JP2945220B2 - ハード系高ストラクチャーカーボンブラック - Google Patents
ハード系高ストラクチャーカーボンブラックInfo
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- JP2945220B2 JP2945220B2 JP30951992A JP30951992A JP2945220B2 JP 2945220 B2 JP2945220 B2 JP 2945220B2 JP 30951992 A JP30951992 A JP 30951992A JP 30951992 A JP30951992 A JP 30951992A JP 2945220 B2 JP2945220 B2 JP 2945220B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主にタイヤトレッド用
などに用いられる、高い耐摩耗性と低い転がり抵抗とい
う性能を同時に要求されるゴム部材に好適なカーボンブ
ラックに関するものである。より詳細には、ISAF級
以上のいわゆるハード系カーボンブラックにおいて、同
等の比表面積を有する従来のカーボンブラックに比較し
て、その配合ゴム組成物の耐摩耗性を同等以上に維持し
ながら、転がり抵抗を高度に低下させることのできるカ
ーボンブラックに係るものであり、これと同時にゴム組
成物を軽量化できるカーボンブラックを提供するもので
ある。
などに用いられる、高い耐摩耗性と低い転がり抵抗とい
う性能を同時に要求されるゴム部材に好適なカーボンブ
ラックに関するものである。より詳細には、ISAF級
以上のいわゆるハード系カーボンブラックにおいて、同
等の比表面積を有する従来のカーボンブラックに比較し
て、その配合ゴム組成物の耐摩耗性を同等以上に維持し
ながら、転がり抵抗を高度に低下させることのできるカ
ーボンブラックに係るものであり、これと同時にゴム組
成物を軽量化できるカーボンブラックを提供するもので
ある。
【0002】
【従来技術】近年、地球環境の保全が叫ばれ、この一貫
として省エネルギー指向の要請が広がって、従来にも増
して転がり抵抗の低く、従ってエネルギー消費量の少な
いタイヤおよびこれに適合するゴム組成物が望まれるよ
うになってきた。転がり抵抗の低い、エネルギー消費量
の少ないタイヤおよびゴム組成物という要請に対して、
ゴム自体の改良も数多くおこなわれているが、ここに使
用されるゴム組成物への補強用充填剤であるカーボンブ
ラックの特性ならびにその配合量も重要な要素である。
すなわち、配合するカーボンブラックの比表面積を小さ
くするか、ないしはカーボンブラックの配合量を減らす
ことにより、その配合物の転がり抵抗を低下させること
ができるが、これと同時に耐摩耗性の著しい低下をもた
らす結果となる。低い転がり抵抗で、しかも充分な耐摩
耗性を保持したゴム組成物を得るために、カーボンブラ
ックからの改良としては、従来は、配合ゴムのアグリゲ
ート分布を大きくしたり(特開昭60−208369
号、特開昭61−34072号、特開昭62−5743
5号など)、アグリゲートの代表径(最多頻度値、また
は中心値)を大きくしたり(特開昭62−57434号
など)をすることで対応していた。しかし、現在求めら
れている省エネルギー型タイヤ用のゴム組成物を得るた
めには、これらの従来技術により転がり抵抗を低下させ
るにはまだ不十分であり、より大幅な改善が求められて
いる現状にある。一方、配合カーボンブラックのストラ
クチャーを高めてゴムへの配合量を減らし、耐摩耗性を
維持しながら転がり抵抗を減少させようという試み〔R.
A.Swor他、Elastomerics,Vol.123(No.3),18(1991)およ
び同(No.4),30(1991)〕がなされている。ここでは、通
常のゴム配合物よりも多くのオイルを配合した各種ゴム
組成物について検討されており、耐摩耗性を向上させな
がら発熱特性を改良できるという効果が得られたと述べ
ている。しかしながら、動的弾性率(E′)と耐摩耗性
の関係を見てみると、耐摩耗性の向上に連れて動的弾性
率は大きく低下しており、このゴム組成物をそのままタ
イヤに使用した場合にはその重要特性の一つである操縦
安定性に悪影響を及ぼすという欠陥がある。また、特開
昭52−85995号には、タイヤトレッドゴム化合物
において比較的オイル配合量が多い場合でも高いトレッ
ド摩耗抵抗を与えるカーボンブラックとして、ハード系
の高ストラクチャーカーボンブラックが開示されてい
る。しかしながら、当該公報では、オイル添加による軽
量化というメリットは認められるが、本発明の技術的課
題である転がり抵抗の減少については全く考慮されてい
ない。さらに、最近ハード系高ストラクチャーカーボン
ブラックとして特開平2−77445号および特開平2
−158668号(出願人はいずれも東海カーボン
(株))が公開されている。前者は、タイヤトレッド用
に有用な高度の耐摩耗性を与えるカーボンブラックに関
し、後者は路面状態に拘りなく高度の耐摩耗性を付与で
きるカーボンブラックに関するものである。しかしなが
ら、これら2つの発明のいずれにおいてもトレッドでの
高度の耐摩耗性については認識できるが、本発明におけ
る転がり抵抗の減少や動的粘弾性、損失正接の制御につ
いてはまったく考慮されておらず、またゴム組成物の軽
量化も配慮されていない。
として省エネルギー指向の要請が広がって、従来にも増
して転がり抵抗の低く、従ってエネルギー消費量の少な
いタイヤおよびこれに適合するゴム組成物が望まれるよ
うになってきた。転がり抵抗の低い、エネルギー消費量
の少ないタイヤおよびゴム組成物という要請に対して、
ゴム自体の改良も数多くおこなわれているが、ここに使
用されるゴム組成物への補強用充填剤であるカーボンブ
ラックの特性ならびにその配合量も重要な要素である。
すなわち、配合するカーボンブラックの比表面積を小さ
くするか、ないしはカーボンブラックの配合量を減らす
ことにより、その配合物の転がり抵抗を低下させること
ができるが、これと同時に耐摩耗性の著しい低下をもた
らす結果となる。低い転がり抵抗で、しかも充分な耐摩
耗性を保持したゴム組成物を得るために、カーボンブラ
ックからの改良としては、従来は、配合ゴムのアグリゲ
ート分布を大きくしたり(特開昭60−208369
号、特開昭61−34072号、特開昭62−5743
5号など)、アグリゲートの代表径(最多頻度値、また
は中心値)を大きくしたり(特開昭62−57434号
など)をすることで対応していた。しかし、現在求めら
れている省エネルギー型タイヤ用のゴム組成物を得るた
めには、これらの従来技術により転がり抵抗を低下させ
るにはまだ不十分であり、より大幅な改善が求められて
いる現状にある。一方、配合カーボンブラックのストラ
クチャーを高めてゴムへの配合量を減らし、耐摩耗性を
維持しながら転がり抵抗を減少させようという試み〔R.
A.Swor他、Elastomerics,Vol.123(No.3),18(1991)およ
び同(No.4),30(1991)〕がなされている。ここでは、通
常のゴム配合物よりも多くのオイルを配合した各種ゴム
組成物について検討されており、耐摩耗性を向上させな
がら発熱特性を改良できるという効果が得られたと述べ
ている。しかしながら、動的弾性率(E′)と耐摩耗性
の関係を見てみると、耐摩耗性の向上に連れて動的弾性
率は大きく低下しており、このゴム組成物をそのままタ
イヤに使用した場合にはその重要特性の一つである操縦
安定性に悪影響を及ぼすという欠陥がある。また、特開
昭52−85995号には、タイヤトレッドゴム化合物
において比較的オイル配合量が多い場合でも高いトレッ
ド摩耗抵抗を与えるカーボンブラックとして、ハード系
の高ストラクチャーカーボンブラックが開示されてい
る。しかしながら、当該公報では、オイル添加による軽
量化というメリットは認められるが、本発明の技術的課
題である転がり抵抗の減少については全く考慮されてい
ない。さらに、最近ハード系高ストラクチャーカーボン
ブラックとして特開平2−77445号および特開平2
−158668号(出願人はいずれも東海カーボン
(株))が公開されている。前者は、タイヤトレッド用
に有用な高度の耐摩耗性を与えるカーボンブラックに関
し、後者は路面状態に拘りなく高度の耐摩耗性を付与で
きるカーボンブラックに関するものである。しかしなが
ら、これら2つの発明のいずれにおいてもトレッドでの
高度の耐摩耗性については認識できるが、本発明におけ
る転がり抵抗の減少や動的粘弾性、損失正接の制御につ
いてはまったく考慮されておらず、またゴム組成物の軽
量化も配慮されていない。
【0003】
【発明が解決しようとした課題】従来では困難であった
高い耐摩耗性と転がり抵抗の両立を、高ストラクチャー
を有するカーボンブラックを低配合部数で配合すること
によりある程度解決することができたが、耐摩耗性を向
上させるにしたがって動的弾性率も低下するという欠点
があることから、本発明の目的は耐摩耗性を向上させて
も動的弾性率を大きく下げることなく、この結果損失正
接(tan δ)を低下させ、これにより転がり抵抗を
低下させることができる新規なカーボンブラックを提供
することにある。さらには、従来の高ストラクチャーカ
ーボンブラックよりも大幅な配合部数の低減が可能で、
より顕著に低下した転がり抵抗と、より軽量化されたゴ
ム組成物を与えることができるカーボンブラックの提供
にある。
高い耐摩耗性と転がり抵抗の両立を、高ストラクチャー
を有するカーボンブラックを低配合部数で配合すること
によりある程度解決することができたが、耐摩耗性を向
上させるにしたがって動的弾性率も低下するという欠点
があることから、本発明の目的は耐摩耗性を向上させて
も動的弾性率を大きく下げることなく、この結果損失正
接(tan δ)を低下させ、これにより転がり抵抗を
低下させることができる新規なカーボンブラックを提供
することにある。さらには、従来の高ストラクチャーカ
ーボンブラックよりも大幅な配合部数の低減が可能で、
より顕著に低下した転がり抵抗と、より軽量化されたゴ
ム組成物を与えることができるカーボンブラックの提供
にある。
【0004】
【問題を解決するための手段】大幅に動的弾性率を低下
させることなく低い転がり抵抗と高い摩耗抵抗を有する
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、窒素吸着比表面積(N
2SA)が120m2/gを越え160m2/g以下、
ジブチルフタレート(DBP)吸油量が160〜220
ml/100gの基本特性を有するハード系高ストラク
チャーカーボンブラックにおいて、 1)N2SAとよう素吸着量(IA)との比(N2SA
/IA)が1.10以上 2)遠心沈降分析によるアグリゲートの最多頻度値(D
stモード径)が、下記式
させることなく低い転がり抵抗と高い摩耗抵抗を有する
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、窒素吸着比表面積(N
2SA)が120m2/gを越え160m2/g以下、
ジブチルフタレート(DBP)吸油量が160〜220
ml/100gの基本特性を有するハード系高ストラク
チャーカーボンブラックにおいて、 1)N2SAとよう素吸着量(IA)との比(N2SA
/IA)が1.10以上 2)遠心沈降分析によるアグリゲートの最多頻度値(D
stモード径)が、下記式
【数2】 Dstモード径(nm)>28.3+5581×(N2SA)−0.91 を満たす従来より大きい範囲にあるカーボンブラックを
配合することにより得られるものである。カーボンブラ
ックの比表面積およびDBP吸油量で示されるストラク
チャーはカーボンブラックの二大基本特性であり、いず
れの特性も配合ゴム組成物の耐摩耗性に対して大きな影
響を与えることは周知の事実である。自動車用タイヤの
接地面(トレッド)に使用されるゴム組成物には、必要
な耐摩耗性を得るために、窒素吸着比表面積がおおむね
70m2/g以上の、いわゆるハード系のカーボンラッ
クが使用され、そのストラクチャーの大きさは、DBP
吸油量がおおむね130ml/100g以下のものが使
用されている。一方、転がり抵抗に関する動的粘弾性特
性の一つである損失正接(tan δ)に対しては、配
合カーボンブラックの比表面積およびアグリゲートのサ
イズ分布ないしはその代表径が影響し、一般にはストラ
クチャーは影響を与えないと考えられてきた(カーボン
ブラックのアグリゲートとは、カーボンブラックの一次
粒子が複数個融合して形成されるゴムへの最小分散単位
であり、一次粒子の結合形式は、微細な黒鉛結晶子を介
した共有結合であると言われている)。
配合することにより得られるものである。カーボンブラ
ックの比表面積およびDBP吸油量で示されるストラク
チャーはカーボンブラックの二大基本特性であり、いず
れの特性も配合ゴム組成物の耐摩耗性に対して大きな影
響を与えることは周知の事実である。自動車用タイヤの
接地面(トレッド)に使用されるゴム組成物には、必要
な耐摩耗性を得るために、窒素吸着比表面積がおおむね
70m2/g以上の、いわゆるハード系のカーボンラッ
クが使用され、そのストラクチャーの大きさは、DBP
吸油量がおおむね130ml/100g以下のものが使
用されている。一方、転がり抵抗に関する動的粘弾性特
性の一つである損失正接(tan δ)に対しては、配
合カーボンブラックの比表面積およびアグリゲートのサ
イズ分布ないしはその代表径が影響し、一般にはストラ
クチャーは影響を与えないと考えられてきた(カーボン
ブラックのアグリゲートとは、カーボンブラックの一次
粒子が複数個融合して形成されるゴムへの最小分散単位
であり、一次粒子の結合形式は、微細な黒鉛結晶子を介
した共有結合であると言われている)。
【0005】しかし、本発明者らは、ハード系の高スト
ラクチャーカーボンブラックについて広範囲な研究を行
った結果、DBP吸油量を160〜220ml/100
gという高ストラクチャーとし、かつ窒素吸着比表面積
(N2SA)とよう素吸着量(IA)との比(N2SA/
IA)をある一定値以上にするとともに、アグリゲート
の最多頻度値をN2SAをもとに算出した数値よりも大
きくすることにより、通常のストラクチャーを有する、
および高ストラクチャーを有するカーボンブラックの場
合と比較して、前記二特性のほかに前記の二要件を満た
したハード系高ストラクチャーにおいては、予想された
程度を大きく越える転がり抵抗の低下効果のあることを
見いだして本発明を完成させたものである。すなわち、
従来の低発熱(低転がり抵抗)用カーボンブラックの場
合、アグリゲートサイズ分布を広げて有意な低発熱性を
得ようとすると、耐摩耗性を高度に維持することが困難
となって、両特性を同時に満足させることはできずに両
者ともある程度での妥協点で満足せざるを得ず、その結
果として充分な低発熱性が得られなかった。しかし、本
発明の場合には、比表面積が大きく、かつ高度に発達し
たストラクチャーを有するカーボンブラックにおいて、
N2SA/IAの比をある一定値以上にするとともに、
アグリゲートの最多頻度値をN2SAの値から算出され
る計算値よりも大きくするという要件を具備させること
により、耐摩耗性と低発熱性をより高度なレベルで両立
させることができるのである。アグリゲートサイズ分布
を制御せず、高度に発達したストラクチャーを有するカ
ーボンブラックにおいても、同等の硬さ、または弾性率
となるように配合量を減少することができ、この配合量
の減少は、結果的に低発熱性をもたらす。しかしなが
ら、前述したようにカーボンブラックの配合量の減少
は、発熱性を顕著に低下させることができるが、これに
ともなって耐摩耗性および動的弾性率の低下をもたらし
てしまう。したがって、直進走行性やハンドル応答性な
どの、タイヤの走行安定性に悪影響を与える動的弾性率
の低下は最小限に抑える必要がある。本発明によるカー
ボンブラックでは、配合量が減少しても動的弾性率の低
下程度は少なく、かつ耐摩耗性の低下以上に発熱性を減
少させることができ、加えてゴム組成物を軽量化するこ
とによる燃費向上という顕著な特徴を有している。
ラクチャーカーボンブラックについて広範囲な研究を行
った結果、DBP吸油量を160〜220ml/100
gという高ストラクチャーとし、かつ窒素吸着比表面積
(N2SA)とよう素吸着量(IA)との比(N2SA/
IA)をある一定値以上にするとともに、アグリゲート
の最多頻度値をN2SAをもとに算出した数値よりも大
きくすることにより、通常のストラクチャーを有する、
および高ストラクチャーを有するカーボンブラックの場
合と比較して、前記二特性のほかに前記の二要件を満た
したハード系高ストラクチャーにおいては、予想された
程度を大きく越える転がり抵抗の低下効果のあることを
見いだして本発明を完成させたものである。すなわち、
従来の低発熱(低転がり抵抗)用カーボンブラックの場
合、アグリゲートサイズ分布を広げて有意な低発熱性を
得ようとすると、耐摩耗性を高度に維持することが困難
となって、両特性を同時に満足させることはできずに両
者ともある程度での妥協点で満足せざるを得ず、その結
果として充分な低発熱性が得られなかった。しかし、本
発明の場合には、比表面積が大きく、かつ高度に発達し
たストラクチャーを有するカーボンブラックにおいて、
N2SA/IAの比をある一定値以上にするとともに、
アグリゲートの最多頻度値をN2SAの値から算出され
る計算値よりも大きくするという要件を具備させること
により、耐摩耗性と低発熱性をより高度なレベルで両立
させることができるのである。アグリゲートサイズ分布
を制御せず、高度に発達したストラクチャーを有するカ
ーボンブラックにおいても、同等の硬さ、または弾性率
となるように配合量を減少することができ、この配合量
の減少は、結果的に低発熱性をもたらす。しかしなが
ら、前述したようにカーボンブラックの配合量の減少
は、発熱性を顕著に低下させることができるが、これに
ともなって耐摩耗性および動的弾性率の低下をもたらし
てしまう。したがって、直進走行性やハンドル応答性な
どの、タイヤの走行安定性に悪影響を与える動的弾性率
の低下は最小限に抑える必要がある。本発明によるカー
ボンブラックでは、配合量が減少しても動的弾性率の低
下程度は少なく、かつ耐摩耗性の低下以上に発熱性を減
少させることができ、加えてゴム組成物を軽量化するこ
とによる燃費向上という顕著な特徴を有している。
【0006】より詳しく説明すると、本発明は、窒素吸
着比表面積(N2SA)が120m2/gを越え160
m2/g以下、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が
160〜220ml/100gの基本特性を有するハー
ド系高ストラクチャーカーボンブラックにおいて、 1)N2SAとよう素吸着量(IA)との比(N2SA
/IA)が1.10以上 2)遠心沈降分析によるアグリゲートの最多頻度値(D
stモード径、nm)とN2SAとの関係が、下記式
着比表面積(N2SA)が120m2/gを越え160
m2/g以下、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が
160〜220ml/100gの基本特性を有するハー
ド系高ストラクチャーカーボンブラックにおいて、 1)N2SAとよう素吸着量(IA)との比(N2SA
/IA)が1.10以上 2)遠心沈降分析によるアグリゲートの最多頻度値(D
stモード径、nm)とN2SAとの関係が、下記式
【数3】 Dstモード径(nm)>28.3+5581×(N2SA)−0.91 を満たすことを特徴とするハード系高ストラクチャーカ
ーボンブラックである。本発明カーボンブラックの前記
2つの基本特性は、ISAF(Intermediat
e Super Abrasion Furnace−
準超耐摩耗性ファーネス)ないしSAF(Super
Abrasion Furnace−超耐摩耗性ファー
ネス)の範囲にあり、本発明と同時に出願した表面積が
小さいハード系高ストラクチャーカーボンブラックとは
その対象表面積範囲が異なる近接した発明となってい
る。このように、同じハード系の高ストラクチャーのカ
ーボンブラックではあるが、特定要件での数値で多少異
なっているのは、両者共通の目的である配合ゴム組成物
での耐摩耗性を同等以上に維持しながら、転がり抵抗に
関連する動的粘弾性を改良しようとした場合に、その表
面積範囲の違いによりカーボンブラックの特性値を調整
する必要が生じたためである。これらの各要件に加え、
トルエン着色透過度が85%以下、より好ましくは20
〜60%の範囲にあるものが、本発明として一層望まし
いカーボンブラックとなる。さらに、カーボンブラック
の表面積の測定値を比較した場合に、セチルトリメチル
アンモニウムブロマイド(CTAB)吸着比表面積とN
2SAおよびIAとの大小関係が、
ーボンブラックである。本発明カーボンブラックの前記
2つの基本特性は、ISAF(Intermediat
e Super Abrasion Furnace−
準超耐摩耗性ファーネス)ないしSAF(Super
Abrasion Furnace−超耐摩耗性ファー
ネス)の範囲にあり、本発明と同時に出願した表面積が
小さいハード系高ストラクチャーカーボンブラックとは
その対象表面積範囲が異なる近接した発明となってい
る。このように、同じハード系の高ストラクチャーのカ
ーボンブラックではあるが、特定要件での数値で多少異
なっているのは、両者共通の目的である配合ゴム組成物
での耐摩耗性を同等以上に維持しながら、転がり抵抗に
関連する動的粘弾性を改良しようとした場合に、その表
面積範囲の違いによりカーボンブラックの特性値を調整
する必要が生じたためである。これらの各要件に加え、
トルエン着色透過度が85%以下、より好ましくは20
〜60%の範囲にあるものが、本発明として一層望まし
いカーボンブラックとなる。さらに、カーボンブラック
の表面積の測定値を比較した場合に、セチルトリメチル
アンモニウムブロマイド(CTAB)吸着比表面積とN
2SAおよびIAとの大小関係が、
【数4】N2SA>CTAB>IA を満たすカーボンブラックがさらに望ましい。DBP吸
油量の特性では、165ml/100gを越えたものが
望ましく、より好ましくは170ml/100gを上回
ったカーボンブラックである。圧縮後のDBP吸油量
(24M4DBP)で表示した場合には、137ml/
100g以上のものが本発明では好適である。
油量の特性では、165ml/100gを越えたものが
望ましく、より好ましくは170ml/100gを上回
ったカーボンブラックである。圧縮後のDBP吸油量
(24M4DBP)で表示した場合には、137ml/
100g以上のものが本発明では好適である。
【0007】本発明において適用されるカーボンブラッ
クの物理化学特性は、次のようにして測定される。 (1)DBP吸油量 JIS K6221 6.1.2項A法に記載の方法で
測定され、カーボンブラック100g当たりに吸収され
るジブチルフタレート(DBP)のmlで表示される。 (2)24M4DBP吸油量 ASTM D3493−91に記載の方法で測定され、
100g当たりに吸収されるDBPのmlで表わされ
る。 (3)窒素吸着比表面積(N2SA) ASTM D3037−84 B法に記載の方法で測定
され、単位重量当たりの比表面積m2/gで表示され
る。 (4)よう素吸着量 JIS K6221 6.1.1項に記載の方法で測定
され、カーボンブラック1g当たりに吸着されるよう素
のmgで表示される。 (5)CTAB比表面積比 ASTM D3765−89に記載の方法で測定され、
単位重量当たりの比表面積m2/gで表示される。 (6)トルエン着色透過度 JIS K6221 6.2.4項に記載の方法で測定
され、トルエン抽出溶液の透過率(%)で表示される。 (7)比着色力 JIS K6221 6.1.3項に記載された方法で
測定され、標準ブラックの着色力に対する指数で表示さ
れる。 (8)遠心沈降分析によるカーボンブラックアグリゲー
トサイズの分析法 測定機器 Disk Centrifuge Photosedimentmeter〔Joyc
e Loebl社製、4型機(MARK IV)〕 測定法…30V/V%メタノール水溶液50mlを三角
フラスコに入れ、0.1mlの界面活性剤のノニオライ
トPN−10(共栄社油脂化学工業製)を加える。0.
03〜0.04重量%のカーボンブラックを加え、超音
波処理(400W、38KHz、5分)を施して完全に
分散させる。15V/V%グリセリン水溶液(スピン
液)20〜30mlを注加した回転ディスクの回転数を
8000rpmとし、上記分散液0.02〜0.03m
lを注加する。分散液の注加と同時に記録計を作動さ
せ、回転ディスクの外周近傍の一定点を沈降により通過
するカーボンブラックのアグリゲートの量を光学的に測
定し、その量を時間に対する連続曲線として記録する。
沈降時間を、下記のストークスの一般式によりストーク
ス相当径に換算し、アグリゲートのストークス相当径と
その頻度の対応曲線を得る。
クの物理化学特性は、次のようにして測定される。 (1)DBP吸油量 JIS K6221 6.1.2項A法に記載の方法で
測定され、カーボンブラック100g当たりに吸収され
るジブチルフタレート(DBP)のmlで表示される。 (2)24M4DBP吸油量 ASTM D3493−91に記載の方法で測定され、
100g当たりに吸収されるDBPのmlで表わされ
る。 (3)窒素吸着比表面積(N2SA) ASTM D3037−84 B法に記載の方法で測定
され、単位重量当たりの比表面積m2/gで表示され
る。 (4)よう素吸着量 JIS K6221 6.1.1項に記載の方法で測定
され、カーボンブラック1g当たりに吸着されるよう素
のmgで表示される。 (5)CTAB比表面積比 ASTM D3765−89に記載の方法で測定され、
単位重量当たりの比表面積m2/gで表示される。 (6)トルエン着色透過度 JIS K6221 6.2.4項に記載の方法で測定
され、トルエン抽出溶液の透過率(%)で表示される。 (7)比着色力 JIS K6221 6.1.3項に記載された方法で
測定され、標準ブラックの着色力に対する指数で表示さ
れる。 (8)遠心沈降分析によるカーボンブラックアグリゲー
トサイズの分析法 測定機器 Disk Centrifuge Photosedimentmeter〔Joyc
e Loebl社製、4型機(MARK IV)〕 測定法…30V/V%メタノール水溶液50mlを三角
フラスコに入れ、0.1mlの界面活性剤のノニオライ
トPN−10(共栄社油脂化学工業製)を加える。0.
03〜0.04重量%のカーボンブラックを加え、超音
波処理(400W、38KHz、5分)を施して完全に
分散させる。15V/V%グリセリン水溶液(スピン
液)20〜30mlを注加した回転ディスクの回転数を
8000rpmとし、上記分散液0.02〜0.03m
lを注加する。分散液の注加と同時に記録計を作動さ
せ、回転ディスクの外周近傍の一定点を沈降により通過
するカーボンブラックのアグリゲートの量を光学的に測
定し、その量を時間に対する連続曲線として記録する。
沈降時間を、下記のストークスの一般式によりストーク
ス相当径に換算し、アグリゲートのストークス相当径と
その頻度の対応曲線を得る。
【数5】 式(1)において、dは沈降開始t分後での回転ディス
クの光学測定点を通過するカーボンブラックアグリゲー
トのストークス相当径(nm)である。定数Kは、測定
時のスピン液温度、粘度およびカーボンブラックとの密
度差(カーボンブラックの真密度は1.86g/cm3
とする)、さらに回転ディスクの回転数により決定され
る。本発明の測定で、スピン液として15V/V%グリ
セリン水溶液25mlを用い、測定温度24℃、ディス
ク回転数8000rpmとし、K値は448.9を用い
た。Dstモードの定義…前記の操作により得られたア
グリゲートのストークス相当径の測定曲線において、最
多頻度値(ピーク値であり、実際には光学的測定なので
最大吸光度に当たる)を与えるストークス相当径をDs
tモード径とする。
クの光学測定点を通過するカーボンブラックアグリゲー
トのストークス相当径(nm)である。定数Kは、測定
時のスピン液温度、粘度およびカーボンブラックとの密
度差(カーボンブラックの真密度は1.86g/cm3
とする)、さらに回転ディスクの回転数により決定され
る。本発明の測定で、スピン液として15V/V%グリ
セリン水溶液25mlを用い、測定温度24℃、ディス
ク回転数8000rpmとし、K値は448.9を用い
た。Dstモードの定義…前記の操作により得られたア
グリゲートのストークス相当径の測定曲線において、最
多頻度値(ピーク値であり、実際には光学的測定なので
最大吸光度に当たる)を与えるストークス相当径をDs
tモード径とする。
【0008】
【作用】本発明では、N2SAが120m2/gを越え1
60m2/g以下、DBP吸油量が160〜220ml
/100gという特性を有することが基本であるが、窒
素吸着比表面積が160m2/gを上回った場合にはた
とえ本発明の各要件を満たしたとしてもゴムへの分散性
が低下し、耐摩耗性の向上割合に比較して動的粘弾性特
性が低下し、120m2/gを下回った場合には本出願
と同時に出願した、より低表面積のカーボンブラックの
特性を適用する。もう一つの基本特性であるDBP吸油
量では、160ml/100gを下回るとゴムに対する
耐摩耗性、特に低部配合時での特性が低下し、また22
0ml/100gを上回るストラクチャーのゴム用カー
ボンブラックの製造は今のところ困難なため、DBP吸
油量の範囲は160〜220ml/100gとする。上
記の基本特性のほかに、本発明の必須要件であるN2S
A/IAの比およびアグリゲートのDstモード径につ
いては、N2SA/IAの比が1.10を下回った場合
には転がり抵抗に関連の大きいゴムの動的弾性率E′が
低下するのでこの値以上にする必要があるが、より望ま
しくは1.12から1.35の範囲のカーボンブラック
である。また、Dstモード径がN2SAの値から算出
される数値よりも小さい場合には発熱特性において特性
が低下する。このように、本発明においてはN2SAと
DBP吸油量でハード系の高ストラクチャーカーボンブ
ラックに属するものであるが、この特性に加えてN2S
A/IAの値を一定数値以上とし、アグリゲートの最多
頻度値をN2SAの数値を用いて算出される値よりも大
きくすることにより、良好な耐摩耗性を有しながら低発
熱性並びに動的弾性率の低下防止とを同時に満足させる
ことのできるゴム組成物を与えることができるが、N2
SA/IAの条件はおもに動的弾性率の低下を妨げる効
果を有し、またアグリゲートの要件は低発熱性への効果
が大きいものと考えられる。これに加えて、トルエン着
色透過度が85%以下であり、表面積を評価する値であ
る3つの測定値の大小が、
60m2/g以下、DBP吸油量が160〜220ml
/100gという特性を有することが基本であるが、窒
素吸着比表面積が160m2/gを上回った場合にはた
とえ本発明の各要件を満たしたとしてもゴムへの分散性
が低下し、耐摩耗性の向上割合に比較して動的粘弾性特
性が低下し、120m2/gを下回った場合には本出願
と同時に出願した、より低表面積のカーボンブラックの
特性を適用する。もう一つの基本特性であるDBP吸油
量では、160ml/100gを下回るとゴムに対する
耐摩耗性、特に低部配合時での特性が低下し、また22
0ml/100gを上回るストラクチャーのゴム用カー
ボンブラックの製造は今のところ困難なため、DBP吸
油量の範囲は160〜220ml/100gとする。上
記の基本特性のほかに、本発明の必須要件であるN2S
A/IAの比およびアグリゲートのDstモード径につ
いては、N2SA/IAの比が1.10を下回った場合
には転がり抵抗に関連の大きいゴムの動的弾性率E′が
低下するのでこの値以上にする必要があるが、より望ま
しくは1.12から1.35の範囲のカーボンブラック
である。また、Dstモード径がN2SAの値から算出
される数値よりも小さい場合には発熱特性において特性
が低下する。このように、本発明においてはN2SAと
DBP吸油量でハード系の高ストラクチャーカーボンブ
ラックに属するものであるが、この特性に加えてN2S
A/IAの値を一定数値以上とし、アグリゲートの最多
頻度値をN2SAの数値を用いて算出される値よりも大
きくすることにより、良好な耐摩耗性を有しながら低発
熱性並びに動的弾性率の低下防止とを同時に満足させる
ことのできるゴム組成物を与えることができるが、N2
SA/IAの条件はおもに動的弾性率の低下を妨げる効
果を有し、またアグリゲートの要件は低発熱性への効果
が大きいものと考えられる。これに加えて、トルエン着
色透過度が85%以下であり、表面積を評価する値であ
る3つの測定値の大小が、
【数6】N2SA>CTAB>IA の関係を満たすカーボンブラックがより好ましいゴム組
成物を与える。
成物を与える。
【0009】
【実施例】 製造例 カーボンブラックの製造 本発明にかかるハード系高ストラクチャーカーボンブラ
ックの製造は、本出願人が出願した特願平3−4582
4号明細書に記載されたと同様の装置を用いて行った。
図1、図2及び図3に示した製造装置を用い、各部の寸
法は次の通りとした。 可燃性流体導入室 2 内径 450mmφ 長さ 400mm 酸素含有ガス導入管 3 長辺 400mm 短辺 100mm 酸素含有ガス導入用円筒 4 内径 250mm 長さ 300mm 収れん室 8 上流端内径 370mm 下流端内径 80mm 長さ 1600mm 収れん角度 5.3゜ 燃料油導入装置 燃料油導入管72の内径 7mmφ 高圧・高音空気導入管73の内径 13mmφ 空気温度 300℃ 空気圧力 3kg/cm2 低圧・低温空気導入管74の内径 22mmφ 空気温度 60℃ 空気圧力 0.5kg/cm2 反応室 12 内径 140mmφ また、反応継続兼急速冷却室13内でのa〜hの冷却水
噴霧装置は、実用新案登録第102863号(出願人:
旭カーボン株式会社)に開示されているのと同様構造の
装置をとりつけた。
ックの製造は、本出願人が出願した特願平3−4582
4号明細書に記載されたと同様の装置を用いて行った。
図1、図2及び図3に示した製造装置を用い、各部の寸
法は次の通りとした。 可燃性流体導入室 2 内径 450mmφ 長さ 400mm 酸素含有ガス導入管 3 長辺 400mm 短辺 100mm 酸素含有ガス導入用円筒 4 内径 250mm 長さ 300mm 収れん室 8 上流端内径 370mm 下流端内径 80mm 長さ 1600mm 収れん角度 5.3゜ 燃料油導入装置 燃料油導入管72の内径 7mmφ 高圧・高音空気導入管73の内径 13mmφ 空気温度 300℃ 空気圧力 3kg/cm2 低圧・低温空気導入管74の内径 22mmφ 空気温度 60℃ 空気圧力 0.5kg/cm2 反応室 12 内径 140mmφ また、反応継続兼急速冷却室13内でのa〜hの冷却水
噴霧装置は、実用新案登録第102863号(出願人:
旭カーボン株式会社)に開示されているのと同様構造の
装置をとりつけた。
【0010】原料油及び燃料油としては、表1に示した
性状組成を有するものを使用した。
性状組成を有するものを使用した。
【表1】 上述のカーボンブラック製造装置において、本発明に適
するカーボンブラックは、原料油の導入位置、導入総空
気量、原料油の導入量、導入空気の分割割合、原料油の
導入圧量および温度、反応停止用冷却水導入位置などの
諸条件を調整して製造した。
するカーボンブラックは、原料油の導入位置、導入総空
気量、原料油の導入量、導入空気の分割割合、原料油の
導入圧量および温度、反応停止用冷却水導入位置などの
諸条件を調整して製造した。
【0011】製造したハード系高ストラクチャーカーボ
ンブラックの製造条件を表2〜4に、その物理化学特性
を表5〜7に示した。
ンブラックの製造条件を表2〜4に、その物理化学特性
を表5〜7に示した。
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【0012】ゴム配合性能試験 表5〜7に示したカーボンブラックの性能を評価するた
めに、表8に示した配合比によりゴム組成物を調整し、
その特性の試験を行った。その結果を表9〜11(カー
ボンブラック等量配合)に示す。
めに、表8に示した配合比によりゴム組成物を調整し、
その特性の試験を行った。その結果を表9〜11(カー
ボンブラック等量配合)に示す。
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】 旭#80:ISAF級カーボンブラック(旭カーボン
製)
製)
【0013】さらに、表12には本発明のカーボンブラ
ックの特性をより明確にするために、表5〜7に掲げた
カーボンブラックの一部を用い、表8の配合表におい
て、カーボンブラックの配合量のみを変化させた場合の
ゴム特性を示した。なお、対照カーボンブラックとして
は、旭#80(ISAF級カーボンブラック、旭カーボ
ン(株)製)を用いた。
ックの特性をより明確にするために、表5〜7に掲げた
カーボンブラックの一部を用い、表8の配合表におい
て、カーボンブラックの配合量のみを変化させた場合の
ゴム特性を示した。なお、対照カーボンブラックとして
は、旭#80(ISAF級カーボンブラック、旭カーボ
ン(株)製)を用いた。
【表12】
【0014】なお、各配合ゴム組成物のゴム特性の性能
評価は、次の試験条件により測定した。 ゴム特性試験条件 配合物の加硫条件:145℃、30分 耐摩耗性試験:ランボーン摩耗試験機を用い、スリッ
プ率25%および60%で測定し、耐摩耗指数は下式に
より算出する。
評価は、次の試験条件により測定した。 ゴム特性試験条件 配合物の加硫条件:145℃、30分 耐摩耗性試験:ランボーン摩耗試験機を用い、スリッ
プ率25%および60%で測定し、耐摩耗指数は下式に
より算出する。
【数7】耐摩耗指数=(S/T)×100 ここで、S:ISAF級カーボンブラック(旭#60:
旭カーボン製)試験片の25%および60%スリップ率
での摩耗減量 T:供試試験片の25%および60%スリップ率での摩
耗減量 動的粘弾性:岩本製作所製 粘弾性スペクトロメータ
ー(型式VES−F−III)を用いて、下記の条件下で動
的粘弾性率E′および損失正接tanδを測定した。 周波数 :50Hz 動的歪率:±1% 測定温度:25±1℃ 初期荷重:160g重 その他のゴム特性:JIS K6300−1974お
よびK6301−1975の記載にしたがって測定し
た。 ゴム組成物の比重:縦25mm、横7mm、厚さ6m
mの加硫ゴム片を用い、この試料片の空気中の重量およ
び水中での重量から比重を算出した。
旭カーボン製)試験片の25%および60%スリップ率
での摩耗減量 T:供試試験片の25%および60%スリップ率での摩
耗減量 動的粘弾性:岩本製作所製 粘弾性スペクトロメータ
ー(型式VES−F−III)を用いて、下記の条件下で動
的粘弾性率E′および損失正接tanδを測定した。 周波数 :50Hz 動的歪率:±1% 測定温度:25±1℃ 初期荷重:160g重 その他のゴム特性:JIS K6300−1974お
よびK6301−1975の記載にしたがって測定し
た。 ゴム組成物の比重:縦25mm、横7mm、厚さ6m
mの加硫ゴム片を用い、この試料片の空気中の重量およ
び水中での重量から比重を算出した。
【0015】
【評価】表5〜7に示した物理化学的特性を有する実施
例および比較例のカーボンブラックをゴムに配合したゴ
ム組成物の結果(等量配合の表9〜11および変量配合
の表12の結果)から、本発明カーボンブラックの効果
を説明する。製造例2に示したカーボンブラックにおい
て、Run No.6はRun No.1とほぼ同じ2
基本特性であるがN2SA/IA値で本発明の範囲を外
れ、Run No.7はRun No.3と同等の基本
特性を有しているが、Dst特性で外れたものである。
Run No.8はRun No.2とほぼ同じ基本特
性でN2SA/IAとDstの2特性で本発明の範囲を
外れた例である。Run No.9は、N2SAが本発
明を越えて大きくなった比較例であり、Run No.
10はDBPが本発明の範囲を外れたものである。 1)耐摩耗性 Run No.1とNo.6の比較では、表9〜11に
みられるようにNo.6のいずれの耐摩耗指数もNo.
1のそれに較べて低下している。また、RunNo.8
もNo.2のそれに対して同様に大きく低下している。
しかし、RunNo.7のそれはRun No.3に対
して低下割合が小さい。N2SAが大きいRun N
o.9の耐摩耗指数は、本発明のカーボンブラックと遜
色のない良好な数値を示している。変量配合時の結果か
ら、本発明のRun No.1に対してRun No.
6では、少量の35部配合時のランボーン耐摩耗指数が
維持できない。 2)動的粘弾性 いずれの比較においても、動的弾性率が小さくなってい
るにも拘らず損失正接は大きな数値を示している。ま
た、Run No.9においても動的弾性率が本発明カ
ーボンブラックよりも小さい値となっている一方で損失
正接は最も大きな数値を示している。変量配合時の表1
2の結果で、少量の35部配合時では耐摩耗指数が小さ
いにも拘らず損失正接は大きくなっており、かつ動的弾
性率も大きく低下している。
例および比較例のカーボンブラックをゴムに配合したゴ
ム組成物の結果(等量配合の表9〜11および変量配合
の表12の結果)から、本発明カーボンブラックの効果
を説明する。製造例2に示したカーボンブラックにおい
て、Run No.6はRun No.1とほぼ同じ2
基本特性であるがN2SA/IA値で本発明の範囲を外
れ、Run No.7はRun No.3と同等の基本
特性を有しているが、Dst特性で外れたものである。
Run No.8はRun No.2とほぼ同じ基本特
性でN2SA/IAとDstの2特性で本発明の範囲を
外れた例である。Run No.9は、N2SAが本発
明を越えて大きくなった比較例であり、Run No.
10はDBPが本発明の範囲を外れたものである。 1)耐摩耗性 Run No.1とNo.6の比較では、表9〜11に
みられるようにNo.6のいずれの耐摩耗指数もNo.
1のそれに較べて低下している。また、RunNo.8
もNo.2のそれに対して同様に大きく低下している。
しかし、RunNo.7のそれはRun No.3に対
して低下割合が小さい。N2SAが大きいRun N
o.9の耐摩耗指数は、本発明のカーボンブラックと遜
色のない良好な数値を示している。変量配合時の結果か
ら、本発明のRun No.1に対してRun No.
6では、少量の35部配合時のランボーン耐摩耗指数が
維持できない。 2)動的粘弾性 いずれの比較においても、動的弾性率が小さくなってい
るにも拘らず損失正接は大きな数値を示している。ま
た、Run No.9においても動的弾性率が本発明カ
ーボンブラックよりも小さい値となっている一方で損失
正接は最も大きな数値を示している。変量配合時の表1
2の結果で、少量の35部配合時では耐摩耗指数が小さ
いにも拘らず損失正接は大きくなっており、かつ動的弾
性率も大きく低下している。
【0016】
【効果】以上に説明したとおり、本発明のカーボンブラ
ックを配合したゴム組成物は、耐摩耗性が優れているに
もかかわらず、低発熱性で、転がり抵抗も低く、かつよ
り軽量化されているという特性を示す。
ックを配合したゴム組成物は、耐摩耗性が優れているに
もかかわらず、低発熱性で、転がり抵抗も低く、かつよ
り軽量化されているという特性を示す。
【図1】本発明の一例の装置の縦断正面説明図である。
【図2】図1のA−A矢視における断面図である。
【図3】図1の前頭部および燃料導入装置を示す部分拡
大図である。
大図である。
1 カーボンブラック反応装置 2 可燃性流体導入室 3 酸素含有ガス導入管 4 酸素含有ガス導入用円筒 5 整流板 7 燃料油噴霧装置 8 収れん室 9 バーナータイル 10 原料油噴霧装置 11 原料油導入室 12 反応室 13 反応継続兼急冷室 71 燃料油噴霧チップ 72 燃料油導入管 73 酸素含有ガス導入管 74 酸素含有ガス導入管 75 酸素含有ガスの導管 76 酸素含有ガスの導管 a 急冷水圧入噴霧装置 b 急冷水圧入噴霧装置 c 急冷水圧入噴霧装置 d 急冷水圧入噴霧装置 e 急冷水圧入噴霧装置 f 急冷水圧入噴霧装置 g 急冷水圧入噴霧装置 h 急冷水圧入噴霧装置
Claims (3)
- 【請求項1】 窒素吸着比表面積(N2SA)が120
m2/gを越え160m2/g以下、ジブチルフタレー
ト(DBP)吸油量が160〜220ml/100gの
基本特性を有するハード系高ストラクチャーカーボンブ
ラックにおいて、 1)N2SAとよう素吸着量(IA)との比(N2SA
/IA)が1.10以上 2)遠心沈降分析によるアグリゲートの最多頻度値(D
stモード径)が、下記 式 【数1】 Dstモード径(nm)>28.3+5581×(N2SA)−0.91 を満たすことを特徴とするカーボンブラック。 - 【請求項2】 溶媒としてトルエンを用いたときのトル
エン着色透過度の値が85%を下回る請求項1記載のカ
ーボンブラック。 - 【請求項3】 セチルトリメチルアンモニウムブロマイ
ド(CTAB)吸着比表面積の値が、N2SAより小さ
くかつIAよりも大きい請求項1記載のカーボンブラッ
ク。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30951992A JP2945220B2 (ja) | 1992-10-23 | 1992-10-23 | ハード系高ストラクチャーカーボンブラック |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30951992A JP2945220B2 (ja) | 1992-10-23 | 1992-10-23 | ハード系高ストラクチャーカーボンブラック |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06136289A JPH06136289A (ja) | 1994-05-17 |
JP2945220B2 true JP2945220B2 (ja) | 1999-09-06 |
Family
ID=17993988
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30951992A Expired - Lifetime JP2945220B2 (ja) | 1992-10-23 | 1992-10-23 | ハード系高ストラクチャーカーボンブラック |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2945220B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20000036035A (ko) * | 1996-09-12 | 2000-06-26 | 가와무라 요시부미 | 트로글리타존을 함유하는 글루타티온 환원효소 활성증강제 |
WO2005087863A1 (ja) * | 2004-03-15 | 2005-09-22 | Mitsubishi Chemical Corporation | プロピレン系樹脂組成物、及びその成形体 |
JP7619761B2 (ja) * | 2017-05-03 | 2025-01-22 | キャボット コーポレイション | 80~150m2/gのSTSAと少なくとも180mL/100gのOANと少なくとも110mL/100gのCOANとを有するカーボンブラックおよびそれらを組み込んだゴムコンパウンド |
-
1992
- 1992-10-23 JP JP30951992A patent/JP2945220B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06136289A (ja) | 1994-05-17 |
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