JP3920118B2 - シャッター装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも軸方向途中部が支持部材で上向きに支持された巻取軸でシャッターカーテンを巻き取り、繰り出すシャッター装置に係り、例えば、防火、防煙のための防災用シャッター装置や、出入口を開閉するためのシャッター装置等に利用できるものである。
【0002】
【背景技術】
火災発生時にシャッターカーテンで防災区画を形成するための防災用シャッター装置は、両端部が回転自在に保持された巻取軸と、この巻取軸で巻き取り、繰り出しがなされるシャッターカーテンとを有する構造となっている。大スパンの防災区画をシャッターカーテンで形成するためには巻取軸をこの大スパンと対応する長寸軸にしなければならないが、このように巻取軸を長寸軸にすると、巻取軸に撓みが生じてしまい、シャッターカーテンの円滑な巻き取り、繰り出しが難しくなる。
【0003】
そこで、特開2000−303762に示されているように、巻取軸の軸方向途中部に巻取軸を上向きに支持する支持部材を設けることが提案されている。
【0004】
図7は、この従来技術を示す概略図である。下端が座板100Aとなっているシャッターカーテン100の上端部は巻取軸101に結合され、シャッターカーテン100が巻回されている巻取軸101の両端部はブラケットで回転自在に支持されているとともに、巻取軸101の軸方向途中部は、支持ローラ102で上向きに支持されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この従来技術によると、支持部材となっている支持ローラ102によって巻取軸101の軸方向途中部が大きく撓むことが防止されるが、2個の支持ローラ102は、巻取軸101の軸方向両端部を保持するブラケットで受けられる分を除く、巻取軸101の重量Gと座板100Aを含むシャッターカーテン100の重量Wとを支持することになる。言い換えると、2個ある支持ローラ102のそれぞれは、合計するGとWの和に等しい上向きの押圧力F1,F2により、巻取軸101に巻回されているシャッターカーテン100を巻取軸101側へ押圧支持していることになる。
【0006】
これによると、シャッターカーテン100が支持ローラ102からの押圧力F1,F2を受け、この押圧力F1,F2が大きい場合には、巻取軸101によるシャッターカーテン100の円滑な巻き取り、繰り出しに支障が生ずるおそれがある。
【0007】
本発明の目的は、巻取軸の少なくとも軸方向途中部に巻取軸を上向きに支持する支持部材が設けられていても、支持部材からシャッターカーテンに作用する押圧力を軽減できるようになるシャッター装置を提供するところにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るシャッター装置は、両端部が回転自在に保持され、シャッターカーテンを巻き取り、繰り出すための巻取軸と、この巻取軸の少なくとも軸方向途中部を上向きに支持する支持部材とを有するシャッター装置において、前記巻取軸に上端部が連結されている前記シャッターカーテンの途中部を掛けるための掛け軸を備えていることを特徴とするものである。
【0009】
このシャッター装置は、巻取軸に上端部が連結されているシャッターカーテンの途中部を掛けるための掛け軸を備えているため、シャッターカーテンの全重量が、巻取軸の少なくとも軸方向途中部を上向きに支持する支持部材にそのまま下向きに作用する荷重となって作用せず、シャッターカーテンの全重量のうちのいくぶんかは掛け軸によって支持されることになる。このため、巻取軸の支持部材に下向きに作用する荷重が減少し、この結果、巻取軸に巻回されているシャッターカーテンが支持部材から受ける押圧力は軽減され、巻取軸によるシャッターカーテンの円滑な巻き取り、繰り出しが可能となる。
【0010】
また、シャッターカーテンの下端部に設けられる座板の重量がシャッターカーテンの全重量のうちの大きな割合を占めている場合には、この座板の重量が掛け軸によって支持されることになるため、巻取軸の支持部材に作用する下向きの荷重を大きく削減でき、また、シャッターカーテンが巻取軸から繰り出されるに伴い、シャッターカーテンの全重量のうちの掛け軸によって支持される重量は増大するため、巻取軸からのシャッターカーテンの繰り出し量が大きくなるにしたがい、巻取軸の支持部材に作用する下向きの荷重を次第に小さくできて、巻取軸に巻回されているシャッターカーテンが支持部材から受ける押圧力の軽減量を次第に大きくできる。
【0011】
以上において、巻取軸と平行又は略平行に配置される掛け軸の高さ位置は、巻取軸よりも高い位置でもよく、巻取軸と同じ高さでもよく、巻取軸よりも低い位置でもよい。
【0012】
しかし、掛け軸を巻取軸よりも高い位置に配置すると、巻取軸と掛け軸との間のシャッターカーテンの部分に、掛け軸から垂下したシャッターカーテンの部分の重量が張力となって作用し、この張力は垂直上向き成分を有するものであって、この垂直上向き成分により、巻取軸の支持部材に下向きに作用する荷重が大きく軽減されるため、掛け軸を巻取軸よりも高い位置に配置することが好ましい。
【0013】
なお、ここでいう掛け軸を巻取軸よりも高い位置に配置するとは、掛け軸と巻取軸のそれぞれの軸芯での高さ位置の比較でもよく、巻取軸に巻回されているシャッターカーテンの表面の最高高さ位置と掛け軸に掛けられているシャッターカーテンの表面の最高高さ位置との比較でもよい。
【0014】
しかし、前者とすると、巻取軸でのシャッターカーテンの巻き径は巻取軸に対するシャッターカーテンの巻き取り、繰り出しによって変化するため、巻き径が小さくなったときには、巻取軸と掛け軸との間のシャッターカーテンの部分に、掛け軸から垂下したシャッターカーテンの部分の重量が垂直上向き成分を有する張力となって作用するとは限らないため、このようなことが生じない後者とすることが好ましい。
【0015】
また、巻取軸と同じ又は略同じ長さの長寸軸となっている掛け軸は、巻取軸と同様に軸方向両端部がブラケット等で保持されるが、掛け軸の少なくとも軸方向途中部にこの途中部を上向き支持する掛け軸用の支持部材を設けてもよく、設けなくてもよい。
【0016】
しかし、掛け軸の少なくとも軸方向途中部を上向きに支持する掛け軸用の支持部材を設けると、長寸軸である掛け軸が撓むのを防止できるため、掛け軸から垂下されるシャッターカーテンの掛け軸に対する上下動を円滑に行わせることができ、また、巻取軸に対する掛け軸の高さ位置を支持部材で掛け軸の全長に亘って一定又は略一定とすることができるため、掛け軸を設けることによって得られる前述した巻取軸の支持部材に作用する下向き荷重の軽減をより確実に達成できることになる。
【0017】
以上のように、巻取軸の少なくとも軸方向途中部を上向きに支持する巻取軸用の支持部材と、掛け軸の少なくとも軸方向途中部を上向きに支持する掛け軸用の支持部材とを設ける場合には、これらの支持部材を同じブラケットに取り付けてもよく、それぞれ別のブラケットに取り付けてもよい。
【0018】
しかし、それぞれの支持部材を同じブラケットに取り付けると、ブラケットが兼用化されてそれだけ必要となるブラケットの個数を減少させることができ、シャッター装置全体の部品点数の削減、構造の簡単化を図ることができる。
【0019】
また、掛け軸は、巻取軸で巻き取られ、繰り出されるシャッターカーテンの上下動と共に回転するものでもよく、回転しないものでもよい。すなわち、掛け軸は回転部材でもよく、非回転部材でもよい。
【0020】
しかし、掛け軸をシャッターカーテンの上下動と共に回転するものとすると、掛け軸から垂下したシャッターカーテンの上下動を、掛け軸とシャッターカーテンとの間に大きな摩擦力が生じていても、巻取軸と掛け軸との間のシャッターカーテンの部分に撓みが発生しない円滑な動きとして行わせることができる。
【0021】
また、巻取軸の軸方向における巻取軸用の支持部材の個数及び掛け軸の軸方向における掛け軸用の支持部材の個数は、1個でもよく、複数個でもよく、巻取軸及び掛け軸の軸長寸法や、巻取軸及び掛け軸自体の自重等に基づいてこれらを任意な個数とすることができる。
【0022】
さらに、巻取軸用の支持部材及び掛け軸用の支持部材は、巻取軸、掛け軸の全長の一部のみの支持するものでもよく、全長に亘って支持するものでもよい。要するに、これらの支持部材は、巻取軸、掛け軸の少なくとも軸方向途中部を支持するものであればよい。
【0023】
また、巻取軸用の支持部材及び掛け軸用の支持部材は、ローラやボール等のように回転する回転部材でもよく、回転しない部材でもよい。
【0024】
しかし、巻取軸用の支持部材及び掛け軸用の支持部材を回転する回転部材とすると、巻取軸に巻回されたシャッターカーテンや掛け軸との間で大きな摩擦力が発生するのを防止でき、シャッターカーテン及び掛け軸が摩擦で損耗するのを防止することができるため、これらの支持部材を回転部材とすることが好ましい。
【0025】
そして、それぞれの支持部材を回転部材とする場合には、巻取軸に巻回されているシャッターカーテンや掛け軸と軸方向へ延びる線接触又は点接触で接触することになるこれらの支持部材を巻取軸や掛け軸の真下に配置してもよく、あるいは、巻取軸、掛け軸の周方向へ複数個の支持部材を配設するとともに、周方向へ複数個配設されたこれらの支持部材にベルト等の帯状部材を掛け回し、これらの支持部材と帯状部材とで巻取軸、掛け軸を上向きに支持するようにしてもよい。
【0026】
また、支持部材を回転しない部材とする場合には、この非回転部材を、巻取軸に巻回されているシャッターカーテンや掛け軸と軸方向へ延びる線接触又は点接触で接触する部材としてもよく、あるいは、上向きに凹状に湾曲し、巻取軸に巻回されているシャッターカーテンや掛け軸と面接触して巻取軸、掛け軸を上向きに支持するものとしてもよい。
【0027】
また、本発明に係るシャッター装置は、シャッターカーテンの全部又は主要部がシートで形成されたシート式シャッター装置でもよく、スラットで形成されたスラット式シャッター装置でもよく、パネルで形成されたパネル式シャッター装置でもよく、パイプとリンクで形成されたパイプ式シャッター装置でもよく、これらのうちの少なくとも2つを複合させた複合式シャッター装置等でもよく、本発明は任意なタイプのシャッター装置に適用できる。
【0028】
そして、シャッター装置がシート式シャッター装置である場合において、シャッターカーテンの少なくとも一部を形成するシートは、耐火性を有するものでもよく、耐火性を有しないものでもよい。
【0029】
すなわち、本発明は、火災発生時に防火区画を形成するために巻取軸から耐火性を有するシャッターカーテンを繰り出す防災用シャッター装置にも適用でき、出入口等の開口部を耐火性を有しないシャッターカーテンで開放、閉鎖するための出入口用等のためのシャッター装置にも適用できる。
【0030】
また、本発明に係るシャッター装置は、建物に設置される建物用のシャッター装置としても適用でき、地下街や船舶等の構造物に設置される非建物用のシャッター装置としても適用できる。
【0031】
また、シャッター装置の巻取軸にシャッターカーテンの上端部を連結することは、ビス、ボルト、ピン、リベット等の止着具を用いて行ってもよく、接着剤、粘着剤、両面粘着テープ等を用いて行ってもよく、巻取軸に対して係止、係合、掛け止め、引っ掛け等で行ってもよく、吊り元等の中間部材を介して行ってもよく、シャッターカーテンの上端部を巻取軸に1回又は複数回巻かれる捨て巻き部とすることにより、巻取軸との摩擦力により行ってもよい。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係るシャッター装置の全体を示す正面図であり、このシャッター装置は、火災発生時に建物内に防災区画を形成するための大開口用の防災用シャッター装置である。
【0033】
この防災用シャッター装置の長寸軸となっている巻取軸1は、天井部材2で室内空間3から仕切られた天井裏空間4に水平方向を軸方向として配置され、巻取軸1の軸方向両端部は保持部材である左右一対のブラケット5で回転自在に保持されている。これらのブラケット5は、天井裏空間4に存在する建物躯体6に結合されている。巻取軸1には、下端が座板7Aとなったシャッターカーテン7の上端部が結合されており、金属製の座板7Aや巻取軸1との結合部材等を除く大部分がガラスクロス又はシリカクロスによるシート又はこのシートに耐火塗料等を塗布及び又は含浸して形成されているシート式のシャッターカーテン7は、平常時には巻取軸1に巻き取られている。巻取軸1からのシャッターカーテン7の繰り出し、巻き取りは巻取軸1の正逆回転によってなされ、シャッターカーテン7の幅方向両端部は、室内空間3の左右両側に形成されている柱、壁等の建物躯体8に取り付けられているガイドレール9に抜け止め部材で抜け止めされて摺動自在に挿入されているため、巻取軸1の正逆回転によって天井部材2に配設されているまぐさ10を通過して閉鎖、開放の上下動を行うシャッターカーテン7の移動は、これらのガイドレール9で案内されながら行われる。
【0034】
左右一対のブラケット5のうち一方のブラケット5には、モータとブレーキの組み合わせからなる開閉機11が取り付けられ、この開閉機11は巻取軸1とチェーン、スプロケット等からなる伝動手段12を介して連結されている。火災発生によって図示しない手動レバーが操作されることにより、又は図示しないセンサが煙あるいは熱等を検出してこの検出信号が開閉機11の制御装置に送られることにより、開閉機11のブレーキが解除され、これによりシャッターカーテン7は座板7Aの重量を含む自重で巻取軸1を回転させながら下降する。また、スイッチ操作で開閉機11のモータが駆動されることにより、巻取軸1の回転でシャッターカーテン7が巻取軸1に巻き取られる。
【0035】
図2は図1のS2−S2線断面図である。この図2で示されているように、天井裏空間4には掛け軸13が巻取軸1と隣接して配置され、巻取軸1と平行又は略平行となっているこの掛け軸13は、巻取軸1よりも高い位置にある。また、図1で示されているとおり、掛け軸13は巻取軸1と同じ長さを有する長寸軸であり、この掛け軸13は、軸方向両端部において前記左右一対のブラケット5で回転自在に保持され、左右一対のブラケット5は巻取軸1と掛け軸13との両方を回転自在に保持する保持部材となっている。
【0036】
また、図2で示されているように、巻取軸1から延設されているシャッターカーテン7は、巻取軸1に結合されている上端部と座板7Aになっている下端部との間の途中部において、掛け軸13に掛けられ、そしてこの掛け軸13からシャッターカーテン7の垂下が始まり、シャッターカーテン7は天井部材2のまぐさ10を経て室内空間3に達している。
【0037】
また、巻取軸1に対する掛け軸13の高さ位置は、座板7Aが天井部材2のまぐさ10に達するまでシャッターカーテン7が巻取軸1に巻き取られたときでも、すなわち、巻取軸1におけるシャッターカーテン7の巻き径が最大となったときでも、掛け軸13の表面上部に掛けられているシャッターカーテンの高さが、巻取軸1に巻き取られたシャッターカーテン7の表面上端部よりも高くなっている位置である。
【0038】
図1に示すように、巻取軸1の軸方向途中部には、この途中部を上向きに支持する支持部材となっている支持ローラ14が配置され、掛け軸13の軸方向途中部にも、この途中部を上向きに支持する支持部材となっている支持ローラ15が配置されている。図2で示されているとおり、巻取軸1用の支持ローラ14は巻取軸1の周方向に2個設けられ、掛け軸13用の支持ローラ15も掛け軸13の周方向に2個設けられている。これらの支持ローラ14,15は、天井裏空間4に存在する前記建物躯体6に結合されたブラケット16に共通して取り付けられているとともに、このブラケット16に設けられている軸14A,15Aを中心に回転自在となっている。
【0039】
以上により、支持ローラ14で長寸軸となっている巻取軸1の軸方向途中部の撓みが防止され、支持ローラ15で長寸軸となっている掛け軸13の軸方向途中部の撓みが防止されている。
【0040】
また、以上において、巻取軸1の正逆回転によるシャッターカーテン7の繰り出し、巻き取りは、シャッターカーテン7の垂下が始まっている掛け軸13が回転することによってなされ、また、このときにはそれぞれの支持ローラ14,15は回転して巻取軸1、掛け軸13を支持する。
【0041】
図3は、巻取軸1に巻回されているシャッターカーテン7に巻取軸1用の支持ローラ14から作用する押圧力等を示す力学図である。シャッターカーテン7のうち、掛け軸13に掛けられて垂下している座板7Aを含む部分の重量W2が掛け軸13で支持され、シャッターカーテン7と掛け軸13との間に摩擦力がない又は摩擦力があっても無視できる程度に小さいと仮定すると、重量W2と同じ大きさの斜め上向きの張力W2が巻取軸1と掛け軸13との間のシャッターカーテン7に生ずる。この張力W2のうちの垂直上向き成分W2aは、巻取軸1に巻回されているシャッターカーテン7及び巻取軸1を垂直上向きに持ち上げるように働く。
【0042】
このため、本来は、前記左右一対のブラケット5で受けられる分を除く、巻取軸1の重量Gと、シャッターカーテン7のうちの巻取軸1に巻回されている部分の重量W1との合計が2個の支持ローラ14に下向きに作用する荷重となるところ、これらの支持ローラ14には、GとW1との和からW2aを差し引いた下向きの荷重が作用することになり、言い換えると、巻取軸1に巻回されているシャッターカーテン7に2個の支持ローラ14から作用する押圧力F1,F2の合計は、GとW1との和からW2aを差し引いた小さい値となる。
【0043】
このため、巻取軸1に巻回されているシャッターカーテン7に2個の支持ローラ14から作用する押圧力は、図7で示した押圧力よりも小さくなり、したがって、巻取軸1の軸方向途中部にこの途中部を上向きに支持する支持ローラ14を配置しても、巻取軸1によってシャッターカーテン7を円滑に巻き取り、繰り出すことができるようになる。
【0044】
また、本実施形態のように、シャッターカーテン7の下端部に重量の大きな座板7Aが設けられ、シャッターカーテン7の大部分が軽量のシートで形成されている場合には、座板7Aは、巻取軸1からのシャッターカーテン7の繰り出し、巻き取りの全体を通して常に掛け軸13よりも下にある。このため、本実施形態にようにシャッターカーテン7の重量のうちの大きな割合を座板7Aが占めている場合には、巻取軸1に巻回されているシャッターカーテン7に2個の支持ローラ14から作用する押圧力を軽減させるためのW2aを、巻取軸1からのシャッターカーテン7の繰り出し、巻き取りの全体を通して常に大きくでき、巻取軸1によってシャッターカーテン7を一層円滑に巻き取り、繰り出すことができるようになる。
【0045】
また、W2は巻取軸1からシャッターカーテン7が繰り出されるのにしたがって大きくなり、W2aも次第に大きくなるため、シャッターカーテン7の繰り出し量の増大にしたがい、巻取軸1に巻回されているシャッターカーテン7に2個の支持ローラ14から作用する押圧力を次第に小さくできる。
【0046】
また、本実施形態では、掛け軸13の軸方向途中部にもこの途中部を上向きに支持する支持ローラ15が設けられているため、巻取軸1と同じ長寸軸となっている掛け軸13の軸方向途中部が撓むのを防止でき、これにより、巻取軸1から繰り出され、巻き取られるシャッターカーテン7を所定どおり掛け軸13から垂下させ、巻取軸1からの繰り出し、巻き取りに伴い所定どおりシャッターカーテン7を円滑に上下動させることができる。
【0047】
また、掛け軸13の軸方向途中部を支持ローラ15で上向きに支持することにより、掛け軸13をその全長又は略全長を通して一定の高さ位置とすることができ、これにより、図3で示したW2aと同じ又は略同じ値となった垂直上向き成分を巻取軸1の軸方向におけるシャッターカーテン7の全幅に亘って生じさせることができる。
【0048】
また、本実施形態では、巻取軸1用の支持ローラ14と掛け軸13用の支持ローラ15は同じブラケット16に取り付けられているため、ブラケット16の共通化を図ることができ、それだけ必要される部材点数を削減できて、本実施形態に係る防災用シャッター装置の全体的な構造の簡単化を達成できる。
【0049】
さらに、掛け軸13は、シャッターカーテン7が巻取軸1から繰り出され、巻き取られるときに回転してシャッターカーテン7を上下動させるものとなっているため、たとえ、掛け軸13とシャッターカーテン7との間で摩擦力が生じても、シャッターカーテン7の掛け軸13に対する上下動を摩擦力による影響をなくして行わせることができる。
【0050】
また、巻取軸1用の支持ローラ14と掛け軸13用の支持ローラ15は回転して巻取軸1に巻回されたシャッターカーテン7と掛け軸13を上向きに支持するものになっているため、巻取軸1からのシャッターカーテン7の繰り出し、巻き取り時にシャッターカーテン7と掛け軸13が支持ローラ14,15から大きな摩擦力を受けることがなく、これらのシャッターカーテン7、掛け軸13を有効に支持することができる。
【0051】
図4は、掛け軸13の高さ位置を巻取軸1と同じ又は略同じとした実施形態を示す。
【0052】
この実施形態では、シャッターカーテン7のうち、掛け軸13に掛けられて垂下している座板7Aを含む部分の重量W2が掛け軸13で支持され、この重量W2と同じ大きさの張力W2が、巻取軸1と掛け軸13との間のシャッターカーテン7の部分において水平又は略水平に生ずる。この張力W2は、巻取軸1に巻回されているシャッターカーテン7及び巻取軸1を垂直上向きに持ち上げる方向には働かない又は殆ど働かない。
【0053】
このため、前記左右一対のブラケット5で受けられる分を除く、巻取軸1の重量Gと、シャッターカーテン7のうちの巻取軸1に巻回されている部分の重量W1との合計と同じ又は略同じ荷重が、2個の支持ローラ14に下向きに作用する荷重となり、言い換えると、巻取軸1に巻回されているシャッターカーテン7に2個の支持ローラ14から作用する押圧力F1,F2の合計は、GとW1との和と同じ又は略同じになる。
【0054】
この実施形態によると、押圧力F1,F2の合計は図3の実施形態よりも大きくなるが、それでも図7の従来技術よりも小さくでき、その小さくできる分だけ、巻取軸1によってシャッターカーテン7を円滑に巻き取り、繰り出すことができるようになる。
【0055】
図5は、掛け軸13の高さ位置を巻取軸1よりも低くした実施形態を示す。
【0056】
この実施形態でも、シャッターカーテン7のうち、掛け軸13に掛けられて垂下している座板7Aを含む部分の重量W2が掛け軸13で支持され、この重量W2と同じ大きさの張力W2が巻取軸1と掛け軸13との間のシャッターカーテン7に斜め下向きに生ずる。この張力W2のうちの垂直下向き成分W2aは、巻取軸1に巻回されているシャッターカーテン7及び巻取軸1を垂直下向きに押し下げる方向に働く。
【0057】
このため、前記左右一対のブラケット5で受けられる分を除く、巻取軸1の重量Gと、シャッターカーテン7のうちの巻取軸1に巻回されている部分の重量W1と、この張力W2のうちの垂直下向き成分W2aとの合計が2個の支持ローラ14に下向きに作用する荷重となり、言い換えると、巻取軸1に巻回されているシャッターカーテン7に2個の支持ローラ14から作用する押圧力F1,F2の合計は、GとW1とW2aの和と同じになる。
【0058】
この実施形態によると、押圧力F1,F2の合計は図4の実施形態よりもさらに大きくなるが、それでもW2aはW2よりも小さいため、押圧力F1,F2の合計を図7の従来技術よりも小さくできる。このため、その小さくできる分だけ、巻取軸1によってシャッターカーテン7を円滑に巻き取り、繰り出すことができるようになる。
【0059】
以上のそれぞれの実施形態から分かるように、巻取軸1に対する掛け軸13の高さ位置がどのようになっていても、シャッターカーテン7を掛ける掛け軸13を設けることにより、巻取軸1に巻回されているシャッターカーテン7に2個の支持ローラ14から作用する押圧力F1,F2の合計を従来技術よりも小さくできる。
【0060】
なお、これらの実施形態のうち、巻取軸1に巻回されているシャッターカーテン7に2個の支持ローラ14から作用する押圧力F1,F2の合計を最も小さくできる図3の実施形態は、シャッターカーテン7を繰り出すときの巻取軸1の回転方向が左回転となっている場合であったが、図6で示すように、シャッターカーテン7を繰り出すときの巻取軸1の回転方向が、図4及び図5の実施形態と同じく、右回転となっている場合であっても、図4及び図5の実施形態よりも、巻取軸1に巻回されているシャッターカーテン7に2個の支持ローラ14から作用する押圧力F1,F2の合計を小さくできる。
【0061】
また、これまでの図3〜図6の実施形態では、シャッターカーテン7と掛け軸13との間に摩擦力がない又は摩擦力があっても無視できる程度に小さいと仮定し、これにより巻取軸1と掛け軸13との間のシャッターカーテン7の部分には、掛け軸13から垂下するシャッターカーテン7の部分の重量W2と同じ大きさの張力W2が生じているとしたが、シャッターカーテン7と掛け軸13との間に無視できない摩擦力があり、このため、巻取軸1と掛け軸13との間のシャッターカーテン7に生ずる張力が、掛け軸13から垂下するシャッターカーテン7の部分の重量W2よりも小さい値となっていても、シャッターカーテン7の全重量のうちの一部W1は掛け軸13によって支持されるため、押圧力F1,F2の合計を図7の従来技術よりも小さくできることについては、図3〜図6の実施形態と同じとなる。
【0062】
【発明の効果】
本発明によると、巻取軸の少なくとも軸方向途中部に巻取軸を上向きに支持する支持部材が設けられていても、支持部材からシャッターカーテンに作用する押圧力を軽減できるという効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る防災用シャッター装置の全体を示す正面図である。
【図2】図1のS2−S2線断面図である。
【図3】巻取軸に対する掛け軸の高さ位置が高くなっている場合に、巻取軸に巻回されているシャッターカーテンに巻取軸用の支持ローラから作用する押圧力等を示す力学図である。
【図4】巻取軸と掛け軸とが略同じ高さ位置となっている場合に、巻取軸に巻回されているシャッターカーテンに巻取軸用の支持ローラから作用する押圧力等を示す力学図である。
【図5】巻取軸に対する掛け軸の高さ位置が低くなっている場合に、巻取軸に巻回されているシャッターカーテンに巻取軸用の支持ローラから作用する押圧力等を示す力学図である。
【図6】図3に対してシャッターカーテンを繰り出すための巻取軸の回転方向を逆とした場合を示す図3と同様の図である。
【図7】従来技術を示す図であって、巻取軸に巻回されているシャッターカーテンに巻取軸用の支持ローラから作用する押圧力等を示す力学図である。
【符号の説明】
1 巻取軸
7 シャッターカーテン
7A シャッターカーテンの座板
13 掛け軸
14 巻取軸用の支持部材である支持ローラ
15 掛け軸用の支持部材である支持ローラ
16 それぞれの支持ローラを取り付けたブラケット
Claims (3)
- 両端部が回転自在に保持され、シャッターカーテンを巻き取り、繰り出すための巻取軸と、この巻取軸の少なくとも軸方向途中部を上向きに支持する支持部材とを有するシャッター装置において、
前記巻取軸に上端部が連結されている前記シャッターカーテンの途中部を掛けるための掛け軸を備えており、この掛け軸の前記巻取軸に対する配置位置は、前記巻取軸よりも高い位置であって、前記掛け軸の中心と前記巻取軸の中心との間を前記シャッターカーテンが通過する位置となっており、
両端部が保持されている前記掛け軸の少なくとも軸方向途中部は、掛け軸用の支持部材で上向きに支持され、前記巻取軸の少なくとも軸方向途中部を上向きに支持する巻取軸用の前記支持部材と、掛け軸用の前記支持部材とは、同じブラケットに取り付けられていることを特徴するシャッター装置。 - 請求項1に記載のシャッター装置において、前記巻取軸に対する前記掛け軸の高さ位置は、前記巻取軸における前記シャッターカーテンの巻き径が最大となったときでも、前記掛け軸の表面上部に掛けられている前記シャッターカーテンの高さが、前記巻取軸に巻き取られた前記シャッターカーテンの表面上端部よりも高くなっている位置であることを特徴とするシャッター装置。
- 請求項1又は2に記載のシャッター装置において、巻取軸用の前記支持部材は、前記巻取軸の周方向に2個設けられた支持ローラであり、掛け軸用の前記支持部材は、前記掛け軸の周方向に2個設けられた支持ローラであることを特徴とするシャッター装置。
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