JP3934069B2 - 現像装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、現像剤の色が異なる2つ以上の二成分現像方式の現像器を具備する現像装置、及びその現像装置を備えた複写機、ファクシミリ、プリンタ、プロッタ等の電子写真法を利用した画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法を利用した画像形成装置においては、感光体等の像担持体上に原稿画像や画像情報に応じた露光を行って静電潜像を形成し、この像担持体上の静電潜像を現像手段のトナーにより現像して顕像化した後、そのトナー像を転写紙等の転写材上に転写し、定着して画像を形成する。この場合における現像方法としては、現在、現像剤としてトナーと磁性キャリアとからなる二成分系現像剤を用いる二成分系現像方式や、キャリアを用いない一成分系現像剤を用いる一成分系現像方式等が知られているが、より高画質や高速が求められる場合には、二成分系現像方式が好適に用いられている。そして、二成分系現像方式では、トナーと磁性キャリアとからなる二成分系現像剤が、現像剤担持体上で現像磁気ブラシと呼ばれる穂立ちを形成するが、この現像磁気ブラシが、現像工程において潜像担持体に接触する、所謂、接触現像と、接触しないまま現像が行なわれる、所謂、非接触現像が知られている。通常、高画質や高濃度が求められる場合には、前者の接触現像が用いられることが多い。
【0003】
カラー画像を形成する画像形成装置では、通常2色以上のトナーが使用されるが、このときカラー画像を形成するには、感光体等の像担持体上に現像したトナーを、一旦、中間転写体(中間転写ドラムもしくは中間転写ベルト)に転写し、そこに全ての色を重ね合わせて転写した後、転写紙に一括して転写するというように、2回の転写工程を行う中間転写方式が主流となっている。
この中間転写方式は、2色以上のトナー像を中間転写体に重ね合わせる際、各画像の位置を合わせるのに非常に効果的な方法だが、2色目以降のトナーを重ねる際に、すでに転写されている1色目のトナーの帯電量と、2色目のトナーの帯電量が異なると、2色目のトナーが上手く転写されずに散ってしまう現象(転写チリの発生)が生じる。
これは、1色目のトナーが中間転写体上に保持されているために、現像バイアスがかけられることでトナーの帯電量が上がるため、2色目のトナーの帯電量より高くなってしまうからである。
特に、3色、4色と重ね合わせる時には、この転写チリ現象は発生しやすくなり、画像自体も粒状性が悪くなりザラザラとした画像となるという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、現像剤の色が異なる2つ以上の二成分現像方式の現像器を具備する現像装置を用い、2色以上のトナーによるカラー画像を形成する画像形成装置において、転写チリ現象の発生の防止と、画像の粒状性(ザラツキ)の改善を図ることを課題とし、その課題を解決することができる構成の現像装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、像担持体上の潜像を現像して顕像化する現像装置であり、現像剤の色が異なる2つ以上の二成分現像方式の現像器を具備する現像装置において、以下のような特徴を有するものである。
すなわち、第1の構成の現像装置では、各現像器は、トナーとキャリアからなる二成分現像剤を担持・搬送する現像剤担持体と、該現像剤担持体で担持・搬送する二成分現像剤の搬送量や層厚を規制するドクターブレードを有し、各現像器中のトナーの帯電量Qが、作像順毎に、
Q1<Q2<Q3<・・・<Qm
と高くなる構成を持つことを特徴としている。
【0006】
第2の構成の現像装置では、各現像器は、トナーとキャリアからなる二成分現像剤を担持・搬送する現像剤担持体と、該現像剤担持体で担持・搬送する二成分現像剤の搬送量や層厚を規制するドクターブレードを有し、各現像器中のトナーの帯電特性TAが、作像順毎に、
TA1<TA2<TA3<・・・<TAm
と高くなる構成を持つことを特徴としている。
【0007】
第3の構成の現像装置では、各現像器は、トナーとキャリアからなる二成分現像剤を担持・搬送する現像剤担持体と、該現像剤担持体で担持・搬送する二成分現像剤の搬送量や層厚を規制するドクターブレードを有し、二成分現像剤のトナーとキャリアがドクターブレードを通過する時に摩擦することで帯電が発生する機構を具備するとき、各現像器のドクターブレードの肉厚dが、作像順で、
d1<d2<d3<・・・<dm
と厚くなる構成を持つことを特徴としている(請求項1)。
【0008】
第4の構成の現像装置では、各現像器は、トナーとキャリアからなる二成分現像剤を担持・搬送する現像剤担持体と、該現像剤担持体で担持・搬送する二成分現像剤の搬送量や層厚を規制するドクターブレードを有し、各現像器がドクターブレードとして、磁性のドクターブレード、もしくは非磁性のドクターブレードに磁性板を重ねた機構を具備する時、各現像器のドクターブレードもしくは磁性板の磁力Gが、作像順毎に、
G1<G2<G3<・・・<Gm
と大きくなる構成を持つことを特徴としている(請求項2)。
【0009】
第5の構成の現像装置では、第1〜4のいずれか一つの構成の現像装置において、前記ドクターブレードと現像剤担持体との間を、奥行き1cm当たり0.15[g/sec]以上、0.40[g/sec]以下の現像剤が通過することを特徴としている。
また、第6の構成の現像装置では、第5の構成の現像装置において、現像剤中のキャリアが体積平均粒径40ミクロン(μm)以下の小粒径キャリアであることを特徴としている。
【0010】
さらに、上記目的を達成するため、本発明は、像担持体と、該像担持体に潜像を形成する手段と、前記像担持体上の潜像を現像して顕像化する現像手段を備え、前記現像手段として、現像剤の色が異なる2つ以上の二成分現像方式の現像器を具備する現像装置を備えた画像形成装置において、以下のような特徴を有するものである。
すなわち、第1の構成の画像形成装置では、前記現像装置の各現像器は、トナーとキャリアからなる二成分現像剤を担持・搬送する現像剤担持体と、該現像剤担持体で担持・搬送する二成分現像剤の搬送量や層厚を規制するドクターブレードを有し、前記現像装置の各現像器中のトナーの帯電量Qが、作像順毎に、
Q1<Q2<Q3<・・・<Qm
と高くなる構成を持つことを特徴としている。
【0011】
第2の構成の画像形成装置では、前記現像装置の各現像器は、トナーとキャリアからなる二成分現像剤を担持・搬送する現像剤担持体と、該現像剤担持体で担持・搬送する二成分現像剤の搬送量や層厚を規制するドクターブレードを有し、前記現像装置の各現像器中のトナーの帯電特性TAが、作像順毎に、
TA1<TA2<TA3<・・・<TAm
と高くなる構成を持つことを特徴としている。
【0012】
第3の構成の画像形成装置では、前記現像装置の各現像器は、トナーとキャリアからなる二成分現像剤を担持・搬送する現像剤担持体と、該現像剤担持体で担持・搬送する二成分現像剤の搬送量や層厚を規制するドクターブレードを有し、二成分現像剤のトナーとキャリアがドクターブレードを通過する時に摩擦することで帯電が発生する機構を具備するとき、各現像器のドクターブレードの肉厚dが、作像順で、
d1<d2<d3<・・・<dm
と厚くなる構成を持つことを特徴としている(請求項3)。
【0013】
第4の構成の画像形成装置では、前記現像装置の各現像器は、トナーとキャリアからなる二成分現像剤を担持・搬送する現像剤担持体と、該現像剤担持体で担持・搬送する二成分現像剤の搬送量や層厚を規制するドクターブレードを有し、各現像器がドクターブレードとして、磁性のドクターブレード、もしくは非磁性のドクターブレードに磁性板を重ねた機構を具備する時、各現像器のドクターブレードもしくは磁性板の磁力Gが、作像順毎に、
G1<G2<G3<・・・<Gm
と大きくなる構成を持つことを特徴としている(請求項4)。
【0014】
第5の構成の画像形成装置では、第1〜4のいずれか一つの構成の画像形成装置において、前記像担持体上に順次形成される2色以上のトナー像を重ね合わせて転写する中間転写装置を具備することを特徴としている。
また、第6の構成の画像形成装置では、第1〜5のいずれか一つの構成の画像形成装置において、前記ドクターブレードと現像剤担持体との間を、奥行き1cm当たり0.15[g/sec]以上、0.40[g/sec]以下の現像剤が通過することを特徴としている。
さらに、第7の構成の画像形成装置では、第6の構成の画像形成装置において、現像剤中のキャリアが体積平均粒径40ミクロン(μm)以下の小粒径キャリアであることを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る現像装置及び画像形成装置の構成、動作及び作用を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態を示す画像形成装置の概略構成図、図2は図1に示す画像形成装置の画像形成部の詳細を示す概略要部構成図、図3は図1に示す画像形成装置の現像装置の詳細を示す概略構成図である。
【0016】
ここでは、本発明を画像形成装置である電子写真式カラー複写機(以下、カラー複写機と言う)に適用した実施の形態について説明する。まず、図1を用いて、本実施形態に係るカラー複写機の概略構成及び動作について説明する。
このカラー複写機は、カラー画像読取装置(以下、カラースキャナという)1、カラー画像記録装置(以下、カラープリンタという)2、給紙バンク3等で構成されている。
【0017】
上記カラースキャナ1は、原稿自動給紙装置(ADF)130によりコンタクトガラス121上に自動給紙されるか、あるいは、手差しによりコンタクトガラス121上に載置された原稿(図示せず)の画像を照明ランプ122、ミラー群123a,123b,123c、及びレンズ124を介してカラーセンサ125に結像して、原稿のカラー画像情報を、例えばRed,Green,Blue(以下、それぞれR,G,Bという)の色分解光毎に読み取り、電気的な画像信号に変換する。ここで、カラーセンサ125は、本例ではR,G,Bの色分解手段とCCDのような光電変換素子で構成され、原稿の画像を色分解したR,G,Bの3色のカラー画像を同時に読み取っている。そして、このカラースキャナ1で得たR,G,Bの色分解画像信号強度レベルをもとにして、図示しない画像処理部で色変換処理を行い、Black(以下、Bkという),Cyan(以下、Cという),Magenta(以下、Mという),Yellow(以下、Yという)のカラー画像データを生成する。
【0018】
上記Bk,C,M,Yのカラー画像データを得るためのカラースキャナ1の動作は次の通りである。後述のカラープリンタ2の動作とタイミングを取ったスキャナスタート信号を受けて、照明ランプ122及びミラー群123a,123b,123c等からなる光学系が図中の矢印の方向(左方向)へ原稿を走査し、1回の走査毎に1色のカラー画像データを得る。この動作を合計4回繰り返すことによって、順次4色のカラー画像データを得る。そして、その都度カラープリンタ2で順次顕像化しつつ、これを重ね合わせて最終的な4色フルカラー画像を形成する。
【0019】
上記カラープリンタ2は、像担持体としての感光体ドラム200、書き込み光学ユニット220、現像剤の色が異なる4つの二成分現像方式の現像器231K,231C,231M,231Yを具備する現像装置(ここでは回転型のカラー現像装置であるリボルバー現像ユニット)230、中間転写ユニット500、2次転写ユニット600、定着装置270等で構成されている。
上記感光体ドラム200は図中に矢印で示すように反時計方向に回転し、その周りには、感光体クリーニング装置201、除電ランプ202、帯電器203、電位センサ204、リボルバー現像ユニット230の選択された現像器、現像濃度パターン検知器205、中間転写ユニット500、2次転写ユニット600などが配置されている。
【0020】
また、上記書き込み光学ユニット220は、カラースキャナ1からのカラー画像データを光信号に変換して、原稿の画像に対応した光書き込みを行い、感光体ドラム200に静電潜像を形成する。この書き込み光学ユニット220は、光源としての半導体レーザー221、図示しないレーザー発光駆動制御部、ポリゴンミラー222とその回転用モータ223、f/θレンズ等の走査結像用レンズ224,225、反射ミラー226などで構成されている。
【0021】
上記リボルバー現像ユニット230は、現像剤中のトナーの色が異なる4つの二成分現像方式の現像器(Bk現像器231K、C現像器231C、M現像器231M、Y現像器231Y)と、各現像器を図中の矢印で示す反時計方向に回転させるリボルバー回転駆動部などで構成されている。
図3に示すように、各現像器231K,231C,231M,231Yは同じ構成であり、静電潜像を現像するために現像剤の穂(現像磁気ブラシ)を感光体ドラム200の表面に接触させて回転する現像剤担持体である現像ローラ232と、現像ローラ232で担持・搬送する二成分現像剤の搬送量や層厚を規制するドクターブレード233と、現像剤を撹拌・搬送するために回転する搬送スクリュ234,235と、図示しないトナー容器からトナーを補給するためのトナー補給スクリュ236と、現像器内の二成分現像剤のトナー濃度を検知する濃度センサ237などで構成されている。
【0022】
ここで、現像ローラ232は、現像剤を担持・搬送する円筒状の現像スリーブ232aと、その現像スリーブ内に固定配置され、現像剤を現像スリーブ上に引きつけ且つ磁気ブラシを形成するための磁界を発生する磁界発生手段232b(複数の磁石、あるいは、複数の磁極が着磁されたマグネットローラ等)とから構成されている。
図4、図5は各現像器231の現像ローラ232の磁界発生手段232bの磁極配置の例を示す図である。図4は現像位置で磁気ブラシを形成する主磁極をP1a極,P1b極,P1c極の3つの磁極で構成したスリック現像の例であり、この場合の磁界発生手段232bによる磁界分布は図6(a)のようなる。また、主磁極を構成するP1a極,P1b極,P1c極の3つの磁極の極間角度を狭めた場合の磁界分布は図6(b)のようになる。図5は現像位置で磁気ブラシを形成する主磁極をP1極の1つの磁極で構成した例であり、この場合の磁界発生手段232bの磁界分布は図6(c)のようなる。
【0023】
リボルバー現像ユニット230の回転駆動部は、例えば図7に示すように、回転軸240に支持されたリボルバーステー241と、そのリボルバーステー241に固定され各現像器を支持するリボルバー支持部材242と、リボルバーステー241に固定されたリボルバーギヤ243と、リボルバーモータ244と、リボルバーモータ244の回転軸に固定されたリボルバーモータギヤ245と、リボルバー側板246等で構成され、リボルバーモータ244により、リボルバーモータギヤ245とリボルバーギヤ243を介してリボルバーステー241を回転し、各現像器231K,231C,231M,231Yを回転させる。
【0024】
リボルバー現像ユニット230の各現像器231K,231C,231M,231Y内の二成分現像剤中のトナーはフェライトキャリアとの撹拌によって負極性に帯電され、さらに現像スリーブ232aにより担持・搬送されてドクターブレード233を通過する際にドクターブレード233により摩擦帯電され、帯電が促進される。また、各現像スリーブ232aには図示しない現像バイアス電源によって負の直流電圧Vdcに交番電圧Vacが重畳された現像バイアスが印加され、現像スリーブが感光体ドラム200の金属基体層に対して所定電位にバイアスされている。
【0025】
複写機本体の待機状態では、リボルバー現像ユニット230はBk現像器231Kが現像位置の45度手前にセットされており、コピー動作が開始されると、カラースキャナ1で所定のタイミングからBkカラー画像データの読み取りを開始し、このカラー画像データに基づきレーザー光による光書き込み、静電潜像形成が始まる。以下、Bk画像データによる静電潜像をBk潜像という。また、C,M,Yについても同様である。このBk静電潜像の先端部から現像可能とすべくBk現像位置に静電潜像の先端部が到達する前に、 Bk現像器231Kを現像位置に移動し、Bk現像ローラ(現像スリーブ)を回転開始して、Bk静電潜像をBkトナーで現像する。そして、以後Bk静電潜像領域の現像動作を続けるが、静電潜像後端部がBk現像位置を通過した時点で、速やかに次の色の現像器が現像位置にくるまで、前記回転駆動部によりリボルバー現像ユニット230が回転される。これは少なくとも、次の画像データによる静電潜像先端部が到達する前に完了させる。
【0026】
中間転写ユニット500は、後述する複数のローラに張架された中間転写体である中間転写ベルト501などで構成されている。この中間転写ベルト501の周りには、2次転写ユニット600の転写材担持体である2次転写ベルト601、2次転写電荷付与手段である2次転写バイアスローラ605、中間転写体クリーニング手段であるベルトクリーニングブレード504、潤滑剤506の塗布手段である潤滑剤塗布ブラシ505などが対向するように配設されている。
【0027】
また、位置検知用マークMCが中間転写ベルト501の外周面あるいは内周面に設けられている。但し、中間転写ベルト501の外周面側については位置検知用マークがベルトクリーニング装置504の通過域を避けて設ける工夫が必要であって配置上の困難さを伴うことがあるので、その場合には位置検知用マークMCを中間転写ベルト501の内周面側に設ける。マーク検知用センサとしての光学センサ514は、中間転写ベルト501が架け渡されているバイアスローラ507と駆動ローラ508との間の位置に設けられる。
【0028】
この中間転写ベルト501は、1次転写電荷付与手段である1次転写バイアスローラ507、ベルト駆動ローラ508、ベルトテンションローラ509、2次転写対向ローラ510,クリーニング対向ローラ511、及びアースローラ512に張架されている。各ローラは導電性材料で形成され、1次転写バイアスローラ507以外の各ローラは接地されている。
【0029】
1次転写バイアスローラ507には、定電流または定電圧制御された1次転写電源801により、トナー像の重ね合わせ数に応じて所定の大きさの電流又は電圧に制御された転写バイアスが印加されている。また、中間転写ベルト501は、図示しない駆動モータによって矢印方向に回転駆動されるベルト駆動ローラ508により、図中の矢印方向に駆動される。
また、この中間転写ベルト501は、半導体または絶縁体で、単層または多層構造となっている。
【0030】
感光体ドラム200上のトナー像を中間転写ベルト501に転写する転写部(以下「1次転写部」という)では、1次転写バイアスローラ507及びアースローラ512で中間転写ベルト501を感光体ドラム200側に押し当てるように張架することにより、感光体ドラム100と中間転写ベルト501との間に所定幅のニップ部を形成している。また、このニップ部の中間転写ベルト501の内周面には、1次転写部除電手段として接地したベルト除電ブラシ513を当接させている。
【0031】
また、図1,2に示すように、1次転写部のニップの幅W及びこのニップ部のベルト移動方向(矢印方向)下流端からベルト除電ブラシ513の当接位置までの距離Lは、所定の転写条件が得られるように設定する。
潤滑剤塗布ブラシ505は、板状に形成された潤滑剤506としてのステアリン酸亜鉛を研磨し、この研磨された微粒子を中間転写ベルト501に塗布するものである。この潤滑剤塗布ブラシ505は、中間転写ベルト501に対して接離可能に構成され、所定のタイミングで中間転写ベルト501に接触するように制御される。
【0032】
2次転写ユニット600は、3つの支持ローラ602,603,604に張架された2次転写ベルト601などで構成され、2次転写ベルト601の支持ローラ602と603間の張架部が2次転写対向ローラ510に対して圧接可能になっている。3つの支持ローラ602,603,604の一つは、図示しない駆動手段によって回転駆動される駆動ローラであり、その駆動ローラにより2次転写ベルト601が図中に矢印で示す方向に駆動される。
【0033】
2次転写バイアスローラ605は、2次転写手段であり、2次転写対向ローラ510との間に中間転写ベルト501と2次転写ベルト601を挟持するように配設され、定電流制御される2次転写電源802によって所定電流の転写バイアスが印加されている。また、上記2次転写ベルト601及び2次転写バイアスローラ605が、2次転写対向ローラ510に対して圧接する位置と離間する位置とを取り得るように、支持ローラ602及び2次転写バイアスローラ605を矢印A方向に移動する図示しない離接機構が設けられている。その離間位置にある2次転写ベルト601及び支持ローラ602を図2に2点鎖線で示している。
尚、符号650はレジストローラ対であり、2次転写バイアスローラ605と2次転写対向ローラ510とに挟持された中間転写ベルト501と2次転写ベルト601の間に、所定のタイミングで転写材である転写紙Pを送り込む。
【0034】
2次転写ベルト601の定着装置270側の支持ローラ603に張架されている部分には、転写材除電手段である転写紙除電チャージャ606と、転写材担持体除電手段であるベルト除電チャージャ607とが対向して配設されている。また、2次転写ベルト601の図中下側の支持ローラ604に張架されている部分には、転写材担持体クリーニング手段であるクリーニングブレード608が当接している。
【0035】
転写紙除電チャージャ606は、転写紙Pに保持されている電荷を除電することにより、転写紙自体のこしの強さで転写紙Pを2次転写ベルト601から良好に分離できるようにするものである。ベルト除電チャージャ607は、2次転写ベルト601上に残留する電荷を除電するものである。また、上記クリーニングブレード608は、2次転写ベルト601の表面に付着した紙粉やトナー等の付着物を除去してクリーニングするものである。
【0036】
以上のように構成したカラー複写機において、画像形成サイクルが開始されると、感光体ドラム200は、図示しない感光体駆動モータによって図中の矢印で示す反時計方向に回転され、中間転写ベルト501は図示しない転写ベルト駆動モータによってベルト駆動ローラ508を回転させることによって図中の矢印で示す時計回りに感光体ドラム200と同じ線速度で回転される。
【0037】
中間転写ベルト501の裏側には前述したように位置検知用マークMCが設けられている。この位置検知用マークMCは中間転写ベルト501とともに移動し、位置検知用マークMCが通過する所定の通過領域には光学センサ514が不動部材に取り付けられている。
この光学センサ514には反射型フォトセンサや透過型フォトセンサが用いられる。光学センサ514として反射型フォトセンサを用いた場合には中間転写ベルト501に位置検知用マークMCとして反射性のテープなどの部材を貼り、反射型フォトセンサにて中間転写ベルト501上の反射性の低い表面からマークMCに変わる所、あるいはマークMCから中間転写ベルト501上の反射性の低い表面に変わる所を読めばよい。
【0038】
感光体ドラム200と中間転写ベルト501の回転に伴って、感光体ドラム200上ではBkトナー像形成、Cトナー像形成、Mトナー像形成、Yトナー像形成が順次行われ、各色のトナー像形成にタイミングを合わせて1次転写バイアスローラ507に印加される電圧による転写バイアスにより1次転写が順次行われ、最終的にBk、C、M、Yの順に中間転写ベルト501上に重ね合わせて転写され、4色重ね合わせのカラートナー像が形成される。
【0039】
ここで、潜像形成、現像、転写の工程をより詳しく説明すると、例えばBkトナー像形成は次のように行われる。帯電チャージャ203は、コロナ放電によって感光体ドラム200の表面を負電荷で所定電位に一様に帯電する。そして、光学センサ514によるマークMCの検知がなされてから一定時間後に次のようなBkの画像データによる光書き込みが行われる。すなわち、カラースキャナ1により読み取られ、画像データに変換されてRGBメモリに格納されたBk画像データから変換されたカラー画像信号に基づいて、書き込み光学ユニット220により、Bk画像データのレーザ光によるラスタ露光を行う。このラスタ像が露光されたとき、当初一様帯電された感光体ドラム200の表面の露光された部分は、露光光量に比例する電荷が消失し、Bk静電潜像が形成される。
【0040】
このBk静電潜像に、Bk現像器231KのBk現像ローラ上の負帯電されたBkトナーが接触することにより、感光体ドラム200の電荷が残っている部分にはトナーが付着せず、電荷の無い部分つまり露光された部分にはトナーが吸着し、静電潜像と相似なBkトナー像が形成される。この感光体ドラム200上に形成されたBkトナー像は、感光体ドラム200と接触状態で等速駆動している中間転写ベルト501の表面に転写される。以下、感光体ドラム200から中間転写ベルト501へのトナー像の転写を「ベルト転写」という。
上記ベルト転写後の感光体ドラム200の表面に残留している若干の未転写残留トナーは、感光体ドラム200の再使用に備えて、感光体クリーニング装置201で清掃される。
【0041】
感光体ドラム200側ではBk画像形成工程の次にC画像形成工程に進み、所定のタイミングでカラースキャナ1による原稿画像の読み取りが始まり、その読み取った画像信号からC画像データが生成され、そのC画像データから変換されたカラー画像信号に基づいて、書き込み光学ユニット220により、C画像データによるレーザ光書き込みが行われ、感光体ドラム200の表面にC静電潜像が形成される。
そして、先のBk静電潜像の後端部が通過した後で、且つC静電潜像の先端部が到達する前にリボルバー現像ユニット230の回転動作が行われ、C現像器231Cが現像位置にセットされ、C静電潜像がCトナーで現像される。
【0042】
以後、C静電潜像領域の現像を続けるが、C静電潜像の後端部が通過した時点で、先のBk現像器231Kの場合と同様にリボルバー現像ユニット230の回転動作を行い、次のM現像器231Mを現像位置に移動させる。これもやはり次のM静電潜像の先端部が現像位置に到達する前に完了させる。
尚、M及びYの画像形成工程については、それぞれのカラー画像データ読み取り、静電潜像形成、現像の動作が上述のBk、Cの工程と同様であるので説明は省略する。
【0043】
中間転写ベルト501上には、感光体ドラム200上に順次形成されるBk、C、M、Yのトナー像が、同一面に順次位置合わせされて転写される。それにより、中間転写ベルト501上には最大で4色が重ね合わされたトナー像が形成される。
【0044】
上記画像形成動作が開始される時期に、転写紙Pは給紙バンク3の転写紙カセット300a,300b,300cのいずれか(又は手差しトレイ210)から給紙ローラ301a,301b,301cにより給送され、レジストローラ対650のニップで待機している。そして、2次転写対向ローラ510及び2次転写バイアスローラ605によりニップが形成された2次転写部に中間転写ベルト501上のトナー像の先端が差し掛かるときに、調度転写紙Pの先端がこのトナー像の先端に一致するようにレジストローラ対650が駆動され、転写紙Pとトナー像とのレジスト合わせが行われる。
【0045】
そして、転写紙Pが中間転写ベルト501上のトナー像と重ねられて2次転写部を通過するとき、2次転写電源802によって2次転写バイアスローラ605に印加される電圧による転写バイアスにより、中間転写ベルト501上の4色重ねトナー像が転写紙上に一括転写される。
そして、トナー像を転写された転写紙Pが2次転写ベルト601の移動方向における2次転写部の下流側に配置した転写紙除電チャージャ606との対向部を通過するとき、転写紙Pは除電され、2次転写ベルト601から剥離して、搬送ベルト211により定着装置270の定着上ローラ271と定着下ローラ272のニップ部に向けて送られる。そして、この定着上ローラ271と定着下ローラ272のニップ部でトナー像が溶融定着され、排出ローラ対212で装置本体外に送り出され、図示しないコピートレイに表向きにスタックされ、フルカラーコピーを得る。尚、転写紙Pの両面にコピーを行う場合には、表面側に画像が定着された転写紙Pは両面コピー用トレイ207に搬送され、表裏を反転されて再給紙される。
【0046】
一方、上記ベルト転写後の感光体ドラム200の表面は、除電ランプ202で除電され、感光体クリーニング装置201でクリーニングされる。
また、転写紙Pにトナー像を転写した後の中間転写ベルト501の表面に残留したトナーは、図示しない離接機構によって中間転写ベルト501に押圧されるベルトクリーニングブレード504によってクリーニングされる。
【0047】
ここで、リピートコピーの時は、カラースキャナの動作及び感光体ドラム200への画像形成は、1枚目の4色目(Y)の画像形成工程に引き続き、所定のタイミングで2枚目の1色目(Bk)の画像形成工程に進む。また、中間転写ベルト501の方は、1枚目の4色重ねトナー像の転写紙Pへの一括転写工程に引き続き、表面の上記ベルトクリーニングブレード504でクリーニングされた領域に、2枚目のBkトナー像がベルト転写されるようにする。その後は、1枚目と同様の動作になる。
【0048】
以上は、4色フルカラーコピーを得るコピーモードであったが、3色コピーモード、2色コピーモードの場合は、指定された色と回数の分について、上記と同様の動作を行うことになる。
また、単色コピーモードの場合は、所定枚数が終了するまでの間、リボルバー現像ユニット230の所定色の現像器のみを現像動作状態にして、ベルトクリーニングブレード504を中間転写ベルト501に押圧させた状態のままの位置にしてコピー動作を行う。
【0049】
以上、本発明に係る現像装置及び画像形成装置の構成、動作の一例について説明したが、本発明では、上記のような現像剤の色が異なる2つ以上の二成分現像方式の現像器を具備する現像装置を用い、2色以上のトナーによるカラー画像を形成する画像形成装置において、感光体ドラム200から中間転写ベルト501へトナー像を順次転写する際の転写チリ現象の発生の防止と、画像の粒状性(ザラツキ)の改善を図るものである。以下、その具体的な実施例を説明する。
【0050】
【実施例】
本発明では、前述した構成の現像装置(リボルバー現像ユニット)及びその現像装置を備えた画像形成装置において、転写チリ現象の発生の防止と、画像の粒状性(ザラツキ)の改善を図るために、
(1)リボルバー現像ユニット230の各現像器231K,231C,231M,231Y中のトナーの帯電量Qが、作像順(例えば、K,C,M,Yの順)毎に、
Q1<Q2<Q3<Q4
と高くなる構成を持つようにする、
(2)リボルバー現像ユニット230の各現像器231K,231C,231M,231Y中のトナーの帯電特性TAが、作像順(例えば、K,C,M,Yの順)毎に、
TA1<TA2<TA3<TA4
と高くなる構成を持つようにする、
(3)リボルバー現像ユニット230の各現像器231K,231C,231M,231Yが、二成分現像剤のトナーとキャリアがドクターブレード233を通過する時に摩擦することで帯電が発生する機構を具備するとき、各現像器231K,231C,231M,231Yのドクターブレードの肉厚dが、作像順(例えば、K,C,M,Yの順)毎に、
d1<d2<d3<d4
と厚くなる構成を持つようにする、
(4)リボルバー現像ユニット230の各現像器231K,231C,231M,231Yが、ドクターブレード233として、磁性のドクターブレード、もしくは非磁性のドクターブレードに磁性板を重ねた機構を具備する時、各現像器231K,231C,231M,231Yのドクターブレードもしくは磁性板の磁力Gが、作像順(例えば、K,C,M,Yの順)毎に、
G1<G2<G3<G4
と大きくなる構成を持つようにする、
のうちのいずれかの構成を採用した。
また、本発明では、各現像器231K,231C,231M,231Yのドクターブレード233と現像ローラ232(現像スリーブ232a)との間を、奥行き1cm当たり0.15[g/sec]以上、0.40[g/sec]以下の現像剤が通過するように構成しており、さらに、現像剤中のキャリアとして、体積平均粒径40ミクロン(μm)以下の小粒径キャリアを用いている。以下、具体的な実施例を示す。
【0051】
[実施例1]
本実施例では、図1,2に示す構成の画像形成装置を使用し、前述のリボルバー現像システムと中間転写方式により画像を形成した。また、使用したリボルバー現像ユニット230の詳細は図3に示す通りである。
まず、このリボルバー現像ユニット230の各現像器231K,231C,231M,231Yの現像剤中のトナーの帯電量Qを変化させ、4色のフルカラー画像での転写チリ及び粒状性を確認した。実験に使用した条件を以下に示す。
【0052】
・トナー(Bk,C,M,Yの各色のトナー)
平均体積粒径:6.8±0.5[μm]、材質:ポリオール樹脂。
・キャリア
体積平均粒径:35[μm]、材質:球形フェライト(芯材)、帯電特性(帯電量)CA:−18.5±1.5[μC/g]、体積固有抵抗:8.5±0.5[Log(Ω・cm)]。
・使用現像剤
現像剤重量:700g、トナー濃度:5%。
・ドクターブレード
構成:非磁性板金+磁性板金溶接、非磁性板:SUS430−No.2B、磁性板:SUS304−No.2B。
・スリーブ上現像剤量:0.05〜0.06[g/cm2]。
・現像スリーブ回転速度:385[mm/sec]。
【0053】
今回の評価に当たり、まず、中間転写ベルト501上にトナーがある状態で、4回転写を行ったときの1色目のトナー帯電量Qの変化を調べた。この時の結果を下記の表1及び図8のグラフに示す。
【0054】
【表1】
【0055】
この結果から、中間転写ベルト501上のトナーは、転写する回数が上がるほど帯電量が高くなっていくことがわかった。
すなわち、すでに中間転写ベルト501上にある1色目のトナーは転写が行われるたびに帯電量が上がっていくため、新たに中間転写ベルト上に転写される2色目のトナーは、1色目の転写前と同等の帯電量では帯電量の高くなった1色目のトナーに弾かれて散ってしまう。
したがって、転写チリをなくすには、2色目のトナーはあらかじめ中間転写ベルト上のトナーと同様の帯電量にすればよい。
このように中間転写方式で2色以上のトナーを重ねる時に転写チリをなくすには、1色目のトナーよりも2色目、2色目のトナーよりも3色目とトナーの帯電量Qを徐々に高くしていく必要がある。
すなわち、リボルバー現像ユニット230の各現像器231K,231C,231M,231Y中のトナーの帯電量を作像順毎にQ1,Q2,Q3,Q4としたときに、
Q1<Q2<Q3<Q4
と高くなるように構成するとよい。
【0056】
以上の結果をもとに本実施例では、トナー自体の帯電特性TAを各色で変化させ、2色目以降のトナーの帯電量Qを段階的に高くすることで、転写チリの防止及びザラツキの改善を提案する。
このトナーの帯電量Qを上げる方法には、キャリアの帯電特性(帯電量)CAを上げる方法もあるが、キャリアのCAを上げてトナーの帯電量Qを上げる方法はキャリアのバラツキとトナーのバラツキの両方を含んでしまうため、トナー自体の帯電特性TAを上げることの方が、効果的にトナーの帯電量Qを上げることができる。
【0057】
今回4色あるトナーの帯電特性TAを18〜26[μC/g]の範囲のものを使用し、トナー濃度5%になるようにキャリアと混ぜて現像剤を作成した。
次に実際に4色重ねて転写したあとの画像を評価した。評価方法は、チリランクとして5段階のランクづけで評価する。
具体的には、ランク5は全くチリが発生していない状態、ランク4は画像を10倍の顕微鏡で見た時にチリが確認できる状態、ランク3は、画像を20[cm]離した時に目視でチリが確認できる状態、ランク2は画像を50[cm]離した時に目視でチリが確認できる状態、ランク1は画像を1[m]以上離しても目視でチリが確認できる状態である。
また、同様に画像のザラツキ感を5段階でランク評価した。ランク5が一番滑らかな状態であり、ランクが下がるごとにザラツキ感の有る画像であることを示している。以上の評価法による実験結果を下記の表2に示す。
【0058】
この結果、リボルバー現像ユニット230の各現像器231K,231C,231M,231Y中のトナーの帯電特性TAを、作像順毎にTA1,TA2,TA3,TA4としたときに、2色目以降のトナーの帯電特性TAの値を、
TA1<TA2<TA3<TA4
と高くなるように構成すると転写チリが改善され、ザラツキ感も良くなることが明らかになった。また、1色目のトナーの帯電特性TAを18[μC/g]よりも20[μC/g]から上げて行く時に、転写チリ、ザラツキともに最良の値が得られた。
また、本発明で転写チリが改善されることにより、機内において中間転写ベルトからのトナー落ちが低減され、トナー飛散による機械の設置環境汚染を防止することが可能となる。
【0059】
【表2】
【0060】
[実施例2]
次に本実施例では、実施例1と同様の効果を得られる構成として、前述の表1及び図8の結果をもとに、各現像器のドクターブレードの肉厚dを作像順に変化させ、2色目以降のトナーの帯電量Qを段階的に高くすることで、転写チリの防止及びザラツキの改善を行なう方法を提案する。すなわち、リボルバー現像ユニット230の各現像器231K,231C,231M,231Yのドクターブレード233の肉厚dを作像順に変えることで、各現像器の現像剤中のトナーの帯電量Qを変化させ、4色のフルカラー画像での転写チリ及び粒状性を確認した。具体的には上記現像器と現像剤において、実際にドクターブレード233の肉厚dの水準を振り、トナー濃度5%のトナー(Bkトナー)を入れ一分間ほど現像器内で攪拌させた時のトナーの帯電量を測定した。
この結果を下記の表3及び図9のグラフに示す。
この結果、ドクターブレードの肉厚dが1[mm]厚くなると、トナーの帯電量Qは約8[μC/g]高くなることがわかった。
【0061】
【表3】
【0062】
次に実際に2色目以降のドクターブレードの肉厚dを振り、4色重ねて転写した後の画像を評価した。評価方法は、チリランクとして5段階のランクづけで評価する。
具体的には、ランク5は全くチリが発生していない状態、ランク4は画像を10倍の顕微鏡で見た時にチリが確認できる状態、ランク3は画像を20[cm]離した時に目視でチリが確認できる状態、ランク2は画像を50[cm]離した時に目視でチリが確認できる状態、ランク1は画像を1[m]以上離しても目視でチリが確認できる状態である。
また、同様に画像のザラツキ感を5段階でランク評価した。これはランク5が一番滑らかな状態であり、ランクが下がるごとにザラザラ感の有る画像であることを示している。以上の評価法による実験結果を下記の表4に示す。
【0063】
この結果、2色目以降にドクターブレードの肉厚dを厚くすると転写チリが改善され、またザラツキ感も良くなることが明らかになった。すなわち、リボルバー現像ユニット230の各現像器231K,231C,231M,231Yのドクターブレードの肉厚を作像順にd1,d2,d3,d4としたときに、
d1<d2<d3<d4
と厚くなるように構成するとよい。
また、表4の実験7,8のように、ドクターブレード厚を2色目以降で0.5[mm]づつ厚くすることで、チリ・ザラツキともに最良の値が得られた。
【0064】
【表4】
【0065】
[実施例3]
本実施例では、実施例1,2と同様の効果を得られる構成として、各現像器231K,231C,231M,231Yのドクターブレード233に、磁性ドクターブレード、もしくは非磁性のドクターブレードに磁性板を重ねた構成のブレードを用いた構成とし、この磁性ドクターブレードもしくは磁性板の磁力Gを変えることで、2色目以降のトナーの帯電量Qを上げ、転写チリとザラツキを改善する方法を提案する。
実際の実験方法としては、各現像器231K,231C,231M,231Yのドクターブレード233を、非磁性のドクターブレードに磁性板を重ねた構成とし、磁性板の枚数を増やすことで磁力Gを変化させた。その結果を下記の表5に示す。
【0066】
【表5】
【0067】
次にリボルバー現像ユニット230の各現像器231K,231C,231M,231Yの作像順に磁性板を追加して、各現像器231K,231C,231M,231Yの磁性板の磁力Gが、作像順毎に、
G1<G2<G3<G4
と大きくなるように構成し、4色重ねて転写した後の画像を出力して、前述と同様の5段階のランクづけで転写チリとザラツキ感の評価を行なったところ、実施例1,2と同様に、チリランク:5、ザラツキランク:5の画像が得られた。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、像担持体上の潜像を現像して顕像化する現像装置であり、現像剤の色が異なる2つ以上の二成分現像方式の現像器を具備する現像装置において、各現像器が、トナーとキャリアからなる二成分現像剤を担持・搬送する現像剤担持体と、該現像剤担持体で担持・搬送する二成分現像剤の搬送量や層厚を規制するドクターブレードを有し、
(1)各現像器中のトナーの帯電量Qが、作像順毎に、
Q1<Q2<Q3<・・・<Qm
と高くなる構成を持つようにする、
(2)各現像器中のトナーの帯電特性TAが、作像順毎に、
TA1<TA2<TA3<TA4
と高くなる構成を持つようにする、
(3)二成分現像剤のトナーとキャリアがドクターブレードを通過する時に摩擦することで帯電が発生する機構を具備するとき、各現像器のドクターブレードの肉厚dが、作像順で、
d1<d2<d3<・・・<dm
と厚くなる構成を持つようにする、
(4)各現像器がドクターブレードとして、磁性のドクターブレード、もしくは非磁性のドクターブレードに磁性板を重ねた機構を具備する時、各現像器のドクターブレードもしくは磁性板の磁力Gが、作像順毎に、
G1<G2<G3<・・・<Gm
と大きくなる構成を持つようにする、
のうちのいずれかの構成を採用することにより、多色画像やフルカラー画像を形成する際の転写チリと粒状性(ザラツキ)の改善が可能となり、良好な画像を得ることができる。
【0069】
また、本発明では、像担持体と、該像担持体に潜像を形成する手段と、前記像担持体上の潜像を現像して顕像化する現像手段を備え、前記現像手段として、現像剤の色が異なる2つ以上の二成分現像方式の現像器を具備する現像装置を備えた画像形成装置において、前記現像装置の各現像器が、トナーとキャリアからなる二成分現像剤を担持・搬送する現像剤担持体と、該現像剤担持体で担持・搬送する二成分現像剤の搬送量や層厚を規制するドクターブレードを有し、
(1)各現像器中のトナーの帯電量Qが、作像順毎に、
Q1<Q2<Q3<・・・<Qm
と高くなる構成を持つようにする、
(2)各現像器中のトナーの帯電特性TAが、作像順毎に、
TA1<TA2<TA3<TA4
と高くなる構成を持つようにする、
(3)二成分現像剤のトナーとキャリアがドクターブレードを通過する時に摩擦することで帯電が発生する機構を具備するとき、各現像器のドクターブレードの肉厚dが、作像順で、
d1<d2<d3<・・・<dm
と厚くなる構成を持つようにする、
(4)各現像器がドクターブレードとして、磁性のドクターブレード、もしくは非磁性のドクターブレードに磁性板を重ねた機構を具備する時、各現像器のドクターブレードもしくは磁性板の磁力Gが、作像順毎に、
G1<G2<G3<・・・<Gm
と大きくなる構成を持つようにする、
のうちのいずれかの構成を採用することにより、多色画像やフルカラー画像を形成する際の転写チリと粒状性(ザラツキ)の改善が可能となり、良好な画像を得ることができる。
また、以上の構成は、像担持体上に順次形成される2色以上のトナー像を重ね合わせて転写する中間転写装置を具備する構成の画像形成装置で特に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す画像形成装置の概略構成図である。
【図2】図1に示す画像形成装置の画像形成部の詳細を示す概略要部構成図である。
【図3】図1に示す画像形成装置の現像装置(リボルバー現像ユニット)の詳細を示す概略構成図である。
【図4】図3に示すリボルバー現像ユニット内の現像器の構成及び磁界発生手段の磁極配置例を示す図である。
【図5】図3に示すリボルバー現像ユニット内の現像器の構成及び磁界発生手段の磁極配置例を示す図である。
【図6】図4,5に示す現像器の磁界発生手段による磁界分布の例を示す図である。
【図7】リボルバー現像ユニットの回転駆動部の一例を示す図である。
【図8】転写回数とトナー帯電量の関係を示すグラフである。
【図9】ドクターブレード厚とトナー帯電量の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1:カラー画像読取装置(カラースキャナ)
2:カラー画像記録装置(カラープリンタ)
3:給紙バンク
121:コンタクトガラス
122:照明ランプ
123a,123b,123c:ミラー群
124:レンズ
125:カラーセンサ
200:感光体ドラム(像担持体)
201:感光体クリーニング装置
202:除電ランプ
203:帯電器
204:電位センサ
205:現像濃度パターン検知器
211:搬送ベルト
220:書き込み光学ユニット
230:リボルバー現像ユニット(現像装置)
231K:Bk現像器
231C:C現像器
231M:M現像器
231Y:Y現像器
232:現像ローラ(現像剤担持体)
232a:現像スリーブ
232b:磁界発生手段
233:ドクターブレード
234,235:搬送スクリュ
236:トナー補給スクリュ
237:濃度センサ
270:定着装置
300a,300b,300c:転写紙カセット
301a,301b,301c:給紙ローラ
500:中間転写ユニット(中間転写装置)
501:中間転写ベルト
507:1次転写バイアスローラ
600:2次転写ユニット
601:2次転写ベルト
605:2次転写バイアスローラ
650:レジストローラ対
Claims (4)
- 像担持体上の潜像を現像して顕像化する現像装置であり、現像剤の色が異なる2つ以上の二成分現像方式の現像器を具備する現像装置において、
各現像器は、トナーとキャリアからなる二成分現像剤を担持・搬送する現像剤担持体と、該現像剤担持体で担持・搬送する二成分現像剤の搬送量や層厚を規制するドクターブレードを有し、二成分現像剤のトナーとキャリアがドクターブレードを通過する時に摩擦することで帯電が発生する機構を具備するとき、各現像器のドクターブレードの肉厚dが、作像順で、
d1<d2<d3<・・・<dm
と厚くなる構成を持つことを特徴とする現像装置。 - 像担持体上の潜像を現像して顕像化する現像装置であり、現像剤の色が異なる2つ以上の二成分現像方式の現像器を具備する現像装置において、
各現像器は、トナーとキャリアからなる二成分現像剤を担持・搬送する現像剤担持体と、該現像剤担持体で担持・搬送する二成分現像剤の搬送量や層厚を規制するドクターブレードを有し、各現像器がドクターブレードとして、磁性のドクターブレード、もしくは非磁性のドクターブレードに磁性板を重ねた機構を具備する時、各現像器のドクターブレードもしくは磁性板の磁力Gが、作像順毎に、
G1<G2<G3<・・・<Gm
と大きくなる構成を持つことを特徴とする現像装置。 - 像担持体と、該像担持体に潜像を形成する手段と、前記像担持体上の潜像を現像して顕像化する現像手段を備え、前記現像手段として、現像剤の色が異なる2つ以上の二成分現像方式の現像器を具備する現像装置を備えた画像形成装置において、
前記現像装置の各現像器は、トナーとキャリアからなる二成分現像剤を担持・搬送する現像剤担持体と、該現像剤担持体で担持・搬送する二成分現像剤の搬送量や層厚を規制するドクターブレードを有し、二成分現像剤のトナーとキャリアがドクターブレードを通過する時に摩擦することで帯電が発生する機構を具備するとき、各現像器のドクターブレードの肉厚dが、作像順で、
d1<d2<d3<・・・<dm
と厚くなる構成を持つことを特徴とする画像形成装置。 - 像担持体と、該像担持体に潜像を形成する手段と、前記像担持体上の潜像を現像して顕像化する現像手段を備え、前記現像手段として、現像剤の色が異なる2つ以上の二成分現像方式の現像器を具備する現像装置を備えた画像形成装置において、
前記現像装置の各現像器は、トナーとキャリアからなる二成分現像剤を担持・搬送する現像剤担持体と、該現像剤担持体で担持・搬送する二成分現像剤の搬送量や層厚を規制するドクターブレードを有し、各現像器がドクターブレードとして、磁性のドクターブレード、もしくは非磁性のドクターブレードに磁性板を重ねた機構を具備する時、各現像器のドクターブレードもしくは磁性板の磁力Gが、作像順毎に、
G1<G2<G3<・・・<Gm
と大きくなる構成を持つことを特徴とする画像形成装置。
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