JP3672556B2 - 非接触給電装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、交流電流が流れる給電線に近接して誘導起電力を発生させるピックアップを用いて負荷へ電力を供給する非接触給電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
定められた経路を走行する移動体を用いて荷物を搬送する搬送設備は、工場内又は倉庫内において広く用いられており、移動体に搭載した走行用のモータ又は荷物の積み下ろし装置などの負荷への電力は、前記経路に沿って付設された給電線を介して供給される。電力を供給する装置の一つとして、移動体側に設けたピックアップを給電線から非接触の状態で該給電線に近接させ、該給電線に流れる交流電流により発生する誘導起電力を負荷へ供給する非接触給電装置がある。
【0003】
図6は、従来の非接触給電装置の例を示す平面図であり、特許文献1に開示された非接触給電装置の例を示している。図中1は移動体であり、移動体1は軌道6,6に従って移動する構成となっている。軌道6に沿って、交流電流が流れる一対の給電線3が備えられており、給電線3には、給電線3へ交流電流を供給する交流電源5が接続されている。移動体1は、給電線3に近接させたピックアップ2を備えており、ピックアップ2を介して給電線3から電力を得て、図示しない走行用のモータへ供給して、軌道6,6に従って移動する。対になった給電線3は、軌道6に沿って略平行に折り返して敷設されており、夫々一本の給電線3にピックアップ2を近接させた複数の移動体1が互いに略平行に移動する構成となっている。図中の矢印は、電流が流れる方向の例を示しており、給電線3の配置は、軌道6に略平行に、電流の流れる向きが交互に逆向きになった複数の給電線3が並んだ配置となっている。
【0004】
図7は、従来のピックアップ2の例を示す斜視図であり、特許文献2に開示されたピックアップ2の例を示している。ピックアップ2は、平面視および側面視で矩形、正面視で略C字状に形成された磁性材製のコア201と、コア201の非開放側の背部に巻回されたコイル202とを用いて構成されており、コイル202の両端は、移動体1の走行用モータ等の図示しない負荷へ接続されている。ピックアップ2は、コア201のC字形状の中に給電線3を位置させて、非接触の状態で給電線3に近接している。給電線3に流れる交流電流により給電線3の周囲には時間的に変化する磁束が発生し、該磁束がコイル202に鎖交して誘導起電力が発生し、発生した誘導起電力は移動体の負荷へ供給される。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−165301号公報
【特許文献2】
特開平5−207605号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に開示された非接触給電装置では、交流電流が流れる一対の給電線3が並んだままで折り返して配置されており、並行している複数の給電線3は、外側に位置する給電線3同士、又は内側に位置する給電線3同士に流れる電流が互いに逆向きになるため、給電線3の周囲に発生する電磁界が互いに打ち消されにくく、非接触給電装置を構成する機器又は外部の機器が、電磁界によってノイズの受信または誤作動などの電磁的な影響を受け、安全性が低くなるおそれがある。また、特許文献2に開示された如きピックアップ2を、特許文献1に開示された如く一本の給電線3に近接させて移動体へ電力を供給する場合は、受電容量を大きくするために複数のピックアップ2を備えたときに、複数のピックアップ2が占める長さが長大になるという問題がある。また、ピックアップ2を構成するコイル202から電磁界が漏れ、非接触給電装置を構成する機器又は外部の機器へ電磁的な影響を及ぼす恐れがある。
【0007】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、給電線の両脇に逆方向の電流が流れる他の給電線を配置し、電流の流れ方が同軸ケーブルでの流れ方に近くなる構成とすることによって、給電線の周囲に発生する電磁界の強度を減少させる非接触給電装置を提供することにある。
【0008】
また、本発明の他の目的とするところは、略平行で互いに逆方向に電流が流れる複数の給電線の夫々にピックアップを近接させることにより、ピックアップが占める長さの長大化を抑制し、しかもピックアップから漏れる電磁界の強度を減少させる非接触給電装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る非接触給電装置は、交流電源と、該交流電源に接続され、該交流電源から供給される交流電流が流れる給電線と、該給電線に近接して誘導起電力を発生させるピックアップとを備える非接触給電装置において、三本以上の複数の給電線が並行的に配置され、最外側の二本を含む外側に位置する複数の第1給電線と、複数の第1給電線の内側に位置する一又は複数の第2給電線とには、合計の電流値が同じで互いに逆向きの電流が流れるべくなしてあることを特徴とする。
【0010】
第1発明においては、三本以上の複数の給電線を並行的に配置し、外側に位置する第1給電線と内側に位置する第2給電線とには、同じ電流値で互いに逆方向の電流が流れるようにしてあるため、電流の流れ方が同軸ケーブルでの流れ方に近くなり、給電線の周囲に発生する電磁界の強度が減少する。
【0011】
第2発明に係る非接触給電装置は、交流電源と、該交流電源に接続され、該交流電源から供給される交流電流が流れる給電線と、該給電線に近接して誘導起電力を発生させるピックアップとを備える非接触給電装置において、ループ状に互いに接続された一対の給電線が並行的に折り返し、しかも折り返した部分で給電線がクロスして配置され、外側に位置する二本の第1給電線と内側に位置する二本の第2給電線とには互いに逆向きに電流が流れるべく配置されてあることを特徴とする。
【0012】
第2発明においては、対になった給電線を並行して折り返し、折り返した部分で給電線をクロスさせることにより、四本並んだ給電線について、外側の二本の第1給電線と内側の二本の第2給電線とには互いに逆方向に電流が流れるように配置するため、電流の流れ方が同軸ケーブルでの流れ方に近くなり、給電線の周囲に発生する電磁界の強度が減少する。
【0013】
第3発明に係る非接触給電装置は、第1給電線に近接した第1ピックアップと、第2給電線に近接した第2ピックアップとを備えることを特徴とする。
【0014】
第3発明においては、第1給電線に近接した第1ピックアップと、第2給電線に近接した第2ピックアップとを備えることにより、ピックアップが占める長さが短縮され、更に、第1ピックアップ及び第2ピックアップから漏れる電磁界が互いに逆位相となって、互いに打ち消し合って電磁界の強度が減少する。
【0015】
第4発明に係る非接触給電装置は、交流電流が流れる給電線と、該給電線に近接して誘導起電力を発生させるピックアップとを備える非接触給電装置において、三本の給電線が並行的に配置され、三本の給電線のうち外側に位置する二本の第1給電線の夫々と、内側に位置する第2給電線との間で交流電流がループ状に流れるべくなしてあることを特徴とする。
【0016】
第4発明においては、並行的な三本の給電線を一組とし、外側の二本の第1給電線の夫々と内側の第2給電線との間でループ状に交流電流が流れるように配置することにより、第1給電線と第2給電線とには互いに逆方向に電流が流れ、電流の流れ方が同軸ケーブルでの流れ方に近くなり、給電線の周囲に発生する電磁界の強度が減少する。
【0017】
第5発明に係る非接触給電装置は、二本の前記第1給電線及び前記第2給電線を一組とする複数組の給電線と、複数のピックアップとを備え、複数組の給電線は、互いに並行的に配置され、各組の第2給電線には、交互に逆向きに電流が流れるべくなしてあり、複数のピックアップの夫々を各組の第2給電線に近接させてあることを特徴とする。
【0018】
第5発明においては、二本の前記第1給電線及び前記第2給電線からなる給電線の組を複数組備え、各組の第2給電線には互い違いに電流が流れるように配置し、各組の第2給電線の夫々にピックアップを近接させることにより、ピックアップが占める長さが短縮され、更に、複数のピックアップから漏れる電磁界が互いに逆位相となって、互いに打ち消し合って電磁界の強度が減少する。
【0019】
第6発明に係る非接触給電装置は、二本の前記第1給電線及び前記第2給電線の組が並行的に複数回折り返して配置され、複数のピックアップを備え、複数のピックアップの夫々を、並行する複数の第2給電線の夫々に近接させてあることを特徴とする。
【0020】
第6発明においては、二本の第1給電線および第2給電線の組を並行的に複数回折り返して配置し、並行する複数の第2給電線の夫々にピックアップを近接させることにより、ピックアップが占める長さが短縮され、更に、複数のピックアップから漏れる電磁界が互いに逆位相となって、互いに打ち消し合って電磁界の強度が減少する。
【0021】
第7発明に係る非接触給電装置は、前記第1給電線の直径は、前記第2給電線の直径よりも大きいことを特徴とする。
【0022】
第7発明においては、第1給電線の直径を第2給電線の直径よりも大きくすることにより、給電線の周囲に発生する電磁界の強度がより減少し、また、給電線での電力の損失が減少する。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の非接触給電装置を示す模式的平面図である。図中1は、移動体であり、移動体1は、軌道6,6に沿って移動する構成となっている。互いに略平行な二本の軌道6,6の間には、交流電源に接続されループ状に互いに接続された一対の給電線が平行的に折り返して配置されており、このため、移動体1の移動経路には四本の給電線が略平行に位置している。四本の給電線のうちの外側の二本である第1給電線31,31と、四本の給電線のうちの内側の二本である第2給電線32,32とは、全体でループ状になるように接続線4,4,4を介して互いに接続されており、折り返し部分の接続線4,4はクロスして配置され、交流電源5から交流電流が供給されて第1給電線31,31と第2給電線32,32とには互いに逆向きに電流が流れるべくなしてある。図中の矢印は、電流が流れる方向の例を示している。移動体1は、一方の第1給電線31に近接させた第1ピックアップ21と、一方の第2給電線32に近接させた第2ピックアップ22とを備えている。第1ピックアップ21及び第2ピックアップ22の構成は、図7に示した従来のピックアップの構成と同様であり、正面視で略C字状に形成された磁性材製のコアと、コアの非開放側の背部に巻回されたコイルとを用いて構成されており、給電線の周囲に発生する磁束がコイルに鎖交して、コイルに誘導起電力が発生する。第1ピックアップ21及び第2ピックアップ22の夫々が備えるコイルの両端は、互いに直列または並列に、移動体1の走行用モータ等の図示しない負荷に接続されており、第1ピックアップ21及び第2ピックアップ22は、第1給電線31及び第2給電線32に流れる交流電流によって発生した誘導起電力を負荷へ供給する。移動体1は、第1ピックアップ21及び第2ピックアップ22から負荷へ電力を供給されて、軌道6,6に従って移動する。
【0024】
図2は、交流電流の往路と復路とを備える給電線の周囲の電界強度の測定結果を示す図表であり、平行な給電線が作る平面に垂直な方向である縦方向から測定した電界強度と、平行な給電線が作る平面で給電線から離れる方向である横方向から測定した電界強度とを示している。図表の(1)は、給電線の往路と復路とが対になっている場合であり、図表には、その他の夫々の場合について[dBμV/m]の単位および[V/m]の単位で測定した電界強度を、(1)の場合に測定した電界強度に対する比で示している。図表中の(2)は、給電線の復路が往路の両脇の夫々に配置され、往路および復路が同一平面上に位置している場合の電界強度を示している。また、図表中の(3)及び(4)は、往路の給電線と復路の給電線とは、並行的ではあるが、復路の給電線が作る平面上に往路の給電線が位置していない場合の電界強度を示しており、(4)の場合は、(3)の場合に比べて復路の給電線が往路の給電線からより離れている場合を示している。また、図表中の(5)は、(2)の場合に更に別平面上に位置する復路の給電線が加わった場合の電界強度を示しており、図表中の(6)は、往路の両脇の夫々に配置されている復路の給電線が、夫々二本束ねられた形になっている場合の電界強度を示している。交流電流の復路が往路の両脇の夫々に配置されている場合は、交流電流の往路と復路とが対になっている図表中の(1)の場合に比べて、縦方向に離れた位置の電界強度が小さくなっており、給電線の周囲に発生する電磁界が減少していることがわかる。
【0025】
本発明においては、4本の給電線が並行的に配置され、外側の第1給電線31,31と内側の第2給電線32,32とは、合計の電流値が同じで互いに逆方向に電流が流れる配置としたため、図2に示した(2)と同様の配置となり、電流の流れ方が同軸ケーブルでの流れ方に近くなって、給電線の周囲に発生する電磁界の強度が小さくなる。これにより、非接触給電装置を構成する機器又は外部の機器が前記電磁界によって受けるノイズの受信または誤作動などの電磁的な悪影響を抑制することができ、非接触給電装置の安全性が向上される。
【0026】
また、本発明においては、第1給電線31に近接させた第1ピックアップ21、及び第2給電線32に近接させた第2ピックアップ22を備えているため、一本の給電線にピックアップを近接させている従来の非接触給電装置に比べて、ピックアップ全体の長さが短縮される。また、第1ピックアップ21と第2ピックアップとでは、近接している給電線に流れる電流が互いに逆方向であり、ピックアップを構成するコイルから漏れる電磁界が互いに逆位相となるため、互いに打ち消し合って前記電磁界の強度が小さくなる。これにより、非接触給電装置を構成する機器又は外部の機器が前記電磁界によって受けるノイズの受信または誤作動などの電磁的な悪影響を抑制することができ、非接触給電装置の安全性が向上される。
【0027】
第1給電線31,31及び第2給電線32,32のうちの第1ピックアップ21及び第2ピックアップ22が近接しない他方の第1給電線31及び第2給電線32、並びに接続線4には、安価なケーブルを用いてもよく、又、径を大きくしたケーブルを用いてもよい。安価なケーブルを用いた場合には、非接触給電装置のコストが抑制され、又、径を大きくしたケーブルを用いた場合は、交流電流の損失を少なくすることができる。
【0028】
なお、本実施の形態においては、対になった給電線を折り返して配置することにより、電流の流れ方が同軸ケーブルでの流れ方に近くなるような構成となる形態を示したが、これに限るものではなく、他の配置で本発明の構成を実現する形態としてもよい。図3は、実施の形態1に係る給電線の他の配置を示す模式的平面図である。図3(a)に示した配置では、ループ状に交流電源5に接続された給電線が、並行的に二往復して配置され、二往復目が始まる部分と終わる部分とで給電線がクロスする配置とすることにより、外側の第1給電線31,31と内側の第2給電線32,32とで逆方向の電流が流れる構成としている。また、図3(b)に示した配置では、第1給電線31と第2給電線32とを対とした二対の給電線が並列に交流電源5に接続され、並列に接続された第1給電線31,31を外側、並列に接続された第2給電線32,32を内側にした配置としている。これらの形態においても、外側の第1給電線31,31と内側の第2給電線32,32とで、合計の電流値が同じで逆方向の電流が流れ、電流の流れ方が同軸ケーブルでの流れ方に近くなって、本発明が実現される。
【0029】
また、本実施の形態においては、第1給電線31を二本、第2給電線32を二本とした形態を示したが、これに限るものではなく、並行的な複数の給電線のうち、第1給電線31が外側に位置し、第1給電線31の内側に第2給電線32が位置している形態であれば、二本以上の第1給電線31、又は二本以上の第2給電線32を備える形態としてもよい。また、本実施の形態においては、第1給電線31,31及び第2給電線32,32を略同一平面上に配置する形態を示したが、給電線が並行的に配置されてあれば、図2に示した(3)〜(5)の如く、立体的に配置してある形態としてもよい。
【0030】
また、本実施の形態においては、第1ピックアップ21及び第2ピックアップ22のコアは、正面視で略C型のコアとしているが、これに限るものではなく、略コ型などの他の形状のコアを用いてもよい。また、コイルは、コアの非開放側の背部に巻回された形態ではなく、脚部に巻回される等、他の巻回態様により巻回された形態であってもよい。
【0031】
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2に係る非接触給電装置を示す模式的平面図である。本実施の形態に係る非接触給電装置は、二本の第1給電線31,31と、第1給電線31,31の間に位置する第2給電線とを互いに並行的に配置しており、第1給電線31,31の夫々と第2給電線32との間で電流がループ状に流れるように、第1給電線31,31の一端と第2給電線32の一端とが接続され、第1給電線31,31の他端と第2給電線32の他端とは交流電源5に接続されている。第1給電線31,31の夫々と第2給電線32との間で交流電流がループ状に流れるため、第1給電線31,31と第2給電線32とでは逆方向に電流が流れる。図中の矢印は、交流電流が流れる方向の例を示している。また、第1給電線31,31の直径は、第2給電線32の直径に比べて大きくなっている。第1給電線31,31及び第2給電線32の組は、移動体1が沿って移動する略平行な二本の軌道6,6の間の位置に、並行的に折り返して配置されている。このため、移動体1の移動経路には、第1給電線31,31及び第2給電線32からなる給電線の組が二組配置されており、並行する第2給電線32,32には互いに逆方向に電流が流れる。移動体1は、2個のピックアップ2,2を備えており、ピックアップ2,2の夫々は、給電線の各組の第2給電線32,32の夫々に近接している。ピックアップ2,2の夫々が備えるコイルの両端は、互いに直列または並列に、移動体1の走行用モータ等の図示しない負荷に接続されており、ピックアップ2,2は、第2給電線32,32に流れる交流電流によって発生した誘導起電力を負荷へ供給する。移動体1は、ピックアップ2,2から負荷へ電力を供給されて、軌道6,6に従って移動する。
【0032】
本発明においては、並行的な三本の給電線を一組とし、外側の二本の第1給電線31,31と中央の一本の第2給電線32とで互いに逆方向に電流が流れるべくなし、更に、第1給電線31,31の直径は、第2給電線32の直径に比べて大きくなっているため、図2に示した(6)の場合と同様の配置となる。この場合は、図2に示す如く、縦方向および横方向に離れた位置での電界強度が、従来に比べて2割程度まで小さくなっている。従って、本発明の構成により、電流の流れ方が同軸ケーブルでの流れ方に近くなり、給電線の周囲に発生する電磁界による悪影響を可及的に小さくすることができる。また、第1給電線31,31の直径が太くなっていることで、給電線での電力の損失が減少する。
【0033】
また、本発明においては、互いに逆方向に電流が流れる第2給電線32,32の夫々に、ピックアップ2,2の夫々を近接させているため、実施の形態1と同様に、ピックアップ2,2の夫々を構成するコイルから漏れる電磁界が互いに逆位相となるため、互いに打ち消し合って前記電磁界の強度が小さくなる。従って、本発明の構成により、ピックアップ2,2から漏れる電磁界による悪影響を可及的に小さくすることができる。更に、実施の形態1と同様に、ピックアップ全体の長さが短縮される。
【0034】
なお、本実施の形態においては、二本の第1給電線31,31と一本の第2給電線32とを組にした給電線を折り返して配置することにより、並行的な第2給電線32,32に互いに逆方向の電流が流れるような構成とした形態を示したが、これに限るものではなく、他の配置で本発明の構成を実現する形態としてもよい。図5は、実施の形態2に係る給電線の他の配置を示す模式的平面図である。二本の第1給電線31,31と一本の第2給電線32とを一組とする並行的な二組の給電線が並列的に交流電源に接続されており、一組目の第1給電線31,31と二組目の第2給電線32とが並列に接続され、一組目の第2給電線と二組目の第1給電線31,31とが並列に接続された配置となっている。この形態においても、各組では第1給電線31,31の夫々と第2給電線32との間で電流がループ状に流れ、更に、並行する第2給電線32,32には互いに逆方向の電流が流れるため、本発明が実現される。
【0035】
また、本実施の形態においては、二本の第1給電線31,31と一本の第2給電線32とを一組とした形態を示したが、第2給電線32の両脇の夫々に二本束ねた第1給電線31を配するなどしてより多くの第1給電線31又は第2給電線32を一組として配置する形態としてもよい。また、給電線の組を二組配置した形態を示したが、第2給電線32に流れる電流が交互に逆向きになるようにより多くの給電線の組を配置し、各組の第2給電線32にピックアップ2を近接させた形態としてもよい。また、本実施の形態においては、全ての給電線を略同一平面上に配置する形態を示したが、給電線が並行的に配置されてあれば、一本の第2給電線32と二本の第1給電線31,31とを立体的に配置した形態としてもよく、給電線の各組を立体的に配置した形態としてもよい。
【0036】
【発明の効果】
第1発明においては、三本以上の複数の給電線を並行的に配置し、外側に位置する第1給電線と内側に位置する第2給電線とには、同じ電流値で互いに逆方向の電流が流れるようにしてあるため、電流の流れ方が同軸ケーブルでの流れ方に近くなり、給電線の周囲に発生する電磁界の強度が減少し、非接触給電装置を構成する機器又は外部の機器が前記電磁界によって受けるノイズの受信または誤作動などの電磁的な悪影響を抑制することができ、非接触給電装置の安全性が向上される。
【0037】
第2発明においては、対になった給電線を並行して折り返し、折り返した部分で給電線をクロスさせることにより、四本並んだ給電線について、外側の二本の第1給電線と内側の二本の第2給電線とには互いに逆方向に電流が流れるように配置するため、電流の流れ方が同軸ケーブルでの流れ方に近くなり、給電線の周囲に発生する電磁界の強度が減少し、非接触給電装置を構成する機器又は外部の機器が前記電磁界によって受けるノイズの受信または誤作動などの電磁的な悪影響を抑制することができ、非接触給電装置の安全性が向上される。
【0038】
第3発明においては、第1給電線に近接した第1ピックアップと、第2給電線に近接した第2ピックアップとを備えることにより、ピックアップが占める長さが短縮される。更に、第1ピックアップ及び第2ピックアップから漏れる電磁界が互いに逆位相となって互いに打ち消し合い、前記電磁界の強度が小さくなるため、非接触給電装置を構成する機器又は外部の機器が前記電磁界によって受けるノイズの受信または誤作動などの電磁的な悪影響を抑制することができ、非接触給電装置の安全性が向上される。
【0039】
第4発明においては、並行的な三本の給電線を一組とし、外側の二本の第1給電線の夫々と内側の第2給電線との間でループ状に交流電流が流れるように配置することにより、第1給電線と第2給電線とには互いに逆方向に電流が流れ、電流の流れ方が同軸ケーブルでの流れ方に近くなって給電線の周囲に発生する電磁界の強度が小さくなり、非接触給電装置を構成する機器又は外部の機器が前記電磁界によって受けるノイズの受信または誤作動などの電磁的な悪影響を抑制することができ、非接触給電装置の安全性が向上される。
【0040】
第5発明においては、給電線の組を複数組備え、各組の第2給電線には互い違いに電流が流れるように配置し、各組の第2給電線の夫々にピックアップを近接させることにより、ピックアップが占める長さが短縮される。更に、複数のピックアップから漏れる電磁界が互いに逆位相となって互いに打ち消し合い、前記電磁界の強度が小さくなるため、非接触給電装置を構成する機器又は外部の機器が前記電磁界によって受けるノイズの受信または誤作動などの電磁的な悪影響を抑制することができ、非接触給電装置の安全性が向上される。
【0041】
第6発明においては、二本の第1給電線および第2給電線の組を並行的に複数回折り返して配置し、並行する複数の第2給電線の夫々にピックアップを近接させることにより、ピックアップが占める長さが短縮される。更に、複数のピックアップから漏れる電磁界が互いに逆位相となって互いに打ち消し合い、前記電磁界の強度が小さくなるため、非接触給電装置を構成する機器又は外部の機器が前記電磁界によって受けるノイズの受信または誤作動などの電磁的な悪影響を抑制することができ、非接触給電装置の安全性が向上される。
【0042】
第7発明においては、第1給電線の直径を第2給電線の直径よりも大きくすることにより、給電線の周囲に発生する電磁界の強度が可及的に小さくなって非接触給電装置の安全性が向上し、また、給電線での電力の損失が減少する等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非接触給電装置を示す模式的平面図である。
【図2】交流電流の往路と復路とを備える給電線の周囲の電界強度の測定結果を示す図表である。
【図3】実施の形態1に係る給電線の他の配置を示す模式的平面図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係る非接触給電装置を示す模式的平面図である。
【図5】実施の形態2に係る給電線の他の配置を示す模式的平面図である。
【図6】従来の非接触給電装置の例を示す平面図である。
【図7】従来のピックアップの例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 移動体
2 ピックアップ
21 第1ピックアップ
22 第2ピックアップ
31 第1給電線
32 第2給電線
5 交流電源
Claims (7)
- 交流電源と、該交流電源に接続され、該交流電源から供給される交流電流が流れる給電線と、該給電線に近接して誘導起電力を発生させるピックアップとを備える非接触給電装置において、
三本以上の複数の給電線が並行的に配置され、最外側の二本を含む外側に位置する複数の第1給電線と、複数の第1給電線の内側に位置する一又は複数の第2給電線とには、合計の電流値が同じで互いに逆向きの電流が流れるべくなしてあることを特徴とする非接触給電装置。 - 交流電源と、該交流電源に接続され、該交流電源から供給される交流電流が流れる給電線と、該給電線に近接して誘導起電力を発生させるピックアップとを備える非接触給電装置において、
ループ状に互いに接続された一対の給電線が並行的に折り返し、しかも折り返した部分で給電線がクロスして配置され、外側に位置する二本の第1給電線と内側に位置する二本の第2給電線とには互いに逆向きに電流が流れるべく配置されてあることを特徴とする非接触給電装置。 - 第1給電線に近接した第1ピックアップと、第2給電線に近接した第2ピックアップとを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の非接触給電装置。
- 交流電流が流れる給電線と、該給電線に近接して誘導起電力を発生させるピックアップとを備える非接触給電装置において、
三本の給電線が並行的に配置され、三本の給電線のうち外側に位置する二本の第1給電線の夫々と、内側に位置する第2給電線との間で交流電流がループ状に流れるべくなしてあることを特徴とする非接触給電装置。 - 二本の前記第1給電線及び前記第2給電線を一組とする複数組の給電線と、複数のピックアップとを備え、複数組の給電線は、互いに並行的に配置され、各組の第2給電線には、交互に逆向きに電流が流れるべくなしてあり、複数のピックアップの夫々を各組の第2給電線に近接させてあることを特徴とする請求項4に記載の非接触給電装置。
- 二本の前記第1給電線及び前記第2給電線の組が並行的に複数回折り返して配置され、複数のピックアップを備え、複数のピックアップの夫々を、並行する複数の第2給電線の夫々に近接させてあることを特徴とする請求項4に記載の非接触給電装置。
- 前記第1給電線の直径は、前記第2給電線の直径よりも大きいことを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の非接触給電装置。
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