JP3604439B2 - フタロシアニン化合物及びそれを含有してなる光記録媒体 - Google Patents
フタロシアニン化合物及びそれを含有してなる光記録媒体 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、新規な光ディスク用記録材料、情報記録、表示センサー、保護眼鏡等のオプトエレクトロニクス関連に重要な役割を果たす近赤外線吸収剤として有用な化合物と、それを記録層に含有して形成される光ディスク及び光カード等の光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスク、光カ−ド装置等における書き込み及び読み取りのためレーザー光が利用されている。特にこれらの装置で用いられる光記録媒体の記録方式は、実用レベルとしては通常、光・熱変換を経たヒートモード記録(熱記録)が採用されており、そのために記録層としては低融点金属、有機高分子、さらには融解、蒸発、分解、あるいは昇華等の物理変化または化学変化を起こす有機色素が種々提案されている。なかでも融解、分解等の温度が低い有機色素系は記録感度上好ましいことから、シアニン系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、アゾ系色素などを中心に記録層として開発されてきている。
【0003】
例えば、特開平2−147286号公報において、記録層にシアニン系色素を含む光記録媒体が提案されている。しかしながら、この媒体系は長期保存性および耐光性に劣り、さらには記録特性も不十分であった。
【0004】
アントラキノン色素(例えば、特開昭58−224448号公報)、ナフトキノン色素(例えば、特開昭58−224793号公報)を記録層に含む光記録媒体も提案されているが、いずれもシアニン系色素と同様に長期保存性および耐光性に劣り、さらには記録特性も不十分であった。
【0005】
特開昭61−25886号公報、特開平2−43269号公報(USP 4960538)、特開平2−296885号公報等においては、記録層にナフタロシアニン色素を含む光記録媒体が提案されている。この媒体系では、耐光性は優れるが、記録層の反射率が低く、記録特性も不十分であった。
【0006】
また、光記録媒体の記録層に、フタロシアニン色素、特にアルコキシ置換フタロシアニンを利用する技術は、特開昭61−154888号公報(EP 186404)、同61−197280号公報、同61−246091号公報、同62−39286号公報(USP 4769307)、同63−37991号公報、同63−39388号公報等により広く知られている。これらの特許に開示されているフタロシアニン色素を用いた光記録媒体においては、感度、屈折率、記録特性において十分な性能を有しているとは言い難かった。それを改良したのが特開平3−62878号公報(USP 5124067)であるが、その改良化合物においても、レーザー光による高速記録及び高密度記録時の誤差が大きく未だ実用上十分ではなかった。特開平2−43269号公報(USP 4960538)及び特開平2−296885号公報においてアルコキシ置換ナフタロシアニン、特開昭63−37991号公報において脂肪族炭化水素オキシ置換フタロシアニン、特開昭63−39388号公報においてはアルケニルチオ置換フタロシアニンの、光記録媒体への利用を提案しているが、感度、記録特性に効果があるということは記載されていない。
【0007】
尚、その他の公知の色素を用いた光記録媒体の記録特性においても十分な性能を有しているものは見出されていない。
【0008】
光記録媒体への書き込み及び読み出しは400〜900nmのレーザー光を利用するので、記録材料の使用レーザー発振波長近傍における吸収係数、屈折率等の制御及び書き込み時における精度の良いピット形成が重要である。このことは、最近願望されている高速記録、高密度記録においては特に重要である。そのため、構造安定性が高く、レーザー発振波長近傍の光に対して屈折率が高く、分解特性が良好で、かつ感度の高い光記録媒体用色素の開発が必要となる。しかし、従来開発された光記録媒体用色素は、記録媒体に用いた時、特に高速記録、高密度記録の感度(C/N比、最適記録パワー)、記録特性(ジッター、デビエイション)について欠点を有するという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記欠点を改善し、高速記録、高密度記録時においても感度が高く、記録特性並びに耐光性の良好な光記録媒体を提供しうる色素を供給することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前項の課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、
▲1▼ 下記一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物、
【0011】
【化3】
〔式(1)中、Mは2個の水素原子、2価の金属原子、3価1置換金属原子、4価2置換金属原子、オキシ金属原子を表し、Lは式(a)
【0012】
【化4】
(式(a)中、OR1は、炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルコキシ基を表し、R2及びR3は、各々独立にハロゲン原子が1〜4置換している炭素数3〜20の直鎖または分岐のアルキル基、もしくはハロゲン原子が0〜2置換している炭素数3〜20の直鎖または分岐のアルケニル基を表し、Xは水素原子又はハロゲン原子を表す。)を表す。〕で示されるフタロシアニン化合物。
【0013】
▲2▼ 一般式(1)において、Mで表される中心金属が、Pd,Cu,Ru,Pt,Ni,Co,Rh,Zn,VO,TiO,Si(Y)2,Sn(Y)2,Ge(Y)2(Yはハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、ヒドロキシ基、アルキル基、アリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、トリアルキルシリルオキシ基、トリアルキルスズオキシ基、またはトリアルキルゲルマニウムオキシ基を表す。)であるフタロシアニン化合物。
▲3▼ 一般式(1)のフタロシアニン化合物を含有してなる光記録媒体。
▲4▼ 基板上に、一般式(1)のフタロシアニン化合物を含有する記録層、その上に金またはアルミニウムからなる反射層、さらにその上に保護層を積層した構成である光記録媒体に関するものである。尚、一般式(1)は、以降、下記構造式(2)の様に略記する。
【0014】
【化5】
【0015】
本発明のフタロシアニン化合物は、650〜900nmにシャープな吸収を有し、分子吸光係数は150,000以上と高く、長期安定性および耐光性にも優れるため、半導体レーザーを用いる光記録媒体(光ディスク、光カード等)の記録材料に好適である。また、本発明の化合物は、アルコキシ基及びハロゲン原子が置換しているアルキル基、またはアルケニル基がフタロシアニン環に置換しているため、基板にスピンコート法により塗布する際に使用する溶剤への溶解性が良好である。更に、機構は未だ明らかでなく現在検討中であるが、本発明のフタロシアニン化合物の特徴である、アルキル基、またはアルケニル基に置換しているハロゲン原子が光記録時の感度の向上に寄与し、形成された信号の誤差の減少に効果を上げている。すなわち、光記録時に色素の分解・溶融が制御され精度の高いピット形成が行われ、記録媒体の樹脂基板へのダメージが減少したこと、反射層を有する記録媒体の場合は記録層と反射層である金属層との密着性の改良である。従来の記録法のみならず、従来に比較して高速である記録、あるいは高密度の記録法においても光記録媒体の感度、記録特性の向上に効果を上げた。
【0016】
以下に本発明の好ましい態様を詳述する。
【0017】
一般式(1)中、OR1で示される炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、iso−ペンチルオキシ基、neo−ペンチルオキシ基、2−メチルブチル−3−オキシ基、ペンチル−2−オキシ基、ペンチル−3−オキシ基、n−ヘキシルオキシ基、cyclo−ヘキシルオキシ基、2−メチルペンチル−4−オキシ基、2−メチルペンチル−3−オキシ基、3−メチルペンチル−4−オキシ基、4−メチルペンチル−4−オキシ基、n−ヘプチルオキシ基、ヘキシル−3−オキシ基、2−メチルヘキシル−5−オキシ基、2,4−ジメチルペンチル−3−オキシ基、2−メチルヘキシル−3−オキシ基、ヘプチル−4−オキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシル−1−オキシ基、2,5−ジメチルヘキシル−3−オキシ基、2,4−ジメチルヘキシル−3−オキシ基、2,2,4−トリメチルペンチル−3−オキシ基、n−ノニルオキシ基、3,5−ジメチルヘプチル−4−オキシ基、2,6−ジメチルヘプチル−3−オキシ基、2,4−ジメチルヘプチル−3−オキシ基、2,2,5,5−テトラメチルヘキシル−3−オキシ基、1−cyclo−ペンチル−2,2−ジメチルプロピル−1−オキシ基、1−cyclo−ヘキシル−2,2−ジメチルプロピル−1−オキシ基等が挙げられる。
【0018】
一般式(1)中、R2及びR3で示されるハロゲン原子が1〜4置換している炭素数3〜20の直鎖または分岐のアルキル基、もしくはハロゲン原子が0〜2置換している炭素数3〜20の直鎖または分岐のアルケニル基の具体例として、ハロゲン原子を有さない置換基としては、プロペニル基、1−メチル−プロペニル基、1−エチル−プロペニル基、1−プロピル−プロペニル基、1,1−ジメチル−アリル基、2−ブテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、3−メチル−2−ブテニル基、2,3−ジメチル−2−ブテニル基、1,1−ジメチル−2−ブテニル基、1−エチル−2−メチル−2−ブテニル基、2−ペンテニル基、1−メチル−2−ペンテニル基、2−メチル−2−ペンテニル基、3−メチル−2−ペンテニル基、4−メチル−2−ペンテニル基、2、4−ジメチル−2−ペンテニル基、1,4−ジメチル−2−ペンテニル基、1−エチル−2−メチル−2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基、1−メチル−2−ヘキセニル基、3−メチル−2−ヘキセニル基、2−ヘプテニル基、2−メチル−2−ヘプテニル基、3,4,4−トリメチル−2−ヘプテニル基、2−オクテニル基、2−ノナニル基、2,5−ジメチル−2,5−ヘプタジエニル基、2,5−ヘキサジエニル基、1−メチル−2,5−ヘキサジエニル基、2−メチル−2,5−ヘキサジエニル基、5メチル−2,5−ヘキサジエニル基、2、4−ヘプタジエニル基等が挙げられる。
【0019】
また、ハロゲン原子を有する置換基としては、1−クロル−プロピル基、1−ブロム−プロピル基、1−ヨード−プロピル基、2−クロル−プロピル基、2−ブロム−プロピル基、2−ヨード−プロピル基、1,2−ジクロル−プロピル基、1,2−ジブロム−プロピル基、1,2−ジヨード−プロピル基、1−クロル−1−メチル−プロピル基、1−ブロム−1−メチル−プロピル基、1−ヨード−1−メチル−プロピル基、2−クロル−1−メチル−プロピル基、2−ブロム−1−メチル−プロピル基、2−ヨード−1−メチル−プロピル基、1,2−ジクロル−1−メチル−プロピル基、1,2−ジブロム−1−メチル−プロピル基、1,2−ジヨード−1−メチル−プロピル基、1−クロル−1−エチル−プロピル基、1−ブロム−1−エチル−プロピル基、1−ヨード−1−エチル−プロピル基、2−クロル−1−エチル−プロピル基、2−ブロム−1−エチル−プロピル基、2−ヨード−1−エチル−プロピル基、1,2−ジクロル−1−エチル−プロピル基、1,2−ジブロム−1−エチル−プロピル基、1,2−ジヨード−1−エチル−プロピル基、1−クロル−1−プロピル−プロピル基、1−ブロム−1−プロピル−プロピル基、1−ヨード−1−プロピル−プロピル基、2−クロル−1−プロピル−プロピル基、2−ブロム−1−プロピル−プロピル基、2−ヨード−1−プロピル−プロピル基、1,2−ジクロル−1−プロピル−プロピル基、1,2−ジブロム−1−プロピル−プロピル基、1,2−ジヨード−1−プロピル−プロピル基、2−クロル−1,1−ジメチル−プロピル基、2−ブロム−1,1−ジメチル−プロピル基、2−ヨード−1,1−ジメチル−プロピル基、3−クロル−1,1−ジメチル−プロピル基、3−ブロム−1,1−ジメチル−プロピル基、3−ヨード−1,1−ジメチル−プロピル基、2,3−ジクロル−1,1−ジメチル−プロピル基、2,3−ジブロム−1,1−ジメチル−プロピル基、2,3−ジヨード−1,1−ジメチル−プロピル基、
【0020】
2−クロル−ブチル基、2−ブロム−ブチル基、2−ヨード−ブチル基、3−クロル−ブチル基、3−ブロム−ブチル基、3−ヨード−ブチル基、2,3−ジクロル−ブチル基、2,3−ジブロム−ブチル基、2,3−ジヨード−ブチル基、2−クロル−1−メチル−ブチル基、2−ブロム−1−メチル−ブチル基、2−ヨード−1−メチル−ブチル基、3−クロル−1−メチル−ブチル基、3−ブロム−1−メチル−ブチル基、3−ヨード−1−メチル−ブチル基、2,3−ジクロル−1−メチル−ブチル基、2,3−ジブロム−1−メチル−ブチル基、2,3−ジヨード−1−メチル−ブチル基、2−クロル−2−メチル−ブチル基、2−ブロム−2−メチル−ブチル基、2−ヨード−2−メチル−ブチル基、3−クロル−2−メチル−ブチル基、3−ブロム−2−メチル−ブチル基、3−ヨード−2−メチル−ブチル基、2,3−ジクロル−2−メチル−ブチル基、2,3−ジブロム−2−メチル−ブチル基、2,3−ジヨード−2−メチル−ブチル基、2−クロル−3−メチル−ブチル基、2−ブロム−3−メチル−ブチル基、2−ヨード−3−メチル−ブチル基、3−クロル−3−メチル−ブチル基、3−ブロム−3−メチル−ブチル基、3−ヨード−3−メチル−ブチル基、2,3−ジクロル−3−メチル−ブチル基、2,3−ジブロム−3−メチル−ブチル基、2,3−ジヨード−3−メチル−ブチル基、2−クロル−2,3−ジメチル−ブチル基、2−ブロム−2,3−ジメチル−ブチル基、2−ヨード−2,3−ジメチル−ブチル基、3−クロル−2,3−ジメチル−ブチル基、3−ブロム−2,3−ジメチル−ブチル基、3−ヨード−2,3−ジメチル−ブチル基、2,3−ジクロル−2,2−ジメチル−ブチル基、2,3−ジブロム−2,3−ジメチル−ブチル基、2,3−ジヨード−2,3−ジメチル−ブチル基、2−クロル−1,1−ジメチル−ブチル基、2−ブロム−1,1−ジメチル−ブチル基、2−ヨード−1,1−ジメチル−ブチル基、3−クロル−1,1−ジメチル−ブチル基、3−ブロム−1,1−ジメチル−ブチル基、3−ヨード−1,1−ジメチル−ブチル基、2,3−ジクロル−1,1−ジメチル−ブチル基、2,3−ジブロム−1,1−ジメチル−ブチル基、2,3−ジヨード−1,1−ジメチル−ブチル基、
【0021】
2−クロル−1−エチル−2−メチル−ブチル基、2−ブロム−1−エチル−2−メチル−ブチル基、2−ヨ−ド−1−エチル−2−メチル−ブチル基、3−クロル−1−エチル−2−メチル−ブチル基、3−ブロム−1−エチル−2−メチル−ブチル基、3−ヨード−1−エチル−2−メチル−ブチル基、2,3−ジクロル−1−エチル−2−メチル−ブチル基、2,3−ジブロム−1−エチル−2−メチル−ブチル基、2,3−ジヨード−1−エチル−2−メチル−ブチル基、
【0022】
2−クロル−ペンチル基、2−ブロム−ペンチル基、2−ヨード−ペンチル基、3−クロル−ペンチル基、3−ブロム−ペンチル基、3−ヨード−ペンチル基、2,3−ジクロル−ペンチル基、2,3−ジブロム−ペンチル基、2,3−ジヨード−ペンチル基、2−クロル−1−メチル−ペンチル基、2−ブロム−1−メチル−ペンチル基、2−ヨード−1−メチル−ペンチル基、3−クロル−1−メチル−ペンチル基、3−ブロム−1−メチル−ペンチル基、3−ヨード−1−メチル−ペンチル基、2,3−ジクロル−1−メチル−ペンチル基、2,3−ジブロム−1−メチル−ペンチル基、2,3−ジヨード−1−メチル−ペンチル基、2−クロル−2−メチル−ペンチル基、2−ブロム−2−メチル−ペンチル基、2−ヨード−2−メチル−ペンチル基、3−クロル−2−メチル−ペンチル基、3−ブロム−2−メチル−ペンチル基、3−ヨード−2−メチル−ペンチル基、2,3−ジクロル−2−メチル−ペンチル基、2,3−ジブロム−2−メチル−ペンチル基、2,3−ジヨード−2−メチル−ペンチル基、2−クロル−3−メチル−ペンチル基、2−ブロム−3−メチル−ペンチル基、2−ヨード−3−メチル−ペンチル基、3−クロル−3−メチル−ペンチル基、3−ブロム−3−メチル−ペンチル基、3−ヨード−3−メチル−ペンチル基、2,3−ジクロル−3−メチル−ペンチル基、2,3−ジブロム−3−メチル−ペンチル基、2,3−ジヨード−3−メチル−ペンチル基、2−クロル−4−メチル−ペンチル基、2−ブロム−4−メチル−ペンチル基、2−ヨード−4−メチル−ペンチル基、3−クロル−4−メチル−ペンチル基、3−ブロム−4−メチル−ペンチル基、3−ヨード−4−メチル−ペンチル基、2,3−ジクロル−4−メチル−ペンチル基、2,3−ジブロム−4−メチル−ペンチル基、2,3−ジヨード−4−メチル−ペンチル基、2−クロル−2,4−ジメチル−ペンチル基、2−ブロム−2,4−ジメチル−ペンチル基、2−ヨード−2,4−ジメチル−ペンチル基、3−クロル−2,4−ジメチル−ペンチル基、3−ブロム−2,4−ジメチル−ペンチル基、3−ヨード−2,4−ジメチル−ペンチル基、2,3−ジクロル−2,4−ジメチル−ペンチル基、2,3−ジブロム−2,4−ジメチル−ペンチル基、2,3−ジヨード−2,4−ジメチル−ペンチル基、2−クロル−1,4−ジメチル−ペンチル基、2−ブロム−1,4−ジメチル−ペンチル基、2−ヨード−1,4−ジメチル−ペンチル基、3−クロル−1,4−ジメチル−ペンチル基、3−ブロム−1,4−ジメチル−ペンチル基、3−ヨード−1,4−ジメチル−ペンチル基、2,3−ジクロル−1,4−ジメチル−ペンチル基、2,3−ジブロム−1,4−ジメチル−ペンチル基、2,3−ジヨード−1,4−ジメチル−ペンチル基、2−クロル−1−エチル−2−メチル−ペンチル基、2−ブロム−1−エチル−2−メチル−ペンチル基、2−ヨ−ド−1−エチル−2−メチル−ペンチル基、3−クロル−1−エチル−2−メチル−ペンチル基、3−ブロム−1−エチル−2−メチル−ペンチル基、3−ヨード−1−エチル−2−メチル−ペンチル基、2,3−ジクロル−1−エチル−2−メチル−ペンチル基、2,3−ジブロム−1−エチル−2−メチル−ペンチル基、2,3−ジヨード−1−エチル−2−メチル−ペンチル基、
【0023】
2−クロル−ヘキシル基、2−ブロム−ヘキシル基、2−ヨード−ヘキシル基、3−クロル−ヘキシル基、3−ブロム−ヘキシル基、3−ヨード−ヘキシル基、2,3−ジクロル−ヘキシル基、2,3−ジブロム−ヘキシル基、2,3−ジヨード−ヘキシル基、2−クロル−1−メチル−ヘキシル基、2−ブロム−1−メチル−ヘキシル基、2−ヨード−1−メチル−ヘキシル基、3−クロル−1−メチル−ヘキシル基、3−ブロム−1−メチル−ヘキシル基、3−ヨード−1−メチル−ヘキシル基、2,3−ジクロル−1−メチル−ヘキシル基、2,3−ジブロム−1−メチル−ヘキシル基、2,3−ジヨード−1−メチル−ヘキシル基、2−クロル−3−メチル−ヘキシル基、2−ブロム−3−メチル−ヘキシル基、2−ヨード−3−メチル−ヘキシル基、3−クロル−3−メチル−ヘキシル基、3−ブロム−3−メチル−ヘキシル基、3−ヨード−3−メチル−ヘキシル基、2,3−ジクロル−3−メチル−ヘキシル基、2,3−ジブロム−3−メチル−ヘキシル基、2,3−ジヨード−3−メチル−ヘキシル基、
【0024】
2−クロル−ヘプチル基、2−ブロム−ヘプチル基、2−ヨード−ヘプチル基、3−クロル−ヘプチル基、3−ブロム−ヘプチル基、3−ヨード−ヘプチル基、2,3−ジクロル−ヘプチル基、2,3−ジブロム−ヘプチル基、2,3−ジヨード−ヘプチル基、2−クロル−2−メチル−ヘプチル基、2−ブロム−2−メチル−ヘプチル基、2−ヨード−2−メチル−ヘプチル基、3−クロル−2−メチル−ヘプチル基、3−ブロム−2−メチル−ヘプチル基、3−ヨード−2−メチル−ヘプチル基、2,3−ジクロル−2−メチル−ヘプチル基、2,3−ジブロム−2−メチル−ヘプチル基、2,3−ジヨード−2−メチル−ヘプチル基、2−クロル−3,4,4−トリメチル−ヘプチル基、2−ブロム−3,4,4−トリメチル−ヘプチル基、2−ヨード−3,4,4−トリメチル−ヘプチル基、3−クロル−3,4,4−トリメチル−ヘプチル基、3−ブロム−3,4,4−トリメチル−2−ヘプチル基、3−ヨード−3,4,4−トリメチル−2−ヘプチル基、2,3−ジクロル−3,4,4−トリメチル2−ヘプチル基、2,3−ジブロム−3,4,4−トリメチル−2−ヘプチル基、2,3−ジヨード−3,4,4−トリメチル−2−ヘプチル基、
【0025】
2−クロル−オクチル基、2−ブロム−オクチル基、2−ヨード−オクチル基、3−クロル−オクチル基、3−ブロム−オクチル基、3−ヨード−オクチル基、2,3−ジクロル−オクチル基、2,3−ジブロム−オクチル基、2,3−ジヨード−オクチル基、
【0026】
2−クロル−ノニル基、2−ブロム−ノニル基、2−ヨード−ノニル基、3−クロル−ノニル基、3−ブロム−ノニル基、3−ヨード−ノニル基、2,3−ジクロル−ノニル基、2,3−ジブロム−ノニル基、2,3−ジヨード−ノニル基、
【0027】
2−クロル−2,5−ジメチル−5−ヘプテニル基、2−ブロム−2,5−ジメチル−5−ヘプテニル基、2−ヨード−2,5−ジメチル−5−ヘプテニル基、3−クロル−2,5−ジメチル−5−ヘプテニル基、3−ブロム−2,5−ジメチル−5−ヘプテニル基、3−ヨード−2,5−ジメチル−5−ヘプテニル基、5−クロル−2,5−ジメチル−2−ヘプテニル基、5−ブロム−2,5−ジメチル−2−ヘプテニル基、5−ヨード−2,5−ジメチル−2−ヘプテニル基、6−クロル−2,5−ジメチル−2−ヘプテニル基、6−ブロム−2,5−ジメチル−2−ヘプテニル基、6−ヨード−2,5−ジメチル−2−ヘプテニル基、2,3−ジクロル−2,5−ジメチル−5−ヘプテニル基、2,3−ジブロム−2,5−ジメチル−5−ヘプテニル基、2,3−ジヨード−2,5−ジメチル−5−ヘプテニル基、5,6−ジクロル−2,5−ジメチル−2−ヘプテニル基、5,6−ジブロム−2,5−ジメチル−2−ヘプテニル基、5,6−ジヨード−2,5−ジメチル−2−ヘプテニル基、
【0028】
2,5−ジクロル−2,5−ジメチル−ヘプチル基、2,6−ジクロル−2,5−ジメチル−ヘプチル基、3,5−ジクロル−2,5−ジメチル−ヘプチル基、3,6−ジクロル−2,5−ジメチル−ヘプチル基、2,5−ジブロム−2,5−ジメチル−ヘプチル基、2,6−ジブロム−2,5−ジメチル−ヘプチル基、3,5−ジブロム−2,5−ジメチル−ヘプチル基、3,6−ジブロム−2,5−ジメチル−ヘプチル基、2,5−ジヨード−2,5−ジメチル−ヘプチル基、2,6−ジヨード−2,5−ジメチル−ヘプチル基、3,5−ジヨード−2,5−ジメチル−ヘプチル基、3,6−ジヨード−2,5−ジメチル−ヘプチル基、2,3,5−トリクロル−2,5−ジメチル−ヘプチル基、2,3,6−トリクロル−2,5−ジメチル−ヘプチル基、2,5,6−トリクロル−2,5−ジメチル−ヘプチル基、3,5,6−トリクロル−2,5−ジメチル−ヘプチル基、2,3,5−トリブロム−2,5−ジメチル−ヘプチル基、2,3,6−トリブロム−2,5−ジメチル−ヘプチル基、2,5,6−トリブロム−2,5−ジメチル−ヘプチル基、3,5,6−トリブロム−2,5−ジメチル−ヘプチル基、2,3,5−トリヨード−2,5−ジメチル−ヘプチル基、2,3,6−トリヨード−2,5−ジメチル−ヘプチル基、2,5,6−トリヨード−2,5−ジメチル−ヘプチル基、3,5,6−トリヨード−2,5−ジメチル−ヘプチル基、2,3,5,6−テトラクロル−2,5−ジメチル−ヘプチル基、2,3,5,6−テトラブロム−2,5−ジメチル−ヘプチル基、2,3,5,6−テトラヨード−2,5−ジメチル−ヘプチル基、
【0029】
2−クロル−5−ヘキセニル基、2−ブロム−5−ヘキセニル基、2−ヨード−5−ヘキセニル基、3−クロル−5−ヘキセニル基、3−ブロム−5−ヘキセニル基、3−ヨード−5−ヘキセニル基、5−クロル−2−ヘキセニル基、5−ブロム−2−ヘキセニル基、5−ヨード−2−ヘキセニル基、6−クロル−2−ヘキセニル基、6−ブロム−2−ヘキセニル基、6−ヨード−2−ヘキセニル基、2,3−ジクロル−5−ヘキセニル基、2,3−ジブロム−5−ヘキセニル基、2,3−ジヨード−5−ヘキセニル基、5,6−ジクロル−2−ヘキセニル基、5,6−ジブロム−2−ヘキセニル基、5,6−ジヨード−2−ヘキセニル基、
【0030】
2,5−ジクロル−ヘキシル基、2,6−ジクロル−ヘキシル基、3,5−ジクロル−ヘキシル基、3,6−ジクロル−ヘキシル基、2,5−ジブロム−ヘキシル基、2,6−ジブロム−ヘキシル基、3,5−ジブロム−ヘキシル基、3,6−ジブロム−ヘキシル基、2,5−ジヨード−ヘキシル基、2,6−ジヨード−ヘキシル基、3,5−ジヨード−ヘキシル基、3,6−ジヨード−ヘキシル基、2,3,5−トリクロル−ヘキシル基、2,3,6−トリクロル−ヘキシル基、2,5,6−トリクロル−ヘキシル基、3,5,6−トリクロル−ヘキシル基、2,3,5−トリブロム−ヘキシル基、2,3,6−トリブロム−ヘキシル基、2,5,6−トリブロム−ヘキシル基、3,5,6−トリブロム−ヘキシル基、2,3,5−トリヨード−ヘキシル基、2,3,6−トリヨード−ヘキシル基、2,5,6−トリヨード−ヘキシル基、3,5,6−トリヨード−ヘキシル基、2,3,5,6−テトラクロル−ヘキシル基、2,3,5,6−テトラブロム−ヘキシル基、2,3,5,6−テトラヨード−ヘキシル基、
【0031】
2−クロル−1−メチル−5−ヘキセニル基、2−ブロム−1−メチル−5−ヘキセニル基、2−ヨード−1−メチル−5−ヘキセニル基、3−クロル−1−メチル−5−ヘキセニル基、3−ブロム−1−メチル−5−ヘキセニル基、3−ヨード−1−メチル−5−ヘキセニル基、5−クロル−1−メチル−2−ヘキセニル基、5−ブロム−1−メチル−2−ヘキセニル基、5−ヨード−1−メチル−2−ヘキセニル基、6−クロル−1−メチル−2−ヘキセニル基、6−ブロム−1−メチル−2−ヘキセニル基、6−ヨード−1−メチル−2−ヘキセニル基、2,3−ジクロル−1−メチル−5−ヘキセニル基、2,3−ジブロム−1−メチル−5−ヘキセニル基、2,3−ジヨード−1−メチル−5−ヘキセニル基、5,6−ジクロル−1−メチル−2−ヘキセニル基、5,6−ジブロム−1−メチル−2−ヘキセニル基、5,6−ジヨード−1−メチル−2−ヘキセニル基、
【0032】
2,5−ジクロル−1−メチル−ヘキシル基、2,6−ジクロル−1−メチル−ヘキシル基、3,5−ジクロル−1−メチル−ヘキシル基、3,6−ジクロル−1−メチル−ヘキシル基、2,5−ジブロム−1−メチル−ヘキシル基、2,6−ジブロム−1−メチル−ヘキシル基、3,5−ジブロム−1−メチル−ヘキシル基、3,6−ジブロム−1−メチル−ヘキシル基、2,5−ジヨード−1−メチル−ヘキシル基、2,6−ジヨード−1−メチル−ヘキシル基、3,5−ジヨード−1−メチル−1−メチル−ヘキシル基、3,6−ジヨード−1−メチル−ヘキシル基、2,3,5−トリクロル−1−メチル−ヘキシル基、2,3,6−トリクロル−1−メチル−ヘキシル基、2,5,6−トリクロル−1−メチル−ヘキシル基、3,5,6−トリクロル−1−メチル−ヘキシル基、2,3,5−トリブロム−1−メチル−ヘキシル基、2,3,6−トリブロム−1−メチル−ヘキシル基、2,5,6−トリブロム−1−メチル−ヘキシル基、3,5,6−トリブロム−1−メチル−ヘキシル基、2,3,5−トリヨード−1−メチル−ヘキシル基、2,3,6−トリヨード−1−メチル−ヘキシル基、2,5,6−トリヨード−1−メチル−ヘキシル基、3,5,6−トリヨード−1−メチル−ヘキシル基、2,3,5,6−テトラクロル−1−メチル−ヘキシル基、2,3,5,6−テトラブロム−1−メチル−ヘキシル基、2,3,5,6−テトラヨード−1−メチル−ヘキシル基、
【0033】
2−クロル−2−メチル−5−ヘキセニル基、2−ブロム−2−メチル−5−ヘキセニル基、2−ヨード−2−メチル−5−ヘキセニル基、3−クロル−2−メチル−5−ヘキセニル基、3−ブロム−2−メチル−5−ヘキセニル基、3−ヨード−2−メチル−5−ヘキセニル基、5−クロル−2−メチル−2−ヘキセニル基、5−ブロム−2−メチル−2−ヘキセニル基、5−ヨード−2−メチル−2−ヘキセニル基、6−クロル−2−メチル−2−ヘキセニル基、6−ブロム−2−メチル−2−ヘキセニル基、6−ヨード−2−メチル−2−ヘキセニル基、2,3−ジクロル−2−メチル−5−ヘキセニル基、2,3−ジブロム−2−メチル−5−ヘキセニル基、2,3−ジヨード−2−メチル−5−ヘキセニル基、5,6−ジクロル−2−メチル−2−ヘキセニル基、5,6−ジブロム−2−メチル−2−ヘキセニル基、5,6−ジヨード−2−メチル−2−ヘキセニル基、
【0034】
2,5−ジクロル−2−メチル−ヘキシル基、2,6−ジクロル−2−メチル−ヘキシル基、3,5−ジクロル−2−メチル−ヘキシル基、3,6−ジクロル−2−メチル−ヘキシル基、2,5−ジブロム−2−メチル−ヘキシル基、2,6−ジブロム−2−メチル−ヘキシル基、3,5−ジブロム−2−メチル−ヘキシル基、3,6−ジブロム−2−メチル−ヘキシル基、2,5−ジヨード−2−メチル−ヘキシル基、2,6−ジヨード−2−メチル−ヘキシル基、3,5−ジヨード−2−メチル−ヘキシル基、3,6−ジヨード−2−メチル−ヘキシル基、2,3,5−トリクロル−2−メチル−ヘキシル基、2,3,6−トリクロル−2−メチル−ヘキシル基、2,5,6−トリクロル−2−メチル−ヘキシル基、3,5,6−トリクロル−2−メチル−ヘキシル基、2,3,5−トリブロム−2−メチル−ヘキシル基、2,3,6−トリブロム−2−メチル−ヘキシル基、2,5,6−トリブロム−2−メチル−ヘキシル基、3,5,6−トリブロム−2−メチル−ヘキシル基、2,3,5−トリヨード−2−メチル−ヘキシル基、2,3,6−トリヨード−2−メチル−ヘキシル基、2,5,6−トリヨード−2−メチル−ヘキシル基、3,5,6−トリヨード−2−メチル−ヘキシル基、2,3,5,6−テトラクロル−2−メチル−ヘキシル基、2,3,5,6−テトラブロム−2−メチル−ヘキシル基、2,3,5,6−テトラヨード−2−メチル−ヘキシル基、
【0035】
2−クロル−5−メチル−5−ヘキセニル基、2−ブロム−5−メチル−5−ヘキセニル基、2−ヨード−5−メチル−5−ヘキセニル基、3−クロル−5−メチル−5−ヘキセニル基、3−ブロム−5−メチル−5−ヘキセニル基、3−ヨード−5−メチル−5−ヘキセニル基、5−クロル−5−メチル−2−ヘキセニル基、5−ブロム−5−メチル−2−ヘキセニル基、5−ヨード−5−メチル−2−ヘキセニル基、6−クロル−5−メチル−2−ヘキセニル基、6−ブロム−5−メチル−2−ヘキセニル基、6−ヨード−5−メチル−2−ヘキセニル基、2,3−ジクロル−5−メチル−5−ヘキセニル基、2,3−ジブロム−5−メチル−5−ヘキセニル基、2,3−ジヨード−5−メチル−5−ヘキセニル基、5,6−ジクロル−5−メチル−2−ヘキセニル基、5,6−ジブロム−5−メチル−2−ヘキセニル基、5,6−ジヨード−5−メチル−2−ヘキセニル基、
【0036】
2,5−ジクロル−5−メチル−ヘキシル基、2,6−ジクロル−5−メチル−ヘキシル基、3,5−ジクロル−5−メチル−ヘキシル基、3,6−ジクロル−5−メチル−ヘキシル基、2,5−ジブロム−5−メチル−ヘキシル基、2,6−ジブロム−5−メチル−ヘキシル基、3,5−ジブロム−5−メチル−ヘキシル基、3,6−ジブロム−5−メチル−ヘキシル基、2,5−ジヨード−5−メチル−ヘキシル基、2,6−ジヨード−5−メチル−ヘキシル基、3,5−ジヨード−5−メチル−ヘキシル基、3,6−ジヨード−5−メチル−ヘキシル基、2,3,5−トリクロル−5−メチル−ヘキシル基、2,3,6−トリクロル−5−メチル−ヘキシル基、2,5,6−トリクロル−5−メチル−ヘキシル基、3,5,6−トリクロル−5−メチル−ヘキシル基、2,3,5−トリブロム−5−メチル−ヘキシル基、2,3,6−トリブロム−5−メチル−ヘキシル基、2,5,6−トリブロム−5−メチル−ヘキシル基、3,5,6−トリブロム−5−メチル−ヘキシル基、2,3,5−トリヨード−5−メチル−ヘキシル基、2,3,6−トリヨード−5−メチル−ヘキシル基、2,5,6−トリヨード−5−メチル−ヘキシル基、3,5,6−トリヨード−5−メチル−ヘキシル基、2,3,5,6−テトラクロル−5−メチル−ヘキシル基、2,3,5,6−テトラブロム−5−メチル−ヘキシル基、2,3,5,6−テトラヨード−5−メチル−ヘキシル基、
【0037】
2−クロル−4−ヘプテニル基、2−ブロム−4−ヘプテニル基、2−ヨード−4−ヘプテニル基、3−クロル−4−ヘプテニル基、3−ブロム−4−ヘプテニル基、3−ヨード−4−ヘプテニル基、4−クロル−2−ヘプテニル基、4−ブロム−2−ヘプテニル基、4−ヨード−2−ヘプテニル基、5−クロル−2−ヘプテニル基、5−ブロム−2−ヘプテニル基、5−ヨード−2−ヘプテニル基、2,3−ジクロル−4−ヘプテニル基、2,3−ジブロム−4−ヘプテニル基、2,3−ジヨード−4−ヘプテニル基、4,5−ジクロル−2−ヘプテニル基、4,5−ジブロム−2−ヘプテニル基、4,5−ジヨード−2−ヘプテニル基、
【0038】
2,4−ジクロル−ヘプチル基、2,5−ジクロル−ヘプチル基、3,4−ジクロル−ヘプチル基、3,5−ジクロル−ヘプチル基、2,4−ジブロム−ヘプチル基、2,5−ジブロム−ヘプチル基、3,4−ジブロム−ヘプチル基、3,5−ジブロム−ヘプチル基、2,4−ジヨード−ヘプチル基、2,5−ジヨード−ヘプチル基、3,4−ジヨード−ヘプチル基、3,5−ジヨード−ヘプチル基、2,3,4−トリクロル−ヘプチル基、2,3,5−トリクロル−ヘプチル基、2,4,5−トリクロル−ヘプチル基、3,4,5−トリクロル−ヘプチル基、2,3,4−トリブロム−ヘプチル基、2,3,5−トリブロム−ヘプチル基、2,4,5−トリブロム−ヘプチル基、3,4,5−トリブロム−ヘプチル基、2,3,4−トリヨード−ヘプチル基、2,3,5−トリヨード−ヘプチル基、2,4,5−トリヨード−ヘプチル基、3,4,5−トリヨード−ヘプチル基、2,3,4,5−テトラクロル−ヘプチル基、2,3,4,5−テトラブロム−ヘプチル基、2,3,4,5−テトラヨード−ヘプチル基等が挙げられる。
【0039】
Xで表されるハロゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
【0040】
また、式(1)中、Mで示される2価金属の例としては、Cu,Zn,Fe,Co,Ni,Ru,Rh,Pd,Pt,Mn,Sn,Mg,Pb,Hg,Cd,Ba,Ti,Be,Ca等が挙げられ、1置換の3価金属の例としては、Al−F,Al−Cl,Al−Br,Al−I,Ga−F,Ga−Cl,Ga−Br,Ga−I,In−F,In−Cl,In−Br,In−I,Tl−F,Tl −Cl,Tl−Br,Tl−I,Al−C6H5,Al−C6H4(CH3),In−C6H5,In−C6H4(CH3),Mn(OH),Mn(OC6H5),Mn〔OSi(CH3)3〕,Fe−Cl,Ru−Cl等が挙げられ、2置換の4価金属の例としては、CrCl2,SiF2,SiCl2,SiBr2,SiI2,SnF2,SnCl2,SnBr2,ZrCl2,GeF2,GeCl2,GeBr2,GeI2,TiF2,TiCl2,TiBr2,Si(OH)2,Sn(OH)2,Ge(OH)2,Zr(OH)2,Mn(OH)2,TiA2,CrA2,SiA2,SnA2,GeA2〔Aはアルキル基、フェニル基、ナフチル基およびその誘導体を表す〕,Si(OA’)2,Sn(OA’)2,Ge(OA’)2,Ti(OA’)2,Cr(OA’)2〔A’はアルキル基、フェニル基、ナフチル基、トリアルキルシリル基、ジアルキルアルコキシシリル基およびその誘導体を表す〕,Si(SA”)2,Sn(SA”)2,Ge(SA”)2〔A”はアルキル基、フェニル基、ナフチル基およびその誘導体を表す〕等が挙げられ、オキシ金属の例としては、VO,MnO,TiO等が挙げられる。特に好ましい例としては、Cu,Ni,Co,Mg,Zn,Pd,Pt,VO等である。
【0041】
一般式(1)で示されるフタロシアニン化合物の合成法としては、下式(3)又は(4)
【0042】
【化6】
〔式(3)及び(4)中、R1は、一般式(1)中、OR1で表わされるアルコキシ基の相当するアルキル基を表し、R’2、R’3はアルケニル基を表す。〕で示される化合物を、例えば1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(DBU)存在下に、金属誘導体とアルコール中で加熱反応する。あるいは、金属誘導体とクロルナフタレン、ブロムナフタレン、トリクロルベンゼン等の高沸点溶媒中で加熱反応することでアルコキシ基及びアルケニル基を有するフタロシアニン化合物を合成し、これを塩化チオニル、塩化スフリル、臭化水素酸、臭素、ヨウ素、一塩化ヨウ素等のハロゲン化剤とを反応させる方法等で得られる。
【0043】
また、一般式(3)または(4)で示される化合物は、以下に示した経路で製造することができる。
【0044】
【化7】
【0045】
市販されている3−ニトロフタロニトリル(A)を塩基の存在下、R’2OH〔R’2は前記と同じ意味を表す。〕で示されるアリルアルコール誘導体と反応させてアルコキシフタロニトリル(B)を得る。さらに(B)をクライゼン転移反応後、塩基の存在下、R’3X〔R’3は前記と同じ意味を表し、Xはハロゲン原子を表す。〕で示されるアリルハライド誘導体と反応させて3−アルコキシ−4−アルケニルフタロニトリル(C)を得る。更に(C)をクライゼン転移反応後、塩基の存在下、R1X〔R1は前記と同じ意味を表し、Xはハロゲン原子を表す。〕で示されるアルキルハライド誘導体と反応させることで目的とする一般式(3)で示される化合物が製造される。(4)で示される化合物は、(3)をアルコール中、ナトリウムメチラートを触媒にアンモニアと反応させることで得ることができる。
【0046】
本発明のフタロシアニン化合物を用いて光記録媒体を製造する方法には、透明基板上に本発明のフタロシアニン化合物を含む1〜3種の化合物を1層または2層に塗布、あるいは蒸着する方法があり、塗布法としては、バインダー樹脂20重量%以下、好ましくは0%と、本発明のフタロシアニン化合物0.05〜20重量%、好ましくは0.5〜20重量%となるように溶媒に溶解し、スピンコーターで塗布する方法等がある。また蒸着方法としては10−5〜10−7torr、100〜300℃にて基板上にフタロシアニン化合物を堆積させる方法等がある。
【0047】
基板としては、光学的に透明な樹脂であればよい。例えば、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン共重合樹脂、塩化ビニル共重合樹脂、塩化ビニリデン共重合樹脂、スチレン共重合樹脂等が挙げられる。また基板は熱硬化性樹脂または紫外線硬化性樹脂により表面処理がなされていてもよい。
【0048】
光記録媒体(光ディスク、光カード等)を作製する場合、コストの面、ユーザーの取り扱いの面より、基板はポリアクリレート基板またはポリカーボネート基板を用い、かつスピンコート法により塗布されるのが好ましい。
【0049】
基板の耐溶剤性より、スピンコートに用いる溶剤は、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエチレン、ジクロロジフルオロエタン等)、エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン等)、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等)、セロソルブ類(例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、炭化水素類(例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロオクタン、ジメチルシクロヘキサン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、あるいはこれらの混合溶媒が好適に用いられる。
【0050】
記録媒体として加工するには、上記の様に基板で覆う、あるいは2枚の記録層を設けた基板に、エアーギャップを設けて対向させて貼り合わせる、または、記録層上に反射層(アルミニウムまたは金)を設け、熱硬化性または光硬化性樹脂の保護層を積層する方法などがある。保護層として、Al2O3,SiO2,SiO,SnO2等の無機化合物を利用してもよい。
【0051】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の実施の態様はこれにより限定されるものではない。
【0052】
実施例1
撹拌器、還流冷却器および窒素導入管を備えた容器に、3−(2−ペントキシ)−4,6−ビス(1−プロペニル)フタロニトリル29.4g(0.1モル)、DBU15.2g(0.1モル)、及びn−アミルアルコール125gを装入し、窒素雰囲気下で、100℃まで昇温させた。次に、同温度で塩化パラジウム5.3g(0.03モル)を添加し、95〜100℃で20時間反応させた。反応終了後、冷却し、不溶物を濾別した。濾液を減圧濃縮して溶媒を回収した後、カラム精製(シリカゲル500g、溶媒トルエン)し、下記式(1−1)で示されるフタロシアニン化合物20.2g(収率63%)を得た。
可視吸光スペクトル及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0053】
可視吸収:
λmax=735nm
εg=2.2×105cm2g−1(溶媒:トルエン)
【0054】
【化8】
【0055】
上記フタロシアニン化合物5g(3.9mmol)を1,1,2−トリクロルエタン30gに溶解させ、水10gを加えた。次に臭素5.0g(31mmol)と1,1,2−トリクロルエタン5gとの混合溶液を50〜55℃で30分で滴下し、同温度で1時間して終了した。10%亜硫酸水素ナトリウム水溶液8.6gを加えて洗浄した。有機層をメタノール80g滴下し、析出した結晶を濾過し、カラム精製(シリカゲル100g、溶媒トルエン)し、臭素化フタロシアニン化合物8.7gを得た。元素分析より臭素は15.8個置換していること、FD−MSより臭素は全て側鎖に置換していることがわかった。
可視吸光スペクトル及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0056】
可視吸収:
λmax=719nm
εg=2.3×105cm2g−1(溶媒:トルエン)
【0057】
上記フタロシアニン化合物のn−オクタン溶液(10g/l)をスパイラルグルーブ(ピッチ1.6μm、溝幅0.6μm、溝深0.18μm)付きの外形120mm、厚さ1.2mmのCD−R用ポリカーボネート基板上に500〜1000rpmでスピンコート成膜した。その上に30nmの金をスパッタ蒸着して反射層を形成し、続いて光硬化型ポリアクリル樹脂によりオーバーコート後光硬化させ保護層を形成してCD−R型媒体を作製した。この媒体に、波長780nmの半導体レーザーを用いて、線速1.4m/sでEFM信号を5.5mWのパワーで書き込んだときのエラーレートは0.2%未満であった。また、線速2m/s、0.8mWのレーザー光で、105回再生しても記録に変化はなかった。
【0058】
実施例2
実施例1で合成したフタロシアニン化合物(1−1)5g(3.9mmol)を1,1,2−トリクロルエタン30gに溶解させ、水10gを加えた。次に臭素9.6g(60.1mmol)と1,1,2−トリクロルエタン11gとの混合溶液を50〜55℃で30分で滴下し、同温度で1時間して終了した。15%亜硫酸水素ナトリウム水溶液8.6gを加えて洗浄した。有機層をメタノール80g滴下し、析出した結晶を濾過し乾燥後、カラム精製(シリカゲル100g、溶媒トルエン)し、臭素化フタロシアニン化合物8.9gを得た。NMRより側鎖二重結合は全て臭素が置換していること、元素分析より臭素は18.1個置換していることがわかった。よって環には2.1個置換していることがわかった。可視吸光スペクトル及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0059】
可視吸収:
λmax=727nm
εg=2.1×105cm2g−1(溶媒:トルエン)
【0060】
上記フタロシアニン化合物のエチルシクロヘキサン溶液(10g/l)を実施例1と同様にスピンコーターによりCD−R用ポリカーボネート基板上に塗布し、その上に金をスパッタ蒸着し、続いてUV硬化樹脂を用いて保護層を形成し、CD−R型媒体を作製した。この媒体に780nmの半導体レーザーを用いて線速1.4m/sでEFM信号を6.0mWのパワーで書き込んだときのエラーレートは0.2%未満であり、0.5mWの再生光で百万回再生を行っても変化がなかった。また80℃/85%の条件で1000時間経過後も記録・再生に支障はなかった。
【0061】
実施例3
実施例1と同様の容器に、3−(3−ヘキソキシ)−4,6−ビス(1−プロペニル)フタロニトリル30.8g(0.1モル)、DBU15.2g(0.1モル)およびn−アミルアルコール120gを装入し、窒素雰囲気下で100℃まで昇温させた。次に、同温度で塩化パラジウム5.3g(0.03モル)を添加し、95〜100℃で20時間反応させた。反応終了後、冷却し、不溶物を濾別した。濾液を減圧濃縮して溶媒を回収した後、カラム精製(シリカゲル500g、溶媒トルエン)し、下記式(1−2)で示されるフタロシアニン化合物21.8g(収率65%)を得た。
可視吸光スペクトル及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0062】
可視吸収:
λmax=736nm
εg=2.1×105cm2g−1(溶媒:トルエン)
【0063】
【化9】
【0064】
上記フタロシアニン化合物5.2g(3.9mmol)を1,1,2−トリクロルエタン30gに溶解させ、水10gを加えた。次に臭素5.0g(31.4mmol)と1,1,2−トリクロルエタン5gとの混合溶液を50〜55℃で30分で滴下し、同温度で1時間して終了した。15%亜硫酸水素ナトリウム水溶液8.6gを加えて洗浄した。有機層をメタノール100g滴下し、析出した結晶を濾過し、乾燥後、カラム精製(シリカゲル100g、溶媒トルエン)し、臭素化フタロシアニン化合物8.6gを得た。元素分析より臭素は14.9個置換していること、FD−MSより臭素は全て側鎖に置換していることがわかった。
可視吸光スペクトル及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0065】
可視吸収:
λmax=721nm
εg=2.1×105cm2g−1(溶媒:トルエン)
【0066】
上記フタロシアニン化合物のジブチルエ−テル溶液(10g/l)を実施例1と同様にスピンコーターによりCD−R用ポリカーボネート基板上に塗布し、その上に金をスパッタ蒸着し、続いてUV硬化樹脂を用いて保護層を形成し、CD−R型媒体を作製した。この媒体に780nmの半導体レーザーを用いて線速1.4m/sでEFM信号を5.0mWのパワーで書き込んだときのエラーレートは0.2%未満であり、0.5mWの再生光で百万回再生を行っても変化がなかった。また80℃/85%の条件で1000時間経過後も記録・再生に支障はなかった。
【0067】
実施例4
実施例3で合成したフタロシアニン化合物(1−2)5.2g(3.9mmol)を1,1,2−トリクロルエタン30gに溶解させ、水10gを加えた。次に臭素9.7g(60.5mmol)と1,1,2−トリクロルエタン11gとの混合溶液を50〜55℃で30分で滴下し、同温度で1時間して終了した。15%亜硫酸水素ナトリウム水溶液8.6を加えて洗浄した。有機層をメタノール80g滴下し、析出した結晶を濾過し、乾燥後、カラム精製(シリカゲル100g、溶媒トルエン)し、臭素化フタロシアニン化合物9.3gを得た。NMRより側鎖二重結合は全て臭素が置換していること、元素分析より臭素は19.5個置換していることがわかった。よって環には3.5個置換していることがわかった。
可視吸光スペクトル及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0068】
可視吸収:
λmax=736nm
εg=2.3×105cm2g−1(溶媒:トルエン)
【0069】
上記フタロシアニン化合物のジブチルエ−テル溶液(10g/l)を実施例1と同様にスピンコーターによりCD−R用ポリカーボネート基板上に塗布し、その上に金をスパッタ蒸着し、続いてUV硬化樹脂を用いて保護層を形成し、CD−R型媒体を作製した。この媒体に780nmの半導体レーザーを用いて線速1.4m/sで5.0mWのパワーで記録し、0.5mWの再生光で百万回再生を行っても変化がなかった。また80℃/85%の条件で1000時間経過後も記録・再生に支障はなかった。
【0070】
実施例5
実施例1と同様の容器に、3−(2−ペントキシ)−4,6−ビス(1−プロペニル)フタロニトリル29.4g(0.1モル)、DBU15.2g(0.1モル)、及びn−アミルアルコール125gを装入し、窒素雰囲気下で、100℃まで昇温させた。次に、同温度で塩化第一銅3.0g(0.03モル)を添加し、95〜100℃で10時間反応させた。反応終了後、冷却し、不溶物を濾別した。濾液を減圧濃縮して溶媒を回収した後、カラム精製(シリカゲル500g、溶媒トルエン)し、下記式(1−3)で示されるフタロシアニン化合物24.8g(収率80%)を得た。
可視吸光スペクトル及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0071】
可視吸収:
λmax=756nm
εg=2.4×105cm2g−1(溶媒:トルエン)
【0072】
【化10】
【0073】
上記フタロシアニン化合物4.9g(3.9mmol)を1,1,2−トリクロロエタン35gに溶解させ、水10gを加えた。次に臭素5.0g(32mmol)と1,1,2−トリクロロエタン5.0gとの混合溶液を50〜55℃で30分で滴下し、同温度で2時間反応した。10%亜硫酸水素ナトリウム10gで洗浄した。有機層を分液後、メタノール80gに滴下し析出した結晶を濾過し乾燥後、カラム精製(シリカゲル100g、溶媒トルエン)し、臭素化フタロシアニン7.9gを得た。元素分析より臭素は15.3個置換していること、FD−MSより臭素は全て側鎖に置換していることがわかった。
可視吸光スペクトル及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0074】
可視吸収:
λmax=717nm
εg=2.4×105cm2g−1(溶媒:トルエン)
【0075】
上記フタロシアニン化合物10gをジブチルエ−テルとジイソプロピルエーテルの3:1(体積比)混合溶媒500mlに溶解し、スピンコーターによりポリカ−ボネート製光カード基板上に厚み100nmで塗布し、続いて塗布面にUV硬化樹脂を用いて保護層を形成し、光カ−ドを作製した。この媒体に780nm、線速2m/s,4mWの半導体レーザー光により記録したとき、CN比は61dBであった。また、線速2m/s,0.8mWのレーザ−光により再生可能で、再生光安定性を調べたところ、105回の再生が可能であった。さらにこの光カ−ドは保存安定性も良好なものであった。
【0076】
実施例6
実施例5のフタロシアニン化合物(1−3)4.9g(3.9mmol)を1,1,2−トリクロロエタン35gに溶解させ、水10gを加えた。次に臭素5.0g(32mmol)と1,1,2−トリクロロエタン5.0gとの混合溶液を50〜55℃で30分で滴下し、同温度で2時間反応した。10%亜硫酸水素ナトリウム10gで洗浄した。有機層を分液後、メタノール80gに滴下し析出した結晶を濾過し乾燥後、カラム精製(シリカゲル100g、溶媒トルエン)し、臭素化フタロシアニン8.5gを得た。元素分析より臭素は18.2個置換していること、FD−MSより側鎖二重結合は全て臭素に置換していることがわかった。よって環には2.2個置換していることがわかった。
可視吸光スペクトル及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0077】
可視吸収
λmax=731nm
εg=2.3×105cm2g−1(溶媒:トルエン)
【0078】
上記フタロシアニン化合物のエチルシクロヘキサン溶液(20g/l)を実施例1と同様にスピンコーターによりCD−R用ポリカーボネート基板上に塗布し、その上に金をスパッタ蒸着し、続いてUV硬化樹脂を用いて保護層を形成し、CD−R型媒体を作製した。この媒体に780nmの半導体レーザーを用いて線速2.8m/sでEFM信号を5.5mWのパワーで書き込んだときのエラーレートは0.2%未満であり、0.5mWの再生光で百万回再生を行っても変化がなかった。また80℃/85%の条件で1000時間経過後も記録・再生に支障はなかった。
【0079】
実施例7
実施例1と同様の容器に、3−(2,4−ジメチル−3−ペントキシ)−4,6−ビス(1−プロペニル)フタロニトリル32.2g(0.1モル)、DBU15.2g(0.1モル)、及びn−アミルアルコール125gを装入し、窒素雰囲気下で、100℃まで昇温させた。次に、同温度で塩化パラジウム5.3g(0.03モル)を添加し、95〜100℃で25時間反応させた。反応終了後、冷却し、不溶物を濾別した。濾液を減圧濃縮して溶媒を回収した後、カラム精製(シリカゲル500g、溶媒トルエン)し、下記式(1−4)で示されるフタロシアニン化合物20.9g(収率60%)を得た。
可視吸光スペクトル及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0080】
可視吸収:
λmax=736nm
εg=2.4×105cm2g−1(溶媒:トルエン)
【0081】
【化11】
【0082】
上記フタロシアニン化合物5.1g(3.7mmol)を1,1,2−トリクロロエタン35gに溶解させ、水10gを加えた。次に臭素4.7g(30mmol)と1,1,2−トリクロロエタン5.0gとの混合溶液を50〜55℃で30分で滴下し、同温度で2時間反応した。10%亜硫酸水素ナトリウム10gで洗浄した。有機層を分液後、メタノール80gに滴下し析出した結晶を濾過し乾燥後、カラム精製(シリカゲル100g、溶媒トルエン)し、臭素化フタロシアニン7.4gを得た。元素分析より臭素は14.4個置換していること、FD−MSより臭素は全て側鎖に置換していることがわかった。
可視吸光スペクトル及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0083】
可視吸収:
λmax=723nm
εg=2.2×105cm2g−1(溶媒:トルエン)
【0084】
上記フタロシアニン化合物10gをジブチルエ−テルとジイソプロピルエーテルの3:1(体積比)混合溶媒500mlに溶解し、スピンコーターによりポリカ−ボネート製光カード基板上に厚み100nmで塗布し、続いて塗布面にUV硬化樹脂を用いて保護層を形成し、光カ−ドを作製した。この媒体に780nm、線速2m/s,4mWの半導体レーザー光により記録したとき、CN比は61dBであった。また、線速2m/s,0.8mWのレーザ−光により再生可能で、再生光安定性を調べたところ、105回の再生が可能であった。さらにこの光カ−ドは保存安定性も良好なものであった。
【0085】
実施例8
実施例7のフタロシアニン化合物(1−4)5.1g(3.7mmol)を1,1,2−トリクロロエタン35gに溶解させ、水10gを加えた。次に臭素9.0g(57mmol)と1,1,2−トリクロロエタン10.0gとの混合溶液を50〜55℃で30分で滴下し、同温度で2時間反応した。10%亜硫酸水素ナトリウム10gで洗浄した。有機層を分液後、メタノール80gに滴下し析出した結晶を濾過し乾燥後、カラム精製(シリカゲル100g、溶媒トルエン)し、臭素化フタロシアニン8.7gを得た。元素分析より臭素は18.7個置換していること、FD−MSより側鎖二重結合は全て臭素に置換していることがわかった。よって環には2.7個置換していることがわかった。
可視吸光スペクトル及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0086】
可視吸収:
λmax=735nm
εg=2.0×105cm2g−1(溶媒:トルエン)
【0087】
上記フタロシアニン化合物のエチルシクロヘキサン溶液(20g/l)を実施例1と同様にスピンコーターによりCD−R用ポリカーボネート基板上に塗布し、その上に金をスパッタ蒸着し、続いてUV硬化樹脂を用いて保護層を形成し、CD−R型媒体を作製した。この媒体に780nmの半導体レーザーを用いて線速2.8m/sでEFM信号を5.5mWのパワーで書き込んだときのエラーレートは0.2%未満であり、0.5mWの再生光で百万回再生を行っても変化がなかった。また80℃/85%の条件で1000時間経過後も記録・再生に支障はなかった。
【0088】
実施例9
実施例1と同様の容器に、3−(3−メチル−ブトキシ)−4−(1−メチル−1−プロペニル)−6−(1−プロペニル)フタロニトリル30.8g(0.1モル)、DBU15.2g(0.1モル)、及びn−アミルアルコール120gを装入し、窒素雰囲気下で、100℃まで昇温させた。次に、同温度で塩化パラジウム5.3g(0.03モル)を添加し、95〜100℃で15時間反応させた。反応終了後、冷却し、不溶物を濾別した。濾液を減圧濃縮して溶媒を回収した後、カラム精製(シリカゲル500g、溶媒トルエン)し、下記式(1−5)で示されるフタロシアニン化合物21.8g(収率65%)を得た。
可視吸光スペクトル及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0089】
可視吸収:
λmax=733nm
εg=2.0×105cm2g−1(溶媒:トルエン)
【0090】
【化12】
【0091】
上記フタロシアニン化合物5.2g(3.9mmol)を1,1,2−トリクロロエタン35gに溶解させ、水10gを加えた。次に塩化スルフリル4.3g(32mmol)と1,1,2−トリクロロエタン5.0gとの混合溶液を50〜55℃で30分で滴下し、同温度で2時間反応した。10%水酸化ナトリウム水溶液31gを加えて中和した。有機層を分液後、メタノール80gに滴下し析出した結晶を濾過し乾燥後、カラム精製(シリカゲル100g、溶媒トルエン)し、塩素化フタロシアニン7.7gを得た。元素分析より塩素は15.7個置換していること、FD−MSより塩素は全て側鎖に置換していることがわかった。可視吸光スペクトル及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0092】
可視吸収:
λmax=716nm
εg=2.3×105cm2g−1(溶媒:トルエン)
【0093】
上記フタロシアニン化合物10gをジブチルエ−テルとジイソプロピルエーテルの3:1(体積比)混合溶媒500mlに溶解し、スピンコーターによりポリカ−ボネート製光カード基板上に厚み100nmで塗布し、続いて塗布面にUV硬化樹脂を用いて保護層を形成し、光カ−ドを作製した。この媒体に780nm、線速2m/s,4mWの半導体レーザー光により記録したとき、CN比は61dBであった。また、線速2m/s,0.8mWのレーザ−光により再生可能で、再生光安定性を調べたところ、105回の再生が可能であった。さらにこの光カ−ドは保存安定性も良好なものであった。
【0094】
実施例10
実施例9のフタロシアニン化合物(1−5)5.2g(3.9mmol)を1,1,2−トリクロロエタン35gに溶解させ、水10gを加えた。次に臭素9.4g(59mmol)と1,1,2−トリクロロエタン10.0gとの混合溶液を50〜55℃で30分で滴下し、同温度で2時間反応した。10%亜硫酸水素ナトリウム10gで洗浄した。有機層を分液後、メタノール80gに滴下し析出した結晶を濾過し乾燥後、カラム精製(シリカゲル100g、溶媒トルエン)し、臭素化フタロシアニン8.4gを得た。元素分析より臭素は19.5個置換していること、FD−MSより側鎖二重結合は全て臭素に置換していることがわかった。よって環には3.5個置換していることがわかった。
可視吸光スペクトル及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0095】
可視吸収:
λmax=731nm
εg=2.1×105cm2g−1(溶媒:トルエン)
【0096】
上記フタロシアニン化合物のエチルシクロヘキサン溶液(20g/l)を実施例1と同様にスピンコーターによりCD−R用ポリカーボネート基板上に塗布し、その上に金をスパッタ蒸着し、続いてUV硬化樹脂を用いて保護層を形成し、CD−R型媒体を作製した。この媒体に780nmの半導体レーザーを用いて線速2.8m/sでEFM信号を5.5mWのパワーで書き込んだときのエラーレートは0.2%未満であり、0.5mWの再生光で百万回再生を行っても変化がなかった。また80℃/85%の条件で1000時間経過後も記録・再生に支障はなかった。
【0097】
実施例11〜21
実施例1と同様にして下記第1表に示すハロゲン化フタロシアニン化合物を合成し、実施例1と同様にCD−R媒体を作製し、780nmの半導体レーザーを用いて線速1.4m/secでEFM信号を書き込むのに必要なレーザーパワー(mW)を測定し、その時のエラーレートを評価した。エラーレートの評価として、○はエラーレートが10未満、×はエラーレートが10以上であることを示す。また、比較例として下記構造式(A)で示される特開平3−62878号公報(USP 5124067)の例示化合物を用いて実施例1と同様にして作製した媒体を同様に評価した。結果を第1表に示す。
【0098】
【化13】
【0099】
【表1】
【0100】
【表2】
【0101】
【表3】
【0102】
【発明の効果】
本発明のフタロシアニン化合物は、アルコキシ基及びハロゲン原子が置換したアルキル基あるいはアルケニル基がフタロシアニン環に置換したため、基板にスピンコート法により塗布する際に使用する溶媒への溶解性が向上した。また、アルキル基あるいはアルケニル基及びフタロシアニン環に置換したハロゲン原子が、記録時に色素の分解・溶融が制御され精度の高いピット形成が行われたこと、分解発熱量の減少により記録媒体の樹脂基板へのダメージが減少したこと、反射層を有する記録媒体の場合は記録層と反射層である金属層との密着性が向上したことに寄与し、従来の記録法のみならず、従来に比較して高速である記録、あるいは高密度の記録法においても光記録媒体の感度、記録特性の向上に効果を上げた。
【産業上の利用分野】
本発明は、新規な光ディスク用記録材料、情報記録、表示センサー、保護眼鏡等のオプトエレクトロニクス関連に重要な役割を果たす近赤外線吸収剤として有用な化合物と、それを記録層に含有して形成される光ディスク及び光カード等の光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスク、光カ−ド装置等における書き込み及び読み取りのためレーザー光が利用されている。特にこれらの装置で用いられる光記録媒体の記録方式は、実用レベルとしては通常、光・熱変換を経たヒートモード記録(熱記録)が採用されており、そのために記録層としては低融点金属、有機高分子、さらには融解、蒸発、分解、あるいは昇華等の物理変化または化学変化を起こす有機色素が種々提案されている。なかでも融解、分解等の温度が低い有機色素系は記録感度上好ましいことから、シアニン系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、アゾ系色素などを中心に記録層として開発されてきている。
【0003】
例えば、特開平2−147286号公報において、記録層にシアニン系色素を含む光記録媒体が提案されている。しかしながら、この媒体系は長期保存性および耐光性に劣り、さらには記録特性も不十分であった。
【0004】
アントラキノン色素(例えば、特開昭58−224448号公報)、ナフトキノン色素(例えば、特開昭58−224793号公報)を記録層に含む光記録媒体も提案されているが、いずれもシアニン系色素と同様に長期保存性および耐光性に劣り、さらには記録特性も不十分であった。
【0005】
特開昭61−25886号公報、特開平2−43269号公報(USP 4960538)、特開平2−296885号公報等においては、記録層にナフタロシアニン色素を含む光記録媒体が提案されている。この媒体系では、耐光性は優れるが、記録層の反射率が低く、記録特性も不十分であった。
【0006】
また、光記録媒体の記録層に、フタロシアニン色素、特にアルコキシ置換フタロシアニンを利用する技術は、特開昭61−154888号公報(EP 186404)、同61−197280号公報、同61−246091号公報、同62−39286号公報(USP 4769307)、同63−37991号公報、同63−39388号公報等により広く知られている。これらの特許に開示されているフタロシアニン色素を用いた光記録媒体においては、感度、屈折率、記録特性において十分な性能を有しているとは言い難かった。それを改良したのが特開平3−62878号公報(USP 5124067)であるが、その改良化合物においても、レーザー光による高速記録及び高密度記録時の誤差が大きく未だ実用上十分ではなかった。特開平2−43269号公報(USP 4960538)及び特開平2−296885号公報においてアルコキシ置換ナフタロシアニン、特開昭63−37991号公報において脂肪族炭化水素オキシ置換フタロシアニン、特開昭63−39388号公報においてはアルケニルチオ置換フタロシアニンの、光記録媒体への利用を提案しているが、感度、記録特性に効果があるということは記載されていない。
【0007】
尚、その他の公知の色素を用いた光記録媒体の記録特性においても十分な性能を有しているものは見出されていない。
【0008】
光記録媒体への書き込み及び読み出しは400〜900nmのレーザー光を利用するので、記録材料の使用レーザー発振波長近傍における吸収係数、屈折率等の制御及び書き込み時における精度の良いピット形成が重要である。このことは、最近願望されている高速記録、高密度記録においては特に重要である。そのため、構造安定性が高く、レーザー発振波長近傍の光に対して屈折率が高く、分解特性が良好で、かつ感度の高い光記録媒体用色素の開発が必要となる。しかし、従来開発された光記録媒体用色素は、記録媒体に用いた時、特に高速記録、高密度記録の感度(C/N比、最適記録パワー)、記録特性(ジッター、デビエイション)について欠点を有するという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記欠点を改善し、高速記録、高密度記録時においても感度が高く、記録特性並びに耐光性の良好な光記録媒体を提供しうる色素を供給することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前項の課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、
▲1▼ 下記一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物、
【0011】
【化3】
〔式(1)中、Mは2個の水素原子、2価の金属原子、3価1置換金属原子、4価2置換金属原子、オキシ金属原子を表し、Lは式(a)
【0012】
【化4】
(式(a)中、OR1は、炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルコキシ基を表し、R2及びR3は、各々独立にハロゲン原子が1〜4置換している炭素数3〜20の直鎖または分岐のアルキル基、もしくはハロゲン原子が0〜2置換している炭素数3〜20の直鎖または分岐のアルケニル基を表し、Xは水素原子又はハロゲン原子を表す。)を表す。〕で示されるフタロシアニン化合物。
【0013】
▲2▼ 一般式(1)において、Mで表される中心金属が、Pd,Cu,Ru,Pt,Ni,Co,Rh,Zn,VO,TiO,Si(Y)2,Sn(Y)2,Ge(Y)2(Yはハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、ヒドロキシ基、アルキル基、アリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、トリアルキルシリルオキシ基、トリアルキルスズオキシ基、またはトリアルキルゲルマニウムオキシ基を表す。)であるフタロシアニン化合物。
▲3▼ 一般式(1)のフタロシアニン化合物を含有してなる光記録媒体。
▲4▼ 基板上に、一般式(1)のフタロシアニン化合物を含有する記録層、その上に金またはアルミニウムからなる反射層、さらにその上に保護層を積層した構成である光記録媒体に関するものである。尚、一般式(1)は、以降、下記構造式(2)の様に略記する。
【0014】
【化5】
【0015】
本発明のフタロシアニン化合物は、650〜900nmにシャープな吸収を有し、分子吸光係数は150,000以上と高く、長期安定性および耐光性にも優れるため、半導体レーザーを用いる光記録媒体(光ディスク、光カード等)の記録材料に好適である。また、本発明の化合物は、アルコキシ基及びハロゲン原子が置換しているアルキル基、またはアルケニル基がフタロシアニン環に置換しているため、基板にスピンコート法により塗布する際に使用する溶剤への溶解性が良好である。更に、機構は未だ明らかでなく現在検討中であるが、本発明のフタロシアニン化合物の特徴である、アルキル基、またはアルケニル基に置換しているハロゲン原子が光記録時の感度の向上に寄与し、形成された信号の誤差の減少に効果を上げている。すなわち、光記録時に色素の分解・溶融が制御され精度の高いピット形成が行われ、記録媒体の樹脂基板へのダメージが減少したこと、反射層を有する記録媒体の場合は記録層と反射層である金属層との密着性の改良である。従来の記録法のみならず、従来に比較して高速である記録、あるいは高密度の記録法においても光記録媒体の感度、記録特性の向上に効果を上げた。
【0016】
以下に本発明の好ましい態様を詳述する。
【0017】
一般式(1)中、OR1で示される炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、iso−ペンチルオキシ基、neo−ペンチルオキシ基、2−メチルブチル−3−オキシ基、ペンチル−2−オキシ基、ペンチル−3−オキシ基、n−ヘキシルオキシ基、cyclo−ヘキシルオキシ基、2−メチルペンチル−4−オキシ基、2−メチルペンチル−3−オキシ基、3−メチルペンチル−4−オキシ基、4−メチルペンチル−4−オキシ基、n−ヘプチルオキシ基、ヘキシル−3−オキシ基、2−メチルヘキシル−5−オキシ基、2,4−ジメチルペンチル−3−オキシ基、2−メチルヘキシル−3−オキシ基、ヘプチル−4−オキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシル−1−オキシ基、2,5−ジメチルヘキシル−3−オキシ基、2,4−ジメチルヘキシル−3−オキシ基、2,2,4−トリメチルペンチル−3−オキシ基、n−ノニルオキシ基、3,5−ジメチルヘプチル−4−オキシ基、2,6−ジメチルヘプチル−3−オキシ基、2,4−ジメチルヘプチル−3−オキシ基、2,2,5,5−テトラメチルヘキシル−3−オキシ基、1−cyclo−ペンチル−2,2−ジメチルプロピル−1−オキシ基、1−cyclo−ヘキシル−2,2−ジメチルプロピル−1−オキシ基等が挙げられる。
【0018】
一般式(1)中、R2及びR3で示されるハロゲン原子が1〜4置換している炭素数3〜20の直鎖または分岐のアルキル基、もしくはハロゲン原子が0〜2置換している炭素数3〜20の直鎖または分岐のアルケニル基の具体例として、ハロゲン原子を有さない置換基としては、プロペニル基、1−メチル−プロペニル基、1−エチル−プロペニル基、1−プロピル−プロペニル基、1,1−ジメチル−アリル基、2−ブテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、3−メチル−2−ブテニル基、2,3−ジメチル−2−ブテニル基、1,1−ジメチル−2−ブテニル基、1−エチル−2−メチル−2−ブテニル基、2−ペンテニル基、1−メチル−2−ペンテニル基、2−メチル−2−ペンテニル基、3−メチル−2−ペンテニル基、4−メチル−2−ペンテニル基、2、4−ジメチル−2−ペンテニル基、1,4−ジメチル−2−ペンテニル基、1−エチル−2−メチル−2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基、1−メチル−2−ヘキセニル基、3−メチル−2−ヘキセニル基、2−ヘプテニル基、2−メチル−2−ヘプテニル基、3,4,4−トリメチル−2−ヘプテニル基、2−オクテニル基、2−ノナニル基、2,5−ジメチル−2,5−ヘプタジエニル基、2,5−ヘキサジエニル基、1−メチル−2,5−ヘキサジエニル基、2−メチル−2,5−ヘキサジエニル基、5メチル−2,5−ヘキサジエニル基、2、4−ヘプタジエニル基等が挙げられる。
【0019】
また、ハロゲン原子を有する置換基としては、1−クロル−プロピル基、1−ブロム−プロピル基、1−ヨード−プロピル基、2−クロル−プロピル基、2−ブロム−プロピル基、2−ヨード−プロピル基、1,2−ジクロル−プロピル基、1,2−ジブロム−プロピル基、1,2−ジヨード−プロピル基、1−クロル−1−メチル−プロピル基、1−ブロム−1−メチル−プロピル基、1−ヨード−1−メチル−プロピル基、2−クロル−1−メチル−プロピル基、2−ブロム−1−メチル−プロピル基、2−ヨード−1−メチル−プロピル基、1,2−ジクロル−1−メチル−プロピル基、1,2−ジブロム−1−メチル−プロピル基、1,2−ジヨード−1−メチル−プロピル基、1−クロル−1−エチル−プロピル基、1−ブロム−1−エチル−プロピル基、1−ヨード−1−エチル−プロピル基、2−クロル−1−エチル−プロピル基、2−ブロム−1−エチル−プロピル基、2−ヨード−1−エチル−プロピル基、1,2−ジクロル−1−エチル−プロピル基、1,2−ジブロム−1−エチル−プロピル基、1,2−ジヨード−1−エチル−プロピル基、1−クロル−1−プロピル−プロピル基、1−ブロム−1−プロピル−プロピル基、1−ヨード−1−プロピル−プロピル基、2−クロル−1−プロピル−プロピル基、2−ブロム−1−プロピル−プロピル基、2−ヨード−1−プロピル−プロピル基、1,2−ジクロル−1−プロピル−プロピル基、1,2−ジブロム−1−プロピル−プロピル基、1,2−ジヨード−1−プロピル−プロピル基、2−クロル−1,1−ジメチル−プロピル基、2−ブロム−1,1−ジメチル−プロピル基、2−ヨード−1,1−ジメチル−プロピル基、3−クロル−1,1−ジメチル−プロピル基、3−ブロム−1,1−ジメチル−プロピル基、3−ヨード−1,1−ジメチル−プロピル基、2,3−ジクロル−1,1−ジメチル−プロピル基、2,3−ジブロム−1,1−ジメチル−プロピル基、2,3−ジヨード−1,1−ジメチル−プロピル基、
【0020】
2−クロル−ブチル基、2−ブロム−ブチル基、2−ヨード−ブチル基、3−クロル−ブチル基、3−ブロム−ブチル基、3−ヨード−ブチル基、2,3−ジクロル−ブチル基、2,3−ジブロム−ブチル基、2,3−ジヨード−ブチル基、2−クロル−1−メチル−ブチル基、2−ブロム−1−メチル−ブチル基、2−ヨード−1−メチル−ブチル基、3−クロル−1−メチル−ブチル基、3−ブロム−1−メチル−ブチル基、3−ヨード−1−メチル−ブチル基、2,3−ジクロル−1−メチル−ブチル基、2,3−ジブロム−1−メチル−ブチル基、2,3−ジヨード−1−メチル−ブチル基、2−クロル−2−メチル−ブチル基、2−ブロム−2−メチル−ブチル基、2−ヨード−2−メチル−ブチル基、3−クロル−2−メチル−ブチル基、3−ブロム−2−メチル−ブチル基、3−ヨード−2−メチル−ブチル基、2,3−ジクロル−2−メチル−ブチル基、2,3−ジブロム−2−メチル−ブチル基、2,3−ジヨード−2−メチル−ブチル基、2−クロル−3−メチル−ブチル基、2−ブロム−3−メチル−ブチル基、2−ヨード−3−メチル−ブチル基、3−クロル−3−メチル−ブチル基、3−ブロム−3−メチル−ブチル基、3−ヨード−3−メチル−ブチル基、2,3−ジクロル−3−メチル−ブチル基、2,3−ジブロム−3−メチル−ブチル基、2,3−ジヨード−3−メチル−ブチル基、2−クロル−2,3−ジメチル−ブチル基、2−ブロム−2,3−ジメチル−ブチル基、2−ヨード−2,3−ジメチル−ブチル基、3−クロル−2,3−ジメチル−ブチル基、3−ブロム−2,3−ジメチル−ブチル基、3−ヨード−2,3−ジメチル−ブチル基、2,3−ジクロル−2,2−ジメチル−ブチル基、2,3−ジブロム−2,3−ジメチル−ブチル基、2,3−ジヨード−2,3−ジメチル−ブチル基、2−クロル−1,1−ジメチル−ブチル基、2−ブロム−1,1−ジメチル−ブチル基、2−ヨード−1,1−ジメチル−ブチル基、3−クロル−1,1−ジメチル−ブチル基、3−ブロム−1,1−ジメチル−ブチル基、3−ヨード−1,1−ジメチル−ブチル基、2,3−ジクロル−1,1−ジメチル−ブチル基、2,3−ジブロム−1,1−ジメチル−ブチル基、2,3−ジヨード−1,1−ジメチル−ブチル基、
【0021】
2−クロル−1−エチル−2−メチル−ブチル基、2−ブロム−1−エチル−2−メチル−ブチル基、2−ヨ−ド−1−エチル−2−メチル−ブチル基、3−クロル−1−エチル−2−メチル−ブチル基、3−ブロム−1−エチル−2−メチル−ブチル基、3−ヨード−1−エチル−2−メチル−ブチル基、2,3−ジクロル−1−エチル−2−メチル−ブチル基、2,3−ジブロム−1−エチル−2−メチル−ブチル基、2,3−ジヨード−1−エチル−2−メチル−ブチル基、
【0022】
2−クロル−ペンチル基、2−ブロム−ペンチル基、2−ヨード−ペンチル基、3−クロル−ペンチル基、3−ブロム−ペンチル基、3−ヨード−ペンチル基、2,3−ジクロル−ペンチル基、2,3−ジブロム−ペンチル基、2,3−ジヨード−ペンチル基、2−クロル−1−メチル−ペンチル基、2−ブロム−1−メチル−ペンチル基、2−ヨード−1−メチル−ペンチル基、3−クロル−1−メチル−ペンチル基、3−ブロム−1−メチル−ペンチル基、3−ヨード−1−メチル−ペンチル基、2,3−ジクロル−1−メチル−ペンチル基、2,3−ジブロム−1−メチル−ペンチル基、2,3−ジヨード−1−メチル−ペンチル基、2−クロル−2−メチル−ペンチル基、2−ブロム−2−メチル−ペンチル基、2−ヨード−2−メチル−ペンチル基、3−クロル−2−メチル−ペンチル基、3−ブロム−2−メチル−ペンチル基、3−ヨード−2−メチル−ペンチル基、2,3−ジクロル−2−メチル−ペンチル基、2,3−ジブロム−2−メチル−ペンチル基、2,3−ジヨード−2−メチル−ペンチル基、2−クロル−3−メチル−ペンチル基、2−ブロム−3−メチル−ペンチル基、2−ヨード−3−メチル−ペンチル基、3−クロル−3−メチル−ペンチル基、3−ブロム−3−メチル−ペンチル基、3−ヨード−3−メチル−ペンチル基、2,3−ジクロル−3−メチル−ペンチル基、2,3−ジブロム−3−メチル−ペンチル基、2,3−ジヨード−3−メチル−ペンチル基、2−クロル−4−メチル−ペンチル基、2−ブロム−4−メチル−ペンチル基、2−ヨード−4−メチル−ペンチル基、3−クロル−4−メチル−ペンチル基、3−ブロム−4−メチル−ペンチル基、3−ヨード−4−メチル−ペンチル基、2,3−ジクロル−4−メチル−ペンチル基、2,3−ジブロム−4−メチル−ペンチル基、2,3−ジヨード−4−メチル−ペンチル基、2−クロル−2,4−ジメチル−ペンチル基、2−ブロム−2,4−ジメチル−ペンチル基、2−ヨード−2,4−ジメチル−ペンチル基、3−クロル−2,4−ジメチル−ペンチル基、3−ブロム−2,4−ジメチル−ペンチル基、3−ヨード−2,4−ジメチル−ペンチル基、2,3−ジクロル−2,4−ジメチル−ペンチル基、2,3−ジブロム−2,4−ジメチル−ペンチル基、2,3−ジヨード−2,4−ジメチル−ペンチル基、2−クロル−1,4−ジメチル−ペンチル基、2−ブロム−1,4−ジメチル−ペンチル基、2−ヨード−1,4−ジメチル−ペンチル基、3−クロル−1,4−ジメチル−ペンチル基、3−ブロム−1,4−ジメチル−ペンチル基、3−ヨード−1,4−ジメチル−ペンチル基、2,3−ジクロル−1,4−ジメチル−ペンチル基、2,3−ジブロム−1,4−ジメチル−ペンチル基、2,3−ジヨード−1,4−ジメチル−ペンチル基、2−クロル−1−エチル−2−メチル−ペンチル基、2−ブロム−1−エチル−2−メチル−ペンチル基、2−ヨ−ド−1−エチル−2−メチル−ペンチル基、3−クロル−1−エチル−2−メチル−ペンチル基、3−ブロム−1−エチル−2−メチル−ペンチル基、3−ヨード−1−エチル−2−メチル−ペンチル基、2,3−ジクロル−1−エチル−2−メチル−ペンチル基、2,3−ジブロム−1−エチル−2−メチル−ペンチル基、2,3−ジヨード−1−エチル−2−メチル−ペンチル基、
【0023】
2−クロル−ヘキシル基、2−ブロム−ヘキシル基、2−ヨード−ヘキシル基、3−クロル−ヘキシル基、3−ブロム−ヘキシル基、3−ヨード−ヘキシル基、2,3−ジクロル−ヘキシル基、2,3−ジブロム−ヘキシル基、2,3−ジヨード−ヘキシル基、2−クロル−1−メチル−ヘキシル基、2−ブロム−1−メチル−ヘキシル基、2−ヨード−1−メチル−ヘキシル基、3−クロル−1−メチル−ヘキシル基、3−ブロム−1−メチル−ヘキシル基、3−ヨード−1−メチル−ヘキシル基、2,3−ジクロル−1−メチル−ヘキシル基、2,3−ジブロム−1−メチル−ヘキシル基、2,3−ジヨード−1−メチル−ヘキシル基、2−クロル−3−メチル−ヘキシル基、2−ブロム−3−メチル−ヘキシル基、2−ヨード−3−メチル−ヘキシル基、3−クロル−3−メチル−ヘキシル基、3−ブロム−3−メチル−ヘキシル基、3−ヨード−3−メチル−ヘキシル基、2,3−ジクロル−3−メチル−ヘキシル基、2,3−ジブロム−3−メチル−ヘキシル基、2,3−ジヨード−3−メチル−ヘキシル基、
【0024】
2−クロル−ヘプチル基、2−ブロム−ヘプチル基、2−ヨード−ヘプチル基、3−クロル−ヘプチル基、3−ブロム−ヘプチル基、3−ヨード−ヘプチル基、2,3−ジクロル−ヘプチル基、2,3−ジブロム−ヘプチル基、2,3−ジヨード−ヘプチル基、2−クロル−2−メチル−ヘプチル基、2−ブロム−2−メチル−ヘプチル基、2−ヨード−2−メチル−ヘプチル基、3−クロル−2−メチル−ヘプチル基、3−ブロム−2−メチル−ヘプチル基、3−ヨード−2−メチル−ヘプチル基、2,3−ジクロル−2−メチル−ヘプチル基、2,3−ジブロム−2−メチル−ヘプチル基、2,3−ジヨード−2−メチル−ヘプチル基、2−クロル−3,4,4−トリメチル−ヘプチル基、2−ブロム−3,4,4−トリメチル−ヘプチル基、2−ヨード−3,4,4−トリメチル−ヘプチル基、3−クロル−3,4,4−トリメチル−ヘプチル基、3−ブロム−3,4,4−トリメチル−2−ヘプチル基、3−ヨード−3,4,4−トリメチル−2−ヘプチル基、2,3−ジクロル−3,4,4−トリメチル2−ヘプチル基、2,3−ジブロム−3,4,4−トリメチル−2−ヘプチル基、2,3−ジヨード−3,4,4−トリメチル−2−ヘプチル基、
【0025】
2−クロル−オクチル基、2−ブロム−オクチル基、2−ヨード−オクチル基、3−クロル−オクチル基、3−ブロム−オクチル基、3−ヨード−オクチル基、2,3−ジクロル−オクチル基、2,3−ジブロム−オクチル基、2,3−ジヨード−オクチル基、
【0026】
2−クロル−ノニル基、2−ブロム−ノニル基、2−ヨード−ノニル基、3−クロル−ノニル基、3−ブロム−ノニル基、3−ヨード−ノニル基、2,3−ジクロル−ノニル基、2,3−ジブロム−ノニル基、2,3−ジヨード−ノニル基、
【0027】
2−クロル−2,5−ジメチル−5−ヘプテニル基、2−ブロム−2,5−ジメチル−5−ヘプテニル基、2−ヨード−2,5−ジメチル−5−ヘプテニル基、3−クロル−2,5−ジメチル−5−ヘプテニル基、3−ブロム−2,5−ジメチル−5−ヘプテニル基、3−ヨード−2,5−ジメチル−5−ヘプテニル基、5−クロル−2,5−ジメチル−2−ヘプテニル基、5−ブロム−2,5−ジメチル−2−ヘプテニル基、5−ヨード−2,5−ジメチル−2−ヘプテニル基、6−クロル−2,5−ジメチル−2−ヘプテニル基、6−ブロム−2,5−ジメチル−2−ヘプテニル基、6−ヨード−2,5−ジメチル−2−ヘプテニル基、2,3−ジクロル−2,5−ジメチル−5−ヘプテニル基、2,3−ジブロム−2,5−ジメチル−5−ヘプテニル基、2,3−ジヨード−2,5−ジメチル−5−ヘプテニル基、5,6−ジクロル−2,5−ジメチル−2−ヘプテニル基、5,6−ジブロム−2,5−ジメチル−2−ヘプテニル基、5,6−ジヨード−2,5−ジメチル−2−ヘプテニル基、
【0028】
2,5−ジクロル−2,5−ジメチル−ヘプチル基、2,6−ジクロル−2,5−ジメチル−ヘプチル基、3,5−ジクロル−2,5−ジメチル−ヘプチル基、3,6−ジクロル−2,5−ジメチル−ヘプチル基、2,5−ジブロム−2,5−ジメチル−ヘプチル基、2,6−ジブロム−2,5−ジメチル−ヘプチル基、3,5−ジブロム−2,5−ジメチル−ヘプチル基、3,6−ジブロム−2,5−ジメチル−ヘプチル基、2,5−ジヨード−2,5−ジメチル−ヘプチル基、2,6−ジヨード−2,5−ジメチル−ヘプチル基、3,5−ジヨード−2,5−ジメチル−ヘプチル基、3,6−ジヨード−2,5−ジメチル−ヘプチル基、2,3,5−トリクロル−2,5−ジメチル−ヘプチル基、2,3,6−トリクロル−2,5−ジメチル−ヘプチル基、2,5,6−トリクロル−2,5−ジメチル−ヘプチル基、3,5,6−トリクロル−2,5−ジメチル−ヘプチル基、2,3,5−トリブロム−2,5−ジメチル−ヘプチル基、2,3,6−トリブロム−2,5−ジメチル−ヘプチル基、2,5,6−トリブロム−2,5−ジメチル−ヘプチル基、3,5,6−トリブロム−2,5−ジメチル−ヘプチル基、2,3,5−トリヨード−2,5−ジメチル−ヘプチル基、2,3,6−トリヨード−2,5−ジメチル−ヘプチル基、2,5,6−トリヨード−2,5−ジメチル−ヘプチル基、3,5,6−トリヨード−2,5−ジメチル−ヘプチル基、2,3,5,6−テトラクロル−2,5−ジメチル−ヘプチル基、2,3,5,6−テトラブロム−2,5−ジメチル−ヘプチル基、2,3,5,6−テトラヨード−2,5−ジメチル−ヘプチル基、
【0029】
2−クロル−5−ヘキセニル基、2−ブロム−5−ヘキセニル基、2−ヨード−5−ヘキセニル基、3−クロル−5−ヘキセニル基、3−ブロム−5−ヘキセニル基、3−ヨード−5−ヘキセニル基、5−クロル−2−ヘキセニル基、5−ブロム−2−ヘキセニル基、5−ヨード−2−ヘキセニル基、6−クロル−2−ヘキセニル基、6−ブロム−2−ヘキセニル基、6−ヨード−2−ヘキセニル基、2,3−ジクロル−5−ヘキセニル基、2,3−ジブロム−5−ヘキセニル基、2,3−ジヨード−5−ヘキセニル基、5,6−ジクロル−2−ヘキセニル基、5,6−ジブロム−2−ヘキセニル基、5,6−ジヨード−2−ヘキセニル基、
【0030】
2,5−ジクロル−ヘキシル基、2,6−ジクロル−ヘキシル基、3,5−ジクロル−ヘキシル基、3,6−ジクロル−ヘキシル基、2,5−ジブロム−ヘキシル基、2,6−ジブロム−ヘキシル基、3,5−ジブロム−ヘキシル基、3,6−ジブロム−ヘキシル基、2,5−ジヨード−ヘキシル基、2,6−ジヨード−ヘキシル基、3,5−ジヨード−ヘキシル基、3,6−ジヨード−ヘキシル基、2,3,5−トリクロル−ヘキシル基、2,3,6−トリクロル−ヘキシル基、2,5,6−トリクロル−ヘキシル基、3,5,6−トリクロル−ヘキシル基、2,3,5−トリブロム−ヘキシル基、2,3,6−トリブロム−ヘキシル基、2,5,6−トリブロム−ヘキシル基、3,5,6−トリブロム−ヘキシル基、2,3,5−トリヨード−ヘキシル基、2,3,6−トリヨード−ヘキシル基、2,5,6−トリヨード−ヘキシル基、3,5,6−トリヨード−ヘキシル基、2,3,5,6−テトラクロル−ヘキシル基、2,3,5,6−テトラブロム−ヘキシル基、2,3,5,6−テトラヨード−ヘキシル基、
【0031】
2−クロル−1−メチル−5−ヘキセニル基、2−ブロム−1−メチル−5−ヘキセニル基、2−ヨード−1−メチル−5−ヘキセニル基、3−クロル−1−メチル−5−ヘキセニル基、3−ブロム−1−メチル−5−ヘキセニル基、3−ヨード−1−メチル−5−ヘキセニル基、5−クロル−1−メチル−2−ヘキセニル基、5−ブロム−1−メチル−2−ヘキセニル基、5−ヨード−1−メチル−2−ヘキセニル基、6−クロル−1−メチル−2−ヘキセニル基、6−ブロム−1−メチル−2−ヘキセニル基、6−ヨード−1−メチル−2−ヘキセニル基、2,3−ジクロル−1−メチル−5−ヘキセニル基、2,3−ジブロム−1−メチル−5−ヘキセニル基、2,3−ジヨード−1−メチル−5−ヘキセニル基、5,6−ジクロル−1−メチル−2−ヘキセニル基、5,6−ジブロム−1−メチル−2−ヘキセニル基、5,6−ジヨード−1−メチル−2−ヘキセニル基、
【0032】
2,5−ジクロル−1−メチル−ヘキシル基、2,6−ジクロル−1−メチル−ヘキシル基、3,5−ジクロル−1−メチル−ヘキシル基、3,6−ジクロル−1−メチル−ヘキシル基、2,5−ジブロム−1−メチル−ヘキシル基、2,6−ジブロム−1−メチル−ヘキシル基、3,5−ジブロム−1−メチル−ヘキシル基、3,6−ジブロム−1−メチル−ヘキシル基、2,5−ジヨード−1−メチル−ヘキシル基、2,6−ジヨード−1−メチル−ヘキシル基、3,5−ジヨード−1−メチル−1−メチル−ヘキシル基、3,6−ジヨード−1−メチル−ヘキシル基、2,3,5−トリクロル−1−メチル−ヘキシル基、2,3,6−トリクロル−1−メチル−ヘキシル基、2,5,6−トリクロル−1−メチル−ヘキシル基、3,5,6−トリクロル−1−メチル−ヘキシル基、2,3,5−トリブロム−1−メチル−ヘキシル基、2,3,6−トリブロム−1−メチル−ヘキシル基、2,5,6−トリブロム−1−メチル−ヘキシル基、3,5,6−トリブロム−1−メチル−ヘキシル基、2,3,5−トリヨード−1−メチル−ヘキシル基、2,3,6−トリヨード−1−メチル−ヘキシル基、2,5,6−トリヨード−1−メチル−ヘキシル基、3,5,6−トリヨード−1−メチル−ヘキシル基、2,3,5,6−テトラクロル−1−メチル−ヘキシル基、2,3,5,6−テトラブロム−1−メチル−ヘキシル基、2,3,5,6−テトラヨード−1−メチル−ヘキシル基、
【0033】
2−クロル−2−メチル−5−ヘキセニル基、2−ブロム−2−メチル−5−ヘキセニル基、2−ヨード−2−メチル−5−ヘキセニル基、3−クロル−2−メチル−5−ヘキセニル基、3−ブロム−2−メチル−5−ヘキセニル基、3−ヨード−2−メチル−5−ヘキセニル基、5−クロル−2−メチル−2−ヘキセニル基、5−ブロム−2−メチル−2−ヘキセニル基、5−ヨード−2−メチル−2−ヘキセニル基、6−クロル−2−メチル−2−ヘキセニル基、6−ブロム−2−メチル−2−ヘキセニル基、6−ヨード−2−メチル−2−ヘキセニル基、2,3−ジクロル−2−メチル−5−ヘキセニル基、2,3−ジブロム−2−メチル−5−ヘキセニル基、2,3−ジヨード−2−メチル−5−ヘキセニル基、5,6−ジクロル−2−メチル−2−ヘキセニル基、5,6−ジブロム−2−メチル−2−ヘキセニル基、5,6−ジヨード−2−メチル−2−ヘキセニル基、
【0034】
2,5−ジクロル−2−メチル−ヘキシル基、2,6−ジクロル−2−メチル−ヘキシル基、3,5−ジクロル−2−メチル−ヘキシル基、3,6−ジクロル−2−メチル−ヘキシル基、2,5−ジブロム−2−メチル−ヘキシル基、2,6−ジブロム−2−メチル−ヘキシル基、3,5−ジブロム−2−メチル−ヘキシル基、3,6−ジブロム−2−メチル−ヘキシル基、2,5−ジヨード−2−メチル−ヘキシル基、2,6−ジヨード−2−メチル−ヘキシル基、3,5−ジヨード−2−メチル−ヘキシル基、3,6−ジヨード−2−メチル−ヘキシル基、2,3,5−トリクロル−2−メチル−ヘキシル基、2,3,6−トリクロル−2−メチル−ヘキシル基、2,5,6−トリクロル−2−メチル−ヘキシル基、3,5,6−トリクロル−2−メチル−ヘキシル基、2,3,5−トリブロム−2−メチル−ヘキシル基、2,3,6−トリブロム−2−メチル−ヘキシル基、2,5,6−トリブロム−2−メチル−ヘキシル基、3,5,6−トリブロム−2−メチル−ヘキシル基、2,3,5−トリヨード−2−メチル−ヘキシル基、2,3,6−トリヨード−2−メチル−ヘキシル基、2,5,6−トリヨード−2−メチル−ヘキシル基、3,5,6−トリヨード−2−メチル−ヘキシル基、2,3,5,6−テトラクロル−2−メチル−ヘキシル基、2,3,5,6−テトラブロム−2−メチル−ヘキシル基、2,3,5,6−テトラヨード−2−メチル−ヘキシル基、
【0035】
2−クロル−5−メチル−5−ヘキセニル基、2−ブロム−5−メチル−5−ヘキセニル基、2−ヨード−5−メチル−5−ヘキセニル基、3−クロル−5−メチル−5−ヘキセニル基、3−ブロム−5−メチル−5−ヘキセニル基、3−ヨード−5−メチル−5−ヘキセニル基、5−クロル−5−メチル−2−ヘキセニル基、5−ブロム−5−メチル−2−ヘキセニル基、5−ヨード−5−メチル−2−ヘキセニル基、6−クロル−5−メチル−2−ヘキセニル基、6−ブロム−5−メチル−2−ヘキセニル基、6−ヨード−5−メチル−2−ヘキセニル基、2,3−ジクロル−5−メチル−5−ヘキセニル基、2,3−ジブロム−5−メチル−5−ヘキセニル基、2,3−ジヨード−5−メチル−5−ヘキセニル基、5,6−ジクロル−5−メチル−2−ヘキセニル基、5,6−ジブロム−5−メチル−2−ヘキセニル基、5,6−ジヨード−5−メチル−2−ヘキセニル基、
【0036】
2,5−ジクロル−5−メチル−ヘキシル基、2,6−ジクロル−5−メチル−ヘキシル基、3,5−ジクロル−5−メチル−ヘキシル基、3,6−ジクロル−5−メチル−ヘキシル基、2,5−ジブロム−5−メチル−ヘキシル基、2,6−ジブロム−5−メチル−ヘキシル基、3,5−ジブロム−5−メチル−ヘキシル基、3,6−ジブロム−5−メチル−ヘキシル基、2,5−ジヨード−5−メチル−ヘキシル基、2,6−ジヨード−5−メチル−ヘキシル基、3,5−ジヨード−5−メチル−ヘキシル基、3,6−ジヨード−5−メチル−ヘキシル基、2,3,5−トリクロル−5−メチル−ヘキシル基、2,3,6−トリクロル−5−メチル−ヘキシル基、2,5,6−トリクロル−5−メチル−ヘキシル基、3,5,6−トリクロル−5−メチル−ヘキシル基、2,3,5−トリブロム−5−メチル−ヘキシル基、2,3,6−トリブロム−5−メチル−ヘキシル基、2,5,6−トリブロム−5−メチル−ヘキシル基、3,5,6−トリブロム−5−メチル−ヘキシル基、2,3,5−トリヨード−5−メチル−ヘキシル基、2,3,6−トリヨード−5−メチル−ヘキシル基、2,5,6−トリヨード−5−メチル−ヘキシル基、3,5,6−トリヨード−5−メチル−ヘキシル基、2,3,5,6−テトラクロル−5−メチル−ヘキシル基、2,3,5,6−テトラブロム−5−メチル−ヘキシル基、2,3,5,6−テトラヨード−5−メチル−ヘキシル基、
【0037】
2−クロル−4−ヘプテニル基、2−ブロム−4−ヘプテニル基、2−ヨード−4−ヘプテニル基、3−クロル−4−ヘプテニル基、3−ブロム−4−ヘプテニル基、3−ヨード−4−ヘプテニル基、4−クロル−2−ヘプテニル基、4−ブロム−2−ヘプテニル基、4−ヨード−2−ヘプテニル基、5−クロル−2−ヘプテニル基、5−ブロム−2−ヘプテニル基、5−ヨード−2−ヘプテニル基、2,3−ジクロル−4−ヘプテニル基、2,3−ジブロム−4−ヘプテニル基、2,3−ジヨード−4−ヘプテニル基、4,5−ジクロル−2−ヘプテニル基、4,5−ジブロム−2−ヘプテニル基、4,5−ジヨード−2−ヘプテニル基、
【0038】
2,4−ジクロル−ヘプチル基、2,5−ジクロル−ヘプチル基、3,4−ジクロル−ヘプチル基、3,5−ジクロル−ヘプチル基、2,4−ジブロム−ヘプチル基、2,5−ジブロム−ヘプチル基、3,4−ジブロム−ヘプチル基、3,5−ジブロム−ヘプチル基、2,4−ジヨード−ヘプチル基、2,5−ジヨード−ヘプチル基、3,4−ジヨード−ヘプチル基、3,5−ジヨード−ヘプチル基、2,3,4−トリクロル−ヘプチル基、2,3,5−トリクロル−ヘプチル基、2,4,5−トリクロル−ヘプチル基、3,4,5−トリクロル−ヘプチル基、2,3,4−トリブロム−ヘプチル基、2,3,5−トリブロム−ヘプチル基、2,4,5−トリブロム−ヘプチル基、3,4,5−トリブロム−ヘプチル基、2,3,4−トリヨード−ヘプチル基、2,3,5−トリヨード−ヘプチル基、2,4,5−トリヨード−ヘプチル基、3,4,5−トリヨード−ヘプチル基、2,3,4,5−テトラクロル−ヘプチル基、2,3,4,5−テトラブロム−ヘプチル基、2,3,4,5−テトラヨード−ヘプチル基等が挙げられる。
【0039】
Xで表されるハロゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
【0040】
また、式(1)中、Mで示される2価金属の例としては、Cu,Zn,Fe,Co,Ni,Ru,Rh,Pd,Pt,Mn,Sn,Mg,Pb,Hg,Cd,Ba,Ti,Be,Ca等が挙げられ、1置換の3価金属の例としては、Al−F,Al−Cl,Al−Br,Al−I,Ga−F,Ga−Cl,Ga−Br,Ga−I,In−F,In−Cl,In−Br,In−I,Tl−F,Tl −Cl,Tl−Br,Tl−I,Al−C6H5,Al−C6H4(CH3),In−C6H5,In−C6H4(CH3),Mn(OH),Mn(OC6H5),Mn〔OSi(CH3)3〕,Fe−Cl,Ru−Cl等が挙げられ、2置換の4価金属の例としては、CrCl2,SiF2,SiCl2,SiBr2,SiI2,SnF2,SnCl2,SnBr2,ZrCl2,GeF2,GeCl2,GeBr2,GeI2,TiF2,TiCl2,TiBr2,Si(OH)2,Sn(OH)2,Ge(OH)2,Zr(OH)2,Mn(OH)2,TiA2,CrA2,SiA2,SnA2,GeA2〔Aはアルキル基、フェニル基、ナフチル基およびその誘導体を表す〕,Si(OA’)2,Sn(OA’)2,Ge(OA’)2,Ti(OA’)2,Cr(OA’)2〔A’はアルキル基、フェニル基、ナフチル基、トリアルキルシリル基、ジアルキルアルコキシシリル基およびその誘導体を表す〕,Si(SA”)2,Sn(SA”)2,Ge(SA”)2〔A”はアルキル基、フェニル基、ナフチル基およびその誘導体を表す〕等が挙げられ、オキシ金属の例としては、VO,MnO,TiO等が挙げられる。特に好ましい例としては、Cu,Ni,Co,Mg,Zn,Pd,Pt,VO等である。
【0041】
一般式(1)で示されるフタロシアニン化合物の合成法としては、下式(3)又は(4)
【0042】
【化6】
〔式(3)及び(4)中、R1は、一般式(1)中、OR1で表わされるアルコキシ基の相当するアルキル基を表し、R’2、R’3はアルケニル基を表す。〕で示される化合物を、例えば1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(DBU)存在下に、金属誘導体とアルコール中で加熱反応する。あるいは、金属誘導体とクロルナフタレン、ブロムナフタレン、トリクロルベンゼン等の高沸点溶媒中で加熱反応することでアルコキシ基及びアルケニル基を有するフタロシアニン化合物を合成し、これを塩化チオニル、塩化スフリル、臭化水素酸、臭素、ヨウ素、一塩化ヨウ素等のハロゲン化剤とを反応させる方法等で得られる。
【0043】
また、一般式(3)または(4)で示される化合物は、以下に示した経路で製造することができる。
【0044】
【化7】
【0045】
市販されている3−ニトロフタロニトリル(A)を塩基の存在下、R’2OH〔R’2は前記と同じ意味を表す。〕で示されるアリルアルコール誘導体と反応させてアルコキシフタロニトリル(B)を得る。さらに(B)をクライゼン転移反応後、塩基の存在下、R’3X〔R’3は前記と同じ意味を表し、Xはハロゲン原子を表す。〕で示されるアリルハライド誘導体と反応させて3−アルコキシ−4−アルケニルフタロニトリル(C)を得る。更に(C)をクライゼン転移反応後、塩基の存在下、R1X〔R1は前記と同じ意味を表し、Xはハロゲン原子を表す。〕で示されるアルキルハライド誘導体と反応させることで目的とする一般式(3)で示される化合物が製造される。(4)で示される化合物は、(3)をアルコール中、ナトリウムメチラートを触媒にアンモニアと反応させることで得ることができる。
【0046】
本発明のフタロシアニン化合物を用いて光記録媒体を製造する方法には、透明基板上に本発明のフタロシアニン化合物を含む1〜3種の化合物を1層または2層に塗布、あるいは蒸着する方法があり、塗布法としては、バインダー樹脂20重量%以下、好ましくは0%と、本発明のフタロシアニン化合物0.05〜20重量%、好ましくは0.5〜20重量%となるように溶媒に溶解し、スピンコーターで塗布する方法等がある。また蒸着方法としては10−5〜10−7torr、100〜300℃にて基板上にフタロシアニン化合物を堆積させる方法等がある。
【0047】
基板としては、光学的に透明な樹脂であればよい。例えば、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン共重合樹脂、塩化ビニル共重合樹脂、塩化ビニリデン共重合樹脂、スチレン共重合樹脂等が挙げられる。また基板は熱硬化性樹脂または紫外線硬化性樹脂により表面処理がなされていてもよい。
【0048】
光記録媒体(光ディスク、光カード等)を作製する場合、コストの面、ユーザーの取り扱いの面より、基板はポリアクリレート基板またはポリカーボネート基板を用い、かつスピンコート法により塗布されるのが好ましい。
【0049】
基板の耐溶剤性より、スピンコートに用いる溶剤は、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエチレン、ジクロロジフルオロエタン等)、エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン等)、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等)、セロソルブ類(例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、炭化水素類(例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロオクタン、ジメチルシクロヘキサン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、あるいはこれらの混合溶媒が好適に用いられる。
【0050】
記録媒体として加工するには、上記の様に基板で覆う、あるいは2枚の記録層を設けた基板に、エアーギャップを設けて対向させて貼り合わせる、または、記録層上に反射層(アルミニウムまたは金)を設け、熱硬化性または光硬化性樹脂の保護層を積層する方法などがある。保護層として、Al2O3,SiO2,SiO,SnO2等の無機化合物を利用してもよい。
【0051】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の実施の態様はこれにより限定されるものではない。
【0052】
実施例1
撹拌器、還流冷却器および窒素導入管を備えた容器に、3−(2−ペントキシ)−4,6−ビス(1−プロペニル)フタロニトリル29.4g(0.1モル)、DBU15.2g(0.1モル)、及びn−アミルアルコール125gを装入し、窒素雰囲気下で、100℃まで昇温させた。次に、同温度で塩化パラジウム5.3g(0.03モル)を添加し、95〜100℃で20時間反応させた。反応終了後、冷却し、不溶物を濾別した。濾液を減圧濃縮して溶媒を回収した後、カラム精製(シリカゲル500g、溶媒トルエン)し、下記式(1−1)で示されるフタロシアニン化合物20.2g(収率63%)を得た。
可視吸光スペクトル及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0053】
可視吸収:
λmax=735nm
εg=2.2×105cm2g−1(溶媒:トルエン)
【0054】
【化8】
【0055】
上記フタロシアニン化合物5g(3.9mmol)を1,1,2−トリクロルエタン30gに溶解させ、水10gを加えた。次に臭素5.0g(31mmol)と1,1,2−トリクロルエタン5gとの混合溶液を50〜55℃で30分で滴下し、同温度で1時間して終了した。10%亜硫酸水素ナトリウム水溶液8.6gを加えて洗浄した。有機層をメタノール80g滴下し、析出した結晶を濾過し、カラム精製(シリカゲル100g、溶媒トルエン)し、臭素化フタロシアニン化合物8.7gを得た。元素分析より臭素は15.8個置換していること、FD−MSより臭素は全て側鎖に置換していることがわかった。
可視吸光スペクトル及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0056】
可視吸収:
λmax=719nm
εg=2.3×105cm2g−1(溶媒:トルエン)
【0057】
上記フタロシアニン化合物のn−オクタン溶液(10g/l)をスパイラルグルーブ(ピッチ1.6μm、溝幅0.6μm、溝深0.18μm)付きの外形120mm、厚さ1.2mmのCD−R用ポリカーボネート基板上に500〜1000rpmでスピンコート成膜した。その上に30nmの金をスパッタ蒸着して反射層を形成し、続いて光硬化型ポリアクリル樹脂によりオーバーコート後光硬化させ保護層を形成してCD−R型媒体を作製した。この媒体に、波長780nmの半導体レーザーを用いて、線速1.4m/sでEFM信号を5.5mWのパワーで書き込んだときのエラーレートは0.2%未満であった。また、線速2m/s、0.8mWのレーザー光で、105回再生しても記録に変化はなかった。
【0058】
実施例2
実施例1で合成したフタロシアニン化合物(1−1)5g(3.9mmol)を1,1,2−トリクロルエタン30gに溶解させ、水10gを加えた。次に臭素9.6g(60.1mmol)と1,1,2−トリクロルエタン11gとの混合溶液を50〜55℃で30分で滴下し、同温度で1時間して終了した。15%亜硫酸水素ナトリウム水溶液8.6gを加えて洗浄した。有機層をメタノール80g滴下し、析出した結晶を濾過し乾燥後、カラム精製(シリカゲル100g、溶媒トルエン)し、臭素化フタロシアニン化合物8.9gを得た。NMRより側鎖二重結合は全て臭素が置換していること、元素分析より臭素は18.1個置換していることがわかった。よって環には2.1個置換していることがわかった。可視吸光スペクトル及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0059】
可視吸収:
λmax=727nm
εg=2.1×105cm2g−1(溶媒:トルエン)
【0060】
上記フタロシアニン化合物のエチルシクロヘキサン溶液(10g/l)を実施例1と同様にスピンコーターによりCD−R用ポリカーボネート基板上に塗布し、その上に金をスパッタ蒸着し、続いてUV硬化樹脂を用いて保護層を形成し、CD−R型媒体を作製した。この媒体に780nmの半導体レーザーを用いて線速1.4m/sでEFM信号を6.0mWのパワーで書き込んだときのエラーレートは0.2%未満であり、0.5mWの再生光で百万回再生を行っても変化がなかった。また80℃/85%の条件で1000時間経過後も記録・再生に支障はなかった。
【0061】
実施例3
実施例1と同様の容器に、3−(3−ヘキソキシ)−4,6−ビス(1−プロペニル)フタロニトリル30.8g(0.1モル)、DBU15.2g(0.1モル)およびn−アミルアルコール120gを装入し、窒素雰囲気下で100℃まで昇温させた。次に、同温度で塩化パラジウム5.3g(0.03モル)を添加し、95〜100℃で20時間反応させた。反応終了後、冷却し、不溶物を濾別した。濾液を減圧濃縮して溶媒を回収した後、カラム精製(シリカゲル500g、溶媒トルエン)し、下記式(1−2)で示されるフタロシアニン化合物21.8g(収率65%)を得た。
可視吸光スペクトル及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0062】
可視吸収:
λmax=736nm
εg=2.1×105cm2g−1(溶媒:トルエン)
【0063】
【化9】
【0064】
上記フタロシアニン化合物5.2g(3.9mmol)を1,1,2−トリクロルエタン30gに溶解させ、水10gを加えた。次に臭素5.0g(31.4mmol)と1,1,2−トリクロルエタン5gとの混合溶液を50〜55℃で30分で滴下し、同温度で1時間して終了した。15%亜硫酸水素ナトリウム水溶液8.6gを加えて洗浄した。有機層をメタノール100g滴下し、析出した結晶を濾過し、乾燥後、カラム精製(シリカゲル100g、溶媒トルエン)し、臭素化フタロシアニン化合物8.6gを得た。元素分析より臭素は14.9個置換していること、FD−MSより臭素は全て側鎖に置換していることがわかった。
可視吸光スペクトル及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0065】
可視吸収:
λmax=721nm
εg=2.1×105cm2g−1(溶媒:トルエン)
【0066】
上記フタロシアニン化合物のジブチルエ−テル溶液(10g/l)を実施例1と同様にスピンコーターによりCD−R用ポリカーボネート基板上に塗布し、その上に金をスパッタ蒸着し、続いてUV硬化樹脂を用いて保護層を形成し、CD−R型媒体を作製した。この媒体に780nmの半導体レーザーを用いて線速1.4m/sでEFM信号を5.0mWのパワーで書き込んだときのエラーレートは0.2%未満であり、0.5mWの再生光で百万回再生を行っても変化がなかった。また80℃/85%の条件で1000時間経過後も記録・再生に支障はなかった。
【0067】
実施例4
実施例3で合成したフタロシアニン化合物(1−2)5.2g(3.9mmol)を1,1,2−トリクロルエタン30gに溶解させ、水10gを加えた。次に臭素9.7g(60.5mmol)と1,1,2−トリクロルエタン11gとの混合溶液を50〜55℃で30分で滴下し、同温度で1時間して終了した。15%亜硫酸水素ナトリウム水溶液8.6を加えて洗浄した。有機層をメタノール80g滴下し、析出した結晶を濾過し、乾燥後、カラム精製(シリカゲル100g、溶媒トルエン)し、臭素化フタロシアニン化合物9.3gを得た。NMRより側鎖二重結合は全て臭素が置換していること、元素分析より臭素は19.5個置換していることがわかった。よって環には3.5個置換していることがわかった。
可視吸光スペクトル及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0068】
可視吸収:
λmax=736nm
εg=2.3×105cm2g−1(溶媒:トルエン)
【0069】
上記フタロシアニン化合物のジブチルエ−テル溶液(10g/l)を実施例1と同様にスピンコーターによりCD−R用ポリカーボネート基板上に塗布し、その上に金をスパッタ蒸着し、続いてUV硬化樹脂を用いて保護層を形成し、CD−R型媒体を作製した。この媒体に780nmの半導体レーザーを用いて線速1.4m/sで5.0mWのパワーで記録し、0.5mWの再生光で百万回再生を行っても変化がなかった。また80℃/85%の条件で1000時間経過後も記録・再生に支障はなかった。
【0070】
実施例5
実施例1と同様の容器に、3−(2−ペントキシ)−4,6−ビス(1−プロペニル)フタロニトリル29.4g(0.1モル)、DBU15.2g(0.1モル)、及びn−アミルアルコール125gを装入し、窒素雰囲気下で、100℃まで昇温させた。次に、同温度で塩化第一銅3.0g(0.03モル)を添加し、95〜100℃で10時間反応させた。反応終了後、冷却し、不溶物を濾別した。濾液を減圧濃縮して溶媒を回収した後、カラム精製(シリカゲル500g、溶媒トルエン)し、下記式(1−3)で示されるフタロシアニン化合物24.8g(収率80%)を得た。
可視吸光スペクトル及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0071】
可視吸収:
λmax=756nm
εg=2.4×105cm2g−1(溶媒:トルエン)
【0072】
【化10】
【0073】
上記フタロシアニン化合物4.9g(3.9mmol)を1,1,2−トリクロロエタン35gに溶解させ、水10gを加えた。次に臭素5.0g(32mmol)と1,1,2−トリクロロエタン5.0gとの混合溶液を50〜55℃で30分で滴下し、同温度で2時間反応した。10%亜硫酸水素ナトリウム10gで洗浄した。有機層を分液後、メタノール80gに滴下し析出した結晶を濾過し乾燥後、カラム精製(シリカゲル100g、溶媒トルエン)し、臭素化フタロシアニン7.9gを得た。元素分析より臭素は15.3個置換していること、FD−MSより臭素は全て側鎖に置換していることがわかった。
可視吸光スペクトル及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0074】
可視吸収:
λmax=717nm
εg=2.4×105cm2g−1(溶媒:トルエン)
【0075】
上記フタロシアニン化合物10gをジブチルエ−テルとジイソプロピルエーテルの3:1(体積比)混合溶媒500mlに溶解し、スピンコーターによりポリカ−ボネート製光カード基板上に厚み100nmで塗布し、続いて塗布面にUV硬化樹脂を用いて保護層を形成し、光カ−ドを作製した。この媒体に780nm、線速2m/s,4mWの半導体レーザー光により記録したとき、CN比は61dBであった。また、線速2m/s,0.8mWのレーザ−光により再生可能で、再生光安定性を調べたところ、105回の再生が可能であった。さらにこの光カ−ドは保存安定性も良好なものであった。
【0076】
実施例6
実施例5のフタロシアニン化合物(1−3)4.9g(3.9mmol)を1,1,2−トリクロロエタン35gに溶解させ、水10gを加えた。次に臭素5.0g(32mmol)と1,1,2−トリクロロエタン5.0gとの混合溶液を50〜55℃で30分で滴下し、同温度で2時間反応した。10%亜硫酸水素ナトリウム10gで洗浄した。有機層を分液後、メタノール80gに滴下し析出した結晶を濾過し乾燥後、カラム精製(シリカゲル100g、溶媒トルエン)し、臭素化フタロシアニン8.5gを得た。元素分析より臭素は18.2個置換していること、FD−MSより側鎖二重結合は全て臭素に置換していることがわかった。よって環には2.2個置換していることがわかった。
可視吸光スペクトル及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0077】
可視吸収
λmax=731nm
εg=2.3×105cm2g−1(溶媒:トルエン)
【0078】
上記フタロシアニン化合物のエチルシクロヘキサン溶液(20g/l)を実施例1と同様にスピンコーターによりCD−R用ポリカーボネート基板上に塗布し、その上に金をスパッタ蒸着し、続いてUV硬化樹脂を用いて保護層を形成し、CD−R型媒体を作製した。この媒体に780nmの半導体レーザーを用いて線速2.8m/sでEFM信号を5.5mWのパワーで書き込んだときのエラーレートは0.2%未満であり、0.5mWの再生光で百万回再生を行っても変化がなかった。また80℃/85%の条件で1000時間経過後も記録・再生に支障はなかった。
【0079】
実施例7
実施例1と同様の容器に、3−(2,4−ジメチル−3−ペントキシ)−4,6−ビス(1−プロペニル)フタロニトリル32.2g(0.1モル)、DBU15.2g(0.1モル)、及びn−アミルアルコール125gを装入し、窒素雰囲気下で、100℃まで昇温させた。次に、同温度で塩化パラジウム5.3g(0.03モル)を添加し、95〜100℃で25時間反応させた。反応終了後、冷却し、不溶物を濾別した。濾液を減圧濃縮して溶媒を回収した後、カラム精製(シリカゲル500g、溶媒トルエン)し、下記式(1−4)で示されるフタロシアニン化合物20.9g(収率60%)を得た。
可視吸光スペクトル及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0080】
可視吸収:
λmax=736nm
εg=2.4×105cm2g−1(溶媒:トルエン)
【0081】
【化11】
【0082】
上記フタロシアニン化合物5.1g(3.7mmol)を1,1,2−トリクロロエタン35gに溶解させ、水10gを加えた。次に臭素4.7g(30mmol)と1,1,2−トリクロロエタン5.0gとの混合溶液を50〜55℃で30分で滴下し、同温度で2時間反応した。10%亜硫酸水素ナトリウム10gで洗浄した。有機層を分液後、メタノール80gに滴下し析出した結晶を濾過し乾燥後、カラム精製(シリカゲル100g、溶媒トルエン)し、臭素化フタロシアニン7.4gを得た。元素分析より臭素は14.4個置換していること、FD−MSより臭素は全て側鎖に置換していることがわかった。
可視吸光スペクトル及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0083】
可視吸収:
λmax=723nm
εg=2.2×105cm2g−1(溶媒:トルエン)
【0084】
上記フタロシアニン化合物10gをジブチルエ−テルとジイソプロピルエーテルの3:1(体積比)混合溶媒500mlに溶解し、スピンコーターによりポリカ−ボネート製光カード基板上に厚み100nmで塗布し、続いて塗布面にUV硬化樹脂を用いて保護層を形成し、光カ−ドを作製した。この媒体に780nm、線速2m/s,4mWの半導体レーザー光により記録したとき、CN比は61dBであった。また、線速2m/s,0.8mWのレーザ−光により再生可能で、再生光安定性を調べたところ、105回の再生が可能であった。さらにこの光カ−ドは保存安定性も良好なものであった。
【0085】
実施例8
実施例7のフタロシアニン化合物(1−4)5.1g(3.7mmol)を1,1,2−トリクロロエタン35gに溶解させ、水10gを加えた。次に臭素9.0g(57mmol)と1,1,2−トリクロロエタン10.0gとの混合溶液を50〜55℃で30分で滴下し、同温度で2時間反応した。10%亜硫酸水素ナトリウム10gで洗浄した。有機層を分液後、メタノール80gに滴下し析出した結晶を濾過し乾燥後、カラム精製(シリカゲル100g、溶媒トルエン)し、臭素化フタロシアニン8.7gを得た。元素分析より臭素は18.7個置換していること、FD−MSより側鎖二重結合は全て臭素に置換していることがわかった。よって環には2.7個置換していることがわかった。
可視吸光スペクトル及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0086】
可視吸収:
λmax=735nm
εg=2.0×105cm2g−1(溶媒:トルエン)
【0087】
上記フタロシアニン化合物のエチルシクロヘキサン溶液(20g/l)を実施例1と同様にスピンコーターによりCD−R用ポリカーボネート基板上に塗布し、その上に金をスパッタ蒸着し、続いてUV硬化樹脂を用いて保護層を形成し、CD−R型媒体を作製した。この媒体に780nmの半導体レーザーを用いて線速2.8m/sでEFM信号を5.5mWのパワーで書き込んだときのエラーレートは0.2%未満であり、0.5mWの再生光で百万回再生を行っても変化がなかった。また80℃/85%の条件で1000時間経過後も記録・再生に支障はなかった。
【0088】
実施例9
実施例1と同様の容器に、3−(3−メチル−ブトキシ)−4−(1−メチル−1−プロペニル)−6−(1−プロペニル)フタロニトリル30.8g(0.1モル)、DBU15.2g(0.1モル)、及びn−アミルアルコール120gを装入し、窒素雰囲気下で、100℃まで昇温させた。次に、同温度で塩化パラジウム5.3g(0.03モル)を添加し、95〜100℃で15時間反応させた。反応終了後、冷却し、不溶物を濾別した。濾液を減圧濃縮して溶媒を回収した後、カラム精製(シリカゲル500g、溶媒トルエン)し、下記式(1−5)で示されるフタロシアニン化合物21.8g(収率65%)を得た。
可視吸光スペクトル及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0089】
可視吸収:
λmax=733nm
εg=2.0×105cm2g−1(溶媒:トルエン)
【0090】
【化12】
【0091】
上記フタロシアニン化合物5.2g(3.9mmol)を1,1,2−トリクロロエタン35gに溶解させ、水10gを加えた。次に塩化スルフリル4.3g(32mmol)と1,1,2−トリクロロエタン5.0gとの混合溶液を50〜55℃で30分で滴下し、同温度で2時間反応した。10%水酸化ナトリウム水溶液31gを加えて中和した。有機層を分液後、メタノール80gに滴下し析出した結晶を濾過し乾燥後、カラム精製(シリカゲル100g、溶媒トルエン)し、塩素化フタロシアニン7.7gを得た。元素分析より塩素は15.7個置換していること、FD−MSより塩素は全て側鎖に置換していることがわかった。可視吸光スペクトル及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0092】
可視吸収:
λmax=716nm
εg=2.3×105cm2g−1(溶媒:トルエン)
【0093】
上記フタロシアニン化合物10gをジブチルエ−テルとジイソプロピルエーテルの3:1(体積比)混合溶媒500mlに溶解し、スピンコーターによりポリカ−ボネート製光カード基板上に厚み100nmで塗布し、続いて塗布面にUV硬化樹脂を用いて保護層を形成し、光カ−ドを作製した。この媒体に780nm、線速2m/s,4mWの半導体レーザー光により記録したとき、CN比は61dBであった。また、線速2m/s,0.8mWのレーザ−光により再生可能で、再生光安定性を調べたところ、105回の再生が可能であった。さらにこの光カ−ドは保存安定性も良好なものであった。
【0094】
実施例10
実施例9のフタロシアニン化合物(1−5)5.2g(3.9mmol)を1,1,2−トリクロロエタン35gに溶解させ、水10gを加えた。次に臭素9.4g(59mmol)と1,1,2−トリクロロエタン10.0gとの混合溶液を50〜55℃で30分で滴下し、同温度で2時間反応した。10%亜硫酸水素ナトリウム10gで洗浄した。有機層を分液後、メタノール80gに滴下し析出した結晶を濾過し乾燥後、カラム精製(シリカゲル100g、溶媒トルエン)し、臭素化フタロシアニン8.4gを得た。元素分析より臭素は19.5個置換していること、FD−MSより側鎖二重結合は全て臭素に置換していることがわかった。よって環には3.5個置換していることがわかった。
可視吸光スペクトル及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0095】
可視吸収:
λmax=731nm
εg=2.1×105cm2g−1(溶媒:トルエン)
【0096】
上記フタロシアニン化合物のエチルシクロヘキサン溶液(20g/l)を実施例1と同様にスピンコーターによりCD−R用ポリカーボネート基板上に塗布し、その上に金をスパッタ蒸着し、続いてUV硬化樹脂を用いて保護層を形成し、CD−R型媒体を作製した。この媒体に780nmの半導体レーザーを用いて線速2.8m/sでEFM信号を5.5mWのパワーで書き込んだときのエラーレートは0.2%未満であり、0.5mWの再生光で百万回再生を行っても変化がなかった。また80℃/85%の条件で1000時間経過後も記録・再生に支障はなかった。
【0097】
実施例11〜21
実施例1と同様にして下記第1表に示すハロゲン化フタロシアニン化合物を合成し、実施例1と同様にCD−R媒体を作製し、780nmの半導体レーザーを用いて線速1.4m/secでEFM信号を書き込むのに必要なレーザーパワー(mW)を測定し、その時のエラーレートを評価した。エラーレートの評価として、○はエラーレートが10未満、×はエラーレートが10以上であることを示す。また、比較例として下記構造式(A)で示される特開平3−62878号公報(USP 5124067)の例示化合物を用いて実施例1と同様にして作製した媒体を同様に評価した。結果を第1表に示す。
【0098】
【化13】
【0099】
【表1】
【0100】
【表2】
【0101】
【表3】
【0102】
【発明の効果】
本発明のフタロシアニン化合物は、アルコキシ基及びハロゲン原子が置換したアルキル基あるいはアルケニル基がフタロシアニン環に置換したため、基板にスピンコート法により塗布する際に使用する溶媒への溶解性が向上した。また、アルキル基あるいはアルケニル基及びフタロシアニン環に置換したハロゲン原子が、記録時に色素の分解・溶融が制御され精度の高いピット形成が行われたこと、分解発熱量の減少により記録媒体の樹脂基板へのダメージが減少したこと、反射層を有する記録媒体の場合は記録層と反射層である金属層との密着性が向上したことに寄与し、従来の記録法のみならず、従来に比較して高速である記録、あるいは高密度の記録法においても光記録媒体の感度、記録特性の向上に効果を上げた。
Claims (4)
- 一般式(1)において、Mで表される中心金属が、Pd,Cu,Ru,Pt,Ni,Co,Rh,Zn,VO,TiO,Si(Y)2,Sn(Y)2,Ge(Y)2(Yはハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、ヒドロキシ基、アルキル基、アリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、トリアルキルシリルオキシ基、トリアルキルスズオキシ基、またはトリアルキルゲルマニウムオキシ基を表す。)である請求項1記載のフタロシアニン化合物。
- 請求項1または2に記載のフタロシアニン化合物を含有してなる光記録媒体。
- 基板上に、請求項1または2に記載のフタロシアニン化合物を含有する記録層、その上に金またはアルミニウムからなる反射層、さらにその上に保護層を積層した構成である請求項3記載の光記録媒体。
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