JP3838611B2 - 窒素酸化物・硫黄酸化物の浄化方法及び浄化装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、排ガスの処理方法及びその処理装置に関し、大気圧低温非平衡プラズマ(以下、「低温非平衡プラズマ」という。)を用いた乾式の処理、還元剤溶液を用いた湿式の処理の二段階の処理により、又は、前記乾式の処理及び湿式の処理を組み合わせた処理により、排ガス中の反応副生成物(N2O、HNO2、HNO3、NO3 −、CO)を抑制し、かつ、経済的に除去する窒素酸化物の浄化方法及び浄化装置である。
【0002】
【従来の技術】
一般に、発電所や、ディ−ゼルエンジン等に代表されるエネルギ−の供給及びこれらのエネルギ−の消費に伴って一酸化窒素(NO)や、二酸化窒素(NO2)等の窒素酸化物が排出される。環境中に排出された窒素酸化物は、光化学スモッグ等の原因となり、大都市での環境問題の重要課題として、その対策が検討されている。また、一酸化二窒素(N2O)は、近年問題となっている地球温暖化ガスの原因としても注目されている。
【0003】
窒素酸化物を低減させる方法として、燃焼方式、触媒方式、選択触媒還元方式(SCR)、アンモニア噴射方式、また、近年においては、前記触媒方式や、非熱プラズマ、電子ビ−ム等の技術を結合して、窒素酸化物を低減させる方法や、その他前記方式とアンモニア、過酸化水素及び塩化カルシウム等の化学物質や触媒等を用いた方式との結合により、窒素酸化物を低減する方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記従来の方法では、窒素酸化物の除去効率を高くするためには、多大なコストがかかるという問題があった。
【0005】
図11は、従来の窒素酸化物浄化方法により、NOx濃度が500ppm〜1000ppm程度の環境中の窒素酸化物1トンを各浄化効率で除去するためにかかったコストを示す。
【0006】
図11に示すように、従来商業化されている技術によって環境中の窒素酸化物を除去しようとするには、例えば、SCR(図11中、直線で示す。)を用いた場合、80%〜85%の窒素酸化物浄化効率で、環境中の窒素酸化物1トンを除去するために年間かかるコストは、約150万〜160万円(約12,000ドル)であり、高額のコストがかかっていることがわかる。
【0007】
例えば、SCRを用いた場合、前記高額のコストをかけても、環境中の窒素酸化物除去効率は、80%〜85%程度である。
【0008】
また、低温非平衡プラズマ等を用いて環境中の窒素酸化物を除去した場合、70eV〜780eVの多大な電力が消費され、前記SCRと同様に高額のコストがかかるという問題がある。
【0009】
その他、低温非平衡プラズマを用いた従来方式においては、環境中の窒素酸化物を分解除去するために、反応過程において、一酸化二窒素(N2O)や、硝酸イオン(NO3 −)、亜硝酸(HNO2)、及び硝酸(HNO3)等の副生成物が大量に生産されてしまい、これらの副生成物の除去がなされていないという問題があった。これらの副生成物を酸化・還元により浄化するためには、更なるコストの高騰につながるという問題があった。
【0010】
そこで、本発明は、低温非平衡プラズマの生成による乾式の工程及び/又は強力な還元剤溶液を用いる湿式の工程を用いて、低コストで、環境中の窒素酸化物を効率的に除去し、窒素酸化物除去工程において、生成される副生成物の大幅な制限が可能となる窒素酸化物・硫黄酸化物の浄化方法及びその浄化装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願第1請求項に記載した発明は、大気圧低温非平衡プラズマを生成するプラズマリアクタを用いて、排ガス中のNOを酸化してNO2とする工程を備えた窒素酸化物の浄化方法において、
前記プラズマリアクタは、チタン酸バリウムからなるペレット状の強誘電体を収納した容器と、前記容器の内部に配線された内部電極と、前記容器の外周に設けられた外部電極とを備え、
前記内部電極及び前記外部電極は、AC電源に接続され、
前記大気圧低温非平衡プラズマを生成する印加電圧は、前記NO2の生成量が最大値となるように設定するとともに、前記内部電極の直径は、5mm以下に設定した窒素酸化物の浄化方法である。また、本願第2請求項に記載した発明は、請求項1の発明において、前記内部電極の直径を1.5mmに設定した窒素酸化物の浄化方法である。
【0012】
中央の電極及び外部の電極間に電圧を印加することにより、ペレット状の誘電材間近傍は高電界となり、プラズマ励起された空気から活性酸素Oが生じ、反応性の高いラジカルとなる。プラズマリアクタは、容器内部の高電界領域となっている誘電材間に直接排ガスを流通するので、排ガスのガス分子や気体分子は、加速された電子からエネルギ−を与えられて電離され、反応性の高いラジカルとなって、ラジカル反応・イオン反応により、解離・分解し、連鎖的に後記(1)式乃至(6)式のように反応して分解反応が進んでいくものと考えられる。すなわち、排ガスに低温非平衡プラズマを生成すると、低温非平衡プラズマの放電により、ガス中の、窒素N2や酸素O2が、電離し、励起されて、活性窒素Nや、活性酸素Oとなる。また、水分存在下においては、水分子がOHラジカルとなり、これらの分子の励起により、NOxの解離が始まる。
【0013】
すなわち、NOxのうち、一部の一酸化窒素NOは、活性窒素Nにより、温度に影響されることなく、N2に還元される。しかし、このN2への還元は、排ガス中に含まれるNOのごく一部であり、大部分は活性酸素Oによって酸化されて二酸化窒素NO2へと酸化される。これらのことは、以下の式で表すことができる。
【0014】
(1) NO+N → N2+O
(2) NO+O+M → NO2+M
ここで、Mは、第三体物質を表しており、この第三体物質Mは、反応で得られた過剰エネルギ−を吸収し、反応を効果的に進める物質であり、空気中では、窒素や酸素を示している。
【0015】
前記(2)式に示すように、排ガス中に含まれるNOは、低温非平衡プラズマの生成により、そのほとんどすべてが、NO2に酸化される。NO2量が最大値となる低温非平衡プラズマを生成するための印加電圧は、従来のプラズマ法で用いられていた印加電圧よりも、大幅に低い値となる。
【0016】
これよりも、高い電圧を印加すると、生成されたNO2は、活性窒素の影響により、更に、反応が進み、次式(3)に表すように、N2Oに還元される。このN2Oは近年、地球温暖化ガスとして注目されている。
【0017】
(3) NO2+N → N2O+O
更に、水分存在下において、NO2の一部は、前記第三体物質M及びOHラジカルの影響により、次式(4)に表すように、硝酸(HNO3)に酸化される。
【0018】
(4) NO2+OH+M → HNO3+M
また、水分が存在しない場合は、NO2の一部は、空気中の活性酸素Oにより、次式(5)に表すように、硝酸イオン(NO3 −)となる。
【0019】
(5) NO2+O+e → NO3 −
また、同時に、NO2の一部は、空気中の活性酸素Oにより、次式(6)に表すように、再び、NOに還元される。
【0020】
(6) NO2+O → NO+O2
このように、空気中に存在する活性酸素及び活性窒素によって、NOxの酸化・還元サイクルが影響を受けて、NO及びNO2が酸化・還元されている。また、この窒素酸化物の酸化・還元サイクル中に、前記副生成物(N2O,HNO2,NO3 −等)が生成される。このため、窒素酸化物の完全な除去には、限界があることがわかる。副生成物のうち、HNO3及びNO3 −の除去は容易であるが、地球温暖化ガスとして、近年注目されているN2Oガスの除去は困難であることが知られている。
【0021】
低温非平衡プラズマの生成により、排ガス中のNOはNO2に酸化されるが、高電圧を印加して、更に反応が進むと、前記NO2が酸化・還元されて、前記副生成物が生成される。
【0022】
本発明は、低温非平衡プラズマの生成により、前記(2)式にしたがって排ガス中のNOがNO2に酸化される場合に、NO2量が最も大きくなる印加電圧を基準値として、低温非平衡プラズマを生成する印加電圧を設定し、NO2の反応を抑制して、NO2反応の促進による副生成物の発生を低減し、窒素酸化物中に含まれるNOを最大量近傍のNO2に酸化することが可能となる。
【0023】
酸化されたNO2は、還元剤溶液を用いて、排ガス中から比較的容易に除去されるため、排ガス中の窒素酸化物から生成されるNO2量が最大値となる電圧を基準値として印加電圧を設定し、従来のプラズマ法による印加電圧よりも大幅な低電圧(又は、大幅な低電力)で、NOがNO2に酸化されるので、エネルギ−消費を削減して、コスト低減を図ることができる。
【0024】
また、NO2が最大値となる値を基準値として、印加電圧を設定するため、NO2の反応がさらに進んで生成される副生成物の生成量を抑制することができ、除去の困難な副生成物の発生を低減して、効率的な窒素酸化物の浄化方法を提供することが可能となる。
【0025】
このように、NO2量が最大値となる電圧を基準値として、低温非平衡プラズマを生成する印加電圧を設定し、ガス中に含まれるNOをNO2に酸化させた後、還元剤でNO2を処理するので、プラズマ法のみを用いた場合や、SCR等の従来方法よりも効率的にNOxを除去することができる。
【0026】
更に本発明は、後述する実験から明らかなように、内部電極の直径を替えてみると、内部電極は直径5mm以下、好ましくは1.5mmに設定すると、NOからNO 2 への変換が大きくなり、内部電極としてこのような値が好ましいことが判明している。
【0083】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の具体例を図面に基づいて説明する。
【0084】
まず、図1は、本発明の具体例に係り、排ガスに大気圧低温非平衡プラズマを生成するプラズマリアクタの構成を示す図である。また、図2は、本例に係る排ガスの浄化装置の概略構成図を示す。これらの図に基づいて、排ガスの浄化装置について説明する。
【0085】
図1に示すように、本例のプラズマリアクタ3は、容器内部にペレット状の誘電材32を充填したバリアタイプのパックドベッドリアクタであり、中央部にワイヤ状の放電線を備えている。 この放電線に所定値に設定された電圧及び周波数のAC電流を印加することにより、常温常圧下でプラズマリアクタ3を通流する物質に低温非平衡プラズマを生成する装置である。
【0086】
図1に示すように、プラズマリアクタ3は、密閉容器であるリアクタ本体31に所定のペレット状の誘電材32が収納されており、リアクタ本体31の内部中央に配設されたワイヤ−状の中央電極38及びリアクタ外周に設けられたメッシュスクリ−ン状の外部電極39から構成されるプラズマ電極を設けている。
【0087】
このリアクタ本体31は、パイレックス製の素材を用いて、直径20mm程度、長さ300mm程度の直管状に形成されており、上下の開口部は、シリコン製の素材を用いたブッシュ35,36によって閉塞されている。
【0088】
また、このリアクタ本体31には、排ガスの流出入部33,34が設けられており、この流出入部33,34は、他の機器と連結する連結部材とそれぞれ接続している。
【0089】
ペレット状の誘電体32は、リアクタ本体31内の支持板40,41の間に装着されている。この支持板40,41は、多孔を設けたテフロン等の素材を用いて形成されている。この支持板40,41を用いて、リアクタ本体31内に誘電体を保持している。
【0090】
リアクタ本体31内に配置された中央電極38と、リアクタ本体31の外周に設けられた外部電極39は、それぞれ電源部9に電気的に接続されている。
【0091】
前記中央電極38には、ステンレス・スチ−ルワイヤ−が用いられており、この中央電極38の下側は、リアクタ本体31内に設けられた支持板41の中心に接続され、その上端は、リアクタ本体31の上側開口を閉塞するブッシュ35の中央を貫通して、電源部9に電気的に接続されている。
【0092】
また、外部電極39は、銅製のメッシュスクリ−ン状に形成されて、リアクタ本体31の外周を覆うように構成され、中央電極38と同様に電気的に電源部9に接続されている。
【0093】
従って、電源部9から中央電極38に、例えば、60HzのAC電源(30kV、10mA)から電流及び電圧を印加すると、中央電極38と外部電極39の間に位置する誘電率の比較的低い誘電材32の間に常温常圧下において、低温非平衡プラズマ(電離気体)を発生させることができる。
【0094】
尚、電極38,39に電圧を印加するAC電流は、前述した60Hzに限らず、条件に応じて、1Hz〜100MHzで設定してもよい。
【0095】
例えば、中央電極38及び外部電極39間に電圧を印加することにより、ペレット状の誘電材32間近傍は高電界となり、プラズマ励起された空気から活性酸素Oが生じ、反応性の高いラジカルとなっている。
【0096】
本例のプラズマリアクタ3は、容器内部の高電界領域となっている誘電材32間に直接排ガス(試料ガス)を流通するので、排ガスのガス分子や気体分子は、加速された電子からエネルギ−を与えられて電離され、反応性の高いラジカルとなって、ラジカル反応・イオン反応により、解離・分解し、連鎖的に前記(1)式乃至(6)式のように反応して分解反応が進んでいくものと考えられる。
【0097】
次に、前述したプラズマリアクタ3を備えた排気ガスの浄化装置1について説明する。
【0098】
図2は、排気ガスの浄化装置1を示す概略構成図である。
【0099】
図2に示すように、本例の排気ガスの浄化装置1は、コンプレッサ−2、試料ガスとなる窒素酸化物(NO)タンク4、流量調整バルブ5、前記プラズマリアクタ3の内部に還元剤溶液を備えたケミカルリアクタ6、及び分析装置7を備えている。前記各器機は、配管等の接続部材8で連結している。
【0100】
コンプレッサ−2は、空気フィルタ及び空気ドライヤ11と連結し、コンプレッサ−2によって圧縮された空気は、前記空気フィルタによって浮游粒子が除去され、また、ドライヤによって水分が除去される。
【0101】
また、コンプレッサ−2は、流量制御弁12を備え、取り込んだ空気の流量を調整している。同様に窒素酸化物タンク4も、流量制御弁13を備えている。
【0102】
コンプレッサ−2から取り込んだ空気と、窒素酸化物タンク4から流出した試料ガスは、前記流量制御弁12,13によって流量が制御され、流量調整バルブ5で所定濃度となるように混合された後、所定流量となるようにプラズマリアクタ3に通流する。
【0103】
また、プラズマリアクタ3は、前述した内部電極38及び外部電極39に電圧を印加する電源10が備えられている。また、前記電極38,39を通じてプラズマリアクタ3に印加した電圧を測定するため、高電圧プロ−ブ(ソニ−テクトロニクス社製 P6015A)及びオシロスコ−プ(ソニ−テクトロニクス社製 TDS380P)9を設け、これらを用いてプラズマリアクタ3に印加した電圧をPeak−to−peak電圧(Vp−p)として測定している。
【0104】
また、プラズマリアクタ3を通過した試料ガスの分析に用いる分析装置7として、試料ガス中のNO及びNO2の濃度測定には、化学発光式NOx分析計を用い、CO,CO2,N2O,O2ガスの濃度測定には、赤外線分光分析計(IR:堀場製作所製 PG−235,VIA−50)を用いている。また、NO2 −やNO3 −のイオンの測定には、イオンクロマトグラフ(Dionex200i/sp)によって測定した。
【0105】
次に前記浄化装置1を用いて行った実験結果について説明する。
【0106】
図3に、リアクタ3内部に充填する各誘電材の電流、電圧特性を示す。
【0107】
本例において、ガラス製ペレットを充填したプラズマリアクタ(GPR)及びチタン酸バリウム製のペレットを充填したプラズマリアクタ(FPR)の2種のプラズマリアクアを用いた。
【0108】
GPRは、直径6mm程度のプラズマリアクタ内部に、誘電率の比較的低い(ε=4)ガラス製のペレットを充填したプラズマリアクタであり、また、FPRは、直径6mm程度のプラズマリアクタ内部に、誘電率の比較的高い(ε>5,000)チタン酸バリウム(BaTiO3)製のペレットを充填したプラズマリアクタである。
【0109】
本例のバリアタイプのプラズマリアクタ3は、60HzのAC電源(30kV、10mA)を用いたプラズマリアクタであり、常温常圧下でプラズマを生成することができる。なお、低温非平衡プラズマの発生が可能であれば、形式或は電源装置は、本例のプラズマリアクタ等の形状に限定する必要はない。
【0110】
図3に示すように、GPRのスパ−ク電圧は、25kVであり、FPRのスパ−ク電圧は、22.5kVであった。なお、プラズマリアクタ3の消費電力は、壁プラグ電力の約27%であった。
【0111】
次に、前記実験装置1を用いて実際に実験を行った結果について説明する。
<実験1>
まず、ベ−スラインデ−タを得るために、乾燥空気中の窒素酸化物(NO,NO2)の濃度を測定した。
【0112】
図4は、プラズマリアクタ3にガラス製のペレットを充填したGPRを用いて、乾燥空気流量を変化させ、この流量変化に対するプラズマリアクタ3通過後の乾燥空気中のNO濃度及びNO2濃度を測定した結果を示す図である。
【0113】
本例においては、乾燥空気流量を、2.0L/min、4.0L/min、8.0L/minと変化させてNO濃度及びNO2濃度を測定した。前記各流量における乾燥空気の滞留時間は、流量2.0L/minの場合に2.6秒、流量4.0L/minの場合に1.3秒、流量8.0L/minの場合に0.7秒であった。なお、前記滞留時間は、空隙率を考慮していない数値である。
【0114】
図4に示すように、乾燥空気中のNO2濃度は、プラズマリアクタ3内部の滞留時間が長く、また、プラズマリアクタ3に印加する電圧が上昇するほどプラズマリアクタ3通過後の乾燥空気中のNO2濃度が高くなることが確認できる。
【0115】
一方、NO濃度は、滞留時間の変化に拘らず、また、印加電圧を上昇させてもプラズマリアクタ3通過後の濃度が全て0ppmであった。
【0116】
このことから、NOはプラズマリアクタ3内部で、滞留時間かかわらず、低電圧すなわち小電力で、全て酸化されていることが確認できる。
<実験2>
次に、第2の実験例として、プラズマリアクタ3として、チタン酸バリウム製のペレットを充填したFPRを用いて、内部に所定の試料ガスを通流させ、プラズマリアクタ3通過後の試料ガス中のNO濃度、NO2濃度、及び、前記NO濃度及びNO2濃度の和であるNOx濃度を測定した結果を示す。本実験において、試料ガスとして、5%濃度の窒素ガスを、乾燥空気と混合して所定濃度としたものを用いた。また、本実験例の試料ガス流量は、2.0L/min(プラズマリアクタ3内滞留時間2.6秒)に調整されている。
【0117】
図5は、印加電圧を変化させた場合に、FPRを通過した試料ガス中のNO,NO2及びNOxの濃度変化を示す図である。
【0118】
図5に示すように、印加電圧が0kVのとき、NOの初期濃度は、125ppmであり、NO2の初期濃度は、35ppm、前記初期のNO濃度及び初期のNO2濃度の和であるNOxは、160ppmである。
【0119】
印加電圧を上昇させて印加電圧が4.5kVのとき、NO濃度は、初期濃度125ppMから90ppm程度に減少し、一方、NO2濃度は、35ppmから75ppm程度に増加する。ここで、NO濃度及びNO2濃度の和であるNOx濃度は、160ppmのまま変化していない。従って、FPRに4.5kVの電圧が印加されると、NOは、N2Oや、HNO3等の副生成物を発生することなく、前記(2)式に表される酸化反応により、全てNO2に酸化されていることが確認できる。従って、リアクタ内部では、試料ガス中のNOは、前記(1)式のような還元作用が起こりにくく、前記(2)式で表される酸化反応により、全てNO2に酸化されていることが確認できる。
【0120】
次に、FPRに印加する電圧を上昇させて6.7kVにすると、NO濃度は、初期濃度125ppmから0ppmとなる。一方、印加電圧6.7kVのときのNO2濃度は、初期濃度35ppmから140ppmに増加する。
【0121】
また、前記NO濃度及びNO2濃度の全体の和であるNOx濃度は、初期濃度160ppmから140ppmとなり、前記初期濃度と比較して20ppm相当の二酸化窒素NO2が、前記(3)式、(4)式及び(5)式に表される反応によって、他の窒素酸化物、N2O、HNO3(或は、NO3 −)に酸化・還元されていることが推測できる。
【0122】
更に、FPRに印加する電圧を7.0kV以上に上昇させると、NO濃度は、0ppmを維持し、NO2濃度及びNOx濃度は減少する。NOxは初期濃度160ppmから120ppm程度にまで減少していることが確認できる。
【0123】
ここで、初期濃度と比較して40ppm程度のNOx濃度の減少していることから、一部のNO2が前記(3)式に示すようにN2Oに還元され、他のNO2が、前記(4)式及び(5)式に示すように、HNO3(或は、NO3 −)に酸化されていることが推測できる。また、他の一部のNO2は、(6)式に示されるように、NOに還元され、更に、還元されたNOは、(2)式で示すように、再び、NO2に酸化され、連鎖的に酸化・還元反応が繰り返されているものと考えられる。
【0124】
従って、排ガス中の窒素酸化物を除去するためには、反応中に生じる副生成物が最小値近辺となるような条件を選ぶことが重要になってくる。
【0125】
ここで、近年において、排ガスに低温非平衡プラズマを生成し、排ガス中に含まれる窒素酸化物を反応させると、この反応によって生じる副生成物うち、90%以上がHNO3であり、残りの少量がN2Oであるという報告がなされている(Fourth International Conference on Advanced Oxidation Technologies for Water and Air Remediation Sept. 1997,p57、及び1997 IEEE−IAS meeting,New Orleans Oct.5−9,1997,pp1937−1941)。
【0126】
副生成物として生成されるHNO3は反応性に富むため、処理が容易であり、浄化処理プロセスの簡易化の実現が推測される。
<実験3>
次に、第3の実験例として、プラズマリアクタ3としてガラス製のペレットを充填したGPRを用いて、プラズマリアクタ3内部に所定の試料ガスを通流させ、プラズマリアクタ3通過後の試料ガス中のNO濃度、NO2濃度、及び、前記NO濃度及びNO2濃度の和であるNOx濃度を測定した結果を示す。
【0127】
本実験において、前記第2の実験と同様に、試料ガスとして、5%濃度の窒素ガスを、乾燥空気と混合して所定濃度としたものを用いた。また、本実験例の試料ガス流量は、4.0L/min(プラズマリアクタ3内滞留時間1.3秒)に調整されている。図6は、実験3の結果を示す図である。
【0128】
図6に示すように、電圧を印加していないプラズマリアクタ(印加電圧0kV)通過後の試料ガス中のNO初期濃度は、70ppmであり、NO2初期濃度は、5ppmであり、前記NO初期濃度及びNO2初期濃度の和であるNOx初期濃度は、75ppmである。
【0129】
電圧を印加していないプラズマリアクタ3通過後の試料ガスが、ケミカルリアクタ6を通過して還元剤溶液と反応すると、NOx濃度は68ppmに減少する。
【0130】
NOは、還元剤溶液、本実験の場合は、亜硫酸ナトリウム溶液(Na2SO3溶液)とは、全く反応しない。一方、試料ガス中のNO2は、Na2SO3溶液と反応し、窒素N2となり、排ガス中から窒化物が除去される。また、還元剤溶液であるNa2SO3溶液をNa2SO4溶液に酸化する。ここで、酸化されたNa2SO4は水に溶解し、無害である。
【0131】
すなわち、プラズマリアクタ3通過後の試料ガスを強力な還元剤溶液(Na2SO3溶液、Na2S溶液等)と反応させることにより、試料ガス中のNO2が反応して、試料ガス中からNO2が除去される。
【0132】
従って、前述のように、印加電圧0kVのプラズマリアクタ3及びケミカルリアクタ6を通過した試料ガス中のNOx濃度が減少しているのは、NOが空気により自然酸化されてNO2となり、前記還元剤溶液と反応してNO2が除去されているためと推測できる。
【0133】
次に、プラズマリアクタ3に印加する印加電圧を6.7kVに上昇させ、NO濃度を測定すると、初期濃度70ppmから55ppmに減少し、一方、NO2濃度は、初期濃度5ppmから20ppmに増加する。NOx濃度は、75ppm程度である。ここで、NOx濃度が、初期濃度から変化していないため、初期濃度と比較して減少したNOは、全てNO2に酸化されていることが推測できる。
【0134】
プラズマリアクタ3通過後、試料ガスがケミカルリアクタ6を通過すると、プラズマリアクタ通過後75ppmであったNOx濃度は、55ppmに減少する。従って、ケミカルリアクタ内で試料ガスが還元剤溶液と反応し、還元剤であるNa2SO3溶液の強力な還元作用により、排ガス中から約20ppm程度の窒素酸化物が除去されることが確認できる。
【0135】
次に、プラズマリアクタ3に、GPRの最大加電圧である25kVの半分の電圧である13.5kVを印加する。このとき、NO濃度は、初期濃度55ppmから3ppm以下に減少する。一方、NO2濃度は、初期濃度5ppmから38ppmに増加する。NOx濃度は、38ppm程度となる。更に、前記試料ガスをケミカルリアクタ内部を通過させ、還元剤溶液と接触させると、NOx濃度が2ppmまで減少する。すなわち、試料ガスを還元剤溶液と反応させると、窒素酸化物が試料ガス中から除去され、Na2SO3が酸化されて、水に溶解されやすく無害化されたNa2SO4のみが測定されることとなる。
【0136】
本実験においては、NOxは、初期濃度75ppmから、電圧13.5kV加圧時に濃度38ppmまで減少するため、37ppm程度のNO2が副生成物として酸化・還元されていることとなる。また、この副生成物のうちほとんどが、前記文献の記載から、処理の簡単なHNO3となっていることが推測される。
【0137】
従って、低温非平衡プラズマよって生成されるNO2量が最大値となる印加電圧を基準値としてプラズマリアクタ3に電圧を印加すれば、副生成物の生成量を最低限度に押さえて窒素酸化物を除去が可能であることが推測できる。
【0138】
また、生成されるNO2量が最大値となる印加電圧は、更に反応を進ませてNO2量を低減させる従来のプラズマ法よりも、低電圧であり、生成されるNO2量が最大値となる印加電圧を基準値として、リアクタ3に印加する電圧を設定することにより、エネルギ−コストが低減され、窒素酸化物除去のためのコスト低減を図ることが可能となる。
<実験4>
次に、第4の実験例として、プラズマリアクタ3としてチタン酸バリウム製のペレットを充填したFPRを用いて、プラズマリアクタ3内部に所定の試料ガスを通流させ、プラズマリアクタ3通過後の試料ガス中のNO濃度、NO2濃度、及び、前記NO濃度とNO2濃度の和であるNOx濃度を測定した結果を示す。
【0139】
本実験において、前記第3の実験と同様に、試料ガスとして、5%濃度の窒素ガスを、乾燥空気と混合して所定濃度としたものを用いた。また、本実験例の試料ガス流量は、4.0L/min(プラズマリアクタ3内滞留時間1.3秒)に調整されている。図7は、実験4の結果を示す図である。
【0140】
図7に示すように、電圧を印加していないプラズマリアクタ(印加電圧0kV)通過後の試料ガス中のNOの初期濃度は、130ppmであり、NO2の初期濃度は、22ppmであり、前記NOの初期濃度及びNO2の初期濃度の和であるNOxの初期濃度は、152ppmである。
【0141】
電圧を印加していないプラズマリアクタ3通過後の試料ガスがケミカルリアクタ6を通過すると
、前記濃度の試料ガスが還元剤溶液と反応し、NOx濃度は130ppm程度に減少する。
【0142】
従って、22ppm程度のNO2がケミカルリアクタ6内で還元剤溶液と反応し、除去されている。
【0143】
次に、プラズマリアクタ3に印加する印加電圧を6.7kVに上昇させ、窒素酸化物の濃度を測定すると、NOは、初期濃度130ppmから30ppmに減少し、一方、NO2は、初期濃度22ppmから125ppmに増加しており、NOx濃度は変化していない。このため、NOの減少分だけNO2が増加していることを確認することができる。6.7kVの電圧が印加されたFPRを通過した試料ガスが、ケミカルリアクタ6内で還元剤溶液と反応すると、NOx濃度は、NO濃度と一致する約30ppmの値を示すため、還元剤溶液との反応によって、NO2のほぼ全てが除去されていることが確認できる。
【0144】
次に、プラズマリアクタ3に印加する電圧を9.0kVに上昇させると、NO濃度は、0ppmとなり、NO2濃度は、130ppmとなる。また、NOx濃度は、NO濃度が0ppmであるため、NO2濃度と同一の130ppmとなる。
【0145】
従って、9.0kVの電圧が印加されて、低温非平衡プラズマが発生するFPR内部を試料ガスが通過すると、プラズマリアクタ内部の試料ガス中に含まれていたNOは、前記(1)式のような還元作用は起こりにくく、前記(2)式で表される酸化反応により全てNO2に酸化されていることが確認できる。
【0146】
更に、FPR通過後の試料ガスをケミカルリアクタ6内を通過させて還元剤溶液と反応させ、その後のNOx濃度を測定すると、NOx濃度は、0ppmとなる。
【0147】
従って、FPR通過後の試料ガスが、還元剤溶液と反応することにより、試料ガス中のNO2が全て除去されていることが確認できる。
【0148】
また、NOxの初期濃度と、9.0kVの電圧が印加されたFPR通過後のNOx濃度と比較すると、NOx濃度が、25ppm程度減少していることから、約25ppm程度の副生成物が生成されていることが確認できる。
【0149】
これらの結果から、所定電圧を印加することによってFPR間を通過する排ガスに低温非平衡プラズマを生成させると、低温非平衡プラズマにより生成される活性酸素及び活性窒素等の影響により、排ガス中に含まれる全てのNOが、前記(2)式にしたがってNO2に酸化され、このNO2を含む排ガスを還元剤溶液と反応させると、排ガス中のNO2が全て除去されることがわかる。
【0150】
このように、排ガス中に含まれるNOは、低温非平衡プラズマが生成されるプラズマリアクタ3内部を通過させることにより、NO2に酸化され、更に、その排ガスを還元剤溶液と反応させることにより、酸化生成されたNO2のほぼ100%が排ガス中から除去されることが確認できる。
【0151】
また、NOの酸化に伴って生成される副生成物のほぼ90%が、処理しやすいHNO3に酸化されるため、本実験例の窒素酸化物の浄化方法によれば、除去されにくいN2Oは、2.5ppm程度の低濃度であることが確認できる。
【0152】
従って、窒素酸化物中のNOが最大限NO2に酸化される電圧を基準値としてプラズマリアクタ3に電圧を印加すると、排ガス中の窒素酸化物が酸化されて生成されるNO2の量は最大値となり、一方、NO2の反応が更に進んで副生成物が生成される量が最小値となるとなることがわかる。
【0153】
従って、プラズマリアクタ3を通過する排ガス中のNO2量が最大値となる値を基準値として、印加電圧を設定すると、副生成物を最小限に押さえて、その後の除去反応がしやすいように効率良く、排ガス中の窒素酸化物をNO2に酸化できる。また、酸化生成されるNO2量が最大値となる値を基準値として、印加電圧を設定すると、従来のプラズマ法で排ガス中の窒素酸化物を除去する場合よりも、低電圧の印加電圧ですみ、エネルギ−コストを低減することができる。
【0154】
また、図6に示す第3の実験例及び図7に示す第4の実験例の双方の結果を比較してみると、図7に示すチタン酸バリウム製のペレットを充填したFPRの方が、図6に示すガラス製のペレット状の誘電体を充填したGPRよりも低電圧(低電力)で、NOxを除去できることが確認できる。更に、反応後のNOxの減少量から、FPRの方が、GPRよりも副生成物の生成量が低いことが確認できる。
【0155】
次に、他の具体例について説明する。
<実験5>
次に第5の実験例は、試料ガス流量を2.0L/minとし、NOの初期濃度を200ppmとした。また、プラズマリアクタ3内部に充填する誘電材として、前述と同様にチタン酸バリウムの直径2mmのペレットを用いた。本例において、プラズマリアクタの有効長は、180mmである。
【0156】
本実験においては、プラズマリアクタに設置する内部電極として、直径が1.5mmのものと、直径が5mmのものを用い、双方の内部電極の比較を行った。
【0157】
図8(a)に直径1.5mmの内部電極を備えたプラズマリアクタ3を用いて、各電圧を印加した後の試料ガス中の各成分の濃度を示す。図8(b)に直径5mmの内部電極を備えたプラズマリアクタを用いて、同様に試験を行った試料ガス中の各成分の濃度を示す。
【0158】
図8(a)に示すように、直径1.5mmの内部電極を用いると、16kVの低電圧でNO2が180ppm程度であり、排ガス全体のNOxの濃度も同様に180ppmとなる。一方、図8(b)に示すように、直径5mmの内部電極を用いると、16kVの低電圧でNO2が150ppm程度となり、NOx濃度も150ppmとなる。
【0159】
また、NO濃度は、直径1.5mm又は直径5mmの内部電極を用いた場合ともに、3ppm程度の低い値を示している。
【0160】
従って、図8(a)及び(b)に示す結果から、直径5mmの内部電極を用いた場合よりも、直径1.5mmの細い内部電極を用いたほうが、NOからNO2へ酸化する量が増大し、また、NOx量も減少していないことをから、N2Oや他の副生成物を発生を抑制して、NOからNO2へと酸化していることが確認できる。NOからNO2へと酸化すると、プラズマリアクタ通過後、ケミカルリアクタ内で、NO2が還元剤溶液と反応し、前記(7)式に示すように、無害なN2及びNa2SO4へと変化して、試料ガス中から窒素酸化物が除去される。
【0161】
以上の結果から、内部電極の直径としては、内部電極が小さい方が,NOからNO2への変換が大きく、適していることが確認できる。
【0162】
近年において、NOxをプラズマを用いて分解すると、反応生成物の90%以上がHNO3となることが確認されている。
【0163】
今回の実験においても、50ppm程度のHNO2及びHNO3と、3ppm程度のN2Oが発生していることが確認できる。
【0164】
浄化装置通流後の排ガス中のHNO2及びHNO3の比をイオンクロマトグラフによって測定すると、14kVの電圧をプラズマリアクアに印加した場合は、NO2 −:NO3 −=1.77:1と、NO2 −の方が多い値を示し、16kVの電圧をプラズマリアクタに印加した場合は、NO2 −:NO3 −=1:1.77とその数値が逆転している。従って、印加電圧を上昇すると、NO2 −が更に酸化されてNO3 −となることが確認できた。
【0165】
このようなHNO2やHNO3は、水酸化ナトリウム(NaOH)のような還元剤で容易に中和処理ができるが、このような還元剤を用いると浄化処理のコストが高騰するため、HNO2やHNO3の発生をできるだけ低減し、ケミカルリアクタ内で、プラズマリアクタで反応したNO2がNa2SO3と接触し、N2として排ガス中の窒化物を除去することが望ましい。
【0166】
次に、誘電材(BaTiO3)のペレットの直径を変化し、ペレット径の変化によって浄化される排ガス中の成分の変化を確認する実験を行った。
<実験6>
本実験においては、プラズマリアクタに充填する誘電材(BaTiO3)は、ペレット状とし、各ペレットの直径は、1mm、2mm又は3mmのものを用いた。
【0167】
また、本実験に用いるプラズマリアクタは、充填したペレットの有効長を50mmとし、外部電極の有効長も50mmのものを用いた。
【0168】
また、プラズマリアクタに通流する試料ガスの流量を2.0L/minとし、NOの初期濃度を100ppmとした。
【0169】
前記各直径のペレット状の誘電材を用いたプラズマリアクタ通過後の試料ガス中の各成分の濃度を図9(a),(b)及び(c)に示す。図9(a)は、直径1mmのペレットを用いた場合の結果であり、図9(b)は、直径2mmのペレットを用いた場合の結果であり、図9(c)は、直径3mmのペレットを用いた場合の結果を示す。本例においては、プラズマリアクタ通流後、ケミカルリアクタ通流前、すなわち、Na2SO3溶液と反応させない状態の試料ガス中の各成分の濃度を測定した。
【0170】
図9(c)に示すように、印加電圧が16kVの低電圧を印加した場合、ペレットの直径が3mmであると、窒素酸化物の全体量を示すNOxは、ほとんど変化がなく、また、試料ガス中に含まれていたNOはほとんど全てがNO2に酸化し、HNO2、HNO3、COやN2Oのような副生成物は、発生していないことが確認できた。また、NOのほとんど全てがNO2に酸化している。
【0171】
一方、図9(a)及び図9(b)に示すように、直径が1mmのペレットを用いると、初期のNOのうち約半分程度しかNO2に酸化しておらず、また、直径が2mmのペレットを用いると、初期のNOのうちは、約3/5程度しかNO2に酸化していなかった。
【0172】
従って、直径3mm以上のペレットを用いると、試料ガス中に含まれていたNOほとんど全てをNO2に酸化でき、このNO2は、その後、ケミカルリアクタにおいて、Na2SO3と反応し、前記(7)式に示すようにN2及びNa2SO4となるため、容易に試料ガス中から窒化物を浄化することができる。
【0173】
また、本例においては、印加電圧が16kVのように低い値で浄化が可能であるので、浄化装置の運転条件としては、最も好適なソフトプラズマを生成する状態での運転が可能である。
【0174】
ここで、ソフトプラズマを生成する状態とは、印加電圧を下げて、浄化対象ガスの滞留時間を増加する浄化装置の運転条件をいう。
【0175】
従って、ソフトプラズマを生成する状態で運転が可能であると、印加する電圧が低いため、大幅なコスト低減を図ることが可能となる。
【0176】
また、浄化装置の運転条件として最も好適なソフトプラズマを生成する状態で浄化装置の運転が可能であると、前述したようなNO2が最大値となる値を基準値として、生成される副生成物が最小となる値を印加電圧として設定でき、排ガス中からNOxを効果的に除去できる。
【0177】
次に、前記プラズマリアクタを通過した試料ガスをケミカルリアクタに通過させた後、試料ガス中の各成分を前記分析装置を用いて測定した。
【0178】
結果を図10に示す。
【0179】
図10に示すように、前記プラズマリアクタ通流後の試料ガスをケミカルリアクタに通流し、ケミカルリアクタ内の還元剤溶液と前記(7)式又は(10)式に示すように反応し、無害なN2や水溶性のNa2SO4となり、試料ガスから容易かつ100%近い高い除去効率で、窒素酸化物を除去する。
【0180】
また、例えば、電圧を16kVにした状態でほぼ0の値となるため、本例の浄化装置によれば、全電圧領域でNO2を完全に除去で、また、有害の副生成物であるN2O、CO等もほとんど完全に抑制できることが確認できた。
【0181】
図10に示すように、試料ガスに低温非平衡プラズマを生成しない場合であっても、試料ガスに含まれる窒素酸化物が(NO2)である場合は、ケミカルリアクタにおいて、試料ガスと還元剤溶液を反応させて、試料ガス中のNO2を除去しやすいN2として、窒素酸化物を除去することができる。
【0182】
さらに、排ガス中に有害な硫黄酸化物(SOx)が含まれている場合、還元剤として水酸化ナトリウム(NaOH)を用いると、硫黄酸化物(例えば、SO2)は、前記還元剤と反応し、前記(10)式に示すように亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)を生じる。前述したように、この亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)は、前述のように窒素酸化物の還元剤として用いられるため、排ガス中の有害成分であるNOx及びSOxは除去される。
【0183】
また、経済的にも本例の浄化方法又は浄化装置を用いると効果的にコスト低減を図ることができる。
【0184】
例えば、バリアタイプ充填層プラズマリアクタ3を備えた浄化装置1を16kVで稼動した場合、消費電力は、1.44Wとなり、また、この場合の試料ガスの流量は、2.0L/minであることから、比消費電力は、43J/L、20W/cfm、58eV/molとなる。従って、1トンのNOxを除去するためには、1,860ドル(0.05ドル/kW・hrで換算)となる。
【0185】
一方、ケミカルリアクタとしては、1トンのNO2を処理するのに、440ドル/トン(Na2SO3の価格は、0.48ドル/kg)必要である。
【0186】
従って、プラズマリアクタ及びケミカルリアクタを備えた浄化装置を用いて、1トンのNOxを除去するためのト−タルコストで2,300ドルとなる。
【0187】
前述したように図11は、NOx濃度500ppm〜1,000ppmである排ガス1トンから窒素酸化物を除去するために、従来における各処理方法がかかったコストを示す図である。
【0188】
例えば、図11に示すように、従来のSCR法で前記濃度の排ガス中の窒素酸化物を、除去効率80%〜85%程度で除去する場合にかかる年間コストは、前述のように、約12,000ドルであるから、本例の浄化方法及び/又は浄化装置によれば、従来方法のコストの約1/10以下となる。
【0189】
また、本発明によれば、排ガス中の窒素酸化物を、ほぼ100%近くまで、高い効率で除去することができる。更に、副生成物を生成する割合も数ppm程度の少ない値に低減することができる。
【0190】
なお、本実験例においては、電圧印加して排ガス中に低温非平衡プラズマを生成するプラズマリアクタと、排ガスと還元剤を接触させるケミカルリアクタを別装置として設置し、低温非平衡プラズマの生成による乾式の処理と、還元剤を用いた湿式の処理(ケミカルプロセス)の2段階の処理を行ったが、本実験例に限らず、例えば、リアクタ内部に、還元剤と接触する手段を備えることにより、一段階の処理部内で、窒素酸化物除去処理を行うことが可能となり、窒素酸化物除去の効率化、システムの簡略化、及び、配置スペ−スの低減化等の効果を得ることが可能である。
【0191】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、大気圧低温非平衡プラズマを生成するプラズマリアクタを用いて、排ガス中のNOを酸化してNO2とする工程を備えた窒素酸化物の浄化方法において、
前記プラズマリアクタは、チタン酸バリウムからなるペレット状の強誘電体を収納した容器と、前記容器の内部に配線された内部電極と、前記容器の外周に設けられた外部電極とを備え、
前記内部電極及び前記外部電極は、AC電源に接続され、
前記大気圧低温非平衡プラズマを生成する印加電圧は、前記NO2の生成量が最大値となるように設定するとともに、前記内部電極の直径は、5mm以下に設定した窒素酸化物の浄化方法である。また、本願第2請求項に記載した発明は、請求項1の発明において、前記内部電極の直径を1.5mmに設定した窒素酸化物の浄化方法である。
【0192】
排ガスに低温非平衡プラズマを生成すると、低温非平衡プラズマの放電により、空気中に存在する活性酸素及び活性窒素によって、NOxの酸化・還元サイクルが影響を受けて、NO及びNO2が酸化・還元される。
【0193】
本発明は、低温非平衡プラズマの生成によって、排ガス中のNOがNO2に酸化される場合に、NO2量が最も大きくなる印加電圧を基準値として、低温非平衡プラズマを生成する印加電圧を設定し、排ガス中のNOを処理の容易なNO2へ酸化するとともに、更にNO2の反応が更に進んで副生成物となる量を抑制して、窒素酸化物中に含まれるNOを最大量近傍のNO2に酸化することが可能となる。
【0194】
酸化されたNO2は、還元剤溶液を用いて、排ガス中から比較的容易に除去されるため、排ガス中の窒素酸化物から生成されるNO2量が最大値となる電圧を基準値として印加電圧を設定し、従来のプラズマ法による印加電圧よりも大幅な低電圧(又は、大幅な低電力)で、NOをNO2に酸化できるので、エネルギ−消費を削減して、コスト低減を図ることができる。
【0195】
また、NO2が最大値となる電圧を基準値として、印加電圧を設定するため、生成される副生成物の生成量を抑制することができ、除去の困難な副生成物の発生を抑制して、効率的な窒素酸化物の浄化方法を提供することが可能となる。
【0196】
また、本発明は、大気圧低温非平衡プラズマを生成する電圧の設定として、前記大気圧低温非平衡プラズマの生成によってガス中のNOが酸化されてNO2を生成し、前記NOが所定値以下となるとともに、酸化生成されるNO2が最大値となる値を基準値とし、生成される副生成物が所定値以下となる任意の値を設定値としている。
【0197】
このように、印加電圧を設定すると、前記所定値電圧を印加して排ガスに低温非平衡プラズマを生成し、活性酸素等によって、排ガス中のNOを酸化反応して、低温非平衡プラズマを生成した後の工程での処理が容易であるNO2量を最大値近傍となるように生成することができる。
【0198】
本発明の方法によれば、NO2の反応が更に進んで生成される副生成物の量が所定値以下となる値を基準値として設定するため、副生成物の発生を抑制して、後の工程でNO2を除去できる。
【0199】
また、この方法では、NO2生成量が最大値となる必要電圧を印加するため、従来のプラズマ法を用いた場合よりも印加電圧を低い値に設定し、消費エネルギ−を削減して大幅なコストの低減を図ることができる。
【0219】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体例に係り、本実験に用いた充填バリア放電式のリアクタの概略構成を説明する縦断面図である。
【図2】本発明の具体例に係り、図1に示すプラズマリアクタ及びケミカルリアクタを備えた浄化装置の全体構成を示す概略構成図である。
【図3】本発明の具体例に係り、図1に示すリアクタに各ペレット材を充填し、各ペレット材充填時のリアクタの印加電圧と電流の関係を示す図である。
【図4】本発明の第1の実験例に係り、直径6mmのガラス製のペレットをプラズマリアクタに充填したGPRを用いて、乾燥空気を各通流速度でリアクタに通流し、各通流速度の電圧変化と試料ガス中のNO、NO2濃度の変化を示す図である。
【図5】本発明の第2の実験例に係り、直径4mmのチタン酸バリウム製のペレットをプラズマリアクタに充填したFPRを用いて、試料ガスを4.0L/分の流量で、前記リアクタに通流し、前記リアクタに印加する電圧と、前記リアクタ通流後の試料ガス中のNO濃度,NO2濃度及び前記NO濃度及びNO2濃度の和を示すNOx濃度の変化を示す図である。
【図6】本発明の第3の実験例に係り、直径6mmのガラス製のペレットをプラズマリアクタに充填したGPRを用いて、試料ガスを4.0L/分の流量で、前記リアクタに通流し、前記リアクタに印加する電圧と、前記リアクタ通流後の試料ガス中のNO濃度,NO2濃度、及び、ケミカルリアクタ通過後の印加電圧と試料ガス中のNOx濃度の変化を示す図である。
【図7】本発明の第4の実験例に係り、直径4mmのチタン酸バリウム製のペレットをプラズマリアクタに充填したFPRを用いて、試料ガスを4.0L/分の流量で、前記リアクタに通流し、前記リアクタに印加する電圧と、前記リアクタ通流後の試料ガス中のNO濃度,NO2濃度、及び、ケミカルリアクタ通過後の印加電圧と試料ガス中のNOx濃度の変化を示す図である。
【図8】本発明の第5の実験例に係り、(a)は、直径1.5mmの内部電極を用いたプラズマリアクタを通過した後の試料ガス中の各成分の濃度を測定した結果を示し、(b)は、直径5mmの内部電極を用いたプラズマリアクタを通過した後の試料ガス中の各成分の濃度を測定した結果を示す図である。
【図9】本発明の第6の実験例に係り、(a)は、直径1mmのBaTiO3のペレットを充填したプラズマリアクタ、(b)は、直径2mmのBaTiO3のペレットを充填したプラズマリアクタ、(c)は、直径3mmのBaTiO3のペレットを充填したプラズマリアクタを用いて、各プラズマリアクタに2.0L/minの流量で通流した後の試料ガス中の各成分を測定した結果を示す図である。
【図10】本発明の第6の実験例に係り、試料ガスを流量2.0L/minでプラズマリアクタに通流した後、ケミカルリアクタに通流した試料ガス中の各成分の濃度を測定した結果を示す図である。
【図11】従来の方法及び本発明の方法における各窒素酸化物除去効率に対して、環境中の窒素酸化物1トンを除去するために年間かかった費用を示す図である。
【符号の説明】
1 浄化装置
2 コンプレッサ−
3 プラズマリアクタ
4 タンク
5 流量調整バルブ
6 ケミカルリアクタ
7 分析装置
8 接続部材
9 電源
10 高電圧プロ−ブ及びオシロスコ−プ
11 空気ドライヤ
12 流量制御弁
13 流量制御弁
31 リアクタ本体
32 誘電材
33 流入部
34 流出部
35 ブッシュ
36 ブッシュ
37 円板
38 中央電極
39 外部電極
40 支持板
41 支持板
Claims (2)
- 大気圧低温非平衡プラズマを生成するプラズマリアクタを用いて、排ガス中のNOを酸化してNO2とする工程を備えた窒素酸化物の浄化方法において、
前記プラズマリアクタは、チタン酸バリウムからなるペレット状の強誘電体を収納した容器と、前記容器の内部に配線された内部電極と、前記容器の外周に設けられた外部電極とを備え、
前記内部電極及び前記外部電極は、AC電源に接続され、
前記大気圧低温非平衡プラズマを生成する印加電圧は、前記NO2の生成量が最大値となるように設定するとともに、前記内部電極の直径は、5mm以下に設定したことを特徴とする窒素酸化物の浄化方法。 - 前記内部電極の直径は、1.5mmであることを特徴とする請求項1記載の窒素酸化物の浄化方法。
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