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JP3857359B2 - 反射防止フィルター - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐久性、耐熱性、耐衝撃性の反射防止膜を有する反射防止フィルターに関する
【0002】
【従来の技術】
透明材料を通して物を見る場合、反射光が強く、反射像が明瞭であることはわずらわしく、例えば眼鏡用レンズではゴースト、フレアなどと呼ばれる反射像を生じて眼に不快感を与えたりする。また、ルッキンググラスなどではガラス面上の反射した光のために内容物が判然としない問題が生じる。
【0003】
従来より反射防止のために屈折率が基材と異なる物質を、真空蒸着法などにより基材上に被覆形成する方法が行われていた。この場合反射防止効果をもっとも高らしめるためには、基材を被覆する物質の厚みの選択が重要であることが知られている。
【0004】
例えば、単層被膜においては、基材より低屈折率の物質を光学的薄膜を対象とする光波長の1/4ないしはその奇数倍に選択することが極小の反射率すなわち極大の透過率を与えることが知られている。
【0005】
ここで、光学的薄膜とは被膜形成材料の屈折率と該皮膜の膜厚の積で与えられているものである。さらに複層の反射防止層の形成が可能であり、この場合の膜厚の選択に関していくつかの提案がなされている(光学技術コンタクトVol.9,No.8,pp17〔1971〕)。
【0006】
一方、特開昭58−46301号公報、特開昭59−49501号公報、特開昭59−50401号公報には前記光学的薄膜の条件を満足させる複層からなる反射防止膜を液状組成物を用いて形成する方法について記載されている。
【0007】
近年になって、軽量安全性、取扱い易さなどの長所を活かして、プラスチックを基材とした反射防止性を有する光学物品が考案され、実用化されており、そしてその多くは、表層膜に二酸化珪素を有する膜の構成が採用されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
蒸着法により形成された反射防止膜は、被膜形成材料が主として無機酸化物あるいは無機ハロゲン化物であり、プラステック基材において、反射防止膜は本質的には高い表面硬度を有する反面、手垢、指紋、汗、ヘアーリキッド、ヘアースプレーなどによる汚れが目立ちやすく、また、とれにくいという欠点があった。さらには、表面のすべりが悪いために傷が太くなるなどの問題点を有している。
【0009】
また、水に対する濡れ性が大きいために雨滴、水の飛沫が付着すると大きく広がり、眼鏡レンズ等においては大面積にわたって物体がゆがんで見えるなどの問題点があった。
【0010】
特開昭58−46301号公報、特開昭59−49501号公報、特開昭59−50401号公報に記載の反射防止膜においても、硬い表面硬度を付与するためには、最表層膜中にシリカ微粒子などに代表される無機物を30重量%以上含まれることが必要であるが、このような膜組成から得られる反射防止膜には表面のすべりが悪く、布などの摩耗によって傷つき易いなどの問題点を有している。
【0011】
これらの問題点を解消する目的で各種の表面処理剤が提案され、市販されているが、いずれも水や各種の溶剤によって溶解するために一時的に機能を付与するものであり、永続性がなく耐久性に乏しいものであった。
【0012】
また、特開平3−266801号公報には撥水性を付与するために、フッ素系樹脂を形成させる報告がある。
【0013】
しかしながら、これらのフッ素系樹脂で表面を処理すると、確かに撥水性は高まるものの十分であるとは言えない。また、耐摩擦性あるいは耐摩耗性に対しても不足している。
【0014】
そこで、本発明は、手垢、水垢等の汚染防止効果があり、潤滑剤の効果により、滑り性、耐摩耗性に優れた反射防止フィルターおよび表示装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の目的を達成するために鋭意研究の結果、透明基材上に二酸化珪素を主体とする単層または多層の反射防止膜を設け、さらに、この反射防止膜表面に、末端に極性基を持つパーフルオロポリエーテル、末端に極性基を持つパーフルオロ炭素あるいは末端に極性基を持つ部分フッ素化炭化水素を被覆させると、手垢、水垢等に対する汚染防止効果が付与されるとともに、これら化合物の潤滑効果により、滑り性、耐摩耗性が改善されるとの知見を得るに至った。
【0016】
本発明に係る反射防止フィルターはこのような知見に基づいて完成されたものである。
【0017】
すなわち、本発明にかかる反射防止フィルターは、透明基材上に二酸化珪素を主体とする単層または多層の反射防止膜が設けられ、この反射防止膜に末端に極性基を持つパーフルオロポリエーテル、末端に極性基を持つパーフルオロ炭素あるいは末端に極性基を持つ部分フッ素化炭化水素の少なくともいずれかが被覆されていることを特徴とする。
【0019】
ここで、反射防止フィルターに被覆される反射防止膜は、SiOの単層膜であっても、SiO膜と他の無機物膜を組み合わせた多層膜であってもよい
【0020】
多層膜とする場合、表層膜より下層を形成する物質の膜構成は、要求される性能、例えば耐熱性、反射防止性、反射光色、耐久性、表面硬度などによって実験的に定められるべきものである。
【0021】
また、これらの反射防止膜を形成する二酸化珪素を含めた各無機物の被膜化方法としては、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等、いわゆるPVD(Physical Vapor Deposition)技術によればよい。
【0022】
このPVD技術に適した無機物としては、SiO2以外にAl23,ZrO2,TiO2,Ta23,SiO,HfO2、ZnO,TiO,Ti23,Y23,Sb23,MgO,CeO2、さらにはIn23/SnO2混成材料等の無機酸化物が好ましく適用される。
【0023】
反射防止膜をSiO2膜とこれら無機物膜の多層構造とする場合、反射防止膜の最も外表層膜はSiO2膜であることが好ましい。SiO2膜以外の場合には充分な表面硬度が得られないばかりか、本発明の目的である耐汚染性、耐擦傷性の向上、さらにはこれら性能の耐久性が顕著に現れない。
【0024】
また、表層膜の膜厚は、反射防止効果以外の要求性能によってそれぞれ決められるべきものであるが、特に、反射防止効果を最大限に発揮させる目的には表層膜の光学的薄膜を対象とする光波長の1/4ないしはその奇数倍に選択することが極小の反射率すなわち極大の透過率を与えるという点から好ましい。
【0025】
一方、前記表層膜の下層部については特に限定されない。すなわち、表層膜を直接基材上に被膜形成させることも可能であるが、反射防止効果をより顕著なものにするためには、基材上に表層膜より屈折率の高い被膜を1層以上被覆することが有効である。これら複層の反射防止膜の膜厚及び屈折率の選択に関してもいくつかの提案がなされている(光学技術コンタクトVo.9,No.8,pp17,〔1971〕)。
【0026】
本発明はこれらの実質的に表層膜が二酸化珪素からなる単層または多層の反射防止膜の表面に末端に極性基を持つパーフルオロポリエーテル、末端に極性基を持つパーフルオロ炭素あるいは末端に極性基を持つ部分フッ素化炭化水素が被覆されるものである。
【0027】
このうち末端に極性基を持つパーフルオロポリエーテルとは、末端に長鎖アミノ基を有するカルボン酸塩が好ましいが、特にこれに限定されるものではない。また、かかる末端に極性基を持つパーフルオロポリエーテルの分子量は、特に限定されないが、安定性、取扱い易さの点から、数平均分子量で500から1万、更に好ましくは600から5000のものが使用される。
【0028】
本発明のパーフルオロポリエーテルの繰り返し単位構造を以下の構造式に示すが、これに必ずしも限定されるものではない。
【0029】
すなわち、単官能パーフルオロポリエーテルとしては、化4、化5で表されるものが挙げられる。
【0030】
【化4】
Figure 0003857359
【0032】
【化5】
Figure 0003857359
【0033】
また、多官能パーフルオロポリエーテルとしては、化6で表されるものが挙げられる。
【0034】
【化6】
Figure 0003857359
【0035】
但し、化4〜化6においてl,m,n,k,p,qは1以上の整数である。
【0042】
ここで、パーフルオロポリエーテルからなる被膜の膜厚については、特に限定されるものではないが、反射防止性と水に対する静止接触角とのバランスおよび表面硬度との関係から0.5nmから10nmが好ましい。
【0043】
次に、塗布方法としては通常のコーティング作業で用いられる方法が適用可能であるが、反射防止効果の均一性、さらには反射干渉色のコントロールという観点からスピン塗布、浸漬塗布、カーテンフロー塗布、スプレー塗布などが好ましく用いられる。また、作業性の点から紙、布などの材料に液を含浸させて塗布流延させる方法も好ましく使用される。
【0044】
これらの有機含有硬化性物質は、通常揮発性溶剤に希釈して塗布される。溶媒として用いられるものは、特に限定されないが、使用にあたっては組成物の安定性、SiO2膜に対する濡れ性、揮発性などを考慮して決められるべきである。長鎖炭化水素を含有しないパーフルオロポリエーテルあるいはパーフルオロ炭素の場合には、フロンあるいはパーフルオロアルカン系の溶剤に限られる。長鎖炭化水素を含有する部分フッ素化炭化水素では、炭化水素系溶剤等を含めた通常の有機溶剤を1種単独あるいは2種以上を混合して使用することができる。
【0045】
本発明においてプラスチック基材とは、有機高分子からなる基材であればいかなるものでも良い、透明性、屈折率、分散などの光学特性、さらには耐衝撃性、耐熱性、耐久性などの諸物性からみて特にポリメチルメタクリレートおよびその共重合体、ポリカーボネート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート(CR−39)、(臭素化)ビスノールフェノールAのジ(メタ)アクリレート重合体およびおよびその共重合体、(臭素化)ビスフェノールAのモノ(メタ)アクリレートのウレタン変性モノマーの重合体およびおよびその共重合体、ポリエステル特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートおよび不飽和ポリエステル、アクリロニトリル−スチレン共重合体、塩化ビニル、ポリウレタン、エポキシ樹脂などが好ましい。また、アラミド(芳香族ポリアミド)系樹脂の使用も可能である。
【0046】
さらにハードコートなどの被膜材料で被覆された上記のプラステック基材とした反射防止膜にも好ましく適用できる。
【0047】
特に、本発明の無機物からなる反射防止膜の下層にある被膜材料によって付着性、硬度、耐薬品性、耐久性、染色性等の諸物性を向上させることが可能である。
【0048】
また、硬度向上のためにはこれまでプラステックの表面高硬度化被膜として知られる各種の材料を適用したものを用いることができる(特公昭50−28092号公報、特公昭50−28446号公報、特公昭50−39449号公報、特公昭51−24368号公報、特開昭52−112698号公報、特公昭57−2735号公報)。さらには、(メタ)アクリル酸とペンタエリスリトールなどから得られるアクリル系架橋物であっても良い。
【0049】
なお、上記パーフルオロポリエーテルを塗布するに際しては、塗布されるべき反射防止膜の表面は清浄化されていることが好ましく、清浄化に際しては界面活性剤による汚れ除去、さらには有機溶剤による脱脂、フレオンによる蒸気洗浄などが適用される。また、密着性、耐久性の向上を目的として各種の前処理を施すことも有効な手段である。特に、好ましく用いられる方法としては、活性化ガス処理、酸、アルカリなどによる薬品処理などが挙げられる。
【0050】
本発明によって得られる反射防止フィルターは通常の反射防止膜より汚れにくく、汚れが目立たない。さらには、汚れがとれやすい。あるいは、表面のすべりが良好なために傷がつきにくいなどの長所を有し、かつこれらの性能に加えて摩耗に関しても耐久性があるということから、表示素子用として使用される。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施の形態について図面に基づいて説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0052】
本実施の形態は、陰極線管(以下CRTと呼ぶ)を備えた表示装置に適用したものである。このようなCRTを用いた表示装置として、例えばモノクロームCRTを用いた表示装置の要部の基本的構成は、図1に示すようになっている。この図1において、CRT1は、内部が真空に保たれ、内面に蛍光体が塗布されたパネル部2と、内面に設けられた導電膜により電子ビーム走行空間を等電位に保つと共に外面の導電膜との間で高耐電圧の平滑コンデンサを形成するファンネル部3と、電子銃6が内部に設けられたネック部5とを有してなる。
【0053】
端子12を介して供給されたビデオ信号VDは、ビデオ増幅器10にて増幅され、電子銃6に送られる。当該電子銃6からはビデオ信号VDに応じた電子ビームedが発射される。また、偏向回路11は、ビデオ増幅器10においてビデオ信号VDから取り出された水平、垂直同期信号に応じて偏向ヨーク4を駆動する。上記電子銃6から発射された電子ビームedは、上記偏向回路11により駆動される偏向ヨーク4から発生する磁界によって軌道を曲げられ、上記パネル部2内面の蛍光面を走査しながら、当該蛍光面の蛍光体を発光させる。なお、この図1の場合の電子ビームedの走査方向は、紙面に対し垂直方向となる。
【0054】
このような表示装置において、表示画面及び/又はその前面板の表面に二酸化珪素を主体とする単層または多層の反射防止膜が設けられ、前記反射防止膜の表面に末端に極性基を持つパーフルオロポリエーテル、末端に極性基を持つパーフ1ルオロ炭素あるいは末端に極性基を持つ部分フッ素化炭化水素の少なくともいずれかが被覆されてなる。
【0055】
具体的には以下の実施例の場合のように製造した。
【0056】
なお、本実施の形態は、CRT1のパネル部である上記表示画面2に上記被膜を形成したが、本発明は、上記表示画面2の前面板に被膜を形成するものであってもよく、さらに、上記表示画面2と上記前面板の両方に被膜するものでもよい。また、本発明は、CRTを有する表示装置の他、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、発光ダイオードディスプレイなどのOA機器に広く適用されるものである。
【0057】
【実施例】
以下、反射防止フィルターの製造方法の一実施例を具体的に説明する。なお、実施例中の部数は重量部を表す。
【0058】
まず、次のようにして反射防止膜を形成した。
【0059】
<反射防止膜の作製>
基材として厚さ100μmの透明なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた。このポリエチレンテレフタレート(PET)の片面に反射防止膜として真空蒸着法により、厚さ120nmのITOをプレ蒸着し、その上にSiO2膜を20nmの厚さで蒸着形成した。
【0060】
そして、このようにして形成した反射防止膜に対する表面処理の効果を検討した。
【0061】
実施例1
表1に示すパーフルオロポリエーテル(潤滑剤1:数平均分子量2000)0.4部に、ヘキサン380部、アルコール20部をそれぞれ添加混合し、均一な溶液としたのち、さらにメンブランフィルターでろ過を行ってコーティング組成物を得た。
【0062】
このコーティング組成物を、反射防止膜の表面に5cm/min引き上げ速度でディップコーティングし、反射防止性を有する光学部品を得た。
【0063】
実施例2〜実施例10
潤滑剤1の代わりに表1に示す潤滑剤2〜潤滑剤10を使用すること以外は実施例1と同様にして反射防止膜にコーティング処理を行った。
【0065】
比較例1
反射防止膜にコーティング処理を行わなかった例である。
【0066】
比較例2〜比較例5
潤滑剤1の代わりに表3に示す化合物を使用すること以外は実施例1と同様にして反射防止膜にコーティング処理を行った。
【0067】
そして、これらのコーティング処理を行った反射防止膜について以下の評価を行った。
【0068】
(a)耐汚染性試験
水道水5mlをフィルター面にしたたらせ、室温雰囲気下で48時間放置した後、布で拭いた時の水垢の残存状態を観察した。水垢が除去できた時を良好とし、除去できなかった時を不良とした。
【0069】
(b)表面すべり性
鉛筆で表面を引っかいたときの引っかかり具合を評価した。判定方法は次の通りである。後述する表1〜表3において、○、△、×は、各々以下の意味内容を示す。○=まったく引っかからない;△=強くすると引っかかる;×=弱くしても引っかかる
【0070】
(c)耐摩耗性試験
防止膜表面をスチールウール10000、200g荷重下で30回擦った後傷が付くかどうかで確認した。○=まったく付かない;△=細かく傷が付く;×=傷が著しい
【0071】
(d)手垢の付きにくさ
手垢の付きにくさについて、目視で評価した。
【0072】
○=手垢が付いてもめだたない;△=付くが簡単に除去できる;×=付いた跡が目立つ
以上の評価結果を、潤滑剤の構造と併せて表1〜表3に示す。なお、表1中の潤滑剤1〜潤滑剤10の数平均分子量はいずれも2000である。
【0073】
【表1】
Figure 0003857359
【0075】
【表2】
Figure 0003857359
【0076】
このように実施例1〜実施例10では末端に極性基を持つパーフルオロポリエーテルを使用している。これら化合物で処理した実施例1〜実施例10の反射防止膜は、いずれも耐汚染性、耐すべり性、耐摩耗性試験、手垢の付きにくさのすべてについて、優れた結果が得られた。
【0077】
これに対して、比較例1〜比較例5では、耐汚染性、耐すべり性、耐摩耗性試験、手垢の付きにくさのすべてを満たすものは得られなかった。
【0078】
このことから、末端に極性基を持つパーフルオロポリエーテルは、手垢、水垢等による反射防止膜の汚染を防止する効果があり、また反射防止膜に潤滑剤性を付与し、滑り性、耐摩耗性が改善できることがわかった。
【0079】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明にかかる反射防止フィルターは、透明基材上に二酸化珪素を主体とする単層または多層の反射防止膜が設けられ、この反射防止膜に末端に極性基を持つパーフルオロポリエーテル、が被覆されてなることから、以下のような効果が得られる。
【0080】
(1)指紋手垢などによる汚れがつきにくく、又、目立ちにくい。
(2)水垢などが付着して、乾燥されても容易に除去することが可能である。
(3)表面すべり性が良好である。
(4)ほこりなどの汚れがつきにくく、使用性が良い。
(5)摩擦あるいは摩耗に対する耐久性がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した表示装置の一構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 CRT(陰極線管)、2 パネル部(表示画面)

Claims (3)

  1. 透明基材上に表面層が二酸化珪素を主体とする単層又は多層の反射防止膜が設けられ、上記反射防止膜に末端に極性基を持つパーフルオロポリエーテルが被覆されてなり、
    上記末端に極性基を持つパーフルオロポリエーテルの繰り返し単位構造の構造式は、化1〜化3のいずれか1からなることを特徴とする反射防止フィルター。
    Figure 0003857359
    但し、nは1以上の整数である。
    Figure 0003857359
    但し、kは1以上の整数である。
    Figure 0003857359
    但し、p,qは1以上の整数である。
  2. 上記末端に極性基を持つパーフルオロポリエーテルは、末端に長鎖アミノ基を有するカルボン酸塩であることを特徴とする請求項1記載の反射防止フィルター。
  3. 上記反射防止フィルターの膜厚は、0.5nm〜10nmであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の反射防止フィルター。
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