JP3840296B2 - 制動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、制動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、駆動装置の一例としての静油圧駆動変速機(HST)を備えた車体を停止させる際には、制動装置を作動せしめる前に、前記静油圧駆動変速機による出力を停止させる必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記制動装置を作動させる前に、前記静油圧駆動変速機の出力をいちいち停止操作するのは煩雑である。また、前記車体を急停止させるときには、前記静油圧駆動変速機の出力停止操作が間に合わなくて、機械構造に無理がかかってしまう場合もある。
【0004】
本発明は、こうした事情に鑑みてなされたもので、制動時に、駆動装置の出力をいちいち停止操作する必要のない制動装置を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明に係る制動装置は、駆動装置の出力制御手段を出力停止状態に復帰せしめるように作用する復帰手段と、前記出力制御手段と作動上連結され、前記復帰手段による復帰付勢力に抗して前記出力制御手段を前記出力停止状態から前進駆動出力状態へと変化せしめるための操作手段と、前記出力制御手段を前記出力停止状態から前記前進駆動出力状態へと変化せしめるための前記操作手段の前進駆動シフト位置への操作を許容するとともに、前記復帰手段による復帰付勢力に抗して前記操作手段を前記前進駆動シフト位置に保持するラチェット機構と、その制動操作に連動して前記ラチェット機構が解除されるように該ラチェット機構と作動上連結された制動操作部材と、を備えたことを特徴としている。
【0006】
本発明によれば、前記制動操作部材を制動操作すると、これに連動して、前記ラチェット機構が解除される。それと同時に、前記復帰手段の復帰付勢力により、前記出力制御手段が、前進駆動出力状態から出力停止状態へと自動的に復帰するとともに、前記操作手段が、中立位置へと戻される。このように、本発明によれば、制動操作と同時に、前記駆動装置の前進駆動出力が自動的に停止する。
【0008】
さらに、前記復帰手段による復帰付勢力には打ち勝つが、前記出力制御手段を前記前進駆動出力状態から前記出力停止状態へと強制的に変化せしめる操作力には負ける大きさの操作抵抗を、前記ラチェット機構との間において前記操作手段に付与してなるものとすれば、前記制動操作部材の制動操作による前記ラチェット機構の解除とは別に、前記操作抵抗に打ち勝って前記操作手段を操作することによっても、前記出力制御手段を前記出力停止状態へと戻すことができて、一層好適である。
【0009】
前記構成において、前記制動操作部材を制動状態に保持せしめる制動状態保持手段を備えてなる構成とすれば、好適である。
【0010】
なお、前記駆動装置として静油圧駆動変速機(HST)を用いると好適である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を、図面に基づいて説明する
図1は、本発明の一実施形態に係る制動装置を備えた走行車体1を、右斜め後方から見た概略斜視図である。ここでは、該走行車体1は、水田や畑等を走行するのに適した、最低地上高0.7m程度のいわゆるハイクリアランス形のものとされている。そして、前記走行車体1は、必要に応じて、施肥機、播種機、移植機または防除機等の、図示しない作業機をその機体2に搭載して、自走式作業機として利用される。
【0012】
図1において、前記走行車体1は、走行駆動装置3と、走行速度の変速装置4と、操向装置5と、制動装置6等を備えている。
【0013】
前記走行駆動装置3は、前記機体2に走行駆動源として搭載された4サイクル内燃エンジン7を備えていて、該エンジン7には、駆動装置である静油圧駆動変速機(HST)8と、差動装置等を含む減速用の適当な歯車伝動装置9と、左右一対の駆動後輪10,10の駆動軸11,11とが、駆動上順次連結されている。
【0014】
前記静油圧駆動変速機8は、前記機体2の前後進の切り換えと、走行速度の無段階調節とを可能にせしめる、それ自体周知の構成のものであり、前記機体2の前部の運転席12の近傍にあって前記変速装置4を構成する変速操作部材としての変速レバー13で変速操作される。運転者は、図1に示すように、前記運転席12で、前記操向装置5を構成するステアリングハンドル5aと前記変速レバー13とを操作しながら、前記走行車体1を運転する。
【0015】
また、前記変速装置4は、前記変速レバー13を含む変速操作部14と、該変速操作部14の操作に応じて変速作用を奏する変速作用部15と、該変速作用部15と前記変速操作部14とを作動上互いに連結する、プッシュプル式コントロールケーブル等の変速操作力伝達部材16(図2および図5参照)と、を備えている。
【0016】
図2および図3を参照して、前記変速作用部15の構成を説明する。図2は、該変速作用部15の全体概略斜視図、図3は、前記変速作用部15を構成する出力停止装置17の要部分解斜視図である。
【0017】
図2において、それ自体周知の前記静油圧駆動変速機8は、可変容量形の油圧ポンプ18と油圧モータ19とを一体的に備えていて、前記油圧ポンプ18のHST入力軸20に駆動上連結されたHST入力プーリ21は、前記エンジン7と駆動上連結されている。また、前記油圧モータ19の出力軸22は、前記歯車伝動装置9を介して、前記駆動後輪10,10の駆動軸11,11と駆動上連結されている。
【0018】
前記油圧ポンプ18は、その内部に、出力制御手段としての吐出量調整斜板23を備えていて、該吐出量調整斜板23には、前記油圧ポンプ18の外部に取り出された吐出量調整軸24が作動上連結され、該吐出量調整軸24には、く字形の油圧コントロールレバー25の屈曲部25aが固着されている。前記油圧コントロールレバー25の揺動一端部25bは、前記変速操作力伝達部材16を介して、前記変速操作部14と作動上連結されている。そして、該変速操作部14を操作することにより、前記変速操作力伝達部材16が押し引きされて、前記油圧コントロールレバー25が揺動操作されるようになっている。
【0019】
前記油圧ポンプ18の前記吐出量調整斜板23は、前記HST入力軸20に対して直角のときが出力停止状態であり、該出力停止状態のとき、前記油圧ポンプ18の吐出量はゼロとなる。また、前記吐出量調整斜板23を前記出力停止状態から正方向(例えば、前記油圧ポンプ18側)へ傾斜せしめて前進駆動状態とすれば、前記油圧モータ19が前記吐出量調整斜板23の傾斜度に応じた回転数で正転して、前記機体2が前進駆動される。逆に、前記吐出量調整斜板23を前記出力停止状態から逆方向(例えば、前記HST入力プーリ21側)へ傾斜せしめて後進駆動状態とすれば、前記油圧モータ19が逆転して前記機体2が同様に後進駆動される。
【0020】
また、前記出力停止装置17は、前記吐出量調整斜板23と作動上互いに連結された揺動部材26と、前記吐出量調整斜板23を前記出力停止状態に復帰せしめるように作用する復帰手段27と、該復帰手段27による復帰作用を受け止めて前記吐出量調整斜板23を前記出力停止状態位置に正確に停止せしめる停止手段としての固定部材28と、を備えている。
【0021】
前記揺動部材26は、図3に示すように、前記機体2の前後方向に延びる長方形の板状のものであり、その後方基端部26a側が、上下方向に延びる軸線Xを有する枢止軸29に枢止され、その揺動前端部26b側は、タイロッド30を介して、前記油圧コントロールレバー25の揺動他端部25cに水平面内で回動自在に連結されている。
【0022】
前記枢止軸29は、前後方向に延びる長方形の板状の前記固定部材28の前部側に上向きに突設されている。該固定部材28は、前記揺動部材26と互いに同一の左右幅を有していて、その後部側を、固定台31に対して前後2本のボルト32,32とナット33,33とで固着されている。前記固定台31は、固定部としての前記歯車伝動装置9のギヤケース34に対して固定されている。
【0023】
なお、前記固定部材28は、前記吐出量調整斜板23の出力停止状態位置に合せて前記枢止軸29の位置を左右に適宜調整し得るように、前記前側のボルト32を受け入れるための、前記後側のボルト32を中心とする弧状に左右方向に延びる長孔35を有している。
【0024】
前記枢止軸29には、前記揺動部材26の上に重ねて、互いに左右対称な形状の左側復帰レバー36と右側復帰レバー37とが鋏状に枢止されている。これらの復帰レバー36,37は、前記吐出量調整斜板23を互いに逆方向から前記出力停止状態へと復帰せしめるように付勢する第一および第二の付勢手段であり、その後端部36a,37a同士を吐出量調整斜板復帰用付勢部材としての引張コイルばね38で互いに引き合うように連結され、該吐出量調整斜板復帰用ばね38の引張付勢力と前記左右の復帰レバー36,37によるテコの原理とによって、その前端部36b,37b側が互いに接近する方向に強力に付勢されている。
【0025】
前記左側復帰レバー36の前端部36b側には、前記揺動部材26と前記固定部材28とにそれぞれ右側から当接する右側揺動部材当接部39と右側固定部材当接部40とがそれぞれ形成されている。また、前記右側復帰レバー37の前端部37b側には、前記揺動部材26と前記固定部材28とにそれぞれ左側から当接する左側揺動部材当接部41と左側固定部材当接部42とがそれぞれ形成されている。そして、前記左右の固定部材当接部42,40が前記固定部材28の左右両縁に当接すると同時に、前記左右の揺動部材当接部41,39が前記揺動部材26の前部側の中央に形成された上向き突軸43に左右両側から当接し、これにより、前記吐出量調整斜板23を前記出力停止状態に維持せしめるように、前記揺動部材26が前記固定部材28に対して枢着される。
【0026】
以上のように構成される前記変速作用部15は、次のように作用する。
【0027】
前記変速レバー13を前後に操作すると、前記変速操作力伝達部材16が押し引きされ、前記油圧コントロールレバー25および前記吐出量調整軸24を介して、前記左右の復帰レバー36,37の付勢力に抗して、前記吐出量調整斜板23の前記HST入力軸20に対する傾斜方向およびその傾斜角度が自在に調整される。これにより、前記静油圧駆動変速機8を構成する前記油圧モータ19の回転方向およびその出力が調整され、前記機体2の前進走行と後進走行との切り替え、および前後進速度の無段階調整が行われる。
【0028】
前記吐出量調整斜板23は、前記油圧コントロールレバー25と前記タイロッド30と前記揺動部材26とを介して、前記左右の復帰レバー36,37によって前記出力停止(中立)状態への復帰力を常時付与されているので、前記変速レバー13を中立位置にシフトさせれば、前記吐出量調整斜板23は瞬時に前記出力停止状態へと復帰する。しかも、前記揺動部材26は、前記左右の復帰レバー36,37と前記吐出量調整斜板復帰用ばね38との作用によって、前記固定部材28に対して左右方向から強力に固定されるので、前記吐出量調整斜板23は正確に前記出力停止状態に停止せしめられる。このため、運転者は、常に、速やか、かつ確実に、前記静油圧駆動変速機8からの出力を停止させることができる。
【0029】
次に、図4乃至図6を参照して、前記変速装置4の前記変速操作部14、および本発明の一実施形態に係る前記制動装置6の構成について説明する。図4は、前記制動装置6の概略斜視図、図5は、図4中の前記変速操作部14の内部を開示した左側面図、図6は、前記変速操作部14の内部を前記機体2の後方から見た一部切欠説明図である。
【0030】
図示例では、前記制動装置6が、前記変速操作部14と前記変速操作力伝達部材16とを介して前記変速作用部15と作動上連結され、前記制動装置6の制動操作と連動して前記変速作用部15が走行駆動力の出力を自動的に停止するようになっている。
【0031】
図5および図6において、前記変速操作部14を構成する前記変速操作部材としての前記変速レバー13は、その上端部13aが前記機体2の左右方向に揺動し得るように、前後方向に延びるピン44によって、その下端部13bを、変速操作板45に対して固着されている。また、前記変速レバー13は、引張ばね46等の適当な付勢手段で変速操作部カバー47に設けられた変速レバー案内溝48の右縁に常時当接するように付勢されている。
【0032】
前記変速操作板45は、前記機体2の左右方向に延びてその軸線Y−Yの回りで回動自在なラチェットホイール軸49に挿通されている。前記変速操作板45には、前記変速操作力伝達部材16の前端部51aが連結されていて、前記出力停止装置17の作用により、前記変速レバー13を中立位置に戻そうとする力が常時付与されている。
【0033】
前記ラチェットホイール軸49上には、図6に示すように、ラチェットホイール53が固着されていて、該ラチェットホイール53には、該ラチェットホイール53に常時係合するように付勢されたラチェット爪54が係合している。該ラチェット爪54と前記ラチェットホイール53とからなるラチェット機構は、前記ラチェットホイール軸49の図5で見て反時計回り方向への回転のみを許容し、前進出力状態保持手段として作用する。
【0034】
前記ラチェット爪54は、前記制動装置6を構成する制動操作部材としてのブレーキペダル55と作動上連結されていて、該ブレーキペダル55の踏み込み制動動作に連動して、前記ラチェットホイール53に対する係合状態が解除されるようになっている。
【0035】
具体的には、図4に示すように、前記機体2の左右方向水平に延びて前記ブレーキペダル55のアーム56を支持するブレーキ作用軸57の左端部57aを、前記ラチェットホイール53の付近まで延長している。前記ブレーキ作用軸57は、前記ブレーキペダル55を非制動状態に維持するように、適当な付勢手段によって常時回動付勢されている。そこで、前記ブレーキ作用軸57の有する前記回動付勢力によって前記ラチェットホイール53に自動的に係合するように、前記ブレーキ作用軸57の前記左端部57aに前記ラチェット爪54を固着している。
【0036】
図4に示すように、前記ブレーキ作用軸57には、ブレーキ作用レバー58が固着されている。該ブレーキ作用レバー58は、前記走行車体1の制動手段としての内部拡張式ドラムブレーキ59に作動上連結されている。そして、前記ブレーキペダル55を踏み込むと、前記内部拡張式ドラムブレーキ59が作動し、制動力伝達軸60を介して前記後輪駆動軸11が制動されるようになっている。
【0037】
なお、前記機体2には、前記ブレーキペダル55を制動状態のまま保持する制動状態保持手段として、手動式のフック61が回動自在に取り付けられている。該フック61は、前記ブレーキペダル55から右向き水平に延びた係止バー620に手動で係合せしめられる。前記フック61は、踏み込まれた前記ブレーキペダル55をそのままの状態に保持し、前記内部拡張式ドラムブレーキ59を制動状態に保持せしめて、駐車ブレーキとして機能する。
【0038】
ところで、前記変速操作板45は、前記ラチェットホイール軸49に対して回動可能とされ、しかも、図6に示すように、前記変速操作板45は、前記ラチェットホイール軸49に挿通されたばね座金50の押圧力で、その両側からライニング付制動板62,62で挟持され、前記ラチェットホイール軸49に対する所定の大きさの回動抵抗(操作抵抗)を付与されている。これは、一方向機構としての前記ラチェット機構53,54の存在にかかわらず、前記変速レバー13を後方へ手動で操作できるようにするためである。
【0039】
前記回動抵抗の大きさは、前記左右の復帰レバー36,37によって前記吐出量調整斜板23に与えられている前記出力停止状態への復帰付勢力より大きく設定されている。このため、前記変速レバー13から運転者が手を離しても、該変速レバー13の前進駆動シフト位置がそのまま維持され、前記吐出量調整斜板23が前進駆動出力状態に保持される。すなわち、前記ばね座金50は、前記ラチェット機構53,54とともに、前進出力状態保持手段としても機能する。
【0040】
図5に示すように、前記変速操作板45には、前記変速レバー13の操作に応じて前記油圧コントロールレバー25の前記揺動一端部25bを押し引きする前記変速操作力伝達部材16の前記前端部51aが連結されている。前記変速操作力伝達部材16は、前後二つのエンドロッド511,512と、これらのエンドロッド511,512を互いに連結するインナーワイヤ(図示せず)をその長さ方向に摺動自在に包み込むアウターチューブ52とを備えた、それ自体周知のものである。前記インナーワイヤとしては、小さな湾曲を生じないように弾性に富み、かつ、長さ方向の引張強度および圧縮強度が大きい鋼線を用いる。前記インナーワイヤと前記アウターチューブ52との間には、前記インナーワイヤがスムースに摺動し得るように、適当な潤滑剤を介在せしめている。
【0041】
前記アウターチューブ52の前端部52aは、図5に示すように、前記変速操作板45の前方斜め下方位置で、前記変速操作板45に向けて、前記機体2に枢止されている。そして、前記アウターチューブ52は、前記運転席12の前方位置で後方へ緩やかに湾曲させて前記機体2の後方へ引き延ばされ、その後端部52bが、図2に示すように、前記静油圧駆動変速機8の前方で、前記機体2に固定されている。そして、前記アウターチューブ52の前記前端部52aから突出した前記フロントエンドロッド511の前端部51aは、前記変速操作板45に回動自在に連結され、前記アウターチューブ52の前記後端部52bから後方へ突出した前記リアエンドロッド512の後端部51bは、前記油圧コントロールレバー25の前記揺動一端部25bに枢止されている。
【0042】
以上のように構成される前記変速操作部14および前記制動装置6は、次のように作用する。
【0043】
前記出力停止装置17の作用で前記静油圧駆動変速機8の前記吐出量調整斜板23が前記出力停止状態にあるとき、これに対応して、前記変速レバー13は、前記変速レバー案内溝48の中間段部である中立位置(図4乃至図6に実線で示した変速レバー13の位置)にある。
【0044】
そして、該中立位置から前記変速レバー13を前記変速レバー案内溝48に沿って前記機体2の前方へ移動させると、前記ばね座金50の作用で前記ラチェットホイール軸49を伴って、前記変速操作板45が図5で見て反時計回り方向に回動し、前記変速操作力伝達部材16の前記フロントエンドロッド511が前記アウターチューブ52から引き出される。これにより、前記油圧コントロールレバー25が図2で見て時計回り方向に揺動し、前記吐出量調整斜板23が前進駆動状態に傾斜せしめられ、前記油圧モータ19が正転して前記機体2が前進する。
【0045】
このとき、前記変速操作板45には、前記出力停止装置17の前記左側復帰レバー36によって、前記油圧コントロールレバー25と前記変速操作力伝達部材16とを介して、前記変速レバー13を前記変速レバー案内溝48内における中立位置に戻そうとする力が作用している。しかし、前記ラチェット機構53,54と前記ばね座金50の作用により、前記変速レバー13は前進駆動シフト位置に確実にそのまま維持される。
【0046】
前記機体2の前進を停止させるときには、運転者は、前記ブレーキペダル55を踏めばよい。すると、図4に示すように、前記ブレーキ作用軸57を介して前記ラチェット爪54が回動し、前記ラチェットホイール53との係合が解除される。その瞬間、前記変速操作板45は、前記出力停止装置17の付勢作用で、前記変速レバー13が中立位置に戻るまで、図5で見て時計回り方向に回動復帰する。その結果、前記静油圧駆動変速機8からの前進駆動出力が停止すると同時に、前記内部拡張式ドラムブレーキ59が作用し、前記機体2は無理なく速やかに停止する。
【0047】
一方、前記変速レバー13を前記変速レバー案内溝48に沿って前記中立位置から前記機体2の後方へ移動させると、常時は、前記ラチェット爪54が前記ラチェットホイール53と係合しているので、前記ラチェットホイール軸49は回動しないが、前記ばね座金50の作用で、前記変速操作板45が前記ラチェットホイール軸49とは独立して、図5で見て時計回り方向に回動し、前記変速操作力伝達部材16の前記フロントエンドロッド511が前記アウターチューブ52内で前記機体2の後方へ押し込まれる。これにより、前記油圧コントロールレバー25が図2で見て反時計回り方向に揺動し、前記吐出量調整斜板23が後進駆動状態に傾斜せしめられ、前記油圧モータ19が逆転して前記機体2が後進する。
【0048】
このとき、前記変速操作板45には、前記出力停止装置17の前記右側復帰レバー37によって、前記油圧コントロールレバー25と前記変速操作力伝達部材16とを介して、前記変速レバー13を前記変速レバー案内溝48内における中立位置に戻そうとする力が常時作用している。後進駆動の場合には、前記ラチェット機構53,54は、前記変速レバー13を後進駆動シフト位置に保持するようにははたらかない。そこで、前記前進駆動の場合と異なり、前記変速レバー13を運転者自身が後進駆動シフト位置に保持し続けなければならない。しかし、図示例の如き走行車体1では、後進駆動の頻度は低く、後進走行時間も短いので、問題は少ない。
【0049】
前記機体2の後進を停止させるときには、運転者は、後進駆動シフト位置に保持していた前記変速レバー13から手を離すとともに、前記ブレーキペダル55を踏めばよい。
【0050】
なお、前進速度を増減せしめることも、前記構成により自在に行えることは、いうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る制動装置を備えてなる走行車体を右斜め後方から見た概略斜視図である。
【図2】変速作用部の全体概略斜視図である。
【図3】図2中の出力停止装置の要部分解斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る制動装置の概略斜視図である。
【図5】図4中の変速操作部の内部を開示した左側面図である。
【図6】図5の変速操作部を前記機体の後方から見た一部切欠説明図である。
【符号の説明】
8 駆動装置(静油圧駆動変速機(HST))
13,45 操作手段
23 出力制御手段
27 復帰手段
53,54 出力状態保持手段(一方向機構)
55 制動操作部材
61 制動状態保持手段
Claims (4)
- 駆動装置(8)の出力制御手段(23)を出力停止状態に復帰せしめるように作用する復帰手段(27)と、
前記出力制御手段(23)と作動上連結され、前記復帰手段(27)による復帰付勢力に抗して前記出力制御手段(23)を前記出力停止状態から前進駆動出力状態へと変化せしめるための操作手段(13,45)と、
前記出力制御手段(23)を前記出力停止状態から前記前進駆動出力状態へと変化せしめるための前記操作手段(13,45)の前進駆動シフト位置への操作を許容するとともに、前記復帰手段(27)による復帰付勢力に抗して前記操作手段(13,45)を前記前進駆動シフト位置に保持するラチェット機構(53,54)と、
その制動操作に連動して前記ラチェット機構(53,54)が解除されるように該ラチェット機構(53,54)と作動上連結された制動操作部材(55)と、を備えている、制動装置。 - 前記復帰手段(27)による復帰付勢力には打ち勝つが、前記出力制御手段(23)を前記前進駆動出力状態から前記出力停止状態へと強制的に変化せしめる操作力には負ける大きさの操作抵抗を、前記ラチェット機構(53,54)との間において前記操作手段(13,45)に付与してなる、請求項1に記載の制動装置。
- 前記制動操作部材(55)を制動状態に保持せしめる制動状態保持手段(61)を備えてなる、請求項1又は2に記載の制動装置。
- 前記駆動装置(8)を静油圧駆動変速機(HST)としてなる、請求項1,2又は3に記載の制動装置。
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