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JP3825648B2 - 流体の濾過方法 - Google Patents

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JP3825648B2
JP3825648B2 JP2001105542A JP2001105542A JP3825648B2 JP 3825648 B2 JP3825648 B2 JP 3825648B2 JP 2001105542 A JP2001105542 A JP 2001105542A JP 2001105542 A JP2001105542 A JP 2001105542A JP 3825648 B2 JP3825648 B2 JP 3825648B2
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  • Grinding-Machine Dressing And Accessory Apparatuses (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CMP排水の濾過方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、産業廃棄物を減らすこと、また産業廃棄物を分別し再利用することまたは産業廃棄物を自然界に放出させないことが、エコロジーの観点から重要なテーマであり、21世紀へ向けての企業課題である。この産業廃棄物の中には、被除去物が含まれた色々な流体がある。
【0003】
これらは、汚水、排水、廃液等の色々な言葉で表現されているが、以下、水や薬品等の流体中に被除去物である物質が含まれているものを排水と呼び説明する。これらの排水は、高価な濾過処理装置等で前記被除去物が取り除かれ、排水がきれいな流体となり再利用されたり、分別された被除去物または濾過できず残ったものを産業廃棄物として処理している。特に水は、濾過により環境基準を満たすきれいな状態にして川や海等の自然界に戻されたり、また再利用される。
【0004】
しかし、濾過処理等の設備費、ランニングコスト等の問題から、これらの装置を採用することが非常に難しく、環境上の問題になっている。
【0005】
このことからも判るように、排水処理の技術は、環境汚染の意味からも、またリサイクルの点からも重要な問題であり、低イニシャルコスト、低ランニングコストのシステムが早急に望まれている。
【0006】
一例として、半導体分野に於ける排水処理を以下に説明していく。一般に、金属、半導体、セラミック等の板状体を研削または研磨する際、摩擦による研磨(研削)治具等の温度上昇防止、潤滑性向上、研削屑または切削屑の板状体への付着等が考慮され、水等の流体が研磨(研削)治具や板状体にシャワーリングされている。
【0007】
具体的には、半導体材料の板状体である半導体ウェハをダイシングしたり、バックグラインドする際、純水を流す手法が取られている。ダイシング装置では、ダイシングブレードの温度上昇防止のために、またダイシング屑がウェハに付着するのを防止するために、半導体ウェハ上に純水の流れを作ったり、ブレードに純水が当たるように放水用のノズルが取り付けられ、シャワーリングされている。またバックグラインドでウェハ厚を薄くする際も、同様な理由により純水が流されている。
【0008】
前述したダイシング装置やバックグラインド装置から排出される研削屑または研磨屑が混入された排水は、濾過されてきれいな水にして自然界に戻したり、あるいは再利用され、濃縮された排水は、回収されている。
【0009】
現状の半導体製造に於いて、Siを主体とする被除去物(屑)の混入された排水の処理には、凝集沈殿法、フィルタ濾過と遠心分離機を組み合わせた方法の二通りがある。
【0010】
前者の凝集沈殿法では、凝集剤としてPAC(ポリ塩化アルミニウム)またはAl2(SO4)3(硫酸バンド)等を排水の中に混入させ、Siとの反応物を生成させ、この反応物を取り除くことで、排水の濾過をしていた。
【0011】
後者の、フィルタ濾過と遠心分離を組み合わせた方法では、排水を濾過し、濃縮された排水を遠心分離機にかけて、シリコン屑をスラッジとして回収するとともに、排水を濾過してできたきれいな水を自然界に放出したり、または再利用していた。
【0012】
例えば、図18に示すように、ダイシング時に発生する排水は、原水タンク201に集められ、ポンプ202で濾過装置203に送られる。濾過装置203には、セラミック系や有機物系のフィルタFが装着されているので、濾過された水は、配管204を介して回収水タンク205に送られ、再利用される。または自然界に放出される。
【0013】
一方、濾過装置203は、排水に圧力を加えてフィルタFに供給しているので、フィルタFに目詰まりが発生するため、定期的に洗浄が施される。例えば、原水タンク201側のバルブB1を閉め、バルブB3と原水タンクから洗浄水を送付するためのバルブB2が開けられ、回収水タンク205の水で、フィルタFが逆洗浄される。これにより発生した高濃度のSi屑が混入された排水は、原水タンク201に戻される。また濃縮水タンク206の濃縮水は、ポンプ208を介して遠心分離器209へ輸送され、遠心分離器209により汚泥(スラッジ)と分離液に分離される。Si屑から成る汚泥は、汚泥回収タンク210に集められ、分離液は分離液タンク211に集められる。更に分離液が集められた分離液タンク211の排水は、ポンプ212を介して原水タンク201に輸送される。
【0014】
これらの方法は、例えば、Cu、Fe、Al等の金属材料を主材料とする固形物または板状体、セラミック等の無機物から成る固形物や板状体等の研削、研磨の際に発生する屑を回収する際も採用されていた。
【0015】
一方、CMP(Chemical-Mechanical Polishing)が新たな半導体プロセス技術として登場してきた。このCMPは、半導体装置の理想的な多層配線構造を実現するために配線を被覆する層間絶縁膜上面の平坦化を目的として層間絶縁膜の上面の凹凸を研磨する技術である。
【0016】
このCMP技術により、第1に平坦なデバイス面形状を実現できる。この結果、リソグラフィ技術を使った微細パターンを精度良く形成でき、またSiウェハの貼り付け技術の併用等で、三次元ICの実現の可能性をもたらすものである。
【0017】
第2に、基板とは異なる材料の埋め込み構造を実現できる。この結果、配線の埋め込み構造を容易に実現できるメリットを有する。従来のICの多層配線で層間膜の溝にCVD法でWを埋め込み、表面をエッチバックして平坦化するタングステン(W)埋め込み技術が採用されていたが、最近はCMPにより平坦化する方がプロセスも簡略化できる点があり、CMPが脚光を浴びている。
【0018】
これらCMPの技術および応用は、サイエンスフォーラム発行の「CMPのサイエンス」に詳述されている。
【0019】
続いて、CMPの機構を簡単に説明する。図19に示すように、回転定盤250上の研磨布251に半導体ウェハ252を載せ、研磨材(スラリー)253を流しながら擦り合わせ、研磨加工、化学的エッチングすることにより、ウェハ252表面の凹凸を無くしている。研磨材253の中の溶剤による化学反応と、研磨布と研磨剤の中の研磨砥粒との機械的研磨作用で平坦化されている。研磨布251としては、例えば発泡ポリウレタン、不織布などが用いられ、研磨材は、シリカ、アルミナ等の研磨砥粒を、pH調整材を含んだ水に混合したもので、一般にはスラリーと呼ばれている。このスラリー253を流しながら、研磨布251にウェハ252を回転させながら一定の圧力をかけて擦り合わせるものである。尚、254は、研磨布251の研磨能力を維持するもので、常に研磨布251の表面をドレスされた状態にするドレッシング部である。またM1〜M3は、モーター、255〜257は、ベルトである。
【0020】
上述した機構は、例えば図20に示すように、システムとして構築されている。このシステムは、大きく分けると、ウェハカセットのローディング・アンローデイングステーション260、ウェハ移載機構部261、図19で説明した研磨機構部262、ウェハ洗浄機構部263およびこれらを制御するシステム制御から成る。
【0021】
まずウェハが入ったカセット264は、ウェハカセット・ローデイング・アンローディングステーション260に置かれ、カセット264内のウェハが取り出される。続いて、ウェハ移載機構部261、例えばマニプュレータ265で前記ウェハを保持し、研磨機構部262に設けられた回転定盤250の上に載置され、CMP技術を使ってウェハが平坦化される。この平坦化の作業が終わると、スラリーの洗浄を行うため、前記マニプュレータ266によりウェハがウェハ洗浄機構部263に移され、洗浄される。そして洗浄されたウェハは、ウェハカセット266に収容される。
【0022】
例えば、1回の工程で使われるスラリーの量は、約500cc〜1リットル/ウェハである。また、前記研磨機構部262、ウェハ洗浄機構部263で純水が流される。そしてこれらの排水は、ドレインで最終的には一緒になるため、約5リットル〜10リットル/ウェハの排水が1回の平坦化作業で排出される。例えば3層メタルであると、メタルの平坦化と層間絶縁膜の平坦化で約7回の平坦化作業が入り、一つのウェハが完成するまでには、5〜10リットルの七倍の排水が排出される。
【0023】
よって、CMP装置を使うと、純水で希釈されたスラリーがかなりの量排出されるので、その廃水の処理を効率良くできる方法が問題視されている。現在では、これらの排水は、凝集沈殿法や図18で示したフィルタ濾過と遠心分離を組み合わせた従来からの方法で処理されていた。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、凝集沈殿法は、凝集剤として化学薬品が投入される。しかし完全に反応する薬品の量を特定するのは非常に難しく、どうしても薬品が多く投入され未反応の薬品が残る。逆に薬品の量が少ないと、全ての被除去物が凝集沈降されず、被除去物が分離せず残ってしまう。特に、薬品の量が多い場合は、上澄液に薬品が残る。これを再利用する場合、濾過流体に薬品が残留するため、化学反応を嫌うものには再利用できない問題があった。
【0025】
例えばダイシングの場合、排水はシリコン屑と蒸留水から成り、凝集沈殿法で濾過された水は、薬品が残留するため、ウェハ上に流すと、好ましくない反応を引き起こすため、ダイシング時に使用する水として再利用できない問題があった。
【0026】
また薬品と被除去物の反応物であるフロックは、あたかも藻の如き浮遊物で生成される。このフロックを形成する条件は、PH条件が厳しく、攪拌機、PH測定装置、凝集剤注入装置およびこれらを制御する制御機器等が必要となる。またフロックを安定して沈降させるには、大きな沈殿槽が必要となる。例えば、3立方メートル(m3)/1時間の排水処理能力であれば、直径3メートル、深さ4メートル程度のタンク(約15トンの沈降タンク)が必要となり、全体のシステムにすると約11メートル×11メートル程度の敷地も必要とされる大がかりなシステムになってしまう。
【0027】
しかも沈殿槽に沈殿せず浮遊しているフロックもあり、これらはタンクから外部に流出する恐れがあり、全てを回収する事は難しかった。つまり設備の大きさの点、このシステムによるイニシャルコストが高い点、水の再利用が難しい点、薬品を使う点から発生するランニングコストが高い点等の問題があった。
【0028】
一方、図18の如き、5立方メートル(m3)/1時間のフィルタ濾過と遠心分離機を組み合わせた方法では、濾過装置203にフィルタF(UFモジュールと言われ、ポリスルホン系ファイバで構成されたもの、またはセラミックフィルタ)を使用するため、水の再利用が可能となる。しかし、濾過装置203には4本のフィルタFが取り付けられ、フィルタFの寿命から、約50万円/本と高価格なフィルタを、少なくとも年に1回程度、交換する必要があった。しかも濾過装置203の手前のポンプ202は、フィルタFが加圧型の濾過方法であるためモータの負荷が大きく、ポンプ202が高容量であった。また、フィルタFを通過する排水の内、2/3程度は、原水タンク201に戻されていた。更には被除去物が入った排水をポンプ202で輸送するため、ポンプ202の内壁が削られ、ポンプ2の寿命も非常に短かった。
【0029】
これらの点をまとめると、モータの電気代が非常にかかり、ポンプPやフィルタFの取り替え費用がかかることからランニングコストが非常に大きい問題があった。
【0030】
更に、CMPに於いては、ダイシング加工とは、比較にならない量の排水が排出される。しかもスラリーに混入される砥粒の粒径は0.2μm、0.1μm、0.1μm以下の極めて微細なものである。従ってこの微細な砥粒をフィルタで濾過すると、フィルタの孔に砥粒が侵入し、すぐに目詰まりを起こし、目詰まりが頻繁に発生するため、排水を大量に処理できない問題があった。
【0031】
今までの説明からも判るように、地球環境に害を与える物質を可能な限り取り除くため、または濾過流体や分離された被除去物を再利用するために、排水の濾過装置は、色々な装置を追加して大がかりなシステムとなり、結局イニシャルコスト、ランニングコストが膨大と成っている。従って今までの汚水処理装置は、到底採用できるようなシステムでなかった。
【0032】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題に鑑みてなされ、半導体ウェハをCMPで使用するスラリーでポリッシングし、前記ポリッシングによって発生する被除去物を含む流体が貯留された原水タンクに、互いが離間された複数枚の第1のフィルタを浸漬し、前記流体を前記第1のフィルタに通過させて、前記第1のフィルタの表面に前記被除去物を含む層状の第2のフィルタを形成し、前記第2のフィルタを介して前記流体を濾過する流体の濾過方法であり、前記第2のフィルタの表面に気泡を通過させつつ前記濾過を行うことで、前記第2のフィルタの濾過能力を維持し、凹凸が形成された前記第1のフィルタの表面に前記第2のフィルタが形成されることで、前記第2のフィルタの剥離を抑止し、前記第2のフィルタによる濾過を行うことで前記原水タンク内の前記流体の濃度は濃縮され、濃縮された前記流体の粘度が高くなり、前記気泡が前記第1のフィルタの間に入りづらくなったら、前記流体の少なくとも一部を、前記原水タンクの外部に取り出し、新たな前記流体を前記原水タンクに導入することにより、前記原水タンクに貯留される前記流体の粘度を下げることを特徴とする。従って、本発明に依れば、自己形成膜である第2のフィルタを用いた長期間の濾過が可能となる。
【0044】
【発明の実施の形態】
本発明の目的は、半導体、金属、無機物または有機物等の被除去物が混入された流体(排水)から、被除去物とは異なる固形物から成るフィルタを用いて被除去物を除去することにある。
【0045】
また本発明の他の目的は、流体に固形物を混入し、前記流体を第1のフィルタに通過させて、前記第1のフィルタ表面に前記固形物を含む第2のフィルタを形成して、前記流体に含まれる被除去物を除去することにある。
【0046】
また本発明の他の目的は、流体に含まれる被除去物と異なる固形物を含むフィルタを準備し、前記フィルタを使用して前記流体中の被除去物を除去することにある。
【0047】
更に本発明の他の目的は、被除去物を含む流体と該被除去物と異なる固形物とを第1のフィルタを有するタンク内に導入し、前記流体を前記第1のフィルタに通過させることにより、前記第1のフィルタ表面に前記固形物を含む第2のフィルタを形成して、前記流体中の前記被除去物を除去することにある。
まず本発明では、被除去物は、濾過したい排水の中に含まれる固体物質をいい、固形物は、前記被除去物が入った排水を濾過するため、砂のように固体物質が集められて層となったフィルタ膜の構成物質をいう。例えば固形物としては、第1のフィルタ膜の上に積層されるため、積層された膜は、第1のフィルタ膜の濾過精度よりも更に高い濾過精度を有し、外力を与えることで個々に分離されることが望ましい。
【0048】
具体的には、被除去物は約0.3μm、0.2μm、0.1μmまたはそれ以下の粒子が大量に入ったものであり、例えばCMPに用いる砥粒や砥粒により削られて発生する半導体材料屑、金属屑および/または絶縁膜材料屑である。
【0049】
更に具体的には、被除去物は、結晶イッンゴットをウェハ状にスライスする時、半導体ウェハをダイシングする時、バックグラインドする時等で発生する屑であり、主に半導体材料、絶縁材料、金属材料であり、Si、酸化Si、Al、SiGe、封止樹脂等の有機物およびその他の絶縁膜材料や金属材料が該当する。また化合物半導体では、GaAs等の化合物材料が該当する。
【0050】
また最近では、CSP(チップスケールパッケージ)の製造に於いてダイシングを採用しているので、このダイシングの際に発生する半導体材料、セラミック材、封止樹脂も被除去物となる。
【0051】
更に、半導体分野以外でも被除去物が発生する所は数多くある。例えばガラスを採用する産業に於いては、液晶パネル、EL表示装置のパネル等は、ガラス基板のダイシング、基板側面の研磨等を行うため、ここで発生するガラス屑が被除去物に該当する。また電力会社や鉄鋼会社では石炭を燃料として採用しており、石炭から発生する粉体が該当し、更には煙突から出る煙の中に混入される粉体も被除去物に相当する。また鉱物の加工、宝石の加工、墓石の加工から発生する粉体もそうである。更には、旋盤等で加工した際に発生する金属屑、セラミック基板等のダイシング、研磨等で発生するセラミック屑等が該当する。
【0052】
これらの屑は、研磨、研削または粉砕等の加工により発生し、屑を取り去る為に水や薬品等の流体の中に取り込まれ、排水として生成されるものである。
【0053】
また固形物は、被除去物(CMPの砥粒)の粒度分布(〜約0.14μm)よりも広い範囲(〜約500μm)で分布している物質であり、例えばSi等の半導体材料、アルミナ等の絶縁物質、金属等の切削屑、研磨屑または粉砕屑であり、また前記粒度分布を持った固形物質、例えばケイソウ土やゼオライト等である。
【0054】
では、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0055】
本実施の形態では、流体として水が採用され、水の中には、半導体ウェハのダイシング屑が含まれた場合について詳述する。
【0056】
本発明の1つの特徴は、フィルタにあり、まずフィルタの構造、形成方法およびその作用について説明する。
【0057】
フィルタの構造は、以下の通りである。図1aの符号10は第1のフィルタ膜で、11はフィルタ孔である。またフィルタ孔11の開口部および第1のフィルタ膜10の表面に層状に形成されている膜は、固形物12の集合体である。この固形物12はフィルタ孔11を通過できない大きな固形物12Aとフィルタ孔11を通過できる小さな固形物12Bに分けられる。図では黒丸で示したものが通過できる小さな固形物12Bである。
【0058】
またここで採用可能なフィルタ膜は、原理的に考えて有機高分子系、セラミック系とどちらでも採用可能である。しかしここでは、平均孔径0.25μm、厚さ0.1mmのポリオレフィン系の高分子膜を採用した。またこのポリオレフィン系から成るフィルタ膜の表面写真を図1bに示した。
【0059】
次に、フィルタの形成方法について説明する。図1aの第1のフィルタ膜10の上方には、固形物が混入された水があり、第1のフィルタ膜10の下方は、第1のフィルタ膜10により濾過された濾過水が生成されている。矢印の方向に水を流し、フィルタ膜10を使って水を濾過するため、水は、自然落下されるか、加圧されて図の下方に移る。また、濾過水がある側から水が吸引される。また第1のフィルタ膜10は、水平に配置されているが縦置きでも良い。
【0060】
前述したようにフィルタ膜を介して水を加圧したり、吸引したりする結果、水は、第1のフィルタ膜10を通過する。その際、フィルタ孔11を通過できない大きな固形物12Aは、第1のフィルタ膜10の表面に捕獲される。
【0061】
研削、研磨または粉砕等の機械加工により発生する前記固形物は、その大きさ(粒径)がある範囲で分布し、しかもそれぞれの固形物の形状が異なっている。一例として、図2aに、Siのダイシング屑の粒径分布を示し、その電子顕微鏡写真を図2bに示す。このように粒径が0.1〜200μmで分布し、屑の形状も多種多様の形状をしている。
【0062】
そして第1のフィルタ膜10が浸かっている水の中で固形物がランダムに位置している。そして大きな固形物から小さな固形物までが不規則にフィルタ孔11に移動していく。そしてランダムに捕獲された大きな固形物12Aが第2のフィルタ膜13の初段の層となり、この層がフィルタ孔11よりも小さなフィルタ孔を形成し、この小さなフィルタ孔を介して大きな固形物12Aから小さな固形物12Bまで捕獲されていく。この時、固形物の形状がそれぞれ異なるために、固形物と固形物の間には、色々な形状の隙間ができ、水はこの隙間を通路として移動し、最終的に水は濾過される。これは、砂浜の水はけが良いのと非常に似ている。
【0063】
更に、フィルタの作用について説明する。この第2のフィルタ膜13は、大きな固形物12Aから小さな固形物12Bをランダムに捕獲しながら徐々に成長し、水(流体)の通路を確保しながら小さな固形物12Bをトラップする様になる。この状態を示すのが、図3である。しかも第2のフィルタ膜13は、層状に残存しているだけで固形物は砂のように容易に移動可能なので、層の付近に気泡を通過させたり、水流を与えたり、音波や超音波を与えたり、機械的振動を与えたり、更にはスキージ等でこすったりする事で、簡単に第2のフィルタ膜13の表層を排水側に移動させることができる。この砂のように個々に分離される構造が、第2のフィルタ膜13の濾過能力が低下しても、第2のフィルタ膜13に外力を加えることで、簡単にその能力を復帰できる要因となる。また別の表現をすれば、フィルタ能力の低下の原因は、主に目詰まりであり、この目詰まりを発生させている第2のフィルタ膜13の表層の固形物を再度流体中に移動させる事ができ、目詰まりを繰り返し解消させ、濾過能力の維持を実現している。
【0064】
尚、図2aに於いて、粒径分布を測定した装置は、0.1μmよりも小さい粒が検出不能であったため、0.1μmよりも小さい切削屑の分布は示されていない。しかし図2bを観察すると、実際は、これよりも小さいものが含まれている。実験に依れば、この切削屑が混入された水を濾過した際、この切削屑が第1のフィルタ膜に形成され、0.1μm以下の切削屑まで捕獲することが判った。
【0065】
例えば0.1μmまでの切削屑を取り除こうとすれば、このサイズよりも小さな孔が形成されたフィルタを採用するのが一般的な考えである。しかし大きな粒径と小さな粒径が分布される中で、この間のサイズのフィルタ孔を採用しても、0.1μm以下の切削屑が捕獲できることが前述の説明から判る。
【0066】
逆に、固形物の粒径のピークが0.1μmひとつであり、その分布も数μmと非常に狭い範囲で分布されていたら、フィルタは直ぐに目詰まりを起こすだろう。図2aからも判るように、固形物であるSiのダイシング屑は、大きな粒径と小さな粒径のピークが2つ現れており、しかも〜200μmの範囲で分布されているので、濾過能力が向上されている。また図2bに示すように、電子顕微鏡等で観察すると、固形物の形状が多種多様であることが判る。つまり少なくとも粒径のピークが2つあり、固形物の形状が多種多様であるから、固形物同士に色々な隙間が形成され、水の通路となり、これにより目詰まりが少なく、0.1μm以下の屑も捕獲できるフィルタが実現されたものと考えられる。
【0067】
しかし固形物の分布が図の右や左にずれるようであれば、その分布に従い第1のフィルタの孔径を変えても良い。例えば右にずれるようであれば、0.25μmよりも大きい孔径を採用してもよい。一般に、孔径を大きくすれば、フィルタ膜を通過する固形物が増えるが、濾過水を循環させる時間を長くすれば、最終的には、殆どが第2のフィルタ膜12Bでトラップできる。当然ではあるがフィルタの孔径を小さくすれば、小さな固形物が捕獲できるまでの時間は、短くなる。
【0068】
以上、第1のフィルタ膜10の表面に、0.1μm以下〜200μmまでの粒径分布を有する固形物を第2のフィルタ膜13として形成すると、0.1μm以下の固形物までも取り除けることが判る。また最大粒径は、200μmに限ることはなく、これ以上でも良い。例えば〜500μmで分布された固形物でも濾過は可能である。
【0069】
よって図4の様に、固形物から成るフィルタを形成した後、排水側の流体に被除去物14、15が混入された排水を通過させれば、この被除去物までも取り除けることが判る。
次に、固形物12(または固形物と被除去物)から成る第2のフィルタ膜13を同一タンク内で形成し、続いてこの第2のフィルタ膜13を使って濾過する方法と、第2のフィルタ13を別のタンク内で形成して、このフィルタを移して濾過する方法とがある。
【0070】
図5および図6は、前者の方法に該当する。すなわち、図5では、第1の貯留槽70aと第2の貯留槽70bの間に第1のフィルタ膜10を挟み、この第1のフィルタ膜10表面に第2のフィルタ膜13を成膜した後、被除去物が入った流体を入れて濾過する方法である。
【0071】
図5aでは、貯留槽70を第1の貯留槽70aと第2の貯留槽70bに区分けする位置に第1のフィルタ膜10を取り付け、パイプ72から第1の貯留槽70aに固形物12(例えばSiのダイシング屑)が入った流体73を流し込み、自然落下、第1の貯留槽70aの流体の加圧またはパイプ74を吸引して、前記流体を第2の貯留槽70bに移動させるものである。この際、第1のフィルタ膜10上に固形物12が捕獲され、第2のフィルタ膜13が形成される。その後、図5bのようにパイプ72を介して被除去物14、15の混入した流体73’を第1の貯留槽70aに供給し、そのまま濾過を開始する方法である。
【0072】
また図5a’に於いては、第1の貯留槽70aに貯められた流体73は、固形物12と被除去物14、15が混入され、第2のフィルタ膜13は、固形物12と被除去物14、15で構成されている。この場合、パイプ72からは、被除去物と固形物が混入された流体73がながれても良いし、またはパイプ72からは被除去物の混入された流体が流され、貯留槽70の外から第1の貯留槽70aに固形物を投入しても良い。そして図5bのようにパイプ72を介して被除去物14、15の混入した流体73’を第1の貯留槽70aに供給し、そのまま濾過を開始する方法である。
図6aは、第1のタンク75にパイプ76を介して固形物(例えばSiのダイシング屑)12の入った流体73を流し込み、第1のフィルタ膜10が取り付けられた濾過装置35が前記流体73で完全に浸ったら、濾過装置35に取り付けられたパイプ34を介して流体を吸引する方法を示している。この吸引の結果、第1のフィルタ膜10には前記固形物12が捕獲され、第2のフィルタ膜13が形成される。そして図6bの如く、パイプ76を介して被除去物14、15の混入された流体を第1のタンク75に供給し、第2のフィルタ膜13で被除去物14、15が捕獲できていることを確認した後、濾過を行う方法である。
【0073】
また図6a’に於いて、第1のタンク75に貯められた流体73は、固形物12と被除去物14、15が混入され、第2のフィルタ膜13は固形物12と被除去物14、15で構成されている。この場合、パイプ76から被除去物と固形物が混入された流体73を流しても良いし、またはパイプ76からは被除去物の混入された流体が流され、第1のタンク75の外から固形物を投入しても良い。そして図6bの如く、パイプ76を介して被除去物14、15の混入された流体73’を第1のタンク75に供給し、第2のフィルタ膜13で被除去物14、15が捕獲できている事を確認した後、被除去物の入った流体73’を入れて濾過を行う方法である。
図7および図8は、後者の方法に該当する。固形物、または固形物と被除去物を含むフィルタを別のタンクで予め準備し、このフィルタを被除去物の入った流体を入れるタンクに移して被除去物を濾過する方法である。
【0074】
図7aでは、貯留槽70を第1の貯留槽70aと第2の貯留槽70bに区分けする位置に第1のフィルタ膜10を取り付け、パイプ72から第1の貯留槽70aに固形物12(例えばSiのダイシング屑)が入った流体73を流し込み、自然落下、第1の貯留槽70aの流体の加圧またはパイプ74を吸引して、前記流体を第2の貯留槽70bに移動させるものである。
【0075】
この時、第1のフィルタ膜10上に固形物12が捕獲され、第2のフィルタ膜13が形成される。そして所定の膜厚に成ったら貯留槽70から取り出し、図7bの如くフィルタを準備しておく方法である。そしてこのフィルタを図7Cの如く濾過装置35に貼り合わせ、この濾過装置35を図7dの如く別のタンク75に浸漬し、パイプ34を吸引して濾過する方法である。図5、図6は、排水の入るタンク内で第2のフィルタを形成するため、第2のフィルタが形成されるまでは濾過ができないが、ここではフィルタが準備されているので、直ちに濾過が開始できるメリットを有する。また第2のフィルタ13の形成場所と排水の入るタンクとが距離的に離れていても、フィルタを簡単に持ち運ぶ事ができるメリットを有する。
【0076】
ここで図7aに於いて、第1の貯留槽70aの流体73に被除去物を混入させ、固形物と被除去物から成る第2のフィルタを形成してもよい。
図8は、濾過装置35として準備する方法である。図8aに於いて、固形物12だけを含む流体を濾過装置35に取り付けられた第1のフィルタ膜10に通過させ、第1のフィルタ膜10上に第2のフィルタ膜13を形成し、予め図8bの如く濾過装置35を準備し、この濾過装置35を図8Cの如く第2のタンク76に浸漬し、被除去物の混入した流体を濾過する方法である。
【0077】
濾過装置35の構造は、図9、図10で詳述するが、パイプ34に吸引ポンプを設け、パイプ34を介して流体を吸引し、第2のフィルタ膜13を形成する方法を採用している。
【0078】
前述したように、予め第2のフィルタ13が形成された濾過装置35を準備しておくため、距離的に離れた所にある第2のタンク76へ容易に持ち運びが可能であり、しかも第2のタンク内で第2のフィルタを形成することなく直ちに濾過が開始できるメリットを有する。
以上、固形物でフィルタを構成する方法、固形物と被除去物でフィルタを構成する方法、また前者のいずれかの方法で形成されたフィルタを前もって準備する方法に於いて、第1のフィルタ膜の孔径は、固形物(Siのダイシング屑)の粒径分布の間に設定される。例えば前記孔径を0.25μmにすると、0.25μm以下の固形物(Siのダイシング屑)、被除去物(砥粒)は通過する。しかし0.25μm以上の固形物(Siのダイシング屑)や被除去物(砥粒)は捕獲され、第1のフィルタ膜10の表面には、固形物および/または被除去物から成る第2のフィルタ膜13が形成される。この第2のフィルタ膜13が成長すると、次第に0.25μm以下、特に0.1μm近傍やそれよりも小さい固形物や被除去物が捕獲できるようになる。
次に、より好ましい濾過装置35の具体例を図9、図10を参照して説明する。この濾過装置35は、タンク(原水タンク)に浸漬し、吸引するタイプのものである。
【0079】
図9aに示す符号30は、額縁の如き形状の枠であり、この枠の両面には、フィルタ膜31、32が貼り合わされている。そして枠30、フィルタ膜31、32で囲まれた空間33には、パイプ34を吸引することにより、フィルタ膜により濾過された濾過水が発生する。そして枠30にシールされて取り付けられているパイプ34を介して濾過水が取り出されている。もちろんフィルタ膜31、32と枠30は、排水がフィルタ膜以外から前記空間に侵入しないように完全にシールされている。
【0080】
図9aのフィルタ膜31は、薄い樹脂膜なので、吸引されると内側に反り、破壊に至る場合もある。そのため、この空間をできるだけ小さくする必要がある。一方、濾過能力を大きくするためには、この空間を沢山形成する必要があり、改良したものを図9bに示す。図9bでは、空間33が9個しか示されていないが、実際は数多く形成される。また実際に採用したフィルタ膜31、32は、約0.1mm厚さのポリオレフィン系の高分子膜であり、図9bの如く、薄いフィルタ膜が袋状に形成されており、図面ではFTで示した。この袋状のフィルタFTの中に、パイプ34が一体化された枠30が挿入され、前記枠30と前記フィルタFTが貼り合わされている。符号RGは、押さえ手段であり、フィルタ膜31が貼り合わされた枠を両側から押さえるものである。そして押さえ手段の開口部OPからは、フィルタ膜31、32が露出している。詳細については、図10で説明する。
【0081】
図9Cは、濾過装置35自身を円筒形にしたものである。パイプ34に取り付けられた枠は、円筒形で、側面には開口部OP1、OP2が設けられている。開口部OP1と開口部OP2に対応する側面が取り除かれているため、開口部間には、フィルタ膜31を支持する支持手段SUSが設けられることになる。そして側面にフィルタ膜が貼り合わされる。
【0082】
更に図10を参照して改良された濾過装置35を詳述する。まず図9bの枠30に相当する部分は、図10bでは30aに相当する。
【0083】
符号30aは、段ボールの様な形状に成っている。0.2mm程度の薄い樹脂シートSHT1、SHT2の間に縦方向にセクションSCが複数個設けられ、樹脂シートSHT1、SHT2,セクションSCで囲まれて空間33が設けられる。この空間33の水平断面は、縦3mm、横4mmから成る矩形であり、別の表現をすると、この矩形断面を持ったストローが何本も並べられ一体化されたような形状である。符号30aは、両側のフィルタ膜FTを一定の間隔で維持しているので、以下スペーサと呼ぶ。
【0084】
このスペーサ30aを構成する薄い樹脂シートSHT1,SHT2の表面には、直径1mmの孔HLがたくさん開けられ、その表面にはフィルタ膜FTが貼り合わされている。よって、フィルタ膜FTで濾過された濾過水は、孔HL、空間33を通り、最終的にはパイプ34から出ていく。
【0085】
またフィルタ膜FTは、スペーサ30aの両面SHT1、SHT2に貼り合わされている。このシートSHT1,SHT2には、孔HLの形成されていない部分があり、ここに直接フィルタ膜FT1が貼り付けられると、孔HLの形成されていない部分に対応するフィルタ膜FT1は、濾過機能が無く排水が通過しないため、被除去物が捕獲されない部分が発生する。この現象を防止するため、フィルタ膜FTは、少なくとも2枚貼り合わされている。一番表側のフィルタ膜FT1は、被除去物を捕獲するフィルタ膜で、このフィルタ膜FT1からスペーサ30aの表面SHT1に向かうにつれて、フィルタ膜FT1の孔よりも大きな孔を有するフィルタ膜が設けられる。ここではフィルタ膜FT2が一枚貼り合わされている。依って、スペーサ30aの孔HLが形成されていない部分でも、間にフィルタ膜FT2が設けられているため、フィルタ膜FT1全面が濾過機能を有するようになり、フィルタ膜FT1全面に被除去物が捕獲され、第2のフィルタ膜が表裏の面SH1、SH2全面に形成されることになる。また図面の都合で、フィルタ膜SHT1、SHT2が矩形状のシートの様に表されているが、実際は図9bに示すように袋状に形成されている。
【0086】
次に、袋状のフィルタ膜SHT1、SHT2、スペーサ30aおよび押さえ手段RGがどのように取り付けられているを、図10a、図10Cおよび図10dを参照して説明する。
【0087】
図10aは完成図であり、図10Cは、図10aのA−A線に示すように、パイプ34頭部からパイプ34の延在方向(縦方向)に切断した図を示し、図10dは、B−B線に示すように、濾過装置35を水平方向に切断し時の断面図である。
【0088】
図10a、図10C、図10dから明らかなように、袋状のフィルタ膜FTに挿入されたスペーサ30aは、フィルタ膜FTも含めて4側辺が押さえ手段RGで挟まれている。そして袋状にとじた3側辺および残りの1側辺は、押さえ手段RGに塗布された接着剤AD1で固定される。また残りの1側辺(袋の開口部)と押さえ手段RGとの間には、空間SPが形成され、空間33に発生した濾過水は、空間SPを介してパイプ34へと吸引される。また押さえ金具RGの開口部OPには、接着剤AD2が全周に渡り設けられ、完全にシールされ、フィルタ以外から流体が侵入できない構造になっている。
【0089】
よって空間33とパイプ34は連通しており、パイプ34を吸引すると、フィルタ膜FTの孔、スペーサ30aの孔HLを介して流体が空間33に向かって通過し、空間33からパイプ34を経由して外部へ濾過水を輸送できる構造となっている。
斯上した濾過装置35の動作を概念的に示したものが図11である。ここでは、パイプ34側をポンプ等で吸引すれば、ハッチング無しの矢印のように、水が流れ濾過されることになる。
【0090】
まず、濾過装置35は、固形物16が混入した流体が貯められているタンクの中に浸漬され、パイプ34を介して吸引される。そして白矢印のように流体は通過していく。そして小さな固形物16Bは通過するが、大きな固形物16Aは、第1のフィルタ膜31、32に捕獲され、徐々に小さな固形物16Bも捕獲されるようになる。そして固形物が所定の混入率よりも少なくなったら、第2のフィルタ膜36が完成することになる。
【0091】
続いて、図12に示すように、この第2のフィルタ膜36が形成された濾過装置35を、被除去物の混入した排水37に配置する。そしてパイプ34を吸引する事により、第2のフィルタ膜36で被除去物が捕獲される。この際、第2のフィルタ膜36は、固形物16が集合しているため、第2のフィルタ膜36に外力を加えることで、第2のフィルタ膜36を取り除いたり、また第2のフィルタ36の表層を取り除いたりすることができる。また被除去物である砥粒14、被研磨物(研削物)15も固体が集合したものであるため、外力を加えることで簡単に第2のフィルタ膜36から離間させることができ、排水37へ移動させることができる。
【0092】
この取り除きまたは離間は、気泡の上昇力、水流、音波、超音波振動、機械的振動、スキージを使って表面をこする、あるいは攪拌機等で簡単に実現できる。また浸漬される濾過装置35自身が排水(原水)の中で可動できる構造とし、第2のフィルタ膜36の表層に水流を発生させて第2のフィルタ36や被除去物14、15を取り除いても良い。例えば図12に於いて、濾過装置35の底面を支点として矢印Yのように左右に動かしても良い。この場合、濾過装置自身が可動であるため水流が発生し、第2のフィルタ36の表層を取り除くことができる。また後述の気泡発生装置54も一緒に採用する場合、前記可動構造を採用すれば、気泡を濾過面全面に到達させることができ、効率良く除去物を排水側に移動させることができる。
【0093】
また、図9Cで示した円筒形の濾過装置を採用すれば、濾過装置自身を中心線CLを軸にして回転させることができ、図12の板状のフィルタを左右に動かす方法よりも排水の抵抗を低減できる。この回転により、フィルタ膜表面に水流が発生し、第2のフィルタ膜表層の被除去物を排水側に移動させることができ、濾過能力を維持する事ができる。
【0094】
図12では、第2のフィルタ膜の表層を取り除く方法として、気泡の上昇を活用した。斜線でハッチングされた矢印の方向に気泡が上昇し、この気泡の上昇力や気泡の破裂が直接被除去物や固形物に外力を与え、また気泡の上昇力や気泡の破裂により発生する水流が被除去物や固形物に外力を与えている。そしてこの外力により第2のフィルタ膜36の濾過能力は、常時リフレッシュし、ほぼ一定の値を維持することになる。
【0095】
本発明のポイントは、濾過能力の維持にある。つまり第2のフィルタ膜36に目詰まりが発生してその濾過能力が低下しても、前記気泡のように、第2のフィルタ膜36を構成する固形物16や被除去物14,15に外力を与えることで、第2のフィルタ膜36を構成する固形物16や被除去物14、15を排水側に動かすことができ、濾過能力を長期にわたり維持させることができる。
【0096】
これは、外力を与えることで第2のフィルタの厚みをほぼ一定にしていると思われる。またあたかも被除去物1つ1つが濾過水の入り口に栓をかけており、栓が外力により外れ、外れた所から濾過水が浸入し、また栓が形成されたら再度外力により外すの繰り返しを行っているようなものである。しかも、気泡のサイズ、その量、気泡を当てている時間を調整することにより、常に濾過能力を維持できるメリットを有する。
【0097】
尚、濾過能力を維持できれば、外力が常に加わっていても良いし、間欠的に加わっても良い。
【0098】
また全ての実施の形態に言えることであるが、フィルタ膜は、原水に完全に浸されている必要がある。第2のフィルタ膜は、長時間空気に触れると膜が乾燥し、剥がれたり、崩れたりするからである。また空気に触れているフィルタが少しでもあると、フィルタ膜は空気を吸引するため、濾過能力が低下するからである。
【0099】
前述したように、本発明の原理から考えると、第2のフィルタ膜36が第1のフィルタ膜31、32に形成されている限り、第1のフィルタ膜31、32は、シート状の高分子膜でもセラミックでも良し、吸引型でも加圧型でも良い。しかし実際採用するとなると、第1のフィルタ膜31、32は、高分子膜で、しかも吸引型が良い。その理由を以下に述べる。
【0100】
まずシート状のセラミックフィルタを作るとなるとかなりコストは上昇し、クラックが発生したら、リークが発生し、濾過ができなくなる。また加圧型であると、排水を加圧する必要がある。例えば図13のタンク50を例に取ると、圧力を加えるのに、タンクの上方は開放型ではなく密閉型でなくてはならない。しかし密閉型であると、気泡を発生させることが難しい。一方、高分子膜は、色々なサイズのシートや袋状のフィルタが安価で手に入る。また柔軟性があるためクラックが発生せず、またシートに凹凸を形成することも容易である。凹凸を形成することで、第2のフィルタ膜がシートに食い付き、排水中での剥離を抑制することができる。しかも吸引型であれば、タンクは開放型のままで良い。
【0101】
また加圧型であると第2のフィルタ膜の形成が難しい。図12に於いて、空間33内の圧力を1と仮定すれば、排水は1以上の圧力をかける必要がある。従ってフィルタ膜に負荷がかかり、更には捕獲された被除去物が高い圧力で固定され、被除去物が移動しにくいと思われる。
では上述した高分子膜をフィルタ膜として採用した吸引型の機構の実施の形態を図13を参照して説明する。本構造でも第2のフィルタ膜を形成するのに3つの方法が可能である。
【0102】
すなわち第1の方法は、第1のフィルタ膜が取り付けられた濾過装置53を原水タンク50に装着する。更に原水タンク50の中の流体には固形物を混入しておく。そしてパイプ56を吸引して第2のフィルタ膜を形成し、第2のフィルタ膜が完成した後、パイプ51を介して被除去物が混入した排水を原水タンク50に供給し、濾過を開始する。
【0103】
第2の方法は、第1のフィルタ膜が取り付けられた濾過装置53を原水タンク50に装着する。更に原水タンク50の中の排水には固形物と被除去物を混入しておく。そしてパイプ56を吸引して第2のフィルタ膜を形成する。第2のフィルタ膜が完成した後、パイプ51を介して被除去物が混入した排水を供給し、濾過を開始する。
【0104】
第3の方法は、第1のフィルタ膜に第2のフィルタ膜が形成された濾過装置を原水タンク50を用いず別のタンクで準備し、これを原水タンク50に設置する方法である。そしてパイプ51からは被除去物が混入した排水が供給され、排水が前記濾過装置35を完全に浸したら濾過を開始する。
【0105】
尚、ここで第2のフィルタ膜を構成する固形物としては、ダイシング屑を用いた。
【0106】
図13における符号50は、原水タンクである。このタンク50の上方には、排水供給手段としてパイプ51が設けられている。このパイプ51は、被除去物が混入した流体の通過する所である。例えば、半導体分野で説明すると、ダイシング装置、バックグラインド装置、ミラーポリッシング装置またはCMP装置から流れ出る被除去物が混入された排水(原水)が通過する所である。尚、この排水は、CMP装置から流れる砥粒、砥粒により研磨または研削された屑が混入された排水として説明していく。
【0107】
原水タンク50に貯められた原水52の中には、第2のフィルタ膜が形成された濾過装置53が複数個設置される。この濾過装置53の下方には、例えばパイプに小さい孔を開けたような、また魚の水槽に使うバブリング装置の如き、気泡発生装置54が設けられ、ちょうどフィルタ膜の表面を通過するようにその位置が調整されている。55は、エアーブローである。
【0108】
濾過装置53に固定されたパイプ56は、図12のパイプ34に相当するものである。このパイプ56には、濾過装置53で濾過された濾過流体が通過し、第1のバルブ58を介して原水タンク50側に向かうパイプ59と、再利用(または排水される)側に向かうパイプ60に選択輸送される。また原水タンク50の側壁および底面には、第2のバルブ61、第3のバルブ62、第4のバルブ63および第5のバルブ64が取り付けられている。またパイプ65の先に取り付けられているものは、別途設けられた濾過装置66である。
【0109】
パイプ51から供給された原水52は、原水タンク50に貯められ、濾過装置53により濾過される。この濾過装置に取り付けられたフィルタ膜の表面は、気泡が通過し、気泡の上昇力や破裂により、フィルタ膜にトラップした被除去物を動かし、常にその濾過能力が低下しないように維持されている。
【0110】
また第2のフィルタ膜が付いた濾過装置が新規に取り付けられたり、休日により長期間停止されたり、またはパイプ56に所定の混入率よりも多い被除去物が混入されている場合は、バルブ58を使って、濾過流体がパイプ59を介して原水タンク50に循環する様に設計されている。それ以外は、バルブ58は、パイプ60に切り替えられており、濾過流体は再利用されたり、排水処理側に移送される。
【0111】
第2のフィルタ膜が付けられた濾過装置53が新規に原水タンク50に取り付けた場合、フィルタ膜のサイズ、吸引速度によって循環の時間は異なるが、およそ1時間循環させている。もしも第2のフィルタ膜の一部が崩れていても、この時間で自己修復され、0.1μm以下のシリコン屑まで捕獲できる膜となる。しかしフィルタ膜のサイズの小さいものであれば30分でも良いことが判っている。従って循環時間が判っていれば、タイマーで設定し、所定の時間が経過したら自動的に第1のバルブ58が切り替わるようにしても良い。
【0112】
ここで、濾過装置は、図10の構造を採用しており、フィルタ膜を取り付ける枠(押さえ金具RG)の大きさは、縦:約100cm、横:約50cm、厚み:5〜10mmである。
【0113】
被除去物が所定の混入率(濃度)よりも高かった場合、濾過流体は異常水と判断し、自動的に循環が開始したり、またはポンプ57が止められ濾過が停止される。また循環する時は、排水がタンク50から溢れる事を考慮して、パイプ51からタンク50への流体供給が停止されても良い。この様なケースを以下に簡単に述べる。
【0114】
第1のケースは、濾過装置35が新規に取り付けられた場合である。
【0115】
輸送工程等で第2のフィルタ膜が破損している場合があるので、循環させる事によりフィルタ膜に被除去物を捕獲させて補修する。第2のフィルタ膜で目的の粒子径が捕獲されるまで(被除去物が所定の第1の混入率に成るまで)第2のフィルタ膜を成長させる。そして第1の所定値に成った後に、第1のバルブ58を介して濾過流体をパイプ60へ移送する。
【0116】
第2のケースは、休日、長期休暇、メンテナンス等で濾過を停止し、再度濾過を開始する場合である。
【0117】
第2のフィルタ膜は、被除去物から構成され、且つ排水中に在るため、長時間濾過を停止すると、膜表層の一部が崩れてくる恐れがある。循環は、この膜の崩れを補修するために用いる。実験では、固形物から成る第2のフィルタ膜は、第1のフィルタ膜に強固に付いており、またその表面を被除去物でカバーしているため、前記膜の崩れは殆ど無い。しかしここでは念のため循環させている。そして第1の所定値に濾過流体が成ったら、第1のバルブ58を切り替え、パイプ60へ移送する。尚気泡は、少なくとも第1の所定値になり、濾過が開始されたら発生させる。
【0118】
第3のケースは、濾過流体に捕獲されるべき被除去物が混入されている場合である。
【0119】
第2のフィルタ膜の一部が崩れたり、またフィルタ膜が破れている時、濾過流体には、被除去物が大量に混入される。
【0120】
第2のフィルタ膜の一部が崩れ、所定の濃度(第2の所定値)よりも高くなった場合は、第1のバルブ58により濾過流体がパイプ59を介して循環するようにし、濾過作業を停止する。そして循環を開始して第2のフィルタ膜を補修し、濾過流体の中の被除去物が所定の混入率(第1の所定値)になったら、第1のバルブ58を切り替えて、濾過流体をパイプ60に移送する。尚気泡は、少なくとも第1の所定値になり、濾過が開始されたら発生させる。
【0121】
また第1のフィルタ膜が破れた場合は、第1のフィルタ膜を付け替えるか濾過装置53自身を付け替える必要がある。しかし、濾過装置35は、接着剤AD1、AD2で一体となっているため、第1のフィルタ膜だけを付け替えるのは実質不可能である。よってここでは第2のフィルタ膜が形成された新しい濾過装置53に取り替えられる。この場合は、第2のフィルタ膜が所定の被除去物を捕獲できることを確認し、捕獲できていない場合は、循環させて濾過能力を向上させる。また捕獲できている事が確認されれば、第1のバルブ58で切り替え、濾過流体をパイプ60に移送する。
【0122】
第4のケースは、原水タンク50の排水レベルが下がり、フィルタ膜が大気に接触する場合である。
【0123】
フィルタ膜が大気に接触する前に、排水に設けられたレベルセンサ(図15の符号FS)により濾過を停止する。この時は、気泡の発生も停止する。パイプ51からは排水が供給されているため、また気泡により乱流が発生し第2のフィルタ膜が崩れる恐れがあるからである。そして濾過が可能な所定の排水レベルになったら、循環を開始する。そして循環している間被除去物を検出し、濾過流体の中の被除去物が所定の混入率(第1の所定値)になったら、第1のバルブ58を切り替えて、濾過流体をパイプ60に移送する。
【0124】
尚、濾過流体の中の被除去物の濃度を示す第1の所定値と第2の所定値は、同じでも良いし、第2の所定値は、第1の所定値からある幅を持って大きく設定されても良い。
【0125】
またセンサ67は、固形物や被除去物を常時センシングしている。センサとしては、受光・発光素子の付いた光センサが、常に計測できるため好ましい。発光素子は、発光ダイオードやレーザが考えられる。またセンサ67は、パイプ56の途中あるいはパイプ59の途中に取り付けても良い。
続いて、CMP装置から流れる被除去物が混入された排水がどのように濾過されるかについて説明する。
【0126】
図14a、bは、CMP用スラリーの中に含まれる砥粒の粒径分布を示すものである。この砥粒は、Si酸化物から成る層間絶縁膜をCMPするものであり、材料はSi酸化物から成り、一般にシリカと呼ばれているものである。最小粒子径は約0.076μm、最大粒子径は、0.34μmであった。この大きな粒子は、この中の粒子が複数集まって成る凝集粒子である。また平均粒径は、約0.1448μmであり、この近傍0.13〜0.15μmで分布がピークとなっている。またスラリーの調整剤としては、KOHまたはNH3が一般的に用いられる。またPHは、約10から11の間である。
【0127】
図14Cは、CMP排水が濾過され、砥粒が捕獲されている事を示すデータである。実験では、前述したスラリーの原液を、純水で50倍、500倍、5000倍に薄め、試験液として用意した。この3タイプの試験液は、従来例で説明したように、CMP工程に於いて、ウェハが純水で洗浄されるため、排水は、50倍〜5000倍程度になると想定して用意され、それぞれを図13の原水タンク50に入れ、濾過装置53を使って濾過をした。
【0128】
濾過前の試験液の光透過率を400nmの波長の光で調べると、50倍の試験液は、22.5%、500倍の試験液は、86.5%、5000倍の試験液は、98.3%である。排水に砥粒が含まれているので、光は散乱され、濃くなるに従い透過率が小さくなっていることが判る。
【0129】
一方、濾過後の透過率は、3つのタイプとも99.8%となった。つまり濾過する前の光透過率よりも濾過後の光透過率の値が大きいため、砥粒は捕獲できている事が判る。尚、50倍希釈の試験液の透過率データは、その値が小さいため図面上では省略されている。
【0130】
以上の結果から、固形物16A、16Bで形成された第2のフィルタ膜を有するフィルタで、CMPから排出される被除去物を濾過すると、透過率で99.8%程度まで濾過できることが判った。
【0131】
第2のフィルタ膜を形成する固形物は、研磨、研削、粉砕等で機械的に作られても良いし、自然界から集めても良い。またその粒径分布は、図2の如き粒度分布を持たせることが好ましい。特に粒径分布は、1μm以下で第1のピークを、20〜50μmで第2のピークを持たせ、第1のピーク近傍の小さな固形物の割合よりも、第2のピーク近傍の大きな固形物の割合の方が大きいことが好ましい。
【0132】
一方被除去物は、加工により生成されたままの粒径分布で排水に取り込まれ、これを濾過しても良い。また、この排水の中に別途微粒子を混入し、被除去物と前記微粒子を含む全体の粒径分布が図2の分布、またはそれに近い分布になるように調整しても良い。例えばCMPの排水中の被除去物は、図14のように、約0.1μm近傍をピークとし、これを中心に1μm以下の狭い範囲で分布されているため、図2aの約1μmから約200μmの分布を持つ微粒子(例えばダイシング屑)をCMPの排水に混入しても良い。これにより固形物から成る第2のフィルタ上に捕獲されてできる膜は、第2のフィルタと同様な隙間を持ち、被除去物の捕獲性、流体の透過率性を維持できるメリットを有する。
【0133】
CMP用の砥粒は、シリカ系、アルミナ系、酸化セリウム系、ダイヤモンド系が主にあり、他に酸化クロム系、酸化鉄系、酸化マンガン系、BaCO4系、酸化アンチモン系、ジルコニア系、イットリア系がある。シリカ系は、半導体の層間絶縁膜、P−Si、SOI等の平坦化、Al・ガラスディスクの平坦化に使用されている。アルミナ系は、ハードディスクのポリッシング、金属全般、Si酸化膜等の平坦化に使用されている。また酸化セリウムは、ガラスのポリッシング、Si酸化物のポリッシングとして、酸化クロムは、鉄鋼の鏡面研磨に使用されている。また酸化マンガン、BaCO4は、タングステン配線のポリッシングに使用されている。
【0134】
更には、酸化物ゾルと呼ばれ、このゾルは、シリカ、アルミナ、ジルコニア等、金属酸化物または一部水酸化物から成るコロイドサイズの微粒子が水または液体中に均一に分散されているモノで、半導体デバイスの層間絶縁膜やメタルの平坦化に使用され、またアルミ・ディスク等の情報ディスクにも検討されている。
【0135】
これらの砥粒も図14a、bと同様な粒径サイズであり、もちろんこれらが被除去物として入った排水の濾過、砥粒の捕獲も可能であることは言うまでもない。
次に濾過により得られる被除去物を含む濃縮水の処理について説明する。図13に於いて、原水タンクは、時間とともに被除去物が濃縮されてくる。そして所望の濃度になった場合、濾過作業を停止し、凝集沈殿させて放置する。するとタンクの中の原水は、だいたい層状に分かれる。つまり上層から下層に従い、やや透明な流体から全く非透明な流体に分布される。これらをバルブ61〜64を使い分けて回収している。
【0136】
例えば、やや透明で被除去物の少ない原水は、第2のバルブ61を開けて、濾過装置66を介して回収する。続いてバルブ62、63を順次開けて流体を回収する。最後には、原水タンクの底に貯まった濃縮スラリーをバルブ64を開けて回収する。
【0137】
先にバルブ64を開けると、原水の自重によりいっきに濃縮スラリーが流れ、しかも上方の流体も出て制御が難しい。そのため、ここでは、61、62、63、64の順にバルブを開けて回収している。
【0138】
また図13の下中央(点線で囲んだ図)には、原水タンクの原水レベル検査手段80が図示されている。これは原水タンク50の側面に、L字型のパイプ81が取り付けられ、また原水のレベルによりパイプ82が少なくとも一つ取り付けられている。このパイプ82は、外径がパイプ81の内径と一致し、勘合されるようになっている。
【0139】
例えば、バルブ63の取り付けられている高さよりもちょっと高い位置に原水のレベルが成ったら、このパイプ82を取り付け、上方にのびたパイプ82に透明ののぞき窓を付けることで、原水のレベルを確認することができる。従って、こののぞき窓を介して原水レベルを確認しながら、濃縮スラリー以外の原水をぎりぎりまで取り除くことができる。
【0140】
またこのパイプ自身をガラス等の透明材で構成すれば、別途のぞき窓を取り付ける事無く原水のレベルを確認することができる。またこの検査手段は予め取り付けられていても良い。
【0141】
一方、図13下左には、濃縮スラリーの上方の上水をぎりぎりまで採取するための手段が示されている。つまり原水タンク50の内側に、図のようにL字型パイプ81を取り付けておく。決まった期間で被除去物の量が特定されていたり、また濃縮スラリーの量が特定されていれば、パイプ81の頭部の高さが予め決められる。従って濃縮スラリーの上層よりも若干高い所にパイプ81や82の頭部を配置させれば、自動的にこの高さまで原水を濾過装置66に流出させることができる。また誤ってバルブ63を開けっ放しにしても、このパイプ81や82の頭部のレベルで原水の流出を止めることができる。またこの濃縮スラリーのレベルが増減した場合、パイプ82の取り外しで、原水の採取レベルが調整できる。もちろんパイプ82は、いくつも用意され、レベルにより何段も取り付けられて良い。
なお、濃縮水を凝集沈殿法で回収する方法を説明したが、これに限ることはない。例えば、原水52がある濃度になったら、別の濾過装置66(FD)に移しても良い。例えば、CMPは、薬品と0.1μm以下の砥粒が含まれたスラリーを使う。そしてポリッシングの時に水が流され、排水としては前記スラリーよりも濃度の薄いものが排出される。しかし排出された原液が濾過されるに従い濃度が濃くなると同時に粘性も出てくる。そして濾過装置と濾過装置の間隔が狭いと気泡は濾過装置の間に入りづらくなり、気泡が固形物や被除去物に外力を与えなくなる。しかも図14bのように被除去物が非常に微細であると、濾過能力の低下が早い。そのため、所定の濃度になったら、その原液を別の濾過装置FDに移すことが好ましい。例えば、図13右下のように、フィルタFTの上層に原水を流し込み、ポンプPで原水を真空吸引する濾過装置を採用しても良い。またこの濾過装置FDを濃縮回収パイプに取り付けて回収しても良い。
【0142】
ここでは、フィルタFTを介して濾過し、高濃度の原液がある程度の固まりに成るまで吸引している。一方、濾過装置FDに原液を移すことで原水タンク50の原水レベルが下がるが、パイプ51からは濃度の薄い原水が供給されている。そして原水の濃度が薄くなり、原水がフィルタを完全に浸すようになったら、再度濾過が始まるように設定すれば、原水の粘度も下がり、気泡が濾過装置の間に入り込み固形物に外力を与えるようになる。
【0143】
また濾過装置FDや66を被除去物の回収装置として用いても良い。例えば被除去物が入った原水タンク50が所定の濃度になったら、凝集沈殿を行わず、濾過装置66(FD)で分離しても良い。例えば、シリコン屑を濾過する場合、分離されたシリコン屑は、凝集沈殿で使用される薬品と反応していないため、比較的純度の高いものであり、再度溶融してウェハ用のSiのインゴットにしても良い。また瓦の材料、セメント、コンクリートの材料等と、色々な分野に再利用が可能である。
【0144】
以上述べたように、図13のシステムでは、原水タンク50、濾過装置(浸漬・吸引)53、小型ポンプ57で構成され、特に第1のフィルタが目詰まりしない様に、低圧で吸引しているため、ポンプ57は小型でよいメリットを有する。また従来は、原液がポンプを通過するため、ポンプ内部が摩耗し、寿命が非常に短かった。しかし本構成は、濾過流体がポンプ57を通過するため、その寿命もはるかに長くなった。従ってシステムの規模が小さくでき、ポンプ57を稼働するための電気代は節約でき、更にはポンプの取り替え費用も大幅に抑えられ、イニシャルコストも、ランニングコストも削減できた。
【0145】
またフィルタ膜は、ポリオリフィン系の膜で、落としても割れず機械的強度が高く、酸・アルカリ等の薬品に対して耐性が高いものである。そのため、原水濃度は、高濃度まで対応でき、フィルタ膜を付けた状態で、凝集沈殿も可能となった。
【0146】
また別のタンクで凝集沈殿するのではなく、原水タンクを利用して凝集沈殿させるので、余分な配管やポンプ等が不要となり、省資源型の濾過システムが可能となった。
【0147】
また濾過装置は、吸引濾過で、低流速・低圧力で濾過するため、更には第2のフィルタ膜の形成により、前述した第1のフィルタ膜の細孔への固形物または被除去物の入り込みを防止でき、濾過性能を向上させることが可能となった。またエアーバブリング等の外力発生手段により連続的に濾過が可能となった。また濾過速度、濾過圧力は、第1のフィルタ膜が破壊や変形する事により、第2のフィルタ膜が破壊される事のない範囲内で設定され、濾過速度は、0.01〜5メートル/Day、濾過圧力は、0.01kg/cm2〜1.03Kgf/cm2(1気圧)までは実質可能である。
【0148】
一方、濾過膜内部への固形物または被除去物の付着が、防止でき、従来必要とされた逆洗浄は、殆ど不要となった。
【0149】
以上、固形物としてSiウェハから発生するシリコン屑、被除去物としてCMPから発生する砥粒、被研磨物(研削物)で説明してきたが、本発明は、色々な分野で活用が可能である。
【0150】
つまり固形物として、図2aに示すような粒度分布を別途他の材料で用意しても良い。例えばアルミナ、ゼオライト、ケイソウ土等、セラミック、金属材料等の無機物でこの分布を作り第2のフィルタ膜を形成しても良い。またピークに関しては、図2aでは2つあるが、基本的には大きい粒径と小さい粒径の固形物が〜数500μmの範囲で分布すれば、濾過は可能である。更に固形物は、異なる材料が混ざっていても何ら問題はない。また被除去物は、本質的には固形物であれば全てのものが濾過できる。
【0151】
排水は地球環境に何らかの害を与えていたが、本発明は、実施例の最初に説明したように、色々な分野で活用が可能であり、本発明を採用することによりその害を大幅に低減させることができるものである。
【0152】
特に、ダイオキシンを有する物質を発生するごみ焼却所、放射能発生物質を精製しているウラン精製工場、また有害物質が含まれた粉体を発生させる工場があるが、これらは本発明の採用により有害物質を持っている屑が大きなモノから小さなモノまで限りなく取り除くことできる。
【0153】
また被除去物が、周期表の中で、2a族〜7a族、2b族〜7b族の元素のうち少なくとも一つを含む無機固形物であれば、これらのものは本発明を採用することにより殆ど取り除くことができる。
続いて図15を参照して被除去物の回収を説明をする。
【0154】
まずパイプ51を介して被除去物(例えばCMPの排水)を流し込み、濾過を開始する。ここでも濾過流体の被除去物の混入率を確認し、所望の混入率よりも高い場合は、循環させ、所望の混入率よりも低い事を確認して濾過を開始すうる。濾過が開始される時は、第1のバルブ58によりパイプ59からパイプ60に切り替えられる。気泡発生装置54は、少なくともこの時から始動する。尚、符号70は、パイプ56を通過する濾過流体の圧力を検知する圧力計であり、符号71は、流量計である。
【0155】
そして連続して濾過が続けられ、原水タンク50の排水の濃度が所定の濃度を超えたら、バルブ61〜64のいずれかを開けて、原水52を濾過装置FDに流し込む。濾過装置53は、原水タンク52の中に何十枚と平行に配置されている。ところが粘度が高くなると、濾過装置53の間に気泡が浸入しづらくなり、第2のフィルタ膜表面への気泡の通過が抑制されてしまう。よって排水が所定の濃度を越えたら、排水の濃度を低下させるために、排水の少なくとも一部を濾過装置FDに移し、パイプ51から流れてくる排水でその濃度を低下させている。
【0156】
この濾過装置FDは、第1の槽72と第2の槽73に分けられ、この2つの槽72、73の間には、第1のフィルタ膜よりも目の粗い孔を持ったフィルタFTが配置されている。そしてパイプ74をポンプ等で吸引することにより、強制的に原液を第2の槽73に移している。
【0157】
濾過装置FDで濾過をすることにより、フィルタFTの上に、被除去物の固まりである回収物75を生成し、この回収物を容器76に入れて回収している。また回収物は乾燥すると飛散するため、容器は、密閉されるものが良い。
【0158】
そしてこの回収を続ける内に原水タンク50のレベルは下がるが、濾過装置FDの濾過流体が再度原水タンク50に戻されたり、パイプ51から排水が供給されるため、原水タンク50内の原水濃度が低下し、また濾過が開始できるようになる。排水のレベルによりポンプを止めたり、始動したりするタイミングは、レベルセンサFSで検知されている。
更に、CMP排水の中の砥粒、被研磨物(研削物)を取り除いた濾過流体を再利用する方法を図16を参照して説明する。
【0159】
符号80で示すCMP装置は、一般的には図20のようにシステムとなって配置されているが、図面の都合上、図19のCMP装置を示した。このCMP装置を除いた他の構成は、図13、図15と同様である。
【0160】
符号252は、回転定盤250に設けられた半導体ウェハであり、253はスラリーである。また図示されていないがウェハ252および回転定盤250をシャワーリングするシャワーも設けられている。
【0161】
このCMP装置の下方、ウェハ洗浄機構部には、排水を受ける容器BLがあり、容器BLの一部に原水タンク50へとつながるパイプ51が取り付けられている。尚詳細は、図19、図20で説明しているので、ここでは省略する。
【0162】
排水は、スラリー原液(希釈剤、pH調整剤および砥粒が主として含まれている)の他に、粒状の被研磨物または被研削物、半導体ウェハの構成物質から成るイオン、および水が混入され、濾過装置53により、スラリーに混入される砥粒および被研磨物(または被研削物)の実質殆どが捕獲される。従ってパイプ60を通過する流体は、砥粒を除いたスラリー原液(例えば調整剤であるKOHまたはNH3と希釈剤)、水およびイオンが含まれているので、例えばパイプ71の間に、前記水とイオンを取り除く精製装置が取り付けられれば、濾過流体は再利用できる。そして精製されたスラリー原液の中に再度砥粒が混入されて撹拌されれば、CMP装置用のスラリーとして再利用できる。
【0163】
またパイプ72を介して別のタンクに前記濾過流体を移送し、これを精製メーカーに渡し、精製してもらっても良い。このようなシステムにすることにより、大量に廃棄されるCMPの排水を再利用することができる。
続いて、実際純水製造システムとの関係を図17を参照して説明する。
【0164】
まず工業用水タンク101に、工業用水が貯められる。この工業用水は、ポンプP1でフィルタ102、103を介して濾過水タンク104へ輸送される。
フィルタ102は、カーボンフィルタであり、ゴミ、有機物が取り除かれる。またフィルタ103は、フィルタ102から発生するカーボンを取り除くものである。
【0165】
続いて濾過流体は、ポンプP2で、逆浸透濾過装置105を介して純水タンク106へ輸送される。この濾過装置105は、逆浸透膜を使ったものであり、ここで0.1μm以下の屑(ゴミ)が取り除かれる。そして純水タンク106の純水は、UV殺菌装置107、吸着装置108,109および純水の抵抗値を下げる装置110を介して純水タンク111に輸送される。
【0166】
UV殺菌装置107は、字の如く紫外線により純水を殺菌し、符号108、符号109は、イオン交換し、イオンを除去する装置である。また符号110は、純水の中に炭酸ガスを混入させるものである。これは、純水の抵抗値が高いと、ブレード等にチャージアップが発生する等問題が発生するため、故意的にその抵抗値を下げている。
【0167】
そしてポンプP3を使いCMP装置の洗浄用として純水を供給している。符号112は、約0.22μm以上の屑(ゴミ)を再度取り除いている。
【0168】
続いてCMP装置で発生した排水は、ポンプP4を使って原水タンク113に貯められ、前で述べた濾過装置114で濾過される。これは、図9、10に述べたものと同様のものである。そして濾過装置114で濾過された濾過流体は、パイプ120と接続された精製装置121により精製され、分離された水は濾過水タンク104に戻される。また精製装置で精製された流体には、砥粒が混入され再度CMPのスラリーとして再利用されても良い。
【0169】
ここで濾過装置114において、濾過流体に被除去物が混入した場合は、原水タンク113に戻され循環されることはいうまでもない。
【0170】
【発明の効果】
一般に、CMPのスラリーに混入される砥粒のように0.1μmクラスの粒体を取り除くには、この粒体よりも小さな孔のフィルタ膜を採用するのが一般的である。しかし本発明は、被除去物と同程度およびこれよりもサイズの大きな固形物を第2のフィルタ膜として積層し、第2のフィルタ膜に形成される数多くの隙間を流体の通過路として活用しているため、第2のフィルタ膜が形成された濾過装置を排水中に浸漬させるだけで、0.1μmクラスの流体を取り除くことができた。従って第2のフィルタ膜が形成された濾過装置、ポンプ、タンクでシステムを組め、設備費が安く、ランニングコストも低減された高精度濾過装置の実現が可能となった。
【0171】
しかも第2のフィルタ膜自身が固形物の集合体であることから、目詰まりの原因となる被除去物および固形物を第2のフィルタ膜から離間させることができ、濾過装置の濾過能力を長期に渡り維持することも実現できた。更には循環通過させることにより排水内の被除去物および/または固形物が第2のフィルタ膜として構成されて成長し、所定の粒径まで捕獲できる濾過性能を持った第2のフィルタ膜として形成することができ、また第2のフィルタ膜の自己修復も可能となった。
よって、従来の濾過装置よりもメインテナンスが大幅に低減できる濾過装置が実現できた。
【0174】
また、CMPの排水は、粘度が上昇する。それによって気泡が積層物の表面に当接しにくくなる。またフィルタのリフレッシュ機能が低下する。よって所定の粘度になったら、排水の一部を原水タンクから移し、製造現場から供給される排水により薄められる。よってその粘度を低下させることができ、そのリフレッシュ機能も向上させることができる。
【0175】
更には、積層物の形成を、原水タンクと別のタンクで形成しても良い。別のタンクで形成することにより、予め積層物の付いたフィルタを用意でき、距離的に離れた所への移送が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るフィルタ膜を説明する図である。
【図2】 ダイシング時に発生する排水中のシリコン屑の粒度分布、形状を説明する図である。
【図3】 本発明の実施形態に係るフィルタ膜を説明する図である。
【図4】 本発明の実施形態に係るフィルタ膜を説明する図である。
【図5】 固形物または固形物と被除去物から成るフィルタを形成する方法を説明する図である。
【図6】 濾過装置の第1のフィルタ膜に第2のフィルタ膜を形成する方法を説明する図である。
【図7】 フィルタ膜を準備する方法を説明する図である。
【図8】 フィルタ膜を持った濾過装置を準備する方法を説明する図である。
【図9】 本発明に採用する濾過装置を説明する図である。
【図10】 本発明に採用する濾過装置を説明する図である。
【図11】 図9、図10の濾過動作を説明する図である。
【図12】 図9、図10の濾過動作を説明する図である。
【図13】 本発明の濾過方法を説明するシステム図である。
【図14】 CMPの砥粒の粒径分布、および濾過前と濾過後の光の透過率を説明する図である。
【図15】 本発明の濾過方法を説明するシステム図である。
【図16】 本発明の濾過方法を説明するシステム図である。
【図17】 本発明の濾過方法をCMP装置に応用したシステムを説明する図である。
【図18】 従来の濾過システムを説明する図である。
【図19】 CMP装置を説明する図である。
【図20】 CMP装置のシステムを説明する図である。
【符号の説明】
10 第1のフィルタ
11 フィルタ孔
12 金属屑
13 第2のフィルタ
20 原水タンク
21 フィルタ膜
23 濾過水
24 ポンプ
25 切り替えバルブ
30 枠
31、32 第1のフィルタ
34 パイプ
50 原水タンク
52 原水
53 濾過装置
54 気泡発生装置
67 センサ

Claims (5)

  1. 半導体ウェハをCMPで使用するスラリーでポリッシングすることによって発生する被除去物を含む流体が貯留された原水タンクに、互いが離間された複数枚の第1のフィルタが浸漬され、
    前記流体を前記第1のフィルタに通過させて、前記第1のフィルタの表面に前記被除去物を含む層状の第2のフィルタが形成され
    前記第2のフィルタを介して前記流体が濾過される流体の濾過方法であり、
    前記第2のフィルタの表面に気泡を通過させつつ前記濾過を行うことで、前記第2のフィルタの濾過能力は維持され
    凹凸が形成された前記第1のフィルタの表面に前記第2のフィルタが形成されることで、前記第2のフィルタの剥離が抑止され
    前記第2のフィルタによる濾過を行うことで前記原水タンク内の前記流体の濃度は濃縮され、
    濃縮された前記流体の粘度が高くなり、前記気泡が前記第1のフィルタの間に入りづらくなったら、
    前記流体の少なくとも一部を、前記原水タンクの外部に取り出し、新たな前記流体を前記原水タンクに導入することにより、前記原水タンクに貯留される前記流体の粘度を下げることを特徴とする流体の濾過方法
  2. 前記第1のフィルタは、濾過面が垂直になるように複数個が設置され、
    前記第1のフィルタの間を前記気泡が通過することを特徴とする請求項1記載の流体の濾過方法
  3. 前記被除去物は、シリコンの研削屑を含むことを特徴とする請求項1記載の流体の濾過方法
  4. 取り出した前記流体に含まれる前記被除去物を再利用することを特徴とする請求項1記載の流体の濾過方法
  5. 凝集沈殿法により、前記原水タンクから前記流体を外部に移すことを特徴とする請求項1記載の流体の濾過方法
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