JP3640824B2 - 白血球除去フィルターおよびその製造方法 - Google Patents
白血球除去フィルターおよびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3640824B2 JP3640824B2 JP00175699A JP175699A JP3640824B2 JP 3640824 B2 JP3640824 B2 JP 3640824B2 JP 00175699 A JP00175699 A JP 00175699A JP 175699 A JP175699 A JP 175699A JP 3640824 B2 JP3640824 B2 JP 3640824B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- leukocyte removal
- removal filter
- blood
- base material
- filter
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01D—SEPARATION
- B01D67/00—Processes specially adapted for manufacturing semi-permeable membranes for separation processes or apparatus
- B01D67/0081—After-treatment of organic or inorganic membranes
- B01D67/0088—Physical treatment with compounds, e.g. swelling, coating or impregnation
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61M—DEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
- A61M1/00—Suction or pumping devices for medical purposes; Devices for carrying-off, for treatment of, or for carrying-over, body-liquids; Drainage systems
- A61M1/36—Other treatment of blood in a by-pass of the natural circulatory system, e.g. temperature adaptation, irradiation ; Extra-corporeal blood circuits
- A61M1/3621—Extra-corporeal blood circuits
- A61M1/3627—Degassing devices; Buffer reservoirs; Drip chambers; Blood filters
- A61M1/3633—Blood component filters, e.g. leukocyte filters
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01D—SEPARATION
- B01D39/00—Filtering material for liquid or gaseous fluids
- B01D39/14—Other self-supporting filtering material ; Other filtering material
- B01D39/16—Other self-supporting filtering material ; Other filtering material of organic material, e.g. synthetic fibres
- B01D39/1692—Other shaped material, e.g. perforated or porous sheets
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Vascular Medicine (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Heart & Thoracic Surgery (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Anesthesiology (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Hematology (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Cardiology (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Public Health (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- External Artificial Organs (AREA)
- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
- Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
- Filtering Materials (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、白血球除去フィルターおよびその製造方法に関する。さらに詳しくは、白血球除去フィルターを構成する基材表面に4級アミンのアルキルスルホン酸塩を含んだ高分子を保持させることによって、該基材がカチオン化および親水化された白血球除去フィルターおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
輸血の際には、輸血後の副作用、主に白血球が原因で引き起こされる移植片対宿主反応(GVHD: Graft Versus Host Disease)の誘発やウイルスに感染した白血球による感染症などを防ぐ為に遠心分離、放射線照射、濾過による白血球除去および不活化が行われている。中でも濾過による白血球除去は、簡便かつ低コストな為にベットサイドでも実施できる方法として多用されている。
【0003】
濾過による白血球除去では、孔径等による物理的な白血球除去だけではなく、白血球除去フィルターの表面改質を行って白血球除去性能を向上させている。先に述べたように、白血球除去フィルターの表面改質の目的は、▲1▼孔径等の物理的白血球除去の他に白血球が粘着し易い表面とすることである。一般に白血球に限らず、細胞表面は負の電荷を持っており、血小板や白血球を粘着、捕捉、除去する為には、正の電荷を表面に有する事が有効であることが知られている(米国特許第3242073号、米国特許第3352424号)。▲2▼血液等の濾過を円滑に行えるように白血球除去フィルター表面を親水化する事も使用の際重要なファクターとなる。
【0004】
濾過による白血球除去において、血液および血液製剤と白血球除去フィルターが接触した場合、フィルター表面の親水性が高ければ、血液等は抵抗無く濾過される。この時のフィルター表面の親水性を表す一つの指標として臨界湿潤表面張力(以下、CWSTと略す。詳細については後述)がある。
【0005】
白血球除去フィルターのCWSTが血液および血液製剤の表面張力よりも小さな場合、圧力をかけなくては血液等を濾過できない。これを避けるために生理食塩水等でプライミングを行うことが行われていた。しかし、ベットサイドで使用する際などプライミング操作が障害となる場合がある。
【0006】
血液等によって白血球除去フィルターが自然に湿潤すれば、加圧することなく濾過が行え、プライミングが不要となる。
【0007】
しかしながら、多くの合成高分子材料から作られる白血球除去フィルターの場合、そのCWSTは、血液の表面張力(血漿で73dyn/cn、赤血球で64.5dyn/cm)よりも小さいので、この為従来は、白血球除去フィルター表面に界面活性剤等を塗布したり、グラフト重合、プラズマ処理、薬品処理等の処理を行い、白血球除去フィルター表面のCWSTを血液の表面張力よりも高くしていた(特開平5−245198号、特開平6−24995号)。
【0008】
このような白血球除去フィルターの表面改質は煩雑な処理を必要としたり、処理によっては白血球除去フィルターの除去性能が変化したり、血液成分に影響したり、塗布された界面活性剤によっては血液中に溶け出す危険性を含んでいた。
【0009】
故に、本発明の目的の一つは、血液および人体に対して影響の少ない安全な血液フィルターおよびその製造方法を提供する事にある。
【0010】
また、本発明の目的の一つは、白血球除去の為に白血球除去フィルターを構成する基材表面のカチオン化を行なうと同時に親水化を行うことで、簡便に製造可能な白血球除去フィルターおよびその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は鋭意検討した結果、特定の構造を有する化合物を白血球除去フィルターを構成する基材にコーテイングし、加熱乾燥させることで上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明は以下の手段によって達成される。
【0013】
(1)白血球除去フィルターを構成する基材表面に一般式(I)で表される共重合体が保持されたことを特徴とする白血球除去フィルター。
【0014】
【化5】
【0015】
(2)白血球除去フィルターを構成する基材表面に一般式(II)で表される重合体が保持されたことを特徴とする白血球除去フィルター。
【0016】
【化6】
【0017】
(3)前記白血球除去フィルターを構成する基材の臨界湿潤表面張力が90〜95dyn/cmである上記(1)または(2)に記載の白血球除去フィルター。
【0018】
(4)白血球除去フィルターのを構成する基材表面に一般式(I)あるいは(II)で表される重合体をコーテングさせた後、加熱乾燥させることを特徴とする白血球除去フィルターの製造方法。
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明に使用される白血球除去フィルターを構成する基材は多孔体、平膜、中空糸、不織布、織布、編布もしくはそれらの複合体であり、空孔率が75%〜95%(より好ましくは80〜95%)であり、孔径が水銀圧入法による測定で0.1〜30μm(より好ましくは2〜20μm)であるものが好ましい。
【0022】
なぜなら、空孔率が75%以上であると濾過時間が短くて済み95%以下であるとフィルターとしての強度を保てる。また、孔径が0.1μm未満であると除去操作時に目詰まりを起こしやすく使用に耐え難く、30μmを越えると血液あるいは血液製剤中の白血球とフィルターとの接触頻度が低下して捕捉率が低下するおそれがあるからである。
【0023】
また、白血球除去フィルターは基材そのものがカチオン性であるか、その表面がカチオン化されていることが好ましい。なぜなら、白血球は負の電荷をその細胞表面に有しているので白血球除去フィルターの表面がカチオン性であれば、これに捕捉されるからである。
【0024】
ところで、本発明に使用される白血球除去フィルターを構成する基材は木綿、麻等の天然高分子、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン、ハロゲン化ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ(メタ)アクリレート、エチレンーポリビニルアルコール共重合体、ブタジエン-アクリロニトリル共重合体等の合成高分子あるいはこれらの混合物からなる繊維状あるいはスポンジ状のものが挙げられるが、加工性、血液適合性などからスポンジ状ポリウレタン多孔体が好ましい。
【0025】
しかしながら、ポリウレタンを代表とするこれらの白血球除去フィルターを構成する基材(血液フィルター用基材)は、加工性、血液適合性などから優れた白血球除去性能を持たせることができる反面、そのままでは疎水性が強いので、血液が細孔を通過しづらく、何らかの親水化処理が必要である。
【0026】
この時に親水化処理と同時にカチオン化処理が同時に行えれば、作業が一度で済み作業工程が簡略され、生産能力が向上する。そこで、本発明を用いれば簡便な操作で親水性を改善すると同時に白血球除去性能を向上させることが可能となり生産能力の向上が期待される。
【0027】
次に、本発明に好適に使用されるコート剤の具体例を以下に示す。
【0028】
詳しく説明すると、本発明に好適に使用されるコート剤は、4級アンモニウムイオンをエステル基とした(メタ)アクリル酸系重合体のアルキルスルホナート(アルキルスルホン酸イオン)を対イオンとした高分子化合物である。
【0029】
前記(メタ)アクリル酸系重合体とは、公知の(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸と重合可能な公知のモノマーとのランダムあるいはブロック重合体が挙げられる。もちろん、ポリアクリル酸の単独重合体でもよいことはいうまでもない。その中でも、アクリル酸とアクリルアミドやヒドロキシアルキル(メタ)アクリル酸等の親水性を有するモノマーとのランダムあるいはブロック共重合体が好ましい。
【0030】
ところで、上述したブロックあるいはランダムの合成方法は米国特許第2723256号に記載されている方法を応用する。例えば、(メタ)アクリル酸のジアルキルアミンエステル体と硫酸ジアルキルの溶液に重合開始剤を加え、アルキルスルホン酸ナトリウムを加えることにより合成することができる。
【0031】
これらのカチオン性物質は、親水性の高い物質であり、カチオン性の付与(カチオン化)と同時に親水性も付与する事が可能である。
【0032】
これらの化合物を白血球除去フィルターを構成する基材表面上に固定(保持)させる方法、すなわち、本発明の白血球除去フィルターの製造方法はコーティング、ディッピング、スプレーあるいはスピンコートを行った後、60〜100℃で加熱乾燥すると言った簡便な作業をするだけで良い。また、加熱乾燥後に水洗を行い溶出物の洗い出しを行えばさらに良い。
【0033】
あるいは、ポリアクリル酸を主成分とした化合物の4級アミンエステル体を白血球除去フィルターを構成する基材表面に塗布し、加熱乾燥させ、アルキルスルホン酸ナトリウム溶液で処理しても良い。
【0034】
ここで、本発明の白血球除去フィルターを構成する基材表面とは基材そのものの表面であり、該基材表面に導入されたグラフト鎖あるいは官能基を持った化合物を介して上述の化合物を固定したものではないことを明記しておく。
【0035】
ところで、本発明の白血球除去フィルターの親水性の指標となるCWSTとは、特開平3−27317号に記載されている以下の方法によって求められる値をいう。2ないしは4dyn/cmづつ表面張力が異なるように水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、塩化カルシウム、硝酸ナトリウム、酢酸、エタノールなどの濃度を変えた水溶液を調整する。
このようにして得た表面張力が2ないしは4dyn/cmづつ異なる水溶液を表面張力が低い順番に白血球除去フィルターを構成する基材表面に10滴ずつ滴下し10分間放置する。10分後、10滴中9滴以上が白血球除去フィルターを構成する基材に吸収された場合に湿潤した状態であると定義し、吸収が10滴中9滴未満の場合を非湿潤状態と定義する。このようにして白血球除去フィルターを構成する基材表面に表面張力が小さい順番に測定してゆくと湿潤状態と非湿潤状態が観られる。このとき、湿潤状態を観測した液体の表面張力の値と非湿潤状態を観測した液体の表面張力の値の平均値を白血球除去フィルターを構成する基材の表面のCWST(臨界湿潤表面張力)と定義する。たとえば、表面張力64dyn/cmの液体で湿潤し、66dyn/cmの液体で非湿潤であった場合、その白血球除去フィルター表面のCWSTは65dyn/cmとなる。
【0036】
本発明の白血球除去フィルターを構成する基材のCWSTは、90dyn/cm〜95dyn/cmが好ましい。なぜなら、95dyn/cmを越えるCWSTであっても実質的な効果である血液のしみ込みに大きな改善が認められないからである。また、CWSTが90dyn/cm以上であれば、血液のしみ込みも迅速で、事前のフ゜ライミンク゛操作が不要であるし、濾過に要する時間も短時間で済むからである。
【0037】
【実施例】
次に実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は、これら実施例のみに限定されない。また、これら実施例および比較例におけるCWSTの測定は、前述の方法に従った。
【0038】
白血球除去率および血小板回収率の測定は以下の方法で行った。
【0039】
カチオン化および親水化された各白血球除去フィルター用基材を直径25mmの大きさに打ち抜き、入り口と出口を有するモジュール内に装着し白血球除去フィルターを得た。健康なボランティアから採血したCPD加新鮮血を調整し、赤血球濃厚液を作成した。これを落差10cmで5ml流して白血球除去フィルター通過前後の白血球量および血漿板量を測定し、以下の式から除去率および回収率を求めた。
【0040】
白血球除去率(%)=(1―(濾過後白血球数 / 濾過前白血球数))×100
血小板回収率(%)=(濾過後血小板数 / 濾過前血小板数)×100
なお、白血球数および血小板数は、自動血球数測定装置(東亜医用電子(株)SYSMEX E-9000)で求めた。
【0041】
(実施例1)
白血球除去フィルターを構成する基材(白血球除去フィルター用基材)として平均孔径5.2ミクロン、空孔率86%、厚み1.2mmのスポンジ状ポリウレタン多孔質膜(商品名:ルビセル、東洋ポリマー製)を用いた。
【0042】
この膜をヘキサン中で1時間超音波洗浄し、乾燥した後、0.3w/w%のポリアクリルアミド−ポリ(アクリロイルオキシ)エチルジエチルメチルアンモニウム メチルスルホナート(製品名:Calgon K400、Calgon社製)の水溶液に浸漬した。次に80℃で2時間乾燥させた後、室温のシャワー洗浄を4時間行い、多孔質体からの溶出物を除き乾燥さ、白血球除去フィルター用基材を作製した。
【0043】
次にこのようにして得られた基材表面がカチオン化されているかを以下の様に膜を染色することで調べた。すなわち、直径25mmに打ち抜いたサンプル(基材)をホルダーにセットし、0.02mMに調整したトリパンブルー水溶液約20mlをポンプでこのフィルターに流した。その後、RO水を50ml流して余分のトリパンブルーを洗浄した。染色したサンプルは、570nmの反射吸光度を測定した。基材表面にカチオン性高分子が保持されていれば、この反射吸光度は大きくなる。
【0044】
次に、上述の方法で得られた白血球除去フィルターを用いて白血球除去率および血小板回収率を求めた。この時に血液を流し始めて、膜が完全に血液で満たされ、濾液側に血液がしみ出し始める時間(濡れ時間)を親水性の尺度としてあわせて計測した。次に、得られた白血球除去フィルター用基材のCWSTを上述した方法で測定した。
【0045】
結果を表1に示す。
【0046】
次に、得られた白血球除去フィルター用基材の溶出物試験を行い安全性を確認した。すなわち、医療用具の規格基準、ディスポーザブル輸液セット及び血液セット基準(厚生省告示第301号、昭和45年)に従った以下の▲1▼〜▲5▼項目の溶出物試験を行った(▲1▼外観▲2▼pH▲3▼過マンガン酸カリウム還元性物質▲4▼蒸発残留物▲5▼重金属の5項目)。分析の結果は全ての項目でこれらの基準に適合していた。
【0047】
(実施例2)
実施例1と同じポリウレタン多孔質膜をヘキサン中で1時間超音波洗浄した後、1w/w%のポリ−3−トリメチルアンモニオプロピルアクリルアミド メチルスルホナートの2-プロパノール溶液に浸漬した。次にこの多孔質膜を80℃、2時間乾燥させた後、室温のシャワー洗浄を4時間行い、多孔質膜からの溶出物を除き、乾燥させ、白血球除去フィルター用基材とした。このようにして得られた基材表面がカチオン化されているかは、実施例1と同様な方法でしらべた。
【0048】
次に、上述の方法で得られた白血球除去フィルターを用いて、上述の方法で白血球除去率および血小板回収率を求めた。この時に血液を流し始めて、膜が完全に血液で満たされ、濾液側に血液がしみ出し始める時間(濡れ時間)を親水性の尺度として合わせて計測した。次に、得られた白血球除去フィルター用基材のCWSTを測定した。結果を表1に示す。
【0049】
次に、得られた白血球除去フィルター用基材について、実施例1と同様に▲1▼外観▲2▼pH▲3▼過マンガン酸カリウム還元性物質▲4▼蒸発残留物▲5▼重金属について5項目の溶出物試験を行った。分析の結果は全ての項目でこれらの基準に適合していた。
【0050】
(実施例3)
実施例1と同じ多孔質膜をヘキサン中で1時間超音波洗浄した。この多孔質膜を乾燥した後、1w/w%のポリ(アクリロイルオキシ)エチルジエチルメチルアンモニウム メチルスルホナートの2-プロパノール溶液に浸漬した。次に、この多孔質膜を80℃で2時間乾燥させた後、室温のシャワー洗浄を4時間行い、多孔質体からの溶出物を除き乾燥させ、白血球除去フィルター用基材とした。この基材表面がカチオン化されているかを実施例1と同様な方法でしらべた。
【0051】
次に上述の方法で得られた白血球除去フィルターを用いて、上述の方法で白血球除去率および血小板回収率を求めた。この時に血液を流し始めて、膜が完全に血液で満たされ、濾液側に血液がしみ出し始める時間(濡れ時間)を親水性の尺度として合わせて計測した。次に、得られた白血球除去フィルター用基材のCWSTを測定した。結果を表1に示す。
【0052】
次に、得られた白血球除去フィルター用基材を実施例1と同様な方法で▲1▼外観▲2▼pH▲3▼過マンガン酸カリウム還元性物質▲4▼蒸発残留物▲5▼重金属について5項目の溶出物試験を行った。分析の結果は全ての項目でこの基準に適合していた。
【0053】
(比較例1)
実施例1と同じポリウレタン多孔質膜をヘキサン中で1時間超音波洗浄した。この多孔質体を乾燥した後、アルゴン気相下(0.1Torr), 100W, 20sec低温プラズマ照射し、さらに気相でグリシジルアクリレートを重合させた。この後、カチオノンUK(一方社油脂製)の5w/w%水溶液(ピリジン0.5w/w%含む)に60℃、12時間浸漬させ、洗浄、乾燥させ、白血球除去フィルター用基材とした。この基材がカチオン化されているかを実施例1と同様な方法で調べた。
【0054】
次に、実施例1と同様にして、作製した白血球除去フィルターを用いて上述の方法で白血球除去率および血小板回収率を求めた。この時に血液を流し始めて、膜が完全に血液で満たされ、濾液側に血液がしみ出し始める時間(濡れ時間)を親水性の尺度として合わせて計測した。また、得られた基材のCWSTを測定した。
【0055】
結果を表1に示す。
【0056】
(比較例2)
実施例1と同じポリウレタン多孔質膜をヘキサン中で1時間超音波洗浄し、この多孔質膜を乾燥した。この未処理の多孔質膜を白血球除去フィルター用基材とし、実施例1と同様な方法で、白血球除去率、血小板回収率および膜が完全に血液で満たされ、濾液側に血液がしみ出し始める時間(濡れ時間)、CWST、カチオン化の様子(ブランク)を測定した。
【0057】
結果を表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【効果】
以上の結果から、実施例に代表される本発明の白血球除去フィルター(白血球除去フィルターを構成する基材)のCWSTは90〜95dyn/cmの範囲にあるので、生理食塩水によるプライミングが不要な上、血液濾過時間が短くてすむといった効果を有し、緊急輸血や血液製剤の製造時間が短縮できる。
【0061】
また、実施例に代表される本発明の白血球除去フィルター(白血球除去膜)は、表1からわかるようにグラフト重合といった煩雑な処理をしなくとも、優れた白血球および血小板の除去性能を発揮するといった効果を有するので製造工程の簡略化が可能となり生産性の向上が図れる。
【0062】
また、実施例に代表される本発明の白血球除去フィルターを構成する基材は溶出物がほとんどなく、白血球除去フィルターとして安全に使用することができるといった効果を有する。
【0063】
つまり、白血球除去フィルターを構成する基材上に上述の一般式(I)あるいは(II)で表される高分子をコートし、加熱乾燥し、水洗するといった簡便な製造方法によって親水性と安全性が高く、かつ、白血球・血小板除去能力に優れた白血球除去フィルターを提供することが可能となる。
Claims (4)
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00175699A JP3640824B2 (ja) | 1999-01-07 | 1999-01-07 | 白血球除去フィルターおよびその製造方法 |
DE69919831T DE69919831T2 (de) | 1999-01-07 | 1999-12-29 | Leukozytenfilter und Verfahren zu seiner Herstellung |
ES99310618T ES2227977T3 (es) | 1999-01-07 | 1999-12-29 | Filtro de leucocitos y procedimiento para fabricar el mismo. |
EP99310618A EP1018346B1 (en) | 1999-01-07 | 1999-12-29 | Leucocyte filter and method for manufacturing same |
AT99310618T ATE274932T1 (de) | 1999-01-07 | 1999-12-29 | Leukozytenfilter und verfahren zu seiner herstellung |
US09/475,025 US6251276B1 (en) | 1999-01-07 | 1999-12-30 | Leukocyte eliminating filter and method for manufacturing the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00175699A JP3640824B2 (ja) | 1999-01-07 | 1999-01-07 | 白血球除去フィルターおよびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000197814A JP2000197814A (ja) | 2000-07-18 |
JP3640824B2 true JP3640824B2 (ja) | 2005-04-20 |
Family
ID=11510436
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP00175699A Expired - Fee Related JP3640824B2 (ja) | 1999-01-07 | 1999-01-07 | 白血球除去フィルターおよびその製造方法 |
Country Status (6)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6251276B1 (ja) |
EP (1) | EP1018346B1 (ja) |
JP (1) | JP3640824B2 (ja) |
AT (1) | ATE274932T1 (ja) |
DE (1) | DE69919831T2 (ja) |
ES (1) | ES2227977T3 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106139935A (zh) * | 2016-06-23 | 2016-11-23 | 广州新克力生物科技有限公司 | 一种白细胞和血小板的过滤膜及其制备方法 |
Families Citing this family (19)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE60035219T2 (de) | 1999-11-01 | 2008-02-14 | Asahi Kasei Medical Co., Ltd. | Filter für die selektive entfernung von leukozyten |
US7156240B2 (en) * | 2001-01-29 | 2007-01-02 | Asahi Kasei Medical Co., Ltd. | Filter for processing blood and process for producing the same |
JP4531310B2 (ja) * | 2001-09-07 | 2010-08-25 | 旭化成メディカル株式会社 | 生体成分分離用フィルターホルダー、フィルターユニット、及びそれを用いた血液濾過フィルターの性能評価方法 |
ITTO20020736A1 (it) * | 2002-08-21 | 2004-02-22 | Fresenius Hemocare Italia Srl | Filtro per leucociti e suo impiego per l'impoverimento di prodotti del sangue da leucociti. |
GB2414241A (en) * | 2004-05-20 | 2005-11-23 | Asahi Chemical Ind | Polyurethane for adsorbing leukocytes |
GB0418123D0 (en) | 2004-08-13 | 2004-09-15 | Asahi Chemical Ind | Polymers useful as medical materials |
JP2006333850A (ja) * | 2005-06-06 | 2006-12-14 | Asahi Kasei Corp | 生物粒子分離用基材 |
CA2697681C (en) | 2007-08-31 | 2013-06-11 | The Regents Of The University Of Michigan | Selective cytopheresis devices and related methods thereof |
EP2363501A1 (en) * | 2010-03-02 | 2011-09-07 | Universitätsklinikum Hamburg-Eppendorf | Method for isolating target cells |
WO2011125617A1 (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-13 | 旭化成クラレメディカル株式会社 | 白血球除去器のプライミングシステム及びプライミング方法 |
CN103260670A (zh) | 2010-10-15 | 2013-08-21 | 塞托弗尔克斯股份有限公司 | 细胞分离灌流器及其用途 |
EP2802367A4 (en) | 2012-01-09 | 2015-12-16 | H David Humes | CARTRIDGE AND METHOD FOR INCREASING THE HEART MUSCULAR FUNCTION |
US9796166B2 (en) | 2014-03-24 | 2017-10-24 | Fenwal, Inc. | Flexible biological fluid filters |
US10376627B2 (en) | 2014-03-24 | 2019-08-13 | Fenwal, Inc. | Flexible biological fluid filters |
US9782707B2 (en) | 2014-03-24 | 2017-10-10 | Fenwal, Inc. | Biological fluid filters having flexible walls and methods for making such filters |
US9968738B2 (en) | 2014-03-24 | 2018-05-15 | Fenwal, Inc. | Biological fluid filters with molded frame and methods for making such filters |
US10159778B2 (en) | 2014-03-24 | 2018-12-25 | Fenwal, Inc. | Biological fluid filters having flexible walls and methods for making such filters |
JP6405387B2 (ja) * | 2014-10-02 | 2018-10-17 | 旭化成メディカル株式会社 | 生体由来液処理フィルター及びフィルターデバイス |
TWI715998B (zh) | 2019-01-28 | 2021-01-11 | 笙特科技股份有限公司 | 過濾材料及其製造方法 |
Family Cites Families (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US2723256A (en) * | 1953-02-27 | 1955-11-08 | Du Pont | Polymeric alkyl sulfate quaternary ammonium salts of the acrylyloxyethylamine type |
DE2009218C3 (de) | 1970-02-27 | 1980-07-17 | Roehm Gmbh, 6100 Darmstadt | Verfahren zur Perlpolymerisation von äthylenisch ungesättigten Monomeren |
JPS5144498B2 (ja) * | 1971-09-01 | 1976-11-29 | ||
US4154647A (en) * | 1977-07-27 | 1979-05-15 | Hercules Incorporated | Preparation of hydrophilic polyolefin fibers for use in papermaking |
DE3687419T2 (de) * | 1985-01-25 | 1993-05-19 | Asahi Chemical Ind | Nichtgewobene stoffbahn, oel-wasser-trennungsfilter und verfahren zur oel-wasser-trennung. |
EP0267286B1 (en) * | 1986-03-28 | 1993-05-26 | ASAHI MEDICAL Co., Ltd. | Filter medium for selectively removing leucocytes |
CA1329559C (en) * | 1988-03-03 | 1994-05-17 | Keiji Naoi | Leukocyte separator and method of making the same |
CA2025069C (en) * | 1989-09-12 | 1998-09-15 | David Boris Pall | Device and method for processing blood for human transfusion |
US5498336A (en) * | 1991-02-22 | 1996-03-12 | Terumo Kabushiki Kaisha | Leukocyte-removing filter and leukocyte-removing apparatus furnished therewith |
DE69327891T2 (de) * | 1992-07-06 | 2000-07-20 | Terumo K.K., Tokio/Tokyo | Material zur Entfernung von pathogener Substanz und mit diesem Material hergestellter Blutfilter |
-
1999
- 1999-01-07 JP JP00175699A patent/JP3640824B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 1999-12-29 ES ES99310618T patent/ES2227977T3/es not_active Expired - Lifetime
- 1999-12-29 AT AT99310618T patent/ATE274932T1/de not_active IP Right Cessation
- 1999-12-29 EP EP99310618A patent/EP1018346B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1999-12-29 DE DE69919831T patent/DE69919831T2/de not_active Expired - Lifetime
- 1999-12-30 US US09/475,025 patent/US6251276B1/en not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106139935A (zh) * | 2016-06-23 | 2016-11-23 | 广州新克力生物科技有限公司 | 一种白细胞和血小板的过滤膜及其制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
DE69919831D1 (de) | 2004-10-07 |
EP1018346A3 (en) | 2002-11-20 |
ES2227977T3 (es) | 2005-04-01 |
DE69919831T2 (de) | 2005-09-22 |
US6251276B1 (en) | 2001-06-26 |
EP1018346A2 (en) | 2000-07-12 |
EP1018346B1 (en) | 2004-09-01 |
JP2000197814A (ja) | 2000-07-18 |
ATE274932T1 (de) | 2004-09-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3640824B2 (ja) | 白血球除去フィルターおよびその製造方法 | |
JP6118831B2 (ja) | 表面処理剤およびフィルター用濾材ならびに血液処理フィルター | |
JP4404445B2 (ja) | 血液フィルターおよび血液フィルターの製造方法 | |
JP4252449B2 (ja) | 白血球除去フィルター素材コート用ポリマー及びフィルター材 | |
WO1999000172A1 (fr) | Milieu filtrant pour leucopherese | |
KR100343092B1 (ko) | 백혈구-제거용 여과재 | |
WO2002034374A1 (fr) | Membrane hydrophylisee et procede d'hydrophylisation | |
CN107974831B (zh) | 一种海藻酸钙改性的丙纶非织造布及其制备方法 | |
JP6752605B2 (ja) | 生体由来液処理フィルター及びフィルターデバイス | |
JP2804055B2 (ja) | ウィルスの抗原あるいは抗体を含有する非感染性物質の調製方法 | |
US6193896B1 (en) | Method for removal of leucocytes from blood | |
EP1262204A1 (en) | Novel leukapheretic filter | |
JP3172542B2 (ja) | 白血球捕捉用フィルター材及びその製造方法 | |
JP3768009B2 (ja) | 血液フィルターおよびその製造方法 | |
JP4148309B2 (ja) | 微小凝集物除去フィルター材 | |
JP2000229123A (ja) | 医療器具 | |
JP2854857B2 (ja) | キトサン又は改質キトサンが塗布された白血球除去用フィルタ | |
JP4148310B2 (ja) | 白血球選択除去フィルター | |
JP3147343B2 (ja) | 親水性フイルター材料の製造方法 | |
JPH1033668A (ja) | 白血球選択除去フィルター及び白血球選択除去フィルター装置 | |
KR100229579B1 (ko) | 개질 키토산으로 도포된 백혈구 제거용 필터 | |
JP2006280483A (ja) | 血液処理フィルター | |
JP2001218834A (ja) | 白血球選択除去フィルター及びその製造方法 | |
JPH1142406A (ja) | 白血球除去フィルター材 | |
JP3467757B2 (ja) | 白血球除去フイルター |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040805 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040810 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040909 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20041221 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050119 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080128 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090128 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100128 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110128 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |