JP3876775B2 - プリンタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、サーマルヘッドによる印刷についての制御を行う印刷制御装置およびプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
感熱記録方式や熱転写方式が採用されているプリンタには、多数の発熱素子を有するサーマルヘッドが備えられている。従って、サーマルヘッドの発熱素子が選択的に通電加熱されることによって、用紙に対して所望の印刷が行われる。
【0003】
ここで、特許第3064749号には、サーマルヘッドの温度が第1の温度に達したときには印字中の頁の印字をすべて行い、当該頁の印字終了後に、サーマルヘッドの温度が第2の温度に達すれば、第1の温度以下になるまで印字を停止する印字装置に関する技術が開示されている。この印字装置では、当該頁の印字終了後にサーマルヘッドの温度が第2の温度に達した場合には、すぐには印字が再開されずに、サーマルヘッドの温度が第1の温度以下になってから印字が再開される。従って、サーマルヘッドの温度が上昇し過ぎることによって誤動作が生じるのをある程度は抑制することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この印字装置では、一旦印字が再開されると、その頁の印字は必ず最後まで行われるため、当該頁の印字中においてサーマルヘッドの温度が第2の温度に達した場合には、所望の品質が得られない状態で印字が継続して行われてしまうので、印字品質が著しく低下する場合がある。また、1頁の印字が終了した後において、サーマルヘッドの温度が第2の温度に達している場合には、エラー(印字停止状態)が検出されてしまう。従って、オペレータは、引き続き、次頁の印字を行わない場合であっても、不必要なエラー検出に煩わされることになる。
【0005】
そこで、本発明の主な目的は、印刷される画像の品質の低下を抑制することができる印刷制御装置およびプリンタを提供することである。
【0006】
また、本発明のさらなる目的は、不必要なエラーが検出されるのを防止することができる印刷制御装置およびプリンタを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1のプリンタは、バッテリから供給される電力により駆動されるプリンタであって、印刷開始直前においてサーマルヘッドの温度と第1の所定温度とを比較するための第1の比較手段と、印刷実行中において前記サーマルヘッドの温度と前記第1の所定温度よりも高い第2の所定温度とを比較するための第2の比較手段と、前記第1の比較手段により前記サーマルヘッドの温度が前記第1の所定温度よりも高いと判断された場合に、印刷開始を禁止するとともに印刷データの受信を禁止するための印刷開始禁止手段と、前記第2の比較手段により前記サーマルヘッドの温度が前記第2の所定温度よりも高いと判断された場合に、実行中の印刷を中断するための印刷中断手段とを備えた印刷制御装置と、前記サーマルヘッドと、前記サーマルヘッドの温度を検出するためのセンサとを備え、前記印刷開始禁止手段は、印刷開始指令を受信した後で、印刷データを受信する前に作動することを特徴とするものである。
【0008】
請求項1によると、第2の比較手段が印刷実行中においてサーマルヘッドの温度と第2の所定温度とを比較し、サーマルヘッドの温度が第2の所定温度よりも高くなると印刷中断手段が実行中の印刷を中断するので、サーマルヘッドの温度が第2の所定温度以上となった状態で印刷が行われることがなく、所望の印刷品質が得られない状態で印刷が継続して行われるのを防止することができる。しかも、第2の比較手段が印刷終了後には上述のような比較を行わないので、たとえサーマルヘッドの温度が印刷後に第2の所定温度を超えることがあったとしても、そのような印刷後の不必要なエラー検出にオペレータが煩わされることがなくなる。さらに、印刷開始時には、常に第1の所定温度と第2の所定温度との差分以上の温度マージンが確保されているために、一旦開始された印刷が途中で中断されるのを極力減らすことができる。
【0009】
【0010】
また、請求項1によると、印刷開始指令を受信した際において、第1の比較手段によりサーマルヘッドの温度が第1の所定温度よりも高いと判断された場合には、印刷データを受け取る前に印刷開始が禁止される。従って、特に電池・バッテリ駆動の小型プリンタにおいて、余計なメモリ占有を排除できると共に、無駄な電力の消耗を防ぐことができる。
【0011】
また、請求項2のプリンタは、前記印刷制御装置が、前記印刷開始禁止手段により印刷開始が禁止された後に、前記サーマルヘッドの温度と前記第1の所定温度とを比較するための第3の比較手段をさらに備えていることを特徴とするものである。
【0012】
請求項2によると、印刷開始が禁止された後に印刷を開始できる温度までサーマルヘッドの温度が低下するのを迅速に検出することが可能になる。
【0013】
また、請求項3のプリンタは、前記印刷制御装置が、前記第3の比較手段により前記サーマルヘッドの温度が前記第1の所定温度よりも低いと判断された場合に、前記印刷開始禁止手段により禁止された印刷を開始させる印刷開始命令を生成するための印刷禁止解除手段をさらに備えていることを特徴とするものである。
【0014】
請求項3によると、印刷開始が禁止された後に当該禁止された印刷を新たな操作を必要とすることなく迅速に開始させることができる。
【0015】
また、請求項4のプリンタは、前記印刷制御装置が、前記印刷中断手段により印刷が中断された後に、前記サーマルヘッドの温度と前記第1の所定温度とを比較するための第4の比較手段をさらに備えていることを特徴とするものである。
【0016】
請求項4によると、印刷が中断された後に印刷を再開できる温度までサーマルヘッドの温度が低下するのを迅速に検出することが可能になる。
【0017】
また、請求項5のプリンタは、前記印刷制御装置が、前記第4の比較手段により前記サーマルヘッドの温度が前記第1の所定温度よりも低いと判断された場合に、中断された印刷の再開命令を生成するための印刷再開手段をさらに備えていることを特徴とするものである。
【0018】
請求項5によると、印刷が中断された後に当該中断された印刷を新たな操作を必要とすることなく迅速に再開させることができる。
【0019】
また、請求項6のプリンタは、前記印刷制御装置が、前記印刷中断手段により印刷が中断されると、印刷用紙の排出命令を生成するための用紙排出手段と、前記印刷中断手段により印刷が中断されると、印刷データの破棄命令を生成するための印刷データ破棄手段とをさらに備えていることを特徴とするものである。
【0020】
請求項6によると、印刷が中断された際の用紙が排出されると共に印刷データが破棄されるので、特に電池・バッテリ駆動の小型プリンタにおいて、余計なメモリ占有を排除できると共に、無駄な電力の消耗を防ぐことができる。
【0021】
【0022】
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な一実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、プリンタ装置の斜視図である。図2は、プリンタ装置の側面断面図である。図3は、用紙収容部に用紙をセットした状態を示した図である。図4は、用紙分離部および印刷機構部の詳細を示した断面拡大図である。図5は、サーマルヘッド近傍の斜視図である。
【0024】
最初に、プリンタ1の概略構造を、図1〜図5を参照しながら説明する。図1に斜視図が示されるプリンタ1は感熱印字式のものであって、携帯型のパーソナルコンピュータとともに持ち歩いて使用することを想定して設計されたものである。このプリンタは平面視での大きさがA6サイズ又はA7サイズ程度とされ、かつ、厚みが略2cmあるいはそれ以下の、コンパクト性を特に強調した構成となっている。
【0025】
プリンタ1は、コンピュータに図示しないケーブルを介して接続されている。オペレータが、コンピュータ側のプログラムに対し印刷を指示すると、当該プログラムが印刷開始指令を生成し、プリンタ1は、この印刷開始指令をコンピュータから受け取って印刷動作を行うように構成されている。なお、印刷のための電力は、プリンタ1内部に備える充電式のバッテリから供給されるようになっている。
【0026】
プリンタ1の本体ケース2は、枠体3の下面を下カバー4で覆うとともに、上面の一部を上カバー5で覆って形成されている。枠体3の上面側のうち上カバー5で覆われた箇所を除いた残りの部分には、図2に示すように用紙収容部(給紙部)6が形成される。この用紙収容部6には、A6〜A7サイズのカットシート状の感熱紙(印刷媒体。以下、「用紙」と称する)7をパッケージ材8の内部に複数枚収納した用紙パッケージ9を、図3に示すようにセットできるようになっている。
【0027】
用紙収容部6の上方は蓋体10にて覆われ、この蓋体10は、図2に示すように回動自在とされる。本体ケース2側には、図示しないロック機構が設けられており、前述のように用紙収容部6に用紙パッケージ9をセットした状態で、図3に示すように蓋体10を閉じてロックできるようになっている。
【0028】
また、蓋体10の上カバー5側の端部近傍には、プリンタ1の状態を表示するための電源ランプ25、エラーランプ26などの複数のランプが設けられている。電源ランプ25は、プリンタ1の電源がオン状態である場合に点灯するものである。エラーランプ26は、後述するように、プリンタ1での印刷動作が正常に行われている場合には消灯しているが、プリンタ1での印刷動作が正常に行われなくなる(エラーが検出される)と点滅するものである。
【0029】
用紙収容部6の一側の端部には、用紙分離部11としてのピックアップローラ12および分離ブロック13等が配置されている。また、上カバー5の下方には、後に詳述する印刷機構部14としてのサーマルヘッド15、プラテンローラ16、ペーパーガイド17が配置される。
【0030】
ここで、用紙分離部11の概略構成について説明する。用紙収容部6の印刷機構部14に近い側の端部には、ピックアップローラ12と分離ブロック13とが設けられている。蓋体10の用紙収容部6側を向く内面には、押圧板18が回動自在に支持されている。この押圧板18と蓋体10との間にはコイル状の付勢バネ19が介在され、押圧板18に対し、該押圧板18を下方へ回動させる向きの付勢力を常時作用させている。
【0031】
用紙パッケージ9は、印刷面を下側へ向けながら積層された状態で内部に収納されている用紙7のうち、最も下側に位置する用紙7の下面をパッケージ材8から一部露出させた状態で、用紙収容部6にセットされる。そして、前記蓋体10を閉じてロックした際には、前述の付勢バネ19により下方へ付勢される押圧板18が、パッケージ材8を介して、用紙7の露出した部分をピックアップローラ12側へ押し付け、用紙7の下面をピックアップローラ12に接触させる。
【0032】
ピックアップローラ12に近接させて分離ブロック13が設けられ、この分離ブロック13は、ピックアップローラ12の用紙送り出し方向に対して傾斜した分離案内面13aを備えている。
【0033】
この構成でピックアップローラ12が回転駆動することにより、ピックアップローラ12に接触する最下層の用紙7に搬送力が加えられる。そして、前記分離ブロック13の分離案内面13aの分離作用とあいまって、最下層に位置する一枚の用紙7のみが分離されて送り出される。
【0034】
次に、印刷機構部14の概略構成について説明する。分離ブロック13に隣接してプラテンローラ16が回転自在に設けられ、その外周面に近接させてペーパーガイド17が配置される。図4の拡大図に示すように、このペーパーガイド17には、プラテンローラ16の外周面に沿うように、断面が横向き略「U」字状となるような凹湾曲状の摺接面17aが形成されている。ペーパーガイド17と本体ケース2との間には押圧コイルバネ20が設けられており、摺接面17aをプラテンローラ16の外周面に向けて付勢するようになっている。
【0035】
この構成において、前述の用紙分離部11で分離された用紙7は、ピックアップローラ12により搬送されて、分離ブロック13の下端と、用紙の向きをプラテンローラ16側へ向けるためのガイド板21の間を通過する。用紙7はこのガイド板21により案内され、プラテンローラ16の下面側から、プラテンローラ16とペーパーガイド17との間に送られる。そして、用紙7は、プラテンローラ16の外周面とペーパーガイド17の摺接面17aとの間で保持されつつ、プラテンローラ16の回転駆動により横向きU字状に反転されながら搬送され、印刷面を上側に向けながらプラテンローラ16の上面側に至る。
【0036】
プラテンローラ16の上面側に位置するサーマルヘッド15は、印字部たる発熱体部30と、ヘッドチップ31と、ドライバIC32と、ヒートシンク33と、サーミスタ34とを有している。ヘッドチップ31は、発熱体部30などを保持する略矩形状の部材であって、その用紙収容部6側の先端部がプラテンローラ16の上面に対応するように配置されている。発熱体部30は、用紙幅方向に沿って並べられた多数の小さな発熱素子を含んでおり、多数の発熱素子は選択的に通電加熱される。なお、発熱体部30は、ヘッドチップ31の下面において、その先端部近傍に配置されている。
【0037】
ドライバIC32は、ヘッドチップ31の下面において、発熱体部30に近接する位置に設けられており、発熱体部30と図示しないリード線によって接続されている。ドライバIC32は、後述する制御部26から供給される信号に基づいて、発熱体部30に対して所望の電流などを供給することができる。ヒートシンク33は、ヘッドチップ31の上面に設けられており、発熱体部30およびヘッドチップ31の温度が高くなった場合に、それらに蓄えられた熱を逃がすためのものである。サーミスタ34は、ヘッドチップ31の下面において、ドライバIC32に対して発熱体部30と反対側に配置されており、発熱体部30の近傍の温度(以下、「サーマルヘッド15の温度」と称する)を検出するためのものである。
【0038】
ここで、ドライバIC32およびヒートシンク33は、図5に示すように、ヘッドチップ31と同様に、略矩形状の部材であって、いずれも用紙7の搬送方向に直交する方向に伸延するように配置されている。また、ヘッドチップ31、ドライバIC32およびヒートシンク33は、いずれも印刷対象の用紙7の幅に略等しい幅を有している。また、サーミスタ34は、用紙7の搬送経路の中央部近傍に配置されている。なお、サーミスタ34の配置は、発熱体部30の近傍の温度が適正に検出される範囲で任意に変更することができる。
【0039】
サーマルヘッド15は、回動軸15aまわりに回動可能に設けられて、発熱体部30がプラテンローラ16の上面に接離可能とされている。なお、このようにサーマルヘッド15を回動自在に構成したのは、プラテンローラ16とペーパーガイド17との間で用紙7が詰まった場合におけるジャム紙除去作業において、サーマルヘッド15が作業の邪魔にならないようにするためである。
【0040】
サーマルヘッド15には、捩りコイルバネタイプのスプリング22の一端が係止されて、サーマルヘッド15の発熱体部30がプラテンローラ16上面に近接する方向の付勢力を常時加えている。この構成で、前述のように印刷面を上側に向けながらプラテンローラ16により送られてくる用紙7の上面にサーマルヘッド15の発熱体部30が接触し、この接触する箇所において用紙7に印刷がなされる。
【0041】
サーマルヘッド15は、ラインヘッド型とされ、搬送されてくる感熱型の用紙7に対し、用紙7の搬送方向に直交する方向に延びるライン毎に、任意の文字や画像を印刷することができる。一本のラインにつき印刷する際の印刷幅は、印刷対象の用紙7の幅に略等しく設定されている。このようにサーマルヘッド15を印刷ヘッドとして用いるのは、印刷媒体として感熱紙を用いることで、インクやインクリボンなどの消耗品が不要とできるほか、インクの供給のための機構などを省略でき、プリンタ1をコンパクトに構成できるからである。また、感熱紙としては、サーマルヘッド15の加熱により発色する発色層を有する感熱発色タイプのものや、加熱により穿孔される穿孔層を基材層上に積層した感熱穿孔タイプのもの等、種々のものを使用できる。
【0042】
ペーパーガイド17には、反射型の用紙センサ24が設けられて、その受光部がプラテンローラ16の周面に対向して配置されている。従って、用紙7が搬送されて、ペーパーガイド17の摺接面17aとプラテンローラ16との間を通る際は、用紙センサ24が用紙7の先頭側と末尾側の通過を検出できるようになっている。
【0043】
また、分離ブロック13には、プラテンローラ16の用紙送り出し方向に対して傾斜した排紙ガイド面13bが形成されている。この構成において、サーマルヘッド15の発熱体部30により印刷がなされた後の用紙7は、この排紙ガイド面13bにより案内されて、図1に示すように、本体ケース2の上カバー5と前記蓋体10とがなす隙間から、蓋体10の上側へ排紙される。
【0044】
次に、プリンタ1の制御系について、図6を参照して説明する。本実施の形態のプリンタ1は、上述したような印刷機構部14のほかに、制御部40を備えている。図6は、制御部の主要部についての簡易ブロック図である。
【0045】
制御部40には、図6に示すように、外部機器であるコンピュータ27と、サーマルヘッド15と、ピックアップローラ12およびプラテンローラ16(図6では「各ローラ12、16」として示されている)と、サーミスタ34と、エラーランプ26とがそれぞれ接続されている。なお、制御部40は、インターフェース部41を介してコンピュータ27と接続されている。
【0046】
制御部40には、プリンタ1に係る各種動作の制御プログラムやデータなどが格納されたROM、プリンタ1の各部の動作を制御する信号を生成するために各種演算を実行するCPU、外部機器から供給された印刷データやCPUでの演算結果などのデータを一時保管するRAMなどの部材が含まれている。これら各種部材およびソフトウェアによって、受信部42と、データ出力部43と、データ破棄部44と、エラー判断部45と、印刷開始禁止部46と、印刷中断部47と、エラー解除判断部48と、印刷禁止解除部49と、印刷再開部50と、表示制御部51とが形成されている。
【0047】
受信部42は、コンピュータ27から供給された印刷開始指令および印刷データを受信し、そして記憶する。受信部42は、印刷開始指令を受信する(このとき印刷データは受信しない)と、直ちにその旨をエラー判断部45に対して知らせる。そして、受信部42は、エラー判断部45において、印刷開始可能(エラー状態でない)と判断された場合に、コンピュータ27に対して印刷データの送信要求を供給する。その後、受信部42は、コンピュータ27から印刷データを受け取ると、それらを記憶すると共に、データ出力部43へ制御信号とともに送る。なお、後で詳述するように、印刷開始指令を受信した際に、エラー判断部45において、印刷開始可能でない(エラー状態である)と判断された場合には、当該印刷開始指令を待機させることもできる。
【0048】
データ出力部43は、受信部42から送られた制御信号に基づいて、用紙分離部11および印刷機構部14を制御する。ここで、データ出力部43は、ヘッド制御部43aおよびローラ制御部43bを有している。ヘッド制御部43aは、印刷データを印刷機構部14のサーマルヘッド15に送り、サーマルヘッド15に印刷を行わせる。ローラ制御部43bは、印刷機構部14のプラテンローラ16や用紙分離部11のピックアップローラ12を駆動用モータ(図示しない)を介して制御する。なお、ローラ制御部43bは、印刷中断部47により印刷が中断されると、印刷が中断された際の用紙を排出する排出命令を生成して、当該排出命令に基づいて、プラテンローラ16およびピックアップローラ12を制御する。
【0049】
データ破棄部44は、印刷中断部47により印刷が中断された場合に、印刷開始指令および印刷データの破棄命令を生成する。従って、この破棄命令が生成されると、受信部42に記憶された印刷開始指令および印刷データが破棄される。
【0050】
エラー判断部45は、サーミスタ34により検出されたサーマルヘッド15の温度に基づいて、プリンタ1がエラー状態であるか否かを判断する。ここで、エラー判断部45は、印刷開始温度判断部45aと、印刷実行温度判断部45bとを有している。印刷開始温度判断部45aは、コンピュータ27からの印刷開始指令を受信した後、印刷動作開始までの間に、サーマルヘッド15の温度とあらかじめ設定された再開温度(本実施の形態では55℃)との比較を行うことによって、その時点(印刷開始指令を受信した時点)において、印刷を開始することが可能であるか否かを判断する。ここで、印刷開始温度判断部45aでは、サーマルヘッド15の温度が再開温度より高い場合に、エラー状態(印刷を開始できない状態)と判断する。印刷実行温度判断部45bは、サーマルヘッド15の温度とあらかじめ設定された上限温度(本実施の形態では65℃)との比較を、印刷中においてリアルタイムで行うことによって、印刷を継続することが可能であるか否かを判断する。ここで、印刷実行温度判断部45bでは、サーマルヘッド15の温度が上限温度より高い場合に、エラー状態(印刷を継続できない状態)と判断する。
【0051】
印刷開始禁止部46は、印刷開始温度判断部45aによってエラー状態であると判断された場合に、印刷開始を禁止する。そして、印刷禁止解除部49によって、印刷開始の禁止を解除して印刷を開始させる印刷開始命令が生成されるまでは、印刷開始を禁止する状態を維持する。
【0052】
印刷中断部47は、印刷実行度判断部45bによってエラー状態であると判断された場合に、印刷を中断する(印刷が継続されるのを禁止する)。そして、印刷再開部50によって、印刷中断を解除して印刷を再開させる印刷再開命令が生成されるまでは、印刷を中断する状態を維持する。なお、本実施の形態では、印刷中断部47により印刷が中断されると、データ出力部43に対して印刷が中断された際の用紙を排出する旨の制御信号を供給すると共に、データ破棄部44に対して、印刷開始指令および印刷データの破棄命令を生成する旨の制御信号を供給する。
【0053】
エラー解除判断部48は、サーミスタ34により検出されたサーマルヘッド15の温度に基づいて、プリンタ1におけるエラー状態を解除できるが否かを判断する。ここで、エラー解除判断部48は、印刷開始温度判断部48aと、印刷実行温度判断部48bとを有している。印刷開始温度判断部48aは、サーマルヘッド15の温度と再開温度との比較を、印刷開始禁止中においてリアルタイムで行うことによって、印刷を開始することが可能であるか否かを判断する。ここで、印刷開始温度判断部48aでは、サーマルヘッド15の温度が再開温度以下である場合に、エラー状態(印刷開始の禁止状態)を解除可能と判断する。印刷実行温度判断部48bは、サーマルヘッド15の温度と上限温度との比較を、印刷中断中においてリアルタイムで行うことによって、印刷を再開することが可能であるか否かを判断する。ここで、印刷実行温度判断部48bでは、印刷開始温度判断部48aと同様に、サーマルヘッド15の温度が再開温度以下である場合に、エラー状態(印刷の中断状態)を解除可能と判断する。
【0054】
印刷禁止解除部49は、印刷開始温度判断部48aによってエラー状態を解除可能であると判断された場合に、印刷開始の禁止を解除して印刷を開始させる印刷開始命令を生成する。なお、本実施の形態では、印刷禁止解除部49により印刷開始の禁止が解除された場合に、受信部42に印刷開始指令が待機状態となっている場合には、当該印刷開始指令に基づく印刷データの送信要求がコンピュータ27に供給される。
【0055】
印刷再開部50は、印刷開始温度判断部48bによってエラー状態を解除可能であると判断された場合に、印刷中断を解除して印刷を再開させる印刷再開命令を生成する。なお、本実施の形態では、上述のとおり、印刷中断部47により印刷が中断されると、受信部42に記憶されていた印刷開始指令および印刷データが破棄されるため、新たな印刷開始指令を受信するまでは、印刷が行われないで印刷開始指令待ちの状態になる。
【0056】
表示制御部51は、プリンタ1の状態を示すためにエラーランプ26の点灯状態を制御する。なお、本実施の形態では、表示制御部51は、データ出力部43に基づくサーマルヘッド15による印刷が正常に行われている状態においては、エラーランプ26を消灯させる。一方、印刷開始禁止部46によって印刷開始が禁止された状態または印刷中断部47によって印刷が中断された状態においては、プリンタ1がエラー状態である旨を示すためにエラーランプ26を点滅させる。これによって、オペレータは、プリンタ1の状態(エラー状態であるか否か)を容易に把握することができる。
【0057】
次に、プリンタ1において印刷が行われる際の処理の流れについて、図7を参照して説明する。図7は、プリンタにおいて印刷が行われる際のフローチャートである。
【0058】
まず、ステップS101で、プリンタ1の電源が投入されると、プリンタ1はコンピュータ27からの印刷開始指令待ちの状態になる。すると、ステップS102で、電源ランプ25が点灯する。
【0059】
そして、ステップS103において、コンピュータ27からの印刷開始指令を受信したか否かが判断される。ここで、印刷開始指令を受信したと判断された場合(S103:YES)には、ステップS104に進む。一方、印刷開始指令を受信していないと判断された場合(S103:NO)には、コンピュータ27からの印刷開始指令を受信したか否かの判断が繰り返される。
【0060】
ステップS104では、印刷開始指令を受信した時点でのサーマルヘッド15の温度が再開温度以下であるか否かが判断される。ここで、再開温度以下であると判断された場合(S104:YES)には、ステップS105に進む。一方、再開温度以下でないと判断された場合(S104:NO)には、ステップS111に進む。
【0061】
ステップS105では、印刷開始指令に基づく印刷データの送信要求がコンピュータ27に供給される。そして、ステップS106で印刷データを受け取ると、ステップS107では、印刷開始指令および印刷データに基づく印刷動作が実行される。ここで、印刷動作が実行されている間は、常にサーマルヘッド15の温度が検出されており、ステップS108において、印刷動作時のサーマルヘッド15の温度が上限温度以下であるか否かがリアルタイムで判断される。ここで、上限温度以下であると判断された場合(S108:YES)には、ステップS109に進む。一方、上限温度以下でないと判断された場合(S108:NO)には、ステップS121に進む。
【0062】
そして、ステップS109では、サーマルヘッド15によって、用紙7の搬送方向に直交する方向に伸びる1ラインの印刷操作が終了する毎に、当該印刷開始指令に基づく印刷が終了であるか否かが判断される。ここで、当該印刷が終了であると判断された場合(S109:YES)には、ステップS103に戻って、上述と同様の処理が繰り返される。一方、当該印刷が終了でないと判断された場合(S109:NO)には、ステップS105に戻って、引き続き、次のラインの印刷動作が実行される。
【0063】
ここで、ステップS104で、印刷開始指令を受信した時点のサーマルヘッド15の温度が再開温度以下でないと判断されて、ステップS111に進むと、印刷動作が開始されるのが禁止される。そして、ステップS112において、印刷動作の開始が禁止されたことを示すために、エラーランプ26が点滅させられる。また、このとき、当該印刷開始指令が待機状態になる。
【0064】
ステップS113では、印刷開始禁止状態での(ステップS104における判断以降の)サーマルヘッド15の温度が再開温度以下であるか否かがリアルタイムで判断される。ここで、再開温度以下であると判断された場合(S113:YES)には、ステップS114に進む。そして、ステップS114では、印刷動作の開始の禁止が解除されたことを示すために、エラーランプ26が消灯させられる。その後、ステップS105に戻って、先に待機状態となっていた当該印刷開始指令に基づく印刷データの送信要求をコンピュータ27に供給する。一方、再開温度以下でないと判断された場合(S113:NO)には、サーマルヘッド15の温度が再開温度以下であるか否かの判断が繰り返される。
【0065】
また、ステップS108において、印刷動作時のサーマルヘッド15の温度が上限温度以下でないと判断されて、ステップS121に進むと、印刷動作が強制的に中断される。そして、ステップS122において、印刷動作が中断されたことを示すために、エラーランプ26が点滅させられる。また、このとき、印刷動作が途中で中断された用紙が排出されるとともに、当該印刷開始指令が破棄される。
【0066】
ステップS123では、印刷中断状態での(ステップS108における判断以降の)サーマルヘッド15の温度が再開温度以下であるか否かがリアルタイムで判断される。ここで、再開温度以下であると判断された場合(S123:YES)には、ステップS124に進む。そして、ステップS124では、印刷動作の中断が解除されたことを示すために、エラーランプ26が消灯させられる。その後、ステップS103に戻って、上述と同様の処理が行われる。一方、再開温度以下でないと判断された場合(S123:NO)には、サーマルヘッド15の温度が再開温度以下であるか否かの判断が繰り返される。
【0067】
次に、プリンタ1において複数頁の印刷が連続して行われる場合のサーマルヘッド15の温度の変化について、図8を参照して説明する。図8は、複数頁の印刷が連続して行われる場合のサーマルヘッドの温度の時間的変化を示す図である。なお、図8では、時間t0〜t17におけるサーマルヘッド15の温度を示す数値は図示されてないが、以下の説明では、それぞれの時間における温度はそれぞれ温度k0〜k17(時間を示す場合の添え字と同じ番号が付されている)であるとして説明する。
【0068】
ここで、本実施の形態においては、上述したように、再開温度および上限温度は、55℃、65℃とそれぞれ設定されている。なお、再開温度および上限温度は任意に変更可能であるが、適正な印刷品質が得られるようにすると共に、プリンタ1における印刷効率があまり低下しないように設定されるのが好ましい。
【0069】
図8に示すように、時間t0では、サーマルヘッド15の温度k0は再開温度以下であって、最初の印刷開始指令を受信している。なお、図8のグラフ上に示される丸印(○印)は、印刷開始指令を受信した時点を示している。ここで、サーマルヘッド15の温度k0は再開温度以下であるため、印刷動作が開始されて、サーマルヘッド15の温度が次第に上昇する。そして、時間t1において印刷動作が終了すると、サーマルヘッド15の発熱体部30が通電加熱されなくなるため、サーマルヘッド15の温度が次第に下降し始める。
【0070】
時間t2において、2番目の印刷開始指令を受信している。このときも、上述と同様に、サーマルヘッド15の温度k2は再開温度以下であるため、印刷動作が開始されて、サーマルヘッド15の温度が再び次第に上昇する。そして、時間t3において印刷動作が終了すると、サーマルヘッド15の発熱体部30が通電加熱されなくなるため、サーマルヘッド15の温度が次第に下降し始める。
【0071】
この後、時間t4、t6において、3番目および4番目の印刷開始指令をそれぞれ受信している。このときも、上述と同様に、サーマルヘッド15の温度k4、k6は再開温度以下であるため、印刷動作が開始されて、サーマルヘッド15の温度が再び次第に上昇し、その後、次第に下降する変化が繰り返される。
【0072】
ここで、4番目の印刷開始指令に基づく印刷動作が終了した時間t7でのサーマルヘッド15の温度k7は、再開温度より高くなっている。そして、サーマルヘッド15の温度は、時間t7から次第に下降しているが、5番目の印刷開始指令を受信した時間t8においても、まだ再開温度より高い状態である。そのため、時間t8において印刷動作は開始されない。従って、印刷開始指令は実行されないで、一旦待機状態となる。
【0073】
そして、時間t9になると、サーマルヘッド15の温度k9が再開温度に達するまで下降する。このように、印刷開始指令を受信した時点のサーマルヘッド15の温度が再開温度よりも高く、印刷動作を開始できない場合には、サーマルヘッド15の温度が再開温度に達するまで下降した時点で、印刷動作が自動的に開始される。
【0074】
時間t9において、5番目の印刷開始指令に基づく印刷動作が開始されると、サーマルヘッド15の温度が再び次第に上昇する。そして、時間t10において印刷動作が終了すると、サーマルヘッド15の発熱体部30が通電加熱されなくなるため、サーマルヘッド15の温度が次第に下降し始める。ここで、5番目の印刷開始指令に基づく印刷動作が終了した時間t10でのサーマルヘッド15の温度k10は、再開温度より高くなっている。
【0075】
従って、時間t11において6番目の印刷開始指令を受信しているが、上述と同様に、サーマルヘッド15の温度k6は再開温度より高い状態であるため、印刷動作が開始されないで、印刷開始指令は一旦待機状態となる。そして、時間t12において、サーマルヘッド15の温度k12が再開温度に達するまで下降した時点で、印刷動作が自動的に開始される。また、時間t14で受信した7番目の印刷開始指令についても同様に、時間15において、サーマルヘッド15の温度k15が再開温度に達するまで下降した時点で、印刷動作が自動的に開始される。
【0076】
時間t15において、7番目の印刷開始指令に基づく印刷動作が開始されると、サーマルヘッド15の温度が再び次第に上昇する。そして、時間t16において印刷動作が終了する前に上限温度よりも高くなっている。このとき、時間t16で印刷動作が強制的に終了させられる。なお、このとき、途中までしか印刷動作が行われていない用紙は排出されるとともに、当該印刷開始指令が破棄される。
【0077】
このように、時間t16において印刷動作が強制的に終了させられると、サーマルヘッド15の温度は上限温度から次第に下降する。そして、新たな印刷開始指令を、サーマルヘッド15の温度k17が再開温度に達する時間t17よりも前に(時間t16と時間17との間に)受信した場合には、当該印刷開始指令は一旦待機状態となって、サーマルヘッド15の温度が再開温度に達するまで下降した時点で、印刷動作が自動的に開始される。一方、新たな印刷開始指令を、サーマルヘッド15の温度k17が再開温度に達する時間t17よりも後に受信した場合には、すぐに印刷動作が開始される。
【0078】
以上のように、本実施の形態のプリンタ1では、エラー判断部45の印刷実行温度判断部45bが印刷実行中においてサーマルへッド15の温度と上限温度とを比較し、サーマルへッド15の温度が上限温度よりも高くなると、印刷中断部47が実行中の印刷を中断するので、サーマルへッド15の温度が上限温度より高くなった状態で印刷が行われることがなく、所望の印刷品質が得られない状態で印刷が継続して行われるのを防止することができる。しかも、印刷実行温度判断部45bが印刷終了後には上述のような比較を行わないで、印刷開始指令を受信した時点で上述のような比較が行われるため、たとえサーマルへッド15の温度が印刷後に上限温度を超えることがあったとしても、そのような印刷後の不必要なエラー検出にオペレータが煩わされることがなくなる。さらに、印刷開始時には、常に再開温度と上限温度との差分以上の温度マージンが確保されているために、一旦開始された印刷が途中で中断されるのを極力減らすことができる。
【0079】
また、印刷開始指令を受信した際において、エラー判断部45の印刷開始温度判断部45aによりサーマルヘッド15の温度が再開温度よりも高いと判断された場合には、印刷データを受け取る前に印刷開始が禁止される。従って、特に電池・バッテリ駆動の小型プリンタにおいて、余計なメモリ占有を排除できると共に、無駄な電力の消耗を防ぐことができる。
【0080】
また、印刷開始温度判断部48aは、印刷開始禁止中において、サーマルヘッド15の温度と再開温度との比較をリアルタイムで行うため、印刷開始が禁止された後に印刷を開始できる温度までサーマルヘッド15の温度が低下するのを迅速に検出することが可能になる。
【0081】
また、印刷開始禁止中において、印刷開始温度判断部48aにより、サーマルヘッド15の温度が再開温度に達するまで下降すると、印刷禁止解除部49が印刷開始の禁止を自動的に解除し、待機状態となっていた印刷開始指令に基づく印刷を開始するため、印刷開始が禁止された後に当該禁止された印刷を新たな操作を必要とすることなく迅速に開始させることができる。
【0082】
また、印刷実行温度判断部48bは、印刷中断中において、サーマルヘッド15の温度と再開温度との比較をリアルタイムで行うため、印刷が中断された後に印刷を再開できる温度までサーマルヘッド15の温度が低下するのを迅速に検出することが可能になる。
【0083】
また、印刷実行温度判断部48bにより印刷が中断されると、印刷が中断された際の用紙が排出されると共に印刷開始指令および印刷データが破棄されるので、特に電池・バッテリ駆動の小型プリンタにおいて、余計なメモリ占有を排除できると共に、無駄な電力の消耗を防ぐことができる。
【0084】
【0085】
また、上述の実施の形態では、印刷開始温度判断部48aが、印刷開始禁止中において、サーマルヘッド15の温度と再開温度との比較をリアルタイムで行う場合について説明しているが、これに限らず、印刷開始禁止中においてサーマルヘッド15の温度は検出されなくてもよい。
【0086】
また、上述の実施の形態では、印刷開始禁止中において、印刷開始温度判断部48aにより、サーマルヘッド15の温度が再開温度に達するまで下降したと判断された場合に、印刷禁止解除部49が印刷開始の禁止を自動的に解除し、待機状態となっていた印刷開始指令に基づく印刷を開始する場合について説明しているが、これに限らず、印刷開始の禁止が自動的に解除されて、当該印刷が自動的に開始されなくてもよい。
【0087】
また、上述の実施の形態では、印刷実行温度判断部48bが、印刷中断中において、サーマルヘッド15の温度と再開温度との比較をリアルタイムで行う場合について説明しているが、これに限らず、印刷中断中においてサーマルヘッド15の温度は検出されなくてもよい。
【0088】
また、上述の実施の形態では、印刷実行温度判断部48bにより印刷が中断されると、印刷が中断された際の用紙が排出されると共に印刷開始指令および印刷データが破棄される場合について説明しているが、これに限らず、印刷が中断された際に当該印刷データが待機状態とされて、印刷中断中において、印刷実行温度判断部48bにより、サーマルヘッド15の温度が再開温度に達するまで下降したと判断された場合に、印刷再開部50が印刷の中断を自動的に解除し、待機状態となっていた印刷データに基づく印刷を再開してもよい。また、印刷が中断された際に当該印刷データが待機状態とされることなく、印刷再開部50が印刷の中断を解除した場合に、改めて印刷データ要求をコンピュータ27に送信してもよい。なお、印刷が途中で中断された場合において、印刷再開部50により印刷の中断が解除されることにより当該印刷が再開されるときには、印刷中断前と印刷中断後の印刷がずれることなく適正に行われるようにするためには、印刷が中断された際の用紙の位置を記憶しておくことが好ましい。
【0089】
また、上述の実施の形態では、印刷開始禁止中において、印刷開始指令を受信すると、当該印刷開始指令が待機状態にされる場合について説明しているが、これに限らず、一旦受信した当該印刷開始指令が破棄されてもよいし、当該印刷開始指令を受け付けなくてもよい。
【0090】
また、上述の実施の形態では、プリンタ1は、その内部に充電式のバッテリを備えている場合について説明しているが、これに限らず、必ずしもバッテリは備えていなくてもよい。
【0091】
また、上述の実施の形態では、本発明に係る印刷制御装置として機能する制御部40がプリンタ1に備えられている場合について説明しているが、これに限らず、当該印刷制御装置が、プリンタに接続される外部機器であるコンピュータに備えられていてもよい。
【0092】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1によると、第2の比較手段が印刷実行中においてサーマルヘッドの温度と第2の所定温度とを比較し、サーマルヘッドの温度が第2の所定温度よりも高くなると印刷中断手段が実行中の印刷を中断するので、サーマルヘッドの温度が第2の所定温度以上となった状態で印刷が行われることがなく、所望の印刷品質が得られない状態で印刷が継続して行われるのを防止することができる。しかも、第2の比較手段が印刷終了後には上述のような比較を行わないので、たとえサーマルヘッドの温度が印刷後に第2の所定温度を超えることがあったとしても、そのような印刷後の不必要なエラー検出にオペレータが煩わされることがなくなる。さらに、印刷開始時には、常に第1の所定温度と第2の所定温度との差分以上の温度マージンが確保されているために、一旦開始された印刷が途中で中断されるのを極力減らすことができる。
【0093】
また、請求項1によると、印刷開始指令を受信した際において、第1の比較手段によりサーマルヘッドの温度が第1の所定温度よりも高いと判断された場合には、印刷データを受け取る前に印刷開始が禁止される。従って、特に電池・バッテリ駆動の小型プリンタにおいて、余計なメモリ占有を排除できると共に、無駄な電力の消耗を防ぐことができる。
【0094】
請求項2によると、印刷開始が禁止された後に印刷を開始できる温度までサーマルヘッドの温度が低下するのを迅速に検出することが可能になる。
【0095】
請求項3によると、印刷開始が禁止された後に当該禁止された印刷を新たな操作を必要とすることなく迅速に開始させることができる。
【0096】
請求項4によると、印刷が中断された後に印刷を再開できる温度までサーマルヘッドの温度が低下するのを迅速に検出することが可能になる。
【0097】
請求項5によると、印刷が中断された後に当該中断された印刷を新たな操作を必要とすることなく迅速に再開させることができる。
【0098】
請求項6によると、印刷が中断された際の用紙が排出されると共に印刷データが破棄されるので、特に電池・バッテリ駆動の小型プリンタにおいて、余計なメモリ占有を排除できると共に、無駄な電力の消耗を防ぐことができる。
【0099】
【図面の簡単な説明】
【図1】 プリンタ装置の斜視図である。
【図2】 プリンタ装置の側面断面図である。
【図3】 用紙収容部に用紙をセットした状態を示した図である。
【図4】 用紙分離部および印刷機構部の詳細を示した断面拡大図である。
【図5】 サーマルヘッド近傍の斜視図である。
【図6】 制御部の主要部についての簡易ブロック図である。
【図7】 プリンタにおいて印刷が行われる際のフローチャートである。
【図8】 複数頁の印刷が連続して行われる場合のサーマルヘッドの温度の時間的変化を示す図である。
【符号の説明】
1 プリンタ
15 サーマルヘッド(印刷ヘッド)
34 サーミスタ(センサ)
40 制御部(印刷制御装置)
43 ローラ制御部(用紙排出手段)
44 データ破棄部(印刷データ破棄手段)
45a 印刷開始温度判断部(第1の比較手段)
45b 印刷実行温度判断部(第2の比較手段)
46 印刷開始禁止部(印刷開始禁止手段)
47 印刷中断部(印刷中断手段)
48a 印刷開始温度判断部(第3の比較手段)
48b 印刷実行温度判断部(第4の比較手段)
49 印刷禁止解除部(印刷禁止解除手段)
50 印刷再開部(印刷再開手段)
Claims (6)
- バッテリから供給される電力により駆動されるプリンタであって、
印刷開始直前においてサーマルヘッドの温度と第1の所定温度とを比較するための第1の比較手段と、
印刷実行中において前記サーマルヘッドの温度と前記第1の所定温度よりも高い第2の所定温度とを比較するための第2の比較手段と、
前記第1の比較手段により前記サーマルヘッドの温度が前記第1の所定温度よりも高いと判断された場合に、印刷開始を禁止するとともに印刷データの受信を禁止するための印刷開始禁止手段と、
前記第2の比較手段により前記サーマルヘッドの温度が前記第2の所定温度よりも高いと判断された場合に、実行中の印刷を中断するための印刷中断手段とを備えた印刷制御装置と、
前記サーマルヘッドと、
前記サーマルヘッドの温度を検出するためのセンサとを備え、
前記印刷開始禁止手段は、印刷開始指令を受信した後で、印刷データを受信する前に作動することを特徴とするプリンタ。 - 前記印刷制御装置が、前記印刷開始禁止手段により印刷開始が禁止された後に、前記サーマルヘッドの温度と前記第1の所定温度とを比較するための第3の比較手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載のプリンタ。
- 前記印刷制御装置が、前記第3の比較手段により前記サーマルヘッドの温度が前記第1の所定温度よりも低いと判断された場合に、前記印刷開始禁止手段により禁止された印刷を開始させる印刷開始命令を生成するための印刷禁止解除手段をさらに備えていることを特徴とする請求項2に記載のプリンタ。
- 前記印刷制御装置が、前記印刷中断手段により印刷が中断された後に、前記サーマルヘッドの温度と前記第1の所定温度とを比較するための第4の比較手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のプリンタ。
- 前記印刷制御装置が、前記第4の比較手段により前記サーマルヘッドの温度が前記第1の所定温度よりも低いと判断された場合に、中断された印刷の再開命令を生成するための印刷再開手段をさらに備えていることを特徴とする請求項4に記載のプリンタ。
- 前記印刷制御装置が、
前記印刷中断手段により印刷が中断されると、印刷用紙の排出命令を生成するための用紙排出手段と、
前記印刷中断手段により印刷が中断されると、印刷データの破棄命令を生成するための印刷データ破棄手段とをさらに備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のプリンタ。
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