JP3719469B2 - 変性エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体封止用を始めとする電気・電子部品絶縁材料用、及び積層板(プリント配線板)やCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を始めとする各種複合材料、接着剤、塗料等に有用な変性エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ樹脂は作業性及びその硬化物の優れた電気特性、耐熱性、接着性、耐湿性(耐水性)等により電気・電子部品、構造用材料、接着剤、塗料等の分野で幅広く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、近年電気・電子分野においてはその急速な発展に伴い、高純度化をはじめ耐熱性、耐湿性、密着性、フィラー高充填のための低粘度性等の諸特性の一層の向上が求められている。その一方では作業性の向上のために常温で固形であることが望まれている。また、構造材としては航空宇宙材料、レジャー・スポーツ器具用途などにおいて軽量で機械物性の優れた材料であることと同時に、作業性の向上のためにやはり低粘度の樹脂が求められている。これらの要求に対しエポキシ樹脂組成物について多くの提案がなされてはいるが、未だ充分とはいえない。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記のような特性を持つエポキシ樹脂について鋭意研究の結果、本発明を完成した。
即ち、本発明は、
(1)(a)式(1)
【0005】
【化3】
【0006】
(式中、Xは炭素数1〜14の炭化水素基またはヒドロキシ炭化水素基を示す。aは1〜6の整数を、bは1〜5の整数をそれぞれ示す。Rはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8の炭化水素基またはアリール基を表す。nは平均値で1〜10を示す。)で表されるフェノール類化合物と(b)4,4’−ジヒドロキシビフェニルの混合物をグリシジル化して得られるエポキシ樹脂であってその軟化点が120℃以下60℃以上である変性エポキシ樹脂、
(2)(成分(a)と成分(b)の混合物中の成分(b)の配合量×1.6)/(成分(a)と成分(b)の混合物中の成分(a)の配合量×(1+56/成分(a)の水酸基当量))が0.3以下である上記(1)または(2)記載の変性エポキシ樹脂、
(3)式(1)においてXが炭素数8〜14の炭化水素基である上記(1)または(2)記載の変性エポキシ樹脂、
(4)式(1)の化合物が1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサンである上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の変性エポキシ樹脂、
(5)式(1)の化合物が式(2)
【0007】
【化4】
【0008】
(式中、cは1〜6の整数を、dは1〜5の整数をそれぞれ示す。Pはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8の炭化水素基またはアリール基を示す。mは平均値で1〜10を示す。)である上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の変性エポキシ樹脂、
(6)成分(a)がアルキルフェノールノボラックである上記(1)記載の変性エポキシ樹脂、
(7)成分(a)がo−クレゾールノボラックである上記(6)記載の変性エポキシ樹脂、
(8)成分(a)の(2核体成分の重量)/(3核体成分の重量)の値が0.4以下である(6)または(7)記載の変性エポキシ樹脂、
(9)成分(a)の4核体成分の割合が30重量%以上、1〜3核体成分の合計割合が20重量%以下である上記(6)〜(7)のいずれか1項に記載の変性エポキシ樹脂、
(10)成分(a)が一分子中にカルボキシル基とアルコール性水酸基を有するオキシカルボン酸を触媒としてアルキルフェノール類とホルムアルデヒドとを縮合させて得られるアルキルフェノールノボラックである上記(6)〜(9)のいずれか1項に記載の変性エポキシ樹脂、
(11)成分(a)が軟化点100℃以下のo−クレゾールノボラックである上記(7)〜(10)のいずれか1項に記載の変性エポキシ樹脂、
(12)成分(a)と成分(b)の混合物における成分(a)と成分(b)の配合量の比率が重量比で(b)/(a)が0.4以下である上記(1)〜(11)のいずれか1項に記載の変性エポキシ樹脂、
(13)成分(a)と成分(b)の混合物における成分(a)と成分(b)の配合量の比率が重量比で(b)/(a)が0.25未満0.05以上である上記(1)〜(11)のいずれか1項に記載の変性エポキシ樹脂、
(14)上記(1)〜(13)のいずれか1項に記載の変性エポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物、
(15)半導体封止用に調製された上記(14)記載のエポキシ樹脂組成物、
(16)上記(14)または(15)記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物
に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の変性エポキシ樹脂は、式(1)で表されるフェノール類化合物(成分(a)、以下単に(a)という)と4,4’−ジヒドロキシビフェニル(成分(b)、以下単に(b)という)の混合物(以下、単にフェノール混合物という)とエピハロヒドリン類とを反応させるグリシジル化反応により得ることができる。これにより、式(1)の化合物単独でのグリシジル化物が半固形や液状であっても、4、4’−ジヒドロキシビフェニルとの混合物としてグリシジル化することにより、同一粘度以下でありながら軟化点の高い変性エポキシ樹脂を得ることが出来る。フェノール混合物中の(a)と(b)の混合比は、特に制限されないが重量比で(b)/(a)の値として通常0.4以下、好ましくは0.25未満、0.05以上である。また、((a)と(b)の混合物における(b)の配合量×1.6)/((a)と(b)の混合物における(a)の配合量×(1+56/(a)の水酸基当量))が0.3以下、0.05以上であるのが好ましい。(a)と(b)の配合量が前記した範囲をはずれると、変性エポキシ樹脂合成中に結晶が析出する、変性エポキシ樹脂硬化物の物性に於いて、(b)のエポキシ化物の硬化物特性が顕著になり、耐熱性や耐湿性に問題が出てくる、低分子の(a)を用いて合成した変性エポキシ樹脂が結晶性を帯びず固形化しない、低粘度化が充分でない等の問題点がでてくる場合がある。
【0010】
用いうる式(1)の化合物の具体例としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、テルペンジフェノール、フェノールノボラック、フェノール類・ジシクロペンタジエン重合物、フェノール類・キシリレングリコール重縮合物、前記式(2)の化合物、フェノール類と式(2)の化合物の重縮合物、フェノール類・ヒドロキシベンズアルデヒド類重縮合物、アルキル基を有するフェノール類とホルムアルデヒドを縮合したアルキルフェノールノボラック等が挙げられるがこれらに限定されることはない。前記各重縮合物におけるフェノール類としてはフェノール、クレゾール、キシレノール、tert−ブチル−クレゾール、ナフトールなどが挙げられるが、これらに限定されることはない。
また、これらの化合物のうち1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、テルペンジフェノール、フェノール類・ジシクロペンタジエン重合物、フェノール類・キシリレングリコール重縮合物、式(2)の化合物、フェノール類・ヒドロキシベンズアルデヒド類重縮合物及びアルキルフェノールノボラックが好ましく、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、式(2)の化合物またはアルキルフェノールノボラックが特に好ましい。また、前記アルキルフェノールノボラックのうちo−クレゾールノボラックが好ましく、軟化点100℃以下のo−クレゾールノボッラックが特に好ましい。
【0011】
また、本発明の変性エポキシ樹脂はブロッキングが発生しないことが特徴の一つであるが、式(1)の化合物としてアルキルフェノールノボラックを選択した場合、アルキルフェノールノボラックの分子中に含まれる芳香族環の数が少ない低核体成分(特に2核体)が少ない方がその効果がより顕著である。従って、(2核体成分の重量)/(3核体成分の重量)の値が0.4以下であるアルキルフェノールノボラックや、4核体成分が30重量%以上で且つ1〜3核体成分の合計が20重量%以下、好ましくは4核体成分が35〜100重量%で且つ1〜3核体成分の合計が0〜15重量%であるアルキルフェノールノボラックを使用することがより好ましい。
尚、前記及び以下のアルキルフェノールノボラックにおいてx核体とは、アルキルフェノールノボラックの分子中に含まれる芳香族環の数がx個の分子をいう。また、x核体の重量比はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)等により測定する事が出来る。
【0012】
前記のような低核体成分の少ないアルキルフェノールノボラックは、例えば分子蒸留や水洗によって低核体成分を除去したり、または、アルキルフェノールの1核ジメチロール体や、2核ジメチロール体を一旦合成し、これらと過剰のアルキルフェノールを縮合させる方法などにより得られる。しかしながら以上の方法は工程が多く、コスト的には高くなる。この点を解決する方法として、例えば特開平8−3257号公報に記載のように1分子中にアルコール性水酸基とカルボキシル基を合わせ持つオキシカルボン酸を触媒として使用してアルキルフェノールとホルムアルデヒドを縮合する方法がある。通常の触媒を用いた場合に比べ、低核体成分の量が少なく、分子量分布が狭いアルキルフェノールノボラックを得ることが出来る。
この反応で使用するオキシカルボン酸としては、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、酒石酸、クエン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上併用してもよい。更に、塩酸、硫酸、蓚酸、p−トルエンスルホン酸、などを併用してもよい。オキシカルボン酸の使用量はホルムアルデヒド1.0モルに対して、通常0.01〜5.0モル、好ましくは0.05〜4.0モル、より好ましくは0.1〜3.0モルである。縮合反応は、還流温度以下で1〜10時間行えばよい。反応が終了したら、そのまま或いはトルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン等の溶剤に溶解して、水洗を繰り返して触媒のオキシカルボン酸を除去後、溶剤または未反応のアルキルフェノール、ホルムアルデヒドを加熱減圧下で除去する。
【0013】
本発明の変性エポキシ樹脂を得る際のグリシジル化反応に使用されるエピハロヒドリン類の具体例としては、エピクロルヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、β−メチルエピブロムヒドリン、エピヨードヒドリン、β−エチルエピクロルヒドリン等が挙げられるが、工業的に入手し易く安価なエピクロルヒドリンが好ましい。このグリシジル化反応自体は従来公知の方法に準じて行うことが出来る。
【0014】
例えば上記のフェノール混合物とエピハロヒドリン類の混合物に水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の固体を一括添加または徐々に添加しながら通常20〜120℃で0.5〜10時間反応させる。この際アルカリ金属水酸化物はその水溶液を使用してもよく、その場合は該アルカリ金属水酸化物を連続的に添加すると共に反応混合物中から減圧下、または常圧下、連続的に水及びエピハロヒドリン類を留出せしめ、得られた留出液を分液し水は除去しエピハロヒドリン類は反応混合物中に連続的に戻す方法でもよい。
【0015】
上記の方法においてエピハロヒドリン類の使用量はフェノール混合物の水酸基1当量に対して通常0.5〜10モル、好ましくは1.0〜6.0モルである。アルカリ金属水酸化物の使用量はフェノール混合物中の水酸基1当量に対し通常0.5〜1.5モル、好ましくは0.7〜1.2モルである。また、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の非プロトン性極性溶媒を添加することにより下記に定義する加水分解性ハロゲン濃度の低い変性エポキシ樹脂が得られ、この変性エポキシ樹脂は電子材料封止用の用途に適する。非プロトン性極性溶媒の使用量はエピハロヒドリン類に対し通常5〜200重量%、好ましくは10〜100重量%である。上記の溶媒以外にもメタノール、エタノール等のアルコール類、1,4−ジオキサン等の環状エーテル類を添加することによっても反応が進み易くなり、加水分解性ハロゲン濃度も非プロトン性極性溶媒を使用した場合よりは高いが、これら溶媒を使用しないときよりは低くなる。またトルエン、キシレン等も使用することができる。ここで加水分解性ハロゲン濃度は、例えば変性エポキシ樹脂をジオキサンと1N−KOH/エタノール溶液に入れ、数十分間還流した後、硝酸銀溶液で滴定することにより測定することができる。
【0016】
またフェノール混合物と過剰のエピハロヒドリン類の混合物にテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライドなどの第四級アンモニウム塩を触媒として使用し、通常50〜150℃で1〜10時間反応させ、得られるフェノール混合物のハロヒドリンエーテルに水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の固体または水溶液を加え、20〜120℃で1〜10時間反応させてハロヒドリンエーテルを閉環させて本発明の変性エポキシ樹脂を得ることもできる。この場合の第四級アンモニウム塩の使用量はフェノール混合物の水酸基1当量に対して0.001〜0.2モル、好ましくは0.05〜0.1モルである。アルカリ金属水酸化物の使用量は、フェノール混合物の水酸基1当量に対し通常0.8〜1.5モル、好ましくは0.9〜1.1モルである。
【0017】
通常、これらの反応生成物は水洗後、または水洗無しに加熱減圧下過剰のエピハロヒドリン類や、溶媒等を除去した後、トルエン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等の溶媒に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて再び反応を行うことにより加水分解性ハロゲン濃度の低い本発明の変性エポキシ樹脂を得ることが出来る。この場合アルカリ金属水酸化物の使用量はフェノール混合物の水酸基1当量に対して0.01〜0.2モル、好ましくは0.05〜0.1モルである。反応温度は通常50〜120℃、反応時間は通常0.5〜2時間である。反応終了後副生した塩をろ過、水洗などにより除去し、さらに加熱減圧下トルエン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等の溶媒を留去することにより加水分解性ハロゲン濃度が低い本発明の変性エポキシ樹脂を得ることができる。こうして得られた本発明の変性エポキシ樹脂は、下式(A)
【0018】
【化5】
【0019】
(式中X、R、a及びbは式(1)におけるのと同じ意味を表す。)
で表される結合を分子中に有する化合物を微量に含有する。このため(a)、(b)それぞれ単独のグリシジル化物を混合したものに比べ、各エポキシ樹脂成分の馴染みがよくなり、後述する本発明のエポキシ樹脂組成物に配合した場合、他の成分との接着性が向上し、またエポキシ樹脂組成物の保存性(耐ブロッキング性)が向上する。
本発明の変性エポキシ樹脂の軟化点は120℃以下60℃以上である。軟化点が、60℃未満であると保存性が悪く、120℃を越えるとニーダー等を用いてエポキシ樹脂組成物を混練する際に作業性が低下したり、エポキシ樹脂組成物の混練ムラが生じたりする。
【0020】
以下、本発明のエポキシ樹脂組成物につき説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物において本発明の変性エポキシ樹脂は単独でまたは他のエポキシ樹脂と併用して使用することが出来る。併用する場合、本発明の変性エポキシ樹脂の全エポキシ樹脂中に占める割合は30重量%以上が好ましく、特に40重量%以上が好ましい。
【0021】
本発明の変性エポキシ樹脂と併用しうる他のエポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノール類、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒドとの重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物との重合物、フェノール類と芳香族ジメチロール類との重縮合物、ビフェノール類、アルコール類等をグリシジル化したグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
【0022】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、その好ましい実施態様においては硬化剤を含有する。硬化剤としてはアミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノ−ル系化合物などが使用できる。用いうる硬化剤の具体例としては、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ビスフェノール類、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒドとの重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物との重合物、フェノール類と芳香族ジメチロールとの重縮合物、ビフェノール類及びこれらの変性物、イミダゾ−ル、BF3 −アミン錯体、グアニジン誘導体などが挙げられる。硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して0.5〜1.5当量が好ましく、0.6〜1.2当量が特に好ましい。エポキシ基1当量に対して、0.5当量に満たない場合、あるいは1.5当量を超える場合、いずれも硬化が不完全となり良好な硬化物性が得られない恐れがある。
【0023】
また上記硬化剤を用いる際に硬化促進剤を併用しても差し支えない。用いうる硬化促進剤の具体例としては2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾ−ル類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類、オクチル酸スズなどの金属化合物などが挙げられる。硬化促進剤はエポキシ樹脂100重量部に対して0.01〜15重量部が必要に応じ用いられる。
【0024】
さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて溶融シリカ、結晶シリカ、多孔質シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ホウ素、ジルコニア、窒化アルミニウム、フォルステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア、タルク等の粉体、またはこれらを球形状あるいは破砕状にした無機充填材やシランカップリング剤、離型剤、顔料等種々の配合剤、各種熱硬化性樹脂などを添加することができる。
また、特に半導体封止用のエポキシ樹脂組成物を得る場合、上記の無機充填材の使用量はエポキシ樹脂組成物中、通常80〜92重量%、好ましくは83〜90重量%、より好ましくは85〜90重量%の範囲である。
【0025】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記各成分を前記したような割合で均一に混合することにより得られ、好ましい用途は半導体封止用である。本発明のエポキシ樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法で容易にその硬化物とすることができる。例えばエポキシ樹脂と硬化剤、並びに必要により硬化促進剤、無機充填材、配合剤、及び各種熱硬化性樹脂とを必要に応じて押出機、ニ−ダ、ロ−ル等を用いて均一になるまで充分に混合して本発明のエポキシ樹脂組成物を得、そのエポキシ樹脂組成物を、溶融注型法あるいはトランスファ−成型法やインジェクション成型法、圧縮成型法などによって成型し、必要により80〜200℃で加熱することにより本発明の硬化物を得ることができる。
【0026】
また本発明のエポキシ樹脂組成物をトルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の溶剤に溶解させ、ガラス繊維、カ−ボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維、紙などの基材に含浸させ加熱乾燥して得たプリプレグを熱プレス成型して本発明の硬化物を得ることもできる。
【0027】
その際溶剤は本発明のエポキシ樹脂組成物と溶剤の合計重量に対し溶剤の占める割合が、通常10〜70重量%、好ましくは15〜65重量%となる量使用する。
【0028】
【実施例】
以下本発明を実施例により更に詳細に説明する。尚、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、エポキシ当量、溶融粘度、軟化点、x核体の重量比は以下の条件で測定した。また、実施例、比較例において部は重量部を意味する。
▲1▼エポキシ当量
JIS K−7236に準じた方法で測定し、単位はg/eqである。
▲2▼溶融粘度
150℃におけるコーンプレート法における溶融粘度
測定機械:コーンプレート(ICI)高温粘度計(RESEARCH EQUIPMENT( LONDON)LTD. 製)
コーンNo.:3(測定範囲0〜20ポイズ)
試料量:0.15±0.01g
▲3▼軟化点
JIS K−7234に準じた方法で測定
▲4▼耐ブロッキング性
直径5mm前後のマーブル状のエポキシ樹脂を1.5リットルのPETボトルに1Kg入れ、35℃の恒温槽の中に72時間放置した後のエポキシ樹脂の溶着具合いを見た。尚、表5における耐ブロッキング性の欄には下記の基準で評価結果を示した。
◎:マーブル同士が溶着していない
○:若干溶着しているが、手でバラバラに出来る
△:かなり溶着している。マーブルの形跡は見られる
×:完全に1個の樹脂の塊になった
▲5▼x核体の重量比
試料をGPC分析装置により分析し、各成分に相当するピークの面積百分率から求めた。
【0029】
実施例1
1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン55部、4,4’−ヒドロキシビフェニル、15.6部、エピクロルヒドリン(ECH、以下同様)194部、ジメチルスルホキシド(DMSO、以下同様)100部を反応容器に仕込、加熱、撹拌、溶解後、温度を45℃に保持しながら、反応系内を45Torrに保って、40%水酸化ナトリウム水溶液54部を4時間かけて連続的に滴下した。この際共沸により留出してくるECHと水を冷却、分液した後、有機層であるECHだけを反応系内に戻しながら反応を行った。水酸化ナトリウム水溶液滴下完了後、45℃で2時間、70℃で30分反応を行った。ついで水洗を繰り返し、副生塩とジメチルスルホキシドを除去した後、油層から加熱減圧下において過剰のエピクロルヒドリンを留去し、残留物に200部のメチルイソブチルケトンを添加し残留物を溶解させた。
このメチルイソブチルケトンの溶液を70℃に加熱し30%水酸化ナトリウム水溶液4部を添加し、1時間反応させた後、反応液の水洗を洗浄液が中性となるまで繰り返した。ついで油層から加熱減圧下においてメチルイソブチルケトンを留去することにより本発明の変性エポキシ樹脂(E1)94部を得た。
【0030】
実施例2
実施例1においてECHを150部に変えた以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、本発明の変性エポキシ樹脂(E2)95部を得た。
【0031】
実施例3
実施例1においてECHを100部に変えた以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、本発明の変性エポキシ樹脂(E3)93部を得た。
【0032】
実施例4
実施例2において1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを59部に、4,4’−ヒドロキシビフェニルを12.5部に、40%水酸化ナトリウム水溶液を53部に変えた以外は実施例2と同様の操作を行った。その結果、本発明の変性エポキシ樹脂(E4)96部を得た。
【0033】
実施例5
実施例2において1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンをジシクロペンタジエン・フェノール重合物(日本石油化学製 DPPシリーズ 軟化点89℃)58部に、4,4’−ヒドロキシビフェニルを14.4部に、40%水酸化ナトリウム水溶液を53部に変えた以外は実施例2と同様の操作を行った。その結果、本発明の変性エポキシ樹脂(E5)92部を得た。
【0034】
実施例6
実施例2において1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンをフェノール・キシリレングリコール重縮合物(ミレックスXL−225−4L、三井東圧化学(株)製、軟化点52℃)54部に、4,4’−ヒドロキシビフェニルを17.5部に、40%水酸化ナトリウム水溶液を52部に変えた以外は実施例2と同様の操作を行った。その結果、本発明の変性エポキシ樹脂(E6)部を得た。
【0035】
実施例7
実施例2において1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンをテルペンジフェノール(ヤスハラケミカル(株)製、YP−90)54部に、4,4’−ヒドロキシビフェニルを17.5部に、40%水酸化ナトリウム水溶液を52部に変えた以外は実施例2と同様の操作を行った。その結果、本発明の変性エポキシ樹脂(E7)97部を得た。
【0036】
実施例8
実施例2において1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを下記式(3)
【0037】
【化6】
【0038】
で表される化合物(軟化点155℃、m=1.1(平均値))62部に、4,4’−ヒドロキシビフェニルを12.5部に、40%水酸化ナトリウム水溶液を46部に変えた以外は実施例2と同様の操作を行った。その結果、本発明の変性エポキシ樹脂(E8)95部を得た。
【0039】
実施例9
実施例2において1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンをフェノール・サリチルアルデヒド重縮合物(軟化点110℃、ICI粘度 9.2ポイズ)45.6部に、4,4’−ヒドロキシビフェニルを17.5部に、40%水酸化ナトリウム水溶液を66部に変えた以外は実施例2と同様の操作を行った。その結果、本発明の変性エポキシ樹脂(E9)94部を得た。
【0040】
実施例10
実施例2において1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンをフェノール・サリチルアルデヒド重縮合物(軟化点110℃、ICI粘度 9.2ポイズ)77.8部に、4,4’−ヒドロキシビフェニルを18.6部に、40%水酸化ナトリウム水溶液を100部に変えた以外は実施例2と同様の操作を行った。その結果、本発明の変性エポキシ樹脂(E10)141部を得た。
【0041】
実施例11
実施例2において1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンをフェノール・サリチルアルデヒド重縮合物(軟化点120℃)83部に、4,4’−ヒドロキシビフェニルを17部に、40%水酸化ナトリウム水溶液を104部に変えた以外は実施例2と同様の操作を行った。その結果、本発明の変性エポキシ樹脂(E11)145部を得た。
【0042】
比較例1
実施例1において、4,4’−ジヒドロキシビフェニルを使用せず、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンのみを81部とした以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、エポキシ樹脂(R1)105部を得た。
【0043】
比較例2
比較例1において、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンをジシクロペンタジエン・フェノール重合物(日本石油化学製 DPPシリーズ 軟化点89℃)84部に変えた以外は比較例1と同様の操作を行った。その結果、エポキシ樹脂(R2)107部を得た。
【0044】
比較例3
比較例1において、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンをミレックスXL−225−4L(三井東圧化学製軟化点52℃)85部に変えた以外は比較例1と同様の操作を行った。その結果、エポキシ樹脂(R3)109部を得た。
【0045】
比較例4
比較例1において、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンをテルペンジフェノール(ヤスハラケミカル(株)製、YP−90)84部に変えた以外は比較例1と同様の操作を行った。その結果、エポキシ樹脂(R4)110部を得た。
【0046】
比較例5
比較例1において、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンをフェノール・ビフェニルジメタノール重縮合物(軟化点155℃)100部、エピクロルヒドリンを250部、MIBKを250部にそれぞれ変更した以外は比較例1と同様の操作を行った。その結果、エポキシ樹脂(R5)118部を得た。
【0047】
比較例6
比較例1において、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンをフェノール・サリチルアルデヒド重縮合物(軟化点110℃ ICI粘度9.2ポイズ)51部に変えた以外は比較例1と同様の操作を行った。その結果、エポキシ樹脂(R6)75部を得た。
【0048】
以上の実施例及び比較例で得られた本発明の変性エポキシ樹脂、比較用のエポキシ樹脂の物性を表1〜3に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
実施例12〜13、比較例7〜8
実施例の変性エポキシ樹脂(E2)、(E5)及び比較例のエポキシ樹脂(R1)、(R2)を使用し、これらエポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して硬化剤(フェノールノボラック樹脂(日本化薬(株)製、PN−80、150℃におけるICI粘度1.5ポイズ、軟化点86℃、水酸基当量106g/eq)を1水酸基当量配合し、更に硬化促進剤(トリフェニルフォスフィン)をエポキシ樹脂100部当り1部配合し、トランスファー成型により樹脂成型体を調製し、160℃で2時間、更に180℃で8時間で硬化させた。
【0053】
このようにして得られた硬化物の物性を測定した結果を表4に示す。
尚、物性値の測定は以下の条件にて行った。(実施例17〜19、比較例12〜14においても同じ)
【0054】
【表4】
【0055】
実施例14
o−クレゾールノボラック(軟化点80℃、2核体14重量%、3核体16重量%、4核体15重量%)96部、4,4’−ヒドロキシビフェニル18.6部、ECH400部、ジメチルスルホキシド(DMSO、以下同様)100部を反応容器に仕込、加熱、撹拌、溶解後、温度を45℃に保持しながら、反応系内を45Torrに保って、40%水酸化ナトリウム水溶液100部を4時間かけて連続的に滴下した。この際共沸により留出してくるECHと水を冷却、分液した後、有機層であるECHだけを反応系内に戻しながら反応を行った。水酸化ナトリウム水溶液滴下完了後、45℃で2時間、70℃で30分反応を行った。ついで水洗を繰り返し、副生塩とジメチルスルホキシドを除去した後、油層から加熱減圧下において過剰のエピクロルヒドリンを留去し、残留物に300部のメチルイソブチルケトンを添加し溶解した。
このメチルイソブチルケトンの溶液を70℃に加熱し30重量%水酸化ナトリウム水溶液5部を添加し、1時間反応させた後、反応液の水洗を洗浄液が中性となるまで繰り返した。ついで油層から加熱減圧下においてメチルイソブチルケトンを留去することにより本発明の変性エポキシ樹脂(E12)154部を得た。得られた変性エポキシ樹脂(E12)のエポキシ当量は189、軟化点89℃、溶融粘度0.4ポイズであった。
【0056】
実施例15
実施例14においてo−クレゾールノボラックを、軟化点83℃、2核体5重量%、3核体25重量%、4核体26重量%のo−クレゾールノボラックに変えた以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、本発明の変性エポキシ樹脂(E13)152部を得た。得られた変性エポキシ樹脂(E13)のエポキシ当量は192、軟化点88℃、溶融粘度0.6ポイズであった。
【0057】
実施例16
実施例14においてo−クレゾールノボラックを、軟化点91℃、2核体3重量%、3核体8重量%、4核体39重量%のo−クレゾールノボラックに変えた以外は実施例12と同様の操作を行った。その結果、本発明の変性エポキシ樹脂(E14)151部を得た。得られた変性エポキシ樹脂(E14)のエポキシ当量は191g/eq、軟化点91℃、溶融粘度1.1ポイズであった。
【0058】
比較例9
実施例14において、4,4’−ジヒドロキシビフェニルを使用せず、o−クレゾールノボラックのみを120部とした以外は実施例12と同様の操作を行った。その結果、エポキシ樹脂(R7)162部を得た。
【0059】
比較例10
実施例15において、4,4’−ジヒドロキシビフェニルを使用せず、o−クレゾールノボラックのみを120部とした以外は実施例13と同様の操作を行った。その結果、エポキシ樹脂(R8)164部を得た。
【0060】
比較例11
実施例16において、4,4’−ジヒドロキシビフェニルを使用せず、o−クレゾールノボラックのみを120部とした以外は実施例14と同様の操作を行った。その結果、エポキシ樹脂(R9)162部を得た。
【0061】
実施例14〜16で得られたエポキシ樹脂(E12)〜(E14)及び比較例9〜11で得られたエポキシ樹脂(R7)〜(R9)についての物性値及び耐ブロッキング性の試験結果を表5に示す。
【0062】
【表5】
【0063】
実施例17〜19、比較例12〜14
実施例で得られた変性エポキシ樹脂(E12)〜(E14)及び比較例のエポキシ樹脂(R7)〜(R9)を使用し、これらエポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して硬化剤(フェノールノボラック樹脂(日本化薬(株)製、PN−80、150℃におけるICI粘度1.5ポイズ、軟化点86℃、水酸基当量106g/eq)を1水酸基当量配合し、更に硬化促進剤(トリフェニルフォスフィン)をエポキシ樹脂100部当り1部配合し、トランスファー成型により樹脂成型体を調製し、160℃で2時間、更に180℃で8時間で硬化させた。
このようにして得られた硬化物の物性を測定した結果を表6に示す。
【0064】
【表6】
【0065】
実施例20
実施例8において式(3)の化合物を軟化点80℃、m=1.3であるもの64部に、4,4’−ヒドロキシビフェニルを12部に、40%水酸化ナトリウム水溶液を44部に変えた以外は実施例2と同様の操作を行った。その結果、本発明の変性エポキシ樹脂(E15)95部を得た。得られた変性エポキシ樹脂(E15)のエポキシ当量は255、軟化点90℃、溶融粘度0.8Pであった。
【0066】
実施例21〜24、比較例15〜18
エポキシ樹脂として、実施例の変性エポキシ樹脂(E12)〜(E15)及び比較例としてエポキシ樹脂(R7)〜(R9)及びYX−4000(油化シェルエポキシ(株)製 エポキシ当量196)(以下(R10))、硬化剤(フェノールノボラック樹脂(日本化薬(株)製、PN−80、軟化点86℃)、硬化促進剤(トリフェニルホスフィン)、シランカップリング剤(信越化学工業株式会社製 KBM403)、離型剤(東亜化成株式会社製 微粉カルナバ)、三酸化アンチモン、臭素化エポキシ樹脂(日本化薬(株)製 BREN−S)、無機充填材として球状シリカ(平均粒径30μm)及び破砕シリカ(平均粒径5μm)を表7に示す割合(部)で配合し、2軸ロールにより混練し、粉砕、タブレット化後、スパイラルフローを以下の条件で測定した。結果を表8、9に示す。・スパイラルフロー
金型:EMMI−1−66に準拠したもの
金型温度:170℃
トランスファー圧力:70kg/cm2
【0067】
【表7】
【0068】
また、前記タブレットを175℃、120秒の条件でトランスファー成型により樹脂成型体を成型し、その直後に以下の特性を測定し、結果を表8、9に示した。
・成型品熱時硬度:成型直後にショア硬度計(Dタイプ)にて測定。尚、試験片は下記の吸水率を測定したものと同じものを使用した。
【0069】
また、得られた樹脂成型体を、160℃で2時間、更に180℃で8時間で後硬化させた後、以下の特性を測定した。
・ガラス転移温度:実施例10〜11と同様にして測定した。
・吸水率:直径50mm×厚み4mmの円盤状の試験片を100℃の水中で24時間煮沸した前後の重量増加率(%)。
【0070】
また、シリコンチップを搭載した16ピンの42アロイリードフレームを、前記タブレットでトランスファー成型により175℃、120秒、70Kg/cm2 の条件で封止して、160℃で2時間、更に180℃で8時間で後硬化させて得られたSOPの模擬素子を用いて以下の特性を測定し、結果を表8、9に示した。
・リフロークラック性:85℃/85%RHで所定時間加湿した後260℃の半田浴中に10秒間浸漬後、外観のクラック及びダイパットの表裏面の剥離を観察して不良数を数えた。
・温度サイクルテスト:−50℃/30分〜150℃/30分の200回行った後の外観のクラック及びダイパットの表裏面の剥離を観察して不良数を数えた。
【0071】
【表8】
【0072】
【表9】
【0073】
表1〜6から明らかなように、式(1)の化合物のみをエポキシ化した比較用のエポキシ樹脂と、本発明の変性エポキシ樹脂の硬化物の物性はほぼ同等であるが、本発明の変性エポキシ樹脂のほうが軟化点が高く、作業性及び組成物の保存性に優れていることが明らかである。また、特に半導体封止用エポキシ樹脂組成物に用いた場合、表8、9から明らかなように、未変性のエポキシ樹脂と比較して低粘度であるため、従来フィラーの高充填が不可能であった樹脂系でもこれが可能となり、且つ未変性時の利点を残し、一般的に用いられているフィラー高充填エポキシ樹脂よりも成型性、耐熱性に優れている。
【0074】
【発明の効果】
本発明の変性エポキシ樹脂は、軟化点が高くて、作業性、保存性(ブロック化しない)が良く、溶融粘度も低い。従って、本発明の変性エポキシ樹脂は、電気電子部品用絶縁材料(高信頼性半導体封止材料など)及び積層板(プリント配線板など)やCFRPを始めとする各種複合材料、接着剤、塗料等に使用する場合に極めて有用である。
Claims (7)
- (成分(a)と成分(b)の混合物中の成分(b)の配合量×1.6)/(成分(a)と成分(b)の混合物中の成分(a)の配合量×(1+56/成分(a)の水酸基当量))が0.3以下である請求項1記載の変性エポキシ樹脂。
- 成分(a)と成分(b)の混合物における成分(a)と成分(b)の配合量の比率が重量比で(b)/(a)が0.4以下である請求項1に記載の変性エポキシ樹脂。
- 成分(a)と成分(b)の混合物における成分(a)と成分(b)の配合量の比率が重量比で(b)/(a)が0.25未満0.05以上である請求項1または2記載の変性エポキシ樹脂。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の変性エポキシ樹脂及び硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物。
- 半導体封止用に調製された請求項5記載のエポキシ樹脂組成物。
- 請求項5または6記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
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