JPH0689268B2 - ソフト系カ−ボンブラツク - Google Patents
ソフト系カ−ボンブラツクInfo
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- JPH0689268B2 JPH0689268B2 JP12590385A JP12590385A JPH0689268B2 JP H0689268 B2 JPH0689268 B2 JP H0689268B2 JP 12590385 A JP12590385 A JP 12590385A JP 12590385 A JP12590385 A JP 12590385A JP H0689268 B2 JPH0689268 B2 JP H0689268B2
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Description
【発明の詳細な説明】 本発明は、分類で中補強性(SRF)ないし汎用性(GPF)
に属するカーボンブラツクに関するものであり、さらに
詳しくは、当該カーボンブラツクを配合したゴム組成物
に対して優れた反発弾性を維持しながら相対的に高い補
強性を付与するとともに加硫特性、発熱特性を改良する
ことのできるSRFないしGPF級のカーボンブラツクに係る
ものである。
に属するカーボンブラツクに関するものであり、さらに
詳しくは、当該カーボンブラツクを配合したゴム組成物
に対して優れた反発弾性を維持しながら相対的に高い補
強性を付与するとともに加硫特性、発熱特性を改良する
ことのできるSRFないしGPF級のカーボンブラツクに係る
ものである。
ゴム配合用のカーボンブラツクは、大別して主にタイヤ
のトレツド用として使用されるハード系カーボンブラツ
クとカーカス用として使用されるソフト系カーボンブラ
ツクに分けられ、この中でさらに耐摩耗性、作業性、加
工性、発熱性、押出性などの様々のゴム配合特性を考慮
して最も適切なカーボンブラツクが選択されて使用され
ている。
のトレツド用として使用されるハード系カーボンブラツ
クとカーカス用として使用されるソフト系カーボンブラ
ツクに分けられ、この中でさらに耐摩耗性、作業性、加
工性、発熱性、押出性などの様々のゴム配合特性を考慮
して最も適切なカーボンブラツクが選択されて使用され
ている。
前述のゴム特性の各項目はゴムに配合するカーボンブラ
ツクの物理化学特性によつて大きく影響を受けることは
よく知られている。その中でもカーボンブラツクの基本
的物性として、粒子径(または表面積)および粒子同士
のつながり(ストラクチヤー)が代表的なものである。
ツクの物理化学特性によつて大きく影響を受けることは
よく知られている。その中でもカーボンブラツクの基本
的物性として、粒子径(または表面積)および粒子同士
のつながり(ストラクチヤー)が代表的なものである。
表面積を評価する方法としては電子顕微鏡による直接観
察、BET法による窒素吸着比表面積(N2SA)、よう素吸
着量(IA)およびセチルトリメチルアンモニウムブロマ
イド(CTAB)等の巨大分子の吸着による比表面積などが
その測定目的により選別されており、粒子径が小さくな
るほど、表面積が大きくなるほどその補強特性が上昇
し、その一方で発熱性等のヒステリシス特性は低下す
る。またストラクチヤーは通常ジブチルフタレート吸収
量(DBPA)で評価され、押出し特性や引張り強度などに
大きな影響をもつことは周知である。
察、BET法による窒素吸着比表面積(N2SA)、よう素吸
着量(IA)およびセチルトリメチルアンモニウムブロマ
イド(CTAB)等の巨大分子の吸着による比表面積などが
その測定目的により選別されており、粒子径が小さくな
るほど、表面積が大きくなるほどその補強特性が上昇
し、その一方で発熱性等のヒステリシス特性は低下す
る。またストラクチヤーは通常ジブチルフタレート吸収
量(DBPA)で評価され、押出し特性や引張り強度などに
大きな影響をもつことは周知である。
しかし、上記のカーボンブラツク特性はカーボンブラツ
クを一つの塊りとしてとらえたあくまでもマクロ的なも
のであり、単にこの基本的特性のみを特定したカーボン
ブラツクでは、これを配合したゴム組成物の特性を把握
することは困難である。
クを一つの塊りとしてとらえたあくまでもマクロ的なも
のであり、単にこの基本的特性のみを特定したカーボン
ブラツクでは、これを配合したゴム組成物の特性を把握
することは困難である。
本発明者らは、カーボンブラツクをマクロ的にとらえる
のではなく、もつとミクロ的なコロイダル特性について
広く研究し、この特性と配合ゴム物性とを検討した結
果、その動的特性に対してアグリゲートサイズ分布が大
きな要因となつていること、さらにはアグリゲートサイ
ズ分布が一定範囲にあるカーボンブラツクにおいて加硫
特性に対してトルエン着色透過度の寄与が大きいことを
見出し、本発明を完成させたものである。これに加え
て、上述の2特性の相乗作用のためと思われる発熱特性
の向上という予期しない効果が発現されることも見出し
た。
のではなく、もつとミクロ的なコロイダル特性について
広く研究し、この特性と配合ゴム物性とを検討した結
果、その動的特性に対してアグリゲートサイズ分布が大
きな要因となつていること、さらにはアグリゲートサイ
ズ分布が一定範囲にあるカーボンブラツクにおいて加硫
特性に対してトルエン着色透過度の寄与が大きいことを
見出し、本発明を完成させたものである。これに加え
て、上述の2特性の相乗作用のためと思われる発熱特性
の向上という予期しない効果が発現されることも見出し
た。
カーボンブラックは、厳密に制御された高温の炉(ファ
ーネス)内に原料油を噴霧、導入し、数10ミリ秒の間の
熱分解されて104〜109個の炭素原子が結合して単位粒子
となり、さらにこの単位粒子が互いに数10〜数100個融
合して形成されたものがエラストマー中への最小分散単
位であるアグリゲートである。
ーネス)内に原料油を噴霧、導入し、数10ミリ秒の間の
熱分解されて104〜109個の炭素原子が結合して単位粒子
となり、さらにこの単位粒子が互いに数10〜数100個融
合して形成されたものがエラストマー中への最小分散単
位であるアグリゲートである。
このアグリゲートは非常に微細なものであり、通常は数
100nm(1nm=10-9m)の大きさを有している。これを評
価するには電子顕微鏡による直接観察という方法もある
が、測定装置、測定時間、分析方法などで難しい点があ
り、通常は遠心沈降分析法により評価されている。
100nm(1nm=10-9m)の大きさを有している。これを評
価するには電子顕微鏡による直接観察という方法もある
が、測定装置、測定時間、分析方法などで難しい点があ
り、通常は遠心沈降分析法により評価されている。
これは懸濁液中の物質では粒子が大きいものほど早く沈
降するという原理を使用し、さらに沈降しにくい物質に
対しては高速で回転運動を与えることで沈降速度を上げ
ることにより微細物質の大きさを測定するものである。
降するという原理を使用し、さらに沈降しにくい物質に
対しては高速で回転運動を与えることで沈降速度を上げ
ることにより微細物質の大きさを測定するものである。
実際には、カーボンブラックの希釈液に超音波を照射し
て十分に分散させ、この液を高速回転している円盤上に
注加し、経過時間ごとにある一定点を通過するカーボン
ブラックの量を吸光度として連続的に測定することによ
り行われる。この測定曲線の一例を第1図に示す。
て十分に分散させ、この液を高速回転している円盤上に
注加し、経過時間ごとにある一定点を通過するカーボン
ブラックの量を吸光度として連続的に測定することによ
り行われる。この測定曲線の一例を第1図に示す。
この測定曲線を用いて、カーボンブラックアグリゲート
のストークス相当径は次式により算出される。
のストークス相当径は次式により算出される。
ここで、d:アグリゲートのストークス相当径(nm) k:測定条件により決定される定数 t:経過時間(分) カーボンブラックアグリゲートのストークス相当径dも
連続的に変化する時間の関数であり、時間tでのカーボ
ンブラックアグリゲートの濃度としての吸光度をプロッ
トすればアグリゲート相当径とその径でのカーボンブラ
ック濃度の関係を示す滑らかな曲線が得られる。
連続的に変化する時間の関数であり、時間tでのカーボ
ンブラックアグリゲートの濃度としての吸光度をプロッ
トすればアグリゲート相当径とその径でのカーボンブラ
ック濃度の関係を示す滑らかな曲線が得られる。
このアグリゲート相当径の対数を横軸、吸光度(濃度ま
たは頻度)を縦軸としてプロットすると、カーボンブラ
ックにおいてはほぼ対数正規分布を示すことが確かめら
れており、第1図から算出したアグリゲート相当径と吸
光度の曲線は第2図のようになる。
たは頻度)を縦軸としてプロットすると、カーボンブラ
ックにおいてはほぼ対数正規分布を示すことが確かめら
れており、第1図から算出したアグリゲート相当径と吸
光度の曲線は第2図のようになる。
第1図の測定曲線において、最大吸光度APにおける時間
をtP、1/2APにおける時間をtLおよびtS(tL<tS)とす
ると、(1)式により換算されたアグリゲートのストー
クス相当径は第2図ではそれぞれDst、DL 50およびDS 50
に対応している。
をtP、1/2APにおける時間をtLおよびtS(tL<tS)とす
ると、(1)式により換算されたアグリゲートのストー
クス相当径は第2図ではそれぞれDst、DL 50およびDS 50
に対応している。
ここで、カーボンブラックのアグリゲートサイズ分布指
数sは次の式で定義される。
数sは次の式で定義される。
s=0.84932×log(D50/Dst) (2) カーボンブラックの平均アグリゲートサイズ(通常、ア
グリゲートの最多頻度ストークス径で代表され、Dstと
呼ばれる)が大きければ、高反ぱつ弾性のゴム組成物を
与える一方で、比表面積の低下を伴い、従つて耐摩耗性
の低下を来たすという傾向にあり、動的特性と耐摩耗性
を兼備させることは、平均アグリゲートサイズ、すなわ
ち、Dstの大きさの制御のみでは殆ど不可能であつた。
グリゲートの最多頻度ストークス径で代表され、Dstと
呼ばれる)が大きければ、高反ぱつ弾性のゴム組成物を
与える一方で、比表面積の低下を伴い、従つて耐摩耗性
の低下を来たすという傾向にあり、動的特性と耐摩耗性
を兼備させることは、平均アグリゲートサイズ、すなわ
ち、Dstの大きさの制御のみでは殆ど不可能であつた。
試験室的には、これを解決するために2品種またはそれ
以上のカーボンブラックを混合して、所望の性能を発揮
させるべく研究も行われてはいるが、タイヤ製造の如き
工業的な大規模の使用に対応させるには、2種またはそ
れ以上のカーボンブラックを大量にかつ正確な配合比率
で混合する装置が見当らないばかりではなく、カーボン
ブラック特性による分散性の差異が生じるために、均一
性を有する製品も得られないと言う難点がある。
以上のカーボンブラックを混合して、所望の性能を発揮
させるべく研究も行われてはいるが、タイヤ製造の如き
工業的な大規模の使用に対応させるには、2種またはそ
れ以上のカーボンブラックを大量にかつ正確な配合比率
で混合する装置が見当らないばかりではなく、カーボン
ブラック特性による分散性の差異が生じるために、均一
性を有する製品も得られないと言う難点がある。
本発明者らは、単一製品のカーボンブラックを配合した
ゴム組成物の動的特性に対するアグリゲートサイズの影
響に関し、最多頻度アグリゲートサイズよりも大なるア
グリゲートの多寡が上述した二律背反の条件を解決する
重要な要因となつており、最多頻度アグリゲートサイズ
値(Dst)と前記Dstよりも大きいアグリゲートサイズ側
であつてDstの1/2の頻度値を有するアグリゲートサイズ
値(DL 50)の2つの数値から計算されるアグリゲートサ
イズ分布指数sを、特定数値範囲、すなわち0.12ないし
0.15に保持せしめることにより、従来の同級品のカーボ
ンブラックの反発弾性を維持しながらゴムに高い補強性
を付与することのできることを見出した。
ゴム組成物の動的特性に対するアグリゲートサイズの影
響に関し、最多頻度アグリゲートサイズよりも大なるア
グリゲートの多寡が上述した二律背反の条件を解決する
重要な要因となつており、最多頻度アグリゲートサイズ
値(Dst)と前記Dstよりも大きいアグリゲートサイズ側
であつてDstの1/2の頻度値を有するアグリゲートサイズ
値(DL 50)の2つの数値から計算されるアグリゲートサ
イズ分布指数sを、特定数値範囲、すなわち0.12ないし
0.15に保持せしめることにより、従来の同級品のカーボ
ンブラックの反発弾性を維持しながらゴムに高い補強性
を付与することのできることを見出した。
このようなアグリゲートサイズ分布指数sを規定するこ
とは、次のような技術的な意味を有している。すなわ
ち、カーボンブラックの粒子が互いに結合して形成され
る最小分散の単位であるアグリゲートを遠心沈降分析法
で評価した場合、従来ではアグリゲートの最多頻度値
(Dst)とその分布(通常はΔD50=DL 50−DS 50で評価さ
れる、第2図参照)との関係においてその一方が大きく
なると他方の数値も大きくなるので、本来の意味で代表
値(本願発明ではDst)に対して分布がどのように変化
したかを評価することは不可能だったのである。
とは、次のような技術的な意味を有している。すなわ
ち、カーボンブラックの粒子が互いに結合して形成され
る最小分散の単位であるアグリゲートを遠心沈降分析法
で評価した場合、従来ではアグリゲートの最多頻度値
(Dst)とその分布(通常はΔD50=DL 50−DS 50で評価さ
れる、第2図参照)との関係においてその一方が大きく
なると他方の数値も大きくなるので、本来の意味で代表
値(本願発明ではDst)に対して分布がどのように変化
したかを評価することは不可能だったのである。
そこで、前述したようにカーボンブラックアグリゲート
の対数値と吸光度(頻度)がほぼ正規分布を示すことを
利用し、DstとDL 50の数値を用いてその分布の標準偏差
と近似の意味合いを持つアグリゲートサイズ分布指数
(s)を定義することにより分布状態を評価するとい
う、まったく新しい概念を導入することが本願発明の基
礎となっているのであり、このsが導入されたことによ
り分布の形状がどのようになっているかを判断できる基
準がはじめて得られたのである。すなわち、このsとい
う評価基準を定義することにより、単にΔD50の値が大
きくなったとしてもDstとの関数であるsの値として逆
に小さくなっているというなどの評価ができるのであ
る。
の対数値と吸光度(頻度)がほぼ正規分布を示すことを
利用し、DstとDL 50の数値を用いてその分布の標準偏差
と近似の意味合いを持つアグリゲートサイズ分布指数
(s)を定義することにより分布状態を評価するとい
う、まったく新しい概念を導入することが本願発明の基
礎となっているのであり、このsが導入されたことによ
り分布の形状がどのようになっているかを判断できる基
準がはじめて得られたのである。すなわち、このsとい
う評価基準を定義することにより、単にΔD50の値が大
きくなったとしてもDstとの関数であるsの値として逆
に小さくなっているというなどの評価ができるのであ
る。
さらに、もう1つの特定要件であるトルエン着色透過度
はJIS K 6221 6.2.4により測定される透過率(%)であ
り、この数値が低くなるほどカーボンブラックに含まれ
るトルエン抽出可能物質の量は増大する。
はJIS K 6221 6.2.4により測定される透過率(%)であ
り、この数値が低くなるほどカーボンブラックに含まれ
るトルエン抽出可能物質の量は増大する。
このトルエン抽出可能物質について、従来は少ないほど
すなわち、トルエン着色透過度が大きいほど望ましいと
されていたが、意外なことには、本発明者らは上述した
特定要件に加えてさらにこのトルエン着色透過度を逆に
下げた場合には配合ゴムの加硫特性が著しく改良される
ことを見出した。
すなわち、トルエン着色透過度が大きいほど望ましいと
されていたが、意外なことには、本発明者らは上述した
特定要件に加えてさらにこのトルエン着色透過度を逆に
下げた場合には配合ゴムの加硫特性が著しく改良される
ことを見出した。
すなわち、本発明は、窒素吸着比表面積(N2SA)が20〜
35m2/g、ジブチルフタレート吸収量(DBPA)が50〜100m
l/100gの特性を有するカーボンブラックにおいて、アグ
リゲートサイズ分布指数sが0.12〜0.15であり、かつト
ルエン着色透過度が20〜60%という特定の物性を有する
カーボンブラックを提供するものである。
35m2/g、ジブチルフタレート吸収量(DBPA)が50〜100m
l/100gの特性を有するカーボンブラックにおいて、アグ
リゲートサイズ分布指数sが0.12〜0.15であり、かつト
ルエン着色透過度が20〜60%という特定の物性を有する
カーボンブラックを提供するものである。
本発明者らが、多くの市販されているSRF級およびGPF級
カーボンブラックのアグリゲートサイズ分布の測定を実
施したところ、アグリゲートサイズ分布指数sは大部分
が0.16〜0.17に集中しており、これら市販カーボンブラ
ックでは反発弾性と補強性の兼備という条件を満足する
ことはできない。
カーボンブラックのアグリゲートサイズ分布の測定を実
施したところ、アグリゲートサイズ分布指数sは大部分
が0.16〜0.17に集中しており、これら市販カーボンブラ
ックでは反発弾性と補強性の兼備という条件を満足する
ことはできない。
本発明において、そのアグリゲート分布指数sを0.12〜
0.15という狭い側に保持させることにより、ほぼ同等の
N2SAおよびDBPA値を有するカーボンブラックと比較し
て、反発弾性を同レベルに維持しながら補強性を大幅に
向上させることが可能である。
0.15という狭い側に保持させることにより、ほぼ同等の
N2SAおよびDBPA値を有するカーボンブラックと比較し
て、反発弾性を同レベルに維持しながら補強性を大幅に
向上させることが可能である。
しかし、カーボンブラックのsが0.15を上回るときには
反発弾性の上昇は認められるが、引張り強さ等の補強性
が同等のN2SAを有する従来カーボンブラックのレベル以
上を維持できなくなるので好ましくない。また、sが0.
12に達しない場合には補強性の向上は満足できるが反発
弾性の低下を招き、従つて補強性と反発弾性の両特性の
兼備性を考慮した場合には、sは0.12〜0.15の範囲に保
持する必要がある。
反発弾性の上昇は認められるが、引張り強さ等の補強性
が同等のN2SAを有する従来カーボンブラックのレベル以
上を維持できなくなるので好ましくない。また、sが0.
12に達しない場合には補強性の向上は満足できるが反発
弾性の低下を招き、従つて補強性と反発弾性の両特性の
兼備性を考慮した場合には、sは0.12〜0.15の範囲に保
持する必要がある。
さらに、前述のアグリゲートサイズ分布指数を狭い範囲
に特定するとともに従来品においては75〜100%の範囲
にあるトルエン着色透過度を本発明のカーボンブラック
においては20〜60%、望ましくは35〜50%にする必要が
あり、これにより配合ゴム組成物の加硫特性、例えばム
ーニースコーチタイムを著しく短縮できるのである。
に特定するとともに従来品においては75〜100%の範囲
にあるトルエン着色透過度を本発明のカーボンブラック
においては20〜60%、望ましくは35〜50%にする必要が
あり、これにより配合ゴム組成物の加硫特性、例えばム
ーニースコーチタイムを著しく短縮できるのである。
この加硫特性の改善は配合ゴム組成物の成形時での型流
れを防止するとともに、加硫工程での作業性を大きく改
善することを可能とする。
れを防止するとともに、加硫工程での作業性を大きく改
善することを可能とする。
トルエン着色透過度が60%を上回る場合には加硫特性に
おける改良は認められず従来品と同程度となつてしま
い、また、20%を下回る場合にはトルエン抽出可能物質
が多くなりすぎて配合ゴムよりの汚れ発生、すなわちス
テイニングが起こり好ましくない。
おける改良は認められず従来品と同程度となつてしま
い、また、20%を下回る場合にはトルエン抽出可能物質
が多くなりすぎて配合ゴムよりの汚れ発生、すなわちス
テイニングが起こり好ましくない。
N2SAが20m2/g以下になると要求される補強性の維持が困
難となり、35m2/gを越えると反発弾性が低下するので好
ましくない。また、DBPA値が95ml/100gを越えるとムー
ニー粘度が上昇し、接着性の低下等の悪影響を招来する
恐れがあるので好ましくなく、50ml/100gを下回る場合
には粒子凝集等による分散不良の発生が見られるので好
ましくない。
難となり、35m2/gを越えると反発弾性が低下するので好
ましくない。また、DBPA値が95ml/100gを越えるとムー
ニー粘度が上昇し、接着性の低下等の悪影響を招来する
恐れがあるので好ましくなく、50ml/100gを下回る場合
には粒子凝集等による分散不良の発生が見られるので好
ましくない。
さらに、mg/gで表示される沃素吸着量(IA)と、m2/gで
表示される窒素吸着比表面積(N2SA)との比、IA/N2SA
は、カーボンブラックの表面化学活性と何らかの相関を
有するものと考えられるが、この比が0.95を下回る事に
より動的特性および補強性に対してより好ましい特性を
示す。
表示される窒素吸着比表面積(N2SA)との比、IA/N2SA
は、カーボンブラックの表面化学活性と何らかの相関を
有するものと考えられるが、この比が0.95を下回る事に
より動的特性および補強性に対してより好ましい特性を
示す。
しかし、ソフト系カーボンブラックではIAとN2SAとの差
はハード系カーボンブラックよりも小さくなる傾向にあ
り、表面積がN2SAで20〜35m2/gの範囲においてIA/N2SA
の比が0.75を下回るカーボンブラックを製造することは
困難となるので、この値を下限とする。
はハード系カーボンブラックよりも小さくなる傾向にあ
り、表面積がN2SAで20〜35m2/gの範囲においてIA/N2SA
の比が0.75を下回るカーボンブラックを製造することは
困難となるので、この値を下限とする。
本発明カーボンブラックは、補強性と反発弾性の両性能
を兼備し、かつ加硫特性、発熱特性を改良できるゴム組
成物を与えるものであり、SRF級ないしGPF級カーボンブ
ラックのアグリゲートサイズ分布指数sを0.12〜0.15に
保持せしめると共にトルエン着色透過度を20〜60%に特
定することによりカーボンブラック配合ゴム組成物に対
して従来品と同等の反発弾性を維持しながら補強性の顕
著な改善を達成するとともに、加硫特性、発熱特性をも
改良する事が可能である。
を兼備し、かつ加硫特性、発熱特性を改良できるゴム組
成物を与えるものであり、SRF級ないしGPF級カーボンブ
ラックのアグリゲートサイズ分布指数sを0.12〜0.15に
保持せしめると共にトルエン着色透過度を20〜60%に特
定することによりカーボンブラック配合ゴム組成物に対
して従来品と同等の反発弾性を維持しながら補強性の顕
著な改善を達成するとともに、加硫特性、発熱特性をも
改良する事が可能である。
以下に本発明カーボンブラックの製造例を示す。
製造例 第5図、第6図および第7図に示したカーボンブラック
製造炉を用いて、本願発明カーボンブラックおよび比較
カーボンブラックを製造した。
製造炉を用いて、本願発明カーボンブラックおよび比較
カーボンブラックを製造した。
円筒形状の燃焼室1(内径450mmφ、長さ300mm)と、前
記燃焼室前半部分において設置された接線方向に中心軸
を有する2個の第1の空気導入口(2および3:内径100m
mφ)および前記第1の空気導入口とは独立した6個の
放射状の第2の天然ガス導入口(4,5,6,7,8および9:内
径25mmφ)と、前記燃焼室に連結した最狭内径250mm
φ、長さ255mmのベンチュリ部と、前記ベンチュリ部の
下流側にも設けられ、かつ第1導入口の旋回方向に対し
て順方向(正接)または逆方向(逆接)で導入できるよ
うに設けた同一断面の上下端を通る2組の第3の空気お
よび/または天然ガス導入口(No.1の11〜14およびNo.
2の15〜18:内径40mmφ)が設置され、第3の導入口の
下流側空間内に複数個の冷却水圧入噴霧装置(a〜g)
を設置した反応継続兼冷却室(19:内径500mmφ、長さ40
00mm)とからなる、全体が耐火物で被覆されたカーボン
ブラック製造炉を用い、原料油の導入位置、第1および
第2の導入口よりの空気および天然ガスの供給条件、第
3の導入口からの空気および/または天然ガスの供給条
件および旋回方向などを適宜調節して、比表面積(N2S
A)、ストラクチャー(DBPA)、アグリゲート最多頻度
値およびアグリゲートサイズ分布指数(s)の異なるSR
F級ないしGPF級カーボンブラックを製造した。
記燃焼室前半部分において設置された接線方向に中心軸
を有する2個の第1の空気導入口(2および3:内径100m
mφ)および前記第1の空気導入口とは独立した6個の
放射状の第2の天然ガス導入口(4,5,6,7,8および9:内
径25mmφ)と、前記燃焼室に連結した最狭内径250mm
φ、長さ255mmのベンチュリ部と、前記ベンチュリ部の
下流側にも設けられ、かつ第1導入口の旋回方向に対し
て順方向(正接)または逆方向(逆接)で導入できるよ
うに設けた同一断面の上下端を通る2組の第3の空気お
よび/または天然ガス導入口(No.1の11〜14およびNo.
2の15〜18:内径40mmφ)が設置され、第3の導入口の
下流側空間内に複数個の冷却水圧入噴霧装置(a〜g)
を設置した反応継続兼冷却室(19:内径500mmφ、長さ40
00mm)とからなる、全体が耐火物で被覆されたカーボン
ブラック製造炉を用い、原料油の導入位置、第1および
第2の導入口よりの空気および天然ガスの供給条件、第
3の導入口からの空気および/または天然ガスの供給条
件および旋回方向などを適宜調節して、比表面積(N2S
A)、ストラクチャー(DBPA)、アグリゲート最多頻度
値およびアグリゲートサイズ分布指数(s)の異なるSR
F級ないしGPF級カーボンブラックを製造した。
より詳しく述べると、表面積(N2SA)は導入空気量と空
気量の比率により調整を行ない、表面積が大きくする場
合には空気の導入量を増し、小さくする場合にはこれを
減らして制御した。
気量の比率により調整を行ない、表面積が大きくする場
合には空気の導入量を増し、小さくする場合にはこれを
減らして制御した。
アグリゲートサイズ分布の制御は、主として反応室にお
ける流動状態により行なった。すなわち、反応室に導入
する空気量、特に正接から導入する空気量を多くするこ
とによりこの分布を狭く(sより小さく)し、逆接導入
量を増すことにより分布を広くしている。この流動変化
による効果は上流側、すなわち11〜14を使用した場合に
大きくなる。さらに、単に空気のみでなく、燃料を添加
することによりサイズ分布を小さく制御する有効な手段
となる。これに加え、原料油の導入位置も大きな制御因
子となっている。すなわち、ベンチュリ入口に近い個所
で原料油を導入した場合には、ベンチュリにより燃焼ガ
スの流動速度、密度が上がった状態に導入することとな
り、これによりサイズ分布指数は小さい側に移動し、逆
に上流側に移動した場合にはこの指数は大きくなる。
ける流動状態により行なった。すなわち、反応室に導入
する空気量、特に正接から導入する空気量を多くするこ
とによりこの分布を狭く(sより小さく)し、逆接導入
量を増すことにより分布を広くしている。この流動変化
による効果は上流側、すなわち11〜14を使用した場合に
大きくなる。さらに、単に空気のみでなく、燃料を添加
することによりサイズ分布を小さく制御する有効な手段
となる。これに加え、原料油の導入位置も大きな制御因
子となっている。すなわち、ベンチュリ入口に近い個所
で原料油を導入した場合には、ベンチュリにより燃焼ガ
スの流動速度、密度が上がった状態に導入することとな
り、これによりサイズ分布指数は小さい側に移動し、逆
に上流側に移動した場合にはこの指数は大きくなる。
また、トルエン着色透過度および望ましい要件であるIA
/N2SAの比率の制御は、反応継続兼急速冷却室に複数個
設置された冷却水圧入噴霧装置a〜gのいずれかを使用
するかによって制御した。すなわち、トルエン着色透過
度を低い値に制御する、またIA/N2SAの値の小さい側に
制御する場合には上流側にある装置を使用し、着色透過
度を大きくする、またA/N2SAを大きく制御する場合には
下流側の装置を使用することにより調整した。
/N2SAの比率の制御は、反応継続兼急速冷却室に複数個
設置された冷却水圧入噴霧装置a〜gのいずれかを使用
するかによって制御した。すなわち、トルエン着色透過
度を低い値に制御する、またIA/N2SAの値の小さい側に
制御する場合には上流側にある装置を使用し、着色透過
度を大きくする、またA/N2SAを大きく制御する場合には
下流側の装置を使用することにより調整した。
上述した制御条件を組み合わせることにより、本発明カ
ーボンブラックおよび比較カーボンブラックを製造し
た。なお、ストラクチャーの制御では主として原料油へ
のアルカリ金属添加量により調節した。
ーボンブラックおよび比較カーボンブラックを製造し
た。なお、ストラクチャーの制御では主として原料油へ
のアルカリ金属添加量により調節した。
各種カーボンブラックの製造条件および製造されたカー
ボンブラックの物理化学特性を表−1に示した。
ボンブラックの物理化学特性を表−1に示した。
対照カーボンブラックとしてSRF-LM(商品名:旭#3
5)、SRF(商品名:旭#50)およびGPF(商品名:旭#5
5)のカーボンブラックの性状についても併記した。
5)、SRF(商品名:旭#50)およびGPF(商品名:旭#5
5)のカーボンブラックの性状についても併記した。
原料油としては比重(15/4℃)1.130、動粘度16.8cSt
(50℃)、残留炭素9.5%、初留点202℃BMCI160の性状
を有する高芳香族炭化水素を用い、軸方向に噴霧導入し
た。
(50℃)、残留炭素9.5%、初留点202℃BMCI160の性状
を有する高芳香族炭化水素を用い、軸方向に噴霧導入し
た。
本発明によるカーボンブラックの各特性は、次のように
して測定される。
して測定される。
DBP吸収量(DBPA) :JIS K 6221-1982A法による。
沃素吸収量(IA) :JIS K 6221-1982による。
比着色力 :JIS K 6221-1982A法による。
沈降分析によるカーボンブラックアグリゲートサイズ分
析法 使用機器 Disk Centrifuge(Photo sedimentomenter) (DCF)(英)Joyce Loebl社製 測定法 若干の界面活性剤を加えた30%メタノール水溶液中に、
0.05〜0.1%のカーボンブラックを加え、超音波処理を
施して完全に分散せしめる。25v/v%グリセリン水溶液
の沈降液(スピン液)15〜30mlを注加した回転デイスク
(disk)の回転数を6000rpmとし、0.1〜0.5mlの純水を
注加して常法によりバッフアラインを形成せしめた後、
上記分散液0.2〜0.3mlを注加する。
析法 使用機器 Disk Centrifuge(Photo sedimentomenter) (DCF)(英)Joyce Loebl社製 測定法 若干の界面活性剤を加えた30%メタノール水溶液中に、
0.05〜0.1%のカーボンブラックを加え、超音波処理を
施して完全に分散せしめる。25v/v%グリセリン水溶液
の沈降液(スピン液)15〜30mlを注加した回転デイスク
(disk)の回転数を6000rpmとし、0.1〜0.5mlの純水を
注加して常法によりバッフアラインを形成せしめた後、
上記分散液0.2〜0.3mlを注加する。
分散液の注加と同時に記録計を動作せしめ、回転デイス
クの外周近傍の一定点を沈降によつて通過するカーボン
ブラックアグリゲートの量を光学的に測定して、その量
を時間に対するヒストグラムとして記録する。
クの外周近傍の一定点を沈降によつて通過するカーボン
ブラックアグリゲートの量を光学的に測定して、その量
を時間に対するヒストグラムとして記録する。
沈降時間を、下記の式(Stokesの式の一般型)により、
ストークス相当径に換算し、カーボンブラックアグリゲ
ートのストークス相当径とその頻度のヒストグラムを得
る。
ストークス相当径に換算し、カーボンブラックアグリゲ
ートのストークス相当径とその頻度のヒストグラムを得
る。
式(1)において、dは沈降開始後の時間tで回転デイ
スクの光学的測定点を通過するカーボンブラックアグリ
ゲートのストークス相当径である。
スクの光学的測定点を通過するカーボンブラックアグリ
ゲートのストークス相当径である。
定数Kは、測定時のスピン液の量、粘度、およびカーボ
ンブラックとの密度差(カーボンブラックの真密度を1.
86g/mlとする)、更に回転デイスクの回転数によつて決
定される定数である。例えば、スピン液として25v/v%
グリセリン水溶液25mlを用い、測定温度20℃でデイスク
回転数6000rpmとした場合のK値は7920となり、dはnm,
tは分で表示される。
ンブラックとの密度差(カーボンブラックの真密度を1.
86g/mlとする)、更に回転デイスクの回転数によつて決
定される定数である。例えば、スピン液として25v/v%
グリセリン水溶液25mlを用い、測定温度20℃でデイスク
回転数6000rpmとした場合のK値は7920となり、dはnm,
tは分で表示される。
Dst及びsの定義 上記測定操作によつて得られるアグリゲートのストーク
ス相当径ヒストグラムにおいて、最多頻度(実際には、
光学的測定を行なつているので最大吸光度である)を与
えるストークス相当径をDst(mode)と称し、カーボン
ブラックアグリゲートの平均的大きさの目安とする。
ス相当径ヒストグラムにおいて、最多頻度(実際には、
光学的測定を行なつているので最大吸光度である)を与
えるストークス相当径をDst(mode)と称し、カーボン
ブラックアグリゲートの平均的大きさの目安とする。
また、当該ヒストグラムにおいて、Dst(mode)の示す
頻度(吸光度)の二分の一の頻度(吸光度)を示し、か
つDst(mode)よりも大なるストークス相当径を▲DL 50
▼としたとき、アグリゲートサイズ分布指数sは、 s=0.84932×log(▲DL 50▼/Dst) で定義される。これは、比較的大きなアグリゲートサイ
ズの分布広さの目安となる。
頻度(吸光度)の二分の一の頻度(吸光度)を示し、か
つDst(mode)よりも大なるストークス相当径を▲DL 50
▼としたとき、アグリゲートサイズ分布指数sは、 s=0.84932×log(▲DL 50▼/Dst) で定義される。これは、比較的大きなアグリゲートサイ
ズの分布広さの目安となる。
性能評価試験 表−1に示したカーボンブラックの性能評価をする為
に、表−2に示す配合比をもつてゴム組成物を調製し、
種々の試験に供した。
に、表−2に示す配合比をもつてゴム組成物を調製し、
種々の試験に供した。
各ゴム組成物の性能評価は、次のゴム特性試験条件によ
り測定評価した。
り測定評価した。
ゴム特性試験条件 配合物の加硫条件:145℃,30分 耐摩耗試験:ランボーン摩耗試験機を用い、スリップ
率25%で測定し、耐摩耗性は下式で求める。
率25%で測定し、耐摩耗性は下式で求める。
耐摩耗指数=(S/T)×100(%) ここでS:IRBNo.5試験片の25%スリップ率での容積損
失。
失。
T:供試試験片の25%スリップ率での容積損失。
反発弾性試験:レジリエンステスター(東洋精機製作
所製)を用い、B.S(British Standard)903:Part A8:1
963 発熱特性:ASTM D 623に準じて測定する。
所製)を用い、B.S(British Standard)903:Part A8:1
963 発熱特性:ASTM D 623に準じて測定する。
その他のゴム特性:JIS K 6300-1974およびJIS K 6301
-1975に準じて測定する。
-1975に準じて測定する。
各カーボンブラックにおけるゴム特性については、表−
3にとりまとめて示す。
3にとりまとめて示す。
表1〜3からの考察 イ.補強性 補強性を計るメジヤーとして300%モジユラス値および
耐摩耗性に着目すると、DBPAおよびN2SAの近似するRunN
o.1と対照のSRF-LM(商品名:旭#35)の比較におい
て、アグリゲートサイズ分布指数aの値を小とすること
によりいずれの特性も向上していることがわかる。同様
に、RunNo.2と対照SRF(商品名:旭#50)およびRunN
o.4と対照GRF(商品名:旭#55)の比較においても、
sの値を小さくした本発明カーボンブラックの方がすぐ
れた補強性を示している。
耐摩耗性に着目すると、DBPAおよびN2SAの近似するRunN
o.1と対照のSRF-LM(商品名:旭#35)の比較におい
て、アグリゲートサイズ分布指数aの値を小とすること
によりいずれの特性も向上していることがわかる。同様
に、RunNo.2と対照SRF(商品名:旭#50)およびRunN
o.4と対照GRF(商品名:旭#55)の比較においても、
sの値を小さくした本発明カーボンブラックの方がすぐ
れた補強性を示している。
RunNo.8は望ましい要件であるIA/N2SA比が外れるため
にRunNo.3よりも若干の補強性の低下が見られるが、そ
れでもs値の大きい比較例6および対照SRFよりも優れ
ている。
にRunNo.3よりも若干の補強性の低下が見られるが、そ
れでもs値の大きい比較例6および対照SRFよりも優れ
ている。
RunNo.6ではs値が大きいために300%モジユラス値、
耐摩耗性の著しく低下がみられる。
耐摩耗性の著しく低下がみられる。
ロ.動的特性 DBPAおよびN2SAがそれぞれ近似している本発明ブラック
と対照ブラックの動的特性(反発弾性および発熱)を比
較すると、反発弾性においては顕著な差はなくほぼ同等
であるが、発熱特性において明らかな差異が認められ
る。
と対照ブラックの動的特性(反発弾性および発熱)を比
較すると、反発弾性においては顕著な差はなくほぼ同等
であるが、発熱特性において明らかな差異が認められ
る。
sが小さい側にはずれるRunNo.5では補強性では向上し
ているが、反発弾性および発熱特性で低下がみられ、s
の値は0.12を下限とすることが理解される。
ているが、反発弾性および発熱特性で低下がみられ、s
の値は0.12を下限とすることが理解される。
ハ.その他の特性 ムーニー粘度において、本発明カーボンブラックと対照
カーボンブラックとの間で明確な差異は認められない
が、加硫特性のムーニースコーチ時間において顕著な差
がみられる。
カーボンブラックとの間で明確な差異は認められない
が、加硫特性のムーニースコーチ時間において顕著な差
がみられる。
このムーニースコーチ時間は一般的に粒子径が大きくな
ると延びる傾向にあるが、本発明カーボンブラックはソ
フト系の粒子径をもつているにもかかわらず、ハード系
カーボンブラックのムーニースコーチ時間に近似した数
値を有している。
ると延びる傾向にあるが、本発明カーボンブラックはソ
フト系の粒子径をもつているにもかかわらず、ハード系
カーボンブラックのムーニースコーチ時間に近似した数
値を有している。
RunNo.7ではトルエン着色透過度が本発明範囲を外れる
ためにほぼ等しいDBPAとN2SAをもつRunNo.4および対照
GPFと比較して、対照GPFに近いムーニースコーチ時間と
なり、顕著な差は認められなくなる。従つて、トルエン
着色透過度の上限は60%とする。
ためにほぼ等しいDBPAとN2SAをもつRunNo.4および対照
GPFと比較して、対照GPFに近いムーニースコーチ時間と
なり、顕著な差は認められなくなる。従つて、トルエン
着色透過度の上限は60%とする。
以上のように、DBPA50〜95ml/100g、N2SA20〜35m2/gの
特性を有し、さらに、アグリゲートサイズ分布指数sを
0.12〜0.15とするとともに、トルエン着色透過度を20〜
60%という特定範囲とした本発明カーボンブラックは、
ゴム組成物に対して動的特性(反発弾性)を何ら低下さ
せることなく、補強性の向上、作業性の促進および発熱
特性の低下を達成できるカーボンブラックを提供するも
のである。
特性を有し、さらに、アグリゲートサイズ分布指数sを
0.12〜0.15とするとともに、トルエン着色透過度を20〜
60%という特定範囲とした本発明カーボンブラックは、
ゴム組成物に対して動的特性(反発弾性)を何ら低下さ
せることなく、補強性の向上、作業性の促進および発熱
特性の低下を達成できるカーボンブラックを提供するも
のである。
第1図は、遠心沈降分析によりカーボンブラックアグリ
ゲートを測定した場合の経過時間と吸光度(頻度値)と
の関係を示す測定曲線の一例である。第2図は第1図に
示した曲線において、アグリゲートのストーク相当径の
対数と頻度値の関係をプロットしたものである。第3図
は第2図に示した頻度値vs時間の測定曲線から得られる
2種の異なるカーボンブラックのアグリゲート分布曲線
を示したものである。 第4図はカーボンブラックのアグリゲート分布での従来
品との差異を模式的に示したものである。第5図は本願
発明カーボンブラックの製造に用いられる装置の一例を
示す縦断面図であり、第6図は第5図のA−A矢視にお
ける断面図、第7図はB−B矢視における断面図であ
る。 1……燃焼室、2,3……空気導入口 4〜9……天然ガス導入口 10……ベンチュリ部 11〜17……空気、天然ガス導入口 19……反応継続冷却室 a〜g……冷却水圧入噴霧装置
ゲートを測定した場合の経過時間と吸光度(頻度値)と
の関係を示す測定曲線の一例である。第2図は第1図に
示した曲線において、アグリゲートのストーク相当径の
対数と頻度値の関係をプロットしたものである。第3図
は第2図に示した頻度値vs時間の測定曲線から得られる
2種の異なるカーボンブラックのアグリゲート分布曲線
を示したものである。 第4図はカーボンブラックのアグリゲート分布での従来
品との差異を模式的に示したものである。第5図は本願
発明カーボンブラックの製造に用いられる装置の一例を
示す縦断面図であり、第6図は第5図のA−A矢視にお
ける断面図、第7図はB−B矢視における断面図であ
る。 1……燃焼室、2,3……空気導入口 4〜9……天然ガス導入口 10……ベンチュリ部 11〜17……空気、天然ガス導入口 19……反応継続冷却室 a〜g……冷却水圧入噴霧装置
Claims (2)
- 【請求項1】窒素吸着比表面積(N2SA)が20〜35m2/g、
ジブチルフタレート吸収量(DBPA)が50〜95ml/100gの
特性を有するカーボンブラツクにおいて、下式で算出さ
れるアグリゲートサイズ分布指数(s)が0.12〜0.15で
あり、かつトルエン着色透過度が20〜60%の範囲にある
ことを特徴とするソフト系カーボンブラツク。 s=0.84932×log(▲DL 50▼/Dst) ここで、s:アグリゲートサイズ分布指数 Dst:遠心沈降分析によつて得られる最多頻度のストーク
ス相当径 ▲DL 50▼:Dstより大で、Dstの1/2の頻度を有するストー
クス相当径 - 【請求項2】窒素吸着比表面積(N2SA)の測定値(m2/
g)と沃素吸着量(IA)の測定値(mg/g)の比、IA/N2SA
が0.75〜0.95の範囲にある、特許請求の範囲第1項記載
のソフト系カーボンブラツク。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12590385A JPH0689268B2 (ja) | 1985-06-10 | 1985-06-10 | ソフト系カ−ボンブラツク |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12590385A JPH0689268B2 (ja) | 1985-06-10 | 1985-06-10 | ソフト系カ−ボンブラツク |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61283635A JPS61283635A (ja) | 1986-12-13 |
JPH0689268B2 true JPH0689268B2 (ja) | 1994-11-09 |
Family
ID=14921759
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12590385A Expired - Fee Related JPH0689268B2 (ja) | 1985-06-10 | 1985-06-10 | ソフト系カ−ボンブラツク |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0689268B2 (ja) |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2708463B2 (ja) * | 1988-04-28 | 1998-02-04 | 旭カーボン株式会社 | 高耐摩耗性カーボンブラック |
US5229452A (en) * | 1991-11-13 | 1993-07-20 | Cabot Corporation | Carbon blacks |
NO176885C (no) * | 1992-04-07 | 1995-06-14 | Kvaerner Eng | Anvendelse av rent karbon i form av karbonpartikler som anodemateriale til aluminiumfremstilling |
US5688317A (en) * | 1992-08-27 | 1997-11-18 | Cabot Corporation | Carbon blacks |
SG49945A1 (en) | 1992-08-27 | 1998-06-15 | Cabot Corp | Carbon blacks |
KR20020042232A (ko) * | 2000-11-30 | 2002-06-05 | 신형인 | 인너라이너 고무조성물 |
JP4881618B2 (ja) | 2003-04-22 | 2012-02-22 | 株式会社ブリヂストン | ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ |
JP2005126604A (ja) * | 2003-10-24 | 2005-05-19 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | ゴム組成物およびそれを用いたタイヤ |
JP5542416B2 (ja) * | 2009-11-04 | 2014-07-09 | 旭カーボン株式会社 | 防振ゴム配合用ソフト系ファーネスカーボンブラック及びこれを配合した防振ゴム組成物 |
-
1985
- 1985-06-10 JP JP12590385A patent/JPH0689268B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
「カーボンブラック年鑑1979」昭和54年7月カーボンブラック協会発行P.61 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61283635A (ja) | 1986-12-13 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |