JP3890440B2 - 電解水生成装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原水を電解することによりアルカリ性ないし酸性の電解水を連続的に生成する電解水生成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、安全でおいしくしかも健康に良いと考えられる水が求められている。このような水として、水道水のような原水を電解して得られる弱アルカリ性の電解水が注目され、一般家庭や料理店などに電解水生成装置が普及し始めている。電解水生成装置は原水を電解することによって、アルカリ性ないし酸性の水を生成するものである。弱アルカリ性の電解水(以下では、アルカリイオン水という)は飲用にすれば胃酸を押さえる制酸の効果が得られ、また料理用に用いると食品を膨潤させる効果が得られる。ここで、膨潤とは、野菜の組織が軟化し細胞間を結合しているペクチン質の分解が促進されやわらかくなることを意味する。pH値が5.0〜6.0程度の弱酸性の電解水(以下では、酸性イオン水という)はアストリンゼン効果(収斂作用)があるから化粧用に用いることが可能である。さらに、pH値が3〜4程度の強酸性の電解水は飲用や料理用に用いることはできないが、まな板やふきんの洗浄殺菌用や茶渋落としに利用することができ、しかも、このような酸性度の高い水(以下では、強酸性水という)は数日間放置しておけば強酸性水中の水素イオンが空気中の酸素と結合して中和され酸性を呈さなくなるから、環境汚染がほとんど生じないものである。さらに、強アルカリ性の電解水(以下では、強アルカリ性水という)を生成することも可能である。
【0003】
電解水生成装置としては、図14に示すような構成のものがある。図では電解水生成装置のうちで説明に必要な要部のみを示しているが、実際には、水道水(市水)などの原水を浄化する浄水装置を備える。また、上述した電解水のうちのどのようなものを生成するかに応じて電解質を原水に添加するための電解質供給装置が必要に応じて設けられる。図の構成では、電解によって原水をアルカリ性水と酸性水とに分離する電解槽10と、電解槽10において分離されたアルカリ性水と酸性水との水質を測定する水質測定装置30とを備える。また、電解槽10の流出口15A,15Bには4ポート2位置切換弁よりなる流路切換弁54が設けられ、流路切換弁54の一方の出力ポートには水質測定装置30を介して吐出管51が連通し、流路切換弁54の他方の出力ポートには吐出管52が接続される。
【0004】
電解槽10の内部は、イオンが通過可能な電解隔膜11により2つの電極室12A,12Bに仕切られる。各電極室12A,12Bにはそれぞれ電極13A,13Bが配設される。各電極室12A,12Bの流入口14A,14Bには同じ水を導入する場合と、一方の流入口14Aにのみ電解質を添加した水を導入する場合とがある。また、後述する逆電洗浄処理後に、電解槽10の内部の水は流入口14Aから電磁弁よりなる排水弁24を介して吐出管52より排出される。
【0005】
ここにおいて、吐出管51は電解槽10よりも上方に吐出口を有し、吐出管52は電解槽10よりも下方に吐出口を有している。つまり、通常は吐出管51を通して吐出される水を利用に供し、吐出管52を通して吐出される水は捨てたり飲用や料理用ではないような用途に利用することになる。
吐出管51を通してアルカリ性水を吐出させる場合には、電極13Aが正極となり電極13Bが負極となるように両電極13A,13Bの間に電圧を印加し、また流路切換弁54は電解槽10の流出口15Bが水質測定装置30に連通するように設定する。つまり、図14に実線の矢印で示すように流路切換弁54を設定する。また、吐出管51を通して酸性水を吐出させる場合には、両電極13A,13Bの間に印加する電圧の極性は変えずに流路切換弁54を切り換える。つまり、図14に破線の矢印で示すように、電解槽10の流出口15Bを吐出管52に連通させるのである。ここに、流路切換弁54はスプール弁であって直流電動機56を駆動源として駆動される。また、電極13A,13Bに印加する電圧や直流電動機56の制御には図示していないマイクロコンピュータよりなる切換制御手段が用いられる。
【0006】
ところで、上述のような構成では、電解水の生成を継続していると、電極13A,13Bにカルシウム化合物が付着する。これは、原水には炭酸水素カルシウムや硫酸カルシウムのようなカルシウム化合物が含まれており、電解を長く継続するとこれらのカルシウム化合物がスケールとして電極13A,13Bに付着するからである。この種のカルシウム化合物は絶縁性を有しているから、スケールが溜まってくると電極13A,13Bの間に電流が流れにくくなり、電解が妨げられることになる。とくに、アルカリイオン水を利用する場合には、日本人の食生活に不足していると言われているカルシウムを添加することが多く、その目的のために電解質供給装置によって乳酸カルシウムのようなカルシウム化合物を添加した後に電解することが考えられている。このようにカルシウム化合物を添加すると、電極13A,13Bにはスケールが形成されやすくなる。
【0007】
そこで、電極13A,13Bに付着したスケールを除去するために、電解槽10への通水を停止した後に、両電極13A,13Bに印加する電圧の極性を逆転させ、電極13A,13Bや電解隔膜11に付着しているスケールを溶解して除去することが考えられている(この処理を以下では逆電洗浄処理という)。また、このようにしてスケールの溶解した水は排水弁24を開放することによって吐出管52から外部に放出される。ここで、通水の停止後に排水弁24を開くのは、電解槽10への通水が停止した後には電解槽10から水を抜いておかなければ残留水に雑菌が繁殖するからでもあり、排水弁24を開くことはスケールの溶解した水を排出し、かつ残留水を排水することになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した電解水生成装置では、アルカリイオン水を吐出管51を通して吐出させるから、電解水の誤用が生じないように、吐出管51と吐出管52との吐出口は充分に離して位置させてある。つまり、電解水生成装置のハウジング1の下部から吐出管52を引き出すようにして、吐出管52を通る水を利用しにくくしてある。このため、吐出管52の吐出口は電解槽10よりも低く位置することになる。また、吐出管51は吐出口が電解槽10よりも高く位置することが多い。
【0009】
吐出管51と吐出管52との吐出口は上述のような位置関係であるから、電解槽10への通水を停止すると、吐出管51に残留する水が電解槽10に戻り、電解槽10の残留水が吐出管52から排出されることになる。このことにより、サイホン現象が生じて電解槽10の残留水の一部が吐出管52から排出されることになる。残留水の排出は電解槽10の中の残留水の液面が電解槽10の中での吐出管52の開放端の高さ位置に下がるまで続き、吐出管52と電極13A,13Bとの位置関係によっては、残留水の減少によって電極13A,13Bの一部や電解隔膜11の一部が空気中に露出することになる。スケールの付着した電極13A,13Bや電解隔膜11が空気中に露出すると、スケールに含まれるカルシウムイオンと空気中の炭酸ガスと結合して炭酸カルシウムが生成される。炭酸カルシウムは溶解度が低くイオン化しにくいから逆電洗浄処理では除去するのが難しい。
【0010】
したがって、電極13A,13Bや電解隔膜11に付着した炭酸カルシウムは、電解槽10にクエン酸を入れることによって除去したり、ブラシでこすって除去しているのが現状である。とくに、炭酸カルシウムの付着量が多くなるとクエン酸でも除去するのは難しく、ブラシでこすることによってしか除去することができなくなる。
【0011】
そこで、通水を停止したときに電極13A,13Bに逆電圧を印加した後に排水弁24を開放するまでは、吐出管52から外部に水を排出させず電解槽10の残留水を減少させないように、抵抗弁58を吐出管52の中間部に設けることが考えられている。抵抗弁58は、弁体をばね付勢したものであって、通水時に抵抗弁58のばね圧以上の水圧があれば吐出管52からの吐水を可能とする。一方、止水時に抵抗弁58に対して図の上方の水頭圧がばね圧以下であれば吐出管52からの吐水を阻止する。ところが、通水時の水圧がばね圧に近い場合には吐出管52から吐水しにくくなり、ばね圧のばらつきによっては吐水されずに吐出管51からアルカリ性水と酸性水とが混合されて吐出される可能性が生じる。
【0012】
しかして、このような構成を採用すると、吐出管51と吐出管52との流量比が変化することになり、電解槽10の設計が難しくなるという問題が生じる。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その主な目的は、止水時に電解槽から残留水がすぐに抜けることがないようにし、かつ各吐出管を通る電解水の流量に変化を与えないようにした電解水生成装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、電解槽内に配置した一対の電極間に電圧を印加して水を電解し、生成されたアルカリ性水と酸性水とを電解槽の上部に設けた一対の流出口から各別に流出させる電解水生成装置において、吐出口を電解槽よりも高い位置に備える第1の吐出管と、吐出口を電解槽よりも低い位置に備える第2の吐出管と、4ポート切換弁よりなり各流出口にそれぞれ入力ポートが結合されるとともに一方の出力ポートが第1の吐出管に接続され他方の出力ポートが第2の吐出管に接続された流路切換弁と、電解槽への通水の有無を検出する通水検出手段と、通水検出手段により電解槽への通水の停止が検出されると流路切換弁の両出力ポートを連通させるように流路切換弁を設定する切換制御手段とを備えるものである。この構成によれば、電解槽への通水の停止に伴って流路切換弁の両出力ポート間が連通して第1の吐出管と第2の吐出管とが連通するのであって、第1の吐出管の吐出口から作用する大気圧は電解槽内の残留水に作用せずに第2の吐出管に抜けるから、電解槽の中の残留水がサイホン現象によって抜けるのを防止することができ、結果的に電極や電解隔膜が空気に晒されず、電極や電解隔膜への炭酸カルシウムの付着を防止することができる。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、吐出口を電解槽よりも低い位置に備える第3の吐出管と、電解槽の下部と第3の吐出管との間の流路上に設けた排水弁とを備え、切換制御手段は、通水検知手段により電解槽への通水の停止が検出された後に、電解時とは逆極性の電圧を電極間に印加し、次に排水弁を開放し、さらに流路切換弁の入力ポートのうち電解時に第2の吐出管に連通していた入力ポートを第1の吐出管に連通させるように流路切換弁を設定するものである。この構成では、電解時とは逆極性の電圧を電極間に印加する逆電洗浄処理を施すことによって電極に付着したスケールを除去することができ、この間には請求項1の発明の構成によって、第1の吐出管と第2の吐出管とが連通していることにより電解槽内の残留水がサイホン現象によって流出することが防止される。また、逆電洗浄処理後には排水弁を開き、かつ流路切換弁の入力ポートのうち電解時に第2の吐出管に連通していた入力ポートを第1の吐出管に連通させるように流路切換弁を設定するから、電解槽よりも上方に吐出口を有した第1の吐出管から電解槽に大気圧を作用させて電解槽の残留水を効率よく排出することができ、電解槽に水が残留して雑菌が繁殖するのを防止することができる。
【0015】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、排水弁を開放してから所定時間の経過後に流路切換弁の入力ポートのうち電解時に第2の吐出管に連通していた入力ポートを第1の吐出管に連通させるように流路切換弁を設定するものである。この構成によれば、排水弁を開放し第3の吐出管に水の流れができた後に、流路切換弁を作動させて第1の吐出管を電解槽に連通させるから、電解槽の残留水を一層効率よく排出することができる。
【0016】
請求項4の発明は、請求項2の発明において、通水の停止が検出されてから所定時間の経過後に電極間に逆極性の電圧を印加するものである。この構成によれば、止水後に短時間の間に再び通水するような場合に、電極間にすでに逆極性の電圧が印加されているという事態を回避することができ、止水後の短時間内であれば電極間への逆電圧の印加によるスケールの除去処理が終了するのを待つことなく電解水を得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本実施形態の電解水生成装置は、図1ないし図3に示すように、電解槽10および浄水装置20を備え、水道水などの原水が浄水装置20に通水されて浄化され、浄水装置20から流出する浄水が電解槽10において電解され、アルカリ性水と酸性水とを連続的に生成するものである。ここでは原水を水道水としており、カラン60に取り付けた水路切換装置61を通して浄水装置20に水道水が導かれる。水路切換装置61は2つのポート62,63を備え、切換レバー64の操作により水道水をそのまま吐出させる状態と浄水装置20に導く状態とを切り替えることができるようになっている。
【0018】
また、電解槽10で生成された電解水の流出経路には水質を電気的に測定する水質測定装置30が配置されている。水質測定装置30としては電気化学的原理によりpH、酸化還元電位、特定のイオンのイオン濃度、残留塩素濃度を測定するものや電気伝導率を測定するものを用いることができる。ここでは、水質測定装置30としてpHセンサ31を備えるものを用いる。
【0019】
浄水装置20への原水の流路上には、サーミスタよりなる温度センサ21と、定流量弁22とが配置される。温度センサ21は流入する原水の温度を検出し、所定温度以上の湯が通水されたときには後述する制御部を介して音響的に警報を発するようにしてある。また、定流量弁22は過剰な水圧が浄水装置20以降の水路に作用するのを防止するために設けてある。浄水装置20は、活性炭(抗菌処理されている)からなる濾材と中空糸膜からなる濾材とを収めたカートリッジを内部に備え、カートリッジの交換によって濾材を交換することができるように構成されている。
【0020】
電解槽10はその内部に、電解隔膜11に囲まれた第1の電極室12Aと、電解隔膜11の外側である第2の電極室12Bとを備え、各電極室12A,12B内にはそれぞれ電極13A,13Bが配置される。また、各電極室12A,12Bは下端部にそれぞれ流入口14A,14Bを備え、また上端部にそれぞれ流出口15A,15Bを備える。電極室12Aは電極室12Bよりも容積が小さく、電極室12Aに水を流入させる流入口14Aは電解槽10の底面よりも上方に開放端を有し、電極室12Aから水を流出させる流出口15Aは電解槽10の上面よりも下方に開放端を有する。
【0021】
浄水装置20と電解槽10との間の流路上には流量センサ23と電解質供給装置40とが配置される。浄水装置20を通過した水は2系統に分流され、その一方は流入口14Aより第1の電極室12Aに導入され、他方は流入口14Bより第2の電極室12Bに導入される。また、流入口14Bへの流路は電磁弁である排水弁24を通して吐出管53に接続されている。つまり、吐出管53は基本的には使用に供されることのない不要な水を廃棄する目的で設けられている。
【0022】
電解槽10の流出口15A,15Bは、流路切換弁54を通して吐出管52および水質測定装置30に接続され、流出口15Bを吐出管52に接続するとともに流出口15Aを水質測定装置30に接続する状態と、流出口15Bを水質測定装置30に接続するとともに流出口15Aを吐出管52に接続する状態とを切り換える。水質測定装置30は吐出管51に接続され、水質測定装置30を通った電解水は吐出管51から吐出される。なお、図1ないし図3において矢印は水の流れを示し、水路における実線は水の満たされた状態、破線は水の抜けた状態を示す。
【0023】
流路切換弁54は、直流電動機を駆動源としギアボックス(直流電動機およびギアボックスはともに図示せず)に収納した適宜の歯車群よりなる動力伝達機構を介して直流電動機により駆動されるスプール弁であり4ポート切換弁を構成する。流路切換弁54は、図5、図7、図9に示すように、器体81の中にスプール82を収納したものであり、器体81の長手方向の一端部には図4、図6、図8のような枠体84が一体に設けられ、枠体84には歯車群が保持される。歯車群は、スプール82の軸に結合された大径歯車85と、大径歯車85に噛合する中径歯車86と、中径歯車86に噛合する小径歯車87とを備える。直流電動機の回転軸には出力歯車が結合され、その出力歯車が小径歯車87に噛合する。したがって、直流電動機の回転軸が回転すれば、大径歯車85が回転し、大径歯車85とスプール82との間に介在させてあるカム機構(図示せず)によりスプール82は軸方向に往復移動する。さらに、大径歯車85には磁石片88が固着され、枠体84の2箇所にはリードスイッチ89a,89bが固定されており、大径歯車85が回転するときの磁石片88の位置をリードスイッチ89a,89bで検出することによって、スプール82の位置を検出するようになっている。
【0024】
いま、図4に矢印で示すように大径歯車85を左回りに回転させるとする。このとき、スプール82が図5の右向きに移動する。こうして磁石片88がリードスイッチ89aにより検出されると直流電動機が停止するように制御され、停止位置においてスプール8は図5の位置に位置し、図に実線矢印で示す流路が形成される。この状態は電極室12Bからの電解水を水質測定装置30に通した後に吐出管51を通して吐出させる状態であって、電極室12Bではアルカリイオン水を生成する場合に対応する。このとき、吐出管52を通して強酸性水が吐出される。なお、図5、図7、図9において、符号15A′,15B′,51′,52′は、それぞれ流出口15A,15B、吐出管51,52に接続される接続管を示す。
【0025】
しかして、電解槽10への通水を停止したときには、図6に矢印で示すように大径歯車85を右回りに所定時間だけ回転させてスプール82を図7の中央に位置させる。このとき、電解槽10の流出口15A,15Bは両方の吐出管51,52に連通するので、吐出管51と吐出管52が流路切換弁54内を通じて連通することになる。ここに、吐出管51は電解槽10よりも高い位置に吐出口を有し、吐出管52は電解槽10よりも低い位置に吐出口を有しているから、電解槽10への通水を停止すると吐出管51を通して流路切換弁54に空気が入り、吐出管51、水質測定装置30、流路切換弁54、吐出管52内に残留していた水が排出される。このようにして残留していた水が排出されると、電解槽10へとつながる水がなくなるので、結果的にサイホン現象による電解槽10内の残留水の減少を防止することができる。つまり、電極13A,13Bや電解隔膜11が空気に晒されて炭酸カルシウムが付着するのを防止することができ、電極13A,13Bの間に逆極性の電圧(電解槽10の大きさなどに依存するが、たとえば40V)を印加することでスケールを容易に除去することができる(これを、逆電洗浄処理という)。
【0026】
その後に排水弁24を開き、流路切換弁54を図8に矢印で示すように大径歯車85をさらに右回りに回転させスプール82を図9の位置に設定すると、吐出管51から空気が流入し、カルシウムイオンを含む残留水を吐出管53を通して排水して電解槽10から残留水を排出することができる(これを排水処理という)。なお、吐出管53は吐出管52と兼用してもよい。
【0027】
本実施形態では、排水弁24を開いてから所定時間(たとえば2秒)後に流路切換弁54を図8、図9の位置に設定するように制御しており、排水弁24の前後に水の流れを形成した状態で流路切換弁54を上記位置に設定することにより、電解槽10の残留水を効率よく排水することができる。つまり、電解槽10の残留水を排出し、残留水に雑菌が繁殖して腐敗するのを防止する。
【0028】
上述したサーミスタ21から流路切換弁54,55までの流路上の部材はハウジング1に収納され、ハウジング1からは3本の吐出管51〜53が引き出される。ここに、吐出管51にはフレキシブルパイプを用いる。また、カラン60からの原水を取り込むためのホースもハウジング1から引き出される。
ところで、電解槽10に設けた各電極13A,13Bに印加する電圧の極性や大きさは、図10に示す制御部により制御される。この制御部は、2個の1チップマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)71A,71Bを用いて構成される。マイコン71Bには操作表示部72が接続され、操作表示部72は、アルカリ性水、酸性水の生成の選択やpHの調整などの各種操作を行なうためのスイッチ群72aと、液晶表示器および発光ダイオードよりなる表示部72bとを備える。マイコン71Bはスイッチ群72aからの指示に対応したデータをマイコン71Aに引き渡し、マイコン71Aではマイコン71Bからのデータと上述した水質測定装置30の出力と流量センサ23の出力とに基づいて、電極13A,13Bへの印加電圧の大きさや極性、流路切換弁54の切換、排水弁24の開閉などを制御する。すなわち、マイコン71Aに設けた比較部71aにおいて、水質測定装置30により測定したpHをあらかじめ設定した設定値と比較し、PWM制御を行なうスイッチング電源73をフィードバック制御することにより、pHが目標値に一致するように電極13A,13Bに印加する電圧を調節する。また、電極13A,13Bへの印加電圧の極性はリレー接点r1,r2により切り換えられる。
【0029】
一方、水質測定装置30の出力はマイコン71Aに入力された後に、そのデータがマイコン71Bに引き渡され、水質測定装置30での測定結果に対応するように表示部72bに表示される。また、流量センサ23の出力もマイコン71Aに入力され、このデータもマイコン71Bに引き渡される。しかして、マイコン71Aは流量センサ23の出力により止水を検出し、上述した逆電洗浄処理や排水処理を行ない、これらの処理が終了して非動作状態になるとマイコン71Bに指示を与えて表示部72bの表示をオフにする。ただし、カートリッジ交換や次回に通水する際に生成する電解水を示す表示のように、最小限必要な情報については表示部72bに表示させ続るようにしてもよい。
【0030】
上述のように2個のマイコン71A,71Bを用い、スイッチ群72aからの指示、あるいは流量センサ23や水質測定装置30の出力を両マイコン71A,71B間で授受するから、両マイコン71A,71Bを異なる回路基板に実装したときに、回路基板間を接続する線数を少なくすることができる。つまり、回路基板間のコネクタの個数を比較的少なくすることができ、組立作業や保守作業が容易になる。
【0031】
次に、電極13A,13Bの間の印加電圧をフィードバック制御することによりpHを目標値に保つように制御する手順について概説する。本実施形態においては、電極13A,13Bに印加する電圧VmがpHの目標値pHMに対応して設定してあり、目標値pHMを設定して通電すると図11のように、電極13A,13Bの印加電圧はまずVmに設定される。その後、pHがほぼ安定するまで(2秒間の変動値が±0.1pHになるまで)電極13A,13Bの印加電圧はVmに保たれる。こうしてpHが安定状態になると、この時点でのpH(=pHA)と目標値pHMとの偏差ΔpHを求め(実際にはpHセンサ31の出力電圧の差を用いる)、図11に示すような特性曲線に基づいて、電圧Vmに対応するpH値から偏差ΔpHだけpH値をずらしたときの印加電圧Vn(=Vm−ΔV)を求め、この電圧Vnを電極13A,13B間に印加する。このような制御を偏差ΔpHが±0.2pH以内になるまで繰り返し、以後はその電圧を維持する。
【0032】
上述のように偏差ΔpHが±0.2pH以内になった後でも流量の変動などの外乱によってpHが変動するから、偏差ΔpHが目標値pHMに対して±0.2pHの範囲を逸脱したときには、上記処理を行ない、偏差ΔpHに応じた印加電圧を求めて偏差ΔpHが±0.2pH以内に納まるまで制御を繰り返す。
このような手順でフィードバック制御を行なえば、図11に示すpH値の変化からも推察されるようにオーバーシュートが少なくなり、pHが短時間で目標値pHMに収束する。とくに、偏差ΔpHを上述のようにpH値が安定した時点で求めているから、外乱が入らなければ偏差ΔpHに基づく印加電圧の補正は1回程度で済んでしまうことになり、この点からも目標値pHMに短時間で収束させることができるのである。
【0033】
さらに、目標値pHMが異なる場合、つまりアルカリイオン水、酸性イオン水、強酸性水を得る場合では、それぞれの電解時における副反応(たとえば塩素イオンの酸化反応など)が異なり反応時間に差があるから、目標値pHM(ここでは、アルカリイオン水、酸性イオン水、強酸性水をそれぞれ生成する各状態)ごとに最適な特性曲線を用意しておき、各状態に応じて対応する特性曲線を用いてフィードバック制御する。ちなみに、図12に示す曲線イがアルカリイオン水用、ロが酸性イオン水用、ハが強酸性水用である。
【0034】
上述のように特性曲線を選択することにより、目標値pHMの変化に対するpHの立ち上がり特性を適正に制御することになり、目標値pHMがどのような値であっても、吐出する電解水のpH値を目標値pHMに迅速に収束させることができる。なお、上記した特性曲線イ、ロ、ハは、次式で近似的に表すことができる。
VpHv=A+B loge V
ただし、VpHはpHセンサ31の出力電圧、Vは電極13A,13Bに印加する電圧、A,Bは各状態毎に設定される定数である。
【0035】
また、変動が±0.1pH以内となる安定状態が10秒以上継続するときには、その電圧値とpH値とをマイコン71Aに付設したメモリ74に格納する。メモリ74に格納した値は、止水後に再び通水されたときに参照され、メモリ74に格納されている電圧値が電極13A,13Bにただちに印加される。この制御により通水を再開した後の目標値pHMへの収束時間がより短縮される。メモリ74の内容は上述した条件が満たされるたびに書き換えられる。また、メモリ74の内容を書き換える代わりに、目標値pHMごとに設定してある電圧値を書き換えるようにしてもよい。
【0036】
ところで、止水後に逆電洗浄処理(電極13A,13Bに逆極性の電圧を印加する処理)が終了した後には電解槽10内の水は排水されるから、この状態から通水を開始しても電解槽10に水が満たされてさらにpHセンサ31に至るまでには時間遅れがある。また、目標値pHMを通水途中で変更したときにも電解槽10内の水がある程度入れ替わるまでに時間がかかる。したがって、通水の開始時点や目標値pHMの変更時点の直後ではpHセンサ31の出力に変化が生じない。このような時間帯は不感帯(図11にKで示す領域)と呼ばれる。しかして、不感帯Kにおいて上記制御を行なうと、電極13A,13Bに印加した電圧に対応する電解水がpHセンサ31に達していないにもかかわらず、pHセンサ31の出力値が安定する可能性があり、このような状態で偏差ΔpHが求められると、不適切な電圧値に設定される可能性がある。このような不都合を回避するために、フィードバック制御に際しては以下の不感帯処理を行なう。
【0037】
すなわち、止水状態から通水を開始した場合は、図13に示すように、通水を開始した時点から目標値pHMに対応した電圧Vmを電極13A,13Bに印加するととともにpHセンサ31の出力を表示する。ただし、通水の開始から所定時間T1(たとえば15秒)が経過するまでは、フィードバック制御は行なわずに電圧Vmを維持する。時間T1が経過した後にpHが目標値pHMの方向に0.2変化すれば不感帯を脱出したと判断し、以後は上述したフィードバック制御を開始する。
【0038】
また、通水途中で目標値pHMを変更した場合は、変更された新たな目標値pHMに対応する電圧Vmnを電極13A,13Bに印加するとともにpHセンサ31の出力を表示する。ただし、目標値pHMの変更から所定時間T2(たとえば3秒)が経過するまでは、フィードバック制御は行なわずに電圧Vmnを維持する。時間T2が経過した後にpHが目標値pHMの方向に0.2変化すれば不感帯を脱出したと判断し、以後は上述したフィードバック制御を開始する。要するに、止水状態から通水状態に移行した場合と、通水途中で目標値pHMを変更した場合とは、不感帯として設定する時間が異なるのみであり、不感帯処理の他の手順は同様になる。
【0039】
ところで、不感帯を脱出したか否かの判断を、上述のようにpHが目標値pHMの方向に0.2だけ変化したか否かで判断するだけでは、何らかの原因でpHが0.2以上に変化しない場合にはフィードバック制御が開始されないことになる。そこで、不感帯を強制的に脱出させるための判断部を付加しておくことが望ましい。この種の判断部は、上述した時間T1,T2より長時間の時限動作を行なうタイマを用いても実現することが可能であるが、本実施形態では電解槽10への流路に通水された流量(たとえば、0.2リットル)により判断している。つまり、流量センサ23により計測された流量が所定値に達すると不感帯を強制的に脱出させてフィードバック制御を開始させるのである。この場合、フィードバック制御が開始された後にはpHが安定するか否かの判断を待たずに、フィードバック制御の開始時点でのpHセンサ31での測定値を用いて偏差ΔpHを求めればよい。
【0040】
次に、各種の電解水を生成する動作を説明する。アルカリイオン水を生成する際には、電解質供給装置40に電解質としてカルシウム剤(一般には乳酸カルシウム)を入れる。ここで、スイッチ群72aによりアルカリ性水の生成を指示すると、流量センサ23で所定流量の通過が検知された時点から電解槽10の電極13Aを正極、電極13Bを負極とするように電圧が印加される。このとき、図1、図4、図5のように、流路切換弁54は電極室12Aを吐出管52に連通させ、電極室12Bを通り水質測定装置30を通過した電解水(アルカリイオン水)を吐出管51に導く。吐出管51はハウジング1の上部から引き出されており、コップに入れるなどして飲食用に使用されることになる。また、電解質であるカルシウム剤に乳酸カルシウムを用いる場合に乳酸イオンが生じるが、酸性水とともに廃棄されるから乳酸イオンを含む水を誤って飲むことを防止できることになる。
【0041】
一方、同条件で酸性水の生成を指示すると、pHが5.0〜6.0である酸性イオン水を取り出すことを指示したことになり、電極13A、13Bの印加電圧が上記とは逆極性になる。このとき流路に変化はなく、酸性イオン水が吐出管51から取り出され、強アルカリ性水が吐出管52から吐出されることになる。このような酸性イオン水は一般には洗顔などに用いるのであるが、飲んだとしてもとくに支障はないから、洗顔などの目的で大量に使用するために吐出管51から吐出させるほうが使い勝手がよいことになる。
【0042】
まな板やふきんの殺菌などのためにpHが3.0〜4.0程度の強酸性水を得ようとするときには、電解質としてアルカリイオン水と同様のものを用いるが電極12A,12Bの印加電圧が異なる。このように強酸性水の生成を選択すると、電極13Aを正極、電極13Bを負極として電解が行なわれる。これはアルカリイオン水の生成時と同様であるが、強酸性水を得るためにアルカリ性水も塩基性が強くなるから、このアルカリ性水は飲用に適さなくなる。そこで、強酸性水が得られる条件では制御部は図3、図8、図9のように流路切換弁54を切り換えることにより電極室12Bで生成された強アルカリ性水を吐出管52から吐出させ、強酸性水を吐出管51を通して排出させる。
【0043】
なお、強酸性水を生成する際に、電極13A,13Bに上述の極性で電圧を印加しているのは、電極室12Aのほうが流量が少ないとともに容積が小さいことによってイオンの濃度を高めることができるからであって、電極室12Bで酸性水を生成する場合に比較するとpHを小さくする(つまり酸性度を高める)のが容易になる。
【0044】
ところで、カラン60を閉止したり、水路切換装置61により流路を切り換えたりすれば電解水生成装置への原水の供給は停止するから、制御部は流量センサ23の出力に基づいて止水を検知する。止水が検知されると、電極13A,13Bには電解中とは逆極性の電圧を短時間だけ印加し、電極13A,13Bに付着したスケールを除去する処理(逆電洗浄処理)を行なう。逆電洗浄処理では、電極13A,13Bに逆極性の電圧を印加する状態を所定時間継続させるのであるが、その終了直前に排水弁24を開放することによりスケールを含む排水を吐出管53を通して排水し、このことによって次回の電解水生成時にはスケールを含む排水が混入しないようにしてある。
【0045】
このような逆電洗浄処理に際して電極13A,13Bへの電圧印加時には電解槽10に水を滞留させておくことが必要である。とくに、電解時の正極側ではpHが2程度の強酸性の酸性水が残留するから、炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムなどを含むスケールを溶解させて容易に除去することが可能になる。このように止水時において電解槽10に滞留させるためにはサイホン現象による吐出管51,52からの排水を防止することが必要になる。
【0046】
そこで、上述のように、電解槽10への通水を停止したときには図2、図6、図7のように流路切換弁54を切り換えることにより、両電極室12A,12Bをともに両吐出管51,52と連通させ、サイホン現象による排水を防止できるようにしている。このようにして逆電洗浄処理に際して電解槽10に水を滞留させておくことができ、十分な洗浄効果が得られるのである。
【0047】
排水弁24を開放して排水する際には、大気を取り込んで排水できるように図1の状態になるように流路切換弁54の流路が選択される。このようにして吐出管51から大気が導入され、電解槽10から迅速に排水することができるようになる。
また、止水後に短時間で再び通水するような使用がなされることは日常的に行なわれることであって、このような場合に止水のたびに逆電洗浄処理を行なうとすれば、逆電洗浄処理の終了まで次回の通水を待たなければならないことになって使い勝手が悪くなる。そこで、逆電洗浄処理は止水直後に開始するのではなく、止水から一定時間(たとえば、30秒)を待ってから開始するようにしてある。このことにより、上記一定時間内に通水が再開されたときには逆電洗浄処理を行なうことなくただちに通水が可能になるのである。
【0048】
【発明の効果】
請求項1の発明は、電解槽内に配置した一対の電極間に電圧を印加して水を電解し、生成されたアルカリ性水と酸性水とを電解槽の上部に設けた一対の流出口から各別に流出させる電解水生成装置において、吐出口を電解槽よりも高い位置に備える第1の吐出管と、吐出口を電解槽よりも低い位置に備える第2の吐出管と、4ポート切換弁よりなり各流出口にそれぞれ入力ポートが結合されるとともに一方の出力ポートが第1の吐出管に接続され他方の出力ポートが第2の吐出管に接続された流路切換弁と、電解槽への通水の有無を検出する通水検出手段と、通水検出手段により電解槽への通水の停止が検出されると流路切換弁の両出力ポートを連通させるように流路切換弁を設定する切換制御手段とを備えるものであり、電解槽への通水の停止に伴って流路切換弁の両出力ポート間が連通して第1の吐出管と第2の吐出管とが連通するのであって、第1の吐出管の吐出口から作用する大気圧は電解槽内の残留水に作用せずに第2の吐出管に抜けるから、電解槽の中の残留水がサイホン現象によって抜けるのを防止することができ、結果的に電極や電解隔膜が空気に晒されず、電極や電解隔膜への炭酸カルシウムの付着を防止することができるという利点を有する。
請求項2の発明のように、吐出口を電解槽よりも低い位置に備える第3の吐出管と、電解槽の下部と第3の吐出管との間の流路上に設けた排水弁とを備え、切換制御手段は、通水検知手段により電解槽への通水の停止が検出された後に、電解時とは逆極性の電圧を電極間に印加し、次に排水弁を開放し、さらに流路切換弁の入力ポートのうち電解時に第2の吐出管に連通していた入力ポートを第1の吐出管に連通させるように流路切換弁を設定するものでは、電解時とは逆極性の電圧を電極間に印加する逆電洗浄処理を施すことによって電極に付着したスケールを除去することができ、この間には請求項1の発明の構成によって、第1の吐出管と第2の吐出管とが連通していることにより電解槽内の残留水がサイホン現象によって流出することが防止されるという利点がある。また、逆電洗浄処理後には排水弁を開き、かつ流路切換弁の入力ポートのうち電解時に第2の吐出管に連通していた入力ポートを第1の吐出管に連通させるように流路切換弁を設定するから、電解槽よりも上方に吐出口を有した第1の吐出管から電解槽に大気圧を作用させて電解槽の残留水を効率よく排出することができ、電解槽に水が残留して雑菌が繁殖するのを防止することができるという利点がある。
【0049】
請求項3の発明のように、排水弁を開放してから所定時間の経過後に流路切換弁の入力ポートのうち電解時に第2の吐出管に連通していた入力ポートを第1の吐出管に連通させるように流路切換弁を設定するものでは、排水弁を開放し第3の吐出管に水の流れができた後に、流路切換弁を作動させて第1の吐出管を電解槽に連通させるから、電解槽の残留水を一層効率よく排出することができるという利点がある。
【0050】
請求項4の発明のように、通水の停止が検出されてから所定時間の経過後に電極間に逆極性の電圧を印加するものでは、止水後に短時間の間に再び通水するような場合に、電極間にすでに逆極性の電圧が印加されているという事態を回避することができ、止水後の短時間内であれば電極間への逆電圧の印加によるスケールの除去処理が終了するのを待つことなく電解水を得ることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一状態を示す構成図である。
【図2】同上の他の状態を示す構成図である。
【図3】同上のさらに他の状態を示す構成図である。
【図4】同上の要部の一状態を示す一部切欠した正面図である。
【図5】同上の要部の一状態を示す構成図である。
【図6】同上の要部の他の状態を示す一部切欠した正面図である。
【図7】同上の要部の他の状態を示す構成図である。
【図8】同上の要部のさらに他の状態を示す一部切欠した正面図である。
【図9】同上の要部のさらに他の状態を示す構成図である。
【図10】同上に用いる制御部のブロック図である。
【図11】同上の動作説明図である。
【図12】同上の動作説明図である。
【図13】同上の動作説明図である。
【図14】従来例の要部の構成図である。
【符号の説明】
10 電解槽
11 電解隔膜
12A,12B 電極室
13A,13B 電極
14A,14B 流入口
15A,15B 流出口
23 流量センサ
24 排水弁
30 水質測定装置
40 電解質供給装置
51〜53 吐出管
54 流路切換弁
【発明の属する技術分野】
本発明は、原水を電解することによりアルカリ性ないし酸性の電解水を連続的に生成する電解水生成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、安全でおいしくしかも健康に良いと考えられる水が求められている。このような水として、水道水のような原水を電解して得られる弱アルカリ性の電解水が注目され、一般家庭や料理店などに電解水生成装置が普及し始めている。電解水生成装置は原水を電解することによって、アルカリ性ないし酸性の水を生成するものである。弱アルカリ性の電解水(以下では、アルカリイオン水という)は飲用にすれば胃酸を押さえる制酸の効果が得られ、また料理用に用いると食品を膨潤させる効果が得られる。ここで、膨潤とは、野菜の組織が軟化し細胞間を結合しているペクチン質の分解が促進されやわらかくなることを意味する。pH値が5.0〜6.0程度の弱酸性の電解水(以下では、酸性イオン水という)はアストリンゼン効果(収斂作用)があるから化粧用に用いることが可能である。さらに、pH値が3〜4程度の強酸性の電解水は飲用や料理用に用いることはできないが、まな板やふきんの洗浄殺菌用や茶渋落としに利用することができ、しかも、このような酸性度の高い水(以下では、強酸性水という)は数日間放置しておけば強酸性水中の水素イオンが空気中の酸素と結合して中和され酸性を呈さなくなるから、環境汚染がほとんど生じないものである。さらに、強アルカリ性の電解水(以下では、強アルカリ性水という)を生成することも可能である。
【0003】
電解水生成装置としては、図14に示すような構成のものがある。図では電解水生成装置のうちで説明に必要な要部のみを示しているが、実際には、水道水(市水)などの原水を浄化する浄水装置を備える。また、上述した電解水のうちのどのようなものを生成するかに応じて電解質を原水に添加するための電解質供給装置が必要に応じて設けられる。図の構成では、電解によって原水をアルカリ性水と酸性水とに分離する電解槽10と、電解槽10において分離されたアルカリ性水と酸性水との水質を測定する水質測定装置30とを備える。また、電解槽10の流出口15A,15Bには4ポート2位置切換弁よりなる流路切換弁54が設けられ、流路切換弁54の一方の出力ポートには水質測定装置30を介して吐出管51が連通し、流路切換弁54の他方の出力ポートには吐出管52が接続される。
【0004】
電解槽10の内部は、イオンが通過可能な電解隔膜11により2つの電極室12A,12Bに仕切られる。各電極室12A,12Bにはそれぞれ電極13A,13Bが配設される。各電極室12A,12Bの流入口14A,14Bには同じ水を導入する場合と、一方の流入口14Aにのみ電解質を添加した水を導入する場合とがある。また、後述する逆電洗浄処理後に、電解槽10の内部の水は流入口14Aから電磁弁よりなる排水弁24を介して吐出管52より排出される。
【0005】
ここにおいて、吐出管51は電解槽10よりも上方に吐出口を有し、吐出管52は電解槽10よりも下方に吐出口を有している。つまり、通常は吐出管51を通して吐出される水を利用に供し、吐出管52を通して吐出される水は捨てたり飲用や料理用ではないような用途に利用することになる。
吐出管51を通してアルカリ性水を吐出させる場合には、電極13Aが正極となり電極13Bが負極となるように両電極13A,13Bの間に電圧を印加し、また流路切換弁54は電解槽10の流出口15Bが水質測定装置30に連通するように設定する。つまり、図14に実線の矢印で示すように流路切換弁54を設定する。また、吐出管51を通して酸性水を吐出させる場合には、両電極13A,13Bの間に印加する電圧の極性は変えずに流路切換弁54を切り換える。つまり、図14に破線の矢印で示すように、電解槽10の流出口15Bを吐出管52に連通させるのである。ここに、流路切換弁54はスプール弁であって直流電動機56を駆動源として駆動される。また、電極13A,13Bに印加する電圧や直流電動機56の制御には図示していないマイクロコンピュータよりなる切換制御手段が用いられる。
【0006】
ところで、上述のような構成では、電解水の生成を継続していると、電極13A,13Bにカルシウム化合物が付着する。これは、原水には炭酸水素カルシウムや硫酸カルシウムのようなカルシウム化合物が含まれており、電解を長く継続するとこれらのカルシウム化合物がスケールとして電極13A,13Bに付着するからである。この種のカルシウム化合物は絶縁性を有しているから、スケールが溜まってくると電極13A,13Bの間に電流が流れにくくなり、電解が妨げられることになる。とくに、アルカリイオン水を利用する場合には、日本人の食生活に不足していると言われているカルシウムを添加することが多く、その目的のために電解質供給装置によって乳酸カルシウムのようなカルシウム化合物を添加した後に電解することが考えられている。このようにカルシウム化合物を添加すると、電極13A,13Bにはスケールが形成されやすくなる。
【0007】
そこで、電極13A,13Bに付着したスケールを除去するために、電解槽10への通水を停止した後に、両電極13A,13Bに印加する電圧の極性を逆転させ、電極13A,13Bや電解隔膜11に付着しているスケールを溶解して除去することが考えられている(この処理を以下では逆電洗浄処理という)。また、このようにしてスケールの溶解した水は排水弁24を開放することによって吐出管52から外部に放出される。ここで、通水の停止後に排水弁24を開くのは、電解槽10への通水が停止した後には電解槽10から水を抜いておかなければ残留水に雑菌が繁殖するからでもあり、排水弁24を開くことはスケールの溶解した水を排出し、かつ残留水を排水することになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した電解水生成装置では、アルカリイオン水を吐出管51を通して吐出させるから、電解水の誤用が生じないように、吐出管51と吐出管52との吐出口は充分に離して位置させてある。つまり、電解水生成装置のハウジング1の下部から吐出管52を引き出すようにして、吐出管52を通る水を利用しにくくしてある。このため、吐出管52の吐出口は電解槽10よりも低く位置することになる。また、吐出管51は吐出口が電解槽10よりも高く位置することが多い。
【0009】
吐出管51と吐出管52との吐出口は上述のような位置関係であるから、電解槽10への通水を停止すると、吐出管51に残留する水が電解槽10に戻り、電解槽10の残留水が吐出管52から排出されることになる。このことにより、サイホン現象が生じて電解槽10の残留水の一部が吐出管52から排出されることになる。残留水の排出は電解槽10の中の残留水の液面が電解槽10の中での吐出管52の開放端の高さ位置に下がるまで続き、吐出管52と電極13A,13Bとの位置関係によっては、残留水の減少によって電極13A,13Bの一部や電解隔膜11の一部が空気中に露出することになる。スケールの付着した電極13A,13Bや電解隔膜11が空気中に露出すると、スケールに含まれるカルシウムイオンと空気中の炭酸ガスと結合して炭酸カルシウムが生成される。炭酸カルシウムは溶解度が低くイオン化しにくいから逆電洗浄処理では除去するのが難しい。
【0010】
したがって、電極13A,13Bや電解隔膜11に付着した炭酸カルシウムは、電解槽10にクエン酸を入れることによって除去したり、ブラシでこすって除去しているのが現状である。とくに、炭酸カルシウムの付着量が多くなるとクエン酸でも除去するのは難しく、ブラシでこすることによってしか除去することができなくなる。
【0011】
そこで、通水を停止したときに電極13A,13Bに逆電圧を印加した後に排水弁24を開放するまでは、吐出管52から外部に水を排出させず電解槽10の残留水を減少させないように、抵抗弁58を吐出管52の中間部に設けることが考えられている。抵抗弁58は、弁体をばね付勢したものであって、通水時に抵抗弁58のばね圧以上の水圧があれば吐出管52からの吐水を可能とする。一方、止水時に抵抗弁58に対して図の上方の水頭圧がばね圧以下であれば吐出管52からの吐水を阻止する。ところが、通水時の水圧がばね圧に近い場合には吐出管52から吐水しにくくなり、ばね圧のばらつきによっては吐水されずに吐出管51からアルカリ性水と酸性水とが混合されて吐出される可能性が生じる。
【0012】
しかして、このような構成を採用すると、吐出管51と吐出管52との流量比が変化することになり、電解槽10の設計が難しくなるという問題が生じる。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その主な目的は、止水時に電解槽から残留水がすぐに抜けることがないようにし、かつ各吐出管を通る電解水の流量に変化を与えないようにした電解水生成装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、電解槽内に配置した一対の電極間に電圧を印加して水を電解し、生成されたアルカリ性水と酸性水とを電解槽の上部に設けた一対の流出口から各別に流出させる電解水生成装置において、吐出口を電解槽よりも高い位置に備える第1の吐出管と、吐出口を電解槽よりも低い位置に備える第2の吐出管と、4ポート切換弁よりなり各流出口にそれぞれ入力ポートが結合されるとともに一方の出力ポートが第1の吐出管に接続され他方の出力ポートが第2の吐出管に接続された流路切換弁と、電解槽への通水の有無を検出する通水検出手段と、通水検出手段により電解槽への通水の停止が検出されると流路切換弁の両出力ポートを連通させるように流路切換弁を設定する切換制御手段とを備えるものである。この構成によれば、電解槽への通水の停止に伴って流路切換弁の両出力ポート間が連通して第1の吐出管と第2の吐出管とが連通するのであって、第1の吐出管の吐出口から作用する大気圧は電解槽内の残留水に作用せずに第2の吐出管に抜けるから、電解槽の中の残留水がサイホン現象によって抜けるのを防止することができ、結果的に電極や電解隔膜が空気に晒されず、電極や電解隔膜への炭酸カルシウムの付着を防止することができる。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、吐出口を電解槽よりも低い位置に備える第3の吐出管と、電解槽の下部と第3の吐出管との間の流路上に設けた排水弁とを備え、切換制御手段は、通水検知手段により電解槽への通水の停止が検出された後に、電解時とは逆極性の電圧を電極間に印加し、次に排水弁を開放し、さらに流路切換弁の入力ポートのうち電解時に第2の吐出管に連通していた入力ポートを第1の吐出管に連通させるように流路切換弁を設定するものである。この構成では、電解時とは逆極性の電圧を電極間に印加する逆電洗浄処理を施すことによって電極に付着したスケールを除去することができ、この間には請求項1の発明の構成によって、第1の吐出管と第2の吐出管とが連通していることにより電解槽内の残留水がサイホン現象によって流出することが防止される。また、逆電洗浄処理後には排水弁を開き、かつ流路切換弁の入力ポートのうち電解時に第2の吐出管に連通していた入力ポートを第1の吐出管に連通させるように流路切換弁を設定するから、電解槽よりも上方に吐出口を有した第1の吐出管から電解槽に大気圧を作用させて電解槽の残留水を効率よく排出することができ、電解槽に水が残留して雑菌が繁殖するのを防止することができる。
【0015】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、排水弁を開放してから所定時間の経過後に流路切換弁の入力ポートのうち電解時に第2の吐出管に連通していた入力ポートを第1の吐出管に連通させるように流路切換弁を設定するものである。この構成によれば、排水弁を開放し第3の吐出管に水の流れができた後に、流路切換弁を作動させて第1の吐出管を電解槽に連通させるから、電解槽の残留水を一層効率よく排出することができる。
【0016】
請求項4の発明は、請求項2の発明において、通水の停止が検出されてから所定時間の経過後に電極間に逆極性の電圧を印加するものである。この構成によれば、止水後に短時間の間に再び通水するような場合に、電極間にすでに逆極性の電圧が印加されているという事態を回避することができ、止水後の短時間内であれば電極間への逆電圧の印加によるスケールの除去処理が終了するのを待つことなく電解水を得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本実施形態の電解水生成装置は、図1ないし図3に示すように、電解槽10および浄水装置20を備え、水道水などの原水が浄水装置20に通水されて浄化され、浄水装置20から流出する浄水が電解槽10において電解され、アルカリ性水と酸性水とを連続的に生成するものである。ここでは原水を水道水としており、カラン60に取り付けた水路切換装置61を通して浄水装置20に水道水が導かれる。水路切換装置61は2つのポート62,63を備え、切換レバー64の操作により水道水をそのまま吐出させる状態と浄水装置20に導く状態とを切り替えることができるようになっている。
【0018】
また、電解槽10で生成された電解水の流出経路には水質を電気的に測定する水質測定装置30が配置されている。水質測定装置30としては電気化学的原理によりpH、酸化還元電位、特定のイオンのイオン濃度、残留塩素濃度を測定するものや電気伝導率を測定するものを用いることができる。ここでは、水質測定装置30としてpHセンサ31を備えるものを用いる。
【0019】
浄水装置20への原水の流路上には、サーミスタよりなる温度センサ21と、定流量弁22とが配置される。温度センサ21は流入する原水の温度を検出し、所定温度以上の湯が通水されたときには後述する制御部を介して音響的に警報を発するようにしてある。また、定流量弁22は過剰な水圧が浄水装置20以降の水路に作用するのを防止するために設けてある。浄水装置20は、活性炭(抗菌処理されている)からなる濾材と中空糸膜からなる濾材とを収めたカートリッジを内部に備え、カートリッジの交換によって濾材を交換することができるように構成されている。
【0020】
電解槽10はその内部に、電解隔膜11に囲まれた第1の電極室12Aと、電解隔膜11の外側である第2の電極室12Bとを備え、各電極室12A,12B内にはそれぞれ電極13A,13Bが配置される。また、各電極室12A,12Bは下端部にそれぞれ流入口14A,14Bを備え、また上端部にそれぞれ流出口15A,15Bを備える。電極室12Aは電極室12Bよりも容積が小さく、電極室12Aに水を流入させる流入口14Aは電解槽10の底面よりも上方に開放端を有し、電極室12Aから水を流出させる流出口15Aは電解槽10の上面よりも下方に開放端を有する。
【0021】
浄水装置20と電解槽10との間の流路上には流量センサ23と電解質供給装置40とが配置される。浄水装置20を通過した水は2系統に分流され、その一方は流入口14Aより第1の電極室12Aに導入され、他方は流入口14Bより第2の電極室12Bに導入される。また、流入口14Bへの流路は電磁弁である排水弁24を通して吐出管53に接続されている。つまり、吐出管53は基本的には使用に供されることのない不要な水を廃棄する目的で設けられている。
【0022】
電解槽10の流出口15A,15Bは、流路切換弁54を通して吐出管52および水質測定装置30に接続され、流出口15Bを吐出管52に接続するとともに流出口15Aを水質測定装置30に接続する状態と、流出口15Bを水質測定装置30に接続するとともに流出口15Aを吐出管52に接続する状態とを切り換える。水質測定装置30は吐出管51に接続され、水質測定装置30を通った電解水は吐出管51から吐出される。なお、図1ないし図3において矢印は水の流れを示し、水路における実線は水の満たされた状態、破線は水の抜けた状態を示す。
【0023】
流路切換弁54は、直流電動機を駆動源としギアボックス(直流電動機およびギアボックスはともに図示せず)に収納した適宜の歯車群よりなる動力伝達機構を介して直流電動機により駆動されるスプール弁であり4ポート切換弁を構成する。流路切換弁54は、図5、図7、図9に示すように、器体81の中にスプール82を収納したものであり、器体81の長手方向の一端部には図4、図6、図8のような枠体84が一体に設けられ、枠体84には歯車群が保持される。歯車群は、スプール82の軸に結合された大径歯車85と、大径歯車85に噛合する中径歯車86と、中径歯車86に噛合する小径歯車87とを備える。直流電動機の回転軸には出力歯車が結合され、その出力歯車が小径歯車87に噛合する。したがって、直流電動機の回転軸が回転すれば、大径歯車85が回転し、大径歯車85とスプール82との間に介在させてあるカム機構(図示せず)によりスプール82は軸方向に往復移動する。さらに、大径歯車85には磁石片88が固着され、枠体84の2箇所にはリードスイッチ89a,89bが固定されており、大径歯車85が回転するときの磁石片88の位置をリードスイッチ89a,89bで検出することによって、スプール82の位置を検出するようになっている。
【0024】
いま、図4に矢印で示すように大径歯車85を左回りに回転させるとする。このとき、スプール82が図5の右向きに移動する。こうして磁石片88がリードスイッチ89aにより検出されると直流電動機が停止するように制御され、停止位置においてスプール8は図5の位置に位置し、図に実線矢印で示す流路が形成される。この状態は電極室12Bからの電解水を水質測定装置30に通した後に吐出管51を通して吐出させる状態であって、電極室12Bではアルカリイオン水を生成する場合に対応する。このとき、吐出管52を通して強酸性水が吐出される。なお、図5、図7、図9において、符号15A′,15B′,51′,52′は、それぞれ流出口15A,15B、吐出管51,52に接続される接続管を示す。
【0025】
しかして、電解槽10への通水を停止したときには、図6に矢印で示すように大径歯車85を右回りに所定時間だけ回転させてスプール82を図7の中央に位置させる。このとき、電解槽10の流出口15A,15Bは両方の吐出管51,52に連通するので、吐出管51と吐出管52が流路切換弁54内を通じて連通することになる。ここに、吐出管51は電解槽10よりも高い位置に吐出口を有し、吐出管52は電解槽10よりも低い位置に吐出口を有しているから、電解槽10への通水を停止すると吐出管51を通して流路切換弁54に空気が入り、吐出管51、水質測定装置30、流路切換弁54、吐出管52内に残留していた水が排出される。このようにして残留していた水が排出されると、電解槽10へとつながる水がなくなるので、結果的にサイホン現象による電解槽10内の残留水の減少を防止することができる。つまり、電極13A,13Bや電解隔膜11が空気に晒されて炭酸カルシウムが付着するのを防止することができ、電極13A,13Bの間に逆極性の電圧(電解槽10の大きさなどに依存するが、たとえば40V)を印加することでスケールを容易に除去することができる(これを、逆電洗浄処理という)。
【0026】
その後に排水弁24を開き、流路切換弁54を図8に矢印で示すように大径歯車85をさらに右回りに回転させスプール82を図9の位置に設定すると、吐出管51から空気が流入し、カルシウムイオンを含む残留水を吐出管53を通して排水して電解槽10から残留水を排出することができる(これを排水処理という)。なお、吐出管53は吐出管52と兼用してもよい。
【0027】
本実施形態では、排水弁24を開いてから所定時間(たとえば2秒)後に流路切換弁54を図8、図9の位置に設定するように制御しており、排水弁24の前後に水の流れを形成した状態で流路切換弁54を上記位置に設定することにより、電解槽10の残留水を効率よく排水することができる。つまり、電解槽10の残留水を排出し、残留水に雑菌が繁殖して腐敗するのを防止する。
【0028】
上述したサーミスタ21から流路切換弁54,55までの流路上の部材はハウジング1に収納され、ハウジング1からは3本の吐出管51〜53が引き出される。ここに、吐出管51にはフレキシブルパイプを用いる。また、カラン60からの原水を取り込むためのホースもハウジング1から引き出される。
ところで、電解槽10に設けた各電極13A,13Bに印加する電圧の極性や大きさは、図10に示す制御部により制御される。この制御部は、2個の1チップマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)71A,71Bを用いて構成される。マイコン71Bには操作表示部72が接続され、操作表示部72は、アルカリ性水、酸性水の生成の選択やpHの調整などの各種操作を行なうためのスイッチ群72aと、液晶表示器および発光ダイオードよりなる表示部72bとを備える。マイコン71Bはスイッチ群72aからの指示に対応したデータをマイコン71Aに引き渡し、マイコン71Aではマイコン71Bからのデータと上述した水質測定装置30の出力と流量センサ23の出力とに基づいて、電極13A,13Bへの印加電圧の大きさや極性、流路切換弁54の切換、排水弁24の開閉などを制御する。すなわち、マイコン71Aに設けた比較部71aにおいて、水質測定装置30により測定したpHをあらかじめ設定した設定値と比較し、PWM制御を行なうスイッチング電源73をフィードバック制御することにより、pHが目標値に一致するように電極13A,13Bに印加する電圧を調節する。また、電極13A,13Bへの印加電圧の極性はリレー接点r1,r2により切り換えられる。
【0029】
一方、水質測定装置30の出力はマイコン71Aに入力された後に、そのデータがマイコン71Bに引き渡され、水質測定装置30での測定結果に対応するように表示部72bに表示される。また、流量センサ23の出力もマイコン71Aに入力され、このデータもマイコン71Bに引き渡される。しかして、マイコン71Aは流量センサ23の出力により止水を検出し、上述した逆電洗浄処理や排水処理を行ない、これらの処理が終了して非動作状態になるとマイコン71Bに指示を与えて表示部72bの表示をオフにする。ただし、カートリッジ交換や次回に通水する際に生成する電解水を示す表示のように、最小限必要な情報については表示部72bに表示させ続るようにしてもよい。
【0030】
上述のように2個のマイコン71A,71Bを用い、スイッチ群72aからの指示、あるいは流量センサ23や水質測定装置30の出力を両マイコン71A,71B間で授受するから、両マイコン71A,71Bを異なる回路基板に実装したときに、回路基板間を接続する線数を少なくすることができる。つまり、回路基板間のコネクタの個数を比較的少なくすることができ、組立作業や保守作業が容易になる。
【0031】
次に、電極13A,13Bの間の印加電圧をフィードバック制御することによりpHを目標値に保つように制御する手順について概説する。本実施形態においては、電極13A,13Bに印加する電圧VmがpHの目標値pHMに対応して設定してあり、目標値pHMを設定して通電すると図11のように、電極13A,13Bの印加電圧はまずVmに設定される。その後、pHがほぼ安定するまで(2秒間の変動値が±0.1pHになるまで)電極13A,13Bの印加電圧はVmに保たれる。こうしてpHが安定状態になると、この時点でのpH(=pHA)と目標値pHMとの偏差ΔpHを求め(実際にはpHセンサ31の出力電圧の差を用いる)、図11に示すような特性曲線に基づいて、電圧Vmに対応するpH値から偏差ΔpHだけpH値をずらしたときの印加電圧Vn(=Vm−ΔV)を求め、この電圧Vnを電極13A,13B間に印加する。このような制御を偏差ΔpHが±0.2pH以内になるまで繰り返し、以後はその電圧を維持する。
【0032】
上述のように偏差ΔpHが±0.2pH以内になった後でも流量の変動などの外乱によってpHが変動するから、偏差ΔpHが目標値pHMに対して±0.2pHの範囲を逸脱したときには、上記処理を行ない、偏差ΔpHに応じた印加電圧を求めて偏差ΔpHが±0.2pH以内に納まるまで制御を繰り返す。
このような手順でフィードバック制御を行なえば、図11に示すpH値の変化からも推察されるようにオーバーシュートが少なくなり、pHが短時間で目標値pHMに収束する。とくに、偏差ΔpHを上述のようにpH値が安定した時点で求めているから、外乱が入らなければ偏差ΔpHに基づく印加電圧の補正は1回程度で済んでしまうことになり、この点からも目標値pHMに短時間で収束させることができるのである。
【0033】
さらに、目標値pHMが異なる場合、つまりアルカリイオン水、酸性イオン水、強酸性水を得る場合では、それぞれの電解時における副反応(たとえば塩素イオンの酸化反応など)が異なり反応時間に差があるから、目標値pHM(ここでは、アルカリイオン水、酸性イオン水、強酸性水をそれぞれ生成する各状態)ごとに最適な特性曲線を用意しておき、各状態に応じて対応する特性曲線を用いてフィードバック制御する。ちなみに、図12に示す曲線イがアルカリイオン水用、ロが酸性イオン水用、ハが強酸性水用である。
【0034】
上述のように特性曲線を選択することにより、目標値pHMの変化に対するpHの立ち上がり特性を適正に制御することになり、目標値pHMがどのような値であっても、吐出する電解水のpH値を目標値pHMに迅速に収束させることができる。なお、上記した特性曲線イ、ロ、ハは、次式で近似的に表すことができる。
VpHv=A+B loge V
ただし、VpHはpHセンサ31の出力電圧、Vは電極13A,13Bに印加する電圧、A,Bは各状態毎に設定される定数である。
【0035】
また、変動が±0.1pH以内となる安定状態が10秒以上継続するときには、その電圧値とpH値とをマイコン71Aに付設したメモリ74に格納する。メモリ74に格納した値は、止水後に再び通水されたときに参照され、メモリ74に格納されている電圧値が電極13A,13Bにただちに印加される。この制御により通水を再開した後の目標値pHMへの収束時間がより短縮される。メモリ74の内容は上述した条件が満たされるたびに書き換えられる。また、メモリ74の内容を書き換える代わりに、目標値pHMごとに設定してある電圧値を書き換えるようにしてもよい。
【0036】
ところで、止水後に逆電洗浄処理(電極13A,13Bに逆極性の電圧を印加する処理)が終了した後には電解槽10内の水は排水されるから、この状態から通水を開始しても電解槽10に水が満たされてさらにpHセンサ31に至るまでには時間遅れがある。また、目標値pHMを通水途中で変更したときにも電解槽10内の水がある程度入れ替わるまでに時間がかかる。したがって、通水の開始時点や目標値pHMの変更時点の直後ではpHセンサ31の出力に変化が生じない。このような時間帯は不感帯(図11にKで示す領域)と呼ばれる。しかして、不感帯Kにおいて上記制御を行なうと、電極13A,13Bに印加した電圧に対応する電解水がpHセンサ31に達していないにもかかわらず、pHセンサ31の出力値が安定する可能性があり、このような状態で偏差ΔpHが求められると、不適切な電圧値に設定される可能性がある。このような不都合を回避するために、フィードバック制御に際しては以下の不感帯処理を行なう。
【0037】
すなわち、止水状態から通水を開始した場合は、図13に示すように、通水を開始した時点から目標値pHMに対応した電圧Vmを電極13A,13Bに印加するととともにpHセンサ31の出力を表示する。ただし、通水の開始から所定時間T1(たとえば15秒)が経過するまでは、フィードバック制御は行なわずに電圧Vmを維持する。時間T1が経過した後にpHが目標値pHMの方向に0.2変化すれば不感帯を脱出したと判断し、以後は上述したフィードバック制御を開始する。
【0038】
また、通水途中で目標値pHMを変更した場合は、変更された新たな目標値pHMに対応する電圧Vmnを電極13A,13Bに印加するとともにpHセンサ31の出力を表示する。ただし、目標値pHMの変更から所定時間T2(たとえば3秒)が経過するまでは、フィードバック制御は行なわずに電圧Vmnを維持する。時間T2が経過した後にpHが目標値pHMの方向に0.2変化すれば不感帯を脱出したと判断し、以後は上述したフィードバック制御を開始する。要するに、止水状態から通水状態に移行した場合と、通水途中で目標値pHMを変更した場合とは、不感帯として設定する時間が異なるのみであり、不感帯処理の他の手順は同様になる。
【0039】
ところで、不感帯を脱出したか否かの判断を、上述のようにpHが目標値pHMの方向に0.2だけ変化したか否かで判断するだけでは、何らかの原因でpHが0.2以上に変化しない場合にはフィードバック制御が開始されないことになる。そこで、不感帯を強制的に脱出させるための判断部を付加しておくことが望ましい。この種の判断部は、上述した時間T1,T2より長時間の時限動作を行なうタイマを用いても実現することが可能であるが、本実施形態では電解槽10への流路に通水された流量(たとえば、0.2リットル)により判断している。つまり、流量センサ23により計測された流量が所定値に達すると不感帯を強制的に脱出させてフィードバック制御を開始させるのである。この場合、フィードバック制御が開始された後にはpHが安定するか否かの判断を待たずに、フィードバック制御の開始時点でのpHセンサ31での測定値を用いて偏差ΔpHを求めればよい。
【0040】
次に、各種の電解水を生成する動作を説明する。アルカリイオン水を生成する際には、電解質供給装置40に電解質としてカルシウム剤(一般には乳酸カルシウム)を入れる。ここで、スイッチ群72aによりアルカリ性水の生成を指示すると、流量センサ23で所定流量の通過が検知された時点から電解槽10の電極13Aを正極、電極13Bを負極とするように電圧が印加される。このとき、図1、図4、図5のように、流路切換弁54は電極室12Aを吐出管52に連通させ、電極室12Bを通り水質測定装置30を通過した電解水(アルカリイオン水)を吐出管51に導く。吐出管51はハウジング1の上部から引き出されており、コップに入れるなどして飲食用に使用されることになる。また、電解質であるカルシウム剤に乳酸カルシウムを用いる場合に乳酸イオンが生じるが、酸性水とともに廃棄されるから乳酸イオンを含む水を誤って飲むことを防止できることになる。
【0041】
一方、同条件で酸性水の生成を指示すると、pHが5.0〜6.0である酸性イオン水を取り出すことを指示したことになり、電極13A、13Bの印加電圧が上記とは逆極性になる。このとき流路に変化はなく、酸性イオン水が吐出管51から取り出され、強アルカリ性水が吐出管52から吐出されることになる。このような酸性イオン水は一般には洗顔などに用いるのであるが、飲んだとしてもとくに支障はないから、洗顔などの目的で大量に使用するために吐出管51から吐出させるほうが使い勝手がよいことになる。
【0042】
まな板やふきんの殺菌などのためにpHが3.0〜4.0程度の強酸性水を得ようとするときには、電解質としてアルカリイオン水と同様のものを用いるが電極12A,12Bの印加電圧が異なる。このように強酸性水の生成を選択すると、電極13Aを正極、電極13Bを負極として電解が行なわれる。これはアルカリイオン水の生成時と同様であるが、強酸性水を得るためにアルカリ性水も塩基性が強くなるから、このアルカリ性水は飲用に適さなくなる。そこで、強酸性水が得られる条件では制御部は図3、図8、図9のように流路切換弁54を切り換えることにより電極室12Bで生成された強アルカリ性水を吐出管52から吐出させ、強酸性水を吐出管51を通して排出させる。
【0043】
なお、強酸性水を生成する際に、電極13A,13Bに上述の極性で電圧を印加しているのは、電極室12Aのほうが流量が少ないとともに容積が小さいことによってイオンの濃度を高めることができるからであって、電極室12Bで酸性水を生成する場合に比較するとpHを小さくする(つまり酸性度を高める)のが容易になる。
【0044】
ところで、カラン60を閉止したり、水路切換装置61により流路を切り換えたりすれば電解水生成装置への原水の供給は停止するから、制御部は流量センサ23の出力に基づいて止水を検知する。止水が検知されると、電極13A,13Bには電解中とは逆極性の電圧を短時間だけ印加し、電極13A,13Bに付着したスケールを除去する処理(逆電洗浄処理)を行なう。逆電洗浄処理では、電極13A,13Bに逆極性の電圧を印加する状態を所定時間継続させるのであるが、その終了直前に排水弁24を開放することによりスケールを含む排水を吐出管53を通して排水し、このことによって次回の電解水生成時にはスケールを含む排水が混入しないようにしてある。
【0045】
このような逆電洗浄処理に際して電極13A,13Bへの電圧印加時には電解槽10に水を滞留させておくことが必要である。とくに、電解時の正極側ではpHが2程度の強酸性の酸性水が残留するから、炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムなどを含むスケールを溶解させて容易に除去することが可能になる。このように止水時において電解槽10に滞留させるためにはサイホン現象による吐出管51,52からの排水を防止することが必要になる。
【0046】
そこで、上述のように、電解槽10への通水を停止したときには図2、図6、図7のように流路切換弁54を切り換えることにより、両電極室12A,12Bをともに両吐出管51,52と連通させ、サイホン現象による排水を防止できるようにしている。このようにして逆電洗浄処理に際して電解槽10に水を滞留させておくことができ、十分な洗浄効果が得られるのである。
【0047】
排水弁24を開放して排水する際には、大気を取り込んで排水できるように図1の状態になるように流路切換弁54の流路が選択される。このようにして吐出管51から大気が導入され、電解槽10から迅速に排水することができるようになる。
また、止水後に短時間で再び通水するような使用がなされることは日常的に行なわれることであって、このような場合に止水のたびに逆電洗浄処理を行なうとすれば、逆電洗浄処理の終了まで次回の通水を待たなければならないことになって使い勝手が悪くなる。そこで、逆電洗浄処理は止水直後に開始するのではなく、止水から一定時間(たとえば、30秒)を待ってから開始するようにしてある。このことにより、上記一定時間内に通水が再開されたときには逆電洗浄処理を行なうことなくただちに通水が可能になるのである。
【0048】
【発明の効果】
請求項1の発明は、電解槽内に配置した一対の電極間に電圧を印加して水を電解し、生成されたアルカリ性水と酸性水とを電解槽の上部に設けた一対の流出口から各別に流出させる電解水生成装置において、吐出口を電解槽よりも高い位置に備える第1の吐出管と、吐出口を電解槽よりも低い位置に備える第2の吐出管と、4ポート切換弁よりなり各流出口にそれぞれ入力ポートが結合されるとともに一方の出力ポートが第1の吐出管に接続され他方の出力ポートが第2の吐出管に接続された流路切換弁と、電解槽への通水の有無を検出する通水検出手段と、通水検出手段により電解槽への通水の停止が検出されると流路切換弁の両出力ポートを連通させるように流路切換弁を設定する切換制御手段とを備えるものであり、電解槽への通水の停止に伴って流路切換弁の両出力ポート間が連通して第1の吐出管と第2の吐出管とが連通するのであって、第1の吐出管の吐出口から作用する大気圧は電解槽内の残留水に作用せずに第2の吐出管に抜けるから、電解槽の中の残留水がサイホン現象によって抜けるのを防止することができ、結果的に電極や電解隔膜が空気に晒されず、電極や電解隔膜への炭酸カルシウムの付着を防止することができるという利点を有する。
請求項2の発明のように、吐出口を電解槽よりも低い位置に備える第3の吐出管と、電解槽の下部と第3の吐出管との間の流路上に設けた排水弁とを備え、切換制御手段は、通水検知手段により電解槽への通水の停止が検出された後に、電解時とは逆極性の電圧を電極間に印加し、次に排水弁を開放し、さらに流路切換弁の入力ポートのうち電解時に第2の吐出管に連通していた入力ポートを第1の吐出管に連通させるように流路切換弁を設定するものでは、電解時とは逆極性の電圧を電極間に印加する逆電洗浄処理を施すことによって電極に付着したスケールを除去することができ、この間には請求項1の発明の構成によって、第1の吐出管と第2の吐出管とが連通していることにより電解槽内の残留水がサイホン現象によって流出することが防止されるという利点がある。また、逆電洗浄処理後には排水弁を開き、かつ流路切換弁の入力ポートのうち電解時に第2の吐出管に連通していた入力ポートを第1の吐出管に連通させるように流路切換弁を設定するから、電解槽よりも上方に吐出口を有した第1の吐出管から電解槽に大気圧を作用させて電解槽の残留水を効率よく排出することができ、電解槽に水が残留して雑菌が繁殖するのを防止することができるという利点がある。
【0049】
請求項3の発明のように、排水弁を開放してから所定時間の経過後に流路切換弁の入力ポートのうち電解時に第2の吐出管に連通していた入力ポートを第1の吐出管に連通させるように流路切換弁を設定するものでは、排水弁を開放し第3の吐出管に水の流れができた後に、流路切換弁を作動させて第1の吐出管を電解槽に連通させるから、電解槽の残留水を一層効率よく排出することができるという利点がある。
【0050】
請求項4の発明のように、通水の停止が検出されてから所定時間の経過後に電極間に逆極性の電圧を印加するものでは、止水後に短時間の間に再び通水するような場合に、電極間にすでに逆極性の電圧が印加されているという事態を回避することができ、止水後の短時間内であれば電極間への逆電圧の印加によるスケールの除去処理が終了するのを待つことなく電解水を得ることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一状態を示す構成図である。
【図2】同上の他の状態を示す構成図である。
【図3】同上のさらに他の状態を示す構成図である。
【図4】同上の要部の一状態を示す一部切欠した正面図である。
【図5】同上の要部の一状態を示す構成図である。
【図6】同上の要部の他の状態を示す一部切欠した正面図である。
【図7】同上の要部の他の状態を示す構成図である。
【図8】同上の要部のさらに他の状態を示す一部切欠した正面図である。
【図9】同上の要部のさらに他の状態を示す構成図である。
【図10】同上に用いる制御部のブロック図である。
【図11】同上の動作説明図である。
【図12】同上の動作説明図である。
【図13】同上の動作説明図である。
【図14】従来例の要部の構成図である。
【符号の説明】
10 電解槽
11 電解隔膜
12A,12B 電極室
13A,13B 電極
14A,14B 流入口
15A,15B 流出口
23 流量センサ
24 排水弁
30 水質測定装置
40 電解質供給装置
51〜53 吐出管
54 流路切換弁
Claims (4)
- 電解槽内に配置した一対の電極間に電圧を印加して水を電解し、生成されたアルカリ性水と酸性水とを電解槽の上部に設けた一対の流出口から各別に流出させる電解水生成装置において、吐出口を電解槽よりも高い位置に備える第1の吐出管と、吐出口を電解槽よりも低い位置に備える第2の吐出管と、4ポート切換弁よりなり各流出口にそれぞれ入力ポートが結合されるとともに一方の出力ポートが第1の吐出管に接続され他方の出力ポートが第2の吐出管に接続された流路切換弁と、電解槽への通水の有無を検出する通水検出手段と、通水検出手段により電解槽への通水の停止が検出されると流路切換弁の両出力ポートを連通させるように流路切換弁を設定する切換制御手段とを備えることを特徴とする電解水生成装置。
- 吐出口を電解槽よりも低い位置に備える第3の吐出管と、電解槽の下部と第3の吐出管との間の流路上に設けた排水弁とを備え、切換制御手段は、通水検知手段により電解槽への通水の停止が検出された後に、電解時とは逆極性の電圧を電極間に印加し、次に排水弁を開放し、さらに流路切換弁の入力ポートのうち電解時に第2の吐出管に連通していた入力ポートを第1の吐出管に連通させるように流路切換弁を設定することを特徴とする請求項1記載の電解水生成装置。
- 排水弁を開放してから所定時間の経過後に流路切換弁の入力ポートのうち電解時に第2の吐出管に連通していた入力ポートを第1の吐出管に連通させるように流路切換弁を設定することを特徴とする請求項2記載の電解水生成装置。
- 通水の停止が検出されてから所定時間の経過後に電極間に逆極性の電圧を印加することを特徴とする請求項2記載の電解水生成装置。
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