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JP3827256B2 - 機能部品ゴム配合用カーボンブラックおよびそれを含む機能部品用ゴム組成物 - Google Patents

機能部品ゴム配合用カーボンブラックおよびそれを含む機能部品用ゴム組成物 Download PDF

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JP3827256B2 JP29976496A JP29976496A JP3827256B2 JP 3827256 B2 JP3827256 B2 JP 3827256B2 JP 29976496 A JP29976496 A JP 29976496A JP 29976496 A JP29976496 A JP 29976496A JP 3827256 B2 JP3827256 B2 JP 3827256B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、主にコンベアベルト、高圧ホース、ゴムロールなどに用いられる、高度の耐摩耗性、耐亀裂性、耐屈曲性に優れるとともに、各種材料への接着性にも優れた機能部品のゴム部材に好適なゴム補強性カーボンブラックおよびこれを含む機能部品用ゴム組成物に関するものである。より詳細には、SAF級以上のいわゆるハード系カーボンブラックにおいて、同等の比表面積を有する従来のカーボンブラックに比較して、その配合ゴム組成物の耐摩耗性、硬度、耐亀裂性などの特性を同等以上に維持しながら、布やスチールコードなどへの接着性を向上させることのできる機能部品ゴム配合用カーボンブラックおよびこれを含む機能部品用ゴム組成物に係るものである。
【0002】
【従来技術】
コンベアベルト、高圧ホース、ゴムロールなどで使用される各種工業用ゴム製品に用いられるゴム部材においては、過酷な使用条件下において優れた耐亀裂発生性、耐疲労性が要求されるとともに、各種の繊維、ワイヤなどの構造補強材との接着性にも優れたゴム組成物が望まれている。
【0003】
カーボンブラックはゴムに対して機械的特性等を向上させる補強性を有しているためにゴム補強剤として広く用いられているが、カーボンブラックの特性が配合ゴム組成物の要求性能に大きな影響を与える主要な因子となるために種々の特性を有するグレードがあり、用途に合わせた品種が適宜使用されている。
【0004】
例えば、防振ゴムのような低発熱性が要求されるゴム部材用には比較的粒子径が大きく、ストラクチャーの小さいカーボンブラックが有効であるとされている。また、骨格部材に使用されるゴム組成物において耐疲労破壊特性を向上させるためには、粒子径が小さく、ストラクチャーの低いカーボンブラック(N326など)を多量に配合されることが推奨されている。
【0005】
一例として、ハード系カーボンブラックに関する特開昭62−57438号公報(出願人:株式会社ブリヂストン)においては、電子顕微鏡による算術平均径(Dn):22mμ≦Dn≦38mμ、凝集体径(Dst):60mμ≦Dst≦130mμ、算術平均粒径分布の標準偏差S(mμ):〔S〕≦0.333×〔DA〕+0.0800、凝集体分布の半値幅ΔD50(mμ):〔ΔD50〕≦0.333×〔Dst〕+45.0、凝集体強度:ΔDBP=DBP−24M4DBP(ml/100g)≦10ml/100g、N2SA(m2/g)/IA(m2/g)≧1.08のコロイダル特性をもつカーボンブラックをゴム成分に対して20〜100重量部配合したゴム組成物が耐疲労性能と耐発熱性能が要求されるゴム部材に適したゴム組成物を与えると記載されている。
【0006】
この発明に記載されたカーボンブラックのグレードは、算術平均径の範囲からHAF〜ISAF級に属するものと推定され、これよりもさらに高級なグレード、すなわち算術平均粒径が22mμよりも小さくなると耐疲労破壊性能は向上するが、配合ゴムの発熱性が大きくなり、発熱耐久性が低下するという欠点を有すると述べられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年においてはさらに高度の耐久性を有するゴム組成物の出現が望まれ、特に配合ゴム組成物に対して大きな負荷が加えられた場合に起こるゴム部材端部よりの亀裂発生、およびこの亀裂がさらに進行して生じる亀裂成長を効果的に抑制するとともに、ゴム組成物中に存在する各種繊維やワイヤなどの構造補強材との接着性にも優れたゴム組成物を与える高度の補強性能をもつカーボンブラックが熱望されていた。
【0008】
本発明は、前述の要望を満たすゴム組成物を与えるに好適なコロイダル特性を有するカーボンブラック、すなわち従来よりもさらに小さい算術平均径を有する機能部品ゴム配合用カーボンブラックを提供するとともに、このカーボンブラックを配合した機能部品用ゴム組成物を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
カーボンブラックの比表面積およびDBP吸油量で示されるストラクチャーはカーボンブラックの二大基本特性であり、配合ゴム組成物の耐摩耗性に対して大きな影響を与えることは周知の事実である。コンベアベルト、高圧ホース、ゴムロールなどで使用される各種工業用ゴム製品用ゴム組成物には、必要な耐疲労性を得るために、窒素吸着比表面積がおおむね70m2/g以上の、より高い耐摩耗性が必要な場合はこれよりも高いいわゆるハード系カーボンブラックが使用され、一方、そのストラクチャーの大きさは、DBP吸油量がおおむね105〜135ml/100gのものが使用されている。
【0010】
しかし、本発明者らは、ハード系、特に従来の工業ゴム製品用に使用されていたものよりも表面積の大きい(粒子径が小さい)SAF級カーボンブラックについて広範囲な研究を行った結果、DBP吸油量で評価されるストラクチャー特性を60〜100ml/100gという通常よりも低い側に設定し、かつ、窒素吸着比表面積(N2SA)とよう素吸着量(IA)との比(N2SA/IA)をある一定値以上にするとともに、アグリゲートの最多頻度値を特定範囲に大きくし、加えてアグリゲートの分布を従来よりも大きい範囲に規定した場合においては、予想された程度を大きく越えて発熱耐久性が向上するとともに、構造補強材への接着性への改良効果があることを見いだして本発明を完成させたものである。
【0011】
すなわち、本発明は、窒素吸着比表面積(N2SA)が130m2/gを越え160m2/g以下、ジブチルフタレート(DBP)吸油量(DBPA)が60〜100ml/100gの基本特性を有するハード系カーボンブラックにおいて、1)N2SAとよう素吸着量(IA)との比(N2SA/IA)が1.10以上
2)遠心沈降分析によるアグリゲート特性が、
a. アグリケートの最多頻度値(Dst)と式(1)で算出される計算アグリゲート径(Da)との比Dst/Daが1.25以上
【数3】
Figure 0003827256
b. Dstと、Dstより大きくかつDstの1/2の頻度を有するDL 50から式(2)で算出されるアグリゲートサイズ分布指数sが0.17以上
【数4】
s=0.84932×log(DL 50/Dst) (2)
であることを特徴とする機能部品ゴム配合用カーボンブラックに関する。
【0012】
従来のSAF級カーボンブラックは粒子径が小さ過ぎてゴムマトリックス中への分散性が低下し、このために本来発揮されるべき補強性能が発現されず、このことがゴム組成物中にカーボンブラック凝集塊の発生をもたらし、その結果として亀裂発生や亀裂成長における性能低下を招来することが機能部品配合用としての利用を妨げたり、回避する結果となっていた。
しかし、本発明の場合には、比表面積が大きく、かつストラクチャーを従来よりも低い範囲に設定し、N2SA/IAの比をある一定値以上にするとともに、アグリゲートの最多頻度値を従来よりも大きい値とし、かつ、その分布幅を大きくするという要件を具備させることにより、ゴムマトリックスへの分散性を向上させ、従来のSAF級カーボンブラックが有していた耐疲労特性、特に亀裂発生や亀裂成長という欠陥を効果的に抑制し、加えて構造補強材への接着性も改良することができるカーボンブラックとなるのである。
【0013】
本発明において適用されるカーボンブラックの物理化学特性は、次のようにして測定される。
(1)DBP吸油量
JIS K6221 6.1.2項A法に記載の方法で測定され、カーボンブラック100g当たりに吸収されるジブチルフタレート(DBP)のmlで表示される。
(2)窒素吸着比表面積(N2SA)
ASTM D3037−84 B法に記載の方法で測定され、単位重量当たりの比表面積m2/gで表示される。
(3)よう素吸着量
JIS K6221 6.1.1項に記載の方法で測定され、カーボンブラック1g当たりに吸着されるよう素のmgで表示される。
(4)遠心沈降分析によるカーボンブラックアグリゲートサイズの分析法
測定機器:
Disk Centrifuge Photosedimentmeter
〔Joyce Loebl社製、4型機(MARK IV)〕
測 定 法:
50V/V%メタノール水溶液50mlを三角フラスコに入れ、0.1mlの界面活性剤のノニオライトPN−10(共栄社油脂化学工業製)を加える。0.03〜0.04重量%のカーボンブラックを加え、超音波処理(400W、38KHz、5分)を施して完全に分散させる。蒸留水(スピン液)20〜30mlを注加した回転ディスクの回転数を8000rpmとし、前記分散液0.02〜0.03mlを注加する。
分散液の注加と同時に記録計を作動させ、回転ディスクの外周近傍の一定点を沈降により通過するカーボンブラックのアグリゲートの量を光学的に測定し、その量を時間に対する連続曲線として記録する(図4)。
沈降時間を、下記のストークスの一般式によりストークス相当径に換算し、アグリゲートのストークス相当径とその頻度の対応曲線を得る(図5)。
【数5】
Figure 0003827256
式(3)において、dは沈降開始t分後での回転ディスクの光学測定点を通過するカーボンブラックアグリゲートのストークス相当径(nm)である。
定数Kは、測定時のスピン液温度、粘度およびカーボンブラックとの密度差(カーボンブラックの真密度は1.86g/cm3とする)、さらに回転ディスクの回転数により決定される。本発明の測定で、スピン液として蒸留水25mlを用い、測定温度24℃、ディスク回転数8000rpmとし、K値は260.25を用いた。
【0014】
Dst測定値の定義…前記の操作により得られたカーボンブラックアグリゲートのストークス相当径の中で、最大吸光度を与えるまでの経過時間TPから算出されるストークス相当径をDstと称し、そのカーボンブラックアグリゲート径を表わす代表値とする。
【0015】
また、前記の吸光度曲線において、最大吸光度の1/2に相当する値を与える経過時間TL(TL<TP)に対するストークス相当径DL 50(Dstより大きく、かつDstの1/2の頻度を有するアグリケート径)とすると、アグリケートサイズ分布指数sは、
【数6】
s=0.84932×log(DL 50/Dst) (2)
で定義される。
前述したように、(2)式で定義されるアグリケートサイズ分布指数sは、数学的には遠心沈降法で測定したカーボンブラックアグリケートのストークス相当径が対数正規に従うと仮定した場合の分布曲線の標準偏差とほぼ同じ意味合いを持つものであり、この数値が大きいということはアグリケートの分布が広いことを意味している(図5)。図4は、前記遠心沈降法による経過時間と吸光度の測定チャートの1例であり、図5は、図4のチャートの経過時間から算出したアグリゲート値の対数と吸光度の関係を示す図である。図4でのTSは最大吸光度の1/2に相当する値を与える経過時間(TP<TS)であり、図5のDS 50はDstより小さく、かつDstの1/2の頻度を有するアグリゲート径である。
【0016】
【作用】
本発明のカーボンブラックでは、N2SAが130m2/gを越え160m2/g以下、DBPAが60〜100ml/100gという特性を有することが基本である。
DBPAが本発明範囲を越えて低くなるとゴムマトリックスへの分散性が低下し、マトリックス中の未分散カーボン凝集塊が初期亀裂発生の開始点となるとともに、亀裂成長も進行しやすくなるので、下限は60ml/100gとする。DBPAが高くなるにつれて前述の欠点は望ましい方向となるが、この結果の影響率は徐々に低下し、100ml/100gを越えるとこの効果は本発明のカーボンブラックではほとんど飽和状態となり、影響率は極端に低下する。また発熱性の数値(損失正接、tanδ)は少しずつ大きくなり、100ml/100gを越えるとこの傾向は一層強くなって特性は低下する。また、硬さの特性も上がりすぎる傾向にある。
【0017】
2SAが130m2/gを越え160m2/g以下という範囲は、機械的特性(引張り強さ)と耐疲労特性(亀裂成長性、発熱性)の両特性のバランスを維持するために重要であり、下限の130m2/gを下回った場合には機械的特性が低下し、160m2/gを上回った場合は発熱性が低下(60℃での損失正接の増大)するとともに、カーボンブラックの分散不良の発現による耐疲労特性、特に亀裂成長性が低下する。
【0018】
2SA/IA比の特性は耐疲労特性と接着性に影響を与え、この値が1.1を下回った場合にはこの特性を低下させる。
【0019】
アグリゲートサイズ分布指数sはゴム組成物の耐疲労特性と分散性に影響を与え、0.17を下回った場合は発熱性〔損失正接(tanδ)〕の値を大きくし、また分散性の低下をもたらすので0.17以上とする必要がある。しかしながら、sが大きくなりすぎると機械的特性が低下する傾向があるので、0.17〜0.23の値を有するカーボンブラックが望ましい。
【0020】
もう1つのアグリゲート特性であるDst/Daの値は機械的特性、耐疲労性、分散性などのバランスを良好に保つ、すなわちこれらの特性の多くは一方が上がると他は低下するという背反関係にあるが、これを解消するために重要な因子であり、この値が1.25を下回った場合には例えば機械的特性と発熱特性との背反関係を解消することはできなくなる。しかし、Dst/Daの値を大きくしても次第に改善効果が小さくなる傾向があり、また機械的特性が低下する傾向もあるので、1.25〜2.0、より好ましくは1.35〜1.90のカーボンブラツクが望ましい。
【0021】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
【0022】
製造例
カーボンブラックの製造
本発明にかかるハード系高ストラクチャーカーボンブラックの製造は、本出願人が出願した特願平3−45824号明細書に記載されたと同様の装置を用いて行った。
【0023】
図1、図2及び図3に示した製造装置を用い、各部の寸法は次の通りとした。
可燃性流体導入室 2
内径 450mmφ
長さ 400mm
酸素含有ガス導入管 3
長辺 400mm
短辺 100mm
酸素含有ガス導入用円筒 4
内径 250mm
長さ 300mm
収れん室 8
上流端内径 370mm
下流端内径 80mm
長さ 1600mm
収れん角度 5.3゜
燃料油導入装置
燃料油導入管72の内径 7mmφ
高圧・高湿空気導入管73の内径 13mmφ
空気温度 300℃
空気圧力 3kg/cm2
低圧・高湿空気導入管74の内径 22mmφ
空気温度 60℃
空気圧力 0.5kg/cm2
反応室 12
内径 140mmφ
【0024】
また、反応継続兼急速冷却室13内でのa〜hの冷却水噴霧装置は、実用新案登録第102863号(出願人:旭カーボン株式会社)に開示されているのと同様構造の装置をとりつけた。
【0025】
原料油及び燃料油としては、表1に示した性状組成を有するものを使用した。
【表1】
Figure 0003827256
【0026】
本発明カーボンブラックおよび比較カーボンブラックの製造方法
表2〜5に記載のカーボンブラックは、前述のカーボンブラック製造装置において、原料油導入位置、原料油へのアルカリ金属(カリウム)の添加量、導入総空気量、原料油導入量、原料油導入圧および温度、反応停止用冷却水導入位置、燃料導入量などの条件を調整して製造した。
【0027】
より詳しく説明すると、表面積(N2SA)の調整は原料油導入量と総空気導入量との比率を変化させることにより行うことができ、導入空気量の割合を増加させることにより表面積は増大する。2つの表面積指標の比、N2SA/IAの制御は、カーボンブラック生成反応後の反応停止位置により行うことができ、より上流側(反応停止までの時間が短い)で行うことによりこの値は増大する。アグリゲート径の制御は原料油の導入位置により行うことができ、上流側にすることによりアグリゲート径(Dst)は大きくなる。通常の場合、アグリゲートの代表径(Dst)はストラクチャーの低下とともに低下するが、原料油の噴霧位置を上流側にすることによりこの低下の程度を減少することができる。アグリゲート分布の制御は導入する原料油の噴霧状態と導入燃料量を調節することにより行うことができ、分布を広くする(sを大きくする)場合には導入原料油の温度および圧力を低下させ、噴霧状態を悪くすることにより分布を大きくすることができる。さらに、導入燃料量を減少することにより分布を広げることができる。なお、このたびの製造においては導入空気中の二次空気量、空気温度、および原料噴霧ノズルの形状および数は一定とした。
本発明にかかるカーボンブラックおよび比較用カーボンブラックの製造条件を表2〜5に、製造された各カーボンブラックの物理化学特性を表6〜9に示した。
【0028】
【表2】
Figure 0003827256
【0029】
【表3】
Figure 0003827256
【0030】
【表4】
Figure 0003827256
【0031】
【表5】
Figure 0003827256
【0032】
【表6】
Figure 0003827256
【数7】
Figure 0003827256
【0033】
【表7】
Figure 0003827256
【数8】
Figure 0003827256
【0034】
【表8】
Figure 0003827256
【数9】
Figure 0003827256
【0035】
【表9】
Figure 0003827256
【数10】
Figure 0003827256
【0036】
ゴム配合性能試験
表6〜9に示したカーボンブラックの性能を評価するために、表10に示した配合比によりゴム組成物を調整し、その特性の試験を行った。その結果を表11〜13(カーボンブラック等量配合)に示す。
【表10】
Figure 0003827256
MBTS:2,2′−ジベンゾチアジルジスルフィド
IPPD:N−イソプロピル−N−フェニル−P−フェニレンジアミン
【0037】
【表11】
Figure 0003827256
【0038】
【表12】
Figure 0003827256
【0039】
【表13】
Figure 0003827256
【0040】
なお、各配合ゴム組成物のゴム特性の性能評価は、次の試験条件により測定した。
ゴム特性試験条件
▲1▼配合物の加硫条件 :145℃、30分
▲2▼耐摩耗性試験 :ランーボン摩耗試験機を用い、スリップ率25%で摩耗試験を行ない、耐摩耗指数は下式により算出した。
耐摩耗指数=(S/T)×100
ここでS:対照例(Run.No.14)配合試験片の摩耗減量
T:供試試験片における摩耗減量
▲3▼デマッチャ疲れ試験:デマッチャ屈曲試験機を用い、亀裂発生までの屈曲回数および2mm亀裂を予め入れた試料を10000回屈曲した時の亀裂成長を測定した。
▲4▼動的粘弾性 :(株)岩本製作所粘弾性スペクトロメーター
(損失正接) (型式VES−F−III)を用いて、下記の測定条件で損失正接(tanδ)を測定し、対照カーボンブラックに対する指数で表示した。
周波数 :50Hz
動的歪み率 :±1%
測定温度 :25℃
初期加重 :160g重
▲5▼接着試験
表面真ちゅうめっきしたスチールコード(1×5×0.23mm)を未加硫ゴムに埋設したスチールコード−ゴム複合体を、150℃で20分間加硫した後、JIS K 6301 7のはく離試験に準じて埋設スチールコードとゴム層のはく離試験を行ないスチールコード上に残留した付着ゴムの被覆割合により接着性を評価した。はく離後のスチールコード表面のほとんどがゴム層で被覆されている状態をA、所々にスチールコードの表面が見える状態をB、スチールコード表面とゴム層の割合がほぼ等しい状態をC、スチールコード表面の割合がゴム層よりも多い状態をD、ほとんどのスチールコード表面が見える状態をEとして表示した。
なお、接着試験における引張り速度は25mm/分で行なった。
▲6▼分散性
1969年9月号のラバーワールド第160巻第6号第63〜70頁(著者:H.E.レイスバックら)に記載の方法に準じて、配合ゴム表面を32倍に拡大した写真を用い、10〜1に区分された標準見本のどのランクに該当するかを目視で判定した。なお、中間にあると判定したサンプル、例えば7と8の間の場合には7.5と表示した。
▲7▼その他のゴム特性:JIS K6300−1974およびK6301−1975に記載の方法にしたがって測定した。
【0041】
【評価】
表6〜9に示した物理化学特性を有する実施例および比較例のカーボンブラックをゴムに配合したゴム組成物の測定結果(表11〜13)の結果から、本発明カーボンブラツクの効果を説明する。
Run No.1〜5のカーボンブラツクは本発明に係るものであり、RunNo.6〜13は本発明の特定要件の1つまたは2つの要件を外れた比較例、Run No.14は対照カーボンブラック(商品名 旭#80、ISAF級カーボンブラック、旭カーボン株式会社製)である。
Run No.6はDBPAが本発明の上限を越えた例であり、Run No.7は逆に下限を下回った比較例である。Run No.8はRun No.2とほぼ同じ基本特性を有しているが、アグリゲート特性の中のDst/Daの値が本発明の範囲を下回り、Run No.9は表面積範囲の上限を越えた比較例であり、Run No.10は逆に表面積範囲の下限を下回った比較例である。Run No.11はRun No.4とほぼ同じ基本特性であるがアグリゲート分布指数sが本発明の範囲を外れたものであり、Run No.12はRunNo.2とほぼ同じ基本特性を有しているが、表面積の比、N2SA/IAの値で本発明範囲を外れた例である。Run No.13はRun No.5とほぼ同じ基本特性であるが、N2SA/IA比およびsの両者の要件で本発明範囲を外れた比較例である。
【0042】
▲1▼引張り強さについての評価
DBPAの値が本発明の範囲の下限を下回ったRun No.7においては、引張り強さの特性が大きく低下している。
▲2▼耐摩耗性についての評価
Run No.7のカーボンブラツクでのランボーン耐摩耗性指数は、他のカーボンブラツクと比較して大きな低下がみられるが、その他のカーボンブラック間では大きな差異は認められない。しかし、表面積が本発明の範囲を外れて大きな数値を有するRun No.9のカーボンブラックにおける指数は、その表面積から予想される特性値を大きく下回っている。
▲3▼デマッチャ屈曲試験についての評価
DBP吸油量が本発明の範囲を外れて低くなったRun No.7では分散性での低下がみられ、これにともなって亀裂発生までの屈曲回数は減少し、また亀裂成長も大きくなっている。この傾向はN2SA/IAが本発明の範囲を越えて大きなRun No.9でも見られる。
また、アグリケートサイズ分布指数が本発明範囲を外れて小さいRun No.11においても分散性の低下と屈曲亀裂特性の低下が認められる。
▲4▼硬さについての評価
硬さは実施例、比較例とも大きな差異は見られないが、DBP吸油量が本発明範囲を外れて高くなったRun No.6ではこの数値が大きくなり、加工性で問題となる。
▲5▼動的粘弾性についての評価
動的粘弾性(損失正接、tanδ)の特性でも大きな差異はないが、DBP吸油量が本発明範囲を大きい側に外れたRun No.6およびN2SAが大きい方向に外れたRun No.8、またはアグリゲート分布指数sが本発明範囲よりも小さい側のRun No.11およびRun No.13においてはこの値が大きい傾向にあり、これは繰り返し変形が与えられた配合ゴム組成物での蓄熱を招くことを意味し、結果としてゴム組成物を補強する物質(スチール、各種樹脂など)とゴム組成物とのセパレーションを起こす原因となるので好ましくない。
▲6▼接着性についての評価
配合ゴム組成物と補強物質との接着性(本発明では真ちゅうめっきスチールで評価)は、カーボンブラックの表面性状、特にN2SA/IAの値が本発明範囲である1.10以上という要件で外れたRun No.12およびRun No.13において性能の低下が認められる。
▲7▼分散性についての評価
分散性は、DBP吸油量が本発明範囲を下回ったRun No.7、N2SAが本発明範囲を上回ったRun No.9、アグリゲートサイズ分布指数sが本発明を下回ったRun No.11およびRun No.13のカーボンブラック配合物において低下していることが認められる。
【0043】
【効果】
以上説明したように、本発明カーボンブラックを配合したゴム組成物は、高度の耐摩耗性を有し、かつ耐亀裂発生性、耐亀裂成長性および耐屈曲性において優れた性能を示すとともに、各種ゴム補強材料への接着性にも良好な特性を与えることができるので、特に機能部品用ゴムとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカーボンブラックの製造に適する一例の装置の縦断正面説明図である。
【図2】図1のA−A矢視における断面図である。
【図3】図1の前頭部および燃料導入装置を示す部分拡大図である。
【図4】遠心沈降法による経過時間と吸光度の測定チャートの一例である。
【図5】図4のチャートの経過時間から算出したアグリゲート値の対数と吸光度の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 カーボンブラック反応装置
2 可燃性流体導入室
3 酸素含有ガス導入管
4 酸素含有ガス導入用円筒
5 整流板
7 燃料油噴霧装置
8 収れん室
9 バーナータイル
10 原料油噴霧装置
11 原料油導入室
12 反応室
13 反応継続兼急冷室
71 燃料油噴霧チップ
72 燃料油導入管
73 酸素含有ガス導入管
74 酸素含有ガス導入管
75 酸素含有ガスの導管
76 酸素含有ガスの導管
a 急冷水圧入噴霧装置
b 急冷水圧入噴霧装置
c 急冷水圧入噴霧装置
d 急冷水圧入噴霧装置
e 急冷水圧入噴霧装置
f 急冷水圧入噴霧装置
g 急冷水圧入噴霧装置
h 急冷水圧入噴霧装置
P 吸光度ピーク値
P ピーク値までの経過時間
L 1/2APの吸光度でTPよりも小さい経過時間
Dst ストークス式で、T=TPのときのアグリゲート径
L 50 ストークス式で、T=TLのときのアグリゲート径(1/2APで、DL 50>Dstを満たすアグリゲート径)

Claims (3)

  1. 窒素吸着比表面積(N2SA)が130m2/gを越え160m2/g以下、ジブチルフタレート(DBP)吸油量(DBPA)が60〜100ml/100gの基本特性を有するハード系カーボンブラックにおいて、
    1)N2SAとよう素吸着量(IA)との比(N2SA/IA)が1.10以上
    2)遠心沈降分析によるアグリゲート特性が、
    a. アグリケートの最多頻度値(Dst)と式(1)で算出される計算アグリゲート径(Da)との比Dst/Daが1.25以上
    Figure 0003827256
    b. Dstと、Dstより大きくかつDstの1/2の頻度を有するDL 50から式(2)で算出されるアグリゲートサイズ分布指数sが0.17以上
    【数2】
    s=0.84932×log(DL 50/Dst) (2)
    であることを特徴とする機能部品ゴム配合用カーボンブラック。
  2. DBPAが70ml/100gを越え90ml/100g未満、Dst/Daが1.35〜1.90である、請求項1記載の機能部品ゴム配合用カーボンブラック。
  3. 天然ゴムおよび/または合成ゴムからなるゴム成分100重量部に対して請求項1または2記載の機能部品ゴム配合用カーボンブラックを10〜150重量部配合した機能部品用ゴム組成物。
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