JP3931382B2 - ポリテトラフルオロエチレン粉末及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリテトラフルオロエチレン粉末及びその製造方法に関し、さらに詳しくは撥水撥油性に優れたポリテトラフルオロエチレン粉末及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、成形用原料として粉末の形態で市販され、耐熱耐寒性、難燃性、摺動性、非粘着性、防汚性、耐薬品性、耐候性、電気特性等に優れている為、種々の成形品が様々な分野で使用されている。また、PTFEの微粒子や粉末は、他の材料中に分散し、あるいは他の材料とブレンドして、改質剤として利用されている。
【0003】
成形用PTFE粉末には、懸濁重合法による粒状生成樹脂を微粉砕して得られる粉末(モールディングパウダーもしくはグラニュラー)と、水性分散(乳化)重合法で得られるラテックスからポリマーを凝集させ乾燥して得られる粉末(ファインパウダー)の二種類があり、共に実用されている。これら二種類の粉末は全く異なる成形方法により加工される。例えば、前者は圧縮成形やラム押出成形により、後者は液状潤滑剤を混合させて行うペースト押出成形や圧延(カレンダー)成形などにより加工される。
【0004】
成形用原料としてのPTFEファインパウダーやモールディングパウダーは、通常極めて高い分子量を有し、特殊な場合を除いて分散やブレンドによる他の材料の改質用に使用されることはない。これら粉末が分散またはブレンド用に不適切である最大の理由は、これら粉末が分散またはブレンド中にフィブリル化を起こすことである。
PTFEのフィブリル化特性は、重合後に融点以上の熱処理を受けていないバージンポリマーに強く現れる性質であり、なかでも乳化重合で製造さえるコロイド状粒子およびファインパウダーに特にその性質が強い。
【0005】
ファインパウダーは通常、潤滑助剤を含ませペースト状にしたものを細いオリフィスを有するシリンダーに充填し冷間で押出す「ペースト押出し」によって成形され、押出物は、焼成してチューブや電線被覆に、あるいはフィルム状に圧延してシールテープとして、また圧延後更に延伸して多孔膜として使用される。ペースト押出し加工は、コロイド状PTFE微粒子のフィブリル化特性によって成り立つものであり、微粒子が押し出し中にフィブリル化して相互に絡み合うことで熱処理前の成形品にある程度の力学的強度が付与される。
【0006】
しかし、フィブリル化は、極めて小さな剪断力でも容易に起こるため、他の材料にファインパウダーやモールディングパウダーを分散またはブレンドする場合、ブレンド中に受ける剪断力でフィブリルが発生し、PTFE粒子が一旦凝集し再分散しにくくなり、均一な分散状態が保持できなくなる。また、フィブリルの発生により、異常な高粘度になって均一に混合できなくなる等の問題が生じる。高分子量のPTFEでも、熱処理(通常、融点以上での処理)を一旦受けるとフィブリル化特性はほとんどなくなるが、冷凍粉砕などの経済的でない特殊な粉砕をしない限り、通常の微粉砕機では70μmより細かい粉末が得られにくく、また粒子の形状も異方性が大きくなるなど分散またはブレンド用としては実用的な微粉末は得られない。
【0007】
しかし、バージンPTFEのフィブリル化特性は、PTFEの分子量に依存し、ある分子量以上で発現する性質であり、低分子量のPTFEではフィブリル化特性は現れない。そのため、低分子量PTFEの微粒子や粉末が分散またはブレンド用として従来から市販されている。
低分子量PTFEを粒子形態からみると、コロイド粒子の凝集粉末か、又は一旦溶融されて緻密化したのち、粉砕によって粉末にしたものに大別される。塗料等のサブミクロンの微分散を要求する用途には、特にコロイド粒子の凝集粉末の使用が好適である。一般に、凝集粉末としての粒子径は1〜30μmであるが、ブレンドの際の剪断力により、凝集粉末が再分散されるため、容易にサブミクロン単位に微分散可能である。一方、緻密化した粉末の粒子径は、粉砕での粒子径に依存し、一般に1μm以下は不可能であり、サブミクロンの微分散を要求する用途には不適当である。
【0008】
低分子量PTFEの微粒子や粉末の製造方法として、種々の技術が提案されている。
例えば特公昭57−22043号公報及び特公昭51−25275号公報には、PTFEの一般的な乳化重合において、連鎖移動剤を使用して低分子量PTFEを得、得られたコロイド状PTFE水性分散体を凝析、乾燥することによって粉末を得る方法が開示されている。
また、高分子量PTFEの熱分解によって低分子量化する方法(例えば特公昭50−15506号公報及び特公昭38−20970号公報)や、高分子量PTFEに放射線を照射し、低分子量化する方法(例えば特公昭52−25419号公報及び特公昭49−48671号公報)が知られている。
【0009】
ところが、上記の低分子量PTFEの微粒子や粉末は、撥水・撥油性が要求される用途では、十分な効果が得られない。一方、分子末端をフッ素化したPTFEが好適であることが知られており、種々の塗料組成物、撥水処理組成物が提案されている。
【0010】
特開平7−26169号公報には、分子末端までフッ素化されたテトラフルオロエチレン(TFE)オリゴマーを塗料素材に分散させた塗料が開示され、撥水性が改善されることが記載されている。
また、特開平8−3477号公報、特開平8−3479号公報及び特開平8−3544号公報には、分子量500〜20000であり、末端までフッ素化された低分子量PTFEを添加した塗料及び処理剤が開示され、撥水性および着雪防止性が改善されることが記載されている。
しかし、開示されたこれらのPTFEの分子量は、極めて低く、加熱によって揮発するため、焼き付け塗料には使用できない。
【0011】
また、分子末端がフッ素化されたPTFEの製造方法についても、種々の技術が提案されている。
特公昭46−23245号公報には、低分子量のワックスを除く高分子量のパーフルオロカーボン重合体の末端基を、フッ素ラジカル源で安定化する方法が開示されている。
特公平1−49403号公報および特公平1−49404号公報には、含フッ素ポリマーを250〜550℃でフッ素ラジカル源と接触反応させる含フッ素樹脂の製造方法が開示されているが、得られたPTFEは塊であるため、粉末にするためには粉砕工程を必要とする。また、粉砕しても粒子径は数μmまでに留まり、サブミクロンの微分散は困難である。
【0012】
また、特公平6−67859号公報には、更に低分子量化及び高収率化を目的として、含フッ素樹脂を融点〜600℃に加熱して、雰囲気温度200〜600℃においてフッ素ラジカル源と反応させ、反応生成ガスを100℃以下に冷却する方法が開示されているが、開示された製造方法は収率が劣り、得られたPTFEの分子量は、極めて低く、加熱によって揮発しやすいため、例えば、ポリアセタール等への添加では、成型時モールドデポジット(金型への付着)が起こりやすく、成形品の外観不良を招いたり、高温での焼き付け塗装では、揮発成分が塗膜表面に付着し、光沢を失う等の問題がある。
【0013】
更に、特公平7−5744号公報には、場合によっては、加熱処理をフッ素ラジカル源の存在下で行い、粉砕した後、平均粒径1〜30μm、比表面積2〜6m2/gのPTFE粉末の製造方法が開示されているが、開示された製造方法によるPTFEの粒子径は大きく、塗料等への微分散は困難である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、塗料の塗装方法には、常温で硬化させる方法や加熱して焼き付ける方法があるが、焼き付け温度は、マトリックス樹脂の種類によって約150〜約400℃と広範囲にわたる。一方、フッ素化されたPTFEが撥水性塗料成分として使用されているが、PTFEの分子量が低いため加熱による揮発分が多いか、または、粉末の粒径が大きいため微分散性が劣っていた。
本発明の目的は、良好な撥水性及び撥油性を有すると共に、焼き付け塗装可能であり、かつ優れた微分散性を有するPTFE粉末及びその製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、40000〜600000の数平均分子量、7〜20m2/gの比表面積、1〜30μmの平均粒径、および110〜125゜の対水接触角を有することを特徴とするポリテトラフルオロエチレン粉末を提供する。
さらに、本発明は、上記本発明のPTFE粉末を製造する1つの方法として、数平均分子量が40000〜600000であり、比表面積が7〜20m2/gであり、平均粒径が1〜30μmであるコロイド状ポリテトラフルオロエチレン粒子の凝集粉末を、100〜300℃の温度において、フッ素ラジカル源と反応させることからなる製造方法を提供する。
【0016】
前述のように、一般に分散またはブレンド用には、フィブリル化特性が発現しない低分子量PTFEが用いられている。ところが、これまでPTFEの低分子量体と高分子量体共通の分子量測定方法が用いられていなかったため、フィブリル化特性が発現する分子量の境界が不明確であった。
【0017】
従来のPTFEの分子量の測定方法としては、例えば、融点から数平均分子量を求める方法が知られているが、この方法は、融点が327℃未満のPTFEにしか適用できず、高分子量PTFEの分子量は測定できない。
成形用の高分子量PTFEについては標準比重(SSG)から数平均分子量を求める方法が知られているが、この方法は標準比重の成形体ができることが前提である。ところが、低分子量PTFEは溶融粘度が低いため、焼成時溶融流動して成形品が得られないか、または成形体が得られたとしてもクラックや発泡を生じる場合が多く、標準比重が測定できないので、この方法により低分子量PTFEの分子量を測定することはほとんど不可能である。
従って、低分子量から高分子量で共通の分子量測定方法を用い、分子量が異なるPTFEの分子量とフィブリル化特性を定量的に調べると、フィブリル化特性が発現する分子量の境界を明確にできる。
【0018】
水性分散(乳化)重合法で分子量の異なるPTFEを重合し、得られるラテックスを凝集、乾燥して粉末を作製し、それぞれについて溶融時の動的粘弾性測定により得られる数平均分子量(測定方法の詳細はS.Wuにより、Polymer Engineering & Science,1988, Vol.28,538、同1989,Vol.29,273で説明されている)とペースト押出しで得られる未焼成ビードの伸びを測定し、数平均分子量と伸びの関係をみると、数平均分子量が500000以下では連続したペースト押出しビードすら得られない。500000〜600000では、連続したペースト押出しビードが得られないか、又は、得られたとしても未焼成ビードの伸びはほとんどなく、フィブリル化特性は現れない。ところが、数平均分子量が600000を超えると明確に伸びが現れ、フィブリル化特性が発現する。
【0019】
本発明のPTFE粉末の数平均分子量は、40000〜600000(好ましくは、60000〜500000)であり、40000未満のものは高温での揮発分が多く、焼き付けを必要とする塗料などの耐熱塗料には不適当である。また、数平均分子量が600000を超えるものは、フィブリル化特性が発現し、コロイド粒子同士の凝集力が強いため微分散性が劣る。
上記数平均分子量範囲は、従来の測定方法である融点では、約324〜333℃に相当し、また、380℃における溶融粘度では、約1×103〜7×105PaSに相当する。
【0020】
本発明のPTFE粉末の比表面積は、粒子径と相関があり、比表面積が大きいほど粒子径は小さく、凝集粉末を構成する基本単位の粒子径(一次粒子径)の目安として用いられている。
比表面積は7〜20m2/g、好ましくは9〜15m2/gである。比表面積が7m2/g未満のものは、一次粒子径が大きく、微分散性が劣る。また、20m2/gを超えるものは、重合時に特殊な分散剤を用いるか、あるいは、多量の分散剤を使用する必要があり、経済的でない。
【0021】
本発明のPTFE粉末の平均粒径は、1〜30μm、好ましくは2〜20μmである。平均粒径が1μm未満のものは、粉末の嵩密度が小さく、取り扱い性が劣る。また、30μmを超えるものは一次粒子間の凝集力が強いため、微分散し難い。
【0022】
本発明のPTFE粉末は、コロイド状PTFE水性分散体を、凝析、乾燥することによって得られる未焼成PTFEを、100〜300℃、好ましくは、150〜250℃において、フッ素ラジカル源と反応させることによって製造することができる。
反応温度が100℃未満では反応速度が小さく、生産性が劣る。また、300℃を超えると、一次粒子同士が融着するため微分散できない。また、揮発分が増加し生産性が劣る。
【0023】
フッ素ラジカル源としては、フッ素化において従来から使用されているものがいずれも使用できる。例えば分子状フッ素(F2);ClF、ClF3、BrF3、IF3等のハロゲン化フッ化物;XeF2、XeF4、KrF2等の希ガスのフッ化物;NF3、NF2等の含チッ素フッ素化合物が使用できる。
【0024】
フッ素ラジカル源の添加量は、反応時間と反応温度に依存するが、フッ素原子に換算して、原料粉末100重量部に対し、0.01〜1重量部、好ましくは0.1〜0.5重量部である。0.01重量部未満では反応時間を長くする必要があり、生産性が劣る。添加量の上限は特に限定されず、過剰にした場合に存在するは未反応分は回収して再使用できるが、1重量部までで十分である。
【0025】
使用する反応器は、加熱装置を備え、気体と固体が接触する形態のものであれば、何れのものでも使用できる。例えば、空気循環炉内に反応棚を備えたものや流動層等の気固接触が良好に行えるものが好ましい。
【0026】
本発明の製法に用いる未焼成PTFEは、コロイド状PTFE水性分散体の、凝析および乾燥により得られる。このコロイド状PTFE水性分散体は、例えば下記のような製造方法により製造することができる。
水溶性含フッ素分散剤としては、例えば、一般式:
X(CF2)aCOOH
(式中、Xは水素原子、フッ素原子又は塩素原子、aは6〜12の整数を表す。)、
一般式:
Cl(CF2CFCl)bCF2COOH
(式中、bは2〜6の整数を表す。)、
一般式:
(CF3)2CF(CF2CF2)cCOOH
(式中、cは2〜6の整数を表す。)、又は
一般式:
F(CF2)dO(CFYCF2O)eCFYCOOH
(式中、Yはフッ素原子またはCF3、dは1〜5の整数、eは1〜5の整数を表す。)
で表される化合物、もしくはそれらのアンモニウム塩又はアルカリ金属塩(例えば、カリウム塩、ナトリウム塩)等を使用することができる。特に一般式:
CnF2n+1COOX 又は
C3F7O(CF(CF3)CF2O)lCF(CF3)COOX
(式中、nは6〜9の整数、lは1〜2の整数、Xはアンモニウム基又はアルカリ金属原子を表す。)
で示される化合物を用いるのが好ましい。
【0027】
水溶性含フッ素分散剤の使用量は、反応に用いる水性媒体に対して、0.02〜0.5重量%、好ましくは0.03〜0.5重量%である。
【0028】
重合開始剤としては、TFEの重合において従来から使用されているものがいずれも使用でき、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、ジサクシニックアシドパーオキシド、ジグルタリックアシドパーオキシド等の水溶性有機過酸化物が使用できる。中でも、過硫酸塩が好ましい。
【0029】
重合温度は10〜95℃の広い範囲から選択可能である。重合開始剤として過硫酸塩を使用する場合、40〜80℃が適当である。低温で反応を行う場合には上記過硫酸塩に亜硫酸塩、酸性亜硫酸塩等の還元剤を加えてレドックス系にすることが好ましい。
重合反応は、通常TFE自体のガス加圧によって0.6〜3.9MPa、好ましくは0.9〜3.0MPaの範囲の圧力に保ちながら進行させる。
【0030】
TFEと、少なくとも一種の他のオレフィン1重量%以下とを共重合させてもよい。他のオレフィンとしては、例えば、一般式:
X(CF2)nOyCF=CF2
(式中、Xは水素原子、フッ素原子又は塩素原子、nは1〜6の整数、yは0又は1を表す。)
及び一般式:
C3F7(OCF2CF2CF2)m[OCF(CF3)CF2]pOCF=CF2
(式中、m及びpはそれぞれ0〜4の整数を表す。ただし、これらが同時に0となることはない。)
で示される化合物、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ビニリデンフルオライド(VdF)、トリフルオロエチレン(TrFE)などが使用できる。
【0031】
必要ならば、連鎖移動剤として、水素及びメタン、エタン、プロパン、ブタン等の炭化水素;CH3Cl、CH2Cl2、CH2CF2等のハロゲン化炭化水素;メタノール、エタノール等の水溶性有機化合物などを使用することができる。
【0032】
場合により反応系の分散安定剤として、実質的に反応に不活性で反応条件下で液状の炭素数12以上の炭化水素を、水性媒体100重量部に対して2〜10重量部使用することもできる。また、反応中のpHを調整するために緩衝剤として、例えば炭酸アンモニウム、リン酸アンモニウムなどを添加してもよい。
【0033】
得られるコロイド状PTFE粒子の粒子径は、通常0.05〜0.5μmであり、PTFE粒子水性分散体のポリマー濃度は、通常水性媒体に対して10〜45重量%である。得られたコロイド状PTFE水性分散体(ポリマーラテックスまたは単にラテックスと呼ぶ)を反応容器から取り出し、次の工程、即ち凝析と乾燥工程に移す。
【0034】
凝析は、通常ポリマーラテックスを水で10〜20重量%のポリマー濃度になるように希釈し、場合によっては、pHを中性またはアルカリ性に調整した後、撹拌機付きの容器中で反応中の撹拌よりも激しく撹拌して行う。この時、メタノール、アセトン等の水溶性有機化合物、硝酸カリウム、炭酸アンモニウム等の無機塩や塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸等を凝析剤として添加しながら撹拌を行ってもよい。また、インラインミキサー等を使用して連続的に凝析を行ってもよい。
【0035】
凝析で得られた湿潤粉末の乾燥は、通常、真空、高周波、熱風等の手段を用いて行う。乾燥温度は10〜250℃、好ましくは100〜200℃である。この時点でのPTFE粉末は、コロイド粒子が凝集した粉末であるため、比表面積は、通常7〜20m2/gの値を有する。
【0036】
重合反応で得られるPTFEの数平均分子量は、40000〜600000、好ましくは60000〜500000に調整する。数平均分子量が、40000未満のものは高温での揮発分が多いため、好ましくない。また、600000を超えるものはフィブリル化特性が発現するため、微分散性が要求されるブレンド用には不適当である。
【0037】
本発明のPTFE粉末は分散またはブレンド用として好ましく、好適には、撥水撥油性塗料、特に焼き付け型撥水撥油塗料に使用される。また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂への撥水撥油性付与剤としても使用できる。
また、一次あるいは二次電池用、特にニッケル化合物を正極活物質に使用する二次電池、さらに燃料電池への撥水性付与のための、電池活物質や導電性炭素質材料などの電極材料への添加剤として、あるいは熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂への撥水撥油性や潤滑性付与剤としても使用できる。二次電池としてはニッケル−水素二次電池、ニッケル−カドミウム電池が代表的なものである。本発明のPTFE粉末は微分散しやすく撥水性に富むため、その添加によって電極内の気−液−固の三相界面が効率よく形成され、電極反応によって発生するガスが迅速に拡散し、水、酸化物または水素化物に戻る反応が促進される。
【0038】
本明細書におけるポリマーラテックス及びPTFE粉末の分析方法及び試験方法は次のとおりである。
1)数平均分子量
S.Wuの方法(Polymer Engineering & Science,1988, Vol.28,538、同1989,Vol.29,273)に準処する。この方法は、樹脂の溶融時の弾性率から数平均分子量、重量平均分子量及び分子量分布を算出する方法であり、とくにPTFEに代表される溶媒に不溶な樹脂の分子量測定に有用な方法である。
測定装置はレオメトリクス社製粘弾性測定機RDS−2を使用し、380℃における動的粘弾性を測定した。但し、試料を保持する治具としてパラレルプレートを用い、試料の溶融時の厚みは1.4〜1.5mm、周波数範囲は0.001〜500rad/秒とする。
また、溶融時の試料の変形量は、周波数が1rad/秒以上では試料の厚みに対して、円周上で0.8〜3%の範囲から選択し、周波数が1rad/秒以下では2〜10%の範囲から選択する。また、測定値のサンプリング頻度は対数等間隔で1桁当たり5点とする。
また、2回の連続した測定において、各測定周波数(ω)における貯蔵弾性率(G’(ω))の偏差の平均が5%以下になるまで測定を繰り返す。
測定により求めた周波数(ω)、貯蔵弾性率(G’(ω))用いて、S.Wuの方法(Polymer Engineering & Science,1988, Vol.28,538、同1989,Vol.29,273)に従って数平均分子量(Mn)を求めた。但し、時間t=1/ω、G(t)=G'(ω)とした。
【0039】
2)未焼成ビードの伸び
PTFE粉末50gと押出助剤である炭化水素油(商品名ISOPER−E、エクソン化学株式会社製)9.2gとをガラス瓶中で混合し、室温(25±2℃)で1時間熟成する。次に、シリンダー(内径25.4mm)付きの押出ダイ(絞り角30度で、下端に内径2.54mm及びランド長7mmのオリフィスを有する)に上記混合物を充填し、シリンダーに挿入したピストンに5.7MPaの負荷を加えて1分間保持する。その後直ちに、室温においてラム速度20mm/分で上記混合物をオリフィスから押出し、ロッド状物を得る。得られたロッド状押出物を、約100℃で約10時間乾燥し、押出圧力の安定している後半部から約7cmの長さの試料5個を切り取る。それぞれの試料の両端各約15mmを380℃のソルトバス中で焼成し、表面の長さ方向に間隔20mmの目盛りを中央部に印す。次に試料の両端を引っ張り試験機のクランプでつかみ、200mm/分の一定の速度で試料を引っ張り、破断時の目盛り間の長さ(El)を読み、下式により、伸び(%)を求める。
【0040】
【数1】
伸び(%)=(El(mm)−20(mm))/20(mm)×100
尚、試験回数は5回とし、最大値および最小値を除く3回の値を平均して、伸び(%)とする。また、引っ張り試験中は、室温を24±0.5℃に調温する。
【0041】
3)ポリマー濃度
シャーレに10gのポリマーラテックスを採取し、150℃で約3時間乾燥し蒸発乾固させる。固形分を秤量し、これからをポリマー濃度を計算する。
【0042】
4)ポリマーラテックスの数平均粒子径
既知試料について、固形分0.15重量%に水で希釈したポリマーラテックスの単位長さに対する550nmの投射光の透過率と、透過型電子顕微鏡写真により定方向径を測定して決定した数基準長さ平均粒子径とを測定して作成した検量線を用い、各試料について測定した上記透過率から決定する。
【0043】
5)粉末の平均粒径
日本電子株式会社製レーザー回折式粒度分布測定装置(HELOS & RODOS)を用い、カスケードは使用せず、圧力0.1MPa、測定時間3秒で測定を行い、粒度分布積算の50%に対応する粒径を平均粒径とする。
【0044】
6)粉末の比表面積
BET法に従い、装置としてQUANTA CHROME社製MONOSORBを用いて測定する。キャリアガスとして窒素30%とヘリウム70%の混合ガスを用い、冷却は液体窒素によって行う。試料量は2gとし、3回測定して平均値を比表面積とする。
【0045】
7)高温揮発分
アルミニウム製カップ(容量50ml、上部径61mm、下部径42mm、深さ33mm)に試料10gを入れ、予め加熱温度に調整した熱風循環式電気炉で300±2℃の雰囲気中、1時間保持した後、重量を測定し、下式によって高温揮発分を求める。
【0046】
【数2】
高温揮発分(重量%)=(10(g)−熱処理後の重量(g))/10(g)×100
【0047】
8)粉末からの接触角測定用資料の作製
ASTM D4894−89に従い(金型は表面を鏡面仕上げしたものを用いる)、SSG(標準比重)測定用の未焼成のPTFE圧縮成形体を作製し、これを接触角測定用試料とする。
9)接触角
成形体又は塗膜の表面の接触角を、接触角計(協和界面科学株式会社製CA−DT・A型)を用い、直径3mmの液滴で測定した。測定は3回行い、平均値を接触角とする。
【0048】
【実施例】
実施例1
ステンレス鋼(SUS316)製アンカー型撹拌翼と温度調節用ジャケットを備え、内容量が100リットルのステンレス鋼(SUS316)製オートクレーブに、脱イオン水54l、及びパーフルオロオクタン酸アンモニウム11.6gを仕込み、55℃に加温しながら窒素ガスで3回、TFEガスで2回、系内を置換して酸素を除いた。その後、CH3Cl330gを仕込み、TFEガスで内圧を0.83MPaにし、80rpmで撹拌し、内温を55℃に保つ。
【0049】
次に水1リットルに過硫酸アンモニウム14.3gを溶かした水溶液をTFEで圧入し、オートクレーブ内圧を0.88MPaにすると、反応は加速的に進行する。その間、反応温度は55℃、撹拌速度は80rpmを保つ。TFEは、オートクレーブの内圧を常に0.88±0.05MPaに保つように連続的に供給する。
反応は、10.3kgのTFEモノマーが消費された時点で撹拌及びモノマー供給を停止し、直ちにオートクレーブ内のガスを常圧まで放出して、終了させた。
全反応時間は5.3時間、数平均粒径は0.18μmであった。また、得られたラテックスのポリマー濃度は 15.8重量%であった。
【0050】
得られたラテックスを凝析、洗浄した後、ポリマー粉末を140℃で18時間乾燥した。得られた原料粉末の比表面積は11m2/gであり、粉末の数平均粒径は5μmであった。また、ポリマーの数平均分子量は140000であった。
得られた原料粉末5kgを、空気循環炉内に備えたステンレス鋼(SUS316)製反応容器に仕込み、窒素で反応容器内を置換して空気を除去した後、反応容器が240℃になるように炉内を昇温した。次に、フッ素(F2)12gを反応容器に仕込み、240℃で2時間保持してフッ素化反応を終えた。反応後、直ちに窒素で系内を置換してフッ素(F2)を除去し、反応容器の温度を室温まで冷却し、粉末を取り出した。
【0051】
得られた粉末の比表面積は11m2/g、粉末の数平均粒径は5μm、ポリマーの数平均分子量は140000であった。高温揮発分は0.09重量%と極めて少なく、また、対水接触角は119゜であり、優れた撥水性を示した。
【0052】
塗料添加試験
得られたPTFE粉末39.2gとカーボンブラック(東海カーボン株式会社製シースト116)4.7gを、予めポリエーテルサルフォン(住友化学株式会社製ビクトレックス4100P)39.2gを、N−メチル−2−ピロリドン(大日本インキ化学工業株式会社製)178g、メチルイソブチルケトン(双葉化学薬品株式会社製)66.6g、メチルエチルケトン(双葉化学薬品株式会社製)39.2g及びトルエン(大阪石油化学株式会社製)39.2gの混合溶媒に溶解した溶液に混合、分散し塗料を得た。
【0053】
得られた塗料を、脱脂されたアルミニウム板(厚み:2mm)にスプレー塗装し、120℃で15分間乾燥した後、更に380℃で15分間焼成して塗装板を得た。
得られた塗膜表面の対水接触角は118゜であり、優れた撥水性を示した。また、撥油性の指標としてn−ヘキサデカン(CH3(CH2)14CH3、東京化成工業株式会社製)の接触角を測定すると43゜であり、優れた撥油性を示した。
【0054】
実施例2
実施例1で得た原料粉末を用い、フッ素化反応温度を280℃にする以外は実施例1と同様の条件でフッ素化を行った。得られた粉末の比表面積は9m2/g、粉末の数平均粒径は7μm、ポリマーの数平均分子量は140000であった。高温揮発分は0.08重量%と極めて少なく、また、対水接触角は117゜であり、優れた撥水性を示した。
【0055】
実施例3
ステンレス鋼(SUS316)製アンカー型撹拌翼と温度調節用ジャケットを備え、内容量が6リットルのステンレス鋼(SUS316)製オートクレーブに、脱イオン水2960ml、パーフルオロノナン酸アンモニウム3.0g及び流動パラフィン(キシダ化学株式会社製、試薬1級)120gを仕込み、70℃に加温しながら窒素ガスで3回、TFEガスで2回、系内を置換して酸素を除いた。その後、エタンガス75ccを仕込み、TFEガスで内圧を0.83MPaにし、250rpmで撹拌し、内温を70℃に保つ。
【0056】
次に水40mlに過硫酸アンモニウム60mgを溶かした水溶液をTFEで圧入し、オートクレーブ内圧を0.88MPaにすると、反応は加速的に進行する。この間、反応温度は70℃、撹拌速度は250rpmを保つ。TFEは、オートクレーブの内圧を常に0.88±0.05MPaに保つように連続的に供給する。
反応は、1260gのTFEモノマーが消費された時点で撹拌及びモノマー供給を停止し、直ちにオートクレーブ内のガスを常圧まで放出して、終了させた。全反応時間は11.5時間、数平均粒径は0.15μmであった。また、得られたラテックスのポリマー濃度は 29.6重量%であった。
【0057】
得られたラテックスを凝析、洗浄した後、ポリマー粉末を140℃で18時間乾燥した。得られた原料粉末の比表面積は15m2/gであり、粉末の数平均粒径は10μmであった。また、ポリマーの数平均分子量は420000であった。
【0058】
原料粉末の量を500gにし、フッ素(F2)の仕込量を1.2gにする以外は実施例1と同様の条件でフッ素化した。得られた粉末の比表面積は15m2/g、粉末の数平均粒径は10μm、ポリマーの数平均分子量は420000であった。高温揮発分は0.07重量%と極めて少なく、また、対水接触角は120゜であり、優れた撥水性を示した。
【0059】
実施例4
エタンの仕込量を68ccにし、TFEモノマーの消費量を1290gにする以外は実施例3と同様の手順で反応を行った。全反応時間は10.4時間、数平均粒径は0.16μmであった。また、得られたラテックスのポリマー濃度は30.1重量%であった。
得られたラテックスを実施例3と同様に処理し、原料粉末を得た。得られた粉末の比表面積は14m2/gであり、粉末の数平均粒径は12μmであった。また、ポリマーの数平均分子量は530000であった。
得られた原料粉末を、実施例3と同様の条件でフッ素化した。得られた粉末の比表面積は14m2/g、粉末の数平均粒径は12μm、ポリマーの数平均分子量は530000であった。高温揮発分は0.07重量%と極めて少なく、また、対水接触角は121゜であり、優れた撥水性を示した。
【0060】
比較例1
実施例1で得られた原料粉末の対水接触角を測定したところ95゜と小さく、撥水性は劣っていた。また、実施例1で得られた原料粉末について、実施例1同様の塗料添加試験を行ったところ、塗膜の対水接触角は109゜と小さく、また、n−ヘキサデカンの接触角も33゜と小さく、撥水性及び撥油性が劣っていた。
【0061】
比較例2
実施例3と同様のオートクレーブに、脱イオン水2960ml及びパーフルオロオクタン酸アンモニウム4.5gを仕込み、70℃に加温しながら窒素ガスで3回、TFEガスで2回、系内を置換して酸素を除いた。その後、CH3Cl30gを仕込み、TFEガスで内圧を0.83MPaにし、250rpmで撹拌し、内温を70℃に保つ。
【0062】
次に水40mlに過硫酸アンモニウム2.25gを溶かした水溶液をTFEで圧入し、オートクレーブ内圧を0.88MPaにすると、反応は加速的に進行する。この間、反応温度は70℃、撹拌速度は250rpmを保つ。TFEは、オートクレーブの内圧を常に0.88±0.05MPaに保つように連続的に供給する。
反応は、540gのTFEモノマーが消費された時点で撹拌及びモノマー供給を停止し、直ちにオートクレーブ内のガスを常圧まで放出して、終了させた。
全反応時間は8.2時間、数平均粒径は0.17μmであった。また、得られたラテックスのポリマー濃度は 15.3重量%であった。
【0063】
得られたラテックスを凝析、洗浄した後、ポリマー粉末を140℃で18時間乾燥した。得られた原料粉末の比表面積は13m2/gであり、粉末の数平均粒径は4μmであった。また、ポリマーの数平均分子量は30000であった。
得られた原料粉末を、実施例3と同様の条件でフッ素化した。得られた粉末の比表面積は11m2/g、粉末の数平均粒径は6μm、ポリマーの数平均分子量は30000であった。また、対水接触角は119゜であり、優れた撥水性を示したが、高温揮発分は0.59重量%と極めて多いものであった。
Claims (4)
- 40000〜600000の数平均分子量、7〜20m2/gの比表面積、1〜30μmの平均粒径、および110〜125゜の対水接触角を有することを特徴とするポリテトラフルオロエチレン粉末。
- 数平均分子量が60000〜500000であり、比表面積が9〜15m2/gであり、平均粒径が2〜20μmである請求項1に記載のポリテトラフルオロエチレン粉末。
- 数平均分子量が40000〜600000であり、比表面積が7〜20m2/gであり、平均粒径が1〜30μmであるコロイド状ポリテトラフルオロエチレン粒子の凝集粉末を、100〜300℃の温度において、フッ素ラジカル源と反応させることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリテトラフルオロエチレン粉末の製造方法。
- 150〜250℃でフッ素ラジカル源と反応させる請求項3に記載のポリテトラフルオロエチレン粉末の製造方法。
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