JP3633561B2 - 画像処理装置、画像処理方法およびプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルカメラ等に用いられる画像処理装置の構成および画像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルカメラやデジタルビデオカメラ等においては、従来から画像撮像装置としてCCD(Charge Coupled Device)が利用されている。CCDは光電変換をつかさどる多数のフォトダイオードがマトリクス状に配列されて構成されている。
【0003】
撮像レンズを含む光学系を介してCCDに入射した被写体の光学像は、フォトダイオードで光電変換されたのち電荷蓄積される。マトリクス配置されたフォトダイオードに蓄積された電荷は、CCDから順次取り出された後、画像処理回路に転送されて画像信号として検出されるのである。
【0004】
このようにCCDは光学像の明暗に応じた電荷の蓄積を行い、電気信号として出力する役割を果たすが、カラー画像を取得するためには、3原色成分(R、G、B)に対応した電気信号が得られる必要がある。
【0005】
図9を用いて、単板式のカラー撮像装置に用いられるベイヤー方式の色フィルタアレイ100について説明する。
【0006】
ベイヤー方式の色フィルタアレイ100は、市松状に輝度信号に寄与するGのフィルタを配置し、残りの部分にR、Bのフィルタをさらに市松状に配置している。このように配置された各色のフィルタが、各画素(フォトダイオード)に対応しており、各画素にはR,G,Bいずれかの原色成分に対応した電荷が蓄積されることとなる。
【0007】
ベイヤー方式によると、各画素からは、いずれかの原色成分に対する電気信号が出力されることになるため、各画素に対しては、欠落している色の情報を補う必要がある。
【0008】
たとえば、Rのフィルタに覆われた画素では、Rの情報しか持っていないため、GとBを周辺の画素の値を基に推測する補間処理を行うのである。このようにして、1個のCCDを利用してカラー画像を撮像するようにしている。
【0009】
このように、近傍画素の情報を利用して補間処理を行うベイヤー方式においては、補間処理を行う領域内で同じ被写体が結像することが好ましい。たとえば、図9に太線で示した領域110内で、画素の補間を相互に行う場合には、領域110内には同じ被写体が結像することが好ましい。
【0010】
しかし、被写体のもつコントラストパターンによっては、領域110よりも狭い領域内で高周波成分を持つ場合があり、このような場合には、いわゆる偽色が発生することとなる。偽色は高周波部分で発生し、被写体の輪郭部、ライン、細かな模様などで発生し、光学LPF(low−pass filter)、補間処理等では完全に除去することができない。
【0011】
たとえば、図10に示すように、領域110内に境界121やドット122の被写体が結像している場合を想定する。この場合、領域110内の右下の画素114については、Bの情報しか持っていないため、画素111,112,113などからRやGの情報を補間することとなる。このため、画素114には本来存在しない被写体についての情報で補間処理が行われることになり、偽色が発生するのである。
【0012】
そこで、偽色の発生する部分に対して彩度の抑圧を行い、発生した偽色を目立たなくする処理が行われている。
【0013】
図11は、偽色の抑圧を行う処理装置の従来構成図を示す。CCDから出力されたRGBの原色成分の電気信号は、色差マトリクス回路93に入力される。色差マトリクス回路93において、RGBの原色成分をもつ色空間が、輝度成分(Y)と、色差成分(Cr,Cb)とをもつ色空間に変換される。
【0014】
変換された電気信号のうち、輝度成分Yは、輪郭強調フィルタ95に入力される。輪郭強調フィルタ95において、輝度成分Yは、HPF(high−pass filter)、アンプ、ベースクリップを経て、所定値以上の高周波成分が検出される。
【0015】
検出された高周波成分は、LPFを通過した輝度成分Yに加算される。これによって、輝度成分Yに対して輪郭強調処理が施されることとなる。
【0016】
一方、検出された高周波部分については、前述の如く、偽色が発生している確率が高い。そこで、色差抑圧回路97には輪郭強調フィルタ95において高周波成分として検出された領域(画素)の情報が入力され、当該画素の色差成分Cr,Cbに対して色差の抑圧制御が行われるのである。このようにして、ベイヤー方式の画像形成により生ずる偽色を目立たなくするようにしているのである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した偽色抑圧制御では、被写体のエッジを強調する輪郭強調フィルタ95の出力から抑圧対象となる画素を決定するため、被写体の高周波成分をすべて抑圧することになる。つまり、高周波成分(エッジ成分)の強い部分はすべて色差が抑圧されることになる。
【0018】
そして、この場合、エッジ部分における偽色の発生を防止することはできるものの、その一方で「色抜け」と呼ばれる現象が生じてしまうという問題が存在する。「色抜け」とは、上記従来技術により色差が抑圧されたエッジ部分において色が抜けてしまう現象(色彩が失われてしまう現象)である。
【0019】
そこで、本発明は前記問題点に鑑み、色抜けの発生を低減しつつ、偽色の発生を効果的に抑制することが可能な画像処理技術を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、撮像素子から入力した画像信号に所定の画像処理を施す画像処理装置であって、前記撮像素子は、3原色成分のうち、いずれかの原色成分の画像信号をそれぞれ出力する3種の光電変換素子が、画素ごとに所定の配列規則に従って配置されたものであり、前記撮像素子から入力した各画素の画像信号に対して近傍の画素の画像信号を用いて補間処理を行い、各画素について3原色成分の画像信号を取得する補間手段と、3原色成分をもつ色空間の画像信号を、輝度成分と色成分とをもつ色空間の画像信号に変換する色空間変換手段と、前記輝度成分の信号値に基づいて、各画素近傍における当該輝度成分の信号値の高周波成分の含有程度を検出する高周波成分検出手段と、前記色成分の信号値に基づいて低彩度エリアを抽出する低彩度エリア抽出手段と、前記低彩度エリア内の画素については、前記高周波成分の前記含有程度の検出結果に基づいて前記色成分の信号値を抑圧する抑圧手段と、を備えることを特徴とする。
【0021】
請求項2の発明は、請求項1の発明に係る画像処理装置において、前記抑圧手段は、前記高周波成分の含有程度に応じて、前記画素の色成分の信号値の抑圧の程度を変更することを特徴とする。
【0022】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る画像処理装置において、前記低彩度エリア抽出手段は、ローパスフィルタを用いて低彩度エリアを抽出することを特徴とする。
【0023】
請求項4の発明は、3原色成分のうちいずれかの原色成分の画像信号をそれぞれ出力する3種の光電変換素子が画素ごとに所定の配列規則に従って配置された撮像素子から入力した画像信号に所定の画像処理を施す画像処理方法であって、前記撮像素子から入力した各画素の画像信号に対して近傍の画素の画像信号を用いて補間処理を行い、各画素について3原色成分の画像信号を取得するステップと、3原色成分をもつ色空間の画像信号を、輝度成分と色成分とをもつ色空間の画像信号に変換するステップと、前記輝度成分の信号値に基づいて、各画素近傍における当該輝度成分の信号値の高周波成分の含有程度を検出するステップと、前記色成分の信号値に基づいて低彩度エリアを抽出するステップと、前記低彩度エリア内の画素については、前記高周波成分の前記含有程度の検出結果に基づいて前記色成分の信号値を抑圧するステップと、を含むことを特徴とする。
【0024】
請求項5の発明は、コンピュータに、3原色成分のうちいずれかの原色成分の画像信号をそれぞれ出力する3種の光電変換素子が画素ごとに所定の配列規則に従って配置された撮像素子から入力した各画素の画像信号に対して近傍の画素の画像信号を用いて補間処理を行うことによって生成された、各画素についての3原色成分の画像信号を、輝度成分と色成分とをもつ色空間の画像信号に変換された状態で取得するステップと、前記輝度成分の信号値に基づいて、各画素近傍における当該輝度成分の信号値の高周波成分の含有程度を検出するステップと、前記色成分の信号値に基づいて低彩度エリアを抽出するステップと、前記低彩度エリア内の画素については、前記高周波成分の前記含有程度の検出結果に基づいて前記色成分の信号値を抑圧するステップと、を実行させるためのプログラムであることを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。まず、本実施の形態にかかる画像処理装置10(図1参照)を搭載したデジタルカメラ31の概略構成について説明する。
【0026】
{1.デジタルカメラの概略構成}
図2は、デジタルカメラ31の正面図である。デジタルカメラ31は、箱型のカメラ本体部32と直方体状の撮像部33とから構成されている。撮像部33の前面側には、撮像レンズであるズームレンズ34が設けられるとともに、光学ファインダ35が設けられている。
【0027】
カメラ本体部32の一端部はグリップ部36としており、前面側の中央上部に内蔵フラッシュ37が設けられ、上面側にはシャッタボタン38が設けられている。
【0028】
図示を省略するが、カメラ本体部32の背面側には、撮像画像のモニタ表示、記録画像の再生表示等を行うための液晶ディスプレイ(LCD)が設けられている。その他、カメラ本体部32の背面側には、電源スイッチや、各種操作ボタン等が設けられている。
【0029】
{2.画像処理装置の構成}
図1は、デジタルカメラ31が内部に搭載する本実施形態にかかる画像処理装置10のブロック構成図である。
【0030】
<2−1.ベイヤー式CCDおよび補間処理>
CCD1はベイヤー方式の色フィルタアレイを備えた単板式CCDである。CCD1には、光電変換をつかさどる多数のフォトダイオードがマトリクス状に2次元配列されて各画素に対応しており、各画素は原色成分(R,G,B)のうちいずれかの色フィルタに覆われている。
【0031】
本実施の形態では図5で示した色フィルタアレイ100と同様に、市松状に輝度信号に寄与するGのフィルタを配置し、残りの部分にR、Bのフィルタをさらに市松状に配置している。このようにして、各画素にはR,G,Bいずれかの原色成分に対応した電荷が蓄積されることとなる。
【0032】
なお、ベイヤー方式の色フィルタアレイとしては、図9で示したタイプの他に、Gを上下方向に並べたタイプ等、いくつかの方式が存在するが、本実施形態の画像処理装置に適用できる色フィルタアレイのタイプは特に限定されるものではない。ただし、後述する補間処理においては、色フィルタアレイのタイプに応じた処理が行われる必要がある。
【0033】
CCD1において蓄積された電荷は、1ラインずつ順次取り出され、1次元の電気信号として出力される。さらに、各画素の電気信号は、A/D変換回路(図示せぬ)において12bitのデジタル電気信号に変換された後、WB(ホワイトバランス)回路2に入力され、RGBのレベル変換が行われることでホワイトバランスが調整される。
【0034】
ホワイトバランスの調整が行われた後、各画素の電気信号は補間回路3に入力され、各画素について補間処理が行われる。
【0035】
つまり、各画素は、R,G,Bいずれか1つの原色成分に関する情報しか持っていないため、他の原色成分の情報を周辺の画素の値を基に推測する補間処理を行うのである。この補間処理により、各画素に対して、R,G,Bそれぞれ12bitの情報が与えられることになる。すなわち、各画素についての3原色成分の画像信号(R,G,B)が生成される。
【0036】
補間処理が行われた後、各画素の電気信号(R,G,B)は、リニアマトリクス回路4において、所定の補正処理が行われた後、γ補正回路5に入力される。γ補正回路5において、電気信号(R,G,B)はγ補正テーブル(RGBガンマLUT)51によって、表示ディスプレイの再現特性に応じた補正が行われる。さらに、γ補正回路5においては、12bitの電気信号が8bitに圧縮される。
【0037】
<2−2.色空間の変換処理>
8bitに圧縮された電気信号(R,G,B)は、次に、色差マトリクス回路6に入力される。色差マトリクス回路6は、変換用のマトリクスであるYマトリクス61、Crマトリクス62、Cbマトリクス63を備えており、RGBの原色成分(R,G,B)をもつ色空間が、輝度成分(Y)と、色差成分(Cr,Cb)とをもつ色空間に変換される。
【0038】
次の数1は、Yマトリクス61、Crマトリクス62、Cbマトリクス63を、3行3列の色差マトリクスで表現したものである。従って、RGB色空間が、色差マトリクスによって、輝度成分と色差成分とをもつ色空間に変換されると表現することができる。
【0039】
【数1】
【0040】
<2−3.輪郭強調フィルタ処理>
色差マトリクス回路6において出力された輝度成分Y(以下の説明においては、適宜、輝度成分の電気信号を輝度信号Yと表現する。)は、次に、輪郭(エッジ)強調フィルタ回路7に入力される。輪郭強調フィルタ回路7において、輝度信号Yは2つに分岐される。分岐された輝度信号Yのうち、1つはHPF(high−pass filter)72を通過し、1つはLPF(low−pass filter)71を通過する。
【0041】
HPF72を通過した輝度信号Yからは、高周波成分が検出され、この検出された高周波成分をアンプ73に入力して増幅させた後、さらにベースクリップ74において所定値以上の高周波成分のみが検出され、出力される。
【0042】
そして、加算器75において、LPF71を通過した輝度信号Yに、ベースクリップ74から出力された所定値以上の高周波成分を加算することによって、輝度信号Yは輪郭強調されたうえで出力されるのである。
【0043】
なお、輝度信号Yは、バッファ(図示せず)に蓄積されており、このバッファに蓄積された信号Yをもとに対象画素のHPF処理が行われる。たとえば、本実施の形態においては、HPF72は5行5列の行列形式で表されており、対象画素の輝度信号Y、および、対象画素の近傍の24個の画素の輝度信号Yを使ってエッジ抽出処理が行われることになる。したがって、バッファには少なくともこれら25画素の輝度信号Yが蓄積されている必要がある。このような必要性を満たすためには、たとえば、対象画素(注目画素)が属する水平ラインを中心とする上下2本ずつ(合計5本)の水平ラインに含まれる複数の画素の画素値を格納するための容量を有するバッファを設けておけばよい。
【0044】
また、LPF71を用いた処理等についても同様であり、色差信号Cr,Cbは、各フィルタのサイズ等に応じた所定容量を有するバッファに蓄積された上で、所定のLPF処理が施される。さらに、後述するLPF82を用いた処理についても同様である。
【0045】
<2−4.高周波成分の検出処理>
つぎに、高周波成分の検出処理について説明する。
【0046】
輪郭強調フィルタ回路7のHPF72からの出力値は、高周波成分がどの程度含まれているか、すなわち高周波成分の含有程度(言い換えれば、エッジ成分の検出レベル)の検出結果を表している。また、この出力値は、各画素について求められるので、各画素位置における高周波成分の含有程度に関する情報が取得されることになる。そして、エッジクロマキラー設定LUT(Lookup Table)86を参照してこの出力値を適宜に修正することによって、両色差成分の電気信号(以下、色差信号とも称する)Cr,Cbの抑圧度を求める。これにより、各画素位置の高周波成分の含有程度に応じた各画素位置の色差信号Cr,Cbの抑圧度を求めることができる。
【0047】
具体的には、HPF72からの出力値は、エッジクロマキラー設定LUT86を参照して修正された後、抑圧度を表す値として、マスキング回路83に入力される。その後、後述する彩度情報をも考慮して、この抑圧度はマスキング回路83においてさらに修正された後、乗算器84,85によって修正後の抑圧度に応じた色差信号Cr,Cbの抑圧処理が行われる。
【0048】
図3は、エッジクロマキラーの設定LUT86の設定内容を抑圧度曲線LCとしてグラフ化して示した図である。図中、横軸は、高周波成分の含有程度を示し、縦軸は、抑圧度を示している。つまり、高周波成分の含有程度が高い画素程、高い抑圧をかけるような抑圧制御を行うのである。
【0049】
たとえば、画素nにおける高周波成分の含有程度がAnである場合には、画素nにおける色差成分には20%程度の抑圧を行うのである。また、画素mにおける高周波成分の含有程度がAmである場合には、画素mにおける色差成分には60%程度の抑圧を行うのである。このように、高周波成分の含有程度が比較的高い画素mについては、高周波成分の含有程度が比較的低い画素nよりも大きな抑圧を行うようにする。これによれば、高周波成分の含有程度に応じて、画素の色成分の信号値の抑圧の程度(すなわち抑圧制御の程度)を変更しているので、出力画像に不自然さが残らないような抑圧制御が可能となる。
【0050】
ただし、ノイズ成分を除去するため、高周波成分の含有程度が小さいときには抑圧度を低めの値に設定し、抑圧度が過度に大きくならないようにすることが好ましい。たとえば、図3に示すように、高周波成分の含有程度がAnよりも小さいときには、抑圧度曲線LCが仮想的な正比例直線LLよりも下側に存在するようにすることが好ましい。
【0051】
<2−5.低彩度エリアの抽出処理>
つぎに、低彩度エリアの抽出処理について説明する。
【0052】
この低彩度エリア抽出処理においては、色差信号(色差成分の電気信号)Cr,Cbに基づいて、低彩度エリアを抽出する。ここで、「低彩度エリア」とは、各画素位置の近傍領域における彩度が所定程度よりも低い部分を意味するものとする。
【0053】
具体的には、まず、絶対値加算回路81において、色差信号Cr(=R−Y)の絶対値と色差信号Cb(=B−Y)の絶対値とを加算する。ここで、Rはレッド成分の画像信号、Bはブルー成分の画像信号、Yは輝度信号を表す。
【0054】
そして、各画素を中心位置とする所定サイズ(たとえば5画素×5画素のサイズ)のLPF82を用いた処理を行うことによって、高周波成分を除去する。LPF82を用いることによって、絶対値加算回路81の出力値から色相の遷移等に伴う高周波成分を除去することが可能になるので、彩度の高い部分をより的確に抽出することができる。
【0055】
このLPF82からの出力値は、マスキング回路83に入力される。このマスキング回路83では、LPF82からの出力値を各ビットに対するNOT演算を行うことにより反転させた値(以下、反転値とも称する)を用いたマスク処理が行われる。ここで、LPF82からの出力値に対する反転値は、その大小関係が元の出力値におけるものと逆になるので、彩度が低い程大きな値となる。すなわち、この反転値は、低彩度の程度を表す指標値である。したがって、当該反転値が所定値よりも大きな値を有する画素を低彩度エリア内の画素として抽出することができる。また、上述したようにLPF82を用いることによって、絶対値加算回路81の出力値から色相の遷移等に伴う高周波成分を除去することが可能になるので、低彩度エリアをより的確に抽出することができる。
【0056】
<2−6.色差信号の抑圧処理>
つぎに、色差信号の抑圧処理について説明する。
【0057】
クロマキラー回路80は、輝度信号Yの高周波成分の含有程度と色差信号Cr,Cbに基づいて算出される彩度とに応じて抑圧度を算出し、算出された抑圧度に応じて色差信号Cr,Cbに対する抑圧処理を施す。
【0058】
ここでは、低彩度エリア内の画素について、その色差信号Cr,Cbに対する抑圧処理を、高周波成分の含有程度に応じて行う場合を例示する。これにより、高周波成分の含有程度が高く且つ低彩度の画素について、比較的大きな抑圧処理を施すことができる。
【0059】
具体的には、上記のLPF82からの出力値と、エッジクロマキラー設定LUT86を用いて修正されたHPF72からの出力値とが、マスキング回路83に入力される。このマスキング回路83では、LPF82からの出力値を各ビットに対するNOT演算を行うことにより反転させた値(反転値)を用いたマスク処理が行われる。具体的には、この反転値を所定の閾値LVで二値化し、この二値化された値をマスクにして、エッジクロマキラー設定LUTを用いた変換処理が施されたHPF72からの出力値に対するマスク処理演算が行われる。
【0060】
ここで、上述したように、LPF82からの出力値に対する反転値は、彩度が低い程大きな値となる値、すなわち、低彩度の程度を表す指標値である。また、エッジクロマキラー設定LUT86を用いて修正されたHPF72からの出力値は、高周波成分の含有程度が大きい程大きくなる値、すなわち、高周波成分の含有程度を示す指標値である。そして、これらの値を考慮して、彩度が低い画素に対して、高周波成分の含有程度が大きい程、その抑圧度をより大きな値として求める。
【0061】
そして、求められた抑圧度を乗算器84,85に入力し、色差信号Cr,Cbに対して乗じることによって、抑圧処理が施された色差信号Cr,Cbを得るのである。
【0062】
以上の処理により、本実施の形態にかかる画像処理装置においては、輪郭強調処理が施された輝度信号Yと、抑圧制御が行われた色差信号Cr,Cbが出力されることになる。出力された輝度信号Y、色差信号Cr,Cbはバッファ9に記録された後、たとえば、JPEG等の圧縮規格に従った処理が行われ、画像ファイルとしてメモリカード等に保存されるのである。
【0063】
このように、本実施形態においては、彩度が低いエリア内の画素であるとして抽出された画素に対してのみ、抑圧制御を行うようにしているので、全てのエッジ成分に対して抑圧制御を行うことによる問題を解消することができる。
【0064】
従来は、全てのエッジ成分を抑圧していたため、発生した偽色の抑圧には効果が得られるが、その一方で、彩度が大きなエッジ部分に対しても色の抑圧がかかり不自然な色抜けが発生してしまうという問題があった。本実施形態によれば、低彩度のエッジ部分のみに色の抑圧がかけられるため、彩度が高い部分の色抜けをなくすことにより、色抜けが低減された自然な画像を得ることが可能になる。
【0065】
{3.色差抑圧制御処理}
図4は、上述した色差抑圧制御処理のフローチャートである。また、図5〜図8は、画像中の所定の1本の水平ラインにおける各処理信号の一例を示す図である。図5〜図8のグラフにおいては、横軸は画像中における水平位置xを表し、縦軸は各信号の大きさを表す。以下では、これらの図を参照しながら、この色差抑圧制御処理について説明する。
【0066】
まず、ステップS1(図4)において、CCD1から出力されたRGBの画像信号を入力する。この画像信号は、各画素におけるRGB原色成分のうち、いずれか1つの原色成分の画像信号である。
【0067】
次のステップS2においては、入力した画素について、近傍の画素を用いて補間処理が行われる。この工程により、各画素においてそれぞれ3原色成分の画像信号が得られることになる(ステップS2)。
【0068】
ステップS3においては、RGB3原色成分の画像信号が、輝度信号Yおよび色差信号Cr,Cbに変換される。
【0069】
図5においては、各信号Y,Cr,Cbが表されている。詳細には、図5(a)は輝度信号Yを表しており、図5(b)は色差信号Cr(=R−Y)を表しており、図5(c)は色差信号Cb(=B−Y)を表している。
【0070】
最も左側の区間DX1においては、赤色成分および青色成分がともに強い色、すなわち紫色を有する画素が比較的多く分布している。
【0071】
また、最も右側の区間DX3においては、色差信号Cr,Cbがいずれもほとんどゼロで輝度信号が高い部分、すなわち白色の画素が比較的多く分布している。また、区間DX3の色差信号Cr,Cbにおいては、パルス状の部分が存在する。このパルス状部分は、上記の補間処理(ステップS2)によって発生した偽色を表す部分である。すなわち、区間DX3では、全体的に白色を帯びた領域内にパルス状の偽色部分が存在している。
【0072】
さらに、区間DX2においても、同様にパルス状の偽色部分が発生している。ただし、区間DX2は区間DX3よりも大きな彩度を有している点で、区間DX3と相違している。
【0073】
以下の抑圧処理によれば、区間DX2内の偽色部分を変化させないことにより色抜けを防止し、かつ、区間DX3の低彩度領域内のパルス状の偽色部分を低減することが可能になる。
【0074】
ステップS4においては、ステップS3で得られた輝度信号Yに基づいて、注目画素近傍における高周波成分の含有程度が検出される。
【0075】
図6は、輝度信号Yと、高周波成分の含有程度を表す値として検出された信号YPとを示す図である。詳細には、図6(b)は、HPF72により処理した輝度信号Yを、エッジクロマキラー設定LUT86を参照してさらに修正した信号YPを表しており、図6(a)は、図5(a)と同一の輝度信号Yを表している。
【0076】
図6(b)に示すように、このHPF72は微分フィルタとして機能し、エッジ部分が抽出されている。また、このエッジ部分は、上記の偽色発生部分の位置と同一の位置に存在している。これは、上述の「偽色」がエッジ部分の存在に起因するものだからである。
【0077】
そして、ステップS5においては、ステップS3で得られた色差信号Cr,Cbに基づいて、注目画素近傍における彩度が検出される。図7を参照しながら、低彩度エリアの抽出動作について説明する。
【0078】
まず、図7(c)においては、絶対値加算回路81による加算結果としての信号SG1が示されている。この信号SG1は、具体的には、色差信号Crの絶対値と色差信号Cbの絶対値とを加算した信号である。なお、図7(a)および図7(b)においては、それぞれ、図5(b)および図5(c)と同一の信号Cr,Cbが表されている。
【0079】
さらに、図7(d)は、この信号SG1に対してさらにLPF82による処理を施した信号SG2を表す図である。これによって、信号全体に対して、「平滑化処理」が施され、高周波成分が除去された信号SG2を得ることができる。
【0080】
また、図7(e)は、この信号SG2をx軸に関して折り返して所定値(最大値)だけ全体的に底上げした信号SG3を表す図である。この信号SG3は、信号SG2の反転値に相当し、彩度が低い程大きな値を有する信号、すなわち、低彩度の度合いを示す信号である。
【0081】
さらに、この信号SG3が所定の閾値LV以上であるか否かに応じて修正を加えた信号SG4を生成する。図7(f)は、この信号SG4を表す図である。信号SG4の値は、元の信号SG3が閾値LV以上のときには「1」となり、元の信号SG3が閾値LVより小さいときには値「0」となる。この信号SG4が値「1」を有するエリア(図中の区間DX4)は、彩度が比較的低いエリア、すなわち「低彩度エリア」である。ここでは、説明の簡略化のため、低彩度エリアである区間DX4は、区間DX3とほぼ同一の区間として検出されるものとする。
【0082】
そして、ステップS6において、各注目画素について、注目画素近傍における高周波成分の含有程度と注目画素近傍における彩度の程度とに応じて、色差信号Cr,Cbの抑圧を行う。図8を参照しながらこの抑圧動作について説明する。
【0083】
具体的には、図8(c)に示すように、信号YPを信号SG4でマスクすることによって、信号SG5を生成する。この信号SG5は、低彩度エリア外ではゼロであり、かつ、低彩度エリア内においては各位置における高周波成分の含有程度が大きいほど大きな値となる信号である。なお、図8(a)においては信号SG4が表され、図8(b)においては信号YPが表されている。
【0084】
そして、生成された信号SG5と色差信号Crとの乗算によって、修正後の色差信号Crが生成される。同様に、この信号SG5と色差信号Cbとの乗算によって、修正後の色差信号Cbが生成される。なお、図8(d)においては、修正後の色差信号Crが表され、図8(e)においては、修正後の色差信号Cbが表されている。また、修正前の色差信号Cr,Cbは、それぞれ、図7(a),図7(b)などに示されている。
【0085】
そして、ステップS7において、各注目画素について、輝度信号Yと修正後の色差信号Cr,Cbとが出力される。
【0086】
上記の信号SG5を用いた抑圧処理を行うことによって、低彩度エリア内の画素に対してのみ抑圧処理を行うことが可能であり、なおかつ、各画素に対する抑圧度を、その画素についての高周波成分の含有程度が大きいほど大きな値とすることができる。これにより、偽色の発生を効果的に抑制することができる。
【0087】
図5〜図8の例においては、区間DX4内の白色領域(低彩度エリア)における偽色が除去されている。偽色は低彩度エリアでは特に目立ちやすいという特質を有しているので、偽色を低彩度エリアから除去することによって、より自然な画像にすることができる。
【0088】
一方、区間DX2内の高彩度エリアでは、抑圧がなされていない(あるいは抑圧の程度が抑制されている)ことによって、偽色が残ったままになっている。高彩度エリアでは、偽色は目立ちにくく、その一方で、色抜けは目立ち易いという特質が存在する。したがって、このような特質を利用して、高彩度エリアでは偽色を除去しない(あるいは除去の程度を抑制する)ことによって、彩度が高い部分で「色抜け」が生じることを防止しつつ、自然な画像を得ることができる。すなわち、偽色の発生を効果的に抑制することが可能である。
【0089】
以上説明した本実施の形態にかかる画像処理装置は、デジタルカメラ、デジタルビデオなど、ベイヤー方式などの各種の色フィルタアレイを備えたCCDから画像信号を入力するあらゆる機器に適応可能である。
【0090】
{4.変形例}
<彩度の利用>
上述した実施形態においては、二値化信号SG4に基づいて低彩度エリアを判別したが、二値化される前の信号SG3を用いてより精緻な抑圧処理を行うようにしても良い。すなわち、彩度の程度に応じて抑圧処理を行うようにしても良い。より詳細には、彩度が低い程より大きな抑圧度を用いて抑圧処理を行うようにしても良い。
【0091】
詳細には、低彩度の程度を表す信号SG3を、高周波成分の含有程度を表す信号YPに乗じることによって抑圧用の信号を生成し、その生成された信号を各色差信号Cr,Cbにさらに乗じる。これにより、抑圧処理が施された色差信号Cr,Cbを生成することができる。したがって、高周波成分の含有程度が高い程より大きな抑圧度を用いて抑圧処理を行い、かつ、彩度が低い程より大きな抑圧度を用いて抑圧処理を行うことができる。
【0092】
この場合、彩度の度合い(程度)に応じて、より精緻な抑圧処理を施すことができるので、より的確に偽色の発生を抑制することが可能になる。なお、この場合、低彩度の程度を示す信号SG3を用いて抑圧度を求めることが、各画素が低彩度エリア内の画素であるか否かを判定すること(言い換えれば、低彩度エリアを抽出してその低彩度エリア内の画素についてその色差信号の抑圧処理を施すこと)に対応している。
【0093】
<色差信号以外の色信号>
また、上記実施形態においては、色成分を表す信号(色信号)として、色差信号を抑圧する場合を例示しているが、これに限定されない。たとえば、色差信号以外の色信号(たとえば、彩度のみを表す信号)に対して上記と同様の思想を用いて抑圧処理を行うようにしても良い。
【0094】
<他方式のCCD>
さらに、上記実施形態においては、各色成分画素が市松状に配置されたベイヤー方式のCCDを利用する場合を例示したが、これに限定されない。
【0095】
たとえば、R成分およびB成分が交互に配置されるラインと、G成分が一列に配置されるラインとが交互に配置されるストライプ状配列を有するCCDにより撮像された画像に対して本発明を適用しても良い。
【0096】
さらには、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の各色を有する原色CCDではなく、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の各色を有する補色CCDを用いるようにしても良い。
【0097】
このように、近傍画素の情報(画像信号)を利用して補間処理を行う方式を採用する場合において、偽色の発生を効果的に抑制することが可能である。
【0098】
<コンピュータを用いた実現>
また、上記実施形態においては、デジタルカメラ31内のハードウエア回路によって所定の画像処理を実現していたが、これに限定されず、パーソナルコンピュータ(単に「コンピュータ」とも称する)などにおいて所定のソフトウエアプログラム(単に「プログラム」とも称する)を実行することによって、上記の画像処理を実現するようにしても良い。
【0099】
なお、このようなプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD(Digital Versatile Disk)等)に記録された状態で提供されても良い。ユーザはこのような記録媒体をコンピュータに読み込ませることによって、コンピュータを上述したような画像処理機能を有する画像処理装置として機能させることができる。また、このようなプログラムは、記録媒体として提供されるだけでなく、ネットワークを介して提供されてもよい。この場合、コンピュータがネットワークを介して取り込んだプログラムを、そのコンピュータ上で実行するようにしてもよい。
【0100】
また、この場合において、各画素についての3原色成分の画像信号を、デジタルカメラ31が各画素の近傍画素の画像信号を用いて補間処理により生成しておき、生成された3原色成分の画像信号(画像データ)を所定のコンピュータが読み込むようにしても良い。その後、コンピュータは、この画像信号(画像データ)に対して、色空間変換動作を行うことによって、輝度成分と色成分とをもつ色空間の画像信号に変換された状態で、各画素についての3原色成分の画像信号を取得することができる。あるいは、デジタルカメラ31側で、各画素についての3原色成分の画像信号を、輝度成分と色成分とをもつ色空間の画像信号に予め変換しておき、変換された画像信号をコンピュータに読み込むようにしてもよい。このようにして、コンピュータは、輝度成分と色成分とをもつ色空間の画像信号に変換された状態で各画素についての3原色成分の画像信号を取得した後、ステップS4以降の動作を行うようにすればよい。
【0101】
<線分抽出>
さらに、上記実施形態においては、HPF72を用いて高周波成分の含有程度を検出しているが、これに限定されず、高周波成分として線分成分を検出するようにしてもよい。具体的には、輪郭強調フィルタ回路7内で分岐された輝度信号Yをソーベル線分抽出フィルタを用いることによって、輝度信号Yから線分成分を抽出できる。ソーベル線分抽出フィルタA1〜A4を数2に示す。
【0102】
【数2】
【0103】
数2において、フィルタA1は、右上がりの斜線の境界を検出する空間フィルタであり、フィルタA2は、縦線の境界を検出する空間フィルタであり、フィルタA3は、右下がりの斜線の境界を検出する空間フィルタであり、フィルタA4は、横線の境界を検出する空間フィルタである。各線分抽出フィルタA1〜A4は3行3列の行列形式で表されており、対象画素の輝度信号Y、および、対象画素の8近傍の画素の輝度信号Yを使って線分抽出処理が行われる。
【0104】
具体的には、注目画素について線分抽出フィルタA1を施した場合を例にとると、注目画素および8近傍画素の輝度信号Yの値に、フィルタA1の対応する各成分を係数として乗算し、これらの演算値の合計値を得る。そして、この合計値の絶対値が所定の値よりも大きくなる場合には、注目画素はフィルタA1により線分成分として判断されることになるのである。そして、上記の演算値(合計値)は注目画素における線分の検出レベルを表すことになる。つまり、各線分フィルタA1〜A4のいずれか空間フィルタを用いた演算値(合計値)は、その値が大きい程、線分としての検出度合が大きいことを意味するのである。
【0105】
このような線分検出用のフィルタを用いることによって、高周波成分として線分成分を検出することができる。これによれば、線分として認識できるエッジ領域に対してのみ抑圧制御を行い、ドット程度の高周波成分領域に対しては抑圧制御を行わないようにすることができる。したがって、ドット部分の「色抜け」をさらに的確に防止しつつ効率的に偽色の発生を効果的に抑制できる。
【0106】
【発明の効果】
以上のように、請求項1ないし請求項5に記載の発明によれば、低彩度エリア内の画素については、高周波成分の前記含有程度の検出結果に基づいて色成分の信号値を抑圧するので、色抜けを低減しつつ偽色の発生を効果的に抑制できる。
【0107】
特に、請求項2に記載の発明によれば、高周波成分の含有程度に応じて、画素の色成分の信号値の抑圧の程度が変更されるので、より的確に偽色の発生を防止できる。
【0108】
また、請求項3に記載の発明によれば、ローパスフィルタを用いることにより、低彩度エリアをより的確に抽出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る画像処理装置10のブロック構成図である。
【図2】デジタルカメラ31の正面図である。
【図3】エッジクロマキラーの設定LUT86の設定内容をグラフ化して示す図である。
【図4】色差抑圧制御処理を示すフローチャートである。
【図5】画像中の所定の1本の水平ラインにおける色差抑圧制御処理前の各処理信号Y,Cr,Cbの一例を示す図である。
【図6】輝度信号Yと、高周波成分の含有程度を表す値として検出された信号YPとを示す図である。
【図7】低彩度エリアの抽出動作について説明する図である。
【図8】抑圧動作について説明する図である。
【図9】ベイヤー方式CCDにおける色フィルタアレイの一例を示す図である。
【図10】高周波成分をもつ被写体の光学像がベイヤー方式のCCDに結像した状態を示す図である。
【図11】従来の画像処理装置のブロック図である。
【符号の説明】
10 画像処理装置
100 色フィルタアレイ
31 デジタルカメラ
80 クロマキラー回路
81 絶対値加算回路
93 色差マトリクス回路
95 輪郭強調フィルタ
97 色差抑圧回路
Cr,Cb 色差信号
Y 輝度信号
Claims (5)
- 撮像素子から入力した画像信号に所定の画像処理を施す画像処理装置であって、
前記撮像素子は、3原色成分のうち、いずれかの原色成分の画像信号をそれぞれ出力する3種の光電変換素子が、画素ごとに所定の配列規則に従って配置されたものであり、
前記撮像素子から入力した各画素の画像信号に対して近傍の画素の画像信号を用いて補間処理を行い、各画素について3原色成分の画像信号を取得する補間手段と、
3原色成分をもつ色空間の画像信号を、輝度成分と色成分とをもつ色空間の画像信号に変換する色空間変換手段と、
前記輝度成分の信号値に基づいて、各画素近傍における当該輝度成分の信号値の高周波成分の含有程度を検出する高周波成分検出手段と、
前記色成分の信号値に基づいて低彩度エリアを抽出する低彩度エリア抽出手段と、
前記低彩度エリア内の画素については、前記高周波成分の前記含有程度の検出結果に基づいて前記色成分の信号値を抑圧する抑圧手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1に記載の画像処理装置において、
前記抑圧手段は、前記高周波成分の含有程度に応じて、前記画素の色成分の信号値の抑圧の程度を変更することを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1または請求項2に記載の画像処理装置において、
前記低彩度エリア抽出手段は、ローパスフィルタを用いて低彩度エリアを抽出することを特徴とする画像処理装置。 - 3原色成分のうちいずれかの原色成分の画像信号をそれぞれ出力する3種の光電変換素子が画素ごとに所定の配列規則に従って配置された撮像素子から入力した画像信号に所定の画像処理を施す画像処理方法であって、
前記撮像素子から入力した各画素の画像信号に対して近傍の画素の画像信号を用いて補間処理を行い、各画素について3原色成分の画像信号を取得するステップと、
3原色成分をもつ色空間の画像信号を、輝度成分と色成分とをもつ色空間の画像信号に変換するステップと、
前記輝度成分の信号値に基づいて、各画素近傍における当該輝度成分の信号値の高周波成分の含有程度を検出するステップと、
前記色成分の信号値に基づいて低彩度エリアを抽出するステップと、
前記低彩度エリア内の画素については、前記高周波成分の前記含有程度の検出結果に基づいて前記色成分の信号値を抑圧するステップと、
を含むことを特徴とする画像処理方法。 - コンピュータに、
3原色成分のうちいずれかの原色成分の画像信号をそれぞれ出力する3種の光電変換素子が画素ごとに所定の配列規則に従って配置された撮像素子から入力した各画素の画像信号に対して近傍の画素の画像信号を用いて補間処理を行うことによって生成された、各画素についての3原色成分の画像信号を、輝度成分と色成分とをもつ色空間の画像信号に変換された状態で取得するステップと、
前記輝度成分の信号値に基づいて、各画素近傍における当該輝度成分の信号値の高周波成分の含有程度を検出するステップと、
前記色成分の信号値に基づいて低彩度エリアを抽出するステップと、
前記低彩度エリア内の画素については、前記高周波成分の前記含有程度の検出結果に基づいて前記色成分の信号値を抑圧するステップと、
を実行させるためのプログラム。
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