JP3808980B2 - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、普通乗用車、ライトトラック、重荷重用トラック、バスなどに用いられる空気入りラジアルタイヤにおいて、特にその車外加速騒音の低減化に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の空気入りラジアルタイヤとしては、図7に示す様に、ベルト層2の外周側にベルト補強層が備えられていないタイヤもあるが、通常は、図8に示す様に、ベルト端部10だけにベルト補強層5を備えたタイヤのほか、図9に示す様に、ベルト端部10にベルト補強層5を備え、さらにベルト両端部間にわたっていわゆるキャップ構造のベルト補強層11を備えたタイヤが提供されている。また、図10に示す様に、ベルト両端部10、10間にわたりキャップ構造のベルト補強層11だけを備えたタイヤも提供されている。図中、1はタイヤ踏面部、3はタイヤ踏面部1に形成されたタイヤ周方向に延びる主溝、4は主溝3、3間に位置するリブである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの構造を有するタイヤは、車両走行時、タイヤから発生する車外加速騒音が比較的大きいことから、近年、車両の高速化に伴い、この車外加速騒音を低減させることが問題となってきている。タイヤから発生する車外加速騒音は、これらの主溝3の溝内部の空間より発生する気柱管共鳴音のほか、主溝3、3間に形成されるリブ4が路面を叩く打撃音と当該リブ4自体の振動音を構成要素とするトレッドパターンの振動音が大部分を占めている。従って、気柱管共鳴音とパターン振動音を同時に低減して車外加速騒音を防止することが重要である。
【0004】
この点、溝がない状態であれば、これらの車外加速音は低く押えられるが、普通乗用車、ライトトラック、重荷重のトラック、バス等に用いるラジアルタイヤの場合、車の操縦安定性に関係して、タイヤの直進走行性能などのタイヤの基本性能が要求されるので、タイヤ踏面部には主溝3を設けざるを得ない。従って、主溝3の溝幅及び溝深さを小さくすることが、次に考えられる車外加速騒音対策ではあるが、かかる手段を採用した場合でも、湿潤路性能や摩耗性等の点を考慮すると一定の限界があるため、実用的なレベルにまで騒音レベルを下げることは困難である。
【0005】
本発明の課題は、湿潤路性能や耐摩耗性等のタイヤの基本性能を維持しつつ、気柱管共鳴音とパターン振動音を同時に低減することができ、車外加速騒音を防止することができる空気入りラジアルタイヤを提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、ベルト層を備え、タイヤ踏面部にタイヤ周方向に延びる主溝を備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、上記主溝に挟まれたリブの少なくとも一つのリブのリブ幅領域内に、上記ベルト層の外周側にベルト補強層を有し、主溝の溝下領域は非ベルト補強領域とすることを特徴とする空気入りラジアルタイヤを採用した。なお、本発明においてリブ幅領域とは、主溝と主溝に挟まれたリブの下部に該当するトレッドの一部分を意味する。
【0007】
本発明が上記の手段を採用したのは、以下の通りである。すなわち、前記図7及び図8に示す様に、ベルト層2の外周側にキャップ構造のベルト補強層がない従来タイヤの場合では、主溝3の溝底は折曲げ剛性が低いため、負荷時の溝断面が圧縮変形されやすくなるため、気柱管共鳴は低減されるが、リブ幅領域の剛性については低くなるため、路面上を接地又は離脱時に発生する路面を叩く振動音については高くなる。従って、気柱管共鳴音の低減を相殺する形でパターン振動音は増大するため、結果として車外加速騒音の低減化は達成し難い。
【0008】
これに対して、前記図9及び図10に示す様な、ベルト層の外周側にキャップ構造のベルト補強層がある従来タイヤの場合では、その逆で、リブ幅領域の剛性については大きくなる結果、路面上を接地又は離脱時に発生する路面を叩く振動音については低減するが、主溝3の溝底はベルト補強層の存在によって折曲げ剛性が大きくなることから、負荷時の溝断面は圧縮変形し難くなる結果、気柱管共鳴は低減されない。従って、パターン振動音の低減を相殺する形で気柱管共鳴音は増大するため、結果として車外加速騒音の低減化は達成し難い。
【0009】
本発明は、前記の通り、ベルト層の外周側をベルト補強層を備えるベルト補強領域とベルト補強層を備えない非ベルト補強領域とで構成し、主溝と主溝の間のリブ幅領域の少なくとも1はベルト補強領域とし、主溝の溝下領域は非ベルト補強領域とすることにより、主溝の溝底は折曲げ剛性が低くなるため負荷時の溝断面が圧縮変形されやすいことから気柱管共鳴は低減されると共に、リブ幅領域の剛性については大きくなる結果、路面上を接地又は離脱時に発生する路面を叩く振動音については低減する。従って、本発明は、主溝の溝底の深さや幅等を設計変更をしなくても、気柱管共鳴音やパターン振動音を同時に低減して車外加速騒音を防止することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る空気入りタイヤの一実施形態を示す一部概略断面図である。図1において、1はタイヤ踏面部、2は上下2枚のベルトで構成されたベルト層、3はタイヤ踏面部1に設けられた主溝である。この実施形態では2本の主溝がタイヤ踏面部に設けられている。4は主溝3、3間において隆起しているリブである。5はベルト層2の両端部の外周側に設けられたベルト補強層であり、6は主溝3、3間において隆起しているリブ4の下方に設けられたベルト補強層である。従って、この実施形態のタイヤでは、主溝3、3間のリブ幅領域7はベルト補強層6を備えるベルト補強領域となり、主溝3の溝下領域8はベルト補強層を備えない非ベルト補強領域となっている。
【0011】
従って、主溝3、3の溝底9は折曲げ剛性が低くなるため負荷時の溝断面が圧縮変形されやすいことから気柱管共鳴は低減されると共に、リブ幅領域7の剛性については大きくなる結果、路面上を接地又は離脱時に発生する路面を叩く振動音については低減する。従って、本実施形態のタイヤは気柱管共鳴音やパターン振動音を同時に低減することができる。
【0012】
図2は3本の主溝がタイヤ踏面部1に設けられた本発明に係る空気入りタイヤの他実施形態を示す一部概略断面図、図3は4本の主溝がタイヤ踏面部1に設けられた本発明に係る空気入りタイヤの他実施形態を示す一部概略断面図である。いずれもベルト層2の両端部の外周側にはベルト補強層5が設けられており、また主溝3、3間のリブ幅領域7にはベルト補強層6が設けられている。なお、図2及び図3において示す符号は、図1に示す前記実施形態で使用した符号と同じである。なお、図3中、4aはセンターリブであり、4b、4bはメディエイトリブ、7aはセンターリブ4aのリブ幅領域、7bはメディエイトリブ4bのリブ幅領域である。
【0013】
これらのいずれの実施形態のタイヤも、主溝3、3間のリブ幅方領域7はベルト補強層6を備えるベルト補強領域となり、主溝3の溝下領域8はベルト補強層を備えない非ベルト補強領域となっていることから、前記実施形態と同様に、主溝3、3の溝底9は折曲げ剛性が低くなるため負荷時の溝断面が圧縮変形されやすいことから気柱管共鳴は低減されると共に、リブ幅領域7の剛性については大きくなる結果、路面上を接地又は離脱時に発生する路面を叩く振動音については低減する。従って、本実施形態のタイヤも、気柱管共鳴音やパターン振動音を同時に低減することができる。
【0014】
図4は4本の主溝がタイヤ踏面部1に設けられた本発明に係る空気入りタイヤの他実施形態を示す一部概略断面図である。この実施形態のタイヤもベルト層2の両端部の外周側にはベルト補強層5が設けられているが、一方、前記図3に示すタイヤと異なり、ベルト補強層6は、メディエイトリブ4b、4bのリブ幅領域7b、7bには設けられておらず、センターリブ4aのリブ幅領域7aにのみ設けられている。
【0015】
図5は図3及び図4と同じく4本の主溝がタイヤ踏面部1に設けられた本発明に係る空気入りタイヤの他実施形態を示す一部概略断面図である。この実施形態のタイヤもベルト層2の両端部の外周側にはベルト補強層5が設けられている。しかし、図5に示す様に、前記図4に示すタイヤとは異なり、ベルト補強層6は、センターリブ4aのリブ幅領域7aには設けられておらず、メディエイトリブ4b、4bのリブ幅領域7b、7bにのみ設けられている。
【0016】
これらいずれのタイヤも、主溝3、3間のリブ幅方領域7a、7bのいずれか一方にベルト補強層6を備えるベルト補強領域となり、主溝3の溝下領域8はベルト補強層を備えない非ベルト補強領域となっていることから、前記実施形態と同様に、主溝3、3の溝底9は折曲げ剛性が低くなるため負荷時の溝断面が圧縮変形されやすいことから気柱管共鳴は低減されると共に、リブ幅領域7の剛性については大きくなる結果、路面上を接地又は離脱時に発生する路面を叩く振動音については低減する。従って、本実施形態のタイヤも、気柱管共鳴音やパターン振動音を同時に低減することができる。
【0017】
ところで、上記いずれの実施形態もベルト層2の両端部の外周側にはベルト補強層5が設けられているが、本発明では、ベルト層2の両端部の外周側にはベルト補強層5を設けず、主溝3、3間のリブ幅方領域7にのみベルト補強層6を設けるタイヤも含まれる。
【0018】
また上記実施形態のタイヤでは1枚のベルト補強層6でベルト層を補強しているが、2枚以上のベルト補強層6でベルト層を補強することもできる。
【0019】
ベルト層2の両端部の外周側と、ベルト層2の中間領域の外周側のリブ幅領域7にベルト補強層6を設ける方法は、従来から行われている例えば平貼り又はジョイントレスの巻き付け方式等を採用することができる。従って、本発明のタイヤは従来公知の製法によって製造される。
【0020】
リブ幅領域7のベルト補強層6は、例えば、トレッドゴムよりも硬度の高いゴム(以下、硬質ゴムと略記する。)等を用いることができる。これらはいずれもリブの剛性を大きくする結果、本発明で用いられるベルト補強層としての効果を発揮するものとして好ましい。
【0023】
ベルト補強層6が硬質ゴムからなる場合は、JIS A硬度70〜98の硬度を有するゴムがよく、一般にトレッドに用いられているゴム(JIS A硬度60〜70)に較べて相対的に高硬度であるものを使用する。その種類は特に限定されるものではない。なお、両者のゴム硬度は10程度の差を有することが好ましい。硬度調整は、通常、ゴム補強剤としてのカーボンブラックの種類と配合量調整で行うことができるが、他の方法としては、軟化剤の配合量の調整で行うことも可能である。また、ゴムに合成樹脂補強を施し硬度を調節したゴム等も使用可能である。
【0024】
リブ幅領域7のベルト補強層6の大きさ及び配置は、ベルト補強層の材質により異なる。
【0025】
硬質ゴムをベルト補強層6に用いる場合には、乗用車用タイヤを基準にすると、その配置はベルト層2の上であって主溝3の溝底より摩耗限界を示すウェアーインジケーター寸法であるおよそ1.6mmまでの間に配置することが好ましい。またベルト補強層6の幅はリブ幅の1/2以上リブ幅未満とすることが好ましい。なお、この寸法はタイヤ新品時を基準にした寸法である。リブ幅領域7のベルト補強層6が主溝3の溝底より1.6mmを超えるときは、タイヤ摩耗時に接地面に露出するため好ましくない。また、ベルト補強層6をリブ幅Wの1/2未満の幅で配置した場合は車外加速騒音の低減効果が未だ十分でない。ただし、硬質ゴムを用いた場合は、リブ幅と同じ幅のベルト補強層6を設けた場合でも溝底のクラックは発生しない。また、ベルト補強層6の厚みは0.5mm以上であることが好ましい。上限は特に限定されるものではないが、上記のように主溝3の溝底から1.6mmまでの間に収まる程度の厚みにしておくことが必要である。ベルト補強層6の厚みが0.5mm未満の場合は、車外加速騒音の低減効果が未だ十分でなく好ましくない。
【0026】
硬質ゴムをベルト補強層として用いる場合には、テープ状の硬質ゴムを利用し、これをリブ下に挿入して製造できる。具体的には、例えば、タイヤトレッドゴムをキャップ/ベース構造で構成し、キャップゴムとベースゴムの間にテープ状の硬質ゴムを挟み込むことで製造できる。また、例えば、同じキャップ/ベース構造においてベースゴムを高硬度のものと低硬度のものの2種用い、タイヤ成型時のリブ下に高硬度のベースゴムである硬質ゴムのベルト補強層がくるように設定して成形する製法が採用できる。
【0027】
なお、本発明のタイヤとしては、主溝本数、リブ数に関係なく、トレッド上に1箇所でもベルト補強層6があれば該当構造とする。例えば、タイヤ中央部のメディエイトリブ幅領域のみにベルト補強層6を設けてもよいし、リブ幅領域全体にベルト補強層6を設けてもよい。すなわち、ベルト補強層6を設けるリブ幅領域は、タイヤの使用目的、タイヤサイズなどに応じて任意に決めればよく、特に限定されるものではない。
【0028】
【実施例】
図6に示すトレッドパターンで、カーカスプライに1000d/2ポリエステルコード24本/25mmを2層、ベルトプライに2+2×0.25mmスチールコード19本/25mmを2層配置し、表1に示すベルト補強層を配置したタイヤサイズ215/65/R15の各タイヤを用いて、車外加速騒音、操縦安定性、耐摩耗性及び溝底クラック状態を評価した。なお、実施例、参考例及び比較例タイヤとも、センターリブ4aのリブ幅を20mm、メディエイトリブ4bのリブ幅を18mmとした。
【0029】
各実施例、参考例及び比較例のタイヤのベルト補強層5及びベルト補強層6はいずれも厚みが1.5mmとなっている。また各実施例、参考例及び比較例のタイヤのベルト補強層5及びベルト補強層6には、打ち込み周方向角度が0°となる様に構造840d/2、密度24本/25mmのナイロン66のコードをゴムで被覆したゴム被覆コード(「NY」と略す。)や、直径27μm、長さ3000μmのナイロン6の短繊維を配合した短繊維含有ゴム(「RT」と略す。)、及び硬質ゴム(「HR」と略す。)をそれぞれ用いた。なお、ゴム被覆コード及び短繊維含有ゴムに用いたゴムはトレッドゴムと同じ種類のゴムにカーボンブラックの配合量を変化させて硬度を調整したものを用いた。
また、硬質ゴムを用いた例としては、トレッドに使用したゴムをカーボンブラックの添加量によって硬度を調整して用いた。タイヤの構造は上記と同様としたが、タイヤトレッドの構造としてキャップ/ベースの構造とし、ベースゴムの上に2種のゴムテープからなるベルト補強層を所定の位置に付した後、キャップゴムを設けることによってタイヤを製造した。なお、ゴム被覆コード、短繊維含有ゴムに用いられたゴム、及び硬質ゴムの硬度はJIS A硬度で表した。
【0030】
【表1】
【0031】
表1は各実施例、参考例及び比較例の車外加速騒音、操縦安定性、耐摩耗性及び溝底クラック状態の試験結果を示している。なお、表中、ベルト補強層の「構成」は、ベルト端部のベルト補強層5と、センターリブ幅領域7aのベルト補強層6及びメディエイトリブ領域7bのベルト補強層6の配置状態を、図番によって特定している。
【0032】
図3はベルト端部にベルト補強層5を配置し、かつセンターリブ幅領域7a及びメディエイトリブ領域7bの両方にベルト補強層6を配置したタイヤであり、図4はベルト端部にベルト補強層5を配置し、かつセンターリブ幅領域7aにベルト補強層6を配置したタイヤであり、図8はベルト端部にのみベルト補強層5を配置した従来タイヤであり、図10は両ベルト端部間にわたってベルト補強層11をキャップ構造にて配置した従来タイヤであり、図11は両ベルト端部10、10間にわたってベルト補強層11をキャップ構造にて配置し、更にベルト端部にベルト補強層5を配置し、かつセンターリブ幅領域7a及びメディエイトリブ領域7bの両方にベルト補強層6を配置したタイヤである。また表中ベルト補強層の「溝端からの距離」は、主溝の溝端からの位置を示し、ベルト補強層の「幅」は、センターリブ幅領域7aのベルト補強層6及びメディエイトリブ領域7bのベルト補強層6の幅を示している。またWはリブ幅を示している。
【0033】
車外加速騒音はJASO C−606に準拠して試験した。試験車の速度は50km/hである。表1の車外加速騒音は、比較例1タイヤとの間における車外加速騒音差で示しており、車外加速騒音差のマイナス値が大きくなればなるほど車外加速騒音が低減していることを示す。
【0034】
操縦安定性は実車走行にて2人のドライバーのフィーリングで評価している。10点法の平均値をとり、比較例1を基準にしてマイナス及びプラスの得点差をとり、プラスが大きければ大きいほど操縦安定性が比較例1のタイヤより相対的に良好であることを示す。
【0035】
耐摩耗性は、一般路(高速道路を含む)を2名乗車で12000km走行した後、そのタイヤの摩耗量を測定し、その測定値に基づきタイヤの摩耗量1mm当りの走行距離を算出し、比較例1のタイヤを基準にして指数評価している。その値が大きければ大きいほど、耐摩耗性が良好であることを示す。
【0036】
溝底クラック状態の試験は、台上耐久力試験機で15000km走行した後、そのタイヤにおける主溝の溝底のクラック状態を観察した。溝底にクラックが生じている場合は「有」、溝底にクラックが生じていない場合を「無」として示している。
【0037】
表1より、比較例2の従来タイヤの場合、比較例1のタイヤと比べ、車外加速騒音は大きくなっており、両ベルト端部間にわたってベルト補強層をキャップ構造にて配置すると車外加速騒音が大きくなることが認められる。この傾向は、両ベルト端部間にわたってベルト補強層をキャップ構造にて配置した場合は、たとえセンターリブ幅領域7a及びメディエイトリブ幅領域7bの両方にベルト補強層6を配置した比較例3のタイヤにおいても、それほど変わらない。これに対して、実施例のいずれのタイヤも、車外加速騒音は比較例1に比して低減しており、また比較例2と比較すれば一層顕著に低減している。しかも実施例のいずれのタイヤも、操縦安定性は比較例1の従来タイヤとほぼ同等以上であり、耐摩耗性も比較例1タイヤより良好である。耐摩耗性は比較例2のタイヤとほぼ同等及びやや低下しているものの、実用上問題とならない範囲である。
【0038】
参考例6及び7はベルト補強層6の配置が本発明の配置となっているため、車外加速騒音の低減の効果は認められる。しかしながら、参考例1及び参考例6より、ベルト補強層6がゴム被覆コードであってベルト補強層6が主溝の溝端から2.0mm未満の場合は、溝底クラックが発生し易くなる。また、参考例2及び参考例7より、リブ幅補強領域のベルト補強層6の幅がリブ幅Wの1/2未満の場合は車外加速騒音の低減効果は認められるものの、顕著に現われない。
【0039】
なお、実施例1から明らかなように、ベルト補強層6の材質として硬質ゴムを用いた場合には、リブ幅と同じ幅のベルト補強層を設けた場合でも溝底のクラックを生じないことが判明した。したがって、リブ幅を広い面積にわたって、補強することができるため、車外加速騒音を顕著に低減させることができ、好結果を得ることができる。
【0040】
【発明の効果】
以上の通り、本発明のタイヤは、ベルト層の外周側をベルト補強層を備えるベルト補強領域とベルト補強層を備えない非ベルト補強領域とで構成し、主溝と主溝の間のリブ幅領域の少なくとも1はベルト補強領域とし、主溝の溝下領域は非ベルト補強領域とすることにより、湿潤路性能や耐摩耗性等のタイヤの基本性能を維持しつつ、気柱管共鳴音やパターン振動音を同時に低減することができ、車外加速騒音を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る空気入りタイヤの一実施形態を示す一部概略断面図である。
【図2】3本の主溝がタイヤ踏面部に設けられた本発明に係る空気入りタイヤの他実施形態を示す一部概略断面図である。
【図3】4本の主溝がタイヤ踏面部に設けられた本発明に係る空気入りタイヤの他実施形態を示す一部概略断面図である。
【図4】同他実施形態を示す一部概略断面図である。
【図5】同他実施形態を示す一部概略断面図である。
【図6】図4に示すタイヤのトレッドパターンを示す概略展開図である。
【図7】従来タイヤの一例を示す一部概略断面図である。
【図8】従来タイヤの他例を示す一部概略断面図である。
【図9】同他例を示す一部概略断面図である。
【図10】同他例を示す一部概略断面図である。
【図11】比較例タイヤを示す一部概略断面図である。
【符号の説明】
1 タイヤ踏面部
2 ベルト層
3 主溝
4 リブ
5 ベルト補強層
6 ベルト補強層
7 リブ幅領域
8 溝下領域
9 溝底
Claims (2)
- ベルト層を備え、タイヤ踏面部にタイヤ周方向に延びる主溝を備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、上記主溝に挟まれたリブの少なくとも一つのリブのリブ幅領域内に、上記ベルト層の外周側にベルト補強層を有し、前記ベルト補強層は、トレッドゴムよりも硬度の高いゴムであって、JIS A硬度が70〜98であり、主溝の溝下領域は非ベルト補強領域とすることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
- 前記ベルト補強層は、リブ幅Wの1/2以上リブ幅以下の幅で、前記ベルト層から溝底よりトレッド表面側1.6mmまでの間に配置されている請求項1記載の空気入りラジアルタイヤ。
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