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JP3696991B2 - 手摺り付き立上りalc壁構造及びその構築方法 - Google Patents

手摺り付き立上りalc壁構造及びその構築方法 Download PDF

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JP3696991B2 JP27415196A JP27415196A JP3696991B2 JP 3696991 B2 JP3696991 B2 JP 3696991B2 JP 27415196 A JP27415196 A JP 27415196A JP 27415196 A JP27415196 A JP 27415196A JP 3696991 B2 JP3696991 B2 JP 3696991B2
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昌志 永井
利二 遠藤
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クリオン株式会社
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は手摺り付き立上りALC壁構造に関し、詳しくはALCパネル(以下、単にパネルという)で構成されたベランダ、廊下、階段、バルコニー、パラペット等の壁上に手摺りを強固に取り付けられ得る手摺り付き立上りALC壁構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、廊下、階段またはバルコニー、ベランダ、パラペット等の手摺りつき立上りALC壁構造としては、図5に示すような構造が知られている。すなわち、ALCパネルPの下部小口面90を受けるL字型受けアングル91と、パネルPの上部を支持するL字型支持アングル92と、それらを連結するパネル側面のL字型アングル93とでパネルPが支持される。また、パネルPの上部寄りと下部寄りとに座堀り穴とボルト穴(図示せず)が加工され、それらの穴に装着された座金とフックボルト94とで固定されるとともに、そのフックボルト94が下部のL字型受けアングル91と上部のL字型支持アングル92とに溶接固定されて、パネルPが固定される。
【0003】
そして、パネルPの上部を支持するL字型支持アングル92の上面に溶接やボルト締め等で手摺りHの柱95が固定されている。この構造は、ALC壁の上端と下端の両端をL字型の各アングルで支持し、しかも、上端のL字型支持アングルに直接手摺り柱を固定するので手摺りHに加えられる力がパネルPにかからない構造である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、以上のような従来の手摺り付き立上りALC壁構造では、ALC壁パネルの両側面及び上部にL字型のアングルを設けなければならないばかりでなく、上側のL字型受けアングルやフックボルト等が立上りALC壁パネルの内側に突出しているため、外観上好ましくない。この問題を解決するためには、パネルの裏面に成型ボード等を貼設してパネルの両側面のL字型アングルを覆う必要があった。このため、パネル支持用の部材がさらに多くなり、コストが高くなるとともに、取り付け作業に手数がかかるという問題点があった。一方、これらのL字型の各アングルを無くすと、手摺りの固定ができないか、困難になるという問題が生ずる。
【0005】
したがって、本発明の目的は、以上のようなL字型の各アングルを用いた従来の問題点を無くすと同時に、ALC壁上に手摺りが強固に取り付けられ得る手摺りつき立上りALC壁構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上のような課題を解決するために、本発明は次のような構成からなる。
複数のALCパネルで構成されたベランダ、バルコニー、パラペット、廊下、階段等のALC壁の上方小口面に手摺りが設けられている手摺り付き立上りALC壁構造において、
ALCパネルはその幅方向の中心部でかつそのパネルの下部と中間部との2カ所に埋設されたアンカー部とそれと係合するパネル取付金具とを介して建物躯体に取り付けられており、
前記ALC壁の上方小口面上の少なくとも各端部寄りの位置に、プレートとその裏面に垂直に固設された棒状体とから成るT字型金具が、その棒状体が上方小口面上に開けられた孔に挿入されかつその棒状体の先端部が前記ALCパネル内に埋設された補強鉄筋の埋設位置の内部まで挿入されることにより固定されており、
また該T字型金具のプレート上に鋼板が溶接により前記上方小口面上に敷設・固定されており、さらにその鋼板上に手摺りが固設されている構造である。
【0007】
以下本発明の作用効果について述べる。
本発明においては、パネルはその幅方向の中心部でかつ下部と中間部との2か所で躯体に取り付ける構造と、T字型金具を介して鋼板がパネルの上方小口面上に敷設・固定されている構造とが相俟って十分な取付け強度が得られる。また、ALC壁パネルの両側面及び上部にL字型受けアングルを設ける必要がなくなり、その結果パネルの両側面のL字型アングルを覆うために、ALC壁パネルの裏面に成型ボード等を貼設する必要もない。
【0008】
したがって、より少ない支持部材で取り付けることができるためコストが低減し、かつその取付け作業も軽減する。また、上部のL字型受けアングル等の鋼材が立上りALC壁パネルの内側に突出することもないため、外観を損なうこともない。
【0009】
本発明の基本構造によれば、以上のような種々の作用効果が得られるが、一方、上部のL字型アングル等の鋼材が存在していないため、ALC壁の上方小口面上に手摺りを取り付けることが困難になる。そこで、本発明ではパネルの上方小口面に鋼板をプレートとその裏面に固設された棒状体とから成るT字型金具を介して敷設・固定した。
【0010】
しかし、ALCパネルは他のコンクリート素材に比較して強度が小さく、特に端部が欠け易いという問題がある。そのため、ALC壁の上方小口面上の各端部には鋼板は固定しにくく、その各端部の鋼板は小口面から浮き上がり易いという問題が生ずる。そこで、本発明では各端部寄りの鋼板を確実に固定するために、上方小口面上に孔を開けて棒状体を挿入し、しかもその先端部がパネル内に埋設された補強鉄筋の埋設位置の内部まで挿入されている構成とした。すなわち、この領域内のALCパネルは強度が大きいため、T字型金具がより強固に固定されるようになるのである。
以上のような構成により、手摺りはALC壁の上方小口面上に強固に取り付けられるようになるとともに、手摺りは上方小口面上に設けられるので、手摺りにかかる荷重はALC壁全体で支えることができ、パネルに無理な荷重がかからない。
【0011】
また、本発明において、T字型金具の棒状体の中央部から前記プレートまでの間の所定位置に突起部が形成され、その突起部が前記孔の内周面に食込まれていることがより好ましい。すなわち、このようにすることにより、孔内部に挿入した棒状体のガタつきを防止することができるとともに、突起部が孔の内周面に食い込まれているので孔の内面で強固に支えられ、その結果、そのT字型金具に鋼板が緩むことなく強固に固定される。突起部が棒状体の中央部よりも下方に設けられていると、T字型金具がガタつき、孔の入口が徐々に破壊され、また亀裂が生じてALCパネルの端部が欠け易くなり、最後に端部寄りのT字型金具が抜け易くなる。
【0012】
さらに、孔の入口には座繰部が設けられ、T字型金具のプレートはその表面と上方小口面とがほぼ面一になるように位置され、かつその座繰部の側壁とプレートの外周面との間に隙間が形成されていることが望ましい。すなわち、隙間の存在により、地震や大きな荷重によってプレートが変位してもその外周面が座繰部の側壁を強く押圧することがないため、座繰部の側壁を破壊することがなくなる。ALC壁は端部が欠け易いため、端部寄りに設けたT字型金具のプレートがわずかに変位しても側壁を破壊し、また大きく変位した場合はその周囲に亀裂が生じ易くなるのである。従って、このような隙間はALC壁の端部寄りにT字型金具を固定する際より好ましい構成となるのである。
【0013】
さらにまた、前記ALC壁の上方小口面上の中間部の位置にも、前記T字型金具の前記棒状体がその上方小口面上に開けられた孔に挿入されかつその棒状体の先端部が前記ALCパネル内に埋設された補強鉄筋の埋設位置の内部まで挿入されることにより、前記T字型金具が固定され、前記プレート上に前記鋼板が溶接により敷設・固定されていることが望ましい。このように、ALC壁の長さに応じてALC壁の上方小口面上の中間部の位置にも所定数設けて、鋼板の固定位置数を増加させることにより、固定強度を向上させることができる。またその際、パネルの側方小口面同士が互いに突き合わされて形成している目地部にもモルタルによって目地部埋込部材が埋設され、その上端部に鋼板が固定される構成であってもよい。この場合は、目地部埋込部材の使用部分については、パネルに孔等を開ける必要がないので、その作業を省くことができる。一方、前記のT字型金具による固定は目地部にモルタルを使用する必要がないため、乾式工法に好適である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1および図2に基づいて説明する。
図1に示すように、複数のパネル2が側方小口面2a同士互いに突き合わされて立上りALC壁1を形成している。それらに使用するパネル2は、その高さが500〜2000mm、横幅が300〜600mm、厚みが80〜150mm程度のものが好適であり、通常はパネル2を縦長にして使用する。
【0015】
各パネル2は、そのパネル2の下部寄りと縦方向の中間部との2か所でかつパネルの横幅方向の中心部位置に埋設されたアンカー部4とそれらと係合するパネル取付金具5およびボルトを介して、梁6a,L字形アングル6bなどから構成される建物躯体6に取り付けられている。
【0016】
パネル中間部のアンカー部4の位置はパネル下部のアンカー部4から300mm以上離れている。なお、その位置から、躯体6に直接には連結されず自由端となっている上方小口面1aまでの、距離は最大でも1500mm以下であることが望ましい。また、このようにして立上りALC壁1が取り付けられた建物躯体6の梁6aの上面には床用のパネル等(図示なし)が敷き込まれている。
また、パネル2内に埋設されるアンカー部4はパネル2の横幅の3/5の長さを有する長尺のL形鋼4aとその中心部に固着された一個のアンカーナット4bとから成っている。なお、アンカー部4の長さは耐力上からパネル2の横幅の1/3以上であることが望ましい。
【0017】
パネル取付金具5は、次のような構成を有しておりL字形アングル6bの起立片部6baに固着されている。
すなわち、ボルト挿通部が設けられた取付板5aと、その上部が延長して形成されている突出片5bと、この取付板5aの両側縁が折り曲げられて形成されたリブ片5cと、そのリブ片5cがさらに下方に垂下して形成されている垂下リブ片5dとから構成されている。さらに取付板5aの厚みはL字形アングル6bの厚みとほぼ等しく、リブ片5cは取付板5aの両側縁を折り曲げて形成されたものであり、そのリブ片5cから垂下リブ片5dが下方に垂下して形成されているので、パネル取付板5aの表面よりもその板の厚み分だけ段差を有している。したがって、L字形アングル6bの起立片部6baに、その段差を係合させてその部分を溶接固定すれば、取付板5aの表面と起立片部6baとがほぼ同一面となり、それにパネルを当てた際に段差が生じたり間があいたりしなくなる。
【0018】
また、このパネル取付金具5は、その突出片5bによってパネル2を押す面を広くとれ、かつ突出片5bは両側縁にリブ片5cが設けられておらず板状体となっているため、微妙に撓みながらパネル2を押すので、パネル取付板5aがパネル内にめり込まずにパネル2を支えることができる。結果として、パネルの押圧力に対する耐力を向上させることができる。
【0019】
次に、以上のようにして形成されている立上りALC壁1の上方小口面1aに手摺り3を設けるためのT字型金具7の取付けおよび鋼板10の敷設・固定構造について説明する。先ず、T字型金具7の取付け構造は次の通りである。
立上りALC壁1の上方小口面1a上の各端部寄り1bの位置とその他の中間部の位置には孔8が開けられており、図2に示すように、円形のプレート7aとその裏面に垂直に固設された棒状体7bとから成るT字型金具7が、孔8にその棒状体7bが挿入されることにより固定されている。また、その棒状体7bはその先端部がパネル2内に埋設された補強鉄筋9の埋設位置の内部まで、すなわち、パネル2内に埋設された補強鉄筋9に囲まれた領域まで挿入されている。
【0020】
なお、本発明ではT字型金具7の棒状体7bは、図1および2に示すように中央部からプレート7aまでの間の所定位置に突起部7cが形成されていることが好ましい。すなわち、その突起部7cが孔8の内周面に食込まれるとともに中央部からプレート7aまでの間に設けられていることにより、孔8内部に挿入した棒状体7bのガタつきをプレート7aに近い位置で押さえることができ、T字型金具7がパネル2にさらに強固に把持されるようになる。
棒状体7bの突起部7cが中央よりも下側、すなわち先端側に位置していると、その先端側の突起部7cからプレート7aまでの間でガタ付きが生じ、しっかりと固定することができない。また、T字型金具7全体が孔8の入口8a付近でガタ付くようになり、その結果入口8a付近のパネルが徐々に破壊されてくる。
【0021】
なお、突起部7cの高さは1〜5mm、長さは2〜6mm程度のものが2個から数個突設されているものとすることが固定を確実にできるという面で望ましいが、孔8の入口8a付近を破壊しないように、棒状体7bのプレート7aから5mm以上離れた部分に設けることがより好ましく。また複数個直列に突設されているもの、さらには中央位置からプレート7aの近房まで連続した突起部7cが突設されているものでも構わない。
この突起部7cは棒状体7bの側面をプレス等でつまみ出すことにより容易に形成することができる。またT字型金具7をさらに確実に固定するために孔8には低粘度のウレタン系またはエポキシ系等の合成樹脂系接着材を注入して固化させてもよい。
【0022】
また、立上り壁用に用いるALCパネルPには、図1に示すように鉄筋を格子状に溶接してマット状にしたものを折り曲げてC形にしたもの、あるいは、鉄筋を格子状に溶接してマット状にしたものを2枚、一対にして連結したもの等が補強鉄筋9として内部に存在する。本発明では上述のごとく、このようにパネル2内に埋設された補強鉄筋9に囲まれた領域まで、棒状体7bの先端部が挿入されている必要がある。
【0023】
その理由は、パネル2内に埋設された補強鉄筋9に囲まれた領域は、補強鉄筋9に囲まれていない領域と比較して強度が大幅に向上するため、棒状体7bの長さを少なくともその領域に届く長さとすることにより、T字型金具7がパネル2にさらに強固に把持されるようになる。それによって、パネル2の角が非常に欠けやすいというALCパネルの弱点を補い、ALC壁1の端部寄りにT字型金具7を固定可能となるのである。
【0024】
しかし、棒状体7bの長さは、重さや取付け作業性、効果の限界などの面で最大300mm以下とすることが好ましい。また、棒状体7bは管状体も適用可能であるが、強度面および固定作業性から直径5〜20mmの鋼材製の棒体が望ましい。
プレート7aは取付け作業性の面から直径30〜70mmの円盤状であることが望ましいが四角形など他の形状でも構わない。
【0025】
また、T字型金具7を挿入する孔8の入口8aには、図2に示すように、プレート7aを嵌合させる座繰部11が形成され、その深さがプレート7aの表面と上方小口面1aとがほぼ面一になる、すなわち同一平面上に存在するように形成されている。それによりT字型金具7のプレート7aが上方小口面1a上に露出しないので意匠性が高まるほかにT字型金具7を固定する際、鋼板10と上方小口面1aとの間が開かないため、その間に水がたまったりすることがない。
【0026】
その座繰部11の側壁とプレート7aの外周面との間に2〜5mm程度の隙間12が形成されていることが望ましい。すなわち、地震時や大きな荷重がプレート7aにかかった際、プレート7aの位置がズレてもその外周面が座繰部11の側壁を押圧する力が小さく、座繰部11の側壁を破壊することが少なくなる。このような隙間12がまったくないと、プレート7aがわずかに変位しても側壁を破壊し、また大きく変位した場合はその周囲に亀裂が生じ易くなるのである。従って、このような隙間12の構成は、ALC壁1の端部が欠けやすいという欠点の解消にさらに貢献するため、ALC壁1の上方小口面1aの端部寄り1bにT字型金具7を固定する際より好ましい構成となるのである。
【0027】
次に、以上のようにして固定されたT字型金具7のプレート7a上に鋼板10が敷設され溶接により固定される。溶接固定方法は、例えば図2に示すように、予め鋼板10のT字型金具7のプレート7aを溶接する部分に穴10aを開けておき、この穴10aの内周とT字型金具7のプレート7aを溶接することにより固定する。なお、鋼板10の幅、厚みは上方小口面1aの幅や手摺り3の大きさに応じて適宜選ぶ。
【0028】
さらに、前記鋼板10上には手摺り柱3aが固設され、それに横棒が設けられて手摺り3が形成されている。鋼板10上に手摺り柱3aを固設する手段は、主として溶接によるがボルトなど他の手段でも良い。
【0029】
このように本発明においてT字型金具7は、上記実施形態の図1のような同一高さのALC壁1の上方小口面1a上の端部寄りの位置の他に、図3のような段差を有する壁のうちの、同一高さに連続したALC壁1部分の上方小口面1a上の端部寄りの位置や、ALC壁1が直交して形成されるコーナー部の上方小口面1a上の端部寄りの位置にも適用され得る。
【0030】
なお、本発明においてはT字型金具7は、以上のようにALC壁1の上方小口面1a上の少なくとも各端部寄り1bの位置に固定されている必要があるが、さらに図1のように上方小口面1a上の中間部の位置にも同様の構造で固定されていることが取付強度を保証する上で好ましい。また、中間部の位置のT字型金具7に代えて後述の図4に示すような目地部埋込部材14を目地部13内に埋設しても良く、さらには本発明の構造をより強固なものにするためにそれらを併用しても良い。
【0031】
次に、ALC壁1の中間部の位置にT字型金具7に代えて目地部埋込部材14を適用する実施形態について説明する。
図3および図4に示すように、一般に側方小口面2a同士が互いに突き合わされて成る目地部13は、パネル2を連結するために空洞15が形成されてそこにモルタル16が充填されている。目地部埋込部材14はその空洞15に埋設されてモルタル16によって固定されている。その目地部埋込部材14の上端部は鋼板10の透孔10bを貫通して突き出ており、また、その上端部にはねじが刻まれてボルト17が形成されており、そのボルト17にナット18が螺合されて鋼板10が固定されている。
【0032】
鋼板10の固定方法は、通常、次のような方法による。まず、両端の2か所に穴10aや透孔10bを開けた鋼板を用意し、穴10a部分は、T字型金具7のプレート7a上に敷設し溶接により固定する。また透孔10b部分は、ボルト17とナット18により目地部13に固定する。そしてこのように固定された複数の鋼板の間を、その間にあう長さの鋼板を溶接することにより連結して一体化し、上方小口面1aの全長に渡って設置された鋼板とする。
【0033】
以上のような構造によれば、目地部埋込部材14をモルタル16で目地部13に埋設し固化後に、その上端部のボルト17にナット18を螺合するのみで鋼板10を敷設・固定できるため、取付け作業も容易になる。また、モルタル16は固化後はパネル2の数倍の強度に固まるので、目地部埋込部材14は鋼板10のより強固なアンカーとなる。なお、目地部埋込部材14は通常は目地鉄筋が適用されるが、円筒体のものでも良い。
また、本発明の構造は、ベランダ、バルコニー、廊下、階段の腰壁やパラペット等の、立上りALC壁において、手摺りを取り付ける際のALC壁に適用される。
【0034】
【発明の効果】
本発明の手摺り付き立上りALC壁構造によれば、ベランダ壁等において次のような種々の効果を奏する。
▲1▼ALC壁のパネルの両側面及び上部にL字型アングルを設ける必要がない。
▲2▼材料の節減と取付け作業の軽減によりコストの低減が可能となる。
▲3▼L字型アングルを覆う成型ボード等を貼設する必要がなく外観を損なうことがない。
▲4▼T字型金具の構造およびその棒状体の挿入構造により、手摺り取付け用鋼板が上方小口面上に強固に敷設・固定され、手摺りが強固に取り付けられる。
▲5▼ALC壁の各端部寄りの手摺り取付け用鋼板が上方小口面から浮き上がることなく確実に固定され、その結果、手摺りがより強固に取り付けられる。
▲6▼ALC壁の各端部寄りにT字型金具を固定する際、その各端部が欠けることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の手摺り付き立上りALC壁構造を示す斜視図。
【図2】本発明の構造に使用するT字型金具の固定状態を示す斜視図。
【図3】本発明の構造を段差部を有する壁に適用した構造を示す斜視図。
【図4】図3に適用する目地部埋込部材の固定状態を示す斜視図。
【図5】従来の手摺り付き立上りALC壁構造を示す斜視図。
【符号の説明】
1 ALC壁
1a 上方小口面
1b 端部寄り
2 パネル
2a 側方小口面
3 手摺り
3a 手摺り柱
4 アンカー部
4a L型鋼
4b アンカーナット
5 パネル取付金具
5a 取付板
5b 突出片
5c リブ片
5d 垂下リブ片
6 建物躯体
6a 梁
6b L字型アングル
6ba 起立片
7 T字型金具
7a プレート
7b 棒状体
7c 突起部
8 孔
8a 入口
9 補強鉄筋
10 鋼板
10a 穴
10b 透孔
11 座繰部
12 隙間
13 目地部
14 目地部埋込部材
15 空洞
16 モルタル
17 ボルト
18 ナット

Claims (6)

  1. 複数のALCパネル(2)で構成されたベランダ、バルコニー、パラペット、廊下、階段等のALC壁(1)の上方小口面(1a)に手摺り(3)が設けられている手摺り付き立上りALC壁構造において、
    ALCパネル(2)はその幅方向の中心部でかつそのパネル(2)の下部と中間部との2カ所に埋設されたアンカー部(4)とそれと係合するパネル取付金具(5)とを介して建物躯体(6)に取り付けられており、
    前記ALC壁(1)の上方小口面(1a)上の少なくとも各端部寄り(1b)の位置に、プレート(7a)とその裏面に垂直に固設された棒状体(7b)とから成るT字型金具(7)が、その棒状体(7b)が上方小口面(1a)上に開けられた孔(8)に挿入されかつその棒状体(7b)の先端部が前記ALCパネル(2)内に埋設された補強鉄筋(9)の埋設位置の内部まで挿入されることにより固定されており、
    また該T字型金具(7)のプレート(7a)上に鋼板(10)が溶接により前記上方小口面(1a)上に敷設・固定されており、
    さらにその鋼板(10)上に手摺り(3)が固設されていることを特徴とする手摺りき立上りALC壁構造。
  2. 前記T字型金具(7)の棒状体(7b)の中央部から前記プレート(7a)までの間の所定位置に突起部(7c)が形成され、その突起部(7c)が前記孔(8)の内周面に食込まれている請求項1記載の手摺り付き立上りALC壁構造。
  3. 前記孔(8)の入口(8a)には座繰部(11)が設けられ、前記プレート(7a)はその表面と前記上方小口面(1a)とがほぼ面一になるように位置され、かつその座繰部(11)の側壁と前記プレート(7a)の外周面との間に隙間(12)が形成されている請求項1または2記載の手摺り付き立上りALC壁構造。
  4. 前記ALC壁(1)の上方小口面(1a)上の中間部の位置にも、前記T字型金具(7)の前記棒状体(7b)がその上方小口面(1a)上に開けられた孔(8)に挿入されかつその棒状体(7b)の先端部が前記ALCパネル(2)内に埋設された補強鉄筋(9)の埋設位置の内部まで挿入されることにより、前記T字型金具(7)が固定され、前記プレート(7a)上に前記鋼板(10)が溶接により敷設・固定されている請求項1、2または3記載の手摺り付き立上りALC壁構造。
  5. 前記ALCパネル(2)の側方小口面(2a)同士が突き合わされて形成している目地部(13)にも目地部埋込部材(14)がモルタル(16)によって埋設されており、その目地部埋込部材(14)の上端部に前記鋼板(10)が固定されている請求項1、2,3または4記載の手摺り付き立上りALC壁構造。
  6. ALCパネル(2)をその幅方向の中心部でかつそのパネル(2)の下部と中間部との2カ所に埋設されたアンカー部(4)とそれと係合するパネル取付金具(5)とを介して建物躯体(6)に取り付け、複数の該ALCパネル(2)でベランダ、バルコニー、パラペット、廊下、階段等のALC壁(1)を構成し、
    前記ALC壁(1)の上方小口面(1a)上に開けた孔(8)に、プレート(7a)とその裏面に垂直に固設された棒状体(7b)とから成るT字型金具(7)を、その棒状体(7b)において挿入しかつその棒状体(7b)の先端部を前記ALCパネル(2)内に埋設された補強鉄筋(9)の埋設位置の内部まで挿入することにより固定し、
    前記T字型金具(7)のプレート(7a)上に鋼板(10)を溶接することにより、該鋼板(10)を前記上方小口面(1a)上に敷設・固定し、
    さらにその鋼板(10)上に手摺り(3)を固設することを特徴とする手摺り付き立上りALC壁構造の構築方法。
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