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JP3705519B2 - 熱転写記録媒体 - Google Patents

熱転写記録媒体 Download PDF

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JP3705519B2
JP3705519B2 JP16048497A JP16048497A JP3705519B2 JP 3705519 B2 JP3705519 B2 JP 3705519B2 JP 16048497 A JP16048497 A JP 16048497A JP 16048497 A JP16048497 A JP 16048497A JP 3705519 B2 JP3705519 B2 JP 3705519B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱転写記録媒体に関し、詳しくは受容体への定着性がよく、転写、定着し得る受容体の種類を広げることが可能で、しかも熱、こすれ等の耐性に強く、熱感度などの転写性能の点でも高性能な熱転写記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱転写記録媒体を受容体(被転写体)へ転写するためには、一定の圧力下でこの熱転写記録媒体と受容体とを熱ヘッド上で密着させ、熱ヘッドより加えられる熱エネルギーにより熱転写記録媒体のインク層を溶融し、受容層上に転写する方法が採用されている。この転写の際に、熱転写記録媒体と受容体とが十分に密着していないと、密着不良部分では転写が行なわれなくなる。こうしたことから、密着性を十分に高めるために、受容体として凹凸の少ない平滑なものを使用する必要がある。しかし、一般に受容紙として用いられる紙は、植物繊維よりなるために凹凸が激しい。
【0003】
このようなことから、受容体として使用される紙にはカレンダー処理、表面コーティング等の特殊な処理を施して平滑性を改善したものが用いられている。このような処理を施した紙は表面に特有な光沢があり、しかも手ざわりが悪い等の問題がある。このために、上記特殊な表面処理を施さない普通紙やベック平滑度が数秒から十数秒のボンド紙でも良好な転写が可能な熱転写記録媒体の実用化が要望されている。
【0004】
そこで、普通紙に転写可能な熱転写記録媒体として、インク層中に熱分解性発泡剤を含有させたもの(特開昭59−201893号公報)、インク層中に易揮発性有機液体を内包する微粒子充填剤を含有させたもの(特開昭59−201894号公報)、上下2層に分離され、下層に高沸点溶剤を含有させたインク層を有するもの(特開昭60−239284号公報)、インク層中に熱膨張性物質を含有させたもの(特開昭60−236792号公報)等、転写時の熱エネルギーによってインク層が紙の凹凸に応じるように変化し、転写効率を向上させようとする提案がなされている。しかし、これらの熱転写記録媒体は成膜工程が複雑となり、しかも溶剤の揮発等の安定性にも問題がある。
【0005】
この他に、インク層の上に界面活性剤を含む熱溶融性物質層を設けることにより、平滑度の高い紙から平滑度の低い紙まで良好な転写を可能とした熱転写記録媒体が提案されている(特開昭60−234889号公報)。しかし、この熱転写記録媒体においては、インク層中に低分子量のワックス成分を多く含有させているために、このインク層上に高融点の熱溶融性物質層を塗布する際に下のインク層が再溶解又は再溶融してしまい、安定して製造できない問題がある。
また、インク層中にフタル酸ジエステルを含有させて、ラフ紙対応性向上を目的とした熱転写記録媒体が提案されているが、フィルムベースの受容体においては充分な印字品質が得られないという難点がある。
【0006】
なお、熱転写記録媒体においては、熱転写性能を向上させるために軟化温度の低いインク層が要求されると共に、熱転写された画像を加熱時にこすっても尾を引いて地肌を汚すことがなく、且つ、定着性のよいインクが要求される。しかし、これらの要求には矛盾したものもあるから、簡便に理想的なインク層を形成させることは極めて困難である。例えば、特公昭60−59159号公報には、軟化温度60〜110℃のエポキシ樹脂と着色剤で構成される熱転写インク層を持つ熱転写記録媒体が開示されており、このインク層は保存安定性がよく耐摩耗性にも優れた転写画像を与えるが、この転写画像は70℃の加熱下で摩擦すると画像が乱れる欠点がある。また、転写画像表面の潤滑性が低いため、金属の角やツメ等で容易に剥き取られる欠点もある。
【0007】
このため、熱転写記録層を多層構造にしたり、特定のバインダー樹脂と特定の熱溶融性インクの組合せを探索する等の検討が行われている。例えば、特開平3−99885号公報には、融点60〜120℃の熱溶融性物質で形成される剥離層の上に、ガラス転移温度50〜70℃のポリエステル樹脂と着色剤と滑剤を主成分とする熱転写インク層を持つ熱転写記録材料が開示されている。特開平3−211090号公報には、剥離層やインク層等の複数層で形成されている熱転写記録層の少なくとも一層を、ガラス転移温度120℃以上の熱可塑性樹脂を主成分とする層とし、これによって耐熱性や耐薬品性の高い転写画像が得られる熱転写記録媒体が開示されている。
【0008】
また、特開平3−178488号公報には、軟化点70〜120℃のワックスを主成分とする剥離層と、無色の熱可塑性バインダー樹脂中に無機顔料又は軟化点100℃以上の樹脂粉末を含有させた層と、インク層を持つ3層構成の熱転写記録媒体が、特開平4−189189号公報には、熱溶融性インクと該インクに対して離型性を持つ樹脂マトリックスよりなる熱溶融性インク層を持つ熱転写記録媒体が本出願人によって提案されている。
更に、本出願人は転写画像の耐摩耗性、耐熱性、耐薬品性の向上を目的として研究を進め、インク層のバインダー樹脂として、メチルメタクリレートとアクリロニトリルとグリシジルメタクリレートからなる共重合体をアルカノールアミンで変性した樹脂を提案した(特開平2−258294号公報)。また同様の目的から、アクリロニトリル又はメタクリロニトリルと不飽和ポリエステルで形成される共重合体をインク層のバインダー樹脂にする方法、該インク層の下に潤滑付与剤層及び/又は密着向上剤層を設ける方法及び前記インク層の上に感度向上剤層を設ける方法を提案した(特開平2−258295号公報)。
【0009】
以上述べたように、熱転写記録媒体に関して多数の提案がなされているが、製造面での問題が無く、各種の受容紙に対し個別的に高い品質の印字を行なうことができるものは未だ得られておらず、また一般に転写画像の耐摩耗性が高い場合は熱感度が劣り、熱感度が高い場合は耐摩耗性に問題のあるものが多く、十分に満足できる程度に両者を向上させることが可能な簡単な方法は見当らない。例えば、剥離層を設けることで熱感度は向上するが耐摩耗性が著しく低下し、耐摩耗性向上のため剥離層に滑剤や樹脂等を添加すると熱感度が低下してしまう。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は上記のような諸問題を解決した、即ち製造面の問題無しに各種の受容紙に対して個別的に高品質の印字を行なうことができ、しかも耐摩耗性の画像を与えると共に耐熱性に優れ、更に熱感度も高い熱転写記録媒体を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、支持体上にワックスを主成分とした剥離層、着色剤を含むインク層をその順に積層してなる転写層を有する熱転写記録媒体において、該インク層が着色剤とポリエステル樹脂と添加剤とからなり、しかも該添加剤が下記の一般式(1)で示されるジチオエーテル化合物、一般式(2)で示されるシュウ酸エステル及び一般式(3)で示される二塩基酸エステルから選ばれるいずれかであることを特徴とする熱転写記録媒体が提供される。
【化1】
Figure 0003705519
(式中、Rはアルキレン基、X及びYは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、アシルオキシ基又はハロゲン原子を表し、X及びYは同一又は異なっていてもよい。m、nは各々独立に0〜3の整数を表す。)
【化2】
Figure 0003705519
(式中、R1及びR2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜20のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、−CnH2n−Ar(式中、nは1〜8の整数、Arはアリール基を表し、以下も同様である。)又は−CnH2n−CO−Arを表す。但し、R1及びR2の両方が炭素数1〜20のアルキル基である場合を除く。なお、炭素数1〜20のアルキル基はハロゲン原子で置換されていてもよく、またシクロアルキル基、アリール基、−CnH2n−Ar及び−CnH2n−CO−Ar中のArはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、フェナシル基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アリールカルボニル基、アリールスルホニル基、ニトロ基、アンモニウムスルホン酸基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)
【化3】
Figure 0003705519
(式中、R3、R4はアルキル基、アリール基、プロパギル基、アラルキル基、アリル基を表し、Xはアルキレン、フェニレン、又は下記化4で表される基を表し、R3及びR4は同一でも異なっていてもよい。但し、R3、R4及びXの全てがアルキル基、プロパギル基、アリル基、アルキレン基等の脂肪族基である場合を除く。)
【化4】
Figure 0003705519
【0012】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明は、支持体上にワックスを主成分とした剥離層、着色剤を含むインク層をその順に積層してなる転写層を有する熱転写記録媒体において、該インク層が着色剤とポリエルテル樹脂と添加剤とからなり、しかも該添加剤が上記の一般式(1)で示されるジチオエーテル化合物、一般式(2)で示されるシュウ酸エステル及び一般式(3)で示される二塩基酸エステルから選ばれるいずれかであることを特徴とする。
【0013】
様々な受容体に鮮明な画像を得るためには、インク層中の着色剤とポリエルテル樹脂をサーマルヘッドからの熱付加時に容易に受容体へ熱移行させる必要があるが、概してポリエルテル樹脂は分子量が高いため、熱転写プリンターでのサーマルヘッドでの熱印字のような熱エネルギーでは熱移行しにくい。これを助ける役目をする(熱軟化しやすくする)のが添加剤である。
【0014】
上記ポリエルテル樹脂は重量平均分子量が5,000〜30,000のものを用いることで、分子量を低く抑え、印字品質が向上する。即ち、重量平均分子量が5,000未満では、転写画像の耐摩耗性など耐性の低下を招きやすすく、重量平均分子量が30,000を超えると、転写性が低下し鮮明な画像が得られにくくなる。
更に、ポリエルテル樹脂は、Tgが20〜60℃のものを用いることが好ましい。即ち、Tgが20℃未満のポリエルテル樹脂によると、ブロッキング(インク層がバック層へ転移する)が発生したり、転写画像の尾引きが発生したりする場合がある。一方、Tgが60℃より高いポリエルテル樹脂によると、受容体への定着が充分でなくなると共に熱感度が低下し、転写不良や印字品質低下を招きやすい。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明のインク層においては、前述したように、着色剤とポリエルテル樹脂と添加剤とが主材として用いられる。
まず、インク層に用いる樹脂として最適なポリエステル樹脂は、例えば、多価アルコールと多塩基酸との重縮合、ラクトンのような環状エスエルの開環重合、二塩基酸とグリコールとの重縮合などにより一般に知られている合成法で製造することができる。上述のように、分子量は重量平均分子量(Mw)で5,000〜30,000のものが好ましく、またTg20〜60℃であれば更に好ましい。
また、ポリエルテル樹脂の含有量は、インク層中の固形分重量割合の50〜95%とすることが広範囲な受容体に対して好適である。インク層中のポリエルテル樹脂が50%未満の場合は、受容体への定着が十分でなく、特にシャープエッジによる引っ掻きに弱いなど耐性が劣る。一方、インク層中のポリエルテル樹脂が95%を超えると、低平滑な受容体において画像にかすれが生ずるなど転写が十分でなくなる場合がある。
【0016】
本発明のインク層では、前述したように、ポリエルテル樹脂を熱軟化し易くするために添加剤が使用される。
【0018】
本発明において、添加剤と使用される好ましい有機化合物としては、下記一般式(1)で示されるチオエーテル化合物がある。
【化1】
Figure 0003705519
(式中、Rはアルキレン基、X及びYは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、アシルオキシ基又はハロゲン原子を表し、X及びYは同一又は異なっていてもよい。m、nは各々独立に0〜3の整数を表す。)
【0019】
上記一般式(1)で表されるジチオエーテル化合物としては、種々のものが挙げられるが、なかでも融点が70℃から120℃のものが良好である。融点が高い場合は転写性がやや劣り、融点が低い場合は転写画像の耐熱性が劣る。このような点から下記表2で示す構造式(a)〜(g)のジチオエーテル化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0020】
【表2】
Figure 0003705519
【0021】
更に、本発明において、添加剤として使用される好ましい有機化合物としては、下記一般式(2)で示されるシュウ酸エスエル化合物がある。
【化2】
Figure 0003705519
(式中、R1及びR2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜20のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、−CnH2n−Ar(式中、nは1〜8の整数、Arはアリール基を表し、以下も同様である。)又は−CnH2n−CO−Arを表す。但し、R1及びR2の両方が炭素数1〜20のアルキル基である場合を除く。なお、炭素数1〜20のアルキル基はハロゲン原子で置換されていてもよく、またシクロアルキル基、アリール基、−CnH2n−Ar及び−CnH2n−CO−Ar中のArはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、フェナシル基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アリールカルボニル基、アリールスルホニル基、ニトロ基、アンモニウムスルホン酸基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)
【0022】
上記一般式(2)で表されるシュウ酸エステルとしては、種々のものが挙げられるが、なかでも融点が70℃〜120℃のものが良好である。融点高い場合は転写性がやや劣り、融点が低い場合は転写画像の耐熱性が劣る。このような点から下記表3で示す構造式(a)〜(e)のシュウ酸エステルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0023】
【表3】
Figure 0003705519
【0024】
更にまた、本発明において、添加剤として使用される好ましい有機化合物としては、下記一般式(3)で示される二塩基酸エステル化合物がある。
【化3】
Figure 0003705519
(式中、R3、R4はアルキル基、アリール基、プロパギル基、アラルキル基、アリル基を表し、Xはアルキレン、フェニレン、又は下記化4で表される基を表し、R3及びR4は同一でも異なっていてもよい。但し、R3、R4及びXの全てがアルキル基、プロパギル基、アリル基、アルキレン基等の脂肪族基である場合を除く。)
【化4】
Figure 0003705519
【0025】
上記一般式(3)で表される二塩基酸エステルとしては、種々のものが挙げられるが、なかでも融点が70℃から120℃のものが良好である。融点が高い場合は転写性がやや劣り、融点が低い場合は転写画像の耐熱性が劣る。このような点から下記表4−(1)〜表4−(3)で示す二塩基酸エステルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0026】
【表4−(1)】
Figure 0003705519
【0027】
【表4−(2)】
Figure 0003705519
【0028】
【表4−(3)】
Figure 0003705519
【0029】
本発明のインク層には熱転写性や解像度等の向上を目的として、更に各種の添加物を添加してもよい。例えば、ワックス状の脂肪酸アミド、各種滑剤、パラフィンワックスのような合成ワックス類、キャンデリラワックスやカルナウバワックス等の天然ワックス類、シリコーン油やパーフロロアルキルエーテル等のオイル類等の添加で熱転写性や解像度を向上させることができる。なお、この場合の滑剤にはリン酸エステル等のほか、シリコーン樹脂や四フッ化エチレン樹脂やフロロアルキエーテル樹脂等の樹脂類及び炭化ケイ素やシリカ等の無機滑剤も使用可能である。
【0030】
本発明で用いられる着色剤としては、要求される色調などに応じ、カーボンブラック、有機顔料、無機顔料、又は各種染料から適当なものを選択して用いることができる。
【0031】
次に、剥離層は支持体に隣接して設けられる層であり、融点又は軟化点が70〜120℃のワックスを主体としている。この層は熱印加時に支持体と熱転写層との剥離性をよくするために設ける層であり、そのためのサーマルヘッドによる熱印加で溶融して低粘度液体になるような成分で構成するのが望ましく、また加熱部分と非加熱部分の界面近くで層が容易に切れるように層成分を調整するとよい。
【0032】
剥離層に使用されるワックスを具体的に例示すると、蜜ろう、鯨ろう、木ろう、米ぬかろう、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス等の天然ワックス;パラフインワックス、マイクロクリスタリンワックス、酸化ワックス、オゾケライト、セレシン、エステルワックス、ポリエチレンワックス等の合成ワックス;マルガリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、フロイン酸、べへニン酸等の高級飽和脂肪酸;ステアリルアルコール、べへニルアルコール等の高級飽和一価アルコール;ソルビタンの脂肪酸エステル等の高級エステル;ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等の高級脂肪酸アミド等が挙げられる。
【0033】
また、剥離層に弾力性を持たせて熱転写記録媒体と被転写体との密着性をよくすることも可能であり、この目的を達成するため剥離層にイソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム等のゴム類が添加される。このほか、剥離層の脱落防止のため接着性の強い樹脂類を該層に添加することもよく行われるが、このために添加される樹脂としてはエチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレン−エチルアクリレート共重合体等が好適である。
【0034】
支持体は公知のフィルムや紙をそのまま使用すればよく、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ナイロン、ポリイミド等のように比較的耐熱性のよいプラスチックフィルム;セロハン;硫酸紙等が好ましく使用される。
【0035】
また、本発明の熱転写記録媒体には、必要に応じて支持体の裏面に保護層を設けてもよい。保護層はサーマルヘッドによる熱印加時に支持体を高温から保護するための層であり、耐熱性の高い熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂のほか、紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂も使用可能である。なお、保護層の形成に好適な樹脂はフッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等であり、これらの樹脂を薄膜状で使用すればよい。また、保護層の設置によって支持体の耐熱性を著しく向上させることができるため、該層の設置によって従来は不適とされていた材料を支持体にすることも可能になる。
【0036】
支持体上へのアンダー層、剥離層やインク層あるいは保護層の設層は、ホットメルト塗布法、水性塗工法、有機溶剤を使用する塗工法等の公知の方法で行うことができる。このような塗工法で設けられる熱転写層は、全体の厚みが0.5〜10μm、好ましくは0.5〜6.0μmであり、該熱転写層内でインク層厚は0.5〜6.0μm、好ましくは1.0〜4.0μm、剥離層厚は0.3〜2.0μm、好ましくは0.5〜1.5μm、アンダー層は0.05〜0.40μmとすればよい。
【0037】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により更に具体的に説明する。なお、以下で示す部はすべて重量基準である。
【0038】
〔実施例1−1〕
支持体として4.5μm厚のPETフィルムを用いた。この支持体側から順に下記アンダー層(0.2μm厚)、剥離層(1.0μm厚)、インク層(0.75μm厚)の各成分をメチルエチルケトンを溶剤として塗布乾燥し、本発明の熱転写記録媒体を作製した。なお、インク層成分は固形分15%濃度で塗布した。
<アンダー層>
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂 80部
カーボンブラック 20部
<剥離層>
カルナウバワックス 70部
キャンデリラワックス 25部
スチレンブタジエンゴム 5部
<インク層>
カーボンブラック 25部
ポリエステル樹脂(Tg:78℃、Mw=45000) 52.5部
シュウ酸ジベンジル 22.5部
【0041】
〔比較例1−1〕
市販の熱転写リボンを用いた。分析の結果、支持体として6.5μm厚のPETフィルム上に、カルナウバワックス及び変性ポリエチレンを含む剥離層及びカーボンブラック、ポリエステル樹脂及びカルナウバワックスを含むインク層が順に設けられており、剥離層及びインク層の総和は1.5ないし2.0μm厚であった。
【0042】
〔比較例1−2〕
実施例1−1において、インク層の組成を下記組成に変えた以外は、実施例1−1と同様にして比較用の熱転写記録媒体を作製した。
〈インク層〉
カーボンブラック 20部
ポリエステル樹脂(Tg:22℃、Mw=22000) 50部
アクリル樹脂 30部
【0043】
〔比較例1−3〕
支持体として4.5μm厚のPETフィルムを用い、この支持体側から順に下記成分から成る剥離層(1.0μm厚)、インク層(1.0μm厚)をメチルエチルケトンを溶剤として塗布乾燥し、比較用の熱転写記録媒体を作製した。
〈剥離層〉
カルナウバワックス 70部
シリコーン樹脂 30部
〈インク層〉
カーボンブラック 20部
ポリエステル樹脂(Tg:60℃、Mw=25000) 50部
アクリル樹脂 50部
【0044】
上記のようにして得た実施例及び比較例の熱転写記録媒体について、下記印字条件で印字し形成された画像について、画像転写性、及び尾引きを評価した。結果を表5に示す。
【0045】
サーマルヘッド:部分グレース薄膜ヘッドタイプ(8ドット/mm)
プラテン圧:150g/cm
熱転写記録媒体の引き剥がし角度:受容紙に対して30度
引き剥がしトルク値:200g
印字速度:10cm/秒
受容紙:白PET(Bekk平滑度25000秒)及び合成紙(Bekk平滑度2000秒)
【0046】
〔評価〕
〈画像転写性〉
印加エネルギー20mj/mm2での転写画像を次の基準で評価した。
◎ ボイド、カスレがなく、画像のエッジがシャープである。
○ ボイド、カスレがほとんどない。
△ ややボイド、カスレがある。
× まったく転写しない。
【0047】
〈尾引き〉
白PETを受像紙として用い、印加エネルギー20mj/mm2におけるナロー2ドット、ワイド6ドットの横バーコードの転写画像を次の基準で評価した。なお、ここでいう尾引きとは、印字時に印加部と共に非印加部のインク層が持って行かれ、画像のエッジ部がひげ状になることを指す。
◎ 尾引きがなく、画像のエッジがシャープである。
○ 尾引きがほとんどない。
△ やや尾引きがある。
× 横バーコードが尾引きで完全につぶれ解読できない。
【0048】
【表5】
Figure 0003705519
【0049】
表5より実施例のものが、画像転写性や尾引きに関して優れていることがわかる。ことにポリエステル樹脂に本発明の添加剤が添加されると、rough PEに対する転写性が著しく改善される。
【0050】
〔実施例2−1〕
支持体として4.5μm厚のポリエステルフィルムを用い、この支持体上に下記組成の剥離層及びインク層をそれぞれ厚さが1.0μmとなるようメチルエチルケトンを溶剤として順次塗布し、本発明の熱転写記録媒体を作製した。
〈剥離層〉
カルナウバワックス 97部
エチレン−酢酸ビニル共重合体 3部
〈インク層〉
カーボンブラック 20部
表2中、(b)で示されるジチオエーテル化合物 20部
ポリエステル樹脂(Tg60℃、Mn=25000) 60部
【0051】
〔実施例2−2〕
インク層の組成を下記組成に変えた以外は、実施例2−1と全く同様にして本発明の熱転写記録媒体を作製した。
〈インク層〉
カーボンブラック 30部
表2中、(b)で示されるジチオエーテル化合物 10部
ポリエステル樹脂(Tg22℃、Mn=22000) 60部
【0052】
〔実施例2−3〕
インク層の組成を下記組成に変えた以外は、実施例2−1と全く同様にして本発明の熱転写記録媒体を作製した。
〈インク層〉
カーボンブラック 30部
表2中、(b)で示されるジチオエーテル化合物 10部
ポリエステル樹脂(Tg47℃、Mn=25000) 60部
【0053】
〔実施例2−4〕
インク層の組成を下記組成に変えた以外は、実施例2−1と全く同様にして本発明の熱転写記録媒体を作製した。
〈インク層〉
カーボンブラック 30部
表2中、(b)で示されるジチオエーテル化合物 10部
ポリエステル樹脂(Tg30℃、Mn=27000) 60部
【0054】
〔実施例2−5〕
インク層の組成を下記組成に変えた以外は、実施例2−1と全く同様にして本発明の熱転写記録媒体を作製した。
〈インク層〉
カーボンブラック 30部
表2中、(b)で示されるジチオエーテル化合物 10部
ポリエステル樹脂(Tg45℃、Mn=17000) 60部
【0055】
〔実施例2−6〕
インク層の組成を下記組成に変えた以外は、実施例2−1と全く同様にして本発明の熱転写記録媒体を作製した。
〈インク層〉
カーボンブラック 30部
表2中、(a)で示されるジチオエーテル化合物 10部
ポリエステル樹脂(Tg45℃、Mn=17000) 60部
【0056】
〔比較例2−1〕
インク層の組成を下記組成に変えた以外は、実施例2−1と全く同様にして比較用の熱転写記録媒体を作製した。
〈インク層〉
カーボンブラック 30部
ポリエステル樹脂(Tg45℃、Mn=17000) 70部
【0057】
〔比較例2−2〕
インク層の組成を下記組成に変えた以外は、実施例2−1と全く同様にして比較用の熱転写記録媒体を作製した。
〈インク層〉
カーボンブラック 30部
エポキシ樹脂(軟化点70℃) 70部
【0058】
〔比較例2−3〕
インク層の組成を下記組成に変えた以外は、実施例2−1と全く同様にして比較用の熱転写記録媒体を作製した。
〈インク層〉
カーボンブラック 30部
スチレン−メチルメタクリレート共重合体
(重量比25:75)(Mw=6700、Mn=3800) 70部
【0059】
得られた実施例2−1〜2−6及び比較例2−1〜2−3の熱転写記録媒体について、以下の方法で評価テストを行い、結果を表6に示した。なお、評価テストは転写画像について行ったが、受容紙には裏面にのり付け処理されたラベル状の白PET又は合成紙を使用した。
【0060】
(印字条件)
サーマルヘッド:部分グレース薄膜ヘッドタイプ(8ドット/mm)
プラテン圧:150g/cm
熱転写記録媒体の引き剥がし角度:受容紙に対して30度
引き剥がしトルク値:200g
印字速度:10cm/秒
【0061】
(評価した特性)
l.画像形成状況
白PET(Bekk平滑度25000秒)と合成紙(Bekk平滑度2000秒)を被転写紙として用い、印加エネルギー20mJ/mm2下での転写画像を下記の基準にて評価した。
◎ ボイド、カスレが無く、画像のエッジがシャープである。
○ ボイド、カスレがほとんどない。
△ ややボイド、カスレがある。
× まったく転写しない。
【0062】
2.耐磨耗性
約lt/cm2のステンレスエッジの対物で30cm/secのスピードで50往復画像をラブテストし、下記の基準で評価した。
◎ 画像がまったく破壊されない。
○ 画像がほとんど破壊されない。
△ 画像がやや破壊される。
× 画像が完全に破壊される。
【0063】
3.耐熱性
100℃または150℃に設定された槽内で、ガラス板の上に転写画像サンプルを置き、30cm/秒のスピードで往復ラブテストを20回行い、被転写紙(白PET)面を目視で観察し、下記の基準で評価した。
◎ ラブテストの結果、テスト前と変化なし。
○ ラブテストの緒累、画像の判読は可能だが傷ができる。
△ ラブテストの結果、画像の判読が不可能になる。
× ラブテストの結果、被転写紙面が露出する。
【0065】
5.尾びき
白PET(Bekk平滑度25000秒)を被転写紙として用い、印加エネルギー20mJ/mm2下でのナロー2ドット、ワイド6ドットの横バーコードの転写画像を下記の基準で評価した。なお、ここでいう尾びきとは、印字時に印加部と共に、非印加部の転写層が持っていかれ、画像のエッジ部がヒゲ状となることを指す。
◎ 尾びきが無く、画像のエッジがシャープである。
○ 尾びきがほとんどなぃ。
△ やや尾びきがある。
× 横バーコードが尾びきで完全につぶれ解読できない。
【0066】
【表6】
Figure 0003705519
【0067】
表6より実施例のものが耐摩耗性、耐熱性だけでなく、画像転写性や尾引きに関しても優れていることがわかる。ことにポリエステル樹脂にジチオエーテル化合物が添加されると、低平滑紙に対する転写性と横バーコードの転写画像が著しく改善される。
【0068】
〔実施例3−1〕
支持体として4.5μm厚のポリエステルフィルムを用い、この支持体上に下記組成の剥離層及びインク層をそれぞれ厚さが1.0μmとなるようメチルエチルケトンを溶剤として順次塗布し、本発明の熱転写記録媒体を作製した。
〈剥離層〉
カルナウバワックス 100部
〈インク層〉
カーボンブラック 20部
シュウ酸ジベンジル〔表3中、(c)〕 20部
ポリエステル樹脂(Tg60℃、Mn=25000) 60部
【0069】
〔実施例3−2〕
インク層の組成を下記組成に変えた以外は、実施例3−1と全く同様にして本発明の熱転写記録媒体を作製した。
〈インク層〉
カーボンブラック 20部
シュウ酸ジベンジル〔表3中、(c)〕 20部
ポリエステル樹脂(Tg22℃、Mn=22000) 60部
【0070】
〔実施例3−3〕
インク層の組成を下記組成に変えた以外は、実施例3−1と全く同様にして本発明の熱転写記録媒体を作製した。
〈インク層〉
カーボンブラック 20部
シュウ酸ジベンジル〔表3中、(c)〕 20部
ポリエステル樹脂(Tg47℃、Mn=25000) 60部
【0071】
〔実施例3−4〕
インク層の組成を下記組成に変えた以外は、実施例3−1と全く同様にして本発明の熱転写記録媒体を作製した。
〈インク層〉
カーボンブラック 20部
シュウ酸ジベンジル〔表3中、(c)〕 20部
ポリエステル樹脂(Tg30℃、Mn=27000) 60部
【0072】
〔実施例3−5〕
インク層の組成を下記組成に変えた以外は、実施例3−1と全く同様にして本発明の熱転写記録媒体を作製した。
〈インク層〉
カーボンブラック 20部
シュウ酸ジベンジル〔表3中、(c)〕 20部
ポリエステル樹脂(Tg45℃、Mn=17000) 60部
【0073】
〔実施例3−6〕
インク層の組成を下記組成に変えた以外は、実施例3−1と全く同様にして本発明の熱転写記録媒体を作製した。
〈インク層〉
カーボンブラック 20部
シュウ酸ジベンジル〔表3中、(c)〕 20部
ポリエステル樹脂(Tg47℃、Mn=6000) 60部
【0074】
〔比較例3−1〕
インク層の組成を下記組成に変えた以外は、実施例3−1と全く同様にして比較用の熱転写記録媒体を作製した。
〈インク層〉
カーボンブラック 20部
ポリエステル樹脂(Tg60℃、Mn=25000) 80部
【0075】
〔比較例3−2〕
インク層の組成を下記組成に変えた以外は、実施例3−1と全く同様にして比較用の熱転写記録媒体を作製した。
〈インク層〉
カーボンブラック 20部
エポキシ樹脂(軟化点70℃) 80部
【0076】
〔比較例3−3〕
インク層の組成を下記組成に変えた以外は、実施例3−1と全く同様にして比較用の熱転写記録媒体を作製した。
〈インク層〉
カーボンブラック 20部
スチレン−メチルメタクリレート共重合体
(重量比25:75)(Mw=6700、Mn=3800) 80部
【0077】
得られた実施例3−1〜3−6及び比較例3−1〜3−3の熱転写記録媒体について、実施例2−1等と同様の方法で評価テストを行った。それらの結果を表7に示した。
【0078】
【表7】
Figure 0003705519
【0079】
表7より実施例のものが耐摩耗性、耐熱性だけでなく、画像転写性や尾引きに関しても優れていることがわかる。ことにポリエステル樹脂にシュウ酸エステルが添加されると、低平滑紙に対する転写性と横バーコードの転写画像が著しく改善される。
【0080】
〔実施例4−1〕
支持体として4.5μm厚のポリエステルフィルムを用い、この支持体上に下記組成の剥離層及びインク層をそれぞれ厚さが1.0μmとなるようメチルエチルケトンを溶剤として順次塗布し、本発明の熱転写記録媒体を作製した。
〈剥離層〉
カルナウバワックス 100部
〈インク層〉
カーボンブラック 20部
1,4−ジ(エトキシカルボニルオキシ)ベンゼン
〔表4(1)中、構造式(2)の二塩基酸エステル〕 20部
ポリエステル樹脂(Tg60℃、Mn=25000) 60部
【0081】
〔実施例4−2〕
インク層の組成を下記組成に変えた以外は、実施例4−1と全く同様にして本発明の熱転写記録媒体を作製した。
〈インク層〉
カーボンブラック 20部
1,4−ジ(エトキシカルボニルオキシ)ベンゼン
〔表4(1)中、構造式(2)の二塩基酸エステル〕 20部
ポリエステル樹脂(Tg22℃、Mn=22000) 60部
【0082】
〔実施例4−3〕
インク層の組成を下記組成に変えた以外は、実施例4−1と全く同様にして本発明の熱転写記録媒体を作製した。
〈インク層〉
カーボンブラック 20部
1,4−ジ(エトキシカルボニルオキシ)ベンゼン
〔表4(1)中、構造式(2)の二塩基酸エステル〕 20部
ポリエステル樹脂(Tg47℃、Mn=25000) 60部
【0083】
〔実施例4−4〕
インク層の組成を下記組成に変えた以外は、実施例4−1と全く同様にして本発明の熱転写記録媒体を作製した。
〈インク層〉
カーボンブラック 20部
1,4−ジ(エトキシカルボニルオキシ)ベンゼン
〔表4(1)中、構造式(2)の二塩基酸エステル〕 20部
ポリエステル樹脂(Tg30℃、Mn=27000) 60部
【0084】
〔実施例4−5〕
インク層の組成を下記組成に変えた以外は、実施例4−1と全く同様にして本発明の熱転写記録媒体を作製した。
〈インク層〉
カーボンブラック 20部
1,4−ジ(エトキシカルボニルオキシ)ベンゼン
〔表4(1)中、構造式(2)の二塩基酸エステル〕 20部
ポリエステル樹脂(Tg45℃、Mn=17000) 60部
【0085】
〔実施例4−6〕
インク層の組成を下記組成に変えた以外は、実施例4−1と全く同様にして本発明の熱転写記録媒体を作製した。
〈インク層〉
カーボンブラック 20部
1,4−ジ(エトキシカルボニルオキシ)ベンゼン
〔表4(1)中、構造式(2)の二塩基酸エステル〕 20部
ポリエステル樹脂(Tg47℃、Mn=6000) 60部
【0086】
〔比較例4−1〕
インク層の組成を下記組成に変えた以外は、実施例4−1と全く同様にして比較用の熱転写記録媒体を作製した。
〈インク層〉
カーボンブラック 20部
ポリエステル樹脂(Tg60℃、Mn=25000) 80部
【0087】
〔比較例4−2〕
インク層の組成を下記組成に変えた以外は、実施例4−1と全く同様にして比較用の熱転写記録媒体を作製した。
〈インク層〉
カーボンブラック 20部
エポキシ樹脂(軟化点70℃) 80部
【0088】
〔比較例4−3〕
インク層の組成を下記組成に変えた以外は、実施例4−1と全く同様にして比較用の熱転写記録媒体を作製した。
〈インク層〉
カーボンブラック 20部
スチレン−メチルメタクリレート共重合体
(重量比25:75)(Mw=6700、Mn=3800) 80部
【0089】
得られた実施例4−1〜4−6及び比較例4−1〜4−3の熱転写記録媒体について、実施例2−1等と同様の方法で評価テストを行った。それらの結果を表8に示した。
【0090】
【表8】
Figure 0003705519
【0091】
表8より実施例のものが耐摩耗性、耐熱性だけでなく、画像転写性や尾引きに関しても優れていることがわかる。ことにポリエステル樹脂に二塩基酸エステルが添加されると、低平滑紙に対する転写性と横バーコードの転写画像が著しく改善される。
【0092】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、支持体上にワックスを主成分とした剥離層、着色剤を含むインク層を順次積層してなる熱転写記録媒体において、インク層が着色剤、ポリエステル樹脂及び前記した添加剤を含有することによって、耐摩耗性、耐熱性に優れるのみならず平滑性の低い受容紙に対しても熱感度及び画像品質にも優れた熱転写記録媒体を得ることができる。

Claims (1)

  1. 支持体上にワックスを主成分とした剥離層、着色剤を含むインク層をその順に積層してなる転写層を有する熱転写記録媒体において、該インク層が着色剤とポリエステル樹脂と添加剤とからなり、しかも該添加剤が下記の一般式(1)で示されるジチオエーテル化合物、一般式(2)で示されるシュウ酸エステル及び一般式(3)で示される二塩基酸エステルから選ばれるいずれかであることを特徴とする熱転写記録媒体。
    Figure 0003705519
    (式中、Rはアルキレン基、X及びYは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、アシルオキシ基又はハロゲン原子を表し、X及びYは同一又は異なっていてもよい。m、nは各々独立に0〜3の整数を表す。)
    Figure 0003705519
    (式中、R 1 及びR 2 はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜20のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、−CnH 2 n−Ar(式中、nは1〜8の整数、Arはアリール基を表し、以下も同様である。)又は−CnH 2 n−CO−Arを表す。但し、R 1 及びR 2 の両方が炭素数1〜20のアルキル基である場合を除く。なお、炭素数1〜20のアルキル基はハロゲン原子で置換されていてもよく、またシクロアルキル基、アリール基、−CnH 2 n−Ar及び−CnH 2 n−CO−Ar中のArはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、フェナシル基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アリールカルボニル基、アリールスルホニル基、ニトロ基、アンモニウムスルホン酸基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)
    Figure 0003705519
    ( 式中、R 3 、R 4 はアルキル基、アリール基、プロパギル基、アラルキル基、アリル基を表し、Xはアルキレン、フェニレン、又は下記化4で表される基を表し、R 3 及びR 4 は同一でも異なっていてもよい。但し、R 3 、R 4 及びXの全てがアルキル基、プロパギル基、アリル基、アルキレン基等の脂肪族基である場合を除く。 )
    Figure 0003705519
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