JP3726386B2 - 遠心式送風機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば空気調和装置用送風機として使用される遠心式送風機に関するもので、特に渦巻き状のケーシングにより形成される渦巻き状の通風路内において室内に向かう空気流を発生させる遠心式送風機に係わる。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば空気調和装置用送風機として使用される遠心式送風機は、渦巻き状のケーシングの吸込口を形成するベルマウスの形状が、遠心式羽根車の回転軸上に中心を持つ真円とされており、そのベルマウスの法面の高さも全周に渡って均一とされていた。
【0003】
ところが、上記構造の遠心式送風機においては、吹出口モードがフットモードやデフロスタモードで、全ての空気がヒータコアを通過するようなヒータユニット側の圧力損失が大きい(高圧損)時に、ケーシング外部から吸込口を通って遠心式羽根車の内部に吸い込まれた後に、多数のブレードの回転により遠心式羽根車の径方向外方の渦巻き状通風路内に吹き出される吸込空気流に対して逆方向に流れる逆流現象(吹き返し)がケーシングのノーズ部付近で生じる。すなわち、高圧損時では、ケーシングの巻き終わりでの圧力が高くなるため、ケーシングの吹出口へ空気が流れ難くなる。そして、吐出口へ流れ難くなった空気が吸込口から吹き出してくる。このような逆流現象が生じ易い領域では、吸込空気流と逆流との衝突が生じ、それに起因して送風騒音の発生や送風特性の低下を招くという不具合が生じている。
【0004】
上記のような不具合を解消する目的で、実開昭56−171699号公報においては、ケーシングのノーズ部から逆回転方向へ90°の範囲内に弓形状の遮蔽板を形成することにより、ブレードから吸込口側に吹き返す逆流現象を遮蔽板により押さえ込むようにした遠心式送風機(第1従来例)が提案されている。また、実開昭63−128297号公報においては、ケーシングに形成される真円形状の吸込口の中心をノーズ部と遠心式羽根車の回転中心を結ぶ線上において反ノーズ部側に所定の偏心量だけ偏心させるようにしてノーズ部での高周波音の発生を抑制した遠心式送風機(第2従来例)が提案されている。
【0005】
そして、特開平5−149297号公報においては、ベルマウスの中心および吸込面積を変更することなく、逆流現象の生じ難い領域ではベルマウスの半径を徐々に増大させ、逆流現象の生じ易い領域ではベルマウスの半径を徐々に減少させるようにしたり、逆流現象の生じ難い領域ではベルマウスの法面の高さを徐々に減少させ、逆流現象の生じ易い領域ではベルマウスの法面の高さを徐々に増大させるようにしたりすることによって、逆流と吸込空気流との衝突に起因して生じていた送風騒音を低減し、送風特性も向上するようにした遠心式送風機(第3従来例)が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、第1従来例の遠心式送風機および第2従来例の遠心式送風機においては、弓形状の遮蔽板や吸込口の中心が偏心したベルマウスが吸込口の吸込面積を大きく縮小化させるため、送風性能を見ると、逆流が発生するような高圧損の場合は有効であるが、逆流が発生しないような低圧損の場合には吸込空気流に対して抵抗部材となり逆に送風量を低下させると共に、遮蔽板の存在により吸込部分の流速を速めるため、送風騒音も増大させてしまうという問題が生じる。また、第3従来例の遠心式送風機においては、逆流現象の生じ難い領域の送風特性を低下させるという問題が生じる。
【0007】
【発明の目的】
本発明の目的は、高圧損時に吸込空気流と逆流との衝突を効果的に防止してそれに起因する送風騒音の発生を抑制すると共に、低圧損時の送風特性の低下を抑制することのできる遠心式送風機を提供することにある。また、逆流現象の生じ易い領域での吸込空気流と逆流との衝突を効果的に防止してそれに起因する送風騒音の発生を抑制すると共に、逆流現象の生じ難い領域の送風特性の低下を抑制することのできる遠心式送風機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、ケーシングのノーズ部付近でベルマウスよりも内周側で遠心式羽根車の回転方向に対向して配設され、且つ吸込口より吹き出した空気を遠心式羽根車の中心側へ巻き込むように篦状に湾曲した篦状板を設けることにより、高圧損時には、渦巻き状のケーシング内から吸込口を介して吹き出した吹出空気流が篦状板に当たって、その篦状板に当たった吹出空気流が篦状板により遠心式羽根車の内径側へ導かれる。それによって、吹出空気流と吸込空気流との衝突を防止できるので、送風特性を向上でき、且つ送風騒音を低下できる。また、低圧損時には、篦状板が板状のために、ベルマウスの上方からの吸込空気流に対して前面投影面積が小さいので、吸込空気流の抵抗部材とならず、送風特性の低下を抑えることができる。さらに、逆流現象の生じ易い領域での吸込空気流と逆流との衝突により発生する送風騒音を抑制でき、且つ逆流現象の生じ難い領域の送風特性の低下を抑制できる。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、遠心式羽根車の軸心方向に平行に、ケーシングのベルマウスよりノーズ部に向かって多数のブレードの外径の略接線方向に延長された衝立部を有する篦状板を設けることにより、高圧損時には、渦巻き状のケーシング内から吸込口を介して吹き出した吹出空気流の進行を衝立部が妨げる。そして、その衝立部に当たった吹出空気流を篦状板により遠心式羽根車の内径側へ導いて、再度ケーシング内に吸い込ませる。それによって、請求項1に記載の発明と同様な効果が得られる。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、篦状板の衝立部を、篦状板の外周側からケーシングのノーズ部に向かって多数のブレードの外径の略接線方向に延長したことにより、高圧損時に、渦巻き状のケーシング内からノーズ部付近の吸込口を介して吹き出した吹出空気流が衝立部に当り、その衝立部に当たった吹出空気流が篦状板により遠心式羽根車の内径側へ導かれる。それによって、請求項1に記載の発明と同様な効果が得られる。
【0012】
請求項4に記載の発明によれば、篦状板の内側端が遠心式羽根車の多数のブレードの内径よりも外周側に位置することにより、吸込空気流の抵抗部材とならず、送風特性の低下を抑えることができる。
請求項5に記載の発明によれば、篦状板のブレード側端と遠心式羽根車の多数のブレードの篦状板側端との間に、一定寸法以上の隙間を持つことにより、仮に多数のブレードの高さ方向の寸法にばらつきがあっても、篦状板と遠心式羽根車との干渉を防止できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
〔実施例の構成〕
図1ないし図7は本発明の実施例を示したもので、図1は遠心式多翼送風機を含む車両用空気調和装置を示した図である。
【0014】
遠心式多翼送風機1は、車両用空気調和装置に組み込まれている。この車両用空気調和装置は、遠心式多翼送風機1の他に、吸込口モードを切り替える内外気切替手段、通過する空気を冷却するエバポレータ2、通過する空気を加熱するヒータコア3、このヒータコア3を通過する空気量を調節するエアミックスドア4、および吹出口モードを切り替える吹出口切替手段を備えている。
内外気切替手段は、外気導入口5aおよび内気導入口5bが形成された内外気切替箱5と、吸込口モードを切り替える吸込口切替ドア6とからなる。また、エバポレータ2は、クーラケース7内に収容されている。
【0015】
さらに、吹出口切替手段は、デフロスタ吹出口8a、フェイス吹出口8bおよびフット吹出口8cが形成されたヒータケース8と、吹出口モードを切り替える吹出口切替ドア9a〜9cとからなる。なお、吹出口モードとしては、エアミックスドア4によりヒータコア3を全閉し、フェイス吹出口8bのみから主に冷風を車室内に吹き出させるフェイスモードがある。また、エアミックスドア4によりヒータコア3を全開し、デフロスタ吹出口8aまたはフット吹出口8cから主に温風を車室内に吹き出させるデフロスタモード、フットモードやフットデフモードがある。さらに、フェイス吹出口8bから主に冷風を車室内に吹き出させ、フット吹出口8cから主に温風を車室内に吹き出させるバイレベルモードもある。そして、ヒータコア3とエアミックスドア4はヒータケース8内に収容されている。
【0016】
次に、遠心式多翼送風機1を図1ないし図6に基づいて説明する。ここで、図2および図3(a)は遠心式多翼送風機1を示した図で、図3(b)は遠心式多翼送風機1の主要部を拡大した図である。
【0017】
遠心式多翼送風機1は、内外気切替箱5の下流側に一体的に設けられ、羽根車駆動手段としての電動モータ11、この電動モータ11に回転駆動される遠心式羽根車12、遠心式羽根車12を収容するスクロールケーシング13、および吹出空気流と吸込空気流との衝突を防止するガイドプレート14等から構成されている。電動モータ11は、下端部がスクロールケーシング13より外部へ突出した状態でスクロールケーシング13に固定されている。この電動モータ11の上端面からは、遠心式羽根車12に固定される回転軸(シャフト)15が突出している。
【0018】
遠心式羽根車12は、樹脂の一体成形品よりなる遠心式ファンであって、底プレート16、多数のブレード17およびシュラウド18等より構成されている。底プレート16は、スクロールケーシング13からの電動モータ11の飛び出しを少なくするため中央部が内側へ窪んだ略円錐形状をしており、その中央部に電動モータ11の回転軸15が嵌合し、一体に結合されるボス部19を備える。多数のブレード17は、断面形状が円弧形状の動翼(回転翼)であって、底プレート16の円環形状の平板部上で電動モータ11の回転軸15と平行を成して、周方向に一定のピッチで2種類交互に配置されている。これらのブレード17は、内径側の吸込側端面(吸込側端部)21より空気を吸い込んで、外径側の吹出側端面(吹出側端部)22より径方向外方へ向かって空気を吹き出す。また、多数のブレード17の内径はφ98mmで、外径はφ180mmである。
【0019】
シュラウド18は、円環状に設けられ、軸心方向から径方向に徐々に方向定款しつつ吸込空気の流れに沿った略円弧形状の断面を有している。このシュラウド18は、各ブレード17の上端部を連結して各ブレード17を等間隔の保持すると共に、底プレート16との間に各ブレード17の吸込側端面21から吹出側端面22へ向かって略円弧形状に流れる吸込空気流の通風路を形成する。シュラウド18の内周側に、各ブレード17の上面より上方に突出した円筒状の突出部23が設けられている。
【0020】
スクロールケーシング13は、遠心式羽根車12の周囲に渦巻き状通風路24を形成するもので、渦巻き状通風路24の幅方向に二分割されており、空気の吸込口25を形成する円環状のベルマウス26を有する第1ケーシング(上側ケーシング)27、および電動モータ11を支持する第2ケーシング(下側ケーシング)28よりなる。このスクロールケーシング13は、図2に示したように、渦巻き状通風路24の渦巻き部分が、渦巻き状通風路24の起点となるノーズ部29の一点を巻き始めとして、そのノーズ部29の一点より、一定の拡がり角で形成されたスクロール曲線で構成されている。なお、渦巻き状通風路24の下流端には、クーラケース7に空気を吐出する方形状の開口断面を有する吐出口30が形成されている。また、ベルマウス26は、シュラウド18との間に一定寸法(例えば3mm)以上の逆J字状の隙間を有している。
【0021】
次に、ガイドプレート14を図4ないし図6に基づいて説明する。ここで、図4(a)〜(g)はガイドプレート14を示した図で、図5(b)はスクロールケーシング13を示した図で、図6(a)は低圧損時の吸込空気流と高圧損時の吹出空気流とを示した図である。
【0022】
ガイドプレート14は、スクロールケーシング13と同一の樹脂により成形され、ノーズ部29付近のベルマウス26の法面上に一体成形または別体にて設けられている。このガイドプレート14は、吸込口25より吹き出した空気を遠心式羽根車12の中心側へ一定の曲率にて巻き込むように篦状に湾曲した篦状板(傾斜部)31、およびベルマウス26の法面の面方向に対して直交する方向に配設された直立板(衝立部)32から構成されている。
【0023】
篦状板31は、板厚が2mmで、ベルマウス26よりも内周側で遠心式羽根車12の回転方向に対向して配設されている。篦状板31の内側端は、多数のブレード17の内径よりも外周側に位置している。そして、篦状板31のブレード側端と多数のブレード17のガイド側端との間は、一定寸法S(例えば3mm)以上の隙間を有している。
【0024】
直立板32は、板厚が2mmで、高さが15mmであり、遠心式羽根車12の回転中心を中心としてノーズ部29から渦巻き方向へ約50°〜90°の位置に渡って設けられている。そして、直立板32は、ベルマウス26よりも外周側で篦状板31の外周側からノーズ部29付近に向かうように、多数のブレード17の外径の略接線方向に延びている。
【0025】
〔実施例の作用〕
次に、本実施例の遠心式多翼送風機1の作用を図1ないし図6に基づいて簡単に説明する。
【0026】
吹出口モードがフットモードやデフロスタモードで、エアミックスドア4がヒータコア3を全開している時、すなわち、ヒータケース8内において全ての空気がヒータコア3を通過するようなヒータユニット側の圧力損失が大きい場合(逆流現象が生じ易い高圧損時)には、内外気切替箱5の内部に吸い込まれた吸込空気が吸込口25を通って遠心式羽根車12の多数のブレード17で囲まれた内側に吸い込まれる。
【0027】
そして、遠心式羽根車12の内部に吸い込まれた吸込空気は、多数のブレード17の回転によって、多数のブレード17の吸込側端面21に吸い込まれた後に、所定の角度を持って多数のブレード17の吹出側端面22より渦巻き状通風路24内に吹き出される。これにより、吸込空気は、渦巻き状通風路24内でも加圧されて吐出口30方向へ流れエバポレータ2やヒータコア3を通過してデフロスタ吹出口8aまたはフット吹出口8cから車室内に吹き出される。
【0028】
このとき、逆流現象の生じ易い領域に侵入した吸込空気、すなわち、ノーズ部29の回転方向の手前側の吸込口25より隣設するブレード17間に侵入した吸込空気は、それらのブレード17が回転することによってノーズ部29に近づくにしたがって圧力が増加する。この他の吸込空気よりも圧力が増加した吸込空気は、吐出口30方向へ流れ難くなり、隣設するブレード17間を逆流してブレード17の吸込側端面21の上面から吸込口25を通ってベルマウス26側に吹き出す逆流現象を起こす。
【0029】
この吹出空気は、図5(b)および図6(a)に示したように、ガイドプレート14の直立板32に当たって、その直立板32に当たった吹出空気流が直立板32の内側面に沿って篦状板31側へ導かれ、篦状板31の形状により篦状板31の内側面に沿って遠心式羽根車12の内部へ巻き込まれるように吸い込まれる。ここで、ガイドプレート14の直立板32の外側より侵入する吸込空気は、図6(a)に示したように、直立板32および篦状板31の外側面に沿って遠心式羽根車12の内部へ侵入するため、ガイドプレート14を挟んで流れる吹出空気と衝突することはない。
【0030】
また、吹出口モードがフェイスモードで、エアミックスドア4がヒータコア3を全閉している時、すなわち、ヒータケース8内において全ての空気がヒータコア3を迂回するようなヒータユニット側の圧力損失が小さい場合(逆流現象が生じ難い低圧損時)には、内外気切替箱5の内部に吸い込まれた吸込空気が吸込口25を通って遠心式羽根車12の内部に吸い込まれる。
【0031】
このとき、ガイドプレート14が板状で薄いために吸込空気流に対してガイドプレート14の前面投影面積が小さく、しかもベルマウス26の形状が遠心式羽根車12の回転軸15上に中心を持つ真円であり、ガイドプレート14を装着した部分を除けばベルマウス26の法面の高さもほぼ全周に渡って均一とされているために、遠心式羽根車12の軸心方向の上方、つまりベルマウス26の上方からの吸込空気流に対して大きな抵抗部材が存在しない。これにより、送風特性を低下させることなく、吸込空気がスムーズにベルマウス26および吸込口25を通って遠心式羽根車12の内部に吸い込まれる。
【0032】
〔実施例の効果〕
以上のように、本実施例の遠心式多翼送風機1は、ベルマウス26の内径より外周側では衝立のようにスクロールケーシング13の上側壁の法面の面方向に対して直交するように直立しており、ベルマウス26の内径より内周側では遠心式羽根車12の内径側へ一定の曲率にて巻き込みながら、且つその垂直方向に傾斜した篦状のガイドプレート14をノーズ部29付近のベルマウス26に一体成形または装着している。このため、高圧損時には、吹出空気流と吸込空気流との干渉を防止できるので、送風特性を向上でき、且つ送風騒音を低下できる。また、低圧損時には、ガイドプレート14が吸込空気流の抵抗部材とならないので、送風特性の低下を抑えることができる。
【0033】
さらに、遠心式羽根車12の回転中心を中心としてノーズ部29から渦巻き方向へ約50°〜90°の逆流現象の生じ易いベルマウス26付近での吸込空気流と逆流との衝突を効果的に防止できるので、それに起因する送風騒音の発生を抑制できる。また、逆流現象の生じ難いベルマウス26付近には何ら抵抗部材が存在しないので、逆流現象の生じ難い領域での送風特性の低下を抑制できる。
そして、ガイドプレート14のブレード側端と多数のブレード17のガイド側端との間に、一定寸法(例えば3mm)以上の隙間を持つことにより、仮に多数のブレード17の高さ方向の寸法にばらつきがあっても、ガイドプレート14とブレード17との干渉を防止できる。
【0034】
〔実施例の実験結果〕
図6および図7にこの実施例の効果(実験結果)を示す。図6(a)はガイドプレートの無いスクロールケーシング13aを備えた従来例の遠心式多翼送風機1aで、図6(b)はガイドプレート14を装着したスクロールケーシング13を備えた実施例の遠心式多翼送風機1である。なお、図6(a)、(b)において25、25aは吸込口で、26、26aはベルマウスで、29、29aはノーズ部である。また、図7のグラフは横軸に送風量Va(m2 /h)をとり、縦軸に比騒音Ks(dBA)と全圧DPt(mmAq)をとっている。
【0035】
図6(b)に示した実施例のようなガイドプレート14をスクロールケーシング13に装着することで、本実施例の遠心式多翼送風機1は、送風特性を低下させることなく、低圧損(FACE:フェイスモード)時から高圧損(FOOT:フットモード)時までの全領域にわたり、図6(a)に示した従来例の遠心式多翼送風機1aに対して0.5dBA〜1.0dBAの騒音低減が可能となった。
【0036】
〔変形例〕
本実施例では、篦状板として、図6(a)に示したように、ベルマウス26よりも内周側で遠心式羽根車12の回転方向に対向して配設された篦状板31が遠心式羽根車12の径方向(垂直方向)に沿った断面形状を有する篦状のガイドプレート14を使用したが、篦状板として、図6(b)に示したように、ベルマウス26よりも内周側で遠心式羽根車12の回転方向に対向して配設された篦状板31が遠心式羽根車12の径方向(垂直方向)より遠心式羽根車12の回転方向に傾斜した断面形状を有する篦状のガイドプレート14を使用しても良い。
【0037】
本実施例では、本発明を前進翼を持つ遠心式多翼送風機1に適用したが、本発明をラジアル翼を持つターボチャージャーや、後退翼を持つターボファンに適用しても良い。そして、電動モータ11の代わりに、内燃機関、油圧モータ等の流体圧モータなどの羽根車駆動手段を用いても良い。また、遠心式送風機を工場用空気調和装置に使用する場合には、電動モータ11の代わりに水車や風車等の羽根車駆動手段を用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用空気調和装置を示した概略図である(実施例)。
【図2】遠心式多翼送風機を示した概略図である(実施例)。
【図3】(a)は遠心式多翼送風機を示した断面図で、(b)は遠心式多翼送風機の主要部を示した拡大図である(実施例)。
【図4】(a)はガイドプレートを示した平面図で、(b)はガイドプレートを示した正面図で、(c)はガイドプレートを示した側面図で、(d)は(a)のA−A断面図で、(e)は(a)のB−B断面図で、(f)は(a)のC−C断面図で、(g)は(a)のD−D断面図である(実施例)。
【図5】(a)は従来例の吹出空気流と吸込空気流とを示した説明図で、(b)は実施例の吹出空気流と吸込空気流とを示した説明図である。
【図6】(a)は実施例の低圧損時の吸込空気流と高圧損時の吹出空気流とを示した説明図で、(b)は変形例のガイドプレートを示した平面図である。
【図7】送風量に対する比騒音と全圧との関係を示したグラフである。
【符号の説明】
1 遠心式多翼送風機
11 電動モータ
12 遠心式羽根車
13 スクロールケーシング
14 ガイドプレート
15 回転軸
17 ブレード
24 渦巻き状通風路
25 吸込口
26 ベルマウス
29 ノーズ部
31 篦状板(傾斜部)
32 直立板(衝立部)
Claims (5)
- (a)多数のブレードが周方向に所定の間隔で略円環状に配置され、軸方向の一端側から吸引した空気を径方向外方へ吹き出す遠心式羽根車と、
(b)内部に、前記遠心式羽根車の周囲にノーズ部を起点として渦巻き状通風路が設けられ、
前記遠心式羽根車の軸心方向の一端に、吸込口を形成する円環状のベルマウスが設けられた渦巻き状のケーシングと、
(c)このケーシングのノーズ部付近で前記ベルマウスよりも内周側で前記遠心式羽根車の回転方向に対向して配設され、且つ前記吸込口より吹き出した空気を前記遠心式羽根車の中心側へ巻き込むように篦状に湾曲した篦状板と
を備えた遠心式送風機。 - 請求項1に記載の遠心式送風機において、
前記篦状板は、前記ケーシングのノーズ部付近のベルマウスの法面上で、且つ前記ベルマウスよりも外周側で前記ベルマウスの法面の面方向に対して直交する方向に配設された衝立部を有することを特徴とする遠心式送風機。 - 請求項2に記載の遠心式送風機において、
前記衝立部は、前記篦状板の外周側から前記ケーシングのノーズ部に向かって前記多数のブレードの外径の略接線方向に延長されたことを特徴とする遠心式送風機。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の遠心式送風機において、
前記篦状板の内側端は、前記多数のブレードの内径よりも外周側に位置することを特徴とする遠心式送風機。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の遠心式送風機において、
前記篦状板のブレード側端と前記多数のブレードの篦状板側端との間は、一定寸法以上の隙間を持つことを特徴とする遠心式送風機。
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