JP3903019B2 - 帯電バイアス電圧制御方法、帯電バイアス電源回路、および画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタや複写機等の画像形成装置における帯電バイアス電圧制御法、帯電バイアス電源回路、および画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、レーザビームプリンタや複写機に代表される電子写真方式を採用する画像形成装置が広く普及している。
【0003】
図14に一般的な画像形成装置の一例の概略構成を示した。本例の画像形成装置は電子写真方式の複写機もしくはプリンタである。10は潜像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)であり、矢印の時計方向に所定の周速度で回転駆動される。感光ドラム10はその回転過程で帯電装置11による所定の極性・電位の一様な帯電処理を受け、次いで露光装置12による像露光を受ける。これにより感光ドラム面に静電潜像が形成される。次いでその静電潜像は現像装置13により現像されてトナー像として顕像化される。その感光ドラム面のトナー像が不図示の給紙部から給送された紙等の記録媒体14に対して転写装置15にて転写される。トナー像の転写を受けた記録媒体は感光ドラム面から分離されて定着装置16へ導入されてトナー像の定着処理を受けて画像形成物として排紙される。記録媒体分離後の感光ドラム面はクリーニング装置17により転写残トナーを掻き取られて清掃され、繰り返して作像に供される。
【0004】
画像形成装置は、上記の手段を用い、帯電、露光、現像、転写、定着、クリーニングの各工程を繰り返して、画像形成を行っている。
【0005】
帯電装置11としては、ローラ型、ブレード型などの帯電部材を感光ドラム表面に接触させ、該接触帯電部材に電圧を印加して感光ドラム表面の帯電を行う接触帯電方式が広く採用されている。特に、ローラ型の帯電部材(帯電ローラ)を用いた接触帯電方式は、長期にわたって、安定した帯電を行うことができる。
【0006】
接触帯電部材としての帯電ローラ11に対しては、不図示の帯電バイアス印加手段から帯電バイアス電圧が印加される。該帯電バイアス電圧は直流電圧のみでも良いが、特許文献1に示されるような、所望の感光ドラム上暗電位Vdに相当する直流電圧Vdcに、直流電圧印加時の放電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧(Vpp)をもつ交流電圧を重畳したバイアス電圧が用いられている。
【0007】
この帯電方法は、感光ドラム上を均一帯電するのに優れており、直流電圧に対して交流電圧を重畳印加することによって感光ドラム上の局所的な電位ムラが解消され、感光ドラム表面の帯電電位Vdは、直流印加電圧値Vdcに均一に収束する。
【0008】
ただし、この方式は、直流成分のみを帯電バイアス電圧として印加する場合に比べ、感光ドラムに対する放電量が増えるために、感光ドラム表面がクリーニング装置と摩耗することによって削れるなどの表面劣化が促進されやすいという傾向があり、これに対処するため、帯電バイアス電圧の交流電圧のピーク間電圧(交流ピーク間電圧)Vppをできるだけ小さく抑え、帯電ローラが感光ドラムに対して過剰に放電することを防ぐ必要があった。
【0009】
前記した、交流ピーク間電圧Vppと放電量の関係は、感光ドラム表面の感光層の膜厚や、使用環境などによって異なるため常に一定ではない。例えば、帯電ローラに同じピーク間電圧を印加しても、低温低湿環境では帯電ローラのインピーダンスが上昇するので放電量が少なく、逆にインピーダンスが低下する高温多湿環境では放電量が多い。また、使用環境が同じであっても、使用に伴って感光体表面が摩耗により削られてくると初期使用時に比べてインピーダンスが低下するので放電量が多くなる。
【0010】
この問題を回避するために、交流成分を定電流で制御する方法が特許文献2に提案されている。これは、感光体に流れる交流電流Iacを検出してこれを一定になるように制御するもので、この方式を用いると、環境変動や感光ドラムの削れなどによるインピーダンス変化に対して、交流ピーク間電圧が自在に変化するため、環境変動や感光ドラムの膜厚等によらず、放電量を常にほぼ一定に保つことができる。
【0011】
また、さらに、特許文献3には、非画像形成時に帯電装置に放電領域と未放電領域の交流ピーク間電圧Vppを印加した場合の感光体に流れる交流電流Iacを検出して両者の関係から放電電流量を算出し、適正な放電量が得られる交流電圧を画像形成時の帯電バイアスとして印加する方式も提案されている。この方式は、放電電流をより直接的に制御しているので、従来の定電流制御よりも、高精度に放電電流を制御することが可能である。
【0012】
これらの方法は、ドラム寿命延命および良好な帯電性の確保に大きな効果を上げている。
【0013】
他にも、特許文献4には、プロセスカートリッジにプロセスカートリッジ使用量検知/記憶手段を搭載し、また、交流ピーク間電圧には2種類以上の定電圧出力を設けて、プロセスカートリッジ使用量に応じて感光ドラムの膜厚を予測し、交流ピーク間電圧を段階的に下げる方式が提案されている。
【0014】
交流成分を定電圧制御した場合、帯電バイアス電源は1つの昇圧トランス(電圧昇圧手段)で交流と直流の重畳バイアスを出力できるため、定電流制御の場合に比べて電源回路構成を大幅に簡素化でき、コスト面、また電源回路の省スペース化の観点からメリットが大きい。
【特許文献1】
特開昭63−149669号公報
【特許文献2】
特公平06−093150号公報
【特許文献3】
特開2001−201920号公報
【特許文献4】
特開平09−190143号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
少なくとも感光ドラム及び接触帯電手段を含み、画像形成装置から着脱可能としたプロセスカートリッジ方式を採用する場合、使用する画像形成装置本体を途中で交換して使用することも珍しくない。このとき、プロセスカートリッジと本体のいかなる組み合わせでも帯電不良が起こらないようにし、なおかつ大きなバイアスがかかりすぎないようにする必要がある。
【0016】
この要求に対しては、前記特許文献2のような交流成分の定電流制御方式や、前記特許文献3のような放電量算出方式を採用すれば良い。
【0017】
しかし、これらの方法では、図15の(a)のように、1個の電圧昇圧手段T−ACで交流と直流の重畳電圧を出力しようとすると、交流ピーク間電圧が低下する高温多湿、耐久後半などの条件下において、コンデンサを十分にチャージしきれなくなり、所望の直流電圧を得ることができない。これによって、感光ドラムへの帯電が良好に行なわれず、帯電不良が発生するなどの弊害が発生する。
【0018】
ここで図15の(a)の回路をいま少し説明すると、交流成分を定電圧制御した場合、直流電圧は交流出力用の昇圧トランスT−AC(電圧昇圧手段)からダイオードDを介して、直流電圧作成用のコンデンサCをつなぎ、該コンデンサCをピークチャージさせることによって作成することが可能であるため、1個の電圧昇圧手段T−ACのみで交流と直流の重畳バイアスを出力することが可能である。
【0019】
上記方法を用いた場合、1個の電圧昇圧手段T−ACで交流と直流の重畳電圧を出力することには限界があり、安定した帯電バイアス電圧を得るためには、直流電源T−DCと交流電源T−ACを切り分け、図15の(b)に示されるように、直流用と交流用の2個の電圧昇圧手段を搭載する必要がある。
【0020】
しかしながら、電圧昇圧手段は帯電発生回路の中でも高価な上に大型であるため、特に小型、低コスト画像形成装置においては、電源回路の省スペース化、低コスト化の観点から、電圧昇圧手段1個で安定した帯電バイアス電圧を出力することが望ましいが、本体のバイアスのばらつき、帯電部材のインピーダンス、感光ドラムの膜厚等の影響を受けやすい点が課題となっていた。
【0021】
また、前記特許文献4に記載の方法では、帯電バイアス発生回路を電圧昇圧手段1個で構成することができるので、電源回路の省スペース化、コストの点でメリットは大きい。しかしながら、この方式は、所定のタイミング(感光体使用量)に到達したときに電圧切替(交流ピーク間電圧ダウン)を行うため、帯電バイアス発生回路の電源公差などによって、例えば、交流ピーク間電圧出力が公差下限のときは放電量が適正であるのに電圧切替が行われ放電量不足となって帯電不良が発生する場合があり、さらに、交流ピーク間電圧出力が公差上限のときは放電量が過多の状態であるのに所定タイミングまで電圧切替が行われず、感光ドラムの摩耗削れが促進されることが考えられ、放電制御の精度の点で前記の定電流制御よりも劣っていた。これらは、帯電装置の抵抗値や帯電バイアス発生回路の電源公差などを小さくすれば解決できる問題であるが、歩留まりの観点から公差を小さくすることは好ましくない。
【0022】
そこで、本発明の目的は、コストアップ、スペース拡大を抑えつつ、いかなるプロセスカートリッジと画像形成装置本体との組み合わせでも、帯電不良が発生せず、かつ、放電量が大きくなりすぎない適正な帯電バイアスを精度良く印加できる、帯電バイアス電圧制御方法、帯電バイアス電源回路、および画像形成装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記の構成を特徴とする帯電バイアス電圧制御方法、帯電バイアス電源回路、および画像形成装置である。
【0024】
(1)少なくとも、移動可能な潜像担持体と、該潜像担持体に接触する前記潜像担持体を帯電する帯電手段と、該帯電手段に1個の電圧昇圧手段で交流電圧と直流電圧を重畳した帯電バイアス電圧を出力する帯電バイアス電源回路を有する画像形成装置の帯電バイアス電圧制御方法であって、
該帯電バイアス電源回路は、非画像形成時の一部で、少なくとも2種類のピーク間電圧を備える交流電圧を前記帯電手段に印加し、該交流電圧が前記帯電手段に印加されたときに、前記潜像担持体に流れる交流電流を検出し、
検出した交流電流のうち、あらかじめ設定されている基準電流以上で、かつ、最も小さな交流電流が検出された前記交流電圧のピーク間電圧を、画像形成時に使用される交流電圧のピーク間電圧に決定し、
あらかじめ設定された基準電流以上で、かつ、最も小さな交流電流が検出された交流ピーク間電圧を画像形成時に使用される帯電バイアス電圧に選択し、
前記非画像形成時の一部で印加される、前記少なくとも2種類の交流ピーク間電圧は、その各々が前記潜像担持体が1回転する時間以上印加されることを特徴とする帯電バイアス電圧制御方法。
【0025】
(2)前記非画像形成時の一部は、前記画像形成装置の電源投入時の初期回転時の一部であることを特徴とする(1)に記載の帯電バイアス電圧制御方法。
【0026】
(3)少なくとも、移動可能な潜像担持体と、該潜像担持体に接触する前記潜像担持体を帯電する帯電手段と、該帯電手段に1個の電圧昇圧手段で交流電圧と直流電圧を重畳した帯電バイアス電圧を出力する帯電バイアス電源回路を有する画像形成装置の帯電バイアス電圧制御方法であって、
該帯電バイアス電源回路は、非画像形成時の一部で、少なくとも2種類のピーク間電圧を備える交流電圧を前記帯電手段に印加し、該交流電圧が前記帯電手段に印加されたときに、前記潜像担持体に流れる交流電流を検出し、
検出した交流電流のうち、あらかじめ設定されている基準電流以上で、かつ、最も小さな交流電流が検出された前記交流電圧のピーク間電圧を、画像形成時に使用される交流電圧のピーク間電圧に決定する電圧制御方法であり、
印加される複数の交流電圧のピーク間電圧VppをそれぞれVpp−1、Vpp−2、・・・、Vpp−n(Vpp−1>Vpp−2>・・・>Vpp−n>・・・)としたときに、画像形成時の交流電圧のピーク間電圧がVpp−nのとき、非画像形成時の少なくとも一部で、画像形成時の帯電バイアス電圧よりも一段階低い交流電圧のピーク間電圧Vpp−(n+1)を印加して交流電流を検出し、この検出された電流が前記基準電流以上となった場合に、交流電圧のピーク間電圧をVpp−(n+1)に切り替えることを行い、前記非画像形成時の一部で印加される画像形成時よりも一段階低い前記交流電圧のピーク間電圧Vpp−(n+1)は、前記潜像担持体が1回転する時間以上印加されることを特徴とする帯電バイアス電圧制御方法。
【0028】
(4)非画像形成時の一部で印加される画像形成時よりも一段階低い交流電圧のピーク間電圧Vpp−(n+1)は、画像形成直前の前回転工程の一部で印加されること、を特徴とする(3)に記載の帯電バイアス電圧制御方法。
【0029】
(5)少なくとも、移動可能な潜像担持体と、該潜像担持体に接触する前記潜像担持体を帯電する帯電手段と、該帯電手段に1個の電圧昇圧手段で交流電圧と直流電圧を重畳した帯電バイアス電圧を出力する帯電バイアス電源回路とを有する画像形成装置あって、
該帯電バイアス電源回路は、非画像形成時の一部で、少なくとも2種類のピーク間電圧を備える交流電圧を前記帯電手段に印加し、該交流電圧が前記帯電手段に印加されたときに、前記潜像担持体に流れる交流電流を検出し、
検出した交流電流のうち、あらかじめ設定されている基準電流以上で、かつ、最も小さな交流電流が検出された前記交流電圧のピーク間電圧を、画像形成時に使用される交流電圧のピーク間電圧に決定し、
あらかじめ設定された基準電流以上で、かつ、最も小さな交流電流が検出された交流ピーク間電圧を画像形成時に使用される帯電バイアス電圧に選択し、
前記非画像形成時の一部で印加される、前記少なくとも2種類の交流ピーク間電圧は、その各々が前記潜像担持体が1回転する時間以上印加されることを特徴とする画像形成装置。
(6)前記非画像形成時の一部は、前記画像形成装置の電源投入時の初期回転時の一部であることを特徴とする(5)に記載の画像形成装置。
(7)少なくとも、移動可能な潜像担持体と、該潜像担持体に接触する前記潜像担持体を帯電する帯電手段と、該帯電手段に1個の電圧昇圧手段で交流電圧と直流電圧を重畳した帯電バイアス電圧を出力する帯電バイアス電源回路とを有する画像形成装置であって、
該帯電バイアス電源回路は、非画像形成時の一部で、少なくとも2種類のピーク間電圧を備える交流電圧を前記帯電手段に印加し、該交流電圧が前記帯電手段に印加されたときに、前記潜像担持体に流れる交流電流を検出し、
検出した交流電流のうち、あらかじめ設定されている基準電流以上で、かつ、最も小さな交流電流が検出された前記交流電圧のピーク間電圧を、画像形成時に使用される交流電圧のピーク間電圧に決定する電圧制御方法であり、
印加される複数の交流電圧のピーク間電圧VppをそれぞれVpp−1、Vpp−2、・・・、Vpp−n(Vpp−1>Vpp−2>・・・>Vpp−n>・・・)としたときに、画像形成時の交流電圧のピーク間電圧がVpp−nのとき、非画像形成時の少なくとも一部で、画像形成時の帯電バイアス電圧よりも一段階低い交流電圧のピーク間電圧Vpp−(n+1)を印加して交流電流を検出し、この検出された電流が前記基準電流以上となった場合に、交流電圧のピーク間電圧をVpp−(n+1)に切り替えることを行い、前記非画像形成時の一部で印加される画像形成時よりも一段階低い前記交流電圧のピーク間電圧Vpp−(n+1)は、前記潜像担持体が1回転する時間以上印加されることを特徴とする画像形成装置。
(8)非画像形成時の一部で印加される画像形成時よりも一段階低い前記交流電圧のピーク間電圧Vpp−(n+1)は、画像形成直前の前回転工程の一部で印加されること、を特徴とする(7)に記載の画像形成装置。
【0030】
(9)前記帯電手段に印加される最小の交流電圧のピーク間電圧Vpp−minと、前記帯電手段に印加される直流電圧Vdcとの間の関係が、Vpp−min/2≧|Vdc|であることを特徴とする(1)ないし4のいずれかに記載の帯電バイアス電圧制御方法を用いた帯電バイアス電源回路。
【0031】
(10)交流電圧の最大のピーク間電圧Vpp−maxを前記帯電手段に印加したときに検出される交流電流値Iac−maxと、あらかじめ設定された基準電流Iac−0との関係が、Iac−max≧Iac−0であることを特徴とする、(1)ないし(4)のいずれかに記載の帯電バイアス電圧制御方法を用いた帯電バイアス電源回路。
【0032】
(11)前記(9)、または(10)に記載の帯電バイアス電源回路を有することを特徴とした画像形成装置。
【0033】
<作 用>
潜像担持体と接触帯電手段に複数の定電圧の帯電バイアスを切り替えながら印加した際に、両者に流れる帯電交流電流を検知することで、画像形成装置本体の帯電バイアス交流電圧や潜像担持体の膜厚、帯電手段のインピーダンスなどがばらついていたとしても、適正な帯電バイアス交流電圧を決定することができるので、帯電不良が起こらずかつ潜像担持体へのダメージを低減させることができる。
【0034】
また、段階的に印加される複数の帯電交流ピーク間電圧は、潜像担持体が1回転する時間以上印加されるので、帯電交流電流検知と帯電バイアス電圧切り替えをより精度良く行うことが可能である。
【0035】
さらに、画像形成装置の電源回路において、電圧昇圧手段は1つで済むため、電源回路の大幅なコストアップや、スペース拡大も抑制できる。
【0036】
【発明の実施の形態】
<第1実施例>
本実施例の特徴は、少なくとも、1個の電圧昇圧手段で交流と直流の重畳電圧を出力し、2種類以上の交流ピーク間電圧を出力可能な交流発振出力を有する帯電バイアス発生回路と、帯電バイアス電圧印加時に潜像担持体に流れる交流電流Iacを検知する交流電流検知手段とを有し、該帯電バイアス電源回路は2種類以上の交流ピーク間電圧を段階的に出力できる交流発振出力を有し、交流ピーク間電圧選択制御閾値電流以上で、かつ、最小の電流値を検出したバイアス電圧を帯電バイアス電圧として使用する画像形成装置において、
電源投入時の初期回転中に、複数の交流ピーク間電圧を高い側から段階的に印加し、その印加時間は、各々のピーク間電圧ごとに潜像担持体が1回転以上していること、
また、帯電交流電流検出手段で検出された交流電流は、エンジンコントローラ内で平均値処理されたのち帯電交流ピーク間電圧選択制御閾値と比較されること、
を特徴としている。
【0037】
(1)画像形成装置の構成と動作の概略
図5は本実施例の画像形成装置の概略構成図である。本実施例の画像形成装置は、電子写真方式、プロセスカートリッジ着脱方式のレーザプリンタである。
【0038】
2は潜像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体(感光ドラム)である。本例の感光ドラム2は負帯電性の有機感光体であり、不図示の駆動用モータによって矢印の時計方向に所定の周速度で回転駆動される。
【0039】
感光ドラム2はその回転過程で帯電装置によって負の所定電位に一様に帯電処理を受ける。本例において帯電装置は帯電部材として帯電ローラ3を用いた接触帯電装置である。
【0040】
帯電ローラ3は、両端部を軸受け3−aにより回転自在に保持されるとともに、加圧バネ3−bなどの押圧手段によって、感光ドラム2の中心方向へ押圧され、感光ドラム2に対して従動回転する。帯電ローラ3に対しては、帯電バイアス電源1から、加圧バネ3−b、導電性軸受け3−aを介してバイアス電圧が印加される。帯電バイアス電圧には、放電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧(Vpp)を有する交流電圧に、所望のドラム上電位Vdに相当する直流電圧Vdcを重畳印加する方式が用いられている。この帯電方法は、直流電圧に交流電圧を重畳印加することによって、感光ドラム上の局所的な電位ムラを解消し、感光ドラム上を直流印加電圧Vdcに等しい電位Vdに均一帯電することを狙いとしている。
【0041】
次いで、露光装置4による像露光を受ける。露光装置4は、均一帯電された感光ドラム2に静電潜像を形成するものであり、本例では、半導体レーザスキャナを用いた。露光装置4は、画像形成装置外のホスト装置(不図示)から送られてくる画像信号に対応して変調されたレーザ光Lを出力して、後述するプロセスカートリッジCの露光窓部aを通して感光ドラム2の均一帯電面を走査露光(像露光)する。感光ドラム表面は露光箇所の電位の絶対値が帯電電位の絶対値に比べて低くなることによって、画像情報に応じた静電潜像が順次形成される。
【0042】
次いで、その静電潜像は反転現像装置5により現像されてトナー像として顕像化される。現像装置5は、感光ドラム2上の静電潜像を現像剤たるトナー5−aで現像することによって、静電潜像を可視化(反転現像)するものであり、本例では、ジャンピング現像方式を用いた。この方式では、不図示の現像バイアス電源から現像スリーブ5−cに対して交流と直流を重畳した現像バイアス電圧を印加することによって、現像剤層厚規制部材5−bと現像スリーブ5−cの接触箇所で摩擦帯電により負極性に帯電されたトナー5−aを感光ドラム表面の静電潜像に反転現像する。
【0043】
その感光ドラム面のトナー像が不図示の給紙部から給送された紙等の記録媒体(転写材)7に対して転写装置6にて転写される。本例では転写ローラ6を用いた接触転写装置である。転写ローラ6は感光ドラム2に対して感光ドラム中心方向に不図示の押圧バネなどの付勢手段によって押圧されている。転写材7が搬送されて転写工程が開始されると、不図示の転写バイアス電源から転写ローラ6に対して正極性の転写バイアス電圧が印加され、負極性に帯電している感光ドラム2上のトナーは転写材7上に転写される。
【0044】
トナー像の転写を受けた転写材は感光ドラム面から分離されて定着装置8へ導入されてトナー像の定着処理を受けて画像形成装置本体外へ排出される。定着装置8は、転写材7に転写されたトナー像を熱や圧力などの手段を用いて定着するものである。
【0045】
転写材分離後の感光ドラム面はクリーニング装置9により転写残トナーを掻き取られて清掃され、繰り返して作像に供される。本例のクリーニング装置9はクリーニングブレードを用いたものである。クリーニングブレードは、転写工程時に感光ドラム2から転写材7に転写し切れなかった転写残トナーを回収するものであり、一定の圧力で感光ドラム2に当接し転写残トナーを回収することによって感光ドラム表面を清掃する。クリーニング工程終了後、感光ドラム表面は再び帯電工程に入る。
【0046】
画像形成装置は、上記の手段を用い、帯電、露光、現像、転写、定着、クリーニングの各工程を繰り返して画像形成を行う。
【0047】
本例のプロセスカートリッジCは、潜像担持体としての感光ドラム2と、感光ドラム2に対する接触帯電部材としての帯電ローラ3と、現像装置5と、クリーニング装置9の4つのプロセス機器を内包させてプロセスカートリッジとしてある。
【0048】
プロセスカートリッジCは画像形成装置本体20のカートリッジドア(本体ドア)21を開閉して画像形成装置本体20に対して着脱される。装着はカートリッジドア21を開いて画像形成装置本体20内にプロセスカートリッジCを所定の要領にて挿入装着してカートリッジドア21を閉じ込むことでなされる。プロセスカートリッジCは画像形成装置本体20に対して所定に装着されることで画像形成装置本体20側と機械的・電気的に連結した状態になる。
【0049】
プロセスカートリッジCの画像形成装置本体20からの取り外しはカートリッジドア21を開いて画像形成装置本体20内のプロセスカートリッジCを所定に引き抜くことでなされる。プロセスカートリッジCは抜き外された状態時にはドラムカバー(不図示)が閉じ位置に移動していて感光ドラム10の露出下面を隠蔽防護している。また露光窓部aもシャッタ板(不図示)で閉じ状態に保持されている。ドラムカバーとシャッタ板はプロセスカートリッジCが画像形成装置本体20内に装着された状態においてはそれぞれ開き位置に移動して保持される。
【0050】
ここで、プロセスカートリッジとは、帯電手段、現像手段またはクリーニング手段と電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化し、このカートリッジを画像形成装置本体に対して着脱可能とするものである。及び帯電手段、現像手段、クリーニング手段の少なくとも一つと電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化して画像形成装置本体に着脱可能とするものである。更に、少なくとも現像手段と電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化して装置本体に対して着脱可能とするものをいう。
【0051】
(2)プリンタ動作シーケンス
図6を用いて本実施例におけるプリンタ動作シーケンスの概略を説明する。
【0052】
まず、着脱可能なプロセスカートリッジCを画像形成装置本体20に装着して、カートリッジドア21が閉じられた状態で、画像形成装置内の電源がオンになると前多回転工程が始まる。この工程では、メインモータが感光ドラムを回転駆動させている間に、プロセスカートリッジの有り無し検知、転写ローラのクリーニングなどが行なわれる。本実施例ではこの工程中に帯電バイアスを決定するシーケンスを盛り込んでいるのが特徴である。その詳細は後述する。
【0053】
前多回転が終了すると、画像形成装置は待機(スタンバイ)状態に入る。不図示のホストコンピュータなどの出力手段から画像情報が画像形成装置に送られると、メインモータは画像形成本体を駆動し前回転工程に入る。前回転工程に於いては、諸プロセス機器の印字準備動作が行なわれ、主として、感光ドラム上の予備帯電、レーザスキャナの立ち上げ、転写プリントバイアスの決定、定着装置の温度調節などが行なわれる。
【0054】
前回転工程が終了すると、印字工程が開始される。印字工程では、所定タイミングで転写材の給紙、感光ドラム上の像露光、現像などが行なわれる。
【0055】
印字工程が終了すると、次のプリント信号がある場合、次の転写材が到達するまでの間の紙間工程に入り、次の印字動作を待つ。
【0056】
また、印字動作終了後に、次のプリント信号がない場合は、画像形成装置は後回転工程に入る。後回転工程では、感光ドラム表面の除電や、転写ローラに付着したトナーを感光ドラムへ吐き出す(転写ローラのクリーニング)などの工程が行われている。
【0057】
後回転工程が終了すると、画像形成装置は、再び待機(スタンバイ)状態となり、次のプリント信号を待つ。
【0058】
(3)帯電バイアス作成方法と適正帯電バイアスの決定
3−1)帯電バイアス電源回路
本例で用いた帯電バイアス電源回路1をついて、図7を用いて概念的に説明する。
【0059】
本例では、帯電バイアス電源回路1は、交流発振出力から異なる4種類の交流ピーク間電圧VppであるVpp−1、Vpp−2、Vpp−3、Vpp−4を出力できる(Vpp−1>Vpp−2>Vpp−3>Vpp−4)。交流発振出力からの交流ピーク間電圧Vpp−1〜Vpp−4の出力はエンジンコントローラにより制御されることで選択的になされる。
【0060】
まず、交流発振出力から出力された出力電圧は、増幅回路で増幅され、オペアンプ、抵抗、コンデンサなどからなる正弦電圧変換回路で正弦変換された後、コンデンサC1を介して直流成分をゼロにカットされ、電圧昇圧手段たる昇圧トランスT1に入力される。昇圧トランスT1に入力された電圧は、トランスの巻き数に応じた正弦電圧に昇圧される。
【0061】
他方、コンデンサC2には、前記の昇圧された正弦電圧が整流回路D1で整流された後、ピークチャージされる。これによって、ある一定の直流電圧Vdc1が発生する。さらに、直流発振出力からは、印字濃度になどによって決まる出力電圧が出力され、整流回路で整流された後、一定電圧VaとしてオペアンプIC1のマイナス入力端子に入力される。また、同時にオペアンプIC1のプラス入力端子には昇圧トランスT1の一方の端子電圧を抵抗R1と抵抗R2で分圧された電圧Vbが入力され、両者(VaとVb)の値が等しくなるようにトランジスタQ1を駆動する。これによって、抵抗R1と抵抗R2には電流が流れ電圧降下が生じ、直流電圧Vdc2が発生する。
【0062】
以上に説明した直流電圧Vdc1、Vdc2を足し合わせて所望の直流電圧が得られる。この直流電圧が、交流電圧昇圧手段T1の2次側で前述した交流電圧と重畳され、プロセスカートリッジC内の帯電ローラ3に印加される。
【0063】
なお、本方式では、交流電圧昇圧手段T1を用いて直流電圧を作製しているので、直流電圧は交流ピーク間電圧Vppに対して従属の関係にある。つまり、所望の直流電圧Vdcを得るためには、交流電圧昇圧手段T1によってコンデンサC2に一定水準の電荷をチャージさせる必要があり、図8に示されるように、所望の直流電圧Vdc’を得るためには、交流ピーク間電圧Vppは、2×|Vdc’|以上でなければならない。交流ピーク間電圧Vppが2×|Vdc’|よりも小さい領域では、コンデンサC2は十分にチャージしきれないため所望の直流電圧Vdcを得ることができないので、ドラム上電位Vdを所望の値に帯電させることができなくなり、良好な画像を得ることができない。
【0064】
他方、コンデンサC2の静電容量を大きくすれば電荷チャージ量を多くしてVdcを大きくとれる方向だが、コンデンサC2に電荷がチャージされる時間が長くなり、帯電波形が安定化するのに要する時間が長くなるため、感光ドラム表面電位Vdにムラが生じる場合がある。
【0065】
ゆえに、本例においては、交流ピーク間電圧Vppの出力できる範囲の最小値Vpp−minが、所望の直流電圧Vdcに対してVpp−min≧2×|Vdc|なる関係が成り立つように設定している。
【0066】
3−2)適正帯電バイアス電圧の決定方法
本例における交流電流検知から帯電バイアス決定の手順を説明する。図7において、帯電ローラ3に帯電バイアス電圧が印加されると、交流電流Iacは帯電ローラ3、感光ドラム2を経て高圧電源回路GNDに流れる。このとき、交流電流検知手段28は、この交流電流を、抵抗、コンデンサなどからなる不図示のフィルタ回路で帯電周波数に等しい周波数をもった交流電流のみを0.01〜10msec程度の周期でサンプリングし、これを電圧変換してエンジンコントローラへ入力する。一定周期でサンプリングされた入力電圧Vkは、エンジンコントローラ内で平均値処理される。平均値処理が施されるのは、エンジンコントローラによる交流電流検知をより精度良く行うためであり、後述される感光ドラムの回転周期で変動する入力電圧の平均化や、感光ドラム上に例えばピンホールなどの欠陥があって検出される交流電流値に異常があった場合にも、平均化処理を行うことによって、より真の値に近い電流検出を行うことができる。
【0067】
平均値処理された入力電圧Vk−aveは、エンジンコントローラ内の比較手段によってあらかじめ設定されている帯電交流ピーク間電圧選択制御閾値V0と比較される。なお、帯電交流ピーク間電圧選択制御閾値V0は、帯電ムラが生じることのない最小の交流ピーク間電圧に対する出力電圧であり、その値は、均一な帯電を行うことのできる必要最小の電流値(基準電流)Iac−0(=帯電交流ピーク間電圧選択制御閾値電流)を基準にして決定される。なお、Iac−0の値は、機器のプロセススピードや帯電周波数、帯電ローラ3、感光ドラム2の構成材料によって異なるため、帯電交流ピーク間電圧選択制御閾値V0も、装置毎に適した設定にすると良い。
【0068】
図2において、画像形成装置本体に対するカートリッジ装着の際に開閉を行うドアが閉じられ、かつ、画像形成本体の電源がオンになると、メインモータが回転開始され前多回転工程が始まる。
【0069】
画像形成装置本体のエンジンコントローラは、はじめに印加可能な最も高いピーク間電圧Vpp−1を印加して、帯電交流電流検知電圧V1を検出する。このV1は、カートリッジ有り無しの基準交流電流値Iac−xに対する検知電圧Vxと比較され、V1<Vxの場合には、ユーザに『カートリッジなし』が報知される。また、『カートリッジあり(V1≧Vx)』の場合、印加可能な最大の帯電バイアス電圧Vpp−1を印加した際の検出電圧値V1は、いかなる使用状況においても、V1≧V0となるように設定しておく。これによって、どのような状況下でも帯電不良が起こることはない。
【0070】
続いて、2番目に高い電圧であるVpp−2を印加して検知電圧V2を得る。このとき、図1の(a)に示されるようにV2<V0であれば、Vpp−1を帯電バイアス電圧として選択する。また、V2≧V0であれば、3番目に高い電圧であるVpp−3を印加して検知電圧V3を得る。図1の(b)に示されるように、V3の値がV3<V0であれば、Vpp−2を帯電バイアス電圧として選択する。また、V3≧V0であれば、4番目に高い電圧であるVpp−4を印加して検知電圧V4を得る。図1の(c)に示されるように、V4<V0であれば、Vpp−3が画像形成時の帯電バイアスとして選択され、図1の(d)に示されるようにV4≧0なら、Vpp−4を画像形成時の帯電バイアス電圧として選択する。
【0071】
このとき、印加されたバイアス電圧(Vpp−1、Vpp−2、Vpp−3、Vpp−4)の印加時間Tは、各々ついて、それぞれ潜像担持体が1回転以上する時間であることが望ましい。感光ドラムは、それ自身の塗膜の塗工ムラや、偏芯回転などによる削れムラなどにより、周方向の膜厚ムラが発生する場合があり周方向でインピーダンスが若干変化する。これによって、同じバイアス電圧を印加した場合でも、図3に示されるように、流れる交流電流Iacが感光ドラムの回転周期で変わるため、精度良く電流検出を行うためには、感光ドラムが1回転以上するまでバイアス電圧を印加して、流れる交流電流Iacをサンプリングし精度向上をはかる。
【0072】
ただし、バイアス電圧の印加時間が長すぎると、潜像担持体表面の削れ量が増大するなどの問題が生じるので、あまり長くしすぎてはならない。
【0073】
エンジンコントローラは、交流発振出力からの交流出力電圧として、帯電交流ピーク間電圧選択制御閾値V0以上で、かつ、最小となる交流出力電圧を選択し、画像形成時の帯電バイアスとして選択する。
【0074】
(4)評 価
本発明の効果を明確化するために、以下の実験を行った。
【0075】
<実験1>
常温常湿環境(25℃、相対湿度50%)において、本発明の帯電制御を用いて1枚間欠耐久試験を行い、以下の項目を調べた。
【0076】
1.感光ドラムに流れる交流電流
2.感光ドラムの寿命
3.画像(べた白、2ドット3スペース横線ハーフトーン)
※画像は、初期から500枚毎と、帯電交流ピーク間電圧切り替えが行われた地点で採取した。
【0077】
<条件(実施例1)>
環境:常温常湿環境(室温25℃、相対湿度50%)
画像形成本体プロセススピード:130(mm/sec)
画像形成本体解像度:600(dpi)
帯電バイアス電圧:4段階の定電圧、2000V、1850V、1700V、1550V
帯電交流周波数f:900(Hz)
帯電交流ピーク間電圧閾値電流Iac−0:680μA
エンジンコントローラ
・帯電交流電流検出手段からの電圧サンプリング周期:1msec
・サンプリング長さ:0.68sec(=感光ドラム1周分)
・電圧サンプルの演算処理:平均値処理
感光ドラム直径φ:28(mm)
感光ドラム表面層平均分子量M:15000
感光ドラム初期表面層膜厚:25(μm)
クリーニングブレードの感光ドラムに対する当接圧:40(gf/cm)
評価モード:1枚間欠耐久。
【0078】
<条件(比較例1:検出時間が感光ドラム1周以下)>
エンジンコントローラ
・帯電交流電流検出手段からの電圧サンプリング周期:1msec
・サンプリング長さ:0.34sec(=感光ドラム0.5周分)
・電圧サンプルの演算処理:平均値処理
※エンジンコントローラ以外の諸条件は、実施例1と同じ。
【0079】
<条件(比較例2:電圧サンプルの演算処理をせず、サンプル内の最大値を使用)>
エンジンコントローラ
・帯電交流電流検出手段からの電圧サンプリング周期:1msec
・サンプリング長さ:0.68sec(=感光ドラム1周分)
・電圧サンプルの演算処理:電圧サンプルの演算処理をせず、全サンプル内の最大値を検出電圧として使用
※エンジンコントローラ以外の諸条件は、実施例1、比較例1と同じ。
【0080】
<条件(比較例3:電圧サンプルの演算処理をせず、サンプル内の最大値を使用)>
エンジンコントローラ
・帯電交流電流検出手段からの電圧サンプリング周期:1msec
・サンプリング長さ:0.68sec(=感光ドラム1周分)
・電圧サンプルの演算処理:電圧サンプルの演算処理をせず、全サンプル内の最小値を検出電圧として使用。
【0081】
※エンジンコントローラ以外の諸条件は、実施例1、比較例1、2と同じ。
【0082】
<結果(実施例1)>
図4に、本実施例を用いた場合の実験結果を示す。図4の(a)に、感光ドラムに流れた帯電交流電流の耐久推移を示す。この図において、使用枚数3000枚、5000枚のところで帯電交流電流が低下しているが、これは、この枚数のところで帯電交流ピーク間電圧が切り替わっていることを示す。この図に示されるように、本実施例の構成を用いると、耐久を通して帯電不良が発生しない帯電交流ピーク間電圧閾値以上で、かつ、できるだけ小さい値をほぼ一定に推移しており、非常に良好な帯電制御が行われていることが分かる。また、第4図(b)に、実施例1における感光ドラムの寿命、および、画像採取(べた白、ハーフトーン画像)の結果を示す。実験の結果、感光ドラムの寿命は7500枚であり、採取した画像にも帯電不良などの異常がなく非常に良好な制御を行うことができた。
【0083】
<結果(比較例1:交流電流サンプリングの検出時間が感光ドラム1回転以下)>
図4の(a)において、本構成においては、使用枚数2500枚、4300枚の地点で帯電交流ピーク間電圧の電圧切り替えが行われており、帯電交流電流の耐久推移も必要最小電流以上であり問題ないようにみえる。ところが、本構成においては、切り替えが行われた2500枚、4300枚地点でべた白画像に黒ポチ状の帯電不良が発生した。これは、帯電交流ピーク間電圧切り替えのタイミングが早すぎたことによって発生した問題である。
【0084】
耐久が進むと感光ドラムは僅かながら偏芯回転する場合があり、このような場合には、感光ドラムは周方向で均一に磨耗せず削れが多い部分と少ない部分が出てくる。これによって、第3図で示したように、周方向で流れる帯電交流電流が変わってくるため、検出電圧も感光ドラム周期で変わってくる。
【0085】
本例においてこのような帯電不良が発生したのは、電流検知のサンプリング長さに問題がある。これは、感光ドラムの周方向で帯電交流電流が比較的多く流れている部分で電流検知が行われ、その値が帯電交流ピーク間電圧閾値を越えたので切り替えの判断をして電圧切り替えを行ったが、実際には感光ドラムの全周にわたって帯電交流ピーク間電圧閾値以上の電流が流れてはおらず、感光ドラム上の帯電交流電流が流れにくい部分で帯電不良が発生したものと考えられる。
【0086】
ゆえに、本比較例からは、感光ドラム1周分以上電流検知を行うことが必要であるということが明らかとなった。
【0087】
<結果(比較例2:電圧サンプルの演算処理をせず、サンプル内の最大値を使用)>
図4の(a)において、本構成においては、使用枚数2000枚、3800枚の地点で帯電交流ピーク間電圧の電圧切り替えが行われており、帯電交流電流の耐久推移も必要最小電流以上であり問題ないようにみえる。ところが、図4の(b)に示されるように、本構成においては、切り替えが行われた2000枚、2500枚、3800枚、4000枚枚地点でべた白画像、ハーフトーン画像に黒ポチ状の帯電不良が発生した。これについても、比較例1と同様に、帯電交流ピーク間電圧切り替えのタイミングが早すぎたことによって発生した問題である。
【0088】
本例においてこのような帯電不良が発生したのは、電流検知のサンプリングにおいて、採取されたサンプルの最大値を電圧サンプルとして用いたためである。これは、感光ドラムの周方向で帯電交流電流が最も多く流れている部分で電流検知が行われていることになり、その値をもとに帯電交流ピーク間電圧の切り替え判断を行っても、比較例1と同じように、実際には感光ドラムの全周にわたって帯電交流ピーク間電圧閾値以上の電流が流れてはおらず、感光ドラム上の帯電交流電流が流れにくい部分で帯電不良が発生したものと考えられる。
【0089】
<結果(比較例3:電圧サンプルの演算処理をせず、サンプル内の最小値を使用)
図4の(a)において、本構成においては、使用枚数4000枚、5800枚の地点で帯電交流ピーク間電圧の電圧切り替えが行われており、帯電交流電流の耐久推移も帯電交流ピーク間電圧選択制御閾値電流以上であるため、問題がないようにみえる。実際のところ、本比較例は図4の(b)に示されるように画像は問題ないが、6300枚という比較的早い段階で感光ドラムの寿命を迎えた。
【0090】
本例において感光ドラムの寿命が短くなってしまったのは、電流検知のサンプリングにおいて、採取されたサンプルの最小値を電圧サンプルとして用いたためである。電流検知のための帯電交流ピーク間電圧印加直後は、画像形成装置本体の個体差により、帯電交流電流が不安定になっている場合がある。また、各種の電気的ノイズが検出電圧に加わってくる可能性もあり、最小値をホールドしてその値を採用すると、帯電交流ピーク間電圧の切り替えタイミングが遅れたり、必要以上に大きな帯電交流ピーク間電圧が選択されてしまうため、感光ドラム上に不必要に大きい放電をかけてしまうため感光ドラムの寿命が短くなる。
【0091】
比較例2、3からは、本制御をより精度良く行うために、採取された電圧サンプルを平均処理した後、帯電交流ピーク間電圧選択制御閾値V0との比較を行うことが必要であるということが明らかとなった。
【0092】
以上に説明の説明から、本実施例の特徴である、
・電源投入時の初期回転中に、複数の交流ピーク間電圧を高い側から段階的に印加し、その印加時間は、各々のピーク間電圧ごとに潜像担持体が1回転以上していること、また、帯電交流電流検出手段で検出された交流電流は、エンジンコントローラ内で平均値処理されたのち必要最小電圧値と比較されること、を実施することによって、本帯電制御をより精度良く行えることが明らかとなった。
【0093】
<第2実施例>
第1実施例では、前多回転工程中に複数のピーク間電圧を高い側から印加し、画像形成時の帯電バイアス電圧を選択するという例を示したが、本実施例の特徴は、 前多回転工程中に、複数の交流ピーク間電圧を低い側から段階的に印加し、その印加時間は、各々のピーク間電圧ごとに潜像担持体が1回転以上していることである。
【0094】
以下に本出願に係る第2実施例を示すが、画像形成装置概略、プリンタ動作シーケンス、帯電バイアス電源回路は第1実施例と同じであるため説明は割愛する。
【0095】
(1)適正帯電バイアス電圧の決定方法
本例における交流電流検知から帯電バイアス決定の手順を説明する。図9において、画像形成装置本体に対するカートリッジ装着の際に開閉を行うドアが閉じられ、かつ、画像形成装置本体の電源がオンになったことを検知すると、画像形成装置本体のエンジンコントローラは、はじめに印加可能な最も低いピーク間電圧Vpp−4を印加する。交流電流検知手段は、このときに流れる電流値Iac−4を検出電圧V4に変換し、エンジンコントローラへフィードバックする。図10の(a)に示されるように、V4≧V0のとき、Vpp−4を画像形成時の帯電バイアス電圧に決定し、これで帯電バイアス電圧の印加を終了する。また、V4<V0のときは、2番目に低いVpp−3を印加して検出電圧V3を得る。エンジンコントローラ内の比較手段はV3とV0の比較を行い、図10の(b)に示されるように、V3≧V0であれば、Vpp−3を帯電バイアス電圧として用い、帯電バイアス電圧印加を終了する。V3<V0のときは、3番目に低いVpp−2を印加し検出電圧V2を得て、図10の(c)に示されるようにV2≧V0のときはVpp−2を帯電バイアス電圧として決定し、図10の(d)に示されるようにV2<V0のときは、Vpp−1を帯電バイアス電圧として決定する。
【0096】
以上で、画像形成時のバイアス電圧決定のための帯電バイアス電圧の印加が終了する。
【0097】
本実施例では、画像形成時の帯電バイアス決定のためのバイアス電圧印加をピーク間電圧の値が低い側から行っており、また、必要最小電圧値V0以上の値を検出した段階でバイアス電圧の印加をやめている。これらは、感光ドラムをより削れにくくし、感光ドラムを長寿命化する効果がある。帯電バイアス電圧を低い側から印加することによって、感光ドラムに対するダメージを低減することができるので、感光ドラムは削れにくくなる。また、必要最小電圧値V0を越えるものが存在した時点で帯電バイアス電圧印加をやめているので、必要以上に帯電バイアス電圧を印加することなく、感光ドラムの削れ量を低減し、感光ドラムの長寿命化が望める。
【0098】
また、このとき、印加されたバイアス電圧(Vpp−1、Vpp−2、Vpp−3、Vpp−4)の印加時間Tは、各々ついて、それぞれ潜像担持体が1回転以上する時間であることが望ましい。感光ドラムは、それ自身の塗膜の塗工ムラや、偏芯回転などによる削れムラなどにより、周方向の膜厚ムラが発生する場合があり周方向でインピーダンスが若干変化する。これによって、同じバイアス電圧を印加した場合でも、第3図に示されるように、流れる交流電流Iacが感光ドラムの回転周期で変わるため、精度良く電流検出を行うためには、感光ドラムが1回転以上するまでバイアス電圧を印加して、流れる交流電流Iacをサンプリングし精度向上をはかる。
【0099】
ただし、バイアス電圧の印加時間Tが長すぎると、潜像担持体表面の削れ量が増大するなどの問題が生じるので、あまり長くしすぎてはならない。
【0100】
<第3実施例>
本実施例では、画像形成時の帯電バイアス電圧をVpp−nとしたとき、非画像形成時の一部で、Vpp−nよりも一段階低い電圧Vpp−(n+1)を感光ドラムが1回転する時間以上印加して電流検知を行い、帯電バイアスの選択を行う。
【0101】
これは、画像形成装置本体の電源投入時初期回転が入らない状態(画像形成装置本体電源がオンのまま放置される状態)においても、交流電流を逐次検知して、常時適正なバイアス電圧の選択を行うことを目的としている。
【0102】
交流ピーク間電圧Vppを一定電圧で制御すると、使用に伴い感光ドラム表面が削られることによって、感光ドラムに流れる電流Iacは増加していくから、それに伴う交流電圧は段階的に小さくなっていく。例えば、第13図で示されるように、使用初期から使用枚数A枚までは、最も高い電圧Vpp−1を印加するが、A枚を過ぎるとVpp−1よりも小さな電圧であるVpp−2に切り替わり、B枚を過ぎるとVpp−2よりも一段階小さな電圧であるVpp−3に切り替わっていく。このように、画像形成時に使用されるバイアス電圧Vpp−nは感光ドラムが削られ、ある枚数に達すると必ず一段階小さいVpp−(n+1)に切り替わる。
【0103】
そこで、本例では、非画像形成時の一部で、電源投入時に第1実施例のような方法で決定された画像形成時のバイアス電圧Vpp−nよりも一段階低いバイアス電圧Vpp−(n+1)を印加し、このときに検出された検出電圧Vn+1が帯電交流ピーク間電圧選択制御閾値V0を越えた場合、画像形成時のバイアス電圧を今まで選択されていたVpp−nからVpp−(n+1)に切り替えるところが本実施例の特徴である。
【0104】
本実施例における帯電バイアス電圧決定の手順を図11、図12を用いて説明する。まず、電源投入時には、第1実施例と同様の方法で画像形成時の帯電プリントバイアスVpp−nを決定する。
【0105】
プリント中においては、非画像形成時のすべて、もしくは、一部で一段階下の電圧であるVpp−(n+1)を印加するが、前述したように、精度良く電流検知を行うためには、その印加時間Tが感光ドラム1回転分以上であると良く、さらに、サンプリングされた検出電圧値は、平均値処理されると良い。
【0106】
また、一段階低いVpp−(n+1)が印加されるタイミングは基本的には非画像形成時であればどこで印加されても良いが、好ましくは前回転工程中であると良い。画像形成直前の前回転工程中にこの電圧を印加して電流検知を行えれば、バイアス電圧の切り替えタイミングを最も精度良く判定できるためである。
【0107】
この方式を用いると、非画像形成時の一部で、画像形成時のプリントバイアスよりも小さなバイアス電圧を印加することになるので、より放電量を小さく抑えることができ、感光体の磨耗削れを低減できるという効果も加わる。
【0108】
<その他>
1)接触帯電部材3の形態はローラ体に限られるものではなく、エンドレスベルト体等とすることもできる。また接触帯電部材は帯電ローラの他に、ファーブラシ、フェルト、布などの形状・材質のものも使用可能である。また、これらを積層し、より適切な弾性(可撓性)と導電性を得ることも可能である。帯電ブレードや磁気ブラシ帯電部材等にすることもできる。
【0109】
2)静電潜像形成のための露光手段としては、実施形態例の様にデジタル的な潜像を形成するレーザ走査露光手段4に限定されるものではなく、通常のアナログ的な画像露光やLEDなどの他の発光素子でも構わないし、蛍光燈等の発光素子と液晶シャッタ等の組み合わせによるものなど、画像情報に対応した静電潜像を形成できるものであるなら構わない。
【0110】
3)潜像担持体2は静電記録誘電体等であっても良い。この場合は、該誘電体面を所定の極性・電位に一様に一次帯電した後、除電針ヘッド、電子銃等の除電手段で選択的に除電して目的の静電潜像を書き込み形成する。
【0111】
4)現像装置5は実施例は反転現像装置であるが、現像装置の構成について特に限定するものではない。正規現像装置であってもよい。
【0112】
一般的に、静電潜像の現像方法は、非磁性トナーについてはこれをブレード等でスリーブ等の現像剤担持搬送部材上にコーティングし、磁性トナーについてはこれを現像剤担持搬送部材上に磁気力によってコーティングして搬送して像担持体に対して非接触状態で適用し静電潜像を現像する方法(1成分非接触現像)と、上記のように現像剤担持搬送部材上にコーティングしたトナーを像担持体に対して接触状態で適用し静電潜像を現像する方法(1成分接触現像)と、トナー粒子に対して磁性のキャリアを混合したものを現像剤(2成分現像剤)として用いて磁気力によって搬送して像担持体に対して接触状態で適用し静電潜像を現像する方法(2成分接触現像)と、上記の2成分現像剤を像担持体に対して非接触状態で適用し静電潜像を現像する方法(2成分非接触現像)との4種類に大別される。
【0113】
5)転写手段6はローラ転写に限られず、ベルト転写、コロナ転写などにすることもできる。転写ドラムや転写ベルト等の中間転写体(中間被転写部材)などを用いて、単色画像ばかりでなく、多重転写等により多色やフルカラー画像を形成する画像形成装置であってもよい。
【0114】
6)帯電部材3や現像剤担持部材5−cに印加するバイアスの交番電圧成分(AC成分、周期的に電圧値が変化する電圧)の波形としては、正弦波、矩形波、三角波等適宜使用可能である。直流電源を周期的にオン/オフすることによって形成された矩形波であってもよい。
【0115】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、1個の電圧昇圧手段で交流と直流の重畳バイアスを出力する帯電バイアス電源回路であって、該帯電バイアス電源回路は少なくとも2種類以上の交流ピーク間電圧を出力できる交流発振出力と、帯電バイアス印加時に感光体に流れる交流電流を検知する帯電交流電流検知手段と、を有し、該帯電バイアス電源回路は、電源投入時、もしくは、非画像形成時の少なくとも一部で複数の交流ピーク間電圧を印加して感光ドラムに流れる帯電交流電流を検出し、この値が、帯電交流ピーク間電圧閾値電流以上で、かつ、最小の電流値となるバイアス電圧を画像形成時の帯電バイアス電圧として使用することを特徴とした帯電バイアス電圧制御方法を用いることによって、 帯電交流電流を適正に制御することと帯電電源回路の省スペース化、低コスト化を実現できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例を説明するフローチャート
【図2】 第1実施例を説明する帯電印加シーケンスチャート
【図3】 帯電交流電流が感光ドラムの回転周期で変動する様子を説明する図
【図4】 第1実施例、比較例1〜3の評価結果を示す図
【図5】 第1実施例の画像形成装置を説明する図
【図6】 第1実施例のプリンタ動作シーケンスを説明する図
【図7】 第1実施例の帯電バイアス電源回路を説明する図
【図8】 帯電交流定電圧制御系において、交流ピーク間電圧の値と出力可能な直流電圧の関係を示した図
【図9】 第2実施例を説明するフローチャート
【図10】 第2実施例を説明する帯電印加シーケンスチャート
【図11】 第3実施例を説明するフローチャート
【図12】 第3実施例を説明する帯電印加シーケンスチャート
【図13】 帯電交流定電圧制御系において、感光ドラム使用量と感光ドラムを流れる交流電流の関係を説明する図
【図14】 従来の画像形成装置を説明する図
【図15】 従来の帯電バイアス電源回路を概念的に説明する図
【符号の説明】
1・・帯電バイアス電源回路、2・・感光ドラム(潜像担持体)、3・・接触帯電手段、4・・露光手段、5・・現像手段、6・・転写手段、7・・記録媒体(転写材)、8・・定着手段、9・・クリーニング手段、C・・プロセスカートリッジ
Claims (11)
- 少なくとも、移動可能な潜像担持体と、該潜像担持体に接触する前記潜像担持体を帯電する帯電手段と、該帯電手段に1個の電圧昇圧手段で交流電圧と直流電圧を重畳した帯電バイアス電圧を出力する帯電バイアス電源回路を有する画像形成装置の帯電バイアス電圧制御方法であって、
該帯電バイアス電源回路は、非画像形成時の一部で、少なくとも2種類のピーク間電圧を備える交流電圧を前記帯電手段に印加し、該交流電圧が前記帯電手段に印加されたときに、前記潜像担持体に流れる交流電流を検出し、
検出した交流電流のうち、あらかじめ設定されている基準電流以上で、かつ、最も小さな交流電流が検出された前記交流電圧のピーク間電圧を、画像形成時に使用される交流電圧のピーク間電圧に決定し、
あらかじめ設定された基準電流以上で、かつ、最も小さな交流電流が検出された交流ピーク間電圧を画像形成時に使用される帯電バイアス電圧に選択し、
前記非画像形成時の一部で印加される、前記少なくとも2種類の交流ピーク間電圧は、その各々が前記潜像担持体が1回転する時間以上印加されることを特徴とする帯電バイアス電圧制御方法。 - 前記非画像形成時の一部は、前記画像形成装置の電源投入時の初期回転時の一部であることを特徴とする請求項1に記載の帯電バイアス電圧制御方法。
- 少なくとも、移動可能な潜像担持体と、該潜像担持体に接触する前記潜像担持体を帯電する帯電手段と、該帯電手段に1個の電圧昇圧手段で交流電圧と直流電圧を重畳した帯電バイアス電圧を出力する帯電バイアス電源回路を有する画像形成装置の帯電バイアス電圧制御方法であって、
該帯電バイアス電源回路は、非画像形成時の一部で、少なくとも2種類のピーク間電圧を備える交流電圧を前記帯電手段に印加し、該交流電圧が前記帯電手段に印加されたときに、前記潜像担持体に流れる交流電流を検出し、
検出した交流電流のうち、あらかじめ設定されている基準電流以上で、かつ、最も小さな交流電流が検出された前記交流電圧のピーク間電圧を、画像形成時に使用される交流電圧のピーク間電圧に決定する電圧制御方法であり、
印加される複数の交流電圧のピーク間電圧VppをそれぞれVpp−1、Vpp−2、・・・、Vpp−n(Vpp−1>Vpp−2>・・・>Vpp−n>・・・)としたときに、画像形成時の交流電圧のピーク間電圧がVpp−nのとき、非画像形成時の少なくとも一部で、画像形成時の帯電バイアス電圧よりも一段階低い交流電圧のピーク間電圧Vpp−(n+1)を印加して交流電流を検出し、この検出された電流が前記基準電流以上となった場合に、交流電圧のピーク間電圧をVpp−(n+1)に切り替えることを行い、前記非画像形成時の一部で印加される画像形成時よりも一段階低い前記交流電圧のピーク間電圧Vpp−(n+1)は、前記潜像担持体が1回転する時間以上印加されることを特徴とする帯電バイアス電圧制御方法。 - 非画像形成時の一部で印加される画像形成時よりも一段階低い交流電圧のピーク間電圧Vpp−(n+1)は、画像形成直前の前回転工程の一部で印加されること、を特徴とする請求項3に記載の帯電バイアス電圧制御方法。
- 少なくとも、移動可能な潜像担持体と、該潜像担持体に接触する前記潜像担持体を帯電する帯電手段と、該帯電手段に1個の電圧昇圧手段で交流電圧と直流電圧を重畳した帯電バイアス電圧を出力する帯電バイアス電源回路とを有する画像形成装置あって、
該帯電バイアス電源回路は、非画像形成時の一部で、少なくとも2種類のピーク間電圧を備える交流電圧を前記帯電手段に印加し、該交流電圧が前記帯電手段に印加されたときに、前記潜像担持体に流れる交流電流を検出し、
検出した交流電流のうち、あらかじめ設定されている基準電流以上で、かつ、最も小さな交流電流が検出された前記交流電圧のピーク間電圧を、画像形成時に使用される交流電圧のピーク間電圧に決定し、
あらかじめ設定された基準電流以上で、かつ、最も小さな交流電流が検出された交流ピーク間電圧を画像形成時に使用される帯電バイアス電圧に選択し、
前記非画像形成時の一部で印加される、前記少なくとも2種類の交流ピーク間電圧は、その各々が前記潜像担持体が1回転する時間以上印加されることを特徴とする画像形成装置。 - 前記非画像形成時の一部は、前記画像形成装置の電源投入時の初期回転時の一部であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
- 少なくとも、移動可能な潜像担持体と、該潜像担持体に接触する前記潜像担持体を帯電する帯電手段と、該帯電手段に1個の電圧昇圧手段で交流電圧と直流電圧を重畳した帯電バイアス電圧を出力する帯電バイアス電源回路とを有する画像形成装置であって、
該帯電バイアス電源回路は、非画像形成時の一部で、少なくとも2種類のピーク間電圧を備える交流電圧を前記帯電手段に印加し、該交流電圧が前記帯電手段に印加されたときに、前記潜像担持体に流れる交流電流を検出し、
検出した交流電流のうち、あらかじめ設定されている基準電流以上で、かつ、最も小さな交流電流が検出された前記交流電圧のピーク間電圧を、画像形成時に使用される交流電圧のピーク間電圧に決定する電圧制御方法であり、
印加される複数の交流電圧のピーク間電圧VppをそれぞれVpp−1、Vpp−2、・・・、Vpp−n(Vpp−1>Vpp−2>・・・>Vpp−n>・・・)としたときに、画像形成時の交流電圧のピーク間電圧がVpp−nのとき、非画像形成時の少なくとも一部で、画像形成時の帯電バイアス電圧よりも一段階低い交流電圧のピーク間電圧Vpp−(n+1)を印加して交流電流を検出し、この検出された電流が前記基準電流以上となった場合に、交流電圧のピーク間電圧をVpp−(n+1)に切り替えることを行い、前記非画像形成時の一部で印加される画像形成時よりも一段階低い前記交流電圧のピーク間電圧Vpp−(n+1)は、前記潜像担持体が1回転する時間以上印加されることを特徴とする画像形成装置。 - 非画像形成時の一部で印加される画像形成時よりも一段階低い前記交流電圧のピーク間電圧Vpp−(n+1)は、画像形成直前の前回転工程の一部で印加されること、を特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
- 前記帯電手段に印加される最小の交流電圧のピーク間電圧Vpp−minと、前記帯電手段に印加される直流電圧Vdcとの間の関係が、Vpp−min/2≧|Vdc|であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の帯電バイアス電圧制御方法を用いた帯電バイアス電源回路。
- 交流電圧の最大のピーク間電圧Vpp−maxを前記帯電手段に印加したときに検出される交流電流値Iac−maxと、あらかじめ設定された基準電流Iac−0との関係が、Iac−max≧Iac−0であることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の帯電バイアス電圧制御方法を用いた帯電バイアス電源回路。
- 請求項9、または10に記載の帯電バイアス電源回路を有することを特徴とした画像形成装置。
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