JP3724301B2 - 電気光学装置の駆動方法、その駆動回路、電気光学装置および電子機器 - Google Patents
電気光学装置の駆動方法、その駆動回路、電気光学装置および電子機器 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、時間軸における変調により階調表示を行う電気光学装置の駆動方法、その駆動回路、電気光学装置および電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気光学装置、例えば、電気光学材料として液晶を用いた液晶表示装置は、陰極線管(CRT)に代わるディスプレイデバイスとして、各種情報処理機器や液晶テレビなどの表示部に広く用いられている。ここで、従来の電気光学装置は、例えば、マトリクス状に配列した画素電極や、この画素電極に接続されたスイッチング素子などが設けられた素子基板と、画素電極に対向する対向電極が形成された対向基板と、これら両基板の間に充填された電気光学材料たる液晶とから構成される。そして、このような構成において、ある1本の走査線を選択すると、当該スイッチング素子が導通状態となる。この導通状態の際に、データ線を介し画素電極に対して、階調に応じた電圧の画像信号を印加すると、当該画素電極および対向電極の間の液晶層に画像信号の電圧に応じた電荷が蓄積される。電荷蓄積後、当該スイッチング素子をオフ状態としても、当該液晶層における電荷の蓄積は、液晶層自身の容量性や蓄積容量などによって維持される。このように、各スイッチング素子を駆動させ、蓄積させる電荷量を階調に応じて制御すると、画素毎に液晶の配向状態が変化する。このため、画素毎に濃度が変化するので、階調表示することが可能となる。
【0003】
この際、各画素の液晶層に電荷を蓄積させるのは一部の期間で良いため、第1に、各走査線を順次選択するとともに、第2に、選択された走査線と交差する画素に、当該画素の階調に応じた電圧を有する画像信号を、対応するデータ線に印加する構成により、走査線およびデータ線を複数の画素について共通化した時分割マルチプレックス駆動が可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、データ線に印加される画像信号は、画素の階調に対応する電圧、すなわちアナログ信号である。このため、電気光学装置の周辺回路には、D/A変換回路やオペアンプなどが必要となるので、装置全体のコスト高を招致してしまう。さらに、これらのD/A変換回路・オペアンプなどの特性や、各種の配線抵抗などの不均一性に起因して、表示ムラが発生するので、高品質な表示が極めて困難となり、特に高精細な表示を行う場合に顕著となるという問題がある。また、D/A変換回路やオペアンプ等による消費電力の増加等の問題もある。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高品質・高精細な階調表示や低消費電力化が可能な電気光学装置、その駆動方法、その駆動回路、さらには、この電気光学装置を用いた電子機器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本件の第1発明は、複数の走査線と複数のデータ線との各交差に対応して配設された画素の階調を、前記画素のオン状態とオフ状態とによって制御する電気光学装置の駆動方法であって、1フィールドを複数のサブフィールドに分割し、前記画素の階調を指示する階調データの各ビットに、互いに異なるサブフィールドを対応させ、そのうち、特定のビットに対応するサブフィールドの期間については当該特定のビットの重みに対応する期間よりも長い期間に設定する一方、前記特定のビットに対応しないサブフィールドの期間については、それに対応するビットの重みにしたがった期間に設定し、各サブフィールドにあっては、当該サブフィールドに対応するビットが前記特定のビットであれば、第1のモードを選択して、画素の各々を、当該サブフィールドのうち、当該ビットの重みに対応する期間だけ、当該ビットの値にしたがってオン状態(またはオフ状態)とする一方、当該サブフィールドに対応するビットが特定のビットでなければ、第2のモードを選択して、画素の各々を、当該サブフィールドにわたって、当該ビットの値にしたがってオン状態(またはオフ状態)とすることを特徴とする。
【0007】
この第1の発明によれば、1フィールドにおいて、画素のオン(またはオフ)の期間が、当該画素の階調を示す階調データの各ビットの値に応じてパルス幅変調される結果、実効値制御による階調表示が行われることになる。この際、各サブフィールドにおいては、画素のオン(またはオフ)を指示するだけであるので、そのオンオフを指示する信号は、LレベルまたはHレベルしか取り得ないビットデータで済む結果、アナログ信号の処理回路が不要となる。したがって、第1の発明によれば、D/A変換回路やオペアンプなどが不要となる上に、これらの回路特性や、各種の配線抵抗などの不均一性に起因する表示ムラを抑えることが可能となる。また、低消費電力化も可能となる。
【0008】
さらに、第1の発明にあって、第1のモードの場合には、当該サブフィールドに対応するビットが前記特定のビットであれば、第1のモードが選択されて、画素の各々が、当該サブフィールドのうち、当該ビットの重みに対応する期間だけ、当該ビットの対応値にしたがってオン状態(またはオフ状態)となるので、当該サブフィールドでの書き込み回数は2回になるが、その書き込みについては短時間で行う必要がなくなる。このため、書き込みに伴うビットデータの転送レートを低く抑えることが可能となる。
【0009】
なお、本発明において、1フィールドとは、水平走査信号および垂直走査信号に同期して水平走査および垂直走査することにより、1枚のラスタ画像を形成するのに要する期間という意味である。したがって、ノンインターレース方式などにおける1フレームも、本発明にいう1フィールドに相当する。
【0010】
さて、第1の発明では、階調データにおける各ビットの重みに応じた期間だけ、対応する画素がオン状態(またはオフ状態)となるので、最上位ビットの重みに応じた期間が非常に長くなる一方、最下位ビットの重みに応じた期間が非常に短くなる。そこで、第1の発明における特定のビットには、少なくとも、前記階調データの最下位ビットが含まれることとして、最下位ビットに対応するサブフィールドでは、第1のモードを選択する方法が望ましい。
【0011】
また、第1の発明において第1のモードでは、1サブフィールドにおいて、画素に対するオン(またはオフ)の指示を、当該ビットの重みに応じた期間を挟んで2回行う必要がある。この際、すべての走査線を選択する前に、当該ビットの重みに応じた期間が経過してしまう場合がある。そこで、このような場合、前記第1のモードが選択されるサブフィールドでは、前記走査線を所定本数毎にブロック化し、当該サブフィールド内において、前記各ブロックを所定の順番で選択するとともに、選択ブロック内において、当該ブロックに属する走査線を順次選択して、選択した走査線に係る画素を、当該ビットの重みに応じた期間、当該ビットの値にしたがってオン状態(またはオフ状態)とした後、当該ブロックに属する走査線を再び順次選択して、選択した走査線に係る画素をオフ状態(またはオン状態)とする方法が望ましい。この方法によれば、第1のモードが選択されるサブフィールドにおいて、画素に対するオン(またはオフ)の指示を、1当該ビットの重みに応じた期間を挟んで2回行う際に、すべての走査線を選択する前に、当該ビットの重みに応じた期間が経過してしまう場合であっても、画素に対するオン(またはオフ)の指示を、当該走査線の重複を避けて、なおかつ、データの転送レートを高めることなく行うことが可能となる。
【0012】
次に本件第2の発明は、複数の走査線と複数のデータ線との各交差に対応して配設された画素の階調を前記画素のオン状態とオフ状態とによって制御する電気光学装置の駆動回路であって、1フィールドを複数のサブフィールドに分割し、前記画素の階調を指示する階調データの各ビットに、互いに異なるサブフィールドを対応させ、そのうち、特定のビットに対応するサブフィールドの期間については当該特定のビットの重みに対応する期間よりも長い期間に設定する一方、前記特定のビットに対応しないサブフィールドの期間については、それに対応するビットの重みにしたがった期間に設定し、各サブフィールドについて、当該サブフィールドに対応するビットが前記特定のビットであれば、第1のモードで駆動を行う一方、当該サブフィールドに対応するビットが特定のビットでなければ、第2のモードで駆動を行い、(i)前記第1のモードの場合、前記走査線の各々を、当該サブフィールドに対応するビットの重みに対応する期間を置いて2回、所定の順番で選択する一方、前記第2のモードの場合、前記走査線の各々を順次選択する走査線駆動回路と、(ii)前記第1のモードの場合に、前記走査線駆動回路によって走査線が選択されたとき、当該走査線に係る画素に対して、当該ビットの値に応じたビットデータを、対応するデータ線を介して供給するとともに、再び同じ走査線が選択されたとき、当該画素をオフ状態とするビットデータを供給する一方、前記第2のモードの場合に、前記走査線駆動回路によって走査線が選択されたとき、当該走査線に係る画素に対して、当該ビットの値に応じたビットデータを、対応するデータ線を介して供給するデータ線駆動回路とを具備することを特徴とする。
【0013】
この第2の発明においても、上記第1の発明と同様な理由により、不均一性に起因する表示ムラを抑えて高品質かつ高精細な階調表示が可能になるとともに、第2のモードを選択することによって、1サブフィールドにおけるデータの転送レートを低減することも可能となる。
【0014】
加えて、本件の第3発明は、複数の走査線と複数のデータ線との各交差に対応して配設される画素を備え、1フィールドを複数のサブフィールドに分割し、
前記画素の階調を指示する階調データの各ビットに、互いに異なるサブフィールドを対応させ、そのうち、特定のビットに対応するサブフィールドの期間については当該特定のビットの重みに対応する期間よりも長い期間に設定する一方、前記特定のビットに対応しないサブフィールドについては、それに対応するビットの重みにしたがった期間に設定し、各サブフィールドについて、当該サブフィールドに対応するビットが前記特定のビットであれば、第1のモードで駆動を行う一方、当該サブフィールドに対応するビットが特定のビットでなければ、第2のモードで駆動を行い、(i)前記第1のモードの場合、前記走査線の各々を、当該サブフィールドに対応するビットの重みに対応する期間を置いて2回、所定の順番で選択する一方、前記第2のモードの場合、前記走査線の各々を順次選択する走査線駆動回路と、(ii)前記第1のモードの場合に、前記走査線駆動回路によって走査線が選択されたとき、当該走査線に係る画素に対して、当該ビットの値に応じたビットデータを、対応するデータ線を介して供給するとともに、再び同じ走査線が選択されたとき、当該画素をオフ状態とするビットデータを供給する一方、前記第2のモードの場合に、前記走査線駆動回路によって走査線が選択されたとき、当該走査線に係る画素に対して、当該ビットの値に応じたビットデータを、対応するデータ線を介して供給するデータ線駆動回路とを具備することを特徴とする電気光学装置である。
【0015】
ここで、第3の発明において、画素電極と対向電極の間に介在される電気光学材料に直流成分が印加されると、当該電気光学材料が劣化する場合があるので、画素電極と電気光学材料を介在して対向する対向電極に印加される電圧レベルを所定の期間毎に反転させるとともに、この反転に応じて、前記ビットデータの電圧を、前記対向電極に印加される電圧レベルを基準として反転させる構成や、前記画素電極と電気光学材料を介在して対向する対向電極に印加される電圧レベルを一定とするとともに、前記ビットデータの電圧を、前記対向電極に印加される電圧レベルを基準として、所定の期間毎に反転させる構成などが望ましい。
【0016】
さらに、上記目的を達成するために、本件第4の発明は、上記電気光学装置を備えているので、不均一性に起因する表示ムラを抑えて高品質かつ高精細な階調表示が可能になるとともに、第2のモードを選択することによって、1サブフィールドにおけるデータの転送レートを低減することも可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。この実施形態に係る電気光学装置は、電気光学材料として液晶を用いた液晶装置であり、後述するように素子基板と対向基板とが、互いに一定の間隙を保って貼付され、この間隙に電気光学材料たる液晶が挟持される構成となっている。また、本実施形態に係る電気光学装置では、素子基板において画素を駆動するTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)とともに、周辺駆動回路などが形成されたものである。
【0018】
<電気的な構成>
図1は、この電気光学装置100の電気的な構成を示すブロック図である。図において、(dcba)は、画素の濃度を4ビットで指示する階調データであって、LSBを“a”とし、3SBを“b”とし、2SBを“c”とし、MSBを“d”として、一般的に表記したものである。すなわち、本実施形態に係る電気光学装置100は、16階調表示を行うものである。なお、この階調データ(dcba)は、図示せぬ上位装置から、垂直走査信号Vs、水平走査信号Hsおよびドットクロック信号DCLKに同期して、画素毎に対応して供給される。
【0019】
次に、制御回路200は、垂直走査信号Vs、水平走査信号Hsおよびドットクロック信号DCLK、階調データ(dcba)にしたがって、次に説明する各種の信号を生成するものである。
【0020】
まず、第1に、信号Lcomは、本実施形態では図10に示されるように1フィールド1f(1フレーム)毎にレベル反転する信号であり、後述するように対向基板の対向電極に印加される。なお、スタートパルスSfpは、1フィールドを6分割したサブフィールドsf0〜sf5の開始を規定するパルス信号であるが、制御回路200の内部処理、例えばサブフィールド番号(現時点におけるサブフォールドがどのサブフィールドを示す番号)の認識処理等に用いられるため、外部からは見えない。
【0021】
第2に、ラッチパルスLPは、図10に示されるように、サブフィールドsf0〜sf5の各水平走査期間の最初に、それぞれ出力されるパルス信号である。なお、説明の便宜上、ラッチパルスLPの出力周期を1H(すなわち1水平走査期間)と表記し、また、第n番目の1水平走査期間をHnと表記する。例えば、「240H」とは、ラッチパルスLPの出力周期の240倍に相当する240水平走査期間を意味する一方、H240とは、第240番目の1水平走査期間を意味する。
【0022】
第3に、クロック信号CLYは、後述する走査線駆動回路130においてデータ転送に用いられる信号である。第4に、データDyは、サブフィールドsf0〜sf5の各水平走査期間において選択すべき走査線を、クロック信号CLYに同期して示すシリアルデータである。なお、その詳細については後述する。第5に、クロック信号CLXは、いわゆるドットクロックを規定する信号であり、後述するデータ駆動回路140においてデータ転送に用いられる信号である。第6に、ビットデータDsは、各サブフィールドにおいて各画素に印加される2値的なデータ信号であり、選択された走査線に位置する画素への階調データの各ビットa、b、c、dおよびビットh(後述する)のうち、現状のサブフィールドに対応するものが、その1水平走査期間前に、クロック信号CLXに同期して供給される。すなわち、ビットデータDsは、シリアルデータとして供給される。なお、その詳細については後述する。
【0023】
一方、素子基板上における表示領域101aには、複数本の走査線112が、図1においてX(行)方向に延在して形成され、また、複数本のデータ線114が、Y(列)方向に沿って延在して形成されている。そして、走査線112とデータ線114との各交差には、後述する画素110が設けられて、マトリクス状に配列している。ここで、説明の便宜上、本実施形態では、走査線112の総本数を240本とし、データ線114の総本数320本として、240行×320列のマトリクス型表示装置として説明するが、本発明をこれに限定する趣旨ではない。
【0024】
次に、走査線駆動回路130は、240本の走査線112の各々に、それぞれ走査信号G1、G2、G3、…、G240を供給して、1Hの期間においていずれか1本の走査線112を選択するものであり、また、データ線駆動回路140は、選択された走査線112に係る1行分の画素110に対し、320本のデータ線114を介して、それぞれデータ信号d1、d2、d3、…、d320を供給するものである。なお、走査線駆動回路130およびデータ線駆動回路140の詳細については後述するものとする。
【0025】
ところで、走査線駆動回路130や、データ線駆動回路140、制御回路200などは、図示しない単一の電源回路を電源として動作する。したがって、これらの回路各部から出力される信号のHレベルおよびLレベルは、この電源回路の高位側電圧Vddおよび低位側電圧Vss(=GND)と一致している。
【0026】
なお、TFT116のゲート電圧振幅は、すなわち、走査信号G1、G2、G3、…、G240の電圧振幅は、例えば後述する図2(a)に示すような画素構成の場合、データ線114に印加されるデータ信号の電圧振幅(Vdd−Vss)よりも高める必要が生じるときがでてくるので、そのときには、走査線駆動回路130の最終段(図3において第2のラッチ回路1330の後段)に電圧振幅を大きくするためのレベルシフタが、各走査線112に対応して設けられる(図示省略)。ただし、図2(b)に示すような画素構成を用いて、各画素を電源電圧VddまたはVssの2値によってデジタル駆動する場合には、このようなレベルシフタは不要となり、バッファを介して走査信号を出力すれば済む。
【0027】
<画素の構成>
次に、画素110の詳細構成について説明する。図2(a)は、この電気光学装置における1個分の画素110の一例を示す回路図である。なお、この図では、一般化して説明するために、図1において上から数えてi(iは、1≦i≦240を満たす整数)番目の走査線112と、左から数えてj(jは、1≦j≦320を満たす整数)番目のデータ線114との交差に対応する画素110を示している。
【0028】
この図に示されるように、スイッチング素子の一例たるTFT116のゲートが走査線112に、そのソースがデータ線114に、そのドレインが画素電極118に、それぞれ接続されるとともに、画素電極118と対向電極108との間に電気光学材料たる液晶105が挟持されて液晶層が形成された構成となっている。ここで、対向電極108は、後述するように、実際にはすべての画素電極118と対向するように対向基板の一面に形成された共通電極である。なお、対向電極108には、本実施形態に係る電気光学装置においては、前述したように信号Lcomが印加されて、1フィールド毎にレベル反転する構成となっている。また、TFT116のドレイン(画素電極118)と容量電極との間には、蓄積容量119が液晶層とは並列に形成されて、液晶層に蓄積される電荷が急激にリークするのを防止している。ここで、容量電極としては専用の容量線を用いることが好ましく、そこには対向電極108と同じく信号Lcomが印加される。
【0029】
さて、図2(a)に示される構成では、TFT116として一方のNチャネル型のみが用いられているために、TFTの寄生容量による液晶への印加電圧降下を防ぐためのオフセット電圧が必要となるが、図2(b)に示されるように、Pチャネル型TFTとNチャネル型TFTとを相補的に組み合わせた構成とすれば、オフセット電圧の影響をキャンセルすることができる。ただし、この相補型構成では、走査信号として互いに排他的レベルを供給する必要が生じるため、1行分の画素110に対して走査線112a、112bの2本が必要となり、構成的には若干不利である。
【0030】
<理論的前提>
ここで、走査線駆動回路130およびデータ線駆動回路140について詳述する前に、本実施形態に係る電気光学装置による階調表示の理論的前提について簡単に説明することとする。
【0031】
一般に、電気光学材料として液晶を用いた液晶装置において、画素を構成する液晶層に印加される電圧実効値(印加する電圧を一定として、オン電圧のパルス幅を変化させた場合)と相対透過率(または反射率)との関係は、電圧無印加状態において黒表示を行うノーマリーブラックモードを例にとれば、図5に示されるような関係にある。すなわち、液晶層に印加される電圧実効値がA(V)からB(V)までの範囲内において、透過率が変化する関係となっている。なお、相対透過率とは、透過光量(または反射光量)の最低値および最高値を、それぞれ0%および100%として正規化したものである。
【0032】
ここで、説明の便宜上、透過率0%を指示する階調データを(0000)とし、以降、透過率が高くなる方向に、順番に階調データを(0001)、(0010)、(0011)、……、(1111)とすると、従来では、これらの階調データに対応するアナログ電圧が、データ線114を介して液晶層に印加される構成となっていた。このため、「従来の技術」の欄で説明したように、アナログ電圧は、D/A変換回路やオペアンプなどのアナログ回路の特性や、各種の配線抵抗などのばらつきによる影響を受けやすく、さらに、この影響が画素同士でみて不均一となり易いので、高品質かつ高精細な階調表示が困難であった。
【0033】
そこでまず、次のような第1の構成を想定する。詳細には、データ線に印加する信号を2値的なビットデータDsとするとともに、このビットデータDsを用いて、1フィールドの期間において液晶層に印加される電圧実効値をパルス幅制御するという第1の構成を想定する。すなわち、この第1の構成では、液晶層に印加される瞬間的な電圧が、ビットデータDsにしたがって2値化されるとともに、1フィールドの期間にわたって液晶層に印加される電圧実効値が、階調データにしたがって制御される。
【0034】
ここで、図6(a)に示されるように、1フィールドを6つのサブフィールドsf0〜sf5に分割し、このうち、サブフィールドsf2、sf3、sf4、sf5の各期間を、それぞれ階調データの各ビットa、b、c、dの重みに対応させて、1:2:4:8の比に設定する。
【0035】
この際、サブフィールドsf2、sf3、sf4、sf5においては、各画素に対し、当該画素に対応する階調データの各ビットa、b、c、dの値に応じたビットデータDsをデータ信号として供給して、書き込みを行うものとする。
【0036】
一方、ビットhは、階調データが(0000)のときのみ「0」であり、それ以外のときでは「1」となるものである。そして、サブフィールドsf0にあっては、ビットhの値に応じたビットデータDsをデータ信号として供給するものとする。さらに、サブフィールドsf1にあっては、階調データにかかわらず、液晶層に電圧を印加しないことを指示するビットデータDsを、データ信号として供給するものとする。ここで、サブフィールドsf0、sf1の各期間は、この期間に印加される電圧実効値が、図5におけるA(V)に相当する電圧となるようにそれぞれ設定される。
【0037】
そして、対向電極108に印加される信号LcomがLレベルである場合において、ある画素の階調データに対応するビットa、b、c、dまたはhが「1」のとき、それに対応するビットデータDsをHレベルとする一方、ビットa、b、c、dまたはhが「0」のとき、それに対応するビットデータDsをLレベルとする。反対に、信号LcomがHレベルである場合において、ある画素の階調データに対応するビットa、b、c、dまたはhが「1」のとき、それに対応するビットデータDsをLレベルとする一方、ビットa、b、c、dまたはhが「0」のとき、それに対応するビットデータDsをLレベルとする。
【0038】
このような第1の構成において、ある画素の液晶層に印加される電圧Dotは、図6(a)に示されるようなものとなる。すなわち、階調データが(0000)以外であれば、ビットhの重みに応じた電圧の印加によって、図5においてA(V)に相当する電圧がオフセットされるとともに、このオフセットされた電圧A(V)に、階調データの重みに対応した電圧が加算されることになる。このため、(0000)の階調データに対しては、実質的にゼロの電圧実効値が対応するとともに、(0000)を除く15個の階調データに対しては、A(V)からB(V)までの範囲で、それぞれ異なる電圧実効値を1対1に対応するので、各階調データに対応した階調表示を行うことが可能となる。
【0039】
なお、A(V)に相当する電圧は、液晶材料や、基板間隙、温度などのパラメータによって変化するので、実際には、サブフィールドsf0、sf1の各期間は、これらのパラメータを考慮して設定される。また、ビットhについては、例えば各ビットa、b、c、dの論理和を求めることで容易に生成可能である。
【0040】
ところで、各サブフィールドにおいては、すべての画素の液晶層に対し、データ信号としてのビットデータDsを書き込む必要がある。このためには、各サブフィールドにおいて、走査線を1本ずつ順次選択するとともに、選択した走査線に位置する画素に対し、データ線を介してデータ信号(ビットデータDs)を供給しなければならない。
【0041】
しかしながら、第1の構成において、サブフィールドsf2〜sf5は、ビットa、b、c、dの重みに対応した期間に設定されるため、特にLSBたるビットaに対応するサブフィールドsf2、および、3SBたるビットbに対応するサブフィールドsf3の各期間は非常に短い。具体的には、サブフィールドsf2の期間は、MSBに対応するサブフィールドsf5に比べて1/8しかなく、同様に、サブフィールドsf3の期間は、サブフィールドsf5に比べて1/4しかない。このため、第1の構成では、期間の短いサブフィールドsf2、sf3においても、書き込みを完了しなければならないので、データの転送レートが極めて高くなってしまう、という問題が想定される。
【0042】
そこで、本実施形態に係る電気光学装置では、図6(b)に示されるように、第1に、比較的短い期間のサブフィールドsf2、sf3については、第1のモードで駆動する構成する一方、比較的長い期間のサブフィールドsf0、sf4、sf5については、従来の駆動方式に相当する第2のモードで駆動する構成となっている。詳細には、サブフィールドsf2、sf3については、同図に示されるように期間を拡大するとともに、拡大した期間内において、対応するビットの重みに対応する期間だけオンさせる構成となっている。
【0043】
ここで、説明の便宜上、サブフィールドsf0、sf1、sf2、sf3、sf4、sf5の期間を、それぞれ240H、240H、480H、480H、240H、480Hに相当する期間に設定し、さらに、サブフィールドsf2においてオンさせる期間をビットaの重みに対応して60Hに相当する期間とし、同様に、サブフィールドsf3においてオンさせる期間を、ビットbの重みに対応して120Hに相当する期間とする。
【0044】
また、本実施形態にあっては、サブフィールドsf2、sf3において、ビットa、bの値に応じたビットデータDsをデータ信号として供給して液晶層に印加し、そのビットの重みに対応する期間が経過した後、当該液晶層に印加する電圧をゼロとして、当該画素をオフさせる必要がある。すなわち、サブフィールドsf2、sf3では、1本の走査線について着目した場合、2回選択する必要がある。
【0045】
しかしながら、走査線112の本数は「240」であるので、サブフィールドsf2にあっては、すべての走査線112を選択する前に、ビットaの重みに対応する60Hの期間が経過してしまう。同様に、サブフィールドsf3にあっては、すべての走査線112を選択する前に、ビットbの重みに対応する120Hの期間が経過してしまう。そこで、本実施形態に係る電気光学装置にあっては、第2に、サブフィールドsf2では、図7に示されるように、また、サブフィールドsf3では図8に示されるように、それぞれ走査線を選択する構成となっている。
【0046】
すなわち、サブフィールドsf2では、図7に示されるような走査信号G1〜G240を供給して、第1に、走査線112を上から数えて1本目から60本目まで順番に選択して、ビットaに対応する書き込みを行った後、再び、1本目から60本目まで順番に選択して、オフの書き込みを行い、第2に、走査線112を上から数えて61本目から120本目まで順番に選択して、ビットaに対応する書き込みを行った後、再び、61本目から120本目まで順番に選択して、オフの書き込みを行い、第3に、走査線112を上から数え121本目から180本目まで順番に選択して、ビットaに対応する書き込みを行った後、再び、121本目から180本目まで順番に選択して、オフの書き込みを行い、第4に、走査線112を上から数え181本目から240本目まで順番に選択して、ビットaに対応する書き込みを行った後、再び、181本目から240本目まで順番に選択して、オフの書き込みを行う構成となっている。
【0047】
また、サブフィールドsf3では、図8に示されるような走査信号G1〜G240を供給して、第1に、走査線112を上から数えて1本目から120本目まで順番に選択して、ビットaに対応する書き込みを行った後、再び、1本目から120本目まで順番に選択して、オフの書き込みを行い、第2に、走査線112を上から数えて121本目から240本目まで順番に選択して、ビットaに対応する書き込みを行った後、再び、121本目から240本目まで順番に選択して、オフの書き込みを行う構成となっている。
【0048】
また、サブフィールドsf0、sf1、sf4またはsf5では、図9に示されるような走査信号G1〜G240を供給して、走査線112を上から数えて1本目から240本目まで順番に選択して、それぞれ、ビットh、オフに相当するビット、ビットc、または、ビットdに対応する書き込みを行う構成となっている。
【0049】
なお、図7、図8および図9において、Dot1〜Dot240とは、上から数えて1本目〜240本目に位置する画素において書き込まれる電圧を一般的に示したものである。
【0050】
このように本実施形態にあって、サブフィールドsf2、sf3の第1のモードと、サブフィールドsf0、sf1、sf4、sf5の第2のモードとでは、1サブフィールドにおける駆動方式が相違しているので、さらに、第1のモードにおけるサブフィールドsf2と、sf3とでは、走査線112を選択する順番が相違しているので、走査線駆動回路130は、次のような構成を採用して、任意の水平走査期間において任意の走査線を1本選択することが可能な構成となっている。
【0051】
<走査線駆動回路>
そこで、本実施形態で採用される走査線駆動回路130について説明する。図3は、走査線駆動回路の構成を示すブロック図である。
【0052】
この図に示されるように、走査線駆動回路130は、Yシフトレジスタ1310と、第1のラッチ回路1320と、第2のラッチ回路1330とから構成されている。このうち、Yシフトレジスタ1310は、各水平走査期間の最初に供給されるラッチパルスLPをクロック信号CLYにしたがって転送し、ラッチ信号T1、T2、T3、…、T240として順次供給するものである。次に、第1のラッチ回路1320は、データDyを、ラッチ信号T1、T2、T3、…、T240の立ち下がりにおいて順次ラッチするものである。そして、第2のラッチ回路1330は、第1のラッチ回路1320によりラッチされた240個のデータDyの各々を、次の水平走査期間に対応するラッチパルスLPの立ち下がりにおいて一斉にラッチするとともに、走査線112の各々に走査信号G1、G2、G3、…、G240として供給するものである。図では、データDyは一系列で伝送されるようになっているが、データDyを複数系列並列に伝送し、Yシフトレジスタ1310からのラッチ信号によって、複数系列のデータDyを複数の第1のラッチ回路1320に同時にラッチさせて、Yシフトレジスタ1310の段数を少なく構成してもよい。
【0053】
すなわち、この走査線駆動回路130は、ある1水平走査期間において、データDyを走査線112の本数に相当する240個順次ラッチした後、ラッチした240個のデータDyの各々を、次の水平走査期間において、それぞれ対応する走査線112に走査信号G1、G2、G3、…、G240として一斉に供給する構成となっている。
【0054】
このため、制御回路200は、ある1水平走査期間において、ある走査線112を選択する場合、その前の水平走査期間においては、その走査線112を選択するデータDyであって、他の走査線112については非選択とするデータDyを、クロック信号CLYに同期してシリアルに供給する構成となっている。ここで、データDyのHレベルは、走査線112の選択に対応し、Lレベルが非選択に対応しているとすると、例えば図7に示されるように、サブフィールドsf2の水平走査期間H361においては、上から数えて181本目の走査線を選択する必要があるため、制御回路200は、その1水平走査期間だけ前の水平走査期間H360においては、その181本目の走査線112に対応するデータDyのみをHレベルとし、他の走査線112に対応するデータDyについてはLレベルとする。
【0055】
<データ線駆動回路>
次に、データ線駆動回路140の詳細構成について図4を参照して説明する。この図に示されるように、データ線駆動回路140は、供給される信号が相違する以外、走査線駆動回路130と同一構成である。すなわち、データ線駆動回路140は、Xシフトレジスタ1410と、第1のラッチ回路1420と、第2のラッチ回路1430とから構成される点において走査線駆動回路130と共通している。このうち、Xシフトレジスタ1410は、各水平走査期間の最初に供給されるラッチパルスLPをクロック信号CLXにしたがって転送し、ラッチ信号S1、S2、S3、…、S320として順次供給するものである。次に、第1のラッチ回路1420は、ビットデータDsをラッチ信号S1、S2、S3、…、S320の立ち下がりにおいて順次ラッチするものである。そして、第2のラッチ回路1430は、第1のラッチ回路1420によりラッチされたビットデータDsの各々をラッチパルスLPの立ち下がりにおいて一斉にラッチするとともに、データ線114の各々にデータ信号d1、d2、d3、…、d320として供給するものである。図では、ビットデータDsは一系列で伝送されるようになっているが、ビットデータDsを複数系列並列に伝送し、Xシフトレジスタ1410からのラッチ信号によって、複数系列のビットデータDsを複数の第1のラッチ回路1420に同時にラッチさせて、Xシフトレジスタ1410の段数を少なく構成してもよい。
【0056】
すなわち、このデータ線駆動回路140は、ある1水平走査期間において、ビットデータDsをデータ線114の本数に相当する320個順次ラッチした後、ラッチした320個のビットデータDsの各々を、次の水平走査期間において、それぞれ対応するデータ線114にデータ信号d1、d2、d3、…、d320として一斉に供給する構成となっている。
【0057】
このため、制御回路200は、ある1水平走査期間において、ある走査線112を選択する場合、その前の水平走査期間においては、その走査線112に係る1行分の画素110に対応するビットデータDsを、クロック信号CLXに対応してシリアルに供給する構成となっている。
【0058】
さらに、制御回路200は、ビットデータDsを、サブフィールドsf0ではビットhに対応させ、サブフィールドsf1では画素をオフさせるビットに対応させ、サブフィールドsf2ではビットaに対応させ、サブフィールドsf3ではビットbに対応させ、サブフィールドsf4ではビットcに対応させ、サブフィールドsf5ではビットdに対応させて出力する。
【0059】
ここで、対向電極108に印加される信号Lcomは、1フィールド毎にレベル反転されるので、この電位を考慮して、ビットデータDsのレベルを設定する必要がある。すなわち、制御回路200は、信号LcomをLレベルとするフィールドでは、画素の階調データ(dcba)のうち、サブフィールドおよび選択走査線に対応するビット(またはビットh)を、そのまま正転してHレベルをビットデータDsとして出力する一方、信号LcomをHレベルとするフィールドでは、画素の階調データ(dcba)のうち、対応するビット(またはビットh)をレベル反転してビットデータDsとして出力することとなる。なお、ここでいう正転とは、ビットの値が「1」であればHレベルを出力する一方、ビットの値が「0」であればLレベルを出力することを言う。また、反転とは、ビットの値が「1」であればLレベルを出力する一方、ビットの値が「0」であればHレベルを出力することを言う。
【0060】
なお、制御回路200は、データDyおよびビットデータDsを出力するために、1フィールドにおいて、いずれのサブフィールドであるか、さらに、1サブフィールドにおいて、いずれの水平走査期間であるか、をそれぞれ認識する必要がある。これらについては、スタートパルスSfp、または、ラッチパルスLPをカウントして、これらのカウント結果を参照することで認識可能である。
【0061】
<動作>
次に、本実施形態に係る電気光学装置の動作について説明する。図10および図11は、この電気光学装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。信号Lcomは、図10に示されるように、1フィールド(1f)毎にレベル反転して、対向電極108に印加される。ここで、信号LcomがLレベルである1フィールド(1f)について、サブフィールドsf0〜sf5の順番で説明する。
【0062】
<サブフィールドsf0>
まず、サブフィールドsf0の最初にラッチパルス信号LPが供給されると、走査線駆動回路130(図1および図3参照)では、クロック信号CLYにしたがった転送によって、ラッチ信号T1、T2、T3、…、T240が、図11に示されるように、第0番目の水平走査期間H0にわたって順次出力される。なお、ラッチ号T1、T2、T3、…、T240は、それぞれクロック信号CLYの半周期に相当するパルス幅を有している。
【0063】
ここで、サブフィールドsf0において、1番目の1水平走査期間H1で選択すべきは、上から数えて1本目の走査線112である。このため、制御回路200は、ラッチ信号T1の立ち下がりにおいてだけHレベルとなるデータDyを出力する一方、図3における第1のラッチ回路1320は、ラッチ信号T1の立ち下がりにおいて、HレベルのデータDyをラッチし、以降、ラッチ信号T2、T3、…、T240の各立ち下がりにおいて、LレベルのデータDyをラッチする。
【0064】
これにより、第1のラッチ回路1320は、上から数えて1本目の走査線112のみを選択し、他の走査線112については選択しない旨を示すデータDyを、0番目の水平走査期間において順次ラッチすることになる。なお、制御回路200は、第1のラッチ回路1320によるラッチのタイミングに合わせて、データDyを出力することはいうまでもない。
【0065】
一方、データ線駆動回路140(図1および図4参照)において、サブフィールドsf0の最初にラッチパルス信号LPが供給されると、クロック信号CLXにしたがった転送によって、ラッチ信号S1、S2、S3、…、S320が、図11に示されるように、0番目の1水平走査期間H0にわたって順次出力される。なお、ラッチ号S1、S2、S3、…、S320は、それぞれクロック信号CLXの半周期に相当するパルス幅を有している。
【0066】
この際、図4における第1のラッチ回路1420は、ラッチ信号S1の立ち下がりにおいて、上から数えて1本目の走査線112と、左から数えて1本目のデータ線114との交差に対応する画素110へのビットデータDsをラッチし、次に、ラッチ信号S2の立ち下がりにおいて、上から数えて1本目の走査線112と、左から数えて2本目のデータ線114との交差に対応する画素110へのビットデータDsをラッチし、以下、同様に、上から数えて1本目の走査線112と、左から数えて320本目のデータ線114との交差に対応する画素110へのビットデータDsをラッチする。なお、このサブフィールドsf0において出力されるビットデータDsは、ビットhの値に対応したものである。
【0067】
これにより、データ線駆動回路140においては、第1のラッチ回路1420が、上から数えて1本目の走査線112に係る画素1行分のビットデータDsを順次ラッチすることになる。なお、制御回路200は、各画素の階調データ(dcba)を判断してビットhを生成するとともに、第1のラッチ回路1420によるラッチのタイミングに合わせて出力することはいうまでもない。また、ここでは、信号LcomがLレベルの場合を想定しているので、ビットhとビットデータDsとは正転の関係にある。
【0068】
次に、ラッチパルスLPが再度出力された後、立ち下がって1番目の水平走査期間H1に至ると、走査線駆動回路130の第2のラッチ回路1330は、順次ラッチされたデータDyを、当該立ち下がりタイミングにおいて、対応する走査線112に、それぞれ走査信号G1、G2、G3、…、G240として一斉に印加する。この際、走査信号G1のみがHレベルとなるので、上から数えて1本目の走査線112のみが選択されて、当該走査線112に係る画素110のTFT116がすべてオンとなる。
【0069】
さらに、これらの走査信号の出力と並行して、走査線駆動回路130では、第1のラッチ回路1320が、上から数えて2本目の走査線112のみを選択するためのデータDyを、同様に順次ラッチする。
【0070】
一方、データ線駆動回路140において、再出力に係るラッチパルスLPが立ち下がると、第2のラッチ回路1430が、当該立ち下がりタイミングにて、順次ラッチされたビットデータDsを、対応するデータ線114に、それぞれデータ信号d1、d2、d3、…、d320として一斉に供給する。このため、上から数えて1行目の画素110においては、データ信号d1、d2、d3、…、dnの書き込みが一斉に行われることとなる。
【0071】
また、この書き込みと並行して、データ線駆動回路140においては、第1のラッチ回路1420が、上から数えて2本目の走査線112に係る画素1行分のビットデータであって、階調データ(dcba)から生成されたビットhの値に対応するビットデータDsを順次ラッチする。
【0072】
そして、サブフィールドsf0においては、以降同様な動作が、第240番目の水平走査期間H240において、上から数えて240本目の走査線112にHレベルとなる走査信号G240が出力されるまで繰り返される。すなわち、ある走査線112に係る画素1行分にデータ信号d1、d2、d3、…、d320の書き込みが行われる水平走査期間では、走査線駆動回路130にあっては、その次の水平走査期間で選択すべき走査線112を示すデータDyが順次ラッチされる一方、データ線駆動回路140にあっては、当該走査線に係る画素110の1行分のビットデータDsが順次ラッチされることとなる。
【0073】
<サブフィールドsf1>
続いて、サブフィールドsf1は、サブフィールドsf0と同様な書き込みが行われる。ただし、このサブフィールドsf1におけるビットデータDsは、階調データ(dcba)にかかわらず、画素の液晶層に印加される電圧をゼロ(オフ)とするビットである。ここで、対向電極108に印加される信号LcomはLレベルであるから、制御回路200は、LレベルのビットデータDsを出力する。
【0074】
したがって、サブフィールドsf1にあっては、図9に示されるように、水平走査期間H1にて、上から数えて1番目の走査線112が選択されて、当該選択走査線112に係る全画素110にLレベルのデータ信号(ビットデータDs)が書き込まれ、次に、水平走査期間H2にて、2番目の走査線112が選択されて、当該選択走査線112に係る全画素110に対してLレベルのデータ信号が書き込まれる。そして、以降、水平走査期間H240にて、240番目の走査線112が選択されて、当該選択走査線112に係る全画素110にLレベルのデータ信号が書き込まれるまで、同様な動作が1水平走査期間毎に繰り返し行われることになる。
【0075】
<サブフィールドsf2>
次に、第1のモードのうち、サブフィールドsf2の動作について説明する。上述したように、サブフィールドsf2におけるビットデータDsは、階調データ(dcba)のうち、ビットaの値に対応したものである。ここで、対向電極108に印加される信号LcomはLレベルであるため、サブフィールドsf2において、制御回路200は、1回目の選択では、ビットaの値が「1」であればHレベルとなり、ビットaの値が「0」であればLレベルとなるビットデータDsを出力し、2回目の選択では、ビットaの値にかかわらずLレベルのビットデータDsを出力する。
【0076】
したがって、サブフィールドsf2にあっては、図7に示されるような書き込みが行われることになる。すなわち、第1に、上から数えて1本目〜60本目の走査線112に係る画素110に対し、ビットaにしたがったビットデータDsが書き込まれた後、ビットaの重みに対応する60Hの期間が経過すればオフにされ、第2に、61本目〜120本目の走査線112に係る画素110に対し、ビットaにしたがったビットデータDsが書き込まれた後、ビットaの重みに対応する60Hの期間が経過すればオフにされ、第3に、121本目〜180本目の走査線112に係る画素110に対し、ビットaにしたがったビットデータDsが書き込まれた後、ビットaの重みに対応する60Hの期間が経過すればオフにされ、第4に、181本目〜240本目の走査線112に係る画素110に対し、ビットaにしたがったビットデータDsが書き込まれた後、ビットaの重みに対応する60Hの期間が経過すればオフにされる。
【0077】
詳細には、水平走査期間H1にて、1番目の走査線112が選択され、当該選択走査線112に係る画素110に、ビットaの値にしたがったビットデータDsが、対応するデータ線114を介しデータ信号として書き込まれ、次に、水平走査期間H2にて、2番目の走査線112が選択され、当該選択走査線112にに係る画素110に対し同様にビットデータDsがデータ信号として書き込まれる。以降、水平走査期間H60にて、上から数えて60番目の走査線112が選択されて、当該選択走査線112に係る画素110に対し、ビットaの値にしたがったビットデータDsが書き込まれるまで、同様な動作が1水平走査期間毎に繰り返し行われる。
【0078】
そして、次の水平走査期間H61にて、1番目の走査線112が再び選択され、当該選択走査線112に位置する1行分の画素110にLレベルのビットデータDsが書き込まれて、当該1行分の画素がオフにされ、次に、水平走査期間H62にて、上から数えて2番目の走査線112が再び選択され、当該選択走査線112に係る1行分の画素110に対し同様にLレベルのビットデータDsが書き込まれて、当該1行分の画素がオフにされる。以降、水平走査期間H120にて、60番目の走査線112が再び選択されて、当該選択走査線112に係る1行分の画素110に対し、LレベルのビットデータDsが書き込まれて、当該1行分の画素がオフにされるまで、同様な動作が1水平走査期間毎に繰り返し行われる。
【0079】
これにより、上から数えて1本目〜60本目の走査線に対応する各画素について、ビットaにしたがったビットデータDsが書き込まれた後、ビットaの重みに対応する60Hの期間が経過すればオフにされることとなる。
【0080】
そして、同様な動作が、上から数えて61本目〜120本目、121本目〜180本目、181本目〜240本目の各走査線に対応する各画素について、それぞれ水平走査期間H121〜H240、H241〜H360、H361〜H480にわたって行われて、ビットaにしたがったビットデータDsが書き込まれた後、ビットaの重みに対応する60Hの期間が経過してオフにされることとなる。
【0081】
このようなサブフィールドsf2における選択は、見方を変えれば、まず、上から数えて1本目〜60本目の走査線112からなる第1ブロックを選択して、このブロックに属する1本目〜60本目の走査線112を順次選択し、選択走査線に係る画素を、ビットaの重みに応じた期間、当該ビットaの値にしたがった書き込みを行った後、これらの走査線112を再び順次選択して、画素をオフさせ、次に、上から数えて61本目〜120本目の走査線112からなる第2ブロックを選択して、このブロックに属する61本目〜120本目の走査線112を順次選択し、選択走査線に係る画素に対して、ビットaの重みに応じた期間、当該ビットaの値にしたがった書き込みを行った後、これらの走査線を再び順次選択して、画素をオフさせ、続いて、上から数えて121本目〜180本目の走査線112からなる第3ブロックを選択して、このブロックに属する121本目〜180本目の走査線112を順次選択し、選択走査線に係る画素を、ビットaの重みに応じた期間、当該ビットaの値にしたがった書き込みを行った後、これらの走査線112を再び順次選択して、画素をオフさせ、そして、上から数えて181本目〜240本目の走査線112からなる第4ブロックを選択して、このブロックに属する181本目〜240本目の走査線112を順次選択し、選択走査線に係る画素に対して、ビットaの重みに応じた期間、当該ビットaの値にしたがった書き込みを行った後、これらの走査線を再び順次選択して、画素をオフさせたもの、ということができる。
【0082】
<サブフィールドsf3>
続いて、第1のモードのうち、サブフィールドsf3の動作について説明する。上述したように、サブフィールドsf3におけるビットデータDsは、階調データ(dcba)のうち、ビットbの値に対応したものである。ここで、対向電極108に印加される信号LcomはLレベルであるため、サブフィールドsf3において、制御回路200は、1回目の選択では、ビットbの値が「1」であればHレベルとなり、ビットbの値が「0」であればLレベルとなるビットデータDsを出力し、2回目の選択では、LレベルのビットデータDsを出力する。
【0083】
したがって、サブフィールドsf3にあっては、図8に示されるような書き込みが行われることになる。すなわち、まず、上から数えて1本目〜120本目の走査線112に係る画素110に対し、ビットbにしたがったビットデータDsが書き込まれた後、ビットbの重みに対応する120Hの期間が経過すればオフにされ、次に、121本目〜240本目の走査線112に係る画素110に対し、ビットbにしたがったビットデータDsが書き込まれた後、ビットbの重みに対応する120Hの期間が経過すればオフにされる。
【0084】
詳細には、水平走査期間H1にて、1番目の走査線112が選択され、当該選択走査線112に係る画素110に、ビットbの値にしたがったビットデータDsが、対応するデータ線114を介しデータ信号として書き込まれ、次に、水平走査期間H2にて、2番目の走査線112が選択され、当該選択走査線112にに係る画素110に対し同様にビットデータDsがデータ信号として書き込まれる。以降、水平走査期間H120にて、上から数えて120番目の走査線112が選択されて、当該選択走査線112に係る画素110に対し、ビットbの値にしたがったビットデータDsが書き込まれるまで、同様な動作が1水平走査期間毎に繰り返し行われる。
【0085】
そして、次の水平走査期間H121にて、1番目の走査線112が再び選択され、当該選択走査線112に位置する1行分の画素110にLレベルのビットデータDsが書き込まれて、当該1行分の画素がオフにされ、次に、水平走査期間H122にて、上から数えて2番目の走査線112が再び選択され、当該選択走査線112に係る1行分の画素110に対し同様にLレベルのビットデータDsが書き込まれて、当該1行分の画素がオフにされる。以降、水平走査期間H240にて、120番目の走査線112が再び選択されて、当該選択走査線112に係る1行分の画素110に対し、LレベルのビットデータDsが書き込まれて、当該1行分の画素がオフにされるまで、同様な動作が1水平走査期間毎に繰り返し行われる。
【0086】
これにより、上から数えて1本目〜120本目の走査線に対応する各画素について、ビットbにしたがったビットデータDsが書き込まれた後、ビットbの重みに対応する120Hの期間が経過すればオフにされることとなる。
【0087】
そして、同様な動作が、上から数えて121本目〜240本目の各走査線に対応する各画素について、水平走査期間H241〜H480にわたって行われて、ビットbにしたがったビットデータDsが書き込まれた後、ビットbの重みに対応する120Hの期間が経過してオフにされることとなる。
【0088】
このようなサブフィールドsf3における選択は、見方を変えれば、まず、上から数えて1本目〜120本目の走査線112からなるブロックを選択して、このブロックに属する1本目〜120本目の走査線112を順次選択し、選択走査線に係る画素を、ビットbの重みに応じた期間、当該ビットbの値にしたがった書き込みを行った後、これらの走査線112を再び順次選択して、画素をオフさせ、次に、上から数えて121本目〜240本目の走査線112からなるブロックを選択して、このブロックに属する121本目〜240本目の走査線112を順次選択し、選択走査線に係る画素に対して、ビットbの重みに応じた期間、当該ビットbの値にしたがった書き込みを行った後、これらの走査線を再び順次選択して、画素をオフさせたもの、ということができる。
【0089】
<サブフィールドsf4、sf5>
そして、サブフィールドsf4に至ると、再びサブフィールドsf1と同様な書き込みが行われる。ただし、サブフィールドsf4、sf5におけるビットデータDsは、階調データ(dcba)のうち、それぞれビットc、dの値に対応したものである。ここで、対向電極108に印加される信号LcomはLレベルである。このため、サブフィールドsf4において、制御回路200は、ビットcの値が「1」であればHレベルとなり、ビットcの値が「0」であればLレベルとなるビットデータDsを出力する。同様に、サブフィールドsf5において、制御回路200は、ビットdの値が「1」であればHレベルとなり、ビットdの値が「0」であればLレベルとなるビットデータDsを出力する。
【0090】
したがって、サブフィールドsf4、sf5にあっては、図9に示されるような書き込みが行われることになる。このような書き込みは、サブフィールドsf0、sf1と同様なので、詳細についての説明は別段要しないであろう。なお、必要に応じて走査信号とデータ信号の電位の切り替りタイミングを少しずらす場合もある。
【0091】
<信号LcomがHレベルであるフィールド>
このようにサブフィールドsf0〜sf5において書き込みが終了すると、今度は、信号LcomがHレベルとなるフィールドとなっても、各サブフィールドにおいて同様な動作が繰り返される。ただし、階調データの各ビットa、b、c、dおよびビットhと、それに対応するビットデータDsとは互いに反転の関係となる。
【0092】
<画素電極への印加波形>
次に、このような動作が行われることによって、画素110における液晶層への印加電圧について検討する。図12は、対向電極108に印加される信号Lcomの波形と、画素110における画素電極118への印加波形とを、階調データ毎にサブフィールド単位で示すタイミングチャートである。
【0093】
まず、信号LcomがLレベルである1フィールド(1f)の場合について説明する。
【0094】
この場合に、例えば、ある画素110への階調データ(dcba)が(0000)であるとき、当該画素の画素電極118には、対向電極108に印加される信号Lcomと同一電位のLレベルが1フィールド(1f)にわたって印加される。したがって、当該液晶層に印加される電圧実効値は実質的にゼロとなるので、当該画素における透過率は、階調データ(0000)に対応して0%となる。
【0095】
次に、ある画素110への階調データ(dcba)が例えば(0101)であるとき、当該画素の画素電極118には、サブフィールドsf0においてビットhの「1」に対応してHレベルが印加され、サブフィールドsf1において信号Lcomと同電位のLレベルが印加され、サブフィールドsf2のうち、60Hに相当する期間においてビットaの「1」に対応してHレベルが印加される一方、他の期間においてはLレベルが印加され、サブフィールドsf3のうち、120Hに相当する期間においてビットbの「0」に対応してLレベルが印加され、他の期間においてもLレベルが印加され、サブフィールドsf4においてビットcの「1」に対応してHレベルが印加され、サブフィールドsf5においてビットdの「0」に対応してLレベルが印加される。
【0096】
結局、階調データが(0101)である画素の液晶層には、サブフィールドsf0、sf1において、図5においてA(V)に相当する電圧が印加され、さらに、サブフィールドsf2〜sf5において、当該階調データの各ビットの値にその重みをそれぞれ乗じた期間300H(=60H+240H)だけ、Hレベルに相当する電圧が印加される結果、当該画素の濃度は、これらの電圧を加算した電圧実効値に対応した透過率となる。
【0097】
同様に、ある画素110への階調データ(dcba)が例えば(1010)であるとき、当該画素の画素電極118には、サブフィールドsf0においてビットhの「1」に対応してHレベルが印加され、サブフィールドsf1において信号Lcomと同電位のLレベルが印加され、サブフィールドsf2のうち、60Hに相当する期間においてビットaの「0」に対応してLレベルが印加され、他の期間においてもLレベルが印加され、サブフィールドsf3のうち、120Hに相当する期間においてビットbの「1」に対応してHレベルが印加される一方、他の期間においてLレベルが印加され、サブフィールドsf4においてビットcの「0」に対応してLレベルが印加され、サブフィールドsf5においてビットdの「1」に対応してHレベルが印加される。
【0098】
結局、階調データが(1010)である画素の液晶層には、サブフィールドsf0、sf1において、図5においてA(V)に相当する電圧が印加され、さらに、サブフィールドsf2〜sf5において、当該階調データの各ビットの値にその重みをそれぞれ乗じた600Hの期間(=120H+480H)だけ、Hレベルに相当する電圧が印加される結果、当該画素の濃度は、これらの電圧を加算した電圧実効値に対応した透過率となる。
【0099】
一方、信号LcomがHレベルである1フィールド(1f)において、ビットデータDsは、階調データの各ビットa、b、c、dおよびビットhと反転の関係になるので、信号LcomがLレベルであるフィールドとは、反転レベルの電圧が画素電極118に印加される。このため、HレベルとLレベルとの中間値を電圧の基準としてみた場合、信号LcomがLレベルのフィールドにおいて液晶層に印加される電圧と、信号LcomがHレベルのフィールドにおいて液晶層に印加される電圧値とは、互いに極性を反転したものであって、かつ、その絶対値は等しいものとなる。したがって、液晶層に直流成分が印加される事態が回避されて、液晶105の劣化が防止されることになる。
【0100】
このように本実施形態に係る電気光学装置によれば、データ線114に供給されるデータ信号d1〜d320が、HレベルまたはLレベルのみであって、2値的であるため、駆動回路などの周辺回路において高精度のD/A変換回路やオペアンプなどのような、アナログ信号を処理するための回路が不要となる上、素子特性や配線抵抗などの不均一性に起因する表示ムラが原理的に発生しない。さらに、本実施形態に係る電気光学装置によれば、サブフィールドsf2の期間が拡大されるとともに、その拡大期間のうち、ビットaの重みに対応する期間だけ、ビットaの値にしたがったビットデータDsが書き込まれるので、データの転送レートを低く抑えることができる。同様に、サブフィールドsf3の期間が拡大されるとともに、その拡大期間のうち、ビットbの重みに対応する期間だけ、ビットbの値にしたがったビットデータDsが書き込まれるので、データの転送レートを低く抑えることができる。
【0101】
この点について具体的に言えば、ビットaの重みに対応する期間は、60Hに相当する期間しかないので、この期間のうちに240本の走査線112をすべて選択することはできない。これに対して本実施形態では、サブフィールドsf2の期間を480Hに相当する期間に拡大して、この拡大期間のうち、ビットaの重みに対応する60Hの期間だけ、ビットaの値にしたがったビットデータDsを書き込む構成となっているので、データ転送レートを高める必要はなくなることになる。同様に、ビットbの重みに対応する期間は、120Hに相当する期間しかないので、この期間のうちに240本の走査線112をすべて選択することはできないが、サブフィールドsf3の期間を480Hに相当する期間に拡大して、この拡大期間のうち、ビットaの重みに対応する120Hの期間だけ、ビットaの値にしたがったビットデータDsを書き込む構成となっているので、データ転送レートを高める必要はなくなることになる。
【0102】
<応用形態:その1>
上述した実施形態では、交流駆動を実現するために、対向電極108に印加される信号Lcomを1フィールド毎にレベル反転するとともに、これに応じて、階調データの各ビットa、b、c、dまたはビットhの値を正転・反転してビットデータDsとして出力する構成となっていた。が、このような交流駆動は、次のような応用形態でも可能である。
【0103】
図13は、本発明の応用形態に係る電気光学装置において、対向電極108に印加される信号Lcomの波形と、画素110における画素電極118への印加波形とを、当該画素の階調データ毎に示すタイミングチャートである。
【0104】
この図に示されるように、この応用形態に係る電気光学装置は、対向電極108に印加される信号Lcomを、フィールドによらず電圧Vcで一定とする。さらに、ビットデータDsを、階調データの各ビットa、b、c、dまたはビットhの値に対して正転として固定するが、ビットデータDsのLレベルを電圧Vcで一定とする一方、ビットデータのHレベルを、電圧Vcを基準として対称な電圧V+またはV−として、フィールド毎に反転する構成となっている。
【0105】
この構成において、画素110における液晶層への印加電圧について検討すると、例えば、ある画素110への階調データ(dcba)が(0000)であるとき、当該画素の画素電極118には、対向電極108に印加される信号Lcomと同一電位のVcが印加されるので、電圧実効値は実質的にゼロとなる。
【0106】
また、ある画素の階調データ(dcba)が例えば(0011)であるとき、当該画素の画素電極118には、サブフィールドsf0においてビットhの「1」に対応してHレベルに相当する電圧V+が印加され、サブフィールドsf1において信号Lcomと同一の電圧Vcが印加され、サブフィールドsf2のうち、60Hに相当する期間においてビットaの「1」に対応してHレベルに相当する電圧V+が印加される一方、他の期間において電圧Vcが印加され、サブフィールドsf3のうち、120Hに相当する期間においてビットbの「1」に対応してHレベルに相当する電圧V+が印加される一方、他の期間において電圧Vcが印加され、サブフィールドsf4においてビットcの「0」に対応してLレベルに相当する電圧Vcが印加され、サブフィールドsf5においてビットdの「0」に対応してLレベルに相当する電圧Vcが印加される。そして、次の1フィールド(1f)にあっては、サブフィールドsf0、sf2、sf3において、電圧V+に替わって電圧V−がHレベルとして印加され、それ以外の期間では、Lレベルとして対向電極108と同一電位のVcが印加される。
【0107】
同様に、ある画素の階調データ(dcba)が例えば(1100)であるとき、当該画素の画素電極118には、サブフィールドsf0においてビットhの「1」に対応してHレベルに相当する電圧V+が印加され、サブフィールドsf1において信号Lcomと同一の電圧Vcが印加され、サブフィールドsf2のうち、60Hに相当する期間においてビットaの「0」に対応してLレベルに相当する電圧Vcが印加され、他の期間においても電圧Vcが印加され、サブフィールドsf3のうち、120Hに相当する期間においてビットbの「0」に対応してLレベルに相当する電圧Vcが印加され、他の期間においても電圧Vcが印加され、サブフィールドsf4においてビットcの「1」に対応してHレベルに相当する電圧V+が印加され、サブフィールドsf5においてビットdの「1」に対応してHレベルに相当する電圧V+が印加される。そして、次の1フィールド(1f)にあっては、サブフィールドsf0、sf4、sf5において、電圧V+に替わって電圧V−がHレベルとして印加され、それ以外の期間では、Lレベルとして対向電極108と同一電位のVcが印加される。
【0108】
ここで、電圧V+と電圧Vcとの差(電圧V−と電圧Vcとの差)が、上述した実施形態において電圧Vddと電圧Vssとの差に等しければ、電圧実効値に対応した透過率となるので、この応用形態に係る電気光学装置においても、交流駆動による階調表示が可能となる。なお、他の階調データについては、別段説明を要しないであろう。
【0109】
なお、この応用形態または上述した実施形態に係る電気光学装置にあっては、信号Lcomの反転周期、または、ビットデータDsのHレベルに対応する電圧の反転周期を1フィールドとしたが、本発明はこれに限られず、例えば2フィールド以上の長周期や、1水平走査期間あるいは2水平走査期間等の短周期でレベル反転する構成としても良い。
【0110】
<応用形態:その2>
また、画素110の構成については、図2(a)や、同図(b)に示されるものに限られず、種々のものが適用可能である。例えば、図14に示されるようなものが適用可能である。
【0111】
この図において、データ線114aには、正転のデータ信号dj(ビットデータDs)が供給される一方、データ線114bには、反転のデータ信号/djが供給される。そして、データ線114a、114bと走査線112との交差において、データ線114aを介して供給されたデータ信号djは、TFT116aを介してインバータ121の入力端に供給される一方、データ線114bを介して供給された反転データ信号/djは、TFT116bを介してインバータ122の入力端に供給される構成となっている。
【0112】
さらに、インバータ121、122にあっては、お互いに一方の出力端が他方の入力端に接続された構成となっており、このうち、インバータ121の出力信号(インバータ122の入力信号)は、オフ信号Voffを画素電極118に供給するトランスミッションゲート123の制御信号となっている一方、インバータ122の出力信号(インバータ121の入力信号)は、オン信号Vonを画素電極118に供給するトランスミッションゲート124の制御信号となっている。なお、オン信号Vonおよびオフ信号Voffが供給される信号線は、それぞれ各画素110にわたって共通である。
【0113】
ここで、上述した実施形態のように、信号Lcomを所定期間毎にレベル反転する場合、オン信号Vonは、信号Lcomとは反転レベルの信号となる一方、オフ信号Voffは、信号Lcomとは同一レベルの信号となる。
【0114】
この構成において、データ信号djとしてHレベル(反転レベル信号/djとしてLレベル)が供給されると、画素電極118には、対向電極108に印加される信号Lcomと反転レベルのオン信号Vonが印加される一方、データ信号djとしてLレベル(反転レベル信号/djとしてHレベル)が供給されると、画素電極118には、対向電極108に印加される信号Lcomと同一レベルのオフ信号Voffが印加されることとなる。したがって、この場合、制御回路200は、実施形態のように信号Lcomのレベルに応じて、階調データの各ビットa、b、c、dおよびビットhを、正転・反転してビットデータDsとして出力する必要がなくなり、ビットそのものを出力すれば良いことになる。
【0115】
また、上述した応用形態(その1)のように、信号Lcomを電圧Vcで一定とする場合、オン信号Vonは、所定の周期毎(例えば、1フィールド毎に)に、電圧V+またはV−を交互にレベル反転する一方、オフ信号Voffは、信号Lcomと同一レベル(電圧Vc)で一定の信号となる。
【0116】
この構成において、データ信号djとしてHレベル(反転レベル信号/djとしてLレベル)が供給されると、画素電極118には、V+またはV−のいずれかの電圧が印加される一方、データ信号djとしてLレベル(反転レベル信号/djとしてHレベル)が供給されると、画素電極118には、対向電極108に印加される信号Lcomと同一レベルのオフ信号Voffが印加されることとなる。したがって、この構成でも、階調データの各ビットa、b、c、dおよびビットhからビットデータDsを出力する際に、信号Lcomのレベルに応じて正転・反転する必要がなくなることになる。
【0117】
また、画素110については、図14に示される構成のほか、図15に示される構成としても良い。図15に示される画素110は、TFT116およびキャパシタC1からなる一種のDRAMを備えている。すなわち、TFT116のゲートが走査線112に、ソースがデータ線114に、ドレインがキャパシタC1の一端に接続されている。
【0118】
そして、TFT116のドレインは、信号VHおよび信号VLが供給される信号線の間で、直列接続されたPチャネル型TFT(Tb1)およびNチャネル型TFT(Tb2)のゲートにそれぞれ接続されるとともに、その出力が、画素電極118に接続されている。したがって、TFT(Tb1、Tb2)は、信号VHまたは信号VLを選択して、画素電極118に供給するアナログマルチプレクサとして機能する。なお、信号VHおよび信号VLが供給される信号線は、それぞれ各画素110にわたって共通である。
【0119】
ここで、上述した応用形態(その1)のように、信号Lcomを電圧Vcで一定とする場合、信号VHは、所定周期毎(例えば、1フィールド毎に)上述した電圧V+またはV−で交互にレベル反転する一方、信号VLは、信号VHが電圧V+をとるときに電圧Vcとなり、信号VHが電圧Vcをとるときに電圧V−となる。
【0120】
また、ビットデータDsは、信号VHが電圧V+をとるとき(信号VLが電圧Vcをとるとき)、階調データの各ビットa、b、c、dまたはビットhを反転させたものとなる一方、信号VHが電圧Vcをとるとき(信号VLが電圧V−をとるとき)、階調データの各ビットa、b、c、dまたはビットhを正転させたものとなる。
【0121】
この構成にあって、ある1フィールドにおいて信号VHが電圧V+をとるとき(信号VLが電圧Vcをとるとき)に、データ信号としてHレベルが供給されると、TFT(Ta1)がオフし、TFT(Tb2)がオンするので、画素電極118には、信号VLが供給される結果、対向電極108に印加される信号Lcomと同一レベルの電圧Vcが印加される一方、データ信号としてLレベルが供給されると、TFT(Ta1)がオンし、TFT(Tb2)がオフするので、画素電極118には、信号VHが供給される結果、対向電極108に印加される信号Lcomを正極側に反転した電圧V+が印加されることになる。
【0122】
また、この構成にあって、他の1フィールドにおいて信号VHが電圧Vcをとるとき(信号VLが電圧V−をとるとき)に、データ信号としてLレベルが供給されると、TFT(Tb2)がオフし、TFT(Tb1)がオンするので、画素電極118には、信号VHが供給される結果、対向電極108に印加される信号Lcomと同一レベルの電圧Vcが印加される一方、データ信号としてHレベルが供給されると、TFT(Tb2)がオンし、TFT(Tb1)がオフするので、画素電極118には、信号VLが供給される結果、対向電極108に印加される信号Lcomとは負極側に反転した電圧V−が印加されることになる。
【0123】
<電気光学装置の全体構成>
次に、上述した実施形態に係る電気光学装置の全体構成について図16および図17を参照して説明する。ここで、図16は、電気光学装置100の構成を示す斜視図であり、図17は、図16におけるC−C’線の断面図である。
【0124】
これらの図に示されるように、電気光学装置100は、画素電極118等が形成されたガラスや、半導体、石英などからなる素子基板102と、対向電極108等が形成されたガラスなどの透明な対向基板104とが、スペーサ107の混入されたシール材109によって一定の間隙を保って、互いに電極形成面が対向して貼り合わせられるとともに、この間隙に電気光学材料としての液晶105が封入された構造となっている。なお、シール材107は、対向基板104の周縁に沿って形成されるが、液晶105を封入するために一部が開口している。このため、液晶105の封入後に、その開口部分が封止材106によって封止されている。
【0125】
ここで、素子基板102の対向面であって、シール材109の外側一辺においては、上述したデータ線駆動回路140が形成されて、Y方向に延在するデータ線114を駆動する構成となっている。さらに、この一辺には複数の外部回路接続端子103が形成されて、制御回路200からの各種信号を入力する構成となっている。また、この一辺に隣接する2辺には、2個の走査線駆動回路130が形成されて、X方向に延在する走査線112をそれぞれ両側から駆動する構成となっている。なお、走査線112に供給される走査信号の遅延が問題にならないのであれば、走査線駆動回路130を片側1個だけに形成する構成でも良い。
【0126】
一方、対向基板104における対向電極108は、貼合部分における4隅のうち、少なくとも1箇所において設けられた導通材(図示省略)によって、素子基板102における接続端子103と電気的な導通している。すなわち、信号Lcomは、素子基板102に設けられた接続端子103を介して、蓄積容量109の一端に、さらに、導通材を介して対向電極108に、それぞれ印加される構成となっている。
【0127】
ほかに、対向基板104には、電気光学装置100の用途に応じて、例えば、直視型であれば、第1に、ストライプ状や、モザイク状、トライアングル状等に配列したカラーフィルタが設けられ、第2に、例えば、金属材料や樹脂などからなる遮光膜(ブラックマトリクス)が設けられる。なお、色光変調の用途の場合、例えば後述するプロジェクタのライトバルブとして用いる場合、カラーフィルタは形成されない。
【0128】
さらに、素子基板102および対向基板104の電極形成面には、それぞれ所定の方向にラビング処理された配向膜(図示省略)などが設けられて、電圧無印加状態における液晶分子の配向方向が規定されている。さらに、配向方向に応じた偏光子(図示省略)が、透過型であれば、素子基板102および対向基板104の外側(観察側)に、また、反射型であれば対向基板102の外側のみに、それぞれが設けられる。ただし、液晶105として、高分子分散型液晶を用いれば、前述の配向膜や偏光子などが不要となる結果、光利用効率が高まるので、高輝度化や低消費電力化などの点において有利である。
【0129】
<その他>
なお、上述した実施形態や応用形態では、階調数を「16」としたが、例えば、8階調として階調数を低めても良いし、64階調表示、256階調、…のように階調数を高めても良い。
【0130】
また、実施形態や応用形態では、素子基板102にTFT116が形成された構成となっていたが、本発明は、これに限られない。例えば、素子基板102を半導体基板とするとともに、ここに、TFT116に替えてMOS型トランジスタを形成しても良い。さらに、SOI(Silicon On Insulator)の技術を適用し、サファイヤなどの絶縁性基板からなる素子基板102にシリコン単結晶膜を形成して、ここに各種素子を作り込んでも良い。特に、画素110を、図14や図15に示されるように構成する場合には、1画素あたりの素子数が多く、複雑化するので、このような技術は有効といえる。ただし、このような構成では、素子基板102に透過性を持たせることができないので、画素電極108をアルミニウムで形成して、あるいは、別途反射層を設けるなどして、反射型として用いられることになる。
【0131】
さらに、上述した実施形態や応用形態では、液晶としてTN型を用いたが、180度以上のねじれ配向を有するSTN(Super Twisted Nematic)型や、BTN(Bi-stable Twisted Nematic)型・強誘電型などのメモリ性を有する双安定型、高分子分散型、さらには、分子の長軸方向と短軸方向とで可視光の吸収に異方性を有する染料(ゲスト)を一定の分子配列の液晶(ホスト)に溶解して、染料分子を液晶分子と平行に配列させたゲストホスト型などの液晶を用いても良い。
【0132】
また、電圧無印加時には液晶分子が両基板に対して垂直方向に配列する一方、電圧印加時には液晶分子が両基板に対して水平方向に配列する、という垂直配向(ホメオトロピック配向)の構成としても良いし、電圧無印加時には液晶分子が両基板に対して水平方向に配列する一方、電圧印加時には液晶分子が両基板に対して垂直方向に配列する、という平行(水平)配向(ホモジニアス配向)の構成としても良い。さらに、対向基板104に対向電極108を配置するのでなく、素子基板102上に、画素電極と対向電極とを、互いに間隔を置いて櫛歯状に配置する構成としても良い。この構成では、液晶分子が水平配向して、電極間による横方向の電界に応じて液晶分子の配向方向が変化することになる。このように、本発明の駆動方法に適合するものであれば、液晶や配向方式として、種々のものを用いることが可能である。
【0133】
くわえて、電気光学装置としては、液晶装置のほかに、エレクトロルミネッセンス(EL)や、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、プラズマ発光や電子放出による蛍光などを用いて、その電気光学効果により表示を行う装置などの種々の電気光学装置に適用可能である。この場合、電気光学材料としては、EL、ミラーデバイス、ガス、蛍光体などとなる。なお、電気光学材料としてELを用いる場合、素子基板102においてELが画素電極108と透明導電膜の対向電極108との間に介在することになるので、対向基板102は不要となる。このように、本発明は、上述した構成と類似の構成を有する電気光学装置、特に、オンまたはオフの2値的な表示を行う画素を用いて、階調表示を行う電気光学装置のすべてに適用可能である。
【0134】
<電子機器>
次に、上述した電気光学装置を各種の電子機器に適用される場合について説明する。この場合、電子機器は、図18に示されるように、主に、表示情報出力源1000、表示情報処理回路1002、駆動回路1004、液晶装置100、クロック発生回路1008並びに電源回路1010を備えて構成されている。このうち、表示情報出力源1000は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などのメモリや、光ディスク装置などのストレージユニット、画像信号を同調して出力する同調回路等を含み、クロック発生回路1008からのクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号などの表示情報を表示情報処理回路1002に出力するものである。また、表示情報処理回路1002は、上述した制御回路200のほか、周知のガンマ補正回路や、クランプ回路などの各種処理回路を含んだものであり、入力された表示情報からデジタル信号を順次生成して、クロック信号とともに駆動回路1004に出力するものである。駆動回路1004は、電気光学装置100を駆動するものであり、上述した走査線駆動回路130や、データ線駆動回路140のほか、製造後の検査に用いる検査回路などを含んだものである。電源回路1010は、上述の各回路に所定の電源を供給するものである。
【0135】
次に、上述した液晶装置を具体的な電子機器に用いた例のいくつかについて説明する。
【0136】
<その1:プロジェクタ>
まず、上記電気光学装置100をライトバルブとして用いたプロジェクタについて説明する。図19は、このプロジェクタの構成を示す平面図である。この図に示されるように、プロジェクタ2100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット2102が設けられている。このランプユニット2102から射出された投射光は、内部に配置された3枚のミラー2106および2枚のダイクロイックミラー2108によってRGBの3原色に分離されて、各原色に対応するライトバルブ100R、100Gおよび100Bにそれぞれ導かれる。ここで、ライトバルブ100R、100Gおよび100Bの構成は、上述した電気光学装置100と同様であり、画像信号処理回路(図示省略)から供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動されるものである。また、B色の光は、他のR色やG色と比較すると、光路が長いので、その損失を防ぐために、入射レンズ2122、リレーレンズ2123および出射レンズ2124からなるリレーレンズ系2121を介して導かれる。
【0137】
さて、ライトバルブ100R、100G、100Bによってそれぞれ変調された光は、ダイクロイックプリズム2112に3方向から入射する。このダイクロイックプリズム2112において、R色およびB色の光は90度に屈折する一方、G色の光は直進する。したがって、各色の画像が合成される結果、投射レンズ2114を介して、スクリーン2120にカラー画像が投射されることとなる。
【0138】
なお、ライトバルブ100R、100Gおよび100Bには、ダイクロイックミラー2108によって、R、G、Bの各原色に対応する光が入射するので、上述したようにカラーフィルタを設ける必要はない。
【0139】
<その2:モバイル型コンピュータ>
次に、上記電気光学装置100を、モバイル型のパーソナルコンピュータに適用した例について説明する。図20は、このパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。図において、コンピュータ2200は、キーボード2202を備えた本体部2204と、表示部として用いられる電気光学装置100とを備えている。なお、この電気光学装置100の背面には、視認性を高めるためのバックライトが設けられる。
【0140】
<その3:携帯電話>
さらに、上記電気光学装置100を、携帯電話に適用した例について説明する。図21は、この携帯電話の構成を示す斜視図である。図において、携帯電話2300は、複数の操作ボタン2302のほか、受話口2304、送話口2306とともに、上述した電気光学装置100を備えるものである。なお、この電気光学装置100の背面にも、視認性を高めるためのバックライトが設けられる。
【0141】
なお、電子機器としては、図18〜図21を参照して説明した他にも、液晶テレビや、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器に対して、実施形態や応用形態に係る電気光学装置が適用可能なのは言うまでもない。
【0142】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、回路特性や、各種の配線抵抗などの不均一性に起因する表示ムラが抑えられ、また、各サブフィールドにおいて走査線のすべてを順番に選択する必要がなく、重みの基準時が到来している走査線のみを選択すれば足りるので、1サブフィールドにおけるデータの転送レートを低減することが可能となる。また、低消費電力化も可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る電気光学装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【図2】 (a)および(b)は、それぞれ同電気光学装置における画素の構成の一例を示す回路図である。
【図3】 同電気光学装置における走査線駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図4】 同電気光学装置におけるデータ線駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図5】 同電気光学装置において液晶層に印加される電圧実効値と透過率との関係を示す図である。
【図6】 (a)は、同電気光学装置の前提となった第1の構成において、階調データの各ビットとサブフィールドにわたって液晶層に印加される電圧との関係を示す図であり、(b)は、同電気光学装置において、階調データの各ビットとサブフィールドにわたって液晶層に印加される電圧との関係を示す図である。
【図7】 同電気光学装置のサブフィールドsf2において、各走査線に供給される走査信号と、その走査線に位置する画素の液晶層に印加される電圧との関係を示す図である。
【図8】 同電気光学装置のサブフィールドsf3において、各走査線に供給される走査信号と、その走査線に位置する画素の液晶層に印加される電圧との関係を示す図である。
【図9】 同電気光学装置のサブフィールドsf0、sf1、sf4またはsf5において、各走査線に供給される走査信号と、その走査線に位置する画素の液晶層に印加される電圧との関係を示す図である。
【図10】 同電気光学装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図11】 同電気光学装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図12】 同電気光学装置において対向基板に印加される電圧、および、画素電極に印加される電圧を、階調データ毎にサブフィールド単位で示すタイミングチャートである。
【図13】 本発明の応用形態に係る電気光学装置において対向基板に印加される電圧、および、画素電極に印加される電圧を、階調データ毎にサブフィールド単位で示すタイミングチャートである。
【図14】 本発明に適用可能な画素の構成の一例を示す回路図である。
【図15】 本発明に適用可能な画素の構成の一例を示す回路図である。
【図16】 本発明の実施形態に係る電気光学装置の構造を示す斜視図である。
【図17】 同電気光学装置の構造を示す断面図である。
【図18】 同電気光学装置を適用した電子機器の電気的な構成を示すブロック図である。
【図19】同電気光学装置を適用した電子機器の一例たるプロジェクタの構成を示す断面図である。
【図20】 同電気光学装置を適用した電子機器の一例たるパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
【図21】 同電気光学装置を適用した電子機器の一例たる携帯電話の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
100…電気光学装置
102…素子基板
104…対向基板
105…液晶
108…対向電極
110…画素
112…走査線
114…データ線
116…TFT
118…画素電極
130…走査線駆動回路
140…データ線駆動回路
200…制御回路
2100…プロジェクタ
2200…パソコン
2300…携帯電話
Claims (6)
- 複数の走査線と複数のデータ線との各交差に対応して配設された画素の階調を、前記画素のオン状態とオフ状態とによって制御する電気光学装置の駆動方法であって、
1フィールドを複数のサブフィールドに分割し、
前記画素の階調を指示する階調データの各ビットに、互いに異なるサブフィールドを対応させ、
そのうち、特定のビットに対応するサブフィールドの期間については所定の期間に設定する一方、前記特定のビットに対応しないサブフィールドの期間については、それに対応するビットの重みにしたがった期間に設定し、
各サブフィールドにあっては、
当該サブフィールドに対応するビットが前記特定のビットであれば、第1のモードを選択して、画素の各々を、当該サブフィールドのうち、当該ビットの重みに対応する期間だけ、当該ビットの値にしたがってオン状態(またはオフ状態)とする一方、
当該サブフィールドに対応するビットが特定のビットでなければ、第2のモードを選択して、画素の各々を、当該サブフィールドにわたって、当該ビットの値にしたがってオン状態(またはオフ状態)とし、
前記第1のモードが選択されるサブフィールドでは、
前記走査線を所定本数毎にブロック化し、当該サブフィールド内において、前記各ブロックを所定の順番で選択するとともに、
選択されたブロック内において、当該ブロックに属する走査線を順次選択して、選択した走査線に対応する画素を、当該ビットの重みに応じた期間、当該ビットの値にしたがってオン状態(またはオフ状態)とした後、
当該ブロックに属する走査線を再び順次選択して、選択した走査線に対応する画素をオフ状態とする
ことを特徴とする電気光学装置の駆動方法。 - 複数の走査線と複数のデータ線との各交差に対応して配設された画素の階調を制御する電気光学装置の駆動回路であって、
1フィールドを複数のサブフィールドに分割し、
前記画素の階調を指示する階調データの各ビットに、互いに異なるサブフィールドを対応させ、
そのうち、特定のビットに対応するサブフィールドについては所定の期間に設定する一方、前記特定のビットに対応しないサブフィールドについては、それに対応するビットの重みにしたがった期間に設定し、
各サブフィールドについて、当該サブフィールドに対応するビットが前記特定のビットであれば、第1のモードで駆動を行う一方、当該サブフィールドに対応するビットが特定のビットでなければ、第2のモードで駆動を行い、
(i)前記第1のモードの場合、サブフィールド内において、前記走査線を所定本数毎にブロック化し、前記各ブロックを所定の順番で選択するとともに、
選択されたブロック内において、当該ブロックに属する走査線を順次選択し、当該サブフィールドに対応するビットの重みに対応する期間が経過した後、当該ブロックに属する走査線を再び順次選択する一方、
前記第2のモードの場合、前記走査線の各々を順次選択する走査線駆動回路と、
(ii)前記第1のモードの場合に、前記走査線駆動回路によって走査線が選択されたとき、当該走査線に対応する画素に対して、当該ビットの値に応じたビットデータを、対応するデータ線を介して供給するとともに、再び同じ走査線が選択されたとき、当該画素をオフ状態とするビットデータを供給する一方、
前記第2のモードの場合に、前記走査線駆動回路によって走査線が選択されたとき、当該走査線に対応する画素に対して、当該ビットの値に応じたビットデータを、対応するデータ線を介して供給するデータ線駆動回路と
を具備することを特徴とする電気光学装置の駆動回路。 - 複数の走査線と複数のデータ線との各交差に対応して配設される画素を備え、
1フィールドを複数のサブフィールドに分割し、
前記画素の階調を指示する階調データの各ビットに、互いに異なるサブフィールドを対応させ、
そのうち、特定のビットに対応するサブフィールドの期間については所定の期間に設定する一方、前記特定のビットに対応しないサブフィールドの期間については、それに対応するビットの重みにしたがった期間に設定し、
各サブフィールドについて、当該サブフィールドに対応するビットが前記特定のビットであれば、第1のモードで駆動を行う一方、当該サブフィールドに対応するビットが特定のビットでなければ、第2のモードで駆動を行い、
(i)前記第1のモードの場合、サブフィールド内において、前記走査線を所定本数毎にブロック化し、前記各ブロックを所定の順番で選択するとともに、
選択されたブロック内において、当該ブロックに属する走査線を順次選択し、当該サブフィールドに対応するビットの重みに対応する期間が経過した後、当該ブロックに属する走査線を再び順次選択する一方、
前記第2のモードの場合、前記走査線の各々を順次選択する走査線駆動回路と、
(ii)前記第1のモードの場合に、前記走査線駆動回路によって走査線が選択されたとき、当該走査線に対応する画素に対して、当該ビットの値に応じたビットデータを、対応するデータ線を介して供給するとともに、再び同じ走査線が選択されたとき、当該画素をオフ状態とするビットデータを供給する一方、
前記第2のモードの場合に、前記走査線駆動回路によって走査線が選択されたとき、当該走査線に対応する画素に対して、当該ビットの値に応じたビットデータを、対応するデータ線を介して供給するデータ線駆動回路と
を具備することを特徴とする電気光学装置。 - 前記画素は画素電極と当該画素電極に対向する対向電極とを備え、前記対向電極に印加される電圧レベルを所定の期間毎に所定のレベルに対して反転させるとともに、この反転に応じて、前記ビットデータの電圧を、前記対向電極に印加される電圧レベルを基準として反転させる
ことを特徴とする請求項3に記載の電気光学装置。 - 前記画素は画素電極と当該画素電極に対向する対向電極とを備え、前記対向電極に印加される電圧レベルを一定とするとともに、前記ビットデータの電圧を、前記対向電極に印加される電圧レベルを基準として、所定の期間毎に反転させる
ことを特徴とする請求項3に記載の電気光学装置。 - 請求項3乃至5にいずれか記載の電気光学装置を備える
ことを特徴とする電子機器。
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