている。
米国特許第5,527,734号(特許文献3)は、ガンマアルミナで担持された塩化第二銅及びMgならびにCsの塩化物からなる触媒を開示している。Mg/Cuの原子数比は少なくとも0.3で、2.6に達することができるが、好ましくは1.5を越えず、より好ましくは1である。
MgとCsの塩化物の組合わせ使用は、流動床の冷却に用いる管表面の汚染を避ける必要がある。
【0011】
触媒のCu含量は、好ましくは5〜6重量%である。この含量は高い:それは、粘着及び望ましくない反応(1,1,2-トリクロロエタンの燃焼及び豊富な形成)を促進し;触媒は、乾式含浸法で、但し酸性溶液(例えば塩酸又は他の酸)を用いないで製造される。
米国特許第4,587,230号(特許文献4)は、Mg/Cu比0.2〜1.1の塩化第二銅とMg塩化物からなる触媒を開示している。Cu原子は、触媒表面よりも触媒粒子内に配置される(X/Y比(X = 触媒におけるAl/Cu及びY = 表面におけるAl/Cu)は、少なくとも1.4である)。
【0012】
製造は、乾式含浸により、1当量/Cuの原子-グラム量の塩酸又は他の酸に対するCu及びMg塩の酸性溶液を用いて、又は市販のタイプのCuを含む触媒をMg塩化物の酸性溶液で処理して行われる。
Mg/Cu比は、好ましくは0.5〜0.8:1である。
触媒は、230℃の温度までDCEに対し良好な選択性を有する。
【0013】
【特許文献1】
EP-A-582165号
【特許文献2】
米国特許第5,227,548号
【特許文献3】
米国特許第5,527,734号
【特許文献4】
米国特許第4,587,230号
【0014】
【課題を解決するための手段】
ここで意外なことに、公知の触媒よりも良い性能(特に高温での選択性)を供しうる、1,2-ジクロロエタン(DCE)へのエチレンの流動床オキシ塩素化用触媒が得られることが見出された。
【0015】
【発明の実施の形態】
この発明による触媒は、Cuとして示される量で2〜8重量%の銅化合物、好ましくは塩化第二銅、及びアルミナに担持されたマグネシウム化合物、好ましくは塩化物からなり、
- Mg/Cuの原子数比が1.2に等しいか、又はそれより大きく、好ましくは1.3〜2.5であり;
- 銅原子の分布が、表面(20〜30Åの層)よりも触媒粒子内で多く、マグネシウム原子の分布が、粒子内より表面(20〜30Åの層)で多く;
- 触媒の比表面積が、30〜130m2/g、好ましくは70〜100m2/gであること
によって特徴付けられる。
【0016】
さらに、ナトリウム化合物(Naとして示す)から生じる不純物を50ppm未満、好ましくは10ppm未満で含むガンマアルミナの使用は、より安定で(砕けにくく)、高い磨耗耐性を有し、サイクロン集塵器によって失われ、及び/又は床冷却管に沈着し、この結果、熱交換、ひいては反応制御を妨げる細粒子を反応中に生じない触媒を供することが分かった。
上記のとおり、触媒は、触媒のDCE選択性を損なうことなく、極めて高温、好ましくは235℃より高温、特に240〜265℃で作用することができる。通常使用されるよりも高温で供され得る熱交換が大きいことによって、系の生産性を著しく増すことができる。等しい生産性のため、使用される冷却管の表面は小さく、したがって、反応器も小さい。しかし、DCE選択性を損なうことなく高温で得られる触媒の活性が高いため、触媒を少量で使用することができる。
【0017】
さらに、触媒は、
- 高いCl/Cモル比で作用させることによっても、粘着性、及び工業的な使用における活性成分と促進剤の損失を回避でき;
- サイクロン集塵器による細粒子及び操作中の銅化合物の損失を減らすことができ;
- 反応器を変えずに試薬の全体的な流速を増すことでジクロロエタンの生産を増すことができる。
触媒は、乾式含浸法、つまり基質の多孔度に等しいか、それより小さい用量の溶液を用いることによって製造される。
塩酸及び/又は他の強酸のための酸性溶液は、好ましくはCuの原子グラム当たり1〜2当量に等しい量で使用される。
【0018】
溶液は、回転させて維持される容器に入れたアルミナに噴霧するか、又は流動床で作用させて噴霧する。
含浸後、触媒を、例えば一晩130℃で乾燥させる。
使用される塩は好ましくは塩化物であるが、可溶性である限り、硝酸塩及び炭酸塩のような他の塩も使用することができる。
銅とマグネシウムの分布測定は、XPS(X線光電子放出分光計)法で行われる。この方法は、CuとMgの原子の表面濃度(20〜30Åの層)、つまりAl/Cl及びAl/Mgの表面比率を測定する。
この方法のさらなる情報のため、米国特許第4,587,230号及び第4,871,707号が参照される。
【0019】
特に、この発明の触媒では、表面におけるX = Al/Cu及び触媒内のY = Al/Cuの比は、X/Yが1.2より大きく、(Mg/Cuの原子数比2について)2.7に達することができるようなものである;表面におけるAl/Mg = Z及び触媒内のV = Al/Mgの比は、V/Zが1.5〜3のあいだであるようなものである。特に、約4重量%のCu含量及び2.1〜2.3重量%のMg含量及び1.3〜1.4のMg/Cu比について、X/Y比は1.4〜1.6である。
触媒のCuとして示される銅化合物の含量は、好ましくは4〜5重量%である。
【0020】
支持体として使用されるアルミナは、80〜200m2/gの表面積を有し、触媒が60〜110m2/gの面積を有するように選択される。孔の体積は、0.4〜0.5g/mlである;粒径分布は、好ましくは、触媒において40ミクロンの画分が50〜80重量%で、20ミクロンの画分を実質的に排除するようなものである。
以下に、この発明の範囲の非限定的な例示のために実施例を示す。
【0021】
触媒製造法の説明
特異的な特徴、例えば表に記載するような表面積(80〜200m2/g)、孔体積(0.4〜0.5ml/g)、純度(Na<2ppm、Fe<15ppm)及び粒径分布を有するガンマアルミナを用いて、種々の触媒を製造する。このアルミナを計量し、次いで、孔体積の約90%に相当する、銅塩と促進剤を含む用量の溶液で含浸させる。使用した塩は、一般に銅塩(CuCl2 *2H2O)及び塩化マグネシウム(MgCl2 *6H2O)である。アルミナ100gに対して2.5g量(HCl 37重量%)のHClを、溶液に加える。
塩を蒸留水に溶解し、穏やかに加熱しながら溶解を促進して、塩の溶液を調製する;次いで、ローラーで回転させた円筒形のジャー(容積10l、ガラス又は石英製)に置いたアルミナに溶液を噴霧する。完全な均一化を容易にするために、操作をゆっくり行う。
【0022】
含浸後、一晩130℃で触媒を乾燥させ、次に反応器に充填する。
使用した塩は一般に塩化物であるが、溶解性である限り、硝酸塩、炭酸塩などような他の塩を使用することができる。
含浸は、円筒状容器又は流動床でも行うことができる。
こうして製造した触媒を、化学的及び物理的に特徴付けた;その特徴を表1に示す。さらに、XPS法での測定を行い、銅とマグネシウムの分布を確認した。
【0023】
触媒試験に用いた装置の説明
種々の触媒の性能測定に用いた装置は、ガラス反応器、試薬の供給及び添加制御系、縮合生成物(DCE、HCl含有H2O、塩素化副産物)の縮合及び回収用冷却系で構成される。非縮合生成物(N2、O2、CO、CO2、Ar)を測定し、ガスクロマトグラフィーで分析し、大気中に放出する。試験中(1時間持続する)、縮合生成物を二相、水相と有機相に回収する。二相を分離し、計量する:非転化塩酸を、酸滴定により水相中で測定し、有機相をガスクロマトグラフィーで分析し、DCEの純度を測定して、(特に1,1,2-トリクロロエタンに関して)形成される塩素化副産物の量を確認する。上記のように、非縮合ガスを測定し、ガスクロマトグラフィーで分析し、C2H4、CO2、CO、O2及びN2を測定する。こうして、完全なバランスを得て、触媒の性能、例えば塩酸とエチレンの転化率、エチレンと塩酸のDCEに対する選択性及びDCEの純度を測定することができる。
【0024】
反応器の寸法は、内径37mm、高さ300cmである。
試験は、9〜11cm/sの線状速度で圧力下(4ata)かつ220〜265℃の作動温度で行った。酸化剤として空気を用いる試験は、Cl/Cモル比0.97〜0.99及び0.88〜0.92のO2(リサイクルで処理)で行った。
パイロット反応器は、工業上の反応器に外挿できる性能を生じることができる。
【0025】
【実施例】
実施例1
Cu含量4.15%及びMg含量2.12%の触媒を、上記の方法にしたがって製造する。Mg/Cu比は、1.336である。
使用した支持体(比較例の触媒全てに同一)は、以下の特性を有する:
- 表面積:180m2/g;
- 孔体積:0.45ml/g;
- 63〜40μmの粒子画分:40重量%
- 40μmより小さい粒子画分:32%。
【0026】
触媒の特徴を、実施例2及び3ならびに比較例1及び2の触媒に関連するデータも挙げた表1に要約する。また、表は、XPSで測定したCu及びMgの原子の分布に関連する値を報告しており、Mg/Cu比が増すので、表面上よりむしろ粒子内(いずれにせよ、粒子内で優先的に分布される)の銅の分布は都合が悪いこと、及びCuとは異なって、マグネシウムが表面上で優先的に分布されていることを示している。
全ての触媒を、以下の条件でパイロットプラントで試験する:
- Cl/C = 0.89〜0.9
- O2/C2 = 0.53〜0.56
- 圧力= 4 ata
- 接触時間 = 15〜20 s
- 線状速度 = 10 cm/s
【0027】
反応条件は、酸素処理にはよくある:有意に比較するため、種々の触媒での試験中、条件を可能な限り一定に維持する。
3つの温度(235、245及び255℃)で行った種々の試験結果を、表2に示す。Mg/Cu比の増加における実際的な作用は、明らかである:燃焼反応及び塩素化副産物の形成の低下により、塩酸の転化率は増し、DCEの選択性は改善する:こうして、選択性を損なうことなく、高温で作用させることができる。
さらなる改善は、実施例2及び3の触媒を用いて達成された。
1. 実施例2の触媒は、表面積が83m2/gに低下したことを相違点として、実施例1及び比較例1及び2の触媒と同じ支持体を用いて製造した。
2. 実施例3の触媒は、40μmより小さい画分が59重量%の、粒径が異なる支持体を用いて製造した。
表2にも示す結果は、2つの変化が、さらに性能を改善したことを示している。
【0028】
比較例1及び2
実施例1でのように、触媒を製造し、試験する。唯一の相違点は、Mg/Cu比が比較例1では0.676で、比較例2では0.988であることである(化学特性、物理特性及び粒径特性については表1及び触媒試験の結果については表2参照)。
実施例2及び3
実施例1でのように、触媒を製造し、試験する;唯一の相違点は、Mg/Cu比が実施例2では1.402で、実施例3では1.391であること、40ミクロンより小さい粒子画分が、実施例3の触媒では59重量%であること、及び2つの触媒の表面積がそれぞれ83及び98.7m2/gであることである(2つの支持体での表面積は150m2/gであった)。
【0029】
実施例3の触媒を、実施例1の触媒とも比較した。試験は、Cl/Cモル比0.97〜0.99で作用させて空気処理条件で行った。試験結果から、40ミクロンより小さい画分の実際的な作用が確認される。触媒の液-力学的挙動は、十分なことが分かった:粘着性は認められなかった。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、酸素処理及び空気処理の双方において、高温で高度な選択性を供しうるオキシ塩素化触媒を得ることができる。
Claims (8)
- アルミナに担持されたCu及びMgの化合物からなり、Cuとして示される銅含量2〜8重量%を有し、Mg/Cu原子数比が1.2〜2.5であり、表面(厚み20〜30Åの層)上より触媒粒子内で銅原子の分布が多く、粒子内より表面(20〜30Åの層)上でマグネシウム原子の分布が多く、触媒の比表面積が30〜130m2/gであることを特徴とする、エチレンの1,2-ジクロロエタンへのオキシ塩素化用触媒。
- Mg/Cu比が1.3〜2であり、銅原子の分布が、X/Y比が1.2〜2.7(Xは表面のAl/Cu比であり、Yは触媒粒子内のAl/Cu比)であるような分布であり、かつマグネシウム原子の分布が、V/Z比が1.5〜3(Vは触媒粒子内のAl/Mg比、Zは表面におけるAl/Mg比)であるような分布であることを特徴とする、請求項1による触媒。
- 触媒の比表面積が、70〜100m2/gであることを特徴とする請求項1又は2による触媒。
- 触媒の粒径分布が、40ミクロンより小さい画分が50〜80重量%であり、20ミクロンより小さい画分が実際には存在しないような分布であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つによる触媒。
- 銅化合物が塩化第二銅であり、マグネシウム化合物が塩化マグネシウムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つによる触媒。
- 支持体が、不純物含量(Naとして示される)が10ppmより少ないような純度のガンマアルミナであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つによる触媒。
- オキシ塩素化が、請求項1〜6のいずれか1つに定義される触媒の存在下で行なわれることを特徴とし、酸化剤として空気及び/又は酸素を用い、空気を用いる際に、反応器に入る反応ガスの混合物中、1.9〜19.6、また酸素を用いる際に、1.7〜1.9のHCl/C2H4モル比を用い、235〜265℃の反応温度で作用させることによる、エチレンの流動床オキシ塩素化によるジクロロエタンの製造方法。
- アルミナが、アルミナの多孔度に等しいか、又はそれより小さい用量の溶液を用いて、塩酸又は他の強酸による酸であるCu及びMgの塩の水溶液で含浸されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1つに定義される触媒の製造方法。
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