JP3928543B2 - 電機光学装置用基板及びその製造方法、電気光学装置並びに電子機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶装置等といった電気光学装置に用いられる基板、その基板の製造方法、その基板を用いて構成される電気光学装置、及びその電気光学装置を用いて構成される電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話機、携帯型パーソナルコンピュータ等といった電子機器に電気光学装置が広く用いられるようになっている。この電気光学装置の1つとして、反射型表示と透過型表示の両方ができる反射半透過型液晶装置が知られている。この液晶装置において反射型表示を行う場合には、自然光や室内光等といった外部光が液晶装置の内部へ取り込まれ、その光が液晶装置の内部に設けられた反射層で反射し、その反射光が再び外部へ出ることにより表示が行われる。この場合、反射層は透過型表示の機能を達成するために光を透過させる機能も持たなければならず、それ故、上記のように外部光を反射層で反射するといっても、反射できるのは外部光の全てではなく、その一部分である。
【0003】
しかしながら、上記のような反射層を用いた外部光の反射構造それ自体は、透過型表示の機能を持たない液晶装置、すなわち反射層によって外部光の全てを反射する構造の液晶装置、すなわち反射型液晶装置の場合も同様である。
【0004】
ところで、反射半透過型の液晶装置、あるいは、反射型の液晶装置を問わず、反射型の表示が可能な液晶装置においては、反射層の表面が鏡面状であると、観察者が視認する像に背景や室内照明が映ってしまい、表示された像が見難くなるという問題がある。
【0005】
この問題を解消するため、従来、表面に多数の微細な凹凸形状を持った下地層を反射層の下に設けることにより、この反射層の表面に複数の微細な山部を形成して粗面化し、これにより、反射光を適度に散乱させるという技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−258270号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、液晶装置においては、表示の最小単位である表示用ドットを多数、平面的に配列、例えばマトリクス状に配列し、それらの表示用ドットを選択的に光らせることにより、希望の像を表示するという方法が広く採用されている。そしてこの場合には、光を遮蔽する層、すなわち遮光層を複数の表示用ドットの間の領域に設けることにより、いわゆるブラックマスク又はブラックマトリクスと呼ばれる領域を形成し、これにより、コントラストの高い像を表示できるようにする、という構成も広く採用されている。
【0008】
このように表示用ドット間に遮光層を設ける場合には、従来、その遮光層を設けた部分の厚さが厚くなり、それ故、セルギャップのバラツキが大きくなったり、配向膜に施すラビング処理が上手くできなくなる等といった問題が生じていた。液晶装置では、一般に、遮光層に重ねて配向膜やオーバーコート層が形成され、これらの層により、基板の表面は、ある程度は平坦になるが、それでも尚、上記のようなセルギャップのバラツキ等は解消されていない。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みて成されたものであって、複数の表示用ドット領域と、それらの表示用ドットの間の領域との間で、表面に凹凸ができることを抑制することを目的とする。また、本発明は、遮光層とその層で囲まれた層、例えば着色層との間の平坦性を確保することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1)上記の目的を達成するため、本発明に係る電気光学装置用基板は、複数の表示用ドットが形成される基材と、互いに隣り合う前記表示用ドットの間の領域で、開口部を有するように前記基材上に設けられた下地層と、当該下地層上に設けられた反射層と、
前記表示用ドットにおける前記下地層上の前記反射層上においては一層で設けられ、前記表示用ドッドの間に位置する前記開口部においては積層して設けられる、複数の着色層とを有し、前記開口部における着色層は第1色の第1着色部と、第2色の第2着色部とを少なくとも有し、前記第1着色部は、当該第1着色部の可視光波長域における平均透過率が、前記第2着色部の可視光波長域における平均透過率よりも低い着色部であり、前記第1着色部及び前記第2着色部は、前記開口部において、前記基材側から前記第1着色部及び前記第2着色部の順に積層され、前記表示用ドットにおける着色層上と、前記表示用ドットの間における着色層上とに保護層が形成され、前記表示用ドットにおける着色層上の前記保護層の上面と、前記表示用ドットの間における着色層上の前記保護層の上面とが一致して平坦な面を形成するように、前記開口部における前記第1着色部の厚さが、前記第2着色部の厚さよりも厚く、且つ前記下地層よりも薄く形成されてなることを特徴とする。
【0011】
この構成の電気光学装置用基板では、下地層は表示用ドットの間の領域の凹部又は開口部には設けられないので、すなわち、着色層が積層された領域には下地層が設けられないので、着色層が積層される部分の厚さは下地層の厚さ分だけ減少する。これにより、積層された着色層の突出を防止でき、それ故、基板の表面に凹凸ができることを抑制できる。すなわち、基板の表面の平坦性を向上できる。
また前記第1着色部の可視光波長域における平均透過率は、前記第2着色部の可視光波長域における平均透過率よりも低く、前記第1着色部及び前記第2着色部は、前記前記凹部又は開口部において前記基材に前記第1着色部及び前記第2着色部の順に積層され、且つ前記第1着色部の厚さは前記第2着色部の厚さよりも厚く形成されるため、積層された着色層の遮光性が格段に優れたものになる。
更に第1着色部の厚さを前記下地層より薄くすることで、基板の表面に凹凸ができることを抑制する効果が増し、基板の表面の平坦性を更に向上できる。
また開口部における第1着色部の厚さが、第2着色部の厚さよりも厚く、且つ下地層よりも薄く形成されてなるため、着色層の色と第1の着色部の色が混色するのを防ぐことができる。
【0012】
(2)本発明において、前記前記第1着色部の厚さは、0.7μm以上であって2.0μm以下であることが好ましい。
【0013】
(3)次に本発明に係る電気光学装置用基板は、複数の表示用ドットが形成される基材と、互いに隣り合う前記表示用ドットの間の領域で、開口部を有するように前記基材上に設けられた下地層と、当該下地層上に設けられた反射層と、前記表示用ドットにおける前記下地層上の前記反射層上においては一層で設けられ、前記表示用ドッドの間に位置する前記開口部においては積層して設けられる、複数の着色層とを有し、前記開口部における着色層は、青色系の前記着色部、緑色系の前記着色部及び赤色系の前記着色部を少なくとも有し、青色系の前記着色部、緑色系の前記着色部及び赤色系の前記着色部は、前記開口部において、前記基材側から前記青色系の着色部、前記緑色系の着色部及び前記赤色系の着色部の順に積層され、前記表示用ドットにおける着色層上と、前記表示用ドットの間における着色層上とに保護層が形成され、前記表示用ドットにおける着色層上の前記保護層の上面と、前記表示用ドットの間における着色層上の前記保護層の上面とが一致して平坦な面を形成するように、前記開口部における前記青色系の着色部の厚さが、前記緑色系の着色部の厚さ及び前記赤色系の着色部の厚さよりも厚く、且つ前記下地層よりも薄く形成されてなることを特徴とする。
【0014】
この構成の電気光学装置用基板でもまた、基板の表面に凹凸ができることを抑制できる。すなわち、基板の表面の平坦性を向上できる。更に、青色系の前記着色部、緑色系の前記着色部及び赤色系の前記着色部は、前記凹部又は開口部において前記基材に青色系の前記着色部、緑色系の前記着色部及び赤色系の前記着色部の順に積層され、且つ青色系の前記着色部の厚さは緑色系の前記着色部の厚さ及び赤色系の前記着色部の厚さよりも厚くに形成されるので、積層された着色層の遮光性が格段に優れたものになる。
更に青色系の着色部の厚さを前記下地層より薄くすることで、基板の表面に凹凸ができることを抑制する効果が増し、基板の表面の平坦性を更に向上できる。
また開口部における青色系の着色部の厚さが、緑色系の着色部の厚さ及び赤色系の着色部の厚さよりも厚く、且つ下地層よりも薄く形成されてなるため、反射層上の着色層の色と青色系の着色部の色が混色するのを防ぐことができる。
【0016】
(4)前記下地層の表面には不規則に配列された山部又は谷部が形成されていることが望ましい。
【0017】
(5)前記下地層は前記反射層からなる反射部と、前記反射層が形成されずに光を透過させるための透過部とを有することが望ましい。
【0020】
(6)本発明に係る電気光学装置は、上記構成の電気光学装置用基板と、該電気光学装置用基板に対向して設けられた他の基板と、前記電気光学装置用基板と前記他の基板との間に設けられた電気光学物質層とを有することを特徴とする。
【0021】
(7)本発明に係る電気光学装置は、互いに対向して配置される第1基材及び第2基材と、前記第1基材と前記第2基材との間に配置される電気光学物質と、前記第1基材上に設けられた第1電極と、前記第2基材上に設けられた第2電極と、前記第1電極と前記第2電極とが重なる領域に形成された複数の表示用ドットと、互いに隣り合う前記表示用ドットの間の領域で、開口部を有するように前記基材上に設けられた下地層と、 当該下地層上に設けられた反射層と、前記表示用ドットにおける前記下地層上の前記反射層上においては一層で設けられ、前記表示用ドッドの間に位置する前記開口部においては積層して設けられる、複数の着色層とを有し、前記開口部における着色層は第1色の第1着色部と、第2色の第2着色部とを少なくとも有し、前記第1着色部は、当該第1着色部可視光波長域における平均透過率が、前記第2着色部の可視光波長域における平均透過率よりも低い着色部であり、前記第1着色部及び前記第2着色部は、前記開口部において、前記基材側から前記第1着色部及び前記第2着色部の順に積層され、前記表示用ドットにおける着色層上と、前記表示用ドットの間における着色層上とに保護層が形成され、前記表示用ドットにおける着色層上の前記保護層の上面と、前記表示用ドットの間における着色層上の前記保護層の上面とが一致して平坦な面を形成するように、前記開口部における前記第1着色部の厚さが、前記第2着色部の厚さよりも厚く、且つ前記下地層よりも薄く形成されてなることを特徴とする。
【0022】
(8)本発明に係る電気光学装置は、互いに対向して配置される第1基材及び第2基材と、前記第1基材と前記第2基材との間に配置される電気光学物質と、前記第1基材上に設けられた第1電極と、前記第2基材上に設けられた第2電極と、前記第1電極と前記第2電極とが重なる領域に形成された複数の表示用ドットと、互いに隣り合う前記表示用ドットの間の領域で、開口部を有するように前記基材上に設けられた下地層と、 当該下地層上に設けられた反射層と、前記表示用ドットにおける前記下地層上の前記反射層上においては一層で設けられ、前記表示用ドッドの間に位置する前記開口部においては積層して設けられる、複数の着色層とを有し、前記開口部における着色層は、青色系の前記着色部、緑色系の前記着色部及び赤色系の前記着色部を少なくとも有し、青色系の前記着色部、緑色系の前記着色部及び赤色系の前記着色部は、前記開口部において、前記基材側から青色系の前記着色部、緑色系の前記着色部及び赤色系の前記着色部の順に積層され、前記表示用ドットにおける着色層上と、前記表示用ドットの間における着色層上とに保護層が形成され、前記表示用ドットにおける着色層上の前記保護層の上面と、前記表示用ドットの間における着色層上の前記保護層の上面とが一致して平坦な面を形成するように、前記開口部における前記青色系の着色部の厚さが、前記緑色系の着色部の厚さ及び前記赤色系の着色部の厚さよりも厚く、且つ前記下地層よりも薄く形成されてなることを特徴とする。
【0023】
(9)本発明に係る電子機器は、上記構成の電気光学装置を有することを特徴とする。
【0024】
(10)本発明に係る電気光学装置用基板の製造方法は、複数の表示用ドットが形成される基材上に下地層を形成する工程と、前記下地層上に反射層を形成する工程とを有し、
前記下地層を形成する工程では、互いに隣り合う前記表示用ドットの間の領域で、開口部を有するように前記下地層を形成しており、前記基材上に複数の着色層を形成する工程とを有し、前記複数の着色層を形成する工程では、前記複数の着色層を前記下地層上の前記反射層上においては一層で設け、前記開口部においては積層して設けており、
前記開口部においては、前記着色層を少なくとも第1色の第1着色部と、第2色の第2着色部とからなるように形成し、且つ前記基材側から前記第1着色部及び前記第2着色部の順に積層し、前記第1着色部の可視光波長域における平均透過率を、前記第2着色部の可視光波長域における平均透過率よりも低くし、前記表示用ドットにおける着色層上と、前記表示用ドットの間における着色層上とに保護層を形成し、前記表示用ドットにおける着色層上の前記保護層の上面と、前記表示用ドットの間における着色層上の前記保護層の上面とが一致して平坦な面を形成するように、前記開口部における前記第1着色部の厚さを、前記第2着色部の厚さよりも厚く、且つ前記下地層よりも薄く形成することを特徴とする。
【0025】
(11)本発明に係る電気光学装置用基板の製造方法は、複数の表示用ドットが形成される基材上に下地層を形成する工程と、前記下地層上に反射層を形成する工程とを有し、
前記下地層を形成する工程では、互いに隣り合う前記表示用ドットの間の領域で、開口部を有するように前記下地層を形成しており、前記基材上に複数の着色層を形成する工程とを有し、前記複数の着色層を形成する工程では、前記複数の着色層を前記下地層上の前記反射層上においては一層で設け、前記開口部においては積層して設けており、
前記開口部においては、前記着色層を少なくとも青色系の前記着色部、緑色系の前記着色部及び赤色系の前記着色部とからなるように形成し、且つ前記基材側からに青色系の前記着色部、緑色系の前記着色部及び赤色系の前記着色部の順に積層し、前記表示用ドットにおける着色層上と、前記表示用ドットの間における着色層上とに保護層を形成し、前記表示用ドットにおける着色層上の前記保護層の上面と、前記表示用ドットの間における着色層上の前記保護層の上面とが一致して平坦な面を形成するように、前記開口部における前記青色系の着色部の厚さを、前記緑色系の着色部の厚さ及び前記赤色系の着色部の厚さよりも厚く、且つ前記下地層よりも薄く形成することを特徴とする。
【0053】
【発明の実施の形態】
(原理説明)
まず、本発明に係る電気光学装置用基板及びそれを用いた電気光学装置の原理を、液晶装置を例にとって説明する。図1(a)は、本発明を適用した液晶装置、特に反射型液晶装置を構成する基板の一例における数個の表示用ドット部分の断面構造を示している。
【0054】
なお、一般的な液晶装置では、一対の基板をシール材によって間隙、いわゆるセルギャップが形成されるように貼り合わせ、さらに、そのセルギャップ内に液晶を封入して液晶層を形成する。図1(a)では、一対の基板のうち、反射層及び着色層が設けられる側の基板、いわゆるカラーフィルタ基板だけの、しかもそのカラーフィルタ基板のうちの数個の表示用ドット部分だけを示している。
【0055】
図1(a)において、ガラス、プラスチック等から成る透光性の基材1上に、下地層としての樹脂散乱層4が形成され、その上にアルミニウム合金、銀合金等によって反射層2が形成され、さらにその上に着色層3r、3g、3bが形成される。着色層3rは赤色(R)を透過し、着色層3gは緑色(G)を透過し、着色層3bは青色(B)を透過する層であるとする。反射層2は、基材1の下方に配置される照明装置、いわゆるバックライト(図示せず)から照射される光を透過させるための開口部(すなわち、スリット)6を有している。
【0056】
ところで、液晶装置では、一般に、液晶層を挟んで互いに対向する一対の電極が重なり合う面積部分によって、表示の最小単位となる表示用ドットが形成される。R,G,Bの3原色を用いてカラー表示を行う場合には、各色に対応する表示用ドットが3つ集まって1つの画素が形成される。また、白黒等といった単色表示を行う場合は、表示用ドットの1つが画素を形成する。図1(a)では表示用ドットが符号Dで示されている。互いに隣り合う表示用ドットDの間の領域には、一般に、不要な光の透過を抑えて表示のコントラストを上げるための遮光層3kが設けられることが多い。
【0057】
本発明において、樹脂散乱層4は、表示用ドットDに対応する領域に設けられ、しかし、互いに隣り合う表示用ドットDの間の領域には樹脂散乱層4が設けられない。すなわち、遮光層3kが形成されるべき領域には、樹脂散乱層4は設けられない。図1(a)の構造の場合、遮光層3kは、3r,3g,3bの3色の重ね合わせによって形成されている。この場合には、3つの着色層が重なるため、その部分の厚さは他の1色の着色層が設けられる領域に比べてかなり大きくなってしまう。
【0058】
そこで、本発明では、遮光層3kが形成される領域、すなわち表示用ドットD以外の領域においては、反射層2の下に樹脂散乱層4を形成しないことにした。樹脂散乱層4は、反射層2による外光の反射光を適度に散乱させるために形成されるものであるが、遮光層3kが形成される領域では外光は遮光層3kによって吸収されてしまい、反射層2には到達しないので、樹脂散乱層4は無くても構わない。上記のように遮光層3kが形成される領域で樹脂散乱層4を形成しないことにすれば、その分の厚さが減少するので、遮光層3kの領域とその他の着色層の領域との間の厚さの差異を小さくでき、その結果、基板の表面の平坦性を向上できる。
【0059】
図1(a)の場合は、3色の着色層材料3r,3g,3bの重ね合わせによって遮光層3kを形成したが、これに代えて、遮光層3kは、樹脂ブラックを用いて形成することもできる。樹脂ブラックを用いる場合の各層の厚さは、液晶装置の機種に依存するが、一般的には、樹脂散乱層4は2μm程度、着色層の厚さは1μm程度、そして、樹脂ブラックによる遮光層3kの厚さは1.0〜1.5μm程度である。よって、遮光層3kの領域に樹脂散乱層4を形成しないことにすれば、遮光層3kの厚さは2μm程度減少することになる。
【0060】
比較のため、図1(b)に、基材の全面に樹脂散乱層を形成した場合のカラーフィルタ基板の断面構造を示す。この基板では、基材1上の全面に樹脂散乱層4が形成され、開口部6を有する反射層2がその上に形成されている。そして、その上にさらに、R,G,B3色の着色層3r,3g,3bを重ねて形成することにより、遮光層3kが形成されている。このため、遮光層3kの領域は、単色の着色層が形成される領域に比べて、その厚さがかなり厚くなっている。
【0061】
これに対し、図1(a)に示す本発明の場合は、遮光層3kの領域において樹脂散乱層4が形成されていないので、遮光層3kを構成する3つの着色層3r,3g,3bがその樹脂散乱層4の厚さ分だけ下方に形成されており、その結果、遮光層3kの領域の厚さが減少し、隣接する単色の着色層の領域に対する厚さの差異が小さく、又はほとんど無くなる。
【0062】
図1(a)及び図1(b)では、説明の便宜上、3色の着色層3r,3g,3bのそれぞれの厚さと反射層2の厚さを等しくし、樹脂散乱層4の厚さをそれらの2倍であると設定した。実際には、反射層2の層厚はそれほど大きくは無いのが一般的であり、また、着色層3r,3g,3bと樹脂散乱層4の層厚の関係も設計より変動するが、樹脂散乱層4を省略することにより、その分の厚さは減少するため、遮光層3kの領域の厚さは確実に減少できる。
【0063】
次に、樹脂ブラック等を用いて樹脂型ブラックマトリクス、すなわち遮光層を形成する場合の例を図2(a)に示す。この例において、遮光層3kが樹脂ブラックの層として、R,G,Bの着色層とは別個に形成される点以外は図1(a)の場合と同様である。すなわち、基材1上に樹脂散乱層4が形成されるが、遮光層3kが形成される領域には樹脂散乱層4は形成されない。樹脂散乱層4の上には、開口部6を除く領域に反射層1が形成され、その上に各色の着色層3r,3g,3bが形成される。
【0064】
比較例として、図2(b)に、基材1の全面に樹脂散乱層4を形成した場合のカラーフィルタ基板の断面構造を示す。図示のように、遮光層3kの下にも樹脂散乱層4が形成されている結果、遮光層3kの領域は厚さが他の着色層3r,3g,3bの領域よりも厚くなっている。
【0065】
これに対し、図2(a)に示す本発明の場合、遮光層3kの下には樹脂散乱層4を設けないため、その分の厚さが減少しており、結果的に遮光層3kの領域の厚さが減少している。なお、図2(a)においては、厚さが減少した結果、遮光層3kの領域がそれに隣接する着色層よりも引っ込んだ形状となっているが、これは遮光層3kの厚さや、各着色層3r,3g,3bの厚さや、反射層2の厚さを調整することにより、さらに平坦化することができる。
【0066】
なお、本発明は、単一の着色層が形成される領域以外の領域、すなわち表示用ドットD以外の領域、すなわち遮光層3kが形成される領域において、樹脂散乱層4を省略することにより、カラーフィルタ基板の全体の厚さを、できるだけ平坦化することを特徴としているが、これにより、遮光層3kの領域とそれに隣接する各色の着色層の領域との間で、それらの厚さを完全に一致させることを意図するものではない。
【0067】
実際には、各色の着色層、反射層、遮光層及び樹脂散乱層の厚さは、様々な要因に従って設定されるものであり、必ずしも、遮光層3kの領域と各色着色層の領域との間で厚さを一致させることができるとは限らない。しかし、一般に、遮光層3kの領域は各色着色層よりも厚いので、その部分の樹脂散乱層を省略すれば、遮光層3kの領域と着色層の領域との間の厚さの差が少なくなることは確実であり、本発明はそうすることにより、平坦性の高いカラーフィルタ基板を得ようとするものである。
【0068】
(第1実施形態)
以下、図1(a)に示したカラーフィルタ基板を半透過反射型の液晶装置に適用した場合の実施形態について説明する。図3において、液晶装置10Aは、シール材13によって貼り合わされた基板11と基板12とを有する。これらの基板11及び12は、例えばガラス、プラスチック等によって形成された基材11’及び12’の上に各種の層要素を形成することによって製造される。基板11と基板12との間には液晶が封入され、この液晶によって液晶層14が形成されている。
【0069】
また、基板12の外面上には位相差板15及び偏光板16が順に配置され、一方、基板11の外面上には位相差板17及び偏光板18が配置される。なお、偏光板18の下方には、透過型表示を行う際に照明光を発する照明装置19がバックライトとして配置される。基板11と基板12とを貼り合わせて成るパネル構造体は、表示の最小単位である表示用ドットDを複数、有しており、それらの表示用ドットDは矢印A方向から見て、すなわち観察側から見て、マトリクス状に配列される。
【0070】
基材11’の上には、R,G,B各色の着色層を形成すべき領域、すなわち遮光層を形成すべき領域以外の領域、すなわち表示用ドットDに対応する領域に、例えば、アクリル樹脂等により透明な樹脂散乱層23が下地層として形成される。そして、その上に、反射層21が形成される。よって、各色の着色層を形成すべき領域においては樹脂散乱層23の上に反射層21が形成され、遮光層を形成すべき領域においては基材11’上に直接に反射層21が形成される。なお、樹脂散乱層23上において、反射層21は、下方からの照明光を透過するための開口部27を有する。
【0071】
また、樹脂散乱層23が形成された領域では、反射層21上に各色の着色層22r,22g,22bが形成される。一方、樹脂散乱層23が形成されない領域には、R,G,B3色の着色層を重ね合わせることにより、遮光層22kが形成される。そして、各色の着色層22r、22g、22b及び遮光層22kの上には、それらの層を保護するための保護層22pが形成される。これら着色層22r,22g,22b、遮光層22k、保護層22pによってカラーフィルタ22が形成される。さらに、カラーフィルタ22の保護層22pの表面上には透明電極24が形成される。
【0072】
このように、遮光層22kが形成される領域は、3色の着色層が重ね合わせて配置されるが、その領域では樹脂散乱層23が設けられていないので、各色の着色層の領域とは厚さにそれほど大きな差はなくなり、カラーフィルタ22の平坦性を高めることができる。また、これにより、保護層22pの厚さを薄くすることができ、その結果、液晶装置10A自体の厚さを減少させることができるという利点もある。
【0073】
一方、基材12’の内面上には透明電極26が形成され、この透明電極26は対向する基材11上の透明電極24と交差する位置関係になっている。なお、基板11側の透明電極24上及び基板12側の透明電極26上には、必要に応じて、配向膜その他の光学要素が設けられる。
【0074】
次に、図3及び図4を参照してカラーフィルタ22が設けられる基板11側の構造について、より詳しく説明する。図3及び図4に示すように、本実施形態においては、カラーフィルタ22の各色の着色層22r,22g,22bに対応する領域に、厚さ50nm〜250nm程度の反射層21が形成されている。この反射層21は、アルミニウム、アルミニウム合金、銀合金等の薄膜で形成できる。なお、図4の平面図においては、反射層21は各色の着色層22r,22g,22b内において、開口部27以外の領域に形成されている。
【0075】
反射層21の上には、例えば、原色のカラーフィルタの場合には、R(赤)の着色層22r、G(緑)の着色層22g、及びB(青)の着色層22bが、それぞれ、0.5μm〜2.0μm程度の厚さで形成されている。これらの着色層は公知の配列、例えば、ストライプ配列、デルタ配列(すなわち、トライアングル配列)、ダイヤゴナル配列等といった配列で表示用ドットごとに配置されている。なお、図4に示す平面構造例には、ストライプ配列のカラーフィルタが示されている。
【0076】
着色層22r,22g,22bの上には、透明樹脂等から成る保護層22pが形成される。この保護層22pは、カラーフィルタ基板の製造工程中において着色層を薬剤等による腐食や汚染から保護すると共に、カラーフィルタ22の表面を平坦化する。本実施形態では、保護層22pを形成する前の段階において、各色の着色層22r,22g,22bの領域の厚さと遮光層22kの領域の厚さとの差が小さいため、薄い保護層22pを形成するだけでカラーフィルタ22の表面を平坦にすることができる。
【0077】
カラーフィルタ22の上には、ITO(Indium Tin Oxide)等といった透明導電体から成る透明電極24が複数本、形成される。これらの透明電極24は矢印A方向から見て互いに平行に並べられ、全体としてストライプ状に形成さえている。また、これらの透明電極24は、基材12’上に同様にストライプ状に形成された透明電極26に対して直交する方向に延び、透明電極24と透明電極26(図4に鎖線で示す)との交差領域内に含まれる液晶装置10Aの構成部分、すなわち反射層21、カラーフィルタ22、透明電極24、液晶層14及び透明電極26における上記交差領域内の部分、が表示用ドットDを構成する。
【0078】
この液晶装置10Aにおいて反射型表示が行われる場合には、反射層21が形成されている領域に入射した外部光は、図3に示す反射経路Rに沿って進行し、反射層21で反射して観察者に視認される。一方、透過型表示が行われる場合は、照明装置19から出射した照明光は反射層21に設けた開口部27を透過して経路Tに示すように進行し、観察者により視認される。
【0079】
なお、本実施形態では、カラーフィルタ22の各着色層22r,22g,22bの配列は特定の配列に限定されない。すなわち、ストライプ配列、デルタ配列、ダイヤゴナル配列等といった各種の配列に設定できる。
【0080】
次に、以上に記載した構成の液晶装置10Aの製造方法について説明する。まず、図3に示すような、樹脂散乱層23、反射層21及びカラーフィルタ22を有する基板構造体の製造方法について図5を参照して説明する。
【0081】
図5(a)において、基材11’の表面上に樹脂散乱層23を形成する。樹脂散乱層23は、単一の着色層が形成されるべき領域、すなわち表示用ドットDに対応する領域だけに形成される。言い換えれば、遮光層22kが形成されるべき領域には樹脂散乱層23は形成されない。
【0082】
樹脂散乱層23の形成方法としては、例えば、所定の膜厚のレジスト層をスピンコートによって形成した後、プリベークし、次に所定のパターンが形成されたフォトマスクを配置して露光及び現像を行うことにより、ガラス基板の表面に微細な凹凸形状を形成する。さらに、そうして基材11’上に形成された凹凸を熱処理することにより、凹凸形状の角を熱で変形させて滑らかな形状の凹凸形状が形成される。なお、樹脂散乱層23の形成方法としては、これ以外の方法を採用することも、もちろん可能である。
【0083】
次に、アルミニウム、アルミニウム合金、銀合金等といった金属を蒸着法やスパッタリング法等によって薄膜状に成膜し、これを公知のフォトリソグラフィー法を用いてパターニングすることによって、図5(b)に示すように、厚さ50nm〜250nm程度の反射層21を形成する。この際、反射層21は、先に樹脂散乱層23が形成された領域(つまり、各色の着色層に対応する領域)上及び樹脂散乱層23が形成されていない領域(つまり、遮光層22kに対応する領域)に形成されるが、樹脂散乱層23上では開口部27を除く領域に形成される(図4参照)。
【0084】
次に、所定の色相を呈する顔料や染料等を分散させて成る着色された感光性樹脂(例えば、感光性レジスト)を塗布する。次に、所定パターンにて露光し、さらに現像することによってパターニングを行うことにより、厚さ0.5μm〜2.0μm程度の着色層22r,22g,22bを順に形成する。3色の着色層22r,22g,22bが形成されると、それら3層が重ね合わされた部分が遮光層22kとなる。
【0085】
なお、この着色層の形成工程においては、感光性樹脂としてレベリング性の高い素材を用い、これをスピンコーティング法等といった平坦性を得易い方法で塗布する。その結果、各着色層の表面は、表示用ドットD内においてほとんど平坦に形成される。
【0086】
このように、本発明の液晶装置10Aでは、遮光層22kの領域に樹脂散乱層23を形成しないので、その分遮光層22kの全体の厚さが減少し、それに隣接する各色の着色層領域に対する厚さの差が小さくなる。よって、カラーフィルタ22の平坦性を向上できる。
【0087】
次に、こうして得られたカラーフィルタ基板を用いて、図3に示す液晶装置10Aを製造する方法について図6を参照して説明する。図6は、液晶装置10Aの製造工程を示す流れ図である。
【0088】
まず、工程P1において、樹脂散乱層23、反射層21及びカラーフィルタ22を有するカラーフィルタ基板を製造する。次に、工程P2において、カラーフィルタ基板のカラーフィルタ22上に透明導電体をスパッタリング法によって被着し、公知のフォトリソグラフィー法によってパターニングすることにより、透明電極24を形成する。次に、工程P3において、透明電極24上にポリイミド樹脂等から成る配向膜を形成し、さらにその配向膜に対してラビング処理等を施す。これにより、基板11が形成される。
【0089】
一方、対向する基板12を製造するために、工程P4において、基材12’に透明電極26を形成する。さらに、工程P5において、透明電極26上に配向膜を形成し、さらに、その配向膜にラビング処理を施す。これにより、基板12が形成される。
【0090】
その後、工程P6において、基板11と基板12とをシール材13によって貼り合わせてパネル構造を形成する。基板11と基板12とは、基板間に分散配置された図示しないスペーサによって規定の基板間隔となるように貼り合わされる。
【0091】
その後、工程P7において、液晶層14を形成するための液晶をシール材13の開口部(図示せず)から注入し、その注入後、シール材13の開口部を紫外線硬化樹脂等といった封止材によって封止する。こうして主要なパネル構造が完成した後に、工程P8において、上記の位相差板や偏光板等を必要に応じてパネル構造の外面上に貼着等といった固着方法によって取り付ける。これにより、図3に示す液晶装置10Aが完成する。
【0092】
(第2実施形態)
次に、本発明の他の実施形態を説明する。この実施形態は、図2(a)に示すように、遮光層として樹脂ブラックを利用するカラーフィルタ基板を半透過反射が他の液晶装置に適用した例であり、その断面構造を図7に示す。
【0093】
図7において、液晶装置10Bは、シール材33によって貼り合わされた基板31と基板32とを有する。これらの基板31及び32は、例えばガラス、プラスチック等によって形成された基材31’及び32’の上に各種の層要素を形成することによって製造される。基板31と基板32との間には液晶が封入され、この液晶によって液晶層34が形成されている。
【0094】
基板32の外面上には、位相差板35及び偏光板36が順に設けられる。また、基板31の外面上には、位相差板37及び偏光板38が順に設けられる。なお、偏光板38の下方には、照明光を発する照明装置39がバックライトとして設けられる。基板11と基板12とを貼り合わせて成るパネル構造体は、表示の最小単位である表示用ドットDを複数、有しており、それらの表示用ドットDは矢印A方向から見て、すなわち観察側から見て、マトリクス状に配列される。
【0095】
基材31’の上には、R,G,B各色の着色層を形成すべき領域、すなわち遮光層を形成すべき領域以外の領域、すなわち表示用ドットDに対応する領域に、例えば、アクリル樹脂等により透明な樹脂散乱層43が下地層として形成される。そして、その上に、反射層41が形成される。よって、各色の着色層を形成すべき領域においては樹脂散乱層43の上に反射層41が形成され、遮光層を形成すべき領域においては基材31’上に直接に反射層41が形成される。なお、樹脂散乱層43上において、反射層41は、下方からの照明光を透過するための開口部47を有する。
【0096】
また、樹脂散乱層43が形成された領域では、反射層41上に各色の着色層42r,42g,42bが形成される。一方、樹脂散乱層43が形成されない領域には、樹脂ブラック等を利用して遮光層42kが形成される。そして、各色の着色層42r、42g、42b及び遮光層42kの上には、それらの層を保護するための保護層42pが形成される。これら着色層42r,42g,42b、遮光層42k、保護層42pによってカラーフィルタ42が形成される。さらに、カラーフィルタ42の保護層42pの表面上には透明電極44が形成される。
【0097】
このように、遮光層42kが形成される領域には樹脂散乱層43が設けられていないので、各色の着色層の領域とは厚さにそれほど大きな差はなくなり、カラーフィルタ42の平坦性を高めることができる。また、これにより、保護層42pの厚さを薄くすることができ、その結果、液晶装置10B自体の厚さを減少させることができるという利点もある。
【0098】
一方、基材32’の内面上には透明電極46が形成され、この透明電極46は対向する基材31’上の透明電極44と交差する位置関係になっている。なお、基板31側の透明電極44上及び基板32側の透明電極46上には、必要に応じて、配向膜その他の光学要素が設けられる。
【0099】
なお、図7の液晶装置10Bの平面構造は、図4に示した液晶装置10Aと基本的に同じであるので、その説明は省略する。また、本実施形態においても、カラーフィルタの各着色層の配列は特定の配列には限られない。すなわち、ストライプ配列、デルタ配列、ダイヤゴナル配列等といった各種の配列とすることができる。
【0100】
次に、以上に記載した液晶装置10Bの製造方法について説明する。まず、図7に示すような、樹脂散乱層43、反射層41及びカラーフィルタ42を有する基板構造体の製造方法について図8を参照して説明する。
【0101】
図8(a)において、基材31’の表面上に樹脂散乱層43を形成する。樹脂散乱層43は、単一の着色層が形成されるべき領域、すなわち表示用ドットDに対応する領域だけに形成される。言い換えれば、遮光層42kが形成されるべき領域には樹脂散乱層43は形成されない。なお、樹脂散乱層43の形成方法は、図5に示した実施形態の場合と同様である。
【0102】
次に、アルミニウム、アルミニウム合金、銀合金等といった金属を蒸着法やスパッタリング法等によって薄膜状に成膜し、これを公知のフォトリソグラフィー法を用いてパターニングすることによって、図8(b)に示すように、厚さ50nm〜250nm程度の反射層41を形成する。この際、反射層41は、先に樹脂散乱層43が形成された領域(つまり、各色の着色層に対応する領域)上及び樹脂散乱層43が形成されていない領域(つまり、遮光層42kに対応する領域)に形成されるが、樹脂散乱層43上では開口部47を除く領域に形成される(図4参照)。
【0103】
次に、所定の色相を呈する顔料や染料等を分散させて成る着色された感光性樹脂(例えば、感光性レジスト)を塗布する。次に、所定パターンにて露光し、さらに現像することによってパターニングを行うことにより、図8(c)に示すように、厚さ0.5μm〜2.0μm程度の着色層42r,42g,42bを順に形成する。次に、樹脂ブラック等を利用して、図8(d)に示すように、遮光層42kを形成する。次に、その上に保護層42pが形成される。
【0104】
このように、本実施形態の液晶装置10Bでは、遮光層42kの領域に樹脂散乱層43を形成しないので、その分、遮光層42kの全体の厚さが減少し、それに隣接する各色の着色層領域に対する厚さの差が小さくなる。よって、カラーフィルタ42の平坦性を向上できる。
【0105】
以上のようして得られたカラーフィルタ基板を用いて、図7に示す液晶装置10Bを製造する方法は、図6を参照して説明した実施形態の場合と同様であるので、その説明は省略する。
【0106】
(第3実施形態)
次に、本発明を反射半透過型のパッシブマトリックス方式の液晶装置に適用した場合の実施形態について説明する。図9はその液晶装置の断面図である。図10はその液晶装置を構成する液晶パネルの断面図である。図11は図10の液晶パネルを構成する液晶装置用基板であるカラーフィルタ基板の断面図である。図12は該液晶パネルの部分拡大図である。図12におけるA−A’線の断面図が図10に相当する。図13は下地層が完全に取り除かれた遮光層の部分断面拡大図である。図14は下地層が一部分だけ取り除かれた遮光層の部分断面拡大図である。そして、図15は本実施形態に係る液晶装置の製造方法の一実施形態を示す工程図である。
【0107】
液晶装置101は、いわゆる反射半透過型の構造を有する液晶パネル102と、必要に応じて設けられる照明装置131と、液晶パネル102及び照明装置131を支持するケース体132とを有する。
【0108】
液晶パネル102は、図10に示すようにガラス板又は合成樹脂板等から形成された透明な第1基材103を基体とするカラーフィルタ基板604と、これに対向する第2基材105を基体とする対向基板606とがシール材133(図9参照)を介して貼り合わせられ、そのカラーフィルタ基板604と対向基板606との間に液晶が封入されて液晶層607が形成されている。また、第1基材103の外面には位相差板108及び偏光板109が配置され、第2基材105の外面には位相差板110及び偏光板111が配置されている。
【0109】
カラーフィルタ基板604に関しては、図10、図11及び図12に示すように、第1基材103の液晶層607側の表面には下地層112が形成され、その下地層112の表面に反射層113が設けられる。また、下地層112の表面に反射層113が設けられた部分は反射部125を構成し、反射層113に形成された開口部122によって透過部が構成される。
【0110】
反射層113の上には、緑色の着色層114G、青色の着色層114B及び赤色の着色層114Rが所定の配列パターンで形成される。これらの着色層に関しては、これ以降の説明において、総称的に符号“114”で示されることがある。互いに隣り合う着色層114の間の境界領域には遮光層115が設けられる。また、着色層114及び遮光層115の上には、それらの層を保護するオーバーコート層116が設けられる。また、オーバーコート層116の上にはITO(Indium Tin Oxide:インジウムスズ酸化物)等といった透明導電体から成る透明電極117が形成され、さらにその上にポリイミド樹脂等から成る配向膜118が形成されている。
【0111】
一方、対向基板606には、図10及び図12に示すように、第2基材105の液晶層607側の表面に、透明電極119が第1基材103側の透明電極117と直交する方向(すなわち、図12のX方向)に延びる帯状に形成され、さらにその上には配向膜120が形成されている。透明電極117は相互に並列して、A方向から見てストライプ状に構成されており、透明電極119はこれと直交する方向に相互に並列して、矢印A方向から見てストライプ状に構成されている。第1基材103側の透明電極117と第2基材105側の透明電極119とが平面的に重なる部分が、表示の最小単位である表示用ドットDを構成する。
【0112】
カラーフィルタ基板604の下地層112は樹脂材料から成り、図13に示すように下層112a及び上層112bの2層で形成される。この下地層112は、下層112aの表面が細かい凹凸状に加工され、さらにこの下層112aの表面全体に同じ材料の薄い上層112bが被覆される。これにより、下地層112の表面に滑らかな凹凸状が形成される。また、この下地層112は、透過光を散乱させるものであり、これにより、表示された画面の像が見難くなるという問題が解消できる。
【0113】
また、反射層113は、例えばアルミニウムや銀等の単体金属膜であって下地層112上に形成されており、下地層112の表面の凹凸に対応して反射層113の表面にも細かい凹凸が形成されている。これにより、反射層113によって反射された反射光も散乱させることができ、表示された画面の像が見難くなるという問題が解消できる。
【0114】
反射層113には、例えば図12に示すように、表示用ドットDのほぼ中央に略長方形の開口部122が形成されており、この開口部122が光を透過するための透過部となる。図9の照明装置131から出射する面状の光は、この開口部122を透過して液晶層607へ供給される。なお、開口部122は、この例の形に限られるものでなく、その他の形状、例えば円孔にすることができる。また、開口部122の数は、1つに限られず、複数とすることもできる。
【0115】
図10において、着色層114は、例えば、顔料又は染料等の着色剤を含む感光性樹脂から成る着色レジストを塗布し、これをフォトリソグラフィ法等によってパターニングすることによって形成される。このパターニングにより、第1基材103を通過した照明装置131からの光を透過するための開口部122と、この開口部122の周りの反射層113を覆う部分が形成される。本実施形態のように、R,G,Bの3色の着色層114を設ける場合には、上記のパターニング処理が各色について順々に行われる。
【0116】
着色層114の配列パターンとして、図12では斜めモザイク配列を採用しているが、この斜めモザイク配列の他に、ストライプ配列又はデジタル配列等といった種々のパターン形状を採用することができる。
【0117】
図10において、遮光層115は、各表示用ドットDの間の境界領域に形成され、その境界領域を遮光する。この遮光層115は、第1基材103上の透明電極117の長手方向(すなわち、図12のY方向)及びこれに直交する方向(すなわち、図12のX方向)の両方向のそれぞれに帯状に延びるように形成されている。
【0118】
また、遮光層115は、例えば金属クロム、カーボン、チタン等をフォトレジストに分散して形成した樹脂ブラックや、ニッケル等といった金属材料等によって形成される。この遮光層115は、ブラックマトリクス、ブラックマスク等と呼ばれることもある。
【0119】
また、遮光層115は、図13に示すように、互いに隣り合う表示用ドットDの間の境界領域に対応する下地層112に設けられた開口部123の中に形成される。そして、この遮光層115の第1基材103の液晶層607側の面からの高さは、当該遮光層115に隣り合う着色層114の表面と当該遮光層115の表面とが略一致するような高さに設定される。
【0120】
例えば、図13において、(1)互いに隣り合う着色層114の厚さをh11とし、反射層113の厚さをh12とし、下地層112の厚さをh13とするとき、(2)遮光層115の厚さh14と反射層113の厚さh12との和が、h11、h12及びh13の合計と略等しくなるように形成すれば、各表示用ドットDの表面と遮光層115の表面との間の平坦性が確保され、これにより、セルギャップのバラツキを低減でき、また、ラビング処理が容易となる。そしてその結果、液晶装置における画面表示のコントラストが良くなる。
【0121】
遮光層115が収容されることになる下地層112の窪みは、図13のような開口部123に限られず、図14に示すような凹部123とすることができる。この場合、凹部123の底部124に対応する下地層112は完全には除かれていない。この場合でも、遮光層115は、凹部123の深さだけその高さが低くなる。
【0122】
例えば、図14において、凹部123の底部124に対応する下地層112の厚さをh15とすると、遮光層115の厚さh14と反射層の厚さh12との和を、着色層114の厚さh11と、反射層の厚さh12と、下地層112の厚さh13との合計に略等しくなるように、遮光層115を形成することにより、各表示用ドットDの表面と遮光層115の表面との間の平坦性が確保され、これにより、セルギャップのバラツキを低減でき、また、ラビング処理が容易となる。そしてその結果、液晶装置の画面表示のコントラストが良くなる。
【0123】
なお、表示用ドットDは、遮光層115によってその周囲が囲まれる領域であって、その表示用ドットDの内部には、R,G,Bのいずれか1色の着色層114が含まれ、さらに、反射層113及び開口部122が含まれる。1画素は、R,G,Bの各色の着色層114を含む3つの表示用ドットDによって構成される。
【0124】
以上のように構成された本実施形態において、図9において、第2基材105に形成された透明電極119に走査信号又はデータ信号の一方を供給すると共に、第1基材103側に形成された透明電極117に走査信号又はデータ信号の他方を供給すると、透明電極119と透明電極117とが交差する領域に形成された表示用ドットDに保持された液晶のみを駆動することができる。
【0125】
反射型の表示を考えるとき、図10において、対向基板606側から液晶層607に入射した外部光は、着色層114を透過した後に反射層113で反射し、液晶層607によって表示用ドットD毎に変調され、再び対向基板606を透過して外部へ出射する。この際、本実施形態ではオーバーコート層116が平坦なので、対向基板606の外部へ出射した光により、コントラストの明瞭な画像を見ることができる。
【0126】
他方、透過型の表示を考えると、照明装置131(図9参照)から出射した光が第1基材103及び透過部122を通過して液晶層607へ入射する。この光は、その後、液晶層607によって表示用ドットD毎に変調されて、透明電極119及び第2基材105を通過して外部へ出射する。この出射光により、コントラストの明瞭な画像を見ることができる。さらにこの出射光は、反射層113及び透過部122を覆っている着色層114によって、対応する色に着色される。本実施形態では、互いに隣り合う表示用ドットDの間の境界領域に開口部123(図13)又は凹部123(図14)等といった窪みを有するように下地層112を形成したので、遮光層115の高さをその窪み分だけ低くでき、それ故、各表示用ドットDの表面とそれに隣り合うドット間領域の表面との間の平坦性を確保できる。
【0127】
なお、図14に示すように、凹部123の底部124に対応する下地層112が完全に取り除かれていない場合は、下地層112が、第1絶縁層112aと該第1絶縁層112a上に凹部123を有するように設けられた第2絶縁層112bとによって形成できる。この場合においても、オーバーコート層116の上面の凹凸を低減でき、それ故、セルギャップのバラツキを低減でき、さらにラビング処理を容易に行えるようにできる。そしてその結果、液晶装置における表示画面のコントラストを向上できる。
【0128】
(液晶装置の製造方法)
次に、本実施形態に係る液晶装置の製造方法について図15の工程図に基づいて説明する。まず、図15の工程P1において、第1基材103上に樹脂散乱層としての下地層112を形成する。ここで、遮光層115を形成するための、表示用ドットDの間の境界領域では、例えば、図13のように下地層112に開口部123が形成されるように、又は図14のように下地層112に凹部123が形成されるように、フォトレジストを用いて下地層112をエッチングによってパターニングする。
【0129】
これについてもう少し詳しく説明すると、第1基材103上に樹脂材料をスピンコートにより均一に塗布し、さらにその上にレジストを塗布し、さらに所定のパターンが形成されているフォトマスクの上から露光し、さらにレジストを現像処理する。この後、エッチングにより、下地層112に複数の穴を形成する。
【0130】
次に、この下地層112に対し熱を加えることにより、これらの穴を滑らかに変形させて凹凸状の下地層112の下層112aが形成される。さらに、この下地層112の凹凸状が滑面になるように同じく樹脂材料を薄く塗布し、下地層112の上層112bが形成される。
【0131】
さらに、その下地層112上にレジストを塗布し、その後、所定のパターンが形成されているフォトマスクの上から露光してレジストを現像処理する。その後、エッチングにより、遮光層115を形成する部分の下地層112の所に凹部123を形成する。
【0132】
次に、工程P2において、下地層112上に蒸着法やスパッタリング法等によってアルミニウム等を薄膜状に成膜し、これをフォトリソグラフィ法を用いてパターニングすることにより、例えば図12のように各表示用ドットDの略中央に略長方形状の開口部122を設けると共に、それ以外の領域に反射層113を形成する。
【0133】
次に、工程P3において、凹部123が形成された下地層112上に反射層113の上から遮光材を塗布する。この遮光材は、例えば、カーボンブラック等を樹脂中に分散させることによって形成される。次に、写真蝕刻技術によってパターン化加工し、下地層112の凹部123に遮光層115を形成する。
【0134】
次に、工程P4において、反射層113及び開口部122の上に各色の着色材料をスピンコートにより塗布し、さらにその上にレジストを塗布し、さらに所定のパターンが形成されたフォトマスクの上から露光し、さらにレジストを現像処理し、さらにエッチングして着色層114を形成する。このような一連の処理は、R,G,Bの各色について順々に行われ、これにより、R,G,Bの各色の着色層が希望の配列パターンで形成される。
【0135】
次に、工程P5において、着色層114の上にオーバーコート層116を形成する。本実施形態では、下地層112の凹部123の所に遮光層115が形成されるので、その凹部123の深さ分だけ遮光層115の高さを低くできる。このため、本工程においてオーバーコート層116を形成したとき、そのオーバーコート層116の表面を平坦に形成できる。このため、セルギャップのバラツキを低減でき、さらにラビング処理を容易に行えるようにできる。そしてその結果、液晶装置の表示においてコントラストの明瞭化を達成できる。
【0136】
次に、工程P6において、オーバーコート層116の上に透明電極117の材料であるITO等をスパッタリング法により被着し、フォトリソグラフィ法によってパターニングして図12のようにY方向に所定の幅を持って電極117をストライプ状に形成する。
【0137】
次に、工程P7において、電極117の上に配向膜118を形成し、ラビング処理を施してカラーフィルタ基板604の製造が終了する。これにより、配向膜118の液晶層607側の面も平坦性が確保され、セルギャップのバラツキも解消でき、画面の高画質化が図られることとなる。
【0138】
他方、図10の対向基板606に関して、図15の工程P11において、第2基材105上に透明電極119の材料であるITO等をスパッタリング法により被着し、フォトリソグラフィ法によってパターニングして図12のようにX方向にストライプ状に、透明電極119を形成する。次に、工程P12において、電極119の上に配向膜120を形成し、さらにラビング処理を施す。これにより、対向基板606が製造される。
【0139】
次に、工程P21において、対向基板606上にギャップ材129(図9参照)をドライ散布等により散布し、シール材133によってカラーフィルタ基板604と対向基板606とを貼り合わせる。その後、工程P22において、シール材133の開口部から液晶を注入し、その注入の完了後、その開口部を紫外線硬化性樹脂等から成る封止材によって封止する。
【0140】
次に、工程P23において、位相差板108,110及び偏光板109,111を、それぞれ、第1基材103及び第2基材105の外面上に貼着等の方法により取り付ける。次に、工程P24において、必要な配線を行ったり、照明装置131及びケース体132等を取り付けて、図9に示すような液晶装置101が完成する。
【0141】
本実施形態に係る液晶装置101の製造方法では、図13において、下地層112に開口部123が形成され、該開口部123を埋めるように遮光層115を設けるので、該遮光層115の高さを低くでき、オーバーコート層116の表面の平坦性を確保できる。これにより、セルギャップのバラツキを低減でき、さらにラビング処理を行い易くでき、その結果、液晶装置の表示においてコントラストの明瞭化を達成できる。
【0142】
なお、図13では、下地層112に開口部123を設けることにより、遮光層115となる領域で下地層112を全て取り除いたが、これに代えて、図14に示すように、下地層112を第1絶縁層112a及び第2絶縁層112bの2回に分けて形成し、第2絶縁層112bの厚み分だけの凹部123を設けてもよい。
【0143】
この場合には、例えば、次のような方法を採ることができる。すなわち、1回目の処理では、遮光層115となる領域である表示用ドットDの間の境界領域を含めて、基材103の全面に第1絶縁層112aを形成し、図13における下地層112の下層112aと同様に凹凸を形成する。そして、2回目の第2絶縁層112bの形成に際しては、遮光層115となる表示用ドットDの間の境界領域を除いて、各表示用ドットDにフォトレジストを用いてエッチングによって第2絶縁層112bを形成する。
【0144】
下地層112を図13のように開口部123の所で完全に除いてしまうと、却って、互いに隣り合う表示用ドットD間の境界領域の表面と表示用ドットDの表面との間の平坦性が損なわれる場合がある。このような場合には、図14に示す凹部123を用いた構成を採用することにより、下地層112を希望の厚さで形成して平坦性を確保でき、セルギャップのバラツキを少なくできる他、ラビング処理も容易にできるようにできる。
【0145】
さらに、ハーフトーンを用いて凹部123を形成することも可能である。
【0146】
(第4実施形態)
次に、スイッチング素子として二端子型スイッチング素子であるTFD(Thin Film Diode)を用いた反射半透過型の液晶装置に本発明を適用した場合の実施形態について説明する。
【0147】
図16は、本発明に係る液晶装置の他の実施形態を構成する液晶パネルの断面図である。図17は、図16の液晶パネルを構成する液晶装置用基板の断面図である。図18は、該液晶パネルの部分拡大図である。なお、図18におけるB−B’線及びC−C’の断面図が図16に相当する。図19は、樹脂散乱層が完全に取り除かれた状態の遮光層の部分断面拡大図である。図20は、樹脂散乱層が一部分だけ取り除かれた状態の遮光層の部分断面拡大図である。そして、図21は、本実施形態に係る液晶装置の製造方法についての製造工程図である。
【0148】
図16に示す液晶パネル202は、いわゆる反射半透過型の構造を有する液晶パネルであり、この液晶パネル202を用いて構成される液晶装置の構造は、図9に示した液晶装置101と略同じである。つまり、液晶パネル202に、必要に応じて照明装置131及びケース体132を付設することにより、液晶装置が構成される。
【0149】
図16において、液晶パネル202は、シール材133(図9参照)によって貼り合わされた第1基材203及び第2基材205を有する。これらの基材間には液晶が封入されて液晶層207が形成されている。また、第1基材203の外面には位相差板208及び偏光板209が配置され、第2基材205の外面には位相差板210及び偏光板211が配置される。
【0150】
第1基材203の液晶層207側の表面には下地層212が形成され、その下地層212の表面に反射層213が設けられる。また、下地層212の表面に反射層213が設けられた部分は反射部225を構成し、反射層213に形成された開口部222によって透過部が構成される。
【0151】
反射層213の上には、図17に示すように、緑色の着色層214G、青色の着色層214B及び赤色の着色層214Rが所定の配列パターンで形成される。これらの着色層に関しては、これ以降の説明において、総称的に符号“214”で示されることがある。互いに隣り合う着色層214の間の境界領域には遮光層715が設けられる。
【0152】
また、着色層214及び遮光層715の上には、それらの層を保護するオーバーコート層216が設けられる。また、オーバーコート層116の上にはITO(Indium Tin Oxide:インジウムスズ酸化物)等といった透明導電体から成るデータ線226が形成され、さらにその上にポリイミド樹脂等から成る配向膜218が形成されている。
【0153】
また、第2基材205の液晶層207側の表面には、矢印A方向から見てマトリクス状に配列する複数のドット電極227と、各ドット電極227の間の境界領域に設けられた複数の走査線228と、ドット電極227及び走査線228に接続されたTFD729とが配置される。また、それらの上に配向膜220が形成される。なお、走査線228は、各ドット電極227間の境界領域において、第1基材203側のデータ線226と交差する方向(すなわち、図18のY方向)へ帯状に延びている。
【0154】
ここで、複数のデータ線226は、それぞれ、図16の紙面垂直方向(すなわち、図18のX方向)へ帯状に延びように形成され、また、図16の左右方向へ所定間隔で相互に平行に並べられることにより、矢印A方向から見て全体としてストライプ状に形成されている。これらのデータ線226とドット電極227とが矢印A方向から見て平面的に重なる領域が表示用ドットDとなる。
【0155】
図16において、カラーフィルタ基板204の下地層212は樹脂材料からなり、さらに、下層212a及び上層212bの2層で形成される。この下地層212は、下層212aの表面が細かい凹凸状に加工され、さらにこの下層212aの表面全体が同じ材料の薄い上層212bで被覆される。これにより、下地層212の表面は滑らかな凹凸状に形成される。また、この凹凸形状により、下地層212を透過する光は散乱し、これにより、液晶装置の表示画面に表示された像が見難くなるという問題を解消できる。
【0156】
反射層213は、例えばアルミニウムや銀等の単体金属膜であって下地層212の上面に形成されており、下地層212の表面の凹凸に応じて反射層213の表面にも細かい凹凸が形成されている。これにより、反射層213によって反射された光も散乱させることができ、これにより、液晶装置の表示画面に表示された像が見難くなるという問題を解消できる。
【0157】
さらに、反射層213には、例えば図18に示すように表示用ドットDのほぼ中央に略長方形の開口部222が形成されており、この開口部222が透過部となる。照明装置131(図9参照)から出射した光は、この開口部222を透過して液晶層207へ供給される。なお、開口部222はこの例の形に限られるものでなくその他の形状、例えば円孔とすることができる。また、1つの表示用ドットD内における開口部222の数は、1つに限られず、複数とすることもできる。
【0158】
着色層214は、例えば、顔料又は染料等の着色剤を含む感光性樹脂から成る着色レジストを塗布し、これをフォトリソグラフィ法等によってパターニングすることによって形成される。このパターニングにより、第1基材203を通過した照明装置131からの光を透過するための開口部222と、この開口部222の周りの反射層213を覆う部分が形成される。本実施形態のように、R,G,Bの3色の着色層214を設ける場合には、上記のパターニング処理が各色について順々に行われる。
【0159】
遮光層215は、各表示用ドットDの間の境界領域に形成され、その境界領域を遮光する。この遮光層215は、第2基材205上の走査線228の長手方向(すなわち、図18のY方向)及びこれに直交する方向(すなわち、図18のX方向)の両方向のそれぞれに帯状に延びるように形成されている。
【0160】
また、遮光層215は、図19に示すように、互いに隣り合う表示用ドットDの間の境界領域に対応する下地層212に設けられた開口部223の中に形成される。開口部223の底部224は、第1基材203の上に反射層213を介して形成されている。遮光層215は、隣接する着色層214と略同じの高さとなるように開口部223の反射層213上に設けられている。
【0161】
例えば、図19において、互いに隣り合う着色層214の厚さをh21とし、反射層213の厚さをh22とし、下地層212の厚さをh23とするとき、遮光層215の厚さh24と反射層213の厚さh22との和を、h21、h22及びh23の合計と略等しくなるように形成すれば、各表示用ドットDの表面と遮光層215の表面との間の平坦性が確保され、これにより、セルギャップのバラツキを低減でき、また、ラビング処理が容易となる。そしてその結果、液晶装置における画面表示のコントラストが良くなる。
【0162】
遮光層215が収容されることになる下地層212の窪みは、図19のような開口部223に限られず、図20に示すような凹部223とすることができる。この場合、凹部223の底部224に対応する下地層212は完全には除かれていない。この場合でも、遮光層215は、凹部223の深さだけその高さが低くなる。
【0163】
例えば、図20において、凹部223の底部224に対応する下地層212の厚さをh25とすると、遮光層215の厚さh24と反射層の厚さh22との和を、着色層214の厚さh21と、反射層の厚さh22と、下地層212の厚さh23との合計に略等しくなるように、遮光層215を形成することにより、各表示用ドットDの表面と遮光層215の表面との間の平坦性が確保され、これにより、セルギャップのバラツキを低減でき、ラビング処理が容易となる。そしてその結果、液晶装置の画面表示のコントラストが良くなる。
【0164】
なお、表示用ドットDは、遮光層215によってその周囲を囲まれる領域であって、その表示用ドットDの内部には、R,G,Bのいずれか1色の着色層214が含まれ、さらに、反射層213及び開口部222が含まれる。1画素は、R,G,Bの各色の着色層214を含む3つの表示用ドットDによって構成される。
【0165】
次に、ドット電極227は、例えばITO等といった透明導電体により形成されており、このドット電極227はTFD729を介して走査線228に接続されている。TFD729は、図16に示すように、第2基材205の表面に成膜された下地層230の上に形成されている。また、TFD729は、第1金属層231と、該第1金属層231の表面に形成された絶縁膜232と、該絶縁膜232の上に形成された第2金属層233とによって構成されている。
【0166】
ここで、第1金属層231は例えば、厚さが100〜500nm程度のTa単体膜、Ta合金膜等によって形成されており、走査線228に接続されている。また、絶縁膜232は、例えば厚さが10〜35nm程度の酸化タンタル等によって形成されている。また、第2金属層233は例えば、クロム(Cr)等といった金属膜によって50〜300nm程度の厚さに形成されており、ドット電極227に接続されている。
【0167】
以上のように構成された本実施形態において、第2基材205に形成された走査線228の夫々に走査信号を供給する一方、第1基材203側に形成されたデータ線226にデータ信号を供給すると、ドット電極227とデータ線226とが対向する部分に保持されている液晶のみを駆動することができる。
【0168】
反射型の表示を考えると、第2基材205及びドット電極227を通過して液晶層207に入射した外部光は、反射層213により反射して、再び液晶層207へ入って表示用ドットD毎に変調され、そして、ドット電極227及び第2基材205を通過して外部へ出射し、この出射光によって外部へ像が表示される。このとき、本実施形態では、オーバーコート層216が平坦なので、コントラストの明瞭な画像を見ることができる。
【0169】
また、透過型の表示を考えると、照明装置131(図9参照)からの光が第1基材203及び開口部222を通過して液晶層207へ供給され、該液晶層207によって表示用ドットD毎に変調され、さらに、ドット電極227及び第2基材205を通過して外部へ出射し、この出射光によって外部へ像が表示される。このときも、オーバーコート層216が平坦なので、コントラストの明瞭な画像を見ることができる。なお、出射光は、反射層213及び透過部222を覆っている着色層214により、対応する色に着色される。
【0170】
本実施形態では、互いに隣り合う表示用ドットD間の境界領域で開口部223(図19)又は凹部223(図20)を有するように下地層212を形成したので、遮光層215の高さを低くできる。これにより、着色層214の表面と遮光層215の表面の高さを略同じにすることができる。
【0171】
また、図20に示すように、凹部223の所で下地層212が完全に取り除かれていない場合は、下地層212は第1絶縁層212aと該第1絶縁層212a上に設けられた第2絶縁層212bとによって構成できる。この場合には、第2絶縁層212bの厚さ分の凹部223が形成される。このような場合においても、オーバーコート層216の上面の凹凸を低減でき、これにより、セルギャップのバラツキを低減でき、また、ラビング処理が容易となる。そしてその結果、液晶装置の表示画面のコントラストの改善が図れる。
【0172】
さらに、本実施形態では、TFD型のアクティブマトリックス方式であるため、画面が明るくて見やすく、しかも、消費電力及び製造コストを低く抑えることができる。
【0173】
(液晶装置の製造方法)
次に、本実施形態に係る液晶装置の製造方法について図21の工程図に基づいて説明する。まず、工程31において、第1基材203上に下地層としての樹脂散乱層212を形成する。ここで、図16において、遮光層215を形成する各表示用ドットD間の境界領域では、例えば、図19に示すように、下地層212に開口部223が形成されるように、フォトレジストを用いて下地層212をエッチングする。
【0174】
これについてもう少し詳しく説明すると、第1基材203上に樹脂材料をスピンコートにより均一に塗布し、さらにその上にレジストを塗布し、そのレジストを所定のパターンが形成されたフォトマスクの上から露光し、そのレジストを現像処理し、さらに、そのレジストをエッチングして下地層212に複数の穴を形成する。次に、この下地層212に対し熱を加えることにより、これらの穴を滑らかに変形させて凹凸状の下地層212の下層212aが形成される。
【0175】
さらに、下地層212の凹凸状が滑面になるように同じく樹脂材料を薄く塗布し、下地層212の上層212bを形成する。さらに、その下地層212上にレジストを塗布して、その後所定のパターンが形成されているフォトマスクの上から露光してレジストを現像処理する。その後、エッチングによって下地層212に開口部223を形成し、遮光層215を形成すべき部分の所で下地層212を取り除く。
【0176】
次に、工程P32において、下地層212上にアルミニウム等を蒸着法やスパッタリング法等によって薄膜状に成膜し、これをフォトリソグラフィ法を用いてパターニングすることにより、例えば図18のように各表示用ドットDの略中央に略長方形の開口部222を形成すると共に、それ以外の領域に反射層213を形成する。
【0177】
次に、工程P33において、開口部223が形成された下地層212上に反射層213の上から遮光材を塗布し、その後、写真蝕刻技術によってパターン化加工して下地層212の開口部223の中に遮光層215を形成する。なお、上記の遮光材としては、カーボンブラック等を樹脂中に分散させて形成した材料を用いることができる。
【0178】
次に、工程P34において、図17の反射層213及び開口部222の上に1色の着色層材料をスピンコートにより塗布し、さらにその上にレジストを塗布し、さらに所定のパターンが形成されたフォトマスクの上から露光し、さらにレジストを現像処理し、その後、エッチングして当該1色の着色層214を形成する。また、他の2色に関して同じ処理を繰り返して、R,G,B3色の着色層214を希望の配列パターンに形成する。
【0179】
次に、工程P35において、着色層214の上にオーバーコート層216を形成する。本実施形態では、下地層212の開口部223の所に遮光層215が形成されるので、その開口部223の深さ分だけ遮光層215の高さを低くできる。このため、本工程においてオーバーコート層216を形成したとき、そのオーバーコート層216の表面を平坦に形成できる。このため、セルギャップのバラツキを低減でき、さらにラビング処理を容易に行えるようにできる。そしてその結果、液晶装置の表示においてコントラストの明瞭化を達成できる。
【0180】
次に、工程P36において、オーバーコート層216の上にデータ線226の材料であるITO等をスパッタリング法により被着し、フォトリソグラフィ法によってパターニングして図18のようにX方向に所定の幅をもってデータ線226をストライプ状に形成する。さらに、データ線226の上に配向膜218を形成し、その配向膜218にラビング処理を施す。これにより、カラーフィルタ基板204が製造される。
【0181】
他方、工程P41において、図16の第2基材205上にTFD729、走査線228及びドット電極227を形成する。ここで、TFD729は、第2基材205上にTa酸化物等を一様な厚さに成膜して下地層230を形成し、その上にTa等をスパッタリングによって一様な厚さで成膜し、さらに、フォトリソグラフィ法等を用いて走査線228と第1金属層231とを同時に形成する。このとき、走査線228と第1金属層231とはブリッジでつながっている。
【0182】
さらに、第1金属層231に絶縁膜である酸化タンタル等を一様な厚さで成膜して絶縁膜232を形成し、さらにその上にCrをスパッタリング等によって一様な厚さで成膜し、さらにフォトリソグラフィ法を利用して第2金属層233を形成する。
【0183】
次に、ドット電極227の形成予定領域の下地層230を除去した後、ITOをスパッタリング等によって一様な厚さで成膜し、さらにフォトリソグラフィ法等によって1表示用ドットの大きさに相当する所定形状のドット電極227を、その一部が第2金属層233と重なるように形成する。これら一連の処理により、TFD729及びドット電極227が形成される。
【0184】
次に、工程P42において、ドット電極227等の上に配向膜220を形成し、さらにその配向膜220に対してラビング処理を施す。これにより、対向基板206が形成される。
【0185】
次に、工程P51において、対向基板206側の配向膜220上にギャップ材129(図9参照)をドライ散布等により散布し、シール材133によってカラーフィルタ基板204と対向基板206とを貼り合わせる。
【0186】
次に、工程P52において、シール材133の開口部を通して基板間の間隙、いわゆるセルギャップ内に液晶を注入し、その注入の完了後、シール材133の開口部を紫外線硬化性樹脂等から成る封止材によって封止する。次に、工程P53において、図16の位相差板208,210及び偏光板209,211を、それぞれ、第1基材203及び第2基材205の外面上に貼着等の方法により取り付ける。
【0187】
次に、工程P54において、図16の液晶パネル202に対して、必要な配線を行ったり、照明装置131及びケース体132等を取り付けることにより、図9に符号101で示すような全体構成の液晶装置が完成する。
【0188】
なお、以上に説明した液晶装置の製造方法では、図19に示したように、遮光層215が形成される領域で下地層212を全て取り除いて開口部223を形成したが、これに代えて、図20に示すように、下地層212を第1絶縁層212a及び第2絶縁層212bの2回に分けて形成し、第2絶縁層212bの厚さに対応する深さの凹部223を設けてもよい。
【0189】
このとき、1回目の処理では、遮光層215となる表示用ドットD間の境界領域を含めて基材203の全面に第1絶縁層212aを形成し、図19における下地層212の下層212aと同様に凹凸を形成する。そして、2回目の処理によって第2絶縁層212bを形成する際には、遮光層215となる表示用ドットD間の境界領域を除いて、各表示用ドットDの領域にフォトレジストを材料としてこれをエッチングすることにより凹部223を形成できる。
【0190】
下地層212を、図19に示したように、開口部223の所で完全に除いてしまうと、却って、互いに隣り合う表示用ドットD間の境界領域の表面と、表示用ドットDの表面との間の平坦性が損なわれるような場合がある。このような場合には、図20に示すように、凹部223の所で下地層212を希望の厚さに形成することにより、表示用ドットD間の境界領域と表示用ドットDの領域との間において平坦性を確保でき、これにより、セルギャップのバラツキを少なくできる他、ラビング処理も容易となる。
【0191】
さらに、ハーフトーンを用いて凹部223を形成することも可能である。
【0192】
(第5実施形態)
次に、反射半透過型のスイッチング素子として三端子型スイッチング素子であるTFT(Tin Film Transistor)を用いた液晶装置に本発明を適用した実施形態について説明する。
【0193】
図22は本発明に係る液晶装置の他の実施形態を構成する液晶パネルの断面図である。図23は図22の液晶パネルを構成するカラーフィルタ基板側の断面図である。図24は該液晶パネルの部分拡大図である。なお、図24におけるD−D’線及びE−E’線の断面図が図22に相当する。図25は下地層としての樹脂散乱層が完全に取り除かれた状態の遮光層の部分断面拡大図である。図26は下地層としての樹脂散乱層が一部分だけ取り除かれた状態の遮光層の部分断面拡大図である。そして、図27は本実施形態に係る液晶装置の製造方法の一例の工程図である。
【0194】
図22に示す液晶パネル302は、いわゆる反射半透過型の構造を有する液晶パネルであり、この液晶パネル302を用いて構成される液晶装置の構造は、図9に示した液晶装置101と略同じである。つまり、液晶パネル302に、必要に応じて照明装置131及びケース体132を付設することにより、液晶装置が構成される。
【0195】
図22において、液晶パネル302は、シール材133(図9参照)によって貼り合わされた第1基材303及び第2基材305を有する。これらの基材間には液晶が封入されて液晶層307が形成されている。また、第1基材303の外面には位相差板308及び偏光板309が配置され、第2基材305の外面には位相差板310及び偏光板311が配置される。
【0196】
第1基材303の液晶層307側の表面には下地層312が形成され、その下地層312の表面に反射層313が設けられる。また、下地層312の表面に反射層313が設けられた部分は反射部325を構成し、反射層313に形成された開口部322によって透過部が構成される。
【0197】
反射層313の上には、図23に示すように、緑色の着色層314G、青色の着色層314B及び赤色の着色層314Rが所定の配列パターンで形成される。これらの着色層に関しては、これ以降の説明において、総称的に符号“314”で示されることがある。互いに隣り合う着色層314の間の境界領域には遮光層315が設けられる。
【0198】
また、着色層314及び遮光層315の上には、それらの層を保護するオーバーコート層316が設けられる。また、オーバーコート層316の上にはITO等といった透明導電体から成る共通電極334が形成され、さらにその上にポリイミド樹脂等から成る配向膜318が形成されている。
【0199】
次に、図22において、第2基材305の液晶層307側の表面には、矢印A方向から見てマトリクス状に配列する複数のドット電極327と、各ドット電極327の境界領域においてゲート配線335及びソース配線336とが直交するように配置され(ゲート配線335が図24のY方向、ソース配線336がX方向)、その配線の交差部分付近にはTFT337が設けられ、さらにその上には配向膜320が形成されている。
【0200】
ここで、共通電極334はオーバーコート層316の表面全域に形成された面状電極であり、ゲート配線335とソース配線336とによって囲まれる領域が、表示用ドットDとなる。
【0201】
カラーフィルタ基板304の下地層312は樹脂材料からなり、下層312a及び上層312bの2層で形成される。この下地層312は、下層312aの表面が細かい凹凸状に加工され、さらにこの下層312aの表面全体が同じ材料の薄い上層312bで被覆されるので、下地層312の表面に滑らかな凹凸状が形成される。この凹凸形状は、下地層312を透過する光を散乱させるものであり、これにより、液晶装置の表示画面に表示された像が見難くなるという問題を解消できる。
【0202】
反射層313は、例えばアルミニウムや銀等の単体金属膜であって下地層312の上面に形成されており、下地層312の表面の凹凸に従って反射層313の表面にも細かい凹凸が形成されている。これによって、反射層313によって反射された光も散乱させることができ、これにより、液晶装置の表示画面に表示される像が見難くなるという問題を解消できる。
【0203】
また、反射層313には、例えば図24に示すように表示用ドットDのほぼ中央に略長方形状の開口部322が形成されており、この開口部322が透過部となる。照明装置131から出射した光は、この開口部322を通して液晶層307へ供給される。なお、この開口部322は、この例の形に限られるものでなく、その他の形、例えば円孔に形成できる。また、開口部322の表示用ドットD内における数は、1つに限られず、複数とすることができる。
【0204】
着色層314は、例えば、顔料又は染料等の着色剤を含む感光性樹脂から成る着色レジストを塗布し、これをフォトリソグラフィ法等によってパターニングすることによって形成される。このパターニングにより、第1基材303を通過した照明装置131からの光を透過するための開口部322と、この開口部322の周りの反射層313を覆う部分が形成される。本実施形態のように、R,G,Bの3色の着色層314を設ける場合には、上記のパターニング処理が各色について順々に行われる。
【0205】
遮光層315は、各表示用ドットDの間の境界領域に形成され、その境界領域を遮光する。この遮光層315は、第2基材305上のゲート配線335の長手方向(すなわち、図24のY方向)及びこれに直交する方向(すなわち、図24のX方向)の両方向のそれぞれに帯状に延びるように形成されている。
【0206】
また、遮光層315は、図25に示すように、互いに隣り合う表示用ドットDの間の境界領域に対応する下地層312に設けられた開口部323の中に形成される。開口部323の底部324は、第1基材303の上に反射層313を介して形成されている。遮光層315は、隣接する着色層314と略同じの高さとなるように開口部323の反射層313上に設けられている。
【0207】
例えば、図25において、互いに隣り合う着色層314の厚さをh31とし、反射層313の厚さをh32とし、下地層312の厚さをh33とするとき、遮光層315の厚さh34と反射層313の厚さh32との和を、h31、h32及びh33の合計と略等しくなるように形成すれば、各表示用ドットDの表面と遮光層315の表面との間の平坦性が確保され、これにより、セルギャップのバラツキを低減でき、また、ラビング処理が容易となる。そしてその結果、液晶装置における画面表示のコントラストが良くなる。
【0208】
遮光層315が収容されることになる下地層312の窪みは、図25のような開口部323に限られず、図26に示すような凹部323とすることができる。この場合、凹部323の底部324に対応する下地層312は完全には除かれていない。この場合でも、遮光層315は、凹部223の深さだけその高さが低くなる。
【0209】
例えば、図26において、凹部323の底部324に対応する下地層312の厚さをh35とすると、遮光層315の厚さh34と反射層の厚さh32との和を、着色層314の厚さh31と、反射層の厚さh32と、下地層312の厚さh33との合計に略等しくなるように、遮光層315を形成することにより、各表示用ドットDの表面と遮光層315の表面との間の平坦性が確保され、これにより、セルギャップのバラツキを低減でき、ラビング処理が容易となる。そしてその結果、液晶装置の画面表示のコントラストが良くなる。
【0210】
なお、表示用ドットDは、遮光層315によってその周囲を囲まれる領域であって、その表示用ドットDの内部には、R,G,Bのいずれか1色の着色層314が含まれ、さらに、反射層313及び開口部322が含まれる。1画素は、R,G,Bの各色の着色層314を含む3つの表示用ドットDによって構成される。
【0211】
次に、図22において、TFT337は、第2基材305上に形成されたゲート電極338と、このゲート電極338の上で第2基材305の全域に形成されたゲート絶縁膜339と、このゲート絶縁膜339を挟んでゲート電極338の上方位置に形成された半導体層340と、その半導体層340の一方側にコンタクト電極341を介して形成されたソース電極342と、さらに半導体層340の他方の側にコンタクト電極341を介して形成されたドレイン電極343とを有する。
【0212】
ゲート電極338はゲート配線335に接続され、ソース電極342はソース配線336に接続されている。ゲート配線335は第2基材305の平面方向に延びていて縦方向(ずなわち、図24のY方向)へ等間隔で平行に複数本形成されている。また、ソース配線336はゲート絶縁膜339を挟んでゲート配線335と交差するように第2基材305の平面方向に延びていて横方向(すなわち、図24のX方向)へ等間隔で平行に複数本形成されている。
【0213】
ドット電極327は、互いに交差するゲート配線335とソース配線336とによって区画される方形領域のうち、TFT337に対応する部分を除いた領域を覆うように構成され、例えばITO等といった透明導電体により形成されている。
【0214】
さらに、ゲート配線335とゲート電極338は、例えば、クロム、タンタル等によって形成される。また、ゲート絶縁膜339は、例えば窒化シリコン(SiNX)、酸化シリコン(SiOX)等によって形成される。また、ソース電極342及びそれと一体的なソース配線336並びにドレイン電極343は、例えばチタン、モリブデン、アルミニウム等によって成形される。
【0215】
以上のように構成された本実施形態において、第1基材303に形成された共通電極334に信号を提供する一方、第2基材305に形成されたゲート配線335とソース配線336に信号を提供すると、表示用ドットD毎にドット電極327が選択され、この選択されたドット電極327と共通電極334との間に保持された液晶のみに選択電圧が印加され、これにより、液晶の配向が制御されて、反射光及び透過光が変調される。
【0216】
反射型の表示を考えると、第2基材305及びドット電極327を通過して液晶層307に入射した外部光は、該液晶層307によって表示用ドットD毎に変調され、反射層313により反射され、再びドット電極327及び第2基材305を通過して外部へ出射して、像を表示する。その際、本実施形態ではオーバーコート層316が平坦なので、表示画面にはコントラストの明瞭な画像が表示される。
【0217】
他方、透過型の表示を考えると、照明装置131(図9参照)から出射した光は第1基材303及び透過部すなわち開口部322を通過して液晶層307に入射した後、該液晶層307によって表示用ドットD毎に変調され、ドット電極327及び第2基材305を通過して外部へ出射して、像を表示する。その際、本実施形態では、オーバーコート層316が平坦なので、コントラストの明瞭な画像を見ることができる。なお、出射光は、反射層313及び透過部322を覆っている着色層314により、対応した色に着色される。
【0218】
本実施形態では、図25に示したように、隣り合う表示用ドットD間の境界領域で開口部323を有するように下地層312を形成したので、遮光層315の高さを開口部323の深さ分だけ低くでき、各表示用ドットDの表面とそれに隣り合う表示用ドットD間の境界領域の表面との間の平坦性を確保できる。
【0219】
また、図26に示すように、凹部323の所で下地層312が完全に取り除かれていない場合は、下地層312は第1絶縁層312aと該第1絶縁層312a上に設けられた第2絶縁層312bとによって構成できる。この場合には、第2絶縁層312bの厚さ分の凹部323が形成される。このような場合においても、オーバーコート層316の上面の凹凸を低減でき、これにより、セルギャップのバラツキを低減でき、また、ラビング処理が容易となる。そしてその結果、液晶装置の表示画面のコントラストの改善が図れる。
【0220】
さらに、本実施形態では、TFT型のアクティブマトリックス方式であるため、画面が明るくて見やすく、しかも、消費電力及び製造コストを低く抑えることができる。
【0221】
(液晶装置の製造方法)
次に、本実施形態に係る液晶装置の製造方法について図27の工程図に基づいて説明する。まず、工程P61において、図22の第1基材303上に下地層としての樹脂散乱層312を形成する。ここで遮光層315を形成する各表示用ドットD間の境界領域では例えば、図25に示すように下地層312に開口部323が形成されるように、フォトレジストを用いて下地層312をエッチングする。
【0222】
これについてもう少し詳しく説明すると、第1基材303上に樹脂材料をスピンコートによって均一に塗布し、さらにその上にレジストを塗布し、所定のパターンが形成されたフォトマスクの上から露光してレジストを現像し、さらに、エッチングして下地層312に複数の穴を形成する。
【0223】
次に、この下地層312に対し熱を加えることにより、これらの穴を滑らかに変形させて凹凸状の下地層312の下層312aが形成される。さらに、この下地層312の凹凸状が滑面になるように同じく樹脂材料を薄く塗布し、下地層312の上層312bが形成される。
【0224】
さらにその下地層312上にレジストを塗布し、所定のパターンが形成されたフォトマスクの上から露光してレジストを現像し、そのレジストをエッチングして下地層312に開口部323を形成し、これにより、遮光層315となる部分の所で下地層312を取り除く。
【0225】
次に、工程P62にいて、下地層312上にアルミニウム等を蒸着法やスパッタリング法等によって薄膜状に成膜し、これをフォトリソグラフィ法を用いてパターニングすることにより、例えば図24のように各表示用ドットDの略中央に略長方形の開口部322を設けると共に、それ以外の領域に反射層313を形成する。
【0226】
次に、工程P63において、開口部323が形成された下地層312上に反射層313の上から遮光材を塗布した後、写真蝕刻技術によってパターン化加工し下地層312の開口部323に遮光層315を形成する。なお、上記の遮光材は、カーボンブラック等を樹脂中に分散させることによって形成できる。
【0227】
次に、工程P64において、図23の反射層313及び開口部322の上に1色の着色層材料をスピンコートにより塗布し、さらにその上にレジストを塗布し、所定のパターンが形成されたフォトマスクの上から露光してレジストを現像し、さらに、エッチングして当該1色の着色層314を形成する。また、他の2色に関して同じ処理を繰り返して、R,G,B3色の着色層314を希望の配列パターンに形成する。
【0228】
次に、工程P65において、着色層314の上にオーバーコート層316を形成する。本実施形態では、下地層312の開口部323の所に遮光層315が形成されるので、その開口部323の深さ分だけ遮光層315の高さを低くできる。このため、本工程においてオーバーコート層316を形成したとき、そのオーバーコート層316の表面を平坦に形成できる。このため、セルギャップのバラツキを低減でき、さらにラビング処理を容易に行えるようにできる。そしてその結果、液晶装置の表示においてコントラストの明瞭化を達成できる。
【0229】
次に、工程P66において、オーバーコート層316の上に共通電極334の材料であるITO等をスパッタリング法により被着し、フォトリソグラフィ法によってパターニングして共通電極334を形成する。さらに、その上に配向膜318を形成し、この配向膜318にラビング処理を施すことにより、カラーフィルタ基板304が形成される。
【0230】
他方、図22の対向基板306に関しては、図27の工程P71において、第2基材305上にTFT337、ゲート配線335、ソース配線336及びドット電極327等を形成する。
【0231】
ここで、TFT337に関しては、第2基材305上に例えば、スパッタリングによってクロム、タンタル等を一様な厚さで成膜し、フォトリソグラフィ法によりパターニングしてゲート配線335及びそれと一体的なゲート電極338を形成し、さえらに例えばプラズマCVD(Chemical Vapour Deposition)法によって窒化シリコンからなるゲート絶縁膜339を形成する。
【0232】
次に、例えば半導体層340となるa−Si層とコンタクト電極341となるn+型a−Si層とをこの順で連続的に形成し、さらに形成されたn+型a−Si層及びa−Si層のパターニングを行って半導体層340及びコンタクト電極341を形成すると共に、ゲート絶縁膜339上のドット電極327となる部分にITO等をスパッタリング法により被着し、フォトリソグラフィ法によってパターニングしてドット電極327を形成する。
【0233】
また、第2基材305の表面の全域に例えばチタン、モリブデン、アルミニウム等をスパッタリングによって形成し、さらにパターニングを行ってソース電極342、ドレイン電極343及びソース配線336を形成する。以上の一連の処理により、TFT337及びドット電極327が形成される。次に、工程P72において、その上に配向膜320を形成し、さらにラビング処理を施して対向基板306が形成される。
【0234】
その後、工程P81において、第2基材305側の配向膜320上にギャップ材129(図9参照)をドライ散布等により散布し、シール材133によってカラーフィルタ基板304と対向基板306とを貼り合わせる。次に、工程P82において、シール材133の開口部を通して基板間隙、いわゆるセルギャップ内に液晶を注入し、さらにその後、シール材133の開口部を紫外線硬化性樹脂等によって封止する。次に、工程P83において、位相差板308、310及び偏光板309、311を、それそれ、第1基材303及び第2基材305の外面上に貼着等の方法により取り付ける。
【0235】
次に、工程P84において、必要な配線を行ったり、照明装置131及びケース体132等を取り付けて、図22に示すような液晶パネル302を用いた図9に符号101で示すような液晶装置が完成する。
【0236】
図27の製造方法では、図25の開口部323の所で遮光層315となる領域で下地層312を全て取り除いたが、これに代えて、図26に示すように、下地層312を第1絶縁層312a及び第2絶縁層312bの2回に分けて形成し、凹部323を設けてもよい。
【0237】
この場合、1回目の処理では、遮光層315となる表示用ドットD間の境界領域を含めて基材の全面に第1絶縁層312aを形成し、さらに図25の下地層312における下層312aと同様に凹凸を形成し、さらに、2回目の第2絶縁層312bの形成に際して、遮光層315となる表示用ドットD間の境界領域を除いて、各表示用ドットDの領域に第2絶縁膜312bをフォトレジストを用いてエッチングして形成することもできる。
【0238】
図25のように、下地層312を開口部323の所で完全に除いてしまうと、却って、隣り合う表示用ドットD間の境界領域の表面と表示用ドットDの表面との間の平坦性が損なわれる場合がある。このような場合には、図26に示すように、凹部323の所で下地層312を所望の厚さに形成することにより、平坦性を確保でき、セルギャップのバラツキを少なくでき、さらに、ラビング処理も容易となる。
【0239】
さらに、ハーフトーンを用いて凹部323を形成することも可能である。
【0240】
(第6実施形態)
次に、反射半透過型のパッシブマトリックス方式の液晶装置に本発明を適用した他の実施形態について説明する。図28は本発明に係る液晶装置の他の実施形態を構成する液晶パネルの断面図である。図29は図28の液晶パネルを構成するカラーフィルタ基板の断面図である。図30は該液晶パネルの部分拡大図である。なお、図30におけるA−A’線の断面図が図28に相当する。図31は下地層としての樹脂散乱層が完全に取り除かれた状態の遮光層の部分断面拡大図である。図32は下地層としての樹脂散乱層が一部分だけ取り除かれた状態の遮光層の部分断面拡大図である。図33は本実施形態に係る液晶装置の製造方法の一例の工程図である。
【0241】
図28に示す液晶パネル402は、いわゆる反射半透過型の構造を有する液晶パネルであり、この液晶パネル402を用いて構成される液晶装置の構造は、図9に示した液晶装置101と略同じである。つまり、液晶パネル402に、必要に応じて照明装置131及びケース体132を付設することにより、液晶装置が構成される。
【0242】
液晶パネル402では、図28に示すように、ガラス板又は合成樹脂板等から形成された透明な第1基材403を基体とするカラーフィルタ基板404と、これに対向する第2基材405を基体とする対向基板406とが、シール材133(図9参照)によって貼り合わせられ、それらのカラーフィルタ基板404と対向基板406との間に液晶が封入されて液晶層407が形成されている。また、第1基材403の外面には位相差板408及び偏光板409が配置され、第2基材405の外面には位相差板410及び偏光板411が配置されている。
【0243】
カラーフィルタ基板404に関しては、第1基材403の液晶層47側の表面には下地層412が形成され、その下地層412の表面に反射層413が設けられる。また、下地層412の表面に反射層413が設けられた部分は反射部425を構成し、反射層413に形成された開口部422によって透過部が構成される。
【0244】
反射層413の上には、図29に示すように、緑色の着色層314G、青色の着色層314B及び赤色の着色層314Rが所定の配列パターンで形成される。これらの着色層に関しては、これ以降の説明において、総称的に符号“414”で示されることがある。互いに隣り合う着色層414の間の境界領域には遮光層415が設けられる。
【0245】
また、着色層414及び遮光層45の上には、それらの層を保護するオーバーコート層416が設けられる。また、オーバーコート層416の上にはITO等といった透明導電体から成る透明電極417が形成され、さらにその上にポリイミド樹脂等から成る配向膜418が形成されている。
【0246】
一方、図28において、対向基板406に関しては、第2基材405の液晶層407側の表面に、透明電極419が形成され、さらにその上に配向膜420が形成されている。電極419は、第1基材403側の電極417と直交する方向(すなわち、図30のX方向)へ帯状に延びるように形成されている。
【0247】
透明電極417は、相互に並列してストライプ状に構成されており、透明電極419はこれと直交する方向に、相互に並列してストライプ状に構成されている。また、第1基材403側の透明電極417と第2基材405側の透明電極419とが平面的に重なる領域が表示用ドットDとなる。
【0248】
カラーフィルタ基板404の下地層412は樹脂材料からなり、図29に示すように下層412a及び上層412bの2層で形成される。この下地層412は、下層412aの表面が細かい凹凸状に加工され、さらにこの下層412aの表面全体が同じ材料の薄い上層412bで被覆されるので、下地層412の表面は滑らかな凹凸状が形成される。この凹凸形状は、下地層412を透過する光を散乱させるものであり、これにより、表示された画面の像が見難くなるという問題を解消できる。
【0249】
また、反射層413は、例えばアルミニウムや銀等の単体金属膜であって下地層412上に形成されており、下地層412の表面の凹凸に従って反射層413の表面にも細かい凹凸が形成されている。これにより、反射層413によって反射された反射光も散乱させることができ、表示された画面の像が見難くなるという問題を解消できる。
【0250】
さらに、反射層413には、例えば図30に示すように、表示用ドットDのほぼ中央に略長方形状の開口部422が形成されており、この開口部422が透過部となる。照明装置131(図9参照)から出射した光はこの開口部422を介して液晶層407へ供給される。なお、開口部422はこの例の形に限られるものでなく円孔等とすることもできる。また、表示用ドットD内における開口部422の数は、1つに限られず、複数とすることができる。
【0251】
着色層414は、例えば、顔料又は染料等の着色剤を含む感光性樹脂から成る着色レジストを塗布し、これをフォトリソグラフィ法等によってパターニングすることによって形成される。このパターニングにより、第1基材403を通過した照明装置131からの光を透過するための開口部422と、この開口部422の周りの反射層413を覆う部分が形成される。本実施形態のように、R,G,Bの3色の着色層414を設ける場合には、上記のパターニング処理が各色について順々に行われる。
【0252】
着色層414の配列パターンとして、図30では斜めモザイク配列を採用しているが、この斜めモザイク配列の他に、ストライプ配列又はデジタル配列等の種々のパターン形状を採用することができる。
【0253】
遮光層415は、各表示用ドットDの間の境界領域に形成され、その境界領域を遮光する。この遮光層415は、第1基材403上の透明電極417の長手方向(すなわち、図30のY方向)及びこれに直交する方向(すなわち、図30のX方向)の両方向のそれぞれに帯状に延びるように形成されている。
【0254】
また、遮光層415は例えば、金属クロム、カーボン、チタン等をフォトレジストに分散して形成した樹脂ブラックや、ニッケル等といった金属材料等によって形成されている。さらに、遮光層415は、図31に示すように、互いに隣り合う表示用ドットD間の境界領域の下地層412に形成された開口部423の所で、第1基材403の液晶層407側の面からの高さが、隣り合う着色層414の表面と該遮光層415の表面とが略一致するように反射層413面上に形成されている。また、遮光層415の上部は、それに隣り合う着色層414の領域に張り出すように設けられている。
【0255】
例えば、隣り合う着色層414の厚さをh41とし、反射層413の厚さをh42とし、下地層412の厚さをh43とするとき、遮光層415の厚さh44と反射層413の厚さh42との和を、h41、h42及びh43の合計と略等しくなるように遮光層415を形成すれば、各表示用ドットDの表面と遮光層415の表面との間の平坦性が確保され、セルギャップのバラツキを低減でき、ラビング処理が容易となり、さらに、液晶装置の画面表示のコントラストが良くなる。
【0256】
本実施形態では、開口部423に隣り合う着色層414の領域に張り出すように遮光層415が形成されているので、着色層414からの漏れ光を、より確実に遮光することができる。
【0257】
遮光層415が収容されることになる下地層412の窪みは、図31のような開口部423に限られず、図32に示すような凹部423とすることができる。この場合、凹部423の底部424に対応する下地層412は完全には除かれていない。この場合でも、遮光層415は、凹部423の深さだけその高さが低くなる。
【0258】
例えば、図32において、凹部423の底部424に対応する下地層412の厚さをh45とすると、遮光層415の厚さh44と反射層の厚さh42との和を、着色層414の厚さh41と、反射層の厚さh42と、下地層412の厚さh43との合計に略等しくなるように、遮光層415を形成することにより、各表示用ドットDの表面と遮光層415の表面との間の平坦性が確保され、これにより、セルギャップのバラツキを低減でき、ラビング処理が容易となる。そしてその結果、液晶装置の画面表示のコントラストが良くなる。
【0259】
なお、表示用ドットDは、遮光層415によってその周囲を囲まれる領域であって、その表示用ドットDの内部には、R,G,Bのいずれか1色の着色層414が含まれ、さらに、反射層413及び開口部422が含まれる。1画素は、R,G,Bの各色の着色層414を含む3つの表示用ドットDによって構成される。
【0260】
以上のように構成された本実施形態において、図28において、第2基材405に形成された透明電極419に信号を供給する一方、第1基材403側に形成された透明電極417に信号を供給すると、透明電極419と透明電極417とが交差する領域である表示用ドットDに保持された液晶のみを駆動することができる。
【0261】
反射型の表示を考えると、対向基板406側から液晶層407に入射した外部光は、表示用ドットD毎に変調され、着色層414を透過した後に反射層413で反射し、再び対向基板406を透過して外部へ出射する。この際、本実施形態では、オーバーコート層416が平坦なので、コントラストの明瞭な画像を見ることができる。
【0262】
また、透過型の表示を考えると、照明装置131(図9参照)から出射した光は第1基材403及び開口部すなわち透過部422を通過して液晶層407に入射した後、該液晶層407によって表示用ドットD毎に変調されて、透明電極419及び第2基材405を通過して外部へ出射する。この際、本実施形態ではオーバーコート層416が平坦であるので、コントラストの明瞭な画像を見ることができる。なお、出射光は、反射層413及び透過部422を覆っている着色層414により、対応する色に着色される。
【0263】
本実施形態では、互いに隣り合う表示用ドットD間の境界領域で開口部423を有するように下地層412を形成し、その開口部423の中に遮光層415を設けたので、遮光層415の高さを開口部423の深さ分だけ低くでき、各表示用ドットDの表面とそれに隣り合う表示用ドットD間の境界領域の表面との間の平坦性を確保できる。これにより、オーバーコート層416の平坦性が確保でき、セルギャップのバラツキを改善でき、ラビング処理が容易となる。また、液晶装置の表示画面のコントラストの明瞭化を達成できる。
【0264】
さらに、本実施形態では、遮光層415の上部を隣り合う着色層414に張り出すように形成したので、着色層からの漏れ光を、より一層遮光できる。
【0265】
また、図32に示すように、凹部423の所で下地層412が完全に取り除かれていない場合は、下地層412は第1絶縁層412aと該第1絶縁層412a上に設けられた第2絶縁層412bとによって構成できる。この場合には、第2絶縁層412bの厚さ分の凹部423が形成される。このような場合においても、オーバーコート層416の上面の凹凸を低減でき、これにより、セルギャップのバラツキを低減でき、また、ラビング処理が容易となる。そしてその結果、液晶装置の表示画面のコントラストの改善が図れる。
【0266】
(液晶装置の製造方法)
次に、本実施形態に係る液晶装置の製造方法の一例について図33の工程図に基づいて説明する。まず、図33の工程P91において、第1基材403上に下地層としての樹脂散乱層412を形成する。ここで遮光層415を形成する表示用ドットD間の境界領域では、下地層412に図31の開口部423が形成されるように、フォトレジストを用いて下地層412をエッチングによって形成する。
【0267】
これについてもう少し詳しく説明すると、第1基材403上に樹脂材料をスピンコートによって均一に塗布し、その上にレジストを塗布し、所定のパターンが形成されたフォトマスクの上から露光してレジストを現像し、そして、このレジストをエッチングして下地層412に複数の穴を形成する。
【0268】
次に、この下地層412に対し熱を加えることにより、これらの穴を滑らかに変形させて凹凸状の下地層412の下層412aが形成される。さらに、この下地層412の凹凸状が滑面になるように同じ樹脂材料を薄く塗布して下地層412の上層412bが形成される。
【0269】
さらに、その下地層412上にレジストを塗布し、所定のパターンが形成されたフォトマスクの上から露光してレジストを現像し、このレジストをエッチングして下地層412に開口部423を形成し、遮光層415となる部分で下地層412を取り除く。
【0270】
次に、工程P92において、下地層412上に蒸着法やスパッタリング法等によってアルミニウム等を薄膜状に成膜し、これをフォトリソグラフィ法を用いてパターニングすることによって、例えば図30のように各表示用ドットDの略中央に略正方形状の開口部422を設けると共に、それ以外の領域に反射層413を形成する。
【0271】
次に、工程P93において、開口部423が形成された下地層412上に反射層413の上から遮光材を塗布し、さらに、写真蝕刻技術によってパターン加工して、下地層412の開口部423の中に遮光層415を形成する。なお、上記の遮光材は、例えば、カーボンブラック等を樹脂中に分散させることによって形成される。
【0272】
次に、工程P94において、反射層413及び開口部422の上に1色の着色層材料をスピンコートにより塗布し、その上にレジストを塗布し、所定のパターンが形成されたフォトマスクの上から露光してレジストを現像し、さらに、そのレジストをエッチングして当該1色の着色層414を形成する。また、他の2色に関して同じ処理を繰り返して、R,G,B3色の着色層414を希望の配列パターンに形成する。
【0273】
次に、工程P95において、着色層414の上にオーバーコート層416を形成する。このとき、本実施形態では、下地層412に開口部423が形成されている分、遮光層415の高さを低くでき、オーバーコート層416の表面の平坦性を確保でき、これにより、セルギャップのバラツキを低減でき、ラビング処理を簡単にできるようにでき、その結果、表示像のコントラストの明瞭化を図ることができる。
【0274】
次に、工程P96において、オーバーコート層416の上に透明電極417の材料であるITO等をスパッタリング法により被着し、フォトリソグラフィ法によってパターニングして図30のようにY方向に所定の幅を持って電極417をストライプ状に形成する。
【0275】
さらに、その電極417上に配向膜418を形成し、その配向膜418に対してラビング処理を施して、カラーフィルタ基板404を形成する。こうして形成された配向膜418の液晶層407側の面も平坦性が確保され、セルギャップのバラツキも解消でき、画面の高画質化が図られることとなる。
【0276】
次に、図28の対向基板406に関して、図33の工程P101において、第2基材405上に透明電極419の材料であるITO等をスパッタリング法により被着し、フォトリソグラフィ法によってパターニングして、図30のようにX方向にストライプ状に透明電極419を形成する。次に、その電極419上に配向膜420を形成し、さらにその配向膜420に対してラビング処理を施して、対向基板406を形成する。
【0277】
次に、工程P111において、対向基板406上にギャップ材129(図9参照)をドライ散布等により散布し、シール材133によってカラーフィルタ基板404と対向基板406とを貼り合わせる。次に、工程P112において、シール材133の開口部から基板間の間隙、いわゆるセルギャップ内に液晶を注入し、その注入の完了後、シール材133の開口部を紫外線硬化性樹脂等によって封止する。
【0278】
次に、工程P113において、位相差板408,410及び偏光板409,411を、それぞれ、第1基材403及び第2基材405の外面上に貼着等の方法により取り付ける。次に、工程P114において、必要な配線を行ったり、図9の照明装置131及びケース体132を取り付けて、液晶装置が完成する。
【0279】
図33の製造方法では、図31に示したように、下地層412に開口部423が形成されている分、遮光層415の高さを低くできるので、オーバーコート層416の表面の平坦性を確保でき、これにより、セルギャップのバラツキを低減でき、さらに、ラビング処理を簡単にできる。その結果、液晶装置の表示においてコントラストの明瞭化を図ることができる。
【0280】
また、図33の製造方法では、図31のように、遮光層415となる領域で下地層412を全て取り除いたが、これに代えて、図32に示すように、下地層412を第1絶縁層412a及び第2絶縁層412bの2回に分けて形成し、第2絶縁層412bの厚さに相当する凹部423を設けてもよい。
【0281】
この場合、1回目の処理では遮光層415となる表示用ドットD間の境界領域を含めて基材の全面に第1絶縁層412aを形成し、図31の下地層412の下層412aと同様に凹凸を形成し、2回目の処理で第2絶縁層412bを形成する際には、遮光層415となる表示用ドットD間の境界領域を除いて、各表示用ドットDの領域にフォトレジストを用いてエッチングによって第2絶縁層412bを形成することもできる。
【0282】
図31のように、下地層412を開口部423の所で完全に除いてしまうと、却って、隣り合う表示用ドットD間の境界領域の表面と表示用ドットDの表面との間の平坦性が損なわれる場合がある。このような場合には、図32に示すように、凹部423の所で下地層412を所望の厚さに形成することにより、平坦性を確保でき、セルギャップのバラツキを少なくでき、さらに、ラビング処理も容易となる。
【0283】
さらに、ハーフトーンを用いて凹部423を形成することも可能である。
【0284】
(第7実施形態)
次に、反射半透過型のパッシブマトリックス方式の液晶装置に本発明を適用した場合の他の実施形態について説明する。図34は本発明に係る液晶装置の他の実施形態を構成する液晶パネルの断面図である。図35は図34の液晶パネルを構成するカラーフィルタ基板の断面図である。図36は該液晶パネルの部分拡大図である。図36におけるA−A’線の断面図が図34に相当する。図37は樹脂散乱層が完全に取り除かれた状態の遮光層の部分断面拡大図である。図38は樹脂散乱層が一部分だけ取り除かれた状態の遮光層の部分断面拡大図である。そして、図39は本実施形態に係る液晶装置の製造方法の一例の工程図である。
【0285】
図34に示す液晶パネル502は、いわゆる反射半透過型の構造を有する液晶パネルであり、この液晶パネル502を用いて構成される液晶装置の構造は、図9に示した液晶装置101と略同じである。つまり、液晶パネル502に、必要に応じて照明装置131及びケース体132を付設することにより、液晶装置が構成される。
【0286】
液晶パネル502では、図34に示すように、ガラス板又は合成樹脂板等から形成された透明な第1基材503を基体とするカラーフィルタ基板504と、これに対向する第2基材505を基体とする対向基板506とが、シール材133(図9参照)によって貼り合わされ、それらのカラーフィルタ基板504と対向基板506との間に液晶が封入されて液晶層507が形成されている。また、第1基材503の外面には位相差板508及び偏光板509が配置され、第2基材505の外面には位相差板510及び偏光板511が配置されている。
【0287】
カラーフィルタ基板504に関しては、第1基材503の液晶層507側の表面に下地層512が形成され、その下地層512の表面に反射層513が設けられる。また、下地層512の表面に反射層513が設けられた部分は反射部525を構成し、反射層513に形成された開口部522によって透過部が構成される。
【0288】
反射層513の上には、図35に示すように、緑色の着色層514G、青色の着色層514B及び赤色の着色層514Rが所定の配列パターンで形成される。これらの着色層に関しては、これ以降の説明において、総称的に符号“514”で示されることがある。互いに隣り合う着色層514の間の境界領域には遮光層515が設けられる。
【0289】
また、着色層514及び遮光層515の上には、それらの層を保護するオーバーコート層516が設けられる。また、オーバーコート層516の上にはITO等といった透明導電体から成る透明電極517が形成され、さらにその上にポリイミド樹脂等から成る配向膜518が形成される。
【0290】
一方、図34において、対向基板506に関しては、第2基材505の液晶層507側の表面に透明電極519が形成され、さらにその上に配向膜520が形成される。電極519は、第1基材503側の電極517と直交する方向(すなわち、図36のX方向)へ帯状に延びるように形成される。透明電極517は、相互に並列してストライプ状に構成されており、透明電極519はこれと直交する方向に、相互に並列してストライプ状に構成される。透明電極517と透明電極519とが平面的に重なる領域が表示用ドットDとなる。
【0291】
カラーフィルタ基板504の下地層512は下層512a及び上層512bの2層で形成され、これらの層はいずれも樹脂材料によって形成される。この下地層512は、下層412aの表面が細かい凹凸状に加工され、さらにこの下層512aの表面全体が同じ材料の薄い上層512bで被覆されるので、滑らかな凹凸状が形成される。この凹凸形状は、下地層512を透過する光を散乱させるものであり、これにより、液晶装置の画面に表示された像が見難くなるという問題を解消できる。
【0292】
反射層513は、例えばアルミニウムや銀等の単体金属膜であって下地層512上に形成されており、下地層512の表面の凹凸に対応して反射層513の表面にも細かい凹凸が形成されている。これによって、反射層513によって反射された光も散乱させることができ、液晶装置の画面に表示された像が見難くなるという問題を解消できる。
【0293】
反射層513には、例えば図36に示すように表示用ドットDのほぼ中央に略長方形の開口部522が形成され、この開口部522が透過部となる。照明装置131(図9参照)から出射した光は、この開口部522を通過して液晶層507へ供給される。なお、開口部522は、この例の形に限られるものでなく、その他の形状、例えば円孔とすることもできる。また、1つの表示用ドットDに含まれる開口部522の数は、1つに限られず、複数とすることもできる。
【0294】
着色層514は、例えば、顔料又は染料等の着色剤を含む感光性樹脂から成る着色レジストを塗布し、これをフォトリソグラフィ法等によってパターニングすることによって形成される。このパターニングにより、第1基材503を通過した照明装置131からの光を透過するための開口部522と、この開口部522の周りの反射層513を覆う部分が形成される。本実施形態のように、R,G,Bの3色の着色層514を設ける場合には、上記のパターニング処理が各色について順々に行われる。
【0295】
遮光層515は、各表示用ドットDの間の境界領域に形成され、その境界領域を遮光する。この遮光層415は、第1基材503上の透明電極517の長手方向(すなわち、図36のY方向)及びこれに直交する方向(すなわち、図36のX方向)の両方向のそれぞれに帯状に延びるように形成されている。
【0296】
また、遮光層515は、例えば、金属クロム、カーボン、チタン等をフォトレジストに分散して形成した樹脂ブラックや、ニッケル等といった金属材料等によって形成されている。
【0297】
図37において、下地層512に開口部523が形成されており、この開口部523の底部524は、第1基材503の直ぐ上に反射層513を介して設けられている。遮光層515は、隣接する着色層514よりも僅かに高くなるように開口部523の所の反射層513上に設けられている。
【0298】
例えば、図37において、互いに隣り合う着色層514の厚さをh51とし、反射層513の厚さをh52とし、下地層512の厚さをh53とするとき、遮光層515の厚さh54と反射層513の厚さh52との和を、h51、h52及びh53の合計より僅かに高くなるように形成する。
【0299】
このように、下地層512及びこの下地層512上に設けられた着色層514から成る積層構造の互いに隣り合うものの境界に形成される領域である開口部523に、遮光層515を後から設けることにより、この遮光層515は着色層514よりもわずかに高くなる。これにより、開口部523を確実に遮光できる。また、遮光層515の表面と着色層514の表面との高さの違いは微差であるので、両者の間の平坦性は依然として確保されたままであり、それ故、セルギャップのバラツキを低減でき、さらにラビング処理が容易となる。そしてその結果、液晶装置における画面表示のコントラストが良くなる。
【0300】
遮光層515を収容するために下地層512に形成する窪みは、上記のような開口部523に限られることはなく、例えば図38に示すような凹部523とすることもできる。この場合には、凹部523の底部524の所で下地層512は完全には除かれていない。このような場合でも、凹部523の底部524の深さだけ遮光層515の高さを低くできる。
【0301】
例えば、底部524における下地層512の厚さh55と、反射層513の厚さh52と、遮光層515の厚さh54との和を、着色層514の厚さh51と、反射層513の厚さh52と、下地層512の厚さh53よりもわずかに高くなるように、遮光層515を形成する。
【0302】
これにより、凹部523に設けられた遮光層515が確実に遮光することができる。また、遮光層515の表面と着色層514の表面との間の高さの違いは微差であるので、それらの間の平坦性は依然確保されたままであり、それ故、セルギャップのバラツキを低減でき、また、ラビング処理が容易となる。そしてその結果、液晶装置における画面表示のコントラストが良くなる。
【0303】
なお、表示用ドットDは、遮光層515によってその周囲を囲まれる領域であって、その表示用ドットDの内部には、R,G,Bのいずれか1色の着色層514が含まれ、さらに、反射層513及び開口部522が含まれる。1画素は、R,G,Bの各色の着色層514を含む3つの表示用ドットDによって構成される。
【0304】
以上のように構成された本実施形態において、第2基材505に形成された透明電極519に信号を供給する一方、第1基材503側に形成された透明電極517に信号を供給すると、透明電極519と透明電極517とが交差する表示用ドットDに保持されている液晶のみを駆動することができる。
【0305】
反射型の表示を考えれば、対向基板506側から液晶層507に入射した外部光は表示用ドットD毎に変調され、着色層514を透過した後に反射層513で反射し、再び対向基板506を透過して外部へ出射し、この出射光によって表示が行われる。
【0306】
一方、透過型の表示を考えれば、図9の照明装置131から出射した光が第1基材503及び透過部522を通過して液晶層507へ供給され、この光が液晶層507によって表示用ドットD毎に変調され、この変調光が透明電極519及び第2基材505を通過して外部へ出射し、この出射光によって表示が行われる。
【0307】
本実施形態のオーバーコート層516は平坦なので、以上のような反射型表示及び透過型表示が行われる際には、コントラストの明瞭な画像を見ることができる。なお、外部への出射光は、反射層513及び透過部522を覆っている着色層514により、対応する色に着色される。
【0308】
本実施形態では、互いに隣り合う表示用ドットD間の境界領域で開口部523を有するように下地層512を形成し、その開口部523の中に遮光層515を設けたので、遮光層515の高さを開口部523の深さ分だけ低くでき、各表示用ドットDの表面とそれに隣り合う表示用ドットD間の境界領域の表面との間の平坦性を確保できる。これにより、オーバーコート層516の平坦性が確保でき、セルギャップのバラツキを改善でき、ラビング処理が容易となる。また、液晶装置の表示画面のコントラストの明瞭化を達成できる。
【0309】
また、図38に示すように、凹部523の所で下地層512が完全に取り除かれていない場合は、下地層512は第1絶縁層512aと該第1絶縁層512a上に設けられた第2絶縁層512bとによって構成できる。この場合には、第2絶縁層512bの厚さ分の凹部523が形成される。このような場合においても、オーバーコート層516の上面の凹凸を低減でき、これにより、セルギャップのバラツキを低減でき、また、ラビング処理が容易となる。そしてその結果、液晶装置の表示画面のコントラストの改善が図れる。
【0310】
(液晶装置の製造方法)
次に、本実施形態に係る液晶装置の製造方法について図39の工程図に基づいて説明する。まず、工程P121において、第1基材503上に下地層としての樹脂散乱層512を形成する。ここで、遮光層515を形成するための表示用ドットD間の境界領域では、図34に示すように、下地層512に開口部523が形成されるように、フォトレジストをエッチングして下地層512を形成する。これについてもう少し詳しく説明すると、第1基材503上に樹脂材料をスピンコートにより均一に塗布し、その上にレジストを塗布し、所定のパターンが形成されたフォトマスクの上からそのレジストを露光し、そのレジストを現像処理し、さらに、上記樹脂材料をエッチングして下地層512に複数の穴を形成する。
【0311】
次に、この下地層512に対し熱を加えることにより、これらの穴を滑らかに変形させて凹凸状の下地層512の下層512aが形成される。さらに、この下地層512の凹凸状が滑面になるように同じ樹脂材料を薄く塗布して下地層512の上層512bが形成される。
【0312】
さらに、その下地層512上にレジストを塗布し、さらに所定のパターンが形成されたフォトマスクの上からそのレジストを露光し、そのレジストを現像処理する。その後、レジストをマスクとして下地層512をエッチングしてその表面に開口部523を形成し、遮光層515となる部分で下地層512を取り除く。
次に、工程P122において、下地層512上に蒸着法やスパッタリング法等によってアルミニウム等を薄膜状に成膜し、これをフォトリソグラフィ法を用いてパターニングすることによって、例えば図36のように各表示用ドットDの略中央に略長方形の開口部522を設けると共に、それ以外の領域に反射層513を形成する。
【0313】
次に、工程P123において、反射層513及び開口部522の上に1色の着色層材料をスピンコートにより塗布し、さらにその上にレジストを塗布し、所定のパターンが形成されたフォトマスクの上からそのレジストを露光し、そのレジストをさらに現像処理し、そのレジストをマスクとして上記着色層材料をエッチングして1色の着色層514を形成する。また、他の2色に関して同じ処理を繰り返して、R,G,B3色の着色層514を希望の配列パターンに形成する。
【0314】
次に、工程P124において、開口部523が形成された下地層512上に反射層513の上から遮光材を塗布し、写真蝕刻技術によってパターン化加工して、下地層512の開口部523に遮光層515を、着色層514より僅かに高くなるように形成する。なお、上記遮光材は、カーボンブラック等を樹脂中に分散させることによって形成できる。
【0315】
以上のように、本実施形態では、下地層512及びその上の着色層514により開口部523が形成され、その開口部523を埋めるように遮光層515を設ける。これにより、遮光層515の厚みを確保して遮光性を高めながら、遮光層515と着色層514との間の平坦性も確保できる。
【0316】
次に、工程P125において、着色層514の上にオーバーコート層516を形成する。次に、工程P126において、オーバーコート層516の上に透明電極517の材料であるITO等をスパッタリング法により被着し、フォトリソグラフィ法によってパターニングして、図36のようにY方向に所定の幅を持って電極517をストライプ状に形成する。
【0317】
さらに、工程P126において、電極517の上に配向膜518を形成し、その配向膜518にラビング処理を施し、これにより、カラーフィルタ基板504が形成される。
【0318】
一方、対向基板506に関して、工程P131において、第2基材505上に透明電極519の材料であるITO等をスパッタリング法により被着し、フォトリソグラフィ法によってパターニングして図36のようにX方向にストライプ状に、透明電極519を形成する。さらに、工程P132において、電極519の上に配向膜520を形成し、その配向膜520にラビング処理を施して、対向基板506が形成される。
【0319】
次に、工程P141において、対向基板506上にギャップ材129(図9参照)をドライ散布等により散布し、シール材133によってカラーフィルタ基板504と対向基板506とを貼り合わせる。次に、工程P142において、シール材133の開口部から液晶を注入し、その注入の終了後、シール材133の開口部を紫外線硬化性樹脂等によって封止する。さらに、工程P143において、位相差板508,510及び偏光板509,511を第1基材503及び第2基材505の各外面上に貼着等の方法により取り付ける。
【0320】
次に、工程P144において、必要な配線を行ったり、図9の照明装置131及びケース体132等といった付帯機器を取り付けて、図34に示すような液晶パネル502を用いた、図9に符号101で示すような液晶装置が完成する。
【0321】
図39に示す製造方法では、下地層512に開口部523が形成され、該開口部523を埋めるように遮光層515を設けるので、該遮光層515の高さを低くでき、オーバーコート層516表面の平坦性を確保できることとなり、セルギャップのバラツキの軽減やラビング処理によってコントラストの明瞭化を図ることができる。
【0322】
また、以上の説明では、図37に示すように、遮光層515が形成される領域で下地層512を全て取り除いて開口部523を形成したが、これに代えて、図38に示すように、下地層512を第1絶縁層512a及び第2絶縁層512bの2回に分けて形成し、第2絶縁層512bを形成するときに凹部523を形成するようにしてもよい。
【0323】
この場合には、1回目の処理で、遮光層515となる表示用ドットD間の境界領域を含めて、基材の全面に第1絶縁層512aを形成し、さらに図37の下地層512の下層512aと同様に凹凸を形成する。そして、第2絶縁層512bを形成するための2回目の処理では、遮光層515となる表示用ドットD間の境界領域を除いて、各表示用ドットDの領域にフォトレジストを材料として用いてエッチングによって第2絶縁膜512bを形成する。
【0324】
図37のように、下地層512を開口部523の所で完全に除いてしまうと、却って、隣り合う表示用ドットD間の境界領域の表面と表示用ドットDの表面との間の平坦性が損なわれる場合がある。このような場合には、図38に示すように、凹部523の所で下地層512を所望の厚さに形成することにより、平坦性を確保でき、セルギャップのバラツキを少なくでき、さらに、ラビング処理も容易となる。
【0325】
さらに、ハーフトーンを用いて凹部523を形成することも可能である。
【0326】
(第8実施形態)
次に、反射半透過型のパッシブマトリックス方式の液晶装置に本発明を適用した場合の他の実施形態について説明する。図40は本発明に係る液晶装置の他の実施形態を構成する液晶パネルの断面図である。図41は図40の液晶パネルを構成するカラーフィルタ基板の断面図である。図42は該液晶パネルの部分拡大図である。図42におけるA−A’線の断面図が図40に相当する。図43は下地層が完全に取り除かれた状態の遮光層の部分断面拡大図である。図44は下地層が一部分だけ取り除かれた状態の遮光層の部分断面拡大図である。そして、図45は本実施形態に係る液晶装置の製造方法の一例の工程図である。
【0327】
図40に示す液晶パネル602は、いわゆる反射半透過型の構造を有する液晶パネルであり、この液晶パネル602を用いて構成される液晶装置の構造は、図9に示した液晶装置101と略同じである。つまり、液晶パネル602に、必要に応じて照明装置131及びケース体132を付設することにより、液晶装置が構成される。
【0328】
液晶パネル602は、図40に示すようにガラス板又は合成樹脂板等から形成された透明な第1基材603を基体とするカラーフィルタ基板604と、これに対向する第2基材605を基体とする対向基板606とがシール材133(図9参照)によって貼り合わされ、そのカラーフィルタ基板604と対向基板606との間に液晶が封入されて液晶層607が形成されている。また、第1基材603の外面には位相差板608及び偏光板609が配置され、第2基材605の外面には位相差板110及び偏光板111が配置されている。
【0329】
カラーフィルタ基板604に関しては、第1基材603の液晶層607側の表面に下地層612が形成され、その下地層612の表面に反射層613が設けられる。また、下地層612の表面に反射層613が設けられた部分は反射部625を構成し、反射層613に形成された開口部622によって透過部が構成される。
【0330】
反射層613の上には、緑色の着色層614G、青色の着色層614B及び赤色の着色層614Rが所定の配列パターンで形成される。これらの着色層に関しては、これ以降の説明において、総称的に符号“614”で示されることがある。互いに隣り合う着色層614の間の境界領域には遮光層615が設けられる。また、着色層614及び遮光層615の上には、それらの層を保護するオーバーコート層616が設けられる。また、オーバーコート層616の上にはITO等といった透明導電体から成る透明電極617が形成され、さらにその上にポリイミド樹脂等から成る配向膜618が形成される。
【0331】
一方、図40において、対向基板606には、第2基材605の液晶層607側の表面に、透明電極619が第1基材603側の透明電極617と直交する方向(すなわち、図42のX方向)に帯状に延びるように形成され、さらにその上に配向膜620が形成されている。
【0332】
透明電極617は、相互に並列してストライプ状に構成されており、透明電極619はこれと直交する方向に、相互に並列してストライプ状に構成されている。第1基材603側の透明電極617と第2基材605側の透明電極619とが平面的に重なる領域が表示用ドットDとなる。
【0333】
カラーフィルタ基板604の下地層612は、図41に示すように、下層612a及び上層612bの2層で形成され、これらの各層は樹脂材料によって形成される。下地層612は、下層612aの表面が細かい凹凸状に加工され、さらにこの下層612aの表面全体は同じ材料の薄い上層612bで被覆されるので、滑らかな凹凸が形成される。この凹凸形状により、下地層612を透過する光を散乱させることができ、液晶装置の画面に表示された像が見難くなるという問題を解消できる。
【0334】
反射層613は、例えばアルミニウムや銀等の単体金属膜であって下地層612上に形成されており、下地層612の表面の凹凸に対応して反射層613の表面にも細かい凹凸が形成されている。これにより、反射層613によって反射する反射光を散乱させることができ、液晶装置の画面に表示された像が見難くなるという問題が解消できる。
【0335】
反射層613には、例えば図42に示すように、表示用ドットDのほぼ中央に略長方形状の開口622が形成され、この開口部622が透過部となる。照明装置131から出射した光は、この開口部622を通って液晶層607へ供給される。なお、開口部622は、この例の形に限られるものでなく、その他の形状、例えば円孔とすることもできる。また、1つの表示用ドットD内における開口部622の数は、1つに限られず、複数とすることができる。
【0336】
着色層614は、例えば、顔料又は染料等の着色剤を含む感光性樹脂から成る着色レジストを塗布し、これをフォトリソグラフィ法等によってパターニングすることによって形成される。このパターニングにより、第1基材603を通過した照明装置131からの光を透過するための開口部622と、この開口部622の周りの反射層613を覆う部分が形成される。本実施形態のように、R,G,Bの3色の着色層614を設ける場合には、上記のパターニング処理が各色について順々に行われる。これにより、各着色層614を遮光層615の所で他の着色層614と重ねることができる。
【0337】
着色層614の配列パターンとして、図42では斜めモザイク配列を採用しているが、配列パターンとしては、この斜めモザイク配列の他に、ストライプ配列又はデジタル配列等の種々のパターン形状を採用することができる。
【0338】
遮光層615は、各表示用ドットDの間の境界領域に形成され、その境界領域を遮光する。この遮光層615は、第1基材603上の透明電極617の長手方向(すなわち、図42のY方向)及びこれに直交する方向(すなわち、図42のX方向)の両方向のそれぞれに帯状に延びるように形成されている。
【0339】
図41に示すように、遮光層615は、1つの着色層614とそれに隣接する他の着色層614との間に設けられる。この遮光層615の所で、下地層612には開口部623が形成されており、この開口部623の底部624は、第1基材603の直ぐ上に反射層613を介して設けられている。
【0340】
図43において、開口部625には、遮光層615に隣り合う着色層614Bが底部624からh11の厚さに形成され、その上に着色層614Gがh12の厚さに形成され、さらにその上に着色層614Rの張出し部分がh13の厚さで夫々重なり合って形成されている。
【0341】
ここで、図43の最下方の着色層614Bの厚さh11を0.7μm以上であって2.0μm以下とすれば、青色系例えば青色の着色層614Bの遮光性が良好となる。また、他の着色層との組み合わせで、各表示用ドットDの表面と、それに隣り合うドットD間領域の表面(すなわち、遮光層615の表面)との間で、平坦性を確保できる。
【0342】
さらに、図43のh11を略1.7μmに形成し、h12を略1.0μmに形成し、h13を略0.9μmに形成し、さらに、重ねられた着色層の一番上に有る着色層614Rの上面からのオーバーコート層616の厚さh14を略1.8μmに形成すると、下地層612の厚さh15が略2.4μmであり、表示用ドットDでの着色層614Bの厚さh16が略1.0μmであり、この部分のオーバーコート層616の厚さh17が略2.0μmであることから、遮光層615上のオーバーコート層616の上面と着色層614Bの表示用ドットD上のオーバーコート層616の上面とは一致し、平坦な面となる。
【0343】
ここで、上述のように開口部625の一番下に着色層614Bを形成することによって、最も厚く形成でき厚さを略1.7μmに形成することができるようになる。
【0344】
さらに、着色層614Gと着色層614Bとの間では、図41に示すように開口部623の底部624に、まず、隣り合う着色層614Bが入り込み、その上に着色層614Gの張出し部分が重なり、さらにその上に着色層614Rが重なり、これにより、遮光層615が形成される。
【0345】
また、着色層614Rと着色層614Gとの間では、図41に示すように、開口部623の底部624に、まず、着色層614Bが形成され、その上に着色層614Gのり出し部分が重なり、さらにその上に隣り合う着色層614Rが重なり、これにより、遮光層615が形成される。
【0346】
遮光層615を収容するために下地層612に形成する窪みは、上記のような開口部623に限られることはなく、例えば図44に示すような凹部623とすることもできる。この場合には、凹部623の底部624の所で下地層612は完全には除かれていない。このような場合でも、凹部623の底部624の深さm15だけ遮光層615の高さを低くできる。これにより、オーバーコート層616上面の凹凸を軽減できるので、セルギャップのバラツキを低減でき、ラビング処理が容易となる。そしてその結果、液晶装置における画面表示のコントラストが良くなる。
【0347】
ここで、図44の最下方の着色層614Bの厚さm11を0.7μm以上であって2.0μm以下とすれば、青色系例えば青色の着色層614Bの遮光性が良好となる。また、他の着色層との組み合わせで、各表示用ドットDの表面と、それに隣り合う表示用ドットD間の境界領域の表面との間で凹凸を軽減できる。
【0348】
さらに好ましくは、図44の着色層614Bの厚さm11を略1.1μmとし、着色層614Gの厚さm12を略1.0μmとし、さらに、着色層614Rの厚さm13を略0.9μmとすれば、凹部623の底部624の深さm15が略1.3μmのときに、オーバーコート層616上面の凹凸をより一層軽減できる。これにより、セルギャップのバラツキを軽減でき、また、ラビング処理が容易となる。そしてその結果、液晶装置の画面表示のコントラストが良くなる。
【0349】
なお、表示用ドットDは、遮光層615によってその周囲を囲まれる領域であって、その表示用ドットDの内部には、R,G,Bのいずれか1色の着色層614が含まれ、さらに、反射層613及び開口部622が含まれる。1画素は、R,G,Bの各色の着色層614を含む3つの表示用ドットDによって構成される。
【0350】
以上のように構成された本実施形態において、第2基材605に形成された透明電極619に信号を供給する一方、第1基材603側に形成された透明電極617に信号を供給すると、透明電極619と透明電極617とが交差する領域である表示用ドットDに保持された液晶のみを駆動することができる。
【0351】
反射型表示について考えれば、対向基板606側から液晶層607に入射した外部光は、表示用ドットD毎に変調され、着色層614を透過した後に反射層613で反射し、再び対向基板606を透過して外部へ出射し、この出射光によって表示が行われる。
【0352】
また、透過型表示について考えれば、照明装置131(図9参照)から出射した光は、第1基材603及び透過部622を通過して液晶層607へ供給され、該液晶層607によって表示用ドットD毎に変調され、透明電極619及び第2基材605を通過して外部へ出射し、この出射光によって表示が行われる。
【0353】
反射型表示及び透過型表示のいずれの場合でも、本実施形態では、オーバーコート層616が平坦に形成されているので、液晶装置の表示画面にコントラストの明瞭な画像を見ることができる。なお、外部への出射光は、反射層613及び透過部622を覆っている着色層614により、対応する色に着色される。
【0354】
本実施形態では、隣り合う表示用ドットD間の境界領域で凹部623(図44)又は開口部623(図43)を有するように下地層612を形成したので、着色層614によって形成される遮光層615の高さを低くでき、各表示用ドットDの表面と、それに隣り合うドットD間領域の表面との間の平坦性を確保できる。
【0355】
また、本実施形態では、凹部623(図44)の底部124又は開口部623(図43)の底部124に、最初に、青色系例えば青色の着色層614Bを形成することにしたので、可視光波長域における平均透過率の低い青色が、他の緑色系例えば緑色及び赤色系例えば赤色の着色層614に比べ最も厚く形成される。このため、遮光性をより高くしながら、全体としての遮光層615の高さを低くできる。これにより、液晶装置の表示画面におけるコントラストを良くすることができる。
【0356】
さらに、開口部623に底部624の方から青色の着色層614Bを略1.7μmの厚さに形成し、その上に緑色の着色層614Gを略1.0μmに形成するか、又は、その上に赤色の着色層614Rを略0.9μmに形成すれば、各表示用ドットD及びそれに隣り合うドットD間領域の上面の層、例えばオーバーコート層616の平坦性が、より一層確実に確保できる。これにより、セルギャップのバラツキを改善でき、さらに、ラビング処理が容易となり、その結果、液晶装置の表示画面のコントラストの明瞭化が図れる。
【0357】
また、以上の説明では、図43に示すように、遮光層615が形成される領域で下地層612を全て取り除いて開口部623を形成したが、これに代えて、図44に示すように、下地層612を第1絶縁層612a及び第2絶縁層612bの2回に分けて形成し、第2絶縁層612bを形成するときに凹部623を形成するようにしてもよい。
【0358】
この場合には、1回目の処理で、遮光層615となる表示用ドットD間の境界領域を含めて、基材の全面に第1絶縁層612aを形成し、さらに図43の下地層612の下層612aと同様に凹凸を形成する。そして、第2絶縁層612bを形成するための2回目の処理では、遮光層615となる表示用ドットD間の境界領域を除いて、各表示用ドットDの領域にフォトレジストを材料として用いてエッチングによって第2絶縁膜612bを形成する。
【0359】
この場合にも、オーバーコート層616の上面の凹凸を軽減できるので、セルギャップのバラツキを改善でき、また、ラビング処理が容易となる。そしてその結果、液晶装置の表示画面におけるコントラストの改善が図れる。
【0360】
(液晶装置の製造方法)
次に、本実施形態に係る液晶装置の製造方法について図45の工程図に基づいて説明する。まず、工程P151において、第1基材603上に下地層612を形成する。ここで、遮光層615を形成する領域である表示用ドットD間の境界領域では、例えば図40に示すように、下地層612に開口部623が形成されるように、フォトレジストをエッチングして下地層612を形成する。
【0361】
これについてもう少し詳しく説明すると、第1基材603上に樹脂材料をスピンコートにより均一に塗布し、その上にレジストを塗布し、所定のパターンが形成されたフォトマスクの上からレジストを露光し、そのレジストを現像処理し、さらにそのレジストをマスクとして上記樹脂材料をエッチングして下地層612に複数の穴を形成する。次に、この下地層612に対し熱を加えることにより、これらの穴を滑らかに変形させて凹凸状の下地層612の下層612aが形成される。さらに、この下地層612の凹凸が滑らかになるように同じ樹脂材料を薄く塗布して下地層612の上層612bが形成される。
【0362】
次に、下地層612上にレジストを塗布し、所定のパターンが形成されたフォトマスクの上からそのレジストを露光し、さらにそのレジストを現像処理し、そのレジストをマスクとして下地層612をエッチングして、当該下地層612に開口部623を形成する。これにより、遮光層615となる部分で下地層612が除かれた下地層612が第1基材603上に形成される。
【0363】
次に、工程P152において、下地層612上に蒸着法やスパッタリング法等によってアルミニウム等を薄膜状に成膜し、これをフォトリソグラフィ法を用いてパターニングすることにより、例えば図42に示すように、各表示用ドットDの略中央に略長方形状の開口部622を設け、それと同時に、それ以外の領域に反射層613を形成する。
【0364】
次に、工程P153において、反射層613及び開口部622の上に1色、例えば青色系、例えば青色の着色層材料をスピンコートによって塗布し、その上にレジストを塗布し、所定のパターンが形成されたフォトマスクの上からレジストを露光し、そのレジストを現像処理し、さらに、そのレジストをマスクとして上記着色層材料をエッチングして青色の着色層614Bを形成する。また、他の2色に関して同じ処理を繰り返して、緑色系例えば緑色の着色層614G及び赤色系例えば赤色の着色層614Rを順次に形成する。
【0365】
これにより、各表示用ドットDには青色の着色層614B、緑色の着色層614G及び赤色の着色層614Rが夫々単独で形成される。一方、遮光層615には、図41に示すように、一番下層に青色の着色層614Bが最も厚く形成され、その上に緑色の着色層614G、さらに赤色の着色層614Rが重ねて形成される。このように、一番下層に青色の着色層614Bが最も厚く形成されるので遮光性を上げながら、例えば遮光層615全体としての厚さを薄くできる。
【0366】
次に、工程P154において、着色層614の上にオーバーコート層616を形成する。このとき、本実施形態では、下地層612に開口部623が形成されている分、遮光層615の高さを低くできるので、オーバーコート層616の表面の平坦性を確保でき、それ故、セルギャップのバラツキを軽減でき、また、ラビング処理が容易となる。そしてその結果、液晶装置の画面に表示される像のコントラストの明瞭化を図ることができる。
【0367】
次に、工程P155において、オーバーコート層616の上に透明電極617の材料であるITO等をスパッタリング法により被着し、フォトリソグラフィ法によってパターニングして図42のようにY方向に所定の幅を持ってストライプ状に透明電極617を形成する。さらに、その上に配向膜618を形成し、その配向膜618にラビング処理を施し、これにより、カラーフィルタ基板604が形成される。
【0368】
一方、対向基板606に関しては、工程P161において、第2基材605上に透明電極619の材料であるITO等をスパッタリング法により被着し、フォトリソグラフィ法によってパターニングして図42のようにX方向にストライプ状に透明電極619を形成する。次に、工程P162において、その電極619上に配向膜620を形成し、さらにラビング処理を施して対向基板606が形成される。
【0369】
次に、工程P171において、対向基板606上にギャップ材129(図9参照)をドライ散布等により散布し、シール材133によってカラーフィルタ基板604と対向基板606とを貼り合わせる。次に、工程P172において、シール材133の開口部から液晶を注入し、その注入後にシール材133の開口部を紫外線硬化性樹脂等によって封止する。
【0370】
次に、工程P173において、位相差板108,110及び偏光板109,111を第1基材603及び第2基材605の各外面上に貼着等によって取り付ける。次に、工程P174において、必要な配線を行ったり、図9の照明装置131やケース体132を取り付けて、液晶装置が完成する。
【0371】
図45の製造方法では、各色の着色層614が重ねられて形成される遮光層615において、一番下層に青色系例えば青色の着色層614Bを最も厚く形成したので遮光性を上げることができ、しかも遮光層615の全体の厚さを薄くできる。
【0372】
さらに、下地層612に開口部623が形成されている分、遮光層615の高さを低くできるので、オーバーコート層616の表面の平坦性を確保でき、それ故、セルギャップのバラツキを軽減でき、また、ラビング処理を容易にできる。そしてその結果、液晶装置の画面に表示される像のコントラストの明瞭化を図ることができる。
【0373】
また、図45の製造方法では、開口部623は図43に示すように遮光層615となる領域で下地層612を全て取り除くことによって形成したが、これに代えて、図44に示すように、下地層612を第1絶縁層612a及び第2絶縁層612bの2回に分けて形成し、第2絶縁層612bの形成によって凹部623を設けるようにしてもよい。
【0374】
この場合には、1回目の処理で、遮光層615となる表示用ドットD間の境界領域を含めて基材の全面に第1絶縁層612aを形成し、図43における下地層612の下層612aと同様に凹凸を設け、2回目の第2絶縁層612bの形成の際には、遮光層615となる表示用ドットD間の境界領域を除いて、各表示用ドットDの領域にフォトレジストを材料としてエッチングによって第2絶縁層612bを形成することができる。
【0375】
これにより、1回目の下地層612の形成でフォトレジストを用いて下地層612をエッチングする工程を省略でき、コストの削減が図れ、製造も速くできる。また、開口部623のように下地層612を完全に除いてしまうと却って、隣り合う表示用ドットD間の境界領域の表面と表示用ドットDの表面との間の平坦性が損なわれるような場合にも、所望の厚さで下地層612を形成することにより平坦性を確保でき、これにより、セルギャップのばらつきを少なくでき、また、ラビング処理も容易となる。なお、遮光層615の部分の所で下地層612に凹部623を形成する工程は、上記説明とは逆に、第1回目の処理としても良い。
【0376】
さらに、ハーフトーンを用いて凹部623を形成することも可能である。
【0377】
(第9実施形態)
次に、スイッチング素子として二端子型スイッチング素子であるTFD(Thin Film Diode)を用いた反射半透過型の液晶装置に本発明を適用した他の実施形態について説明する。
【0378】
図46は、本発明に係る液晶装置の他の実施形態を構成する液晶パネルの断面図である。図47は、図46の液晶パネルを構成する第1基板側の断面図である。図48は、該液晶パネルの部分拡大図である。なお、図48におけるB−B’線及びC−C’の断面図が図46に相当する。図49は、下地層が完全に取り除かれた状態の遮光層の部分断面拡大図である。図50は、下地層が一部分だけ取り除かれた状態の遮光層の部分断面拡大図である。そして、図51は、本実施形態に係る液晶装置の製造方法についての工程図である。
【0379】
図46に示す液晶パネル702は、いわゆる反射半透過型の構造を有する液晶パネルであり、この液晶パネル702を用いて構成される液晶装置の構造は、図9に示した液晶装置101と略同じである。つまり、液晶パネル702に、必要に応じて照明装置131及びケース体132を付設することにより、液晶装置が構成される。
【0380】
液晶パネル702は、ガラス板又は合成樹脂板等から形成された透明な第1基材703を基体とするカラーフィルタ基板704と、これに対向する第2基材705を基体とする対向基板706とがシール材133(図9参照)によって貼り合わされ、そのカラーフィルタ基板704と対向基板706との間に液晶が封入されて液晶層707が形成されている。また、第1基材703の外面には位相差板708及び偏光板709が配置され、第2基材705の外面には位相差板710及び偏光板711が配置されている。
【0381】
カラーフィルタ基板704に関しては、第1基材703の液晶層707側の表面に下地層712が形成され、その下地層712の表面に反射層713が設けられる。また、下地層712の表面に反射層713が設けられた部分は反射部725を構成し、反射層713に形成された開口部722によって透過部が構成される。
【0382】
反射層713の上には、緑色の着色層714G、青色の着色層714B及び赤色の着色層714Rが所定の配列パターンで形成される。これらの着色層に関しては、これ以降の説明において、総称的に符号“714”で示されることがある。互いに隣り合う着色層714の間の境界領域には遮光層715が設けられる。
また、着色層714及び遮光層715の上には、それらの層を保護するためのオーバーコート層716が設けられる。また、オーバーコート層716の上にはITO等といった透明導電体から成るデータ線726が形成され、さらにその上にポリイミド樹脂等から成る配向膜718が形成される。
【0383】
一方、図46おいて、対向基板706に関しては、第2基材705の液晶層707側の表面に、マトリクス状に配列する複数の画素電極727と、各画素電極727の境界領域において上記データ線726と交差する方向(すなわち、図48のY方向)に帯状に延びる複数の走査線728と、該画素電極227及び走査線228に接続されたTFD729が配置され、その上には配向膜720が形成されている。
【0384】
ここで、データ線726は所定の方向(例えば、図48のX方向)に延びる帯状に形成され、複数のデータ線726が相互に並列してストライプ状に構成されており、該データ線726と画素電極727とが平面的に重なる領域が表示用ドットDとなる。
【0385】
また、下地層712は下層712a及び上層712bの2層で形成され、これらの各層は樹脂材料によって形成されている。この下地層712は、下層712aの表面が細かい凹凸状に加工され、さらにこの下層712aの表面全体が同じ材料の薄い上層712bで被覆されるので、滑らかな凹凸が形成される。この凹凸形状により、下地層712を透過する光を散乱させることができ、これにより、液晶装置の画面に表示された像が見難くなるという問題を解消できる。
【0386】
反射層713は、例えばアルミニウムや銀等の単体金属膜であって下地層712の上面に形成されており、下地層712の表面の凹凸に対応して反射層713の表面にも細かい凹凸が形成されている。これにより、反射層713によって反射された反射光も散乱させることができ、その結果、液晶装置の画面に表示された像が見難くなるという問題が解消できる。
【0387】
反射層713には、例えば図48に示すように表示用ドットDのほぼ中央に略長方形状の開口部722が形成されており、この開口部722が透過部となる。照明装置131(図9参照)から出射した光は、この開口部722を通って液晶層707へ供給される。なお、開口部722は、この例の形に限られるものでなく、その他の形、例えば円孔とすることができる。また、1つの表示用ドットD内の開口部722の数は1つに限られず、複数であっても良い。
【0388】
着色層714は、例えば、顔料又は染料等の着色剤を含む感光性樹脂から成る着色レジストを塗布し、これをフォトリソグラフィ法等によってパターニングすることによって形成される。このパターニングにより、第1基材703を通過した照明装置131からの光を透過するための開口部722と、この開口部722の周りの反射層713を覆う部分が形成される。本実施形態のように、R,G,Bの3色の着色層714を設ける場合には、上記のパターニング処理が各色について順々に行われる。これにより、各着色層714を遮光層715の所で他の着色層714と重ねることができる。
【0389】
遮光層715は、各表示用ドットDの間の境界領域に形成され、その境界領域を遮光する。この遮光層715は、第2基材705の走査線728の長手方向(すなわち、図48のY方向)及びこれに直交する方向(すなわち、図48のX方向)に延びる帯状に形成されている。
【0390】
図47に示すように、遮光層715は、1つの着色層714とそれに隣接する他の着色層714との間に設けられる。この遮光層715の所で、下地層712には開口部723が形成されており、この開口部723の底部724は、第1基材703の直ぐ上に反射層713を介して設けられている。
【0391】
図49において、開口部723には、遮光層715に隣り合う着色層714Bが底部724からh21の厚さに形成され、その上に着色層714Gがh22の厚さに形成され、さらにその上に着色層714Rの張出し部分がh23の厚さで夫々重なり合って形成されている。
【0392】
ここで、最下方の着色層714Bの厚さh21を0.7μm以上であって2.0μm以下とすれば、青色系例えば青色の着色層714Bの遮光性が良好となる。また、他の着色層との組み合わせで、各表示用ドットDの表面と、それに隣り合うドットD間領域の表面との間で平坦性を確保できる。
【0393】
さらに、図49のh21を略1.7μmに形成し、h22を略1.0μmに形成し、h23を略0.9μmに形成し、さらに重ねられた着色層の一番上に有る着色層714Rの上面からのオーバーコート層716の厚さh24を略1.8μmに形成すると、下地層712の厚さh25が略2.4μmであり、表示用ドットDでの着色層714Bの厚さh26が略1.0μmであり、この部分のオーバーコート層216の厚さh27が略2.0μmであることから、遮光層715上のオーバーコート層716の上面と着色層714Bの表示用ドットD上のオーバーコート層716の上面とは一致し、平坦な面となる。ここで、開口部723の一番下に着色層714Bを形成することにより、その着色層714Bの厚さは略1.7μmに形成することができる。
【0394】
さらに、図47において、着色層714Gと着色層714Bとの間では、開口部723の底部724に、まず、隣り合う着色層714Bが入り込み、その上に隣り合う着色層714Gの張出し部分が重なり、さらにその上に着色層714Rが重なり、これにより、遮光層715が形成される。
【0395】
また、着色層714Rと着色層714Gとの間では、開口部723の底部724に、まず、着色層714Bが形成され、その上に隣り合う着色層714Gの張出し部分が重なり、さらにその上に隣り合う着色層714Rが重なり、これにより、遮光層715が形成される。
【0396】
遮光層715を収容するために下地層712に形成する窪みは、上記のような開口部723に限られることはなく、例えば図50に示すような凹部723とすることもできる。この場合には、凹部723の底部724の所で下地層712は完全には除かれていない。このような場合でも、凹部723の底部724の深さm25だけ遮光層715の高さを低くできる。これにより、オーバーコート層716上面の凹凸を軽減できるので、セルギャップのバラツキを低減でき、ラビング処理が容易となる。そしてその結果、液晶装置における画面表示のコントラストが良くなる。
【0397】
ここで、図50の最下方の着色層714Bの厚さm21を0.7μm以上であって2.0μm以下とすれば、青色系例えば青色の着色層714Bの遮光性が良好となる。また、他の着色層との組み合わせで、各表示用ドットDの表面とそれに隣り合うドットD間領域の表面との間で凹凸を軽減できる。
【0398】
さらに、図50の着色層714Bの厚さm21を略1.1μmとし、着色層714Gの厚さm22を略1.0μmとし、着色層714Rの厚さm23を略0.9μmとすれば、凹部723の底部724の深さm25を略1.3μmとするときに、オーバーコート層716の上面の凹凸をより一層軽減できる。
【0399】
この場合の着色層714の配列パターンとして、図48では斜めモザイク配列を採用しているが、配列パターンとしては、この斜めモザイク配列の他に、ストライプ配列又はデジタル配列等の種々のパターン形状を採用することができる。
なお、表示用ドットDは、遮光層715によってその周囲を囲まれる領域であって、その表示用ドットDの内部には、R,G,Bのいずれか1色の着色層714が含まれ、さらに、反射層713及び開口部722が含まれる。1画素は、R,G,Bの各色の着色層714を含む3つの表示用ドットDによって構成される。
【0400】
次に、図46の画素電極727は、例えばITO等といった透明導電体によって形成され、当該画素電極727に隣り合う走査線728とは、TFD729を介して接続されている。TFD729は、第2基材705の表面に成膜された下地層730の上に形成されている。また、TFD729は、第1金属層731と、該第1金属層731の表面に形成された絶縁膜732と、該絶縁膜732の上に形成された第2金属層733とによって構成されている。
【0401】
ここで、第1金属層731は、例えば、厚さが100〜500nm程度のTa単体膜、Ta合金膜等によって形成され、走査線728に接続されている。また、絶縁膜732は、例えば厚さが10〜35nm程度の酸化タンタル等によって形成されている。さらに、第2金属層733は、例えば、クロム(Cr)等といった金属膜によって50〜300nm程度の厚さに形成され、画素電極727に接続されている。
【0402】
以上のように構成された本実施形態において、第2基材705に形成された走査線728の夫々に走査信号を供給する一方、第1基材703側に形成されたデータ線726にデータ信号を供給すると、画素電極727とデータ線726とが対向する部分に保持された液晶のみを駆動することができる。
【0403】
反射型表示を考えると、第2基材705及び画素電極727を通過して液晶層707に入射した外部光は、該液晶層707によって表示用ドットD毎に変調され、反射層713により反射され、再び画素電極727及び第2基材705を通過し外部へ出射される。
【0404】
一方、透過型表示を考えると、照明装置131(図9参照)から出射した光は第1基材703及び透過部722を通過して液晶層707に入射し、該液晶層707によって表示用ドットD毎に変調され、画素電極727及び第2基材705を通過して外部へ出射し、この出射光によって表示が行われる。
【0405】
反射型表示及び透過型表示のいずれの場合でも、本実施形態では、オーバーコート層716が平坦に形成されるので、液晶装置における画面にコントラストの明瞭な画像を見ることができる。なお、外部への出射光は、反射層713及び透過部722を覆っている着色層714に対応した色に着色される。
【0406】
本実施形態では、隣り合う表示用ドットD間の境界領域で凹部723(図50)又は開口部723(図49)を有するように下地層712を形成したので、着色層714によって形成される遮光層715の高さを低くでき、これにより、各表示用ドットDの表面とそれに隣り合うドットD間領域の表面との間の平坦性を確保できる。
【0407】
また、凹部723の底部724又は開口部723の底部724に、最初に、青色系例えば青色の着色層714Bを形成することにしたので、可視光波長域における平均透過率の低い青色が、他の緑色系例えば緑色及び赤色系例えば赤色の着色層714に比べ最も厚く形成され、遮光性をより高くしながら全体として遮光層715の高さを低くでき、コントラストを良くすることができる。
【0408】
さらに、開口部723に底部724の方から青色の着色層714Bを略1.7μmの厚さに形成し、その上に緑色の着色層714Gを略1.0μmの厚さに形成し、さらにその上に赤色の着色層714Rを略0.9μmの厚さに形成すれば、各表示用ドットDの上面とそれに隣り合うドットD間領域の上面との間の平坦性、従って、オーバーコート層716の平坦性がより確保でき、それ故、セルギャップのバラツキを改善でき、さらに、ラビング処理が容易となる。そしてその結果、液晶装置の表示画面のコントラストの明瞭化が図れる。
【0409】
また、以上の説明では、図49に示すように、遮光層715が形成される領域で下地層712を全て取り除いて開口部723を形成したが、これに代えて、図50に示すように、下地層712を第1絶縁層712a及び第2絶縁層712bの2回に分けて形成し、第2絶縁層712bを形成するときに凹部723を形成するようにしてもよい。
【0410】
この場合には、1回目の処理で、遮光層715となる表示用ドットD間の境界領域を含めて、基材の全面に第1絶縁層712aを形成し、さらに図49の下地層712の下層712aと同様に凹凸を形成する。そして、第2絶縁層712bを形成するための2回目の処理では、遮光層715となる表示用ドットD間の境界領域を除いて、各表示用ドットDの領域にフォトレジストを材料として用いてエッチングによって第2絶縁膜712bを形成する。
【0411】
この場合にも、オーバーコート層716の上面の凹凸を軽減できるので、セルギャップのバラツキを改善でき、また、ラビング処理が容易となる。そしてその結果、液晶装置の表示画面におけるコントラストの改善が図れる。さらに、本実施形態ではTFD型のアクティブマトリックス方式であるため、画面が明るくて見やすく、消費電力及び製造コストを低く抑えられる。
【0412】
(液晶装置の製造方法)
次に、本実施形態に係る液晶装置の製造方法について図51の工程図に基づいて説明する。まず、工程P181において、第1基材703上に下地層712を形成する。ここで遮光層715を形成する各表示用ドットD間の境界領域では、下地層712に開口部723が形成されるように、フォトレジストを用いて下地層712をエッチングする。
【0413】
これについてもう少し詳しく説明すると、第1基材703上に樹脂材料をスピンコートにより均一に塗布し、さらにその上にレジストを塗布し、所定のパターンが形成されたフォトマスクの上からレジストを露光し、そのレジストを現像処理し、さらに、そのレジストをマスクとして上記樹脂材料をエッチングして下地層712に複数の穴を形成する。次に、この下地層712に対し熱を加えることにより、これらの穴を滑らかに変形させて凹凸状の下地層712の下層712aが形成される。さらに、この下地層712の凹凸が滑らかになるように同じ樹脂材料を薄く塗布し、下地層712の上層712bが形成される。
【0414】
次に、下地層712上にレジストを塗布し、所定のパターンが形成されたフォトマスクの上からそのレジストを露光し、そのレジストを現像処理し、さらに、レジストをマスクとして下地層712をエッチングして当該下地層712に開口部723を形成し、これにより、遮光層715となる部分で下地層712が除かれた下地層712が第1基材703上に形成される。
【0415】
次に、工程P182において、下地層712上にアルミニウム等を蒸着法やスパッタリング法等によって薄膜状に成膜し、これをフォトリソグラフィ法を用いてパターニングすることによって、例えば図48のように各表示用ドットDの略中央に略長方形状の開口部722を設けると共に、それ以外の領域に反射層713を形成する。
【0416】
次に、工程P183において、反射層713及び開口部722の上に1色、例えば青色系、例えば青色の着色層材料をスピンコートによりを塗布し、その上にレジストを塗布し、所定のパターンが形成されたフォトマスクの上からレジストを露光し、そのレジストを現像処理し、さらに、そのレジストをマスクとして上記着色層材料をエッチングして、青色の着色層714Bを形成する、また、他の2色に関して同じ処理を繰り返して、緑色系例えば緑色の着色層714G及び赤色系例えば赤色の着色層714Rを順次に形成する。
【0417】
これにより、各表示用ドットDには青色の着色層714B、緑色の着色層714G及び赤色の着色層714Rが夫々単独で形成され、遮光層715には図46のように一番下層に青色の着色層714Bが最も厚く形成され、その上に緑色の着色層714G、更に赤色の着色層714Rが重ねて形成される。上記のように、一番下層に青色の着色層714Bが最も厚く形成されるので、遮光性を上げながら、遮光層715の全体の厚さを薄くできる。
【0418】
次に、工程P184において、着色層714の上にオーバーコート層716を形成する。このとき、下地層712に開口部723が形成されている分、遮光層715の高さを低くできるので、オーバーコート層716の表面の平坦性を確保でき、それ故、セルギャップのバラツキを軽減でき、また、ラビング処理を容易にできる。そしてその結果、液晶装置の画面に表示される像のコントラストの明瞭化を図ることができる。
【0419】
次に、工程P185において、オーバーコート層716の上にデータ線726の材料であるITO等をスパッタリング法により被着し、フォトリソグラフィ法によってパターニングして図48のようにX方向に所定の幅をもってデータ線726をストライプ状に形成する。さらにその上に配向膜718を形成し、その配向膜718にラビング処理を施してカラーフィルタ基板704が形成される。
【0420】
一方、対向基板706に関して、工程P191において、第2基材705上にTFD729、走査線728及び画素電極727を形成する。ここで、TFD729は次のようにして形成される。すなわち、まず、第2基材705上にTa酸化物等を一様な厚さに成膜して下地層730を形成する。次に、その上にTa等をスパッタリングによって一様な厚さで成膜し、フォトリソグラフィ法により走査線228と第1金属層231とを同時に形成する。このとき、走査線228と第1金属層231とはブリッジでつながっている。
【0421】
次に、上記の第1金属層231に絶縁膜である酸化タンタル等を一様な厚さで成膜して絶縁膜732を形成して、さらにその上にCrをスパッタリング等により一様な厚さで成膜し、さらにフォトリソグラフィ法を利用して第2金属層233を形成する。
【0422】
次に、画素電極727の形成予定領域の下地層230を除去した後、ITOをスパッタリング等によって一様な厚さで成膜し、さらにフォトリソグラフィ法等によって1つの表示用ドットDの大きさに相当する所定形状の画素電極727を、一部が第2金属層233と重なるように形成する。これら一連の処理により、TFD729及び画素電極727が形成される。
【0423】
次に、工程P192において、TFD729及び画素電極727の上に配向膜720を形成し、その配向膜720にラビング処理を施し、これにより、対向基板706が形成される。
【0424】
次に、工程P201において、第2基材705側の配向膜720上にギャップ材129(図9参照)をドライ散布等により散布し、シール材133によって上記のカラーフィルタ基板704と上記の対向基板706とを貼り合わせる。次に、工程P202において、シール材133の開口部から液晶を注入し、その注入後にシール材の開口部を紫外線硬化性樹脂等によって封止する。
【0425】
次に、工程P203において、位相差板708,710及び偏光板709,711を第1基材703及び第2基材705の各外面上に貼着等の方法により取り付ける。次に、工程P204において、必要な配線を行ったり、図9の照明装置131やケース体132を取り付けて、液晶装置が完成する。
【0426】
図51の製造方法では、着色層714が重ねられる遮光層715で一番下層に青色系例えば青色の着色層714Bを配置することとしたので、青色の着色層714を最も厚く形成できるので遮光性を上げることができる。また、遮光層715の全体の厚さを薄くできる。
【0427】
さらに、下地層712に開口部723が形成されている分、遮光層715の高さを低くできるので、オーバーコート層716の表面の平坦性を確保できる。これにより、セルギャップのバラツキを軽減でき、また、ラビング処理を容易にできる。そしてその結果、液晶装置における画面表示のコントラストの明瞭化を図ることができる。
【0428】
また、図51の製造方法では、図49に示すように、開口部723の所すなわち遮光層715となる領域で下地層712を全て取り除いたが、これに代えて、図50で示すように下地層712を第1絶縁層712a及び第2絶縁層712bの2回に分けて形成し、第2絶縁層712bの形成時に凹部723を形成するようにしても良い。
【0429】
例えば、1回目の処理では遮光層715となる表示用ドットD間の境界領域を含めて基材の全面に第1絶縁層712aを形成し、図49の下地層712の下層712aと同様に凹凸を設け、2回目の第2絶縁層712bの形成処理に際しては、遮光層715となる各表示用ドットD間の境界領域を除いて、各表示用ドットDの領域にフォトレジストを材料としてエッチングによって下地層712を形成することができる。
【0430】
これにより、1回目の下地層712の形成でフォトレジストを用いて下地層712をエッチングする工程を省略できコストの削減が図れ、製造も速くできる。また、開口部723のように下地層712を完全に除いてしまうと却って、隣り合う表示用ドットD間の境界領域と表示用ドットDとの表面の平坦性が損なわれるような場合にも、所望の厚さで下地層712を形成して平坦性を確保でき、セルギャップのばらつきを少なくできる他、ラビング処理も容易となる。なお、遮光層715の部分で下地層712に凹部723を形成する方を上述と逆に第1回目にしても良い。
【0431】
さらに、ハーフトーンを用いて凹部723を形成することも可能である。
【0432】
(第10実施形態)
次に、スイッチング素子として三端子型スイッチング素子であるTFT(Tin Film Transistor)を用いた反射半透過型の液晶装置に本発明を適用した場合の他の実施形態について説明する。
【0433】
図52は、本発明に係る液晶装置の一実施形態を構成する液晶パネルの断面図である。図53は、図52の液晶パネルを構成するカラーフィルタ基板の断面図である。図54は、該液晶パネルの部分拡大図である。なお、図54におけるD−D’線及びE−E’線の断面図が図52に相当する。図55は、下地層が完全に取り除かれた状態の遮光層の部分断面拡大図である。図56は、下地層が一部分だけ取り除かれた状態の遮光層の部分断面拡大図である。そして、図57は本実施形態に係る液晶装置の製造方法についての工程図である。
【0434】
図52に示す液晶パネル802は、いわゆる反射半透過型の構造を有する液晶パネルであり、この液晶パネル802を用いて構成される液晶装置の構造は、図9に示した液晶装置101と略同じである。つまり、液晶パネル802に、必要に応じて照明装置131及びケース体132を付設することにより、液晶装置が構成される。
【0435】
液晶パネル802は、ガラス板又は合成樹脂板等から形成された透明な第1基材803を基体とするカラーフィルタ基板804と、これに対向する第2基材805を基体とする対向基板806とがシール材133(図9参照)によって貼り合わされ、そのカラーフィルタ基板804と対向基板806との間に液晶が封入されて液晶層807が形成されている。また、第1基材803の外面には位相差板808及び偏光板809が配置され、第2基材805の外面には位相差板810及び偏光板811が配置されている。
【0436】
カラーフィルタ基板804に関しては、第1基材803の液晶層807側の表面に下地層812が形成され、その下地層812の表面に反射層813が設けられる。また、下地層812の表面に反射層813が設けられた部分は反射部825を構成し、反射層813に形成された開口部822によって透過部が構成される。
【0437】
反射層813の上には、緑色の着色層814G、青色の着色層814B及び赤色の着色層814Rが所定の配列パターンで形成される。これらの着色層に関しては、これ以降の説明において、総称的に符号“814”で示されることがある。互いに隣り合う着色層814の間の境界領域には遮光層815が設けられる。
また、着色層814及び遮光層815の上には、それらの層を保護するためのオーバーコート層816が設けられる。また、オーバーコート層816の上にはITO等といった透明導電体から成る共通電極834が形成され、さらにその上にポリイミド樹脂等から成る配向膜818が形成される。
【0438】
次に、対向基板806に関しては、第2基材805の液晶層807側の表面には、マトリクス状に配列する複数の画素電極827と、各画素電極827の境界領域においてゲート配線835及びソース配線836とが直交するように配置され、その配線の交差部分付近にはTFT837が設けられ、更にその上に配向膜820が形成されている。なお、ゲート配線835は図54のY方向に延び、ソース配線836は同図のX方向に延びている。
【0439】
ここで、共通電極834はオーバーコート層816の表面全域に形成された面電極であり、ゲート配線835とソース配線836とによって囲まれる領域が表示用ドットDとなる。
【0440】
また、下地層812は下層812a及び上層812bの2層で形成され、これらの層は樹脂材料によって形成されている。この下地層812は、下層812aの表面が細かい凹凸状に加工され、さらに、この下層812aの表面全体が同じ材料の薄い上層812bで被覆されるので、滑らかな凹凸が形成される。この凹凸により、下地層812を透過する光を散乱させることができ、これにより、液晶装置の画面に表示された像が見難くなるという問題を解消できる。
【0441】
反射層813は、例えばアルミニウムや銀等の単体金属膜であって下地層812の上面に形成されており、下地層812表面の凹凸に対応して反射層813の表面にも細かい凹凸が形成されている。この凹凸により、反射層813によって反射された反射光も散乱させることができ、これにより、液晶装置の画面に表示された像が見難くなるという問題が解消できる。
【0442】
反射層813には、図54に示すように、表示用ドットDのほぼ中央に略長方形状の開口部822が形成されており、この開口部822が透過部となる。照明装置131(図9参照)からの出射光はこの開口部822を通して液晶層807へ供給される。なお、開口部822は、この例の形に限られるものでなく、その他の形、例えば円孔にすることもできる。また、1つの表示用ドットD内における開口部822の数は、1つに限られず、複数とすることができる。
【0443】
着色層814は、例えば、顔料又は染料等の着色剤を含む感光性樹脂から成る着色レジストを塗布し、これをフォトリソグラフィ法等によってパターニングすることによって形成される。このパターニングにより、第1基材803を通過した照明装置131からの光を透過するための開口部822と、この開口部822の周りの反射層813を覆う部分が形成される。本実施形態のように、R,G,Bの3色の着色層814を設ける場合には、上記のパターニング処理が各色について順々に行われる。これにより、各着色層814を遮光層815の所で他の着色層814と重ねることができる。
【0444】
遮光層815は、各表示用ドットDの間の境界領域に形成され、その境界領域を遮光する。この遮光層815は、第2基材805のゲート配線835の長手方向(すなわち、図54のY方向)及びこれに直交する方向(すなわち、図54のX方向)に延びる帯状に形成されている。
【0445】
また、遮光層815は、例えば、着色層814Bと着色層814Rとの間では、図55に示すように、下地層812に開口部823が形成されており、この開口部823の底部824は、第1基材803の直ぐ上に反射層813を介して形成されている。
【0446】
開口部823には、遮光層815に隣り合う着色層814Bが底部824からh31の厚さに形成され、その上に着色層814Gがh32の厚さに形成され、さらにその上に着色層814Rの張出し部分がh33の厚さで夫々重なり合って形成されている。
【0447】
ここで、最下方の着色層814Bの厚さh31を0.7μm以上であって2.0μm以下とすれば、青色系例えば青色の着色層814Bの遮光性が良好となる。また、他の着色層との組み合わせで、各表示用ドットDの表面とそれに隣り合う表示用ドットD間の境界領域の表面との間の平坦性を確保できることとなる。
さらに、図55のh31を略1.7μmに形成し、h32を略1.0μmに形成し、h33を略0.9μmに形成し、さらに、重ねられた着色層の一番上に有る着色層814Rの上面からのオーバーコート層816の厚さh34を略1.8μmに形成すると、下地層812の厚さh35が略2.4μmであり、表示用ドットDでの着色層814Bの厚さh36が略1.0μmであり、この部分のオーバコート層816の厚さh37が略2.0μmであることから、遮光層815上のオーバーコート層816の上面と着色層814Bの表示用ドットD上のオーバーコート層816の上面とは一致し、平坦な面となる。
【0448】
ここで、上述のように開口部823の一番下に着色層814Bを形成することによって、厚さを略1.7μmに形成することができるようになる。
【0449】
さらに、着色層814Gと着色層814Bとの間では、図53に示すように、開口部823の底部824に、まず、隣り合う着色層814Bが入り込み、その上に隣り合う着色層814Gの張出し部分が重なり、さらに、その上に着色層814Rが重なり、これにより、遮光層815が形成される。
【0450】
また、着色層814Rと着色層814Gとの間では、開口部823の底部824に、まず、着色層814Bが形成され、その上に隣り合う着色層814Gの張出し部分が重なり、さらに、その上に隣り合う着色層814Rが重なり、これにより、遮光層815が形成される。
【0451】
さらに、遮光層815は、上述の構成に限られることはなく、例えば図56に示すように、凹部823の底部824において完全には下地層812が除かれていないような場合においても、凹部823の底部824の深さm35だけ、遮光層815の高さが低くなり、オーバーコート層816の上面の凹凸を軽減できることとなる。これにより、セルギャップのバラツキを低減でき、ラビング処理が容易となり、液晶装置の画面表示のコントラストが良くなる。
【0452】
ここで、図56の最下方の着色層814Bの厚さm31を0.7μm以上であって2.0μm以下とすれば、青色系例えば青色の着色層814Bの遮光性が良好となり、他の着色層との組み合わせで、各表示用ドットDと隣り合う表示用ドットD間の境界領域との表面の凹凸を軽減できることとなる。
【0453】
さらに、図56の着色層814Bの厚さm31を略1.1μmとし、着色層814Gの厚さm32を略1.0μmとし、さらに着色層814Rの厚さm33を略0.9μmとすれば、凹部823の底部824の深さm35を略1.3μmとしたときに、オーバーコート層816の上面の凹凸をより一層軽減できることとなる。
【0454】
この場合の着色層814の配列パターンとして、図54では斜めモザイク配列を採用しているが、この斜めモザイク配列の他に、ストライプ配列又はデジタル配列等の種々のパターン形状を採用することができる。
【0455】
なお、表示用ドットDは、遮光層815によってその周囲を囲まれる領域であって、その表示用ドットDの内部には、R,G,Bのいずれか1色の着色層814が含まれ、さらに、反射層813及び開口部822が含まれる。1画素は、R,G,Bの各色の着色層814を含む3つの表示用ドットDによって構成される。
【0456】
次に、TFT837は、第2基材805上に形成されたゲート電極838と、このゲート電極838の上で第2基材805の全域に形成されたゲート絶縁膜839と、このゲート絶縁膜839を挟んでゲート電極838の上方位置に形成された半導体層840と、その半導体層840の一方の側にコンタクト電極841を介して形成されたソース電極842と、更に半導体層840の他方の側にコンタクト電極841を介して形成されたドレイン電極843とを有する。
【0457】
ここで、ゲート電極838はゲート配線835に接続され、ソース電極842はソース配線836に接続されている。ゲート配線835は第2基材805の平面方向に延びていて縦方向(すなわち、図54のY方向)へ等間隔で平行に複数本形成されている。また、ソース配線836はゲート絶縁膜839を挟んでゲート配線835と交差するように第2基材805の平面方向に延びていて横方向(すなわち、図54のX方向)へ等間隔で平行に複数本形成されている。
【0458】
画素電極827は、互いに交差するゲート配線835とソース配線836とによって区画される方形領域のうち、TFT837に対応する部分を除いた領域を覆うように構成され、例えばITO等といった透明導電体により形成されている。
【0459】
ゲート配線835とゲート電極838は、例えば、クロム、タンタル等によって形成される。また、ゲート絶縁膜839は、例えば、窒化シリコン(SiNX)、酸化シリコン(SiOX)等によって形成される。また、ソース電極842及びそれと一体的なソース配線836並びにドレイン電極843は、例えば、チタン、モリブデン、アルミニウム等によって成形される。
【0460】
以上のように構成された本実施形態において、第1基材803に形成されている共通電極834に信号を提供する一方、第2基材805に形成されたゲート配線835とソース配線836に信号を提供すると、表示用ドットD毎に画素電極827が選択され、この選択された画素電極827と共通電極834との間に保持される液晶のみが、電圧が印加されることによって液晶の配向が制御され、反射光及び透過光が変調される。
【0461】
反射型表示を考えれば、第2基材805及び画素電極827を通過して液晶層807に入射した外光は、該液晶層807によって表示用ドットD毎に光変調され、反射層813により反射され、再び画素電極827及び第2基材805を通過し外部へ出射し、この出射光によって表示が行われる。
【0462】
一方、透過型表示を考えれば、照明装置131(図9参照)から出射した光は第1基材803及び透過部322を通過して液晶層807に入射した後、該液晶層807によって表示用ドットD毎に光変調され、画素電極827及び第2基材805を通過し外部へ出射し、この出射光によって表示が行われる。
【0463】
反射型表示及び透過型表示のいずれの場合でも、本実施形態ではオーバーコート層816が平坦に形成されるので、液晶装置の画面にコントラストの明瞭な画像を見ることができる。さらに、外部への射出光は、反射層813及び透過部322を覆っている着色層814により、対応する色に着色される。
【0464】
本実施形態では、隣り合う表示用ドットD間の境界領域で凹部823(図56)又開口部823(図55)を有するように下地層812を形成したので、遮光層815の高さを低くでき、各表示用ドットDと隣り合う表示用ドットD間の境界領域との表面の平坦性を確保できる。
【0465】
また、凹部823の底部824又は開口部823の底部824の一番下方に、青色系例えば青色の着色層814Bを形成することとしたので、可視光波長域における平均透過率の低い青色が、他の緑色系例えば緑色及び赤色系例えば赤色の着色層814に比べ最も厚く形成され、遮光性をより高くしながら、全体として遮光層815の高さを低くでき、コントラストを良くすることができる。
【0466】
さらに、開口部823に底部824の方から青色の着色層814Bを略1.7μmの厚さに形成し、その上に緑色の着色層814Gを略1.0μmの厚さに形成し、さらに、その上に赤色の着色層814Rを略0.9μmに形成すれば、各表示用ドットDと隣り合う表示用ドットD間の境界領域との上面のオーバーコート層816の平坦性がより確保でき、セルギャップのバラツキの改善やラビング処理が容易となり、表示画面のコントラストの明瞭化が図れる。
【0467】
また、凹部823で下地層812が、図56に示すように、完全には取り除かれていない場合にも、遮光層815の高さを低くできるので、オーバーコート層816の上面の凹凸を軽減でき、セルギャップのバラツキの解消やラビング処理が容易となり、表示画面のコントラストの改善が図れる。
【0468】
さらに、本実施形態ではTFT型のアクティブマトリックス方式であるため画面が明るくて見やすく、コントラストを更に強くできる。
【0469】
(液晶装置の製造方法)
次に、本実施形態に係る液晶装置の製造方法について図57の工程図に基づいて説明する。まず、工程P211において、第1基材803上に下地層812を形成する。ここで遮光層815を形成する各表示用ドットD間の境界領域では、図52に示すように、下地層812に開口部823が形成されるように、フォトレジストを用いて下地層812をエッチングする。
【0470】
これについてもう少し詳しく説明すると、第1基材803上に均一に樹脂材料をスピンコートによりを塗布し、さらにその上にレジストを塗布し、所定のパターンが形成されたフォトマスクの上からレジストを露光し、そのレジストを現像処理し、そのレジストをマスクとして上記樹脂材料をエッチングして下地層812に複数の穴を形成する。
【0471】
次に、この下地層812に対し熱を加えることにより、これらの穴を滑らかに変形させて凹凸状の下地層812の下層812aが形成される。さらに、この下地層812の凹凸が滑らかになるように同じ樹脂材料を薄く塗布し、下地層812の上層812bが形成される。
【0472】
次に、その下地層812上にレジストを塗布し、所定のパターンが形成されたフォトマスクの上からレジストを露光し、そのレジストを現像処理し、そのレジストをマスクとしてエッチングして下地層812に開口部823を形成し、遮光層815となる部分で下地層812が除かれた下地層812が第1基材803上に形成される。
【0473】
次に、工程P212において、下地層812上にアルミニウム等を蒸着法やスパッタリング法等によって薄膜状に成膜し、これをフォトリソグラフィ法を用いてパターニングすることによって、例えば図54のように各表示用ドットDの略中央に略長方形状の開口部822を設けると共に、それ以外の領域に反射層813を形成する。
【0474】
次に、工程P213において、反射層813及び開口部822の上に1色、例えば青色系、例えば青色の着色層材料をスピンコートによりを塗布し、その上にレジストを塗布し、所定のパターンが形成されたフォトマスクの上からそのレジストを露光し、そのレジストを現像処理し、さらに、そのレジストをマスクとしてエッチングを行って青色系例えば青色の着色層814Bを形成する。また、他の2色に関して同じ処理を繰り返して、緑色系例えば緑色の着色層814G及び赤色系例えば赤色の着色層814Rを順次に形成する。
【0475】
これにより、各表示用ドットDには青色の着色層814B、緑色の着色層814G及び赤色の着色層814Rが夫々単独で形成され、さらに、遮光層815には、図53に示すように、一番下層に青色の着色層814Bが最も厚く形成され、その上に緑色の着色層814Gが形成され、さらに赤色の着色層814Rが重ねて形成される。
【0476】
上述のように、一番下層に青色の着色層814Bが最も厚く形成されるので、遮光性を上げながら、遮光層815全体としての厚さを薄くできる。
【0477】
次に、工程P214において、着色層814の上にオーバーコート層816を形成する。本実施形態では、下地層812に開口部823が形成されている分、遮光層815の高さを低くでき、それ故、オーバーコート層816の表面の平坦性を確保できるので、セルギャップのバラツキを軽減でき、ラビング処理が容易になり、さらに液晶装置の表示画面においてコントラストの明瞭化を図ることができる。
【0478】
次に、工程P215において、オーバーコート層816の上に共通電極834の材料であるITO等をスパッタリング法により被着し、フォトリソグラフィ法によってパターニングしてオーバーコート層816の上面に共通電極834を形成する。さらに、その上に配向膜818を形成し、ラビング処理を施してカラーフィルタ基板804が形成される。
【0479】
一方、対向基板806に関して、工程P221において、第2基材805上にTFT837、ゲート配線835、ソース配線836及び画素電極827等を形成する。
【0480】
ここで、TFT837に関しては、第2基材805上に例えば、スパッタリングによってクロム、タンタル等を一様な厚さで成膜し、フォトリソグラフィ法によりパターニングしてゲート配線835及びそれと一体的なゲート電極838を形成し、さらに例えばプラズマCVD(Chemical Vapour Deposition)法によって窒化シリコンからなるゲート絶縁膜839を形成する。
【0481】
次に、例えば半導体層840となるa−Si層とコンタクト電極841となるn+型a−Si層とをこの順で連続的に形成し、さらに、形成されたn+型a−Si層及びa−Si層のパターニングを行って半導体層840及びコンタクト電極841とを形成すると共に、ゲート絶縁膜839上の画素電極827となる部分にITO等をスパッタリング法により被着し、フォトリソグラフィ法によってパターニングして画素電極827を形成する。
【0482】
また、第2基材805の表面の全域に例えばチタン、モリブデン、アルミニウム等をスパッタリングによって形成し、パターニングを行ってソース電極842、ドレイン電極843及びソース配線836を形成する。これら一連の処理により、TFT837及び画素電極827が形成される。
【0483】
次に、工程P222において、画素電極827等の上に配向膜820を形成し、ラビング処理を施して対向基板806が形成される。
【0484】
次に、工程P231において、対向基板804側の配向膜820上にギャップ材129(図9参照)をドライ散布等により散布し、シール材133によってカラーフィルタ基板804と対向基板806とを貼り合わせる。次に、工程P232において、シール材133の開口部から液晶を注入し、さらにシール材133の開口部を紫外線硬化性樹脂等によって封止する。
【0485】
次に、工程P233において、位相差板808、810及び偏光板809、811を第1基材803及び第2基材805の各外面上に貼着等の方法により取り付ける。次に、工程P234において、必要な配線を行ったり、図9の照明装置131やケース体132を取り付けて、液晶装置が完成する。
【0486】
図57の製造方法では、3色の着色層814が重ねられて形成される遮光層815において、一番下層に青色系例えば青色の着色層814Bを配置することとしたので、最も厚く形成され遮光性を上げながら、例えば遮光層815の全体の厚さを薄くできる。
【0487】
さらに、下地層812に開口部823が形成されている分、遮光層815の高さを低くできるので、オーバーコート層816の表面の平坦性を確保できることとなり、セルギャップのバラツキを軽減でき、また、ラビング処理が容易になり、それ故、液晶装置の表示画面におけるコントラストの明瞭化を図ることができる。
【0488】
また、図57の製造方法では、図55のように、遮光層815が形成される領域である開口部823の所で下地層812を全て取り除いたが、これに代えて、図56に示すように、例えば工程P211において、下地層812を第1絶縁層812a及び第2絶縁層812bの2回に分けて形成し、第2絶縁層812bの形成をもって凹部823を形成するようにしてもよい。
【0489】
例えば、1回目の処理では遮光層815となる表示用ドットD間の境界領域を含めて基材の全面に第1絶縁層812aを形成し、図55の下地層812の下層812aと同様に凹凸を設け、2回目の第2絶縁層812bの形成の際に、遮光層815となる表示用ドットD間の境界領域を除いて、各表示用ドットDの領域にフォトレジストを用いてエッチングによって第2絶縁層812bを形成することもできる。
【0490】
これにより、1回目の下地層812の形成でフォトレジストを用いて下地層812をエッチングする工程を省略できるので、コストの削減が図れ、製造も速くできる。また、開口部823のように下地層812を完全に除いてしまうと却って、隣り合う表示用ドットD間の境界領域と表示用ドットDとの表面の平坦性が損なわれるような場合にも、所望の厚さで下地層812を形成して平坦性を確保できるので、セルギャップのばらつきを少なくできる他、ラビング処理も容易となる。なお、遮光層815の部分で下地層812に凹部823を形成する方を上述と逆に第1回目にしても良い。
【0491】
さらに、ハーフトーンを用いて凹部823を形成することも可能である。
【0492】
(第11実施形態)
次に、反射型のパッシブマトリックス方式の液晶装置に本発明を適用した場合の他の実施形態について説明する。
【0493】
図58は、本発明に係る液晶装置の一実施形態を構成する液晶パネルの断面図である。図59は、図58の液晶パネルを構成するカラーフィルタ基板の断面図である。図60は該液晶パネルの部分拡大図である。なお、図60におけるF−F’線の断面図が図58に相当する。図61は、下地層が完全に取り除かれた状態の遮光層の部分断面拡大図である。図62は、下地層が一部分だけ取り除かれた状態の遮光層の部分断面拡大図である。そして、図63は本実施形態に係る液晶装置の製造方法の工程図である。
【0494】
図58に示す液晶パネル902は、いわゆる反射型の構造を有する液晶パネルであり、この液晶パネル902を用いて構成される液晶装置の構造は、図9に示した液晶装置101と略同じである。つまり、液晶パネル902に、必要に応じて照明装置131及びケース体132を付設することにより、液晶装置が構成される。
【0495】
液晶パネル902は、ガラス板又は合成樹脂板等から形成された透明な第1基材903を基体とするカラーフィルタ基板904と、これに対向する第2基材905を基体とする対向基板906とがシール材133(図9参照)によって貼り合わされ、そのカラーフィルタ基板904と対向基板906との間に液晶が封入されて液晶層907が形成されている。また、第1基材903の外面には位相差板908及び偏光板909が配置され、第2基材905の外面には位相差板910及び偏光板911が配置されている。
【0496】
カラーフィルタ基板904に関しては、第1基材903の液晶層907側の表面に下地層912が形成され、その下地層912の表面に反射層913が設けられる。反射層913の上には、緑色の着色層914G、青色の着色層914B及び赤色の着色層914Rが所定の配列パターンで形成される。これらの着色層に関しては、これ以降の説明において、総称的に符号“914”で示されることがある。互いに隣り合う着色層914の間の境界領域には、各色の着色層914が重なることによって形成された遮光層915が設けられる。
【0497】
また、着色層914及び遮光層915の上には、それらの層を保護するためのオーバーコート層916が設けられる。また、オーバーコート層916の上にはITO等といった透明導電体から成る透明電極917が形成され、さらにその上にポリイミド樹脂等から成る配向膜918が形成される。
【0498】
一方、対向基板906に関しては、図58に示すように、第2基材905の液晶層907側の表面に透明電極919が、カラーフィルタ基板904側の透明電極917と直交する方向(すなわち、図60のX方向)に延びる帯状に形成され、さらに、その上に配向膜920が形成されている。透明電極917は、相互に並列してストライプ状に構成されており、透明電極919と直交する方向(すなわち、図60のY方向)に、相互に並列してストライプ状に構成されている。カラーフィルタ基板904側の透明電極917と対向基板906側の透明電極919とが平面的に重なる領域が表示用ドットDとなる。
【0499】
カラーフィルタ基板904の下地層912は、下層912a及び上層912bの2層で形成され、それらの層は樹脂材料によって形成されている。この下地層912は、下層912aの表面が細かい凹凸状に加工され、さらにこの下層912bの表面全体が同じ材料の薄い上層912bで被覆されるので、滑らかな凹凸が形成される。この凹凸形状により、下地層912を透過する光を散乱させることができ、これにより、液晶装置の画面に表示された像が見難くなるという問題を解消できる。
【0500】
また、反射層913は、例えばアルミニウムや銀等の単体金属膜であって下地層912上に形成されており、下地層912の表面の凹凸に対応して反射層913の表面にも細かい凹凸が形成されている。この凹凸形状により、反射層913によって反射された反射光を散乱させることができ、その結果、液晶装置の画面に表示された像が見難くなるという問題を解消できる。
【0501】
着色層914は、例えば、顔料又は染料等の着色剤を含む感光性樹脂からなる着色レジストを塗布し、フォトリソグラフィ法によって、反射層913を覆うよう形成される。この着色層914は原色系フィルタであって、1つの表示用ドットD内の着色層914は、R,G,B3色のいずれかで構成される。一方、遮光層915内では、各色の着色層914が重ね合わされる。
【0502】
着色層914の配列パターンとして、図60では斜めモザイク配列を採用しているが、この斜めモザイク配列の他に、ストライプ配列又はデジタル配列等の種々のパターン形状を採用することができる。遮光層915は、各表示用ドットD間の境界領域を遮光する。この遮光層915は、カラーフィルタ基板904の透明電極917の長手方向(すなわち、図60のY方向)及びこれに直交する方向(すなわち、図60のX方向)の両方向へ延びる帯状に形成されている。
【0503】
また、遮光層915には、例えば、着色層914Bと着色層914Rとの間では、図61に示すように、下地層912に開口部923が形成されており、開口部923の底部924は、第1基材903の直ぐ上に反射層913を介して設けられている。
【0504】
開口部923には、遮光層915に隣り合う着色層914Bが底部924からh41の厚さに形成され、その上に着色層914Gがh42の厚さに形成され、さらにその上に着色層914Rの張出し部分がh43の厚さで夫々重なり合って形成されている。
【0505】
ここで、図61の最下方の着色層914Bの厚さh41を0.7μm以上であって2.0μm以下とすれば、青色系例えば青色の着色層914Bの遮光性が良好となり、他の着色層との組み合わせで、各表示用ドットDと隣り合う表示用ドットD間の境界領域との表面での平坦性を確保できることとなる。
【0506】
さらに、図61のh41を略1.7μmに形成し、h42を略1.0μmに形成し、h43を略0.9μmに形成し、そして重ねられた着色層の一番上に有る着色層914Rの上面からのオーバーコート層916の厚さh44を略1.8μmに形成すると、下地層912の厚さh45が略2.4μmであり、表示用ドットDでの着色層914Bの厚さh46が略1.0μmであり、この部分のオーバーコート層416の厚さh47が略2.0μmであることから、遮光層915上のオーバーコート層916の上面と着色層914Bの表示用ドットD上のオーバーコート層916の上面とは、第1基材903からの高さが一致し平坦な面となる。
【0507】
ここで、上述のように開口部923の一番下に着色層914Bを形成することによって、最も厚く形成でき厚さを略1.7μmに形成することができるようになる。
【0508】
さらに、着色層914Gと着色層914Bとの間では、図59に示すように、開口部923の底部924に、まず、隣り合う着色層914Bが入り込み、その上に着色層914Gの張出し部分が重なり、さらに、その上に着色層914Rが重なり、これにより、遮光層915が形成される。
【0509】
また、着色層914Rと着色層914Gとの間では、図59に示すように、開口部923の底部924に、まず、着色層914Bが形成され、その上に着色層914Gの張出し部分が重なり、さらにその上に、隣り合う着色層914Rが重なり、これにより、遮光層915が形成される。
【0510】
さらに、遮光層915は、上述の構成に限られることはなく、例えば図62に示すように、凹部923の底部924において完全には下地層912が除かれていないような場合においても、凹部923の底部924の深さm45だけ、着色層914の重ねられた高さが低くなり、オーバーコート層916の上面の凹凸を軽減できる。これにより、セルギャップのバラツキが軽減され、また、ラビング処理が容易となる。その結果、液晶装置の画面表示のコントラストが良くなる。ここで、図62の最下方の着色層914Bの厚さm41を0.7μm以上であって2.0μm以下とすれば、青色系例えば青色の着色層914Bの遮光性が良好となり、他の着色層との組み合わせで、各表示用ドットDと隣り合う表示用ドットD間の境界領域との表面での凹凸を軽減できることとなる。
【0511】
さらに、図62の着色層914Bの厚さm41を略1.1μmとし、着色層914Gの厚さm42を略1.0μmとし、そして着色層914Rの厚さm43を略0.9μmとすれば、凹部923の底部924の深さm45を略1.3μmとしたき、オーバーコート層916の上面の凹凸をより一層軽減できることとなる。これにより、セルギャップのバラツキを軽減でき、また、ラビング処理が容易となる。そしてその結果、液晶装置の画面表示のコントラストが良くなる。
【0512】
なお、表示用ドットDは、原色系フィルタR,G,Bのいずれか1の着色層914を含み、遮光層915によって周囲を囲まれている領域である。この表示用ドットDは反射層913を具備するものであり、1画素は着色層914Rを有する表示用ドットDと、着色層914Gを有する表示用ドットDと、着色層914Bを有する表示用ドットDとの3つで構成される。
【0513】
以上のように構成された本実施形態において、第2基材905に形成された透明電極919に信号を供給する一方、第1基材903に形成された透明電極917に信号を供給すると、透明電極919と透明電極917とが交差する領域である表示用ドットDに保持されている液晶のみを駆動することができる。
【0514】
対向基板側から液晶層907に入射した外光は、表示用ドットD毎に光変調され、着色層914を透過した後に反射層913で反射し、再び対向基板906を透過して射出される。この際、オーバーコート層916は平坦なので、コントラストの明瞭な画像を見ることができることとなる。なお、出射光は、反射層913を覆っている着色層914により対応する色に着色される。
【0515】
本実施形態では、隣り合う表示用ドットD間の境界領域で凹部923又は開口部923を有するように下地層912を形成したので、遮光層915の高さを低くでき、カラーフィルタ基板904側のオーバーコート層916の平坦性を確保できる。
【0516】
また、凹部923の底部924又は開口部923の底部924に、最初に、青色系例えば青色の着色層914Bを形成することとしたので、可視光波長域における平均透過率の低い青色が、他の緑色系例えば緑色及び赤色系例えば赤色の着色層914に比べ最も厚く形成され、遮光性をより高くしながら全体として、遮光層915の高さを低くでき、コントラストを良くすることができる。
【0517】
さらに、開口部923に底部924の方から青色の着色層914Bを略1.7μmの厚さに形成し、その上に緑色の着色層914Gを略1.0μmの厚さに形成し、さらにその上に赤色の着色層914Rを略0.9μmに形成すれば、各表示用ドットDと隣り合う表示用ドットD間の境界領域との上面のオーバーコート層916の平坦性をより確保でき、セルギャップのバラツキの改善やラビング処理が容易となり、表示画面のコントラストの明瞭化が図れる。
【0518】
また、図62に示すように、凹部923で下地層912が完全には取り除かれていない場合に、その下地層912が第1絶縁層912aと該第1絶縁層912a上に凹部923を有するように設けられた第2絶縁層912bから形成される場合にも、例えばオーバーコート層916の上面の凹凸を軽減でき、セルギャップのバラツキの改善やラビング処理が容易となり、表示画面のコントラストの改善が図れる。
【0519】
(液晶装置の製造方法)
次に、本実施形態に係る液晶装置の製造方法について図63の工程図に基づいて説明する。まず、工程P241において、第1基材903上に下地層912を形成する。ここで遮光層915を形成する表示用ドットD間の境界領域では、例えば図59のように、下地層912に開口部923が形成されるように、フォトレジストを用いて下地層912をエッチングし、形成する。
【0520】
これについてもう少し詳しく説明すると、第1基材903上に均一に樹脂材料をスピンコートによりを塗布し、さらにその上にレジストを塗布し、その後所定のパターンが形成されたフォトマスクの上から露光してレジストを現像処理する。その後、エッチングして下地層912に複数の穴を形成する。次に、この下地層912に対し熱を加えることにより、これらの穴を滑らかに変形させて凹凸状の下地層912の下層912aが形成される。さらに、この下地層912の凹凸が滑らかになるように同じ樹脂材料を薄く塗布し、下地層912の上層912bが形成される。
【0521】
次に、その下地層912上にレジストを塗布して、その後所定のパターンが形成されているフォトマスクの上から露光してレジストを現像処理する。その後、エッチングして下地層912に開口部923を形成し、遮光層915となる部分で下地層912が除かれた下地層912が第1基材903上に形成される。
【0522】
次に、工程P242において、下地層912上に蒸着法やスパッタリング法等によって薄膜状に成膜し、これをフォトリソグラフィ法を用いてパターニングすることによって、例えば図59のように、各表示用ドットD及び遮光層915の領域に反射層913を形成する。
【0523】
次に、工程P243において、反射層の上に各色の着色層材料をスピンコートによりを塗布し、さらにその上にレジストを塗布して、その後所定のパターンが形成されているフォトマスクの上から露光し、レジストを現像処理する。その後、エッチングして青色系例えば青色の着色層914B、緑色系例えば緑色の着色層914G及び赤色系例えば赤色の着色層部材914Rを順次形成していく。
【0524】
これにより、各表示用ドットDには青色の着色層914B、緑色の着色層914G及び赤色の着色層914Rが夫々単独で形成され、遮光層915には、図59のように、一番下層に青色の着色層914Bが最も厚く形成され、その上に緑色の着色層914G、さらに赤色の着色層914Rが重ねられて形成される。
【0525】
上述のように、一番下層に青色の着色層914Bが最も厚く形成されるので遮光性を上げながら例えば、遮光層915全体としての厚さを薄くできる。
【0526】
さらに、下地層912に開口部923が形成されている分、遮光層915の高さを低くでき、この後に形成されるオーバコート層916の表面の平坦性を確保できることとなり、セルギャップのバラツキの軽減やラビング処理によってコントラストの明瞭化を図ることができる。
【0527】
次に、工程P244において、上述の着色層914の上にオーバーコート層916を形成する。また、工程P245において、その上に透明電極917の材料であるITO等をスパッタリング法により被着し、フォトリソグラフィ法によってパターニングして、図60のようにY方向に所定の幅を持ってストライプ状に形成する。
【0528】
さらにその上に配向膜918を形成し、ラビング処理を施してカラーフィルタ基板904の製造が終了する。これにより、配向膜918の液晶層907側の面も平坦性が確保され、セルギャップのバラツキも解消でき、画面の高画質化が図られることとなる。
【0529】
また、工程P251において、第2基材905上に透明電極919の材料であるITO等をスパッタリング法により被着し、フォトリソグラフィ法によってパターニングして、図60のようにX方向にストライプ状に、透明電極919を形成する。さらに、工程P252において、その上に配向膜920を形成し、ラビング処理を施して対向基板906の製造が終了する。
【0530】
次に、工程P261において、対向基板906上にギャップ材129(図9参照)をドライ散布等により散布し、シール材133を介して上述のカラーフィルタ基板904と対向基板906とを貼り合わせる。
【0531】
その後、工程P262において、シール材133の開口部から液晶を注入し、シール材133の開口部を紫外線硬化性樹脂等によって封止する。さらに、工程P263において、位相差板908,910及び偏光板909,911を第1基材903及び第2基材905の各外面上に貼着等の方法により取り付ける。次に、工程P264において、必要な配線を行ったり、図9の照明装置131やケース体132を取り付けて、液晶装置が完成する。
【0532】
本実施形態に係る液晶装置の製造方法では、着色層914が重ねられる遮光層915において一番下層に青色系例えば青色の着色層914Bを配置したので、最も厚く形成され遮光性を上げながら、遮光層915の全体の厚さを薄くできる。
【0533】
さらに、下地層912に開口部923が形成されている分、遮光層915の高さを低くでき、オーバーコート層916の表面の平坦性を確保できることとなり、セルギャップのバラツキを軽減でき、また、ラビング処理を容易にできる。そしてその結果、液晶装置の表示画面のコントラストの明瞭化を図ることができる。
【0534】
また、上述の液晶装置の製造方法では、図61のように、開口部923は遮光層915となる領域で下地層912を全て取り除いたが、これに代えて、図62に示すように、例えば図63の工程P241で、下地層912を第1絶縁層912a及び第2絶縁層912bの2回に分けて形成し、凹部923を設けてもよい。
【0535】
例えば、1回目では遮光層915となる表示用ドットD間の境界領域を含めて、基材の全面に第1絶縁層912aを形成し、図61の下地層912の下層912aと同様に凹凸を設け、2回目の第2絶縁層912bの形成では遮光層915となる表示用ドットD間の境界領域を除いて、各表示用ドットDの領域にフォトレジストを用いてエッチングして形成することもできる。
【0536】
これにより、1回目の下地層912の形成でフォトレジストを用いて下地層912をエッチングする工程を省略できコストの削減が図れ、製造も速くできる。また、開口部923のように下地層912を完全に除いてしまうと却って、隣り合う表示用ドットD間の境界領域と表示用ドットDとの表面の平坦性が損なわれるような場合にも、所望の厚さで下地層912を形成して平坦性を確保でき、セルギャップのばらつきを少なくできる他、ラビング処理も容易となる。なお、遮光層915の部分で下地層912に凹部923を形成する方を上述と逆に第1回目にしても良い。
【0537】
さらに、ハーフトーンを用いて凹部923を形成することも可能である。
【0538】
(電子機器)
以下に、本発明に係る電子機器を実施形態に基づいて説明する。
【0539】
(電子機器の第1実施形態)
図64は、電子機器の一例である携帯電話機に本発明を適用した場合の実施形態を示している。ここに示す携帯電話機1600は、複数の操作ボタン1601と、受話口1602と、送話口1603と、表示部1604とを有する。この表示部1604は本発明に係る液晶装置、例えば、図3、図7、図9等に示した液晶装置を用いて構成できる。
【0540】
(電子機器の第2実施形態)
図65は、電子機器の一例である可搬型のパーソナルコンピュータ、いわゆるモバイル型のパーソナルコンピュータ、いわゆるノート型パソコンに本発明を適用した場合の実施形態を示している。ここに示すパーソナルコンピュータ1610は、キーボード1611を備えた本体部1612と、表示ユニット1613とを有する。表示ユニット1613では、外枠1614に液晶装置1616が組み込まれている。この液晶装置1616は、本発明に係る液晶装置、例えば、図3、図7、図9等に示した液晶装置を用いて構成できる。
【0541】
(電子機器の第3実施形態)
図66は、電子機器の一例であるデジタルスチルカメラに本発明を適用した場合の実施形態を示している。通常のカメラは、被写体の光像によってフィルムを感光するのに対し、デジタルスチルカメラは、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)等といった撮像素子により光電変換して撮像信号を生成する。
【0542】
ここに示すデジタルスチルカメラ1620のケース1621の背面には、表示部1622が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて、この表示部1622において表示が行われる。例えば、表示部1622に被写体を表示することができ、この場合には表示部1622はファインダとして機能する。ケース1621の前面側(図66に示す構造の裏面側)には、光学レンズやCCD等を含んだ受光ユニット1623が設けられている。表示部1622は、本発明に係る液晶装置、例えば、図3、図7、図9等に示した液晶装置を用いて構成できる。撮影者は、表示部1622に表示された被写体を確認して、シャッタボタン1624を押下して撮影を行う。
【0543】
(電子機器の第4実施形態)
図67は、電子機器の一例である腕時計に本発明を適用した場合の実施形態を示している。ここに示す腕時計1630は、その本体の前面中央に液晶装置1631を用いた表示部を有する。そして、この液晶装置1631として、本発明に係る液晶装置、例えば、図3、図7、図9に示したような液晶装置を用いることができる。
【0544】
(電子機器の第5実施形態)
図68は、電子機器の一例である情報機器に本発明を適用した場合の実施形態を示している。ここに示す情報機器1640は、タッチパネルを備えた情報機器であり、液晶装置1641を搭載している。この情報機器1640は、液晶装置1641の表示面によって構成される表示領域1642と、その表示領域1642の下方に位置する第1入力領域1643とを有する。第1入力領域1643には入力用シート1644が配置されている。
【0545】
液晶装置1641は、矩形状の液晶パネルと矩形状のタッチパネルとが平面的に重なり合う構造を有する。タッチパネルは入力用パネルとして機能する。タッチパネルは、液晶パネルよりも大きく、この液晶パネルの一端部から突き出した形状となっている。
【0546】
表示領域1642及び第1入力領域1643にはタッチパネルが配置されており、表示領域1642に対応する領域も、第1入力領域1643と同様に入力操作可能な第2入力領域1645として機能する。タッチパネルは、液晶パネル側に位置する第2面とこれと対向する第1面とを有しており、第1面の第1入力領域1643に相当する位置には入力用シート1644が貼られている。
【0547】
入力用シート1644にはアイコン1646及び手書き文字認識領域1647を識別するための枠が印刷されている。第1入力領域1643においては、入力用シート1644を介してタッチパネルの第1面に指やペン等といった入力手段で荷重をかけることにより、アイコン1646の選択や文字認識領域1647での文字入力等といったデータ入力を行うことができる。
【0548】
一方、第2入力領域1645においては、液晶パネルの像を観察することができるほか、液晶パネルに例えば入力モード画面を表示させ、タッチパネルの第1面に指やペンで荷重をかけることにより、その入力モード画面内の適宜の位置を指定することができ、これにより、データ入力等を行うことができる。
【0549】
(電子機器の第6実施形態)
図69は、電子機器の一例であるプロジェクタに本発明を適用した場合の実施形態を示している。ここに示すプロジェクタ1660の内部には、ハロゲンランプ等といった白色光源から成るランプユニット1661が設けられている。このランプユニット1661から出射した投射光は、ライトガイド1662内に配置された4枚のミラー1663及び2枚のダイクロイックミラー1664によってR,G,Bの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブとしての液晶装置1665R、1665B及び1665Gに入射する。
【0550】
液晶装置1665R、1665B及び1665Gは、本発明に係る液晶装置、例えば、図3、図7、図9に示したような液晶装置を用いることができる。これらの液晶装置は、液晶駆動用ICを介して供給されるR,G,Bの原色信号でそれぞれ駆動される。これらの液晶装置によって変調された光は、ダイクロイックプリズム1666に3方向から入射する。このダイクロイックプリズム1666においては、R色及びB色の光が90°の角度に屈折する一方、G色の光が直進する。各色の画像が合成され、その合成光が投射レンズ1667を通して外部へ出射することにより、スクリーン等の上にカラー画像が投射される。
【0551】
(その他の実施形態)
本発明を適用できる電子機器としては、以上に記載した実施形態の他に、液晶テレビ、ビューファインダ型のビデオテープレコーダ、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話機、POS端末機等が挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示部として、上述した表示装置が適用可能なのは言うまでもない。
【0552】
また、本発明に係る電気光学装置としては、液晶装置に限られず、エレクトロルミネッセンス装置、特に、有機エレクトロルミネッセンス装置、無機エレクトロルミネッセンス装置等や、LED(発光ダイオード)表示装置、電気泳動表示装置、プラズマディスプレイ装置、FED(フィールドエミッションディスプレイ)装置、薄型のブラウン管、液晶シャッター等を用いた小型テレビ、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を用いた装置等も考えられる。
【0553】
以上、好ましい実施形態を上げて本発明を説明したが、本発明は上述したいずれの実施形態にも限定されず、本発明の技術思想の範囲内で適宜変更して実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、本発明に係る電気光学装置用基板の一実施形態を示す図である。(b)は、比較例を示す図である。
【図2】 (a)は、本発明に係る電気光学装置用基板の他の実施形態を示す図である。(b)は、比較例を示す図である。
【図3】 本発明を電気光学装置の一例である液晶装置に適用した場合の実施形態を示す断面図である。
【図4】 図3の液晶装置の主要部であるカラーフィルタ基板の主要部分を示す平面図である。
【図5】 本発明に係る電気光学装置用基板の製造方法の一実施形態を示す図である。
【図6】 本発明に係る液晶装置の製造方法の一実施形態を示す工程図である。
【図7】 本発明を電気光学装置の一例である液晶装置に適用した場合の他の実施形態を示す断面図である。
【図8】 本発明に係る電気光学装置用基板の製造方法の他の実施形態を示す図である。
【図9】 本発明を電気光学装置の一例である液晶装置に適用した場合のさらに他の実施形態を示す断面図である。
【図10】 本発明に係る電気光学装置の一実施形態である液晶装置の主要部の断面構造を示す断面図である。
【図11】 図10の液晶装置を構成するカラーフィルタ基板の要部を示す断面図である。
【図12】 図10の液晶装置の平面構造を部分的に破断して示す平面図である。
【図13】 図11のカラーフィルタ基板の主要部分を示す断面図である。
【図14】 図13に示した構造の変形例を示す断面図である。
【図15】 図10の液晶装置を製造するための製造方法を示す工程図である。
【図16】 本発明に係る電気光学装置の他の実施形態である液晶装置の主要部の断面構造を示す断面図である。
【図17】 図16の液晶装置を構成するカラーフィルタ基板の要部を示す断面図である。
【図18】 図16の液晶装置の平面構造を部分的に破断して示す平面図である。
【図19】 図17のカラーフィルタ基板の主要部分を示す断面図である。
【図20】 図19に示した構造の変形例を示す断面図である。
【図21】 図16の液晶装置を製造するための製造方法を示す工程図である。
【図22】 本発明に係る電気光学装置のさらに他の実施形態である液晶装置の主要部の断面構造を示す断面図である。
【図23】 図22の液晶装置を構成するカラーフィルタ基板の要部を示す断面図である。
【図24】 図22の液晶装置の平面構造を部分的に破断して示す平面図である。
【図25】 図23のカラーフィルタ基板の主要部分を示す断面図である。
【図26】 図25に示した構造の変形例を示す断面図である。
【図27】 図22の液晶装置を製造するための製造方法を示す工程図である。
【図28】 本発明に係る電気光学装置のさらに他の実施形態である液晶装置の主要部の断面構造を示す断面図である。
【図29】 図28の液晶装置を構成するカラーフィルタ基板の要部を示す断面図である。
【図30】 図28の液晶装置の平面構造を部分的に破断して示す平面図である。
【図31】 図29のカラーフィルタ基板の主要部分を示す断面図である。
【図32】 図31に示した構造の変形例を示す断面図である。
【図33】 図28の液晶装置を製造するための製造方法を示す工程図である。
【図34】 本発明に係る電気光学装置のさらに他の実施形態である液晶装置の主要部の断面構造を示す断面図である。
【図35】 図34の液晶装置を構成するカラーフィルタ基板の要部を示す断面図である。
【図36】 図34の液晶装置の平面構造を部分的に破断して示す平面図である。
【図37】 図35のカラーフィルタ基板の主要部分を示す断面図である。
【図38】 図37に示した構造の変形例を示す断面図である。
【図39】 図34の液晶装置を製造するための製造方法を示す工程図である。
【図40】 本発明に係る電気光学装置のさらに他の実施形態である液晶装置の主要部の断面構造を示す断面図である。
【図41】 図40の液晶装置を構成するカラーフィルタ基板の要部を示す断面図である。
【図42】 図40の液晶装置の平面構造を部分的に破断して示す平面図である。
【図43】 図41のカラーフィルタ基板の主要部分を示す断面図である。
【図44】 図43に示した構造の変形例を示す断面図であり、当該変形例は本願の考実施例である。
【図45】 図40の液晶装置を製造するための製造方法を示す工程図である。
【図46】 本発明に係る電気光学装置のさらに他の実施形態である液晶装置の主要部の断面構造を示す断面図である。
【図47】 図46の液晶装置を構成するカラーフィルタ基板の要部を示す断面図である。
【図48】 図46の液晶装置の平面構造を部分的に破断して示す平面図である。
【図49】 図47のカラーフィルタ基板の主要部分を示す断面図である。
【図50】 図49に示した構造の変形例を示す断面図であり、当該変形例は本願の参考実施例である。
【図51】 図46の液晶装置を製造するための製造方法を示す工程図である。
【図52】 本発明に係る電気光学装置のさらに他の実施形態である液晶装置の主要部の断面構造を示す断面図である。
【図53】 図52の液晶装置を構成するカラーフィルタ基板の要部を示す断面図である。
【図54】 図52の液晶装置の平面構造を部分的に破断して示す平面図である。
【図55】 図53のカラーフィルタ基板の主要部分を示す断面図である。
【図56】 図55に示した構造の変形例を示す断面図であり、当該変形例は本願の参考実施例である。
【図57】 図52の液晶装置を製造するための製造方法を示す工程図である。
【図58】 本発明に係る電気光学装置のさらに他の実施形態である液晶装置の主要部の断面構造を示す断面図である。
【図59】 図58の液晶装置を構成するカラーフィルタ基板の要部を示す断面図である。
【図60】 図58の液晶装置の平面構造を部分的に破断して示す平面図である。
【図61】 図59のカラーフィルタ基板の主要部分を示す断面図である。
【図62】 図59に示した構造の変形例を示す断面図であり、当該変形例は本願の参考実施例である。
【図63】 図582の液晶装置を製造するための製造方法を示す工程図である。
【図64】 本発明に係る電子機器の一実施形態である携帯電話機を示す斜視図である。
【図65】 本発明に係る電子機器の他の実施形態である携帯型コンピュータを示す斜視図である。
【図66】 本発明に係る電子機器のさらに他の実施形態であるデジタルカメラを示す斜視図である。
【図67】 本発明に係る電子機器のさらに他の実施形態である腕時計を示す斜視図である。
【図68】 本発明に係る電子機器のさらに他の実施形態である情報機器を示す斜視図である。
【図69】 本発明に係る電子機器のさらに他の実施形態であるプロジェクタを示す斜視図である。
Claims (11)
- 複数の表示用ドットが形成される基材と、
互いに隣り合う前記表示用ドットの間の領域で、開口部を有するように前記基材上に設けられた下地層と、
当該下地層上に設けられた反射層と、
前記表示用ドットにおける前記下地層上の前記反射層上においては一層で設けられ、前記表示用ドッドの間に位置する前記開口部においては積層して設けられる、複数の着色層とを有し、
前記開口部における着色層は第1色の第1着色部と、第2色の第2着色部とを少なくとも有し、
前記第1着色部は、当該第1着色部の可視光波長域における平均透過率が、前記第2着色部の可視光波長域における平均透過率よりも低い着色部であり、
前記第1着色部及び前記第2着色部は、前記開口部において、前記基材側から前記第1着色部及び前記第2着色部の順に積層され、
前記表示用ドットにおける着色層上と、前記表示用ドットの間における着色層上とに保護層が形成され、前記表示用ドットにおける着色層上の前記保護層の上面と、前記表示用ドットの間における着色層上の前記保護層の上面とが一致して平坦な面を形成するように、前記開口部における前記第1着色部の厚さが、前記第2着色部の厚さよりも厚く、且つ前記下地層よりも薄く形成されてなる
ことを特徴とする電気光学装置用基板。 - 請求項1に記載の電気光学装置用基板において、
前記第1着色部の厚さは、0.7μm以上であって2.0μm以下であることを特徴とする電気光学装置用基板。 - 複数の表示用ドットが形成される基材と、
互いに隣り合う前記表示用ドットの間の領域で、開口部を有するように前記基材上に設けられた下地層と、
当該下地層上に設けられた反射層と、
前記表示用ドットにおける前記下地層上の前記反射層上においては一層で設けられ、前記表示用ドッドの間に位置する前記開口部においては積層して設けられる、複数の着色層とを有し、
前記開口部における着色層は、青色系の前記着色部、緑色系の前記着色部及び赤色系の前記着色部を少なくとも有し、
青色系の前記着色部、緑色系の前記着色部及び赤色系の前記着色部は、前記開口部において、前記基材側から前記青色系の着色部、前記緑色系の着色部及び前記赤色系の着色部の順に積層され、
前記表示用ドットにおける着色層上と、前記表示用ドットの間における着色層上とに保護層が形成され、
前記表示用ドットにおける着色層上の前記保護層の上面と、前記表示用ドットの間における着色層上の前記保護層の上面とが一致して平坦な面を形成するように、前記開口部における前記青色系の着色部の厚さが、前記緑色系の着色部の厚さ及び前記赤色系の着色部の厚さよりも厚く、且つ前記下地層よりも薄く形成されてなる
ことを特徴とする電気光学装置用基板。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の電気光学装置用基板において、前記下地層の表面には不規則に配列された山部又は谷部が形成されていることを特徴とする電気光学装置用基板。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載の電気光学装置用基板において、前記下地層上には前記反射層からなる反射部と、前記反射層が形成されず光を透過させる透過部とを有することを特徴とする電気光学装置用基板。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載の電気光学装置用基板と、
当該電気光学装置用基板に対向して設けられた他の基板と、
前記電気光学装置用基板と前記他の基板との間に設けられた電気光学物質層と
を有することを特徴とする電気光学装置。 - 互いに対向して配置される第1基材及び第2基材と、
前記第1基材と前記第2基材との間に配置される電気光学物質と、
前記第1基材上に設けられた第1電極と、
前記第2基材上に設けられた第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極とが重なる領域に形成された複数の表示用ドットと、
互いに隣り合う前記表示用ドットの間の領域で、開口部を有するように前記基材上に設けられた下地層と、
当該下地層上に設けられた反射層と、
前記表示用ドットにおける前記下地層上の前記反射層上においては一層で設けられ、前記表示用ドッドの間に位置する前記開口部においては積層して設けられる、複数の着色層とを有し、
前記開口部における着色層は第1色の第1着色部と、第2色の第2着色部とを少なくとも有し、
前記第1着色部は、当該第1着色部可視光波長域における平均透過率が、前記第2着色部の可視光波長域における平均透過率よりも低い着色部であり、
前記第1着色部及び前記第2着色部は、前記開口部において、前記基材側から前記第1着色部及び前記第2着色部の順に積層され、
前記表示用ドットにおける着色層上と、前記表示用ドットの間における着色層上とに保護層が形成され、
前記表示用ドットにおける着色層上の前記保護層の上面と、前記表示用ドットの間における着色層上の前記保護層の上面とが一致して平坦な面を形成するように、前記開口部における前記第1着色部の厚さが、前記第2着色部の厚さよりも厚く、且つ前記下地層よりも薄く形成されてなる
ことを特徴とする電気光学装置。 - 互いに対向して配置される第1基材及び第2基材と、
前記第1基材と前記第2基材との間に配置される電気光学物質と、
前記第1基材上に設けられた第1電極と、
前記第2基材上に設けられた第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極とが重なる領域に形成された複数の表示用ドットと、
互いに隣り合う前記表示用ドットの間の領域で、開口部を有するように前記基材上に設けられた下地層と、
当該下地層上に設けられた反射層と、
前記表示用ドットにおける前記下地層上の前記反射層上においては一層で設けられ、前記表示用ドッドの間に位置する前記開口部においては積層して設けられる、複数の着色層とを有し、
前記開口部における着色層は、青色系の前記着色部、緑色系の前記着色部及び赤色系の前記着色部を少なくとも有し、
青色系の前記着色部、緑色系の前記着色部及び赤色系の前記着色部は、前記開口部において、前記基材側から青色系の前記着色部、緑色系の前記着色部及び赤色系の前記着色部の順に積層され、
前記表示用ドットにおける着色層上と、前記表示用ドットの間における着色層上とに保護層が形成され、
前記表示用ドットにおける着色層上の前記保護層の上面と、前記表示用ドットの間における着色層上の前記保護層の上面とが一致して平坦な面を形成するように、前記開口部における前記青色系の着色部の厚さが、前記緑色系の着色部の厚さ及び前記赤色系の着色部の厚さよりも厚く、且つ前記下地層よりも薄く形成されてなる
ことを特徴とする電気光学装置。 - 請求項7または8に記載の電気光学装置を有することを特徴とする電子機器。
- 複数の表示用ドットが形成される基材上に下地層を形成する工程と、
前記下地層上に反射層を形成する工程とを有し、
前記下地層を形成する工程では、互いに隣り合う前記表示用ドットの間の領域で、開口部を有するように前記下地層を形成しており、
前記基材上に複数の着色層を形成する工程とを有し、
前記複数の着色層を形成する工程では、前記複数の着色層を前記下地層上の前記反射層上においては一層で設け、前記開口部においては積層して設けており、
前記開口部においては、前記着色層を少なくとも第1色の第1着色部と、第2色の第2着色部とからなるように形成し、且つ前記基材側から前記第1着色部及び前記第2着色部の順に積層し、
前記第1着色部の可視光波長域における平均透過率を、前記第2着色部の可視光波長域における平均透過率よりも低くし、
前記表示用ドットにおける着色層上と、前記表示用ドットの間における着色層上とに保護層を形成し、
前記表示用ドットにおける着色層上の前記保護層の上面と、前記表示用ドットの間における着色層上の前記保護層の上面とが一致して平坦な面を形成するように、前記開口部における前記第1着色部の厚さを、前記第2着色部の厚さよりも厚く、且つ前記下地層よりも薄く形成する
ことを特徴とする電気光学装置用基板の製造方法。 - 複数の表示用ドットが形成される基材上に下地層を形成する工程と、
前記下地層上に反射層を形成する工程とを有し、
前記下地層を形成する工程では、互いに隣り合う前記表示用ドットの間の領域で、開口部を有するように前記下地層を形成しており、
前記基材上に複数の着色層を形成する工程とを有し、
前記複数の着色層を形成する工程では、前記複数の着色層を前記下地層上の前記反射層上においては一層で設け、前記開口部においては積層して設けており、
前記開口部においては、前記着色層を少なくとも青色系の前記着色部、緑色系の前記着色部及び赤色系の前記着色部とからなるように形成し、且つ前記基材側からに青色系の前記着色部、緑色系の前記着色部及び赤色系の前記着色部の順に積層し、
前記表示用ドットにおける着色層上と、前記表示用ドットの間における着色層上とに保護層を形成し、
前記表示用ドットにおける着色層上の前記保護層の上面と、前記表示用ドットの間における着色層上の前記保護層の上面とが一致して平坦な面を形成するように、前記開口部における前記青色系の着色部の厚さを、前記緑色系の着色部の厚さ及び前記赤色系の着色部の厚さよりも厚く、且つ前記下地層よりも薄く形成する
ことを特徴とする電気光学装置用基板の製造方法。
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