WO2004000562A1

WO2004000562A1 - 印刷制御装置及びプリンタ

Info

Publication number: WO2004000562A1
Application number: PCT/JP2003/008007
Authority: WO
Inventors: Terumasa Hoshino; Hiroshi Takami
Original assignee: Brother Kogyo Kabushiki Kaisha
Priority date: 2002-06-24
Filing date: 2003-06-24
Publication date: 2003-12-31
Also published as: AU2003243962A1; JP3876775B2; JP2004025512A

Abstract

コンピュータ２７からの印刷開始指令を受信した際に、エラー判断部４５の印刷開始温度判断部４５ａが、サーマルヘッド１５の温度と再開温度とを比較し、サーマルへッド１５の温度が再開温度以下である場合に印刷を開始し、再開温度より高い場合に印刷開始を禁止する。また、エラー判断部４５の印刷実行温度判断部４５ｂが、印刷実行中においてサーマルへッド１５の温度と上限温度とを比較し、サーマルへッド１５の温度が上限温度よりも高くなると、印刷中断部４７が実行中の印刷を中断する。

Description

明細書印刷制御装置及びプリン夕技術分野

本発明は、サーマルへッドによる印刷についての制御を行う印刷制御装置およびプリン夕に関する。背景技術

感熱記録方式や熱転写方式が採用されているプリンタには、多数の発熱素子を有するサーマルへッドが備えられている。サ一マルへッドの発熱素子が選択的に通電加熱されることによって、用紙に対して所望の印刷が行われる。

ここで、特許第 3 0 6 4 7 4 9号には、サーマルヘッドの温度が第 1の温度に達したときには印字中の頁の印字をすベて行い、当該頁の印字終了後に、サ一マルヘッドの温度が第 2の温度に達すれば、第 1の温度以下になるまで印字を停止する印字装置に関する技術が開示されている。この印字装置では、当該頁の印字終了後にサ一マルへッドの温度が第 2の温度に達した場合には、すぐには印字が再開されずに、サーマルへッドの温度が第 1の温度以下になつてから印字が再開される。従って、サーマルヘッドの温度が上昇し過ぎることによって誤動作が生じるのをある程度は抑制することができる。発明の開示

しかしながら、この印字装置では、一旦印字が再開されると、その頁の印字は必ず最後まで行われるため、当該頁の印字中においてサ一マルへッドの温度が第 2の温度に達した場合には、所望の品質が得られない状態で印字が継続して行われてしまうので、印字品質が著しく低下する場合がある。また、 1頁の印字が終了した後において、サ一マルへッドの温度が第 2の温度に達している場合には、エラ一（印字停止状態）が検出されてしまう。従って、オペレータは、引き続き、 '次頁の印字を行わない場合であっても、不必要なエラ一検出に煩わされることになる。

そこで、本発明の主な目的は、印刷される画像の品質の低下を抑制することができる印刷制御装置およびプリン夕を提供することである。

また、本発明のさらなる目的は、不必要なエラーが検出されるのを防止することができる印刷制御装置およびプリン夕を提供することである。

上記目的を達成するために、本発明によって提供される印刷制御装置は、印刷開始直前において印刷へッドの温度と第 1の所定温度とを比較するための第 1の比較手段と、印刷実行中において前記印刷へッドの温度と前記第 1の所定温度よりも高い第 2の所定温度とを比較するための第 2の比較手段と、前記第 1の比較手段により前記印刷ヘッドの温度が前記第 1の所定温度よりも高いと判断された場合に、印刷開始を禁止するための印刷開始禁止手段と、前記第 2の比較手段により前記印刷へッドの温度が前記第 2の所定温度よりも高いと判断された場合に、実行中の印刷を中断するための印刷中断手段とを備えている。

上記構成によれば、第 2の比較手段が印刷実行中において印刷へッドの温度と第 2の所定温度とを比較し、印刷ヘッドの温度が第 2の所定温度よりも高くなると印刷中断手段が実行中の印刷を中断する。したがって、印刷ヘッドの温度が第 2の所定温度以上となった状態で印刷が行われることがなく、所望の印刷品質が得られない状態で印刷が継続して行われるのを防止することができる。しかも、第 2の比較手段が印刷終了後には上述のような比較を行わないので、たとえ印刷ヘッドの温度が印刷後に第 2の所定温度を超えることがあったとしても、そのような印刷後の不必要なエラー検出にオペレータが煩わされることがなくなる。さらに、印刷開始時には、常に第 1の所定温度と第 2の所定温度との差分以上の温度マージンが確保されているために、一旦開始された印刷が途中で中断されるのを極力減らすことができる。

また、上記目的を達成するために、本発明によって提供される印刷制御装置は、外部装置とデータの送受信を行う為の入出力ィンタフエースと、印刷へッドの温度を検出する為のセンサと、前記入出力インタフェースを介して受信される印字デ一夕に基づいて印刷を行う印刷制御部と、を備える。さらに、印刷制御部は、印刷開始直前において前記センサにより検出される印刷へッドの温度と第 1の所 P T/JP2003/008007

定温度とを比較し、該比較の結果、前記印刷ヘッドの温度が前記第 1の所定温度よりも高いと判断された場合には印刷開始を禁止するよう動作し、かつ、印刷実行中において前記センサにより検出される前記印刷へッドの温度と前記第 1の所定温度よりも高い第 2の所定温度とを比較し、該比較の結果、前記印刷ヘッドの温度が前記第 2の所定温度よりも高いと判断された場合に、実行中の印刷を中断させるよう動作する。

上記構成によれば、印刷実行中において印刷へッドの温度と第 2の所定温度とを比較し、印刷へッドの温度が第 2の所定温度よりも高くなると実行中の印刷が中断される。したがって、印刷ヘッドの温度が第 2の所定温度以上となった状態で印刷が行われることがなく、所望の印刷品質が得られない状態で印刷が継続して行われるのを防止することができる。しかも、印刷制御部は、印刷終了後には上述のような比較を行わないので、たとえ印刷へッドの温度が印刷後に第 2の所定温度を超えることがあったとしても、そのような印刷後の不必要なエラ一検出にオペレータが煩わされることがなくなる。さらに、印刷開始時には、常に第 1 の所定温度と第 2の所定温度との差分以上の温度マ一ジンが確保されているために、一旦開始された印刷が途中で中断されるのを極力減らすことができる。図面の簡単な説明

図 1は、プリンタ装置の斜視図である。

図 2は、プリン夕装置の側面断面図である。

図 3は、用紙収容部に用紙をセットした状態を示した図である。

図 4は、用紙分離部および印刷機構部の詳細を示した断面拡大図である。

図 5は、サーマルヘッド近傍の斜視図である。

図 6は、制御部の主要部についての簡易プロック図である。

図 7は、プリンタにおいて印刷が行われる際のフローチャートである。

図 8は、複数頁の印刷が連続して行われる場合のサ一マルへッドの温度の時間的変化を示す図である。発明を実施するための最良の形態以下、本発明の好適な一実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。図 1は、プリン夕装置の斜視図である。図 2は、プリンタ装置の側面断面図である _t 図 3は、用紙収容部に用紙をセットした状態を示した図である。図 4は、用紙分離部および印刷機構部の詳細を示した断面拡大図である。図 5は、サ一マルへッド近傍の斜視図である。

最初に、プリンタ 1の概略構造を、図 1〜図 5を参照しながら説明する。図 1 に斜視図が示されるプリン夕 1は感熱印字式のものであって、携帯型のパ一ソナルコンピュータとともに持ち歩いて使用することを想定して設計されたものである。このプリン夕は平面視での大きさが A 6サイズ又は A 7サイズ程度の長方形状であり、かつ、厚みが略 2 c mあるいはそれ以下の、コンパクトな構成となつている。

プリン夕 1は、コンピュータに図示しないケーブルを介して接続されている。オペレータが、コンピュータ側で動作するプログラムに対し印刷を指示すると、当該プログラムが印刷開始指令を生成する。プリンタ 1は、この印刷開始指令をコンピュータから受け取って印刷動作を行うように構成されている。なお、プリンタ 1が印刷動作を行うための電力は、プリンタ 1内部に備える充電式のバッテリから供給される。

プリン夕 1は本体ケース 2を有する。本体ケース 2は、枠体 3と、枠体 3の下面を覆う下カバー 4、枠体 3の上面の一部を覆う上カバ一 5を有する。プリンタ 1において枠体 3の上側の部分のうち、上カバー 5で覆われた箇所を除いた残りの部分には、図 2に示すように用紙収容部（給紙部） 6が形成される。この用紙収容部 6には、用紙パッケージ 9 (図 3参照）が揷置される。用紙パッケージ 9 は、 A 6〜A 7サイズのカットシート状の感熱紙（印刷媒体。以下、「用紙 J と称する） 7をパッケージ材 8の内部に複数枚収納した構成となっている。

用紙収容部 6の上方は、図 2に示すように本体ケース 2に対し回動自在な蓋体 1 0にて覆われている。本体ケース 2側には、図示しないロック機構が設けられており、前述のように用紙収容部 6に用紙パッケージ 9をセットした状態で、図 3に示すように蓋体 1 0を閉じてロックできるようになつている。

また、蓋体 1 0の上カバー 5側の端部近傍には、プリンタ 1の状態を表示するための電源ランプ 2 5、エラーランプ 2 6などの複数のランプが設けられている _c 電源ランプ 2 5は、プリンタ 1の電源がオン状態である場合に点灯するものである。エラ一ランプ 2 6は、後述するように、プリンタ 1での印刷動作が正常に行われている場合には消灯しているが、プリンタ 1での印刷動作が正常に行われなくなる（エラ一が検出される）と点滅するものである。

用紙収容部 6の一側の端部には、用紙分離部 1 1 としてのピックアップローラ 1 2および分離ブロック 1 3等が配置されている。また、上カバー 5の下方には、後に詳述する印刷機構部 1 4としてのサーマルへッド 1 5、プラテンローラ 1 6、ぺ一パ一ガイド 1 7が配置される。

ここで、用紙分離部 1 1の概略構成について説明する。図 2に示すように、用紙収容部 6の印刷機構部 1 4に近い側の端部には、ピックアップローラ 1 2と分離ブロック 1 3とが設けられている。蓋体 1 0の用紙収容部 6側を向く内面には、押圧板 1 8が回動自在に支持されている。押圧板 1 8は、用紙パッケージ 9に格納された用紙 7とほぼ同一の幅を有する。この押圧板 1 8と蓋体 1 0との間にはコイル状の付勢バネ 1 9が設けられている。付勢バネ 1 9は、押圧板 1 8に対し、該押圧板 1 8を下方へ回動させる向き（押圧板 1 8を蓋体 1 0の内面から遠ざける方向）の付勢力を常時作用させている。

用紙 7は、その印字面が図中下側を向いた状態で用紙パッケージ 9内部に積層されている。用紙パッケージ 9が用紙収容部 6にセットされる際には、積層された用紙 7中最も下側に位置する用紙 7の下面がパッケージ材 8から一部露出された状態となっている。篕体 1 0を閉じてロックすると、押圧板 1 8が前述の付勢パネ 1 9により下方へ付勢される。これにより、押圧板 1 8が、パッケージ材 8 を介して、用紙 7のパッケージ材 8から露出した部分をピックアップローラ 1 2 側へ押し付け、該用紙 7の下面を該ピックアップローラ 1 2に接触させる（図 3 参照）。

ピックアップローラ 1 2に近接させて分離プロック 1 3が設けられ、この分離ブロック 1 3は、ピックアップローラ 1 2の用紙送り出し方向に対して傾斜した分離案内面 1 3 aを備えている。

この構成でピックアップローラ 1 2が回転駆動することにより、ピックアップローラ 1 2に接触する最下層の用紙 7に搬送力が加えられる。そして、この搬送力と前記分離ブロック 1 3の分離案内面 1 3 aの分離作用とがあいまって、最下層に位置する一枚の用紙 7のみが分離されて送り出される。なお、最下層の用紙は、付勢バネ 1 9により発生するピックアップローラ 1 2の搬送力が、分離案内面 1 3 aから受けるブレーキ力、さらにその上の用紙（2枚目）から受ける負の摩擦力を上まわることで搬送される。その上の用紙（2枚目）には、最下層の用" 紙から受ける正の摩擦力、その上の用紙（3枚目）から受ける負の摩擦力と分離案内面 1 3 aから受けるブレーキ力が働き、このバランスで止まり、重送しなレ次に、印刷機構部 1 4の概略構成について説明する。分離ブロック 1 3に隣接して（図 3においては、分離ブロック 1 3の右側に）プラテンローラ 1 6が回転自在に設けられ、その外周面に近接させてぺ一パ一ガイド 1 7が配置される。図 4の拡大図に示すように、このペーパーガイド 1 7には、プラテンローラ 1 6の外周面に沿うように、断面が横向き略「U」字状となるような凹湾曲状の摺接面 1 7 aが形成されている。ペーパーガイド 1 7と本体ケース 2との間には押圧コィルバネ 2 0が設けられており、摺接面 1 7 aをプラテンローラ 1 6の外周面に向けて付勢するようになっている。

この構成において、前述の用紙分離部 1 1で分離された用紙 7は、ピックアツプローラ 1 2により搬送されて、分離ブロック 1 3の下端と、用紙の向きをブラテンローラ 1 6側へ向けるためのガイド板 2 1の間を通過する。用紙 7はこのガイド板 2 1により案内され、プラテンローラ 1 6の下面側から、プラテンローラ 1 6とペーパーガイド 1 7との間に送られる。そして、用紙 7は、プラテンローラ 1 6の外周面とペーパーガイド 1 7の摺接面 1 7 aとの間で保持されつつ、プラテンローラ 1 6の回転駆動により横向き U字状に反転されながら搬送され、印刷面を上側に向けながらプラテンローラ 1 6の上面側に至る。

プラテンローラ 1 6の上面側に位置するサ一マルヘッド 1 5は、印字部たる発熱体部 3 0と、へッドチップ 3 1 と、ドライバ I C 3 2と、ヒートシンク 3 3と、サーミスタ 3 4とを有している。ヘッドチップ 3 1は、発熱体部 3 0などを保持する略矩形状の部材である。ヘッドチップ 3 1は、その用紙収容部 6側の先端部がプラテンローラ 1 6の上面に対応するように配置されている。発熱体部 3 0は、小さな発熱素子が用紙幅方向（図 4の紙面に直交する方向）に沿って多数並べられたライン型の構成となっている。発熱体部 3 0の多数の発熱素子は選択的に通電加熱される。なお、発熱体部 3 0は、ヘッドチップ 3 1の下面において、ブラテンローラ 1 6側の先端部近傍に配置されている。

ドライバ I C 3 2は、ヘッドチップ 3 1の下面において、発熱体部 3 0に近接する位置に設けられており、図示しないリ一ド線によって発熱体部 3 0と接続されている。ドライバ I C 3 2は、後述する制御部 2 6から供給される信号に基づいて、発熱体部 3 0に対して所望の電流などを供給することができる。ヒートシンク 3 3は、ヘッドチップ 3 1の上面に設けられている。ヒートシンク 3 3は、発熱体部 3 0およびヘッドチップ 3 1の温度が高くなつた場合に、それらに蓄えられた熱を逃がすためのものである。サ一ミス夕 3 4は、ヘッドチップ 3 1の下面において、ドライノ I C 3 2に対して発熱体部 3 0と反対側に配置されており、発熱体部 3 0の近傍の温度（以下、「サ一マルヘッド 1 5の温度」と称する）を検出するためのものである。

ここで、ドライバ I C 3 2およびヒートシンク 3 3は、図 5に示すように、へッドチップ 3 1 と同様に、略矩形状の部材であって、いずれも用紙 7の搬送方向に直交する方向に伸延するように配置されている。また、ヘッドチップ 3 1、ドライバ I C 3 2およびヒートシンク 3 3は、いずれも印刷対象の用紙 7の幅に略等しい幅を有している。また、サーミス夕 3 4は、用紙 7の幅方向の中央部近傍に配置されている。なお、サ一ミス夕 3 4の配置は、発熱体部 3 0の近傍の温度が適正に検出される範囲で任意に変更することができる。

サーマルヘッド 1 5は、回動軸 1 5 aまわりに回動可能に設けられて、発熱体部 3 0がプラテンローラ 1 6の上面に接離可能とされている。なお、このようにサーマルへッド 1 5を回動自在に構成したのは、プラテンローラ 1 6とペーパーガイド 1 7との間で用紙 7が詰まった場合におけるジャム紙除去作業において、サーマルへッド 1 5が作業の邪魔にならないようにするためである。

サーマルヘッド 1 5には、捩りコイルバネタイプのスプリング 2 2の一端が係止されて、サ一マルへッド 1 5の発熱体部 3 0がプラテン口一ラ 1 6上面に近接する方向の付勢力を常時加えている。この構成で、前述のように印刷面を上側に向けながらプラテンローラ 1 6により送られてくる用紙 7の上面にサーマルへッド 1 5の発熱体部 3 0が接触し、この接触する箇所において用紙 7に印刷がなされる。

サ一マルヘッド 1 5は、搬送されてくる感熱型の用紙 7に対し、用紙 7の搬送方向に直交する方向に延びるライン毎に、任意の文字や画像を印刷することができる。一本のラインにつき印刷する際の印刷幅は、印刷対象の用紙 7の幅に略等しく設定されている。このようにサ一マルへッド 1 5を印刷へッドとして用いるのは、印刷媒体として感熱紙を用いることで、インクやインクリポンなどの消耗品が不要とできるほか、インクの供給のための機構などを省略でき、プリンタ 1 をコンパクトに構成できるからである。また、感熱紙としては、サ一マルヘッド 1 5の加熱により発色する発色層を有する感熱発色タイプのものや、加熱により穿孔される穿孔層を基材層上に積層した感熱穿孔タイプのもの等、種々のものを使用できる。

ペーパーガイド 1 7には、反射型の用紙センサ 2 4が設けられて、その受光部がプラテンローラ 1 6の周面に対向して配置されている。従って、用紙 7が搬送されて、ペーパーガイド 1 7の摺接面 1 7 aとプラテンローラ 1 6との間を通る際は、用紙センサ 2 4が用紙 7の先頭側と末尾側の通過を検出できるようになつている。

分離プロック 1 3には、プラテンローラ 1 6の用紙送り出し方向に対して傾斜した排紙ガイド面 1 3 bが形成されている。この構成において、サーマルヘッド 1 5の発熱体部 3 0により印刷がなされた後の用紙 7は、この排紙ガイド面 1 3 bにより案内されて、図 1に示すように、本体ケース 2の上カバー 5と前記蓋体 1 0とがなす隙間から、蓋体 1 0の上側へ排紙される。

次に、プリン夕 1の制御系について、図 6を参照して説明する。本実施の形態のプリンタ 1は、上述したような印刷機構部 1 4のほかに、制御部 4 0を備えている。図 6は、制御部 4 0の主要な機能を表すブロック図である。

制御部 4 0は、プリンタ 1の各部の動作を制御する C P U、プリンタ 1に係る各種動作の制御プログラムやデータなどが格納された R O M、 R A M , 外部装置と接続するためのイン夕フェース等の部材を備えている（不図示）。 C P Uは、プリン夕 1の各部の動作を制御する信号を生成するために各種演算を実行する。 R A Mには、外部機器から供給された印刷データや C P Uでの演算結果などのデ —夕が一時保管される。制御部 4 0を構成するこれらの部品および R O Mに格納されたソフトウエアによって、図 6に示した制御部 4 0の各機能が実現される。すなわち、制御部 4 0を構成するこれらの部品おょぴ R O Mに格納されたソフトウェアによって、インタフェース部 4 1と、受信部 4 2と、データ出力部 4 3と、データ破棄部 4 4と、エラ一判断部 4 5と、印刷開始禁止部 4 6と、印刷中断部 4 7と、エラ一解除判断部 4 8と、印刷禁止解除部 4 9と、印刷再開部 5 0と、表示制御部 5 1とが形成されている。

制御部 4 0には、図 6に示すように、外部機器であるコンピュータ 2 7 と、サ —マルヘッド 1 5と、ピックアップローラ 1 2およびプラテンローラ 1 6 (図 6 では「各ローラ 1 2、 1 6」として示されている）と、サーミス夕 3 4と、エラ —ランプ 2 6とがそれぞれ接続されている。なお、制御部 4 0は、インターフエ —ス部 4 1を介してコンピュータ 2 7と接続されている。

受信部 4 2は、コンピュータ 2 7から供給された印刷開始指令および印刷デー夕を受信し、そして記憶する。受信部 4 2は、印刷開始指令を受信する（このとき印刷デ一夕は受信しない）と、直ちにその旨をエラ一判断部 4 5に対して知らせる。そして、受信部 4 2は、エラー判断部 4 5において、印刷開始可能（エラ一状態でない）と判断された場合に、コンピュータ 2 7に対して印刷データの送信要求を供給する。その後、受信部 4 2は、コンピュータ 2 7から印刷デ一夕を受け取ると、それらを記憶すると共に、デ一夕出力部 4 3へ制御信号とともに送る。なお、後で詳述するように、印刷開始指令を受信した際に、エラー判断部 4 5において、印刷開始可能でない（エラー状態である）と判断された場合には、エラー判断部 4 5は、当該印刷開始指令を待機させることもできる。

デ一夕出力部 4 3は、受信部 4 2から送られた制御信号に基づいて、用紙分離部 1 1および印刷機構部 1 4を制御する。ここで、データ出力部 4 3は、ヘッド制御部 4 3 aおよびローラ制御部 4 3 bを有している。へッド制御部 4 3 aは、印刷データを印刷機構部 1 4のサーマルへッド 1 5に送り、サ一マルへッド 1 5 に印刷を行わせる。ローラ制御部 4 3 bは、印刷機構部 1 4のプラテンローラ 1 6や用紙分離部 1 1のピックアップローラ 1 2を駆動用モータ（図示しない）を介して制御する。なお、ローラ制御部 4 3 bは、印刷中断部 4 7により印刷が中断されると、印刷が中断された際の用紙を排出する排出命令を生成して、当該排出命令に基づいて、プラテンローラ 1 6およびピックアツプロ一ラ 1 2を制御する。

デ一夕破棄部 4 4は、印刷中断部 4 7により印刷が中断された場合に、印刷開始指令および印刷データを破棄する為の破棄命令を生成する。従って、この破棄命令が生成されると、受信部 4 2に記憶された印刷開始指令および印刷データが破棄される。

エラー判断部 4 5は、サ一ミス夕 3 4により検出されたサーマルヘッド 1 5の温度に基づいて、プリンタ 1がエラ一状態であるか否かを判断する。ここで、ェラー判断部 4 5は、印刷開始温度判断部 4 5 aと、印刷実行温度判断部 4 5 bとを有している。印刷開始温度判断部 4 5 aは、コンピュータ 2 7からの印刷開始指令を受信した後、印刷動作開始までの間に、サーマルヘッド 1 5の温度とあらかじめ設定された再開温度（本実施の形態では 5 5 °C ) との比較を行うことによつて、その時点（印刷開始指令を受信した時点）において、印刷を開始することが可能であるか否かを判断する。ここで、印刷開始温度判断部 4 5 aでは、サ一マルヘッド 1 5の温度が再開温度より高い場合に、エラ一状態（印刷を開始できない状態）と判断する。印刷実行温度判断部 4 5 bは、サーマルへッド 1 5の温度とあらかじめ設定された上限温度（本実施の形態では 6 5 °C ) との比較を、印刷中においてリアルタイムで行うことによって、印刷を継続することが可能であるか否かを判断する。ここで、印刷実行温度判断部 4 5 bでは、サーマルヘッド 1 5の温度が上限温度より高い場合に、エラー状態（印刷を継続できない状態）と判断する。

印刷開始禁止部 4 6は、印刷開始温度判断部 4 5 aによってエラー状態であると判断された場合に、印刷開始を禁止する。そして、印刷禁止解除部 4 9によつて、印刷開始の禁止を解除して印刷を開始させる印刷開始命令が生成されるまでは、印刷開始を禁止する状態を維持する。

印刷中断部 4 7は、印刷実行度判断部 4 5 bによってエラー状態であると判断された場合に、印刷を中断する（印刷が継続されるのを禁止する）。そして、印刷再開部 5 0によって、印刷中断を解除して印刷を再開させる印刷再開命令が生成されるまでは、印刷を中断する状態を維持する。なお、本実施の形態では、印刷中断部 4 7により印刷が中断されると、データ出力部 4 3に対して印刷が中断された際の用紙を排出する旨の制御信号が供給されると共に、データ破棄部 4 4 に対して、印刷開始指令およぴ印刷デー夕の破棄命令を生成する旨の制御信号が供給される。

エラ一解除判断部 4 8は、サーミス夕 3 4により検出されたサ一マルへッド 1 5の温度に基づいて、プリンタ 1におけるエラ一状態を解除できるが否かを判断する。ここで、エラ一解除判断部 4 8は、印刷開始温度判断部 4 8 aと、印刷実行温度判断部 4 8 bとを有している。印刷開始温度判断部 4 8 aは、サーマルへッド 1 5の温度と再開温度との比較を、印刷開始禁止中においてリアルタイムで行うことによって、印刷を開始することが可能であるか否かを判断する。ここで、印刷開始温度判断部 4 8 aでは、サ一マルへッド 1 5の温度が再開温度以下である場合に、エラー状態（印刷開始の禁止状態）を解除可能と判断する。印刷実行温度判断部 4 8 bは、サーマルヘッド 1 5の温度と上限温度との比較を、印刷中断中においてリアルタイムで行うことによって、印刷を再開することが可能であるか否かを判断する。ここで、印刷実行温度判断部 4 8 bでは、印刷開始温度判断部 4 8 aと同様に、サ一マルへッド 1 5の温度が再開温度以下である場合に、エラ一状態（印刷の中断状態）を解除可能と判断する。

印刷禁止解除部 4 9は、印刷開始温度判断部 4 8 aによってエラ一状態を解除可能であると判断された場合に、印刷開始の禁止を解除して印刷を開始させる印刷開始命令を生成する。なお、本実施の形態では、印刷禁止解除部 4 9により印刷開始の禁止が解除された場合に、受信部 4 2に印刷開始指令が待機状態となつている場合には、当該印刷開始指令に基づく印刷データの送信要求がコンビュ —夕 2 7に供給される。

印刷再開部 5 0は、印刷開始温度判断部 4 8 bによってエラ一状態を解除可能であると判断された場合に、印刷中断を解除して印刷を再開させる印刷再開命令を生成する。なお、本実施の形態では、上述のとおり、印刷中断部 4 7により印刷が中断されると、受信部 4 2に記憶されていた印刷開始指令および印刷デ一夕が破棄されるため、新たな印刷開始指令を受信するまでは、印刷が行われないで印刷開始指令待ちの状態になる。

表示制御部 5 1は、プリンタ 1の状態を示すためにエラ一ランプ 2 6の点灯状態を制御する。なお、本実施の形態では、表示制御部 5 1は、データ出力部 4 3 に基づくサーマルへッド 1 5による印刷が正常に行われている状態においては、エラーランプ 2 6を消灯させる。一方、印刷開始禁止部 4 6によって印刷開始が禁止された状態または印刷中断部 4 7によって印刷が中断された状態においては、プリンタ 1がエラ一状態である旨を示すためにエラ一ランプ 2 6を点滅させる。これによつて、オペレータは、プリンタ 1の状態（エラー状態であるか否か）を容易に把握することができる。

次に、プリンタ 1において印刷が行われる際の処理の流れについて、図 7を参照して説明する。図 7は、プリンタにおいて印刷が行われる際のフローチャートである。

まず、ステップ S 1 0 1で、プリンタ 1の電源が投入されると、プリンタ 1はコンピュータ 2 7からの印刷開始指令待ちの状態になる。すると、ステップ S 1

0 2で、電源ランプ 2 5が点灯する。

そして、ステップ S 1 0 3において、コンピュータ 2 7からの印刷開始指令を受信したか否かが判断される。ここで、印刷開始指令を受信したと判断された場合（S 1 0 3 : Y E S ) には、ステップ S 1 0 4に進む。一方、印刷開始指令を受信していないと判断された場合（S 1 0 3 ： N O ) には、コンピュータ 2 7からの印刷開始指令を受信したか否かの判断が繰り返される。

ステップ S 1 0 4では、印刷開始指令を受信した時点でのサーマルへッド 1

5の温度が再開温度以下であるか否かが判断される。ここで、再開温度以下であると判断された場合（S 1 0 4 ： Y E S ) には、ステップ S 1 0 5に進む。一方、再開温度以下でないと判断された場合（S 1 0 4 ： N O ) には、ステップ S 1 1

1に進む。

ステップ S 1 0 5では、印刷開始指令に基づく印刷データの送信要求がコンピュー夕 2 7に供給される。そして、ステップ S 1 0 6で印刷データを受け取ると、ステップ S I 0 7では、印刷開始指令および印刷デ一夕に基づく印刷動作が実行される。ここで、印刷動作が実行されている間は、常にサ一マルヘッド 1 5 の温度が検出されており、ステップ S 1 0 8において、印刷動作時のサーマルへッド 1 5の温度が上限温度以下であるか否かがリアルタイムで判断される。ここで、上限温度以下であると判断された場合（S 1 0 8 : Y E S ) には、ステップ S 1 0 9に進む。一方、上限温度以下でないと判断された場合（S 1 0 8 ： N 〇）には、ステップ S 1 2 1に進む。

そして、ステップ S 1 0 9では、サ一マルへッド 1 5によって、用紙 7の搬送方向に直交する方向に伸びる 1ラインの印刷操作が終了する毎に、当該印刷開始指令に基づく印刷が終了であるか否かが判断される。ここで、当該印刷が終了であると判断された場合（S 1 0 9 ： Y E S ) には、ステップ S 1 0 3に戻って、上述と同様の処理が繰り返される。一方、当該印刷が終了でないと判断された場合（S 1 0 9 ： N O ) には、ステップ S 1 0 5 'に戻って、引き続き、次のラインの印刷動作が実行される。

ここで、ステップ S 1 0 4で、印刷開始指令を受信した時点のサーマルへッド 1 5の温度が再開温度以下でないと判断されて、ステップ S 1 1 1に進むと、印刷動作が開始されるのが禁止される。そして、ステップ S 1 1 2において、印刷動作の開始が禁止されたことを示すために、エラーランプ 2 6が点滅させられる。また、このとき、当該印刷開始指令が待機状態になる。

ステップ S 1 1 3では、印刷開始禁止状態での（ステップ S 1 0 4における判断以降の）サ一マルへッド 1 5の温度が再開温度以下であるか否かがリアルタイムで判断される。ここで、再開温度以下であると判断された場合（S 1 1 3 ： Y E S ) には、ステップ S 1 1 4に進む。そして、ステップ S 1 1 4では、印刷動作の開始の禁止が解除されたことを示すために、エラーランプ 2 6が消灯させられる。その後、ステップ S 1 0 5に戻って、先に待機状態となっていた当該印刷開始指令に基づく印刷データの送信要求をコンピュータ 2 7に供給する。一方、再開温度以下でないと判断された場合（S 1 1 3 ： N O ) には、サ一マルへッド 1 5の温度が再開温度以下であるか否かの判断が繰り返される。

また、ステップ S 1 0 8において、印刷動作時のサーマルヘッド 1 5の温度が上限温度以下でないと判断されて、ステップ S 1 2 1に進むと、印刷動作が強制的に中断される。そして、ステップ S 1 2 2において、印刷動作が中断されたことを示すために、エラ一ランプ 2 6が点滅させられる。また、このとき、印刷動作が途中で中断された用紙が排出されるとともに、当該印刷開始指令が破棄される。

ステップ S 1 2 3では、印刷中断状態での（ステップ S 1 0 8における判断以降の）サ一マルへッド 1 5の温度が再開温度以下であるか否かがリアルタイムで判断される。ここで、再開温度以下であると判断された場合（S 1 2 3 ： Y E S ) には、ステップ S 1 2 4に進む。そして、ステップ S 1 2 4では、印刷動作の中断が解除されたことを示すために、エラ一ランプ 2 6が消灯させられる。その後、ステップ S 1 0 3に戻って、上述と同様の処理が行われる。一方、再開温度以下でないと判断された場合（S 1 2 3 ： N O ) には、サ一マルへッド 1 5の温度が再開温度以下であるか否かの判断が繰り返される。

次に、プリンタ 1において複数頁の印刷が連続して行われる場合のサ一マルへッド 1 5の温度の変化について、図 8を参照して説明する。図 8は、複数頁の印刷が連続して行われる場合のサ一マルへッドの温度の時間的変化を示すグラフである。なお、図 8では、時間 t 0 ~ t 1 7におけるサ一マルヘッド 1 5の温度を示す数値は図示されてないが、以下の説明では、それぞれの時間における温度はそれぞれ温度 k 0〜k 1 7 (時間を示す場合の添え字と同じ番号が付されている）であるとして説明する。

ここで、本実施の形態においては、上述したように、再開温度および上限温度は、 5 5 、 6 5 °Cとそれぞれ設定されている。なお、再開温度および上限温度は任意に変更可能であるが、適正な印刷品質が得られるようにすると共に、プリン夕 1における印刷効率があまり低下しないように設定されるのが好ましい。図 8に示すように、時間 t Oでは、サ一マルヘッド 1 5の温度 k 0は再開温度以下であって、最初の印刷開始指令を受信している。なお、図 8のグラフ上に示される丸印（〇印）は、印刷開始指令を受信した時点を示している。ここで、サ一マルヘッド 1 5の温度 k 0は再開温度以下であるため、印刷動作が開始されて、サーマルヘッド 1 5の温度が次第に上昇する。そして、時間 t 1において印刷動作が終了すると、サーマルへッド 1 5の発熱体部 3 0が通電加熱されなくなるため、サ一マルヘッド 1 5の温度が次第に下降し始める。

時間 t 2において、 2番目の印刷開始指令を受信している。このときも、上述と同様に、サ一マルヘッド 1 5の温度 k 2は再開温度以下であるため、印刷動作が開始されて、サ一マルヘッド 1 5の温度が再び次第に上昇する。そして、時間 t 3において印刷動作が終了すると、サーマル Λッド 1 5の発熱体部 3 0が通電加熱されなくなるため、サ一マルヘッド 1 5の温度が次第に下降し始める。この後、時間 t 4、 t 6において、 3番目および 4番目の印刷開始指令をそれぞれ受信している。このときも、上述と同様に、サ一マルヘッド 1 5の温度 k 4、 k 6は再開温度以下であるため、印刷動作が開始されて、サーマルヘッド 1 5の温度が再び次第に上昇し、その後、次第に下降する変化が繰り返される。ここで、 4番目の印刷開始指令に基づく印刷動作が終了した時間 t 7でのサ —マルヘッド 1 5の温度 k 7は、再開温度より高くなつている。そして、サ一マルヘッド 1 5の温度は、時間 t 7から次第に下降しているが、 5番目の印刷開始指令を受信した時間 t 8においても、まだ再開温度より高い状態である。そのため、時間 t 8において印刷動作は開始されない。従って、印刷開始指令は実行されないで、一旦待機状態となる。

そして、時間 t 9になると、サーマルヘッド 1 5の温度 k 9が再開温度に達するまで下降する。このように、印刷開始指令を受信した時点のサーマルヘッド 1 5の温度が再開温度よりも高く、印刷動作を開始できない場合には、サ一マルへッド 1 5の温度が再開温度に達するまで下降した時点で、印刷動作が自動的に開始される。

時間 t 9において、 5番目の印刷開始指令に基づく印刷動作が開始されると、サ一マルへッド 1 5の温度が再び次第に上昇する。そして、時間 t 1 0において印刷動作が終了すると、サ一マルへッド 1 5の発熱体部 3 0が通電加熱されなくなるため、サーマルヘッド 1 5の温度が次第に下降し始める。ここで、 5番目の印刷開始指令に基づく印刷動作が終了した時間 t 1 0でのサーマルへッド 1 5の温度 k 1 0は、再開温度より高くなつている。

従って、時間 t 1 1において 6番目の印刷開始指令を受信しているが、上述と同様に、サーマルヘッド 1 5の温度 k 6は再開温度より高い状態であるため、印刷動作が開始されないで、印刷開始指令は一旦待機状態となる。そして、時間 t 1 2において、サ一マルへッド 1 5の温度 k 1 2が再開温度に達するまで下降した時点で、印刷動作が自動的に開始される。また、時間 t 1 4で受信した 7番目の印刷開始指令についても同様に、時間 1 5において、サーマルヘッド 1 5の温度 k 1 5が再開温度に達するまで下降した時点で、印刷動作が自動的に開始される。

時間 t 1 5において、 7番目の印刷開始指令に基づく印刷動作が開始されると、サ一マルヘッド 1 5の温度が再び次第に上昇する。そして、時間 t 1 6において印刷動作が終了する前に上限温度よりも高くなつている。このとき、時間 t 1 6 で印刷動作が強制的に終了させられる。なお、このとき、途中までしか印刷動作が行われていない用紙は排出されるとともに、当該印刷開始指令が破棄される。このように、時間 t 1 6において印刷動作が強制的に終了させられると、サーマルへッド 1 5の温度は上限温度から次第に下降する。そして、新たな印刷開始指令を、サ一マルヘッド 1 5の温度 k 1 7が再開温度に達する時間 t 1 7よりも前に（時間 t 1 6と時間 1 7との間に）受信した場合には、当該印刷開始指令は一旦待機状態となって、サーマルへッド 1 5の温度が再開温度に達するまで下降した時点で、印刷動作が自動的に開始される。一方、新たな印刷開始指令を、サ一マルへッド 1 5の温度 k 1 7が再開温度に達する時間 t 1 7よりも後に受信した場合には、すぐに印刷動作が開始される。

以上のように、本実施の形態のプリンタ 1では、エラ一判断部 4 5の印刷実行温度判断部 4 5 bが印刷実行中においてサーマルへッド 1 5の温度と上限温度とを比較し、サ一マルヘッド 1 5の温度が上限温度よりも高くなると、印刷中断部 4 7が実行中の印刷を中断するので、サ一マルへッド 1 5の温度が上限温度より高くなつた状態で印刷が行われることがなく、所望の印刷品質が得られない状態で印刷が継続して行われるのを防止することができる。しかも、印刷実行温度判断部 4 5 bが印刷終了後には上述のような比較を行わないで、印刷開始指令を受信した時点で上述のような比較が行われるため、たとえサ一マルヘッド 1 5の温度が印刷後に上限温度を超えることがあったとしても、そのような印刷後の不必要なエラ一検出にオペレータが煩わされることがなくなる。さらに、印刷開始時には、常に再開温度と上限温度との差分以上の温度マ一ジンが確保されているために、一旦開始された印刷が途中で中断されるのを極力減らすことができる。また、印刷開始指令を受信した際において、エラー判断部 4 5の印刷開始温度判断部 4 5 aによりサーマルへッド 1 5の温度が再開温度よりも高いと判断された場合には、印刷データを受け取る前に印刷開始が禁止される。従って、特に電池 ·バッテリ駆動の小型プリンタにおいて、余計なメモリ占有を排除できると共に、無駄な電力の消耗を防ぐことができる。

また、印刷開始温度判断部 4 8 aは、印刷開始禁止中において、サ一マルへッド 1 5の温度と再開温度との比較をリアルタイムで行うため、印刷開始が禁止された後に印刷を開始できる温度までサ一マルへッド 1 5の温度が低下するのを迅速に検出することが可能になる。

また、印刷開始禁止中において、印刷開始温度判断部 4 8 aにより、サ一マルヘッド 1 5の温度が再開温度に達するまで下降すると、印刷禁止解除部 4 9が印刷開始の禁止を自動的に解除し、待機状態となっていた印刷開始指令に基づく印刷を開始するため、印刷開始が禁止された後に当該禁止された印刷を新たな操作を必要とすることなく迅速に開始させることができる。なお、印刷禁止が解除された際に、記憶部に記憶しておいた印刷データを用いて印刷が開始されるように制御部 4 0が構成されていても良い。また、制御部 4 0は、印刷禁止が解除された際に、印刷データ要求を、印刷データの作成元に送信してもよい。

また、印刷実行温度判断部 4 8 bは、印刷中断中において、サ一マルヘッド 1 5の温度と再開温度との比較をリアルタイムで行うため、印刷が中断された後に印刷を再開できる温度までサ一マルへッド 1 5の温度が低下するのを迅速に検出することが可能になる。なお、印刷中断が解除された際に記億部に記憶しておいた印刷データを用いて印刷が再開されるように制御部 4 0が攻勢されていても良レ。また、制御部 4 0は、印刷中断が解除された際に、印刷データ要求を印刷デ —夕の作成元に送信しても良い。この場合、制御部 4 0は、印刷が中断された際の位置を記憶しておいて、再開時に利用する。

また、印刷実行温度判断部 4 5 bにより印刷が中断されると、印刷が中断された際の用紙が排出されると共に印刷開始指令および印刷データが破棄されるので、特に電池 ·バッテリ駆動の小型プリンタにおいて、余計なメモリ占有を排除できると共に、無駄な電力の消耗を防ぐことができる。

以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。例えば、上述の実施の形態では、ステップ S 1 0 4 における印刷開始直前のサ一マルヘッド 1 5の温度と再開温度との比較は、コンピュー夕 2 7からの印刷開始指令の受信判断のステップ S 1 0 3の直後に行われていたが、これに限定されるものではなく、コンピュータ 2 7からの印刷開始指令を受信した後、印刷動作開始までの間であればよい。すなわち、上述の実施の形態では、印刷開始指令を受信した際において、エラー判断部 4 5の印刷開始温度判断部 4 5 aによりサ一マルへッド 1 5の温度が再開温度よりも高いと判断された場合には、印刷データを受け取る前に印刷開始が禁止される場合について説明しているが、これに限らず、印刷データを受信した後に印刷開始禁止を行ってもよいし、印刷開始指令を受信する際に印刷デ一夕を一緒に受信してもよい。なお、これらの場合には、印刷開始が禁止された際に、制御部 4 0に備えられた受信部 4 2またはその他の記憶手段に、当該印刷データが記憶されてもよい。

また、上述の実施の形態では、印刷開始温度判断部 4 8 aが、印刷開始禁止中において、サーマルヘッド 1 5の温度と再開温度との比較をリアルタイムで行う場合について説明しているが、これに限らず、印刷開始禁止中においてサ一マルヘッド 1 5の温度は検出されなくてもよい。

また、上述の実施の形態では、印刷開始禁止中において、印刷開始温度判断部 4 8 aにより、サーマルへッド 1 5の温度が再開温度に達するまで下降したと判断された場合に、印刷禁止解除部 4 9が印刷開始の禁止を自動的に解除し、待機状態となっていた印刷開始指令に基づく印刷を開始する場合について説明しているが、これに限らず、印刷開始の禁止が自動的に解除されて、当該印刷が自動的に開始されなくてもよい。

また、上述の実施の形態では、印刷実行温度判断部 4 8 bが、印刷中断中において、サーマルへッド 1 5の温度と再開温度との比較をリアルタイムで行う場合について説明しているが、これに限らず、印刷中断中においてサ一マルヘッド 1 5の温度は検出されなくてもよい。

また、上述の実施の形態では、印刷実行温度判断部 4 8 bにより印刷が中断されると、印刷が中断された際の用紙が排出されると共に印刷開始指令および印刷データが破棄される場合について説明しているが、これに限らず、印刷が中断された際に当該印刷データが待機状態とされて、印刷中断中において、印刷実行温度判断部 4 8 bにより、サーマルへッド 1 5の温度が再開温度に達するまで下降したと判断された場合に、印刷再開部 5 0が印刷の中断を自動的に解除し、待機状態となっていた印刷デ一夕に基づく印刷を再開してもよい。また、印刷が中断された際に当該印刷データが待機状態とされることなく、印刷再開部 5 0が印刷の中断を解除した場合に、改めて印刷データ要求をコンピュータ 2 7に送信してもよい。なお、印刷が途中で中断された場合において、印刷再開部 5 0により印刷の中断が解除されることにより当該印刷が再開されるときには、印刷中断前と印刷中断後の印刷がずれることなく適正に行われるようにするためには、印刷が中断された際の用紙の位置を記憶しておくことが好ましい。

また、上述の実施の形態では、印刷開始禁止中において、印刷開始指令を受信すると、当該印刷開始指令が待機状態にされる場合について説明しているが、これに限らず、一旦受信した当該印刷開始指令が破棄されてもよいし、当該印刷開始指令を受け付けなくてもよい。

また、上述の実施の形態では、プリンタ 1は、その内部に充電式のパッテリを備えている場合について説明しているが、これに限らず、必ずしもバッテリは備えていなくてもよい。

また、上述の実施の形態では、本発明に係る印刷制御装置として機能する制御部 4 0がプリンタ 1に備えられている場合について説明しているが、これに限らず、当該印刷制御装置が、プリンタに接続される外部機器であるコンピュータに備えられていてもよい。

なお、以上説明した実施形態は、例示的なものであり、本発明は、上記実施形態の内容により限定されるものではなく、請求の範囲に記載された内容に基づいて理解されるべきものである。

Claims

請求の範囲

1 . 印刷開始直前において印刷へッドの温度と第 1の所定温度とを比較するための第 1の比較手段と、

印刷実行中において前記印刷へッドの温度と前記第 1の所定温度よりも高い第 2の所定温度とを比較するための第 2の比較手段と、

前記第 1の比較手段により前記印刷へッドの温度が前記第 1の所定温度よりも高いと判断された場合に、印刷開始を禁止するための印刷開始禁止手段と、前記第 2の比較手段により前記印刷へッドの温度が前記第 2の所定温度よりも高いと判断された場合に、実行中の印刷を中断するための印刷中断手段と、を備えていることを特徴とする印刷制御装置。

2 . 前記印刷開始禁止手段は、印刷開始指令を受信した後で、印刷デ一夕を受信する前に作動することを特徴とする請求項 1に記載の印刷制御装置。

3 . 前記印刷開始禁止手段により印刷開始が禁止された後に、前記印刷ヘッドの温度と前記第 1の所定温度とを比較するための第 3の比較手段をさらに備えていることを特徴とする請求項 1に記載の印刷制御装置。

4 . 前記第 3の比較手段により前記印刷ヘッドの温度が前記第 1の所定温度よりも低いと判断された場合に、前記印刷開始禁止手段により禁止された印刷を開始させる印刷開始命令を生成するための印刷禁止解除手段をさらに備えていることを特徴とする請求項 3に記載の印刷制御装置。

5 . 前記印刷禁止解除手段は、前記印刷開始命令を生成する場合には、外部装置に対して印字データの要求を行うこと、を特徴とする請求項 4に記載の印刷制御装置。

6 . 印刷データを記憶する記憶部をさらに備え、前記印刷禁止解除手段は、前記印刷開始命令を生成した場合には、前記記憶部に記憶されている印刷データに基づいて印刷が開始されるよう制御すること、を特徴とする請求項 4に記載の印刷制御装置。

7 . 前記印刷中断手段により印刷が中断された後に、前記印刷ヘッドの温度と前記第 1の所定温度とを比較するための第 4の比較手段をさらに備えていることを特徴とする請求項 1に記載の印刷制御装置。

8 . 前記第 4の比較手段により前記印刷へッドの温度が前記第 1の所定温度よりも低いと判断された場合に、中断された印刷の再開命令を生成するための印刷再開手段をさらに備えていることを特徴とする請求項 5に記載の印刷制御装置。

9 . 前記印刷再開手段は、前記再開命令を生成した場合には、外部装置に対して前記中断により印刷されなかった印刷デ一夕の再送要求を行うこと、を特徴とする請求項 6に記載の印刷制御装置。

1 0 . 印刷データを記億する記憶部をさらに備え、

前記印刷再開手段は、前記再開命令を生成した場合には、前記記憶部に記憶されている印刷データに基づいて印刷が続行されるよう制御すること、

を特徴とする請求項 6に記載の印刷制御装置。

1 1 . 前記印刷中断手段により印刷が中断されると、印刷用紙の排出命令を生成するための用紙排出手段と、

前記印刷中断手段により印刷が中断されると、印刷データの破棄命令を生成するための印刷データ破棄手段とをさらに備えていることを特徴とする請求項 1に記載の印刷制御装置。

1 2 . 前記印刷開始禁止手段が印刷開始を禁止している間、および/または、前期印刷中断手段が印刷を中断している間、エラ一表示を行う表示制御手段をさらに備えること、を特徴とする請求項 1に記載の印刷制御装置。

1 3 . 請求項 1〜 1 2のいずれか 1項に記載の印刷制御装置と、

印刷へッドと、

前記印刷へッドの温度を検出するためのセンサとを備えていることを特徴とするプリンタ。

1 4 . 外部装置とデ一夕の送受信を行う為の入出力ィンタフエースと、印刷へッドの温度を検出する為のセンサと、

前記入出力ィン夕フェースを介して受信される印字データに基づいて印刷を行う印刷制御部と、を備え、

前記印刷制御部は、

印刷開始直前において前記センサにより検出される印刷へッドの温度と第 1の所定温度とを比較し、該比較の結果、前記印刷ヘッドの温度が前記第 1の所定温度よりも高いと判断された場合には印刷開始を禁止するよう動作し、かつ、印刷実行中において前記センサにより検出される前記印刷へッドの温度と前記第 1の所定温度よりも高い第 2の所定温度とを比較し、該比較の結果、前記印刷ヘッドの温度が前記第 2の所定温度よりも高いと判断された場合に、実行中の印刷を中断させるよう動作すること、

を特徴とする印刷制御装置。